説明

目地用照明器具

【課題】 例えばタイル間の目地内に安定よくしかも容易に取り付けることが出来る目地用照明器具を提供する。
【解決手段】 電源コードと、この電源コードに接続された複数個のライトと、これら各ライトを支持する複数の支持台とが備えられ、ライトを支持した支持台は、構築物間の目地内に介装可能で、且つ支持台における目地内の被設置面への設置部位が支持台におけるライトの支持部位よりも大きく円錐台状に形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主としてタイル間の目地に埋め込んで用いる照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に玄関のアプローチや建物に通じるアプローチには、タイルやレンガなどが敷き詰められることがあるが、夜間などにこのアプローチの足元を照らしたり、あるいは誘導するために照明を設ける必要がある。
【0003】
しかしながら、例えば特許文献1に示すような、通常の照明器具をタイルやレンガ上に設置するもの(特許文献1参照)にあっては、アプローチが照明器具により狭くなる不具合があり、場合によっては、照明器具につまづいて器具を破損するなどの問題も考えられる。
【0004】
そこで本願出願人は、タイルやレンガ間の目地部分に着目して、タイルやレンガなどを敷き詰めたアプローチなどに設ける照明器具として、タイルやレンガ間の目地内にタイルやレンガ間に適正な姿勢でしかも容易に装填できる照明器具を開発せんとしたのである。
【0005】
しかしながら、タイルやレンガ間の目地は一般的に幅が非常に狭く、この狭い目地内に照明器具をセットしようとした場合、特に照明器具を構成するライト部分を適正な姿勢に保たせて、目地内に固定することが困難である。
【0006】
ライトを目地内にセットした後、目地を埋めるモルタルやコーキング材などの充填材料を目地内に充填するに伴い、ライトが不用意に傾くなどして、所望の方向を照明することが出来なくなるなどの不具合が考えられる。
【特許文献1】特開2002−309803号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上の実情に鑑みて開発されてもので、目的とするところは、目地内に安定よくしかも容易に取り付けることが出来る目地用照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記した目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、電源コードと、この電源コードに接続されたライトと、このライトを支持する支持台とが備えられ、
ライトを支持した支持台は、構築物間の目地内に介装可能で、且つ支持台における目地内の被設置面への設置部位が支持台におけるライトの支持部位よりも大きくしていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、電源コードと、この電源コードに接続されたライトと、このライトを支持する支持台とが備えられ、支持台がライトを中心にして交差する十字状に形成されて、構築物間における十字状に交差する目地内に介装可能としていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3に記載乃発明は、請求項1また刃煮に記載乃ライトがLEDから構成され、電源コードに複数接続されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、ライトを支持する支持台が、構築物間の目地内に介装可能で、且つ支持台における目地内の被設置面への設置部位が支持台におけるライトの支持部位よりも大きくしたことにより、ライトを、被設置面上に載置して構築物間の狭い目地に安定よくしかも容易に取り付けることが出て、ライトや電源コードの目地内への埋設作業時などにライトが不用意に傾いたり倒れたりするのを確実に防止することが出来る。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、ライトを支持する支持台がライトを中心にして交差する十字状に形成されて、構築物間における十字状に交差する目地内に介装可能としたことにより、ライトを、被設置面上に載置して構築物間における十字状に交差する目地に安定よくしかも容易に取り付けることが出て、ライトや電源コードの目地内への埋設作業時などにライトが不用意に傾いたり倒れたりするのを確実に防止することが出来るし、しかもライトを目地の交差位置に正確に配設することが出来る。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、例えば幅の狭い目地に沿って複数のライトを所定間隔毎に配置することが出来て、より一層効果的な照明を行なうことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1〜図3に示す照明器具1は、例えばアプローチの床面Fに敷設された主として構築物としてのタイル2間の目地20に埋め込んで用いるものであって、この照明器具1は、基本的には、電源コード3と、この電源コード3に接続された複数のライト4と、これら各ライト4を支持するための複数の支持台5とから構成されている。
【0016】
電源コード3の両端には、電源コード3同士を接続するための接続用コネクター31が設けられている。
【0017】
ライト4は、LED(Light Emitting Diode)から構成されている。
【0018】
支持台5は、合成樹脂材料から略円錐台状に形成されたものであって、その上端部にライト4の下端部を埋設固定して、ライト4のレンズ部41を支持台5の上方に突出させている。
【0019】
またライト4のリード線と電源コード3との接続部は、支持台5の内部に埋設している。
【0020】
そしてライト4の支持台5は、図2に示すように、タイル2間の目地20内に介装可能で、且つ支持台5における目地20内の被設置面21への設置部位(支持台の下端)の直径が支持台5におけるライトの支持部位(支持台の上端)の直径よりも大きく形成されると共に、支持台5の底面がフラット面に形成されている。
【0021】
次に以上の構成から成る照明器具1を、床面Fに平面視正方形としたタイル(構築物)2を敷設したアプローチにおける前記タイル2間の目地20に敷設する方法を説明する。
