説明

眼内レンズ

水晶体嚢(Capsular Sac)内に挿入される眼内レンズにおいて、中心部の厚さが前記中心部周辺の厚さより薄い第1オプテック(Optic)体及び前記第1オプテック(Optic)体と結合され、少なくとも中心部での厚さが前記第1オプテック(Optic)体と同一またはさらに厚い第2オプテック(Optic)体を含むオプテック(Optic)部;及び前記オプテック(Optic)部に連結される連結台と、前記連結台の外周と連結され前記水晶体嚢(Capsular Sac)内面と接触する第1支持台を含むヘプテック(HAPTIC)部を含んで構成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は眼内レンズに係り、より詳しくは水晶体嚢(Capsular Sac)内に備えられる眼内レンズに関することである。
【背景技術】
【0002】
水晶体に異常がある眼科的疾病、例えば白内障などの治療方法として、水晶体嚢(Capsular Sac)内部にある水晶体(lens)の内容物を除去し、その空間に人工で製造した眼内レンズ(intraocular lens)を挿入する手術が現在全世界的に多く施行されている。
【0003】
眼内レンズを挿入する場合、眼内レンズは天然水晶体の代わりに患者に混濁のない視野を提供することができる。ところが、眼内レンズはいろいろの利点にも拘らず眼内レンズが挿入された後、眼内レンズが挿入された水晶体嚢(Capsular Sac)が手術の後に収縮するという問題点を持つ。
【0004】
したがって、最近では眼内レンズの挿入前に水晶体嚢(Capsular Sac)の赤道領域に水晶体嚢テンションリング(capsular tention ring)を挿入し、水晶体嚢テンションリング(capsular tention ring)に眼内レンズを固定させる方法が多く用いられている。
【0005】
水晶体嚢テンションリング(capsular tention ring)は開放または閉鎖された環状体であって、水晶体嚢(Capsular Sac)の収縮を一部緩和し、水晶体レンズの除去された水晶体嚢(Capsular Sac)の形状を一部維持するうえ、挿入された眼内レンズを容易に支持するという効果がある。
【0006】
現在、水晶体嚢テンションリング(capsular tention ring)をさらに效率よく利用するために、水晶体嚢テンションリング( capsular tention ring)の挿入を容易にする構造や、後嚢の混濁を防止するための構造等に関する研究が行われている。
【0007】
ところが、従来の眼内レンズ挿入施術におけるより大きい問題点は手術の後、水晶体嚢(Capsular Sac)の前嚢と後嚢とがお互いに付着し合って、毛樣小帶(Zonule of Zinn)の弛緩と収縮を伝達して水晶体の厚さを調節する本来の機能を失ってしまうことである。
【0008】
すなわち、手術の後、患者の目は見ようとする物体に応じて能動的な3次元運動をして視野を確保するのではなく、眼内レンズで定められる度数による受動的な視野を確保するという問題点を持つ。
【0009】
以下、添付図面を参照して、従来の技術に係る眼内レンズ挿入施術の問題点について説明する。
【0010】
図1は人間の眼球を示す断面図、図2は天然水晶体の構造を説明するための断面図である。図1と図2を参照すると、角膜(10、Cornea)は目の最も外側にある透明な無血管組織であって、眼球を保護し、水晶体と共に光の屈折を担当する。紅彩(20、Iris)は目に入射する光の量を調節してカメラの絞りと同様の役割を担当する。また、瞳孔(30、Pupil)は紅彩(20)の中央に開いている孔であって、明るい光の下では大きさが縮小し、暗い所では大きさが拡大することにより、網膜(40)に入りこむ光の量を調節する。
【0011】
水晶体(50、lens)は凸レンズ状の両面を有し、無血管で無色透明な構造物であって、紅彩(20)の後ろに位置する。水晶体(50、lens)は角膜(10)と共に目に入射する光の屈折を担当する器官である。水晶体(50、lens)の形状は、毛様体筋(60)及びこれに連結された毛樣小帶(70)の収縮及び弛緩によって変化する。
【0012】
老眼は年を取るにつれて水晶体(50)の硬さが毎年増加し、毛様体筋(60)が収縮しても水晶体(50)の形状が変わらなくなった状態である。白内障は、年を取るにつれて水晶体(50)が混濁になる疾病である。
【0013】
