真贋判定処理サーバ、方法、プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体
【課題】複製対応電子透かし検出装置の不正利用を防止すると同時に、印刷物が正規品であるか或は偽造品であるかを容易に知ることができるようにすること。
【解決手段】依頼者から印刷物の真贋判定依頼を電子メールで受信する機能と、
前記依頼者が依頼者として登録され、かつ、前記印刷物が前記依頼者から真贋判定依頼可能なものとして登録されている場合のみ、前記真贋判定依頼に基づいて、前記印刷物の真贋判定を行う機能と、
前記依頼者からの前記印刷物の真贋判定依頼について、その結果の報告を受ける者として登録されている者に、依頼者以外の者がいる場合のみ、前記結果の報告を、前記報告を受ける者として登録されている者に電子メールで送信する機能とを有することを特徴とする真贋判定処理サーバ。
【解決手段】依頼者から印刷物の真贋判定依頼を電子メールで受信する機能と、
前記依頼者が依頼者として登録され、かつ、前記印刷物が前記依頼者から真贋判定依頼可能なものとして登録されている場合のみ、前記真贋判定依頼に基づいて、前記印刷物の真贋判定を行う機能と、
前記依頼者からの前記印刷物の真贋判定依頼について、その結果の報告を受ける者として登録されている者に、依頼者以外の者がいる場合のみ、前記結果の報告を、前記報告を受ける者として登録されている者に電子メールで送信する機能とを有することを特徴とする真贋判定処理サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物の真贋を判定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、デジタル製版で処理される画像情報を、パソコン等のコンピュータで動作する専用ソフトを用いて、電子透かし用の識別情報を印刷物になったときに肉眼では認識できない形で埋め込んでプリンターで印刷すると、印刷物の絵柄や色などの仕上がりにはほとんど影響がなく、人間の肉眼ではその違いが認識できないが、この印刷物をスキャナやデジタルカメラを用いて読み取った後にA/D変換を行って再びデジタル化し、パソコン等のコンピュータで動作する専用ソフトに入力すれば、埋め込まれた電子透かし情報を検出できることが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
さらに、複製対応電子透かし装置を用いて、印刷したい画像情報にその画像独自の情報を電子透かしとして埋め込み、プリンターや印刷機で印刷することで、複製しても、電子透かし情報の検出ができない印刷物を製作することができる。この電子透かし情報の検出の有無を用いて、正規品、複製品を区別できる。すなわち、印刷物をスキャナやデジタルカメラを用いて読み取った後にA/D変換を行ってデジタル化し、複製対応電子透かし検出装置に入力したとき、この複製対応電子透かし検出装置で、デジタル化した印刷物から埋め込み時に埋め込んだ電子透かし情報が検出できれば正規品であり、他方、電子透かし情報が検出されない、又は検出された電子透かし情報が埋め込んだ電子透かし情報でなければ偽造品というように真贋判定を行うことができる。
【0004】
ところで、印刷物を扱う人が、印刷物の真贋を容易に判定できるように、複製対応電子透かし検出装置を配布すると、複製対応電子透かし検出装置の不正利用という問題が生じる恐れがある。すなわち、複製対応電子透かし検出装置を解析し、複製品のデジタル画像を編集していくことで、複製対応電子透かし検出装置の判定が正規品となるようなデジタル画像を作られる可能性があり、これにより、偽造品を作ることができてしまう恐れがある。
【特許文献1】特開2001−157022号公報
【特許文献2】特開2002−064700号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は係る背景技術の諸問題に鑑みてなされたもので、複製対応電子透かし検出装置の不正利用を防止すると同時に、印刷物が正規品であるか或は偽造品であるかを容易に知ることができるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明において上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、依頼者から印刷物の真贋判定依頼を電子メールで受信する機能と、
前記依頼者が依頼者として登録され、かつ、前記印刷物が前記依頼者から真贋判定依頼可能なものとして登録されている場合のみ、前記真贋判定依頼に基づいて、前記印刷物の真贋判定を行う機能と、
前記依頼者からの前記印刷物の真贋判定依頼について、その結果の報告を受ける者とし
て登録されている者に、依頼者以外の者がいる場合のみ、前記結果の報告を、前記報告を受ける者として登録されている者に電子メールで送信する機能とを有することを特徴とする真贋判定処理サーバとしたものである。
【0007】
また請求項2の発明では、各依頼者からの各印刷物の真贋判定依頼について、受信履歴を記録する機能と、
前記受信履歴に基づいて、各依頼者からの各印刷物の真贋判定依頼について頻度を計算し、この頻度が所定頻度を越えているものについてのみ管理者に報告を電子メールで送信する機能とを有することを特徴とする請求項1に記載の真贋判定処理サーバとしたものである。
【0008】
また請求項3の発明では、サーバが実行する方法であって、
依頼者から印刷物の真贋判定依頼を電子メールで受信する工程と、
前記依頼者が依頼者として登録され、かつ、前記印刷物が前記依頼者から真贋判定依頼可能なものとして登録されている場合のみ、前記真贋判定依頼に基づいて、前記印刷物の真贋判定を行う工程と、
前記依頼者からの前記印刷物の真贋判定依頼について、その結果の報告を受ける者として登録されている者に、依頼者以外の者がいる場合のみ、前記結果の報告を、前記報告を受ける者として登録されている者に電子メールで送信する工程とを含むことを特徴とする真贋判定処理方法としたものである。
【0009】
また請求項4の発明では、各依頼者からの各印刷物の真贋判定依頼について、受信履歴を記録する工程と、
前記受信履歴に基づいて、各依頼者からの各印刷物の真贋判定依頼について頻度を計算し、この頻度が所定頻度を越えているものについてのみ管理者に報告を電子メールで送信する工程とを含むことを特徴とする請求項3に記載の真贋判定処理方法としたものである。
【0010】
また請求項5の発明では、サーバに、
依頼者から印刷物の真贋判定依頼を電子メールで受信する工程と、
前記依頼者が依頼者として登録され、かつ、前記印刷物が前記依頼者から真贋判定依頼可能なものとして登録されている場合のみ、前記真贋判定依頼に基づいて、前記印刷物の真贋判定を行う工程と、
前記依頼者からの前記印刷物の真贋判定依頼について、その結果の報告を受ける者として登録されている者に、依頼者以外の者がいる場合のみ、前記結果の報告を、前記報告を受ける者として登録されている者に電子メールで送信する工程とを実行させることを特徴とする真贋判定処理プログラムとしたものである。
【0011】
また請求項6の発明では、各依頼者からの各印刷物の真贋判定依頼について、受信履歴を記録する工程と、
前記受信履歴に基づいて、各依頼者からの各印刷物の真贋判定依頼について頻度を計算し、この頻度が所定頻度を越えているものについてのみ管理者に報告を電子メールで送信する工程とを実行させることを特徴とする請求項5に記載の真贋判定処理プログラムとしたものである。
【0012】
また請求項7の発明では、請求項5又は6に記載の真贋判定処理プログラムを記録した記録媒体としたものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1、3、5、及び請求項5を引用する請求項7の発明では、依頼者が依頼者とし
