説明

相乗特性をもつ界面活性剤混合物

本発明は第二級アルカンスルホネート、α−メチルエステルスルホネートおよびφ−メチルエステルスルホネートの群からの2種または3種の界面活性剤からなる混合物に関する。この混合物は、その個々の界面活性剤と比べて、相乗的洗浄効果を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第二級アルカンスルホネート(SAS)、α−メチルエステルスルホネート(α−MES)およびφ−メチルエステルスルホネート(φ−MES)の組合せに関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯剤組成物にSASを用いることは十分に公知であり、洗濯剤組成物におけるα−メチルエステルスルホネートの使用はWO98/42813(特許文献1)ならびにUS−5 454 982(特許文献2)に記載されている。φ−メチルエステルスルホネートの合成およびその洗濯剤への使用はES 2 125 827(特許文献3)に記載されている。しかしながらこれらの文献のいずれも、これらの界面活性剤の混合物については記載していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO98/42813
【特許文献2】US−5 454 982
【特許文献3】ES 2 125 827
【特許文献4】EP−A−303520
【特許文献5】EP−A458396
【特許文献6】EP−A464880
【特許文献7】EP−A790244
【特許文献8】米国特許第4,144,226号明細書
【特許文献9】米国特許第4,146,495号明細書
【特許文献10】US−3,159,581
【特許文献11】US−3,213,030
【特許文献12】US−3,422,021
【特許文献13】US−3,400,148
【特許文献14】US−3,422,137
【特許文献15】WO96/34108
【特許文献16】WO96/34092
【特許文献17】WO92/111347
【特許文献18】WO94/23005
【特許文献19】EP 0 486 592
【特許文献20】EP 0 642 576
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
驚くべきことに、これらの界面活性剤を組み合わせた場合、個々の界面活性剤と比べて改善された洗濯能力および洗浄能力を示す、相乗効果が見出された。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の対象は、第二級アルカンスルホネート、α−メチルエステルスルホネートおよびφ−メチルエステルスルホネートの群のうちの2種または3種の界面活性剤からなる界面活性剤混合物である。前述のタイプの界面活性剤のうちの2種の混合物、すなわちSASとα−MES、SASとφ−MES、またはα−MESとφ−MESの混合物が好ましい。この場合、両界面活性剤の量的比率は、一般的に99:1〜1:99にあるが、好ましい量的比率はそのときどきの界面活性剤に依存し、以下のように記述される。
SAS:φ−MES 90:10〜60:40
SAS:α−MES 50:50〜10:90
α−MES:φ−MES 90:10〜30:70
【0006】
前述の3種類の陰イオン界面活性剤は十分に公知である。第二級アルカンスルホネートは式R−SOMの化合物であり、式中、Rは約10〜20個のC原子を有するアルキルを、Mはアルカリ、アルカリ土類またはアンモニウムイオンを意味する。
【0007】
α−メチルエステルスルホネートは式R−CHSOM−COOCHの化合物であり、式中、RはC〜C20アルキル残基を、Mはアルカリ、アルカリ土類またはアンモニウム陽イオンを意味する。これらの生成物は、周知のように脂肪酸メチルエステルと三酸化硫黄との反応によって得られる。脂肪酸分子中に8〜20個のC原子を含む植物および/または動物由来の脂肪酸のメチルエステルのスルホン化およびそれに続く中和により水溶性の単塩として生成される、水素化したココ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、または獣脂脂肪酸のアルファスルホン化メチルエステルが適している。
【0008】
φ−メチルエステルスルホネートも同じくC〜C20脂肪酸メチルエステルのスルホン化生成物である。α−メチルエステルスルホネートとは対照的に、φ−メチルエステルスルホネートは光スルホキシド化によって得られ、すなわち脂肪酸メチルエステル、水、酸素およびSOの混合物を紫外光で照射することによって得られる(ES 2 125 827(特許文献3)参照)。この反応では、スルホ基が脂肪酸残基のα位に組み込まれるのではなく、静力学的に鎖全体に分配されている生成物が得られる。
【0009】
陰イオン界面活性剤のこれらの混合物は、以下に述べるような、それらの通常のかつ公知の成分と共に、通常の液体または固体の洗濯剤および洗浄剤に使用することができる。
【0010】
その例としては、全温度洗濯剤、特殊繊維製品用洗濯剤、色物用洗濯剤、ウール用洗濯剤、カーテン用洗濯剤、積木用洗濯剤、タブレット形洗濯剤、固形石鹸、しみ抜き剤および洗濯力増強剤がある。
【0011】
