監視、捜索および/または救助のための装置およびシステム
本発明はガイドに沿って移動可能なシステムである。システムは、質量中心を有するハウジング、第1ホイールおよび第2ホイールを備えている。第1ホイールと第2ホイールの各々はハウジングに接続され、それぞれの軸の周りを回転するように構成されている。各軸は質量中心から変位した位置にあり、第1ホイールと第2ホイールをガイドと摩擦係合すべく付勢する回転モーメントを生じさせる。本発明はさらに、回転手段と、回転手段と通信し、ハウジングから離れた位置に配置された制御装置とを包含する。ハウジングはガイドに対して相対移動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視、捜索および/または救助のための装置およびシステムに関する。
本願は2004年7月12日に出願された米国特許出願出願番号第10/889,091号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
既存の輸送手段が利用可能でない場所で、ある距離にわたって負荷体を輸送する便利で効率的な手段は、多くの用途を有している。恐らく最も注目に値するのは、そのような輸送を可能にする装置またはシステムは、高層ビルからのように近づきにくい位置から人を脱出させるために使用することができる。9/11の災害によって、人々が構造体の破壊、火災、または他の状況に捕らわれた場合に建物から人々を脱出させることを可能にする装置またはシステムの必要性が確認された。9/11の災害は、本発明の装置またはシステムが救命に役立つ可能性があった最も注目すべき例であるが、そのような状況は定期的に発生している。プエルトリコのサンファン(Sun Juan)で、数年前にデュポンプラザホテル(Dupont Plaza Hotel)が火災に遭った時には、86人の命が失われた。1980年には、ネバダ州ラスベガス(Las Vegas)のMGMグランドホテル(MGM Grand Hotel)が焼けた時には、85人の人が亡くなった。後者の例では、人命は、主にエレベーターシャフトを通じて上昇する有毒ガスと煙により失われた。いずれの事例でも、屋上から人々を引き上げるためにヘリコプターが使用され、少数の人はこの方法を使用して救助された。しかしながら警戒体制で多数の人を引き上げることが可能なヘリコプターを利用できることは少なく、いくつかの現場では存在しない場合がある。さらに、燃えている建物環境でのヘリコプターの使用は、熱、煙、および、高い建物の近くで通常存在する火や風の流れによって引き起こされる乱流により、さらなる危険を提示する。
【0003】
9/11の災害の場合では、エレベータが使用できず、建物からの避難手段としては緊急の吹き抜け階段または窓を残すのみであった。窓の使用は、消防はしごがその窓に達することができなければ許容できず、非常に高い建物では当てはまらないことが多い。吹き抜け階段は遅く、また消防士が同じ吹き抜け階段を使用して上階に到達しなければならないため、吹き抜け階段が混雑し、吹き抜け階段を下りて外に出る人々の動きを消防士が妨害することになると共に、火を消すために階段を上がる消防士の動きを建物から逃げる人が妨害することになる。さらに、吹き抜け階段は障害者にとっては選択肢とならない可能性があり、また、負傷者を吹き抜け階段から下ろして移動させることは困難である。
【0004】
建物から人々を脱出させる装置またはシステムの必要性は、火災の状況に限定されているわけではない。地震または構造的欠陥の結果としての建物の部分的な崩壊も、同様の必要性につながる。建物の部分的な崩壊によって、生存者が上階に閉じ込められると、そこで生存者が脱出を試みたり、救命隊員が生存者の所にたどり着こうとしたりするのは困難かつ危険なことである。
【0005】
救助シナリオに加えて、ある距離にわたって負荷体を垂直にまたは水平に移動させる効率的で独立した手段の必要性が存在する。例えば、高層ビル、橋およびその同等物の建設の最中には、ある距離にわたって負荷体を移動させることが一般に必要である。
【0006】
上記のいずれのシナリオでも、輸送の装置またはシステムが、それ自身の電源、移動手段およびその同等物を有しているという点で、本当に独立していることが望ましい。そのような装置は、宇宙での材料の輸送にも、すなわち「宇宙エレベータ」としても、必要とされている。坑道に沿って負荷体を移動させたり、そこから人を脱出させたりする手段も
また必要とされている。脱出に加えて、人をある位置に配置し、そこからの監視を可能にするシステムまたは装置も必要とされている。以下により詳細に説明されるように、上記のおよび他の要求は本発明により叶えられる。
(発明の概要)
本発明の装置は、ローラ対に対するネットトルクを利用して、ローラ間を通過するレールの表面に各ローラの位置で垂直抗力を引き起こす原理で作動する。これらの垂直抗力は、次にレール表面でローラ間の摩擦力を引き起こし、これは印加トルクが装置をレールに沿って上または下に移動させることを可能にする。
【0007】
本発明の1実施形態は、質量中心を有するハウジングと、質量中心より先端側の終点とを備えたシステムである。本発明のこの実施形態は、好ましくは、第1回転軸の周りを回転するように構成された第1ホイールと、ハウジングに接続され、第2軸の周りを回転するように構成された第2ホイールとを備えている。第2軸は好ましくは第1軸と略平行に延びている。第1軸および第2軸は、第1の距離および第2の距離だけ、それぞれ質量中心から変位した位置にある。第1の距離は第2の距離よりも大きくても小さくてもよい(が、好ましくは等しくはない)。
【0008】
質量中心に対するこのような第1軸と第2軸の構成は、第1ホイールおよび第2ホイールの両方を第1ホイールと第2ホイールの間に配置されたガイドと摩擦係合すべく付勢する回転モーメントを生じさせる。ガイドは、第1ホイールと第2ホイールの各々に接線方向に摩擦係合する。本発明のこの実施形態は、好ましくは、回転手段と、回転手段と通信する第1セットの制御装置とを備えている。この制御装置はハウジングから離れた位置に配置される。
【0009】
本発明のこの実施形態は、好ましくは、ハウジングに接続された取付装置をさらに備えている。取付装置は好ましくはケージを有する。第1ホイールの回転は、システムをガイドに対して相対移動させる。任意選択で、本発明は、第1ホイールの周面のギア歯と、レール上のそれと対合しかみ合うギア歯とを備えてもよい。
【0010】
本発明の好ましい実施形態では、取付装置はカメラを有する。この好ましい実施形態では、本発明は、ハウジングの表面へ接続されるポールを備えてもよく、カメラはポールに取り付けられる。任意選択で、ポールは伸縮的であって、ポールの長さは、ハウジングから離れた位置に配置された第2セットの制御装置の操作により選択的に調節可能であってもよい。
【0011】
さらに、ポールの長手方向軸の周りの360度に及ぶフィールドから人が選択的に像を受け取ることを可能にするように、カメラは回転可能であってもよい。さらにカメラは、ポールの長手方向軸と直交する軸の周りを回転可能であってもよい。この実施形態では、第2セットの制御装置が、ポールに直交する軸の周りでのカメラの選択的な回転を可能にするようにさらに構成され得る。
【0012】
本発明は、カメラによって受け取られた像を人が見ることを可能にするビュー装置を備えてもよい。本発明は、カメラによって受け取られた像を格納および記録するための記録装置をさらに備えていてもよい。カメラは、広角の視野を備えた周回カメラ等のいかなる公知のタイプのカメラであってもよい。さらに、カメラは、ビデオカメラ、スチルカメラ、デジタルカメラ、感熱性カメラ、動作検知カメラまたはその同等物であってもよい。
【0013】
本発明の好ましい実施形態では、ガイドは垂直方向を向き、例えばエレベーターシャフトの壁のような建物の壁や、または建物の外表面に沿って配置される。本発明は、好ましくは本発明の質量中心に近接する点でハウジングに接続されたケージをさらに備えてもよ
い。
【0014】
本発明の別の実施形態は、T字形の中央の主要部材に質量中心がある略T字形の断面を有するハウジングを備える。本発明のこの実施形態は、それぞれの第1ホイールがT字形のそれぞれの交差部材に配置された、第1のホイール対を備える。第1のホイール対の各ホイールは第1軸の周りを回転するように構成される。
【0015】
本発明は、ハウジングに接続され、第2軸の周りを回転するように構成された第2のホイール対をさらに備えてもよい。第2軸は質量中心から変位した位置にあり、第1軸と略平行である。
【0016】
本発明は、少なくとも1つの駆動輪すなわち駆動ホイールを回転させるために回転手段をさらに備えてもよい。このような実施形態では、駆動ホイールは好ましくは第1のホイール対の内の少なくとも1つのホイールである。代わりに、駆動ホイールは第2のホイール対の内の少なくとも1つのホイールであってもよい。回転手段はハウジング内に位置する。本発明は、選択的に回転手段を作動させる第1セットの制御装置をさらに備えてもよい。第1セットの制御装置はハウジングから離れた位置に配置され得る。
【0017】
本発明の1実施形態は、第1のレールおよび第1のレールから離間した第2のレールを備えると共にそれらに対して略平行を向いたガイドを備える。この実施形態では、第1レールと第2レールの各々は、第1のホイール対のそれぞれ1つおよび第2のホイール対のそれぞれ1つの周面に摩擦によって接線方向で係合するように配置される。第1レールと第2レールは離間され、その結果、T字形ハウジングの交差部材はレールの背後にあり、T字形ハウジングの主要部材は第1レールと第2レールの間に突出する。
【0018】
ハウジングにはカメラが接続されてもよく、このような実施形態では、本発明は好ましくは、カメラから見えるビューを選択的に変更する第2セットの制御装置を備える。第2セットの制御装置はハウジングから離れた位置に配置される。
【0019】
本発明は、カメラと通信し、カメラに入力された像を表示するように構成されたビュアーをさらに備えてもよい。システムは、第1ホイールの少なくとも1つを回転させることによりレールに沿って移動し、それによりハウジングをガイドに対して相対移動させる。
【0020】
本発明は、ハウジングの交差部材より先端側の箇所でハウジングの主要部材に接続されたケージをさらに備えてもよい。ケージはケーブルによりハウジングに接続され得る。回転手段を選択的に作動させる第1の制御装置はケージ内に配置され得る。
【0021】
本発明は、ハウジングから延びるポールをさらに備えてもよい。この実施形態では、カメラはポールに取り付けられる。このポールは伸縮式であってよく、それにより人は選択的にポールの長さを変更することが可能である。ポールの長手方向軸の周りの360度の視野を見ることを可能にするために、カメラは選択的に配置され得る。
【0022】
好ましい実施形態では、回転手段は、第1回転軸すなわち第1のホイール対の軸とほぼ同心の駆動軸を有する油圧モータを有する。
本発明は、第1のホイール対の各ホイールの周面上のギア歯と、それに適合する第1レールと第2レールの各々の内表面上のギア歯とをさらに備えてもよい。このような対合し適合する歯は、ガイドに対するハウジングの相対移動を促進する。
【0023】
好ましい実施形態では、カメラは赤外線カメラまたは感熱性カメラ、もしくは光が不足するか通常の視野が制限されている場合に像を送信することができる任意のタイプの公知
の装置である。カメラの観点からは、第1に建物の壁によるかまたは煙または火によって、第2に電力の喪失、従って電気の損失および人工光の損失によって、視線は制限されていてもよいし、または塞がれていてもよい。もちろん、通常のカメラも使用され得る。
【0024】
好ましくは、ガイドは垂直方向を向き、建物の壁に沿って配置される。この実施形態では、レールは習慣として壁に結合される。さらにこの実施形態は、ハウジングに接続されたケージを備える。ケージは、底部と、底部から上方に延びる側壁とを有し得る。任意選択で、単一のホイール(または一対のホイール)が壁に係合するためにケージから延びてもよい。
【0025】
本発明は、ケージに近接して、好ましくはケージ内に配置された、遠隔制御ロボットをさらに備えてもよい。ロボットはその移動性を促進する装置を装備し、その移動性はロボットから離れた位置から制御可能である。ロボットはカメラおよび音声通信装置をさらに備えてもよい。好ましくは、音声通信装置は双方向の音声通信を可能にする。もちろん、ロボット上のカメラと通信するビュー装置または記録装置と同様、ロボットに受け取られた音声メッセージを格納する記録装置も、好ましい。ロボットは地面から完全に離れて制御されてもよいし、またはケージ上のオペレータによって制御されてもよい。
【0026】
本発明の他の目的、利点および新規な特徴は、添付図面と共に本発明の以下の詳細な説明から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
ここで、同様な番号は同様な部分を示す図面を参照する。
図1は、本発明の種々の実施形態の根底的概念の略図を示す。本発明の装置は、ローラ対に対するネットトルクを利用して、ローラ間を通過するレールの表面に各ローラの位置で垂直の力を引き起こす原理で作動する。これらの垂直抗力は、次にレール表面でのローラ間の摩擦力を引き起こし、これは印加トルクが装置をレールに沿って上または下に移動させることを可能にする。
【0028】
図1は、負荷体(図示しない)から延びるロッドまたは棒状部分111を示す。負荷体より先端側の棒状部分の端部には、クロスバー部分113が固定的に取り付けられ、棒状部分111に対して角度をなして配置され、クロスバー113の第1の終端113aは負荷体に関して先端側に延びると共に、クロスバー113の第2の終端113bは負荷体に関して基端側に延びている。クロスバー部分113の第1の終端113aでは、第1ホイール125が固定的に回転可能に取り付けられている。クロスバー部分113の第2の終端113bでは、第2ホイール127が固定的に回転可能に取り付けられている。第1ホイール125と第2ホイール127の間にはレール114が配置されている。矢印119は負荷体の重量によってシステムに課される重力の方向を示す。この力が、第1ホイール125と第2ホイール127にネットトルクを引き起こす。このネットトルクにより、次に、第1ホイール125および第2ホイール127が、レール114に垂直抗力を与える。これらの垂直抗力は、レール114と第1ホイール125および第2ホイール127との間の摩擦力を引き起こす。例えば電動モータによって第1ホイール125が回転させられると、レール114と第1ホイール125および第2ホイール127との間の摩擦力によって装置はレール114に沿って移動することができる。上記の説明は本発明の一般的原理についての理解を提供するものであり、本発明の様々な態様は以下により詳しく説明する。
【0029】
図2は、捜索および救命装置として使用中の本発明のシステムの斜視図を示す。システム10は、水平方向を向き建物16の側壁に接続されたガイド14内に係合するように構成されたハウジング12を備えている。実際、本明細書に使用する場合、「ガイド」とい
う用語は、システム10の動きまたは動作を規制または指示するように作用するすべての装置を含む。したがって、ガイド14は建物16に装着されたレールタイプのガイドで示されているが、ガイド14は、コードまたはケーブル、好ましくはピンと引っ張られたケーブルのような、他の構造物を含んでもよい。ケーブルが使用される場合、システム10は、定位置に打ち込まれ得る引っ掛け用フックの配置により、表面に取り付けられ得る。ガイド14は建物16に凹設されたT字形通路でもよいし、または他の構造体であってもよい。凹設されたT字形通路は、ある人には望ましいと感じられ得る審美的配慮を与える。
【0030】
システム10は建物16の表面を垂直に横断することができる。ハウジング12にはケージ20が取り付けられ得る。ハウジング12はケージ20上または例えば地面のような遠隔位置に配置され得る1セットの制御装置(図2には図示していない)によって選択的に移動可能である。建物16から人々22を救出するために、オペレータはケージ20を窓18と整列させて、人々22がそれぞれの窓18から脱出してケージ20に入れるようにする。本明細書に使用する場合、「ケージ」という用語は、その占有者に対する包囲体を提供する能力に関しては特に考慮せず、システムと共に上昇または下降することができる任意の構造物を含むものとする。例えば、プラットホームは十分であり得る。システム20は人が上から見ることを可能にするカメラ30を好ましくは備えている。
