説明

省電力化装置および省電力化方法ならびに制御装置および防犯装置

【課題】 客と店員の判別が可能で、かつ複数の省電力化対象装置の電源制御が可能な省電力化装置の提供。
【解決手段】 省電力化装置1は、カメラ10および画像認識部11を用いて認識される人物の服装画像と、メモリ12に記憶される人物の服装画像とを比較して、省電力化対象装置の電源制御を必要とする人物と必要としない人物とを判別し、その判別結果に基づいて電源制御コマンドを送信する制御部13と、制御部13からの電源制御コマンドを受信し、その電源制御コマンドに基づき省電力化対象装置の電源制御を行う操作部52とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省電力化装置および省電力化方法ならびに制御装置および防犯装置に関し、特にカメラおよび画像認識部を用いて人物を識別する機能を備えた省電力化装置および省電力化方法ならびに制御装置および防犯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
家電量販店等、販売の現場では製品の特徴を示すために、製品の電源を投入した状態で展示を行い、また客のニーズに応えるために多くの異なる機種を並べて展示していることが多い。家電量販店に限らず、食料品店等でも、商品の宣伝のためにテレビジョンやオーディオ機器を用いて映像や音楽を流すことが多くなっている。
【0003】
しかし、これらの製品はその製品が展示あるいは設置されている場所に客が居るか否かに関わらず常時電源が投入されており、そのために余計な電力を消費するという課題があった。そこで、この節電対策として、赤外線による人感センサをテレビジョン等のAV(audio visual)機器に取り付け、人感センサで人の存在を検出できない場合にそのAV機器の電源をオフする人感センサ機能付きAV機器が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
また、コンピュータ用ディスプレイ装置にカメラおよび顔画像検出部を設け、所定範囲内に顔画像があるか否かを検出し、所定時間以上顔画像が検出できなければ表示部の電源を切る省電力制御装置が知られている(たとえば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−096462号公報
【特許文献2】特開平11−242733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の発明は、特定の機種に備える機能であるため、その機能が付いていない機種では自動で表示部の電源を切ることはできないという課題がある。また、赤外線によって人を感知しているため、客と店員を判別できないという課題もある。さらに、複数の装置の電源を同時に切ることができないという課題もある。
【0007】
また、特許文献2に記載の発明は、顔画像を検出しており、顔の判別は可能であるが、客と店員の判別まではできないという課題がある。また、特許文献2に記載の発明も上記特許文献1と同様に、特定の機種にしか対応できず、また複数の装置の電源を同時に切ることができないという課題がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、客と店員の判別が可能で、かつ複数の省電力化対象装置の電源制御が可能な省電力化装置および省電力化方法ならびに制御装置および防犯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明による省電力化装置は、カメラおよび画像認識部を用いて認識される人物の服装画像と、メモリに記憶される人物の服装画像とを比較して、省電力化対象装置の電源制御を必要とする人物と必要としない人物とを判別し、その判別結果に基づいて電源制御コマンドを送信する制御部と、前記制御部からの電源制御コマンドを受信し、その電源制御コマンドに基づき前記省電力化対象装置の電源制御を行う操作部とを含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明による省電力化方法は、カメラおよび画像認識部を用いて認識される人物の服装画像と、メモリに記憶される人物の服装画像とを比較して、省電力化対象装置の電源制御を必要とする人物と必要としない人物とを判別し、その判別結果に基づいて電源制御コマンドを送信する制御ステップと、前記制御ステップからの電源制御コマンドを受信し、その電源制御コマンドに基づき前記省電力化対象装置の電源制御を行う操作ステップとを含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