本発明の界面活性剤の組合せは、特に手洗い用食器洗剤、家庭用洗浄剤、例えば、多目的洗浄剤、床および他の硬質表面、例えばプラスチック、セラミック、ガラスまたはナノ技術でコーティングされた表面用の洗浄剤および手入剤中にも添加することができる。本発明の混合物を添加することができる洗濯剤および洗浄剤組成物は、粉末状、粒子状、ペースト状、ゲル状または液状である。本発明の洗濯剤、手入剤および洗浄剤組成物は、完成組成物に対して少なくとも1重量%、好ましくは3〜40重量%、特に好ましくは4〜30重量%の本発明の界面活性剤の組合せを含む。
【0012】
本発明の洗濯剤および洗浄剤は、特に他の界面活性剤、ペルオキシ化合物、ペルオキシ活性化剤または有機過酸、ビルダー、無機および有機の酸、塩基、洗浄増強剤、溶剤、ヒドロトロープ、緩衝溶液、錯化剤、保存剤、増粘剤、皮膚保護剤、制泡剤、抗菌剤、酵素ならびに特殊な色素または繊維保護作用をもつ添加物を含むことができる。電解質ならびに色素および香料のような他の補助物質も可能である。
【0013】
本発明の硬質表面用洗浄剤はさらに、研摩効果をもつ成分、特に石英粉、木粉、プラスチック粉、チョークおよびマイクロガラスボール、ならびにそれらの混合物を含むことができる。研磨剤は、本発明の洗浄剤中に20重量%以下、特に5〜15重量%含まれることが好ましい。
【0014】
洗濯剤および洗浄剤は、本発明の界面活性剤の組合せの他に、1種または複数のさらなる界面活性剤を含有することができ、その際に、特に陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤およびそれらの混合物が、ただし陽イオン、双性イオンおよび両性界面活性剤も考慮の対象となる。この種の界面活性剤は、本発明の洗濯剤中に好ましくは1〜50重量%、特に3〜30重量%の量的割合で含まれ、一方、硬質表面用の洗浄剤中には通常はより少ない割合、すなわち20重量%まで、特に10重量%まで、好ましくは0.5〜5重量%の範囲の量が含まれる。
【0015】
本発明の界面活性剤の組合せと並んで適切な陰イオン界面活性剤は、特に石鹸、および硫酸基またはスルホン酸基を含有するものである。スルホネートタイプの界面活性剤としては、好ましくはC〜C18のアルキルベンゼンスルホネート、オレフィンスルホネートすなわち、例えば末端または内部二重結合を有するモノオレフィンの三酸化硫黄ガスによるスルホン化およびそれに続くスルホン化生成物のアルカリまたは酸加水分解によって得られるような、アルケンスルホネート、ヒドロキシアルカンスルホネートおよびジスルホネートの混合物が考えられる。C12〜C18アルカンから、例えばスルホクロロ化およびその後の加水分解または中和によって得られる、アルカンスルホネートも適している。
【0016】
さらなる適切な陰イオン界面活性剤は、モノ、ジ、およびトリエステルならびにそれらの混合物を表す、スルホン化グリセリン脂肪酸エステルである。硫酸アルキル(アルケニル)としては、C12〜C18脂肪アルコール、例えば、ココ脂肪アルコール、獣脂脂肪アルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコールもしくはステアリルアルコール、またはC〜C20オキソアルコールの硫酸半エステルおよびこれらの鎖長の第二級アルコールの硫酸半エステルのアルカリ塩、特にナトリウム塩が好ましい。さらに、石油化学ベースで製造される、合成直鎖アルキル残基を含む、前述の鎖長の硫酸アルキル(アルケニル)が好ましい。また、1〜6モルのエチレンオキシドを用いてエトキシル化された直鎖または分枝鎖アルコールの、例えば、平均3.5モルのエチレンオキシド(EO)を有する2−メチル分枝C〜C11アルコールまたは1〜4のEOを有するC12〜C18脂肪アルコールの硫酸モノエステルも適している。
【0017】
好ましい陰イオン界面活性剤には、スルホスクシネートまたはスルホコハク酸エステルとも称される、アルキルスルホコハク酸塩、およびスルホコハク酸と、アルコール、好ましくは脂肪アルコール、特にエトキシル化脂肪アルコールのモノエステルおよび/またはジエステルが属する。好ましいスルホスクシネートは、C〜C18脂肪アルコール残基またはその混合物を含有する。他の陰イオン界面活性剤としては、アミノ酸からの、例えばN−メチルタウリン(タウリン酸)および/またはN−メチルグリシン(サルコシン酸)からの脂肪酸誘導体が考えられる。さらなる陰イオン界面活性剤としては、特に、例えば0.2〜5重量%の量の石鹸が考えられる。特に飽和脂肪酸石鹸、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、水素化エルカ酸およびベヘン酸の塩、ならびに特に天然脂肪酸から、例えばココ脂肪酸、パーム核油脂肪酸または獣脂脂肪酸から誘導される石鹸混合物が適している。
【0018】
本発明の界面活性剤の組合せと並んで含まれる、石鹸を含めた、陰イオン界面活性剤は、そのナトリウム塩、カリウム塩またはアンモニウム塩の形で、ならびに有機塩基、例えば、モノ−、ジ−またはトリエタノールアミンの可溶性塩として存在することができる。好ましくは、陰イオン界面活性剤は、そのナトリウム塩またはカリウム塩、特にナトリウム塩の形で存在する。陰イオン界面活性剤は、本発明の洗濯剤中に0.5〜50重量%の量で、特に5〜25重量%の量で含まれることが好ましい。
【0019】
