直流電源を使用するDC−DC変換の方法
コンバータは、直流電流源(1)から電力供給されるインバータ(2)を備える。インバータは、電力ダイオード(D1、D2)および可飽和インダクタ(Llis1、Llis2)を用いて行われる制御された磁気スイッチングに基づいて動作する交換ユニット(UCa)に電力供給する。調整器(10)を使用して制御電圧(Vc)を生成することができ、この制御電圧は、平滑インダクタを備える回路に制御電圧を注入することで調整される出力電圧(Vs)の関数になる。本発明によれば、各動作サイクルの間中、一方の電力ダイオード(D2)は、変換ユニット(UCa)の入力電圧(Ve)と入力電流(Ie)の間に位相変位(δ)を作り出すなどのために、他方の電力ダイオード(D1)が導通モードに切り替わると阻止される。位相変位角は制御電圧(Vc)の関数になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流の電圧および電流それぞれの第1の値を有する電源から供給される電気を、直流出力の電圧および電流がそれぞれの第2の値を有する電気に変換する方法に関する。本発明はまた、この方法を実施するDC-DCコンバータ、ならびにこのようなコンバータをいくつか含む設備に関する。
【背景技術】
【0002】
低電圧で強電流を供給することが目的のDC-DCコンバータは、従来技術の技術水準において既に周知である。これらのDC-DCコンバータは特に、衛星および他の類似の電気消費デバイスに電力を供給するために使用され、電圧および/または電流が調整された出力電流を供給するように確実に電流スイッチングするために設けられた、「磁気ポストレギュレータ」と当業者により称される磁気調整デバイスを備えることが多い。
【0003】
Company Magnetics、Butler、PA 16003、EUAが1999年に出版した技術報告書no. SR-4には、磁気ポストレギュレータを用いたDC-DCコンバータが記載されている(添付図面の図1参照)。このDC-DCコンバータは、その一次巻線で、細切りにされた直流電流を直流電流源(図示せず)から受け取る入力変換器Tを含む。この変換器の二次巻線は、そのそれぞれの端部から、コンバータの正出力端子B+にも接続されている平滑誘導コイルLにダイオードD1およびD2を用いて接続された2つの可飽和誘導コイルSC1およびSC2に電力を供給する。
【0004】
負出力端子B-は、変換器Tの中間コネクタPMに接続される。基準点PRに基準電圧を生成する調整器Rは、2つの追加ダイオードd1およびd2を用いて誘導コイルSC1およびSC2と、ダイオードD1およびD2とによって形成された整流回路CRのラインLCに補正信号を注入する。ダイオードd1およびd2はそれぞれ、一方が誘導コイルSC1とダイオードD1の間の結合点に接続され、もう一方が誘導コイルSC2とダイオードD2の間の結合点に接続される。
【0005】
このアセンブリはまた、ダイオードD1と誘導コイルLのノードと、コンバータの負出力端子B-との間に接続された「フリーホイール」ダイオードD3を含む。
【0006】
磁気ポストレギュレータを用いたこの既知のコンバータは、誘導コイルSC1およびSC2の飽和によるスイッチングによって適切に動作するが、2つの半巻線で構成された二次巻線と、何より「フリーホイール」ダイオードD3とを備えるので、構造が比較的複雑な変換器Tを必要とするという欠点がある。後者は、その寄生容量で蓄積された電荷と関連したスイッチングエネルギー損失を生じさせる。なお、調整器Rは、コンバータ内で行われるスイッチングのサイクル比を修正することによって出力電圧を制御することを目的とする。
【0007】
別のタイプのDC/DCコンバータが特開2001-275361号公報により知られており、その概略図が添付図面の図2に示されている。この場合には、入力変換器Taが使用され、その二次巻線は中間コネクタを備えていない。この二次巻線は、正出力端子Ba+にトランジスタTR1およびTR2それぞれを用いて接続された2つの可飽和誘導コイルSC1aおよびSC1bに電力を供給する。変換器Taの二次巻線の端子はまた、平滑インダクタLaおよびLbにも接続され、これらの共用ノードは、コンバータの負出力端子Ba-に接続される。トランジスタTR1およびTR2のゲートはそれぞれ、二次巻線の端子から入力信号を受け取るスイッチング制御回路CC1〜CC4に接続される。
【0008】
この既知のコンバータは、同期整流器を用いて電流ダブラを構成し、スイッチングを行うために能動構成要素を使用する。ここで可飽和誘導コイルSC1aおよびSC1bは、これら自体はスイッチングの決定に関与せずに、スパイクを補償することによって能動構成要素の穏やかなスイッチングを行うように機能する。さらに出力電圧は、変換器Taの出力電圧の半分に等しく、この比は固定されており調整されない。したがって、こうしたことにより、二次巻線が1つしかない入力変換器を有していても能動構成要素およびその制御回路を使用する必要があるコンバータを要し、そのため、このコンバータは最終的に、前に解析した従来技術の文献のものよりも複雑になる。さらに、本発明の好ましい適用分野を考えると、能動構成要素が存在することで、このような構成要素を使用することにつきまとう故障の危険による動作不安定要因が生じる。したがって、このアセンブリは、例えば衛星用電源のような、無故障の信頼性が要求される用途での使用にはあまり適さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001-275361号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】技術報告書no. SR-4、Company Magnetics、Butler、PA 16003、EUA、1999年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、電気を変換する方法、ならびにこの方法を実施する調整された出力を有し、能動構成要素および「フリーホイール」ダイオードを備えず、また場合により分割二次巻線付き変換器を備えない、DC/DCコンバータを提供することを目的とする。本発明はまた、これらのコンバータをいくつか含む配電設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
したがって、本発明は主として、第1のそれぞれの値を有する第1の直流電圧および第1の直流電流を送出するエネルギー源から得られた電気を、第2のそれぞれの値を有する第2の直流電圧および第2の直流電流の出力の電気に変換する方法に関し、
この方法は、
a)第1の電流をインバータ工程に印加して、単相または多相である、第3の電圧の第3の交流電流を形成するステップと、
b)変換工程により前記第3の電圧の値、またはその各位相の値を変化させて、前記第2の値を有する少なくとも1つの変換された電圧を得る一方で、同時に、前記変換された電圧の電流が、第1および第2の可飽和誘導コイルを使用して磁気スイッチングされながら、少なくとも1つの変換ユニットで整流されるステップとから構成され、
c)前記可飽和誘導コイルは、前記第1の可飽和誘導コイル、互いに逆向きに接続した第1および第2の電力ダイオード、および第2の可飽和誘導コイルで構成された直列整流回路に接続され、2つの電力ダイオードは、整流方向が2つの電力ダイオードとは向きを逆にして互いに逆向きに接続した2つの調整ダイオードによって分路され、
d)前記直列回路が、前記変換された電圧を受け取るように、また前記電気を前記第2の直流電流の少なくとも一部の形として送出するように接続され、この方法はさらに、
e)変換された電圧の各サイクルの間中、前記第2の電圧の変動の関数として生成された制御電圧を前記調整ダイオードを介して注入することによって、磁気スイッチングのモーメントを調整するステップと、
f)前記サイクルのそれぞれの第1の部分に対し、前記第1の可飽和誘導コイルの飽和効果のもとで、前記第1の電力ダイオードの導通を制御するステップと、関係したサイクルそれぞれの第2の部分に対し、前記第2の可飽和誘導コイルの飽和効果のもとで、前記第2の電力ダイオードの導通を制御するステップとから構成され、飽和モーメントは、前記制御電圧の関数としてそのサイクルの間中に決定され、
前記方法はまた、
g)前記サイクルの前記第1の部分の間中、前記第1の電力ダイオードを導通させることによって前記第2の電力ダイオードを阻止し、考察したサイクルの前記第2の部分の間中、前記第2の電力ダイオードを導通させることによって前記第1の電力ダイオードを阻止して、前記第3の電圧と前記第3の電流の間、またはその各相の電圧と電流の間の位相シフトを生じさせるステップからも構成され、位相シフト角が前記制御電圧によって決まること、ならびにこの方法ステップb)、e)、f)およびg)が、該当する場合には、前記第3の電圧の各相に対して実施されることを特徴とする。
【0013】
これらの特徴により、「フリーホイール」ダイオードまたはスイッチングトランジスタを用いないで、完全に制御された安定動作をするDC-DCコンバータを設計することが可能になる。
【0014】
別の有利な特徴によれば、本発明による方法はまた、
前記変換された電圧に直列に接続された少なくとも1対の平滑誘導コイルを使用して前記整流された電流を平滑化するステップであって、前記第2の電圧が前記電力ダイオード間のノードと、1対の前記平滑誘導コイル間の前記ノードとから引き出されるステップと、
前記制御電圧を第2の電流の前記少なくとも一部分の関数として決定するステップとからも構成され、
前記制御電圧が、単相の場合には、前記電力ダイオードに接続された端子と反対側の前記可飽和誘導コイルの端子それぞれと、第2の電圧と前記制御電圧によって共有された基準点との間で取得された2つの電圧がフィルタリングされた平均値から引き出された、または多相の場合には、すべての相におけるこれらの電圧がフィルタリングされた平均値の組から引き出された、前記第2の電流に相当する仮想電流の関数として決定され、本発明による方法はさらに、
前記制御電圧をVc/k-Vsという形式の前記第2の電流に相当する仮想電流により決定するステップであって、Vcが前記第3の電圧、kが1と3の間に存在する定数、Vsが前記第2の電圧であるステップと、
前記制御電圧を、前記第2の電圧の正電位を基準として参照するステップと、
前記制御電圧を、前記第2の電圧の負電位を基準として参照するステップとから構成される。
【0015】
本発明はまた、上で定義された方法をその様々な実施形態で実施するDC-DCコンバータにも関する。
【0016】
すなわち、第1の実施形態によれば、このDC-DCコンバータは、インバータ、変換ユニットおよび調整器を含むことができ、前記変換ユニットは、前記インバータに接続された一次巻線、および第1の可飽和誘導コイルで構成された直列回路に端部が接続された二次巻線を備える変換器と、互いに逆向きに接続した2つの電力ダイオードと、第2の可飽和誘導コイルとを含み、これら2つの電力ダイオードは、整流方向が2つの電力ダイオードとは向きを逆にして互いに逆向きに接続した2つの調整ダイオードによって分路され、前記変換ユニットはまた、2つの平滑誘導コイルから形成され前記変換器の前記二次巻線に並列に接続された第2の直列回路を含み、前記第2の電圧は、前記電力ダイオードの共有ノードと前記平滑誘導コイルの共有ノードの間で取得され、前記調整器で生成された前記制御電圧は、前記調整ダイオードの共有ノードと前記平滑誘導コイルの共有ノードの間に印加される。
【0017】
別の実施形態によれば、このDC-DCコンバータは、インバータ、変換ユニットおよび調整器を含むことができ、前記変換ユニットは、前記インバータに接続された一次巻線、および第1の可飽和誘導コイルで構成された第1の直列回路に端部が接続された二次巻線を備える変換器と、互いに逆向きに接続した2つの電力ダイオードと、第2の可飽和誘導コイルとを含み、これら2つの電力ダイオードは、整流方向が前記2つの電力ダイオードとは向きを逆にして互いに逆向きに接続した2つの調整ダイオードによって分路され、前記変換器の二次巻線は2つの半巻線で構成され、これら2つの半巻線は、その間に弱い磁気結合を有し、かつそれぞれが前記変換器の一次巻線の半分と好ましくは強くそれぞれ結合され、その見返りとして、前記半巻線はそれぞれ、変換のための半二次巻線としても、平滑誘導コイルとしても機能し、前記第2の電圧は、前記電力ダイオードの前記共有ノードと前記変換器の前記半巻線の共有ノードとの間で取得され、前記調整器で生成された前記制御電圧は、前記調整ダイオードの共有ノードと、前記電力ダイオード間の共有ノードとの間に印加される。
【0018】
第3の実施形態によれば、このDC-DCコンバータはまた、インバータ、変換ユニットおよび調整器を含むこともでき、前記変換ユニットは、前記インバータに接続され直列接続の2つの一次半巻線で構成された一次巻線と、やはり直列接続の2つの半巻線で構成された二次巻線とを備える変換器を含み、一次巻線の半巻線はそれぞれ、二次巻線の半巻線と共に、互いに密に結合された一次半巻線と二次半巻線でそれぞれ構成された対を形成し、前記一次巻線は前記インバータに接続され、前記二次巻線は、第1の可飽和誘導コイル、互いに逆向きに接続した2つの電力ダイオードおよび第2の可飽和誘導コイルで構成された直列回路に接続され、これら2つの電力ダイオードは、整流方向が2つの電力ダイオードとは向きを逆にして互いに逆向きに接続した2つの調整ダイオードによって分路され、前記コンバータはまた、前記二次半巻線の共有ノードと、前記第2の電圧の負電位を支持する前記変換ユニットの出力端子との間に接続された単一の平滑誘導コイルを含み、前記ユニットの、その正電位を支持する出力端子は、前記電力ダイオードの共有ノードに接続され、前記調整器で生成された前記制御電圧は、前記調整ダイオードの共有ノードと、前記負電位を支持する変換ユニットの前記出力端子との間に印加される。
【0019】
上で定義された第1の実施形態に関して、前記平滑誘導コイルは、そのそれぞれの巻線が巻き付けられた共有磁気回路を含み、前記磁気回路は、2つの平滑誘導コイルに共通して付随するエアギャップを有し、前記巻線は、前記磁気回路だけを介して確保された互いとの疎結合を有し、2つの巻線の巻方向は、これら巻線により前記磁気回路中に作り出される、かつ直流成分による磁束が前記エアギャップを同じ方向に通過するようなものである。
【0020】
上述の第2の実施形態に関して、前記変換器の一次巻線は、2つの個別基本磁気回路に巻き付けられて、直列に接続された前記2つの一次半巻線を形成し、これら半巻線のそれぞれは、基本磁気回路上で、前記変換器の二次巻線のそれぞれの半巻線との密結合を有する。この場合、前記基本磁気回路のそれぞれはCの形に作られ、それによってエアギャップを形成し、あるいはトロイドの形状に作ることができる。
【0021】
第1の実施形態の1つの有利な構成によれば、前記平滑誘導コイルの巻線はまた、前記変換器の二次巻線を構成し、これらの巻線のそれぞれは、前記磁気回路上で密に、前記変換器の巻線の半分と共に巻き付けられ、前記2つの半巻線が前記変換器の一次巻線を形成する。
【0022】
本発明の第3の実施形態に関し、前記変換器に、半巻線の2つの個別組が巻き付けられている磁気回路を備えることは有利なことがあり、これらの組は変換器の磁気回路上の別々の場所に配置され、それぞれが一次半巻線および二次半巻線で構成され、各組の半巻線は密結合で巻き付けられる。さらに、単一の誘導コイルは、有利なことにトロイド形の磁気回路を有することができる。
【0023】
さらに、上で定義されたすべての場合で、磁気回路はリング形にできることに注意されたい。
【0024】
本発明はまた、その特徴の様々な実施形態によって上で定義された方法を実施するように設計された、特に衛星用の配電設備にも関する。
【0025】
すなわち、このような設備の第1の実施形態によれば、この設備は、上で定義された、複数の変換ユニットを用いて構築されるDC-DCコンバータを含み、前記変換ユニットは、少なくとも3つのユニットの群に区分され、前記群のそれぞれの変換ユニットは、共有多ラインケーブルによって前記インバータに接続される。
【0026】
このような設備の第2の実施形態によれば、この設備は、多相インバータと、少なくとも3つのユニットからなる少なくとも1つの群として区分された複数の変換ユニットと、各群と結びつけられた、前記調整動作を行う調整器とを含み、ユニットの一群の各変換ユニットは、前記第3の電圧の前記変換工程を行うための変換器を含み、ユニットの一群の変換器は、多ラインケーブルを用いて前記インバータに接続され、前記調整器は、同じ制御電圧を一群のユニットに印加し、変換ユニットの一群において、変換ユニットの各出口は、その群の2つの出力端子に変換ユニットの個々の出力電流の合計を第2の出力電流として供給するために、並列に接続される。
【0027】
その場合、変換ユニットの前記群のそれぞれにおいて、変換ユニットは三角形または星形に接続することができる。
【0028】
第3の実施形態によれば、この設備は、多相インバータと、少なくとも3つのユニットからなる少なくとも1つの群として区分した複数の変換ユニットと、各群と結びつけられた、前記調整動作を行う調整器とを含み、前記第3の電圧の前記変換工程を行うために、ユニットの1つの群の変換ユニットは、多相一次巻線を伴う共有変換器と結びつけられ、かつ群内にある変換ユニットと同数の二次巻線を有し、この変換器は、多ラインケーブルを用いて前記インバータに接続され、前記調整器は、同じ前記制御電圧を一群のユニットに印加し、ならびに、変換ユニットの一群において、変換ユニットの各出力端が、その群の2つの出力端子に変換ユニットの個々の出力電流の合計を第2の出力電流として供給するために、並列に接続される。
【0029】
その場合、平滑誘導コイルが用意されると、変換ユニットの同じ群の変換ユニットに属するこれら平滑誘導コイルは、そのそれぞれの巻線が巻き付けられる共有磁気回路上に有利に一緒にまとめることができ、この磁気回路は単一のエアギャップを有し、これらの巻線の互いの結合は、前記共有磁気回路だけを介して確保され、前記巻線の巻方向は、これらの巻線を流れる直流成分による磁束が前記エアギャップを同じ方向に通過するようになるものである。
【0030】
この設備の最後の代替形態では、有利なことに、変換ユニットの各群において、前記共有磁気回路上に一緒にまとめられた平滑誘導コイルはそれぞれまた、前記単一の変換器の二次巻線として機能することもでき、一次巻線はそれぞれ2つの半巻線に分割され、それぞれが二次巻線のうちの1つに結合され、また2つの半巻線が接続された変換ユニットの平滑誘導コイルとしても機能する。
【0031】
本発明の別の実施形態によれば、設備は、1ユニット当たり1つの割合で複数の二次巻線を含む共有変換器から電力供給される複数の変換ユニットを用いて構築された、少なくとも1つのコンバータを含むことができる。その場合、これらの変換ユニットのそれぞれは、それ自体の調整器を備えることができる。
【0032】
この設備のさらに別の実施形態によれば、設備は、複数の変換ユニットを用いて構築されたコンバータを含むことができ、これら変換ユニットは、共有変換器によって電力供給される変換ユニットの少なくとも1つの群として構成され、共有変換器は、その一次巻線によって前記インバータに接続され、一群内にある変換ユニットと同数の二次巻線を含み、一群の前記変換ユニットの1つは、位相シフト手段がない単交番整流器によって形成されたパイロット変換ユニットとすることができ、前記インバータは調整可能であり、基準電圧信号と、前記パイロット変換ユニットの出力電圧によって決まる信号との差の関連において、前記インバータを調整するように働く調整ループを設けることができ、その場合、一群の他の変換ユニットは、それ自体の調整器を備える。
【0033】
本発明を例示的な諸実施形態に関して、また図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】既に説明された従来技術のDC/DCコンバータの図である。
【図2】既に説明された従来技術のDC/DCコンバータの図である。
【図3】本発明によるDC/DCコンバータの好ましい一実施形態の図であり、図の破線の部分は、コンバータの出力電流を測定する簡単な任意選択の手段を表す。
【図4】図3に示されたコンバータの一部である変換ユニットの動作を曲線で示す図である。
【図5】図3に示された変換ユニットの動作のいくつか他の態様を区分a)乃至f)で示す図である。
【図6】本発明による変換ユニット内で使用できる可飽和誘導コイルの一例を特徴付ける1つの可能な磁束の曲線の一例を電流の関数として示すグラフである。
