説明

真空処理装置用の端子ユニット及びその製造方法

【課題】 気密性が問われる真空チャンバの信頼性が高く、作業性よく真空隔壁に設けることができる低コストの真空処理装置用の端子ユニットを提供する。
【解決手段】 真空隔壁たる真空フランジ1と、この真空フランジの片面に接合した板状の絶縁体3と、この絶縁体表面に接合した板状の導体4とを備える。真空フランジの他面側から真空フランジ及び絶縁体を貫通して導体に通じる孔部6が形成され、この孔部を通して真空隔壁の他面側外方に突出する接続端子7を前記導体の孔部側に設けてなる。この場合、導体が絶縁体表面に並べて夫々接合された複数個の板状の導体片41から構成され、隣接する導体片相互間に所定の間隙42を有して各導体片が縁切りされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空チャンバの壁面や真空フランジ等の真空隔壁に設けられる真空処理装置用の端子ユニット及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、真空成膜装置やエッチング装置等の真空処理装置では、真空チャンバ内の気密性を保持しつつ、真空チャンバ内に設けられるモータ、ヒータやカソードユニット等の部品に対して給電し、または、センサ(例えば、熱電対)等の部品との間で電気信号を送受信するため、接続端子が真空チャンバ壁面に設けられている。そして、真空チャンバ壁面の内外に突出する接続端子の両端に、大気側の部品からの配線と、真空中の部品からの配線とを夫々接続することで、大気側の部品から真空中の部品への給電や信号の送受信等を可能にしている。
【0003】
従来、このような接続端子として、真空チャンバ壁面に透孔を開設し、この透孔に、絶縁破壊の発生を防止する絶縁座金を、当該絶縁座金と壁面との間にOリングやゴム製のガスケット等の真空シール部品を介在させて真空シールさせて設け、絶縁座金で金属製の棒材等からなる1本の接続端子(電極)を気密保持するものが知られている。また、上記透孔に、金属製の棒材からなる接続端子をガラスで封止してなる所謂ハーメチックシールを溶接したものも知られている(例えば、非特許文献1参照)。なお、真空チャンバ壁面等の真空隔壁に複数の接続端子を備える端子ユニットに係る特許文献は不知である。
【0004】
然しながら、真空チャンバ壁面に透孔を開設し、この透孔に、接続端子を保持した絶縁座金を挿設していくものでは、給電や信号の送受信に必要となる接続端子の数だけ透孔を開設したり、絶縁座金や真空シール部品が必要となり、その取付作業が面倒であるばかりか、部品点数が増加してコスト高を招く。その上、真空シールする箇所が増加して気密性が問われる真空チャンバの信頼性が低下する。他方で、ハーメチックシール自体は高価であり、その上、給電や信号の送受信に必要となる接続端子の数に応じて複数の接続端子を相互に絶縁しつつガラスで封止してハーメチックシールとして構成するのでは、更に専用の冶具や設備等が必要となり、製造コストが多大となる。しかも、真空チャンバへの装着時、ガラスの破損を防止しつつ溶接することが必要となり、その取付作業も面倒である。
【0005】
また、上記従来例のものはいずれも、真空チャンバに一旦装着すると、端子の数を変更したり、または、端子の真空チャンバへの装着位置を変更したりすることが実質的にできず、使い勝手が悪いという問題もある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】新版 真空技術読本(オーム社) 81−82頁の記載参照
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上の点に鑑み、気密性が問われる真空チャンバの信頼性が高く、作業性よく真空隔壁に設けることができる低コストの真空処理装置用の端子ユニットを提供することをその第1の課題とするものである。