非イオン界面活性剤として、アルコキシル化、有利にはエトキシル化された、特に、好ましくは8〜18個の炭素原子を含み、アルコール1モル当たり平均1〜12モルのエチレンオキシド(EO)を含む第一級アルコールを使用することが好ましく、そのアルコール残基は、直鎖または好ましくは2位メチル分枝鎖であってよく、あるいはオキソアルコール残基中に通常存在しているように、直鎖基とメチル分枝基を混合して含んでもよい。しかしながら特に、12〜18個の炭素原子を含む天然起源のアルコール、例えばココアルコール、パームアルコール、獣脂アルコールまたはオレイルアルコールの直鎖残基を含み、アルコール1モル当たり平均2〜8個のEOを有するアルコールエトキシレートが好ましい。好ましいエトキシル化アルコールには、例えば、3EOまたは4EOを有するC12〜C14アルコール、7EOを有するC〜C11アルコール、3EO、5EO、7EOまたは8EOを有するC13〜C15アルコール、3EO、5EOまたは7EOを有するC12〜C18アルコールおよびそれらの混合物、例えば3EOを有するC12〜C14アルコールと7EOを有するC12〜C18アルコールとの混合物が属する。上記のエトキシル化度は、統計的平均値であり、特定の生成物において、整数でも分数でもよい。好ましいアルコールエトキシレートは、狭い同族分布を示す(狭範囲エトキシレート、NRE)。これらの非イオン界面活性剤に加えて、12個を超えるEOを含む脂肪アルコールもまた使用できる。その例は、14EO、16EO、20EO、25EO、30EOまたは40EOを有する(獣脂)脂肪アルコールである。
【0020】
また、非イオン性界面活性剤としては、一般式RO(G)のアルキルポリグリコシドも挙げられ、式中、Rは、8〜22個、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する、直鎖またはメチル分枝鎖、特に2位メチル分枝鎖の、第一級脂肪族残基を意味し、Gは、5または6個の炭素原子を有するグリコシド単位、好ましくはグルコースを表す。モノグリコシドおよびオリゴグリコシドの分布を示すオリゴマー化度xは、分析によって決定される大きさの任意の数であり、分数でもよく、1〜10、好ましくはxは1.2〜1.4である。式(I)のポリヒドロキシ脂肪酸アミドも適しており、式中、残基RCOは6〜22個の炭素原子を有する脂肪族アシル残基を表し、Rは、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキルまたはヒドロキシアルキル残基を表し、[Z]は、3〜10個の炭素原子および3〜10個のヒドロキシル基を有する直鎖または分枝ポリヒドロキシアルキル残基を表す。
【0021】
【化1】

【0022】
好ましくはポリヒドロキシ脂肪酸アミドは、5または6個の炭素原子を有する還元糖から、特にグルコースから誘導される。ポリヒドロキシ脂肪酸アミドの群には、式(II)の化合物も属し、式中、Rは、7〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝のアルキル残基またはアルケニル残基であり、Rは、2〜8個の炭素原子を有する直鎖、分枝または環状のアルキレン残基またはアリール残基を表し、Rは、1〜8個の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖または環状のアルキル残基またはアリール残基またはオキシアルキル残基を表し、C〜Cアルキル残基またはフェニル残基が好ましく、[Z]は、アルキル鎖が少なくとも2個のヒドロキシル基で置換されている直鎖ポリヒドロキシアルキル残基、またはこの残基のアルコキシル化、好ましくはエトキシル化またはプロポキシル化誘導体を表す。[Z]はここでは、好ましくは糖、例えば、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノースまたはキシロースの還元アミノ化によって得られる。次いで、N−アルコキシまたはN−アリールオキシ置換化合物を、触媒としてのアルコキシドの存在下で脂肪酸メチルエステルで乾燥させることによって所望のポリヒドロキシ脂肪酸アミドに変換することができる。
【0023】
単独の非イオン界面活性剤として、または、他の非イオン界面活性剤と組み合わせて、特にアルコキシル化脂肪アルコールおよび/またはアルキルグリコシドと一緒に組み合わせて使用される、使用することが好ましい非イオン界面活性剤の別のクラスは、アルコキシル化、好ましくはエトキシル化、またはエトキシル化およびプロポキシル化され、好ましくはアルキル鎖中に1〜4個の炭素原子を有する、脂肪酸アルキルエステル、特に脂肪酸メチルエステルである。
【0024】
アミンオキシドタイプの非イオン界面活性剤、例えば、N−ココアルキル−N,N−ジメチルアミンオキシドおよびN−獣脂アルキル−N,N−ジヒドロキシエチルアミンオキシド、および脂肪酸アルカノールアミドも適切であり得る。
【0025】
さらなる界面活性剤として、いわゆる双性界面活性剤も考えられる。これは、一般的に、1分子当たり2つの親水性基を有する化合物を意味すると理解される。これらの基は、一般にいわゆる「スペーサー」で互いに分離されている。このスペーサーは、通常、親水性基が互いに独立に作用できるように、十分な距離だけ離れるのに十分な長さの炭化水素鎖である。このような界面活性剤は、通常、非常に低い臨界ミセル濃度および水の表面張力を強く低減させる能力に優れている。しかしながら、双性ポリヒドロキシ脂肪酸アミドまたはポリヒドロキシ脂肪酸アミドも使用することができる。他のタイプの界面活性剤はデンドリマー構造を有することができる。
