説明

看護支援システム

【課題】 所定の時間範囲についてのアラーム発生回数をアラーム情報から集計し、アラームの発生の変化を容易に把握できるようにする。
【解決手段】 生体モニタ100において、生体データが異常であると検出部103にて判断したときには、送信部104は被測定者情報とアラーム発生日時情報とアラーム種別情報と測定機器情報とを取得し、アラーム情報として管理装置110へ送信する。また、管理装置110において、受信したアラーム情報を記憶部113にて記憶する。抽出部115は所望の被測定者を示す被測定者情報および所望の生体モニタ100の測定機器情報に対応するアラーム情報を抽出する。集計部116は抽出したアラーム情報のアラーム発生日時情報に基づいて所定の単位時間あたりのアラーム発生回数を時系列で集計する。表示部117はアラーム発生回数の変化を表示パターンを異ならせて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体モニタから発せされるアラーム情報を取得する看護支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に病院では、看護行為を効率的に進めるために看護支援システムが用いられている。従来の看護支援システムでは、生体モニタ(例えば、バイタルセンサや心電図計、人工呼吸器など)で測定した生体データを取得して管理している。
【0003】
ところで、患者の急変等により生体データが異常を示す場合には、生体モニタは、異常出力信号(以下、アラームとする)を検出する。近年では、被測定者を示す被測定者情報と、アラームの発生日時を示すアラーム発生日時情報と、血圧低下や心拍数異常などのアラーム種別情報とを互いに紐付けて、アラームを検出する度にアラーム情報として記憶し、任意のタイミングでアラーム情報を画面に表示させる患者監視装置が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載の患者監視装置では、患者個々に応じて定められた上限値を超えたとき、あるいは下限値を超えたときに発生するアラームのアラーム種別情報を表示している。
【特許文献1】特開平9−131324号公報
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の患者監視装置は、アラーム情報を羅列して表示しているにすぎず、所定の時間範囲についてのアラーム発生回数を集計していないので、医師や看護師などの医療従事者は、アラームの発生の変化を把握し難いという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、所定の時間範囲についてのアラーム発生回数をアラーム情報から集計し、アラームの発生の変化を容易に把握できるようにした看護支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の看護支援システムでは、生体モニタから送信されたアラーム情報を管理装置にて記憶し、所望の被測定者を示す被測定者情報および/または所望の生体モニタの測定機器情報に対応するアラーム情報を抽出する。そして、抽出したアラーム情報のアラーム発生日時情報に基づいて所定の単位時間あたりのアラーム発生回数を時系列で集計し、アラーム発生回数の変化を表示パターンを異ならせて表示するようにしている。
【発明の効果】
【0007】
上記のように構成された本発明によれば、アラーム発生回数の変化が視覚的に区別される。これにより、医療従事者は、集計作業を行うことなくアラームの発生の変化を容易に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態による看護支援システムのハードウェア構成図を図1に示す。同図に示すように、本実施形態による看護支援システムは、生体モニタ100、管理装置110を備えて構成されている。
【0009】
また、生体モニタ100は、生体モニタ用制御部101と、測定部102と、検出部103と、送信部104と、生体モニタ用インターフェース(I/F)部105とを備えている。また、管理装置110は、管理装置用制御部111と、受信部112と、記憶部113と、入力部114と、抽出部115と、集計部116と、表示部117と、管理装置用インターフェース(I/F)部118とを備えている。