また、本発明は、複数の接続端子を備えることができる低コストの真空処理装置用の端子ユニットを効率よく製作し得る真空処理装置用の端子ユニットの製造方法を提供することをその第2の課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記第1の課題を解決するために、本発明の真空処理装置用の端子ユニットは、真空隔壁と、この真空隔壁の片面に接合した板状の絶縁体と、この絶縁体表面に接合した板状の導体とを備え、真空隔壁の他面側から真空隔壁及び絶縁体を貫通して導体に通じる孔部が形成され、この孔部を通して真空隔壁の他面側外方に突出する接続端子を前記導体の孔部側に設けてなることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、導体と接続端子とに、大気側の部品からの配線と真空中の部品からの配線とを夫々接続すれば、大気側と真空中との部品間での給電や信号の送受信等が可能となる。この場合、真空隔壁に、各々が所定厚さで板状の絶縁体と導体とを、例えば、銀ろうを用いたろう付け、溶着または接着により順次接合した構成とすることで、接合面にて真空シールされ、しかも、ハーメチックシールと比較して高い強度を有するようになる。このため、本発明の端子ユニットを真空チャンバに設ける場合でも、気密性が問われる真空チャンバの信頼性は高い。また、真空隔壁が真空処理装置のチャンバ壁面であれば、Oリング等の真空シール部品が不要になり、部品点数を減らして更なる低コスト化を図ることができる。
【0010】
この場合、前記導体が絶縁体表面に夫々接合された複数個の板状の導体片から構成され、隣接する導体片相互間に所定の間隙を有して各導体片が縁切りされていることが好ましい。これにより、導体片に通じる孔部に接続端子を夫々設けるだけで、少ない部品点数で相互に絶縁された複数の接続端子を備えた低コストの端子ユニットを実現できる。
【0011】
また、前記導体片に夫々設けられる接続端子は、真空フランジの他面側外方に突出する長さが異なる数種のものから選択されることが好ましい。これにより、導体片を相互に密集して多数配置した場合でも、各部品からの配線を接続する際に、相互に干渉することなく、作業性よく配線接続できる。
【0012】
本発明においては、前記孔部に絶縁カラーを挿設していることが好ましい。これによれば、真空処理装置内で行われる処理に起因した絶縁破壊の発生を防止できる。
【0013】
また、本発明においては、真空隔壁は、真空チャンバに設けられた接続ポートに着脱自在に装着される真空フランジとしてもよい。これによれば、簡単な作業で本発明の端子ユニットを真空チャンバに装着することができ、また、真空チャンバに一旦装着した後でも、接続端子の数の異なる端子ユニットに変更したり、または、真空チャンバへの装着位置を任意に変更したりすることができる。しかも、その取扱いは、通常の真空フランジの取り扱いと同じで容易であり、使い勝手が良い。
【0014】
更に、上記第2の課題を解決するために、本発明は、真空処理装置の端子ユニットの製造方法であって、真空隔壁の片面に板状の絶縁体を接合する工程と、絶縁体表面に板状の導体を接合し、導体表面に、前記絶縁体に通じる複数の溝部を形成して相互に縁切りされた複数の導体片に分割する工程と、真空隔壁の他面側から絶縁体を貫通して各導体片に通じる孔部を夫々形成する工程と、真空隔壁の他面側外方に突出する接続端子を前記導体層部分の孔部側に接合する工程と、を含むことを特徴とする。これにより、複数の接続端子を備えることができる低コストの真空処理装置用の端子ユニットを効率よく製作し得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態の真空処理装置用の端子ユニットを、真空チャンバ壁面に設けた接続ポートに装着した状態で示す断面図。
【図2】図1に示す端子ユニットの平面図。
【図3】図1に示す端子ユニットの背面図。
【図4】(a)〜(d)は、本発明の実施形態の真空処理装置用の端子ユニットの製作工程を説明する模式図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、真空隔壁を真空フランジとした場合を例に、本発明の実施形態の端子ユニットTuを説明する。
【0017】
図1〜図3を参照して、端子ユニットTuは真空フランジ1に一体に形成されている。真空フランジ1は、真空処理装置の真空チャンバの壁面Cwに設けられたフランジ付きの接続ポートCpに装着自在なものである。真空フランジ1は、例えばステンレス製で、平面視円形で所定厚さの板状部材から構成され、真空フランジ1の片面には、その外周縁部にOリング2が嵌着される環状溝11が形成されている(図1中、上側)。また、環状溝11の周囲には、周方向に所定間隔で複数の透孔12(本実施形態では6個)が形成されている。そして、この透孔12を介してボルトB及びナットNにより接続ポートCpに密着固定できる。なお、真空フランジ1は、図外のクランプ等で接続ポートCpに装着することもできる。
