説明

眠気防止用可食フィルム

【課題】簡便に眠気を防止できながら、しかも、持続力のある眠気防止用可食フィルムを提供すること。
【解決手段】可食性フィルム構成成分と、眠気防止成分と、シクロデキストリン類とを配合して、眠気防止用可食フィルムを得る。この眠気防止用可食フィルムは、夜間・徹夜の運転、仕事、勉強などの作業中に生じる眠気を防止したいときに口に入れれば、眠気防止成分の刺激により眠気を防止することができる。そのため、眠気防止用可食フィルムを口に入れるだけで、簡便に眠気を防止することができる。しかも、本発明の眠気防止用可食フィルムでは、眠気防止成分の刺激が持続するので、長時間にわたって眠気を防止することができる。さらに、本発明の眠気防止用可食フィルムによれば、眠気防止用可食フィルムを積層状態で保存しても、各眠気防止用可食フィルム同士の付着を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眠気防止用可食フィルムに関し、詳しくは、眠気を防止するための可食性フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
夜間・徹夜の運転、仕事、勉強などの作業中に生じる眠気を防止するための眠気防止用テープが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この眠気防止用テープは、l−メントールを含む粘着剤層を備えており、額や眼の周囲、こめかみなどに貼付することにより、粘着剤層中のl−メントールを即時に経皮吸収させるとともに、蒸発により気散させ、眼、鼻腔、皮膚などを過度に刺激して眠気を防止するものである。
【特許文献1】特開平7−215847号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に記載の眠気防止用テープでは、夜間・徹夜の運転などの作業中に、眠気防止用テープを貼付する必要があり、簡便に使用することができないという不具合がある。また、皮膚に直接貼付するため、l−メントールによる皮膚刺激が生じるという不具合もある。
一方、キャンディーやガムに、l−メントールを含有させて、眠気を防止したいときに口に入れるという方法であれば、簡便に使用することができる。しかし、l−メントールには揮発性があり、この方法では、口内で刺激性が短時間しか持続しないという不具合がある。
【0004】
本発明の目的は、簡便に眠気を防止できながら、しかも、持続力のある眠気防止用可食フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の眠気防止用可食フィルムは、可食性フィルム構成成分と、眠気防止成分と、シクロデキストリン類とを含有することを特徴としている。
また、本発明の眠気防止用可食フィルムでは、可食性フィルム構成成分が、デンプンおよび/またはゼラチンを含有することが好適である。
また、本発明の眠気防止用可食フィルムでは、眠気防止成分が、l−メントールを含有することが好適である。
【0006】
また、本発明の眠気防止用可食フィルムでは、シクロデキストリン類が、β−シクロデキストリンおよびγ−シクロデキストリンを含有することが好適である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の眠気防止用可食フィルムによれば、眠気を防止したいときに口に入れれば、眠気防止成分の刺激により眠気を防止することができる。そのため、眠気防止用可食フィルムを口に入れるだけで、簡便に眠気を防止することができる。しかも、本発明の眠気防止用可食フィルムでは、眠気防止成分の刺激が持続するので、長時間にわたって眠気を防止することができる。
【0008】
さらに、本発明の眠気防止用可食フィルムによれば、眠気防止用可食フィルムを積層状態で保存しても、各眠気防止用可食フィルム同士の付着を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の眠気防止用可食フィルムは、可食性フィルム構成成分と、眠気防止成分と、シクロデキストリン類とを含有している。
本発明において、可食性フィルム構成成分は、可食性フィルムを構成するための成分であって、例えば、寒天オリゴ糖、デンプン分解生成物(プルラン)などのデンプンまたは加工デンプン、ゼラチンやコラーゲンなどの天然タンパク、グルコースやキシロースなどのポリサッカライド、ヒドロキシメチルセルロースやヒドロキシエチルセルロールなどのヒドロキシアルキルセルロース、セルロースなどが挙げられる。これらは、単独または併用して用いられる。好ましくは、デンプン、ゼラチンが挙げられる。