【図7】制御電圧の曲線を本発明による変換ユニットの出力電圧の関数として示して、変換ユニットの電流制限動作を例示するグラフである。
【図8】2つの異なる電力定格のもとで変換ユニットの動作を例示する図である。
【図9】電圧調整の場合の、図3の実施形態に基づく変換ユニットの実現可能な一代替形態の図である。
【図10】電圧調整の場合の、図3の実施形態に基づく変換ユニットの実現可能な一代替形態の図である。
【図11】電流調整の場合の、図3のタイプのコンバータの概観図である。
【図12】個別の電流調整器を有する、本発明による変換ユニットの一代替形態の図である。
【図13】個別の電流調整器を有する、本発明による変換ユニットの一代替形態の図である。
【図14】平滑誘導コイルが変換器の二次巻線と結合して使用される、本発明による変換ユニットの図である。
【図15】単一の平滑誘導コイルおよび2組の半巻線を備える変換器が使用され、各組が一次半巻線と二次半巻線によって形成され、全体が共用コアに巻かれる、本発明による変換ユニットの図である。
【図16】図3〜15に示された変換ユニットに使用される電磁構成要素を製作するための磁気回路の実現可能な構成の一代替形態である。
【図17】図3〜15に示された変換ユニットに使用される電磁構成要素を製作するための磁気回路の実現可能な構成の一代替形態である。
【図18】図3〜15に示された変換ユニットに使用される電磁構成要素を製作するための磁気回路の実現可能な構成の一代替形態である。
【図19】図3〜15に示された変換ユニットに使用される電磁構成要素を製作するための磁気回路の実現可能な構成の一代替形態である。
【図20】特に図3に示されたタイプの、複数の変換ユニットを用いた本発明によるコンバータを含む、特に通信衛星用の配電設備を示す図であり、変換ユニットは個々にコンバータのインバータに接続されている。
【図21】三相図によりここでは星形に接続された変換ユニットの複数の群に電力供給する三相インバータをコンバータが含む、図20と類似の配電設備を示す図である。
【図22】図21に示されたタイプの配電設備の、ここではその一群だけが示された部分図であり、コンバータのユニットの各群の変換ユニットが三角形に取り付けられている。
【図23】図21および図22に示されたユニットと図が全体的に類似しているが、変換ユニットの各群において単一の共用変換器だけがこれらのユニットに設けられている、変換ユニットを含む配電設備の部分図であり、図の破線の部分は、アセンブリの出力電流を測定する簡単な任意選択の手段を例示する。
【図24】変換ユニットの平滑誘導コイルを製作するのに、コイルが3つの群に分けられる場合に有利に使用できる磁気回路の概略斜視図である。
【図25】共に3つの群に分けられた変換ユニットの平滑誘導コイルを製作するのに適用される場合の、図24の磁気回路の巻線図である。
【図26】図25による巻線図を使用する変換群の簡略図である。
【図27】図14のユニットに従って設計され、図24の磁気回路が使用される3つの変換ユニットを含み、その場合にこの磁気回路がまた、変換二次巻線を同時に形成する平滑誘導コイルの巻線と協働する一次変換巻線も収容する、変換群の巻線図である。
【図28】変換ユニットの出力電圧を調整する別の原理が提示されたコンバータの図である。
【図29】変換ユニットの出力電圧を調整する別の原理が提示されたコンバータの図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
まず、本発明による方法が実施される好ましい実施形態を示す図3を参照する。この場合、DC/DCコンバータは、例えば通信衛星の一次電源バーである直流電流源1から電力供給される。直流入力電圧VceでDC-DC入力電流Iceを供給するこの直流源1は、対称電圧インバータ2に電力を供給し、このインバータの出力端は、とうぎょうしゃ
当業者が「対象ポストレギュレータ」とも称するAC-DC変換ユニットUCaに接続される。この変換ユニットUCaは、単一の巻線で形成された一次巻線3aおよび二次巻線3bを備えた変換器3を含む。この例では、二次巻線3bの巻数nsと一次巻線3aの巻数npの比は、ns/np=2/1とすることができる。
【0036】
二次巻線3bの端子の一方は、第1の可飽和誘導コイルLsat1と第1の平滑誘導コイルLlis1が接続されるノード4に接続される。二次巻線3bのもう一方の端子は、第2の可飽和誘導コイルLsat2と第2の平滑誘導コイルLlis2が接続されるノード5に接続される。
【0037】
可飽和誘導コイルLsat1とLsat2の間に2対のダイオードが挿入される。第1の対は、互いに逆向きに接続した第1の電源ダイオードD1および第2の電源ダイオードD2を含み、そのノード6は、変換ユニットUCaの正出力端子7+に接続され、電力ダイオードD1とD2のカソードどうしが接続される。
【0038】
もう一方のダイオード対は、やはり互いに逆向きに接続した調整ダイオードd1およびd2を含み、そのノード8は、やはり変換ユニットUCaの一部である調整器10の2つの制御出力端9に接続される。調整ダイオードd1とd2のアノードどうしが接続される。
【0039】
調整器10は、2つの調整ブロック10aおよび10bで構成され、一方が出力電圧Vs用、もう一方が出力電流Is用である。調整器10について以下で詳細に説明する。この調整器は、出力電流Isが、最大許容出力電流と考えられる基準電流未満である場合に、調整ブロック10aに依存しうる制御電圧-Vcを供給し、あるいは出力電圧Vsが、過負荷を示す基準電圧未満である場合に、調整ブロック10bに依存しうる制御電圧-Vcを供給する。したがって、2つの調整ブロック10aおよび10bは、同じ制御電圧-Vcによって作動する。
【0040】
平滑誘導コイルLlis1とLlis2は共に接続され、これらのノード11は、変換ユニットUCaの負出端子7-と接続される。コンデンサ12は端子7+と7-の間に接続され、同様にコンデンサ13は調整器10の出力端子7-と出力端子9の間に接続される。平滑誘導コイルは、密結合または疎結合の相互結合Mを有することができる。
【0041】
図4は、一例として、変換器3の変換比ns/np=2/1の場合の、図3の変換ユニットUCaに存在する主な信号の図を示す。図は、この例では出力電圧Vs=10Vで1Aの出力電流Isを出力として生成する(端子7+および7-)変換過程の2つの連続するサイクルを示す。この場合、入力電圧Veは、一次巻線3aで20Vの振幅を有し、二次巻線3bの電圧は40Vの振幅を有する。この場合、調整器10からの制御電流Icは、-17Vの電圧で数mAになる。本発明によれば、これらの条件のもとで、制御電圧Vcにより、入力電流Ieと入力電圧Veの間の位相シフトδを維持して、出力電圧Vsを調整することが可能になる。図4の図は、一例として、これら最後のパラメータと、一方のダイオードD1、d1のノードにかかる電圧(VD1d1)と、もう一方のダイオードD2、d2のノードにかかる電圧(VD2d2)とのそれぞれ示す。明暗の度合いが異なる灰色の各曲線は、図3の明暗の度合いが異なる灰色の各矢印と対応する。もちろん、前述の電圧および電流の値は、一例として提示されたものにすぎない。
【0042】
図5は、図3および図4に示され説明された変換ユニットUCaの例をよりよく説明するためのものである。この図は、
a)は、特に可飽和誘導コイルLsat1に関する、時間の関数として表わされる曲線の図であり、
b)は、特に可飽和誘導コイルLsat2に関する、時間の関数として表わされる曲線の図であり、
c)は、可飽和誘導コイルLsat1の、その端子のところで電流がIsat1、電圧がVsat1である図であり、
d)は、変換ユニットUCaの動作期間の4つの位相1〜4の間にわたる、時間の関数として表わされる電流Isat1の状態であり、
e)は、図5の様々な関係要素が矢印で指し示されている、図3の図を思い出させるものであり、
f)は、可飽和誘導コイルLsat1の理論的ヒステリシス図であり、動作サイクルの4つの位相1〜4の間にわたる、電流Isat1の関数として表わされる可飽和誘導コイルLsat1の磁束Fluxsat1の時間経過に伴う変化を示す。図6は、本発明で使用可能な可飽和誘導コイルに関するこのようなヒステリシス図の実例を示すことに注意されたい。
【0043】
図5のa)およびb)は、変換ユニットUCaの回路のノード4および5にそれぞれ存在する電圧VLsat1およびVLsat2の状態を示し、これらVLsat1およびVLsat2はまた、1つの動作サイクルの間中に可飽和誘電コイルLsat1およびLsat2をそれぞれ通過するその対応する電流Isat1およびIsat2に関してもそれぞれ示されている。
【0044】
この回路の動作は、ダイオードD1、D2、d1およびd2の静電容量の放電時間を無視することによって、アセンブリの電磁要素(変換器3、可飽和誘導コイルLsat1、Lsat2、ならびに平滑誘導コイルLlis1およびLlis2)に存在する総磁束の値が、1つのサイクルからもう1つのサイクルまで、サイクルのどのモーメントでも変化しないはずであるという考え方に基づく。言い換えると、連続する動作サイクルの所与のモーメントに、その磁束についての同じ値が見出される。これは、各サイクル中で、ノード4および5にかかる電圧の正の面積と負の面積は互いに等しいことを示唆し、このことが図5のd)に破線で示されている。さらに、出力電圧Vsは、入力電圧と出力電圧の間の位相シフトの値によって入力電圧Veと直接関係付けられる。したがって、これらの条件のもとで、アセンブリの出力電圧Vsは、調整器10からの制御電圧Vcによって直接調整される。
【0045】
これらの条件は位相シフトを決定し、比1(np=ns)の変換では以下のように表すことができる。異なる変換比については、この比が項Veに掛けられる。
【0046】
【数1】
【0047】
ここで、
δ 入力電圧Veと出力電圧Vsの間の、180°に対する角度比として表された位相シフト
Ve 変換器3の二次巻線3bから供給される電圧
Vs 端子7+と7-における出力電圧
Vc 調整器10からの制御電圧
結果として、
【0048】
【数2】
【0049】
これらの条件のもとで、かつ引き続きダイオードの静電容量を無視すると、
Vs=Ve/2では、Vc=Vs=Ve/2で位相シフト=0
Vs=0では、Vc=0で位相シフト=90°
【0050】
実際の場合には、これらの静電容量の放電時間を考慮に入れると、図7の例で分かるように、関係はより線形になりVeにあまり依存しなくなる。
Vs≒k×Vc
ここでkは約10/17である。
【0051】
この最後の関係は図7の曲線で例示され、これは、VcとVsの関係をインバータでの30Vおよび40Vの直流入力電圧それぞれについて、一定出力電流Isが4Aの状態で示す。(参考までに、この変換比とすれば、電圧Veはこの場合、一次巻線3aで15〜20V、二次巻線3bで30〜40Vである。)
【0052】
図5のd)はまた、動作サイクルの位相3および4の間中に循環する可飽和誘導コイルLsat1およびLsat2の強制電流Icoerが、動作位相1および2の間中に循環する電流の値と比較して、相対的に低い値を有することを示す。結果として、非常に少ないエネルギー量で電流を調整することが可能になる。
【0053】
図5のf)および図6はそれぞれ、可飽和誘導コイルLsat1およびLsat2のヒステリシスサイクルの理論上の形、および実際の形の一例を示す。
【0054】
したがって図4〜6で、本発明による方法により、各サイクルの第1の部分の間中に第1の可飽和誘導コイルの飽和効果のもとで、その誘導コイルと結びつけられた第1の電源ダイオードが確実に導通し、各サイクルの第2の部分の間中に第2の可飽和誘導コイルの飽和効果のもとで、第2の電源ダイオードが確実に導通することを見ることができるようになる。さらに、この方法により、各サイクルの第1の部分の間中に第1の電源ダイオードを導通させることによって第2の電源ダイオードを阻止し、各サイクルの第2の部分の間中に第2の電源ダイオードを導通させることによって第1の電源ダイオードを阻止することが可能になり、最終的に入力電圧と入力電流の間に求められる位相シフトが得られることになる。
【0055】
図8は、a)およびb)のそれぞれで、最小電力Pminおよび最大電力Pmaxで動作する本発明による変換ユニットUCaの一例の主なパラメータの曲線の例を示し、これらのパラメータはそれぞれ、誘導コイルLsat1とダイオードD1およびd1との間のノードの電圧VLsat1/D1d1と、誘導コイルLsat2とダイオードD2およびd2との間のノードの電圧VLsat2/D2d2と、入力電圧Veおよび入力電流Ieとであり、各曲線は、表示された順序で暗い灰色から明るい灰色へと灰色の明暗の度合いを減少させて描かれている。出力電圧Vs、制御電圧Vc、出力電流Isおよび制御電流Icの各値は、電力PminおよびPmaxの2つの場合について図の上に表示されている。後者は、もう一方との比率が1000であることが分かる。
【0056】
図9および図10は、本発明による変換ユニットの2つの実現可能な構成を示し、図9は、図3に示されたUCaを示し、さらに調整器10の電圧を調整するブロック10aのより詳細な図を含む。
【0057】
ブロック10aは、演算増幅器14を含み、その入力端はそれぞれ、ツェナーダイオード16によってノード15に確立された基準電圧Vrefと、調整可能電圧分割器17から来る調整電圧Vajとを受け取る。増幅器14の出力はトランジスタ18を制御し、このトランジスタは、別の直列のトランジスタ19と共に、調整器10の端子9のうちの1つに現れる制御電圧Vcを設定する。図9の場合では、制御電圧Vcは、負出力端子7-の電位を基準として参照される。その場合、可飽和誘導コイルLsat1およびLsat2に送り込まれてその磁束を再確立する電流は正である(いわゆる「リセット」電流)。
【0058】
一方、やはり変換ユニットUCaの代替形態と関連する図10の場合、制御電圧Vcは正出力端子7+の電位を基準として参照され、トランジスタ18と19はそれに応じて接続される。この場合、リセット電流は負である。
【0059】
出力電流Isに関する情報は、調整ブロック10bで制御電圧Vcを作り出せるように、従来は調整ブロック10bの中で得ることができることに注意されたい。
【0060】
しかし、この情報はまた、例えば図3の破線で示された測定回路CMIを使用して、前記出力電流Isに相当する仮想電流を簡単に生成することによって得ることもできる。
【0061】
この回路は、変換器3の二次巻線3bの各端子にそれぞれ接続された2つの直列抵抗R1およびR2を含む。抵抗R1とR2の間の共用ノードは、変換ユニットUCaの端子7-にも接続されているフィルタコンデンサCに接続される一方、他方では調整ブロック10bの入力端9ISに接続される。
【0062】
出力電流Isに相当する仮想電流は、出力Vs電圧と制御Vc電圧の共有点(ここでは出力端子7-)を基準として、二次巻線3bの各端子にかかる2つの電圧をある時間にわたって平均することによって、調整ブロック10b内で取得されうる。
【0063】
図11は、図3の調整器10の電流調整ブロック10bによって行われる出力電流Isの調整の概観図であるが、制御電圧Vcおよび出力電圧Vsについての情報だけによるものである。
【0064】
実のところ、ここで図に示されたタイプの実際の倍電圧回路では、誘導コイルの抵抗およびダイオードの静電容量を考慮に入れると、
【0065】
【数3】
【0066】
と考えることができる。ここで、Rselfは平滑誘導コイルLliss1およびLliss2それぞれの抵抗であり、
kはやはり、現実の挙動、特にダイオードの静電容量の実際の挙動を考慮に入れた定数であり、kは実際には、既に上で示したように、所与のタイプのダイオードで1.7とすることができる。
【0067】
このタイプの電流の推定器に基づいて出力電流Isを調整することを考えることができる。
【0068】
【数4】
【0069】
ここでεは、Vcに基づいて調整される電流の仮想電圧であるが、電圧VsおよびVcが単に情報として用いる。定数kもまた、ここではアセンブリのダイオードの静電容量の関数として設定され、例えば1と3の間の値を取りうる。
【0070】
図11の図は、このような電流調整の原理を示し、基準電圧VirefがRself×Is/2に設定されており、kの値が1.7に等しい。
【0071】
この図11では、図3の図が、説明したばかりの電流制御の原理を実施できる電流調整ブロック10bの概観図と共に示されている。変換ユニットUCaの出力電圧Vsは加算器22の負入力端に加えられ、加算器22はその正入力端で、制御電圧Vcの負の値を受け取るインバータ23、および値kの逆数を与える計算ブロック24から得た値Vc/kを受け取る。
【0072】
加算器22の出力は、別の加算器25の負入力端に伝達され、加算器25は、その正入力端で基準電圧Virefの値を受け取る。その出力がPID調整器26に接続されて値Vcが作り出され、このVcは、反転器27で反転されてコンバータに加えられる。
【0073】
図12は、図11の図に基づくと共に図9に示されたバージョンの変換ユニットを伴う、非常に簡略化された電流制御の実際的な実施形態を示す。
【0074】
図11で22、23および24の記号で表された動作を行う2つの抵抗28および29で構成された電圧分割器が、調整電圧をトランジスタ30に印加し、トランジスタ30は、制御電圧Vcの値を課す一方、それによって、図11で26および27の記号で表された動作を行う。電流推定器に対して選択された比kに応じて、抵抗28および29が、これらの値の比がR28/R29=kでkに等しくなるように選択され、kは一般に1と3の間にありうる。この実施形態は、トランジスタ30の閾電圧に依存するので、調整精度が限定される。
【0075】
この実施形態は、電流に関して制限される変換ユニットを構成し、この変換ユニットはまた、図3の10aで示されたような電圧調整ブロックを備えることもできる。電流制限の値は、次式の関係に対応する。
【0076】
【数5】
【0077】
ここで、Ismaxは変換ユニットの最大出力電流、Vsjはトランジスタ30の閾電圧、Rselfは可飽和誘導コイルLsat1およびLsat2の抵抗である(ここでは図示せず)。
【0078】
電圧の調整と電流の調整を組み合わせた好ましい調整の一実施形態が図13に示されている。これもやはり図11の調整図に基づいているが、今度は図10に示されたバージョンの変換ユニットを伴う。図13の調整器10は演算増幅器31を含み、演算増幅器31は、変換器3の二次巻線3bから2つのダイオードd3およびd4と平滑コンデンサ32を介して電力を供給される。増幅器31の非反転入力端は電圧分割器に接続され、この電圧分割器は、図12の図と全く同様に関連する図11の動作22、23および24を行う抵抗28および29によって形成される。増幅器31の反転入力端は、ツェナーダイオード35により設定される基準電圧Vrefを受け取るように、抵抗33を介して抵抗34とツェナーダイオード35の間のノードに接続される。
【0079】
増幅器31の出力端は、トランジスタ36のベースに接続され、この送信器は、一方でコンバータの正端子7+に抵抗37を用いて接続され、他方では演算増幅器31の反転入力端に、調整器10のPID項を共に形成する抵抗38およびコンデンサ39を用いて接続される。
【0080】
図14は、本発明によるコンバータの、平滑誘導コイルが特別に設計されている変換ユニットUCbの一代替形態を示す。
【0081】
この図で示されるように、ここではそれぞれ参照符号Lalis1およびLalis2で示されたこれらの平滑誘導コイルは、前の各図の変換器3が行うように、入力変換器としても機能する変換器40の二次巻線と組み合わせることができる。この変換器40の一次巻線41の端子41aおよび41bは、ここでは図示されていないインバータに接続されるのに対し、二次巻線は中間点42が付いた巻線を備え、それぞれの二次巻線部分43および44はまた、平滑誘導コイルLalis1およびLalis2の一方を形成し、これら平滑誘導コイルの中間点42の反対側の各端子は、それぞれ参照符号43aおよび44aで示されている。この場合、変換器40の二次巻線43と44は互いに弱い結合Mを有するが、一方で、一次巻線41のそれぞれの半分(ここでは別々に示されていない)とはそれぞれ十分な結合M1およびM2を有し、その見返りとしてコンバータは、既に説明された諸実施形態と同じ挙動をするが、2つの平滑誘導コイルLalis1とLalis2の直列回路内を循環する電流の交流成分を制限するという、したがって平滑誘導コイルそれぞれの電流スパイクを制限するという、付加的な利益を伴う。
【0082】