【0031】
垂直方向を向いたシステム10が示されているが、本発明のシステムは例えば水平に移動するシステム、斜めに移動するシステム、およびその同等物のような、別の方向のものも包含し、それにも及んでいる。さらに、システム10は、例えばらせん、曲線、およびその同等物のような、種々の形状に対応するように構成され得る。
【0032】
システム10は、人がハウジング12に接続されたカメラ30によって捕らえられた像を見ることを可能にする、いずれもカメラ30と通信するビュー装置23および記録装置24を備えている。システム10から離れた位置から操作され、観察され、制御されるので、本発明は、捜索救助隊が、その救助隊の構成員の生命を危くすることなく、取り残された人々に22の位置を特定し、発見し、そこに到達することを可能にする。もちろん、システム10は、ケージ20に乗っている救助隊の隊員によっても操作され得る。
【0033】
好ましい実施形態では、システム10は、救助隊によってハウジング12に接続され得るケージ20を備え、救助隊は緊急電話に応じて特定のケージ20を持って来る。このような実施形態では、ケージ20がハウジング12に素早く接続できるようになっていることが好ましい。雄ピン(図示しない)とスナップ適合とを使用した結合がうまく作用し得ることが分かったが、もちろんケーブルタイプの取り付けも可能である。したがって、システム10は、ガイド14が建物16に取り付けられることを要求する。もちろん、ケージ20とハウジング12とが緊急シナリオに持って来ることが可能な単一のモノリシックな1つの部分から成る構造物として形成されるように、システム10が構成されてもよい。
【0034】
本発明のシステム10は様々な環境で機能的な用途を有する。例えば、システム10は、大きな観光船、航空母艦、または他の船につながれてもよい。システム10は、井戸、洞窟、または鉱山の探索または調査における用途を有し得る。またシステム10は、高い記念碑、無線通信塔、油井または石油プラットホーム、もしくはその同等物のような非常に高い構造物の修理またはメンテナンスを可能にするために使用され得る。
【0035】
システムの安全性を強化するために、システムが制動装置、すなわちシステムが故障(故障には、ハウジングからのケージの分離またはハウジングのレールに対する把持手段の喪失が含まれ得るがそれらに限定されるわけではない)した場合の損傷を防止する手段を
備えていることが好ましい。例えば、システムは、システムの急落を遅らせる、表面に係合する制動装置を備えてもよい。
【0036】
図3は、ガイド14と組み合わされたハウジング12の1実施形態の詳細図を示す。図3に示されるように、ガイド14は、離間した関係にある第1のレール14Aと第2のレ
ール14Bとを有する。代替実施形態では、ガイド14は単一の標準的なC字型通路のビ
ームを有してもよいし、または一対の離間したI字形ビームにより構成されてもよい(図10を参照)。ハウジング12は、主要部材12pおよび交差部材12cを備え、略T字形の断面を有する。交差部材12cがガイド14の背後にあり、ハウジング12の主要部材
12pがレール14Aと14Bとの間の空間を通って突出するように、ハウジング12とガ
イド14は協同的に構成されている。図に示されている場合、ハウジングはその内容を包囲するように構成されているが、ハウジング12は包囲体を提供する必要はない。代わりに、ハウジング12の内容が露出された開放したブラケットまたはフレームを備えたハウジングは本発明の範囲内にある。すなわち、「ハウジング」という用語は、本明細書に使用する場合、任意のフレーム、ブレース、ブラケットまたは支持体と互換的であって、したがって必ずしも包囲体を提供する必要はない。
【0037】
第1ホイール25はハウジング12の交差部材12cから突出するため、ハウジング1
2の質量中心Cより先端側にある。第2ホイール27は、T字形ハウジング12の主要部材12pに沿ってハウジング12に接続されている。本明細書に使用する場合、「接続」
という用語は、接続されている部分間に直接の接触が存在するかどうかに関係なく、構成要素をつなぐいかなるものをも意味するものと解釈されるべきである。レール14Aは第
1ホイール25と第2ホイール27の間に配置され、ホイール25,27の各々の周面に接線方向で摩擦係合している。ハウジング12の質量中心Cに対するホイール25および27のこの構成により、第1ホイール25をガイド14の内表面に対して付勢すると共に第2ホイール27をガイド14の外表面に対して付勢する回転モーメントMが生じる。さらに、このモーメントMは、質量中心Cよりも先端側の箇所でハウジング12にケージ20を取り付けることにより増強することが可能である。この自然に生成されたモーメントMは固定作用を生じさせ、ハウジング12はガイド14上でしっかりと保持される。回転モーメントMの付勢作用は別の実施形態でも達成できるが、これについては図7および8に関連して以下により詳しく説明する。さらに、この付勢作用は、ピストンタイプの装置またはばねのような任意の公知の付勢装置によって、モーメントMの生成とは別の方法で作成されてもよい。
【0038】
示されているように、ハウジング12には、好ましくは主要部材12pの上部の表面で
、ポール28が取り付けられている。システム10は、ハウジング12好ましくはポール28に接続されたカメラ30をさらに備えている。カメラ30は、例えば赤外線カメラ、暗視カメラまたは通常のビデオデジタル装置のような、任意の公知のタイプの像送信装置であってよい。さらには、カメラに加えてまたはカメラの代わりに、ミリメートル波スキャナがシステムを補足してもよい。ミリメートル波スキャナの例は、ユーグニン(Huguenin)等の米国特許第5,760,397号に開示されている。したがって、米国特許第5,760,397は、あたかも一字一句が述べられているかのように参照により本明細書に組み込まれものとする。
【0039】
この実施形態では、システム10は、捜索救命装置としてのみならず監視セキュリティシステムとしても使用され得る。セキュリティカメラは、種々の高い建物または構造物の外部または内部に取り付け可能であり、監視またはセキュリティに適した広いパノラマ風景を可能にする。所望のエリアを拡大表示したり見たりするために、ハウジング12の位置だけでなくポール28の高さおよびカメラ30の角度も遠隔制御することが可能である。もちろん、セキュリティまたは監視システムとして使用される場合には、ケージ20は
必要ないだろう。
【0040】
システム10のケージ20は、ケージ20から延びる底部19と側壁の21とをさらに備えてもよい。好ましい実施形態では、1つの側壁21は、底部19に隣接してケージ20に蝶番で取り付けられたドア17を備えている。もちろん、ドア17の別のまたは追加の配置も可能である。しかしながら、建物16に対面する側壁21にドア17を配置すると、ケージ20のドア17は、建物16へのおよび/または建物16からのケージ20へのアクセスを提供する傾斜路(ramp)として機能することができる。そのような傾斜路は、車椅子生活を余儀なくされた人のように移動性の低い人の介助を支援するだろう。ケージ20は、人々がケージ20から出ることができる別の位置に第2のドア(図示しない)を含んでいてもよい。
【0041】
ケージ20は、ケーブル34、チェーンまたは柱のような任意の公知の方法によってハウジング12に接続され得る。上述したように、ケージとハウジングは、単一の一体のモノリシックな1つの部品から成る構造物として形成され得る。いずれにせよ、例えば雄ピンタイプの取り付け装置の使用によるような迅速かつ簡単な方法を使用して、ハウジング12にケージ20を取り付けることが好ましい。回転手段(図3には図示しない)を操作するための第1セットの制御装置29は、第1ホイール25を回転させ、それにより、ガイド14に対するハウジング12の位置を選択的に調節する。図示されているように一対のホイール32が建物の壁に係合し、各ホイール32はケージ20の両端に隣接して配置されている。
【0042】
第2セットの制御装置31は、ケージ20内に、かつカメラ30と通信する状態で配置されており、それにより、ケージ20内の人はカメラ30を操作し、かつ視野を選択的に変更することが可能である。
【0043】
制御装置29および31は、人がシステム10およびカメラ30を遠隔位置から操作できるように、例えば地面のように遠隔位置に配置されていてもよい。ケージ20の遠隔観察と遠隔制御を可能にするこの構成により、救助隊は、立ち往生している人々を発見し、救助隊の構成員の生命の危険を冒さずに、人々を救助するようケージ20を送ることができる。もちろん、ケージ20内に乗っているシステム10のオペレータもシステム10の構成要素を制御することが可能である。
【0044】
システム10は、カメラ35と音声通信装置39とが搭載された移動ロボット33をさらに備えていてもよい。ロボット33は、人々または火のような「ホットスポット」を検知することができる熱感知装置を備えていてもよい。通信装置39は双方向音声通信を可能にするように構成され得る。好ましくは、ロボット33は、ロボット33を選択的に移動させるために、遠隔制御装置63と通信する。
【0045】
したがって、システム10が救助隊員の生命の危険を冒さずに、非常に高い所から人々を発見し救出する能力を有するように、システム10は全体が遠隔制御されうる。例えば、ハウジング12(従ってシステム全体)を高層建築物の上方に遠隔から移動させ得る。ハウジングに取り付けられたカメラ30を使用すると、助けを必要とする人々を捜索することができる。ドア17が低下され、ロボット33はケージ20から出て建物16の窓18(図2を参照)へ移動されてもよい。
【0046】
したがって、ロボット33は、建物の内部で徘徊することにより、立ち往生している人々の捜索を支援することが可能である。ロボット33は、ケージ20を運転している人によって建物16の中に配置されてもよく、すなわち建物の中に入るように遠隔制御されてもよい。ロボット33を使用して人々の位置が特定されると、音声装置39を使用して立
ち往生している人々と通信することができる。もちろん、遠隔制御装置63は、ロボット33によって検知された像と音の受け取りを可能にする別のビュアー通信ハードウェアを含む(または補足される)ものとする。ロボット33および遠隔制御装置63はバッテリで操作されてもよく、それらの間の通信は赤外線または無線通信のような任意の公知の方法によってなされ得る。
【0047】
図4は、システム10の第1実施形態の平面図を示す。システム10のこの実施形態は、底部19と、底部19から上方に延びる側壁21とを有するケージ20を備えている。コネクタ、例えばケーブル34は、好ましくはハウジング12の主要部材12p上の位置
で、ハウジング12にケージ20を接続する。ケージ20はさらに、略平行かつガイド14に対して離間して配置された一対のトラック(track)66内に係合する一対のホイー
ル32をさらに備える。システムがガイド14に対して移動するときにホイール32がトラック66内に保持されるように、トラック66は配置および構成される。トラック66はシステム10の安定性を増加させるための1つのオプションであるが、高価なオプションである。コストを大幅に縮小させて安定性の増加を達成するための代わりの構造については以下に説明する。
【0048】
第1のホイール対25はハウジング12の交差部材12cの前面に配置される。また、
第2のホイール対27はハウジング12の主要部材12pの上でハウジングに接続される
。カメラ30は、ハウジング12の主要部材12pの上部の表面に結合された状態で示さ
れているが、カメラ30の別の配置ももちろん可能である。
【0049】
各レール14Aおよび14Bの内面は、第1ホイール25および第2ホイール27の各々の周面に接線方向で摩擦係合する。1実施形態では、ホイールは、タイヤが道路を把持するように、レールの表面を摩擦によって把持する。そのため、ホイール25および27には溝すなわちトレッドが装備され得る。しかしながら、示された実施形態では、第1ホイール25は、第1ホイール25の各々の周面の歯と相補的形状にあり対合する歯36を支持する。ハウジング12の交差部材12cはレール14Aおよび14Bの背後にあり、主要
部材12pはレール14Aと14Bの間の空間から外方向に突出している。ホイール25お
よび27の形状は、質量中心C(図実3を参照)およびケージ20の重量と共に、協同して回転モーメントM(図3を参照)を生成する。この回転モーメントMは第1ホイール25をガイド14の内表面に対して付勢すると共に、また第2ホイール27をガイド14の外表面に接触するように付勢する傾向がある。
【0050】
さらに、第1ホイール25をガイド14の内表面に配置された歯36に接触した状態に維持するこの付勢作用をさらに助けるために、ハウジング12の交差部材12cの外表面
に付勢ホイール38が配置され得る。システム10の移動を困難にするしっかりとした固定を付勢モーメントMがガイド14に課してもよい。任意選択で、システム10は、反対
方向に力を働かせることにより自然のモーメントMに抵抗する装置を備えてもよい。
【0051】
図5は、ハウジング12とその内容を詳述する、システム10の第1実施形態の組立分解図を示す。ハウジング12の内部の回転手段40は第1ホイール25を回転させる。回転手段40は油圧モータ、電動モータまたは燃料で動作されるモータを含んでよい。一般に回転手段40は、モータの長手方向軸と概ね同心の駆動軸を有している。動力または原動力がシステムの任意の外部源から必要とされないように、回転手段40は完全に自給式であることが好ましい。
【0052】
多くの例では、システム10は動力または電気アクセスを有しない建物を登るために、または動力源が破壊されたか停止された場合に使用されるだろう、したがって、外部源からの動力が利用不可能な場合でもガイド14に沿って移動できるように、システムはそれ
自身の自給式の動力源を備えて構成されていることが好ましい。第1の軸44は回転手段40を貫通し、第1のホイール対25の各ホイールに対称的かつ同心的に接続される。ホイール25の各々の周面にはギア歯26が、(図4に示した)ガイド14の内表面のギア歯と相補的形状にあり、かみ合い、対合するように構成されている。
【0053】
代替実施形態では、回転手段40は第2ホイール27と連絡してもよい。この実施形態では、ギア歯(図示しない)は第2ホイール27の周面にあり、レール14Aおよび14Bの外表面のギア歯と対応し、かみ合う。
【0054】
油圧モータは当該技術分野において公知であり、油圧モータが各シャフトはモータの長手方向軸に同心である2重シャフトのモータを含むこともよく知られている。この同心の構成の例はスガハラ(Sugahara)の米国特許第4,907,495号に見出すことができるし、ショープス(Schoeps)の米国特許第5,704,434号にも見出すこともできる。
これらの特許の各々、すなわちスガハラの’495号およびショープスの’ 434号は
、あたかも一字一句が述べられているかのように参照により本明細書に組み込まれものとする。
【0055】
回転手段40が油圧モータを備えている場合、流体ライン42は流体を回転手段40へ推し進めるポンプにつながるだろう。代わりに、電動機を備えた回転手段40が選択された場合、ライン42は、電池のような電流源の正端子および負端子にそれぞれつながるだろう(図6を参照)。どのタイプの回転手段40が選択されても、本明細書で述べられているように、回転手段40は、駆動トルクを供給する外部動力源無しでシステム10を移動させることが可能な自給式の動力源により動力を供給されることが好ましい。
【0056】
第1ホイール25は、ハウジング12の交差部材12cの表面に形成された開口部48
から突出する。軸44はハウジング12の交差部材12cの内部を通過して延び、ハウジ
ング12に形成された孔を貫通する。エンドプレート50は交差部材の端部表面をカバーすると共に、軸44の両端を保護する。
【0057】
図6は、ハウジング12の第1実施形態と別の内容の組立分解図を示す。この実施形態では、回転手段40は、モータ60に取り付けられたスプロケット54とチェーン56の組み合わせ、すなわちホイールとベルトの組み合わせを備えている。スプロケット54は軸44に結合されており、スプロケット54の回転がやはり第1ホイール25を回転させるようになっている。回転手段40は、電池52のような電流源によって動力を供給されうるモータ60を備えてもよいし、または、回転手段40は、ディーゼル機関または内燃機関のような任意の公知のタイプのモータを備えてもよい。
