説明

直流給電用コンセント、直流給電制御装置、直流給電制御プログラム、及び直流給電制御方法

【課題】給電に伴う電力喪失を軽減できる直流給電用コンセント、直流給電制御装置、直流給電制御プログラム、及び直流給電制御方法を提供する。
【解決手段】直流給電用コンセント100は、DC電源供給元10からの電圧を指定値の電圧に変換するDCDCコンバータ140を有する。直流給電用コンセント100は、雌端子111などに接続する機器の電力変換効率を表す機器側効率情報を、機器が有する直流給電用プラグから複数受信する。直流給電用コンセント100は、直流給電用コンセント100の電力変換効率を表すコンセント側効率情報を複数記憶する直流給電制御装置180を備える。直流給電制御装置180は、複数の機器側効率情報と複数のコンセント側効率情報とに基づいて、DC電源供給元10からDCDCコンバータ140へ供給される供給電力を減少させる指定値を、DCDCコンバータ140に指定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流給電用コンセント、直流給電制御装置、直流給電制御プログラム、及び直流給電制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
接続される機器の適合電圧に応じて当該機器に供給する電圧を変更するために、雄プラグが接続されるプラグ接続部から機器の適合電圧を示す適合電圧値情報を取得し、かつ取得した適合電圧値情報に基づいて、前記接続された機器に供給する電圧を変更する直流コンセントが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−151947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1に開示された技術では、コンセントの供給する電圧を機器の適合電圧に変換できさえすれば、適合電圧がどのような値であっても給電を行うため、電力の変換効率が向上せず、給電に伴う電力喪失を軽減できないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、給電に伴う電力喪失を軽減できる直流給電用コンセント、直流給電制御装置、直流給電制御プログラム、及び直流給電制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る直流給電用コンセントは、
電源供給元から供給される電圧を、指定値の電圧に変換する電圧変換部を有する直流給電用コンセントであって、
前記電圧変換部で変換された電圧を印加される雌端子と、
前記雌端子に挿入される直流給電用プラグを有する機器の電力変換効率を表す機器側効率情報を前記直流給電用プラグから複数受信する情報受信手段と、
前記直流給電用コンセントの電力変換効率を表すコンセント側効率情報を複数記憶する情報記憶手段と、
前記情報受信手段で受信された複数の機器側効率情報と、前記情報記憶手段に記憶された複数のコンセント側効率情報とに基づいて、前記電源供給元から前記電圧変換部へ供給される供給電力を減少させる指定値を、前記電圧変換部に指定する電圧値指定手段と、を備える、
ことを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る直流給電用コンセントの直流給電制御装置は、
電源供給元から供給される電圧を、指定値の電圧に変換する電圧変換部を有する直流給電用コンセントの直流給電制御装置であって、
雌端子に挿入される直流給電用プラグを有する機器の電力変換効率を表す機器側効率情報を複数取得する情報取得手段と、
前記直流給電用コンセントの電力変換効率を表すコンセント側効率情報を複数記憶する情報記憶手段と、
前記情報取得手段で受信された複数の機器側効率情報と、前記情報記憶手段に記憶された複数のコンセント側効率情報とに基づいて、前記電源供給元から前記電圧変換部へ供給される供給電力を減少させる指定値を、前記電圧変換部に指定する電圧値指定手段と、を備える、
ことを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る直流給電用コンセントの直流給電制御プログラムは、
電源供給元から供給される電圧を、指定値の電圧に変換する電圧変換部を有する直流給電用コンセントの直流給電制御プログラムであって、
コンピュータを、
雌端子に挿入される直流給電用プラグを有する機器の電力変換効率を表す機器側効率情報を複数取得する情報取得手段と、
前記直流給電用コンセントの電力変換効率を表すコンセント側効率情報を複数記憶する情報記憶手段と、
前記情報取得手段で受信された複数の機器側効率情報と、前記情報記憶手段に記憶された複数のコンセント側効率情報とに基づいて、前記電源供給元から前記電圧変換部へ供給される供給電力を減少させる指定値を、前記電圧変換部に指定する電圧値指定手段と、して機能させる、
ことを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係る直流給電用コンセントの直流給電制御方法は、
電源供給元から供給される電圧を、指定値の電圧に変換する電圧変換部を有する直流給電用コンセントの直流給電制御方法であって、
前記電圧変換部で変換された電圧を雌端子に印加する印加ステップと、
前記雌端子に挿入される直流給電用プラグを有する機器の電力変換効率を表す機器側効率情報を前記直流給電用プラグから複数受信する情報受信ステップと、
前記直流給電用コンセントの電力変換効率を表すコンセント側効率情報を複数記憶する情報記憶手段から、複数の前記コンセント側効率情報を読み出す情報読出ステップと、
前記情報受信ステップで受信された複数の機器側効率情報と、前記情報読出ステップで読み出された複数のコンセント側効率情報とに基づいて、前記電源供給元から前記電圧変換部へ供給される供給電力を減少させる指定値を、前記電圧変換部に指定する電圧値指定ステップと、を有する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る直流給電用コンセント、直流給電制御装置、直流給電制御プログラム、及び直流給電制御方法によれば、直流給電に伴う電力喪失を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1(a)は、第1実施形態に係る直流給電用コンセントで構成される直流給電システムの一例を表す図である。図1(b)は、電磁結合をしている直流給電用コンセントの側断面及び直流給電用プラグの側断面の一例を表す図である。図1(c)は、電磁結合をしていない直流給電用コンセントの側断面及び直流給電用プラグの側断面の一例を表す図である。
【図2】図2(a)は、直流給電用プラグの回路構成の一例を表す図である。図2(b)は、直流給電用プラグの一例を表す斜視図である。図2(c)は、直流給電用プラグが有する本体部の一例を表す斜視図である。
【図3】直流給電用コンセントの回路構成の一例を表す図である。
【図4】図4(a)は、第1実施形態に係る直流給電用コンセントの直流給電制御装置の一例を表すハードウェア構成図である。図4(b)は、直流給電制御装置が有する機能の一例を表すソフトウェア構成図である。
【図5】直流給電制御装置が実行する電圧制御処理の一例を表すフローチャートである。
【図6】直流給電システムが実行する処理の一例を表すシーケンス図である。
【図7】図7(a)は、直流給電用プラグが送信する認証データの一例を表す図である。図7(b)は、直流給電用プラグが送信する機器側効率表の一例を表す図である。図7(c)は、直流給電用プラグが送信するモード情報の一例を表す図である。
【図8】図8(a)は、電流値算出部が実行するグリッド電圧値決定処理の一例を表すフローチャートである。図8(b)は、電流値算出部が実行する第2電流値算出処理の一例表すフローチャートである。
【図9】第1実施形態において、電流値算出部が実行する電圧値選択処理の一例を表すフローチャートである。
【図10】図10(a)は、直流給電用コンセントの直流給電制御装置が記憶するコンセント側効率表の一例を表す図である。図10(b)は、電力変換効率と入力電圧との関係の一例を表す図である。図10(c)は、配線ロスと配線を流れる電流との関係の一例を表す図である。図10(d)は、電力変換効率と負荷電力との関係の一例を表す図である。図10(e)は、電力変換効率と出力電圧との関係の一例を表す図である。
【図11】第1実施形態の変形例における直流給電用プラグの回路構成の一例を表す図である。
【図12】第2実施形態において、電流値算出部が実行する電圧値選択処理の一例を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る直流給電用コンセントについて、添付図面を参照しつつ説明する。