【0026】
適切なペルオキシ漂白剤は、過酸化水素、ならびに洗濯および洗浄条件下で過酸化水素を放出する化合物、例えばアルカリ金属過酸化物、有機過酸化物、例えば尿素−過酸化水素付加物、無機過酸塩、例えばアルカリ過ホウ酸塩、アルカリ過炭酸塩、アルカリ過リン酸塩、アルカリ過ケイ酸塩、アルカリ過硫酸塩およびアルカリ過酸化亜硝酸塩である。これらの化合物の2種以上の混合物も適している。過ホウ酸ナトリウム四水和物、特に過ホウ酸ナトリウム一水和物、ならびに過炭酸ナトリウムが特に好ましい。過ホウ酸ナトリウム一水和物はその良好な貯蔵安定性およびその良好な水溶性の故に好ましい。過炭酸ナトリウムは生態学的理由から好ましいことがあり得る。
【0027】
ヒドロペルオキシド類が別の適切なペルオキシ化合物群である。これらの物質の例は、クメンヒドロペルオキシドおよびt−ブチルヒドロペルオキシドである。脂肪族または芳香族のモノまたはジペルカルボン酸および対応する塩がペルオキシ化合物として適している。その例は、ペルオキシナフトエ酸、ペルオキシラウリン酸、ペルオキシステアリン酸、N,N−フタロイルアミノペルオキシカプロン酸(PAP)、1,12−ジペルオキシドデカン二酸、1,9−ジペルオキシアゼライン酸、ジペルオキシセバシン酸、ジペルオキシイソフタル酸、2−デシルジペルオキシブタン−1,4−二酸および4,4’−スルホニルビスペルオキシ安息香酸である。
【0028】
洗濯剤および洗浄剤中に適切な漂白活性化剤も通常の量(約1〜10重量%)で含むことができる。
【0029】
漂白活性化剤としては、O−アシル基またはN−アシル基を有する有機化合物、特に活性化されたカルボン酸エステル、特にノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、イソノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、4−ベンゾイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、カルボン酸無水物、特にフタル酸無水物、アシル化された多価アルコール、特にトリアセチン、エチレングリコールジアセテート、2,5−ジアセトキシ−2,5−ジヒドロフラン、ラクトン、アシラール、カルボン酸アミド、アシル化された尿素およびオキサミド、N−アシル化ヒダントイン、例えば1−フェニル−3−アセチルヒダントイン、ヒドラジド、トリアゾール、ヒドロトリアジン、ウラゾール、ジケトピペラジド、スルフリルアミド、ポリアシル化されたアルキレンジアミン、例えばN,N,N’,N’−テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化されたトリアジン誘導体、特に1,5−ジアセチル−2,4−ジオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、アシル化されたグリコルリル、特にテトラアセチルグリコルリル、N−アシルイミド、特にN−ノナノイルスクシンイミド、およびアシル化された糖誘導体、特にペンタアセチルグルコース(PAG)、ペンタアセチルフルクトース、テトラアセチルキシロースおよびオクタアセチルラクトース、ならびにアセチル化され、場合によってはN−アルキル化されたグルカミンおよびグルコノラクトンおよび/またはN−アシル化されたラクタム、例えばN−ベンゾイルカプロラクタム、さらにEP−A−303520(特許文献4)、EP−A458396(特許文献5)およびEP−A464880(特許文献6)に記載されるようなニトリル化合物、例えば四級トリアルキルアンモニウムニトリル塩、特にシアノメチルトリメチルアンモニウム塩、さらにEP−A790244(特許文献7)に記載されるようなヘテロ環式の置換第四級ニトリル化合物の群からのものが適している。
【0030】
上記の通常の漂白活性剤に加えてまたはそれらの代わりに、スルホンイミン、鎖式または環状の第四級イミニウム化合物、例えばジヒドロイソキノリニウムクオーツ(quats)またはジヒドロイソキノリニウムベタイン、および/または漂白促進性の遷移金属塩または非環式もしくは大環式配位子を有する単核もしくは多核の遷移金属錯体も含むことができる。
【0031】
適切な有機および無機のビルダーとしては、カルシウムイオンを沈殿させることができるかまたはカルシウムイオンと錯塩を形成することができる、中性で、または特にアルカリ性で反応する塩である。適切で特に環境上懸念のないビルダー物質は、一般式NaMSi(x)(2x+1)、(式中、Mはナトリウムまたは水素であり、xは1.9〜22、好ましくは1.9〜4の数であり、yは0〜33の数である)で表される結晶性層状ケイ酸塩、例えばNa−SKS−5(α−NaSi)、Na−SKS−7(β−NaSi、ナトロシリット)、Na−SKS−9(NaHSi・HO)、Na−SKS−10(NaHSi・3HO、カネミット)、Na−SKS−11(t−NaSi)およびNa−SKS−13(NaHSi)、特にNa−SKS−6(δ−NaSi)、ならびに微結晶性合成含水ゼオライト、特に100〜200mgCaO/gの範囲のカルシウム結合能を有するNaAタイプのゼオライトである。
【0032】
ゼオライトおよび層状ケイ酸塩は60重量%までの量で含めることができる。
【0033】