【0058】
モータ60の駆動軸は、スプロケット54とベルトまたはチェーン56との組み合わせを回転させ、それにより軸44に回転トルクが付与され、これが各々のホイール25に移送される。開口部48、孔、およびエンドプレート50を含めたハウジング12の残りの態様は、先の図5で説明した部分と同様である。
【0059】
図7は、システム10の第2の好ましい実施形態の平面図を示す。この実施形態では、ガイド14は例えば標準的なIビームのような一本のレールである。実際には、システム10は、業界標準の任意のタイプのビーム、レールまたはトラックで形成されたガイド14を組み込んでもよく、それにより、注文仕様の部分の必要性をなくすことでコストが低減される。業界標準のビームから形成されたガイド14は、既存の構造物に本発明のシステム10を改良として後から取り付けることを可能にすることにより、システムを単純化するだろう。ハウジング12は、略T字形で示されているが、代替的な形も確かに本発明の範囲内にある。
【0060】
ハウジング12の交差部材12cの端部部分から略直交方向へ、一対の支柱68が延び
ている。第1のホイール対27は支柱68に回転可能に装着され、ガイド14の内表面に係合する。
【0061】
ハウジング12は、第1ホイール25の周面を突出可能にするスロット(図7には図示しない、図9を参照)を有する。第1ホイール25は、好ましくはその周面にギア歯26を有する。第1ホイール25上の歯26は、ガイド14の外表面の歯と対合し、かみ合うように協同的に形成される。
【0062】
ホイール25および27よりも先端の位置で、ハウジング12にはケージ20が結合され得る。ケージ20の重量、−ならびに任意の占有者の重量−は、ホイール25および27の各々がガイド14の表面に対して付勢される「ロック作用」を生成する回転モーメントを生成する。
【0063】
ケージ20はケーブル34によってハウジング12に結合されてもよく、他の任意の結合手段がもちろん可能である。ケージ20は建物16の表面に係合するさらなる対を備えてもよい。任意選択で、建物16に一対のトラック(図示しない)が結合され、ガイドに対して平行かつ離間して配置されうる。しかしながら、余分なトラックのセットは、追加のレールの配置を必要とし、さらにはその追加のレール内を回転するように構成された一対のホイール(例えば図4に示されたような)をも必要とするだろう。そうではなく、図7に示されているように、ケージ20はケージ20の移動および輸送を促進するために、ケージ20の側壁21に沿って配置された一対のホイール76を備えてもよい。
【0064】
しかしながら、前の段落で説明した実施形態は、追加のレールの設置を要求するものである。このような追加は、当然新規のまたは既存の構造物にシステム10を適合させる仕事のコストおよび労働費を増大させる。この費用を回避し、同様の移動規制の結果を達成するために、ケージ20はケージ20から延びるホイール装着部74と、ホイール装着部74に結合された一対のホイール72とを備えてもよい。ホイール72は、ガイド14の内表面に係合し、ケージ20がガイド14に対して移動されたときにガイド14内を回転するように形成される。ホイール装着部74とホイール72は、ガイド14の長手方向軸に沿った移動を許容し、かつ同時に他の方向への移動を制限するように協力する。
【0065】
図8は図7に示されたケージ20の実施形態の斜視図を示す。ケージ20はシステム10の残りの部分から分離されている。ホイール装着部74がケージ20の壁21から、好ましくはケージ20の底部19に隣接して延びている。
【0066】
この実施形態では、ホイール装着部74が一対の離間した支柱を備えている。この支柱はガイド14(図8には図示しない、図7を参照)の幅を収容するのに十分に離間される。さらに、(図7に示したように)ホイール72の各々がガイド14の内表面に係合するようにホイール72は配置される。ケージ20がガイド14に対して相対移動したときに(図7を参照)、ホイール72の係合面と(ハウジング上の)ホイール27の係合面とがガイド14の内表面に同時に係合することが好ましい。ガイド14の内表面とのホイール27および72のこの同時係合を達成するために、ホイール装着部74は付勢手段を有してもよい。好ましくは、ホイール装着部74はケージ20の底部の縁部と平行に軸の周りを回転可能に付勢されうる。
【0067】
上述したように、システムがガイド14に沿って移動するように構成されていない場合には、一対のホイール76がケージ20の輸送を支援する。例えば、救助隊は、非常時に応じて、ケージ20またはシステム10全体を持って来てもよい。ホイール76は、ケー
ジ20がシステム10に加えられ得る位置にケージ20を転がすのを支援するだろう。好ましくは、ホイール76の地面との係合面は、ホイール72の地面との係合面とほぼ同一平面上にあり、ケージ20(これは非常に重い可能性がある)を適所で転がす仕事が容易となっている。ケージ20に同様に取り付けられた追加のホイール(またはホイール対)ももちろん本発明の範囲内にある。さらに、ケージ20に取り付けられたホイール72は動力源により駆動されてもよく、これによって、地面に沿ってケージ20を駆動して、システム10がガイド14と接続可能となるようにシステム10を配置させることが可能となる。
【0068】
図9は、図7に示した本発明の第2の好ましい実施形態の組立分解図を提供し、ハウジング12とその内容を示す。多くの点で、システム10の第2実施形態の態様は、図3−6に示した第1実施形態の態様と類似している。したがって、類似部分には同一の参照番号が割り当てられている。
【0069】
図9に示した実施形態は、1つの第1ホイール25を好ましくは有し、ホイール25は、歯26を有すると共に、ハウジングに形成されたスロット70を通過して突出する。ハウジング12の内部に配置された回転手段40は、第1ホイール25を回転させる。回転手段40は、モータの長手方向軸と概ね同心の駆動軸を有する油圧モータを備えてもよいし、または同一または類似の形状の電動モータであってもよい。第1ホイール25上のギア歯26は、(図7を示したように)ガイド14の外表面のギア歯と相補的形状にあり、かみ合い、対合する。
【0070】
回転手段40は好ましくはハウジング12内に含まれている。示されているように、軸44がホイール25から伸び、ハウジング12の両端付近の孔に保持され得る。ハウジング12で回転手段を固定する代替の方法または手段ももちろん可能である。
【0071】
代わりに、回転手段40は第2ホイール27と連絡してもよい。この実施形態では、ギア歯(図示しない)が第2ホイール27の周面にあり、ガイド14の内表面の歯と対応し、かみ合っている。
【0072】
図10は、第3の本発明の好ましい実施形態の平面図を示す。システム10のこの実施形態は、第1の好ましい実施形態と同じ特徴および限定の多くを組み込んでいる。理解の連続性および容易さを確立するために、類似の部分には同一の参照番号を与えている。
【0073】
この実施形態では、ガイド14はレール14A,14Bの平行な配置によって構成されている。レールは、例えば建物16の壁のような表面に装着された標準的なIビームであってもよい。この実施形態では、第1ホイール25がハウジング12のそれぞれの交差部材12cに装着されている。第1ホイール25の各々の周面はそれぞれのレール14A.14Bの外表面に係合する。第1ホイール25およびレール14Aおよび14Bは、互いにかみ
合い対合するギア歯36で協力的に形成される。
【0074】
ハウジング12はさらに、ハウジング12の交差部材12cに接続された第2のホイー
ル対27を備えている。第2ホイール27は、第1ホイール25よりもハウジング12の質量中心からさらに遠くにある軸の周りを回転する。第2ホイール27の各々の周面はそれぞれのレール14A,14Bの内表面に係合する。したがって、それぞれのレール14A
,14Bは、各レールが第1ホイール25と第2ホイール27との間を通過するように配
置されている。
【0075】
図10に示したこの実施形態では、システム10は、第1ホイール25の少なくとも1つの回転により、ガイド14と相対移動する。代わりに、第2ホイール27が回転手段4
0によって駆動されてもよい。これについて、回転手段(図8を参照)は、回転を強制的に行い、したがって相対運動を促すように、ハウジング12内に位置させるものとする。
【0076】
ケージ20は、好ましくはハウジング12の主要部材12pの上で、ハウジング12に
結合され得る。上述したように、ハウジング12にケージ20を接続するには無数の方法が存在するので、ケーブル34が示されてはいるが、他の結合および/または接続方法も可能であり、本発明の範囲内にある。
【0077】
任意選択で、システム10は表面16と係合するように構成されたホイール(図10に図示しない)を備えていてもよい。これらのホイールは、使用時の望まれない動き、傾き、衝撃、または滑りをさらに制限することにより、システムの安全性をさらに増強する。これを防ぐ一つの方法は、一対のトラック(図4の参照番号66を参照)を、概ね平行に、ガイド14に対して離間して配置することである。
【0078】
図11は、図10で示されたケージ20の実施形態の斜視図を示す。ケージ20はシステム10の残りの部分から分離されている。多くの点で、ケージ20のこの実施形態は図8で示されたケージ20と同一である。したがって、単純にするために、類似部分には同一の参照番号が割り当てられている。
【0079】
ケージ20のこの実施形態から特に異なる箇所はホイール装着部74およびホイール72の形状である。図11で示した実施形態は一対のホイール72のみを描いているが、救助隊がケージ20を地面に沿って転がすのを可能にするさらなる追加のホイール対(図示しない)を備えることは本発明の範囲内である。この実施形態では、ホイール装着部はケージの側壁21から延びる一本の柱を含む。一本の柱から略直交方向に一対の支柱が延び、ホイール72で終端している。この実施形態では、ガイド14の平行レール14Aとレ
ール14Bの間の空間を柱が通過することが可能である(図3および10に示したように
)。さらに、ホイール72は、各々がガイド14の内表面に係合するように配置される(図3および10に示したように)。(ケージ20に接続された)ホイール72の係合面および(ハウジングに接続された)ホイール27の係合面は、ケージ20がガイド14に対して相対移動したときに(図7を参照)同時にガイド14の内表面に係合することが好ましい。ガイド14の内表面とのホイール27および72のこの同時係合を達成するために、ホイール装着部74は付勢手段を含んでいてもよい。好ましくは、ホイール装着部はケージ20の底部の縁部と平行な軸の周りを回転可能に付勢され得る。
【0080】
図8の実施形態と同様に、ホイール76の対はガイド14に接続されていないときのケージ20の輸送を支援する。
図12は、図10に示した本発明の実施例の組立分解図を提供し、ハウジング12およびその内容を示す。多くの点で、システム10の第2実施形態の態様は第1実施形態の態様と類似している。したがって、類似部分には同一の参照番号が割り当てられている。
【0081】
ハウジング12の内部の配置された回転手段40は第1ホイール25を回転させる。 回転手段40は、モータの長手方向軸と概ね同心の駆動軸を有する油圧モータを備えてもよいし、または同一または類似の形状の電動モータであってもよい。第1の軸は回転手段40を貫通し、第1のホイール対25の各々に対称的かつ同心的に接続される。ホイール25の各々の周面上にはギア歯26が、(図10に示したように)ガイド14の外表面の歯と相補的形状にあり、かみ合い、対合するように構成されている。
【0082】
代替実施形態では、回転手段40は第2ホイール27と連絡してもよい。この実施形態では、ギア歯(図示しない)は第2ホイール27の周面にあり、レール14Aおよび14Bの内表面上のギア歯と対応し、かみ合う。
【0083】
回転手段40が油圧モータを備えることが選択された場合、流体ライン42は流体を回転手段40に推し進めるポンプにつながるだろう。代わりに、回転手段40が電動モータを備えている場合、ライン42は、(図6に示した)電池のような電流源の正端子および負端子にそれぞれつながるだろう。
【0084】
第1ホイール25は、ハウジング12の交差部材12cの後方を向いた表面に形成され
た開口部48から突出する。軸44はハウジング12の交差部材12cの内部を貫通する
。
【0085】
ハウジング12のそれぞれの交差部材12cには第2のホイール対27が接続されてい
る。交差部材12cは、第1ホイール25の軸周囲の自由な回転を可能にすべく、交差部
材12cから延びる支柱68を備え得る。
【0086】
図13は、ハウジング12およびカメラ30の関係に着目した斜視図を示す。図13で示される図は、図2−6の実施形態と組み合わされたハウジング12およびカメラ30を示す。しかしながら、図13に関して説明した特徴が本明細書で示したどの実施形態にも組み込まれ得ることは当然である。
【0087】
ハウジング12の主要部材12pの上部表面には伸縮式ポール28が装着されている。
もちろん、ポールの別の配置が可能であり、本発明の範囲内にある。伸縮式ポール28によって、カメラ30からハウジング12の分離高さhを調節することができる。一般に、高さhは、第2セットの制御装置31の動作により調節され得る(図3を参照)。カメラ30は、ポール28の長手方向軸と略平行な第1軸Lの周りを回転可能である。カメラ30のこの回転は、ポール28の1または複数のセグメントをハウジング12に対して回転可能にすることにより達成され得る。
【0088】
結合部材37は、カメラ30にポール28の上部を接続し、軸pの周囲でカメラ30を回転させる。一般に、軸pおよびLは、カメラ30によって達成可能な視野を増大させるために、互いに直交している。
【0089】
装置の特定の実施形態を以上に説明してきたが、本発明の根本的な概念は、本発明の範囲を逸脱しない以上に詳述されていない様々な状況に適用され得る。例えば、科学者は、物および/または人を宇宙へ移動させる効率的な方法として、宇宙エレベータの計画を練ることに近年深く従事している。一旦そのような材料または人が地球の重力から外れると、それらをある位置から別の位置、すなわち例えば月や火星のような離れた位置に移動させることは、ロケットのような従来の手段によって地面から宇宙に負荷体全体を移動させることと比較して、著しく安価である。本発明の装置は、宇宙エレベータに沿って負荷体を移動させるための動力手段として利用することが可能である。
【0090】
米国海軍は、航空母艦の水平距離に沿って負荷体を移動させる手段を必要としている。本発明の装置はその任務に都合が良い。なぜなら、本発明の装置のある実施形態には望み通りにガイドを取り付けたり取り外したりすることができ、キャリヤの永久部品である装置である必要はなく、必要な場合に負荷体をガイドに沿って移動することが可能であるためである。多くの同じ理由から、本発明の装置は石油プラットホームで使用される際にも非常に役立つだろう。
【0091】
挿入または監視の点では、挿入または監視が望まれ得る様々な位置で、独立したガイドを使用することが可能である。そのようなガイドは容易に分解され、および/または移動される。本発明の装置の可搬性は、遠く離れた位置にいる人の容易な挿入を許容すると共
に、個人が観察可能な上述したような本発明のガイドとプラットホームまたはケージとから成る監視「タワー」の生成を可能にする。
【0092】
本発明を詳細に説明および図で例証してきたが、それらは例証および例にすぎないのであって、限定とみなされるべきではないことは明らかである。本発明の精神および範囲は特許請求の範囲の用語によってのみ限定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の基本的概念の略図。
【図2】本発明の原理に従って示された、人々の捜索および救助を支援する装置として使用中のシステムの斜視図。
【図3】システムの第1の好ましい実施形態の斜視図。
【図4】システムの第1の好ましい実施形態の平面図。
【図5】システムの第1の好ましい実施形態と組み合わせて示されたハウジングとその内容を示す組立分解図。
【図6】システムの第1の好ましい実施形態と組み合わせて示されたハウジングとその代替的な内容を示す組立分解図。
【図7】システムの第2の好ましい実施形態の平面図。
【図8】図7に描かれたケージの斜視図。