図15は、変換器45を含む変換ユニットUCcの別の代替形態を示し、変換器45の一次巻線46は、端子46cおよび46dを用いてインバータ(図示せず)の出力端に直列に接続された2つの半巻線46aと46bに分割されている。この変換器45はまた、直列に接続された2つの半巻線47aおよび47bからやはり形成された二次巻線47を含む。半巻線46a〜47aおよび46b〜47bの対はそれぞれ、矢印csaおよびcsbで示された互いとの密結合を有する。
【0083】
したがって、半巻線の各対は、変換器45の磁気回路の別々の場所に置かれた46a、47aおよび46b、47bそれぞれの2つ別々の組を形成する。
【0084】
半巻線46aと46bの巻線数は等しく(npを一次巻線46の総巻線数とすると、各巻線数はそれぞれnp/2に等しい)、同様に半巻線47aと47bの巻線数は等しく(nsを二次巻線の総巻線数とすると、各巻線数はそれぞれns/2に等しい)、所望の変圧比で必然的にnpおよびnsの値が決まる。
【0085】
二次巻線47の中間点47cは単一の平滑誘導コイル48に接続され、前記ノード47cは、平滑誘導コイル48を介して前記アセンブリの出力端子7-に接続される。ダイオードD1、D2、d1およびd2の構成、ならびに可飽和誘導コイルLsat1およびLsat2の構成は、前記の図のものと同じであり、誘導コイルはそれぞれ、半巻線47aおよび47bの端部端子47dおよび47eに接続される。
【0086】
もちろん、図14および図15には示されていないが、これらの図の変換ユニットUCbおよびUCcは、変換ユニットUCaに関して図3で示されたものと同様に、インバータ2および調整ブロック10aおよび/または10bに接続することができる。
【0087】
図16〜19は、これまでに説明された様々な変換ユニットUCa〜UCcで使用できる平滑誘導コイルおよび/または変換器の4つの実現可能な代替形態を示す。
【0088】
まず、図16は、図3および図9〜13の変換ユニットUCaで使用できる平滑誘導コイルLlis1およびLlis2の有利な一実施形態を示す。この場合、誘導コイルは、磁性材料から作られた共用コア49cに巻かれたそれぞれの巻線49a、49bにより形成される。コア49cは概して、巻線49aおよび49bがそれぞれ巻かれる外側枝路49dおよび49eのそばに横に並べて置かれた2つのEの形をしており、これらの内側の各枝路は、その間にエアギャップ49fが形成されるような長さを有する。このアセンブリの巻線49aおよび49bは、ユニットUCaに挿入されると同時に、図16に示されたノード4、5および11に接続される。
【0089】
図17〜19に示された代替形態は、図14または図15の変換ユニットUCbおよびUCcにさらに特定して使用するためのものである。
【0090】
図14の図に関してさらに特定して使用するためのものである図17の代替形態では、変換器40は、2つの別個の基本磁気回路51および52を含み、これらは磁性材料でCの形状に作られ、それによってエアギャップ51aおよび52aを形成する。これらのコア51および52の中心枝路51bおよび52bは、それぞれ2つの半巻線を支持する。すなわち、中心枝路51bは一次巻線41の半分を支持し、この巻線は、中心枝路52bに巻かれたその巻線のもう片方の半分と直列に接続され、これらの端子41aおよび41bはインバータに接続される。これら半分の一次巻線41のそれぞれは、二次半巻線43および44の一方とそれぞれ結合される。その場合、これら半巻線はそれぞれ、二次半巻線としても平滑誘導コイルLalis1、Lalis2としても機能する。図17はまた、これら二次半巻線43および44の端子42、および43a、44aを示す。
【0091】
図14の図および図15の図両方に適用可能な図18の代替形態では、変換器40または45は、図16のコア49cと同じ形状の一体成形コア53を備える。この構成が図14のアセンブリの変換器40を製作するために使用される場合は、このコア53の外側枝路53aおよび53bはそれぞれ、一次巻線41の二半分を支持し、これら二半分と変換器40の二次巻線の半巻線43および44とがそれぞれ一緒に巻かれる。後者はここでまた、両方の平滑誘導コイルLalis1およびLalis2を形成する。さらに、コア53はエアギャップ53cを備える。エアギャップ53cを画定する中心枝路の断面は、外側枝路53aおよび53bの断面の合計と等しいことに注意してもよい。図18はまた、様々な巻線の端子に対する参照符号を図14に示されるように表示している。
【0092】
さらに、図18には、図15の変換器45を構成する要素に関する参照符号が括弧内に示されている。
【0093】
図19は、図15の変換ユニットで使用できる磁気構成要素の特に有利な一実施形態を示す。
【0094】
この場合、変換器45は、半巻線46a、46b、47aおよび47bのそれぞれの対が巻かれるリング形の磁気回路を含み、誘導コイル48は、その巻線が巻かれるトロイド61を含む。この場合にはまた、磁気コアは、磁化電流の低減、したがって損失の低減、を可能にする高い透磁率を備え、一方で、図15に示された一次巻線と二次巻線の間に密結合を備えなければならない。図19には、巻線の様々な端子の参照符号もまた提示されている。
【0095】
図16〜19の磁気回路のすべては、様々な方法で作ることができる。例えば、I形閉鎖部片付きのE形コア、平面型幾何学的配置のコアおよびコイル、リング形のコア、その他を考えることができる。上記の情報から、これら代替形状の電磁要素を製作することは、当業者の知識の範囲内にある。上述の諸代替形態はすべて、磁気回路の製作の際に鉄を節減すること、かつ/または平滑誘導コイルを流れる循環電流(電流の直流成分)を低い値まで低減して、電流見積りを少なくし、したがって損失を少なくすることを目的とする。
【0096】
図20は、上記の、図10に示されたものより具体的かつ好ましく説明された諸代替形態のいずれかにより構築された複数のコンバータを使用する配電設備の第1の例を示す。
【0097】
この設備は、例えば、通信衛星に有利に組み込むことができ、変換ユニット70a〜70nは、衛星内の様々な箇所に存在する様々なエネルギー消費装置に可能な限り近接して設けられる。その場合、ユニット70a〜70nのすべては、衛星の電源サブシステムの、調整されることもされないこともある、一次電源バーなどの共有直流源1から電力供給され、電源サブシステムは、やはりすべてのユニットによって共有されているインバータ2に給電する。次に、各ユニットは、個別の2本ケーブル71a〜71nを用いて前記インバータ2に並列に接続される。
【0098】
図21は、図20に関して上述したタイプの配電設備の第2の例を示す。しかし、この場合はインバータ2aが設けられ、インバータ2aは、直流源1からの直流電流を三相電流に変換し、この三相電流は前記インバータから、変換ユニットと同じ数の群74に接続された3本ケーブル73a〜73nに供給されるが、ここではケーブル73aに接続された群だけが示されている。図20の場合と同様に、変換ユニットは、前述したものすべての代替形態により構築することができる。
【0099】
ここで変換ユニットの群74は三相型のものであり、したがって、いつも3つのユニット75a、75bおよび75cを図示されていない個別の入力変換器と共に有し、この入力変換器の一次巻線は、この例のように星形アセンブリとして接続され、あるいは図22の例のように三角形アセンブリとして接続される。この最後の図は、図21のものとも同じ回路を示し、この回路の変換ユニット上流に位置する部分は、図面を簡単にするために省略されている。両方の場合で、それぞれの群74の変換ユニット75a、75bおよび75cの端子76aおよび76bに設けられる各直流出力端は、並列に接続される。その場合、制御電圧Vcは共有調整器10で生成することができ、共有調整器は、この電圧を群の3つのユニットに端子77を用いて並列に印加する。
【0100】
3本ケーブル73a〜73nは、変換ユニットの変換器の一次巻線に、配線のインダクタンスをオフセットするように働くコンデンサ78(図22では見えない)を用いて接続されることにも注意されたい。
【0101】
図23の図は、本発明による設備の別の代替形態を示し、図はやはり、図面を簡単にするために単一の変換群だけを示す。図21および図22の代替形態と同様に、変換ユニットは、3つの変換ユニット81a、81b、および81cそれぞれからなる群80として組み合わされるが、これは、前記のように、電力供給されるべきデバイス(例えば、衛星)内の様々な箇所に存在する個数nの同じ群をそのエネルギー消費装置に可能な限り近接して設けることが可能であると理解してのことである。しかし、目下の場合では、変換ユニットの各群80は、ここでは三相一次巻線82aを備える単一の多相入力変換器82を含み、この三相一次巻線は、ここで図示のように星形に、または三角形に、図21および図22に示されるコンバータの上流部分(特に、インバータおよび配線)に接続することができる。
【0102】
変換器82は、ここでは概説していない3つの独立した二次巻線82b、82cおよび82dを備え、これらはそれぞれ、前述した変換ユニットのそれぞれの図による3つの変換ユニット81a、81bおよび81cからなるアセンブリに電力を供給する。
【0103】
群80の3つのユニット81a、81bおよび81cの直流出力端は、端子83aおよび83bに並列に接続され、この群の共有調整器10で生成された制御電圧Vcは、群80の3つのユニットに並列に印加される。
【0104】
図3に示された基本変換ユニットの場合と同様に、この調整器10は、例えば出力電流Isに相当する仮想電流による、電流制限または電流調整を実施することができる。この目的のために、ここでは測定セルCMIを設けることができる。この回路は、変換器82の二次巻線82b、82c、82dごとに2つの直列抵抗Ra〜Rfを含む。これらの抵抗は、図23に示されるように、その端子ca〜cfによってそれぞれの二次巻線に接続され、これらの反対側の各端子は、共にフィルタコンデンサC、および調整器10の電流調整入力端9ISに接続される。コンデンサCはまた、その群の出力端子83bにも接続される。こうして集められた交流電圧は、調整器10内で平均される。
【0105】
平滑誘導コイルの単相実施形態に関して図16に示された実施形態から発想を得て、別の代替実施形態により、変換ユニットの群の三相実施形態の場合に、エアギャップ49fに対し図16で行われたように、1つのエアギャップを共有することによって平滑誘導コイルのすべての巻線を一緒にすることもまた可能である。
【0106】
このような磁気回路90が図24の概略斜視図に示されている。
【0107】
この磁気回路は、長方形の基板92と共に概してE形の断面を有する磁気部片91を含み、その面の一方から、基板の小縁部に配置された外側ポスト92a〜92fが延びる。中心脚92gがまた、前記基板92の上に立っており、基板の幅全体にわたってポスト92a〜92fの間の中間部に延びている。
【0108】
ポストはすべて同じ断面を有し、またすべてが中心脚92gよりわずかに長い同じ長さを有し、中心脚の断面は、ポスト92a〜92fの断面の合計と等しい。磁気部片91は磁束閉鎖板93によって完成し、この磁束閉鎖板は、基板92と同じ寸法を有し、該当する場合にはまた、中心脚92gに中心が置かれた、中心脚を完全に覆うと共に単一のエアギャップ95を画定する中心リブ94を基板に向いた面に備える(図25および図27参照)。
【0109】
磁気ユニット91を用いると、いくつかの代替実施形態を形成することが可能であり、図25および図26は、これらの代替形態の最初の1つを示すが、これは図25が、磁気行路を示すことだけを目的として磁気回路の二次元だけの概略図であると理解してのことである。したがって、この図は、電磁気アセンブリの構築の現実を反映していない。
【0110】
この場合、各変換群100は、ここで「オーバーラップ状態の」と称する3つの変換ユニット102a、102bおよび102cで構成されたアセンブリ101を含むが、これは、これら3つのユニットに共有電磁アセンブリ103が結びついていると踏まえたものであり、電磁アセンブリ103は、その平滑誘導コイルを図24に示された磁気回路90を使用して形成する。この群100のアセンブリ101は、単一の三相変換器104から電力供給される。群100など、これらの群のいくつかは電気設備を構成することができ、その場合、変換器104は、共有インバータに接続することができ、あるいはそれぞれを別のインバータに接続することができる。この群は、端子105aおよび105bに直流出力電圧を供給し、また前述のタイプの調整器10と結びつけられる。
【0111】
磁気ユニット90は、図26で、「オーバーラップ状態の」変換ユニット102a、102bおよび102cと関連付けて示されている。
【0112】
変換器104の二次巻線はそれぞれ、接続部ca〜cfに接続され、これらの接続部は図25にも示されている。各接続部は巻線端部96a〜96fに接続され、巻線はそれぞれ、磁気回路90のポスト92a〜92fに巻き付けられ、それぞれが、対応する変換ユニット102a、102bおよび102cに属する平滑誘導コイルを形成する。巻線96a〜96fの巻方向は、巻線を流れる直流成分による磁束がエアギャップ95を同じ方向に通過するようになる方向である。
【0113】
三相変換群の平滑誘導コイルのすべてに使用される単一磁気ユニットの利点は、電流、大きさおよび重量の改善からなり、この改善は、人工衛星の環境において特に望ましい。
【0114】
90などの共有磁気回路を使用して変換器と一体化された平滑誘導コイルを形成する別の代替実施形態が、図27に示されている。この代替形態の図は、図14に示された単相のものの三相バージョンと同等であり、変換ユニットが入力変換器を含み、その二次巻線が平滑誘導コイルとしても機能する。
【0115】
その場合、少なくとも1つの群110が3つの変換ユニット110a、110bおよび110cを備え、その平滑誘導コイルは、磁気回路のポスト92a、92d; 92b、92e; 92c、92fにそれぞれ巻き付けられたそれぞれの半巻線111a、111d; 111b、111e; 111c、111fによって形成される。これらの巻線はまた、コンバータの変換器(ここでは全体的に参照符号111で示す)の二次巻線を形成し、これらはすべて、コンバータの、正端子に参照符号113aが付いている出力端の負端子113bに接続された共有中間点112(図14の中間点42と同等)を有する。
【0116】
この代替形態の1つの特に有利な設計によれば、磁気回路のポスト92a〜92fのまわりには半巻線111a〜111fだけでなく、それぞれの半巻線114a、114d; 114b、114e; 114c、114fも巻き付けられ、その付随する対は、変換器111の一次巻線の対応する部分になる。これら付随する対の各半巻線は、相互接続部115によって互いに接続される。
【0117】
こうして構築された図27の変換器111は、三相インバータ(ここでは図示せず)に三角形または星形に接続することができる。変換器111の一次巻線の外部接続部を参照符号ex1a、ex1b、ex2a、ex2b、ex3aおよびex3bで示すと、三角形アセンブリは、接続部ex1aおよびex3bを相1に、接続部ex2aおよびex1bを相2に、ならびに接続部ex3aおよびex2bを相3に接続することによって得られる。星形アセンブリは、接続部ex1aを相1に、接続部ex2aを相2に、接続部ex3aを相3に、かつ接続部ex1b、ex2bおよびex3bを中間点に接続することによって得られる。
【0118】
三相バージョンにおける上述の代替形態のすべてはまた、上述の本発明の概念を適用することによって、多相バージョン(すなわち四相以上)でも実施することができる。当業者には、このような多相代替形態を、上述の三相バージョンを相応に適合させることによって理解することができよう。
【0119】
三相または多相の代替形態の利点は大きい。
【0120】
まず、同じ動作周波数に対し、多相では、残差反転(residual inversion)の周波数が単相アセンブリで生じる2.fに対してこの場合増加するとすれば、フィルタデバイスのサイズを低減することが可能である。この残差反転の周波数は2.n.fになり、nは多相群の変換ユニットの数である。
【0121】
さらに、本発明による設備の多相設計では、使用されるダイオード、可飽和誘導コイルおよび平滑誘導コイルなどの電力構成要素の単位電力(unit power)を増加させることなく設備の電力を増加させることが可能になる。この結果、設備の所与の総電力に対して、重量、大きさおよびコストが低減することになる。
【0122】
最後に、多相バージョンはより優れた故障許容性を有する。というのは、1つまたは複数の相が機能しない機能低下モードであっても、多相設備が依然として動作することができるからであるが、エネルギー消費装置の動作低下を防ぐことはしない。これは、通信衛星では特別な利点になりうる。
【0123】
図28は、本発明によるコンバータの調整の1つの実現可能な構成を示し、調整されないインバータ120が、単相モードで3つの二次巻線123a、123bおよび123cを備える変換器122の一次巻線121に電力供給する。二次巻線はそれぞれ、例えば図3の原理により設計された3つの変換ユニット124a、124bおよび124cに接続される。図28の場合、これらの各変換ユニットは、例えば図3および図9の調整器10のように構築できる、それ自体の調整器125a、125bおよび125cと結びつけられる。独立した基準電圧Vrefa、VrefbおよびVrefcはそれぞれ、これらの調整器それぞれに印加されて、ここでは比較要素126および増幅器127で記号化されている調整ループに基準が与えられる。このようにして、各変換ユニットは、そこに加えられる負荷との関係において、それ自体の出力電圧を調整する。
【0124】
図29は、別の調整例を示し、本発明によるコンバータが、ここでは調整されるインバータ130を含む。このインバータは、3つの変換ユニット134a、134bおよび134cにそれぞれ接続された3つの二次巻線133a、133b、133cを有する変換器132の一次巻線131に電力供給し、ユニット134bおよび134cは、例えば図3に示されたものに従って製作される。これらの変換ユニットは、例えば図9の図を用いて、図28の調整器125b〜125cと同様に設計された調整器135bおよび135cと結びつけられる。これらの調整器は、基準電圧VrefbおよびVrefcを受け取る。
【0125】
変換ユニット134aは、電力ダイオードD1およびD2と、平滑誘導コイルLliss1およびLliss2とを含む簡単な倍電流整流器である。この変換ユニットの出力電圧Vsaは、比較要素136で基準電圧Vrefaと比較され、比較要素136は、調整されるインバータ130への調整信号を生成し、この調整信号は、例えば光カプラなどの直流電気分離デバイス137と、例えばPID型の誤差増幅器138とを用いてインバータまで伝達される。この増幅器の出力は、こうしてインバータ130の基準電圧を形成する。
【0126】
図29による設備では、インバータ130を制御する調整は、例えば設備の充電の変動による出力電圧Vsaの変動との相関関係において行われる。この調整では、インバータ130の動作定格(operating rating)を制御して、出力電圧Vsaを正確に決定し、他の変換ユニットの出力電圧を「交差調整」によって「大まかに」決定する。調整器135bおよび135cは、変換ユニット134bおよび134cの出力電圧の微妙な調整を行う。
【0127】
図28および図29に示された調整解決策には、既に前述したものとやはり同様に、一般にコンバータの出力電圧が損失のある安定抵抗を使用して調整される従来の解決策とは対照的に、顕著なエネルギー損失なしで動作するという大きい利点がある。
【0128】
本発明による変換方法およびDC-DCコンバータは、回転変圧器型のデバイスに有利に実施することができ、可動部分に配置された要素によってだけ調整される直流電源を簡単に実現することができる。空間適用例では、このような変圧器は、損耗をきたしやすいままである、接触を伴う回転ブラシ集電体に有利に取って代わることができる。
【0129】
これらの回転変圧器は一般に、機械的な観点から実施するのが困難である。本発明によるコンバータを使用すると、このコンバータは、完全に分離された二次側の調整を保証しながら、単一の二次巻線しか必要としないので、これらの使用上の困難を低減することが可能になる。
【0130】
本発明によるDC-DCコンバータはまた、無接触電力伝達システムに組み込むこともでき、具体的には、例えば電気自動車用の無接触バッテリ充電システムに組み込むことができる。この場合、コンバータの一次巻線は、二次巻線が再充電されるべきバッテリに接続されるように、固定構造体に組み込まれる。
【0131】
