説明

目的ガス分離方法、および目的ガス分離装置

【課題】目的ガスを含む混合ガスから高純度の目的ガスを取得するのに際し、目的ガスの分離性能の悪化を防止しつつ、装置構成のコンパクト化を図るのに適した方法と装置を提供する。
【解決手段】本方法は、吸着剤が充填された3塔以上の吸着塔を用いて、混合ガスから目的ガスを濃縮分離する方法であって、吸着塔に混合ガスを導入して混合ガス中の目的ガスを吸着剤に吸着させ、当該吸着塔から非吸着ガスを導出する吸着工程と、吸着塔に洗浄ガスを導入し当該吸着塔から洗浄オフガスを導出する洗浄工程と、吸着塔内を減圧して吸着剤から目的ガスを脱着させ当該吸着塔から脱着ガスを導出する脱着工程と、を含むサイクルを各吸着塔にて繰り返し行う。サイクルを通じていずれかの吸着塔にて吸着工程を常時的に行う。脱着工程を実行する脱着工程時間は、吸着工程を実行する吸着工程時間よりも長くされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力変動吸着法を利用して、例えば二酸化炭素、或は一酸化炭素などの目的ガスを含む混合ガスから目的ガスを濃縮分離するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素は、地球温暖化問題の主因ガスであり、地球温暖化の対策として、燃料消費量ないし二酸化炭素排出量の削減等を目的とする省エネルギー技術と並んで、二酸化炭素の分離回収ないし固定化技術の早期実用化が望まれている。一方、製鉄所で副生する、例えば熱風炉ガス、転炉ガス、転炉燃焼ガスなどは、二酸化炭素を比較的多く含む混合ガスである。このような製鉄所副生ガスなどの二酸化炭素含有混合ガスからは、二酸化炭素を濃縮分離することができる。
【0003】
一酸化炭素は、ポリカーボネートや自動車部品(インナーパネル等)用途のポリウレタン等の高機能樹脂材料の原料として、或は、酢酸やアルデヒド類などの化成品の原料として、化学工場で広く利用されている。一方、メタノール、LPG、重油、コークス等の分解ガスや製鉄所で副生する転炉ガスなどは、一酸化炭素を比較的多く含む混合ガスである。このような転炉ガスなどの一酸化炭素含有混合ガスからは、一酸化炭素を濃縮分離することができ、当該一酸化炭素は、上述のような化学品原料として、有効利用され得る。
【0004】
二酸化炭素、或は一酸化炭素などの目的ガスを含む混合ガスから当該目的ガスを濃縮分離するための方法として、圧力変動吸着法(PSA法)が知られている。この手法では、目的ガス(例えば二酸化炭素、或は一酸化炭素など)を選択的に吸着する吸着剤が充填された複数の吸着塔が使用される。PSA法を利用した従来の目的ガス分離方法においては、吸着塔にて、例えば吸着工程、洗浄工程、および脱着工程が実行される。吸着工程では、原料ガスとしての目的ガスを含む混合ガスを吸着塔に導入して当該混合ガス中の目的ガスを吸着剤に吸着させつつ、当該吸着塔から非吸着ガスを導出する。洗浄工程では、吸着塔に対し、目的ガス純度の高いガスを洗浄ガスとして通流させて当該吸着塔から洗浄オフガスを導出する。脱着工程では、吸着塔内を所定圧力まで減圧することによって目的ガスを吸着剤から脱着させ、この目的ガスを主に含む脱着ガスを塔外へ導出する。この脱着工程にて吸着塔から導出された脱着ガスが、純度の高められた目的ガスとして取得される。なお、脱着工程における吸着塔内の減圧操作は、例えば真空ポンプなどの減圧手段によって行う。PSA法を利用した目的ガスの分離では、上記した吸着工程、洗浄工程、および脱着工程を含むサイクルが吸着塔の各々で繰り返し行われる。PSA法を利用した二酸化炭素や一酸化炭素などの目的ガスの分離方法は、例えば下記の特許文献1,2に記載されている。
【0005】
製鉄所においては多量のガスが副生されるので、製鉄所副生ガスを原料ガスとして行うガス分離においても、多量のガスを処理する必要がある。そのため、上記したPSA法を利用したガス分離の場合、PSA法を実行するための装置も大規模となる傾向がある。PSA用の装置のコンパクト化を図るための手法としては、例えば吸着工程、洗浄工程、および脱着工程から構成される1サイクルの時間(サイクルタイム)を短くすることが挙げられる。1つの吸着塔において上記した3つの工程を順次切り替えて1サイクルを構成するうえでは、3塔以上の吸着塔を用いて、吸着工程、洗浄工程、および脱着工程を並行して実行するのが効率化の観点から望ましい。例えば3塔の吸着塔を用いて、吸着工程、洗浄工程、および脱着工程を並行して実行する場合には、吸着工程にあるいずれかの吸着塔に原料ガスを連続的に導入可能である。この場合、各工程の切り替えの間隔を短くすることができれば、サイクルタイムを短縮することができる。サイクルタイムが短縮されると、1つの吸着塔において吸着工程、脱着工程を行うためにそれぞれ割り当てられる時間(吸着工程時間、脱着工程時間:サイクルタイムの1/3に相当する時間)も短くなる。吸着工程時間が短縮されると、吸着剤の破過時間を短く設定することができるので、吸着剤の充填量が少なくて済み、結果として、原料ガスを連続的に処理しつつ装置のコンパクト化を図ることができる。
【0006】
しかしながら、PSA法において脱着ガスを高純度目的ガスとして回収する場合、脱着工程における真空ポンプを用いた減圧操作では、吸着塔内が所定圧力に低下するまで一定時間を要する。したがって、短時間の減圧操作では吸着塔内が所定圧力まで到達しづらく、目的ガスの分離性能が悪化する虞があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特公平2−39928号公報
【特許文献1】特公昭61−37968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような事情の下で考え出されたものであって、例えば二酸化炭素、或は一酸化炭素などの目的ガスを含む混合ガスからPSA法を利用して高純度の目的ガスを取得するのに際し、目的ガスの分離性能の悪化を防止しつつ、コンパクトな装置構成によって効率よく目的ガスを分離回収するのに適した方法および装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の側面によって提供される目的ガス分離方法は、目的ガスを選択的に吸着する吸着剤が充填された3塔以上の吸着塔を用いて、上記目的ガスを含む混合ガスから上記目的ガスを濃縮分離する方法であって、吸着塔に上記混合ガスを導入して当該混合ガス中の上記目的ガスを上記吸着剤に吸着させ、当該吸着塔から非吸着ガスを導出する吸着工程と、吸着塔に洗浄ガスを導入し、当該吸着塔から洗浄オフガスを導出する洗浄工程と、吸着塔内を減圧して上記吸着剤から上記目的ガスを脱着させ、当該吸着塔から脱着ガスを導出する脱着工程と、を含むサイクルを上記吸着塔の各々において繰り返し行う目的ガスの分離方法において、上記混合ガスをいずれかの吸着塔に連続的に導入することにより、上記サイクルを通じていずれかの吸着塔にて上記吸着工程を常時的に行うとともに、上記脱着工程の開始から終了までの脱着工程時間は、上記吸着工程の開始から終了までの吸着工程時間よりも長くされている。
