説明

真皮細胞の発毛促進能を増大させるための方法および組成物

培養物において細胞の発毛促進性を増大させるための方法および組成物が提供される。一実施形態は、有効量の1種以上のsonic hedgehog(Shh)経路アゴニストの存在下で、解離した哺乳動物真皮細胞をインビトロで培養して、未処理の解離した哺乳動物真皮細胞と比較して、上記解離した哺乳動物真皮細胞の発毛促進性を増大させる工程を包含する。上記細胞培養物は、必要に応じて、表皮細胞を含む。好ましいShhアゴニストとしては、CUR−0236715およびCUR−0201365(Curis,Inc.から入手可能)が挙げられるが、これらに限定されない。発毛促進性は、Aderans Hair Patch AssayTMを使用して測定される。上記培養された真皮細胞は、上記1種以上のShhアゴニストの存在下で、採取前に少なくとも1〜7日もしくは7日以上にわたって、維持され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、2009年6月17日に出願された米国仮特許出願第61/187,894号および2009年6月22日に出願された米国仮特許出願第61/227,540号の利益およびそれらへの優先権を主張し、許容される場合、これらの両方は、それらの全体が参考として本明細書に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、一般に、真皮細胞(dermal cell)の発毛促進能を増大させるための方法および組成物、特に、Sonic Hedgehog経路を活性化もしくは刺激するための方法および組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
脱毛もしくは脱毛症は、年齢に関係なく、男性および女性の両方で共通する問題である。脱毛のタイプにはいくつかある。例えば、男性型脱毛症、円形脱毛症、休止期脱毛、全身の医学的問題(例えば、甲状腺疾患、有害な薬物作用および栄養欠乏状態)に起因する脱毛、ならびに頭皮もしくは毛髪の外傷に起因する脱毛、円板状エリテマトーデス、扁平苔癬および構造的毛幹異常(structural shaft abnormalities)(非特許文献1)。男性型脱毛症は、最も一般的な脱毛の原因である。これは、脱毛の顕著な家族歴を有する個体のうちの約50%が罹患している。男性型脱毛症は、3つの互いに依存する要因によって引き起こされる:男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)、遺伝的素因および加齢。遺伝的に感受性の宿主では、DHTは、毛包を細小化(miniaturize)させ(軟弱な毛髪を生じる)、毛包成長周期の成長期を短くしてしまう。時間が経るにつれて、大きな毛幹が脱落し、それらは、非常に短く、薄い毛幹に置き換わり、かなりの脱毛の印象を与える。
【0004】
脱毛症の処置について考えられる選択肢としては、毛髪プロテーゼ(hair prosthesis)、外科手術および局所的/経口的薬物適用が挙げられる(非特許文献1;非特許文献2)。薬物(例えば、ミノキシジル、フィナステリドおよびデュタステリド)は、男性型の脱毛の取り扱いにおいて顕著な進展を示すが、それらの作用が一時的でありかつ治療をやめた後に毛髪が失われるという事実は、大きな限界のままである(非特許文献3;非特許文献4)。このことに鑑みると、外科手術的毛髪再生および組織操作は、脱毛症(pattern baldness)を処置する唯一の恒久的な方法であり得る。外科手術的毛髪移植の結果は変動し得る。初期のドナーパンチ技術(early donor punch technique)はしばしば、レシピエントの領域にわたって非常に不自然な「人形の髪の毛のような外観」もしくは「水田のような外観」を生じた。外科手術的毛髪移植において進歩があった(例えば、単一毛包毛髪移植片もしくは1mmパンチ)が、上記手順は、時間がかかり、高価であり、この適用にとって最も重要なことには、所定の患者に関するドナー毛包の数は、制限される。
【0005】
脱毛を処置するための組織/細胞操作は、細胞をある領域に移植して、毛包形成およびその後の毛幹形成を誘導する工程を包含する。理論的には、組織/細胞操作は、種々の疾患、症候群および傷害に起因して、脱毛を処置するために使用され得る。毛包誘導および成長は、活発で連続した上皮および間葉性相互作用を含む(非特許文献5)。胚において、最初の毛包は、表皮自体および下にある真皮において生じる細かく調節されたシグナルによって制御される原始表皮の肥厚化から成長する。成体齧歯類毛包を使用する初期の研究(非特許文献6)は、上記毛包の切開した深部間葉性部分、毛乳頭(follicular papilla)もしくは真皮乳頭が、成体表皮の下に移植された場合、新たな毛包を誘導することを示した。この強力な組織誘導は、上記乳頭および上記真皮鞘(dermal sheath)における上記細胞の独特の特性に帰する(非特許文献7)。
【0006】
複数の研究が、毛包形態発生(Wangら,J Invest Dermatol,114:901−908(2000);Millら,Genes Dev,17:282−294(2003);Lehman,J.,ら,J Invest Dermatol,129:438−448(2009);St Jacques,B.,Current Biology,8:1058−1068(1998)および毛周期の進行(Oro,A.E.,&Higgins,K.,Dev Biol,255:238−248(2003);Paladini,R.D.,ら,J Invest Dermatol,125:638−646(2005);Sato,N.,ら,J Clin Invest,104:855−864(1999);Sato,N.,ら J Natl Cancer Inst,93:1858−1864(2001))が、sonic hedgehog(Shh)シグナル伝達に依存することを示した。Shh経路が(抗体を使用して)ブロックされる場合、毛包形成は起こらない(Wang,L.C.,ら,J Invest Dermatol,114:901−908(2000))。インタクトなShhが休止期の皮膚に注射される場合、成長期毛髪成長が開始される(Sato,N.,ら,J Clin Invest,104:855−864(1999))。後者の発見は、合成Shhアゴニストが使用される場合にも起こる(Paladini,R.D.,ら,J Invest Dermatol,125:638−646(2005))。
【0007】
Shh経路の要素は、上皮成分および真皮成分の両方において発現される。真皮細胞は、毛包形態形成および周期進行(cycling)の助けになるので、本発明の目的は、真皮細胞の発毛促進性(trichogenicity)を増大させるための方法および組成物を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、被験体における脱毛を処置するための方法および組成物を提供することである。
【0009】
本発明のさらに別の目的は、培養物において真皮細胞の発毛促進性を増大もしくは維持するための方法を提供することである。
【0010】
本発明のなお別の目的は、真皮細胞の発毛促進性を増大もしくは維持するために、上記Shhシグナル伝達経路を活性化もしくは刺激するための方法および組成物を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、被験体において毛包を誘導するために発毛促進性真皮細胞を生成するための方法および組成物を提供することである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】HoganおよびChamberlain,South Med J,(2000)93(7):657〜62