明による制御装置は、カメラおよび画像認識部を用いて認識される人物の服装画像と、メモリに記憶される人物の服装画像とを比較して、省電力化対象装置の電源制御を必要とする人物と必要としない人物とを判別し、その判別結果に基づいて前記省電力化対象装置の電源制御を行う制御部を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明によるプログラムは、コンピュータに、カメラおよび画像認識部を用いて認識される人物の服装画像と、メモリに記憶される人物の服装画像とを比較して、省電力化対象装置の電源制御を必要とする人物と必要としない人物とを判別し、その判別結果に基づいて電源制御コマンドを送信する制御ステップと、前記制御ステップからの電源制御コマンドを受信し、その電源制御コマンドに基づき前記省電力化対象装置の電源制御を行う操作ステップとを実行させるためのものであることを特徴とする。
【0013】
また、本発明による防犯装置は、カメラおよび画像認識部を用いて認識される人物の服装画像と、メモリに記憶される人物の服装画像とを比較し、比較結果に基づき警報を出力する制御部を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、客と店員の判別が可能で、かつ複数の省電力化対象装置の電源制御が可能な省電力化装置および省電力化方法ならびに制御装置および防犯装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る省電力化装置の動作原理を説明するための構成図である。
【図2】本発明に係る省電力化方法の動作原理を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明に係る制御装置の動作原理を説明するための構成図である。
【図4】本発明に係る防犯装置の動作原理を説明するための構成図である。
【図5】本発明に係る省電力化装置の第1実施形態の構成図である。
【図6】本発明に係る省電力化対象装置が設置される環境の一例を示す図である。
【図7】店員の特徴の一例を示す模式図である。
【図8】本発明の第1実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係る省電力化装置の第2実施形態の構成図である。
【図10】本発明の第4実施形態の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
まず、実施形態の説明に入る前に、本発明の動作原理について説明する。図1は本発明に係る省電力化装置の動作原理を説明するための構成図である。同図を参照すると、本発明に係る省電力化装置1は、カメラ10および画像認識部11を用いて認識される人物の服装画像と、メモリ12に記憶される人物の服装画像とを比較して、省電力化対象装置の電源制御を必要とする人物と必要としない人物とを判別し、その判別結果に基づいて電源制御コマンドを送信する制御部13と、制御部13からの電源制御コマンドを受信し、その電源制御コマンドに基づき省電力化対象装置の電源制御を行う操作部52とを含んで構成される。
【0017】
カメラ10は人物を撮像する。画像認識部11はカメラ10で撮像された人物の服装画像を認識する。メモリ12には所定人物(一例として、店員)の服装画像が記憶されている。制御部13は画像認識部11で認識された服装画像と、メモリ12に記憶された服装画像とを比較し、省電力化対象装置の電源制御を必要とする人物と必要としない人物とを判別する。
【0018】
すなわち、服装画像の特徴が一致すればカメラ10に撮像された人物は店員と判別され、不一致であれば客と判別される。そして、店員と判別された場合、省電力化対象装置の電源制御が必要と判別される。
【0019】
制御部13は判別結果に基づき電源制御コマンドを操作部52へ送信する。すなわち、制御部13は客の場合は電源オンの制御コマンドを操作部52へ送信し、店員の場合は電源オフの制御コマンドを操作部52へ送信する。
【0020】
次に、制御部13から電源制御コマンドを受信した操作部52は、その電源制御コマンドに従って省電力化対象装置の電源を制御する。その制御対象の省電力化対象装置の数は1個でもよいし数個でもよい。
【0021】
以上説明したように、本発明に係る省電力化装置1によれば、上記構成を有することにより、客と店員の判別が可能で、かつ複数の省電力化対象装置の電源制御が可能となる。
【0022】