【0010】
また、可食性フィルム構成成分として、さらに、例えば、グリセリン、マルトデキストリン、乳化剤(例えば、レシチン(乳タンパク)、ショ糖脂肪酸エステルなど)を、1種または2種以上併用することができる。
可食性フィルム構成成分として、好ましくは、デンプン1〜48重量部、ゼラチン1〜48重量部、セルロース0.5〜2.0重量部、グリセリン3.0〜6.0重量部、レシチン0.6〜3.5重量部、ショ糖脂肪酸エステル0.1〜2.5重量部の混合物が挙げられる。
【0011】
なお、このような可食性フィルム構成成分は、市販品として入手することができる。
本発明において、眠気防止成分としては、例えば、L―メントール、カフェイン、その他、覚醒効果が知られる植物から抽出される精油成分(フレグランスジャーナル、p.21〜24、No.86、1987)、天然抽出物などが挙げられる。
精油成分としては、例えば、レモン、バジル、ぺパーミント、べルべナ、イランイラン、サンダルウッド、ジャスミン、レモングラス、カモミール、クローブ、ネロリ、ぺパーミント、ローズマリー、スぺアミント、タイム、ユーカリ、ヒソップ、カジェプト、シトロネロール、バーべナなどが挙げられる。
【0012】
抽出物としては、例えば、生姜、山椒の実、唐辛子、芥子、ハッカなどが挙げられる。
これら眠気防止成分は、単独または併用して用いられる。好ましくは、L―メントールが挙げられる。
本発明において、シクロデキストリン類としては、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンなどが挙げられる。好ましくは、β−シクロデキストリンとγ−シクロデキストリンとを併用する。β−シクロデキストリンとγ−シクロデキストリンとを併用することで、L―メントールなどの眠気防止成分の徐放性をコントロールすることができ、長時間にわたって安定した刺激を維持することができる。例えば、β−シクロデキストリン100重量部に対してγ−シクロデキストリン200重量部以下、好ましくは、50〜100重量部、もしくは、γ−シクロデキストリン100重量部に対して、β−シクロデキストリン200重量部以下、好ましくは、50〜100重量部を併用することで、上記効果を得ることができる。
【0013】
また、本発明の眠気防止用可食フィルムには、例えば、サプリメント成分、清涼化剤、香料、甘味料、着色料などの添加剤を添加することができる。
サプリメント成分としては、例えば、有機酸、アミノ酸、ビタミン類などが挙げられる。有機酸としては、例えば、乳酸、クエン酸、フマル酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、フマル酸ナトリウム、フィチン酸、またはこれらの塩などが挙げられる。また、アミノ酸として、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リシン、ヒドロキシリシン、アルギニン、システイン、シスチン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、プロリンなどが挙げられる。また、ビタミン類として、例えば、L−アスコルビン酸(ビタミンC)、L−アスコルビン酸ナトリウム(ビタミンCナトリウム)、チアミン塩酸塩(ビタミンB1塩酸塩)、リボフラビン(ビタミンB2)などが挙げられる。さらに、サプリメント成分として、例えば、ルイボスティなどの天然抽出物が挙げられる。
【0014】
清涼化剤としては、例えば、イソプレゴール、3,1−メントキシプロパン−1,2−ジオール、1−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(3−ニトロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロキシピリミジン−2−オン、エチルメンタンカルボキサミド、p−メンタン−3,8−ジオール、3,8−ジヒドロキシ−p−メンタン−3,9−ジオ−ル、トリアルキル置換シクロへキサンカルボキシアマイドなどが挙げられる。
【0015】