【0010】
図1において、生体モニタ100は、病室内や診察室内の患者の近辺に設置されており、ネットワークを介して管理装置110に接続されている。また、管理装置110は、医療従事者の居室や各種サーバが設置されているサーバ室などに設置されている。管理装置110には、複数の生体モニタ100が接続されている。
【0011】
生体モニタ用制御部101は、生体モニタ100の各構成要素を後述するように制御する。測定部102は、被測定者の生体データを測定するためのものである。生体モニタ100は、測定部102を動作させることで測定を行うことができる。測定部102の動作が開始すると、測定部102は、被測定者の生体データを測定して、生体データを出力する。検出部103は、測定部102から出力された生体データを入力して、入力した生体データが異常を示す(例えば、被測定者の急変による生体データの急激な変化や予め設定した上限値を上回る、または、設定した下限値を下回る)ときに、異常をアラームとして検出するものである。入力した生体データが異常であると検出部103にて判断したときには、生体モニタ用制御部101は、送信部104を動作させる。
【0012】
送信部104は、被測定者を示す被測定者情報と、アラームの発生日時を示すアラーム発生日時情報と、アラームの種別を示すアラーム種別情報と、生体モニタ100の測定機器の種別を示す測定機器情報とを取得し、互いに紐付けてアラーム情報として管理装置110へ送信するものである。送信部104は、図示しない生体モニタ100の設定ファイルに登録されている被測定者情報と測定機器情報とを取得する。また、送信部104は、検出部103で検出したアラームの発生日時をアラーム発生日時情報として取得し、アラームの種別をアラーム種別情報として取得する。送信部104は、アラーム情報を生成すると、予め設定された管理装置110へ生体モニタ用I/F部105を介してアラーム情報を送信する。
【0013】
生体モニタ用I/F部105は、生体モニタ100と管理装置110とをネットワークにより接続し、送信部104から送信されたアラーム情報を管理装置110へ通信するものである。
【0014】
管理装置用制御部111は、管理装置110の各構成要素を後述するように制御する。受信部112は、生体モニタ100から送信されたアラーム情報を受信するものである。管理装置用I/F部118を介してアラーム情報を受信すると、受信部112は、アラーム情報に含まれる被測定者情報とアラーム発生日時情報とアラーム種別情報と測定機器情報とを記憶部113に保存する。
【0015】
記憶部113は、受信部112により受信したアラーム情報に含まれる被測定者情報とアラーム発生日時情報とアラーム種別情報と測定機器情報とを記憶するものである。ここで、記憶部113は、被測定者情報とアラーム発生日時情報とアラーム種別情報と測定機器情報とを互いに紐付けて記憶する。
【0016】
入力部114は、所望の被測定者を示す被測定者情報および所望の生体モニタの測定機器情報を入力するものである。医療従事者が図示しない集計開始ボタンを押下すると、管理装置用制御部111は、入力部114を動作させる。入力部114の動作が開始すると、入力部114は、図示しない入力画面を出力する。入力画面は、被測定者情報入力欄と一覧表示ボタンとを含んでいる。この例において、医療従事者は、入力画面の被測定者情報入力欄に「山田太郎」と入力部114により入力する。医療従事者が一覧表示ボタンを押下すると、管理装置用制御部111は、被測定者情報が入力されたか否かの判定を行う。被測定者情報が入力されたと管理装置用制御部111にて判断した場合には、管理装置用制御部111は、抽出部115を動作させる。抽出部115は、被測定者情報入力欄に入力された被測定者情報に該当する被測定者のアラーム情報一覧を抽出する。
【0017】