【0010】
本方法においては、1サイクルを通じていずれかの吸着塔にて吸着工程が常時的に行われるとともに、脱着工程時間が吸着工程時間よりも長い。これにより、1サイクルのうちの所定時間において、異なる2つ以上の吸着塔にて脱着工程が並行して行われる。このように複数の吸着塔で脱着工程を並行して実行することにより、脱着工程時間を一定時間確保しつつ、サイクルタイムの短縮が可能となる。サイクルタイムの短縮に伴い吸着工程時間も短縮されるので、原料ガスの供給態様が同じであれば、吸着剤の破過時間を短く設定することができ、吸着剤の充填量が少なくて済む。その結果、吸着塔の内部容積を小さくすることができ、吸着塔を含む、圧力変動吸着法(PSA法)を実行するための装置のコンパクト化を図ることができる。したがって、本方法は、目的ガスを含む原料ガスからPSA法を利用して高純度の目的ガスを分離取得するのに際し、目的ガスの分離性能の悪化を防止しつつ、PSA法の実行に係る装置のコンパクト化を図るのに適している。
【0011】
好ましくは、上記洗浄工程の開始から終了までの洗浄工程時間は、上記吸着工程時間よりも短くされており、1つの吸着塔における上記脱着工程は、上記洗浄工程が終了した後の当該脱着工程の開始から、上記吸着工程にある他の吸着塔での当該吸着工程が終了するまで、上記1つの吸着塔から第1脱着ガスを導出する第1脱着工程と、上記1つの吸着塔から第2脱着ガスを導出する、上記第1脱着工程の後の第2脱着工程とを含む。
【0012】
好ましくは、上記1つの吸着塔における上記第2脱着工程は、上記吸着工程にあるさらに他の吸着塔での当該吸着工程と並行して行われる。
【0013】
好ましくは、上記洗浄工程では、目的ガスを貯留するための容器を経由した上記第1脱着ガスを、上記洗浄ガスとして洗浄対象の吸着塔に導入する。
【0014】
好ましくは、上記洗浄工程では、上記容器を経由した上記第2脱着ガスも上記洗浄ガスとして洗浄対象の吸着塔に導入する。
【0015】
好ましくは、上記第1脱着工程では、上記吸着塔内を減圧するための第1減圧手段により当該吸着塔内を減圧し、上記第2脱着工程では、上記吸着塔内を減圧するための第2減圧手段により当該吸着塔内を減圧する。
【0016】
好ましくは、上記第2脱着工程では、当該第2脱着工程の開始から途中まで、上記第1減圧手段によっても上記吸着塔内を減圧する。
【0017】
本発明の第2の側面によって提供される目的ガス分離装置は、目的ガスを含む混合ガスから上記目的ガスを濃縮分離する装置であって、第1ガス通過口および第2通過口を有し、当該第1および第2ガス通過口の間において目的ガスを選択的に吸着する吸着剤が充填された3塔以上の吸着塔と、目的ガスを貯留するための容器と、上記吸着塔の内部を減圧する第1減圧手段および第2減圧手段と、混合ガス導入端を有する主幹路、および、上記吸着塔ごとに設けられて当該吸着塔の上記第1ガス通過口側に接続され且つ開閉弁が付設された複数の分岐路、を有する第1配管と、非吸着ガス導出端を有する主幹路、および、上記吸着塔ごとに設けられて当該吸着塔の上記第2ガス通過口側に接続され且つ開閉弁が付設された複数の分岐路、を有する第2配管と、洗浄オフガス導出端を有する主幹路、および、上記吸着塔ごとに設けられて当該吸着塔の上記第2ガス通過口側に接続され且つ開閉弁が付設された複数の分岐路、を有する第3配管と、上記第1減圧手段に接続された主幹路、および、上記吸着塔ごとに設けられて当該吸着塔の上記第1ガス通過口側に接続され且つ開閉弁が付設された複数の分岐路、を有する第4配管と、上記第1減圧手段および上記容器の間を連結する第5配管と、上記容器に接続され且つ開閉弁が付設された主幹路、および、上記吸着塔ごとに設けられて当該吸着塔の上記第1ガス通過口側に接続され且つ開閉弁が付設された複数の分岐路、を有する第6配管と、上記第2減圧手段に接続された主幹路、および、上記吸着塔ごとに設けられて当該吸着塔の上記第1ガス通過口側に接続され且つ開閉弁が付設された複数の分岐路、を有する第7配管と、を備える。本装置によると、本発明の第1の側面に係る目的ガス分離方法を適切に実行することができる。
【0018】
本発明の第2の側面において、好ましくは、上記第5配管および上記第2減圧手段の間を連結する第8配管を備える。
【0019】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る目的ガス分離方法を実行するのに使用することのできるガス分離装置の概略構成を表す。
【図2】第1の実施形態に係る目的ガス分離方法の各ステップについて、各吸着塔で行われる工程、各減圧手段による減圧操作の対象となる吸着塔、および図1に示すガス分離装置の各自動弁の開閉状態を示す表である。
【図3】第1の実施形態に係る目的ガス分離方法のステップ1〜6におけるガス流れ状態を表す。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る目的ガス分離方法を実行するのに使用することのできるガス分離装置の概略構成を表す。
【図5】第2の実施形態に係る目的ガス分離方法の各ステップについて、各吸着塔で行われる工程、各減圧手段による減圧操作の対象となる吸着塔、および図4に示すガス分離装置の各自動弁の開閉状態を示す表である。
【図6】第2の実施形態に係る目的ガス分離方法のステップ1〜6におけるガス流れ状態を表す。
【図7】比較例に係る目的ガス分離方法を実行するのに使用することのできるガス分離装置の概略構成を表す。
【図8】比較例に係る目的ガス分離方法の各ステップについて、各吸着塔で行われる工程、減圧手段による減圧操作の対象となる吸着塔、および図7に示すガス分離装置の各自動弁の開閉状態を示す表である。
【図9】比較例に係る目的ガス分離方法のステップ1〜6におけるガス流れ状態を表す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0022】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る目的ガス分離方法を実行するのに使用することができるガス分離装置X1の概略構成を示している。ガス分離装置X1は、吸着塔10A,10B,10Cと、真空ポンプ21,22と、バッファタンク23と、配管31〜39とを備え、目的ガスを含む所定の原料ガスから圧力変動吸着法(PSA法)を利用して目的ガスを濃縮分離することが可能なように構成されている。目的ガスとしては、例えば二酸化炭素、或は一酸化炭素などが挙げられる。また、原料ガスについては、目的ガスが二酸化炭素の場合、例えば熱風炉ガス、転炉ガスや、転炉燃焼ガスなどの製鉄所副生ガスが挙げられ、目的ガスが一酸化炭素の場合、例えば転炉ガスが挙げられる。このような製鉄所副生ガスは、必要に応じて水分除去や硫黄化合物除去などの前処理が施されたうえで、原料ガスとして用いられる。原料ガスの組成(体積濃度)は、例えば、熱風炉ガスの場合、二酸化炭素が26〜28%、窒素が73〜74%であり、転炉ガスの場合、二酸化炭素が15〜16%、一酸化炭素が65〜66%、窒素が19〜20%であり、転炉燃焼ガスの場合、二酸化炭素が32〜36%、窒素が65〜68%である。