香料としては、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ライム、レモンライム、ゆずなどの柑橘系フレーバー、例えば、アップル、ストロベリー、メロン、グレープ、バナナ、ピーチ、パイナップル、マンゴ、ブルーベリーなどのフルーツ系フレーバー、例えば、ペパーミント、スペアミントなどのミント系フレーバー、例えば、ガーリック、ジンジャー、ペッパー、シナモン、クローブ、ナツメグ、わさびなどのスパイス系フレーバーが挙げられる。
【0016】
甘味料としては、例えば、アセスルファムカリウム、スクラロース、ソーマチン、グリチルリチン酸ニナトリウム、ステビア抽出物、甘草抽出物、タウマチン、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、D−キシロース、エリスリトール、ソルビトール、マルチトール、キシリトールなどが挙げられる。
着色料としては、例えば、食用赤色2号およびそのアルミニウムレーキ、食用赤色3号およびそのアルミニウムレーキ、食用赤色40号およびそのアルミニウムレーキ、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、ムラサキイモ色素、クチナシ赤色素、エルダーベリー色素、シソ色素、ムラサキトウモロコシ色素、ブドウ果汁色素、ビートレッド、コチニール色素、ラック色素、ベニバナ赤色素、ベニコウジ色素、ボイセンベリー色素、アカネ色素、食用黄色4号およびそのアルミニウムレーキ、食用黄色5号およびそのアルミニウムレーキ、アナトー色素、水溶性アナトー、コチニール色素、ラック色素、トウガラシ色素、ウコン色素、オレンジ色素、クチナシ黄色素、トウモロコシ色素、にんじんカロテン、β−カロテン、ベニバナ黄色素、リボフラビン(ビタミンB2)、食用緑色3号およびそのアルミニウムレーキ、クロロフィリン、クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム、鉄クロロフィリンナトリウム、食用青色1号およびそのアルミニウムレーキ、食用青色2号およびそのアルミニウムレーキ、クチナシ青色素、スピルリナ色素、カカオ色素、タマネギ色素、カラメルI〜IV、コウリャン色素、タマリンド色素などが挙げられる。
【0017】
そして、本発明の眠気防止用可食フィルムは、例えば、次のようにして調製することができる。すなわち、本発明の眠気防止用可食フィルムを得るには、まず、可食性構成成分に、眠気防止成分、シクロデキストリン類、および、必要により各種添加剤を配合して、これら(配合物)100重量部に対して、さらに100〜1000重量部の水を配合し、その後、混合攪拌する。
【0018】
各成分の配合割合は、例えば、眠気防止用可食フィルム100重量部に対して、可食性構成成分40〜65重量部、好ましくは、45〜60重量部、眠気防止成分5〜25重量部、好ましくは、10〜20重量部、シクロデキストリン類1〜5重量部、好ましくは、2〜4重量部、添加剤5〜54重量部、好ましくは、16〜43重量部(但し、サプリメント成分5〜30重量部、清涼化剤0.1〜4重量部、香料0.1〜2重量部、甘味料1〜3重量部、着色料0.01〜0.5重量部)である。
【0019】
次いで、上記により得られた混合攪拌物を、剥離フィルム上に塗布し、ローラなどにより圧延した後、乾燥する。その後、剥離フィルムを剥がすことにより、眠気防止用可食フィルムを得る。その後、食べやすいサイズに適宜切断する。
得られた眠気防止用可食フィルムの厚みは、例えば、10〜300μm、好ましくは、20〜150μmである。
【0020】
このようにして得られた眠気防止用可食フィルムは、夜間・徹夜の運転、仕事、勉強などの作業中に生じる眠気を防止したいときに口に入れれば、眠気防止成分の刺激により眠気を防止することができる。そのため、眠気防止用可食フィルムを口に入れるだけで、簡便に眠気を防止することができる。しかも、本発明の眠気防止用可食フィルムでは、眠気防止成分の刺激が持続するので、長時間(例えば、30〜60分)にわたって眠気を防止することができる。
【0021】
さらに、本発明の眠気防止用可食フィルムによれば、眠気防止用可食フィルムを積層状態で保存しても、各眠気防止用可食フィルム同士の付着を防止することができる。
【実施例】
【0022】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(可食性フィルム構成成分の調製)