【0018】
接続ポートCpに装着した場合、大気側に位置する真空フランジ1の他面(図1中、下側)には、環状溝11の内側に位置するように平面視矩形で板状の絶縁体3が接合されている。なお、以下においては、端子ユニットTuから接続ポートCpに向かう側を上とし、その逆側を下として説明する(図1参照)。絶縁体3としては、例えばアルミナ等のセラミックスやガラス製のものが用いられ、その板厚は、例えば、給電電圧等を考慮して適宜設定される。また、絶縁体3の真空フランジ1下面への接合方法としては、例えば、銀ろうを用いたろう付け、溶着または接着等が用いられ、少なくとも後述する孔部が真空気密に保持されるように両者が接合される(なお、真空気密を保持するためには、絶縁体3と真空フランジ1とがその外周縁部でのみ接合されていればよいが、後述の孔部周辺部が接合されているか、または、絶縁体3と真空フランジ1とがその全面に亘って接合されていることが好ましい)。
【0019】
絶縁体3の下面には導体4が接合されている。導体4は、同一形態を有し、絶縁体3下面に全体に亘って並設された複数個の板状の導体片41から構成され(図3参照)、隣接する導体片41相互間に所定の間隙42を有して各導体片41が相互に縁切りされるようになっている。各導体片41としては、例えば、金、銅やアルミニウム製等の比較的伝導率が良い材質のものが用いられる。各導体片41の絶縁体3下面への接合方法としては、上記同様、銀ろうを用いたろう付け、溶着または接着等が用いられ、各導体片41の絶縁体3への接合面がその全面に亘って絶縁体3に密着し、真空気密が保持されるように両者が接合される。また、各導体片41下面にはねじ孔43が夫々開設されている。そして、各ねじ孔43には、例えば絶縁性樹脂5aで被覆された棒状または筒状の大気側の接続端子5が螺着される。この場合、大気側の接続端子5としては、金、銅やアルミニウム製等の比較的伝導率が良い材質のものから構成される。なお、大気側の接続端子5もまた、各導体片41下面に、銀ろうを用いたろう付け、溶着または接着等で接合するようにしてもよい。
【0020】
更に、大気側の各接続端子5は、螺着しようとする導体片41の位置に応じて、導体片41下面からの長さが異なる数種のものから選択されるようになっている。具体的には、本実施形態では、接続端子5が長さの異なる4種類のものが用いられ、図3中、上下方向たるY方向に位置する各導体片41には、その長さが同一である接続端子5が選択され、図3中、左右方向たるX方向一側の各導体片41に接続されるものを最短なものとし、その一側からX方向他側に向かってその高さを順に高くしたものを用いている。
【0021】
また、接続ポートCpに装着した場合、真空中に位置する真空フランジ1の上面の中央部には、上下方向で絶縁板3の輪郭に一致する凹部13が形成され、凹部13の底面13aには、真空フランジ1の板厚方向(図1中、上下方向)でこの真空フランジ1及び絶縁体3を貫通して各導体片41に達する孔部6が夫々開設されている。そして、この孔部6を通して真空フランジ1の上外方(即ち、真空チャンバ内)に突出するように、棒状または筒状の真空側の接続端子7が各導体片41の孔部6側(各導体片41の上面)に夫々接合されている。
【0022】
真空側の接続端子7としては、上記同様、例えば、金、銅やアルミニウム製等の比較的伝導率が良い材質のものから構成される。各導体片41への接合方法としては、溶着、爆着または接着等が用いられ、他方で、上記同様、接続端子7を各導体片41に螺着するようにしてもよい。また、孔部6内には、公知の材料からなる絶縁カラー7aが挿設され、真空チャンバに向かって延びる真空側の接続端子7の周囲まで被覆するようになっている。真空側の各接続端子7もまた、導体片41の位置に応じて、導体片41上面からの長さが異なる数種のものから選択されるようになっている。本実施形態では、接続端子5と互い違いとなるように配置されている(図1参照)。なお、本実施形態では、接続端子7の真空チャンバへの突出する長さを短くするために、真空フランジ1の片面に凹部13を形成しているが、凹部を設けることなく、直接孔部6を形成することもできる。