【0013】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る直流給電用コンセント100(以下単に、給電用コンセント100という)は、図1に示すように、直流給電用プラグ201及び202(以下単に、給電用プラグ201及び202という)を挿入され、給電用プラグ201を有する電子機器(以下単に、機器という)301及び給電用プラグ202を有する機器302へ直流電流を給電する。給電用コンセント100は、機器301及び302へ印加する電圧の電圧値を適切な値に変更することで、給電用コンセント100並びに機器301及び302で構成される直流給電システム1(以下単に、給電システム1という)の全体における電力の消費を軽減する。
【0014】
給電用コンセント100について説明する前に、給電用プラグ201及び機器301について説明する。尚、給電用プラグ202及び機器302の構成は、給電用プラグ201及び機器301の構成と同様であるので説明を省略する。
【0015】
給電用プラグ201は、図2(a)に示すように、雄端子211、221、及び231、整流素子251、駆動回路261、受信回路271、及びコイル291を備える。機器301は、DCDC(Direct Current - Direct Current)コンバータ341、整流素子351、及び制御装置381を備える。
【0016】
雄端子211、雄端子221、及び雄端子231は、給電用コンセント100のプラスの雌端子、マイナスの雌端子、及びアース用の雌端子にそれぞれ挿入される。雄端子211ないし雄端子231は、電気コード内の導線を通じて機器301のDCDCコンバータ341にそれぞれ電気的に接続している。
【0017】
DCDCコンバータ341は、雄端子211及び雄端子221を介して給電用コンセント100から供給された電力を、機器301の動作に適した電力に変換し、変換した電力を制御装置381などへ供給する。尚、DCDCコンバータ341は、給電用プラグ201の駆動回路261及び受信回路271へ電力を供給しても良い。
【0018】
整流素子251は、駆動回路261とコイル291とを結ぶ電路を流れる電流の内で、コイル291と給電用コンセント100とが電磁結合することで生じた電流を、機器301の整流素子351へ流す。整流素子351は、整流素子251から流入する電流を制御装置381へ出力する。
【0019】
制御装置381は、整流素子351から出力された電流を用いて駆動回路261を駆動させる。これにより、制御装置381は、給電用コンセント100に対して雄端子211及び221を介した給電の開始を求める要求信号をコイル291に送信させる。尚、駆動回路261も整流素子351から出力された電流を用いて駆動して良い。その後、制御装置381は、雄端子211及び221を介した給電が開始されると、雄端子211及び221と接続するDCDCコンバータ341から供給される電力を用いて動作する。
【0020】
駆動回路261は、制御装置381に制御されてコイル291を駆動させる。駆動させられたコイル291は、各種の信号を給電用コンセント100へ送信する。
【0021】
これらの構成によれば、給電用プラグ201が予め蓄電していなくとも、又は給電用プラグ201の蓄電量が少なくとも、雌端子211ないし231から給電される前に、給電用コンセント100から電磁結合によって供給された電力を用いて信号を送信できる。またこれらの構成によれば、給電用プラグ201は、給電用コンセント100との電磁結合により供給された電力を用いて信号の送信を開始するため、給電用プラグ201が給電用コンセント100と非接触結合していない場合における給電用プラグ201及び機器301の電力消費を削減できる。
【0022】
制御装置381は、例えば、マイクロコンピュータであり、整流素子351から出力される電流の電流値が所定値に達したか否かを判定する。制御装置381は、電流値が所定値に達したと判定すると、給電用プラグ201が給電用コンセント100と電磁結合を開始した判定する。電磁結合が開始されたと判定すると、制御装置381は、要求信号をコイル291に送信させるために、駆動回路261を駆動させる。また、制御装置381は、コイル291が信号を受信すると、受信された信号を受信回路271から取得する。
【0023】
給電用コンセント100は、図3に示すように、2つの給電用コネクタ101及び102と、DCDC(Direct Current - Direct Current)コンバータ140と、本発明の直流給電制御装置180(以下単に、給電制御装置180という)とを備える。給電用コネクタ101は、プラスの雌端子111、マイナスの雌端子121、アース用の雌端子131、半導体スイッチ151、駆動回路161、受信回路171、及びコイル191を有する。給電用コネクタ102は、同様に、プラスの雌端子112、マイナスの雌端子122、アース用の雌端子132、半導体スイッチ152、駆動回路162、受信回路172、及びコイル192を有する。
【0024】
雌端子111は、給電用プラグ201の雄端子211が挿入され、半導体スイッチ151を介してDCDCコンバータ140のプラス端子に接続する。同様に、雌端子112は、給電用プラグ202の雄端子212が挿入され、半導体スイッチ152を介してDCDCコンバータ140のプラス端子に接続する。
【0025】
雌端子121は、給電用プラグ201の雄端子221が挿入され、DCDCコンバータ140のマイナス端子に接続する。このため、半導体スイッチ151が電路を閉じる(つまり、駆動する)場合に、雌端子111及び121は、給電用プラグ201へ電力を供給し、半導体スイッチ151が電路を開く(つまり、駆動を停止する)場合に、雌端子111及び121は、給電用プラグ201に対する電力の供給を停止する。同様に、雌端子122は、給電用プラグ202の雄端子222が挿入され、DCコンバータ140のマイナス端子に接続する。このため、半導体スイッチ152が電路を閉じる場合に、雌端子112及び122は、給電用プラグ202へ電力を供給する。
【0026】
雌端子131及び132は、給電用プラグ201の雄端子231及び給電用プラグ202の雄端子がそれぞれ挿入され、基準電位を給電用プラグ201及び202へ提供する。
【0027】
DCDCコンバータ140は、DC(Direct Current)電源供給元10のプラス端子及びマイナス端子に接続され、給電制御装置180に供給する電力を生成する。また、DCDCコンバータ140は、DC電源供給元10から印加される電圧を、給電制御装置180に指定された電圧値(以下、指定値という)の電圧に変換する電圧変換部であって、変換した電圧を雌端子111及び121に印加する。尚、駆動回路161及び162並びに受信回路171及び172は、DCDCコンバータ140から電力を供給されても良い。
【0028】
半導体スイッチ151及び152は、給電制御装置180により駆動させられると、DCDCコンバータ140と雌端子111及び121とをそれぞれ電気的に接続し、給電制御装置180により駆動を停止させられると、DCDCコンバータ140と雌端子111及び121とをそれぞれ電気的に切断する。これらの構成によれば、給電用コンセント100は、給電用プラグ201又は202と非接触結合すると、雌端子111及び121に対する給電を開始する。このため、例えば、給電用プラグ201又は202の雄端子以外の物体が雌端子111などに挿入されたとしても、給電用プラグ201又は202と非接触結合しない限り、給電用コンセント100は、給電を開始することがないため、安全性を従来よりも確保できる。
【0029】
駆動回路161及び162は、給電制御装置180に制御されて、コイル191及び192をそれぞれ駆動させる。駆動させられたコイル191及び192は、給電用プラグ201及び202にそれぞれ電磁結合し、かつ給電用プラグ201及び202に対して信号を送信する。また、コイル191及び192は、駆動させられていない期間(以下、休振期間という)に、それぞれ給電用プラグ201及び202から送信された信号を受信する。この構成によれば、給電用コネクタ101は、給電用プラグ201に対する電磁結合による電力伝達と、給電用プラグ201との信号通信との双方を行うことができる。尚、受信回路171及び172は、休振期間においてそれぞれコイル191及び192から信号を受信する。
【0030】