デンプン8.2重量部、ゼラチン35重量部、セルロース1.5重量部、グリセリン4.5重量部、レシチン2.5重量部、ショ糖脂肪酸エステル(ステアリン酸/パルミチン酸=70/30重量比)2重量部を混合して、可食性フィルム構成成分を調製した。
【0023】
実施例1
可食性フィルム構成成分 53.7重量部
L−メントール(眠気防止成分) 15.0重量部
カフェイン(眠気防止成分) 3.0重量部
β−シクロデキストリン(シクロデキストリン類) 3.0重量部
スクラロース/アスパルテーム(1:1重量比)混合物(添加剤) 1.6重量部
ルイボスティ(添加剤) 22.2重量部
スペアミントフレーバー(添加剤) 1.5重量部
上記の計100重量部の成分に、120重量部の水を配合し、攪拌機で攪拌混合して、得られた攪拌混合物を、ポリエステル剥離フィルムの上に塗布し、攪拌混合物が塗布されたポリエステル剥離フィルムをローラに通して圧延した後、乾燥させ、ポリエステル剥離フィルムを剥がして、眠気防止用可食フィルムを得た。得られた眠気防止用可食フィルムの厚みは、50μmであった。なお、眠気防止用可食フィルムは、使用に際して、任意のサイズに切断した。
【0024】
実施例2
可食性フィルム構成成分 53.7重量部
L−メントール(眠気防止成分) 15.0重量部
カフェイン(眠気防止成分) 3.0重量部
β−シクロデキストリン(シクロデキストリン類) 1.5重量部
γ−シクロデキストリン(シクロデキストリン類) 1.5重量部
スクラロース/アスパルテーム(1:1重量比)混合物(添加剤) 1.6重量部
ルイボスティ(添加剤) 22.2重量部
スペアミントフレーバー(添加剤) 1.5重量部
上記の成分を上記の割合で配合した以外は、実施例1と同様の方法で眠気防止用可食フィルムを得た。
【0025】
実施例3
可食性フィルム構成成分 53.7重量部
L−メントール(眠気防止成分) 15.0重量部
カフェイン(眠気防止成分) 3.0重量部
γ−シクロデキストリン(シクロデキストリン類) 3.0重量部
スクラロース/アスパルテーム(1:1重量比)混合物(添加剤) 1.6重量部
ルイボスティ(添加剤) 22.2重量部
スペアミントフレーバー(添加剤) 1.5重量部
上記の成分を上記の割合で配合した以外は、実施例1と同様の方法で眠気防止用可食フィルムを得た。
【0026】
実施例4
可食性フィルム構成成分 58.7重量部
L−メントール(眠気防止成分) 10.0重量部
カフェイン(眠気防止成分) 3.0重量部
β−シクロデキストリン(シクロデキストリン類) 1.5重量部
γ−シクロデキストリン(シクロデキストリン類) 1.5重量部
スクラロース/アスパルテーム(1:1重量比)混合物(添加剤) 1.6重量部
ルイボスティ(添加剤) 22.2重量部
スペアミントフレーバー(添加剤) 1.5重量部
上記の成分を上記の割合で配合した以外は、実施例1と同様の方法で眠気防止用可食フィルムを得た。
【0027】
実施例5
可食性フィルム構成成分 51.7重量部
L−メントール(眠気防止成分) 17.0重量部
カフェイン(眠気防止成分) 3.0重量部
β−シクロデキストリン(シクロデキストリン類) 1.5重量部
γ−シクロデキストリン(シクロデキストリン類) 1.5重量部
スクラロース/アスパルテーム(1:1重量比)混合物(添加剤) 1.6重量部
ルイボスティ(添加剤) 22.2重量部
スペアミントフレーバー(添加剤) 1.5重量部
上記の成分を上記の割合で配合した以外は、実施例1と同様の方法で眠気防止用可食フィルムを得た。
【0028】
実施例6
可食性フィルム構成成分 51.7重量部
L−メントール(眠気防止成分) 15.0重量部
カフェイン(眠気防止成分) 5.0重量部
β−シクロデキストリン(シクロデキストリン類) 1.5重量部
γ−シクロデキストリン(シクロデキストリン類) 1.5重量部
スクラロース/アスパルテーム(1:1重量比)混合物(添加剤) 1.6重量部
ルイボスティ(添加剤) 22.2重量部
スペアミントフレーバー(添加剤) 1.5重量部
上記の成分を上記の割合で配合した以外は、実施例1と同様の方法で眠気防止用可食フィルムを得た。
【0029】
実施例7
可食性フィルム構成成分 56.7重量部
L−メントール(眠気防止成分) 15.0重量部
β−シクロデキストリン(シクロデキストリン類) 1.5重量部
γ−シクロデキストリン(シクロデキストリン類) 1.5重量部
スクラロース/アスパルテーム(1:1重量比)混合物(添加剤) 1.6重量部