【0023】
吸着塔10A,10B,10Cの各々は、両端にガス通過口11,12を有し、ガス通過口11,12の間において、原料ガス中の目的ガスを選択的に吸着するための吸着剤が充填されている。そのような吸着剤としては、目的ガスが二酸化炭素の場合、椰子殻系や石炭系などの活性炭を採用することができる。また、目的ガスが一酸化炭素の場合、吸着剤としては、例えば、活性炭や活性アルミナ等よりなる担体の細孔内にCuClおよびCuCl2等の銅化合物が担持されたものを採用することができる。
【0024】
真空ポンプ21,22は、吸着塔10A,10B,10Cの内部を減圧するためのものである。バッファタンク23は、分離取得される目的ガスを一時的に貯留するための容器である。
【0025】
配管31は、原料ガス導入端E1を有する主幹路31’、および、吸着塔10A,10B,10Cの各ガス通過口11側に各々が接続された分枝路31A,31B,31Cを有する。分枝路31A,31B,31Cには、開状態と閉状態との間を切り替わることが可能な自動弁31a,31b,31cが付設されている。なお、配管31の主幹路31’には、原料ガスを吸着塔10A,10B,10Cに圧送するための圧縮機(図示略)を設けてもよい。
【0026】
配管32は、ガス排出端E2を有する主幹路32’、および、吸着塔10A,10B,10Cの各ガス通過口12側に各々が接続された分枝路32A,32B,32Cを有する。分枝路32A,32B,32Cには、開状態と閉状態との間を切り替わることが可能な自動弁32a,32b,32cが付設されている。
【0027】
配管33は、ガス排出端E3を有する主幹路33’、および、吸着塔10A,10B,10Cの各ガス通過口12側に各々が接続された分枝路33A,33B,33Cを有する。分枝路33A,33B,33Cには、開状態と閉状態との間を切り替わることが可能な自動弁33a,33b,33cが付設されている。
【0028】
配管34は、真空ポンプ21に接続された主幹路34’、および、吸着塔10A,10B,10Cの各ガス通過口11側に各々が接続された分枝路34A,34B,34Cを有する。分枝路34A,34B,34Cには、開状態と閉状態との間を切り替わることが可能な自動弁34a,34b,34cが付設されている。
【0029】
配管35は、真空ポンプ21およびバッファタンク23の間を連結している。
【0030】
配管36は、バッファタンク23に接続された主幹路36’、および、吸着塔10A,10B,10Cの各ガス通過口11側に各々が接続された分枝路36A,36B,36Cを有する。分枝路36A,36B,36Cには、開状態と閉状態との間を切り替わることが可能な自動弁36a,36b,36cが付設されている。また、主幹路36’には、開状態と閉状態との間を切り替わることが可能な自動弁36dが付設されている。なお、配管36の主幹路36’には、後述する洗浄ガスを吸着塔10A,10B,10Cに圧送するための圧縮機(図示略)を設けてもよい。
【0031】
配管37は、真空ポンプ22に接続された主幹路37’、および、吸着塔10A,10B,10Cの各ガス通過口11側に各々が接続された分枝路37A,37B,37Cを有する。分枝路37A,37B,37Cには、開状態と閉状態との間を切り替わることが可能な自動弁37a,37b,37cが付設されている。
【0032】
配管38は、真空ポンプ22に接続され、且つ、目的ガス取出し端E4を有する。
【0033】
配管39は、配管36の主幹路36’に接続され、且つ、目的ガス取出し端E5を有する。配管39には、流量調整弁39aが付設されている。
【0034】
以上のような構成を有するガス分離装置X1を使用して、本発明の第1の実施形態に係る目的ガス分離方法を実行することができる。具体的には、ガス分離装置X1の駆動時において、図2に示す態様で自動弁31a〜31c,32a〜32c,33a〜33c,34a〜34c,36a〜36d,37a〜37cを切り替えることにより、装置内において所望のガスの流れ状態を実現し、以下のステップ1〜6からなる1サイクルを繰り返すことができる(図2では、各自動弁の開状態を〇で表し且つ閉状態を×で表す。後出の図5,8においても同様である)。本方法の1サイクルにおいては、吸着塔10A,10B,10Cの各々にて、吸着工程、洗浄工程、第1脱着工程、および第2脱着工程が行われる。図2には、各工程において、真空ポンプ21,22による減圧操作の対象となる吸着塔を表し且つ減圧操作の対象となる吸着塔が存在しない場合は×で表す(後出の図5,8においても同様である)。図3は、ステップ1〜6におけるガス分離装置X1でのガスの流れ状態を表す。
【0035】
ステップ1では、図2に示すように各自動弁の開閉状態が選択され且つ真空ポンプ22が作動することにより、図3(a)に示すようなガス流れ状態が達成されて、吸着塔10Aにて吸着工程が、吸着塔10Bにて第2脱着工程が、吸着塔10Cにて洗浄工程が行われる。
【0036】
図1および図3(a)を併せて参照するとよく理解できるように、ステップ1では、原料ガスが、原料ガス導入端E1を有する配管31を介して吸着塔10Aのガス通過口11側に導入されて、当該原料ガス中の目的ガス(二酸化炭素、或は一酸化炭素など)が吸着塔10A内の吸着剤に吸着され、且つ、吸着塔10Aのガス通過口12側から非吸着ガスが導出される。この非吸着ガスは、配管32を介してガス排出端E2から装置外へ排出される。吸着塔10Bについては、先に第1脱着工程を行っていたから(図3(f)に示されるステップ6参照)、ステップ1の開始時には、塔内が所定の中間圧力まで減圧されている。ステップ1では、吸着塔10Bの内部が真空ポンプ22によりさらに減圧されて、吸着塔10B内の吸着剤から目的ガスが脱着され、吸着塔10Bのガス通過口11側から脱着ガス(第2脱着ガス)が導出される。この第2脱着ガスは、配管37、および真空ポンプ22を介して配管38へと導かれ、目的ガス取出し端E4から装置外に取り出される。これとともに、ステップ1では、後述のステップ6(吸着工程)を既に経ている吸着塔10Cのガス通過口11側に対し、バッファタンク23内の第1脱着ガスが配管36を介して洗浄ガスとして導入されつつ、吸着塔10Cのガス通過口12側から洗浄オフガスが導出される。この洗浄オフガスは、配管33を介してガス排出端E3から装置外へ排出される。このようなステップ1では、第1脱着ガスによって吸着塔10Cが清浄化される。
【0037】
ステップ2では、図2に示すように各自動弁の開閉状態が選択され且つ真空ポンプ21,22が作動することにより、図3(b)に示すようなガス流れ状態が達成されて、吸着塔10Aにて引き続き吸着工程が、吸着塔10Bにて引き続き第2脱着工程が、吸着塔10Cにて第1脱着工程が行われる。