図2は本発明に係る省電力化方法の動作原理を説明するためのフローチャートである。同図を参照すると、本発明に係る省電力化方法は、カメラおよび画像認識部を用いて認識される人物の服装画像と、メモリに記憶される人物の服装画像とを比較して、省電力化対象装置の電源制御を必要とする人物と必要としない人物とを判別し、その判別結果に基づいて電源制御コマンドを送信する制御ステップS1と、制御ステップS1からの電源制御コマンドを受信し、その電源制御コマンドに基づき省電力化対象装置の電源制御を行う操作ステップS2とを含んでいる。
【0023】
以上説明したように、本発明に係る省電力化方法によれば、上記構成を有することにより、客と店員の判別が可能で、かつ複数の省電力化対象装置の電源制御が可能となる。
【0024】
次に、本発明に係る制御装置の動作原理について説明する。図3は本発明に係る制御装置の動作原理を説明するための構成図である。本発明に係る制御装置の構成は図1の省電力化装置1の構成から操作部52を削除したものである。図3を参照すると、本発明に係る制御装置51は、カメラ10および画像認識部11を用いて認識される人物の服装画像と、メモリ12に記憶される人物の服装画像とを比較して、省電力化対象装置の電源制御を必要とする人物と必要としない人物とを判別し、その判別結果に基づいて省電力化対象装置の電源制御を行う制御部12を含んでいる。
【0025】
以上説明したように、本発明に係る制御装置によれば、上記構成を有することにより、客と店員の判別が可能で、かつ複数の省電力化対象装置の電源制御が可能となる。
【0026】
次に、本発明に係るプログラムの動作原理について説明する。本発明に係るプログラムは図2にフローチャートで示される省電力化方法のプログラムである。このプログラムは、コンピュータ(制御部13)に、カメラ10および画像認識部11を用いて認識される人物の服装画像と、メモリ12に記憶される人物の服装画像とを比較して、省電力化対象装置の電源制御を必要とする人物と必要としない人物とを判別し、その判別結果に基づいて電源制御コマンドを送信する制御ステップS1と、制御ステップS1からの電源制御コマンドを受信し、その電源制御コマンドに基づき省電力化対象装置の電源制御を行う操作ステップS2とを実行させるためのものである。
【0027】
以上説明したように、本発明に係る省電力化方法のプログラムによれば、上記構成を有することにより、客と店員の判別が可能で、かつ複数の省電力化対象装置の電源制御が可能なプログラムが得られる。
【0028】
次に、本発明に係る防犯装置の動作原理について説明する。図4は本発明に係る防犯装置の動作原理を説明するための構成図である。なお、図3と同様の構成部分については同一番号を付し、その説明を省略する。本発明に係る防犯装置3は図3の制御装置51に警報81を追加したものである。
【0029】
図4を参照すると、本発明に係る防犯装置3は、カメラ10および画像認識部11を用いて認識される人物の服装画像と、メモリ12に記憶される人物(一例として、警備員)の服装画像とを比較し、比較結果に基づき警報81を出力する制御部13を含んでいる。
【0030】
本発明によれば、カメラ10および画像認識部11を用いて認識される人物の服装画像と、メモリ12に記憶される人物(警備員)の服装画像とが不一致の場合、制御部13により警報81が出力される。
【0031】
以上説明したように、本発明に係る防犯装置によれば、上記構成を有することにより、警備員と警備員以外の人物との判別が可能となり、認識結果が警備員以外の人物である場合に警報81を出力することが可能となる。
【0032】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図5は本発明に係る省電力化装置の第1実施形態の構成図である。同図を参照すると、本発明に係る省電力化装置1の第1実施形態は、制御装置51と、操作部52とを含んで構成される。
【0033】
また、制御装置51はカメラ10と、画像認識部11と、メモリ12と、制御部13と、プログラム格納部16とを含んで構成される。カメラ10は被写体の画像を取得する。画像認識部1はカメラ10が取得した被写体の画像を認識する。メモリ12には人物の服装画像が記憶される。制御部13は画像認識部1で認識される画像とメモリ12に記憶される画像とを比較する。プログラム格納部16には後述するプログラムが格納される。
【0034】
また、操作部52は、一例として図示しない省電力化対象装置を遠隔操作するリモコン装置である(以下、「リモコン装置52」と表示する)。リモコン装置52は送信部14と、受信部15とを含んで構成される。
【0035】
図6は本発明に係る省電力化対象装置が設置される環境の一例を示す図である。同図に示す環境は、一例として販売現場あるいは展示現場であり、一例として2個の省電力化対象機器(一例として、テレビジョン)101,102が展示されている。