【0022】
先ず、床面F上に砂とセメントから成る下地Bを所定厚さに敷設すると共に、この下地Bの表面に更にモルタルMを敷設する。
【0023】
続いてタイル2の目地20が形成される部位に例えば梃子や木片などにより、モルタルMに横断面ほぼ正方形の溝6を床面の上方から見て格子状に形成し、支持台5の被設置面21となる溝6の内底面を平らに仕上げる。
【0024】
そして、モルタルM上にタイル2を敷設し、続いて電源コード3を溝6内に適宜配設すると共に、ライト4を支持している支持台5を例えば目地20の交差位置となる溝6の交差部位に配置して、その溝6の内底面、即ち被設置面21上に支持台5をセットする。
【0025】
そして溝6内にシリコン製のコーキング材Kを充填して、タイル2間に形成される目地20からライト4のレンズ部41を上方に向けて露呈させる。
【0026】
斯くして以上の照明器具1では、ライト4を被設置面21上に安定的にセッティングして、タイル2間の目地20に容易に取り付けることが出来、埋設作業時などにライト4が不用意に傾いたりするようなことがないのである。
【0027】
尚、以上の実施形態では、支持台5を円錐台状に形成したが、これに限定されるものではなく、支持台5を例えば四角錐台状に形成してもよい。
【0028】
次に図4〜図6に示す別の実施形態の照明器具10を説明する。
【0029】
図4〜図6に示す照明器具10にあっても、電源コード30と、この電源コード30接続された複数のライト40と、これら各ライト40を支持するための複数の支持台50とから構成され、電源コード30及びライト40は、図1〜図3に示す実施形態のものと基本的に同一ものを用い、支持台50のみを異なる形状としている。
【0030】
この支持台50は、図4に示すように、ロッド状の第1支持部51と、この第1支持部51に対してライト40の取り付け位置を中心にして交差するロッド状の第2支持部52とから平面視十字状に形成されて、構築物の目地20における十字状に交差する部位内に介装可能とすると共に、第1支持部51と第2支持部52の交差部にライト40の下端部を埋設固定して、ライト40のレンズ部41を支持台50の上方に突出させている。
【0031】
また以上の支持台50は、第1支持部51を第2支持部52よりも長く形成して、この第1支持部51内にライト40のリード線と電源コード30との接続部及び電源コード30の一部を埋設している。
【0032】
以上の実施形態の照明器具10を、前記実施形態と同様に、床面Fに平面視正方形としたタイル2を敷設したアプローチにおける前記タイル2間の目地20に敷設する方法を説明する。
【0033】
先ず、床面F上に砂とセメントから成る下地Bを所定厚さに敷設すると共に、この下地Bの表面に更にモルタルMを敷設する。
【0034】
続いてタイル2の目地20が形成される部位に例えば梃子や木片などにより、モルタルMに横断面ほぼ正方形の溝6を床面の上方から見て格子状に形成し、支持台5の被設置面21となる溝6の内底面を平らに仕上げる。
【0035】
そして、モルタルM上にタイル2を敷設し、続いて電源コード30を溝6内に適宜配設すると共に、ライト40を支持している支持台50を目地20の交差位置となる溝6の交差部位に配置する。
【0036】
そして溝6内にシリコン製のコーキング材Kを充填して、タイル2間に形成される目地20からライト40のレンズ部41を上方に向けて露呈させる。
【0037】
斯くして以上の照明器具10にあっても、ライト40を被設置面21上に安定的にセッティングして、タイル2間の目地20に容易に取り付けることが出来、埋設作業時などにライト40が不用意に傾いたりするようなことがないし、しかもライト40を目地20の交差位置に正確にセットすることが出来る。
【0038】
以上の各実施形態では、照明器具1・10をタイル2の目地20に取り付けるようにしたが、これに限定されるものではなく、構築物として、レンガや自然石などの構築物の目地に取り付けてもよい。
【0039】
また以上の実施形態では、照明器具1・10をアプローチの床面に敷設したタイル2等の構築物の目地20に取り付けるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば建物の壁面に敷設するタイルなどの目地に取り付けることも出来る。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明にかかる照明器具の一実施形態を示す斜視図。
【図2】図1に示す照明器具をタイル間の目地に取り付ける状態を示す説明図。
【図3】同、要部の拡大断面図。
【図4】本発明にかかる照明器具の他の実施形態を示す要部の斜視図。
【図5】図4に示す照明器具をタイル間の目地に取り付ける状態を示す説明図。
【図6】同、要部の拡大断面図。
【符号の説明】
【0041】
1 照明器具
2 タイル
20 目地
21 被設置面
3・30 電源コード
4・40 ライト
5・50 支持台
F 床面
M コーキング材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源コードと、この電源コードに接続されたライトと、このライトを支持する支持台とが備えられ、ライトを支持した支持台は、構築物間の目地内に介装可能で、且つ支持台における目地内の被設置面への設置部位が支持台におけるライトの支持部位よりも大きくしていることを特徴とする目地用照明器具。
【請求項2】
電源コードと、この電源コードに接続されたライトと、このライトを支持する支持台とが備えられ、支持台がライトを中心にして交差する十字状に形成されて、構築物における十字状に交差する目地内に介装可能としていることを特徴とする目地用照明器具。
【請求項3】
ライトがLEDから構成され、電源コードに複数接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の目地用照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−233426(P2006−233426A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−45271(P2005−45271)
【出願日】平成17年2月22日(2005.2.22)
【出願人】(592089755)株式会社タカショー (15)
【Fターム(参考)】