【図9】システムの第2の好ましい実施形態と組み合わせて示されたハウジングとその内容を示す組立分解図。
【図10】システムの第3の好ましい実施形態の俯瞰図。
【図11】側面ホイールを備えて示された、図10に描かれたケージの変形例の斜視図。
【図12】システムの第3の好ましい実施形態による、ハウジングとその内容の組立分解図。
【図13】第1の好ましい実施形態と組み合わせて示されたハウジング、ポールおよびカメラの詳細を示す斜視図。
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視、捜索および/または救助のための装置およびシステムに関する。
本願は2004年7月12日に出願された米国特許出願出願番号第10/889,091号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
既存の輸送手段が利用可能でない場所で、ある距離にわたって負荷体を輸送する便利で効率的な手段は、多くの用途を有している。恐らく最も注目に値するのは、そのような輸送を可能にする装置またはシステムは、高層ビルからのように近づきにくい位置から人を脱出させるために使用することができる。9/11の災害によって、人々が構造体の破壊、火災、または他の状況に捕らわれた場合に建物から人々を脱出させることを可能にする装置またはシステムの必要性が確認された。9/11の災害は、本発明の装置またはシステムが救命に役立つ可能性があった最も注目すべき例であるが、そのような状況は定期的に発生している。プエルトリコのサンファン(Sun Juan)で、数年前にデュポンプラザホテル(Dupont Plaza Hotel)が火災に遭った時には、86人の命が失われた。1980年には、ネバダ州ラスベガス(Las Vegas)のMGMグランドホテル(MGM Grand Hotel)が焼けた時には、85人の人が亡くなった。後者の例では、人命は、主にエレベーターシャフトを通じて上昇する有毒ガスと煙により失われた。いずれの事例でも、屋上から人々を引き上げるためにヘリコプターが使用され、少数の人はこの方法を使用して救助された。しかしながら警戒体制で多数の人を引き上げることが可能なヘリコプターを利用できることは少なく、いくつかの現場では存在しない場合がある。さらに、燃えている建物環境でのヘリコプターの使用は、熱、煙、および、高い建物の近くで通常存在する火や風の流れによって引き起こされる乱流により、さらなる危険を提示する。
【0003】
9/11の災害の場合では、エレベータが使用できず、建物からの避難手段としては緊急の吹き抜け階段または窓を残すのみであった。窓の使用は、消防はしごがその窓に達することができなければ許容できず、非常に高い建物では当てはまらないことが多い。吹き抜け階段は遅く、また消防士が同じ吹き抜け階段を使用して上階に到達しなければならないため、吹き抜け階段が混雑し、吹き抜け階段を下りて外に出る人々の動きを消防士が妨害することになると共に、火を消すために階段を上がる消防士の動きを建物から逃げる人が妨害することになる。さらに、吹き抜け階段は障害者にとっては選択肢とならない可能性があり、また、負傷者を吹き抜け階段から下ろして移動させることは困難である。
【0004】
建物から人々を脱出させる装置またはシステムの必要性は、火災の状況に限定されているわけではない。地震または構造的欠陥の結果としての建物の部分的な崩壊も、同様の必要性につながる。建物の部分的な崩壊によって、生存者が上階に閉じ込められると、そこで生存者が脱出を試みたり、救命隊員が生存者の所にたどり着こうとしたりするのは困難かつ危険なことである。
【0005】
救助シナリオに加えて、ある距離にわたって負荷体を垂直にまたは水平に移動させる効率的で独立した手段の必要性が存在する。例えば、高層ビル、橋およびその同等物の建設の最中には、ある距離にわたって負荷体を移動させることが一般に必要である。
【0006】
上記のいずれのシナリオでも、輸送の装置またはシステムが、それ自身の電源、移動手段およびその同等物を有しているという点で、本当に独立していることが望ましい。そのような装置は、宇宙での材料の輸送にも、すなわち「宇宙エレベータ」としても、必要とされている。坑道に沿って負荷体を移動させたり、そこから人を脱出させたりする手段も
また必要とされている。脱出に加えて、人をある位置に配置し、そこからの監視を可能にするシステムまたは装置も必要とされている。以下により詳細に説明されるように、上記のおよび他の要求は本発明により叶えられる。
(発明の概要)
本発明の装置は、ローラ対に対するネットトルクを利用して、ローラ間を通過するレールの表面に各ローラの位置で垂直抗力を引き起こす原理で作動する。これらの垂直抗力は、次にレール表面でローラ間の摩擦力を引き起こし、これは印加トルクが装置をレールに沿って上または下に移動させることを可能にする。
【0007】
本発明の1実施形態は、質量中心を有するハウジングと、質量中心より先端側の終点とを備えたシステムである。本発明のこの実施形態は、好ましくは、第1回転軸の周りを回転するように構成された第1ホイールと、ハウジングに接続され、第2軸の周りを回転するように構成された第2ホイールとを備えている。第2軸は好ましくは第1軸と略平行に延びている。第1軸および第2軸は、第1の距離および第2の距離だけ、それぞれ質量中心から変位した位置にある。第1の距離は第2の距離よりも大きくても小さくてもよい(が、好ましくは等しくはない)。
【0008】
質量中心に対するこのような第1軸と第2軸の構成は、第1ホイールおよび第2ホイールの両方を第1ホイールと第2ホイールの間に配置されたガイドと摩擦係合すべく付勢する回転モーメントを生じさせる。ガイドは、第1ホイールと第2ホイールの各々に接線方向に摩擦係合する。本発明のこの実施形態は、好ましくは、回転手段と、回転手段と通信する第1セットの制御装置とを備えている。この制御装置はハウジングから離れた位置に配置される。
【0009】
本発明のこの実施形態は、好ましくは、ハウジングに接続された取付装置をさらに備えている。取付装置は好ましくはケージを有する。第1ホイールの回転は、システムをガイドに対して相対移動させる。任意選択で、本発明は、第1ホイールの周面のギア歯と、レール上のそれと対合しかみ合うギア歯とを備えてもよい。
【0010】
本発明の好ましい実施形態では、取付装置はカメラを有する。この好ましい実施形態では、本発明は、ハウジングの表面へ接続されるポールを備えてもよく、カメラはポールに取り付けられる。任意選択で、ポールは伸縮的であって、ポールの長さは、ハウジングから離れた位置に配置された第2セットの制御装置の操作により選択的に調節可能であってもよい。
【0011】
さらに、ポールの長手方向軸の周りの360度に及ぶフィールドから人が選択的に像を受け取ることを可能にするように、カメラは回転可能であってもよい。さらにカメラは、ポールの長手方向軸と直交する軸の周りを回転可能であってもよい。この実施形態では、第2セットの制御装置が、ポールに直交する軸の周りでのカメラの選択的な回転を可能にするようにさらに構成され得る。
【0012】
本発明は、カメラによって受け取られた像を人が見ることを可能にするビュー装置を備えてもよい。本発明は、カメラによって受け取られた像を格納および記録するための記録装置をさらに備えていてもよい。カメラは、広角の視野を備えた周回カメラ等のいかなる公知のタイプのカメラであってもよい。さらに、カメラは、ビデオカメラ、スチルカメラ、デジタルカメラ、感熱性カメラ、動作検知カメラまたはその同等物であってもよい。
【0013】
本発明の好ましい実施形態では、ガイドは垂直方向を向き、例えばエレベーターシャフトの壁のような建物の壁や、または建物の外表面に沿って配置される。本発明は、好ましくは本発明の質量中心に近接する点でハウジングに接続されたケージをさらに備えてもよ
い。
【0014】
本発明の別の実施形態は、T字形の中央の主要部材に質量中心がある略T字形の断面を有するハウジングを備える。本発明のこの実施形態は、それぞれの第1ホイールがT字形のそれぞれの交差部材に配置された、第1のホイール対を備える。第1のホイール対の各ホイールは第1軸の周りを回転するように構成される。
【0015】
本発明は、ハウジングに接続され、第2軸の周りを回転するように構成された第2のホイール対をさらに備えてもよい。第2軸は質量中心から変位した位置にあり、第1軸と略平行である。
【0016】
本発明は、少なくとも1つの駆動輪すなわち駆動ホイールを回転させるために回転手段をさらに備えてもよい。このような実施形態では、駆動ホイールは好ましくは第1のホイール対の内の少なくとも1つのホイールである。代わりに、駆動ホイールは第2のホイール対の内の少なくとも1つのホイールであってもよい。回転手段はハウジング内に位置する。本発明は、選択的に回転手段を作動させる第1セットの制御装置をさらに備えてもよい。第1セットの制御装置はハウジングから離れた位置に配置され得る。
【0017】
本発明の1実施形態は、第1のレールおよび第1のレールから離間した第2のレールを備えると共にそれらに対して略平行を向いたガイドを備える。この実施形態では、第1レールと第2レールの各々は、第1のホイール対のそれぞれ1つおよび第2のホイール対のそれぞれ1つの周面に摩擦によって接線方向で係合するように配置される。第1レールと第2レールは離間され、その結果、T字形ハウジングの交差部材はレールの背後にあり、T字形ハウジングの主要部材は第1レールと第2レールの間に突出する。
【0018】
ハウジングにはカメラが接続されてもよく、このような実施形態では、本発明は好ましくは、カメラから見えるビューを選択的に変更する第2セットの制御装置を備える。第2セットの制御装置はハウジングから離れた位置に配置される。
【0019】
本発明は、カメラと通信し、カメラに入力された像を表示するように構成されたビュアーをさらに備えてもよい。システムは、第1ホイールの少なくとも1つを回転させることによりレールに沿って移動し、それによりハウジングをガイドに対して相対移動させる。
【0020】
本発明は、ハウジングの交差部材より先端側の箇所でハウジングの主要部材に接続されたケージをさらに備えてもよい。ケージはケーブルによりハウジングに接続され得る。回転手段を選択的に作動させる第1の制御装置はケージ内に配置され得る。
【0021】
本発明は、ハウジングから延びるポールをさらに備えてもよい。この実施形態では、カメラはポールに取り付けられる。このポールは伸縮式であってよく、それにより人は選択的にポールの長さを変更することが可能である。ポールの長手方向軸の周りの360度の視野を見ることを可能にするために、カメラは選択的に配置され得る。
【0022】
好ましい実施形態では、回転手段は、第1回転軸すなわち第1のホイール対の軸とほぼ同心の駆動軸を有する油圧モータを有する。
本発明は、第1のホイール対の各ホイールの周面上のギア歯と、それに適合する第1レールと第2レールの各々の内表面上のギア歯とをさらに備えてもよい。このような対合し適合する歯は、ガイドに対するハウジングの相対移動を促進する。
【0023】
好ましい実施形態では、カメラは赤外線カメラまたは感熱性カメラ、もしくは光が不足するか通常の視野が制限されている場合に像を送信することができる任意のタイプの公知
の装置である。カメラの観点からは、第1に建物の壁によるかまたは煙または火によって、第2に電力の喪失、従って電気の損失および人工光の損失によって、視線は制限されていてもよいし、または塞がれていてもよい。もちろん、通常のカメラも使用され得る。
【0024】
好ましくは、ガイドは垂直方向を向き、建物の壁に沿って配置される。この実施形態では、レールは習慣として壁に結合される。さらにこの実施形態は、ハウジングに接続されたケージを備える。ケージは、底部と、底部から上方に延びる側壁とを有し得る。任意選択で、単一のホイール(または一対のホイール)が壁に係合するためにケージから延びてもよい。
【0025】
本発明は、ケージに近接して、好ましくはケージ内に配置された、遠隔制御ロボットをさらに備えてもよい。ロボットはその移動性を促進する装置を装備し、その移動性はロボットから離れた位置から制御可能である。ロボットはカメラおよび音声通信装置をさらに備えてもよい。好ましくは、音声通信装置は双方向の音声通信を可能にする。もちろん、ロボット上のカメラと通信するビュー装置または記録装置と同様、ロボットに受け取られた音声メッセージを格納する記録装置も、好ましい。ロボットは地面から完全に離れて制御されてもよいし、またはケージ上のオペレータによって制御されてもよい。
【0026】
本発明の他の目的、利点および新規な特徴は、添付図面と共に本発明の以下の詳細な説明から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
ここで、同様な番号は同様な部分を示す図面を参照する。
図1は、本発明の種々の実施形態の根底的概念の略図を示す。本発明の装置は、ローラ対に対するネットトルクを利用して、ローラ間を通過するレールの表面に各ローラの位置で垂直の力を引き起こす原理で作動する。これらの垂直抗力は、次にレール表面でのローラ間の摩擦力を引き起こし、これは印加トルクが装置をレールに沿って上または下に移動させることを可能にする。
【0028】
図1は、負荷体(図示しない)から延びるロッドまたは棒状部分111を示す。負荷体より先端側の棒状部分の端部には、クロスバー部分113が固定的に取り付けられ、棒状部分111に対して角度をなして配置され、クロスバー113の第1の終端113aは負荷体に関して先端側に延びると共に、クロスバー113の第2の終端113bは負荷体に関して基端側に延びている。クロスバー部分113の第1の終端113aでは、第1ホイール125が固定的に回転可能に取り付けられている。クロスバー部分113の第2の終端113bでは、第2ホイール127が固定的に回転可能に取り付けられている。第1ホイール125と第2ホイール127の間にはレール114が配置されている。矢印119は負荷体の重量によってシステムに課される重力の方向を示す。この力が、第1ホイール125と第2ホイール127にネットトルクを引き起こす。このネットトルクにより、次に、第1ホイール125および第2ホイール127が、レール114に垂直抗力を与える。これらの垂直抗力は、レール114と第1ホイール125および第2ホイール127との間の摩擦力を引き起こす。例えば電動モータによって第1ホイール125が回転させられると、レール114と第1ホイール125および第2ホイール127との間の摩擦力によって装置はレール114に沿って移動することができる。上記の説明は本発明の一般的原理についての理解を提供するものであり、本発明の様々な態様は以下により詳しく説明する。
【0029】
図2は、捜索および救命装置として使用中の本発明のシステムの斜視図を示す。システム10は、水平方向を向き建物16の側壁に接続されたガイド14内に係合するように構成されたハウジング12を備えている。実際、本明細書に使用する場合、「ガイド」とい
う用語は、システム10の動きまたは動作を規制または指示するように作用するすべての装置を含む。したがって、ガイド14は建物16に装着されたレールタイプのガイドで示されているが、ガイド14は、コードまたはケーブル、好ましくはピンと引っ張られたケーブルのような、他の構造物を含んでもよい。ケーブルが使用される場合、システム10は、定位置に打ち込まれ得る引っ掛け用フックの配置により、表面に取り付けられ得る。ガイド14は建物16に凹設されたT字形通路でもよいし、または他の構造体であってもよい。凹設されたT字形通路は、ある人には望ましいと感じられ得る審美的配慮を与える。
【0030】
システム10は建物16の表面を垂直に横断することができる。ハウジング12にはケージ20が取り付けられ得る。ハウジング12はケージ20上または例えば地面のような遠隔位置に配置され得る1セットの制御装置(図2には図示していない)によって選択的に移動可能である。建物16から人々22を救出するために、オペレータはケージ20を窓18と整列させて、人々22がそれぞれの窓18から脱出してケージ20に入れるようにする。本明細書に使用する場合、「ケージ」という用語は、その占有者に対する包囲体を提供する能力に関しては特に考慮せず、システムと共に上昇または下降することができる任意の構造物を含むものとする。例えば、プラットホームは十分であり得る。システム20は人が上から見ることを可能にするカメラ30を好ましくは備えている。
【0031】