【0036】
また、2個の省電力化対象機器101,102の前方かつ上部付近にカメラ10が設置されており、カメラ10により省電力化対象機器101,102周辺の画像が定期的周期により取得される。また、省電力化対象機器101,102の後方にリモコン装置52が設置されている。
【0037】
カメラ10により取得される画像は画像認識部1へ送信され、公知の顔画像認識技術を用いて画像範囲内に人物が存在するか否かを判別する。一方、メモリ12には、一例として店員の服装画像が記憶されている。
【0038】
制御部13はまず、画像認識部1からの顔画像認識結果から、省電力化対象機器101,102周辺に人物が存在するか否かを判別する。そして、人物が存在する場合、制御部13は画像認識部1で認識される人物の服装画像とメモリ12に記憶される店員の服装画像とを比較する。そして比較の結果、服装画像の特徴が不一致の場合、制御部13はカメラ10により取得された人物は店員ではなく客であると判断する。
【0039】
制御部13は、カメラ10で取得された人物が客であると判断すると、客が省電力化対象機器101,102周辺に存在する場合の電源制御を実行する。制御部13は、この場合電力化対象機器101,102の電源をオンにするため、リモコン装置52の送信部14に対し、電源オンの制御コマンドを送信する。この電源オンの制御コマンドを受信したリモコン装置52は、電力化対象機器101,102に対し電源オン信号を送信する。この電源オン信号を受信した電力化対象機器101,102は電源をオンにする。
【0040】
一方、制御部13は、カメラ10で取得された人物が店員であると判断すると、店員が省電力化対象機器101,102周辺に存在する場合の電源制御を実行する。制御部13は、この場合省電力化対象機器101,102の電源をオフにするため、リモコン装置52の送信部14に対し、電源オフの制御コマンドを送信する。この電源オフの制御コマンドを受信したリモコン装置52は、省電力化対象機器101,102に対し電源オフ信号を送信する。この電源オフ信号を受信した省電力化対象機器101,102は電源をオフにする。
【0041】
図7は店員の特徴の一例を示す模式図である。同図を参照すると、店員の顔21、その店の制服等の服装22およびワッペン26等の店員固有の画像情報がメモリ12に記憶されている。画像認識部11はこれら顔21、服装22およびワッペン26等の画像を認識する。また、メモリ12には人物の服装画像の比較結果を示す情報が格納されている。
【0042】
次に、第1実施形態の動作について図5〜図8を参照しながら説明する。図8は本発明の第1実施形態の動作を示すフローチャートである。なお、以下の動作は制御部51内の制御部13が画像認識部11、メモリ12、リモコン装置52内の送信部14および受信部15を制御することにより実行される。
【0043】
図6に示す現場は一例として家電販売店のテレビジョン売り場である。リモコン装置52の送信部14は省電力化対象機器101,102へ電源オン信号または電源オフ信号を赤外線にて送信する。また、リモコン装置52の受信部15は省電力化対象機器101,102から赤外線にて送信される省電力化対象機器101,102固有の制御コマンドを受信しかつ記憶する。
【0044】
まず、制御装置51に電源が供給されると、タイマ−が初期化され(図8のステップS10)、次に、カメラ10が作動し周囲の画像の取り込みが周期的に開始される(ステップS11)。
【0045】
カメラ10に取り込まれた画像は画像認識部1にて顔認識が開始される。制御部13は画像認識部1による認識結果に基づき、得られた画像内に人物が存在するか否かを判別する(ステップS12)。
【0046】
そして、得られた画像内に人物が存在すると判別されると(ステップS12にて“Yes”の場合)、制御部13は得られた画像をメモリ12内の店員の服装の画像と比較する(ステップS13)。関連技術では、人間の顔や色を抽出する技術が確立している。本発明の制御部13はその技術を用いて洋服部分を抽出し、メモリ12内に登録してある店員の服装の色が一定量抽出されると、得られた画像内に人物は店員の制服を着ていると判断される。これにより、客と店員の区別がなされる。
【0047】
制御部13は上記比較結果が一致の場合(ステップS13にて“Yes”の場合)、同じ画像内に存在する他の人物の判別に移行する(ステップS15)。そして、同じ画像内に他の人物が存在する場合(ステップS15にて“Yes”の場合)、判断対象をこの人物に変更し(ステップS17)、ステップS13に戻る。
【0048】