給電制御装置180は、図4(a)に示すようなマイクロコンピュータである。図4(a)のマイクロコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)180a、RAM(Random Access Memory)180b、ROM(Read Only Memory)180c、及びI/O(Input / Output)ポートを有する。CPU180aは、ROM180cが記憶するプログラムで表されるソフトウェア処理を実行することで、給電用コンセント100の全体制御を行う。RAM180bは、CPU180aがソフトウェア処理を実行する場合に、処理の対象とされるデータを一時的に記憶する。I/Oポートは、図3の受信回路171及び172から出力された信号をCPU180aへ入力し、CPU180aから出力される信号を、半導体スイッチ151及び152並びに駆動回路161及び162へ出力する。
【0031】
次に、CPU180aが実行するソフトウェア処理について説明する。CPU180aは、給電用コンセント100に接続する給電用プラグ201及び202へ印加する電圧を制御する電圧制御処理を実行する。この電圧制御処理は、DC電源供給元10から給電システム1へ供給される電流の電流値(以下、第1電流値という)が最小になるように、給電用コンセント100から出力される電圧の電圧値を制御する処理である。DC電源供給元10は、給電用コンセント100に対して一定値の電圧を印加するため、DC電源供給元10が給電用コンセント100に供給する電流を最小にすれば、給電システム1へ供給される電力が最小となり、給電システム1で消費される電力が最小となるためである。
【0032】
CPU180aは、図5に示すような電圧制御処理を実行することで、図4(b)に示すような結合検出部181、情報取得部182、給電判定部183、送信制御部184、スイッチ駆動部185、モード変更判定部186、情報記憶部187、電流値算出部188、及び電圧値指定部189として機能する。
【0033】
先ず、機器301の給電用プラグ201が給電用コンセント100の給電用コネクタ101に挿入された場合を例に挙げて、図5の電圧制御処理の説明を行う。
電圧制御処理の実行が開始されると、図4(b)の結合検出部181は、図3の給電用コネクタ101が有する受信回路171の出力電圧に基づいて、給電用プラグ201が給電用コネクタ101と電磁結合を開始したことを検出する(ステップS01;Yes)。
【0034】
次に、図4(b)の情報取得部182は、受信回路172から認証データを取得する(ステップS02)。図6に示すように、時刻t1において、電磁結合を検出した機器301が、要求信号の一例である認証データを送信したためである。
【0035】
次に、図4(b)の給電判定部183は、図7(a)に示すような認証データから機器301の認証コードを抽出する。ここで、認証コードは機器301の性能を表す性能情報であるので、給電判定部183は、認証コードに基づいて、機器301が直流電流を用いて動作するのに十分な性能を有するか否かを判定する。また給電判定部183は、機器301が十分な性能を有すると判定した場合に、機器301が給電の認証をクリアしたと判定する。尚、給電用コンセント100は、認証をクリアしない機器には給電を行わない。この構成によれば、給電用コンセント100は、直流電流で十分に動作できない電子機器に対して給電を行わないため、給電用コンセント100に接続する電子機器の故障を未然に防止できるなど、給電時の安全性を向上できる。
【0036】
具体的には、給電判定部183は、機器301が直流機器である場合、又は機器301が交流機器であるがインバータを用いて直流電流を交流電流に変換できる場合に、機器301が直流電流を用いて動作するのに十分な性能を有すると判定する。
【0037】
また給電判定部183は、機器301が直流電流を用いて動作するのに十分な性能を有するだけでなく、直流電流の消費を軽減させるのに十分な性能(つまり、省エネ性能)を有する場合に、機器301が認証をクリアすると判定する構成を採用できる。この構成において、待機モードを機器301が有する場合、又は印加される電圧の電圧値が変化すると電力の変換効率(以下、電力変換効率という)が変化するDCDCコンバータを機器301が有する場合に、給電判定部183は、機器301が認証をクリアすると判定しても良い。尚、動作モードとは、電子機器の動作状態をいい、待機モードとは、稼動時よりも消費電力を軽減した状態で、ユーザによる稼動指示又は稼動操作を待つ動作を行う状態をいう。また電力変換効率とは、入力された電力に対する出力された電力の比率をいう。これらの構成によれば、給電用コンセント100は、供給する電圧の電圧値を変化させることで、消費される電力を削減できる電気機器に限って電力を供給できるため、給電システム1で消費される電力を従来よりも削減できる。
【0038】
ここで、図7(a)に示す機器301の認証コードは、機器301が直流機器であり、インバータを有さず、待機モードを有し、かつDCDCコンバータを有することを表すため、給電判定部183は、機器301が認証をクリアしたと判定する(図5のステップS03;Yes)。尚、給電判定部183は、認証をクリアしないと判定する場合には、ステップS01に戻り上記処理を繰り返す。
【0039】
次に、図4(b)の送信制御部184は、認証をクリアしたために給電を承認(許可)することを表す承認応答をコイル191に返信させるために、図3の駆動回路161の駆動制御を行う(ステップS04)。その後、図4(b)のスイッチ駆動部185は、図3の半導体スイッチ151の駆動制御を行う(ステップS05)。その後、図6に示すように、時刻t2において、給電用プラグ201は、承認応答を給電用コンセント100から受信した後に、給電を開始される。
【0040】
次に、図4(b)の電流値算出部188は、機器301を動作させることができる電圧値の内で、給電システムの電力変換効率の算出に用いられるグリッド電圧値を決定する、図8(a)に示すようなグリッド電圧値決定処理を実行する。
【0041】
図8(a)のグリッド電圧値決定処理の実行を開始すると、電流値算出部188は、図7(a)の認証データに含まれる定格電圧データ「0x00CB」に基づいて定格電圧「200」ボルトを取得する(ステップS21)。次に、電流値算出部188は、認証データの電圧下限データ「0x0190」に基づいて機器301が動作する最低の電圧「100」ボルトを取得する(ステップS22)。その後、電流値算出部188は、認証データの電圧上限データ「0x0064A」に基づいて機器301が動作する最高の電圧「400」ボルトを取得する(ステップS23)。
【0042】
次に、電流値算出部188は、最低電圧と定格電圧との差(以下単に、下側の入力電圧範囲という)「100」ボルトと、最高電圧と定格電圧との差(以下単に、上側の入力電圧範囲という)「200」ボルトとが、双方とも「100」ボルト以上の差であるため、最低電圧「100」ボルトから最高電圧「400」ボルトまでの電圧値を、定格電圧「200」ボルトを基準に「50」ボルト刻みで刻む。このようにして、電流値算出部188は、「100」、「150」、「200」、「250」、及び「300」ボルトを、それぞれグリッド電圧である電圧1から電圧5と決定する(ステップS24)。その後、電流値算出部188は、グリッド電圧値決定処理の実行を終了する。尚、電流値算出部188は、下側の入力電圧範囲又は上側の入力電圧範囲のいずれかが「100」ボルトより小さい場合には、「20」ボルト刻みで刻まれた電圧値をグリッド電圧値と決定する。
【0043】
図5のステップS06が実行された後に、図4(b)の情報取得部182は、図3の受信回路171から、図7(b)に示すような機器側効率表を取得する(ステップS07)。承認応答を受信した給電用プラグ201は、機器301に制御されて、機器301の電力変換効率を表す機器側効率表を給電用コネクタ101へ送信するためである。尚、機器側効率表は、機器301の制御装置381を構成するROMに記憶されている。
【0044】
図7(b)の機器側効率表は、動作モード列、電流最大値列、平均電力列、及び効率1例から効率5列を有する。動作モード列は、機器301の動作モードを表す番号が保存される。電流最大値列は、同じ行の動作モード列に保存された番号で表される動作モードにある機器301に流されることで、機器301を正常に動作させる(つまり、機器301が許容可能な)電流の最大値を表す情報が保存される。平均電力列は、同じ行の動作モード列に保存された番号で表される動作モードにある機器301が、定格電圧「200」ボルトを供給された場合に消費する平均電力(つまり、平均消費電力)を表す情報が保存される。
【0045】
また、効率1列は、図1で決定された電圧1を、同じ行の動作モード列に保存された番号で表される動作モードで機器301が動作するのに適した電圧値へ、機器301のDCDCコンバータ341が変換する場合における、機器301の電力変換効率を表す情報が保存される。効率2例から効率5例は、電圧2から電圧5を同様にそれぞれ変換する場合における電力変換効率を表す情報が保存される。
【0046】