【0038】
図1および図3(b)を併せて参照するとよく理解できるように、ステップ2では、ステップ1から引き続いて、配管31の原料ガス導入端E1から装置内に取り込まれた原料ガスが吸着塔10Aのガス通過口11側に導入されて、吸着塔10Aから非吸着ガスが導出される。これとともに、ステップ2では、ステップ1から引き続いて吸着塔10Bの内部が真空ポンプ22により減圧されて吸着塔10B内の吸着剤から目的ガスが脱着され、吸着塔10Bのガス通過口11側から脱着ガス(第2脱着ガス)が導出される。これとともに、ステップ2では、ステップ1(洗浄工程)を経た吸着塔10Cの内部が真空ポンプ21により減圧されて、吸着塔10C内の吸着剤から目的ガスが脱着され、吸着塔10Cのガス通過口11側から脱着ガス(第1脱着ガス)が導出される。この第1脱着ガスは、配管34、真空ポンプ21、および配管35を介して、バッファタンク23に導かれる。バッファタンク23内の第1脱着ガスは、配管36を介して配管39の目的ガス取出し端E5から装置外に適宜取り出すことができる。なお、ステップ1,2において吸着工程にある吸着塔10Aの内部の最高圧力は、例えば0〜300kPa(ゲージ圧)である。ステップ2において、第1脱着工程にある吸着塔10Cの内部の最低圧力(中間圧力)は、例えば−94〜−68kPa(ゲージ圧)である。また、ステップ1,2において第2脱着工程にある吸着塔10Bの内部の最低圧力(到達圧力)は、例えば−99〜−87kPa(ゲージ圧)である。
【0039】
ステップ3,4では、ステップ1,2で吸着塔10Aにおいて行われたのと同様に、吸着塔10Bにおいて、吸着工程(ステップ3,4)が行われる。これとともに、ステップ3,4では、ステップ1,2で吸着塔10Bにおいて行われたのと同様に、吸着塔10Cにおいて、第2脱着工程(ステップ3,4)が行われる。これとともに、ステップ3,4では、ステップ1,2で吸着塔10Cにおいて行われたのと同様に、吸着塔10Aにおいて、洗浄工程(ステップ3)、および第1脱着工程(ステップ4)が行われる。
【0040】
ステップ5,6では、ステップ1,2で吸着塔10Aにおいて行われたのと同様に、吸着塔10Cにおいて、吸着工程(ステップ5,6)が行われる。これとともに、ステップ5,6では、ステップ1,2で吸着塔10Bにおいて行われたのと同様に、吸着塔10Aにおいて、第2脱着工程(ステップ5,6)が行われる。これとともに、ステップ5,6では、ステップ1,2で吸着塔10Cにおいて行われたのと同様に、吸着塔10Bにおいて、洗浄工程(ステップ5)、および第1脱着工程(ステップ6)が行われる。
【0041】
そして、以上に説明したステップ1〜6が吸着塔10A,10B,10Cの各々において繰り返し行われることにより、吸着塔10A,10B,10Cのいずれかに原料ガスが連続的に導入され、且つ目的ガス濃度の高い脱着ガスが連続的に取得される。
【0042】
本実施形態の目的ガス分離方法において、目的ガスの分離性能を適切に維持する観点から、脱着工程における減圧操作は、吸着塔の内部が所定圧力に到達するまで実行する必要がある。脱着工程における真空ポンプ21,22を用いた減圧操作では、吸着塔の内部が所定圧力に低下するまで一定時間を要する。原料ガスの供給量や分離取得すべき目的ガスの目標純度にも左右されるが、脱着工程の開始から終了までの時間(脱着工程時間)は、例えば200秒とされる。
【0043】
その一方、洗浄工程では、吸着工程を終了した吸着塔に対して目的ガス純度の高い脱着ガス(第1脱着ガス)を洗浄ガスとして導入することにより、吸着工程終了時に吸着塔内に残存する目的ガス純度の低いガスが押し出され、吸着塔内が洗浄ガスにて置き換えられる。このため、洗浄工程の開始から終了までの時間(洗浄工程時間)を比較的長くすると、分離取得される目的ガスの純度は高くなる一方、目的ガスの収量は低下する。このような事情により、洗浄工程時間は、比較的短時間に設定され、吸着工程の開始から終了までの時間(吸着工程時間)よりも短くされる。洗浄工程時間は、例えば120秒とされる。
【0044】
洗浄工程時間が吸着工程時間よりも短くされていれば、ステップの切り替えと同時に吸着工程および洗浄工程が開始すると、洗浄工程の方が早く終了する。本方法では、例えばステップ1,2における吸着塔10A,10Cに着目すると理解できるように、洗浄工程を終了した吸着塔10Cにおいて、吸着工程にある吸着塔10Aでの吸着工程が終了するまで、第1脱着工程が行われる。吸着塔10Cでは、ステップ2から引き続きステップ3,4においても脱着工程(第2脱着工程)が行われる。ステップ3,4における吸着塔10Cでの第2脱着工程は、先のステップ2の脱着工程(第2脱着工程)を終えて吸着工程にある吸着塔10Bでの吸着工程と並行して行われる。
【0045】
上述のように、吸着塔10Cでは、ステップ1において洗浄工程が行われ、ステップ2〜4において脱着工程(第1脱着工程および第2脱着工程)が行われる。ここで、脱着工程時間が200秒、洗浄工程時間が120秒である場合、吸着塔10Cに着目すると、ステップ1〜4の経過時間(洗浄工程と脱着工程との合計時間)は320秒である。そして、ステップ1〜4の経過時間は、ステップ1,2における吸着塔10Aでの吸着工程時間とステップ3,4における吸着塔10Bでの吸着工程時間との合計(即ち、吸着工程時間の2倍)と一致するので、吸着工程時間は、160秒とされる。
【0046】
本方法と異なり、吸着工程、洗浄工程、および脱着工程からなるサイクルを繰り返し行う3塔式での一般的なガス分離では、例えば、サイクルを通じて連続的に行われる吸着工程の切り替えのタイミングと、脱着工程の切り替えのタイミングとを一致させている。この場合において、脱着工程時間が200秒であれば、吸着工程時間も200秒割り当てられ、吸着工程、洗浄工程、および脱着工程からなる1サイクルの時間(サイクルタイム)は、600秒となる。
【0047】
これに対し、本方法では、脱着工程時間として同じ200秒を確保しても、吸着工程時間(160秒)は、従来の吸着工程時間(200秒)よりも短時間で済み、サイクルタイムは、480秒に短縮することが可能である。原料ガスの供給態様が同じであれば、吸着工程時間を短縮すると、吸着剤の破過時間を短く設定することができ、吸着剤の充填量が少なくて済む。その結果、吸着塔の内部容積を小さくすることができ、吸着塔を含むガス分離装置X1のコンパクト化を図ることができる。例えば、サイクルタイムが600秒から480秒まで、80%に短縮されると、この割合に見合う程度のガス分離装置X1のコンパクト化を期待することができる。したがって、本方法は、目的ガスを含む原料ガスからPSA法を利用して高純度の目的ガスを分離取得するのに際し、脱着工程時間を一定時間(例えば200秒)確保することによって目的ガスの分離性能の悪化を防止しつつ、ガス分離装置X1のコンパクト化を図るのに適している。
【0048】
