説明

直流給電システム

【課題】 大部分の機種が直流電力で作動している家電製品、情報通信機器に直接に直流で給電することにより交流からの変換時の損失を減らし、省電力を図り、ACアダプター不要化で省資源を図ること、その直流給電システムにて従来、利用の難しかった小型太陽電池等の自然エネルギー発電電力を有効に使うこと、また、停電時には非常電源として機能させること。
【解決手段】 直流入力、交流入力、蓄電池、充放電制御装置、給電制御装置、自動車電源入出力を構成要素とした直流給電システムを構築し、直流電力を屋内配線で伝送し、直流コンセントから各電気製品に供給する。直流入力には太陽電池等の自然エネルギー電力を、交流入力には商用電源を接続し、直流入力を優先利用する。停電時には、システム内蓄電池およびシステムに接続可能な自動車電源から電力を得て供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内に直流給電線を配線し、直流電力を供給し、直流コンセントより家電製品、情報通信機器、など複数の電気機器に給電するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、大部分の情報通信機器、家電製品は直流電力で作動しているにもかかわらず、給電されている電力が交流であるため、機器毎にACアダプターやAC/DCコンバーターが使用されている。交流でなく直流で給電すれば個別のアダプター、コンバーター、は不要になり、省資源になると共に、一般的なACアダプターは効率が高くないので高効率のコンバーターで一括に直流変換すれば効率が向上し、省電力となる。
【0003】
また、近年普及しつつある太陽電池などの自然エネルギー発電や燃料電池は直流電力であるが、小出力の場合、電力の受け入れ先が無く、発電電力が有効に使われておらず、これを利用しようとインバーターで交流変換すると、電気製品側の直流変換と合わせて2度の変換となり大きな損失が生じるが、直流で給電できればこのロスは生じない、なお、本分野で下記の交流商用電力を直流変換し給電するシステムが出願されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−42998号公報
【特許文献2】特開2008−43000号公報
【特許文献3】特開2010−288387号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献に示されたものは、交流商用電力から変換された直流電力の利用について記述されたもので、直流電力であっても電源としての特性が異なる自然エネルギー発電電力や、自動車電源をそのまま接続しても機能しない。直流給電には多くの利点があるが、従来は交流給電が用いられてきたため、こうした直流電源同士を接続しても効率的な直流給電が実現するための機器や給電システム技術が不備となっている。
【0006】
本発明は、このような従来の不備を解決し、屋内に設置可能で、省電力、省資源、使用の利便性を実現し、交流給電では困難だった小出力自然エネルギー電力の利用や、停電時の非常電源化、自動車電源との連携、を実現する直流給電システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、直流入力、交流入力、直流入力制御装置、AC/DCコンバーター、給電制御装置、直流給電線、直流コンセントの組み合わせにより直流電力を供給する。出力変動のある自然エネルギー電力を蓄電により安定的に使用することおよび停電時の対応のため、蓄電池および充放電制御装置を設け、また所望により、自動車電源との入出力インターフェース、電圧変換ケーブル、シガーライタープラグ変換ケーブル、直流テーブルタップを装備する。
【0008】
自然エネルギー発電を主な対象とする直流入力には直流入力制御装置を設け、最適動作点を得ることが必要な太陽電池に対しては最大電力点追従制御(MPPT)を設けて最大出力を得、風力発電など電圧変動の大きい電源に対してはDC/DCコンバーターを設けて電圧の安定化を図る。また、商用電源から受電する交流入力は高効率のAC/DCコンバーターにより直流に変換する。
【0009】
太陽電池等からの直流入力は、直流入力制御装置にて最適動作点電力として取り出され、充放電制御装置で電流、電圧の制御を受け、蓄電池に充電される。電池が満充電の場合や、入力電力に余裕がある場合は、入力電力は直流出力から負荷に給電される。
【0010】
給電制御装置の機能は、負荷により変動する直流給電システムの出力電圧、電流の何れか、または両方を計測して、直流入力あるいは蓄電池放電電力で不足する分の必要電力量が得られるように、AC/DCコンバーターのパルス幅制御回路にフィードバックすることで効率的に得られる。
【0011】
