説明

直液式筆記具

【課題】長期間使用してもペン先からのインキ漏れがない直液式筆記具の提供。
【解決手段】蛇腹状のインキ滞留部品1を有する直液式筆記具10であり、少なくとも前記蛇腹状のインキ滞留部品が、(A)ポリアミド系樹脂20〜95質量%と、(B)スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂から選ばれた少なくとも1種80〜5質量%とを含む樹脂組成物からなるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールペン、万年筆等の直液式筆記具に使用する樹脂組成物と、それを用いた直液式筆記具に関する。
【背景技術】
【0002】
水性インキを使用するボールペン、万年筆等の直液式筆記具は、構成部品として、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂からなる蛇腹状のインキ滞留部品を有している。このインキ滞留部品には、インキの濡れ性が良いことが求められており、濡れ性が悪いと、使用中にペン先からのインキ漏れが生じて使用者の手を汚したり、紙を汚したりする等の問題が発生する。
【0003】
特許文献1には、インキ保留部材2の表面に界面活性剤や親水性物質の薄い皮膜を形成する方法、インキ保留部材2の表面にエッチング処理や析出物等で凸凹面を形成する方法等が記載されている。
【0004】
特許文献2には、直液式筆記具の樹脂部品(インキ滞留部14bを含むペン芯14)の濡れ性向上のためのエッチング処理として、硫酸を主剤として無水クロム酸及びリン酸からなるエッチング液を使用することが記載されているが、同文献にも記載のとおり、前記エッチング液は毒性が強いという問題がある。
【0005】
特許文献3には、直液性筆記具の樹脂部品〔複数の羽状溝で筆記具内部の内圧を調整するための調節体であるコレクター(インキ保留体)2b等〕の濡れ性改質方法として、塩酸、硝酸、クロム酸混液等の酸やアルカリで化学的処理する方法等が記載されている。
【0006】
特許文献4には、インク保留部材が永久帯電防止性熱可塑性樹脂からなる直液式筆記具が記載されているが、インキ漏れ等の問題の解決には十分ではない。
【特許文献1】特開平8−156481号公報
【特許文献2】特開平9−315079号公報
【特許文献3】特開平11−268470号公報
【特許文献4】特開2005−88289号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、有害なクロム酸によるエッチング処理、その他の改質処理をすることなく、長期間使用してもペン先からのインキ漏れのない直液式筆記具を製造できる、直液式筆記具の水性インキと接触する部品用の樹脂組成物を提供することを課題とする。
【0008】
また本発明は、有害なクロム酸によるエッチング処理、その他の改質処理をすることなく、長期間使用してもペン先からのインキ漏れのない直液式筆記具を提供することを他の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、課題の解決手段として、(A)ポリアミド系樹脂20〜95質量%と、(B)スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂から選ばれた少なくとも1種80〜5質量%とを含む、直液式筆記具の水性インキと接触する部品用の樹脂組成物を提供する。
【0010】
請求項4の発明は、他の課題の解決手段として、水性インキを使用する直液式筆記具であり、前記直液式筆記具の水性インキと接触する部品が、(A)ポリアミド系樹脂20〜95質量%と、(B)スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂から選ばれた少なくとも1種80〜5質量%とを含む樹脂組成物からなるものである直液式筆記具を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の樹脂組成物は、それから得られる成形体の濡れ性が良い。このため、前記樹脂組成物により形成された水性インキと接触する部品(好ましくは蛇腹状のインキ滞留部品)は、従来技術のようなエッチング処理等の濡れ性の改善処理をすることなく、濡れ性が向上されている。よって、前記部品を有する直液式筆記具は、製造工程にてエッチング処理等の濡れ性の改善処理をする必要が無く、長期間使用した場合でもペン先からのインキ漏れが発生することが著しく抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
<直液式筆記具の水性インキと接触する部品用の樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、直液式筆記具の水性インキと接触する部品用であり、本発明の課題を解決するためには、少なくとも蛇腹状のインキ滞留部品用であることが好ましい。
【0013】
本発明の樹脂組成物で製造される「蛇腹状のインキ滞留部品」は、水性インキを用いた直液式筆記具における周知の部品で、図1に示すインキ滞留部品1のようなものであり、特許文献1における「インキ保留部材2」、特許文献2における「インキ滞留部14b」、特許文献3における「コレクター(インキ保留体)2b」と同じものである。