図5のステップS07の実行が終了した後に、結合検出部181は、新たな電磁結合の開始を検出しない(ステップS01;No)。給電用コンセント100に新たな給電用プラグが挿入されていないためである。
【0047】
次に、図4(b)の情報取得部182は、受信回路171の出力電圧に基づいて、受信回路171が給電用プラグ201からモード情報を受信したと判断する(ステップS08;Yes)。尚、モード情報とは、機器の動作モードを表す情報をいう。その後、情報取得部182は、受信回路171からモード情報を取得する(ステップS09)。図6に示すように、時刻t3において、機器301の給電用プラグ201が、機器301の動作モードを通知するために、モード情報を給電用コネクタ101へ送信したからである。
【0048】
次に、給電判定部183は、図7(c)に示すようなモード情報から認証コードを抽出し、抽出された認証コードに基づいて機器301が認証をクリアしたと判定する(ステップS10;Yes)。尚、給電判定部183は、認証をクリアしないと判定する場合には、ステップS01に戻り上記処理を繰り返す。
【0049】
次に、図4(b)のモード変更判定部186は、図7(c)のモード情報から動作モードを表す番号「4」を取得する(ステップS11)。次に、モード変更判定部186は、取得された番号「4」で表される動作モードと、所定時間前までに取得した前回の動作モードとを比較することで、機器301の動作モードが変化したか否かを判断する(ステップS12)。ここで、モード変更判定部186は、今回初めて動作モードを取得したので、機器301の動作モードが変化したとみなす(ステップS12;Yes)。
【0050】
次に、電流値算出部188は、給電用コンセント100に接続する給電用プラグ201及び202に印加する電圧の電圧値を選択する、図9に示すような電圧値選択処理を実行する(ステップS13)。
【0051】
図9の電圧値選択処理の実行を開始すると、電流値算出部188は、図4(b)の情報記憶部187が記憶する図10(a)のコンセント側効率表から、第1電流を最小にする電圧値の候補となる電圧値(以下単に、候補電圧値という)「100」、「150」、「200」、「250」、及び「300」を取得し、取得された候補電圧値の全てに対して第1電流値を算出していないと判断する(図9のステップS31;No)。電流値算出部188は、1度もステップS31の処理を実行していないためである。
【0052】
尚、候補電圧値に対する第1電流値とは、図3のDCDCコンバータ140の指定値を当該候補電圧値とした場合(つまり、給電用コンセント100の出力電圧の値が当該候補電圧値である場合)における、DC電源供給元10からDCDCコンバータ140(つまり、給電用コンセント100)へ供給される電流の電流値をいう。
【0053】
次に、電流値算出部188は、第1電流値の算出に未だ使用されていない候補電圧値の1つである第1候補電圧値「100」ボルトを、ステップS32からS40の処理の対象とする電圧値(以下単に、対象電圧値という)とする(ステップS32)。次に、電流値算出部188は、総和第2電流値を格納するパラメタに値「0」を代入してクリアする(ステップS33)。ここで、総和第2電流値とは、給電用コンセント100が対象電圧値の電圧を供給する場合に、接続機器に対して給電用コンセント100が供給する電流の電流値(以下、第2電流値という)を、全ての接続機器に対して集和した値をいう。
【0054】
次に、電流値算出部188は、全接続機器について第2電流値を算出していないと判断する(ステップS34;No)。電流値算出部188は、1度もステップS34の処理を実行していないためである。次に、電流値算出部188は、第2電流値を算出していない機器の1つである機器301を、ステップS35からS37の処理対象とする機器(以下、対象機器という)として選択する(ステップS35)。次に、電流値算出部188は、対象機器の第2電流値を算出する、図8(b)に示すような第2電流算出処理を実行する(ステップS36)。
【0055】
図8(b)の第2電流算出処理の実行を開始すると、電流値算出部188は、対象電圧値「100」ボルトが図8(a)のステップS22で取得した電圧下限(つまり、最小電圧)の値「100」ボルト以上であると判断する(ステップS51;Yes)。次に、電流値算出部188は、対象電圧値が「100」ボルトがステップS23で取得した電圧上限(つまり、最大電圧)の値「400」ボルト以下であると判断する(ステップS52;Yes)。
【0056】
次に、電流値算出部188は、図5のステップS11で取得した動作モードを表す番号「4」に基づいて、図7(b)に示すような対象機器301の機器側効率表から、当該動作モードにある機器301が定格電圧を印加された場合に、当該機器301で消費される平均電力「1800」ワットを取得する(ステップS53)。次に、電流値算出部188は、図8(a)のステップS21で取得した定格電圧「200」ボルトで、ステップS51で取得した平均電力「1800」ワットを除算することで、給電用コンセント100が定格電圧「200」ボルトの電圧を機器301に対して印加する場合に、機器301に対して供給する電流の平均電流値「9」アンペアを取得する(ステップS54)。
【0057】
次に、電流値算出部188は、定格電圧「200」ボルトと、動作モードを表す番号「4」とに基づいて、当該動作モードにある機器301が定格電圧「200」ボルトを給電用コンセント100から供給される場合における当該機器301の電力変換効率(以下、定格効率という)「0.74」を、図7(b)の機器側効率表から取得する(ステップS55)。尚、定格電圧の値は、グリッド電圧である電圧3「200」ボルトと同じ値である。
【0058】
次に、電流値算出部188は、動作モードを表す情報「4」と、対象電圧値「100」ボルトとに基づいて、当該動作モードにある機器301が対象電圧を給電用コンセント100から供給される場合における当該機器301の電力変換効率(以下、対象効率という)「0.84」を、図7(b)の機器側効率表から取得する(ステップS56)。尚、対象電圧値は、グリッド電圧である電圧1「100」ボルトと同じ値である。
【0059】
その後、電流値算出部188は、以下の式(1)に対して、ステップS54で算出された平均電流値「9」アンペア、ステップS55で取得された定格効率「0.74」、及びステップS56で取得された対象効率「0.84」を代入することで、対象電圧「100」ボルトを印加された対象機器301の第2電流値「7.92」アンペアを算出する(ステップS57)。
【0060】
第2電流値 = 平均電流値×定格効率÷対象効率・・・(1)
但し、記号「×」は乗算記号を表し、記号「÷」は除算記号を表し、記号「=」は等号を表す。
【0061】
次に、電流値算出部188は、動作モードを表す番号「4」に基づいて、当該動作モードにある機器301が許容可能な電流の最大値「20」アンペアを、図7(b)の機器側効率表から取得する(ステップS58)。その後、電流値算出部188は、算出された第2電流値「7.9」アンペアが、取得された最大値「20」アンペア以下であると判断し(ステップS59;Yes)、第2電流値算出処理の実行を終了する。
【0062】
尚、電流値算出部188は、対象電圧値が電圧下限より小さいと判断した場合(ステップS51;No)、対象電圧値が電圧上限より大きいと判断した場合(ステップS52;No)、又は第2電流値が、電流最大値より大きいと判断した場合(ステップS59;No)には、対象電圧値を候補電圧値から削除した後に(ステップS59)、第2電流値算出処理の実行を終了する。給電用コンセント100がこのような電圧値の電圧又は電流値の電流を機器301に供給しても、機器301は正常に動作しないためである。この構成によれば、給電用コンセント100に接続する機器301を正常に動作させる電圧の上限を上回る電圧又は正常に動作させる電圧の下限を下回る電圧が印加されたり、機器301を正常に動作させる電流の上限を上回る電流が供給されることを防止できる。
【0063】
図9のステップS36の実行が終了した後に、電流値算出部188は、総和第2電流値を格納するパラメタに対して、ステップS36で算出された第2電流値「7.9」アンペアを加算する(ステップS37)。
【0064】
その後、電流値算出部188は、給電用コンセント100の接続機器の全てについて、対象電圧に対応した総和第2電流値を算出したと判断する(ステップS34;Yes)。給電用コンセント100には機器301しか接続していないためである。
【0065】
次に、電流値算出部188は、総和第2電流値「7.9」アンペアと対象電圧値「100」ボルトとを乗算することで、給電用コンセント100の負荷電力「790」ワットを算出する(ステップS38)。総和第2電流値は、給電用コンセント100が接続機器に供給する電流の総和電流値であり、対象電圧値は、給電用コンセント100が接続機器に印加する電圧の値であり、給電用コンセント100の負荷電力は、給電用コンセント100が接続機器へ供給する総和電力であるためである。