【非特許文献2】Bertolino,J Dermatol,(1993)20(10):604〜10
【非特許文献3】Bouhanna,Dermatol Surg,(2003)29(11):1130〜1134
【非特許文献4】Avramら,Dermatol Surg,(2002)28:894〜900
【非特許文献5】Stenn & Paus,Physiol Reviews,(2001)81:449〜494
【非特許文献6】Cohen,J Embryol Exp Morphol,(1961)9:117〜127
【非特許文献7】McElweeら,J Invest Dermatol,(2003)121:1267〜1275
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の要旨)
培養物における細胞の発毛促進性を増大させるための方法および組成物が提供される。一実施形態は、有効量の1種以上のsonic hedgehog(Shh)経路アゴニストの存在下で、解離された哺乳動物真皮細胞をインビトロで培養することを提供する。上記アゴニストは、上記経路における任意の点で相互作用して、上記解離した哺乳動物真皮細胞の発毛促進性を、未処理の解離した哺乳動物真皮細胞と比較して増大させるために、上記シグナル伝達経路を活性化し得る。例えば、上記アゴニストは、Smoothened(Shh経路のシグナル伝達因子)に対してであり得る。上記細胞培養物は、必要に応じて、表皮細胞(epidermal cell)を含む。好ましいShh経路アゴニストもしくはSmoothenedアゴニストとしては、CUR−0201365およびCUR−0236715(Curis,Inc.から入手可能である)が挙げられるが、これらに限定されない。発毛促進性は、Aderans Hair Patch AssayTMを使用して測定される。上記培養された真皮細胞は、上記1種以上のShh経路アゴニストの存在下で、採取前に少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日以上にわたって培養物中で維持され得る。
【0014】
上記処理された真皮細胞は、哺乳動物被験体(好ましくは、ヒト)における脱毛を処置するために使用され得る。代表的には、皮膚組織の外植片は、処置されるべき被験体から得られる。上記外植片は、上記細胞を細胞の懸濁物へと解離するために処理され、上記懸濁物は、次いで、1種以上のShh経路アゴニストの存在下で培養される。一実施形態において、上記細胞は、上記細胞を上記被験体の皮膚に移植する前に、少なくとも7日間にわたって培養される。好ましくは、上記細胞は自己由来であるが、上記細胞が同種異系であり得ることが理解される。有効量の培養された真皮細胞は、上記被験体の皮膚に移植されて、毛包の形態を形成もしくは誘導する。
【0015】
別の実施形態は、Aderans Hair Patch AssayTMによって決定される場合に、非処理細胞と比較して少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、最大300%まで増大した発毛促進性を有する真皮細胞の単離された集団を提供する。処理された細胞は、同量の非処理細胞と比較して、Aderans Hair Patch AssayTMにおいて約3倍の毛包の数を有する。
【0016】
いくつかの場合において、培養された真皮細胞の発毛促進性は、上記細胞が培養物中で維持される場合に低下することが観察された。発毛促進性の低下の量は、上記細胞を有効量の1種以上のShh経路アゴニストの存在下で培養することによって、低下もしくは妨げられ得ることが発見された。好ましくは、培養物中の真皮細胞における発毛促進性レベルは、少なくとも1継代、2継代、3継代、4継代、5継代、6継代、7継代、8継代、9継代、もしくは10継代後に維持される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、sonic hedgehog(Shh)経路アゴニストB(CUR−0236715)で処理した真皮細胞におけるh−GLi1およびh−PTCH1の発現の倍数変化を示すグラフである。「P」は、細胞継代に言及する。上記細胞を1ディッシュ中一定期間にわたって増殖させる。上記細胞を第2のディッシュに移すとき、上記細胞を継代したとみなす。細胞の最初の播種は、継代0(P0)と考えられる。上記細胞が上記ディッシュから取り払われ、新たな容器へと移される場合、上記継代は、P1であるなど。細胞が培養物中にいた時間の長さは、しばしば、継代数によって記載される。
【図2A】図2Aは、アゴニストA(CUR−201365)で処理された真皮細胞によってAderans Hair Patch AssayTMにおいて生成された毛包の数を示すグラフである。
【図2B】図2Bは、培養物中で1継代後に示された量のShh経路アゴニストで処理された真皮細胞によってハイブリッドパッチアッセイにおいて生成された毛包の数を示すグラフである。
【図2C】図2Cは、培養物中での2継代後に示された量のShh経路アゴニストで処理された真皮細胞によってAderans Hair Patch AssayTMにおいて生成された毛包の数を示すグラフである。
【図2D】図2Dは、培養物中で3継代後に示された量のShh経路アゴニストで処理された真皮細胞によってAderans Hair Patch AssayTMにおいて生成された毛包の数を示すグラフである。
【図2E】図2Eは、培養物中で4継代後に示された量のShh経路アゴニストで処理された真皮細胞によってAderans Hair Patch AssayTMにおいて生成された毛包の数を示すグラフである。
【図3】図3Aは、示された量のShh経路アゴニストで処理された真皮細胞の集団倍加時間を示すグラフである。図3Bは、コンフルエントにおいてShh経路アゴニストで処理された真皮細胞の細胞数(百万)を示すグラフである。
【図4】図4Aは、示された量のShh経路アゴニストで処理された真皮細胞を使用して、ハイブリッドパッチアッセイにおいて形成された平均毛包数を示すグラフである。図4Bは、培養物中で2継代後に示された量のShh経路アゴニストで処理された真皮細胞を使用して、Aderans Hair Patch AssayTMにおいて形成された平均毛包数を示すグラフである。
【図5−1】図5Aは、培養物中の1継代後に示された量のShh経路アゴニストで処理された真皮細胞を使用して、フラスコ中の平均細胞数(百万)を示すグラフである。図5Bは、培養物中に2継代後に示された量のShh経路アゴニストで処理された真皮細胞を使用して、フラスコ中の平均細胞数(百万)を示すグラフである。
【図5−2】図5Cは、培養物中で1継代後に示された量のShh経路アゴニストで処理された真皮細胞の集団倍加時間(日数)のグラフである。図5Dは、培養物中で2継代後に示された量のShh経路アゴニストで処理された真皮細胞の集団倍加時間(日数)のグラフである。
【図6】図6Aは、細胞培養物で1継代後に示された量のShh経路アゴニストで短期間(採取前7日間)にわたって連続して処理された真皮細胞を使用して、Aderans Hair Patch AssayTMにおいて形成された毛包の平均数を示すグラフである。図6Bは、細胞培養物で2継代後に示された量のShh経路アゴニストで短期間(採取前7日間)にわたって連続して処理された真皮細胞を使用して、Aderans Hair Patch AssayTMにおいて形成された毛包の平均数を示すグラフである。