一方、同じ画像内に他の人物が存在しない場合(ステップS15にて“No”の場合)、制御部13は入力信号を“0”と設定する(ステップS16)。すなわち、入力信号“0”は現場に店員のみしか存在しないこと、あるいは誰も存在しないことを表す。
【0049】
他方、ステップS13にて、得られた画像とメモリ12内の店員の服装の画像とが不一致の場合(ステップS13にて“No”の場合)、制御部13は入力信号を“1”と設定する(ステップS14)。すなわち、入力信号“1”は現場に客が存在することを表す。
【0050】
また、ステップS12にて得られた画像内に人物が存在しないと判別されると(ステップS12にて“No”の場合)、制御部13は入力信号を“0”と設定する(ステップS16)。
【0051】
入力信号が決定すると、制御部13において省電力化対象機器101,102の制御方法を決定するフローに入る。まず、現在の制御を変更する必要があるか否かの判断を行なうため、制御信号と入力信号の比較を行う(ステップS18)。その比較結果が不一致の場合(ステップS18にて“No”の場合)、制御内容を変更するため制御信号に入力信号を書き込む(ステップS19)。
【0052】
次に、書き込まれた制御信号を判断し(ステップS20)、制御信号が“0”の場合(ステップS20にて“Yes”の場合)、この場合は客がいなくなったことを表すが、客が不在となってから一定時間経過後に電源をオフにするため、図示しないタイマーをスタ−トするのみで(ステップS21)、制御方法およびリモコン装置52の送信部14からの信号の送信は行わずに終了する。
【0053】
一方、ステップS18にて、制御信号と入力信号の比較結果が一致の場合(ステップS18にて“Yes”の場合)、制御信号が“0”であるか否かを判断する(ステップS22)。制御信号が“0”である場合(ステップS22にて“Yes”の場合)、この場合は客がいない状態を表すので、客がいない状態が一定の時間経過するまで待ち(ステップS23にて“Yes”)、一定の時間経過後に電源をオフするよう、リモコン装置52の送信部14から電源オフの制御コマンドを送信する(ステップS24)。そして、ステップS11に戻る。
【0054】
また、ステップS22において客がいる状態が継続している場合(ステップS22にて“No”の場合)、あるいはステップS23において客がいなくなってから一定の時間が経過していない場合は、制御を変える必要はないため、ステップS11に戻る。
【0055】
また、ステップS20において、書き込まれた制御信号を判断し(ステップS20)、制御信号が“0”ではない場合(ステップS20にて“No”の場合)、この場合は、それまで客がいなかった場所に新たに客が出現したことを表すので、タイマーのリセットを行った後(ステップS25)、電力化対象機器101,102の電源をオンにするように制御信号をリモコン装置52の送信部14より赤外線にて送信する(ステップS26)。そして、ステップS11へ戻る。
【0056】
メモリ12には、制御対象機ごとに固有の電源制御コマンドが登録されている。リモコン装置52が送信する電源制御コマンドは製造会社によって異なるが、製造会社が同じであれば電力化対象機器の機種が異なっても同じコマンドを使用していることがある。そのため、一つのコマンドで複数の電力化対象機器を制御することが可能である。この場合、コマンドの登録時に制御可能台数によって重み付けし、コマンド送信の優先順位を決定する。リモコン装置52の送信部14は制御部13から制御信号を受け取ると、メモリ12内から電源制御コマンドを読み出し、優先度の高いコマンドから順次赤外線で電力化対象機器へ送信する。
【0057】
なお、コマンドの登録には公知の関連技術である学習リモコンを利用することが可能であるため、その詳細な説明は省略する。また、上記記載の顔および画像認識の技術もまた公知の関連技術であるため、その詳細な説明は省略する。
【0058】
また、第1実施形態では省電力化対象機器の一例として、テレビジョンを挙げたが、これに限定されるものではなく、リモコン装置を利用したものであれば他の装置にも本発明の適用が可能である。
【0059】
以上説明したように、本発明の第1実施形態によれば、以下に記載の効果を奏する。
【0060】
第1の効果は、客がいない場合に省電力化対象装置の電源をオフさせるので、余計な電力を抑えることができることである。
【0061】
第2の効果は、店員と客とを判別しているので、店員の移動等による省電力化対象装置の不要な電源の投下を抑制できることである。
【0062】
第3の効果は、省電力化対象装置とは異なる場所に設置した装置で省電力化対象装置の電源制御を実行するため、自動的に電源をオフする機能を持たない省電力化対象装置であっても赤外線リモコンに対応していれば制御対象とすることができることである。