水晶体(50)は水晶体嚢(Capsular Sac)(80)内に挿入されている。水晶体嚢(Capsular Sac)(80)は前嚢(80a、anterior capsule)と後嚢(80b、posterior capsule)からなり、それぞれ水晶体(50)の前方面(51)と後方面(55)に接する。この際、水晶体(50)の前方面(51)と後方面(55)は赤道(E)でお互いに連結される。各前方面(51)と後方面(55)は赤道(E)からの距離によって中央部(a)と赤道部(b)に区分される。前方面(51)の中央部(a)は後方面(55)の中央部(a)より曲率が小さく、前方面(51)の赤道部(b)は後方面(55)の赤道部(b)より曲率が大きいという特徴がある。
【0014】
水晶体嚢(Capsular Sac)(80)の縁部に沿って毛樣小帶(70)が連結される。毛樣小帶(70)は 毛様体筋(60)と水晶体嚢(Capsular Sac)(80)をお互いに連結する一種の繊維組織であって、水晶体嚢(Capsular Sac)(80)の前嚢(80a)と後嚢(80b)とが出会う赤道部の中央に連結される第1小帯と赤道部の周辺に連結される第2小帯とから構成される。
【0015】
図3及び図4はそれぞれ遠距離と近距離を注視する時の毛樣小帶、水晶体及び水晶体嚢(Capsular Sac)の作用を説明するための説明図である。本明細書において、Y方向は水晶体の視軸方向、X方向は水晶体の赤道方向をそれぞれ意味する。水晶体の視軸方向は瞳孔を介して水晶体(50)に光が入射する方向であり、水晶体の赤道方向は視軸方向に対して垂直な方向であって、前嚢と後嚢とが出会う地点を連結する方向である。
【0016】
遠距離を注視するときには、毛樣小帶(70)のうち 水晶体嚢(Capsular Sac)(80)の赤道部の中央に連結される第1小帯(73)はぴんと張っており、水晶体嚢(Capsular Sac)(80)の赤道部の周辺に連結される第2小帯(71)は緩んでいる。これにより、水晶体嚢(Capsular Sac)(80)が水晶体(50)のX方向に伸び、内部に位置した水晶体(50)も同じ方向に伸びる。
【0017】
近距離を注視する時には毛樣小帶(70)のうち水晶体嚢(Capsular Sac)(80)の赤道部の中央に連結される第1小帯(73)は緩んでおり、水晶体嚢(Capsular Sac)(80)の赤道部の周辺に連結される第2小帯(71)はぴんと張っている。これにより、水晶体嚢(Capsular Sac)(80)が水晶体(50)のY方向に膨らみ、内部に位置した水晶体(50)も同じ方向で伸びる。上述したように、天然水晶体を内部に持つ水晶体嚢(Capsular Sac)(80)は毛樣小帶(70)に連結され、能動的で天然水晶体の形状を変形させることに関与するが、従来の技術に係る眼内レンズ及び水晶体嚢テンションリング(capsular tention ring)を使用する場合、水晶体嚢(Capsular Sac)は収縮してその機能を実質的に失ってしまう。
【0018】
特に、毛樣小帶と連結されて水晶体の形状変形に関与する毛様体筋は、死亡時まで疲れずに機能を維持する内臓筋であって、水晶体の損傷があっても毛様体筋の能力は損傷しないという点に鑑みて、健康な毛様体筋の能力を人為的に消滅させる従来方式の改善が切実に求められる。
【0019】
一方、従来の眼内レンズ及び水晶体嚢テンションリング(capsular tention ring)は、特許文献1、特許文献2及び特許文献3などの多数の文献に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】米国特許公開番号 第2006−0244904号
【特許文献2】米国特許公開番号 第2006−0001186号
【特許文献3】米国特許公開番号 第2003−0149479号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、上述した問題点を解決するためのもので、その目的とするところは眼内レンズが天然水晶体の動作と類似な動きを持つように構成される眼内レンズを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記目的を達成するために、本発明によれば、水晶体嚢(Capsular Sac)内部に挿入される眼内レンズにおいて、中心部の厚さが前記中心部の周辺の厚さより薄い第1オプテック(Optic)体及び前記第1オプテック(Optic)体と結合され少なくとも中心部において厚さが前記第1オプテック(Optic)体と同じまたはより厚い第2オプテック(Optic)体を含むオプテック(Optic)部;及び前記オプテック(Optic)部に繋がれる連結台と、前記連結台の外周と繋がれ前記水晶体嚢(Capsular Sac)内面と接する第1支持台を含むヘプテック(Haptic)部とを含んで構成されるということを特徴とする。