また、医療従事者が後述するアラーム情報一覧画面200の図示しない集計ボタンを押下すると、管理装置用制御部111は、入力部114を動作させる。入力部114の動作が開始すると、入力部114は、図示しない集計条件入力画面を出力する。集計条件入力画面は、測定機器情報入力欄、集計条件入力欄、シグナル表示条件入力欄、実行ボタンを含んでいる。医療従事者は、測定機器情報入力欄に測定機器情報を、集計条件入力欄に範囲情報と集計アラーム種別情報とを、シグナル表示条件入力欄に判定情報をそれぞれ入力する。医療従事者が実行ボタンを押下すると、管理装置用制御部111は、各集計条件が入力されたか否かを判定する。各集計条件が入力されたと管理装置用制御部111にて判断した場合には、管理装置用制御部111は、抽出部115を動作させる。この例において、医療従事者は、入力部114により、集計条件入力画面の測定機器情報入力欄に「A−26K」と入力し、集計条件入力欄に「血圧低下アラーム発生回数、最新10日間、日毎」と入力し、シグナル表示条件入力欄に「最新3日間」と入力する。
【0018】
抽出部115は、入力部114により入力した被測定者情報および機器情報に対応するアラーム情報を記憶部113から抽出するものである。図示しない入力画面の被測定者情報入力欄に被測定者情報が入力されたと管理装置用制御部111にて判断した場合には、管理装置用制御部111は、抽出部115を動作させる。抽出部115の動作が開始すると、抽出部115は、被測定者情報入力欄に入力された被測定者情報に該当する被測定者のアラーム情報一覧を抽出する。そして、表示部117は、抽出部115により抽出したアラーム情報一覧をアラーム情報一覧画面200に表示する。
【0019】
アラーム情報一覧画面200は、図2に示すように、記憶部113に記憶されたアラーム情報を被測定者毎に表示した画面である。アラーム情報一覧画面200は、No.表示欄201、測定機器情報表示欄202、アラーム日時表示欄203、アラーム種別表示欄204を含んでいる。アラーム情報に含まれる生体モニタ100の測定機器情報は、測定機器情報表示欄202に表示される。アラーム情報に含まれるアラーム発生日時情報は、アラーム日時表示欄202に表示される。アラーム情報に含まれるアラーム種別情報は、アラーム種別表示欄204に表示される。これらの表示により、被測定者毎に生体モニタ100からのアラーム日時とアラームの種別とが表示されるため、医療従事者は、被測定者毎のアラーム内容を管理することができる。
【0020】
アラーム情報一覧画面200には、被測定者のアラーム情報一覧以外にも、図示しない集計ボタンが表示される。医療従事者が集計ボタンを押下すると、管理装置用制御部111は、入力部114を動作させ、図示しない集計条件入力画面を出力する。
【0021】
医療従事者が集計条件入力画面の実行ボタンを押下し、各集計条件が入力されたと管理装置用制御部111にて判断した場合には、管理装置用制御部111は、抽出部115を動作させる。抽出部115の動作が開始すると、抽出部115は、記憶部113に記憶されているアラーム情報を入力された各集計条件で検索し、該当するアラーム情報を抽出する。
【0022】
集計部116は、抽出部115により抽出したアラーム情報のアラーム発生日時情報に基づいて所定の単位時間あたりのアラーム発生回数を時系列で集計するものである。抽出部115によりアラーム情報を抽出すると、管理装置用制御部111は、集計部116を動作させる。集計部116の動作が開始すると、集計部116は、抽出部115により抽出したアラーム情報を取得する。ここで、入力部114により入力した集計条件から取得日数(本実施形態では最新10日間)と取得種別(本実施形態では血圧低下)とを抽出する。また、集計部116は、入力部114により入力した集計条件から単位時間を抽出し、取得したアラーム情報の単位時間(本実施形態では日毎)あたりのアラーム発生回数を集計する。抽出部115は、「被測定者が山田太郎で、血圧低下によって発生したアラーム」のアラーム情報を抽出する。集計部116は、抽出部115で抽出したアラーム情報を最新10日間だけ取得して、日毎にアラーム発生回数を集計する。
【0023】
集計部116がアラーム発生回数を集計すると、管理装置用制御部111は、入力部114により入力したシグナル表示条件を取得する。管理装置用制御部111は、集計部116により集計した日毎のアラーム発生回数から、シグナル表示条件に対応するアラーム発生回数を取得し、予め設定された判定基準からアラーム発生回数の変化に対応する表示パターンを決定する。なお、アラーム発生回数の変化とは、指定した期間のアラーム回数が増加することまたは減少することを示す。