垂直方向を向いたシステム10が示されているが、本発明のシステムは例えば水平に移動するシステム、斜めに移動するシステム、およびその同等物のような、別の方向のものも包含し、それにも及んでいる。さらに、システム10は、例えばらせん、曲線、およびその同等物のような、種々の形状に対応するように構成され得る。
【0032】
システム10は、人がハウジング12に接続されたカメラ30によって捕らえられた像を見ることを可能にする、いずれもカメラ30と通信するビュー装置23および記録装置24を備えている。システム10から離れた位置から操作され、観察され、制御されるので、本発明は、捜索救助隊が、その救助隊の構成員の生命を危くすることなく、取り残された人々に22の位置を特定し、発見し、そこに到達することを可能にする。もちろん、システム10は、ケージ20に乗っている救助隊の隊員によっても操作され得る。
【0033】
好ましい実施形態では、システム10は、救助隊によってハウジング12に接続され得るケージ20を備え、救助隊は緊急電話に応じて特定のケージ20を持って来る。このような実施形態では、ケージ20がハウジング12に素早く接続できるようになっていることが好ましい。雄ピン(図示しない)とスナップ適合とを使用した結合がうまく作用し得ることが分かったが、もちろんケーブルタイプの取り付けも可能である。したがって、システム10は、ガイド14が建物16に取り付けられることを要求する。もちろん、ケージ20とハウジング12とが緊急シナリオに持って来ることが可能な単一のモノリシックな1つの部分から成る構造物として形成されるように、システム10が構成されてもよい。
【0034】
本発明のシステム10は様々な環境で機能的な用途を有する。例えば、システム10は、大きな観光船、航空母艦、または他の船につながれてもよい。システム10は、井戸、洞窟、または鉱山の探索または調査における用途を有し得る。またシステム10は、高い記念碑、無線通信塔、油井または石油プラットホーム、もしくはその同等物のような非常に高い構造物の修理またはメンテナンスを可能にするために使用され得る。
【0035】
システムの安全性を強化するために、システムが制動装置、すなわちシステムが故障(故障には、ハウジングからのケージの分離またはハウジングのレールに対する把持手段の喪失が含まれ得るがそれらに限定されるわけではない)した場合の損傷を防止する手段を
備えていることが好ましい。例えば、システムは、システムの急落を遅らせる、表面に係合する制動装置を備えてもよい。
【0036】
図3は、ガイド14と組み合わされたハウジング12の1実施形態の詳細図を示す。図3に示されるように、ガイド14は、離間した関係にある第1のレール14Aと第2のレ
ール14Bとを有する。代替実施形態では、ガイド14は単一の標準的なC字型通路のビ
ームを有してもよいし、または一対の離間したI字形ビームにより構成されてもよい(図10を参照)。ハウジング12は、主要部材12pおよび交差部材12cを備え、略T字形の断面を有する。交差部材12cがガイド14の背後にあり、ハウジング12の主要部材
12pがレール14Aと14Bとの間の空間を通って突出するように、ハウジング12とガ
イド14は協同的に構成されている。図に示されている場合、ハウジングはその内容を包囲するように構成されているが、ハウジング12は包囲体を提供する必要はない。代わりに、ハウジング12の内容が露出された開放したブラケットまたはフレームを備えたハウジングは本発明の範囲内にある。すなわち、「ハウジング」という用語は、本明細書に使用する場合、任意のフレーム、ブレース、ブラケットまたは支持体と互換的であって、したがって必ずしも包囲体を提供する必要はない。
【0037】
第1ホイール25はハウジング12の交差部材12cから突出するため、ハウジング1
2の質量中心Cより先端側にある。第2ホイール27は、T字形ハウジング12の主要部材12pに沿ってハウジング12に接続されている。本明細書に使用する場合、「接続」
という用語は、接続されている部分間に直接の接触が存在するかどうかに関係なく、構成要素をつなぐいかなるものをも意味するものと解釈されるべきである。レール14Aは第
1ホイール25と第2ホイール27の間に配置され、ホイール25,27の各々の周面に接線方向で摩擦係合している。ハウジング12の質量中心Cに対するホイール25および27のこの構成により、第1ホイール25をガイド14の内表面に対して付勢すると共に第2ホイール27をガイド14の外表面に対して付勢する回転モーメントMが生じる。さらに、このモーメントMは、質量中心Cよりも先端側の箇所でハウジング12にケージ20を取り付けることにより増強することが可能である。この自然に生成されたモーメントMは固定作用を生じさせ、ハウジング12はガイド14上でしっかりと保持される。回転モーメントMの付勢作用は別の実施形態でも達成できるが、これについては図7および8に関連して以下により詳しく説明する。さらに、この付勢作用は、ピストンタイプの装置またはばねのような任意の公知の付勢装置によって、モーメントMの生成とは別の方法で作成されてもよい。
【0038】
示されているように、ハウジング12には、好ましくは主要部材12pの上部の表面で
、ポール28が取り付けられている。システム10は、ハウジング12好ましくはポール28に接続されたカメラ30をさらに備えている。カメラ30は、例えば赤外線カメラ、暗視カメラまたは通常のビデオデジタル装置のような、任意の公知のタイプの像送信装置であってよい。さらには、カメラに加えてまたはカメラの代わりに、ミリメートル波スキャナがシステムを補足してもよい。ミリメートル波スキャナの例は、ユーグニン(Huguenin)等の米国特許第5,760,397号に開示されている。したがって、米国特許第5,760,397は、あたかも一字一句が述べられているかのように参照により本明細書に組み込まれものとする。
【0039】
この実施形態では、システム10は、捜索救命装置としてのみならず監視セキュリティシステムとしても使用され得る。セキュリティカメラは、種々の高い建物または構造物の外部または内部に取り付け可能であり、監視またはセキュリティに適した広いパノラマ風景を可能にする。所望のエリアを拡大表示したり見たりするために、ハウジング12の位置だけでなくポール28の高さおよびカメラ30の角度も遠隔制御することが可能である。もちろん、セキュリティまたは監視システムとして使用される場合には、ケージ20は
必要ないだろう。
【0040】
システム10のケージ20は、ケージ20から延びる底部19と側壁の21とをさらに備えてもよい。好ましい実施形態では、1つの側壁21は、底部19に隣接してケージ20に蝶番で取り付けられたドア17を備えている。もちろん、ドア17の別のまたは追加の配置も可能である。しかしながら、建物16に対面する側壁21にドア17を配置すると、ケージ20のドア17は、建物16へのおよび/または建物16からのケージ20へのアクセスを提供する傾斜路(ramp)として機能することができる。そのような傾斜路は、車椅子生活を余儀なくされた人のように移動性の低い人の介助を支援するだろう。ケージ20は、人々がケージ20から出ることができる別の位置に第2のドア(図示しない)を含んでいてもよい。
【0041】
ケージ20は、ケーブル34、チェーンまたは柱のような任意の公知の方法によってハウジング12に接続され得る。上述したように、ケージとハウジングは、単一の一体のモノリシックな1つの部品から成る構造物として形成され得る。いずれにせよ、例えば雄ピンタイプの取り付け装置の使用によるような迅速かつ簡単な方法を使用して、ハウジング12にケージ20を取り付けることが好ましい。回転手段(図3には図示しない)を操作するための第1セットの制御装置29は、第1ホイール25を回転させ、それにより、ガイド14に対するハウジング12の位置を選択的に調節する。図示されているように一対のホイール32が建物の壁に係合し、各ホイール32はケージ20の両端に隣接して配置されている。
【0042】
第2セットの制御装置31は、ケージ20内に、かつカメラ30と通信する状態で配置されており、それにより、ケージ20内の人はカメラ30を操作し、かつ視野を選択的に変更することが可能である。
【0043】
制御装置29および31は、人がシステム10およびカメラ30を遠隔位置から操作できるように、例えば地面のように遠隔位置に配置されていてもよい。ケージ20の遠隔観察と遠隔制御を可能にするこの構成により、救助隊は、立ち往生している人々を発見し、救助隊の構成員の生命の危険を冒さずに、人々を救助するようケージ20を送ることができる。もちろん、ケージ20内に乗っているシステム10のオペレータもシステム10の構成要素を制御することが可能である。
【0044】
システム10は、カメラ35と音声通信装置39とが搭載された移動ロボット33をさらに備えていてもよい。ロボット33は、人々または火のような「ホットスポット」を検知することができる熱感知装置を備えていてもよい。通信装置39は双方向音声通信を可能にするように構成され得る。好ましくは、ロボット33は、ロボット33を選択的に移動させるために、遠隔制御装置63と通信する。
【0045】
したがって、システム10が救助隊員の生命の危険を冒さずに、非常に高い所から人々を発見し救出する能力を有するように、システム10は全体が遠隔制御されうる。例えば、ハウジング12(従ってシステム全体)を高層建築物の上方に遠隔から移動させ得る。ハウジングに取り付けられたカメラ30を使用すると、助けを必要とする人々を捜索することができる。ドア17が低下され、ロボット33はケージ20から出て建物16の窓18(図2を参照)へ移動されてもよい。
【0046】
したがって、ロボット33は、建物の内部で徘徊することにより、立ち往生している人々の捜索を支援することが可能である。ロボット33は、ケージ20を運転している人によって建物16の中に配置されてもよく、すなわち建物の中に入るように遠隔制御されてもよい。ロボット33を使用して人々の位置が特定されると、音声装置39を使用して立
ち往生している人々と通信することができる。もちろん、遠隔制御装置63は、ロボット33によって検知された像と音の受け取りを可能にする別のビュアー通信ハードウェアを含む(または補足される)ものとする。ロボット33および遠隔制御装置63はバッテリで操作されてもよく、それらの間の通信は赤外線または無線通信のような任意の公知の方法によってなされ得る。
【0047】
図4は、システム10の第1実施形態の平面図を示す。システム10のこの実施形態は、底部19と、底部19から上方に延びる側壁21とを有するケージ20を備えている。コネクタ、例えばケーブル34は、好ましくはハウジング12の主要部材12p上の位置
で、ハウジング12にケージ20を接続する。ケージ20はさらに、略平行かつガイド14に対して離間して配置された一対のトラック(track)66内に係合する一対のホイー
ル32をさらに備える。システムがガイド14に対して移動するときにホイール32がトラック66内に保持されるように、トラック66は配置および構成される。トラック66はシステム10の安定性を増加させるための1つのオプションであるが、高価なオプションである。コストを大幅に縮小させて安定性の増加を達成するための代わりの構造については以下に説明する。
【0048】
第1のホイール対25はハウジング12の交差部材12cの前面に配置される。また、
第2のホイール対27はハウジング12の主要部材12pの上でハウジングに接続される
。カメラ30は、ハウジング12の主要部材12pの上部の表面に結合された状態で示さ
れているが、カメラ30の別の配置ももちろん可能である。
【0049】
各レール14Aおよび14Bの内面は、第1ホイール25および第2ホイール27の各々の周面に接線方向で摩擦係合する。1実施形態では、ホイールは、タイヤが道路を把持するように、レールの表面を摩擦によって把持する。そのため、ホイール25および27には溝すなわちトレッドが装備され得る。しかしながら、示された実施形態では、第1ホイール25は、第1ホイール25の各々の周面の歯と相補的形状にあり対合する歯36を支持する。ハウジング12の交差部材12cはレール14Aおよび14Bの背後にあり、主要
部材12pはレール14Aと14Bの間の空間から外方向に突出している。ホイール25お
よび27の形状は、質量中心C(図実3を参照)およびケージ20の重量と共に、協同して回転モーメントM(図3を参照)を生成する。この回転モーメントMは第1ホイール25をガイド14の内表面に対して付勢すると共に、また第2ホイール27をガイド14の外表面に接触するように付勢する傾向がある。
【0050】
さらに、第1ホイール25をガイド14の内表面に配置された歯36に接触した状態に維持するこの付勢作用をさらに助けるために、ハウジング12の交差部材12cの外表面
に付勢ホイール38が配置され得る。システム10の移動を困難にするしっかりとした固定を付勢モーメントMがガイド14に課してもよい。任意選択で、システム10は、反対
方向に力を働かせることにより自然のモーメントMに抵抗する装置を備えてもよい。
【0051】
図5は、ハウジング12とその内容を詳述する、システム10の第1実施形態の組立分解図を示す。ハウジング12の内部の回転手段40は第1ホイール25を回転させる。回転手段40は油圧モータ、電動モータまたは燃料で動作されるモータを含んでよい。一般に回転手段40は、モータの長手方向軸と概ね同心の駆動軸を有している。動力または原動力がシステムの任意の外部源から必要とされないように、回転手段40は完全に自給式であることが好ましい。
【0052】
多くの例では、システム10は動力または電気アクセスを有しない建物を登るために、または動力源が破壊されたか停止された場合に使用されるだろう、したがって、外部源からの動力が利用不可能な場合でもガイド14に沿って移動できるように、システムはそれ
自身の自給式の動力源を備えて構成されていることが好ましい。第1の軸44は回転手段40を貫通し、第1のホイール対25の各ホイールに対称的かつ同心的に接続される。ホイール25の各々の周面にはギア歯26が、(図4に示した)ガイド14の内表面のギア歯と相補的形状にあり、かみ合い、対合するように構成されている。
【0053】
代替実施形態では、回転手段40は第2ホイール27と連絡してもよい。この実施形態では、ギア歯(図示しない)は第2ホイール27の周面にあり、レール14Aおよび14Bの外表面のギア歯と対応し、かみ合う。
【0054】
油圧モータは当該技術分野において公知であり、油圧モータが各シャフトはモータの長手方向軸に同心である2重シャフトのモータを含むこともよく知られている。この同心の構成の例はスガハラ(Sugahara)の米国特許第4,907,495号に見出すことができるし、ショープス(Schoeps)の米国特許第5,704,434号にも見出すこともできる。
これらの特許の各々、すなわちスガハラの’495号およびショープスの’ 434号は
、あたかも一字一句が述べられているかのように参照により本明細書に組み込まれものとする。
【0055】
回転手段40が油圧モータを備えている場合、流体ライン42は流体を回転手段40へ推し進めるポンプにつながるだろう。代わりに、電動機を備えた回転手段40が選択された場合、ライン42は、電池のような電流源の正端子および負端子にそれぞれつながるだろう(図6を参照)。どのタイプの回転手段40が選択されても、本明細書で述べられているように、回転手段40は、駆動トルクを供給する外部動力源無しでシステム10を移動させることが可能な自給式の動力源により動力を供給されることが好ましい。
【0056】
第1ホイール25は、ハウジング12の交差部材12cの表面に形成された開口部48
から突出する。軸44はハウジング12の交差部材12cの内部を通過して延び、ハウジ
ング12に形成された孔を貫通する。エンドプレート50は交差部材の端部表面をカバーすると共に、軸44の両端を保護する。
【0057】
図6は、ハウジング12の第1実施形態と別の内容の組立分解図を示す。この実施形態では、回転手段40は、モータ60に取り付けられたスプロケット54とチェーン56の組み合わせ、すなわちホイールとベルトの組み合わせを備えている。スプロケット54は軸44に結合されており、スプロケット54の回転がやはり第1ホイール25を回転させるようになっている。回転手段40は、電池52のような電流源によって動力を供給されうるモータ60を備えてもよいし、または、回転手段40は、ディーゼル機関または内燃機関のような任意の公知のタイプのモータを備えてもよい。
【0058】