て登録され、かつ、印刷物が依頼者から真贋判定依頼可能なものとして登録されている場合のみ、実際に、真贋判定を行うので、一般の人が不正に真贋判定依頼をすることと、登録依頼者であっても、依頼することが認められていない印刷物を不正に真贋判定依頼することとが防止される。また、依頼者からの前記印刷物の真贋判定依頼について、その結果の報告を受ける者として登録されている者に、依頼者以外の者がいる場合のみ、その結果の報告を、その結果の報告を受ける者として登録されている者に電子メールで送信するので、その結果の報告を受ける者が、依頼者を管理することが可能になり、依頼者が不正に真贋判定依頼をすることが防止される。また、印刷物の真贋判定依頼を電子メールで受信して、その結果を電子メールで送信するので、複製対応電子透かし検出装置を配布する必要がない。
【0014】
請求項2、4、6、及び請求項6を引用する請求項7の発明では、依頼者による、印刷物の真贋判定依頼の頻度が、所定頻度を越えた場合に、その旨の電子メールを、管理者に送信できるので、この電子メールに基づいて、管理者は、この依頼者が、この印刷物の偽造品を作る目的で、この印刷物の真贋判定依頼を繰り返しているか否かを調査して、この印刷物の偽造品を作ることを防止することができる。
【0015】
以上、本発明は、複製対応電子透かし検出装置の不正利用を防止すると同時に、印刷物が正規品であるか或は偽造品であるかを容易に知ることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明の最良の一実施形態を説明する。
【0017】
1.構成
本実施形態に係るシステムは、図1に示すように、メールサーバと、依頼者の端末と、報告受者の端末と、管理者の端末と、複製対応電子透かし埋込装置と、真贋判定処理サーバとを備え、それらがネットワークに接続されているものである。
【0018】
依頼者と報告受者とは、印刷物の真贋判定を依頼する企業に属し、依頼者は、印刷物の真贋判定を依頼する者であり、報告受者は、真贋判定の結果について報告を受ける者である。報告受者の中には、依頼者を管理する者がいる。報告受者の中に、依頼者がいても良い。また、管理者は、真贋判定処理サーバを管理する者である。
【0019】
メールサーバは、各端末と、真贋判定処理サーバとの間で、電子メールの配送を行うコンピュータシステムである。
【0020】
各端末は、パソコンなどのコンピュータである。依頼者の端末は、スキャナやデジタルカメラなどの画像入力装置を備える。
【0021】
複製対応電子透かし埋込装置は、デジタル画像に、電子透かし情報を埋め込む装置である。
【0022】
真贋判定処理サーバは、印刷物の真贋判定に係る情報を保存するデータベースを管理し、この情報に基づいて、印刷物の真贋判定処理を行うコンピュータシステムである。このデータベースでは、印刷物の真贋判定に係る情報を、依頼者情報テーブル、報告受者情報テーブル、印刷物情報テーブル、空き電子透かし情報管理テーブル、依頼者印刷物組情報テーブル、結果送信先情報テーブル、受信履歴テーブル、真贋判定履歴テーブル、送信履歴テーブルの各テーブル(表)で保管する。以下に、各テーブルを順に説明する。
【0023】
依頼者情報テーブルは、依頼者に関する情報を管理するテーブルであって、図2に示す
ように、1つのレコード(行)が1人の依頼者に対応し、項目として、「依頼者ID」と、「アドレス」と、「依頼者名」と、「所属企業名」と、「連絡先」とを有する。依頼者IDは、レコードを一意にするための内部キーであって、個々の依頼者を唯一に識別する情報でもある。アドレスは、依頼者の電子メールアドレスである。依頼者名は、依頼者の名前である。所属企業名は、依頼者が所属する企業の名前である。連絡先は、依頼者の電話番号など電子メールアドレス以外の連絡先である。依頼者情報テーブルに登録されている依頼者のみが、真贋判定処理サーバに電子メールで印刷物の真贋判定を依頼する資格を持つ。
【0024】
報告受者情報テーブルは、報告受者に関する情報を管理するテーブルであって、図3に示すように、1つのレコード(行)が1人の報告受者に対応し、項目として、「報告受者ID」と、「アドレス」と、「報告受者名」と、「所属企業名」と、「連絡先」とを有する。報告受者IDは、レコードを一意にするための内部キーであって、個々の報告受者を唯一に識別する情報でもある。アドレスは、報告受者の電子メールアドレスである。報告受者名は、報告受者の名前である。所属企業名は、報告受者が所属する企業の名前である。連絡先は、報告受者の電話番号など電子メールアドレス以外の連絡先である。報告受者情報テーブルに登録されている報告受者のみが、真贋判定処理サーバから電子メールで印刷物の真贋判定の結果について報告を受ける資格を持つ。
【0025】
印刷物情報テーブルは、印刷物に関する情報を管理するテーブルであって、図4に示すように、1つのレコード(行)が1つの印刷物に対応し、項目として、「印刷物ID」と、「印刷物情報」と、「電子透かし情報」と、「企業名」とを有する。印刷物IDは、レコードを一意にするための内部キーであって、個々の印刷物を唯一に識別する情報でもある。印刷物情報は、印刷物を識別する情報である。電子透かし情報は、電子透かしとして、印刷物に埋め込む番号である。企業名は、印刷物を発行した企業の名前である。印刷物情報テーブルに登録されている印刷物のみが、真贋判定の対象になり得る。
【0026】
空き電子透かし情報管理テーブルは、図5に示すように、唯一つのレコードの唯一つの「最大電子透かし情報」という項目に、印刷物情報テーブルに記録されている電子透かし情報の中で最大のもの(最大電子透かし情報)を、一時的に記録するためのテーブルである。図5に示す空き電子透かし情報管理テーブルは、図4に示す印刷物情報テーブルに記録されている電子透かし情報の中で最大のものを記録している。印刷物情報テーブルに、新規にレコードが1つ追加されるとき、最大電子透かし情報が1プラスされると同時に、新規に追加されるレコードに、この1プラスされた最大電子透かし情報が、電子透かし情報として記録される。この結果、印刷物情報テーブルの全てのレコードにおいて、電子透かし情報が印刷物情報につきユニークになる。この1プラスされた最大電子透かし情報を、空き電子透かし情報とも云うことにする。
【0027】
依頼者印刷物組情報テーブルは、依頼者が真贋判定を依頼可能な印刷物に関する情報を管理するテーブルであって、図6に示すように、依頼者IDと印刷物IDとの組からなるレコードを記録する。依頼者IDと印刷物IDとの組は、この依頼者IDを持つ依頼者が、この印刷物IDを持つ印刷物の真贋判定を、真贋判定処理サーバに電子メールで依頼できることを意味する。
【0028】
結果送信先情報テーブルは、依頼者が印刷物の真贋判定を依頼したときの真贋判定結果の報告を表す電子メールを送信する送信先の報告受者に関する情報を管理するテーブルであって、図7に示すように、依頼者IDと印刷物IDと報告受者IDとの組からなるレコードを記録する。依頼者IDと印刷物IDと報告受者IDとの組は、この依頼者IDを持つ依頼者が、この印刷物IDを持つ印刷物の真贋判定を、真贋判定処理サーバに電子メールで依頼したとき、この報告受者IDを持つ報告受者に、この真贋判定の結果の報告を真
贋判定処理サーバが電子メールで送信することを意味する。
【0029】
受信履歴テーブルは、依頼者から送信された印刷物の真贋判定依頼を表す電子メールを、真贋判定処理サーバが受信した履歴を管理するテーブルであって、図8に示すように、1つのレコード(行)が1つの受信履歴に対応し、項目として、「受信ID」と、「依頼者ID」と、「アドレス」と、「受信日時」と、「印刷物ID」と、「ファイル名」と、「有効無効」と、「受信文」とを有する。受信IDは、レコードを一意にするための内部キーであって、個々の受信を唯一に識別する情報でもある。依頼者IDは、真贋判定依頼した依頼者を示すものであり、空欄の場合、この依頼者の情報が依頼者情報テーブルに未登録であることを意味する。アドレスは、印刷物の真贋判定依頼を表す電子メールを送信した依頼者の電子メールアドレスである。受信日時は、受信した日時である。印刷物IDは、真贋判定依頼された印刷物を示すものである。ファイル名は、印刷物のデジタル画像を表すファイルの名称である。有効無効は、真贋判定依頼が有効であるか或は無効であるかを示す。有効であるのは、依頼者の情報が、依頼者情報テーブルに登録されており、かつ、依頼者IDと印刷IDとの組が、依頼者印刷物組情報テーブルに登録されている場合である。受信文は、印刷物の真贋判定依頼を表す電子メールの文である。
【0030】