【0024】
表示部117は、抽出部115により抽出したアラーム情報一覧をアラーム情報一覧画面200に表示するものである。また、表示部117は、集計部116により集計した日毎のアラーム発生回数と、管理装置用制御部111により決定した表示パターンとを集計画面300に表示するものである。
【0025】
集計画面300は、図3に示すように、アラーム情報一覧画面200で表示されたアラーム情報を、医療従事者が指定する集計条件に沿って集計した画面である。集計画面300は、被測定者情報表示欄301、測定機器情報表示欄302、集計条件表示欄303、測定開始日時表示欄304、シグナル表示条件表示欄305、データ表示欄306、シグナル表示欄307を含んでいる。
【0026】
表示部117は、アラーム情報一覧画面200で表示した被測定者情報を被測定者情報表示欄301に表示する。ここで、表示部117は、この例の被測定者情報表示欄301に「山田太郎」と表示しているため、集計対象となっている被測定者は、「山田太郎」である。表示部117は、医療従事者が入力した測定機器情報を測定機器情報表示欄302に表示する。ここで、表示部117は、この例の測定機器情報表示欄302に「A−26K」と表示しているため、集計対象となっている生体モニタ100は、「A−26K」である。表示部117は、医療従事者が入力した範囲情報と集計アラーム種別情報とを集計条件表示欄303に表示する。ここで、表示部117は、この例の集計条件表示欄303に「血圧低下アラーム発生回数(最新10日間・日毎)」と表示しているため、集計条件は、「最新10日間に受信した血圧低下のアラームを抽出し、日毎のアラーム発生回数を表示する」ということである。表示部117は、医療従事者が入力した集計条件の開始日時を測定開始日時表示欄304に表示する。この例において、表示部117は、測定開始日時に「2007/01/10 10:00」と表示している。
【0027】
表示部117は、集計部116により集計したアラーム発生回数の変化をシグナル表示条件表示欄305に表示する。表示部117は、集計部116により集計した単位時間あたりのアラーム発生回数をデータ表示欄306に時系列で表示する。この例において、表示部117は、横軸に最新10日間の日数、縦軸に日毎の血圧低下のアラーム発生回数としたグラフをデータ表示欄306に表示する。また、表示部117は、データ表示欄306にアラーム発生回数の折れ線グラフを表示する。
【0028】
管理装置用制御部111は、シグナル表示条件に対応するアラーム発生回数を取得し、予め設定された判定基準により表示パターンを決定する。シグナル表示条件とは、集計したアラーム発生回数の変化を異なる表示パターンで表示させるための条件である。具体的には、この例のシグナル表示条件は、最新3日間となっている。表示部117は、青・黄・赤の3種類の表示パターンをシグナル表示欄307に表示する。また、判定基準とは、表示パターンを決定するための一定期間におけるアラーム発生回数の増減である。管理装置用制御部111は、アラーム発生回数の増減によって、表示パターンを決定する。例えば、シグナル表示条件で指定した期間のアラーム発生回数が減少している場合には、表示部117は、シグナル表示欄307に青の表示パターンを表示する。また、シグナル表示条件で指定した期間のアラーム発生回数が増加している場合には、表示部117は、シグナル表示欄307に赤の表示パターンを表示する。また、シグナル表示条件で指定した期間のアラーム発生回数が減少・増加を繰り返している場合には、表示部117は、シグナル表示欄307に黄の表示パターンを表示する。なお、医療従事者は、この判定基準を生体モニタ100毎や被測定者毎に設定することができる。
【0029】
ここで、この例のデータ表示欄306に表示される最新10日間の血圧低下のアラーム発生回数のうち、8日目から10日目のアラーム発生回数は、3回、2回、0回と減少している。このことから、管理装置用制御部111は、8日目から10日目におけるアラーム発生回数が減少していると判断する。管理装置用制御部111は、判定基準から表示パターンを青に決定する。そして、表示部117は、シグナル表示欄307に青を表示する。
【0030】