【0014】
〔(A)成分〕
(A)成分のポリアミド系樹脂としては、ナイロン66、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン6・10)、ポリヘキサメチレンドデカナミド(ナイロン6・12)、ポリドデカメチレンドデカナミド(ナイロン1212)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)及びこれらの混合物や共重合体;ナイロン6/66、6T成分が50モル%以下であるナイロン66/6T(6T:ポリヘキサメチレンテレフタラミド)、6I成分が50モル%以下であるナイロン66/6I(6I:ポリヘキサメチレンイソフタラミド)、ナイロン6T/6I/66、ナイロン6T/6I/610等の共重合体;ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリ(2−メチルペンタメチレン)テレフタルアミド(ナイロンM5T)、ポリ(2−メチルペンタメチレン)イソフタルアミド(ナイロンM5I)、ナイロン6T/6I、ナイロン6T/M5T等の共重合体を挙げることができ、そのほかアモルファスナイロンのような共重合ナイロンでもよく、アモルファスナイロンとしてはテレフタル酸とトリメチルヘキサメチレンジアミンの重縮合物等を挙げることができる。
【0015】
更に、環状ラクタムの開環重合物、アミノカルボン酸の重縮合物及びこれらの成分からなる共重合体、具体的には、ナイロン6、ポリ−ω−ウンデカナミド(ナイロン11)、ポリ−ω−ドデカナミド(ナイロン12)等の脂肪族ポリアミド樹脂及びこれらの共重合体、ジアミン、ジカルボン酸とからなるポリアミドとの共重合体、具体的にはナイロン6T/6、ナイロン6T/11、ナイロン6T/12、ナイロン6T/6I/12、ナイロン6T/6I/610/12等及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0016】
ポリアミド系樹脂としては、上記の中でもPA(ナイロン)6、PA(ナイロン)66、PA(ナイロン)6/66が好ましい。
【0017】
〔(B)成分〕
(B)成分は、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂から選ばれた少なくとも1種である。
【0018】
スチレン系樹脂は、スチレン及びα置換、核置換スチレン等のスチレン誘導体の重合体を挙げることができる。また、これら単量体を主として、これらとアクリロニトリル、アクリル酸並びにメタクリル酸のようなビニル化合物及び/又はブタジエン、イソプレンのような共役ジエン化合物の単量体から構成される共重合体も含まれる。例えばポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、スチレン−メタクリレート共重合体(MS樹脂)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBS樹脂)等を挙げることができる。
【0019】
また、ポリスチレン系樹脂として、ポリアミド系樹脂との相溶性や反応性を上げるためのカルボキシル基含有不飽和化合物が共重合されているスチレン系共重合体を含んでもよい。カルボキシル基含有不飽和化合物が共重合されているスチレン系共重合体は、ゴム質重合体の存在下に、カルボキシル基含有不飽和化合物及び必要に応じてこれらと共重合可能な他の単量体を重合してなる共重合体である。
【0020】
成分を具体的に例示すると、
1)カルボキシル基含有不飽和化合物を共重合したゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニルモノマーを必須成分とする単量体あるいは芳香族ビニルとカルボキシル基含有不飽和化合物とを必須成分とする単量体を重合して得られたグラフト重合体、
2)ゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニルとカルボキシル基含有不飽和化合物とを必須成分とする単量体を共重合して得られたグラフト共重合体、
3)カルボキシル基含有不飽和化合物が共重合されていないゴム強化スチレン系樹脂とカルボキシル基含有不飽和化合物と芳香族ビニルとを必須成分とする単量体の共重合体との混合物、
4)上記1)、2)とカルボキシル基含有不飽和化合物と芳香族ビニルとを必須とする共重合体との混合物、
5)上記1)〜4)と芳香族ビニルを必須成分とする共重合体との混合物がある。
【0021】
上記1)〜5)において、芳香族ビニルとしてはスチレンが好ましく、また芳香族ビニルと共重合する単量体としてはアクリロニトリルが好ましい。
【0022】
カルボキシル基含有不飽和化合物は、スチレン系樹脂中、好ましくは10〜50質量%である。
【0023】
オレフィン系樹脂は、炭素数2〜8のモノオレフィンを主たる単量体成分とする重合体であり、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテン−1、これらの変性物等から選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。
【0024】
〔(C)成分〕