本発明によるコンバータは、二次巻線から送出される電圧を監視するその能力により、一次側の電圧および電流の変動に関係なく、基準電圧および電流に従ってバッテリ充電の監視を保証できるようにする。
【0132】
さらに、前の説明で使用された「インバータ」という語は、交流電圧を発生できるあらゆるデバイスを広く包含し、また特定の一実施形態では発電機を意味することもあることを理解されたい。
【0133】
本発明によるコンバータは、航空学または風力エネルギーの分野で有利に使用することができる。
【符号の説明】
【0134】
1 共有直流源
2 インバータ
3 変換器
3a 一次巻線
3b 二次巻線
4 ノード
5 ノード
6 ノード
7+ 正出力端子
7- 負出力端子
8 ノード
9 制御出力端
9IS 入力端
10 調整器
10a 調整ブロック
10b 調整ブロック
11 ノード
12 コンデンサ
13 コンデンサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流の電圧および電流それぞれの第1の値を有する電源から供給される電気を、直流出力の電圧および電流がそれぞれの第2の値を有する電気に変換する方法に関する。本発明はまた、この方法を実施するDC-DCコンバータ、ならびにこのようなコンバータをいくつか含む設備に関する。
【背景技術】
【0002】
低電圧で強電流を供給することが目的のDC-DCコンバータは、従来技術の技術水準において既に周知である。これらのDC-DCコンバータは特に、衛星および他の類似の電気消費デバイスに電力を供給するために使用され、電圧および/または電流が調整された出力電流を供給するように確実に電流スイッチングするために設けられた、「磁気ポストレギュレータ」と当業者により称される磁気調整デバイスを備えることが多い。
【0003】
Company Magnetics、Butler、PA 16003、EUAが1999年に出版した技術報告書no. SR-4には、磁気ポストレギュレータを用いたDC-DCコンバータが記載されている(添付図面の図1参照)。このDC-DCコンバータは、その一次巻線で、細切りにされた直流電流を直流電流源(図示せず)から受け取る入力変換器Tを含む。この変換器の二次巻線は、そのそれぞれの端部から、コンバータの正出力端子B+にも接続されている平滑誘導コイルLにダイオードD1およびD2を用いて接続された2つの可飽和誘導コイルSC1およびSC2に電力を供給する。
【0004】
負出力端子B-は、変換器Tの中間コネクタPMに接続される。基準点PRに基準電圧を生成する調整器Rは、2つの追加ダイオードd1およびd2を用いて誘導コイルSC1およびSC2と、ダイオードD1およびD2とによって形成された整流回路CRのラインLCに補正信号を注入する。ダイオードd1およびd2はそれぞれ、一方が誘導コイルSC1とダイオードD1の間の結合点に接続され、もう一方が誘導コイルSC2とダイオードD2の間の結合点に接続される。
【0005】
このアセンブリはまた、ダイオードD1と誘導コイルLのノードと、コンバータの負出力端子B-との間に接続された「フリーホイール」ダイオードD3を含む。
【0006】
磁気ポストレギュレータを用いたこの既知のコンバータは、誘導コイルSC1およびSC2の飽和によるスイッチングによって適切に動作するが、2つの半巻線で構成された二次巻線と、何より「フリーホイール」ダイオードD3とを備えるので、構造が比較的複雑な変換器Tを必要とするという欠点がある。後者は、その寄生容量で蓄積された電荷と関連したスイッチングエネルギー損失を生じさせる。なお、調整器Rは、コンバータ内で行われるスイッチングのサイクル比を修正することによって出力電圧を制御することを目的とする。
【0007】
別のタイプのDC/DCコンバータが特開2001-275361号公報により知られており、その概略図が添付図面の図2に示されている。この場合には、入力変換器Taが使用され、その二次巻線は中間コネクタを備えていない。この二次巻線は、正出力端子Ba+にトランジスタTR1およびTR2それぞれを用いて接続された2つの可飽和誘導コイルSC1aおよびSC1bに電力を供給する。変換器Taの二次巻線の端子はまた、平滑インダクタLaおよびLbにも接続され、これらの共用ノードは、コンバータの負出力端子Ba-に接続される。トランジスタTR1およびTR2のゲートはそれぞれ、二次巻線の端子から入力信号を受け取るスイッチング制御回路CC1〜CC4に接続される。
【0008】
この既知のコンバータは、同期整流器を用いて電流ダブラを構成し、スイッチングを行うために能動構成要素を使用する。ここで可飽和誘導コイルSC1aおよびSC1bは、これら自体はスイッチングの決定に関与せずに、スパイクを補償することによって能動構成要素の穏やかなスイッチングを行うように機能する。さらに出力電圧は、変換器Taの出力電圧の半分に等しく、この比は固定されており調整されない。したがって、こうしたことにより、二次巻線が1つしかない入力変換器を有していても能動構成要素およびその制御回路を使用する必要があるコンバータを要し、そのため、このコンバータは最終的に、前に解析した従来技術の文献のものよりも複雑になる。さらに、本発明の好ましい適用分野を考えると、能動構成要素が存在することで、このような構成要素を使用することにつきまとう故障の危険による動作不安定要因が生じる。したがって、このアセンブリは、例えば衛星用電源のような、無故障の信頼性が要求される用途での使用にはあまり適さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001-275361号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】技術報告書no. SR-4、Company Magnetics、Butler、PA 16003、EUA、1999年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、電気を変換する方法、ならびにこの方法を実施する調整された出力を有し、能動構成要素および「フリーホイール」ダイオードを備えず、また場合により分割二次巻線付き変換器を備えない、DC/DCコンバータを提供することを目的とする。本発明はまた、これらのコンバータをいくつか含む配電設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
したがって、本発明は主として、第1のそれぞれの値を有する第1の直流電圧および第1の直流電流を送出するエネルギー源から得られた電気を、第2のそれぞれの値を有する第2の直流電圧および第2の直流電流の出力の電気に変換する方法に関し、
この方法は、
a)第1の電流をインバータ工程に印加して、単相または多相である、第3の電圧の第3の交流電流を形成するステップと、
b)変換工程により前記第3の電圧の値、またはその各位相の値を変化させて、前記第2の値を有する少なくとも1つの変換された電圧を得る一方で、同時に、前記変換された電圧の電流が、第1および第2の可飽和誘導コイルを使用して磁気スイッチングされながら、少なくとも1つの変換ユニットで整流されるステップとから構成され、
c)前記可飽和誘導コイルは、前記第1の可飽和誘導コイル、互いに逆向きに接続した第1および第2の電力ダイオード、および第2の可飽和誘導コイルで構成された直列整流回路に接続され、2つの電力ダイオードは、整流方向が2つの電力ダイオードとは向きを逆にして互いに逆向きに接続した2つの調整ダイオードによって分路され、
d)前記直列回路が、前記変換された電圧を受け取るように、また前記電気を前記第2の直流電流の少なくとも一部の形として送出するように接続され、この方法はさらに、
e)変換された電圧の各サイクルの間中、前記第2の電圧の変動の関数として生成された制御電圧を前記調整ダイオードを介して注入することによって、磁気スイッチングのモーメントを調整するステップと、
f)前記サイクルのそれぞれの第1の部分に対し、前記第1の可飽和誘導コイルの飽和効果のもとで、前記第1の電力ダイオードの導通を制御するステップと、関係したサイクルそれぞれの第2の部分に対し、前記第2の可飽和誘導コイルの飽和効果のもとで、前記第2の電力ダイオードの導通を制御するステップとから構成され、飽和モーメントは、前記制御電圧の関数としてそのサイクルの間中に決定され、
前記方法はまた、
g)前記サイクルの前記第1の部分の間中、前記第1の電力ダイオードを導通させることによって前記第2の電力ダイオードを阻止し、考察したサイクルの前記第2の部分の間中、前記第2の電力ダイオードを導通させることによって前記第1の電力ダイオードを阻止して、前記第3の電圧と前記第3の電流の間、またはその各相の電圧と電流の間の位相シフトを生じさせるステップからも構成され、位相シフト角が前記制御電圧によって決まること、ならびにこの方法ステップb)、e)、f)およびg)が、該当する場合には、前記第3の電圧の各相に対して実施されることを特徴とする。
【0013】
これらの特徴により、「フリーホイール」ダイオードまたはスイッチングトランジスタを用いないで、完全に制御された安定動作をするDC-DCコンバータを設計することが可能になる。
【0014】
別の有利な特徴によれば、本発明による方法はまた、
前記変換された電圧に直列に接続された少なくとも1対の平滑誘導コイルを使用して前記整流された電流を平滑化するステップであって、前記第2の電圧が前記電力ダイオード間のノードと、1対の前記平滑誘導コイル間の前記ノードとから引き出されるステップと、
前記制御電圧を第2の電流の前記少なくとも一部分の関数として決定するステップとからも構成され、
前記制御電圧が、単相の場合には、前記電力ダイオードに接続された端子と反対側の前記可飽和誘導コイルの端子それぞれと、第2の電圧と前記制御電圧によって共有された基準点との間で取得された2つの電圧がフィルタリングされた平均値から引き出された、または多相の場合には、すべての相におけるこれらの電圧がフィルタリングされた平均値の組から引き出された、前記第2の電流に相当する仮想電流の関数として決定され、本発明による方法はさらに、
前記制御電圧をVc/k-Vsという形式の前記第2の電流に相当する仮想電流により決定するステップであって、Vcが前記第3の電圧、kが1と3の間に存在する定数、Vsが前記第2の電圧であるステップと、
前記制御電圧を、前記第2の電圧の正電位を基準として参照するステップと、
前記制御電圧を、前記第2の電圧の負電位を基準として参照するステップとから構成される。
【0015】
本発明はまた、上で定義された方法をその様々な実施形態で実施するDC-DCコンバータにも関する。
【0016】
すなわち、第1の実施形態によれば、このDC-DCコンバータは、インバータ、変換ユニットおよび調整器を含むことができ、前記変換ユニットは、前記インバータに接続された一次巻線、および第1の可飽和誘導コイルで構成された直列回路に端部が接続された二次巻線を備える変換器と、互いに逆向きに接続した2つの電力ダイオードと、第2の可飽和誘導コイルとを含み、これら2つの電力ダイオードは、整流方向が2つの電力ダイオードとは向きを逆にして互いに逆向きに接続した2つの調整ダイオードによって分路され、前記変換ユニットはまた、2つの平滑誘導コイルから形成され前記変換器の前記二次巻線に並列に接続された第2の直列回路を含み、前記第2の電圧は、前記電力ダイオードの共有ノードと前記平滑誘導コイルの共有ノードの間で取得され、前記調整器で生成された前記制御電圧は、前記調整ダイオードの共有ノードと前記平滑誘導コイルの共有ノードの間に印加される。
【0017】
別の実施形態によれば、このDC-DCコンバータは、インバータ、変換ユニットおよび調整器を含むことができ、前記変換ユニットは、前記インバータに接続された一次巻線、および第1の可飽和誘導コイルで構成された第1の直列回路に端部が接続された二次巻線を備える変換器と、互いに逆向きに接続した2つの電力ダイオードと、第2の可飽和誘導コイルとを含み、これら2つの電力ダイオードは、整流方向が前記2つの電力ダイオードとは向きを逆にして互いに逆向きに接続した2つの調整ダイオードによって分路され、前記変換器の二次巻線は2つの半巻線で構成され、これら2つの半巻線は、その間に弱い磁気結合を有し、かつそれぞれが前記変換器の一次巻線の半分と好ましくは強くそれぞれ結合され、その見返りとして、前記半巻線はそれぞれ、変換のための半二次巻線としても、平滑誘導コイルとしても機能し、前記第2の電圧は、前記電力ダイオードの前記共有ノードと前記変換器の前記半巻線の共有ノードとの間で取得され、前記調整器で生成された前記制御電圧は、前記調整ダイオードの共有ノードと、前記電力ダイオード間の共有ノードとの間に印加される。
【0018】
第3の実施形態によれば、このDC-DCコンバータはまた、インバータ、変換ユニットおよび調整器を含むこともでき、前記変換ユニットは、前記インバータに接続され直列接続の2つの一次半巻線で構成された一次巻線と、やはり直列接続の2つの半巻線で構成された二次巻線とを備える変換器を含み、一次巻線の半巻線はそれぞれ、二次巻線の半巻線と共に、互いに密に結合された一次半巻線と二次半巻線でそれぞれ構成された対を形成し、前記一次巻線は前記インバータに接続され、前記二次巻線は、第1の可飽和誘導コイル、互いに逆向きに接続した2つの電力ダイオードおよび第2の可飽和誘導コイルで構成された直列回路に接続され、これら2つの電力ダイオードは、整流方向が2つの電力ダイオードとは向きを逆にして互いに逆向きに接続した2つの調整ダイオードによって分路され、前記コンバータはまた、前記二次半巻線の共有ノードと、前記第2の電圧の負電位を支持する前記変換ユニットの出力端子との間に接続された単一の平滑誘導コイルを含み、前記ユニットの、その正電位を支持する出力端子は、前記電力ダイオードの共有ノードに接続され、前記調整器で生成された前記制御電圧は、前記調整ダイオードの共有ノードと、前記負電位を支持する変換ユニットの前記出力端子との間に印加される。
【0019】
上で定義された第1の実施形態に関して、前記平滑誘導コイルは、そのそれぞれの巻線が巻き付けられた共有磁気回路を含み、前記磁気回路は、2つの平滑誘導コイルに共通して付随するエアギャップを有し、前記巻線は、前記磁気回路だけを介して確保された互いとの疎結合を有し、2つの巻線の巻方向は、これら巻線により前記磁気回路中に作り出される、かつ直流成分による磁束が前記エアギャップを同じ方向に通過するようなものである。
【0020】
上述の第2の実施形態に関して、前記変換器の一次巻線は、2つの個別基本磁気回路に巻き付けられて、直列に接続された前記2つの一次半巻線を形成し、これら半巻線のそれぞれは、基本磁気回路上で、前記変換器の二次巻線のそれぞれの半巻線との密結合を有する。この場合、前記基本磁気回路のそれぞれはCの形に作られ、それによってエアギャップを形成し、あるいはトロイドの形状に作ることができる。
【0021】
第1の実施形態の1つの有利な構成によれば、前記平滑誘導コイルの巻線はまた、前記変換器の二次巻線を構成し、これらの巻線のそれぞれは、前記磁気回路上で密に、前記変換器の巻線の半分と共に巻き付けられ、前記2つの半巻線が前記変換器の一次巻線を形成する。
【0022】
本発明の第3の実施形態に関し、前記変換器に、半巻線の2つの個別組が巻き付けられている磁気回路を備えることは有利なことがあり、これらの組は変換器の磁気回路上の別々の場所に配置され、それぞれが一次半巻線および二次半巻線で構成され、各組の半巻線は密結合で巻き付けられる。さらに、単一の誘導コイルは、有利なことにトロイド形の磁気回路を有することができる。
【0023】
さらに、上で定義されたすべての場合で、磁気回路はリング形にできることに注意されたい。
【0024】
本発明はまた、その特徴の様々な実施形態によって上で定義された方法を実施するように設計された、特に衛星用の配電設備にも関する。
【0025】
すなわち、このような設備の第1の実施形態によれば、この設備は、上で定義された、複数の変換ユニットを用いて構築されるDC-DCコンバータを含み、前記変換ユニットは、少なくとも3つのユニットの群に区分され、前記群のそれぞれの変換ユニットは、共有多ラインケーブルによって前記インバータに接続される。
【0026】
このような設備の第2の実施形態によれば、この設備は、多相インバータと、少なくとも3つのユニットからなる少なくとも1つの群として区分された複数の変換ユニットと、各群と結びつけられた、前記調整動作を行う調整器とを含み、ユニットの一群の各変換ユニットは、前記第3の電圧の前記変換工程を行うための変換器を含み、ユニットの一群の変換器は、多ラインケーブルを用いて前記インバータに接続され、前記調整器は、同じ制御電圧を一群のユニットに印加し、変換ユニットの一群において、変換ユニットの各出口は、その群の2つの出力端子に変換ユニットの個々の出力電流の合計を第2の出力電流として供給するために、並列に接続される。
【0027】
その場合、変換ユニットの前記群のそれぞれにおいて、変換ユニットは三角形または星形に接続することができる。
【0028】
第3の実施形態によれば、この設備は、多相インバータと、少なくとも3つのユニットからなる少なくとも1つの群として区分した複数の変換ユニットと、各群と結びつけられた、前記調整動作を行う調整器とを含み、前記第3の電圧の前記変換工程を行うために、ユニットの1つの群の変換ユニットは、多相一次巻線を伴う共有変換器と結びつけられ、かつ群内にある変換ユニットと同数の二次巻線を有し、この変換器は、多ラインケーブルを用いて前記インバータに接続され、前記調整器は、同じ前記制御電圧を一群のユニットに印加し、ならびに、変換ユニットの一群において、変換ユニットの各出力端が、その群の2つの出力端子に変換ユニットの個々の出力電流の合計を第2の出力電流として供給するために、並列に接続される。
【0029】
その場合、平滑誘導コイルが用意されると、変換ユニットの同じ群の変換ユニットに属するこれら平滑誘導コイルは、そのそれぞれの巻線が巻き付けられる共有磁気回路上に有利に一緒にまとめることができ、この磁気回路は単一のエアギャップを有し、これらの巻線の互いの結合は、前記共有磁気回路だけを介して確保され、前記巻線の巻方向は、これらの巻線を流れる直流成分による磁束が前記エアギャップを同じ方向に通過するようになるものである。
【0030】
この設備の最後の代替形態では、有利なことに、変換ユニットの各群において、前記共有磁気回路上に一緒にまとめられた平滑誘導コイルはそれぞれまた、前記単一の変換器の二次巻線として機能することもでき、一次巻線はそれぞれ2つの半巻線に分割され、それぞれが二次巻線のうちの1つに結合され、また2つの半巻線が接続された変換ユニットの平滑誘導コイルとしても機能する。
【0031】
本発明の別の実施形態によれば、設備は、1ユニット当たり1つの割合で複数の二次巻線を含む共有変換器から電力供給される複数の変換ユニットを用いて構築された、少なくとも1つのコンバータを含むことができる。その場合、これらの変換ユニットのそれぞれは、それ自体の調整器を備えることができる。
【0032】
この設備のさらに別の実施形態によれば、設備は、複数の変換ユニットを用いて構築されたコンバータを含むことができ、これら変換ユニットは、共有変換器によって電力供給される変換ユニットの少なくとも1つの群として構成され、共有変換器は、その一次巻線によって前記インバータに接続され、一群内にある変換ユニットと同数の二次巻線を含み、一群の前記変換ユニットの1つは、位相シフト手段がない単交番整流器によって形成されたパイロット変換ユニットとすることができ、前記インバータは調整可能であり、基準電圧信号と、前記パイロット変換ユニットの出力電圧によって決まる信号との差の関連において、前記インバータを調整するように働く調整ループを設けることができ、その場合、一群の他の変換ユニットは、それ自体の調整器を備える。
【0033】
本発明を例示的な諸実施形態に関して、また図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】既に説明された従来技術のDC/DCコンバータの図である。
【図2】既に説明された従来技術のDC/DCコンバータの図である。
【図3】本発明によるDC/DCコンバータの好ましい一実施形態の図であり、図の破線の部分は、コンバータの出力電流を測定する簡単な任意選択の手段を表す。
【図4】図3に示されたコンバータの一部である変換ユニットの動作を曲線で示す図である。
【図5】図3に示された変換ユニットの動作のいくつか他の態様を区分a)乃至f)で示す図である。
【図6】本発明による変換ユニット内で使用できる可飽和誘導コイルの一例を特徴付ける1つの可能な磁束の曲線の一例を電流の関数として示すグラフである。