管理装置用I/F部118は、生体モニタ100と管理装置110とをネットワークにより接続し、生体モニタ100から自装置に送られてきたアラーム情報を通信するものである。
【0031】
次に、本実施形態による看護支援システムの動作を説明する。図4および図5は、本実施形態による看護支援システムの動作を示すフローチャートである。同図に示すように、看護支援システムの動作は、生体モニタ100での動作と、管理装置110での動作とに分かれる。生体モニタ100にて、生体モニタ用制御部101は、図4(a)に示すように、開始操作が行われたか否かを判定する(ステップ401)。開始操作が行われていないと生体モニタ用制御部101にて判断した場合には(ステップ401にてNO)、生体モニタ用制御部101は、ステップ401の処理に戻り、開始操作が行われるまで処理を継続する。一方、開始操作が行われたと生体モニタ用制御部101にて判断した場合には(ステップ401にてYES)、生体モニタ用制御部101は、測定部102を動作させることで測定を実施する(ステップ402)。測定部102で測定した生体データは、図示しない測定画面に出力される。ここで、測定部102による測定は、終了操作が行われるまで継続される。
【0032】
測定中、検出部103は、測定部102から出力された生体データを入力して、入力した生体データが異常であるか否かの判定を行う(ステップ403)。生体データが正常であると検出部103が判断した場合には(ステップ403にてNO)、ステップ406へ移行する。一方、生体データが異常であると検出部103が判断した場合には(ステップ403にてYES)、生体モニタ用制御部101は、送信部104を動作させる。
【0033】
送信部104は、被測定者情報とアラーム発生日時情報とアラーム種別情報と測定機器情報とを取得し、これらの各情報を互いに紐付けてアラーム情報を生成する(ステップ404)。送信部104は、予め設定された管理装置110へアラーム情報を送信し(ステップ405)、ステップ406へ移行する。送信したアラーム情報は、生体モニタ用I/F部105を介してネットワーク上の管理装置110へ送信される。なお、ステップ404〜405の動作が行われている間も、測定部102は測定を行って生体データを出力し、検出部103は、測定部102から出力された生体データを入力して、生体データが異常であるか否かの判定を行っている。
【0034】
ステップ406では、生体モニタ用制御部101は、終了操作が行われたか否かの判定を行う。終了操作が行われたと生体モニタ用制御部101にて判断した場合には(ステップ406にてYES)、測定部102の動作を終了させて測定を終了する。一方、終了操作が行われていないと生体モニタ用制御部101にて判断した場合には(ステップ406にてNO)、生体モニタ用制御部101は、ステップ403の処理に戻る。このようにして、検出部103が生体データの異常を検出する度に、生体モニタ100は、アラーム情報を送信することができる。
【0035】
管理装置110は、生体モニタ100から送信されたアラーム情報を受信する。管理装置110では、アラーム情報受信時に受信部112が実行するアラーム情報受信処理と、医療従事者による集計操作時に、入力部114と抽出部115と集計部116と表示部117とが実行する集計処理とが行われる。アラーム情報受信処理において、管理装置110は、図4(b)に示すように、アラーム情報の受信チェックを行い、アラーム情報を受信したか否かを判断する(ステップ411)。アラーム情報を受信していないと管理装置用制御部111が判断した場合には(ステップ411にてNO)、管理装置用制御部111は、ステップ411の処理に戻り、受信待機状態となる。一方、アラーム情報を受信したと管理装置用制御部111が判断した場合には(ステップ411にてYES)、受信部112は、アラーム情報を記憶部113に保存し(ステップ412)、ステップ411の処理に戻る。記憶部113は、被測定者情報とアラーム発生日時情報とアラーム種別情報と測定機器情報とを互いに紐付けて記憶する。
【0036】