本方法において、ステップ2,4,6では、異なる2つの吸着塔において脱着工程が並行して行われる。このように複数の吸着塔で脱着工程(第1脱着工程および第2脱着工程)を並行して実行することにより、脱着工程時間を一定時間確保しつつ、サイクルタイムの短縮が可能となっている。例えば、ステップ2では、吸着塔10Bにおいて、ステップ1から引き続き第2脱着工程が行われるとともに、吸着塔10Cにおいて、第1脱着工程が行われる。ここで、吸着塔10Bについての第2脱着工程における減圧操作は、真空ポンプ22が担っており、吸着塔10Cについての第1脱着工程における減圧操作は、真空ポンプ21が担っている。このようなことから理解できるように、脱着工程を並行して実行する本方法は、2つの真空ポンプ21,22を備えたガス分離装置X1によって適切に実現することができる。
【0049】
本方法において、第1脱着工程において吸着塔から導出される、目的ガス純度の高い第1脱着ガスは、バッファタンク23に一旦貯留される。そして、洗浄工程では、バッファタンク23内の第1脱着ガスが洗浄ガスとして洗浄対象の吸着塔に導入される。洗浄工程の後の脱着工程(第1脱着工程)の開始時点では、吸着塔内の空隙部にガス(主に洗浄ガス)が充満しているので、脱着工程の初期(第1脱着工程)に吸着塔から導出されるガス量は比較的多い。したがって、バッファタンク23を経由した第1脱着ガスを洗浄ガスとして用いる本方法は、洗浄ガスを安定供給するのに適している。
【0050】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る目的ガス分離方法を実行するのに使用することができるガス分離装置X2の概略構成を示している。ガス分離装置X2は、吸着塔10A,10B,10Cと、真空ポンプ21,22と、バッファタンク23と、配管31〜37,38”,39とを備え、目的ガスを含む所定の原料ガスから圧力変動吸着法(PSA法)を利用して目的ガスを濃縮分離することが可能なように構成されている。ガス分離装置X2は、配管38に代えて配管38”を備える点において、上述のガス分離装置X1と異なる。
【0051】
配管38”は、真空ポンプ22および配管35の間を連結している。また、配管35は、バッファタンク23に連結されている。したがって、真空ポンプ22とバッファタンク23とは連通しており、かかる点において、上述のガス分離装置X1における、目的ガス取出し端E4を有する配管38と異なる。
【0052】
ガス分離装置X2における配管38”以外の構成は、ガス分離装置X1における配管38以外の構成と同様である。
【0053】
以上のような構成を有するガス分離装置X2を使用して、本発明の第2の実施形態に係る目的ガス分離方法を実行することができる。具体的には、ガス分離装置X2の駆動時において、図5に示す態様で自動弁31a〜31c,32a〜32c,33a〜33c,34a〜34c,36a〜36d,37a〜37cを切り替えることにより、装置内において所望のガスの流れ状態を実現し、以下のステップ1〜6からなる1サイクルを繰り返すことができる。本方法の1サイクルにおいては、吸着塔10A,10B,10Cの各々にて、吸着工程、洗浄工程、第1脱着工程、第2脱着前期工程、および第2脱着後期工程が行われる。図6は、ステップ1〜6におけるガス分離装置X2でのガスの流れ状態を表す。
【0054】
ステップ1では、図5に示すように各自動弁の開閉状態が選択され且つ真空ポンプ21,22が作動することにより、図6(a)に示すようなガス流れ状態が達成されて、吸着塔10Aにて吸着工程が、吸着塔10Bにて第2脱着前期工程が、吸着塔10Cにて洗浄工程が行われる。
【0055】
図5および図6(a)を併せて参照するとよく理解できるように、ステップ1では、原料ガスが、原料ガス導入端E1を有する配管31を介して吸着塔10Aのガス通過口11側に導入されて、当該原料ガス中の目的ガス(二酸化炭素、或は一酸化炭素など)が吸着塔10A内の吸着剤に吸着され、且つ、吸着塔10Aのガス通過口12側から非吸着ガスが導出される。この非吸着ガスは、配管32を介してガス排出端E2から装置外へ排出される。吸着塔10Bについては、先に第1脱着工程を行っていたから(図6(f)に示されるステップ6参照)、ステップ1の開始時には、塔内が所定の中間圧力まで減圧されている。ステップ1では、吸着塔10Bの内部が真空ポンプ21,22によりさらに減圧されて、吸着塔10B内の吸着剤から目的ガスが脱着され、吸着塔10Bのガス通過口11側から脱着ガス(第2脱着ガス)が導出される。この第2脱着ガスは、配管34、真空ポンプ21、および配管35を介して、バッファタンク23に導かれる。これと並行して、吸着塔10Bからの第2脱着ガスは、配管37、真空ポンプ22、および配管38”、および配管35を介してバッファタンク23に導かれる。これとともに、ステップ1では、後述のステップ6(吸着工程)を既に経ている吸着塔10Cのガス通過口11側に対し、バッファタンク23内の第1脱着ガスおよび第2脱着ガスが配管36を介して洗浄ガスとして導入されつつ、吸着塔10Cのガス通過口12側から洗浄オフガスが導出される。この洗浄オフガスは、配管33を介してガス排出端E3から装置外へ排出される。このようなステップ1では、第1脱着ガスおよび第2脱着ガスによって吸着塔10Cが清浄化される。また、ステップ1では、バッファタンク23内の第1脱着ガスおよび第2脱着ガスは、配管36を介して配管39の目的ガス取出し端E5から装置外に適宜取り出すことができる。
【0056】
ステップ2では、図5に示すように各自動弁の開閉状態が選択され且つ真空ポンプ21,22が作動することにより、図6(b)に示すようなガス流れ状態が達成されて、吸着塔10Aにて引き続き吸着工程が、吸着塔10Bにて第2脱着後期工程が、吸着塔10Cにて第1脱着工程が行われる。
【0057】
図5および図6(b)を併せて参照するとよく理解できるように、ステップ2では、ステップ1から引き続いて、配管31の原料ガス導入端E1から装置内に取り込まれた原料ガスが吸着塔10Aのガス通過口11側に導入されて、吸着塔10Aから非吸着ガスが導出される。これとともに、ステップ2では、ステップ1から引き続いて吸着塔10Bの内部が真空ポンプ22により減圧されて吸着塔10B内の吸着剤から目的ガスが脱着され、吸着塔10Bのガス通過口11側から脱着ガス(第2脱着ガス)が導出される。この第2脱着ガスは、配管37、真空ポンプ22、および配管38”、および配管35を介してバッファタンク23に導かれる。これとともに、ステップ2では、ステップ1(洗浄工程)を経た吸着塔10Cの内部が真空ポンプ21により減圧されて、吸着塔10C内の吸着剤から目的ガスが脱着され、吸着塔10Cのガス通過口11側から脱着ガス(第1脱着ガス)が導出される。この第1脱着ガスは、配管34、真空ポンプ21、および配管35を介して、バッファタンク23に導かれる。バッファタンク23内の第1脱着ガスおよび第2脱着ガスは、配管36を介して配管39の目的ガス取出し端E5から装置外に適宜取り出すことができる。なお、ステップ1,2において吸着工程にある吸着塔10Aの内部の最高圧力は、例えば0〜300kPa(ゲージ圧)である。ステップ2において、第1脱着工程にある吸着塔10Cの内部の最低圧力(中間圧力)は、例えば−94〜−68kPa(ゲージ圧)である。また、ステップ2において第2脱着後期工程にある吸着塔10Bの内部の最低圧力(到達圧力)は、例えば−99〜−87kPa(ゲージ圧)である。
