説明

看板

【課題】 一次電源ラインと電源装置とが近接していてもノイズの発生が抑えられる看板を提供する。
【解決手段】 箱形のケース体1と、該ケース体1の正面側に設けられた扉体2とを備え、該扉体2が、表示物を掲示可能な窓部3を有し、前記ケース体1内には、前記窓部3を背面側から照射する光源4と、該光源4へ電力を出力する電源装置5が設けられており、
該電源装置5は、一次電源ラインL1,L2により一次電源に接続されるものであって、前記ケース体1の内側面にスペーサ6を介して取り付けられており、
該スペーサ6は、断面略コ字形で、その内側を前記一次電源ラインL1,L2が通過している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置を内蔵し、一次電源から一次電源ラインにより電力が供給されている看板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、箱形のケース体と、ケース体の正面側に設けられた扉体とを備え、扉体が表示物を掲示可能な窓部を有し、ケース体内には窓部を背面側から照射する光源が設けられた看板がある(たとえば、文献1)。こうした看板は、一般に電源装置を内蔵しており、外部の一次電源から入力される電力を変圧・整流して光源へ出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−337525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、一次電源からの電力は一次電源ラインにより供給されるが、この一次電源ラインと電源装置とが近接すると、誘導ノイズが発生し、周辺の電子機器や通信機器に影響を及ぼすおそれがある。とくに、最近の看板は薄型化が進んでおり、また中央部には光源があることから、電源装置などは周囲のわずかな隙間に配置され、電源装置と一次電源ラインとが近接せざるを得ないという事情がある。
【0005】
本発明は、上記事情を鑑みたものであり、一次電源ラインと電源装置とが近接していてもノイズの発生が抑えられる看板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、箱形のケース体と、該ケース体の正面側に設けられた扉体とを備え、該扉体が、表示物を掲示可能な窓部を有し、前記ケース体内には、前記窓部を背面側から照射する光源と、該光源へ電力を出力する電源装置が設けられており、該電源装置は、一次電源ラインにより一次電源に接続されるものであって、前記ケース体の内側面にスペーサを介して取り付けられており、該スペーサは、断面略コ字形で、その内側を前記一次電源ラインが通過していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、スペーサによって電源装置が一次電源ラインからシールドされ、ノイズの発生が抑えられる。これにより、電源装置と一次電源ラインとを近接させても問題ないので、より看板を薄型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の看板の電源装置取付部分の斜視図。
【図2】看板の正面図。
【図3】図2のA−A線断面図。
【図4】スペーサによるシールドの効果を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の看板の具体的な構成について、各図面に基づいて説明する。この看板は、図2に示すように、ケース体1と、扉体2とを備える。ケース体1は、箱形で正面側が開口している。扉体2は、透明な窓部3を有しており、ケース体1の正面側の開口部に開閉自在に設けられている。そして、樹脂板など光を透過する素材に文字、絵や写真などを表した表示物(図示省略)が、窓部3の背面側に設けられる。また、ケース体1の底面には、矩形平板状の導光板7が設けられている。この導光板7は、端面から進入した光を拡散させて一様に面発光させるもので、その上下辺には、光源4が取り付けられている。光源4から発せられる光は、導光板7の端面から進入して、正面から発光する。なお、図2においては配線を省略してある。
【0010】
ケース体1内の導光板7の周囲には、電源装置5がスペーサ6を介して取り付けられている。電源装置5は、図1に示すように、略直方体形で、両端部に延出する取付片51を有し、取付片51にはネジ孔が形成されている。スペーサ6は、図3に示すように、断面略コ字形で、その開口部がケース体1の内側面を向いており、底面61にネジ孔が形成されている。電源装置5はスペーサ6の底面61に載置され、電源装置5とスペーサ6の両方のネジ孔を貫通するネジ8によってネジ止めされている。そして、コ字形のスペーサ6の内側空間62を、一次電源(図示省略)と電源装置5とを接続する一次電源ラインL1,L2が通過している。なお、スペーサ6はステンレス板を折り曲げて形成したものである。
【0011】
このように構成した看板は、スペーサによって電源装置が一次電源ラインからシールドされ、ノイズの発生が抑えられる。図4は、スペーサがない場合とある場合とで、実際にノイズのレベルを測定した結果を示すグラフである。実験は、一次電源の入力を200V、60Hzとして一次電源ラインの雑音端子電圧を測定したものであり、グラフは横軸に周波数(MHz)、縦軸にノイズレベル(dB(μV))をとったものである。これによると、(a)のスペーサがない場合には、ノイズレベルが最大で80dBであるのに対し、(b)のスペーサがある場合には、最大でも56dBであり、ノイズが大幅に低減されていることがわかる。このように、スペーサを設けることでノイズが低減され、電源装置と一次電源ラインとを近接させても問題なくなるので、より看板を薄型化することができる。
【0012】
本発明は上記の実施形態に限定されない。看板の構造は一例を示したものであり、たとえば、導光板を用いず光源の光で表示物を直接照射するものであってもよいし、光源の種類はLEDや蛍光灯などどのようなものであってもよい。また、上記においてスイッチやブレーカなどの機器は省略したが、それらを備えていてもよい。
【符号の説明】
【0013】
1 ケース体
2 扉体
3 窓部
4 光源
5 電源装置
6 スペーサ
L1,L2 一次電源ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱形のケース体(1)と、該ケース体(1)の正面側に設けられた扉体(2)とを備え、該扉体(2)が、表示物を掲示可能な窓部(3)を有し、前記ケース体(1)内には、前記窓部(3)を背面側から照射する光源(4)と、該光源(4)へ電力を出力する電源装置(5)が設けられており、
該電源装置(5)は、一次電源ライン(L1,L2)により一次電源に接続されるものであって、前記ケース体(1)の内側面にスペーサ(6)を介して取り付けられており、
該スペーサ(6)は、断面略コ字形で、その内側を前記一次電源ライン(L1,L2)が通過していることを特徴とする看板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−113868(P2011−113868A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270366(P2009−270366)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(592050294)株式会社カシイ (5)
【Fターム(参考)】