また、管理装置110は、図5に示すように、医療従事者が指定する集計条件に沿って、記憶部113に記憶されているアラーム情報を抽出し、所定の時間範囲についてのアラーム発生回数を集計して画面に表示するとともに、集計したアラーム発生回数の変化を表示パターンを異ならせて画面に表示する集計処理を行う。管理装置110において図示しない集計開始ボタンを押下することにより、管理装置用制御部111は、集計操作が行われたか否かの判定を行う(ステップ501)。集計操作が行われていないと管理装置用制御部111にて判断した場合には(ステップ501にてNO)、管理装置用制御部111は、ステップ501の処理に戻り、操作待機状態となる。一方、集計操作が行われたと管理装置用制御部111にて判断した場合には(ステップ501にてYES)、管理装置用制御部111は、入力部114を動作させる。入力部114は、図示しない入力画面を出力する。ここで、入力画面は、被測定者情報入力欄と一覧表示ボタンとを含んでいる。
【0037】
管理装置110において図示しない一覧表示ボタンを押下することにより、管理装置用制御部111は、被測定者情報が入力されたか否かの判定を行う(ステップ502)。被測定者情報が入力されていないと管理装置用制御部111にて判断した場合には(ステップ502にてNO)、管理装置用制御部111は、ステップ502の処理に戻り、被測定者情報が入力されるまで処理を継続する。一方、被測定者情報が入力されたと管理装置用制御部111にて判断した場合には(ステップ502にてYES)、管理装置用制御部111は、抽出部115を動作させる。抽出部115は、被測定者情報入力欄に入力された被測定者情報に該当する被測定者のアラーム情報一覧を記憶部113から抽出する。そして、表示部117は、抽出部115が抽出したアラーム情報一覧をアラーム情報一覧画面200に表示する(ステップ503)。
【0038】
アラーム情報一覧画面200には、被測定者のアラーム情報一覧以外にも、図示しない集計ボタンが表示される。医療従事者が集計ボタンを押下すると、管理装置用制御部111は、入力部114を動作させる。入力部114は、図示しない集計条件入力画面を出力する。集計条件入力画面は、測定機器情報入力欄、集計条件入力欄、シグナル表示条件入力欄、実行ボタンを含んでいる。医療従事者が実行ボタンを押下すると、管理装置用制御部111は、集計条件入力画面の各集計条件が入力されたか否かの判定を行う(ステップ504)。各集計条件が入力されていないと管理装置用制御部111にて判断した場合には(ステップ504にてNO)、管理装置用制御部111は、ステップ504の処理に戻り、各集計条件が入力されるまで処理を継続する。一方、各集計条件が入力されたと管理装置用制御部111にて判断した場合には(ステップ504にてYES)、管理装置用制御部111は、抽出部115を動作させる。抽出部115は、記憶部113に記憶されたアラーム情報を各集計条件で検索し、該当するアラーム情報を抽出する(ステップ505)。
【0039】
ステップ505の処理を行うと、管理装置用制御部111は、集計部116を動作させる。集計部116は、抽出部115により抽出したアラーム情報を取得する。さらに、集計部116は、入力部114により入力した集計条件から単位時間を取得し、取得したアラーム情報の単位時間(本実施形態では日毎)あたりのアラーム発生回数を集計する(ステップ506)。
【0040】
ステップ506の処理を行うと、管理装置用制御部111は、入力部114により入力したシグナル表示条件を取得する。管理装置用制御部111は、集計部116により集計した日毎のアラーム発生回数から、シグナル表示条件に対応するアラーム発生回数を取得する(ステップ507)。管理装置用制御部111は、予め設定された判定基準から、取得したアラーム発生回数の変化を判定して、判定した結果に対応する表示パターンを決定する(ステップ508)。そして、表示部117は、ステップ506で集計した日毎のアラーム発生回数と、ステップ508で決定した表示パターンとを集計画面300に表示する(ステップ509)。
【0041】
集計結果を表示後、管理装置用制御部111は、終了操作が行われたか否かの判定を行う(ステップ510)。終了操作が行われたと管理装置用制御部111にて判断した場合には、(ステップ510にてYES)、管理装置用制御部111は、集計処理を終了する。一方、終了操作が行われていないと管理装置用制御部111にて判断した場合には、(ステップ510にてNO)、ステップ501の処理に戻る。よって、管理装置110は、記憶部113に記憶されたアラーム情報から、所定の単位時間についてのアラーム発生回数を表示するとともに、集計部116により集計したアラーム発生回数の変化を表示パターンを異ならせて表示する。