【図7】図7は、Aderans Hair Patch AssayTMにおけるヒト胎児細胞培養物から形成された毛包数 対 Shh経路アゴニストを用いた細胞培養物の示された細胞培養継代P0、P1、P2もしくはP3のグラフである。各継代は、アゴニストで細胞を処理せずに得た結果に対応する左カラムおよびアゴニストで処理した細胞の結果を示す右カラムを有する1対のカラムを有する。
【図8】図8は、示された細胞培養継代における未処理細胞もしくは処理細胞のAderans Hair Patch AssayTMでのヒト胎児細胞培養物から形成された毛包数のグラフである。
【図9】図9は、示された培地中でのAderans Hair Patch AssayTMにおけるヒト胎児細胞培養物から形成された毛包数のグラフである。
【図10】図10である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(発明の詳細な説明)
(I.定義)
用語「発毛促進細胞」とは、被験体の皮膚に投与された場合に、毛包形成を誘導する細胞をいう。
【0019】
本明細書で使用される場合、用語「単離された」とは、細胞が天然に存在する環境とは異なる(例えば、その天然の環境から分離された(例えば、皮膚外植片から真皮細胞を分離することによって))環境に存在する細胞を記載することを意味する。
【0020】
用語「個体」、「宿主」、「被験体」、および「患者」とは、本明細書において交換可能に使用され、哺乳動物(マウス、サル、ヒト、哺乳類の家畜、哺乳類の競技用動物、および哺乳類のペットが挙げられるが、これらに限定されない)に言及する。
【0021】
本明細書で使用される場合、用語「有効量」もしくは「治療上有効な量」とは、毛包形成を誘導するか、または軟毛を誘導して終毛を形成するか、または細小化毛髪を誘導してこのプロセスを逆転し、終毛になるのに十分な細胞量を意味する。細胞培養物に関して、hedgehogアゴニストの「有効量」とは、上記培養された真皮細胞の発毛促進性を増大させるかもしくは維持するための真皮細胞のインビトロ培養プロトコルの一部として適用される上記アゴニストの量に言及する。好ましい真皮細胞としては、真皮細胞が挙げられるが、これらに限定されない。上記細胞は、好ましくは、哺乳動物細胞、より好ましくは、ヒト細胞である。
【0022】
用語「皮膚」とは、身体の外側の保護被覆(真皮(corium)、表皮(epidermis)、および真皮(dermis)が挙げられる)に言及し、汗腺および皮脂腺、ならびに毛包構造物を含むと理解される。
【0023】
用語「hedgehogアゴニスト」もしくは「sonic hedgehogアゴニスト」とは、hedgehogの生物活性を強化もしくは反復する(例えば、標的遺伝子の転写を活性化するように)因子に言及する。
【0024】
本明細書で使用される場合、「真皮細胞」もしくは「真皮細胞の集団」とは、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%の真皮細胞を含む細胞の集団をいう。細胞を真皮細胞として同定するための方法は、当該分野で公知である。
【0025】
本明細書で使用される場合、「表皮細胞」もしくは「表皮細胞の集団」とは、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%の表皮細胞を含む細胞の集団をいう。細胞を表皮細胞として同定するための方法は、当該分野で公知である。
【0026】
(II.Hedgehogシグナル伝達)
Drosophila melanogaster Hedgehog変異体は、この変異体の表現型が、幼虫分節において顕著な表皮の棘(spike)を有した(通常は、これらの伸長部を欠いている)ので、このように名付けられた。哺乳動物において、分泌糖タンパク質の上記Hedgehog(Hh)タンパク質ファミリーは、少なくとも3つのメンバーを含む:Sonic Hedgehog(Shh)、Desert Hedgehog(Dhh)、およびIndian Hedgehog(Ihh)。
【0027】
Hedgehog(Hh)タンパク質は、胚発生の間の多くの組織におけるモルフォゲンであり、細胞内シグナル伝達の重要なメディエーターである。上記Hedgehog経路は、胚において細胞パターン形成、分化、増殖、生存および成長を調節することにおいて重要であり、成体の脊椎動物Hedgehogタンパク質は、ニューロンの発達、四肢発生、肺、骨、毛包および消化管の形成の間の多くの上皮−間葉性誘導相互作用にとって非常に重大である。
【0028】
Hh経路におけるシグナル伝達は、Shhの、そのレセプターであるPatched(Ptc)(12回膜貫通ドメインタンパク質)への結合で始まる。哺乳動物ゲノムは、2つのpatched遺伝子(ptc1およびptc2)を含む。Shhの非存在下で、Ptcは、7回膜貫通タンパク質であるSmoothened(Smo)の活性を抑制する。Shhが存在しかつPtcに結合する場合、Smoの抑制は中止され、fused(Fu)(セリン−スレオニンキナーゼ)の活性化および上記哺乳動物Gliファミリーのジンクフィンガー転写因子(DrosophilaにおけるCiに対応する)の、微小管関連Fu−Gli−Su(fu)複合体[Su(fu):Fusedのサプレッサー]からの解離をもたらす。Gli転写因子は、Gli1、Gli2、およびGli3を含む。Shhは、Gli3によるリプレッサー形成を阻害するが、Gli2によるものは阻害しない。これら転写因子は、核に転移し、標的遺伝子転写を誘導する。Gli1およびPtc1を含む上記経路のメンバーは、それら自体転写の標的である。
【0029】
(A.Sonic Hedgehog)
Shhは、脳、心臓、肺、骨格、および皮膚を含む脊椎動物器官のパターン形成に関与する(Sato,N.ら,J Clincal Investigation,104(7):855−864)。皮膚において、Shhは、胚発生の間の毛包形態発生に、および成体における毛包成長および周期進行を調節するのに必要とされる(Paladini,R.D.,ら,J Invest Dermatol,125:638−646(2005))。出生後のマウス皮膚におけるShhの一時的な過剰発現は、毛包の成長期の成長相の開始を起こす(Sato,N.ら,J Clincal Investigation,104(7):855−864);Sato,N.ら,J.National Cancer Inst.,93(24):1858−1864(2001)。
【0030】
Shhの発現は、予定中間中胚葉(presumptive midline mesoderm)における原腸形成、マウス、ラットおよびニワトリにおける節、ならびにゼブラフィッシュにおけるシールド(shield)の開始直後に始まる。ニワトリ胚において、上記節におけるShh発現パターンは、左右非対称性を発生させる。
【0031】