【0063】
第4の効果は、周辺の客の判別を自動的に行っているので、省電力化対象装置の周辺に店員がいるか否かに関わらず省電力化を自動で実行できることである。また、人為的なミスである消し忘れおよび点け忘れも防止することができることである。
【0064】
第5の効果は、服装で店員であるか客であるかの判別が可能であるため、アルバイト店員等短期間のみ働く店員の顔を登録および削除する必要がなくなり、設定が容易であることである。
【0065】
第6の効果は、省電力化対象装置をリモコン装置で電源制御する構成であるため、複数の省電力化対象装置を制御することができることである。
【0066】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態はその基本的構成は第1実施形態と同様であるが、省電力化対象装置の電源制御方法についてさらに工夫している。図9は本発明に係る省電力化装置の第2実施形態の構成図である。なお、第1実施形態の構成(図6参照)と同様部分には同一番号を付し、その説明を省略する。図9を参照すると、第2実施形態における省電力化装置2ではリモコン装置52(図6参照)の代わりに直接操作装置61と、電源コンセント62とを設けている。
【0067】
すなわち、省電力化対象装置101,102と電源コンセント62との間に直接操作装置61を接続し、電源コンセント62に電源を供給する。さらに、制御装置51と直接操作装置61を接続する。そして、制御装置51からの電源オンまたはオフの制御コマンドが直接操作装置61に送信されると、直接操作装置61はその制御コマンドが電源オンである場合は、電源コンセント62からの電源を省電力化対象装置101,102へ供給し、その制御コマンドが電源オフである場合は、電源コンセント62から省電力化対象装置101,102への電源の供給を遮断する。
【0068】
なお、第2実施形態ではリモコン装置52(図6参照)を直接操作装置61と、電源コンセント62とに置換しただけなので、上記以外の動作は第1実施形態と同様である。
【0069】
以上説明したように、本発明の第2実施形態によれば、省電力化対象装置101,102の電源を直接操作装置61により直接オンまたはオフする構成であるため、リモコン装置を有さない省電力化装置に対しても省電力化が可能となる。
【0070】
また、第1および第2実施形態において、店員の制服のみを識別対象とした場合、同系色の服を着た人物または同系色のパッケージを持った物体を店員と誤認識する可能性がある。そこで、カメラ10ならびに画像認識部11に高度な性能を具備し、顔認識を可能とすることで、誤認識となる確率を下げることが可能となる。短期間の店員等、顔が未登録である場合において、ワッペン26(図7参照)等の顔の代わりとなる店員の特徴を追加条件に加えることで、誤認識を防止することが可能となる。
【0071】
また、本発明では、販売店での店員および客の識別を例に記述したが、その他の人物であっても特徴をもった人物であれば識別が可能である。そのため、人物の特徴を変更することで、展示品に限らず、天井灯等の照明の制御に本発明の適用が可能となる。
【0072】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は省電力化方法のプログラムに関するものである。図5を参照すると、本発明の制御装置51はプログラム格納部16を含んでいる。このプログラム格納部16には、図8にフローチャートで示す省電力化方法のプログラムが格納されている。
【0073】
制御部(コンピュータ)13はプログラム格納部16からそのプログラムを読み出し、そのプログラムにしたがって画像認識部11およびメモリ12、ならびに操作部52の送信部14および受信部15を制御する。その制御の内容は既に述べたので、ここでの説明は省略する。
【0074】
以上説明したように本発明の第3実施形態によれば、客と店員の判別が可能で、かつ複数の省電力化対象装置の電源制御が可能な省電力化方法のプログラムが得られる。
【0075】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態は省電力を目的とするものではないが、人物を識別して対象物を制御する点で上述の第1および第2実施形態と共通する。第4実施形態では防犯装置に本発明を適用している。
【0076】
関連技術においては、警備員がモニタで不審な人物の侵入の有無を監視しているが、人物の侵入を検出してから現場に駆けつけるまでに時間がかかるという欠点があった。本発明の第3実施形態では人物の侵入を検出した場合にアラームを雷鳴させることにより、この欠点の解消を図っている。