【0042】
以上詳しく説明したように、本実施形態の看護支援システムでは、生体モニタ100にて、検出部103は、測定部102から出力された生体データを入力して、入力した生体データが異常を示すときに、異常をアラームとして検出する。入力した生体データが異常であると検出部103にて判断したときには、生体モニタ用制御部101は、送信部104を動作させる。送信部104は、被測定者情報とアラーム発生日時情報とアラーム種別情報と測定機器情報とを取得し、互いに紐付けてアラーム情報として管理装置110へ送信する。また、管理装置110にて、アラーム情報を受信すると、受信部112は、生体モニタ100から送信されたアラーム情報を記憶部113に保存する。抽出部115は、入力部114により入力した所望の被測定者を示す被測定者情報および所望の生体モニタ100の測定機器情報に対応するアラーム情報を記憶部113から抽出する。集計部116は、抽出部115により抽出したアラーム情報のアラーム発生日時情報に基づいて所定の単位時間あたりのアラーム発生回数を時系列で集計する。表示部117は、アラーム発生回数の変化を表示パターンを異ならせて表示する。これにより、アラーム発生回数の変化が視覚的に区別されるので、医療従事者は、集計作業を行うことなくアラームの発生の変化を容易に把握することができる。
【0043】
なお、前述した実施形態では、血圧低下のアラーム発生回数を集計しているがこれに限定されない。例えば、心拍数や呼吸数といった生体モニタ100の計測値を集計しても良い。
【0044】
また、前述した実施形態では、青、黄、赤の3種類の表示パターンを使用しているが、これに限定されない。例えば、1種類の表示パターンを使用しても良いし、複数種類の表示パターンを使用しても良い。
【0045】
具体的に1種類の表示パターンを使用するには、シグナル表示条件で指定した期間のアラーム発生回数が減少している場合には、表示部117は、シグナル表示欄307に青(点灯)の表示パターンを表示する。また、シグナル表示条件で指定した期間のアラーム発生回数が増加している場合には、表示部117は、シグナル表示欄307に表示パターンを表示しない。また、シグナル表示条件で指定した期間のアラーム発生回数が減少・増加を繰り返している場合には、表示部117は、シグナル表示欄307に青(点滅)の表示パターンを表示する。
【0046】
また、他の具体例として、シグナル表示条件で指定した期間のアラーム発生回数が減少している場合には、表示部117は、シグナル表示欄307に青の表示パターンを表示する。また、シグナル表示条件で指定した期間のアラーム発生回数が減少以外の場合には、表示部117は、シグナル表示欄307に表示パターンを表示しない。
【0047】
前述した実施形態では、シグナル表示条件で指定した期間のアラーム発生回数が減少・増加を繰り返している場合を判定基準としているがこれに限定されない。例えば、シグナル表示条件で指定した期間のアラーム発生回数が変わらない場合とする条件を使用しても良い。
【0048】
また、前述した実施形態では、シグナル表示条件を最新3日間のアラーム発生回数としているがこれに限定されない。例えば、集計条件である取得日数の全て(10日間)のアラーム発生回数をシグナル表示条件としても良い。
【0049】
また、前述した実施形態では、シグナル表示条件で指定した期間のアラーム発生回数の変化が減少している場合には、表示部117は、シグナル表示欄307に青を表示し、シグナル表示条件で指定した期間のアラーム発生回数の変化が増加している場合には、表示部117は、シグナル表示欄307に赤を表示し、アラーム発生回数の変化が減少・増加の繰り返しならば、表示部117は黄を表示しているがこれに限定されない。例えば、しきい値を予め設定し、最新アラーム発生回数がしきい値未満の場合には、表示部117は青を表示させたり、しきい値以上の場合には、表示部117は赤を表示させたりしても良い。これにより、医療従事者は、被測定者のバイタルの変化をさらに細かく分析することができる。