上記のように直流入力を優先的に利用し、出力電力の不足分を交流から変換した直流電力で補う優先分配制御を行なうことにより、直流入力に太陽電池などの自然エネルギー電力を接続した場合、蓄電池を調整池として利用し、自然エネルギー電力が無駄なく消費される。
【0012】
直流入力が太陽電池の場合は、発電電力のある昼間に蓄電池に充電し、夜間に放電し、消費するのが一般的な使用法である。なお、蓄電池を複数台設けて順次充電すると、電力をより無駄なく充電できる。蓄電池の利用により停電時も電力を供給することが可能になる。蓄電池の補助として電気二重層コンデンサーを併設すると供給がより確実である。
【0013】
直流給電システムは自動車電源との接続用入出力を設けると更に機能が充実する。自動車電源との接続により停電時には自動車バッテリーが直流給電システムの蓄電池のバックアップとなり、緊急時には自動車のオルタネーターによる発電も利用できる。また、自然エネルギー電力に余裕がある時には自動車バッテリーに電力を貯えることができる。
【0014】
自動車電源と接続する場合の別の利点として、自動車バッテリーが上がった場合、直流給電システム側から送電して充電することが可能になる。
【0015】
直流給電システムと自動車電源は常時接続すると故障の危険があるので、直流給電システムと自動車に送受信機を設けて、直流給電システムからの信号を受けて回路が接続を開始するようにすると安全である。
【0016】
直流給電出力電圧はDC12Vに設定すると、大部分の情報通信機器が使用できるほか、自動車電源電圧と同じになり、自動車電源との接続が容易で、また、自動車用品が住宅内でも使用でき便利である。
【0017】
上記の12Vのほか、直流給電線を2組にして、AC/DCコンバーターを複数電圧出力タイプ、例として12V、5Vにすれば、直流コンセントから12Vのほか5Vをあわせて供給することも可能である。
【0018】
また、直流の給電線以外に信号線を設け、直流コネクターに信号端子を設けると、シリアル信号等により負荷機器と給電システムの相互通信を行なう機構の装備が可能になる。これにより、需要を予測して給電するなどキメ細かいシステム運用も可能になる。
【0019】
直流出力は直流給電線に接続し、必要な場所に直流コンセントを設け、直流コネクターにて電気製品のコンセント用DCプラグに接続する。給電用の直流コネクターは誤差込防止のため、必ず既存のACアウトレットと別形状にする必要がある。直流コンセントは単独で設けても良く、また、ACコンセントボックスに組み込む形態としても良い。ACコンセントボックスに組み込んだ場合は、コンセントボックスを既存のAC給電と別に設ける必要が無く、工事や取り扱いが容易になる。
【0020】
直流コネクターにはLED表示灯をコネクター自体に組み込むか、その近傍に設置すると停電時に位置を探しやすい。
【0021】
設定直流出力電圧以外の電圧で作動する電気製品に供給するには、DC/DCコンバーターを組み込んだ電圧変換ケーブルを用いると便利である。
【発明の効果】
【0022】
本発明の直流給電システムの使用により、機器個別のACアダプターやコンバーターが不要となり、省資源になる上、コンセント周りや床面がすっきりして安全性も向上する。また、個別のACアダプターやコンバーターで直流変換するよりも、一括の高効率AC/DCコンバーターを用いた方が一般的に省電力となる。更に、従来の交流給電では太陽電池や蓄電池からの電力を用いるためには、インバーターで交流100Vに昇圧し、電気製品側ではそれをACアダプターまたはコンバーターで降圧直流化して機器で使用するが、変換が2回となり損失が多かった。例として、インバーターおよびコンバーターの変換効率を80%とすると、直流入力をそのまま直流給電で利用することにより36%の省電力となる。また、従来、小出力の自然エネルギー発電電力は系統連携もできず、住宅等でも使い途が限られていたが、直流給電システムに接続すればその電力を有効に消費することができ、系統に負担をかけずに自然エネルギー電力利用へのスムーズな移行が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図1から図6を参照して説明する。なお、この形態は請求項1から12のすべてを満たした場合のものであり、実施に当たっては使用条件により不要な要素を削除して構成した形態で良い。
【0024】
図1のように、本発明の直流給電システムの制御装置を直流給電制御盤に納め、そこに、直流入力1、交流入力2、自動車電源入出力3を設ける。なお、1、および3の入力はそれぞれ複数設けても良い。
【0025】