【0023】
この際、前記第1オプテック(Optic)体は前記第2オプテック(Optic)体より柔軟な材質であってもよい。
【0024】
また、前記第1オプテック(Optic)体は内面及び外面を含んで、前記内面及び前記外面は球面または非球面でもよく、前記内面は前記外面より曲率が大きい球面であるかより非球面であることが好ましい。
【0025】
また、前記第1支持台が前記水晶体嚢(Capsular Sac)の内面に接触する面は丸い形状であることが好ましい。
【0026】
また、前記連結台はオプテック(Optic)部の外周の少なくとも二つ以上の区間において繋がれた支柱形状構造体であることが好ましい。
【0027】
また、前記第1支持台は前記連結台のオプテック(Optic)部の反対側支柱端部を少なくとも二つ以上連結する構造体であることが好ましい。
【0028】
また、前記第1支持台は前記連結台のオプテック(Optic)部の反対側支柱の端部を全て連結する環形構造体であることが好ましい。
【0029】
また、前記支柱のオプテック(Optic)部側の端部には前記オプテック(Optic)部側の端部を連結する第2支持台をさらに設けることが好ましい。
【0030】
また、前記支柱の両端部は前記支柱の中央より断面積が大きいことが好ましい。
【0031】
また、前記第2支持台の内面はオプテック(Optic)部中心に向けて凹んでいる形状であることが好ましい。
【0032】
また、前記第2支持台はオプテック(Optic)部の外周に連結することができる。
【0033】
また、前記第2支持台はオプテック(Optic)部の内部に挿入されたことが好ましい。
【0034】
また、前記連結台は前記オプテック(Optic)部外周の全区間において繋がっているディスク形状の構造体であることが好ましい。
【0035】
また、前記連結台は前記オプテック(Optic)部の外周が少なくとも二つ以上の区間において繋がれ、分割されたディスク形状構造体であることが好ましい。
【0036】
また、前記第1支持台はディスク形状の連結台の端部の外周に形成されもよい。
【0037】
また、前記オプテック(Optic)部と前記第1支持台は前記連結台よりさらに柔軟な材料で構成されてもよい。
【0038】
また、前記オプテック(Optic)部と前記第1支持台は前記連結台のような材料で成され、前記連結台よりさらに薄い厚さで構成されてもよい。
【0039】
また、前記第1支持台は前記連結台の端部に沿って延長される構造体であって、前記水晶体嚢(Capsular Sac)の内面と少なくとも1点で接触する第1面と、前記第1面の反対面である第2面を有し、前記第1支持台を水晶体の視軸方向(Y方向)の仮想平面に沿って切断した断面において、前記第1面は前記水晶体嚢(Capsular Sac)の外面に毛樣小帶が連結された領域の長さ(d5)の3/4倍〜3倍の長さで設けられることができる。
【0040】
また、前記第1面は前記第2面より柔軟性のある材質で構成されてもよい。
【0041】
また、前記第1面と前記第2面の材質が同一であり、前記第1面が前記第2面よりさらに薄く構成されることができる。
【0042】
また、前記第1面と前記第2面とは同一の材質及び同一の厚さで構成されることができる。
【0043】
また、前記第1面の表面は他の部分の表面より粗さが大きく構成されることができる。
【0044】
また、前記第1面の表面には前記水晶体嚢(Capsular Sac)への装着を容易にする装着材がさらに含まれることができる。
【0045】
また、前記装着材は組織グルー(Tissue Glue)またはグルー(Glue)であることが好ましい。
【0046】
また、前記眼内レンズの内には流動空間が設けられることが好ましい。
【0047】
また、前記流動空間は少なくとも前記第1オプテック(Optic)体と前記第2オプテック(Optic)体との間には設けられることが好ましい。
【0048】
また、前記流動空間は前記第1オプテック(Optic)体と前記第2オプテック(Optic)体との間に設けられる第1空間部、前記連結台の内部に設けられる第2空間部、及び前記第1支持台内部に設けられる第3空間部を含むことが好ましい。
【0049】
また、前記第1空間部、前記第2空間部及び前記第3空間部はお互い繋がれてもよい。
【0050】
また、前記流動空間には液体、気体及び流動性固体よりなる群から選ばれるいずれか一つが充填されることが好ましい。
