説明

省電力装置を備えた漂流ブイおよび潮流観測システム。

【課題】
低コストで広範囲の潮流を同時に観測できる潮流観測システムおよび小型で長期間にわたり利用が可能な漂流ブイを提供する。
【解決手段】
本方式では、電源を自動的にオンとオフする電源制御装置を搭載し、観測する潮流の速さや観測に必要な測定精度を考慮して、ブイに搭載した観測機器の電源のオンとオフする時間の間隔を適切に制御して消費電力量を省く。漂流ブイのGPS情報は、携帯電話網を利用し、インターネットを経由して送信され、インターネットに接続した観測装置で潮流情報を算出する。携帯電話網を用いることで広範囲の潮流を観測できる。複数の漂流ブイから求めた潮流観測データは、Webサーバを通じて、観測情報を配信される。省電力化により電池等の電源装置が小型化しても長期間の観測ができるため、漂流ブイを小型化と低コストが実現できる。本装置は潮流観測のほか、河川や湖沼などの水流観測にも利用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、潮流を観測するための漂流ブイと潮流観測システムにおいて、特に漂流ブイに搭載する電池等の電源装置の小型化および小型の漂流ブイを用いた潮流観測システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
沿岸海域や湾内における水質は、存在する潮流に大きく依存する。たとえば、潮流が弱い海域においては、水の循環が少なく、水質が悪化しやすい。赤潮の発生要因を調べたり、発生した赤潮の広がり方を調べたりするためにも、潮流のデータは重要である。
【0003】
そのため、対象海域における水環境の改善を目的として、実際の流速を観測し、潮流を把握する取組みがなされている。
【0004】
潮流は潮の干満によるおよそ12時間の周期による変化の他、月の満ち欠けによる30日の周期や地球の公転による1年の周期なども影響を与えるため、長期間にわたる観測が必要となる。潮汐の変化と地形の情報から潮流のモデルを作ることもできるが、風の影響や降雨による河川からの淡水の流入量の変化の影響のように気象状況からも影響を受ける。
【0005】
潮流を観測する方法の例としては、特許文献1に開示されているように、水中または海底から超音波を発射し、その超音波の反射波の周波数が潮の流速に応じて変化するドップラー効果を利用した方法がある。
【0006】
そのほか、GPS搭載の漂流ブイを用いた方法としては、特許文献2に示すようなGPS受信機と通信装置を搭載した装置が提案されている。
【0007】
【特許文献1】特許公開2002−174639号公報
【特許文献2】特許公開2006−284434号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述のドップラー効果を用いた方法は、複数の超音波を発射できる発射装置が必要であり、広範囲の潮流とその変化を調べるには装置の価格が高くなる。それぞれの観測点における観測可能範囲は、水中を伝搬する超音波の到達可能距離によって決まり、その距離はそれほど長くない。広い範囲を測定するためには、数多くの測定点が必要となる。沿岸付近の浅瀬では、打ち寄せる波によって生じた気泡が発する超音波の影響で正確に測定できない。
【0009】
上述のGPS受信機と通信装置を用いた漂流ブイでは、電源のオンオフ間隔が一定であるため、搭載した電池の電力量を有効に活用できない。時間間隔をブイの移動速度が速いところに合わせると、速度が遅い所では必要以上に電力を消費することになる。搭載するバッテリの大きさが限られている場合は観測時間が短くなり、観測時間を長くするためにはバッテリが大型になるため漂流ブイの寸法が大型化する。また、通信方式については別途に検討の余地があり、電波の届く範囲に観測装置を置かねばならなかった。
【0010】
潮流は月の引力による潮の満ち引きによって起こる海流であり、約12時間の干満の変化のほか、太陽の引力の影響が作用する潮の満ち欠けの周期に併せた大潮や小潮による変化にも影響を受けている。
そのため、潮流の変化を詳細にしらべるには、少なくとも一ヶ月程度の観測期間が必要となる。干満の差が大きい内海では沿岸部が干潟となるが、特にこのような場所では、潮流が複雑な動きをするため、潮流を調べることは有益である。しかし、小型のブイでは短時間しか使用できず、大型のブイでは浅瀬の観測に利用することができなかった。