【0058】
ステップ3,4では、ステップ1,2で吸着塔10Aにおいて行われたのと同様に、吸着塔10Bにおいて、吸着工程(ステップ3,4)が行われる。これとともに、ステップ3,4では、ステップ1,2で吸着塔10Bにおいて行われたのと同様に、吸着塔10Cにおいて、第2脱着前期工程(ステップ3)、および第2脱着後期工程(ステップ4)が行われる。これとともに、ステップ3,4では、ステップ1,2で吸着塔10Cにおいて行われたのと同様に、吸着塔10Aにおいて、洗浄工程(ステップ3)、および第1脱着工程(ステップ4)が行われる。
【0059】
ステップ5,6では、ステップ1,2で吸着塔10Aにおいて行われたのと同様に、吸着塔10Cにおいて、吸着工程(ステップ5,6)が行われる。これとともに、ステップ5,6では、ステップ1,2で吸着塔10Bにおいて行われたのと同様に、吸着塔10Aにおいて、第2脱着前期工程(ステップ3)、および第2脱着後期工程(ステップ4)が行われる。これとともに、ステップ5,6では、ステップ1,2で吸着塔10Cにおいて行われたのと同様に、吸着塔10Bにおいて、洗浄工程(ステップ5)、および第1脱着工程(ステップ6)が行われる。
【0060】
そして、以上に説明したステップ1〜6が吸着塔10A,10B,10Cの各々において繰り返し行われることにより、吸着塔10A,10B,10Cのいずれかに原料ガスが連続的に導入され、且つ目的ガス濃度の高い脱着ガスが連続的に取得される。
【0061】
図5,6を参照するとよく理解できるように、本実施形態の目的ガス分離方法において、ステップ2,4,6では、異なる2つの吸着塔において脱着工程が並行して行われる。このように複数の吸着塔で脱着工程(第1脱着工程および第2脱着後期工程)を並行して実行することにより、上述のガス分離装置X1を用いて行うガス分離の場合と同様に、脱着工程時間を一定時間確保しつつ、サイクルタイムの短縮が可能となっている。したがって、本方法は、目的ガスを含む原料ガスからPSA法を利用して高純度の目的ガスを分離取得するのに際し、目的ガスの分離性能の悪化を防止しつつ、ガス分離装置X2のコンパクト化を図るのに適している。
【0062】
本方法においては、第2脱着工程は、当該第2脱着工程の開始から途中までの第2脱着前期工程(ステップ1,3,5)と、当該第2脱着前期工程の後に行われる第2脱着後期工程(ステップ2,4,6)とからなる。第2脱着前期工程において、減圧操作の対象となる吸着塔は、真空ポンプ22に加えて真空ポンプ21によっても減圧される。すなわち、第2脱着前期工程における減圧操作は、真空ポンプ21,22の両方が担っている。これにより、脱着工程(第2脱着前期工程)にある吸着塔の内部を十分に減圧することができ、目標とする最低圧力に到達しやすい。したがって、第2脱着前期工程にて真空ポンプ22に加えて真空ポンプ21によっても減圧操作の対象となる吸着塔を減圧する本方法は、目的ガスの収量を向上するうえで好ましい。
【0063】
また、第2脱着前期工程における減圧操作を真空ポンプ21もが担うことにより、真空ポンプ21は、1サイクルを通じて連続的に稼働する。上述の第1の実施形態に係る方法では、図2および図3を参照すると理解できるように、真空ポンプ21は、ステップ1,3,5において休止しており、間欠的に稼働していた。真空ポンプ21を間欠的に稼働させる場合には、例えば回転機械が定常運転状態となるまでにある程度の時間を要するので、ステップを切り替える制御が複雑になり得た。これに対し、真空ポンプ21を連続稼働させる本方法は、ステップの切り替え制御を容易にするのに適している。
【0064】
本方法では、第1脱着工程において吸着塔から導出される第1脱着ガスに加え、第1脱着工程の後の第2脱着工程において吸着塔から導出される第2脱着ガスについても、バッファタンク23に一旦貯留される。そして、洗浄工程では、バッファタンク23内の第1脱着ガスおよび第2脱着ガスが洗浄ガスとして洗浄対象の吸着塔に導入される。洗浄工程の後の脱着工程の開始時点では、吸着塔内の空隙部には微量の不純物ガスが残留しており、この不純物ガスは脱着工程にある吸着塔10A,10B,10Cから目的ガスとともに導出される。脱着工程にて吸着塔10A,10B,10Cから導出されるガス(脱着ガス)の不純物ガス含有率は、当該吸着工程の開始以降、漸次的に低下するので、第2脱着工程にある吸着塔10A,10B,10Cから導出されるガス(第2脱着ガス)の不純物ガス含有率は、十分に低下している。したがって、第2脱着ガスをも洗浄ガスとして用いる本方法は、高純度の目的ガスを得るのに適している。
【0065】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、本発明に係る目的ガス分離方法を実行する装置におけるガス流路をなす配管の構成については、上記実施形態とは異なる構成を採用してもよい。吸着塔の数については上記実施形態で示した3塔式だけに限定されるものではなく、4塔以上の場合でも同様の効果が期待できる。
【0066】
また、上記実施形態以外でも、PSA法を利用したガス分離により、吸着剤によって選択的に吸着される易吸着成分を分離取得することが可能であれば、そのような易吸着成分を目的ガスとして、本発明に適用することが可能である。
【実施例】
【0067】
次に、本発明の有用性を実施例および比較例により説明する。
【0068】
〔実施例1〕
図1に示す概略構成を有するガス分離装置X1を使用して、図2および図3に示す吸着工程、洗浄工程、第1脱着工程、および第2脱着工程からなる1サイクルを吸着塔10A,10B,10Cにおいて繰り返すことにより、所定の原料ガスから、目的ガスとしての二酸化炭素を濃縮分離した。本実施例の二酸化炭素分離方法は、上述の第1の実施形態に係る目的ガス分離方法に該当する。
【0069】
本実施例において使用したガス分離装置X1の吸着塔10A,10B,10Cの各々は円筒形状(内径70mm,内寸高さ500mm)を有する。各吸着塔内には、活性炭2.0Lを充填した。使用した原料ガスは、製鉄所副生ガスの1つである熱風炉ガスに相当する組成(二酸化炭素26vol%,窒素74vol%)を有する模擬混合ガスである。この原料ガスを、ガス分離装置X1に対して1000L/h(標準状態換算)の流量で供給し続けた。本実施例では、吸着塔10A,10B,10Cの各々において、吸着工程は160秒間、洗浄工程は120秒間、第1脱着工程は40秒間、および第2脱着工程は160秒間行った。これにより、脱着工程時間(第1脱着工程と第2脱着工程との合計時間)は200秒間であり、各工程からなる1サイクルのサイクルタイムは、480秒間であった。吸着工程における吸着塔10A,10B,10Cの内部の最高圧力は100kPa(ゲージ圧)とし、脱着工程(第1脱着工程,第2脱着工程)における吸着塔10A,10B,10Cの内部の最低圧力(到達圧力)は−90kPa(ゲージ圧)とした。