【図7】制御電圧の曲線を本発明による変換ユニットの出力電圧の関数として示して、変換ユニットの電流制限動作を例示するグラフである。
【図8】2つの異なる電力定格のもとで変換ユニットの動作を例示する図である。
【図9】電圧調整の場合の、図3の実施形態に基づく変換ユニットの実現可能な一代替形態の図である。
【図10】電圧調整の場合の、図3の実施形態に基づく変換ユニットの実現可能な一代替形態の図である。
【図11】電流調整の場合の、図3のタイプのコンバータの概観図である。
【図12】個別の電流調整器を有する、本発明による変換ユニットの一代替形態の図である。
【図13】個別の電流調整器を有する、本発明による変換ユニットの一代替形態の図である。
【図14】平滑誘導コイルが変換器の二次巻線と結合して使用される、本発明による変換ユニットの図である。
【図15】単一の平滑誘導コイルおよび2組の半巻線を備える変換器が使用され、各組が一次半巻線と二次半巻線によって形成され、全体が共用コアに巻かれる、本発明による変換ユニットの図である。
【図16】図3〜15に示された変換ユニットに使用される電磁構成要素を製作するための磁気回路の実現可能な構成の一代替形態である。
【図17】図3〜15に示された変換ユニットに使用される電磁構成要素を製作するための磁気回路の実現可能な構成の一代替形態である。
【図18】図3〜15に示された変換ユニットに使用される電磁構成要素を製作するための磁気回路の実現可能な構成の一代替形態である。
【図19】図3〜15に示された変換ユニットに使用される電磁構成要素を製作するための磁気回路の実現可能な構成の一代替形態である。
【図20】特に図3に示されたタイプの、複数の変換ユニットを用いた本発明によるコンバータを含む、特に通信衛星用の配電設備を示す図であり、変換ユニットは個々にコンバータのインバータに接続されている。
【図21】三相図によりここでは星形に接続された変換ユニットの複数の群に電力供給する三相インバータをコンバータが含む、図20と類似の配電設備を示す図である。
【図22】図21に示されたタイプの配電設備の、ここではその一群だけが示された部分図であり、コンバータのユニットの各群の変換ユニットが三角形に取り付けられている。
【図23】図21および図22に示されたユニットと図が全体的に類似しているが、変換ユニットの各群において単一の共用変換器だけがこれらのユニットに設けられている、変換ユニットを含む配電設備の部分図であり、図の破線の部分は、アセンブリの出力電流を測定する簡単な任意選択の手段を例示する。
【図24】変換ユニットの平滑誘導コイルを製作するのに、コイルが3つの群に分けられる場合に有利に使用できる磁気回路の概略斜視図である。
【図25】共に3つの群に分けられた変換ユニットの平滑誘導コイルを製作するのに適用される場合の、図24の磁気回路の巻線図である。
【図26】図25による巻線図を使用する変換群の簡略図である。
【図27】図14のユニットに従って設計され、図24の磁気回路が使用される3つの変換ユニットを含み、その場合にこの磁気回路がまた、変換二次巻線を同時に形成する平滑誘導コイルの巻線と協働する一次変換巻線も収容する、変換群の巻線図である。
【図28】変換ユニットの出力電圧を調整する別の原理が提示されたコンバータの図である。
【図29】変換ユニットの出力電圧を調整する別の原理が提示されたコンバータの図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
まず、本発明による方法が実施される好ましい実施形態を示す図3を参照する。この場合、DC/DCコンバータは、例えば通信衛星の一次電源バーである直流電流源1から電力供給される。直流入力電圧VceでDC-DC入力電流Iceを供給するこの直流源1は、対称電圧インバータ2に電力を供給し、このインバータの出力端は、とうぎょうしゃ
当業者が「対象ポストレギュレータ」とも称するAC-DC変換ユニットUCaに接続される。この変換ユニットUCaは、単一の巻線で形成された一次巻線3aおよび二次巻線3bを備えた変換器3を含む。この例では、二次巻線3bの巻数nsと一次巻線3aの巻数npの比は、ns/np=2/1とすることができる。
【0036】
二次巻線3bの端子の一方は、第1の可飽和誘導コイルLsat1と第1の平滑誘導コイルLlis1が接続されるノード4に接続される。二次巻線3bのもう一方の端子は、第2の可飽和誘導コイルLsat2と第2の平滑誘導コイルLlis2が接続されるノード5に接続される。
【0037】
可飽和誘導コイルLsat1とLsat2の間に2対のダイオードが挿入される。第1の対は、互いに逆向きに接続した第1の電源ダイオードD1および第2の電源ダイオードD2を含み、そのノード6は、変換ユニットUCaの正出力端子7+に接続され、電力ダイオードD1とD2のカソードどうしが接続される。
【0038】
もう一方のダイオード対は、やはり互いに逆向きに接続した調整ダイオードd1およびd2を含み、そのノード8は、やはり変換ユニットUCaの一部である調整器10の2つの制御出力端9に接続される。調整ダイオードd1とd2のアノードどうしが接続される。
【0039】
調整器10は、2つの調整ブロック10aおよび10bで構成され、一方が出力電圧Vs用、もう一方が出力電流Is用である。調整器10について以下で詳細に説明する。この調整器は、出力電流Isが、最大許容出力電流と考えられる基準電流未満である場合に、調整ブロック10aに依存しうる制御電圧-Vcを供給し、あるいは出力電圧Vsが、過負荷を示す基準電圧未満である場合に、調整ブロック10bに依存しうる制御電圧-Vcを供給する。したがって、2つの調整ブロック10aおよび10bは、同じ制御電圧-Vcによって作動する。
【0040】
平滑誘導コイルLlis1とLlis2は共に接続され、これらのノード11は、変換ユニットUCaの負出端子7-と接続される。コンデンサ12は端子7+と7-の間に接続され、同様にコンデンサ13は調整器10の出力端子7-と出力端子9の間に接続される。平滑誘導コイルは、密結合または疎結合の相互結合Mを有することができる。
【0041】
図4は、一例として、変換器3の変換比ns/np=2/1の場合の、図3の変換ユニットUCaに存在する主な信号の図を示す。図は、この例では出力電圧Vs=10Vで1Aの出力電流Isを出力として生成する(端子7+および7-)変換過程の2つの連続するサイクルを示す。この場合、入力電圧Veは、一次巻線3aで20Vの振幅を有し、二次巻線3bの電圧は40Vの振幅を有する。この場合、調整器10からの制御電流Icは、-17Vの電圧で数mAになる。本発明によれば、これらの条件のもとで、制御電圧Vcにより、入力電流Ieと入力電圧Veの間の位相シフトδを維持して、出力電圧Vsを調整することが可能になる。図4の図は、一例として、これら最後のパラメータと、一方のダイオードD1、d1のノードにかかる電圧(VD1d1)と、もう一方のダイオードD2、d2のノードにかかる電圧(VD2d2)とのそれぞれ示す。明暗の度合いが異なる灰色の各曲線は、図3の明暗の度合いが異なる灰色の各矢印と対応する。もちろん、前述の電圧および電流の値は、一例として提示されたものにすぎない。
【0042】
図5は、図3および図4に示され説明された変換ユニットUCaの例をよりよく説明するためのものである。この図は、
a)は、特に可飽和誘導コイルLsat1に関する、時間の関数として表わされる曲線の図であり、
b)は、特に可飽和誘導コイルLsat2に関する、時間の関数として表わされる曲線の図であり、
c)は、可飽和誘導コイルLsat1の、その端子のところで電流がIsat1、電圧がVsat1である図であり、
d)は、変換ユニットUCaの動作期間の4つの位相1〜4の間にわたる、時間の関数として表わされる電流Isat1の状態であり、
e)は、図5の様々な関係要素が矢印で指し示されている、図3の図を思い出させるものであり、
f)は、可飽和誘導コイルLsat1の理論的ヒステリシス図であり、動作サイクルの4つの位相1〜4の間にわたる、電流Isat1の関数として表わされる可飽和誘導コイルLsat1の磁束Fluxsat1の時間経過に伴う変化を示す。図6は、本発明で使用可能な可飽和誘導コイルに関するこのようなヒステリシス図の実例を示すことに注意されたい。
【0043】
図5のa)およびb)は、変換ユニットUCaの回路のノード4および5にそれぞれ存在する電圧VLsat1およびVLsat2の状態を示し、これらVLsat1およびVLsat2はまた、1つの動作サイクルの間中に可飽和誘電コイルLsat1およびLsat2をそれぞれ通過するその対応する電流Isat1およびIsat2に関してもそれぞれ示されている。
【0044】
この回路の動作は、ダイオードD1、D2、d1およびd2の静電容量の放電時間を無視することによって、アセンブリの電磁要素(変換器3、可飽和誘導コイルLsat1、Lsat2、ならびに平滑誘導コイルLlis1およびLlis2)に存在する総磁束の値が、1つのサイクルからもう1つのサイクルまで、サイクルのどのモーメントでも変化しないはずであるという考え方に基づく。言い換えると、連続する動作サイクルの所与のモーメントに、その磁束についての同じ値が見出される。これは、各サイクル中で、ノード4および5にかかる電圧の正の面積と負の面積は互いに等しいことを示唆し、このことが図5のd)に破線で示されている。さらに、出力電圧Vsは、入力電圧と出力電圧の間の位相シフトの値によって入力電圧Veと直接関係付けられる。したがって、これらの条件のもとで、アセンブリの出力電圧Vsは、調整器10からの制御電圧Vcによって直接調整される。
【0045】
これらの条件は位相シフトを決定し、比1(np=ns)の変換では以下のように表すことができる。異なる変換比については、この比が項Veに掛けられる。
【0046】
【数1】
【0047】
ここで、
δ 入力電圧Veと出力電圧Vsの間の、180°に対する角度比として表された位相シフト
Ve 変換器3の二次巻線3bから供給される電圧
Vs 端子7+と7-における出力電圧
Vc 調整器10からの制御電圧
結果として、
【0048】
【数2】
【0049】
これらの条件のもとで、かつ引き続きダイオードの静電容量を無視すると、
Vs=Ve/2では、Vc=Vs=Ve/2で位相シフト=0
Vs=0では、Vc=0で位相シフト=90°
【0050】
実際の場合には、これらの静電容量の放電時間を考慮に入れると、図7の例で分かるように、関係はより線形になりVeにあまり依存しなくなる。
Vs≒k×Vc
ここでkは約10/17である。
【0051】
この最後の関係は図7の曲線で例示され、これは、VcとVsの関係をインバータでの30Vおよび40Vの直流入力電圧それぞれについて、一定出力電流Isが4Aの状態で示す。(参考までに、この変換比とすれば、電圧Veはこの場合、一次巻線3aで15〜20V、二次巻線3bで30〜40Vである。)
【0052】
図5のd)はまた、動作サイクルの位相3および4の間中に循環する可飽和誘導コイルLsat1およびLsat2の強制電流Icoerが、動作位相1および2の間中に循環する電流の値と比較して、相対的に低い値を有することを示す。結果として、非常に少ないエネルギー量で電流を調整することが可能になる。
【0053】
図5のf)および図6はそれぞれ、可飽和誘導コイルLsat1およびLsat2のヒステリシスサイクルの理論上の形、および実際の形の一例を示す。
【0054】
したがって図4〜6で、本発明による方法により、各サイクルの第1の部分の間中に第1の可飽和誘導コイルの飽和効果のもとで、その誘導コイルと結びつけられた第1の電源ダイオードが確実に導通し、各サイクルの第2の部分の間中に第2の可飽和誘導コイルの飽和効果のもとで、第2の電源ダイオードが確実に導通することを見ることができるようになる。さらに、この方法により、各サイクルの第1の部分の間中に第1の電源ダイオードを導通させることによって第2の電源ダイオードを阻止し、各サイクルの第2の部分の間中に第2の電源ダイオードを導通させることによって第1の電源ダイオードを阻止することが可能になり、最終的に入力電圧と入力電流の間に求められる位相シフトが得られることになる。
【0055】
図8は、a)およびb)のそれぞれで、最小電力Pminおよび最大電力Pmaxで動作する本発明による変換ユニットUCaの一例の主なパラメータの曲線の例を示し、これらのパラメータはそれぞれ、誘導コイルLsat1とダイオードD1およびd1との間のノードの電圧VLsat1/D1d1と、誘導コイルLsat2とダイオードD2およびd2との間のノードの電圧VLsat2/D2d2と、入力電圧Veおよび入力電流Ieとであり、各曲線は、表示された順序で暗い灰色から明るい灰色へと灰色の明暗の度合いを減少させて描かれている。出力電圧Vs、制御電圧Vc、出力電流Isおよび制御電流Icの各値は、電力PminおよびPmaxの2つの場合について図の上に表示されている。後者は、もう一方との比率が1000であることが分かる。
【0056】
図9および図10は、本発明による変換ユニットの2つの実現可能な構成を示し、図9は、図3に示されたUCaを示し、さらに調整器10の電圧を調整するブロック10aのより詳細な図を含む。
【0057】
ブロック10aは、演算増幅器14を含み、その入力端はそれぞれ、ツェナーダイオード16によってノード15に確立された基準電圧Vrefと、調整可能電圧分割器17から来る調整電圧Vajとを受け取る。増幅器14の出力はトランジスタ18を制御し、このトランジスタは、別の直列のトランジスタ19と共に、調整器10の端子9のうちの1つに現れる制御電圧Vcを設定する。図9の場合では、制御電圧Vcは、負出力端子7-の電位を基準として参照される。その場合、可飽和誘導コイルLsat1およびLsat2に送り込まれてその磁束を再確立する電流は正である(いわゆる「リセット」電流)。
【0058】
一方、やはり変換ユニットUCaの代替形態と関連する図10の場合、制御電圧Vcは正出力端子7+の電位を基準として参照され、トランジスタ18と19はそれに応じて接続される。この場合、リセット電流は負である。
【0059】
出力電流Isに関する情報は、調整ブロック10bで制御電圧Vcを作り出せるように、従来は調整ブロック10bの中で得ることができることに注意されたい。
【0060】
しかし、この情報はまた、例えば図3の破線で示された測定回路CMIを使用して、前記出力電流Isに相当する仮想電流を簡単に生成することによって得ることもできる。
【0061】
この回路は、変換器3の二次巻線3bの各端子にそれぞれ接続された2つの直列抵抗R1およびR2を含む。抵抗R1とR2の間の共用ノードは、変換ユニットUCaの端子7-にも接続されているフィルタコンデンサCに接続される一方、他方では調整ブロック10bの入力端9ISに接続される。
【0062】
出力電流Isに相当する仮想電流は、出力Vs電圧と制御Vc電圧の共有点(ここでは出力端子7-)を基準として、二次巻線3bの各端子にかかる2つの電圧をある時間にわたって平均することによって、調整ブロック10b内で取得されうる。
【0063】
図11は、図3の調整器10の電流調整ブロック10bによって行われる出力電流Isの調整の概観図であるが、制御電圧Vcおよび出力電圧Vsについての情報だけによるものである。
【0064】
実のところ、ここで図に示されたタイプの実際の倍電圧回路では、誘導コイルの抵抗およびダイオードの静電容量を考慮に入れると、
【0065】
【数3】
【0066】
と考えることができる。ここで、Rselfは平滑誘導コイルLliss1およびLliss2それぞれの抵抗であり、
kはやはり、現実の挙動、特にダイオードの静電容量の実際の挙動を考慮に入れた定数であり、kは実際には、既に上で示したように、所与のタイプのダイオードで1.7とすることができる。
【0067】
このタイプの電流の推定器に基づいて出力電流Isを調整することを考えることができる。
【0068】
【数4】
【0069】
ここでεは、Vcに基づいて調整される電流の仮想電圧であるが、電圧VsおよびVcが単に情報として用いる。定数kもまた、ここではアセンブリのダイオードの静電容量の関数として設定され、例えば1と3の間の値を取りうる。
【0070】
図11の図は、このような電流調整の原理を示し、基準電圧VirefがRself×Is/2に設定されており、kの値が1.7に等しい。
【0071】
この図11では、図3の図が、説明したばかりの電流制御の原理を実施できる電流調整ブロック10bの概観図と共に示されている。変換ユニットUCaの出力電圧Vsは加算器22の負入力端に加えられ、加算器22はその正入力端で、制御電圧Vcの負の値を受け取るインバータ23、および値kの逆数を与える計算ブロック24から得た値Vc/kを受け取る。
【0072】
加算器22の出力は、別の加算器25の負入力端に伝達され、加算器25は、その正入力端で基準電圧Virefの値を受け取る。その出力がPID調整器26に接続されて値Vcが作り出され、このVcは、反転器27で反転されてコンバータに加えられる。
【0073】
図12は、図11の図に基づくと共に図9に示されたバージョンの変換ユニットを伴う、非常に簡略化された電流制御の実際的な実施形態を示す。
【0074】
図11で22、23および24の記号で表された動作を行う2つの抵抗28および29で構成された電圧分割器が、調整電圧をトランジスタ30に印加し、トランジスタ30は、制御電圧Vcの値を課す一方、それによって、図11で26および27の記号で表された動作を行う。電流推定器に対して選択された比kに応じて、抵抗28および29が、これらの値の比がR28/R29=kでkに等しくなるように選択され、kは一般に1と3の間にありうる。この実施形態は、トランジスタ30の閾電圧に依存するので、調整精度が限定される。
【0075】
この実施形態は、電流に関して制限される変換ユニットを構成し、この変換ユニットはまた、図3の10aで示されたような電圧調整ブロックを備えることもできる。電流制限の値は、次式の関係に対応する。
【0076】
【数5】
【0077】
ここで、Ismaxは変換ユニットの最大出力電流、Vsjはトランジスタ30の閾電圧、Rselfは可飽和誘導コイルLsat1およびLsat2の抵抗である(ここでは図示せず)。
【0078】
電圧の調整と電流の調整を組み合わせた好ましい調整の一実施形態が図13に示されている。これもやはり図11の調整図に基づいているが、今度は図10に示されたバージョンの変換ユニットを伴う。図13の調整器10は演算増幅器31を含み、演算増幅器31は、変換器3の二次巻線3bから2つのダイオードd3およびd4と平滑コンデンサ32を介して電力を供給される。増幅器31の非反転入力端は電圧分割器に接続され、この電圧分割器は、図12の図と全く同様に関連する図11の動作22、23および24を行う抵抗28および29によって形成される。増幅器31の反転入力端は、ツェナーダイオード35により設定される基準電圧Vrefを受け取るように、抵抗33を介して抵抗34とツェナーダイオード35の間のノードに接続される。
【0079】
増幅器31の出力端は、トランジスタ36のベースに接続され、この送信器は、一方でコンバータの正端子7+に抵抗37を用いて接続され、他方では演算増幅器31の反転入力端に、調整器10のPID項を共に形成する抵抗38およびコンデンサ39を用いて接続される。
【0080】
図14は、本発明によるコンバータの、平滑誘導コイルが特別に設計されている変換ユニットUCbの一代替形態を示す。
【0081】
この図で示されるように、ここではそれぞれ参照符号Lalis1およびLalis2で示されたこれらの平滑誘導コイルは、前の各図の変換器3が行うように、入力変換器としても機能する変換器40の二次巻線と組み合わせることができる。この変換器40の一次巻線41の端子41aおよび41bは、ここでは図示されていないインバータに接続されるのに対し、二次巻線は中間点42が付いた巻線を備え、それぞれの二次巻線部分43および44はまた、平滑誘導コイルLalis1およびLalis2の一方を形成し、これら平滑誘導コイルの中間点42の反対側の各端子は、それぞれ参照符号43aおよび44aで示されている。この場合、変換器40の二次巻線43と44は互いに弱い結合Mを有するが、一方で、一次巻線41のそれぞれの半分(ここでは別々に示されていない)とはそれぞれ十分な結合M1およびM2を有し、その見返りとしてコンバータは、既に説明された諸実施形態と同じ挙動をするが、2つの平滑誘導コイルLalis1とLalis2の直列回路内を循環する電流の交流成分を制限するという、したがって平滑誘導コイルそれぞれの電流スパイクを制限するという、付加的な利益を伴う。
【0082】