モータ60の駆動軸は、スプロケット54とベルトまたはチェーン56との組み合わせを回転させ、それにより軸44に回転トルクが付与され、これが各々のホイール25に移送される。開口部48、孔、およびエンドプレート50を含めたハウジング12の残りの態様は、先の図5で説明した部分と同様である。
【0059】
図7は、システム10の第2の好ましい実施形態の平面図を示す。この実施形態では、ガイド14は例えば標準的なIビームのような一本のレールである。実際には、システム10は、業界標準の任意のタイプのビーム、レールまたはトラックで形成されたガイド14を組み込んでもよく、それにより、注文仕様の部分の必要性をなくすことでコストが低減される。業界標準のビームから形成されたガイド14は、既存の構造物に本発明のシステム10を改良として後から取り付けることを可能にすることにより、システムを単純化するだろう。ハウジング12は、略T字形で示されているが、代替的な形も確かに本発明の範囲内にある。
【0060】
ハウジング12の交差部材12cの端部部分から略直交方向へ、一対の支柱68が延び
ている。第1のホイール対27は支柱68に回転可能に装着され、ガイド14の内表面に係合する。
【0061】
ハウジング12は、第1ホイール25の周面を突出可能にするスロット(図7には図示しない、図9を参照)を有する。第1ホイール25は、好ましくはその周面にギア歯26を有する。第1ホイール25上の歯26は、ガイド14の外表面の歯と対合し、かみ合うように協同的に形成される。
【0062】
ホイール25および27よりも先端の位置で、ハウジング12にはケージ20が結合され得る。ケージ20の重量、−ならびに任意の占有者の重量−は、ホイール25および27の各々がガイド14の表面に対して付勢される「ロック作用」を生成する回転モーメントを生成する。
【0063】
ケージ20はケーブル34によってハウジング12に結合されてもよく、他の任意の結合手段がもちろん可能である。ケージ20は建物16の表面に係合するさらなる対を備えてもよい。任意選択で、建物16に一対のトラック(図示しない)が結合され、ガイドに対して平行かつ離間して配置されうる。しかしながら、余分なトラックのセットは、追加のレールの配置を必要とし、さらにはその追加のレール内を回転するように構成された一対のホイール(例えば図4に示されたような)をも必要とするだろう。そうではなく、図7に示されているように、ケージ20はケージ20の移動および輸送を促進するために、ケージ20の側壁21に沿って配置された一対のホイール76を備えてもよい。
【0064】
しかしながら、前の段落で説明した実施形態は、追加のレールの設置を要求するものである。このような追加は、当然新規のまたは既存の構造物にシステム10を適合させる仕事のコストおよび労働費を増大させる。この費用を回避し、同様の移動規制の結果を達成するために、ケージ20はケージ20から延びるホイール装着部74と、ホイール装着部74に結合された一対のホイール72とを備えてもよい。ホイール72は、ガイド14の内表面に係合し、ケージ20がガイド14に対して移動されたときにガイド14内を回転するように形成される。ホイール装着部74とホイール72は、ガイド14の長手方向軸に沿った移動を許容し、かつ同時に他の方向への移動を制限するように協力する。
【0065】
図8は図7に示されたケージ20の実施形態の斜視図を示す。ケージ20はシステム10の残りの部分から分離されている。ホイール装着部74がケージ20の壁21から、好ましくはケージ20の底部19に隣接して延びている。
【0066】
この実施形態では、ホイール装着部74が一対の離間した支柱を備えている。この支柱はガイド14(図8には図示しない、図7を参照)の幅を収容するのに十分に離間される。さらに、(図7に示したように)ホイール72の各々がガイド14の内表面に係合するようにホイール72は配置される。ケージ20がガイド14に対して相対移動したときに(図7を参照)、ホイール72の係合面と(ハウジング上の)ホイール27の係合面とがガイド14の内表面に同時に係合することが好ましい。ガイド14の内表面とのホイール27および72のこの同時係合を達成するために、ホイール装着部74は付勢手段を有してもよい。好ましくは、ホイール装着部74はケージ20の底部の縁部と平行に軸の周りを回転可能に付勢されうる。
【0067】
上述したように、システムがガイド14に沿って移動するように構成されていない場合には、一対のホイール76がケージ20の輸送を支援する。例えば、救助隊は、非常時に応じて、ケージ20またはシステム10全体を持って来てもよい。ホイール76は、ケー
ジ20がシステム10に加えられ得る位置にケージ20を転がすのを支援するだろう。好ましくは、ホイール76の地面との係合面は、ホイール72の地面との係合面とほぼ同一平面上にあり、ケージ20(これは非常に重い可能性がある)を適所で転がす仕事が容易となっている。ケージ20に同様に取り付けられた追加のホイール(またはホイール対)ももちろん本発明の範囲内にある。さらに、ケージ20に取り付けられたホイール72は動力源により駆動されてもよく、これによって、地面に沿ってケージ20を駆動して、システム10がガイド14と接続可能となるようにシステム10を配置させることが可能となる。
【0068】
図9は、図7に示した本発明の第2の好ましい実施形態の組立分解図を提供し、ハウジング12とその内容を示す。多くの点で、システム10の第2実施形態の態様は、図3−6に示した第1実施形態の態様と類似している。したがって、類似部分には同一の参照番号が割り当てられている。
【0069】
図9に示した実施形態は、1つの第1ホイール25を好ましくは有し、ホイール25は、歯26を有すると共に、ハウジングに形成されたスロット70を通過して突出する。ハウジング12の内部に配置された回転手段40は、第1ホイール25を回転させる。回転手段40は、モータの長手方向軸と概ね同心の駆動軸を有する油圧モータを備えてもよいし、または同一または類似の形状の電動モータであってもよい。第1ホイール25上のギア歯26は、(図7を示したように)ガイド14の外表面のギア歯と相補的形状にあり、かみ合い、対合する。
【0070】
回転手段40は好ましくはハウジング12内に含まれている。示されているように、軸44がホイール25から伸び、ハウジング12の両端付近の孔に保持され得る。ハウジング12で回転手段を固定する代替の方法または手段ももちろん可能である。
【0071】
代わりに、回転手段40は第2ホイール27と連絡してもよい。この実施形態では、ギア歯(図示しない)が第2ホイール27の周面にあり、ガイド14の内表面の歯と対応し、かみ合っている。
【0072】
図10は、第3の本発明の好ましい実施形態の平面図を示す。システム10のこの実施形態は、第1の好ましい実施形態と同じ特徴および限定の多くを組み込んでいる。理解の連続性および容易さを確立するために、類似の部分には同一の参照番号を与えている。
【0073】
この実施形態では、ガイド14はレール14A,14Bの平行な配置によって構成されている。レールは、例えば建物16の壁のような表面に装着された標準的なIビームであってもよい。この実施形態では、第1ホイール25がハウジング12のそれぞれの交差部材12cに装着されている。第1ホイール25の各々の周面はそれぞれのレール14A.14Bの外表面に係合する。第1ホイール25およびレール14Aおよび14Bは、互いにかみ
合い対合するギア歯36で協力的に形成される。
【0074】
ハウジング12はさらに、ハウジング12の交差部材12cに接続された第2のホイー
ル対27を備えている。第2ホイール27は、第1ホイール25よりもハウジング12の質量中心からさらに遠くにある軸の周りを回転する。第2ホイール27の各々の周面はそれぞれのレール14A,14Bの内表面に係合する。したがって、それぞれのレール14A
,14Bは、各レールが第1ホイール25と第2ホイール27との間を通過するように配
置されている。
【0075】
図10に示したこの実施形態では、システム10は、第1ホイール25の少なくとも1つの回転により、ガイド14と相対移動する。代わりに、第2ホイール27が回転手段4
0によって駆動されてもよい。これについて、回転手段(図8を参照)は、回転を強制的に行い、したがって相対運動を促すように、ハウジング12内に位置させるものとする。
【0076】
ケージ20は、好ましくはハウジング12の主要部材12pの上で、ハウジング12に
結合され得る。上述したように、ハウジング12にケージ20を接続するには無数の方法が存在するので、ケーブル34が示されてはいるが、他の結合および/または接続方法も可能であり、本発明の範囲内にある。
【0077】
任意選択で、システム10は表面16と係合するように構成されたホイール(図10に図示しない)を備えていてもよい。これらのホイールは、使用時の望まれない動き、傾き、衝撃、または滑りをさらに制限することにより、システムの安全性をさらに増強する。これを防ぐ一つの方法は、一対のトラック(図4の参照番号66を参照)を、概ね平行に、ガイド14に対して離間して配置することである。
【0078】
図11は、図10で示されたケージ20の実施形態の斜視図を示す。ケージ20はシステム10の残りの部分から分離されている。多くの点で、ケージ20のこの実施形態は図8で示されたケージ20と同一である。したがって、単純にするために、類似部分には同一の参照番号が割り当てられている。
【0079】
ケージ20のこの実施形態から特に異なる箇所はホイール装着部74およびホイール72の形状である。図11で示した実施形態は一対のホイール72のみを描いているが、救助隊がケージ20を地面に沿って転がすのを可能にするさらなる追加のホイール対(図示しない)を備えることは本発明の範囲内である。この実施形態では、ホイール装着部はケージの側壁21から延びる一本の柱を含む。一本の柱から略直交方向に一対の支柱が延び、ホイール72で終端している。この実施形態では、ガイド14の平行レール14Aとレ
ール14Bの間の空間を柱が通過することが可能である(図3および10に示したように
)。さらに、ホイール72は、各々がガイド14の内表面に係合するように配置される(図3および10に示したように)。(ケージ20に接続された)ホイール72の係合面および(ハウジングに接続された)ホイール27の係合面は、ケージ20がガイド14に対して相対移動したときに(図7を参照)同時にガイド14の内表面に係合することが好ましい。ガイド14の内表面とのホイール27および72のこの同時係合を達成するために、ホイール装着部74は付勢手段を含んでいてもよい。好ましくは、ホイール装着部はケージ20の底部の縁部と平行な軸の周りを回転可能に付勢され得る。
【0080】
図8の実施形態と同様に、ホイール76の対はガイド14に接続されていないときのケージ20の輸送を支援する。
図12は、図10に示した本発明の実施例の組立分解図を提供し、ハウジング12およびその内容を示す。多くの点で、システム10の第2実施形態の態様は第1実施形態の態様と類似している。したがって、類似部分には同一の参照番号が割り当てられている。
【0081】
ハウジング12の内部の配置された回転手段40は第1ホイール25を回転させる。 回転手段40は、モータの長手方向軸と概ね同心の駆動軸を有する油圧モータを備えてもよいし、または同一または類似の形状の電動モータであってもよい。第1の軸は回転手段40を貫通し、第1のホイール対25の各々に対称的かつ同心的に接続される。ホイール25の各々の周面上にはギア歯26が、(図10に示したように)ガイド14の外表面の歯と相補的形状にあり、かみ合い、対合するように構成されている。
【0082】
代替実施形態では、回転手段40は第2ホイール27と連絡してもよい。この実施形態では、ギア歯(図示しない)は第2ホイール27の周面にあり、レール14Aおよび14Bの内表面上のギア歯と対応し、かみ合う。
【0083】
回転手段40が油圧モータを備えることが選択された場合、流体ライン42は流体を回転手段40に推し進めるポンプにつながるだろう。代わりに、回転手段40が電動モータを備えている場合、ライン42は、(図6に示した)電池のような電流源の正端子および負端子にそれぞれつながるだろう。
【0084】
第1ホイール25は、ハウジング12の交差部材12cの後方を向いた表面に形成され
た開口部48から突出する。軸44はハウジング12の交差部材12cの内部を貫通する
。
【0085】
ハウジング12のそれぞれの交差部材12cには第2のホイール対27が接続されてい
る。交差部材12cは、第1ホイール25の軸周囲の自由な回転を可能にすべく、交差部
材12cから延びる支柱68を備え得る。
【0086】
図13は、ハウジング12およびカメラ30の関係に着目した斜視図を示す。図13で示される図は、図2−6の実施形態と組み合わされたハウジング12およびカメラ30を示す。しかしながら、図13に関して説明した特徴が本明細書で示したどの実施形態にも組み込まれ得ることは当然である。
【0087】
ハウジング12の主要部材12pの上部表面には伸縮式ポール28が装着されている。
もちろん、ポールの別の配置が可能であり、本発明の範囲内にある。伸縮式ポール28によって、カメラ30からハウジング12の分離高さhを調節することができる。一般に、高さhは、第2セットの制御装置31の動作により調節され得る(図3を参照)。カメラ30は、ポール28の長手方向軸と略平行な第1軸Lの周りを回転可能である。カメラ30のこの回転は、ポール28の1または複数のセグメントをハウジング12に対して回転可能にすることにより達成され得る。
【0088】
結合部材37は、カメラ30にポール28の上部を接続し、軸pの周囲でカメラ30を回転させる。一般に、軸pおよびLは、カメラ30によって達成可能な視野を増大させるために、互いに直交している。
【0089】
装置の特定の実施形態を以上に説明してきたが、本発明の根本的な概念は、本発明の範囲を逸脱しない以上に詳述されていない様々な状況に適用され得る。例えば、科学者は、物および/または人を宇宙へ移動させる効率的な方法として、宇宙エレベータの計画を練ることに近年深く従事している。一旦そのような材料または人が地球の重力から外れると、それらをある位置から別の位置、すなわち例えば月や火星のような離れた位置に移動させることは、ロケットのような従来の手段によって地面から宇宙に負荷体全体を移動させることと比較して、著しく安価である。本発明の装置は、宇宙エレベータに沿って負荷体を移動させるための動力手段として利用することが可能である。
【0090】
米国海軍は、航空母艦の水平距離に沿って負荷体を移動させる手段を必要としている。本発明の装置はその任務に都合が良い。なぜなら、本発明の装置のある実施形態には望み通りにガイドを取り付けたり取り外したりすることができ、キャリヤの永久部品である装置である必要はなく、必要な場合に負荷体をガイドに沿って移動することが可能であるためである。多くの同じ理由から、本発明の装置は石油プラットホームで使用される際にも非常に役立つだろう。
【0091】
挿入または監視の点では、挿入または監視が望まれ得る様々な位置で、独立したガイドを使用することが可能である。そのようなガイドは容易に分解され、および/または移動される。本発明の装置の可搬性は、遠く離れた位置にいる人の容易な挿入を許容すると共
に、個人が観察可能な上述したような本発明のガイドとプラットホームまたはケージとから成る監視「タワー」の生成を可能にする。
【0092】
本発明を詳細に説明および図で例証してきたが、それらは例証および例にすぎないのであって、限定とみなされるべきではないことは明らかである。本発明の精神および範囲は特許請求の範囲の用語によってのみ限定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の基本的概念の略図。
【図2】本発明の原理に従って示された、人々の捜索および救助を支援する装置として使用中のシステムの斜視図。
【図3】システムの第1の好ましい実施形態の斜視図。
【図4】システムの第1の好ましい実施形態の平面図。
【図5】システムの第1の好ましい実施形態と組み合わせて示されたハウジングとその内容を示す組立分解図。
【図6】システムの第1の好ましい実施形態と組み合わせて示されたハウジングとその代替的な内容を示す組立分解図。
【図7】システムの第2の好ましい実施形態の平面図。
【図8】図7に描かれたケージの斜視図。
【図9】システムの第2の好ましい実施形態と組み合わせて示されたハウジングとその内容を示す組立分解図。
【図10】システムの第3の好ましい実施形態の俯瞰図。
【図11】側面ホイールを備えて示された、図10に描かれたケージの変形例の斜視図。