本発明の樹脂組成物は、上記(A)及び(B)成分に加えて、これらの樹脂の相溶化剤として作用する成分として、(C)成分のマレイミド系モノマー単位を有する重合体を含有することができる。(C)成分のマレイミド系モノマー単位を有する重合体は、マレイミド系モノマー単位の重合体でもよいし、マレイミド系モノマー単位と他のモノマー単位との共重合体でもよい。
【0025】
マレイミド系モノマー単位となるマレイミド系モノマーは、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−トルイルマレイミド、N−キシリールマレイミド、N−ナフチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−オルトクロルフェニルマレイミド、N−オルトメトキシフェニルマレイミドから選ばれる1又は2以上のものが好ましい。
【0026】
他のモノマー単位となるモノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルケトン、t−ブチルスチレン等の芳香族ビニル系化合物、無水マレイン酸、無水メチルマレイン酸、無水1,2−ジメチルマレイン酸、無水エチルマレイン酸、無水フェニルマレイン等の不飽和ジカルボン酸無水物等を挙げることができる。
【0027】
マレイミド系モノマー単位を有する重合体は、マレイミド系モノマー、芳香族ビニルモノマー、不飽和ジカルボン酸無水物モノマーからなる共重合体が好ましい。この3種のモノマーを組み合わせる場合には、下記の割合であることが好ましい。
【0028】
マレイミド系モノマー単位の割合は、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは30〜60質量%、更に好ましくは40〜55質量%であり;芳香族ビニル系モノマー単位の割合は、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは30〜60質量%、更に好ましくは40〜55質量%であり;不飽和ジカルボン酸無水物モノマー単位の割合は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%、更に好ましくは0.5〜3質量%である。
【0029】
(C)成分は、(B)成分としてポリアミド系樹脂との相溶性や反応性を上げるためのカルボキシル基含有不飽和化合物が共重合されているスチレン系共重合体を使用するときは、前記スチレン系共重合体と併用してもよいし、前記スチレン系共重合体の代わりに使用してもよい。
【0030】
本発明の樹脂組成物中、
(A)成分の含有割合は20〜95質量%であり、好ましくは40〜90質量%、より好ましくは45〜80質量%、更に好ましくは50〜75質量%であり;
(B)成分の含有割合は80〜5質量%であり、好ましくは60〜10質量%、より好ましくは55〜20質量%、更に好ましくは50〜25質量%である。
【0031】
本発明の樹脂組成物で(C)成分のマレイミド系モノマー単位を有する重合体を含有させるときは、(A)及び(B)成分の合計100質量部に対して、(C)成分は1〜50質量部が好ましく、3〜30質量部がより好ましく、5〜15質量部が更に好ましい。
【0032】
本発明の樹脂組成物は、課題を解決できる範囲内において、上記(A)、(B)、(C)成分に加えて、公知の各種添加剤を含有することができる。公知の添加剤としては、可塑剤、熱又は光安定剤、加工助剤、酸化防止剤、顔料等の着色剤、繊維状又は粉末状の充填材等を挙げることができる。
【0033】
<直液式筆記具>
本発明の直液式筆記具は、水性インキと接触する部品が上記樹脂組成物からなるものであり、本発明の課題を解決するためには、前記部品が、少なくとも上記した蛇腹状のインキ滞留部品であることが好ましい。
【0034】
本発明の直液式筆記具は、例えば、図2に示すようなボールペン10にすることができる。ボールペン10は、本体11内に、本発明のインキ滞留部品1が組み込まれている。12は中綿、13はジョイント部、14はテーパー部、15はチップである。水性インキは、インキ滞留部品1と接触した状態で収容されている。
【0035】
本発明の直液式筆記具で用いる水性インキは公知のものであり、主溶剤である水、着色剤、必要に応じて他の成分を含有するもので、一般的には表面張力が40dyn/cm前後のものである。
【0036】
着色剤としては、酸性染料、直接染料塩基性染料等の染料、アゾ系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料、建て染め染料系顔料、媒染染料系顔料及び天然染料系顔料等の有機系顔料、黄土、バリウム黄、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、弁柄、鉄黒、カーボンブラック等を挙げることができる。
【0037】
その他の成分としては、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ガーガム、キサンタンガム、ヒアルロン酸等の多糖類からなる粘度調整剤;界面活性剤;エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等の水溶性有機溶剤;防錆剤、防黴・防腐剤、アスコルビン酸、コウジ酸、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、ピロガロール、タンニン酸、没食子酸等のポリフェノール類等の還元性化合物を挙げることができる。