【0011】
上述の漂流ブイシステムでは、短期的な沿岸や湾内の局所的な流速観測を目的としているため、湾の奥深くにテトラポットがある沿岸付近や遠浅の干潟のように浅瀬が多くあるような観測海域では、海域全体を長期に広範囲にわたり観測するためには、課題が残されていた。
【0012】
そこで、本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、長時間にわたり、浅瀬も含めた広い水域における潮流などの水流を観測できる漂流ブイおよび潮流観測システムおよびを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の省電力装置を備えた漂流ブイおよび潮流観測システムでは、漂流ブイに搭載する電池等の電源装置の消費電力量を漂流ブイの移動状況に合わせて、適切に制御することで省電力化をはかり、電源装置を小型化しても、長時間の観測を可能にすることを特徴とする。
【0014】
くわえて、上記目的を達成するため、本発明の省電力装置を備えた漂流ブイおよび潮流観測システムでは、漂流ブイからのGPS情報を無線信号で伝送する方法として、携帯電話モデム装置とプロトコル変換によるインターネット接続の機能を利用することにより、広範囲の潮流観測システムの構築を可能とすることを特徴とする。
【0015】
漂流ブイには、搭載した電子機器に電力を分配する際に、電子機器毎に分配する電力をオンオフ制御する電源制御部を備え、GPS情報を受信するGPS受信部と、GPS受信部が受信したGPS情報に基づいて、自己の存在位置を示す無線信号を送信する無線送信部とを含む。また、陸上に置かれた観測装置は、漂流ブイから送られたGPS情報を受信する受信部と、受信部が受信したGPS情報に基づいて、潮流の速度や方向を算出する情報処理部とを含む。
【0016】
潮流によるブイの移動速度は、潮止まりと呼ばれる潮の干満が切り替わる時間では最も遅く、上げ潮と下げ潮の時間帯で早くなる。漂流ブイの移動速度が遅い時間帯では、位置の計測間隔を長くし、移動速度が速い時間帯では計測時間を短くすることで、バッテリの利用できる時間を長くしながら、必要なブイの移動速度の測定精度を確保することができる。
【0017】
漂流ブイに搭載したGPS受信部が出力するGPS情報を、通信制御部に内蔵したマイクロコンピュータで処理し、漂流ブイの移動速度の状況に合わせて、電源制御部がおこなう電源のオンとオフの時間を適切に設定する。電源制御部へは、陸上の観測装置からもオンとオフの時間間隔の設定に必要な制御信号を送ることができ、潮流の測定期間や測定精度に合わせて最適な制御を行う。
【0018】
バッテリの電力を消費しないように、GPS受信機や通信システム機器の電源のオンとオフの時間を制御することで、小さなサイズのバッテリでも長期間の観測に利用できるため、漂流ブイのサイズを小さくすることができる。水深が浅い場所での潮流の観測に利用することができる。
【0019】
無線通信部には、公衆無線電話回線を提供する会社いわゆる携帯電話会社が提供している携帯電話網とインターネットの接続サービスを利用する。観測装置はインターネットに接続できる場所であればどこでもよい。また、携帯電話網を利用することで、漂流ブイに搭載するアンテナも小型化できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の省電力装置を備えた漂流ブイおよび潮流観測システムを用いることで、沿岸部まで含めた広い範囲の潮流観測ができるようになる。また、赤潮の運搬状況を調べたり、赤潮の発生要因となる潮流の動向を知ることができる。
【0021】
本発明によれば、観測装置は、漂流ブイから送信された情報を、インターネットを介して受信するので、複数の地点における流速をリアルタイムで観測できる。ブイに搭載した電源制御部により小型のバッテリでも長時間の観測ができる。よって低コストで広い海域における流速観測を実現できる。海だけでなく河川や湖沼などにも利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0023】
[実施の形態1]
実施の形態1では、海水の流れである潮流を観測するためのシステムについて説明する。