真贋判定履歴テーブルは、有効な真贋判定依頼に対して、真贋判定処理サーバが実行した真贋判定の履歴を管理するテーブルであって、図9に示すように、1つのレコード(行)が1つの真贋判定履歴に対応し、項目として、「検出ID」と、「受信ID」と、「真贋判定日時」と、「真贋判定結果」とがある。検出IDは、レコードを一意にするための内部キーであって、個々の真贋判定を唯一に識別する情報でもある。受信IDは、どの依頼に基づいて真贋判定を行ったのかを示すものである。真贋判定日時は、真贋判定を行った日時である。真贋判定結果は、真贋判定の結果である。
【0031】
送信履歴テーブルは、真贋判定処理サーバが、真贋判定結果の報告を表す電子メールを報告受者に送信した履歴を管理するテーブルであって、図10に示すように、1つのレコード(行)が1つの送信履歴に対応し、項目として、「送信ID」と、「受信ID」と、「報告受者ID」と、「アドレス」と、「送信日時」と、「送信文」とを有する。送信IDは、レコードを一意にするための内部キーであって、個々の送信を唯一に識別する情報でもある。受信IDは、どの依頼に基づいた真贋判定結果の報告を送信したのかを示すものである。報告受者IDは、どの報告受者に真贋判定結果の報告を送信したのかを示すものである。アドレスは、報告受者の電子メールアドレスである。送信日時は、送信した日時である。送信文は、印刷物の真贋判定結果の報告を表す電子メールの文である。
【0032】
2.処理
以下に、本実施形態に係るシステムで実行される各処理の例を、順に説明する。
【0033】
まず、印刷物情報を登録する処理の例を、図11のフロー図に従って、以下に説明する。
【0034】
S(STEP)1;
管理者は、管理者の端末に、印刷物情報を入力する。この際、企業名も入力しても良い。
【0035】
S(STEP)2;
管理者の端末は、データベースに接続し、空き電子透かし情報管理テーブルの最大電子透かし情報を1プラスし、この1プラスした最大電子透かし情報を、空き電子透かし情報として取得し、入力された印刷情報に対応する電子透かし情報とする。
【0036】
S(STEP)3;
管理者の端末は、データベースに接続し、印刷物情報とそれに対応した電子透かし情報とを(企業名も入力された場合には、企業名も)、印刷物情報テーブルに登録する。この登録に際して、真贋判定処理サーバは、印刷物IDを新規に発行して、印刷物IDも一緒に印刷物情報テーブルに登録する。
【0037】
次に、印刷情報以外の各情報を登録する処理の流れの例を、図12のフロー図に従って、以下に説明する。
【0038】
S(STEP)1;
管理者は、依頼者に関する情報(アドレス、依頼者名、所属企業名、連絡先)、報告受者に関する情報(アドレス、報告受者名、所属企業名、連絡先)、依頼者が真贋判定を依頼可能な印刷物に関する情報(依頼者ID、印刷物ID)、依頼者が印刷物の真贋判定を依頼したときの真贋判定結果の報告を表す電子メールを送信する送信先の報告受者に関する情報(依頼者ID、印刷物ID、報告受者ID)の各情報を入力する。
【0039】
S(STEP)2;
管理者の端末は、データベースに接続し、依頼者に関する情報(アドレス、依頼者名、所属企業名、連絡先)を、依頼者情報テーブルに登録し、報告受者に関する情報(アドレス、報告受者名、所属企業名、連絡先)を、報告受者情報テーブルに登録し、依頼者が真贋判定を依頼可能な印刷物に関する情報(依頼者ID、印刷物ID)を、依頼者印刷物組情報テーブルに登録し、依頼者が印刷物の真贋判定を依頼したときの真贋判定結果の報告を表す電子メールを送信する送信先の報告受者に関する情報(依頼者ID、印刷物ID、報告受者ID)を、結果送信先テーブルに登録する。依頼者に関する情報を登録するに際して、真贋判定処理サーバは、依頼者IDを新規に発行して、依頼者IDも一緒に依頼者情報テーブルに登録する。また、報告受者に関する情報を登録するに際して、真贋判定処理サーバは、報告受者IDを新規に発行して、報告受者IDも一緒に報告受者情報テーブルに登録する。
【0040】
次に、デジタル画像に電子透かし情報を埋め込む処理の流れの例を、図13のフロー図に従って、以下に説明する。
【0041】
S(STEP)1;
担当者は、複製対応電子透かし埋込装置に、印刷物情報を入力する。
【0042】
S(STEP)2;
複製対応電子透かし埋込装置は、データベースに接続し、印刷物情報テーブルから、入力された印刷物情報に対応する電子透かし情報を取得する。
【0043】
S(STEP)3;
複製対応電子透かし埋込装置は、デジタル画像に、取得した電子透かし情報を埋め込んで、電子透かし情報入りデジタル画像を作成する。
【0044】
尚、電子透かし情報入りデジタル画像は、プリンターや印刷機から、印刷物として出力される。
【0045】
次に、印刷物の真贋判定を依頼する処理の流れの例を、図14のフロー図に従って、以下に説明する。
【0046】
S(STEP)1;
依頼者は、依頼者の端末が備える画像入力装置を用いて、印刷物のデジタル画像を、依頼者の端末に入力する。
【0047】
S(STEP)2;
依頼者は、依頼者の端末を用いて、印刷物の真贋判定依頼として、デジタル画像が添付され、印刷情報が記載されている電子メールを、真贋判定処理サーバに送信する。
【0048】
S(STEP)3;
この依頼者による、この印刷物の真贋判定依頼について、結果の報告を受ける者として、結果送信先情報テーブルに登録されている各報告受者は、各報告受者の端末で、真贋判定処理サーバより、この印刷物の真贋判定結果の報告を、電子メールで受信して、その報告を閲覧する。
【0049】
次に、真贋判定処理サーバが実行する印刷物の真贋判定に係る処理の流れの例を、図15及び図16のフロー図に従って、以下に説明する。
【0050】
S(STEP)1;
真贋判定処理サーバは、印刷物の真贋判定依頼を表す電子メールを受信する。
【0051】
S(STEP)2;
真贋判定処理サーバは、電子メールから、デジタル画像と、印刷物情報と、依頼者の電子メールアドレスとを取得する。これらの、デジタル画像、印刷物情報、依頼者の電子メールアドレスを、それぞれ、当該デジタル画像、当該印刷物情報、当該アドレスと云うことにする。
【0052】
S(STEP)3;
真贋判定処理サーバは、データベースに接続し、受信IDを新規に発行し、印刷物情報テーブルから、当該印刷物情報で識別される印刷物の印刷物IDを取得して、受信履歴テーブルに、受信IDを、この新規発行した受信IDとし、依頼者IDを、空欄とし、アドレスを、当該送信元電子メールアドレスとし、受信日時を現在の日時とし、印刷物IDを、当該印刷物情報で識別される印刷物の印刷物IDとし、ファイル名を、当該デジタル画像のファイルの名称とし、有効無効を、空欄とし、受信文を、印刷物の真贋判定依頼を表す電子メールの文とするレコードを新規に追加する。
【0053】
S(STEP)4;
真贋判定処理サーバは、データベースに接続し、当該アドレスを持つ依頼者の情報が、依頼者情報テーブルに登録されているか問い合わせる。
【0054】
S(STEP)5;
登録されている場合、真贋判定処理サーバは、依頼者情報テーブルから、当該アドレスを持つ依頼者の依頼者IDを取得し、受信履歴テーブルにおいて、STEP3で新規発行した受信IDを持つレコードの依頼者IDを、空欄から当該アドレスを持つ依頼者の依頼者IDに更新して、STEP6に進み、
他方、登録されてない場合、真贋判定処理サーバは、受信履歴テーブルにおいて、STEP3で新規発行した受信IDを持つレコードの有効無効を、空欄から無効に更新して、ENDに進む。
【0055】
S(STEP)6;
真贋判定処理サーバは、データベースに接続し、当該アドレスを持つ依頼者の依頼者IDと、当該印刷物情報で識別される印刷物の印刷物IDとの組が、依頼者印刷物組情報テ
ーブルに登録されているか問い合わせる。
【0056】
S(STEP)7;
登録されている場合、真贋判定処理サーバは、受信履歴テーブルにおいて、STEP3で新規発行した受信IDを持つレコードの有効無効を、空欄から有効に更新して、STEP8に進み、
他方、登録されていない場合、真贋判定処理サーバは、受信履歴テーブルにおいて、STEP3で新規発行した受信IDを持つレコードの有効無効を、空欄から無効に更新して、ENDに進む。