【0070】
このような条件で行った本実施例において濃縮分離されたガスについて、二酸化炭素純度は99.9vol%であり、不純物である窒素の含有率は0.1vol%であり、取得ガス量は156L/h(標準状態換算)であった。取得ガスにおける二酸化炭素の回収率は、60%であった。
【0071】
〔実施例2〕
図4に示す概略構成を有するガス分離装置X2を使用して、図5および図6に示す吸着工程、洗浄工程、第1脱着工程、第2脱着前期工程、および第2脱着後期工程からなる1サイクルを吸着塔10A,10B,10Cにおいて繰り返すことにより、所定の原料ガスから、目的ガスとしての一酸化炭素を濃縮分離した。本実施例の一酸化炭素分離方法は、上述の第2の実施形態に係る目的ガス分離方法に該当する。
【0072】
本実施例において使用したガス分離装置X2の吸着塔10A,10B,10Cの各々は円筒形状(内径70mm,内寸高さ500mm)を有する。各吸着塔内には、塩化銅(CuCl)を担持させた活性炭(塩化銅の担持量は20wt%)2.0Lを充填した。使用した原料ガスは、製鉄所副生ガスの1つである転炉ガスに相当する組成(一酸化炭素65vol%,二酸化炭素15vol%,窒素20vol%)を有する模擬混合ガスである。この原料ガスを、ガス分離装置X2に対して1000L/h(標準状態換算)の流量で供給し続けた。本実施例では、吸着塔10A,10B,10Cの各々において、吸着工程は200秒間、洗浄工程は80秒間、第1脱着工程は120秒間、第2脱着前期工程は80秒間、および第2脱着後期工程は120秒間行った。これにより、脱着工程時間(第1脱着工程と第2脱着前期工程と第2脱着後期工程との合計時間)は320秒間であり、各工程からなる1サイクルのサイクルタイムは、600秒間であった。吸着工程における吸着塔10A,10B,10Cの内部の最高圧力は10kPa(ゲージ圧)とし、脱着工程(第1脱着工程,第2脱着前期工程,第2脱着後期工程)における吸着塔10A,10B,10Cの内部の最低圧力(到達圧力)は−90kPa(ゲージ圧)とした。
【0073】
このような条件で行った本実施例において濃縮分離されたガスについて、一酸化炭素純度は99.95vol%であり、不純物である二酸化炭素の含有率は300volppm、窒素の含有率は200volppmであり、取得ガス量は520L/h(標準状態換算)であった。取得ガスにおける一酸化炭素の回収率は、80%であった。
【0074】
〔比較例1〕
図7に示す概略構成を有するガス分離装置X3を使用して、所定の原料ガスから、目的ガスとしての二酸化炭素を濃縮分離した。ガス分離装置X3は、吸着塔10A,10B,10Cと、真空ポンプ21と、配管31〜34,36”,39とを備え、目的ガスを含む所定の原料ガスから圧力変動吸着法(PSA法)を利用して目的ガスを濃縮分離することが可能なように構成されている。ガス分離装置X3は、真空ポンプ22、バッファタンク23、および配管35,37,38を具備しておらず、また、配管36に代えて配管36”を備える点において、上述のガス分離装置X1と異なる。すなわち、ガス分離装置X3は、1つの真空ポンプ21のみを備え、配管36”は、真空ポンプ21に接続された主幹路36’を有する。上記の相違点を除いたガス分離装置X3の構成は、ガス分離装置X1と同様である。
【0075】
本比較例では、図8に示す態様で自動弁31a〜31c,32a〜32c,33a〜33c,34a〜34c,36a〜36dを切り替えることにより、装置内において所望のガスの流れ状態を実現し、ステップ1〜6(吸着工程、洗浄工程、待機、および脱着工程)からなる1サイクルを吸着塔10A,10B,10Cにおいて繰り返すことにより、所定の原料ガスから、目的ガスとしての二酸化炭素を濃縮分離した。図9は、ステップ1〜6におけるガス分離装置X3でのガスの流れ状態を表す。
【0076】
本比較例で用いた吸着剤は、上述の実施例1と同一種類で充填量も同一とした。使用した原料ガスは、実施例1と同じ組成とした。本比較例では、脱着工程は単一操作とされており、かかる点において、脱着工程が第1脱着工程および第2脱着工程からなる実施例1と異なる。洗浄工程にある吸着塔に導入される洗浄ガスは、脱着工程にある他の吸着塔から導出される脱着ガスの一部により賄った。本比較例の脱着工程時間は、実施例1と同じ200秒間とした。また、本比較例では、図8および図9から理解できるように、吸着工程の切り替えのタイミングと脱着工程の切り替えのタイミングとが一致しているため、吸着工程時間についても、脱着工程時間と同じ200秒間を要する。洗浄工程時間は120秒間とし、洗浄工程後、脱着工程までの待機時間を80秒間とした。これにより、各工程から構成される1サイクルのサイクルタイムは600秒間であった。
【0077】
上述の実施例1ではサイクルタイムが480秒間であったのに対し、本比較例では600秒間と設定したことから、ガス分離装置X3に対して、原料ガスを、480秒÷600秒=80%量の800L/h(標準状態換算)の流量で供給し続けた。吸着工程における吸着塔10A,10B,10Cの内部の最高圧力と、脱着工程における吸着塔10A,10B,10Cの内部の最低圧力(到達圧力)は実施例1と同じとした。
【0078】
このような条件で行った本比較例において濃縮分離されたガスについて、二酸化炭素純度は99.9vol%であり、不純物である窒素の含有率は0.1vol%であり、取得ガス量は124.8L/h(標準状態換算)であった。取得ガスにおける二酸化炭素の回収率は60%であった。本比較例では、取得ガスにおける二酸化炭素の純度、回収率は実施例1と同じであったが、同一サイズの吸着塔10A,10B,10Cに導入できる原料ガス量が1000L/hから800L/hへと、80%量に低下した。
【0079】
〔比較例2〕
図7に示す概略構成を有するガス分離装置X3を使用して、図8および図9に示す吸着工程、洗浄工程、待機、および脱着工程からなる1サイクルを吸着塔10A,10B,10Cにおいて繰り返すことにより、所定の原料ガスから、目的ガスとしての一酸化炭素を濃縮分離した。
【0080】
本比較例で用いた吸着剤は、上述の実施例2と同一種類で充填量も同一とした。使用した原料ガスは、実施例2と同じ組成とした。本比較例では、脱着工程は単一操作とされており、かかる点において、脱着工程が第1脱着工程、第2脱着前期工程および第2脱着後期工程からなる実施例2と異なる。洗浄工程にある吸着塔に導入される洗浄ガスは、脱着工程にある他の吸着塔から導出される脱着ガスの一部により賄った。本比較例の脱着工程時間は、実施例2と同じ320秒間とした。また、本比較例では、図8および図9から理解できるように、吸着工程の切り替えのタイミングと脱着工程の切り替えのタイミングとが一致しているため、吸着工程時間についても、脱着工程時間と同じ320秒間を要する。洗浄工程時間は80秒間とし、洗浄工程後、脱着工程までの待機時間を240秒間とした。これにより、各工程から構成される1サイクルのサイクルタイムは960秒間であった。