【0066】
次に、電流値算出部188は、負荷電力「790」ワットと対象電圧値「100」ボルトとに基づいて、図4(b)の情報記憶部187が記憶する図10(a)のコンセント側効率表から、給電用コンセント100の電力変換効率「0.75」を取得する(ステップS39)。具体的には、電流値算出部188は、負荷電力「500」ワットと対象電圧値「100」ボルトとに対応付けられた電力変換効率「0.69」と、負荷電力「1000」ワットと対象電圧値「100」ボルトとに対応付けられた電力変換効率「0.79」とを用いて、負荷電力「790」ワットと対象電圧値「100」ボルトとに対応付けられる電力変換効率の値を補完する。尚、この電力変換効率は、DC電源供給元10から供給された電力を給電用コンセント100が「100」ボルト「790」ワットの電力に変換する場合における給電用コンセント100の電力変換効率である。
【0067】
その後、電流値算出部188は、総和第2電流値「7.9」アンペアを給電用コンセント100の電力変換効率「0.75」で除算することで、候補電圧値「100」ボルトに対する第1電流値「10.6」アンペアを算出する(ステップS40)。
【0068】
ここで、図3に示す給電用コンセント100が有するDCDCコンバータ140の電力変換効率は、DCDCコンバータ140の抵抗成分(つまり、配線、部品、及びプリントパターンの抵抗)による発熱などの電力損失、及びDCDCコンバータ140を構成する半導体のスイッチング損失によって決まる。
【0069】
DCDCコンバータ140の変換効率は、図10(b)に示すように、DCDCコンバータ140に入力される電流の電圧値が低い程高く、DCDCコンバータ140の負荷電流が大きい程高い。しかし、図10(c)に示すように、配線ロスなどの抵抗成分による電力の損失は、電流の2乗に比例して増加するため、DCDCコンバータ140の負荷電流が大きくなると、電力損失が急激に増加する。このため、図10(d)に示すように、負荷電力が在る程度大きくなると、DCDCコンバータ140の電力変換効率は改善されなくなり、電力変換効率の対電力特性がフラットになる。一方で、電流負荷を小さくする場合には抵抗成分による損失よりも半導体のスイッチング損失が支配的となるため、回路方式や部品選択によっては、かえって電力変換効率が悪化することがある。ここで、図10(e)に示すように、DCDCコンバータ140に対する入力電圧を一定値とした場合に、DCDCコンバータ140の出力電圧を増加させると(つまり、DCDCコンバータ140の入出力間電圧差を増加させると)、電力変換効率が改善するが大きく改善する訳ではない。
【0070】
DCDCコンバータ140が有する電力変換効率の特性は、機器301及び302のDCDCコンバータにも当てはまる。このため、給電用コンセント100は、所定の数式を用いて電力変換効率を予測するのではなく、予め製造段階でROMに予め保存された機器側効率表を給電用プラグから受信し、かつ自ら記憶するコンセント側効率表を読み出すことで、DCDCコンバータ140及びDCDCコンバータ341の電力変換効率を特定する。このため、給電用コンセント100は、DCDCコンバータ140の出力電圧値である指定値を変更したり、接続する給電用プラグが変化した場合でも、少ない演算量で精度良く、給電用コンセント100のみならず給電用コンセント100に接続する接続機器の電力変換効率を特定できる。
【0071】
図9のステップS40を実行した後に、電流値算出部188は、候補電圧値の全て対して第1電流値を算出していないと判断する(ステップS31;No)。第1候補電圧値に対する第1電流値しか算出していないためである。この後、電流値算出部188は、ステップS32からS40の処理を実行することで、第2候補電圧値「150」ボルトを対象電圧とし、対象効率「0.8」、総和第2電流値「8.3」アンペア、負荷電力「1249」ワット、及び給電用コンセント100の電力変換効率「0.77」を算出した後に、これらの値を用いて第1電流値「10.8」を算出する。
【0072】
また、電流値算出部188は、ステップS31からS40の処理をさらに実行することで、第3候補電圧値「200」ボルトを対象電圧とし、対象効率「0.74」、総和第2電流値「9」アンペア、負荷電力「1800」ワット、及び給電用コンセント100の電力変換効率「0.73」を算出した後に、これらの値を用いて第1電流値「12.3」を算出する。
【0073】
また、電流値算出部188は、ステップS31からS40の処理をさらに2回実行することで、第4候補電圧値「250」ボルトを対象電圧として同様に第1電流値を算出した後に、第5候補電圧値「300」ボルトを対象電圧として同様に第1電流値を算出する。
【0074】
その後、電流値算出部188は、候補電圧値の全て対して第1電流値を算出したと判断する(ステップS31;Yes)。次に、電流値算出部188は、5つの候補電圧値を用いて算出された第1電流の内で、最も小さい第1電流値「10.6」アンペアの算出に用いた第1候補電圧値「100」ボルトを選択する(ステップS41)。その後、電流値算出部188は、電圧値選択処理の実行を終了する。
【0075】
図5のステップS13の処理が実行された後に、図4(b)の電圧値指定部189は、ステップS41で選択された指定値(以下、選択指定値という)を、給電用コンセント100のDCDCコンバータ140の指定値に指定する(ステップS14)。これにより、図6に示すように、時刻t4において、給電用コンセント100は、給電システム1の全体的な電力変換効率が最も高くなる電圧値で、機器301に対して給電を行う。
【0076】
これらの構成によれば、給電用コンセント100は、DC電源供給元10から供給される電流の値(第1電流値)が少なくなる電力変換効率を実現するようにDCDCコンバータ140の指定値を指定するため、給電用コンセント100のみならず給電用コンセント100に接続する接続機器301をも含めた電力変換効率が向上する。よって、給電用コンセント100は、機器301への給電に伴って給電用コンセント100及び機器301の双方において生じる電力喪失を軽減できる。
【0077】
またこれらの構成によれば、給電用コンセント100は、接続された機器301の動作モードと、機器301が印加される電圧の値とで定まる電力変換効率を用いてDCDCコンバータ140の指定値を、DC電源供給元10から供給される電流値(つまり、第1電流値)が少なくなるように指定する。ここで、機器は、通常、1日の内で夜間の待機モードと日中の稼動モードとを繰り返す。また、待機モードと稼動モードとで機器の動作に適した電圧値が異なるため、待機モードと稼動モードとで機器の電力変換効率が異なる。このため、接続機器301の動作モードに応じて、給電用コンセント100のみならず給電用コンセント100に接続する機器301をも含めた電力変換効率をさらに向上させることができる。
【0078】
ステップS14の処理が実行された後に、ステップS01が再度実行される。その後、情報取得部182は、給電用プラグ201からモード情報を受信したと判断する(ステップS08;Yes)。図6に示すように、時刻t5において、機器301のモードが、番号「1」で表される待機モードに変化したためである。
【0079】
その後、ステップS09からS11の処理が実行された後に、図4(b)のモード変更判定部186は、前回に取得された番号「4」で表される動作モードと、今回に取得された番号「1」で表される動作モードとが相違するため、機器301の動作モードが変化したと判定する(ステップS12;Yes)。
【0080】
その後、変更された動作モードを表す番号「1」を用いて、ステップS13の処理が実行される。次に、電圧値指定部189は、ステップS13で再選択された選択電圧値を給電用コンセント100のDCDCコンバータ140の指定値に指定する(ステップS14)。これにより、図6に示すように、時刻t6において、給電用コンセント100は、再度選択された(つまり、見直された)電圧値に給電電圧を変更しながら、給電システム1全体の電力変換効率が最も高くなるような給電を継続する。これらの構成によれば、通常、夜間など給電用コンセントに接続する接続機器の大半が待機状態(待機モード)となる時間帯と、昼間などの稼動状態(稼動モード)の接続機器が多い時間帯とで、接続機器の電力変換効率が変化する場合であっても、給電用コンセント100の電力変換効率のみならず、接続機器の電力変換効率をも加味して、給電システム1の全体で給電効率の良い給電方法を選択できる。
【0081】