さらに、中和されていないかまたは部分的に中和された(コ)ポリマーのポリカルボン酸も適している。それには、アクリル酸またはメタクリル酸のホモポリマー、またはそれらと、他のエチレン性不飽和モノマー、例えばアクロレイン、ジメチルアクリル酸、エチルアクリル酸、ビニル酢酸、アリル酢酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、メタ(アリルスルホン酸)、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、およびリン基含有モノマー、例えばビニルリン酸、アリルリン酸およびアクリルアミドメチルプロパンリン酸およびそれらの塩、およびヒドロキシエチル(メタ)アクリレートスルフェート、アリルアルコールスルフェートおよびアリルアルコールホスフェートとのコポリマーがある。
【0034】
好ましい(コ)ポリマーは1000〜100000g/mol、好ましくは2000〜75000g/mol、特に2000〜35000g/molの平均分子量を有している。
【0035】
酸基の中和度は有利には0〜90%、好ましくは10〜80%、特に30〜70%である。
【0036】
適切なポリマーとしては、とりわけアクリル酸のホモポリマー、および(メタ)アクリル酸とマレイン酸または無水マレイン酸とのコポリマーが挙げられる。
【0037】
別の適切なコポリマーは、炭素原子数4〜8のモノエチレン性不飽和ジカルボン酸またはその塩10〜70重量%、炭素原子数3〜10のモノエチレン性不飽和モノカルボン酸またはその塩20〜85重量%、鹸化後にポリマー鎖の水酸基を放出するモノ不飽和モノマー1〜50重量%、および別のラジカル共重合性モノマー0〜10重量%を重合させることによって得ることができるターポリマーから誘導される。
【0038】
モノサッカリド、オリゴサッカリド、ポリサッカリドおよび変性ポリサッカリド、ならびに動物性または植物性タンパク質のグラフト重合体も適している。
【0039】
砂糖および他のポリヒドロキシ化合物と、モノエチレン性不飽和C〜C10モノカルボン酸45〜96重量%のモノマー混合物、またはC〜C10モノカルボン酸および/またはその一価陽イオンとの塩、4〜55重量%のモノエチレン性不飽和モノスルホン酸基を有するモノマー、モノエチレン性不飽和硫酸エステル、ビニルリン酸エステルおよび/またはこれらの酸の一価陽イオンとの塩、およびモノエチレン性不飽和化合物1モル当たり2〜50モルのアルキレンオキシドで変性された0〜30重量%の水溶性不飽和化合物の混合物の共重合体が好ましい。
【0040】
他の適切なポリマーは、ポリアスパラギン酸または中和されていないかまたは部分的にのみ中和されている形のその誘導体である。
【0041】
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸および他のエチレン性不飽和モノマーを、一般にポリスクシンイミドの上記の加水分解の際に生成されるようなポリアスパラギン酸の塩にグラフトさせたポリマーも特に適している。ここでは、部分的にのみ中和された形のポリアスパラギン酸を作成するために他の場合には必要とされる、酸の添加を省くことができる。ポリアスパラギン酸塩の量は一般に、ポリマーに組み込まれるすべてのカルボキシル基の中和度が80%、好ましくは60%を超えないように選択する。
【0042】
使用できる他のビルダーは、例えば好ましくはそのナトリウム塩の形で使用されるカルボン酸、例えばクエン酸、特にクエン酸三ナトリウムおよびクエン酸三ナトリウム二水和物、ニトリル三酢酸およびその水溶性塩;カルボキシメチルオキシコハク酸のアルカリ金属塩、エチレンジアミン四酢酸、モノ、ジヒドロキシコハク酸、α−ヒドロキシプロピオン酸、グルコン酸、メリット酸、ベンゾポリカルボン酸、および米国特許第4,144,226号明細書(特許文献8)および同第4,146,495号明細書(特許文献9)に記載されているようなものである。
【0043】
リン酸塩含有ビルダー、例えばアルカリ性、中性または酸性ナトリウム塩またはカリウム塩の形で存在し得るアルカリ金属リン酸塩も適している。
【0044】
その例は、リン酸三ナトリウム、二リン酸四ナトリウム、リン酸二水素二ナトリウム、三リン酸五ナトリウム、いわゆるヘキサメタリン酸ナトリウム、5〜1000、特に5〜50の範囲のオリゴマー化量を有するオリゴマーのリン酸三ナトリウム、ならびにナトリウム塩およびカリウム塩の混合物である。
【0045】
これらのビルダー物質は5〜80重量%の量で存在していてもよく、10〜60重量%の割合が有利である。
【0046】
例えばエタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホネートなどの錯体ビルダー、および例えばUS−3,159,581(特許文献10)、US−3,213,030(特許文献11)、US−3,422,021(特許文献12)、US−3,400,148(特許文献13)およびUS−3,422,137(特許文献14)に開示されるような他の公知のホスホン酸塩も使用できる。
【0047】
さらに、本発明の洗濯剤は、揮発性でアルカリ化作用のある化合物をも含むことができる。これにはアンモニアおよび/またはC1〜9アルカノールアミンが属する。アルカノールアミンとしてはエタノールアミンが好ましく、モノエタノールアミンが特に好ましい。
【0048】
洗浄剤はさらに、有機酸、例えば酢酸、グルコール酸、乳酸、クエン酸、コハク酸、アジピン酸、リンゴ酸、酒石酸およびグルコン酸を含んでもよく、好ましくは酢酸、クエン酸、および乳酸であり、特に好ましいのは酢酸である。