【0023】
上記端子ユニットTuを使用するのに際しては、真空チャンバ壁面Cwの接続ポートCpのフランジ面に、Oリング11を密着させた状態でボルトB及びナットNにより真空フランジ1を装着する。この場合、絶縁体3及び導体4が設けられた真空フランジ1の片面を大気側としたことで、真空チャンバを真空引きしたとき、真空フランジ1と絶縁体3との間や絶縁体3と導体4との間の接合面からの脱ガス等の影響を受け難くできる。次に、各導体片41に接続された真空側の接続端子7に、真空チャンバに設けられた図示省略の部品からの配線W1を夫々接続する。他方で、対応する各導体片41に接続された大気側の接続端子5に、図示省略の大気側の部品からの配線W2を接続する。これにより、大気側と真空中との部品間での給電や信号の送受信等が可能となる。
【0024】
以上説明したように、本実施の形態によれば、真空フランジ1に、各々が所定厚さで板状の絶縁体3と導体4とを順次接合した構成を採用することで、接合面で真空シールされ、しかも、ハーメチックシールと比較して高い強度を有するようになる。このため、気密性が問われる真空チャンバの信頼性は高い。また、真空チャンバ壁面Cwの接続ポートCpに装着する際に真空シールを行うOリング2以外に、真空シール部品は必要とせず、少ない部品点数で相互に絶縁された複数の接続端子を備える構成にできるため、低コストを図ることができて有利である。また、接続端子7を絶縁カラー7aで覆う構成を採用したことで、真空処理装置内で行われる処理に起因した絶縁破壊の発生を確実に防止できる。
【0025】
また、真空隔壁を、接続ポートCpに着脱自在に装着される真空フランジ1としたため、簡単な作業で端子ユニットTuを真空チャンバ壁面Cwに装着することができ、しかも、真空チャンバ壁面Cwに一旦装着した後でも、接続端子の数の異なる端子ユニットTuに変更したり、または、真空チャンバ壁面Cwが複数の接続ポートCpを備える場合には、その装着位置を任意に変更したりすることができ、使い勝手が良い。その上、接続端子5、7の長さを相互に変えることで、導体片41が相互に密集されている場合でも、比較的短い接続端子5、7から配線W1、W2を接続していけば、既に接続済みの配線W1、W2に干渉することなく、作業性よく他の配線W1、W2を接続していくことができる。
【0026】
次に、図4を参照して、上記真空処理装置用の端子ユニットTuの製作工程の一例を説明する。真空フランジ1として、上面にOリング用の環状溝11が形成された規格品のブランクフランジを用意する。次に、ブランクフランジ1の下面に、上下方向で環状溝11の内方に位置させて板状の絶縁体3をその全面に亘って接合する。次に、絶縁体3の下面に、この絶縁体3と同等の面積を有する板状の導体4をその全面に亘って接合する。接合方法としては、ブランクフランジ1の片面にその全面に亘ってろう材を設置した後、絶縁体3を設置し、次に、この絶縁体3の表面にろう材をその全面に亘って設置した後、導体4を設置する。そして、ブランクフランジの片面に夫々ろう材を介して絶縁体3と導体4とを積み重ねた状態で公知の構造の真空加熱炉内に収納し、減圧下で所定温度に加熱し、ブランクフランジ1と絶縁体3とを、並びに、絶縁体3と導体4とを夫々真空ろう付けにより接合する(図4(a)参照)。
【0027】
ブランクフランジ1に絶縁体3と導体4とが接合されると、導体4の下面側から、絶縁体3に通じる溝部を格子状に形成する。この溝部により、複数の板状の導体片41に分割され、隣接する導体片41相互間に所定の間隙42を有して各導体片41が縁切りされたものとなる(図4(b)参照)。導体片41への分割は、例えば切削加工で行われる。なお、分割する数は、真空チャンバ内で給電や信号の受渡しが必要な部品の数や部品への通電電流等に応じて適宜変更できる(例えば、導体片41の面積を大きくし、接続端子の径を大きくしてその表面積を大きくすれば、大電流用のものにも適用できる)。
【0028】