図15は、変換器45を含む変換ユニットUCcの別の代替形態を示し、変換器45の一次巻線46は、端子46cおよび46dを用いてインバータ(図示せず)の出力端に直列に接続された2つの半巻線46aと46bに分割されている。この変換器45はまた、直列に接続された2つの半巻線47aおよび47bからやはり形成された二次巻線47を含む。半巻線46a〜47aおよび46b〜47bの対はそれぞれ、矢印csaおよびcsbで示された互いとの密結合を有する。
【0083】
したがって、半巻線の各対は、変換器45の磁気回路の別々の場所に置かれた46a、47aおよび46b、47bそれぞれの2つ別々の組を形成する。
【0084】
半巻線46aと46bの巻線数は等しく(npを一次巻線46の総巻線数とすると、各巻線数はそれぞれnp/2に等しい)、同様に半巻線47aと47bの巻線数は等しく(nsを二次巻線の総巻線数とすると、各巻線数はそれぞれns/2に等しい)、所望の変圧比で必然的にnpおよびnsの値が決まる。
【0085】
二次巻線47の中間点47cは単一の平滑誘導コイル48に接続され、前記ノード47cは、平滑誘導コイル48を介して前記アセンブリの出力端子7-に接続される。ダイオードD1、D2、d1およびd2の構成、ならびに可飽和誘導コイルLsat1およびLsat2の構成は、前記の図のものと同じであり、誘導コイルはそれぞれ、半巻線47aおよび47bの端部端子47dおよび47eに接続される。
【0086】
もちろん、図14および図15には示されていないが、これらの図の変換ユニットUCbおよびUCcは、変換ユニットUCaに関して図3で示されたものと同様に、インバータ2および調整ブロック10aおよび/または10bに接続することができる。
【0087】
図16〜19は、これまでに説明された様々な変換ユニットUCa〜UCcで使用できる平滑誘導コイルおよび/または変換器の4つの実現可能な代替形態を示す。
【0088】
まず、図16は、図3および図9〜13の変換ユニットUCaで使用できる平滑誘導コイルLlis1およびLlis2の有利な一実施形態を示す。この場合、誘導コイルは、磁性材料から作られた共用コア49cに巻かれたそれぞれの巻線49a、49bにより形成される。コア49cは概して、巻線49aおよび49bがそれぞれ巻かれる外側枝路49dおよび49eのそばに横に並べて置かれた2つのEの形をしており、これらの内側の各枝路は、その間にエアギャップ49fが形成されるような長さを有する。このアセンブリの巻線49aおよび49bは、ユニットUCaに挿入されると同時に、図16に示されたノード4、5および11に接続される。
【0089】
図17〜19に示された代替形態は、図14または図15の変換ユニットUCbおよびUCcにさらに特定して使用するためのものである。
【0090】
図14の図に関してさらに特定して使用するためのものである図17の代替形態では、変換器40は、2つの別個の基本磁気回路51および52を含み、これらは磁性材料でCの形状に作られ、それによってエアギャップ51aおよび52aを形成する。これらのコア51および52の中心枝路51bおよび52bは、それぞれ2つの半巻線を支持する。すなわち、中心枝路51bは一次巻線41の半分を支持し、この巻線は、中心枝路52bに巻かれたその巻線のもう片方の半分と直列に接続され、これらの端子41aおよび41bはインバータに接続される。これら半分の一次巻線41のそれぞれは、二次半巻線43および44の一方とそれぞれ結合される。その場合、これら半巻線はそれぞれ、二次半巻線としても平滑誘導コイルLalis1、Lalis2としても機能する。図17はまた、これら二次半巻線43および44の端子42、および43a、44aを示す。
【0091】
図14の図および図15の図両方に適用可能な図18の代替形態では、変換器40または45は、図16のコア49cと同じ形状の一体成形コア53を備える。この構成が図14のアセンブリの変換器40を製作するために使用される場合は、このコア53の外側枝路53aおよび53bはそれぞれ、一次巻線41の二半分を支持し、これら二半分と変換器40の二次巻線の半巻線43および44とがそれぞれ一緒に巻かれる。後者はここでまた、両方の平滑誘導コイルLalis1およびLalis2を形成する。さらに、コア53はエアギャップ53cを備える。エアギャップ53cを画定する中心枝路の断面は、外側枝路53aおよび53bの断面の合計と等しいことに注意してもよい。図18はまた、様々な巻線の端子に対する参照符号を図14に示されるように表示している。
【0092】
さらに、図18には、図15の変換器45を構成する要素に関する参照符号が括弧内に示されている。
【0093】
図19は、図15の変換ユニットで使用できる磁気構成要素の特に有利な一実施形態を示す。
【0094】
この場合、変換器45は、半巻線46a、46b、47aおよび47bのそれぞれの対が巻かれるリング形の磁気回路を含み、誘導コイル48は、その巻線が巻かれるトロイド61を含む。この場合にはまた、磁気コアは、磁化電流の低減、したがって損失の低減、を可能にする高い透磁率を備え、一方で、図15に示された一次巻線と二次巻線の間に密結合を備えなければならない。図19には、巻線の様々な端子の参照符号もまた提示されている。
【0095】
図16〜19の磁気回路のすべては、様々な方法で作ることができる。例えば、I形閉鎖部片付きのE形コア、平面型幾何学的配置のコアおよびコイル、リング形のコア、その他を考えることができる。上記の情報から、これら代替形状の電磁要素を製作することは、当業者の知識の範囲内にある。上述の諸代替形態はすべて、磁気回路の製作の際に鉄を節減すること、かつ/または平滑誘導コイルを流れる循環電流(電流の直流成分)を低い値まで低減して、電流見積りを少なくし、したがって損失を少なくすることを目的とする。
【0096】
図20は、上記の、図10に示されたものより具体的かつ好ましく説明された諸代替形態のいずれかにより構築された複数のコンバータを使用する配電設備の第1の例を示す。
【0097】
この設備は、例えば、通信衛星に有利に組み込むことができ、変換ユニット70a〜70nは、衛星内の様々な箇所に存在する様々なエネルギー消費装置に可能な限り近接して設けられる。その場合、ユニット70a〜70nのすべては、衛星の電源サブシステムの、調整されることもされないこともある、一次電源バーなどの共有直流源1から電力供給され、電源サブシステムは、やはりすべてのユニットによって共有されているインバータ2に給電する。次に、各ユニットは、個別の2本ケーブル71a〜71nを用いて前記インバータ2に並列に接続される。
【0098】
図21は、図20に関して上述したタイプの配電設備の第2の例を示す。しかし、この場合はインバータ2aが設けられ、インバータ2aは、直流源1からの直流電流を三相電流に変換し、この三相電流は前記インバータから、変換ユニットと同じ数の群74に接続された3本ケーブル73a〜73nに供給されるが、ここではケーブル73aに接続された群だけが示されている。図20の場合と同様に、変換ユニットは、前述したものすべての代替形態により構築することができる。
【0099】
ここで変換ユニットの群74は三相型のものであり、したがって、いつも3つのユニット75a、75bおよび75cを図示されていない個別の入力変換器と共に有し、この入力変換器の一次巻線は、この例のように星形アセンブリとして接続され、あるいは図22の例のように三角形アセンブリとして接続される。この最後の図は、図21のものとも同じ回路を示し、この回路の変換ユニット上流に位置する部分は、図面を簡単にするために省略されている。両方の場合で、それぞれの群74の変換ユニット75a、75bおよび75cの端子76aおよび76bに設けられる各直流出力端は、並列に接続される。その場合、制御電圧Vcは共有調整器10で生成することができ、共有調整器は、この電圧を群の3つのユニットに端子77を用いて並列に印加する。
【0100】
3本ケーブル73a〜73nは、変換ユニットの変換器の一次巻線に、配線のインダクタンスをオフセットするように働くコンデンサ78(図22では見えない)を用いて接続されることにも注意されたい。
【0101】
図23の図は、本発明による設備の別の代替形態を示し、図はやはり、図面を簡単にするために単一の変換群だけを示す。図21および図22の代替形態と同様に、変換ユニットは、3つの変換ユニット81a、81b、および81cそれぞれからなる群80として組み合わされるが、これは、前記のように、電力供給されるべきデバイス(例えば、衛星)内の様々な箇所に存在する個数nの同じ群をそのエネルギー消費装置に可能な限り近接して設けることが可能であると理解してのことである。しかし、目下の場合では、変換ユニットの各群80は、ここでは三相一次巻線82aを備える単一の多相入力変換器82を含み、この三相一次巻線は、ここで図示のように星形に、または三角形に、図21および図22に示されるコンバータの上流部分(特に、インバータおよび配線)に接続することができる。
【0102】
変換器82は、ここでは概説していない3つの独立した二次巻線82b、82cおよび82dを備え、これらはそれぞれ、前述した変換ユニットのそれぞれの図による3つの変換ユニット81a、81bおよび81cからなるアセンブリに電力を供給する。
【0103】
群80の3つのユニット81a、81bおよび81cの直流出力端は、端子83aおよび83bに並列に接続され、この群の共有調整器10で生成された制御電圧Vcは、群80の3つのユニットに並列に印加される。
【0104】
図3に示された基本変換ユニットの場合と同様に、この調整器10は、例えば出力電流Isに相当する仮想電流による、電流制限または電流調整を実施することができる。この目的のために、ここでは測定セルCMIを設けることができる。この回路は、変換器82の二次巻線82b、82c、82dごとに2つの直列抵抗Ra〜Rfを含む。これらの抵抗は、図23に示されるように、その端子ca〜cfによってそれぞれの二次巻線に接続され、これらの反対側の各端子は、共にフィルタコンデンサC、および調整器10の電流調整入力端9ISに接続される。コンデンサCはまた、その群の出力端子83bにも接続される。こうして集められた交流電圧は、調整器10内で平均される。
【0105】
平滑誘導コイルの単相実施形態に関して図16に示された実施形態から発想を得て、別の代替実施形態により、変換ユニットの群の三相実施形態の場合に、エアギャップ49fに対し図16で行われたように、1つのエアギャップを共有することによって平滑誘導コイルのすべての巻線を一緒にすることもまた可能である。
【0106】
このような磁気回路90が図24の概略斜視図に示されている。
【0107】
この磁気回路は、長方形の基板92と共に概してE形の断面を有する磁気部片91を含み、その面の一方から、基板の小縁部に配置された外側ポスト92a〜92fが延びる。中心脚92gがまた、前記基板92の上に立っており、基板の幅全体にわたってポスト92a〜92fの間の中間部に延びている。
【0108】
ポストはすべて同じ断面を有し、またすべてが中心脚92gよりわずかに長い同じ長さを有し、中心脚の断面は、ポスト92a〜92fの断面の合計と等しい。磁気部片91は磁束閉鎖板93によって完成し、この磁束閉鎖板は、基板92と同じ寸法を有し、該当する場合にはまた、中心脚92gに中心が置かれた、中心脚を完全に覆うと共に単一のエアギャップ95を画定する中心リブ94を基板に向いた面に備える(図25および図27参照)。
【0109】
磁気ユニット91を用いると、いくつかの代替実施形態を形成することが可能であり、図25および図26は、これらの代替形態の最初の1つを示すが、これは図25が、磁気行路を示すことだけを目的として磁気回路の二次元だけの概略図であると理解してのことである。したがって、この図は、電磁気アセンブリの構築の現実を反映していない。
【0110】
この場合、各変換群100は、ここで「オーバーラップ状態の」と称する3つの変換ユニット102a、102bおよび102cで構成されたアセンブリ101を含むが、これは、これら3つのユニットに共有電磁アセンブリ103が結びついていると踏まえたものであり、電磁アセンブリ103は、その平滑誘導コイルを図24に示された磁気回路90を使用して形成する。この群100のアセンブリ101は、単一の三相変換器104から電力供給される。群100など、これらの群のいくつかは電気設備を構成することができ、その場合、変換器104は、共有インバータに接続することができ、あるいはそれぞれを別のインバータに接続することができる。この群は、端子105aおよび105bに直流出力電圧を供給し、また前述のタイプの調整器10と結びつけられる。
【0111】
磁気ユニット90は、図26で、「オーバーラップ状態の」変換ユニット102a、102bおよび102cと関連付けて示されている。
【0112】
変換器104の二次巻線はそれぞれ、接続部ca〜cfに接続され、これらの接続部は図25にも示されている。各接続部は巻線端部96a〜96fに接続され、巻線はそれぞれ、磁気回路90のポスト92a〜92fに巻き付けられ、それぞれが、対応する変換ユニット102a、102bおよび102cに属する平滑誘導コイルを形成する。巻線96a〜96fの巻方向は、巻線を流れる直流成分による磁束がエアギャップ95を同じ方向に通過するようになる方向である。
【0113】
三相変換群の平滑誘導コイルのすべてに使用される単一磁気ユニットの利点は、電流、大きさおよび重量の改善からなり、この改善は、人工衛星の環境において特に望ましい。
【0114】
90などの共有磁気回路を使用して変換器と一体化された平滑誘導コイルを形成する別の代替実施形態が、図27に示されている。この代替形態の図は、図14に示された単相のものの三相バージョンと同等であり、変換ユニットが入力変換器を含み、その二次巻線が平滑誘導コイルとしても機能する。
【0115】
その場合、少なくとも1つの群110が3つの変換ユニット110a、110bおよび110cを備え、その平滑誘導コイルは、磁気回路のポスト92a、92d; 92b、92e; 92c、92fにそれぞれ巻き付けられたそれぞれの半巻線111a、111d; 111b、111e; 111c、111fによって形成される。これらの巻線はまた、コンバータの変換器(ここでは全体的に参照符号111で示す)の二次巻線を形成し、これらはすべて、コンバータの、正端子に参照符号113aが付いている出力端の負端子113bに接続された共有中間点112(図14の中間点42と同等)を有する。
【0116】
この代替形態の1つの特に有利な設計によれば、磁気回路のポスト92a〜92fのまわりには半巻線111a〜111fだけでなく、それぞれの半巻線114a、114d; 114b、114e; 114c、114fも巻き付けられ、その付随する対は、変換器111の一次巻線の対応する部分になる。これら付随する対の各半巻線は、相互接続部115によって互いに接続される。
【0117】
こうして構築された図27の変換器111は、三相インバータ(ここでは図示せず)に三角形または星形に接続することができる。変換器111の一次巻線の外部接続部を参照符号ex1a、ex1b、ex2a、ex2b、ex3aおよびex3bで示すと、三角形アセンブリは、接続部ex1aおよびex3bを相1に、接続部ex2aおよびex1bを相2に、ならびに接続部ex3aおよびex2bを相3に接続することによって得られる。星形アセンブリは、接続部ex1aを相1に、接続部ex2aを相2に、接続部ex3aを相3に、かつ接続部ex1b、ex2bおよびex3bを中間点に接続することによって得られる。
【0118】
三相バージョンにおける上述の代替形態のすべてはまた、上述の本発明の概念を適用することによって、多相バージョン(すなわち四相以上)でも実施することができる。当業者には、このような多相代替形態を、上述の三相バージョンを相応に適合させることによって理解することができよう。
【0119】
三相または多相の代替形態の利点は大きい。
【0120】
まず、同じ動作周波数に対し、多相では、残差反転(residual inversion)の周波数が単相アセンブリで生じる2.fに対してこの場合増加するとすれば、フィルタデバイスのサイズを低減することが可能である。この残差反転の周波数は2.n.fになり、nは多相群の変換ユニットの数である。
【0121】
さらに、本発明による設備の多相設計では、使用されるダイオード、可飽和誘導コイルおよび平滑誘導コイルなどの電力構成要素の単位電力(unit power)を増加させることなく設備の電力を増加させることが可能になる。この結果、設備の所与の総電力に対して、重量、大きさおよびコストが低減することになる。
【0122】
最後に、多相バージョンはより優れた故障許容性を有する。というのは、1つまたは複数の相が機能しない機能低下モードであっても、多相設備が依然として動作することができるからであるが、エネルギー消費装置の動作低下を防ぐことはしない。これは、通信衛星では特別な利点になりうる。
【0123】
図28は、本発明によるコンバータの調整の1つの実現可能な構成を示し、調整されないインバータ120が、単相モードで3つの二次巻線123a、123bおよび123cを備える変換器122の一次巻線121に電力供給する。二次巻線はそれぞれ、例えば図3の原理により設計された3つの変換ユニット124a、124bおよび124cに接続される。図28の場合、これらの各変換ユニットは、例えば図3および図9の調整器10のように構築できる、それ自体の調整器125a、125bおよび125cと結びつけられる。独立した基準電圧Vrefa、VrefbおよびVrefcはそれぞれ、これらの調整器それぞれに印加されて、ここでは比較要素126および増幅器127で記号化されている調整ループに基準が与えられる。このようにして、各変換ユニットは、そこに加えられる負荷との関係において、それ自体の出力電圧を調整する。
【0124】
図29は、別の調整例を示し、本発明によるコンバータが、ここでは調整されるインバータ130を含む。このインバータは、3つの変換ユニット134a、134bおよび134cにそれぞれ接続された3つの二次巻線133a、133b、133cを有する変換器132の一次巻線131に電力供給し、ユニット134bおよび134cは、例えば図3に示されたものに従って製作される。これらの変換ユニットは、例えば図9の図を用いて、図28の調整器125b〜125cと同様に設計された調整器135bおよび135cと結びつけられる。これらの調整器は、基準電圧VrefbおよびVrefcを受け取る。
【0125】
変換ユニット134aは、電力ダイオードD1およびD2と、平滑誘導コイルLliss1およびLliss2とを含む簡単な倍電流整流器である。この変換ユニットの出力電圧Vsaは、比較要素136で基準電圧Vrefaと比較され、比較要素136は、調整されるインバータ130への調整信号を生成し、この調整信号は、例えば光カプラなどの直流電気分離デバイス137と、例えばPID型の誤差増幅器138とを用いてインバータまで伝達される。この増幅器の出力は、こうしてインバータ130の基準電圧を形成する。
【0126】
図29による設備では、インバータ130を制御する調整は、例えば設備の充電の変動による出力電圧Vsaの変動との相関関係において行われる。この調整では、インバータ130の動作定格(operating rating)を制御して、出力電圧Vsaを正確に決定し、他の変換ユニットの出力電圧を「交差調整」によって「大まかに」決定する。調整器135bおよび135cは、変換ユニット134bおよび134cの出力電圧の微妙な調整を行う。
【0127】
図28および図29に示された調整解決策には、既に前述したものとやはり同様に、一般にコンバータの出力電圧が損失のある安定抵抗を使用して調整される従来の解決策とは対照的に、顕著なエネルギー損失なしで動作するという大きい利点がある。
【0128】
本発明による変換方法およびDC-DCコンバータは、回転変圧器型のデバイスに有利に実施することができ、可動部分に配置された要素によってだけ調整される直流電源を簡単に実現することができる。空間適用例では、このような変圧器は、損耗をきたしやすいままである、接触を伴う回転ブラシ集電体に有利に取って代わることができる。
【0129】
これらの回転変圧器は一般に、機械的な観点から実施するのが困難である。本発明によるコンバータを使用すると、このコンバータは、完全に分離された二次側の調整を保証しながら、単一の二次巻線しか必要としないので、これらの使用上の困難を低減することが可能になる。
【0130】
本発明によるDC-DCコンバータはまた、無接触電力伝達システムに組み込むこともでき、具体的には、例えば電気自動車用の無接触バッテリ充電システムに組み込むことができる。この場合、コンバータの一次巻線は、二次巻線が再充電されるべきバッテリに接続されるように、固定構造体に組み込まれる。