【0049】
本発明の酸性の洗浄剤組成物は、特に無機酸、例えばリン酸、硫酸、硝酸または塩酸のような鉱酸、さらにはアミドスルホン酸を含むことができる。
【0050】
さらに、有機酸、好ましくは短鎖の脂肪族のモノ、ジおよびトリカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸およびジカルボン酸が適している。
【0051】
脂肪族モノカルボン酸およびジカルボン酸の例は、C〜Cアルキル酸およびアルケニル酸、例えばグルタル酸、コハク酸、プロピオン酸、アジピン酸、マレイン酸、ギ酸および酢酸である。ヒドロキシカルボン酸の例としては、ヒドロキシ酢酸およびクエン酸が挙げられる。式R−SOHの、直鎖もしくは分枝鎖および/または環状もしくは不飽和のC〜C32炭化水素残基Rを含むスルホン酸、例えばC6〜22アルカンスルホン酸、C6〜22α−アルカンスルホン酸、C6〜2α−オレフィンスルホン酸およびC1〜22アルキル−C6〜10アリールスルホン酸、例えばC1〜22アルキルベンゼンスルホン酸またはC1〜22アルキルナフタレンスルホン酸、好ましくは直鎖のC8〜16アルキルベンゼンスルホン酸が使用できる。特に好ましいのはクエン酸、酢酸、ギ酸およびアミドスルホン酸である。
【0052】
原理的には、すべての一価または多価アルコールが有機溶剤として考えられる。好ましくは、1〜4個の炭素原子を有するアルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、直鎖もしくは分枝鎖のブタノール、グリセリン、およびこれらのアルコールの混合物が使用される。さらなる別の好ましいアルコールは、分子量が2000未満のポリエチレングリコールである。特に、分子量が200〜600のポリエチレングリコールを45重量%までの量、および分子量が400〜600のポリエチレングリコールを5〜25重量%の量で使用することが好ましい。有利な溶剤混合物の一つは、モノマー性アルコールからなり、例えばエタノールおよびポリエチレングリコールを0.5:1〜1.2:1の比で含むものである。
【0053】
他の適切な溶剤は、例えばトリアセチン(グリセロールトリアセテート)および1−メトキシ−2−プロパノールである。
【0054】
増粘剤としては、好ましくは、硬化ヒマシ油、好ましくは0〜5重量%、特に0.5〜2重量%の量で使用される長鎖脂肪酸の塩、例えばステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸チタン、またはベヘン酸のナトリウムおよび/またはカリウム塩、ならびにポリサッカライド、特にキサンタンガム、グアールガム、寒天、アルギン酸塩およびチロース、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース、さらには脂肪酸の高分子量ポリエチレングリコールモノおよびジエステル、ポリアクリレート、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン、ならびに電解質、例えば食塩および塩化アンモニウムが使用される。
【0055】
増粘剤としては、例えば、スクロースのポリアリルエーテル約1%で架橋されており、100万を超える分子量を有する、水溶性ポリアクリレートが適している。その例は、Carbopol(商標登録)940および941の名称で入手できるポリマーである。この架橋されたポリアクリレートは、1重量%を超えない量、好ましくは0.2〜0.7重量%の量で使用される。
【0056】
本発明の洗剤中に場合によっては含まれる酵素には、プロテアーゼ類、アミラーゼ類、プルラナーゼ類、セルラーゼ類、クチナーゼ類および/またはリパーゼ類、例えばBLAP(商標登録)、Optimase(商標登録)、Opticlean(商標登録)、Maxacal(商標登録)、Maxapem(商標登録)、Durazym(商標登録)、Purafect(商標登録)OxP、Esperase(商標登録)および/またはSavinase(商標登録)などのプロテアーゼ類、Termamy(商標登録)、Amylase(アミラーゼ)−LT、Maxamyl(商標登録)、Duramyl(商標登録)、Purafectel OxAmなどのアミラーゼ類、Celluzyme(商標登録)、Carezyme(商標登録)、K−AC(商標登録)および/またはWO96/34108(特許文献15)およびWO96/34092(特許文献16)から公知のセルラーゼなどのセルラーゼ類、および/またはLipolase(商標登録)、Lipomax(商標登録)、Lumafast(商標登録)および/またはLipozym(商標登録)などのリパーゼ類などが属する。使用される酵素は、例えばWO92/111347(特許文献17)またはWO94/23005(特許文献18)に記載のように、早期の失活から保護するために、キャリア物質に吸着させるかおよび/またはコーティング物質中に埋め込むことができる。これらは、本発明の洗濯剤および洗浄剤中に好ましくは10重量%までの量で、特に0.05〜5重量%の量で含まれ、その際、特に好ましくは酸化分解に対して安定化された酵素が使用される。
【0057】