【0038】
また、着色剤として顔料を用いた場合には、顔料を安定に分散させるための分散剤として、スチレンアクリル酸塩、スチレンマレイン酸塩等の水溶性樹脂や水可溶性樹脂、アニオン系又はノニオン系の界面活性剤等を用いることができる。
【0039】
本発明の直液式筆記具は、水性インキと接触する部品(好ましくは蛇腹状のインキ滞留部品)が上記した(A)及び(B)成分、更に必要に応じて(C)成分等を含む樹脂組成物からなるものであるため、適度な濡れ性を発揮することができる。このため、(A)成分単独からなるもののように濡れ性が大きくなりすぎ、インキの出方が悪くなることはなく、逆に(B)成分単独であるもののように濡れ性が小さくなりすぎ、インキ漏れが生じてしまうこともない。
【実施例】
【0040】
実施例及び比較例
表1に示す各成分をV型タンブラーで混合後、二軸押出機(日本製鋼製,TEX30,シリンダー温度230℃)にて溶融混練し、樹脂組成物のペレットを得た。
【0041】
次に、射出成形機(シリンダー温度240℃、金型温度60℃)により、図1で示す蛇腹状のインキ滞留部品1を射出成形した。得られた蛇腹状のインキ滞留部品1を図2で示す構造のボールペン10に取り付け、下記の条件でヒートサイクル試験して、ペン先からのインキ漏れの有無を評価した。水性インキは、水80質量%、染料19.9質量%、ノニオン界面活性剤0.1質量%(25℃の粘度2.1mPa・s、表面張力40.2dyn/cm、pH約7)を用いた。
【0042】
(ヒートサイクル試験条件)
各例ごとにボールペン200本を用意し、それらに対して、20℃(5分)→温度降下(30分)→−10℃(5分)→温度上昇(90分)→60℃(5分)→温度降下(10分)→20℃、の合計所要時間145分を1サイクルとして、36サイクル繰り返したときのペン先からのインキ漏れしたボールペンの本数を数えた。インキ漏れの本数が少ないほど、蛇腹状のインキ滞留部品の濡れ性が良いことを示している。
【0043】
【表1】

【0044】
ヒートサイクル試験終了後、各実施例のボールペンから任意に10本ずつを選択して筆記して見たところ、いずれも書き味は良好であった。
【0045】
ポリアミド6:宇部興産(株)製,UBEナイロン6 1013B
ABS樹脂:スチレン45質量%,アクリロニトリル15質量%,ポリブタジエン40質量%
AS樹脂:スチレン75質量%,アクリロニトリル25質量%
無水マレイン酸変性ABS樹脂:スチレン42質量%,アクリロニトリル16質量%,ブタジエン系ゴム40質量%
マレイミド系モノマー単位を有する重合体:スチレン−Nフェニルマレイミド−無水マレイン酸共重合体(スチレン47質量%、Nフェニルマレイミド51質量%、無水マレイン酸2質量%,重量平均分子量14万5千,265℃10kgでのメルトフローインデックス:2)。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の樹脂組成物からなる蛇腹状のインキ滞留部品の正面図。
【図2】本発明の直液式筆記図の軸方向の部分断面図。
【符号の説明】
【0047】
1 インキ滞留部品
10 水性インキを使用するボールペン(直液式筆記具)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ポリアミド系樹脂20〜95質量%と、(B)スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂から選ばれた少なくとも1種80〜5質量%とを含む、直液式筆記具の水性インキと接触する部品用の樹脂組成物。
【請求項2】
更に(C)マレイミド系モノマー単位を有する重合体を含有する請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記水性インキと接触する部品が蛇腹状のインキ滞留部品である請求項1又は2記載の樹脂組成物。
【請求項4】
(A)成分の含有割合が45〜80質量%、(B)成分の含有割合が55〜20質量%である、請求項1〜3のいずれか1項記載の樹脂組成物。
【請求項5】
水性インキを使用する直液式筆記具であり、前記直液式筆記具の水性インキと接触する部品が、(A)ポリアミド系樹脂20〜95質量%と、(B)スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂から選ばれた少なくとも1種80〜5質量%とを含む樹脂組成物からなるものである直液式筆記具。
【請求項6】
前記樹脂組成物が、更に(C)マレイミド系モノマー単位を有する重合体を含有するものである請求項5記載の直液式筆記具。
【請求項7】
前記水性インキと接触する部品が蛇腹状のインキ滞留部品である請求項5又は6記載の直液式筆記具。
【請求項8】
前記樹脂組成物が、(A)成分の含有割合が45〜80質量%、(B)成分の含有割合が55〜20質量%のものである、請求項5〜7のいずれか1項記載の直液式筆記具。

【図1】
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【図2】
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