【0051】
また、前記液体は水、シリコーン、ヒアルロン酸ナトリウム(Sodium hyaluronate)、コーンドロイチン硫酸(Chondroitin sulfate)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Hydroxypropyl methylcellulose)及びポリアクリルアミド(Polyacrylamide)よりなる群から選ばれるいずれか一つであることが好ましい。
【0052】
また、前記気体は空気、窒素、ヘリウム、ネオン及びアルゴンよりなる群から選ばれるいずれか一つであることが好ましい。
【0053】
また、前記第1面及び前記第2面の中、少なくとも第1面は前記第2面から前記第1面に向かう方向に膨らんでいることが好ましい。
【0054】
また、前記第1面は水晶体嚢(Capsular Sac)の前嚢と後嚢にそれぞれ対応する区間であって、赤道によって区分される前面部と後面部を含み、前記前面部の曲率は後面部の曲率よりさらに大きいことが好ましい。
【0055】
また、前記眼内レンズの水晶体視軸方向(Y方向)の仮想平面に沿って切断された前記第1支持台の第1面の断面形状において、赤道から前記前面部の終点までの延長長さ(d1)及び赤道から前記後面部の終点までの延長長さ(d2)は1mm〜4.2mmであることのが好ましい。
【0056】
また、前記赤道から前記前面部の終点までの延長長さ(d1)は、前記赤道から後面部の終点までの延長長さ(d2)より短いことが好ましい。
【0057】
また、前記眼内レンズの水晶体視軸方向(Y方向)の仮想平面に沿って切断した前記第1支持台の第1面の断面形状は、接触する前記水晶体嚢(Capsular Sac)の内面と一致することが好ましい。
【0058】
また、前記第1空間部は少なくとも一面が膨らんでいる凸レンズ形状に形成されることが好ましい。
【0059】
また、前記第1空間部は少なくとも一面が非球面である非球面凸レンズ 形状に形成されることが好ましい。
【0060】
また、前記第2オプテック(Optic)体は中心部から赤道部に行くほど厚くなることが好ましい。
【0061】
また、前記第2オプテック(Optic)体は内面及び外面を含んで、前記内面及び前記外面は球面または非球面であって、前記内面は前記外面よりさらに曲率が大きい球面またはさらに非球面であることが好ましい。
【0062】
また、前記第1オプテック(Optic)体と第2オプテック(Optic)体は同一な厚さで中心部から赤道部に行くほど厚くなることが好ましい。
【0063】
また、前記眼内レンズの材料はシリコーン(Silicone)、シリコーンエラストマ(Silicone elastomer)、シリコーン ポリマー(Silicone polymer)、ポリジメチルシロキサン(Polydimethyl siloxane)、ポリプロピレン(Polypropylene)、ポリイミド(Polyimide)、ポリブテステル(Polybutester)、PMMA(polymethyl methacrylate )、マイクロプレクス PMMA(Microplex PMMA)、CQ−UV PMMA、アクリル樹脂(Acrylic)、硬性アクリル(Rigid acrylic)、柔軟性アクリル(Flexible acrylic)、アクリルプラスチック(Acrylate plastic)、疎水性アクリル(Hydrophobic acrylic)、親水性アクリル(Hydrophilic acrylic)、 親水性アクリル高分子(Hydrophilic acrylic polymer)、紫外線吸収アクリレート(UV absorbing acrylate)、メタクリレートコポリマー(Methacrylate copolymer)、ブチルアクリレート(butyl acrylate)、ポリシロキサンエラストマー(Polysiloxane elastomer)、紫外線吸収ポリシロキサン(UV absorbing polysiloxane)、コラーゲンコポリマー(Collagen copolymer)、金(Gold)、ヒドロゲル(Hydrogel)、HEMA(2−hydroxyethyl methacrylate)、MMA(methyl methacrylate)、CAB(cellulose acetate butylate)、2−HAMA(2−hydroxy ethyl methacrylate)、NVP(n−vinyl pyrrolidone)、PVP(polyvinyl pyrrolidone)、MA(methacrylic