【0057】
S(STEP)8;
真贋判定処理サーバは、データベースに接続し、印刷物情報テーブルから、当該印刷物情報に対応する電子透かし情報(埋め込み時電子透かし情報)を取得する。
【0058】
S(STEP)9;
真贋判定処理サーバは、当該デジタル画像から電子透かし情報を検出する。
【0059】
S(STEP)10;
検出できた場合、真贋判定処理サーバは、STEP11に進み、
他方、検出できなかった場合、真贋判定処理サーバは、真贋判定結果を偽造品として、STEP12に進む。
【0060】
S(STEP)11;
真贋判定処理サーバは、埋め込み時電子透かし情報と、検出された電子透かし情報とが一致するかを確かめ、
一致している場合、真贋判定処理サーバは、真贋判定結果を正規品として、STEP12に進み、
他方、真贋判定処理サーバは、真贋判定結果を偽造品として、STEP12に進む。
【0061】
S(STEP)12:
真贋判定処理サーバは、データベースに接続し、検出IDを新規発行し、真贋判定履歴テーブルに、検出IDを、この新規発行した検出IDとし、受信IDを、STEP3で新規発行した受信IDとし、真贋判定日時を、現在の日時とし、真贋判定結果を、STEP10又はSTEP11で得た真贋判定結果とするレコードを、新規に追加する。
【0062】
S(STEP)13;
真贋判定処理サーバは、データベースに接続し、結果送信先テーブルから、当該アドレスを持つ依頼者の依頼者IDと、当該印刷物情報で識別される印刷物の印刷物IDと組になっている各報告受者IDを取得する。
【0063】
S(STEP)14;
真贋判定処理サーバは、STEP13で取得した各報告受者IDに対応するアドレスを、報告受者情報テーブルから取得して、当該アドレスと異なるものがあるかを確かめ、
異なるものがある場合、印刷物の真贋判定結果の報告を表す電子メールを作成して、STEP15に進み、
異なるものがない場合、STEP17に進む。
【0064】
S(STEP)15;
真贋判定処理サーバは、データベースに接続し、送信IDを新規発行し、送信履歴テーブルに、送信IDを、この新規発行した送信IDとし、受信IDを、STEP3で新規発
行した受信IDとし、報告受者IDを、STEP13で取得した報告受者IDとし、アドレスを、STEP13で取得した報告受者IDに対応するSTEP14で取得したアドレスとし、送信文を、印刷物の真贋判定結果の報告を表す電子メールの文とするレコードを、STEP13で取得した各報告受者IDごとに、新規に追加する。
【0065】
S(STEP)16;
真贋判定処理サーバは、STEP14で取得した各アドレスに対して、印刷物の真贋判定結果の報告を表す電子メールを送信する。
【0066】
S(STEP)17;
真贋判定処理サーバは、受信履歴テーブルにおいて、当該アドレスを持つ依頼者の依頼者IDと、当該印刷物情報で識別される印刷物の印刷物IDとで特定されるレコードの受信日時に基づいて、当該アドレスを持つ依頼者による、当該印刷物情報で識別される印刷物の真贋判定依頼の頻度(所定期間になされた依頼の件数)を計算し、この頻度が所定頻度(例えば、1日100件、1週間300件など)を越えてないかを確かめ、
越えた場合、STEP18に進み、
越えてない場合、ENDに進む。
【0067】
S(STEP)18;
真贋判定処理サーバは、当該アドレスを持つ依頼者による、当該印刷物情報で識別される印刷物の真贋判定依頼の頻度が、所定頻度を越えた旨の電子メールを、管理者へ送信する。
【0068】
ある依頼者による、ある印刷物情報で識別される印刷物の真贋判定依頼の頻度が、所定頻度を越えた旨の電子メールを、管理者が、管理者の端末で受信して閲覧した場合、管理者は、この依頼者が、この印刷物情報で識別される印刷物の偽造品を作る目的で、この印刷物情報で識別される印刷物の真贋判定依頼を繰り返しているか否かを調査する。もし、この依頼者が、この印刷物情報で識別される印刷物の偽造品を作る目的で、この印刷物情報で識別される印刷物の真贋判定依頼を繰り返しているならば、依頼者情報テーブルから、この依頼者の情報を抹消する。また、管理者は、この依頼者が、この印刷物情報で識別される印刷物の偽造品を作る目的で、この印刷物情報で識別される印刷物の真贋判定依頼を繰り返していたので、依頼者情報テーブルから、この依頼者の情報を抹消したことを、この依頼者を管理する者に報告する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本実施形態に係るシステムのハードウェア構成例を示す図。
【図2】依頼者情報テーブルの例を示す図。
【図3】報告受者情報テーブルの例を示す図。
【図4】印刷物情報テーブルの例を示す図。
【図5】空き電子透かし情報管理テーブルの例を示す図。
【図6】依頼者印刷物組情報テーブルの例を示す図。
【図7】結果送信先情報テーブルの例を示す図。
【図8】受信履歴テーブルの例を示す図。
【図9】真贋判定履歴テーブルの例を示す図。
【図10】送信履歴テーブルの例を示す図。
【図11】印刷物情報を登録する処理の流れの例を示すフロー図。
【図12】印刷物情報以外の各情報を登録する処理の流れの例を示すフロー図。
【図13】デジタル画像に電子透かし情報を埋め込む処理の流れの例を示すフロー図。
【図14】印刷物の真贋判定を依頼する処理の流れの例を示すフロー図。
【図15】真贋判定処理サーバが実行する印刷物の真贋判定に係る処理の流れの例の前半を示すフロー図。
【図16】真贋判定処理サーバが実行する印刷物の真贋判定に係る処理の流れの例の後半を示すフロー図。
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物の真贋を判定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、デジタル製版で処理される画像情報を、パソコン等のコンピュータで動作する専用ソフトを用いて、電子透かし用の識別情報を印刷物になったときに肉眼では認識できない形で埋め込んでプリンターで印刷すると、印刷物の絵柄や色などの仕上がりにはほとんど影響がなく、人間の肉眼ではその違いが認識できないが、この印刷物をスキャナやデジタルカメラを用いて読み取った後にA/D変換を行って再びデジタル化し、パソコン等のコンピュータで動作する専用ソフトに入力すれば、埋め込まれた電子透かし情報を検出できることが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
さらに、複製対応電子透かし装置を用いて、印刷したい画像情報にその画像独自の情報を電子透かしとして埋め込み、プリンターや印刷機で印刷することで、複製しても、電子透かし情報の検出ができない印刷物を製作することができる。この電子透かし情報の検出の有無を用いて、正規品、複製品を区別できる。すなわち、印刷物をスキャナやデジタルカメラを用いて読み取った後にA/D変換を行ってデジタル化し、複製対応電子透かし検出装置に入力したとき、この複製対応電子透かし検出装置で、デジタル化した印刷物から埋め込み時に埋め込んだ電子透かし情報が検出できれば正規品であり、他方、電子透かし情報が検出されない、又は検出された電子透かし情報が埋め込んだ電子透かし情報でなければ偽造品というように真贋判定を行うことができる。
【0004】
ところで、印刷物を扱う人が、印刷物の真贋を容易に判定できるように、複製対応電子透かし検出装置を配布すると、複製対応電子透かし検出装置の不正利用という問題が生じる恐れがある。すなわち、複製対応電子透かし検出装置を解析し、複製品のデジタル画像を編集していくことで、複製対応電子透かし検出装置の判定が正規品となるようなデジタル画像を作られる可能性があり、これにより、偽造品を作ることができてしまう恐れがある。
【特許文献1】特開2001−157022号公報
【特許文献2】特開2002−064700号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は係る背景技術の諸問題に鑑みてなされたもので、複製対応電子透かし検出装置の不正利用を防止すると同時に、印刷物が正規品であるか或は偽造品であるかを容易に知ることができるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明において上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、依頼者から印刷物の真贋判定依頼を電子メールで受信する機能と、