【0131】
本発明によるコンバータは、二次巻線から送出される電圧を監視するその能力により、一次側の電圧および電流の変動に関係なく、基準電圧および電流に従ってバッテリ充電の監視を保証できるようにする。
【0132】
さらに、前の説明で使用された「インバータ」という語は、交流電圧を発生できるあらゆるデバイスを広く包含し、また特定の一実施形態では発電機を意味することもあることを理解されたい。
【0133】
本発明によるコンバータは、航空学または風力エネルギーの分野で有利に使用することができる。
【符号の説明】
【0134】
1 共有直流源
2 インバータ
3 変換器
3a 一次巻線
3b 二次巻線
4 ノード
5 ノード
6 ノード
7+ 正出力端子
7- 負出力端子
8 ノード
9 制御出力端
9IS 入力端
10 調整器
10a 調整ブロック
10b 調整ブロック
11 ノード
12 コンデンサ
13 コンデンサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のそれぞれの値を有する第1の直流電圧(Vce)および第1の直流電流(Ice)を送出するエネルギー源(1)から得られた電気を、第2のそれぞれの値を有する第2の直流電圧(Vs)および第2の直流電流(Is)の出力の電気に変換する方法であって、
a)第1の電流(Ice)をインバータ工程(2)に印加して、単相または多相である、第3の電圧(Ve)の第3の交流電流(Ie)を形成するステップと、
b)変換工程(3)により前記第3の電圧(Ve)の値、またはその各位相の値を変化させて、前記第2の値を有する少なくとも1つの変換された電圧を得る一方で、同時に、前記変換された電圧の電流が、第1および第2の可飽和誘導コイル(Lsat1、Lsat2)を使用して磁気スイッチングされながら、少なくとも1つの変換ユニットで整流されるステップとから構成され、
c)前記可飽和誘導コイル(Lsat1、Lsat2)が、前記第1の可飽和誘導コイル(Lsat1)、互いに逆向きに接続した第1および第2の電力ダイオード(D1、D2)、および前記第2の可飽和誘導コイル(Lsat2)で構成された直列整流回路に接続され、前記2つの電力ダイオード(D1、D2)が、整流方向が前記2つの電力ダイオード(D1、D2)とは向きを逆にして互いに逆向きに接続した2つの調整ダイオード(d1、d2)によって分路され、
d)前記直列回路が、前記変換された電圧を受け取るように、また前記電気を前記第2の直流電流(Is)の少なくとも一部の形として送出するように接続され、前記方法がさらに、
e)前記変換された電圧の各サイクルの間中、前記第2の電圧(Vs)の変動の関数として生成された制御電圧(Vc)を前記調整ダイオード(d1、d2)を介して注入することによって、前記磁気スイッチングのモーメントを調整するステップ(10)と、
f)前記サイクルのそれぞれの第1の部分に対し、前記第1の可飽和誘導コイル(Lsat)の飽和効果のもとで、前記第1の電力ダイオード(D1)の導通を制御するステップと、関係したサイクルそれぞれの第2の部分に対し、前記第2の可飽和誘導コイル(Lsat2)の飽和効果のもとで、前記第2の電力ダイオード(D2)の導通を制御するステップとから構成され、飽和モーメントが、そのサイクルの期間において前記制御電圧(Vc)の関数として決定され、
前記方法が、
g)前記サイクルの前記第1の部分の間中、前記第1の電力ダイオード(D1)を導通させることによって前記第2の電力ダイオード(D2)を阻止し、考察した前記サイクルの前記第2の部分の間中、前記第2の電力ダイオード(D2)を導通させることによって前記第1の電力ダイオード(D1)を阻止して、前記第3の電圧(Ve)と前記第3の電流(Ie)の間、またはその各相の電圧と電流の間の位相シフト(δ)を生じさせるステップからも構成され、前記位相シフト角が前記制御電圧(Vc)によって決まること、ならびに前記方法ステップb)、e)、f)およびg)が、該当する場合には、前記第3の電圧(Ve)の各相に対して実施されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記変換された電圧に直列に接続された少なくとも1対の平滑誘導コイル(Lliss1、Lliss2)を使用して前記整流された電流を平滑化するステップからも構成され、前記第2の電圧(Vs)が前記電力ダイオード間のノードと、1対の前記平滑誘導コイル(Lliss1、Lliss2)間の前記ノード(11)とから引き出されることを特徴とする、請求項1に記載の変換方法。
【請求項3】
前記制御電圧(Vc)を前記第2の電流(Is)の前記少なくとも一部分の関数として決定するステップからも構成されることを特徴とする、請求項1および2のいずれか一項に記載の変換方法。
【請求項4】
前記制御電圧(Vc)が、単相の場合には、前記可飽和誘導コイル(Lsat1、Lsat2)の前記電力ダイオード(D1およびD2)に接続された端子と反対側の端子(4、5)それぞれと、前記第2の電圧(Vs)と前記制御電圧(Vc)に共に用いられる基準点(7-)との間で取得された2つの電圧のフィルタリングされた平均値から取得される、または多相の場合には、すべての相におけるこれらの電圧のフィルタリングされた平均値の組から取得される、前記第2の電流(Is)に相当する仮想電流の関数として決定されることを特徴とする、請求項3に記載の変換方法。
【請求項5】
前記制御電圧(Vc)の決定が、Vc/k-Vsという形式の前記第2の電流(Is)に相当する仮想電流により行われ、Vcが前記第3の電圧、kが1と3の間に存在する定数であることを特徴とする、請求項3に記載の変換方法。
【請求項6】
前記制御電圧(Vc)が、前記第2の電圧(Vs)の正電位を基準として参照されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の変換方法。
【請求項7】
前記制御電圧(Vc)が、前記第2の電圧(Vs)の負電位を基準として参照されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の変換方法。
【請求項8】
インバータ(2)、変換ユニット(UCa)および調整器(10)を含むことを特徴とする、請求項2から7のいずれか一項に記載の方法を実施するDC-DCコンバータであって、前記変換ユニット(UCa)が、前記インバータ(2)に接続された一次巻線(3a)、および第1の可飽和誘導コイル(Lsat1)で構成された直列回路に端部が接続された二次巻線(3b)を備える変換器と、互いに逆向きに接続した2つの電力ダイオード(D1、D2)と、第2の可飽和誘導コイル(Lsat2)とを含み、前記2つの電力ダイオード(D1、D2)が、整流方向が前記2つの電力ダイオード(D1、D2)とは向きを逆にして互いに逆向きに接続した2つの調整ダイオード(d1、d2)によって分路され、前記変換ユニット(UCa)がまた、2つの平滑誘導コイル(Llis1、Llis2)から形成され前記変換器(3)の前記二次巻線(3b)に並列に接続された第2の直列回路を含み、前記第2の電圧(Vs)が、前記電力ダイオード(D1、D2)の共有ノード(6)と前記平滑誘導コイル(Llis1、Llis2)の共有ノード(11)の間で取得され、前記調整器(10)で生成された前記制御電圧(Vc)が、前記調整ダイオード(d1、d2)の共有ノード(8)と前記平滑誘導コイル(Llis1、Llis2)の共有ノード(11)の間に印加される、DC-DCコンバータ。
【請求項9】
インバータ(2)、変換ユニット(UCb)および調整器(10)を含むことを特徴とする、請求項1と合わせて請求項3から7のいずれか一項に記載の方法を実施するDC-DCコンバータであって、前記変換ユニット(UCb)が、前記インバータ(2)に接続された一次巻線(41)、および第1の可飽和誘導コイル(Lsat1)で構成された第1の直列回路に端部(43a、44a)が接続された二次巻線(43、44)を備える変換器(40)と、互いに逆向きに接続した2つの電力ダイオード(D1、D2)と、第2の可飽和誘導コイル(Lsat2)とを含み、前記2つの電力ダイオード(D1、D2)が、整流方向が前記2つの電力ダイオード(D1、D2)とは向きを逆にして互いに逆向きに接続した2つの調整ダイオード(d1、d2)によって分路され、前記変換器の二次巻線が2つの半巻線(43、44)で構成され、これら2つの半巻線(43、44)が、その間に弱い磁気結合(M)を有し、かつそれぞれが前記変換器(40)の前記一次巻線(41)の半分と好ましくは強くそれぞれ結合され(M1、M2)、その見返りとして、前記半巻線がそれぞれ、前記変換のための半二次巻線としても、平滑誘導コイル(Lalis1、Lalis2)としても機能し、前記第2の電圧(Vs)が、前記電力ダイオード(D1、D2)の前記共有ノード(6)と前記変換器(40)の前記半巻線(43、44)の共有ノード(42)との間で取得され、前記調整器(10)で生成された前記制御電圧(Vc)が、前記調整ダイオード(d1、d2)の前記共有ノード(8)と、前記電力ダイオード(D1、D2)間の前記共有ノード(6)との間に印加される、DC-DCコンバータ。
【請求項10】
インバータ(2)、変換ユニット(UCc)および調整器(10)を含むことを特徴とする、請求項1と合わせて請求項3から7のいずれか一項に記載の方法を実施するDC-DCコンバータであって、前記変換ユニット(UCc)が、前記インバータ(2)に接続され直列接続の2つの一次半巻線(46a、46b)で構成された一次巻線(46)と、やはり直列接続の2つの半巻線(47a、47b)で構成された二次巻線(47)とを備える変換器(45)を含み、前記一次巻線の前記半巻線(46a、46b)がそれぞれ、前記二次巻線の前記半巻線(47a、47b)と共に、互いに密に結合(csa、csb)された一次半巻線と二次半巻線でそれぞれ構成された対を形成し、前記一次巻線(46)が前記インバータ(2)に接続され、前記二次巻線(47)が、第1の可飽和誘導コイル(Lsat1)、互いに逆向きに接続した2つの電力ダイオード(D1、D2)および第2の可飽和誘導コイル(Lsat2)で構成された直列回路に接続され、前記2つの電力ダイオード(D1、D2)が、整流方向が前記2つの電力ダイオード(D1、D2)とは向きを逆にして互いに逆向きに接続した2つの調整ダイオード(d1、d2)によって分路され、前記コンバータがまた、前記二次半巻線の共有ノード(47c)と、前記第2の電圧(Vs)の負電位を支持する前記変換ユニット(UCc)の出力端子(7-)との間に接続された単一の平滑誘導コイル(48)を含み、前記ユニットの、その前記正電位を支持する前記出力端子(7+)が、前記電力ダイオード(D1、D2)の共有ノード(6)に接続され、前記調整器(10)で生成された前記制御電圧(Vc)が、前記調整ダイオード(d1、d2)の共有ノード(8)と、前記負電位を支持する前記変換ユニット(UCc)の前記出力端子(7-)との間に印加される、DC-DCコンバータ。
【請求項11】
前記平滑誘導コイル(Lliss1、Lliss2)が、そのそれぞれの巻線(49a、49b)が巻き付けられた共有磁気回路(49c)を含み、前記磁気回路が、前記2つの平滑誘導コイル(Lliss1、Lliss2)に共通して付随するエアギャップ(49f)を有し、前記巻線(49a、49b)が、前記磁気回路(49c)だけを介して確保された互いとの疎結合を有し、前記2つの巻線(49a、49b)の巻方向が、これら巻線により前記磁気回路(49c)中に作り出される、かつ直流成分による磁束が前記エアギャップ(49f)を同じ方向に通過するようなものであることを特徴とする、請求項8に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項12】
前記変換器(40)の一次巻線(41)が、2つの個別基本磁気回路(51〜52)に巻き付けられて、直列に接続された前記2つの一次半巻線(41)を形成し、これら半巻線のそれぞれが、基本磁気回路(51〜52)上で、前記変換器(40)の二次巻線のそれぞれの半巻線(43〜44)との密結合(M1、M2)を有することを特徴とする、請求項9に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項13】
前記基本磁気回路(51〜52)のそれぞれがCの形に作られ、それによってエアギャップ(51a〜52a)を形成し、あるいはトロイドの形状に作られることを特徴とする、請求項12に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項14】
前記平滑誘導コイル(Lalis1、Lalis2)の前記巻線(43、44)がまた、前記変換器(40)の二次巻線を構成すること、ならびに、これらの巻線(43、44)のそれぞれが前記磁気回路(49c)上で密に、前記変換器(40)の巻線の半分(41b)と共に巻き付けられ、前記2つの半巻線が前記変換器の一次巻線を形成することを特徴とする、請求項11に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項15】
前記変換器(45)が、半巻線の2つの個別組(46a、47a; 46b、47b)が巻き付けられている磁気回路(53、60)を含み、これらの組が前記磁気回路(53、60)上の別々の場所に配置され、それぞれが一次半巻線(46a、46b)および二次半巻線(47a、47b)で構成され、各組の半巻線が密結合で巻き付けられることを特徴とする、請求項10に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項16】
前記磁気回路がリング形であることを特徴とする、請求項11、14および15のいずれか一項に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項17】
前記単一の誘導コイル(48)がリング形の磁気回路(61)を含むことを特徴とする、請求項10に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項18】
請求項8から17のいずれか一項に記載の複数のコンバータ(70a〜70n)を含み、前記インバータ(2)が前記コンバータ(70a〜70n)のすべてで共有されることを特徴とする、特に衛星用の配電設備。
【請求項19】
請求項1から7のいずれか一項に記載の方法を実施するように設計された、特に衛星用の配電設備であって、多相インバータ(2a)と、少なくとも3つのユニットからなる少なくとも1つの群(74)として区分された複数の変換ユニット(75a、75b、75c)と、各群と結びつけられた、前記調整動作を行う調整器(10)とを含むこと、ユニットの一群(74)の各変換ユニットが、前記第3の電圧(Ve)の前記変換工程を行うための変換器を含み、前記ユニットの一群(74)の変換器が多ラインケーブル(73a〜73n)を用いて前記インバータ(2a)に接続されていること、前記調整器(10)が同じ前記制御電圧(Vc)を一群(74)の前記ユニットに印加すること、ならびに、変換ユニットの一群(74)において、変換ユニットの各出口が、その群の2つの出力端子(76a、76b)に変換ユニットの個々の出力電流の合計を第2の出力電流(Is)として供給するために、並列に接続されていることを特徴とする、配電設備。
【請求項20】
変換ユニット(75a、75b、75c)の前記群(74)のそれぞれにおいて、変換ユニットを前記インバータ(2a)に三角形または星形に接続できることを特徴とする、請求項19に記載の配電設備。
【請求項21】
請求項1から7のいずれか一項に記載の方法を実施するように設計された、特に衛星用の配電設備であって、多相インバータと、少なくとも3つのユニットからなる少なくとも1つの群(80; 100; 110)として区分された複数の変換ユニット(81a、81b、81c; 102a、102b、102c; 110a、110b、110c)と、各群と結びつけられた、前記調整動作を行う調整器(10)とを含むこと、前記第3の電圧(Ve)の前記変換工程を行うために、ユニットの1つの群(80; 100; 110)の変換ユニット(81a、81b、81c; 102a、102b、102c; 110a、110b、110c)が、多相一次巻線を伴う共有変換器(82; 104; 111)と結びつけられ、かつ前記群内にある変換ユニット(81a、81b、81c; 102a、102b、102c; 110a、110b、110c)と同数の二次巻線を有し、この変換器(82; 104; 111)が多ラインケーブルを用いて前記インバータ(2a)に接続されること、前記調整器(10)が、同じ前記制御電圧(Vc)を一群(80; 100; 110)の前記ユニットに印加すること、ならびに、変換ユニット(81a、81b、81c; 102a、102b、102c; 110a、110b、110c)の一群において、変換ユニットの各出力端が、その群の2つの出力端子(83a、83b; 105a、105b; 113a、113b)に変換ユニットの個々の出力電流の合計を第2の出力電流(Is)として供給するために、並列に接続されていることを特徴とする、配電設備。
【請求項22】
請求項2から7のいずれか一項に記載の方法を実施することを目的とする場合に、請求項21に記載の、特に衛星用の配電設備であって、変換ユニットの同じ群(102)の変換ユニット(102a、102b、102c)に属する平滑誘導コイルを、そのそれぞれの巻線(96a〜96f)が巻き付けられる共有磁気回路(90)上に有利に一緒にまとめることができ、この磁気回路(90)が単一のエアギャップ(95)を有し、これらの巻線の互いの結合が、前記共有磁気回路(90)だけを介して確保され、前記巻線の巻方向が、これらの巻線を流れる直流成分による磁束が前記エアギャップ(95)を同じ方向に通過するようになるものであることを特徴とする、配電設備。
【請求項23】
請求項22に記載の、特に衛星用の配電設備であって、変換ユニット(110a、110b、110c)の各群(110)において、前記共有磁気回路(90)上に一緒にまとめられた前記平滑誘導コイルがそれぞれまた、前記単一の変換器(111)の二次巻線(111a〜111f)として機能することもでき、前記一次巻線(114a〜114f)がそれぞれ2つの半巻線に分割され、それぞれが前記二次巻線のうちの1つに結合され、また2つの半巻線が接続された変換ユニット(110a、110b、110c)の平滑誘導コイルとしても機能することを特徴とする、配電設備。
【請求項24】
特に衛星用の配電設備であって、1ユニット当たり1つの割合で複数の二次巻線(123a、123b、123c; 133a、133b、133c)を含む共有変換器(122; 132)から電力供給される複数の変換ユニット(124a、124b、124c; 134a、134b、134c)を用いて構築された、請求項6から11のいずれか一項に記載の少なくとも1つのコンバータを含むことを特徴とする、配電設備。
【請求項25】
前記変換ユニット(124a、124b、124c)のそれぞれが、それ自体の調整器(125a、125b、125c)を備える、請求項24に記載の配電設備。
【請求項26】
特に衛星用の配電設備であって、
複数の変換ユニット(134a、134b、134c)を用いて構築された、請求項6から11のいずれか一項に記載の少なくとも1つのコンバータを含み、変換ユニット(134a、134b、134c)が、共有変換器(132)によって電力供給される変換ユニットの少なくとも1つの群として構成され、共有変換器(132)が、その一次巻線(131)によって前記インバータ(130)に接続され、一群内にある変換ユニットと同数の二次巻線(133a、133b、133c)を含むこと、
一群の前記変換ユニットの1つ(134a)を、位相シフト手段がない単交番整流器によって形成されたパイロット変換ユニットとすることができること、
前記インバータ(130)が調整可能であること、
前記設備が、基準電圧信号(Vrefa)と、前記パイロット変換ユニット(134a)の出力電圧(Vsa)によって決まる信号との差の関連において、前記インバータ(130)を調整するように働く調整ループ(136)を含むこと、ならびに、
その場合、一群の他の変換ユニット(134b〜134c)が、それ自体の調整器(135b〜135c)を備えることを特徴とする、配電設備。
【請求項1】
第1のそれぞれの値を有する第1の直流電圧(Vce)および第1の直流電流(Ice)を送出するエネルギー源(1)から得られた電気を、第2のそれぞれの値を有する第2の直流電圧(Vs)および第2の直流電流(Is)の出力の電気に変換する方法であって、
a)第1の電流(Ice)をインバータ工程(2)に印加して、単相または多相である、第3の電圧(Ve)の第3の交流電流(Ie)を形成するステップと、