図1は、この発明の実施の形態1に潮流観測システム100の概略構成図である。
【0024】
図1を参照して、潮流観測システム100は漂流ブイ1.1,1.2,・・・1.nと、観測装置2から構成される。携帯電話網3は、公衆無線電話回線を提供する会社いわゆる携帯電話会社の設備を利用する。インターネット4は、TCP/IPの通信プロトコルで接続されたコンピュータネットワークを利用する。
【0025】
漂流ブイ1.1,1.2,・・・1.nの各々は、GPS(Global Positioning System)情報を受信し、そのGPS情報から自己の位置を取得する。そして、漂流ブイ1.1,1.2,・・・1.nの各々は、通信制御部10と無線電話モデム部8をつかって、携帯電話網3とインターネット4を経由して観測装置2へと送信する。そして、観測装置2は、漂流ブイ1.1,1.2,・・・1.nのそれぞれから受けた位置データの時間的変化量に基づいて、漂流ブイ1.1,1.2,・・・1.nの漂流速度を取得し、取得した情報を磁気記憶部21に保存すると共に、表示部22によりユーザに対して情報を提供する。
【0026】
漂流ブイ1.1,1.2,・・・1.nは、電源部6と、電源制御部5と、GPS受信部7と、通信制御部10と、携帯電話モデム部8と、時計部9と、センサ部11と、電子記憶部12と、携帯電話アンテナ13と、GPSアンテナ14とから構成される。
【0027】
電源部6は、GPS受信部7と、通信制御部10と、携帯電話モデム部8を駆動するための電力を蓄える。そして、電源部6は、鉛蓄電池、ニッケル・カドミウム電池、リチウム・イオン電池などの充電が可能な2次電池から構成される。
【0028】
電源制御部5は、時計部9で作られた信号によって制御され、漂流ブイ1.1,1.2,・・・1.nの位置を測定する時のみ、GPS受信部7と携帯電話モデム部8と、通信制御部10に電力を供給するために、電源のオンとオフを制御する部分である。各部の電源のオンとオフの制御は個別に行う。時計部9を除くその他の電子機器についても、予め決めておいたスケジュールに合わせて、電源のオンとオフの制御を行う。
【0029】
時計部9は常に電力が供給されているが、時計部9が消費する電力はわずかである。時計部9の時刻の調整と時間間隔の調整は、通信制御部10によって行われる。GPS受信部7で受信したGPS情報によるブイの移動距離から求めた時間間隔を用いる場合と、観測装置2の情報制御部20が送ってきた時間間隔を用いることも可能である。
【0030】
GPS受信部7は、GPSアンテナ14を使用して、上空にあるGPS衛星の中からGPS測位に利用できるすべての衛星からの電波を受信し、GPS情報を通信制御部10へ出力する。GPS情報に含まれるのは、位置情報と時刻情報の他、GPS衛星の受信状況とGPS受信部7の内部の情報であり、これらを通信制御部10へ出力する。
【0031】
通信制御部10は、電源制御部5からの電源が供給されると同時に作動し、携帯電話モデム8に必要な指令を送ることで、携帯電話網3とインターネット4を経由して、観測装置2のTCP/IP通信部19と通信が可能な状態にする。GPS受信部7からのGPS情報を携帯電話モデム8に送り、観測装置2へと漂流ブイのGPS情報を通知する。観測装置2への送信の際には、漂流ブイ1.1,1.2,・・・1.nのからのデータを認識できるようにするために、漂流ブイ1.1,1.2,・・・1.nごとに割り当てられたユニークなIDつまりブイ固有のIDを付加する。
【0032】
通信制御部10は、センサ部11で取得した気温、水温、電源部6のバッテリ残量のデータを、携帯電話モデム部8へ送信するほか、電子記憶部12にも保存する。
【0033】
電源制御部5は、漂流ブイの移動速度を考慮して、通信制御部10とGPS受信部7と携帯電話モデム部8の電源をオンオフする時間間隔を計算し、適切な時間間隔になるように制御する。時間間隔は、潮流の変化が緩やかな場合はオフ時間の間隔を長くとり、潮流の変化が急な場合はオフ時間の間隔を短くする。
オンの時間間隔については、GPS受信部7が出力するGPS情報を参照する。GPS情報で求めた位置情報には、測位誤差というGPS固有の誤差が含まれている。GPS受信部7のオン時間を長くすることで、GPS情報の統計的な平均が求まり、誤差を減らすことができる。GPS情報として必要な位置精度に応じてGPS受信部7のオン時間を適切な時間間隔になるように制御する。