【図12】システムの第3の好ましい実施形態による、ハウジングとその内容の組立分解図。
【図13】第1の好ましい実施形態と組み合わせて示されたハウジング、ポールおよびカメラの詳細を示す斜視図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
質量中心を有するハウジングと;
第1回転軸の周りを回転するように構成され、前記質量中心から第1の距離だけ変位した位置にある第1ホイールと;
ハウジングに接続され、第2軸の周りを回転するように構成された第2ホイールと、前記第2軸は質量中心から第2の距離だけ変位した位置にあり、前記第1軸と概ね平行であることと;
第1ホイールと第2ホイールの間に配置され、第1ホイールと第2ホイールの各々の周面に接線方向で係合するガイドと、
質量中心に対する第1軸と第2軸の各々との配置は、第1ホイールおよび第2ホイールをガイドと摩擦係合すべく付勢する回転モーメントを生じさせることと;
第1ホイールを回転させる回転手段と;
回転手段と通信し、ハウジングから離れたところに位置する第1セットの制御装置と;
ハウジングに接続されたケージを含む取付装置と;を備え、
第1ホイールの回転がシステムをガイドに対して相対移動させるシステム。
【請求項2】
第1ホイールは、ガイド上に位置する歯とかみ合い対合する歯を有するギアである請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
取付装置はカメラを備える請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
ハウジングから離れたところに位置し、カメラを選択的に配置させるように構成された第2セットの制御装置をさらに備える請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
ハウジングにカメラを接続するポールをさらに備え、カメラはポールに対して概ね直交する軸の少なくとも1つの周囲を選択的に回転可能である請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
ハウジングおよびケージは単一のモノリシックな1つの部分から成る構造物として形成されている請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
ケージが閉位置と開位置との間で選択的に配置可能なドアをさらに有し、閉位置ではドアがケージの側壁と面一にあり、開位置ではドアがケージから延びてケージ上につながる傾斜路を形成する請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
ケージに接続され、ケージの底部に隣接配置された少なくとも1つの第3ホイールをさらに備え、第3ホイールはケージが底部と概ね平行な表面に沿って直立位置で転がることを可能にする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
ケージから延びるホイール装着部と、ホイール装着部上に配置され、システムがガイドに対して相対移動したときにガイドの内表面に係合するように構成された少なくとも1つの第4ホイールとをさらに備える請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
回転手段はハウジングの内部に配置されている請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
回転手段は、第1軸と同心の駆動軸を備えた油圧モータを有する請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
ハウジングに接続され、第1ホイールをガイドと接触すべく付勢するように構成された
付勢手段をさらに備える請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
遠隔制御ロボットと;
ロボットに接続されたカメラと;
ロボットを選択的に配置させるためのロボットと通信する遠隔制御装置と;
カメラによって捕捉された像を人が遠隔に見ることを可能にする、カメラと通信するビュアーと;
をさらに備える請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
ロボットに配置され、人が音を聞くことを可能にする音声通信装置をさらに備える請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
音声通信装置は双方向の音声通信を可能にする請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
移動システムであって、
略T字形の断面を有するハウジングと、該T字形は、主要部材と、主要部材から概ね直交して主要部材の端部に隣接して延びる一対の交差部材とを有し、ハウジングは主要部材内に質量中心を有することと;
第1のホイール対と、各第1ホイールはそれぞれ交差部材に配置され、第1軸の周りを回転するように構成されていることと;
ハウジングに接続され、それぞれの軸の周りを回転するように構成された第2のホイール対と、前記軸は質量中心から変位した位置にあり、第1軸と概ね平行であることと;
前記第1のホイール対と第2のホイール対のうちの少なくとも1つのホイールを含む駆動ホイールを回転させる回転手段と、回転手段はハウジング内に配置されていることと;
回転手段を選択的に作動させる、ハウジングから離れたところに位置する第1セットの制御装置と;
第1のレールおよび第1レールから離間した第2のレールを有するガイドと、第1レールおよび第2レールの各々は1ホイールの軸と第2ホイールの軸の間を通過するように配置され、第1レールおよび第2レールの各々は第1のホイール対のそれぞれ一つおよび第2のホイール対のそれぞれ一つの周面に接線方向に摩擦係合するように構成されていることと;
ハウジングに接続されたカメラと;
カメラから見えるビューを選択的に変更し、ハウジングから離れたところに位置する第2セットの制御装置と;を備え、
駆動ホイールの回転がハウジングをガイドに対して相対移動させるシステム。
【請求項17】
第1レールと第2レールの間に空間をさらに備え、ハウジングの交差部材がレールの背後にあり、ハウジングの主要部材がレールの背後から外側に突出し、第1レールと第2レールの間の空間を通過するようになっている請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
一対の支柱をさらに備え、各支柱がハウジングの各交差部材のそれぞれの先端から延びており、各第2ホイールがそれぞれの支柱に装着される請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
各第1ホイールはそれぞれのレールの内表面に係合し、各第2ホイールはそれぞれのレールの外表面に係合する請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
少なくとも1つの第1ホイールの周面に配置されたギア歯と、
ガイドの表面に配置されたギア歯と、をさらに備え、
少なくとも1つの第1ホイール上のそれぞれのギア歯はガイド上のギア歯と相補的形状にあり、対合し、かみ合う請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
ハウジングに接続されたケージと;
ケージからガイドに向かって延びるホイール装着部と;
ホイール装着部に取り付けられ、ガイドの内表面に係合するように構成された少なくとも1つの第3ホイールと;をさらに備える請求項16に記載のシステム。
【請求項22】
カメラにハウジングを接続する伸縮式ポールをさらに備える請求項16に記載のシステム。
【請求項23】
ハウジングにカメラを接続するポールをさらに備え、カメラが、
ポールの長手方向軸;および
ポールの長手方向軸に概ね直交する軸;
の内の少なくとも1つの周りを回転可能である請求項16に記載のシステム。
【請求項24】
回転手段は、第1のホイール対の回転軸と概ね同心の駆動軸を有する油圧モータを有する請求項16に記載のシステム。
【請求項25】
ガイドは建物の壁または天井を含む表面に沿って配置され、システムは、
ハウジングに接続され、底部と底部から上方に延びる複数の側壁とを有するケージと、ケージから延び、ガイドの内表面に係合する一対のホイールと、
をさらに備える請求項16に記載のシステム。
【請求項26】
システムであって、
ハウジングと、ハウジングは、ハウジングの後面の上部から概ね直交する方向に各々が延びる一対の離間した支柱を備えることと;
ハウジングの質量中心から第1の距離だけ変位した位置にあり、第1の回転軸の周りを回転するように構成された第1ホイールと;
各ホイールがハウジングの質量中心から変位した位置にあるそれぞれの軸の周囲を回転するようにそれぞれの前記支柱に回転可能に各々が接続された第2のホイール対と、それぞれの軸の各々は第1の距離よりも大きな長さだけ変位された位置にあると共に第1軸と概ね平行であることと;
ハウジングの質量中心が第1軸と接続点との間にあるような該接続点でハウジングに接続されたケージと;
第1ホイールと第2ホイール対との間に配置され、第1ホイールと第2のホイール対の各々との周面に接線方向で係合するガイドと、
質量中心に対する第1ホイールと第2のホイール対の各々との配置は、第1ホイールと第2のホイール対の各々とをガイドと摩擦係合すべく付勢する回転モーメントを生じさせることと;
ハウジング内に位置し、第1ホイールを回転させるように構成された回転手段と;
回転手段と通信し、ハウジングから離れたところに位置する第1セットの制御装置と;
第1ホイールの周面にあり、ガイドの表面の歯と対合しかみ合うように協同的に構成されたギア歯と;を備え、
第1ホイールの回転がシステムをガイドに対して相対移動させるシステム。
【請求項27】
ハウジングの後面に形成されたスロットをさらに備え、第1ホイールの周辺部はスロットから外側に突出する請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
ハウジングに接続されたカメラをさらに備える請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
ハウジングにカメラを接続するポールをさらに備える請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
ポールが伸縮式であり、ポールの長さは、ハウジングから離れたところに位置する第2セットの制御装置の操作により選択的に調節可能である請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
カメラが、
ポールの長手方向軸;または
ポールに概ね直交する軸;
の内の少なくとも1つの周りを回転可能である請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
ケージが閉位置と開位置との間で選択的に配置可能なドアをさらに有し、閉位置ではドアがケージの側壁と面一にあり、開位置ではドアがケージから延びてケージ上につながる傾斜路を形成する請求項26に記載のシステム。
【請求項33】
ガイドが壁に沿って配置され、システムが、ケージから延び、ガイドの内表面に係合するように構成された第3ホイールをさらに備え、第3ホイールはケージが壁に対して相対移動したときにガイド内で転がる請求項26に記載のシステム。
【請求項34】
遠隔制御ロボットと;
ロボットに接続された第2のカメラと;
ロボットを選択的に配置させるためのロボットと通信する遠隔制御装置と;
第2のカメラによって捕捉された像を人が遠隔に見ることを可能にする、第2のカメラと通信するビュアーと;
ロボットに配置された双方向音声通信装置と;
をさらに備える請求項26に記載のシステム。
【請求項35】
システムであって、
略T字形の断面を有するハウジングと、該T字形は、主要部材と、主要部材の端部から概ね直交して延びる一対の交差部材とを有し、ハウジングは主要部材内に質量中心を有することと;
第1のホイール対と、第1ホイールはそれぞれの交差部材に配置され、第1軸の周りを回転するように構成されていることと;
ハウジングに接続され、第2軸の周りを回転するように構成された第2のホイール対と、前記第2軸は質量中心から変位した位置にあり、第1軸と概ね平行であることと;
前記第1のホイール対と第2のホイール対のうちの少なくとも1つのホイールを含む駆動ホイールを回転させる回転手段と、回転手段はハウジング内に配置されていることと;
回転手段を選択的に作動させる、ハウジングから離れたところに位置する第1セットの制御装置と;
第1のレールおよび第1のレールから離間した第2のレールをから構成されたガイドと、第1レールおよび第2レールの各々は、第1のホイール対のそれぞれ一つおよび第2のホイール対のそれぞれ一つの周面に接線方向で摩擦係合するように配置されていることと;
第1のホイール対の内の1つの周面のギア歯と、ギア歯は、第1レールおよび第2レールの各々の内表面のギア歯と対合し、相補的形状にあることと;
第1レールおよび第2レールは、ハウジングの交差部材がレールの背後にあり、ハウジングの主要部材が第1レールと第2レールの間で突出するように離間していることと;
ハウジングに接続された第1のカメラと;
カメラから見えるビューを選択的に変更し、ハウジングから離れたところに位置する第2セットの制御装置と;
第1のカメラと通信し、第1カメラに入力された像を人が見ることを可能にするビュアーと;
カメラによって受け取られた像を記録および保持するように構成された記録装置と;
ハウジングに接続されたケージと、ケージは、
底部と、底部から上方に延びる複数の側壁と、ケージから延び、表面に係合する第3のホイール対と、
側壁に位置し、ケージと旋回可能に結合し、底部に隣接し、かつ第1位置と第2位置との間で選択的に配置可能なドアとを有し、第1位置ではドアは側壁と面一にあり、第2位置ではドアがケージへの傾斜路となるよう延びることと;
第1のカメラと通信し、第1の換えらを選択的に配置させるように構成された第2セットの制御装置と;
ロボットと;
ロボット上で接続された第2のカメラと;
ロボットに接続された双方向の音声通信装置と;
ロボットと通信し、オペレータが選択的にロボットの位置を決定することを可能にする第3セットの制御装置と;
第2のカメラと通信する第2のビュー装置と;を備え、
駆動ホイールの回転がハウジングをガイドに対して相対移動させるシステム。
【請求項36】
負荷体をある距離に沿って移動させる装置であって、
負荷体と;
前記負荷体に取り付けられた棒状部分と;
第1の終端と第2の終端とを有する交差部分と、前記交差部分は記棒状部分に固定的に取り付けられていることと;
前記交差部分の第1の終端に回転可能に取り付けられた第1ホイールと;
前記交差部分の第2の終端に回転可能に取り付けられた第2ホイールと;を備え、
前記負荷体の重量は、第1ホイールおよび第2ホイールを、第1ホイールと第2ホイールとの間に配置されたガイドに対して付勢し、それによって第1ホイールおよび第2ホイールは前記ガイドに沿って移動可能となっている装置。
【請求項37】
負荷体をある距離に沿って移動させる方法であって、
前記負荷体の重量を使用してガイドに対して輸送装置を付勢すること;および
前記距離に沿って前記輸送装置と前記負荷体とを移動させること;
からなる方法。
【請求項38】
前記距離が垂直距離を含む請求項37に記載の方法。
【請求項39】
ある距離に沿って負荷体を移動させる方法であって、
前記負荷体の重量を使用して、ローラ対上にネットトルクを引き起こし、それによりローラ対がガイド上に力を引き起こし、前記ローラ対および前記負荷体を前記ガイドに沿って移動可能にすること;からなる方法。
【請求項1】
システムであって、
質量中心を有するハウジングと;
第1回転軸の周りを回転するように構成され、前記質量中心から第1の距離だけ変位した位置にある第1ホイールと;
ハウジングに接続され、第2軸の周りを回転するように構成された第2ホイールと、前記第2軸は質量中心から第2の距離だけ変位した位置にあり、前記第1軸と概ね平行であることと;
第1ホイールと第2ホイールの間に配置され、第1ホイールと第2ホイールの各々の周面に接線方向で係合するガイドと、
質量中心に対する第1軸と第2軸の各々との配置は、第1ホイールおよび第2ホイールをガイドと摩擦係合すべく付勢する回転モーメントを生じさせることと;