CNSにおいて、脊索および床板に由来するShhは、腹側細胞の運命を誘導するようである。異所性に発現される場合、Shhは、マウス、Xenopusおよびゼブラフィッシュにおける中脳および後脳の大部分の領域の腹側化をもたらす。脊髄レベルでの中間神経外胚葉(intermediate neuroectoderm)の外移植片において、Shhタンパク質は、別個の濃度閾値で床板および運動ニューロン発生を誘導し、高濃度で床板を誘導し、低濃度で運動ニューロンを誘導する。さらに、抗体ブロッキングは、上記脊索によって生成されるShhが、運動ニューロン運命の脊索媒介性誘導に必要とされることを示唆する。Shh生成正中線細胞(midline cell)の表面上の高濃度のShhは、インビトロで観察される床板の接触媒介性誘導、そして脊索の直ぐ上のインビボでの正中線配置の原因であるようである。上記脊索および上記床板から放出されるより低い濃度のShhは、おそらく、インビトロで接触依存性であることが示されたプロセスにおいて、より遠い腹外側領域において運動ニューロンを誘導する。中脳レベルおよび前脳レベルにおいて採取された外植片において、Shhはまた、適切な腹外側ニューロン細胞のタイプ(それぞれ、ドパミン作働性前駆体およびコリン作動性前駆体)を誘導する。このことは、Shhが、上記CNSの全長にわたって腹側の明確化(ventral specification)の一般的なインデューサーであることを示す。これらの観察は、Shhに対する差次的応答が、どのように特定の腹背位置において調節されるかに関する問題を浮き彫りにする。
【0032】
正中線からのShhはまた、脊椎動物胚の軸傍領域、体幹における体節および体節の頭部間葉吻側(head mesenchyme rostral)をパターン形成する。ニワトリおよびマウスの軸傍中胚葉外植片において、Shhは、真皮性筋節マーカー(dermamyotomal marker)Pax3を犠牲にして、Pax1およびTwistのような硬節特異的マーカーの発現を促進する。さらに、フィルタバリア実験は、Shhが、二次的シグナル伝達機構の活性化によってではなく、直接的に硬節の誘導を媒介することを示唆する。Shhはまた、筋分節遺伝子発現を誘導するが、いくつかの実験は、WNTファミリーのメンバーであるDrosophila winglessの脊椎動物ホモログが、協力して必要とされることを示す。
【0033】
(B.Indian Hedghog)
Ihhは、軟骨形成的発生の調節において重要な役割を果たす。軟骨形成の間に、軟骨細胞は、中間的な前肥厚性状態を介した増殖状態から分化した肥厚性軟骨細胞へ進む。Ihhは、前肥厚性軟骨細胞において発現され、軟骨細胞分化の遮断をもたらすシグナル伝達カスケードを開始する。その直接的標的は、GliおよびPtcの発現によって応答するIhh発現ドメインの周りの軟骨膜である。最も可能性のあるのは、このことは、関節周囲軟骨膜における副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)の合成を生じる二次的シグナル伝達をもたらす。PTHrP自体は、前肥厚性軟骨細胞へもどってシグナル伝達し、このことは、前肥厚性軟骨細胞のさらなる分化をブロックする。同時に、PTHrPは、Ihhの発現を抑制し、それによって、軟骨細胞分化の速度を調節するネガティブフィードバックループを形成する。
【0034】
(C.Desert Hedghog)
Desert Hedgehog(Dhh)は、発現に関してもっとも制限されており、Dhhヌルマウスは、生存能力がある;それは、精巣において、マウス胚発生において、ならびに成体の齧歯類およびヒトの両方において、主に発現される。雄性の性分化に関する上記Dhh遺伝子およびそのマウスホモログの重要性は、種々の研究において実証されてきた(Bitgood and McMahon,Dev Biol,172:126-138(1995);Bitgood,M.J.,ら,Curr Biol,6:298-304(1996))。Clark,A.M.,ら,Biol Reprod,63:1825-1838(2000)は、Dhhヌル雄性マウスの大部分が、偽雌雄同体へと発生したことを報告した。他の研究からは、管周囲の筋様細胞の分化および結果として生じる精巣索の形成は、Dhhによって調節されることが実証された(Pierucci−Alves,F.,ら,Biol Reprod,65:1392-1402(2001))。さらに、Dhh/Patched 1シグナル伝達が、胎児精巣におけるステロイド生成ライディッヒ細胞の分化のポジティブメディエーターであることが示唆された(Yao,H.,ら,Genes Dev,161433-1440(2002))。ヒトでの研究において、Umehara,F.,ら,Am J Hum Genet,67:1302-1305(2000)は、Dhh遺伝子のホモ接合性ミスセンス変異を、微小線維束神経障害(minifascicular neuropathy)と関連する46,XY部分的性器発育異常(46,XY partial gonadal dysgenesis)を有する1名の患者において報告した;同様に、46,XY完全純型性器発育異常(46,XY complete pure gonadal dysgenesis)(PGD)を有する3名の患者のDhh遺伝子におけるホモ接合性変異が報告された(Canto,P.,ら,J Clin Endocrinol Metab,89:4480-4483(2004))。これら発見の全ては、Dhhが雄性性腺分化に介在する重要な分子であることを実証した。
【0035】
(II.Sonic Hedgehogシグナル伝達経路のアゴニスト)
上記sonic hedgehogシグナル伝達経路のアゴニストは、当該分野で公知である。米国特許第6,683,108号(Baxterら,その全体が本明細書に参考として援用される)は、Shhの低分子非ペプチジルアゴニストを開示している。上記sonic hedgehogシグナル伝達経路のアゴニストはまた、Curis,Inc.(Cambridge,MA)から市販されている。Shh経路の好ましいアゴニストとしては、CUR−0236715およびCUR−0201365が挙げられるが、これらに限定されない。上記アゴニストの一般的構造は、米国特許第6,683,108号に提供されている。好ましいアゴニストは、以下の構造を有する:
【0036】
【化1】

【0037】
【化2】

【0038】
(III.細胞培養物におけるSonic Hedgehogのアゴニストの使用)
(A.発毛促進性細胞の培養物の増大)
一実施形態は、解離した哺乳動物真皮細胞を有効量のsonic hedgehog経路アゴニストの存在下で、インビトロで培養して、上記解離した哺乳動物真皮細胞の発毛促進性を、非処理の解離した哺乳動物真皮細胞と比較して増大させることによって、培養物中の細胞の発毛促進性を増大させるための方法を提供する。好ましくは、上記培養した細胞は、ヒト真皮細胞である。一実施形態において、上記Shh経路アゴニストは、0.125μg/ml〜0.625μg/mlの範囲で存在する。別の実施形態は、非処理細胞と比較して、上記毛髪パッチアッセイによって決定した場合に少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、もしくは30%増大した発毛促進性を有する真皮細胞の単離された集団を提供する。
【0039】
真皮細胞(好ましくは、外植片組織由来)の集団は、インビトロで永続化(perpetuate)され得、それらの発毛促進性は、上記の1種以上のShh経路アゴニストとの接触によって、非処理細胞と比較して増大もしくは維持され得る。特定の実施形態において、真皮細胞および表皮細胞の組み合わせは、同時培養される。好ましいShh経路アゴニストとしては、CUR−0236715およびCUR−0201365(Curis,Inc.(Cambridge MA)から市販される)が挙げられるが、これらに限定されない。一般に、真皮細胞を哺乳動物から単離する工程、これら細胞をインビトロで、好ましくは、増殖培地(増殖因子、栄養素、補因子ならびに他の従来の細胞培養添加物および/もしくは当該分野で公知の補充物を含む)中で永続化させる工程を包含する方法を提供する。外植片組織は、被験体(好ましくは、ヒト)から得られる。上記外植片組織は、代表的には、毛包を含む皮膚の外植片である。上記外植片は、自己由来もしくは同種異系であり得る。