次に、ブランクフランジ1の上側から絶縁体3を貫通して各導体片41に通じる孔部6を夫々形成する(図4(c)参照)。孔部6の形成は、例えばボール盤等の機械加工で行われる。この場合、上記実施形態の如く、接続端子7のブランクフランジ1からの突出する長さを短くしたいときには、切削加工により凹部が形成される(図示せず)。
【0029】
次に、ブランクフランジ1の上面外方に突出するように、筒状の真空側の接続端子7の一端を各導体片41の所定位置に接合する(図4(d)参照)。この場合の接合方法としては、真空チャンバを真空引きしたときの脱ガスの影響等を考慮して、溶着や爆着等を用いることが好ましい。同時に、大気側の接続端子5を各導体片41に接合するようにしてもよい。以上の工程により、規格品のブランクフランジに一体の端子ユニットTuが製作される。これによれば、複数の接続端子5、7を備えることができる低コストかつ使い勝手のよい真空処理装置用の端子ユニットTuを効率よく製作できる。
【0030】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではない。上記実施形態では、真空フランジ1に一体に端子ユニットTuを設けたものを例に説明したが、真空チャンバ1の壁面に直接本発明の端子ユニットTuを製作することができる。この場合、真空チャンバの壁面が真空隔壁を構成する。これにより、上記同様、気密性が問われる真空チャンバの信頼性は高い。また、Oリング等の真空シール部品を不要になり、部品点数を減らして低コスト化も図ることができる。
【0031】
また、上記実施形態では、絶縁体3や導体4を真空チャンバの外側に位置する姿勢で装着されるものを例に説明したが、脱ガスの影響を受け難い方法で接合されている場合には、その取付姿勢を逆とすることもできる。
【符号の説明】
【0032】
Tu…端子ユニット、1…真空フランジ(真空隔壁)、3…絶縁体、4…導体、41…導体片、42…間隙、6…孔部、7…接続端子、7a…絶縁カラー、Cw…真空チャンバの壁面、Cp…接続ポート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空隔壁と、この真空隔壁の片面に接合した板状の絶縁体と、この絶縁体表面に接合した板状の導体とを備え、
真空隔壁の他面側から真空隔壁及び絶縁体を貫通して導体に通じる孔部が形成され、この孔部を通して真空隔壁の他面側外方に突出する接続端子を前記導体の孔部側に設けてなることを特徴とする真空処理装置用の端子ユニット。
【請求項2】
前記導体が絶縁体表面に並べて夫々接合された複数個の板状の導体片から構成され、隣接する導体片相互間に所定の間隙を有して各導体片が縁切りされていることを特徴とする請求項1記載の真空処理装置用の端子ユニット。
【請求項3】
前記導体片に夫々設けられる接続端子は、真空フランジの他面側外方に突出する長さが異なる数種のものから選択されることを特徴とする請求項2記載の真空処理装置用の端子ユニット。
【請求項4】
前記孔部に絶縁カラーを挿設したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の真空処理装置用の端子ユニット。
【請求項5】
前記真空隔壁は、真空チャンバに設けられた接続ポートに着脱自在に装着される真空フランジであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の真空処理装置用の端子ユニット。
【請求項6】
真空処理装置の端子ユニットの製造方法であって、
真空隔壁の片面に板状の絶縁体を接合する工程と、
絶縁体表面に板状の導体を接合し、導体表面に、前記絶縁体に通じる複数の溝部を形成して相互に縁起りされた複数の導体片に分割する工程と、
真空隔壁の他面側から絶縁体を貫通して各導体片に通じる孔部を夫々形成する工程と、
真空隔壁の他面側外方に突出する接続端子を前記導体層部分の孔部側に接合する工程と、を含むことを特徴とする真空処理装置用の端子ユニットの製造方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−188713(P2012−188713A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54448(P2011−54448)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】