【0034】
電源制御部5は、機器を個別に電源制御ができるため、GPS受信部7と通信制御部10をオンにした際に、携帯電話モデム部8のみをオフにすることができる。バッテリの消費を押さえる事が優先される状況で、リアルタイム性がそれほど求められない観測の場合には、GPS情報とセンサ情報を一定時間間隔だけ電子記憶部12に蓄えておき、携帯電話モデム部8の電源をオンにしたときに、情報をまとめて送信することができ、電池等の電源装置の電力の消耗を少なくすることができ、また連続した潮流の観測データを得ることができる。
【0035】
携帯電話モデム部8は、携帯電話モデム部8のシリアルポート入力された信号を、携帯電話網3とインターネット4を経由して、観測装置2のTCP/IP通信部19へ送信する。携帯電話モデム部8のシリアルポートへ入力されたGPS情報は、携帯電話アンテナ13から無線信号により陸上にある携帯電話基地局アンテナ15に送られ、携帯電話基地局16から携帯電話網のパケット通信網17に送られる。さらにプロトコル変換18をつかってTCP/IP形式に変換し、インターネット4を経由して、グローバルなインターネットアドレスを持つTCP/IP通信部19へと送信する。
【0036】
漂流ブイ1.1,1.2,・・・1.nは、携帯電話基地局16からの電波が届く範囲で利用できる。観測装置2はインターネットが接続された場所であれば設置が可能である。
【0037】
観測装置2のTCP/IP通信部19は、漂流ブイ1.1,1.2,・・・1.nから送られてきたGPS情報をTCP/IP形式で受信し、情報制御部20へと送信する。情報制御部20では、送られてきた情報を磁気記憶部21でハードディスクに保存し、利用者のために表示部22を用いてテキスト形式やグラフィック形式で表示する。
【0038】
DGPS受信部24は、固定式のGPSアンテナ25を用いて上空にあるGPS衛星の電波を受信して、GPS衛星や電離層・対流圏での誤差をDGPS情報として情報制御部20へ出力する。情報制御部20では、DGPS情報をTCP/IP通信部19から無線電話携帯網3を経由して、漂流ブイ1.1,1.2,・・・1.nのそれぞれに送信する。DGPS情報を利用することで、漂流ブイのGPS情報の精度を向上させたり、GPS情報が出力されるまでの時間を短縮したりすることができる。
【0039】
情報制御部20は、漂流ブイ1.1,1.2,・・・1.nのGPS情報を元に、潮流に関する情報を算出し、漂流ブイ1.1,1.2,・・・1.nが浮かんでいる付近の潮流の情報を地図情報に表示するためのHTML情報を作成し、Webサーバ部23にFTP等をつかって送信する。
【0040】
Webサーバ部23は、インターネット4に接続されており、漂流ブイ1.1,1.2,・・・1.nの位置情報と潮流の情報をHTML形式で公開する。インターネット4に接続されたコンピュータや携帯電話は、パソコンブラウザ26や携帯電話ブラウザ27を利用して、漂流ブイ1.1,1.2,・・・1.nが浮かんでいる付近の潮流の情報を閲覧することができる。
【0041】
情報制御部20では、漂流ブイ1.1,1.2,・・・1.nが計測している潮流の速度や場所に応じて、漂流ブイ1.1,1.2,・・・1.nが計測している時間間隔やGPS受信部7のオン時間を決定し、漂流ブイ1.1,1.2,・・・1.nのそれぞれの通信制御部10に送信する。時間間隔の調整は、情報制御部20が予め決められた条件に従って自動的に行うほか、利用者が手動で設定することができる。
【0042】
図2は、漂流ブイ1.1の構造図を示す。
【0043】
図2(a)は、漂流ブイ1.1の上部からみた外観図である。
【0044】
図2(b)は、図2(a)のiia−iia線断面図である。
【0045】
図2(a)ならびに図2(b)を参照して、漂流ブイ1.1は、円筒形状であり、アンテナなどの突起物のない形状となっている。
【0046】
図2(b)を参照して、漂流ブイ1.1は、円筒形状をしており、ブイ容器(フタ)29とブイ容器30が防水性の高い密閉容器となっている。漂流ブイ1.1の全ての電子機器は、フレーム31を使って、全て容器の中に収納される。
【0047】