b)変換工程(3)により前記第3の電圧(Ve)の値、またはその各位相の値を変化させて、前記第2の値を有する少なくとも1つの変換された電圧を得る一方で、同時に、前記変換された電圧の電流が、第1および第2の可飽和誘導コイル(Lsat1、Lsat2)を使用して磁気スイッチングされながら、少なくとも1つの変換ユニットで整流されるステップとから構成され、
c)前記可飽和誘導コイル(Lsat1、Lsat2)が、前記第1の可飽和誘導コイル(Lsat1)、互いに逆向きに接続した第1および第2の電力ダイオード(D1、D2)、および前記第2の可飽和誘導コイル(Lsat2)で構成された直列整流回路に接続され、前記2つの電力ダイオード(D1、D2)が、整流方向が前記2つの電力ダイオード(D1、D2)とは向きを逆にして互いに逆向きに接続した2つの調整ダイオード(d1、d2)によって分路され、
d)前記直列回路が、前記変換された電圧を受け取るように、また前記電気を前記第2の直流電流(Is)の少なくとも一部の形として送出するように接続され、前記方法がさらに、
e)前記変換された電圧の各サイクルの間中、前記第2の電圧(Vs)の変動の関数として生成された制御電圧(Vc)を前記調整ダイオード(d1、d2)を介して注入することによって、前記磁気スイッチングのモーメントを調整するステップ(10)と、
f)前記サイクルのそれぞれの第1の部分に対し、前記第1の可飽和誘導コイル(Lsat)の飽和効果のもとで、前記第1の電力ダイオード(D1)の導通を制御するステップと、関係したサイクルそれぞれの第2の部分に対し、前記第2の可飽和誘導コイル(Lsat2)の飽和効果のもとで、前記第2の電力ダイオード(D2)の導通を制御するステップとから構成され、飽和モーメントが、そのサイクルの期間において前記制御電圧(Vc)の関数として決定され、
前記方法が、
g)前記サイクルの前記第1の部分の間中、前記第1の電力ダイオード(D1)を導通させることによって前記第2の電力ダイオード(D2)を阻止し、考察した前記サイクルの前記第2の部分の間中、前記第2の電力ダイオード(D2)を導通させることによって前記第1の電力ダイオード(D1)を阻止して、前記第3の電圧(Ve)と前記第3の電流(Ie)の間、またはその各相の電圧と電流の間の位相シフト(δ)を生じさせるステップからも構成され、前記位相シフト角が前記制御電圧(Vc)によって決まること、ならびに前記方法ステップb)、e)、f)およびg)が、該当する場合には、前記第3の電圧(Ve)の各相に対して実施されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記変換された電圧に直列に接続された少なくとも1対の平滑誘導コイル(Lliss1、Lliss2)を使用して前記整流された電流を平滑化するステップからも構成され、前記第2の電圧(Vs)が前記電力ダイオード間のノードと、1対の前記平滑誘導コイル(Lliss1、Lliss2)間の前記ノード(11)とから引き出されることを特徴とする、請求項1に記載の変換方法。
【請求項3】
前記制御電圧(Vc)を前記第2の電流(Is)の前記少なくとも一部分の関数として決定するステップからも構成されることを特徴とする、請求項1および2のいずれか一項に記載の変換方法。
【請求項4】
前記制御電圧(Vc)が、単相の場合には、前記可飽和誘導コイル(Lsat1、Lsat2)の前記電力ダイオード(D1およびD2)に接続された端子と反対側の端子(4、5)それぞれと、前記第2の電圧(Vs)と前記制御電圧(Vc)に共に用いられる基準点(7-)との間で取得された2つの電圧のフィルタリングされた平均値から取得される、または多相の場合には、すべての相におけるこれらの電圧のフィルタリングされた平均値の組から取得される、前記第2の電流(Is)に相当する仮想電流の関数として決定されることを特徴とする、請求項3に記載の変換方法。
【請求項5】
前記制御電圧(Vc)の決定が、Vc/k-Vsという形式の前記第2の電流(Is)に相当する仮想電流により行われ、Vcが前記第3の電圧、kが1と3の間に存在する定数であることを特徴とする、請求項3に記載の変換方法。
【請求項6】
前記制御電圧(Vc)が、前記第2の電圧(Vs)の正電位を基準として参照されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の変換方法。
【請求項7】
前記制御電圧(Vc)が、前記第2の電圧(Vs)の負電位を基準として参照されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の変換方法。
【請求項8】
インバータ(2)、変換ユニット(UCa)および調整器(10)を含むことを特徴とする、請求項2から7のいずれか一項に記載の方法を実施するDC-DCコンバータであって、前記変換ユニット(UCa)が、前記インバータ(2)に接続された一次巻線(3a)、および第1の可飽和誘導コイル(Lsat1)で構成された直列回路に端部が接続された二次巻線(3b)を備える変換器と、互いに逆向きに接続した2つの電力ダイオード(D1、D2)と、第2の可飽和誘導コイル(Lsat2)とを含み、前記2つの電力ダイオード(D1、D2)が、整流方向が前記2つの電力ダイオード(D1、D2)とは向きを逆にして互いに逆向きに接続した2つの調整ダイオード(d1、d2)によって分路され、前記変換ユニット(UCa)がまた、2つの平滑誘導コイル(Llis1、Llis2)から形成され前記変換器(3)の前記二次巻線(3b)に並列に接続された第2の直列回路を含み、前記第2の電圧(Vs)が、前記電力ダイオード(D1、D2)の共有ノード(6)と前記平滑誘導コイル(Llis1、Llis2)の共有ノード(11)の間で取得され、前記調整器(10)で生成された前記制御電圧(Vc)が、前記調整ダイオード(d1、d2)の共有ノード(8)と前記平滑誘導コイル(Llis1、Llis2)の共有ノード(11)の間に印加される、DC-DCコンバータ。
【請求項9】
インバータ(2)、変換ユニット(UCb)および調整器(10)を含むことを特徴とする、請求項1と合わせて請求項3から7のいずれか一項に記載の方法を実施するDC-DCコンバータであって、前記変換ユニット(UCb)が、前記インバータ(2)に接続された一次巻線(41)、および第1の可飽和誘導コイル(Lsat1)で構成された第1の直列回路に端部(43a、44a)が接続された二次巻線(43、44)を備える変換器(40)と、互いに逆向きに接続した2つの電力ダイオード(D1、D2)と、第2の可飽和誘導コイル(Lsat2)とを含み、前記2つの電力ダイオード(D1、D2)が、整流方向が前記2つの電力ダイオード(D1、D2)とは向きを逆にして互いに逆向きに接続した2つの調整ダイオード(d1、d2)によって分路され、前記変換器の二次巻線が2つの半巻線(43、44)で構成され、これら2つの半巻線(43、44)が、その間に弱い磁気結合(M)を有し、かつそれぞれが前記変換器(40)の前記一次巻線(41)の半分と好ましくは強くそれぞれ結合され(M1、M2)、その見返りとして、前記半巻線がそれぞれ、前記変換のための半二次巻線としても、平滑誘導コイル(Lalis1、Lalis2)としても機能し、前記第2の電圧(Vs)が、前記電力ダイオード(D1、D2)の前記共有ノード(6)と前記変換器(40)の前記半巻線(43、44)の共有ノード(42)との間で取得され、前記調整器(10)で生成された前記制御電圧(Vc)が、前記調整ダイオード(d1、d2)の前記共有ノード(8)と、前記電力ダイオード(D1、D2)間の前記共有ノード(6)との間に印加される、DC-DCコンバータ。
【請求項10】
インバータ(2)、変換ユニット(UCc)および調整器(10)を含むことを特徴とする、請求項1と合わせて請求項3から7のいずれか一項に記載の方法を実施するDC-DCコンバータであって、前記変換ユニット(UCc)が、前記インバータ(2)に接続され直列接続の2つの一次半巻線(46a、46b)で構成された一次巻線(46)と、やはり直列接続の2つの半巻線(47a、47b)で構成された二次巻線(47)とを備える変換器(45)を含み、前記一次巻線の前記半巻線(46a、46b)がそれぞれ、前記二次巻線の前記半巻線(47a、47b)と共に、互いに密に結合(csa、csb)された一次半巻線と二次半巻線でそれぞれ構成された対を形成し、前記一次巻線(46)が前記インバータ(2)に接続され、前記二次巻線(47)が、第1の可飽和誘導コイル(Lsat1)、互いに逆向きに接続した2つの電力ダイオード(D1、D2)および第2の可飽和誘導コイル(Lsat2)で構成された直列回路に接続され、前記2つの電力ダイオード(D1、D2)が、整流方向が前記2つの電力ダイオード(D1、D2)とは向きを逆にして互いに逆向きに接続した2つの調整ダイオード(d1、d2)によって分路され、前記コンバータがまた、前記二次半巻線の共有ノード(47c)と、前記第2の電圧(Vs)の負電位を支持する前記変換ユニット(UCc)の出力端子(7-)との間に接続された単一の平滑誘導コイル(48)を含み、前記ユニットの、その前記正電位を支持する前記出力端子(7+)が、前記電力ダイオード(D1、D2)の共有ノード(6)に接続され、前記調整器(10)で生成された前記制御電圧(Vc)が、前記調整ダイオード(d1、d2)の共有ノード(8)と、前記負電位を支持する前記変換ユニット(UCc)の前記出力端子(7-)との間に印加される、DC-DCコンバータ。
【請求項11】
前記平滑誘導コイル(Lliss1、Lliss2)が、そのそれぞれの巻線(49a、49b)が巻き付けられた共有磁気回路(49c)を含み、前記磁気回路が、前記2つの平滑誘導コイル(Lliss1、Lliss2)に共通して付随するエアギャップ(49f)を有し、前記巻線(49a、49b)が、前記磁気回路(49c)だけを介して確保された互いとの疎結合を有し、前記2つの巻線(49a、49b)の巻方向が、これら巻線により前記磁気回路(49c)中に作り出される、かつ直流成分による磁束が前記エアギャップ(49f)を同じ方向に通過するようなものであることを特徴とする、請求項8に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項12】
前記変換器(40)の一次巻線(41)が、2つの個別基本磁気回路(51〜52)に巻き付けられて、直列に接続された前記2つの一次半巻線(41)を形成し、これら半巻線のそれぞれが、基本磁気回路(51〜52)上で、前記変換器(40)の二次巻線のそれぞれの半巻線(43〜44)との密結合(M1、M2)を有することを特徴とする、請求項9に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項13】
前記基本磁気回路(51〜52)のそれぞれがCの形に作られ、それによってエアギャップ(51a〜52a)を形成し、あるいはトロイドの形状に作られることを特徴とする、請求項12に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項14】
前記平滑誘導コイル(Lalis1、Lalis2)の前記巻線(43、44)がまた、前記変換器(40)の二次巻線を構成すること、ならびに、これらの巻線(43、44)のそれぞれが前記磁気回路(49c)上で密に、前記変換器(40)の巻線の半分(41b)と共に巻き付けられ、前記2つの半巻線が前記変換器の一次巻線を形成することを特徴とする、請求項11に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項15】
前記変換器(45)が、半巻線の2つの個別組(46a、47a; 46b、47b)が巻き付けられている磁気回路(53、60)を含み、これらの組が前記磁気回路(53、60)上の別々の場所に配置され、それぞれが一次半巻線(46a、46b)および二次半巻線(47a、47b)で構成され、各組の半巻線が密結合で巻き付けられることを特徴とする、請求項10に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項16】
前記磁気回路がリング形であることを特徴とする、請求項11、14および15のいずれか一項に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項17】
前記単一の誘導コイル(48)がリング形の磁気回路(61)を含むことを特徴とする、請求項10に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項18】
請求項8から17のいずれか一項に記載の複数のコンバータ(70a〜70n)を含み、前記インバータ(2)が前記コンバータ(70a〜70n)のすべてで共有されることを特徴とする、特に衛星用の配電設備。
【請求項19】
請求項1から7のいずれか一項に記載の方法を実施するように設計された、特に衛星用の配電設備であって、多相インバータ(2a)と、少なくとも3つのユニットからなる少なくとも1つの群(74)として区分された複数の変換ユニット(75a、75b、75c)と、各群と結びつけられた、前記調整動作を行う調整器(10)とを含むこと、ユニットの一群(74)の各変換ユニットが、前記第3の電圧(Ve)の前記変換工程を行うための変換器を含み、前記ユニットの一群(74)の変換器が多ラインケーブル(73a〜73n)を用いて前記インバータ(2a)に接続されていること、前記調整器(10)が同じ前記制御電圧(Vc)を一群(74)の前記ユニットに印加すること、ならびに、変換ユニットの一群(74)において、変換ユニットの各出口が、その群の2つの出力端子(76a、76b)に変換ユニットの個々の出力電流の合計を第2の出力電流(Is)として供給するために、並列に接続されていることを特徴とする、配電設備。
【請求項20】
変換ユニット(75a、75b、75c)の前記群(74)のそれぞれにおいて、変換ユニットを前記インバータ(2a)に三角形または星形に接続できることを特徴とする、請求項19に記載の配電設備。
【請求項21】
請求項1から7のいずれか一項に記載の方法を実施するように設計された、特に衛星用の配電設備であって、多相インバータと、少なくとも3つのユニットからなる少なくとも1つの群(80; 100; 110)として区分された複数の変換ユニット(81a、81b、81c; 102a、102b、102c; 110a、110b、110c)と、各群と結びつけられた、前記調整動作を行う調整器(10)とを含むこと、前記第3の電圧(Ve)の前記変換工程を行うために、ユニットの1つの群(80; 100; 110)の変換ユニット(81a、81b、81c; 102a、102b、102c; 110a、110b、110c)が、多相一次巻線を伴う共有変換器(82; 104; 111)と結びつけられ、かつ前記群内にある変換ユニット(81a、81b、81c; 102a、102b、102c; 110a、110b、110c)と同数の二次巻線を有し、この変換器(82; 104; 111)が多ラインケーブルを用いて前記インバータ(2a)に接続されること、前記調整器(10)が、同じ前記制御電圧(Vc)を一群(80; 100; 110)の前記ユニットに印加すること、ならびに、変換ユニット(81a、81b、81c; 102a、102b、102c; 110a、110b、110c)の一群において、変換ユニットの各出力端が、その群の2つの出力端子(83a、83b; 105a、105b; 113a、113b)に変換ユニットの個々の出力電流の合計を第2の出力電流(Is)として供給するために、並列に接続されていることを特徴とする、配電設備。
【請求項22】
請求項2から7のいずれか一項に記載の方法を実施することを目的とする場合に、請求項21に記載の、特に衛星用の配電設備であって、変換ユニットの同じ群(102)の変換ユニット(102a、102b、102c)に属する平滑誘導コイルを、そのそれぞれの巻線(96a〜96f)が巻き付けられる共有磁気回路(90)上に有利に一緒にまとめることができ、この磁気回路(90)が単一のエアギャップ(95)を有し、これらの巻線の互いの結合が、前記共有磁気回路(90)だけを介して確保され、前記巻線の巻方向が、これらの巻線を流れる直流成分による磁束が前記エアギャップ(95)を同じ方向に通過するようになるものであることを特徴とする、配電設備。
【請求項23】
請求項22に記載の、特に衛星用の配電設備であって、変換ユニット(110a、110b、110c)の各群(110)において、前記共有磁気回路(90)上に一緒にまとめられた前記平滑誘導コイルがそれぞれまた、前記単一の変換器(111)の二次巻線(111a〜111f)として機能することもでき、前記一次巻線(114a〜114f)がそれぞれ2つの半巻線に分割され、それぞれが前記二次巻線のうちの1つに結合され、また2つの半巻線が接続された変換ユニット(110a、110b、110c)の平滑誘導コイルとしても機能することを特徴とする、配電設備。
【請求項24】
特に衛星用の配電設備であって、1ユニット当たり1つの割合で複数の二次巻線(123a、123b、123c; 133a、133b、133c)を含む共有変換器(122; 132)から電力供給される複数の変換ユニット(124a、124b、124c; 134a、134b、134c)を用いて構築された、請求項6から11のいずれか一項に記載の少なくとも1つのコンバータを含むことを特徴とする、配電設備。
【請求項25】
前記変換ユニット(124a、124b、124c)のそれぞれが、それ自体の調整器(125a、125b、125c)を備える、請求項24に記載の配電設備。
【請求項26】
特に衛星用の配電設備であって、
複数の変換ユニット(134a、134b、134c)を用いて構築された、請求項6から11のいずれか一項に記載の少なくとも1つのコンバータを含み、変換ユニット(134a、134b、134c)が、共有変換器(132)によって電力供給される変換ユニットの少なくとも1つの群として構成され、共有変換器(132)が、その一次巻線(131)によって前記インバータ(130)に接続され、一群内にある変換ユニットと同数の二次巻線(133a、133b、133c)を含むこと、
一群の前記変換ユニットの1つ(134a)を、位相シフト手段がない単交番整流器によって形成されたパイロット変換ユニットとすることができること、
前記インバータ(130)が調整可能であること、
前記設備が、基準電圧信号(Vrefa)と、前記パイロット変換ユニット(134a)の出力電圧(Vsa)によって決まる信号との差の関連において、前記インバータ(130)を調整するように働く調整ループ(136)を含むこと、ならびに、
その場合、一群の他の変換ユニット(134b〜134c)が、それ自体の調整器(135b〜135c)を備えることを特徴とする、配電設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a)】
【図8b)】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a)】
【図8b)】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
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【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公表番号】特表2013−512649(P2013−512649A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540484(P2012−540484)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際出願番号】PCT/FR2010/052529
【国際公開番号】WO2011/067519
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(500201613)センタ・ナショナル・デチュード・スパティアレ (5)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際出願番号】PCT/FR2010/052529
【国際公開番号】WO2011/067519
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(500201613)センタ・ナショナル・デチュード・スパティアレ (5)
【Fターム(参考)】
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