ルイボスティ(添加剤) 22.2重量部
スペアミントフレーバー(添加剤) 1.5重量部
上記の成分を上記の割合で配合した以外は、実施例1と同様の方法で眠気防止用可食フィルムを得た。
【0030】
比較例1
可食性フィルム構成成分 61.7重量部
L−メントール(眠気防止成分) 10.0重量部
カフェイン(眠気防止成分) 3.0重量部
スクラロース/アスパルテーム(1:1重量比)混合物(添加剤) 1.6重量部
ルイボスティ(添加剤) 22.2重量部
スペアミントフレーバー(添加剤) 1.5重量部
上記の成分を上記の割合で配合した以外は、実施例1と同様の方法で眠気防止用可食フィルムを得た。
【0031】
比較例2
可食性フィルム構成成分 56.7重量部
L−メントール(眠気防止成分) 15.0重量部
カフェイン(眠気防止成分) 3.0重量部
スクラロース/アスパルテーム(1:1重量比)混合物(添加剤) 1.6重量部
ルイボスティ(添加剤) 22.2重量部
スペアミントフレーバー(添加剤) 1.5重量部
上記の成分を上記の割合で配合した以外は、実施例1と同様の方法で眠気防止用可食フィルムを得た。
【0032】
試験例
(1)剥離性評価
各実施例および各比較例で得られた眠気防止用可食フィルムを20枚重ねて、室温に1ヶ月間放置した後、フィルムの剥離性を評価した。その結果を表1に示す。
なお、剥離性評価は下記の基準による。
【0033】
◎:各フィルム同士が付着せず、各フィルムごとに、円滑に剥離できた。
○:各フィルム同士は付着しないが、破れが生じやすくなった。
△:フィルムが数枚ずつの塊になり、数枚ずつの塊になったフィルムの剥離においては、一部のフィルムに破れが生じた。
××:フィルムが一塊になり、一塊になったフィルムの剥離においては、フィルムに破れが生じた。
(2)刺激性評価
各実施例および各比較例で得られた眠気防止用可食フィルムを、室温に1ヶ月間放置した後のフィルムの刺激性について、製造直後のフィルムの刺激性と比較評価した。その結果を表1に示す。
【0034】
なお、刺激性評価は下記の基準による。
○:全く変化はなかった。
△:刺激が少し弱くなった。
×:刺激が明らかに弱くなった。
(3)刺激持続性評価
各実施例および各比較例で得られた眠気防止用可食フィルムを、健康な男女各5名が各自の口内に入れ、刺激がなくなるまでの時間を測定して、全員の評価の平均を取った。その結果を表1に示す。
【0035】
なお、刺激持続性評価は下記の基準による。
◎:はっきりした、心地よい刺激が均一に20分間以上続いた。
○:刺激は20分間以上続くが、経過時間ごとに刺激にむらがあった。
△:10分間程度で刺激がなくなった。
×:2分間程度で刺激がなくなった。
(4)刺激評価
各実施例および各比較例で得られた眠気防止用可食フィルムを、健康な男女各5名が各口内に入れた直後の刺激を評価し、全員の評価の平均を取った。その結果を表1に示す。
【0036】
なお、刺激評価は下記の基準による。
○:はっきりとした、心地よい刺激が得られた。
△:刺激が弱かった。
×:刺激が強く、苦痛を伴った。
【0037】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
可食性フィルム構成成分と、眠気防止成分と、シクロデキストリン類とを含有することを特徴とする、眠気防止用可食フィルム。
【請求項2】
可食性フィルム構成成分が、デンプンおよび/またはゼラチンを含有することを特徴とする、請求項1に記載の眠気防止用可食フィルム。
【請求項3】
眠気防止成分が、L−メントールを含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の眠気防止用可食フィルム。
【請求項4】
シクロデキストリン類が、β−シクロデキストリンおよびγ−シクロデキストリンを含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の眠気防止用可食フィルム。

【公開番号】特開2007−277112(P2007−277112A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−102153(P2006−102153)
【出願日】平成18年4月3日(2006.4.3)
【出願人】(000227331)株式会社ソフト99コーポレーション (84)
【Fターム(参考)】