図1の直流入力1には、主として太陽電池4などの自然エネルギー発電電力を入力する。電圧、電流の変動の大きいこの入力系統には、直流入力制御装置5を設ける。直流入力制御装置5には、図2に示すように、接続する電力源の特性に合わせて、太陽電池には最大電力点追従制御(MPPT)、風力発電には入力負荷電流が電圧の2乗以上に急峻に変化する定電圧DC/DCコンバーターを設け、それぞれ最大発電電力が得られるよう制御する。
【0026】
図1の自動車電源入出力3には、自動車電源6を接続する。給電システム出力電圧を12Vとした場合、一般的なDC12V車はそのまま接続でき、ディーゼル車の24Vや電気自動車の高圧電源の場合はDC/DCコンバーターを設けて入力電圧規格に合致させる。また、自動車以外の外部蓄電池や燃料電池等の安定した電源も入力電圧規格が合致すれば同様の接続ができる。自動車電源の場合、オルタネーターから発生する可能性のある高電圧の影響を避けるため、過電圧保護回路7を設けると安心である。
【0027】
自動車電源との接続線は通常屋外を通るので、コネクター外れによる地絡の危険や誤動作を避けるため、図1の自動車電源6と直流給電制御盤の双方に送受信機8を設け、その双方または自動車電源側に開閉スイッチを設け、直流給電システム側からの指令信号を受けて自動車電源の接続を開始すると安全である。信号の伝送方法は自動車電源との接続線に併設した信号線により有線で送信するのが確実であるが、接続線に信号を重畳する方法でも良く、また、無線を用いても良い。
【0028】
図1の交流入力2には、交流商用電源を接続する。入力された電力はAC/DCコンバーター9で、直流に変換する。
【0029】
図1の直流入力1、交流入力2、自動車電源入出力3から入力された電力は、それぞれのコンバーターあるいは制御の装置を通った後、給電制御装置10にて優先度を設けて制御配分される。通常時は直流入力1を優先として不足分を交流入力2から導入する。
【0030】
上記の優先度制御の一つの実施例が図3である。直流入力制御装置5から給電制御装置10に入力された電力は、分配回路Aにて主として充電電力として充放電制御装置11に分配され、余剰分の電力は直流出力に分配される。AC/DCコンバーター9にて変換された直流電力は、分配回路Bにて主として直流出力へ分配され、充電電力不足時には充放電制御装置11にも出力される。分配回路AおよびBには必要に応じ逆流防止素子を装備する。
【0031】
直流入力から入力される電力、充放電制御装置に入出力される電力、負荷にて消費される電力、の変動に対応して一定電圧の電力を給電するため、図3のように負荷が接続された状態での直流出力の電圧、電流を計測し、演算した後、制御信号をAC/DCコンバーターのパルス幅制御回路にフィードバックして、AC/DCコンバーターの直流変換電力量を制御する。この制御により一定の直流給電電圧が保たれ、電力消費の最適化が図られる。
【0032】
図1の自動車電源入出力3に接続された自動車電源6は、充放電制御装置11にて制御し、バックアップ電源として利用する。停電時にはシステム蓄電池の蓄電電力では供給不足になった場合、自動車バッテリーから給電でき、さらに緊急時には自動車のオルタネーターによる発電も活用できる。また、直流入力1からの入力電力が負荷に対し過剰の時には蓄電先として自動車電源を利用することも可能である。
【0033】
図1の充放電制御装置11は、蓄電池12に最適な充放電サイクルを実現するため電圧、電流の制御を行なう。直流入力1の電力が入力されている時は蓄電池12に電力を蓄え、また、充電電力が不足する場合は交流入力3からの電力も導入する。満充電時には直流入力電圧のモニターにより判別した直流入力1の無い時間帯に、蓄電池12より負荷へ出力して電力を消費して容量を空け、次に直流入力1からの電力が導入される時の充電に備えるが、停電等に備え一定量の電力は維持し、停電時には蓄電された電力を給電する。充放電制御装置11はまた、自動車電源入出力3に接続された自動車電源のバッテリーの充放電を制御し、過充電、過放電を防止する。
【0034】
図1のように蓄電池12を複数台として、1台が満充電になると順次に次の電池に充電先を移行すると、利用できる蓄電電力量を増やすことができる。また、所望により蓄電池に並列して、電気二重層コンデンサー13を設置すると信頼性が向上する。電気二重層コンデンサーは現在のところ2次電池に比較するとエネルギー密度が低いが、メンテナンスフリー、長寿命であり、短時間停電やピークの平準化に有効である。
【0035】
直流給電システムの給電電圧は各種提案されているが、多くの電子機器が作動可能で、自動車電源と統一できるDC12Vは必須である。直流出力経路にブレーカー14を設けると、短絡あるいは過負荷時にシステムが保護される。
【0036】