【0081】
上述の実施例2ではサイクルタイムが600秒間であったのに対し、本比較例では960秒間と設定したことから、ガス分離装置X3に対して、原料ガスを、600秒÷960秒=62.5%量の625L/h(標準状態換算)の流量で供給し続けた。吸着工程における吸着塔10A,10B,10Cの内部の最高圧力と、脱着工程における吸着塔10A,10B,10Cの内部の最低圧力(到達圧力)は実施例2と同じとした。
【0082】
このような条件で行った本比較例において濃縮分離されたガスについて、一酸化炭素純度は99.95vol%であり、不純物である二酸化炭素の含有率は300volppm、窒素の含有率は200volppmであり、取得ガス量は325L/h(標準状態換算)であった。取得ガスにおける一酸化炭素の回収率は80%であった。本比較例では、取得ガスにおける一酸化炭素の純度、回収率は実施例2と同じであったが、同一サイズの吸着塔10A,10B,10Cに導入できる原料ガス量が1000L/hから625L/hへと、62.5%量に低下した。
【符号の説明】
【0083】
X1,X2 ガス分離装置
10A,10B,10 吸着塔
11,12 ガス通過口
21 真空ポンプ
22 真空ポンプ
23 バッファタンク
31〜39,38” 配管
31’,32’,33’,34’,36’,37’ 主幹路
31A〜31C,32A〜32C,33A〜33C,34A〜34C,36A〜36C,37A〜37C 分岐路
31a〜31c,32a〜32c,33a〜33c,34a〜34c,36a〜36d,37a〜37c 自動弁
39a 流量調整弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的ガスを選択的に吸着する吸着剤が充填された3塔以上の吸着塔を用いて、上記目的ガスを含む混合ガスから上記目的ガスを濃縮分離する方法であって、
吸着塔に上記混合ガスを導入して当該混合ガス中の上記目的ガスを上記吸着剤に吸着させ、当該吸着塔から非吸着ガスを導出する吸着工程と、吸着塔に洗浄ガスを導入し、当該吸着塔から洗浄オフガスを導出する洗浄工程と、吸着塔内を減圧して上記吸着剤から上記目的ガスを脱着させ、当該吸着塔から脱着ガスを導出する脱着工程と、を含むサイクルを上記吸着塔の各々において繰り返し行う目的ガスの分離方法において、
上記混合ガスをいずれかの吸着塔に連続的に導入することにより、上記サイクルを通じていずれかの吸着塔にて上記吸着工程を常時的に行うとともに、
上記脱着工程の開始から終了までの脱着工程時間は、上記吸着工程の開始から終了までの吸着工程時間よりも長くされている、目的ガス分離方法。
【請求項2】
上記洗浄工程の開始から終了までの洗浄工程時間は、上記吸着工程時間よりも短くされており、
1つの吸着塔における上記脱着工程は、上記洗浄工程が終了した後の当該脱着工程の開始から、上記吸着工程にある他の吸着塔での当該吸着工程が終了するまで、上記1つの吸着塔から第1脱着ガスを導出する第1脱着工程と、上記1つの吸着塔から第2脱着ガスを導出する、上記第1脱着工程の後の第2脱着工程とを含む、請求項1に記載の目的ガス分離方法。
【請求項3】
上記1つの吸着塔における上記第2脱着工程は、上記吸着工程にあるさらに他の吸着塔での当該吸着工程と並行して行われる、請求項2に記載の目的ガス分離方法。
【請求項4】
上記洗浄工程では、目的ガスを貯留するための容器を経由した上記第1脱着ガスを、上記洗浄ガスとして洗浄対象の吸着塔に導入する、請求項2または3に記載の目的ガス分離方法。
【請求項5】
上記洗浄工程では、上記容器を経由した上記第2脱着ガスも上記洗浄ガスとして洗浄対象の吸着塔に導入する、請求項4に記載の目的ガス分離方法。
【請求項6】
上記第1脱着工程では、上記吸着塔内を減圧するための第1減圧手段により当該吸着塔内を減圧し、
上記第2脱着工程では、上記吸着塔内を減圧するための第2減圧手段により当該吸着塔内を減圧する、請求項2ないし5のいずれかに記載の目的ガス分離方法。
【請求項7】
上記第2脱着工程では、当該第2脱着工程の開始から途中まで、上記第1減圧手段によっても上記吸着塔内を減圧する、請求項6に記載の目的ガス分離方法。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の目的ガス分離方法により、目的ガスを含む混合ガスから上記目的ガスを濃縮分離する装置であって、
第1ガス通過口および第2通過口を有し、当該第1および第2ガス通過口の間において目的ガスを選択的に吸着する吸着剤が充填された3塔以上の吸着塔と、
目的ガスを貯留するための容器と、
上記吸着塔の内部を減圧する第1減圧手段および第2減圧手段と、
混合ガス導入端を有する主幹路、および、上記吸着塔ごとに設けられて当該吸着塔の上記第1ガス通過口側に接続され且つ開閉弁が付設された複数の分岐路、を有する第1配管と、
非吸着ガス導出端を有する主幹路、および、上記吸着塔ごとに設けられて当該吸着塔の上記第2ガス通過口側に接続され且つ開閉弁が付設された複数の分岐路、を有する第2配管と、
洗浄オフガス導出端を有する主幹路、および、上記吸着塔ごとに設けられて当該吸着塔の上記第2ガス通過口側に接続され且つ開閉弁が付設された複数の分岐路、を有する第3配管と、
上記第1減圧手段に接続された主幹路、および、上記吸着塔ごとに設けられて当該吸着塔の上記第1ガス通過口側に接続され且つ開閉弁が付設された複数の分岐路、を有する第4配管と、
上記第1減圧手段および上記容器の間を連結する第5配管と、
上記容器に接続され且つ開閉弁が付設された主幹路、および、上記吸着塔ごとに設けられて当該吸着塔の上記第1ガス通過口側に接続され且つ開閉弁が付設された複数の分岐路、を有する第6配管と、
上記第2減圧手段に接続された主幹路、および、上記吸着塔ごとに設けられて当該吸着塔の上記第1ガス通過口側に接続され且つ開閉弁が付設された複数の分岐路、を有する第7配管と、を備える、目的ガス分離装置。
【請求項9】
上記第5配管および上記第2減圧手段の間を連結する第8配管を備える、請求項8に記載の目的ガス分離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−250215(P2012−250215A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126897(P2011−126897)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000195661)住友精化株式会社 (352)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】