前記依頼者が依頼者として登録され、かつ、前記印刷物が前記依頼者から真贋判定依頼可能なものとして登録されている場合のみ、前記真贋判定依頼に基づいて、前記印刷物の真贋判定を行う機能と、
前記依頼者からの前記印刷物の真贋判定依頼について、その結果の報告を受ける者とし
て登録されている者に、依頼者以外の者がいる場合のみ、前記結果の報告を、前記報告を受ける者として登録されている者に電子メールで送信する機能とを有することを特徴とする真贋判定処理サーバとしたものである。
【0007】
また請求項2の発明では、各依頼者からの各印刷物の真贋判定依頼について、受信履歴を記録する機能と、
前記受信履歴に基づいて、各依頼者からの各印刷物の真贋判定依頼について頻度を計算し、この頻度が所定頻度を越えているものについてのみ管理者に報告を電子メールで送信する機能とを有することを特徴とする請求項1に記載の真贋判定処理サーバとしたものである。
【0008】
また請求項3の発明では、サーバが実行する方法であって、
依頼者から印刷物の真贋判定依頼を電子メールで受信する工程と、
前記依頼者が依頼者として登録され、かつ、前記印刷物が前記依頼者から真贋判定依頼可能なものとして登録されている場合のみ、前記真贋判定依頼に基づいて、前記印刷物の真贋判定を行う工程と、
前記依頼者からの前記印刷物の真贋判定依頼について、その結果の報告を受ける者として登録されている者に、依頼者以外の者がいる場合のみ、前記結果の報告を、前記報告を受ける者として登録されている者に電子メールで送信する工程とを含むことを特徴とする真贋判定処理方法としたものである。
【0009】
また請求項4の発明では、各依頼者からの各印刷物の真贋判定依頼について、受信履歴を記録する工程と、
前記受信履歴に基づいて、各依頼者からの各印刷物の真贋判定依頼について頻度を計算し、この頻度が所定頻度を越えているものについてのみ管理者に報告を電子メールで送信する工程とを含むことを特徴とする請求項3に記載の真贋判定処理方法としたものである。
【0010】
また請求項5の発明では、サーバに、
依頼者から印刷物の真贋判定依頼を電子メールで受信する工程と、
前記依頼者が依頼者として登録され、かつ、前記印刷物が前記依頼者から真贋判定依頼可能なものとして登録されている場合のみ、前記真贋判定依頼に基づいて、前記印刷物の真贋判定を行う工程と、
前記依頼者からの前記印刷物の真贋判定依頼について、その結果の報告を受ける者として登録されている者に、依頼者以外の者がいる場合のみ、前記結果の報告を、前記報告を受ける者として登録されている者に電子メールで送信する工程とを実行させることを特徴とする真贋判定処理プログラムとしたものである。
【0011】
また請求項6の発明では、各依頼者からの各印刷物の真贋判定依頼について、受信履歴を記録する工程と、
前記受信履歴に基づいて、各依頼者からの各印刷物の真贋判定依頼について頻度を計算し、この頻度が所定頻度を越えているものについてのみ管理者に報告を電子メールで送信する工程とを実行させることを特徴とする請求項5に記載の真贋判定処理プログラムとしたものである。
【0012】
また請求項7の発明では、請求項5又は6に記載の真贋判定処理プログラムを記録した記録媒体としたものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1、3、5、及び請求項5を引用する請求項7の発明では、依頼者が依頼者とし
て登録され、かつ、印刷物が依頼者から真贋判定依頼可能なものとして登録されている場合のみ、実際に、真贋判定を行うので、一般の人が不正に真贋判定依頼をすることと、登録依頼者であっても、依頼することが認められていない印刷物を不正に真贋判定依頼することとが防止される。また、依頼者からの前記印刷物の真贋判定依頼について、その結果の報告を受ける者として登録されている者に、依頼者以外の者がいる場合のみ、その結果の報告を、その結果の報告を受ける者として登録されている者に電子メールで送信するので、その結果の報告を受ける者が、依頼者を管理することが可能になり、依頼者が不正に真贋判定依頼をすることが防止される。また、印刷物の真贋判定依頼を電子メールで受信して、その結果を電子メールで送信するので、複製対応電子透かし検出装置を配布する必要がない。
【0014】
請求項2、4、6、及び請求項6を引用する請求項7の発明では、依頼者による、印刷物の真贋判定依頼の頻度が、所定頻度を越えた場合に、その旨の電子メールを、管理者に送信できるので、この電子メールに基づいて、管理者は、この依頼者が、この印刷物の偽造品を作る目的で、この印刷物の真贋判定依頼を繰り返しているか否かを調査して、この印刷物の偽造品を作ることを防止することができる。
【0015】
以上、本発明は、複製対応電子透かし検出装置の不正利用を防止すると同時に、印刷物が正規品であるか或は偽造品であるかを容易に知ることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明の最良の一実施形態を説明する。
【0017】
1.構成
本実施形態に係るシステムは、図1に示すように、メールサーバと、依頼者の端末と、報告受者の端末と、管理者の端末と、複製対応電子透かし埋込装置と、真贋判定処理サーバとを備え、それらがネットワークに接続されているものである。
【0018】
依頼者と報告受者とは、印刷物の真贋判定を依頼する企業に属し、依頼者は、印刷物の真贋判定を依頼する者であり、報告受者は、真贋判定の結果について報告を受ける者である。報告受者の中には、依頼者を管理する者がいる。報告受者の中に、依頼者がいても良い。また、管理者は、真贋判定処理サーバを管理する者である。
【0019】
メールサーバは、各端末と、真贋判定処理サーバとの間で、電子メールの配送を行うコンピュータシステムである。
【0020】
各端末は、パソコンなどのコンピュータである。依頼者の端末は、スキャナやデジタルカメラなどの画像入力装置を備える。
【0021】
複製対応電子透かし埋込装置は、デジタル画像に、電子透かし情報を埋め込む装置である。
【0022】
真贋判定処理サーバは、印刷物の真贋判定に係る情報を保存するデータベースを管理し、この情報に基づいて、印刷物の真贋判定処理を行うコンピュータシステムである。このデータベースでは、印刷物の真贋判定に係る情報を、依頼者情報テーブル、報告受者情報テーブル、印刷物情報テーブル、空き電子透かし情報管理テーブル、依頼者印刷物組情報テーブル、結果送信先情報テーブル、受信履歴テーブル、真贋判定履歴テーブル、送信履歴テーブルの各テーブル(表)で保管する。以下に、各テーブルを順に説明する。
【0023】
依頼者情報テーブルは、依頼者に関する情報を管理するテーブルであって、図2に示す
ように、1つのレコード(行)が1人の依頼者に対応し、項目として、「依頼者ID」と、「アドレス」と、「依頼者名」と、「所属企業名」と、「連絡先」とを有する。依頼者IDは、レコードを一意にするための内部キーであって、個々の依頼者を唯一に識別する情報でもある。アドレスは、依頼者の電子メールアドレスである。依頼者名は、依頼者の名前である。所属企業名は、依頼者が所属する企業の名前である。連絡先は、依頼者の電話番号など電子メールアドレス以外の連絡先である。依頼者情報テーブルに登録されている依頼者のみが、真贋判定処理サーバに電子メールで印刷物の真贋判定を依頼する資格を持つ。
【0024】
報告受者情報テーブルは、報告受者に関する情報を管理するテーブルであって、図3に示すように、1つのレコード(行)が1人の報告受者に対応し、項目として、「報告受者ID」と、「アドレス」と、「報告受者名」と、「所属企業名」と、「連絡先」とを有する。報告受者IDは、レコードを一意にするための内部キーであって、個々の報告受者を唯一に識別する情報でもある。アドレスは、報告受者の電子メールアドレスである。報告受者名は、報告受者の名前である。所属企業名は、報告受者が所属する企業の名前である。連絡先は、報告受者の電話番号など電子メールアドレス以外の連絡先である。報告受者情報テーブルに登録されている報告受者のみが、真贋判定処理サーバから電子メールで印刷物の真贋判定の結果について報告を受ける資格を持つ。