【0040】
上記外植片もしくはドナー組織由来の細胞は、個々の細胞もしくは少数の細胞を含む集合体に解離される。解離は、任意の公知の手順(酵素(例えば、トリプシンおよびコラゲナーゼ)での処理を含む)を使用して、または物理的解離方法(例えば、鈍らな器具で)を使用することによって、もしくは外科用メスで切り刻んで、組織から特定の細胞タイプの成長を可能にすることによって、得られ得る。
【0041】
解離した細胞は、細胞増殖を支持し得る任意の公知の培養培地(細胞代謝に必要とされる補充物(例えば、グルタミンおよび他のアミノ酸、ビタミン、ミネラルおよび有用なタンパク質(例えば、トランスフェリン))を含むMEM、DMEM、およびRPMI、F−12が挙げられる)に配置され得る。培地はまた、酵母、細菌および真菌による汚染を防止するための抗生物質(例えば、ペニシリン、ストレプトマイシン、およびゲンタマイシン)を含み得る。いくつかの場合において、上記培地は、ウシ、ウマ、ニワトリに由来する血清を含み得る。細胞にとって特に好ましい培地は、DMEMおよびF−12の混合物である。
【0042】
培養条件は、生理学的条件に近くすべきである。上記培養培地のpHは、生理学的pHに近く、好ましくは、pH6〜8、より好ましくは、pH7に近く、さらにより具体的には、約pH7.4であるべきである。細胞は、生理学的温度に近い温度(好ましくは、30℃〜40℃の間、より好ましくは、32℃〜38℃の間、および最も好ましくは、35℃〜37℃の間)で培養されるべきである。
【0043】
細胞は、懸濁した状態で、もしくは培養基上で増殖させられ得る。増殖させる(懸濁細胞を分けるもしくは継代することに言及する)場合、上記細胞は、採取され、低速で遠心分離される。その培地は吸引され、上記細胞は、増殖因子を含む少量の培地中に再懸濁され、上記細胞は、機械的に解離され、細胞培養培地の別のアリコートに再懸濁される。
【0044】
培養培地中の細胞懸濁物には、上記細胞の増殖を可能にする任意の増殖因子が補充され、細胞を維持し得る任意の容器中に(好ましくは、培養フラスコもしくはローラーボトル中に)播種される。細胞は、代表的には、37℃のインキュベーター中で3〜4日以内に増殖し、増殖は、上記細胞の解離および増殖因子を含む新鮮な培地中での再懸濁後のいずれの時点でも、再開始され得る。好ましい実施形態において、上記真皮細胞は、採取前に、1種以上のShhアゴニストの存在下で、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間以上にわたって培養される。
【0045】
(B.培養物中での発毛促進性の維持)
上記真皮細胞の発毛促進性は、1種以上のShhアゴニストを上記細胞培養培地中に組み込むことによって、培養物中で維持され得る。一実施形態において、上記真皮細胞は、それらの発毛促進性を、細胞培養物中で、非処理細胞と比較して少なくとも1継代、2継代、3継代、もしくは4継代後に維持する。実際には、それらがもはや機能的でなくなるか、もしくは上記増殖培地を消費し尽くし、死滅し始める前に、所定のフラスコ中で効率的に増殖させられ得る特定の細胞数しか存在しない。いったんフラスコがその収容力に達すると、その細胞集団は、複数のフラスコに分割され、継代培養される。この過程は、継代といわれる。継代の時点は、主観的にもしくは経験的に決定され得る。実験室スケールでは、培養フラスコは、覆われた板の面積、細胞結合性および細胞分布を評価するために視覚的に調べられる。
【0046】
一実施形態において、培養物中の真皮細胞における発毛促進性レベルは、有効量の1種以上のShh経路アゴニストの存在下で上記細胞を培養することによって、少なくとも1継代、2継代、3継代、4継代、5継代、6継代、7継代、8継代、9継代、もしくは10継代後に、維持される。上記真皮細胞の発毛促進性を維持することは、上記培養細胞のうちの少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、もしくは35%が、被験体の皮膚に移植された場合に、毛包を形成するかもしくは毛包形成を誘導する能力を保持することを意味する。
【0047】
さらに別の実施形態において、上記真皮細胞の発毛促進性は、Shh経路アゴニストの非存在下で培養した真皮細胞と比較して、細胞培養の間に少なくとも5%、10%、15%、もしくは20%増大する。
【0048】
(C.発毛促進性の測定)
真皮細胞の集団の発毛促進活性は、Aderans Hair Patch AssayTMを使用することによって決定され得る(Zheng,Y.,J Invest Dermatol,124:867−876(2005))。このアッセイにおいて、解離した真皮細胞および表皮細胞は、免疫無能力マウスの真皮もしくは皮下組織の中に移植される。マウス新生仔皮膚細胞を使用したところ、新たな毛包は、代表的には、このアッセイにおいて8〜10日間以内に形成する。上記新たに形成された毛包は、正常な毛幹、成熟した皮脂腺、および自然な毛周期を現す。周期進行する正常な毛包は、このアッセイにおいて形成されるが、このアッセイは、主に、細胞もしくは細胞の組み合わせが、新たな毛包を形成する能力を測定する。マウス真皮細胞は、マウス新生仔表皮細胞とともにアッセイされる。
【0049】
(IV.増強した発毛促進性を有する真皮細胞を使用するための方法)
(A.毛包誘導)
上記で開示される方法を使用して得られた毛髪促進活性が増大した真皮細胞は、被験体において新たな毛包を生成するために使用され得る。毛髪促進能が増大した真皮細胞を移植されるべき被験体としては、不十分な量の毛髪もしくは毛髪成長の不十分な速度を有する任意の被験体が挙げられる。適切な被験体としては、男性型脱毛症、任意の原因の瘢痕、円形脱毛症、休止期脱毛、甲状腺疾患、栄養欠乏、円板状エリテマトーデス、扁平苔癬、遺伝的脱毛症(genetic pattern baldness)を有するか、または毛髪成長を低下させるかもしくは脱毛を引き起こすホルモン性障害を有する被験体が挙げられる。被験体は、遺伝的素因、行動的素因もしくは環境的素因または他の要因に基づいて、これら状態を有し得るか、またはこれら状態の発生のリスクがあり得る。他の適切な被験体としては、毛髪成長の低下もしくは脱毛を引き起こす処置(例えば、化学療法、もしくは放射線療法)を受けた被験体が挙げられる。他の適切な被験体としては、頭皮もしくは毛髪の外傷を経験した、構造的毛幹異常を有するか、または毛髪成長が必要な皮膚の領域を生じる外科手術手順(例えば、皮膚移植)を経験した被験体が挙げられる。他の適切な被験体としては、毛髪が好ましい領域に皮膚瘢痕を有する被験体が挙げられる。上記瘢痕は、外傷、熱傷、外科手術、放射線療法、遺伝的異常、先天的欠損などから生じ得る。
【0050】
真皮細胞集団および必要に応じて表皮細胞集団は、増大した毛髪成長が望ましい領域に、上記被験体へと移植され得る。移植のための好ましい位置としては、上記被験体の頭皮、顔面もしくは眉毛の領域が挙げられる。
【0051】