その後、図4(b)の結合検出部181は、給電用プラグ202が給電用コネクタ102と電磁結合したことを検出する(ステップS01;Yes)。次に、図6に示すように時刻t7において給電用プラグ202から送信された認証データを、情報取得部182が取得する(ステップS02)。その後、給電用プラグ202及び機器302に対してステップS03からS07の処理が実行される。
【0082】
ステップS07の処理が実行された後に、ステップS01が再度実行される。その後、情報取得部182は、給電用プラグ202からモード情報を受信したと判断する(ステップS08;Yes)。図6に示すように、時刻t9において、機器302が番号「2」を表すモード情報を送信したためである。
【0083】
その後、ステップS09からステップS13の処理が実行される。尚、ステップS13の電圧選択処理においては、機器301の第2電流値と機器302の第2電流値との和である総和第2電流値が算出される。その後、図4(b)の電圧値指定部189は、総和第2電流値を用いて算出された第1電流値を最小にする選択電圧値を、DCDCコンバータ140の指定値に設定する(ステップS14)。これにより、図6に示すように、時刻t10において、給電用コンセント100は、機器301だけでなく、機器301及び302をも含む給電システム1全体の電力変換効率を最大にする電力を機器301及び302に供給できる。
【0084】
ステップS14の処理が実行された後に、ステップS01及びS08が実行される。その後、図4(b)の結合検出部181は、給電用プラグ202と給電用コネクタ102との電磁結合が終了したことを検出する(ステップS15;Yes)。その後、図4(b)のスイッチ駆動部185は、半導体スイッチ152の駆動を停止させることで、給電用プラグ202に対する給電を終了する(ステップS16)。
【0085】
次に、結合検出部181は、全ての電磁結合が終了した訳ではないと判断する(ステップS17;No)。その後、給電用コンセント100との電磁結合を維持する給電用プラグ201を有する機器301のみに対して、ステップS13が実行される。次に、電圧値指定部189は、ステップS13で選択された選択電圧値をDCDCコンバータ140に設定する(ステップS14)。これらの構成によれば、給電用プラグの抜き差しにより、給電用システム1の構成が変化した場合でも、給電用システム1全体の電力変換効率が最大になるように、DCDCコンバータ140の出力電圧値(つまり、指定値)を指定できる。
【0086】
ステップS14の処理が実行された後に、ステップS01及びS08が実行され、結合検出部181は、給電用プラグ201と給電用コネクタ101との電磁結合が終了したことを検出する(ステップS15;Yes)。その後、図4(b)のスイッチ駆動部185は、半導体スイッチ151の駆動を停止させることで、給電用プラグ201に対する給電を終了する(ステップS16)。次に、結合検出部181は、全ての電磁結合が終了したと判断した後に(ステップS17;No)、電圧制御処理の実行を終了する。
【0087】
次に、給電用プラグ201の外観構成について説明する。
給電用プラグ201は、図2(b)に示すように、図2(a)の回路及び雄端子211、221、及び231を有する本体部281と、本体部281の上面及び両側面を覆うスライドカバー285とをさらに備える。
【0088】
本体部281の上面は、図2(c)に示すように、ガイド孔283が形成され、本体部281の正面から雄端子211、221、及び231が突出している。
【0089】
ガイド孔283は、図1(b)に示すスライドカバー285のリブが挿入され、給電用プラグ201の前後方向にスライドカバー285がスライドするように誘導する。本体部281の内部には、コイル291を収納する収納空間が形成されており、この収納空間の上面には、ガイド孔283が形成されている。このため、収納空間の上面からスライドカバー285のリブが突出している。
【0090】
収納空間には、コイル291を内蔵した樹脂モジュール287が収納されている。樹脂モジュール287は、樹脂モジュール287の下側に形成された支持軸によって揺動可能に支持されている。尚、図示を省略するが、支持軸には、一端が樹脂モジュール287に係止され、他端が収納空間を画定する前壁に係止されたネジリバネが装着されている。
【0091】
樹脂モジュール287は、給電用プラグ201の正面方向を前方として略直立した状態(以下、直立状態という)から支持軸を中心に給電用プラグ201の後方へ倒された状態(以下、後倒状態という)に変化する。ここで、樹脂モジュール287は、直立状態においてコイル291の中心軸が給電用プラグ201の前方を向くようにコイル291を内蔵するため、後倒状態においては、コイル291の中心軸が給電用プラグ201の正面方向から斜め上方に外れている。また、給電用コンセント100のコイル191及び192の中心軸は、給電用コンセント100の正面方向(つまり、給電用プラグ201の裏面方向)を向いているため、給電用コンセント100のコイル191及び192と、給電用プラグ201のコイル291とは、十分に電磁結合できない。
【0092】
次に、例えば、ユーザがスライドカバー285を摘み、給電用プラグ201を給電用コネクタ101へ挿入する挿入操作を行うと、先ず、給電用プラグ201の雄端子211から231が給電用コネクタ101の雌端子111から131に挿入される。次に、挿入操作が継続されると、スライドカバー285が本体部281を基準として相対的に正面方向にスライドする。
【0093】
スライドカバー285が正面方向にスライドすると、収納空間の天井から突出したスライドカバー285のリブが樹脂モジュール287の上部を前方向に移動させるため、樹脂モジュール287が後倒状態から直立状態に変化する。つまり、コイル191とコイル291とが正対するため、給電用プラグ201は、電磁結合を開始する。
【0094】
これらの構成によれば、給電用プラグ201の雄端子211から231が給電用コネクタ101に挿入されると、スライドカバー285が雄端子211から231の挿入方向にスライドする。このため、給電用プラグ201は、給電用コネクタ101に挿入されると、給電用コネクタ101に対する非接触結合を開始できる。
【0095】
その後、例えば、ユーザがスライドカバー285を摘み、給電用プラグ201を給電用コネクタ101から抜去る抜去操作を行うと、スライドカバー285が本体部281を基準として相対的に後面方向にスライドする。スライドカバー285が後面方向にスライドすると、スライドカバー285のリブが樹脂モジュール287を押圧しなくなるため、樹脂モジュール287は、ネジリバネの復元力によって後倒状態に戻される。このため、給電用コンセント100のコイル191と、給電用プラグ201のコイル291とは、電磁結合を終了する。
【0096】
これらの構成によれば、スライドカバー285が本体部281を覆うため、ユーザは、スライドカバー285を摘んで給電用プラグ201を給電用コネクタ101へ挿入する。このため、挿入操作に応じてスライドカバー285が確実に雄端子211から231の挿入方向にスライドする。逆に、抜去操作に応じてスライドカバーが確実に雄端子211から231の挿入方向と逆方向(つまり、抜去方向)にスライドするため、給電用プラグ201が抜去される前に非接触結合及び給電を終了できる。
【0097】
またこれらの構成によれば、ユーザは、給電用プラグ201を給電用コネクタ101に挿入する挿入操作で、給電用プラグ201に対する給電を開始させることができ、かつ給電用プラグ201を抜き去る抜去操作で、給電用プラグ201に対する給電を終了させることができるため、給電用コネクタ101及び給電用プラグ201の利便性が向上する。
【0098】
<変形例>
給電用プラグ201は、図2に示すような回路構成であり、電磁結合により生じた電流を用いて認証データを送信するとして説明した。しかし、給電用プラグ201は、図11に示すように、太陽電池343をさらに備え、太陽電池343で生成された電力を用いて認証データを送信する構成を採用できる。この構成において、太陽電池343で生成された電力は、DCDCコンバータ341で変換される。その後、変換された電力が制御装置381へ供給され、かつ変換された電力により生じる電流が整流素子351で整流された後に駆動回路261及び受信回路271に供給される。尚、給電用プラグ201は、太陽電池343の代わりに、乾電池などの電池を有しても良い。
【0099】
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態に係る直流給電用コンセントについて、添付図面を参照しつつ説明する。
第2実施形態に係る直流給電用コンセント(以下単に、給電用コンセントという)は、第1実施形態に係る直流給電用コンセント100と同様の構成を有するため、共通した内容については説明を省略する。