図1の直流給電線16の線数および直流コネクターの極数に余裕を持たせ、AC/DCコンバーターを複数電圧出力タイプとすれば、DC12V(+)以外にたとえば5VやDC12V(−)などの異なった電圧を供給でき、また、給電システムと接続機器間の通信線を持たせることができる。この信号線を利用して、給電システムと、通信に対応した電気製品が信号のやりとりをすれば、きめ細かい消費電力把握やオンデマンド給電が可能になり、スマートグリッド化の推進につながる。多電圧化および通信線を設けた直流コネクターのピンアサイン例を図4に示す。
【0037】
本発明の直流給電システムにて用いる直流コネクター18は、誤差込防止のため、必ず既存のACアウトレット19とは別形状にする。直流コネクター18は図1のように単独の直流コンセントに設けても良く、図5のように複合コンセントボックス20にACアウトレット19と共に組み込んでも良い。このように複合コンセントとした場合は建屋内に新たなコンセントボックススペースを設ける必要がなく、工事や取り扱いが容易になる。直流コネクター18にはLED表示灯21を組み込むか、または図5のように近傍に設置すると停電時に位置が探しやすい。
【0038】
本発明の実施に当たって登場すると考えられる直流給電対応型電気製品には、電源ケーブル先端にコンセント用DCプラグ22を設けることで、簡潔かつ確実に給電を受けることができる。既存の製品に対しては下記のように対応するケーブルを用いる。
【0039】
ACアダプターを使用している電気製品のうち、電源電圧が本発明の直流給電システムの供給電圧に等しい機器については、図6(a)に示す、一端にコンセント用DCプラグ22、他端に機器側DCプラグ24を持つケーブルを用いる。機器側DCプラグは該当電圧区分のEIAJ統一型DCプラグおよびピン径2.1mmプラグを用意すると大部分の機器に対応できる。
【0040】
要求される電源電圧が供給電圧と異なる機器については、図6(b)に示す、コンセント用DCプラグ22、小型DC/DCコンバーター23、機器側DCプラグ24の組み合わせによる、電圧変換ケーブルを用いる。コンバーター部分に電圧表示するとわかりやすい。
【0041】
自動車用品を使用するには、図6(c)に示す、一端にコンセント用DCプラグ22、他端にシガーライターソケット25を持つケーブルを用いる。
【0042】
接続される機器が多く、コンセントの直流コネクター18の数が不足する場合は、図6(d)に示す、一端にコンセント用DCプラグ22、他端に複数個の直流コネクター18を取り付けたケースを持つ直流テーブルタップを用いる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の直流給電システムは、既存の交流給電と併設する形で屋内に配線、設置され、機器内部で直流が使われている家電、情報通信機器の電力供給に用いることで、交直変換時の電力損失が極小化される。また、直流出力である太陽電池などの自然エネルギー発電電力を接続することで、ACインバーターによる損失を無くし、それらの電力を無駄なく利用することができる。さらに、システム内蓄電池の利用もしくは自動車電源との接続で、停電時の非常電源としても活用できる。供給電圧を12Vに設定した場合、自動車アクセサリー機器を住宅で使ったり、逆に12V対応家電を自動車内で使うなど両市場の融合も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】 本発明の直流給電システムの構成を示すブロック図。
【図2】 本発明の直流給電システムの直流入力制御装置の構成を示すブロック図。
【図3】 本発明の直流給電システムの給電制御装置の構成と作動を示すブロック図。
【図4】 本発明の直流給電システムの直流コネクターのピンアサイン例を示す図。
【図5】 本発明の直流給電システムの直流コネクターとAC給電アウトレットを設けた複合コンセントボックス。
【図6】 本発明の直流給電システムにおいて家電製品の接続に用いる各種ケーブル。(a)コネクター変換ケーブル (b)電圧変換ケーブル (c)シガーライタープラグ変換ケーブル (d)直流テーブルタップ
【符号の説明】
【0045】
1. 直流入力
2. 交流入力
3. 自動車電源入出力
4. 太陽電池
5. 直流入力制御装置
6. 自動車電源
7. 過電圧保護回路
8. 送受信機
9. AC/DCコンバーター
10. 給電制御装置
11. 充放電制御装置
12. 蓄電池
13. 電気二重層コンデンサー
14. ブレーカー
15. 直流出力
16. 直流給電線
17. 直流コンセント
18. 直流コネクター
19. ACアウトレット
20. 複合コンセントボックス
21. LED表示灯
22. コンセント用DCプラグ
23. 小型DC/DCコンバーター
24. 機器側DCプラグ
25. シガーライターソケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流入力、AC/DCコンバーター、直流入力、蓄電池、充放電制御装置、直流給電線、直流コンセントを備え、直流入力からは太陽電池などの自然エネルギー発電電力を受け入れることが可能で、交流入力からは、交流商用電力を受け入れAC/DCコンバーターにて直流に変換し、それらの直流電力を直流コンセントから常時、電気製品に供給することができると共に、一部を蓄電池に充電し、停電時や、蓄電池が規定充電量に充電された状態の時に、蓄電池に貯えた電力を直流コンセントから供給することが可能な直流給電システム。
【請求項2】
請求項1に記載された直流給電システムにおいて、蓄電池を複数台使用し、1台の蓄電池が満充電になると順次、次の蓄電池へと充電先を切替え、放電時も規定放電量に達すると次の蓄電池からの放電へ切替え、蓄電電力を柔軟に変化させて、自然エネルギー発電量変動や、負荷変動、停電時の電力供給への対応能力を拡大した直流給電システム。
【請求項3】
請求項1および2の何れかに記載された直流給電システムにおいて、蓄電池の代わり、もしくは蓄電池と併用して電気二重層コンデンサーを使用した直流給電システム。
【請求項4】
請求項1から3の何れかに記載された直流給電システムにおいて、AC/DCコンバーターを複数電圧出力とし、複数組の給電線により直流コンセントから複数電圧の電力を供給可能とした直流給電システム。
【請求項5】
請求項1から4の何れかに記載された直流給電システムにおいて、直流給電線に併設して信号線を設け、直流コンセントにて信号送受信に対応した電気製品と接続することにより、電気製品との間で情報の送受信を可能にした直流給電システム。
【請求項6】
請求項1から5の何れかに記載された直流給電システムにおいて、直流入力に接続して直流入力制御装置を設け、構成要素として、太陽電池に適した最大電力点追従制御(MPPT)、ならびに、風力発電に適した、電圧変化に対し電流が急峻に変化する入力負荷特性を持ったDC/DCコンバーター、に代表される、接続する自然エネルギー電力の特性に合った制御回路を備え、太陽電池や風力発電など出力変動のある自然エネルギー発電電力が入力された時でも、効率よくそれらの入力電力を利用することが可能な直流給電システム。
【請求項7】
請求項1から6の何れかに記載された直流給電システムにおいて、自動車電源入出力を持ち、自動車電源と接続し、自動車電源から入力した電力を直流コンセントより出力すること、直流給電システムの余裕電力を自動車バッテリーに充電すること、および所望によりバッテリー上り時に自動車バッテリーを充電することが可能な直流給電システム。
【請求項8】
請求項7に記載された直流給電システムにおいて、給電システムおよび自動車に送受信機を設け、有線または無線により、直流給電システムより接続指令信号を送り、自動車側送受信機で信号が受信されたときに自動車電源と直流給電システムを接続開始することによって安全性を向上した直流給電システム。
【請求項9】
請求項1から8の何れかに記載された直流給電システムにおいて、優先度設定が可能な給電制御装置を設け、直流入力より入力された自然エネルギー電力、システム内蓄電池の蓄電電力、自動車電源、交流商用電源、それぞれに割り当てられた使用優先度に基づき供給電力の制御を行なう直流給電システム。
【請求項10】
請求項9の直流給電システムを実施する手段として、直流給電システムの負荷に出力される直流電力の電圧か電流もしくはその双方を計測し、基準値との比較により演算された制御信号にてAC/DCコンバーターのスイッチングパルス幅を制御することで、変動の大きい直流電力が直流給電システムに入力されても直流出力からの供給電力の安定化が図れる直流給電システム。
【請求項11】
請求項1から10の何れかに記載された直流給電システムにおいて、直流コネクターを交流コンセントボックス内に併設した複合コンセントボックスとすることで、設置スペースの削減および工事の利便性を図った直流給電システム。
【請求項12】
請求項1から11の何れかに記載された直流給電システムにおいて、一端にコンセント用DCプラグ、他端に機器側DCプラグを備え、その経路中にDC/DCコンバーターを設けた電圧変換ケーブルを持ち、直流出力より給電される電圧と異なった要求電圧の電気製品への電力供給を可能とした直流給電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−90560(P2013−90560A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243907(P2011−243907)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(391065596)有限会社石川光学造形研究所 (8)
【Fターム(参考)】