好ましくは、本発明の食器洗い機用洗浄剤は、通常のアルカリキャリア、例えばケイ酸アルカリ、炭酸アルカリおよび/または炭酸水素アルカリを含む。通常のアルカリキャリアとしては、炭酸塩、炭酸水素塩、およびSiO/MO(M=アルカリ原子)のモル比が1:1〜2.5:1であるケイ酸アルカリなどが挙げられる。ケイ酸アルカリは、洗剤総量に対して40重量%までの量、特に3〜30重量%の量で含めることができる。本発明の洗浄剤中で使用されることの好ましいアルカリキャリア系は、炭酸塩と炭酸水素塩の混合物、好ましくは炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの混合物であり、50重量%までの量、好ましくは5〜40重量%の量で含めることができる。
【0058】
さらなる実施形態においては、本発明の自動食器洗浄機用の洗剤は、水溶性有機ビルダー、特にクエン酸アルカリを20〜60重量%、炭酸アルカリを3〜20重量%および二ケイ酸アルカリを3〜40重量%含む。
【0059】
銀を腐食から保護するために、本発明の食器洗い用洗浄剤中に銀腐食防止剤を使用することができる。好ましい銀腐食防止剤は、有機スルフィド、例えばシスチンおよびシステイン、二価もしくは三価フェノール、場合によってはアルキルもしくはアリール置換されたトリアゾール、例えばベンゾトリアゾール、イソシアヌル酸、ならびにチタン、ジルコニウム、ハフニウム、モリブデン、バナジウムもしくはセリウムの塩および/または錯体である。
【0060】
本洗剤が、その使用中に発泡しすぎる場合には、6重量%まで、好ましくは約0.5〜4重量%の発泡調整化合物、好ましくはシリコーン、パラフィン、パラフィンとアルコールの組合せ、疎水化処理されたシリカ、ビス脂肪酸アミドならびにこれらの混合物、および他のさらなる市販の公知の発泡抑制剤を含む群から選択される化合物を加えることができる。好ましくは、発泡抑制剤、特にシリコーンおよび/またはパラフィンを含有する発泡抑制剤は、水中に可溶もしくは分散可能な顆粒状キャリア物質に結合させる。その際、特にパラフィンとビステアリルエチレンジアミドの混合物が好ましい。本発明の洗剤のさらなる任意成分は、例えば香油である。
【0061】
塩または増量剤としては、例えば、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウムまたはケイ酸ナトリウム(水ガラス)が考えられる。
【0062】
残りの成分を混合することによっては自ずから生じない所望のpH値に調整するために、本発明の洗剤は、系および環境にやさしい酸、特にクエン酸、酢酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、コハク酸、グルタル酸および/またはアジピン酸、さらには鉱酸、特に硫酸もしくは硫酸水素アルカリ、または塩基、特に水酸化アンモニウムもしくは水酸化アルカリを含むことができる。このようなpH調整剤は、好ましくは、本発明の洗剤中に10重量%を超えない量、特に0.5〜6重量%含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の界面活性剤の組合せの相乗効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
本発明の洗剤は、好ましくは、粉末状、顆粒状またはタブレットの形の調製物ならびにその他の形状で存在し、これらは、それ自体公知の方法で、例えば混合、造粒、ローラ圧縮により、および/または熱に強い成分を噴霧乾燥し、不安定な成分、特に酵素、漂白剤および漂白活性化剤を混入することによって製造することができる。
【0065】
かなり高い嵩密度、特に650g/L〜950g/Lの範囲の嵩密度を有する粒状洗剤を製造するには、EP 0 486 592(特許文献19)から公知の、押出段階を含む方法が好ましい。造粒法を用いたさらに別の好ましい製造は、EP 0 642 576(特許文献20)に記載されている。800〜1000g/Lの範囲の高い嵩密度を有し、飛散せず、貯蔵安定性がある流動性の粉末および/または顆粒の形の本発明の洗剤の製造は、第一の工程段階において、ビルダー成分を、液状混合成分の少なくとも一部と混合してこのプレミックスの嵩密度を高め、その後、こうして得られたプレミックスを、望むならば中間の乾燥の後に、残りの成分、とりわけ陽イオン性ニトリル活性化剤と洗剤を一緒にすることによって行うことができる。
【0066】
タブレット状の本発明の洗剤を製造するには、好ましくは、すべての成分を混合機中で互いに混合し、この混合物を、通常のタブレット成形機、例えばエキセンプレスまたはロータリープレスを用いてプレス成形することによって行う。それによって、壊れにくいが、使用条件下では十分に短時間のうちに溶解する、通常は150Nを超える曲げ強さを有するタブレットが問題なく得られる。好ましくは、こうして製造されたタブレットは、3〜5mmから40mmまでの直径で、1.5g〜40g、特に20g〜30gの重量を有する。
【0067】
他の好ましい実施形態は、便器の除臭および清浄化のために用いることができる塊状調製物(いわゆるリムブロック)を含み、これは、本発明の第二級パラフィンスルホン酸のアルカリ土類金属塩の他に、さらに15〜30重量%の陰イオンおよび/または非イオン界面活性剤、好ましくは脂肪族アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルポリグルコシド、脂肪族アルキルエーテル硫酸塩、脂肪族アルキルエトキシレート、10〜40重量%の有機溶剤、5〜15重量%の一種または複数の酸またはその塩、例えばギ酸、酢酸、アミドスルホン酸、硫酸水素ナトリウム、ココ脂肪酸、0〜5重量%の錯体ビルダー、例えばクエン酸ナトリウムまたはホスホン酸ナトリウム、0〜60重量%のビルダー、例えば硫酸ナトリウムおよび0〜5重量%の色素、香料および抗菌剤ならびに水を含む。