上記被験体へ移植される細胞は、自己由来、同種異系もしくは異種由来であり得る。一実施形態において、真皮細胞および表皮細胞は、単一の同種異系ドナーに由来する皮膚切片から得られるか、もしくは自己由来である。別の実施形態において、真皮細胞および表皮細胞は、1名より多いドナーに由来する皮膚切片から得られる。例えば、真皮細胞は、1名のドナーに由来し得、表皮細胞は、別のドナーに由来し得る。好ましい実施形態において、上記移植される細胞は、自己由来である。
【0052】
真皮細胞および表皮細胞は、必要に応じて、上記被験体に移植する前に、適切な比で組み合わされる。適切には、表皮細胞 対 真皮細胞の比は、約0:1、1:1、1:2、もしくは1:10の範囲中にある。真皮細胞および表皮細胞は、移植する前に、さらなる細胞タイプ(例えば、メラノサイト、脂肪細胞、前駆脂肪細胞、内皮細胞、および骨髄細胞)とさらに組み合わされ得る。上記移植されるべき真皮細胞および表皮細胞は、移植する前に物理的および/もしくは生化学的集合に共されて、移植部位内で上記細胞の集合を誘導および/もしくは維持し得る。例えば、上記細胞は、上記培養物の遠心分離を介して集合させ得る。さらに、もしくは代わりに、適切な集合増強物質が、移植の前もしくは移植のときに、上記細胞に添加され得る。適切な集合増強物質としては、糖タンパク質(例えば、フィブロネクチンもしくはグリコサミノグリカン)、デルマタン硫酸、コンドロイチン硫酸、プロテオグリカン、硫酸ヘパリンおよびコラーゲンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
上記細胞は、当該分野で公知の慣用的方法を使用して、被験体へ移植され得る。種々の投与経路および種々の部位が使用され得る。例えば、上記細胞は、処置部位において外側の皮膚層の真皮と表皮との間に直接導入され得る。このことは、上記処置部位において上記皮膚上の水疱を生じさせ、上記細胞を上記水疱の流体へ導入することによって、達成され得る。上記細胞はまた、上記表皮を貫通して上記真皮の下へと伸びる、適切な切開部の中へ導入され得る。上記切開部は、慣用的技術を使用して、例えば、外科用メスもしくは皮下注射針を使用して作製され得る。上記切開部は、一般に、上記切開部のいずれかの側において上記表皮の直ぐ近くのレベルまで、上記細胞で満たされ得る。好ましい実施形態において、上記細胞は、米国特許出願公開第2007/0233038号(Pruitt,ら)に記載されるように、デバイスを使用して送達される。
【0054】
注射されるべき細胞の投与量は、代表的には、約100万〜約400万細胞/cmの間である。
【0055】
別の実施形態において、複数の小さなレシピエント部位(例えば、10個、50個、100個、500個もしくは1000個以上)が、上記細胞が移植される皮膚に形成される。各穿孔は、複数の細胞で満たされ得る。上記穿孔の大きさおよび深さは、変動し得る。上記皮膚における穿孔は、慣用的技術によって形成され得、皮膚切開器具(例えば、外科用メスもしくは皮下注射針もしくはレーザー(例えば、低出力レーザー))の使用を含み得る。あるいは、上記皮膚において複数の間隔の空いた穿孔を同時に形成するために形成かつ配置された複数の間隔の空いた切開縁部を有する複数穿孔装置が、使用され得る。上記細胞は、上記皮膚における複数の穿孔へと同時に導入され得る。
【0056】
上記表皮細胞、真皮細胞、もしくはこれらの組み合わせは、生理食塩水もしくはリン酸緩衝化生理食塩水のような薬理学的に適切なキャリアと合わせられ得る。好ましい実施形態において、上記キャリアは、適切な培養培地(例えば、ダルベッコリン酸緩衝化生理食塩水(「DPBS」)、DMEM、D−MEM−F−12もしくはHYPOTHERMOSOL−FRSである。上記細胞はまた、保存溶液(例えば、ラクトビオン酸カリウム、リン酸カリウム、ラフィノース、アデノシン、アロプリノール、ペンタスターチプロスタグランジンE1、ニトログリセリン、および/もしくはN−アセチルシステインを溶液へと混合した蒸留水もしくは脱イオン水を含むが、これらに限定されない溶液)と組み合わされ得る。適切には、上記使用される保存溶液は、標準的な器官および生物学的組織の冷たい水性の保存貯蔵液(HYPOTHERMOSOL−FRS)に類似であり得る。
【0057】
上記細胞および上記キャリアは、注射に適切な懸濁物を形成するために組み合わされ得る。各開口部は、有効量の細胞が移植されて、その開口部に新たな毛包を生成する。各開口部に導入される細胞数は、種々の要因(例えば、上記開口部の大きさおよび深さ、ならびに上記細胞の全体的な生存性および毛髪促進活性)に依存して変動し得る。注射されるべき細胞の投与量は、代表的には、約100万〜約400万細胞/cmである。一実施形態において、約50,000〜約2,000,000細胞が、1回の注射あたりに送達される。上記細胞濃度は、約5,000〜約1,000,000細胞/μl、代表的には、約50,000細胞/μl〜約75,000細胞/μlであり得る。1回の注射あたりに送達される細胞の代表的体積は、約1〜約10μl、好ましくは、約4μlである。一実施形態において、1cmあたり1〜100回の注射、代表的には、1cmあたり1〜30回の注射が、皮膚において、好ましくは、頭皮において行われる。
【0058】
同種異系供給源に由来する真皮細胞および/もしくは表皮細胞の使用は、免疫抑制剤の投与、組織適合性抗原の変化、もしくは移植される細胞の拒絶を防止するためにバリアデバイスの使用を必要とし得る。細胞は、単独で、またはバリアもしくはレシピエント被験体において移植された細胞に対する免疫応答を阻害もしくは低下させるための薬剤と組み合わせて、投与され得る。例えば、免疫抑制剤は、被験体における正常な免疫応答を阻害もしくは妨害するために被験体に投与され得る。上記免疫抑制剤は、上記被験体においてT細胞/もしくはB細胞活性を阻害する免疫抑制薬であり得る。免疫抑制薬の例は、市販されている(例えば、シクロスポリン)。免疫抑制剤(例えば、薬物)は、望ましい治療効果(例えば、上記細胞の拒絶の阻害)を達成するために十分な投与量で被験体に投与され得る。
【0059】
上記免疫抑制剤はまた、上記被験体においてT細胞活性を阻害する抗体、抗体フラグメント、もしくは抗体誘導体であり得る。T細胞を枯渇もしくは隔離し得る抗体は、例えば、ポリクローナル抗血清(例えば、抗リンパ球血清);およびモノクローナル抗体;例えば、T細胞表面上のCD2、CD3、CD4、CD8もしくはCD40に結合するモノクローナル抗体であり得る。このような抗体は、例えば、アメリカンタイプカルチャーコレクションから市販されている(例えば、OKT3(ATCC CRL 8001))。抗体は、移植後に培養されたDP細胞の拒絶を阻害するために、適切な期間(例えば、少なくとも7日、例えば、少なくとも10日、例えば、少なくとも30日)にわたって、投与され得る。抗体は、薬学的に受容可能なキャリア(例えば、生理食塩水溶液)中で静脈内投与され得る。
【0060】
いくつかの実施形態において、上記被験体は、毛髪成長を増強するために、細胞の移植の前、移植と同時、および/もしくは移植の後に、局所的におよび/もしくは全身的に、毛髪成長促進物質で処置される。適切な毛髪成長促進物質としては、例えば、ミノキシジル、シクロスポリン、および天然もしくは合成のステロイドホルモンならびにそれらのエンハンサーおよびアンタゴニスト(例えば、抗アンドロゲン)が挙げられ得、これらは全て市販されている。
【0061】
(B.終毛誘導)