【0050】
また、前述した実施形態では、入力部114により入力した被測定者情報および測定機器情報に対応するアラーム情報を抽出しているがこれに限定されない。例えば、入力部114により入力した被測定者情報または測定機器情報に対応するアラーム情報を抽出するようにしても良い。
【0051】
また、前述した実施形態では、入力部114により、集計条件入力画面の測定機器情報入力欄に「A−26K」と入力し、集計条件入力欄に「血圧低下アラーム発生回数、最新10日間、日毎」と入力し、シグナル表示条件入力欄に「最新3日間」と入力しているがこれに限定されない。例えば、初期設定として測定機器情報、集計条件、シグナル表示条件を登録しておいても良い。これにより、医療従事者が被測定者情報入力欄に被測定者情報を入力して一覧表示ボタンを押下するだけで、管理装置110は、集計画面300を表示させることができる。
【0052】
また、前述した実施形態では、青、黄、赤の色を表示パターンとしているが、これに限定されない。例えば、A、B、Cの文字を表示パターンとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本実施形態の看護支援システムのブロック図である。
【図2】アラーム情報一覧画面の表示例を示す説明図である。
【図3】集計画面の表示例を示す説明図である。
【図4】本実施形態による看護支援システムの動作を示すフローチャート(その1)である。
【図5】本実施形態による看護支援システムの動作を示すフローチャート(その2)である。
【符号の説明】
【0054】
100 生体モニタ
101 生体モニタ用制御部
102 測定部
103 検出部
104 送信部
105 生体モニタ用インターフェース(I/F)部
110 管理装置
111 管理装置用制御部
112 受信部
113 記憶部
116 集計部
117 表示部
118 管理装置用インターフェース(I/F)部
200 アラーム情報一覧画面
201 No.表示欄
202 測定機器情報表示欄
203 アラーム日時表示欄
204 アラーム種別表示欄
300 集計画面
301 被測定者情報表示欄
302 測定機器情報表示欄
303 集計条件表示欄
304 測定開始日時表示欄
305 シグナル表示条件表示欄
306 データ表示欄
307 シグナル表示欄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定者の生体データを測定して出力する測定部と、前記測定部から出力された生体データを入力して前記生体データが異常を示すときアラームとして検出する検出部と、前記被測定者を示す被測定者情報と前記アラームの発生日時を示すアラーム発生日時情報と前記アラームの種別を示すアラーム種別情報と自装置の測定機器の種別を示す測定機器情報とを互いに紐付けて前記検出部が前記アラームを検出する度にアラーム情報として送信する送信部とを備えた生体モニタと、
前記生体モニタから送信されたアラーム情報を受信する受信部と、前記受信部により受信した前記アラーム情報を記憶する記憶部と、所望の被測定者を示す被測定者情報および/または所望の生体モニタの測定機器情報を入力する入力部と、前記入力部により入力した前記被測定者情報および/または前記測定機器情報に対応するアラーム情報を前記記憶部から抽出する抽出部と、前記抽出部により抽出した前記アラーム情報のアラーム発生日時情報に基づいて所定の単位時間あたりのアラーム発生回数を時系列で集計する集計部と、前記集計部により集計したアラーム発生回数の変化を表示パターンを異ならせて表示する表示部とを備えた管理装置と、
を具備することを特徴とする看護支援システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−206920(P2008−206920A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−48988(P2007−48988)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(591253593)株式会社ケアコム (493)
【Fターム(参考)】