【0068】
さらなる好ましい実施形態は、トイレ洗浄のために使用できる粉末状の組成物(いわゆるWC洗浄剤粉)であり、これは、本発明の第二級パラフィンスルホン酸のアルカリ土類金属塩の他に、さらに15〜30重量%の陰イオンおよび/または非イオン界面活性剤、好ましくは脂肪族アルキル硫酸塩、脂肪族アルキルエトキシレート、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルポリグルコシド、脂肪族アルキルエーテル硫酸塩、10〜50重量%の酸、好ましくはギ酸、酢酸、クエン酸、アミドスルホン酸、硫酸水素カリウムまたは硫酸水素ナトリウム、0〜5重量%の錯体ビルダー、0〜10重量%の補助剤および充填剤、好ましくは炭酸ナトリウム、0〜5重量%の色素、香料および抗菌剤ならびに水を含む。
【0069】
さらなる好ましい実施形態は、ブロック形またはタブレット形の固体洗浄剤であり、これは、硬質表面、例えば食器、床、窓、さらには繊維の洗浄およびすすぎに使用することができ、本発明の第二級パラフィンスルホン酸のアルカリ土類金属塩の他に、さらに0〜25重量%の陰イオンおよび/または非イオン界面活性剤、好ましくは脂肪族アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルポリグルコシド、脂肪族アルキルエーテル硫酸塩、ベタイン、アミンオキシド、アルファ−オレフィンスルホン酸塩、10〜40重量%の有機溶剤、0〜5重量%の色素、香料および抗菌剤ならびに水を含む。
【0070】
既に上に挙げた成分の他に、本発明の洗濯剤および洗浄剤は、通常のいずれの添加剤もこのような洗剤に通常存在する量で含むことができる。
【0071】
以下の例は、本発明の対象をより詳細に説明するためのもので、本発明をそれに限定するものではない。
【0072】

実施:
本発明の界面活性剤の組合せは、各成分を適切な容器内で単純に混合することによって調製した。本発明の混合物を標準化された汚れについてその洗浄効果を調べた。
【0073】
洗浄力試験
洗浄力試験は、標準化された洗濯機(リニテスト(Linitest)、温度40℃、ドイツ硬度15°、30分、pH=10〜10.5)を用い、標準化された汚れで実施し、規約反射率の変化(洗濯前/洗濯後)を分光光度計(Elrepho3000)で457nmにおいて測定することにより、洗浄作用を決定した。
【0074】
例1
【0075】
【表1】

【0076】
例2
【0077】
【表2】

【0078】
例3
【0079】
【表3】

【0080】
洗浄力試験の結果:
界面活性剤無添加の水(ドイツ硬度15°)を対照として使用し、総界面活性剤濃度0.4%を用いた。30分間の洗濯過程後、続いて三回水道水で、一回脱イオン水でゆすぎ、脱水し、アイロンをかけた。冷却後に規約反射率を測定し、洗濯前に測定した値からの差を求めた。測定値のグラフ(図を参照)から、個々の成分と比べて、界面活性剤混合物の相乗作用が明らかである。
【0081】
添付の図面は本発明の界面活性剤の組合せの相乗効果を明確にする。この相乗効果は白色度の極端な上昇によって実証される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第二級アルカンスルホネート、α−メチルエステルスルホネートおよびφ−メチルエステルスルホネートの群からの2種または3種の界面活性剤からなる界面活性剤混合物。
【請求項2】
99:1〜1:99の量的比率の2種の界面活性剤からなる請求項1に記載の界面活性剤混合物。
【請求項3】
90:10〜60:40の量的比率第二級アルキルスルホネートおよびφ−メチルエステルスルホネートからなる請求項1に記載の界面活性剤混合物。
【請求項4】
50:50〜10:90の量的比率の第二級アルキルスルホネートおよびα−メチルエステルスルホネートからなる請求項1に記載の界面活性剤混合物。
【請求項5】
90:10〜30:70の量的比率のα−メチルエステルスルホネートおよびφ−メチルエステルスルホネートからなる請求項1に記載の界面活性剤混合物。
【請求項6】
請求項1に記載の界面活性剤混合物を含む洗濯剤および洗浄剤。

【図1】
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【公表番号】特表2010−530450(P2010−530450A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512577(P2010−512577)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【国際出願番号】PCT/EP2008/004744
【国際公開番号】WO2008/155068
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(398056207)クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド (182)
【Fターム(参考)】