別の実施形態は、終毛になるように、軟毛を誘導するための方法を提供する。軟毛は、小児および成人の身体を覆う細い、色が付いていない毛髪(産毛(peach fuzz))である。終毛は、発達した毛髪であり、これは、一般に、上記より短くかつより細い軟毛より長く、より粗く(coarser)、厚みがあり、より色が濃い。上記のように、男性型脱毛症の発現において終毛の毛包から軟毛の毛包への形態発生スイッチが存在する。
【0062】
一実施形態において、発毛促進能が増大した真皮細胞は、上記のように、皮膚へと注射される。上記真皮細胞は、上記のように得られ、代表的には、自己由来細胞である。上記細胞は、軟毛もしくは軟毛の毛包へもしくはそこに隣接して注射される。真皮細胞の複数回の注射は、軟毛を含む皮膚の領域へと送達されて、終毛の毛包になるのに可能な限り多くの軟毛の毛包を誘導し得る。注射の回数および注射されるべき細胞の体積は、当業者によって慣用的に決定され得ることが認識される。
【0063】
別の実施形態において、発毛促進活性が増大した真皮細胞は、毛包の形成を誘導しかつ軟毛の毛包を誘導して、終毛の毛包になるのに有効な量で皮膚に注射される。
【0064】
別段定義されなければ、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、上記開示される発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で引用される刊行物およびそれらが引用される資料は、具体的に参考として援用される。
【実施例】
【0065】
(実施例1:sonic hedgehog経路の刺激)
(細胞培養)
細胞解離は、任意の公知の手順(酵素(例えば、トリプシンおよびコラゲナーゼ)での処置が挙げられる)を使用して、または解離の物理的方法(例えば、鈍らな器具による)を使用することによって、もしくは外科用メスで切り刻んで、組織からの特定の細胞タイプの成長を可能にすることによって、得られ得る。
【0066】
解離した細胞は、細胞代謝に必要とされる補充物(例えば、グルタミンおよび他のアミノ酸、ビタミン、ミネラルならびに有用なタンパク質(例えば、トランスフェリン))を含む、細胞増殖を支持し得る任意の公知の培養培地(MEM、DMEM、およびRPMI、F−12が挙げられる)へと配置されうる。培地はまた、酵母、細菌および真菌による汚染を防止するための抗生物質(例えば、ペニシリン、ストレプトマイシン、およびゲンタマイシン)を含み得る。いくつかの場合において、上記培地は、ウシ、ウマ、もしくはニワトリに由来する血清を含み得る。細胞にとって特に好ましい培地は、DMEMおよびF−12の混合物である。
【0067】
Shh経路アゴニストは、基礎培地への添加物として、望ましい濃度で添加されうる。細胞は、採取前の1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間以上にわたって、Shh経路アゴニストに対して処理されうる。
【0068】
(結果)
図1は、上記Shh経路アゴニスト化合物がsonic hedgehog経路の成分の転写を刺激することを示す。種々の患者に由来する解離した真皮細胞および集合した真皮細胞を使用する一連の研究において、細胞をShh経路アゴニストに曝すと、上記Shh増殖因子ファミリーの種々のメンバー(すなわち、Gli1およびPtc)の遺伝子発現が刺激されることが示された;転写物は、qPCRによって検出した。
【0069】
(実施例2:上記使用した化合物の用量応答およびバイオアッセイ)
(Aderans Hair Patch AssayTM
真皮細胞の集団の発毛促進活性を、Aderans Hair Patch AssayTM(Zheng,Y.,J Invest Dermatol,124:867−876(2005))によって決定した。このアッセイにおいて、解離した真皮細胞および表皮細胞を、免疫無能力マウスの真皮もしくは皮下組織へと移植する。マウス新生仔皮膚細胞を使用したところ、新たな毛包は、代表的には、このアッセイにおいて、8〜10日間以内に形成する。上記新たに形成された毛包は、正常な毛幹、成熟した皮脂腺、および自然な毛周期を発現する。周期進行する正常な毛包がこのアッセイにおいて形成されるが、上記アッセイは、主に、細胞もしくは細胞の組み合わせが新たな毛包を形成する能力を測定する。伝統的なパッチアッセイにおいて、マウス新生仔真皮細胞を、マウス新生仔表皮細胞とともにアッセイした。そのアッセイの改変において、ヒト成人真皮細胞を、マウス新生仔表皮細胞の存在下でアッセイする。
【0070】
(結果)
最初の研究において、Curis,Inc.のShh経路アゴニストのうちの1つ(アゴニストA−CUR−0201365)の4種の異なる濃度を使用した(0μg/ml、0.005μg/ml、0.05μg/mlおよび0.125μg/ml(図2A))。2回目の研究において、上記用量を、0.625μg/mlへとさらに増大させた(図2B)。Shh経路アゴニストA(CUR−0201365)を含む培地中で増殖させた細胞は、非処理細胞と比較して、上記パッチアッセイにおいてより多くの毛包を生じた(注射した100万細胞あたり)。さらに、用量応答関係が認められ、上記培地中のShh経路アゴニスト濃度の増大とともに、効果が(パッチアッセイにおける毛包数)が増大した。Shhアゴニスト処理は、細胞の発毛促進性をより後の継代まで長期化した。上記アゴニストの非存在下で継代(P1からP4)して、発毛促進性が減少した一方で、最高濃度において、上記活性は高レベルで保持された(図2B)。上記活性は横ばいにならないようであるが、最高濃度では、細胞増殖速度は、低下する(図3)。アゴニストAの至適濃度は、0.625μg/mlより低いが、0.125μg/mlより高いようである。上記毛髪パッチアッセイにおいて形成された毛包数は、上記Shh経路アゴニストの存在下で細胞が増殖させられる場合により多い。
【0071】
第2の化合物(アゴニストB、CUR−0236715)を試験した。上記第1の化合物と同様に、上記処理細胞は、種々のアゴニスト濃度での全てのパッチアッセイにおいて増大した毛包数を支持した。上記濃度全てが、P1において上記非処理コントロールのものと比較して毛髪数の顕著な差異を示した。上記中間の濃度(0.0375μg/ml)は、P2において毛包形成にとって最適であった(図4B)。この第2のアゴニスト(B)は、試験した上記濃度のすべてにおいて細胞増殖もしくは収率に対していかなる有害な効果も示さなかった(図5)。
【0072】
(実施例3:短期間処理での細胞誘導性)
Shh経路アゴニストが、短期間処理(採取前7日間)で細胞誘導性を増大させ得るか否かを調査するために;3名の患者サンプルを、アゴニストBを使用して試験した。各サンプルについて、上記細胞を、継代P1もしくはP2において、0μg/ml、0.0125μg/ml、0.0375μg/ml、0.05μg/mlおよび0.15μg/mlのShh経路アゴニストBで処理した。P1細胞およびP2細胞を、次いで、約7日間後に採取し、上記ハイブリッドパッチアッセイにおいて分析した。類似の結果を、これら短期間の処理サンプルにおいて認めた(図6Aおよび図6B)。ここで全てのShh経路アゴニストB処理細胞は、上記コントロールと比較してより多い毛包数を与えた。この研究において、中間の濃度(0.0375μg/ml)は、P1細胞およびP2細胞にとって最適であることが判明した。Shh経路アゴニストBの上記中間の濃度は、短期間の処理(7日間)で毛包数を増大させた。細胞を、その7日間の期間にわたってのみ処理したが、その前は処理しなかった。
【0073】
連続処理結果を図4に示す。上記短期間の結果は、連続処理のものに匹敵した。
【0074】