【0100】
第2実施形態の給電用コンセントが有する直流給電制御装置(以下単に、給電制御装置という)は、第1実施形態と同様に、図5の電圧制御処理を実行するが、ステップS13において、図12に示すような電圧値選択処理を実行する点で第1実施形態と異なる。
【0101】
ここで、給電用コンセントに対して2つの機器A及びBが接続しており、図7(b)に示すような番号「4」で表される動作モードで機器Aが動作し、機器Bが番号「1」で表される動作モードで動作する場合を例に挙げて説明を行う。
【0102】
図12の電圧値選択処理の実行を開始すると、給電制御装置は、給電制御装置が有するROMから図10(a)のコンセント側効率表を読み出し、読み出したコンセント側効率表から給電用コンセントが有するDCDCコンバータに指定する電圧値の候補となる候補電圧値「100」、「150」、「200」、「250」、及び「300」を取得する。次に、給電制御装置は、取得された候補電圧値の全て対して給電システム全体の電力変換効率(以下、総電力変換効率という)を算出していないと判断する(ステップS61;No)。給電制御装置は、1度もステップS61の処理を実行していないためである。
【0103】
次に、給電制御装置は、総電力効率の算出に未だ使用されていない候補電圧値の1つである第1候補電圧値「100」ボルトを、ステップS62からS71の処理の対象とする対象電圧値とする(ステップS62)。次に、給電制御装置は、接続機器の全体で消費される消費電力(以下、機器全体の消費電力という)を格納するパラメタに値「0」を代入してクリアする(ステップS63)。
【0104】
次に、給電制御装置は、全接続機器について、消費電力を算出していないと判断する(ステップS64;No)。給電制御装置は、1度もステップS64の処理を実行していないためである。次に、給電制御装置は、消費電力を算出していない機器の1つである機器Aを、ステップS65からS67の処理対象とする対象機器として選択する(ステップS65)。次に、給電制御装置は、以下の式(2)を用いて、対象機器に対象電圧値が印加された場合に対象機器が消費する消費電力を算出する(ステップS66)。平均電力は、対象機器に対して定格電圧が印加される場合に対象機器で消費される電力だからである。
【0105】
消費電力 = 平均電力×定格効率÷対象効率・・・(2)
但し、記号「×」は乗算記号を表し、記号「÷」は除算記号を表し、記号「=」は等号を表す。
【0106】
尚、対象機器Aは、モード番号「4」で表される動作モードにあり、対象電圧が「100」ボルトであるため、給電制御装置は、式(2)に使用される平均電力及び対象効率を、図7(b)の機器効率表から「1800」ワット及び「0.84」であるとそれぞれ特定する。
【0107】
ここで、対象機器の定格電圧は、第1実施形態と同様に「200」ボルトであり、電圧1から5も同様に「100」、「150」、「200」、「250」、及び「300」ボルトであるとする。よって、給電制御装置は、図7(b)の機器効率表から定格効率を「0.74」と特定する。このため、給電制御装置は、式(2)を用いて、対象機器の消費電力を「1585」ワットと算出する。
【0108】
図12のステップS66を実行した後に、給電制御装置は、機器全体の消費電力を格納するパラメタに対して、ステップS66で算出された消費電力「1585」ワットを加算する(ステップS67)。
【0109】
その後、給電制御装置は、上記ステップS65からS67を再度実行することで、機器Bの消費電力を算出する。機器Bは、番号「1」で表される動作モードにあるため、給電制御装置は、平均電力「1」ワット、定格効率「0.56」、及び対象効率「0.80」と上記の式(2)を用いて、機器Bの消費電力「0.7」ワットを算出する。よって、給電制御装置は、機器全体の消費電力を、機器Aの消費電力「1585」ワットと、機器Bの消費電力「0.7」ワットとを和算することで、「1586」ワットと算出する。
【0110】
次に、給電制御装置は、接続機器の全てについて消費電力を算出したと判断し(ステップS64;Yes)、算出された機器全体の消費電力を給電用コンセントの負荷電力とする(ステップS68)。
【0111】
次に、給電制御装置は、負荷電力「1586」ワットと対象電圧値「100」ボルトとに基づいて、図10(a)のコンセント側効率表の内容を(例えば、線形近似を用いて)補完することで、給電用コンセントの電力変換効率「0.73」を取得する(ステップS69)。その後、給電制御装置は、以下の式(3)及び(4)を用いて。接続機器全体の電圧変換効率を算出する(ステップS70)。接続機器の定格電力を用いて接続機器それぞれの対象効率を定格電力で重み付けするためである。
【0112】
【数1】



但し、記号「N」は接続機器の総数を表し、記号「Σ」は集和記号を表し、記号「×」は乗算記号を表す。
【0113】
【数2】



但し、記号「N」は接続機器の総数を表し、記号「Σ」は集和記号を表す。
【0114】
ここで、機器Aは番号「4」で表されるモードにあり、機器Bは番号「1」で表されるモードにあるので、機器Aの定格電力は「1800」ワットであり、機器Bの定格電力は「1」ワットである。このため、機器Aの電力比は「0.99」であり、機器Bの電力比は「0.01」である。また、機器Aの対象効率は「0.84」であり、機器Bの対象効率は「0.80」であるため、機器全体の電圧変換効率は「0.84」となる。
【0115】
次に、給電制御装置は、ステップS69で取得した給電用コンセントの電力変換効率「0.73」と、ステップS70で算出された機器全体の電圧変換効率「0.84」とを乗算することで、給電システム全体の電力変換効率(つまり、総電力変換効率)「0.61」を算出する(ステップS71)。
【0116】
次に、給電制御装置は、候補電圧値の全て対して総電力変換効率を算出していないと判断する(ステップS61;No)。第1候補電圧値に対する第1電流値しか算出していないためである。この後、給電制御装置は、ステップS62からS71の処理を4回繰り返し実行することで、第2候補電圧値から第5候補電圧値を対象電圧とした場合における総電力変換効率をそれぞれ算出する。
【0117】
その後、給電制御装置は、候補電圧値の全て対して総電力変換効率を算出したと判断する(ステップS61;Yes)。次に、給電制御装置は、算出された5つの候補電圧値を用いてそれぞれ算出された5つの総電力変換効率の内で、最も大きい総電力変換効率の算出に用いた候補電圧値を選択する(ステップS72)。その後、給電制御装置は、電圧値選択処理の実行を終了する。
【0118】
これらの構成によれば、給電制御装置は、給電用コネクタの電力変換効率と給電用コネクタに接続する接続機器の電力変換効率とに基づいて、給電システム全体の電力変換効率を算出した後に、算出された電力変換効率の内で最も高い値の電力変換効率を実現する電圧値を給電用コネクタ側のDCDCコンバータの出力電圧値に指定する。このため、例えば、給電制御装置が給電システム全体に供給される電流の値(つまり、第1電流値)を算出した後に、算出された第1電流値を最小にする電圧値を給電用コネクタ側のDCDCコンバータの出力電圧値に指定する場合と比べて演算量が少ない。
【0119】
尚、本発明に係る機能を実現するための構成を予め備えた直流給電用コンセントの直流給電制御装置として提供できることはもとより、プログラムの適用により、既存の直流給電制御装置を本発明に係る給電用コンセントの直流給電制御装置として機能させることもできる。すなわち、上記実施形態で例示した直流給電用コンセント100の直流給電制御装置180による各機能構成を実現させるための直流給電制御プログラムを、既存の直流給電用コンセントを制御するコンピューター(CPUなど)が実行できる様に適用することで、本発明に係る直流給電用コンセントの直流給電制御装置の一例である直流給電制御装置180として機能させることができる。尚、本発明の直流給電用コンセントの直流給電制御方法は、直流給電用コンセント100を用いて実施できる。
【0120】
このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、メモリカード、CD−ROM、又はDVD−ROMなどの記録媒体に格納して配布できる他、インターネットなどの通信媒体を介して配布することもできる。
【0121】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0122】
1 直流給電システム
10 DC電源供給元
100 直流給電用コンセント
101、102 直流給電用コネクタ
111,112,121,122,131,132 雌端子
140 DCDCコンバータ
151,152 半導体スイッチ