acid)、GMA(glycerol methacrylate)、DMS(dimethyl siloxane)、PHEMA(polyhydroxyethyl methacrylate)、PEGMMA(polyethylenehlycol methacrylate)、ポリHEMAヒドロゲル(Poly HEMA hydrogel)、紫外線吸収ポリHEMAヒドロゲル(Poly HEMA hydrogel with UV absorption)、シリコーンヒドロゲル(Silicone hydrogels)、GMA/HEMA、HEMA/PVP/MA、PVA、HEMA/PVA/MA、HEMA/PVA/MMA、HEMA/MMA、HEMA/NVP、HEMA/NVP/MA、HEMA/NVP/MMA、HEMA/Acryl及びHEMA/PCよりなる群から選ばれるいずれか一つで構成されることが好ましい。
【0064】
また、前記第1オプテック(Optic)体は中心部から周辺に行くほど厚くなる区間を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0065】
本発明に係る眼内レンズは毛様体筋から発生して、毛樣小帶及び水晶体嚢(Capsular Sac)を介てし伝達される力を、水晶体嚢(Capsular Sac)内部に挿入される眼内レンズに伝達することになり、眼内レンズが天然水晶体レンズと同様に動作することを可能にするという効果がある。
【0066】
したがって、本発明に係る眼内レンズは白内障、老眼、高度近視などを治療するための眼内レンズ挿入手術に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】人間の眼球を示す断面図である。
【図2】天然水晶体の構造を説明する断面図である。
【図3】遠距離を注視する場合、毛樣小帶、水晶体の相互作用を説明するための説明図である。
【図4】近距離を注視する場合、毛樣小帶、水晶体の相互作用を説明するための説明図である。
【図5】本発明の第1実施例に係る眼内レンズの斜視図である。
【図6】図1のI−I’線に沿った断面図である。
【図7】本発明の第1実施例によって遠距離を注視する時の毛樣小帶、眼内レンズ及び水晶体嚢(Capsular Sac)の作用を説明するための説明図である。
【図8】本発明の第1実施例によって近距離を注視する時の毛樣小帶、眼内レンズ及び水晶体嚢(Capsular Sac)の作用を説明するための説明図である。
【図9】本発明の第2実施例に係る眼内レンズの斜視図である。
【図10】図9のI−I’線に沿った断面図である。
【図11】本発明の第2実施例に係る眼内レンズの変形例を示す眼内レンズの斜視図である。
【図12】本発明の第3実施例に係る眼内レンズの断面図である。
【図13】本発明の第3実施例によって遠距離を注視する時の毛樣小帶、眼内レンズ及び水晶体嚢(Capsular Sac)の作用を説明するための説明図である。
【図14】本発明の第3実施例によって近距離を注視する時の毛樣小帶、眼内レンズ及び水晶体嚢(Capsular Sac)の作用を説明するための説明図である。
【図15】本発明の第4実施例に係る眼内レンズを示す眼内レンズの斜視図である。
【図16】本発明の第5実施例に係る眼内レンズを示す眼内レンズの斜視図である。
【図17】本発明の第6実施例に係る眼内レンズを示す眼内レンズの斜視図及び水晶体の視軸方向の仮想平面に沿った断面図である。
【図18】本発明の第6実施例に係る眼内レンズを示す眼内レンズの斜視図及び水晶体の視軸方向の仮想平面に沿った断面図である。
【図19】本発明の第6実施例に係る眼内レンズを示す眼内レンズの斜視図及び水晶体の視軸方向の仮想平面に沿った断面図である。
【図20】図17の実施例に係る眼内レンズの水晶体の赤道方向の仮想平面に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施例をついて詳細に説明する。
【0069】
図5は本発明の一側面に沿った眼内レンズ(Intraocular Lens;IOL)の実施例を示す斜視図であり、図6は図5のI−I’線に沿った断面図である。
【0070】
これによれば、眼内レンズ(110)は水晶体嚢(Capsular Sac)内部に挿入される人工レンズであり、本実施例の眼内レンズ(110)はオプテック(Optic)(121)部とヘプテック(Haptic)部(123)に分ける。
【0071】
オプテック(Optic)部(121)はハードレンズの中、眼の瞳孔の後に位する天然水晶体のレンズの役割を遂行する部分であり、主に凸レンズ形状(ただ、一部の超高度近視患者では凹レンズ形状)を有する。