【0025】
印刷物情報テーブルは、印刷物に関する情報を管理するテーブルであって、図4に示すように、1つのレコード(行)が1つの印刷物に対応し、項目として、「印刷物ID」と、「印刷物情報」と、「電子透かし情報」と、「企業名」とを有する。印刷物IDは、レコードを一意にするための内部キーであって、個々の印刷物を唯一に識別する情報でもある。印刷物情報は、印刷物を識別する情報である。電子透かし情報は、電子透かしとして、印刷物に埋め込む番号である。企業名は、印刷物を発行した企業の名前である。印刷物情報テーブルに登録されている印刷物のみが、真贋判定の対象になり得る。
【0026】
空き電子透かし情報管理テーブルは、図5に示すように、唯一つのレコードの唯一つの「最大電子透かし情報」という項目に、印刷物情報テーブルに記録されている電子透かし情報の中で最大のもの(最大電子透かし情報)を、一時的に記録するためのテーブルである。図5に示す空き電子透かし情報管理テーブルは、図4に示す印刷物情報テーブルに記録されている電子透かし情報の中で最大のものを記録している。印刷物情報テーブルに、新規にレコードが1つ追加されるとき、最大電子透かし情報が1プラスされると同時に、新規に追加されるレコードに、この1プラスされた最大電子透かし情報が、電子透かし情報として記録される。この結果、印刷物情報テーブルの全てのレコードにおいて、電子透かし情報が印刷物情報につきユニークになる。この1プラスされた最大電子透かし情報を、空き電子透かし情報とも云うことにする。
【0027】
依頼者印刷物組情報テーブルは、依頼者が真贋判定を依頼可能な印刷物に関する情報を管理するテーブルであって、図6に示すように、依頼者IDと印刷物IDとの組からなるレコードを記録する。依頼者IDと印刷物IDとの組は、この依頼者IDを持つ依頼者が、この印刷物IDを持つ印刷物の真贋判定を、真贋判定処理サーバに電子メールで依頼できることを意味する。
【0028】
結果送信先情報テーブルは、依頼者が印刷物の真贋判定を依頼したときの真贋判定結果の報告を表す電子メールを送信する送信先の報告受者に関する情報を管理するテーブルであって、図7に示すように、依頼者IDと印刷物IDと報告受者IDとの組からなるレコードを記録する。依頼者IDと印刷物IDと報告受者IDとの組は、この依頼者IDを持つ依頼者が、この印刷物IDを持つ印刷物の真贋判定を、真贋判定処理サーバに電子メールで依頼したとき、この報告受者IDを持つ報告受者に、この真贋判定の結果の報告を真
贋判定処理サーバが電子メールで送信することを意味する。
【0029】
受信履歴テーブルは、依頼者から送信された印刷物の真贋判定依頼を表す電子メールを、真贋判定処理サーバが受信した履歴を管理するテーブルであって、図8に示すように、1つのレコード(行)が1つの受信履歴に対応し、項目として、「受信ID」と、「依頼者ID」と、「アドレス」と、「受信日時」と、「印刷物ID」と、「ファイル名」と、「有効無効」と、「受信文」とを有する。受信IDは、レコードを一意にするための内部キーであって、個々の受信を唯一に識別する情報でもある。依頼者IDは、真贋判定依頼した依頼者を示すものであり、空欄の場合、この依頼者の情報が依頼者情報テーブルに未登録であることを意味する。アドレスは、印刷物の真贋判定依頼を表す電子メールを送信した依頼者の電子メールアドレスである。受信日時は、受信した日時である。印刷物IDは、真贋判定依頼された印刷物を示すものである。ファイル名は、印刷物のデジタル画像を表すファイルの名称である。有効無効は、真贋判定依頼が有効であるか或は無効であるかを示す。有効であるのは、依頼者の情報が、依頼者情報テーブルに登録されており、かつ、依頼者IDと印刷IDとの組が、依頼者印刷物組情報テーブルに登録されている場合である。受信文は、印刷物の真贋判定依頼を表す電子メールの文である。
【0030】
真贋判定履歴テーブルは、有効な真贋判定依頼に対して、真贋判定処理サーバが実行した真贋判定の履歴を管理するテーブルであって、図9に示すように、1つのレコード(行)が1つの真贋判定履歴に対応し、項目として、「検出ID」と、「受信ID」と、「真贋判定日時」と、「真贋判定結果」とがある。検出IDは、レコードを一意にするための内部キーであって、個々の真贋判定を唯一に識別する情報でもある。受信IDは、どの依頼に基づいて真贋判定を行ったのかを示すものである。真贋判定日時は、真贋判定を行った日時である。真贋判定結果は、真贋判定の結果である。
【0031】
送信履歴テーブルは、真贋判定処理サーバが、真贋判定結果の報告を表す電子メールを報告受者に送信した履歴を管理するテーブルであって、図10に示すように、1つのレコード(行)が1つの送信履歴に対応し、項目として、「送信ID」と、「受信ID」と、「報告受者ID」と、「アドレス」と、「送信日時」と、「送信文」とを有する。送信IDは、レコードを一意にするための内部キーであって、個々の送信を唯一に識別する情報でもある。受信IDは、どの依頼に基づいた真贋判定結果の報告を送信したのかを示すものである。報告受者IDは、どの報告受者に真贋判定結果の報告を送信したのかを示すものである。アドレスは、報告受者の電子メールアドレスである。送信日時は、送信した日時である。送信文は、印刷物の真贋判定結果の報告を表す電子メールの文である。
【0032】
2.処理
以下に、本実施形態に係るシステムで実行される各処理の例を、順に説明する。
【0033】
まず、印刷物情報を登録する処理の例を、図11のフロー図に従って、以下に説明する。
【0034】
S(STEP)1;
管理者は、管理者の端末に、印刷物情報を入力する。この際、企業名も入力しても良い。
【0035】
S(STEP)2;
管理者の端末は、データベースに接続し、空き電子透かし情報管理テーブルの最大電子透かし情報を1プラスし、この1プラスした最大電子透かし情報を、空き電子透かし情報として取得し、入力された印刷情報に対応する電子透かし情報とする。
【0036】
S(STEP)3;
管理者の端末は、データベースに接続し、印刷物情報とそれに対応した電子透かし情報とを(企業名も入力された場合には、企業名も)、印刷物情報テーブルに登録する。この登録に際して、真贋判定処理サーバは、印刷物IDを新規に発行して、印刷物IDも一緒に印刷物情報テーブルに登録する。
【0037】
次に、印刷情報以外の各情報を登録する処理の流れの例を、図12のフロー図に従って、以下に説明する。
【0038】
S(STEP)1;
管理者は、依頼者に関する情報(アドレス、依頼者名、所属企業名、連絡先)、報告受者に関する情報(アドレス、報告受者名、所属企業名、連絡先)、依頼者が真贋判定を依頼可能な印刷物に関する情報(依頼者ID、印刷物ID)、依頼者が印刷物の真贋判定を依頼したときの真贋判定結果の報告を表す電子メールを送信する送信先の報告受者に関する情報(依頼者ID、印刷物ID、報告受者ID)の各情報を入力する。
【0039】
S(STEP)2;
管理者の端末は、データベースに接続し、依頼者に関する情報(アドレス、依頼者名、所属企業名、連絡先)を、依頼者情報テーブルに登録し、報告受者に関する情報(アドレス、報告受者名、所属企業名、連絡先)を、報告受者情報テーブルに登録し、依頼者が真贋判定を依頼可能な印刷物に関する情報(依頼者ID、印刷物ID)を、依頼者印刷物組情報テーブルに登録し、依頼者が印刷物の真贋判定を依頼したときの真贋判定結果の報告を表す電子メールを送信する送信先の報告受者に関する情報(依頼者ID、印刷物ID、報告受者ID)を、結果送信先テーブルに登録する。依頼者に関する情報を登録するに際して、真贋判定処理サーバは、依頼者IDを新規に発行して、依頼者IDも一緒に依頼者情報テーブルに登録する。また、報告受者に関する情報を登録するに際して、真贋判定処理サーバは、報告受者IDを新規に発行して、報告受者IDも一緒に報告受者情報テーブルに登録する。
【0040】
次に、デジタル画像に電子透かし情報を埋め込む処理の流れの例を、図13のフロー図に従って、以下に説明する。
【0041】
S(STEP)1;