図2(b)を参照して、ブイの上部に、無線携帯電話アンテナ13およびGPSアンテナ14を配置し、ブイの下部に電源部6のバッテリとバラスト(錘)28を配置し、すべての電子機器がフレーム31に固定される。漂流ブイ1.1のブイ容器30の浮力の応力中心と、ブイ1.1全重量の重心が一直線になるようにバラスト(錘)28を配置し、バラスト(錘)の重量を調整して、ブイが縦長方向に直立するようにバランスさせる。
【0048】
漂流ブイ1.1は、潮流による流動に従い漂流する際、漂流ブイの上部が水面WLに出ているが、そのほとんどが水中にある。水の粘性抵抗に比べると空気の粘性抵抗は低いので、潮流の変動に対して風圧による流動の影響はほとんど無視することができる。
【0049】
漂流ブイ1.2,・・・1.nは、漂流ブイ1.1と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0050】
漂流ブイ1.1,1.2,・・・1.nから送られてきたデータをTCP/IP通信部19で受信する方法は、データの受信の際にTCP/IPのマルチセッションによって区別する方法や、ブイ毎に固有の符号を付けることによる区別の方法や、送信時刻を分けること(タイムシェアリング)による区別の方法を、それぞれ又は組み合わせて実施することで、複数の漂流ブイからのGPS情報を一箇所の観測装置2で受信し、潮流情報へと処理する。
【0051】
[実施の形態2]
実施の形態1は、海で潮流を観測するために本発明を用いる場合について説明したが、携帯電話網の通信範囲であれば、河川や湖沼などの水流を観測するために利用できる。
【0052】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明の潮流観測システムの概略構成図である。
【図2】漂流ブイの構造図を示す。
【符号の説明】
【0054】
1.1,1.2,・・・,1.n,漂流ブイ、
2 観測装置、
3 携帯電話網、
4 インターネット、
5 電源制御部、
6 電源部、
7 GPS受信部、
8 携帯電話モデム部、
9 時計部、
10 通信制御部、
11 センサ部、
12 電子記憶部、
13 携帯電話アンテナ、
14 GPSアンテナ、
15 携帯電話基地局アンテナ、
16 携帯電話基地局、
17 携帯電話パケット通信網、
18 プロトコル変換、
19 TCP/IP通信部、
20 情報制御部、
21 磁気記憶部、
22 表示部、
23 Webサーバ部、
24 DGPS受信部、
25 GPSアンテナ、
26 パソコンブラウザ、
27 携帯電話ブラウザ、
28 バラスト(錘)、
29 ブイ容器(フタ)、
30 ブイ容器、
31 フレーム、
WL 水面、
100 潮流観測システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPS受信機から得られたGPS情報を利用して、
機器への電力供給を制御する電力制御装置を備えた、
漂流ブイ。
【請求項2】
シリアルポートから入力したデータを、携帯電話網からインターネットへ転送できる携帯電話モデムを使用して、
漂流ブイのGPS情報を陸上の観測装置へ転送するための無線通信装置を備えた、
請求項1の漂流ブイ。
【請求項3】
搭載する電池等の電源装置および漂流ブイの本体の大きさを小型化しても、
長期間の連続観測が可能で、かつ水深の浅い箇所でも水流の観測を可能にする、
請求項1に記載の漂流ブイ。
【請求項4】
請求項2に記載の漂流ブイを単数または複数利用して得られたGPS情報から、
潮流の情報を算出する情報処理部と、
潮流の情報をインターネットに公開するWebサーバ部とを備えた、
潮流観測システム。
【請求項5】
請求項2に記載の漂流ブイを単数または複数利用して得られたGPS情報から、
河川または湖沼の水流の情報を算出する情報処理部と、
水流の情報をインターネットに公開するWebサーバ部とを備えた水流観測システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−181463(P2008−181463A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−16198(P2007−16198)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【出願人】(504237050)独立行政法人国立高等専門学校機構 (656)
【Fターム(参考)】