【0072】
オプテック(Optic)部(121)は中心部から周辺部に行くほど厚くなる第1オプテック(Optic)体(121a)、及び第1オプテック(Optic)体(121a)と結合され中心部において厚さが前記第1オプテック(Optic)C体(121a)より同一またはさらに厚い第2オプテック(Optic)体(121b)を含む。
【0073】
この際、前記第1オプテック(Optic)体(121a)の外面よりは内面がさらに曲率が大きい球面またはさらに非球面であることが好ましい。
【0074】
また、第1オプテック(Optic)体(121a)及び第2オプテック(Optic)体(121b)の膨らみの程度(Convexity)は異なることができる。すなわち、人間の水晶体の前方面及び後方面のようにお互いに異なることができ、前面の曲率が背面の曲率より小さなことが好ましい。
【0075】
一方、オプテック(Optic)部(121)の形状は限定されないが、通常凸レンズ形状に設けられることが好ましく、この場合、オプテック(Optic)部(121)の直径は全体眼内レンズ(110)の直径の0.2〜0.8倍に構成できる。
【0076】
オプテック(Optic)部(121)を第1オプテック(Optic)体(121a)と第2オプテック(Optic)体(121b)の二つの切れで構成することはオプテック(Optic)部(121)の形状変形をより容易くするためである。
【0077】
第1オプテック(Optic)体(121a)の厚さ(L1)は水晶体の視軸方向(Y方向)の仮想平面を沿って切断した断面において、前記第2オプテック(Optic)体(121b)の厚さ(L2)より薄い。これは後述のようにオプテック(Optic)部(121)に機械的または流体的な力が伝達される場合、実際の水晶体において前面の形状変形がさらに多いことのように、第1オプテック(Optic)体(121a)の形状変形が第2オプテック(Optic)体(121b)よりもっと誘導されるようにするためである。
【0078】
また、第1オプテック(Optic)体(121a)とは異なる第2オプテック(Optic)体(121b)の厚さ(L2)は、後述する機械式では中心部がより厚いことが有利であるが、後述する流圧式への機能を高め、中心部に裏表面が非球面になった流動空間を確保すれば、中心部から周辺部に行くほど厚くなるようにすることが好ましい。これも、天然水晶体の構造を取ったことであり、オプテック(Optic)部の中央部が周辺部より形状変形を容易にし、さらに天然水晶体と類似しているように機能するためである。
【0079】
ヘプテック(HAPTIC)部(123)はオプテック(Optic)部(121)の縁部から連結され、ヘプテック(HAPTIC)部(123)は複数の支柱(122)を有する。ヘプテック(HAPTIC)部(123)の支柱(122)は少なくとも二つ以上が設けられ伝達される力を釣り合うように眼内レンズ(110)に伝達できるようする。本実施例においては支柱(122)のオプテック(Optic)部反対側の断部(122b)に水晶体嚢(Capsular Sac)内面(または眼内レンズ支持体が設けられる場合、その内面、以下から水晶体嚢(Capsular Sac)内面であるとすることは眼内レンズ支持体のその内面を含む)と接触する支持台(125)をさらに設ける。支持台は支柱(122)の断部(122b)においてそれぞれ延長される第1面(111)と第2面(113)を含む。
【0080】
第1面(111)は水晶体嚢(Capsular Sac)の赤道部に少なくとも1点以上で接するようになり、第2面(113)は第1面(111)と対向して形成され、各支柱(122)のオプテック(Optic)部反対側の断部(122b)に連結される。この際、少なくとも第1面(111)は、第2面(113)から前記第1面(111)に向ける方向、すなわち水晶体嚢(Capsular Sac)内部から外部に向ける方向であり、膨らんでいる。
【0081】
また、第1面(111)は水晶体嚢(Capsular Sac)の前嚢と後嚢にそれぞれ対応し、赤道(E)により区分される前面部(111a)と後面部(111b)を有する。
【0082】