【0077】
図10は本発明の第4実施形態の構成図である。なお、同図において第1実施形態の構成(図5参照)と同様の構成部分については同一番号を付し、その説明を省略する。
【0078】
図10を参照すると、本発明に係る防犯装置3は制御装置71と、映像表示装置72とを含んで構成される。また、制御装置71はカメラ10と、画像認識部11と、メモリ11と、警報(以下、「アラーム」と表示する)81と、制御部13とを含んで構成される。また、映像表示装置72はカメラ10で撮影されている映像を表示する。すなわち、映像表示装置72は警備室等に配置されるモニタ等を想定している。
【0079】
次に、第4実施形態の動作について説明する。メモリ11に警備員の制服の画像が記憶されているものとする。カメラ10を介して画像認識部11で識別された人物の服装と、メモリ1内に記憶された警備員の制服の特徴部分が一致する場合、制御部13はカメラ10を介して画像認識部11で識別された人物は警備員と判断する。この場合、制御部13はアラーム81を駆動しない。
【0080】
一方、カメラ10を介して画像認識部11で識別された人物の服装と、メモリ1内に記憶された警備員の制服の特徴部分が一致しない場合、制御部13はカメラ10を介して画像認識部11で識別された人物は警備員以外と判断する。そして、この場合、制御部13は警報としてアラーム81を駆動する。
【0081】
以上説明したように本発明の第4実施形態によれば、警備員以外の人物が検出されると、即座にアラーム81を駆動する構成であるため、その人物に対し即座に警告することが可能となる。
【符号の説明】
【0082】
1,2 省電力化装置
3 防犯装置
10 カメラ
11 画像認識部
12 メモリ
13 制御部
14 送信部
15 受信部
16 プログラム格納部
21 店員の顔
22 服装
26 ワッペン
51 制御装置
52 操作部
61 直接操作装置
62 電源コンセント
71 制御装置
72 映像表示装置
81 警報
101 省電力化対象機器
102 省電力化対象機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラおよび画像認識部を用いて認識される人物の服装画像と、メモリに記憶される人物の服装画像とを比較して、省電力化対象装置の電源制御を必要とする人物と必要としない人物とを判別し、その判別結果に基づいて電源制御コマンドを送信する制御部と、
前記制御部からの電源制御コマンドを受信し、その電源制御コマンドに基づき前記省電力化対象装置の電源制御を行う操作部とを含むことを特徴とする省電力化装置。
【請求項2】
前記操作部は前記省電力化対象装置を遠隔操作するリモコン装置であることを特徴とする請求項1記載の省電力化装置。
【請求項3】
前記操作部は前記省電力化対象装置を直接操作する直接操作装置であることを特徴とする請求項1記載の省電力化装置。
【請求項4】
前記電源制御は前記省電力化対象装置の電源をオンまたはオフすることであり、前記制御部は前記カメラおよび画像認識部を用いて認識される人物の服装画像と、前記メモリに記憶される人物の服装画像の特徴が一致する場合、前記操作部に対し前記省電力化対象装置の電源オフを指示することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の省電力化装置。
【請求項5】
前記メモリには前記人物の服装画像の比較結果を示す情報が格納され、前記情報に対応する電源制御コマンドが前記制御部から前記操作部に対し送信されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の省電力化装置。
【請求項6】
前記制御部は複数の前記省電力化対象装置に対し前記電源制御を実行することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の省電力化装置。
【請求項7】
カメラおよび画像認識部を用いて認識される人物の服装画像と、メモリに記憶される人物の服装画像とを比較して、省電力化対象装置の電源制御を必要とする人物と必要としない人物とを判別し、その判別結果に基づいて電源制御コマンドを送信する制御ステップと、
前記制御ステップからの電源制御コマンドを受信し、その電源制御コマンドに基づき前記省電力化対象装置の電源制御を行う操作ステップとを含むことを特徴とする省電力化方法。
【請求項8】
前記操作ステップは前記省電力化対象装置を遠隔操作するリモコン装置によって行われることを特徴とする請求項7記載の省電力化方法。
【請求項9】