担当者は、複製対応電子透かし埋込装置に、印刷物情報を入力する。
【0042】
S(STEP)2;
複製対応電子透かし埋込装置は、データベースに接続し、印刷物情報テーブルから、入力された印刷物情報に対応する電子透かし情報を取得する。
【0043】
S(STEP)3;
複製対応電子透かし埋込装置は、デジタル画像に、取得した電子透かし情報を埋め込んで、電子透かし情報入りデジタル画像を作成する。
【0044】
尚、電子透かし情報入りデジタル画像は、プリンターや印刷機から、印刷物として出力される。
【0045】
次に、印刷物の真贋判定を依頼する処理の流れの例を、図14のフロー図に従って、以下に説明する。
【0046】
S(STEP)1;
依頼者は、依頼者の端末が備える画像入力装置を用いて、印刷物のデジタル画像を、依頼者の端末に入力する。
【0047】
S(STEP)2;
依頼者は、依頼者の端末を用いて、印刷物の真贋判定依頼として、デジタル画像が添付され、印刷情報が記載されている電子メールを、真贋判定処理サーバに送信する。
【0048】
S(STEP)3;
この依頼者による、この印刷物の真贋判定依頼について、結果の報告を受ける者として、結果送信先情報テーブルに登録されている各報告受者は、各報告受者の端末で、真贋判定処理サーバより、この印刷物の真贋判定結果の報告を、電子メールで受信して、その報告を閲覧する。
【0049】
次に、真贋判定処理サーバが実行する印刷物の真贋判定に係る処理の流れの例を、図15及び図16のフロー図に従って、以下に説明する。
【0050】
S(STEP)1;
真贋判定処理サーバは、印刷物の真贋判定依頼を表す電子メールを受信する。
【0051】
S(STEP)2;
真贋判定処理サーバは、電子メールから、デジタル画像と、印刷物情報と、依頼者の電子メールアドレスとを取得する。これらの、デジタル画像、印刷物情報、依頼者の電子メールアドレスを、それぞれ、当該デジタル画像、当該印刷物情報、当該アドレスと云うことにする。
【0052】
S(STEP)3;
真贋判定処理サーバは、データベースに接続し、受信IDを新規に発行し、印刷物情報テーブルから、当該印刷物情報で識別される印刷物の印刷物IDを取得して、受信履歴テーブルに、受信IDを、この新規発行した受信IDとし、依頼者IDを、空欄とし、アドレスを、当該送信元電子メールアドレスとし、受信日時を現在の日時とし、印刷物IDを、当該印刷物情報で識別される印刷物の印刷物IDとし、ファイル名を、当該デジタル画像のファイルの名称とし、有効無効を、空欄とし、受信文を、印刷物の真贋判定依頼を表す電子メールの文とするレコードを新規に追加する。
【0053】
S(STEP)4;
真贋判定処理サーバは、データベースに接続し、当該アドレスを持つ依頼者の情報が、依頼者情報テーブルに登録されているか問い合わせる。
【0054】
S(STEP)5;
登録されている場合、真贋判定処理サーバは、依頼者情報テーブルから、当該アドレスを持つ依頼者の依頼者IDを取得し、受信履歴テーブルにおいて、STEP3で新規発行した受信IDを持つレコードの依頼者IDを、空欄から当該アドレスを持つ依頼者の依頼者IDに更新して、STEP6に進み、
他方、登録されてない場合、真贋判定処理サーバは、受信履歴テーブルにおいて、STEP3で新規発行した受信IDを持つレコードの有効無効を、空欄から無効に更新して、ENDに進む。
【0055】
S(STEP)6;
真贋判定処理サーバは、データベースに接続し、当該アドレスを持つ依頼者の依頼者IDと、当該印刷物情報で識別される印刷物の印刷物IDとの組が、依頼者印刷物組情報テ
ーブルに登録されているか問い合わせる。
【0056】
S(STEP)7;
登録されている場合、真贋判定処理サーバは、受信履歴テーブルにおいて、STEP3で新規発行した受信IDを持つレコードの有効無効を、空欄から有効に更新して、STEP8に進み、
他方、登録されていない場合、真贋判定処理サーバは、受信履歴テーブルにおいて、STEP3で新規発行した受信IDを持つレコードの有効無効を、空欄から無効に更新して、ENDに進む。
【0057】
S(STEP)8;
真贋判定処理サーバは、データベースに接続し、印刷物情報テーブルから、当該印刷物情報に対応する電子透かし情報(埋め込み時電子透かし情報)を取得する。
【0058】
S(STEP)9;
真贋判定処理サーバは、当該デジタル画像から電子透かし情報を検出する。
【0059】
S(STEP)10;
検出できた場合、真贋判定処理サーバは、STEP11に進み、
他方、検出できなかった場合、真贋判定処理サーバは、真贋判定結果を偽造品として、STEP12に進む。
【0060】
S(STEP)11;
真贋判定処理サーバは、埋め込み時電子透かし情報と、検出された電子透かし情報とが一致するかを確かめ、
一致している場合、真贋判定処理サーバは、真贋判定結果を正規品として、STEP12に進み、
他方、真贋判定処理サーバは、真贋判定結果を偽造品として、STEP12に進む。
【0061】
S(STEP)12:
真贋判定処理サーバは、データベースに接続し、検出IDを新規発行し、真贋判定履歴テーブルに、検出IDを、この新規発行した検出IDとし、受信IDを、STEP3で新規発行した受信IDとし、真贋判定日時を、現在の日時とし、真贋判定結果を、STEP10又はSTEP11で得た真贋判定結果とするレコードを、新規に追加する。
【0062】
S(STEP)13;
真贋判定処理サーバは、データベースに接続し、結果送信先テーブルから、当該アドレスを持つ依頼者の依頼者IDと、当該印刷物情報で識別される印刷物の印刷物IDと組になっている各報告受者IDを取得する。
【0063】
S(STEP)14;
真贋判定処理サーバは、STEP13で取得した各報告受者IDに対応するアドレスを、報告受者情報テーブルから取得して、当該アドレスと異なるものがあるかを確かめ、
異なるものがある場合、印刷物の真贋判定結果の報告を表す電子メールを作成して、STEP15に進み、
異なるものがない場合、STEP17に進む。
【0064】
S(STEP)15;
真贋判定処理サーバは、データベースに接続し、送信IDを新規発行し、送信履歴テーブルに、送信IDを、この新規発行した送信IDとし、受信IDを、STEP3で新規発
行した受信IDとし、報告受者IDを、STEP13で取得した報告受者IDとし、アドレスを、STEP13で取得した報告受者IDに対応するSTEP14で取得したアドレスとし、送信文を、印刷物の真贋判定結果の報告を表す電子メールの文とするレコードを、STEP13で取得した各報告受者IDごとに、新規に追加する。
【0065】
S(STEP)16;
真贋判定処理サーバは、STEP14で取得した各アドレスに対して、印刷物の真贋判定結果の報告を表す電子メールを送信する。
【0066】
S(STEP)17;
真贋判定処理サーバは、受信履歴テーブルにおいて、当該アドレスを持つ依頼者の依頼者IDと、当該印刷物情報で識別される印刷物の印刷物IDとで特定されるレコードの受信日時に基づいて、当該アドレスを持つ依頼者による、当該印刷物情報で識別される印刷物の真贋判定依頼の頻度(所定期間になされた依頼の件数)を計算し、この頻度が所定頻度(例えば、1日100件、1週間300件など)を越えてないかを確かめ、
越えた場合、STEP18に進み、
越えてない場合、ENDに進む。
【0067】
S(STEP)18;
真贋判定処理サーバは、当該アドレスを持つ依頼者による、当該印刷物情報で識別される印刷物の真贋判定依頼の頻度が、所定頻度を越えた旨の電子メールを、管理者へ送信する。
【0068】
ある依頼者による、ある印刷物情報で識別される印刷物の真贋判定依頼の頻度が、所定頻度を越えた旨の電子メールを、管理者が、管理者の端末で受信して閲覧した場合、管理者は、この依頼者が、この印刷物情報で識別される印刷物の偽造品を作る目的で、この印刷物情報で識別される印刷物の真贋判定依頼を繰り返しているか否かを調査する。もし、この依頼者が、この印刷物情報で識別される印刷物の偽造品を作る目的で、この印刷物情報で識別される印刷物の真贋判定依頼を繰り返しているならば、依頼者情報テーブルから、この依頼者の情報を抹消する。また、管理者は、この依頼者が、この印刷物情報で識別される印刷物の偽造品を作る目的で、この印刷物情報で識別される印刷物の真贋判定依頼を繰り返していたので、依頼者情報テーブルから、この依頼者の情報を抹消したことを、この依頼者を管理する者に報告する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本実施形態に係るシステムのハードウェア構成例を示す図。