161,162,261 駆動回路
171,172,271 受信回路
180 直流給電制御装置
181 結合検出部
182 情報取得部
183 給電判定部
184 送信制御部
185 スイッチ駆動部
186 モード変更判定部
187 情報記憶部
188 電流値算出部
189 電圧値指定部
191,192,291,292 コイル
201,202 直流給電用プラグ
211,221,231 雄端子
251 整流素子
281 本体部
283 ガイド孔
285 スライドカバー
287 樹脂モジュール
301,302 機器
341,342 DCDCコンバータ
343 太陽電池
351 整流素子
381 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源供給元から供給される電圧を、指定値の電圧に変換する電圧変換部を有する直流給電用コンセントであって、
前記電圧変換部で変換された電圧を印加される雌端子と、
前記雌端子に挿入される直流給電用プラグを有する機器の電力変換効率を表す機器側効率情報を前記直流給電用プラグから複数受信する情報受信手段と、
前記直流給電用コンセントの電力変換効率を表すコンセント側効率情報を複数記憶する情報記憶手段と、
前記情報受信手段で受信された複数の機器側効率情報と、前記情報記憶手段に記憶された複数のコンセント側効率情報とに基づいて、前記電源供給元から前記電圧変換部へ供給される供給電力を減少させる指定値を、前記電圧変換部に指定する電圧値指定手段と、を備える、
ことを特徴とする直流給電用コンセント。
【請求項2】
前記情報受信手段は、前記雌端子から前記機器へ供給される電流の値を表す電流値情報を、さらに受信し、
前記情報受信手段で受信された電流値情報及び複数の機器側効率情報と、前記情報記憶手段に記憶された複数のコンセント側効率情報とを用いて、前記電源供給元から前記機器へ供給される電流値を複数算出する電流値算出手段を、さらに備え、
前記電圧値指定手段は、前記電流値算出手段で算出された複数の電流値の内で、他の電流値よりも少ない電流値の算出に用いられたコンセント側効率情報が表す電力変換効率が実現されるように、前記電圧変換部の指定値を指定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の直流給電用コンセント。
【請求項3】
前記情報記憶手段は、前記コンセント側効率情報で表される電力変換効率を前記直流給電用コンセントが達成する場合における、前記電圧変換部による電圧変換後の電圧値を表す電圧値情報と、前記コンセント側効率情報とを対応付けて記憶し、
前記情報受信手段は、前記機器側効率情報で表される電力変換効率を前記機器が達成する場合における、前記機器による電圧変換前の電圧値を表す電圧値情報と、前記機器側効率情報とを対応付けて受信し、
前記電圧値指定手段は、同じ電圧値情報に対応付けて前記情報記憶手段に記憶されたコンセント側効率情報と前記情報受信手段で受信された機器側効率情報とを用いて、前記電源供給元から前記電圧変換部へ供給される供給電力を減少させる指定値を前記電圧変換部に指定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の直流給電用コンセント。
【請求項4】
前記機器は、前記雌端子を介して印加される電圧を、前記機器の動作状態に適した電圧値の電圧へ変換し、
前記コンセント側効率情報と前記電圧値情報とは、前記電圧値情報で表される電圧値の電圧を変換する前記機器が、前記機器側効率情報で表される電力変換効率を達成する場合における、前記機器の動作モードを表すモード情報に、さらに対応付けられており、
前記情報受信手段は、前記直流給電用プラグから、前記直流給電用プラグを有する前記機器の動作モードを表すモード情報を、さらに受信し、
前記電圧値指定手段は、前記情報受信手段で受信されたモード情報に対応付けられた機器側効率情報と、前記コンセント側効率情報とを用いて、前記モード情報で表される動作モードの前記機器へ電力を供給する前記電圧変換部に対して前記電源供給元から供給される供給電力を減少させる指定値を前記電圧変換部に指定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の直流給電用コンセント。
【請求項5】
前記情報受信手段で受信されたモード情報が変化したか否かを判定するモード変更判定手段を、さらに備え、
前記モード変更判定手段で前記機器の動作モードが変化したと判定された場合に、前記電圧値指定手段は、前記変化した動作モードを表すモード情報に対応付けられた機器側効率情報を用いて、前記電源供給元から前記電圧変換部へ供給される供給電力を減少させる指定値を前記電圧変換部に指定する、
ことを特徴とする請求項4に記載の直流給電用コンセント。
【請求項6】
前記情報受信手段は、前記直流給電用プラグと非接触結合し、
前記情報受信手段が前記直流給電用プラグと非接触結合するときに、前記雌端子と前記電圧変換部とを電気的に接続するように接続スイッチを駆動させ、前記非接触結合が解除されたときに、前記雌端子と前記電圧変換部とを電気的に切断するように接続スイッチの駆動を停止させるスイッチ駆動手段を、さらに備える、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の直流給電用コンセント。
【請求項7】
前記情報受信手段は、前記直流給電用プラグから、前記直流給電用プラグを有する前記機器による電圧の変換性能を表す性能情報を、さらに受信し、
前記情報受信手段で受信された性能情報に基づいて、前記機器に対して給電を行うか否かを判定する給電判定手段を、さらに備え、
前記スイッチ駆動手段は、前記給電判定手段で前記機器へ給電すると判定された場合に、前記雌端子と前記電圧変換部とを電気的に接続するように前記接続スイッチを駆動させ、前記機器へ給電しないと判定された場合に、前記雌端子と前記電圧変換部とを電気的に切断するように前記接続スイッチの駆動を停止させる、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の直流給電用コンセント。
【請求項8】
電源供給元から供給される電圧を、指定値の電圧に変換する電圧変換部を有する直流給電用コンセントの直流給電制御装置であって、
雌端子に挿入される直流給電用プラグを有する機器の電力変換効率を表す機器側効率情報を複数取得する情報取得手段と、
前記直流給電用コンセントの電力変換効率を表すコンセント側効率情報を複数記憶する情報記憶手段と、
前記情報取得手段で受信された複数の機器側効率情報と、前記情報記憶手段に記憶された複数のコンセント側効率情報とに基づいて、前記電源供給元から前記電圧変換部へ供給される供給電力を減少させる指定値を、前記電圧変換部に指定する電圧値指定手段と、を備える、
ことを特徴とする直流給電用コンセントの直流給電制御装置。
【請求項9】
電源供給元から供給される電圧を、指定値の電圧に変換する電圧変換部を有する直流給電用コンセントの直流給電制御プログラムであって、
コンピュータを、
雌端子に挿入される直流給電用プラグを有する機器の電力変換効率を表す機器側効率情報を複数取得する情報取得手段と、
前記直流給電用コンセントの電力変換効率を表すコンセント側効率情報を複数記憶する情報記憶手段と、
前記情報取得手段で受信された複数の機器側効率情報と、前記情報記憶手段に記憶された複数のコンセント側効率情報とに基づいて、前記電源供給元から前記電圧変換部へ供給される供給電力を減少させる指定値を、前記電圧変換部に指定する電圧値指定手段と、して機能させる、
直流給電用コンセントの直流給電制御プログラム。
【請求項10】
電源供給元から供給される電圧を、指定値の電圧に変換する電圧変換部を有する直流給電用コンセントの直流給電制御方法であって、
前記電圧変換部で変換された電圧を雌端子に印加する印加ステップと、
前記雌端子に挿入される直流給電用プラグを有する機器の電力変換効率を表す機器側効率情報を前記直流給電用プラグから複数受信する情報受信ステップと、
前記直流給電用コンセントの電力変換効率を表すコンセント側効率情報を複数記憶する情報記憶手段から、複数の前記コンセント側効率情報を読み出す情報読出ステップと、
前記情報受信ステップで受信された複数の機器側効率情報と、前記情報読出ステップで読み出された複数のコンセント側効率情報とに基づいて、前記電源供給元から前記電圧変換部へ供給される供給電力を減少させる指定値を、前記電圧変換部に指定する電圧値指定ステップと、を有する、
ことを特徴とする直流給電用コンセントの直流給電制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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