前記操作ステップは前記省電力化対象装置を直接操作する直接操作装置によって行われることを特徴とする請求項7記載の省電力化方法。
【請求項10】
前記電源制御は前記省電力化対象装置の電源をオンまたはオフすることであり、前記制御ステップは前記カメラおよび画像認識部を用いて認識される人物の服装画像と、前記メモリに記憶される人物の服装画像の特徴が一致する場合、前記操作ステップに対し前記省電力化対象装置の電源オフを指示することを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の省電力化方法。
【請求項11】
前記メモリには前記人物の服装画像の比較結果を示す情報が格納され、前記情報に対応する電源制御コマンドが前記制御ステップにおいて前記操作ステップに対し送信されることを特徴とする請求項7から10のいずれかに記載の省電力化方法。
【請求項12】
前記制御ステップは複数の前記省電力化対象装置に対し前記電源制御を実行することを特徴とする請求項7から11のいずれかに記載の省電力化方法。
【請求項13】
カメラおよび画像認識部を用いて認識される人物の服装画像と、メモリに記憶される人物の服装画像とを比較して、省電力化対象装置の電源制御を必要とする人物と必要としない人物とを判別し、その判別結果に基づいて前記省電力化対象装置の電源制御を行う制御部を含むことを特徴とする制御装置。
【請求項14】
前記電源制御は前記省電力化対象装置の電源をオンまたはオフすることであり、前記制御部は前記カメラおよび画像認識部を用いて認識される人物の服装画像と、前記メモリに記憶される人物の服装画像の特徴が一致する場合、前記省電力化対象装置の電源をオフすることを特徴とする請求項13記載の制御装置。
【請求項15】
前記メモリには前記人物の服装画像の比較結果を示す情報が格納され、前記情報に基づき前記制御部が前記省電力化対象装置の電源制御を行うことを特徴とする請求項13または14に記載の制御装置。
【請求項16】
前記制御部は複数の前記省電力化対象装置に対し前記電源制御を実行することを特徴とする請求項13から15のいずれかに記載の制御装置。
【請求項17】
コンピュータに、カメラおよび画像認識部を用いて認識される人物の服装画像と、メモリに記憶される人物の服装画像とを比較して、省電力化対象装置の電源制御を必要とする人物と必要としない人物とを判別し、その判別結果に基づいて電源制御コマンドを送信する制御ステップと、
前記制御ステップからの電源制御コマンドを受信し、その電源制御コマンドに基づき前記省電力化対象装置の電源制御を行う操作ステップとを実行させるためのプログラム。
【請求項18】
前記操作ステップは前記省電力化対象装置を遠隔操作するリモコン装置によって行われることを特徴とする請求項17記載のプログラム。
【請求項19】
前記操作ステップは前記省電力化対象装置を直接操作する直接操作装置によって行われることを特徴とする請求項17記載のプログラム。
【請求項20】
前記電源制御は前記省電力化対象装置の電源をオンまたはオフすることであり、前記制御ステップは前記カメラおよび画像認識部を用いて認識される人物の服装画像と、前記メモリに記憶される人物の服装画像の特徴が一致する場合、前記操作ステップに対し前記省電力化対象装置の電源オフを指示することを特徴とする請求項17から19のいずれかに記載のプログラム。
【請求項21】
前記メモリには前記人物の服装画像の比較結果を示す情報が格納され、前記情報に対応する電源制御コマンドが前記制御ステップにおいて前記操作ステップに対し送信されることを特徴とする請求項17から20のいずれかに記載のプログラム。
【請求項22】
前記制御ステップは複数の前記省電力化対象装置に対し前記電源制御を実行することを特徴とする請求項17から21のいずれかに記載のプログラム。
【請求項23】
カメラおよび画像認識部を用いて認識される人物の服装画像と、メモリに記憶される人物の服装画像とを比較し、比較結果に基づき警報を出力する制御部を含むことを特徴とする防犯装置。
【請求項24】
前記制御部は前記カメラおよび画像認識部を用いて認識される人物の服装画像と、前記メモリに記憶される人物の服装画像の特徴が一致しない場合、前記警報を出力することを特徴とする請求項23記載の防犯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−30116(P2011−30116A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175963(P2009−175963)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】