第1ホイールを回転させる回転手段と;
回転手段と通信し、ハウジングから離れたところに位置する第1セットの制御装置と;
ハウジングに接続されたケージを含む取付装置と;を備え、
第1ホイールの回転がシステムをガイドに対して相対移動させるシステム。
【請求項2】
第1ホイールは、ガイド上に位置する歯とかみ合い対合する歯を有するギアである請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
取付装置はカメラを備える請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
ハウジングから離れたところに位置し、カメラを選択的に配置させるように構成された第2セットの制御装置をさらに備える請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
ハウジングにカメラを接続するポールをさらに備え、カメラはポールに対して概ね直交する軸の少なくとも1つの周囲を選択的に回転可能である請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
ハウジングおよびケージは単一のモノリシックな1つの部分から成る構造物として形成されている請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
ケージが閉位置と開位置との間で選択的に配置可能なドアをさらに有し、閉位置ではドアがケージの側壁と面一にあり、開位置ではドアがケージから延びてケージ上につながる傾斜路を形成する請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
ケージに接続され、ケージの底部に隣接配置された少なくとも1つの第3ホイールをさらに備え、第3ホイールはケージが底部と概ね平行な表面に沿って直立位置で転がることを可能にする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
ケージから延びるホイール装着部と、ホイール装着部上に配置され、システムがガイドに対して相対移動したときにガイドの内表面に係合するように構成された少なくとも1つの第4ホイールとをさらに備える請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
回転手段はハウジングの内部に配置されている請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
回転手段は、第1軸と同心の駆動軸を備えた油圧モータを有する請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
ハウジングに接続され、第1ホイールをガイドと接触すべく付勢するように構成された
付勢手段をさらに備える請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
遠隔制御ロボットと;
ロボットに接続されたカメラと;
ロボットを選択的に配置させるためのロボットと通信する遠隔制御装置と;
カメラによって捕捉された像を人が遠隔に見ることを可能にする、カメラと通信するビュアーと;
をさらに備える請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
ロボットに配置され、人が音を聞くことを可能にする音声通信装置をさらに備える請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
音声通信装置は双方向の音声通信を可能にする請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
移動システムであって、
略T字形の断面を有するハウジングと、該T字形は、主要部材と、主要部材から概ね直交して主要部材の端部に隣接して延びる一対の交差部材とを有し、ハウジングは主要部材内に質量中心を有することと;
第1のホイール対と、各第1ホイールはそれぞれ交差部材に配置され、第1軸の周りを回転するように構成されていることと;
ハウジングに接続され、それぞれの軸の周りを回転するように構成された第2のホイール対と、前記軸は質量中心から変位した位置にあり、第1軸と概ね平行であることと;
前記第1のホイール対と第2のホイール対のうちの少なくとも1つのホイールを含む駆動ホイールを回転させる回転手段と、回転手段はハウジング内に配置されていることと;
回転手段を選択的に作動させる、ハウジングから離れたところに位置する第1セットの制御装置と;
第1のレールおよび第1レールから離間した第2のレールを有するガイドと、第1レールおよび第2レールの各々は1ホイールの軸と第2ホイールの軸の間を通過するように配置され、第1レールおよび第2レールの各々は第1のホイール対のそれぞれ一つおよび第2のホイール対のそれぞれ一つの周面に接線方向に摩擦係合するように構成されていることと;
ハウジングに接続されたカメラと;
カメラから見えるビューを選択的に変更し、ハウジングから離れたところに位置する第2セットの制御装置と;を備え、
駆動ホイールの回転がハウジングをガイドに対して相対移動させるシステム。
【請求項17】
第1レールと第2レールの間に空間をさらに備え、ハウジングの交差部材がレールの背後にあり、ハウジングの主要部材がレールの背後から外側に突出し、第1レールと第2レールの間の空間を通過するようになっている請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
一対の支柱をさらに備え、各支柱がハウジングの各交差部材のそれぞれの先端から延びており、各第2ホイールがそれぞれの支柱に装着される請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
各第1ホイールはそれぞれのレールの内表面に係合し、各第2ホイールはそれぞれのレールの外表面に係合する請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
少なくとも1つの第1ホイールの周面に配置されたギア歯と、
ガイドの表面に配置されたギア歯と、をさらに備え、
少なくとも1つの第1ホイール上のそれぞれのギア歯はガイド上のギア歯と相補的形状にあり、対合し、かみ合う請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
ハウジングに接続されたケージと;
ケージからガイドに向かって延びるホイール装着部と;
ホイール装着部に取り付けられ、ガイドの内表面に係合するように構成された少なくとも1つの第3ホイールと;をさらに備える請求項16に記載のシステム。
【請求項22】
カメラにハウジングを接続する伸縮式ポールをさらに備える請求項16に記載のシステム。
【請求項23】
ハウジングにカメラを接続するポールをさらに備え、カメラが、
ポールの長手方向軸;および
ポールの長手方向軸に概ね直交する軸;
の内の少なくとも1つの周りを回転可能である請求項16に記載のシステム。
【請求項24】
回転手段は、第1のホイール対の回転軸と概ね同心の駆動軸を有する油圧モータを有する請求項16に記載のシステム。
【請求項25】
ガイドは建物の壁または天井を含む表面に沿って配置され、システムは、
ハウジングに接続され、底部と底部から上方に延びる複数の側壁とを有するケージと、ケージから延び、ガイドの内表面に係合する一対のホイールと、
をさらに備える請求項16に記載のシステム。
【請求項26】
システムであって、
ハウジングと、ハウジングは、ハウジングの後面の上部から概ね直交する方向に各々が延びる一対の離間した支柱を備えることと;
ハウジングの質量中心から第1の距離だけ変位した位置にあり、第1の回転軸の周りを回転するように構成された第1ホイールと;
各ホイールがハウジングの質量中心から変位した位置にあるそれぞれの軸の周囲を回転するようにそれぞれの前記支柱に回転可能に各々が接続された第2のホイール対と、それぞれの軸の各々は第1の距離よりも大きな長さだけ変位された位置にあると共に第1軸と概ね平行であることと;
ハウジングの質量中心が第1軸と接続点との間にあるような該接続点でハウジングに接続されたケージと;
第1ホイールと第2ホイール対との間に配置され、第1ホイールと第2のホイール対の各々との周面に接線方向で係合するガイドと、
質量中心に対する第1ホイールと第2のホイール対の各々との配置は、第1ホイールと第2のホイール対の各々とをガイドと摩擦係合すべく付勢する回転モーメントを生じさせることと;
ハウジング内に位置し、第1ホイールを回転させるように構成された回転手段と;
回転手段と通信し、ハウジングから離れたところに位置する第1セットの制御装置と;
第1ホイールの周面にあり、ガイドの表面の歯と対合しかみ合うように協同的に構成されたギア歯と;を備え、
第1ホイールの回転がシステムをガイドに対して相対移動させるシステム。
【請求項27】
ハウジングの後面に形成されたスロットをさらに備え、第1ホイールの周辺部はスロットから外側に突出する請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
ハウジングに接続されたカメラをさらに備える請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
ハウジングにカメラを接続するポールをさらに備える請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
ポールが伸縮式であり、ポールの長さは、ハウジングから離れたところに位置する第2セットの制御装置の操作により選択的に調節可能である請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
カメラが、
ポールの長手方向軸;または
ポールに概ね直交する軸;
の内の少なくとも1つの周りを回転可能である請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
ケージが閉位置と開位置との間で選択的に配置可能なドアをさらに有し、閉位置ではドアがケージの側壁と面一にあり、開位置ではドアがケージから延びてケージ上につながる傾斜路を形成する請求項26に記載のシステム。
【請求項33】
ガイドが壁に沿って配置され、システムが、ケージから延び、ガイドの内表面に係合するように構成された第3ホイールをさらに備え、第3ホイールはケージが壁に対して相対移動したときにガイド内で転がる請求項26に記載のシステム。
【請求項34】
遠隔制御ロボットと;
ロボットに接続された第2のカメラと;
ロボットを選択的に配置させるためのロボットと通信する遠隔制御装置と;
第2のカメラによって捕捉された像を人が遠隔に見ることを可能にする、第2のカメラと通信するビュアーと;
ロボットに配置された双方向音声通信装置と;
をさらに備える請求項26に記載のシステム。
【請求項35】
システムであって、
略T字形の断面を有するハウジングと、該T字形は、主要部材と、主要部材の端部から概ね直交して延びる一対の交差部材とを有し、ハウジングは主要部材内に質量中心を有することと;
第1のホイール対と、第1ホイールはそれぞれの交差部材に配置され、第1軸の周りを回転するように構成されていることと;
ハウジングに接続され、第2軸の周りを回転するように構成された第2のホイール対と、前記第2軸は質量中心から変位した位置にあり、第1軸と概ね平行であることと;
前記第1のホイール対と第2のホイール対のうちの少なくとも1つのホイールを含む駆動ホイールを回転させる回転手段と、回転手段はハウジング内に配置されていることと;
回転手段を選択的に作動させる、ハウジングから離れたところに位置する第1セットの制御装置と;
第1のレールおよび第1のレールから離間した第2のレールをから構成されたガイドと、第1レールおよび第2レールの各々は、第1のホイール対のそれぞれ一つおよび第2のホイール対のそれぞれ一つの周面に接線方向で摩擦係合するように配置されていることと;
第1のホイール対の内の1つの周面のギア歯と、ギア歯は、第1レールおよび第2レールの各々の内表面のギア歯と対合し、相補的形状にあることと;
第1レールおよび第2レールは、ハウジングの交差部材がレールの背後にあり、ハウジングの主要部材が第1レールと第2レールの間で突出するように離間していることと;
ハウジングに接続された第1のカメラと;
カメラから見えるビューを選択的に変更し、ハウジングから離れたところに位置する第2セットの制御装置と;
第1のカメラと通信し、第1カメラに入力された像を人が見ることを可能にするビュアーと;
カメラによって受け取られた像を記録および保持するように構成された記録装置と;
ハウジングに接続されたケージと、ケージは、
底部と、底部から上方に延びる複数の側壁と、ケージから延び、表面に係合する第3のホイール対と、
側壁に位置し、ケージと旋回可能に結合し、底部に隣接し、かつ第1位置と第2位置との間で選択的に配置可能なドアとを有し、第1位置ではドアは側壁と面一にあり、第2位置ではドアがケージへの傾斜路となるよう延びることと;
第1のカメラと通信し、第1の換えらを選択的に配置させるように構成された第2セットの制御装置と;
ロボットと;
ロボット上で接続された第2のカメラと;
ロボットに接続された双方向の音声通信装置と;
ロボットと通信し、オペレータが選択的にロボットの位置を決定することを可能にする第3セットの制御装置と;
第2のカメラと通信する第2のビュー装置と;を備え、
駆動ホイールの回転がハウジングをガイドに対して相対移動させるシステム。
【請求項36】
負荷体をある距離に沿って移動させる装置であって、
負荷体と;
前記負荷体に取り付けられた棒状部分と;
第1の終端と第2の終端とを有する交差部分と、前記交差部分は記棒状部分に固定的に取り付けられていることと;
前記交差部分の第1の終端に回転可能に取り付けられた第1ホイールと;
前記交差部分の第2の終端に回転可能に取り付けられた第2ホイールと;を備え、
前記負荷体の重量は、第1ホイールおよび第2ホイールを、第1ホイールと第2ホイールとの間に配置されたガイドに対して付勢し、それによって第1ホイールおよび第2ホイールは前記ガイドに沿って移動可能となっている装置。
【請求項37】
負荷体をある距離に沿って移動させる方法であって、
前記負荷体の重量を使用してガイドに対して輸送装置を付勢すること;および
前記距離に沿って前記輸送装置と前記負荷体とを移動させること;
からなる方法。
【請求項38】
前記距離が垂直距離を含む請求項37に記載の方法。
【請求項39】
ある距離に沿って負荷体を移動させる方法であって、
前記負荷体の重量を使用して、ローラ対上にネットトルクを引き起こし、それによりローラ対がガイド上に力を引き起こし、前記ローラ対および前記負荷体を前記ガイドに沿って移動可能にすること;からなる方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
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【図6】
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【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2008−505826(P2008−505826A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−521608(P2007−521608)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/024852
【国際公開番号】WO2006/085991
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(506423811)
【氏名又は名称原語表記】ROSS NEALE,Jimmy
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/024852
【国際公開番号】WO2006/085991
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(506423811)
【氏名又は名称原語表記】ROSS NEALE,Jimmy
【Fターム(参考)】
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