【図2】依頼者情報テーブルの例を示す図。
【図3】報告受者情報テーブルの例を示す図。
【図4】印刷物情報テーブルの例を示す図。
【図5】空き電子透かし情報管理テーブルの例を示す図。
【図6】依頼者印刷物組情報テーブルの例を示す図。
【図7】結果送信先情報テーブルの例を示す図。
【図8】受信履歴テーブルの例を示す図。
【図9】真贋判定履歴テーブルの例を示す図。
【図10】送信履歴テーブルの例を示す図。
【図11】印刷物情報を登録する処理の流れの例を示すフロー図。
【図12】印刷物情報以外の各情報を登録する処理の流れの例を示すフロー図。
【図13】デジタル画像に電子透かし情報を埋め込む処理の流れの例を示すフロー図。
【図14】印刷物の真贋判定を依頼する処理の流れの例を示すフロー図。
【図15】真贋判定処理サーバが実行する印刷物の真贋判定に係る処理の流れの例の前半を示すフロー図。
【図16】真贋判定処理サーバが実行する印刷物の真贋判定に係る処理の流れの例の後半を示すフロー図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
依頼者から印刷物の真贋判定依頼を電子メールで受信する機能と、
前記依頼者が依頼者として登録され、かつ、前記印刷物が前記依頼者から真贋判定依頼可能なものとして登録されている場合のみ、前記真贋判定依頼に基づいて、前記印刷物の真贋判定を行う機能と、
前記依頼者からの前記印刷物の真贋判定依頼について、その結果の報告を受ける者として登録されている者に、依頼者以外の者がいる場合のみ、前記結果の報告を、前記報告を受ける者として登録されている者に電子メールで送信する機能とを有することを特徴とする真贋判定処理サーバ。
【請求項2】
各依頼者からの各印刷物の真贋判定依頼について、受信履歴を記録する機能と、
前記受信履歴に基づいて、各依頼者からの各印刷物の真贋判定依頼について頻度を計算し、この頻度が所定頻度を越えているものについてのみ管理者に報告を電子メールで送信する機能とを有することを特徴とする請求項1に記載の真贋判定処理サーバ。
【請求項3】
サーバが実行する方法であって、
依頼者から印刷物の真贋判定依頼を電子メールで受信する工程と、
前記依頼者が依頼者として登録され、かつ、前記印刷物が前記依頼者から真贋判定依頼可能なものとして登録されている場合のみ、前記真贋判定依頼に基づいて、前記印刷物の真贋判定を行う工程と、
前記依頼者からの前記印刷物の真贋判定依頼について、その結果の報告を受ける者として登録されている者に、依頼者以外の者がいる場合のみ、前記結果の報告を、前記報告を受ける者として登録されている者に電子メールで送信する工程とを含むことを特徴とする真贋判定処理方法。
【請求項4】
各依頼者からの各印刷物の真贋判定依頼について、受信履歴を記録する工程と、
前記受信履歴に基づいて、各依頼者からの各印刷物の真贋判定依頼について頻度を計算し、この頻度が所定頻度を越えているものについてのみ管理者に報告を電子メールで送信する工程とを含むことを特徴とする請求項3に記載の真贋判定処理方法。
【請求項5】
サーバに、
依頼者から印刷物の真贋判定依頼を電子メールで受信する工程と、
前記依頼者が依頼者として登録され、かつ、前記印刷物が前記依頼者から真贋判定依頼可能なものとして登録されている場合のみ、前記真贋判定依頼に基づいて、前記印刷物の真贋判定を行う工程と、
前記依頼者からの前記印刷物の真贋判定依頼について、その結果の報告を受ける者として登録されている者に、依頼者以外の者がいる場合のみ、前記結果の報告を、前記報告を受ける者として登録されている者に電子メールで送信する工程とを実行させることを特徴とする真贋判定処理プログラム。
【請求項6】
各依頼者からの各印刷物の真贋判定依頼について、受信履歴を記録する工程と、
前記受信履歴に基づいて、各依頼者からの各印刷物の真贋判定依頼について頻度を計算し、この頻度が所定頻度を越えているものについてのみ管理者に報告を電子メールで送信する工程とを実行させることを特徴とする請求項5に記載の真贋判定処理プログラム。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の真贋判定処理プログラムを記録した記録媒体。
【請求項1】
依頼者から印刷物の真贋判定依頼を電子メールで受信する機能と、
前記依頼者が依頼者として登録され、かつ、前記印刷物が前記依頼者から真贋判定依頼可能なものとして登録されている場合のみ、前記真贋判定依頼に基づいて、前記印刷物の真贋判定を行う機能と、
前記依頼者からの前記印刷物の真贋判定依頼について、その結果の報告を受ける者として登録されている者に、依頼者以外の者がいる場合のみ、前記結果の報告を、前記報告を受ける者として登録されている者に電子メールで送信する機能とを有することを特徴とする真贋判定処理サーバ。
【請求項2】
各依頼者からの各印刷物の真贋判定依頼について、受信履歴を記録する機能と、
前記受信履歴に基づいて、各依頼者からの各印刷物の真贋判定依頼について頻度を計算し、この頻度が所定頻度を越えているものについてのみ管理者に報告を電子メールで送信する機能とを有することを特徴とする請求項1に記載の真贋判定処理サーバ。
【請求項3】
サーバが実行する方法であって、
依頼者から印刷物の真贋判定依頼を電子メールで受信する工程と、
前記依頼者が依頼者として登録され、かつ、前記印刷物が前記依頼者から真贋判定依頼可能なものとして登録されている場合のみ、前記真贋判定依頼に基づいて、前記印刷物の真贋判定を行う工程と、
前記依頼者からの前記印刷物の真贋判定依頼について、その結果の報告を受ける者として登録されている者に、依頼者以外の者がいる場合のみ、前記結果の報告を、前記報告を受ける者として登録されている者に電子メールで送信する工程とを含むことを特徴とする真贋判定処理方法。
【請求項4】
各依頼者からの各印刷物の真贋判定依頼について、受信履歴を記録する工程と、
前記受信履歴に基づいて、各依頼者からの各印刷物の真贋判定依頼について頻度を計算し、この頻度が所定頻度を越えているものについてのみ管理者に報告を電子メールで送信する工程とを含むことを特徴とする請求項3に記載の真贋判定処理方法。
【請求項5】
サーバに、
依頼者から印刷物の真贋判定依頼を電子メールで受信する工程と、
前記依頼者が依頼者として登録され、かつ、前記印刷物が前記依頼者から真贋判定依頼可能なものとして登録されている場合のみ、前記真贋判定依頼に基づいて、前記印刷物の真贋判定を行う工程と、
前記依頼者からの前記印刷物の真贋判定依頼について、その結果の報告を受ける者として登録されている者に、依頼者以外の者がいる場合のみ、前記結果の報告を、前記報告を受ける者として登録されている者に電子メールで送信する工程とを実行させることを特徴とする真贋判定処理プログラム。
【請求項6】
各依頼者からの各印刷物の真贋判定依頼について、受信履歴を記録する工程と、
前記受信履歴に基づいて、各依頼者からの各印刷物の真贋判定依頼について頻度を計算し、この頻度が所定頻度を越えているものについてのみ管理者に報告を電子メールで送信する工程とを実行させることを特徴とする請求項5に記載の真贋判定処理プログラム。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の真贋判定処理プログラムを記録した記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−238268(P2006−238268A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−52641(P2005−52641)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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