(実施例4:ヒト胎児細胞およびマウス細胞に対するSHHアゴニスト)
本発明者らは、最近になって、ヒト成体細胞からヒト胎児細胞まで、ならびにマウス細胞の毛髪誘導活性に対するShh経路アゴニストB(CUR−0236715)の影響の本発明者らの研究を拡大した。P0におけるヒト胎児細胞をShh経路アゴニストB(37.5ng/ml)で処理したところ、Aderans Hair Patch AssayTMにおいて毛髪数の3倍より多い増加を生じた(図7)。この倍数増加は、成体細胞におけるものに非常に類似している。SHH処理による毛髪数の増大は、細胞を、Shh経路アゴニストの存在下で連続して培養した場合に、後の継代(P3)まで延びた(図7)。
【0075】
別の実験において、細胞を、Shh経路アゴニストなしで、培地中で最初に培養した。上記Shh経路アゴニストであるCUR−0236715を、特定の継代の開始時に上記培養物に添加しただけであり、その継代のみにわたって持続した(図8に示されるように、P1およびP4)。これら後の継代においてShh経路アゴニストB(CUR−0236715)を添加すると、胎児細胞発毛促進性がなお増大し得る。図2に示されるように、細胞は、上記Shh経路アゴニストBをP1もしくはP4において曝したのみであった場合、形成された毛包数は、SHHなしコントロール細胞より約5倍高く、上記培養全体を通して上記アゴニストによって一貫して処理した細胞により形成される毛髪数にも等しい(図7)。
【0076】
上記Shh経路アゴニストBの発毛促進性増強効果は、培地依存性であり得ることは、注目すべきである。図9に示されるように、上記アゴニストが細胞培養培地に添加される場合、それは、毛髪数の増大を生じる一方で、試験した他の市販培地(例えば、Amniomax and Changの培地(Invitrogen,CA)、およびOsada,A.,ら,Tissue Eng,13(5):975−82(2007)によって使用される培養培地)において、上記効果は、顕著ではない。
【0077】
培養したヒト細胞に加えて、上記Shh経路アゴニストBを、マウス新生仔真皮細胞培養物に添加した。予備データから、Shh経路アゴニストで処理したマウス細胞がまた、パッチアッセイにおいて形成された毛包数によって示される場合、増大した活性を有することが示された(図10)。この結果は、上記SHHアゴニストの発毛促進性増強効果が、ヒト細胞に限定されないことを示した。毛髪数の増大に加えて、SHHアゴニスト処理細胞によって形成された毛包の大きさはまた、非処理細胞によって形成された毛包の大きさと比較して、顕著に増大した。
【0078】
別段定義されなければ、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、上記開示される発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0079】
当業者は、本明細書に記載される発明の具体的実施形態に対する多くの等価物を認識し、これを単に慣用的な実験を使用して確かめることができる。このような等価物は、以下の特許請求の範囲によって包含されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
培養において細胞の発毛促進性を増大させるための方法であって、該方法は、
解離した哺乳動物真皮細胞を、有効量の1種以上のsonic hedgehog経路アゴニストの存在下で、インビトロで培養して、該解離した哺乳動物真皮細胞の発毛促進性を、未処理の解離した哺乳動物真皮細胞と比較して増大させる工程、
を包含する、方法。
【請求項2】
前記sonic hedgehog経路アゴニストは、以下の式:
【化3】

を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記発毛促進性は、パッチアッセイを使用して決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記哺乳動物細胞は、ヒトのものである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記解離した哺乳動物真皮細胞は、有効量のsonic hedgehog経路アゴニストの存在下で、少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日以上にわたって培養される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
脱毛を処置するための方法であって、該方法は、
請求項1〜5に記載の方法のうちのいずれか1つから得られた解離した哺乳動物細胞を、必要な被験体の皮膚に、毛包を形成するのに有効な量で移植する工程、
を包含する、方法。
【請求項7】
請求項1〜5に記載の方法のうちのいずれか1つによって得られる哺乳動物細胞の単離された集団。
【請求項8】
培養において真皮細胞の発毛促進性を長期化する方法であって、該方法は、
真皮細胞を皮膚外植片から解離する工程;
該解離した真皮細胞を、有効量のhedgehogアゴニストの存在下で培養して、該解離した細胞の発毛促進性を、未処理の細胞と比較して、少なくとも第2の継代まで維持する工程;
該細胞を、被験体の皮膚に、毛包の形成を誘導するもしくは毛髪細小化を逆転するのに有効な量で、注射する工程、
を包含する、方法。
【請求項9】
前記解離した真皮細胞は、毛髪パッチアッセイによって決定される場合、未処理細胞と比較して発毛促進性を少なくとも第3の継代まで維持する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記解離した真皮細胞は、毛髪パッチアッセイによって決定される場合、未処理細胞と比較して発毛促進性を少なくとも第4の継代まで維持する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
被験体における毛包形成を誘導するための方法であって、該方法は、
真皮細胞を、該被験体に由来する外植片から解離する工程;
該解離した真皮細胞を、有効量のsonic hedgehogアゴニストの存在下で培養して、該解離した真皮細胞の発毛促進性を、未処理の解離した真皮細胞と比較して増大させる工程;
該解離した真皮細胞を採取する工程;および
有効量の該採取した、解離した真皮細胞を、該被験体に注射して、毛包を形成するかもしくは毛髪細小化を逆転する工程、
を包含する、方法。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate

【図2E】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5−1】
image rotate

【図5−2】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2012−530492(P2012−530492A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516266(P2012−516266)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/038833
【国際公開番号】WO2010/148094
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(511045534)アデランス リサーチ インスティテュート,インコーポレイティド (2)
【Fターム(参考)】