この際、眼内レンズ(110)のオプテック(Optic)部を水晶体の視軸方向(Y方向)の仮想平面を沿って切断した断面において、第1面(111)の前面部(111a)は後面部(111b)より大きい曲率を有する。これは第1面(111)の水晶体の視軸方向(Y方向)の仮想平面に沿って切断した断面が天然水晶体レンズの赤道部断面形状と同一の形状を持つようにするためであり、前述したように、水晶体中央部の前方面は後方面より小さい曲率を持っているが赤道部に接近しながら曲率が変わる形状だからである。より好ましく、第1面(111)は手術患者固有の水晶体の断面形状と同様に形成される。手術前患者の水晶体の断面形状は超音波映像、CT及びMRI等に撮影することができ、第1面(111)の断面形状は散瞳時と縮瞳時の中間程度の断面形状、または3〜4mmの瞳孔サイズ時の水晶体の断面形状と一致する形状を持つことができる。
【0083】
したがって、第1面(111)は水晶体嚢(Capsular Sac)の内面と形状がお互いに一致する。
【0084】
水晶体の視軸方向(Y方向)の仮想平面を沿って切断された断面において、第1面(111)は水晶体嚢(Capsular Sac)の外面に毛樣小帶が連結された領域の断面の長さ(d5、図7参照)の3/4倍〜3倍の長さで設けられることが好ましい。3/4倍より小さい場合には毛樣小帶の動きに従って眼内レンズに伝達される力を效率よく伝達することができず、3倍より大きい場合には、眼内レンズのオプテック(Optic)部を遮るおそれがある。
【0085】
より好ましく、眼内レンズ(110)の水晶体の視軸方向(Y方向)の仮想平面に沿って切断された断面において、赤道(E)から前面部(111a)の終点までの延長長さ(d1)及び赤道から後面部(111b)の終点までの延長長さ(d2)は通常1mm〜4.2mmである。4.2mm超過の場合には、手術の際に挿入し難くなり、オプテック(Optic)部(121)がとても小さくなるという問題点があり、1mm未満の場合には支持台(125)が毛樣小帶の第2小帶(171)が水晶体嚢(Capsular Sac)に連結される地点より内側に設けられ、毛様体筋から発生して毛樣小帶の動きに従って伝達される力を眼内レンズ(110)に適切に伝達することができないため、眼内レンズ(110)の体積変化が十分に行われないという問題点がある。この際、第1面の水晶体の視軸方向(Y方向)の仮想平面を沿って切断した断面の全体長さは2mm〜8.4mmである。一方、第1面(111)には眼内レンズ(110)が水晶体嚢(Capsular Sac)によく装着されるように、表面粗さを高くし、あるいは別途の装着材を使用することができる。これにより、眼内レンズが安定な位置で固定できる。装着材としては例えば、組織グルー(Tissie Glue)またはグルー(Glue)が使用できる。
【0086】
第2面(113)は眼内レンズ(110)の支柱(122)が結合する面である。水晶体の視軸方向(Y方向)の仮想平面に沿って切断された前記眼内レンズの前記支持台(125)第2面の全体延長長さ(d4)は第1面(111)の全体延長長さ(d3=d1+d2)と同一または短くする。第2面(113)の視軸方向(Y)に全体延長長さ(d3)を第1面(111)の全体延長長さ(d4=d1+d2)と同一または短くすることは、毛樣小帶から第1面(111)に伝達される力を第2面(113)に伝達する時に増幅または維持させるためである。
【0087】
すなわち、第1面(111)に毛樣小帶からF1の力が伝達される場合、第2面(113)に伝達される力はF2(=kF1,k≧1)となるためである。この際、kはd3とd4の長さ比によって決められる定数である。d3とd4の長さ比は患者の毛樣小帶の能力によって異なり、およそd4の長さはd3の長さの0.4〜1であることが好ましい。
【0088】
一方、眼内レンズ(110)において、オプテック(Optic)部(121)はヘプテック(HAPTIC)部(123)の支柱(122)を構成する材料より柔軟な材料または薄い厚さで構成されることが好ましい。これは、毛様体筋から誘導された毛樣小帶の動きにより伝達される力により效率よくオプテック(Optic)部(121)の形状が変形を起こすためである。ここで柔軟だということは軟らかくて変形がよく起きるという意味である。
【0089】
ヘプテック(HAPTIC)部(123)の支柱(122)は相対的にオプテック(Optic)部(121)より堅い(rigid)材料で構成されるが、機械的変形が起きるように弾性及び復原力があるようにする。この場合、より小さな眼球の切開で手術が可能である。
【0090】
この際、オプテック(Optic)部(121)とヘプテック(HAPTIC)部(123)とは前述した通り、それぞれお互いに異なる材質になされ、眼内レンズ(110)は複数の切れ(piece)で構成されることができる。また、オプテック(Optic)部(121)とヘプテック(HAPTIC)部(123)は同じ材質でなされるものの、ただし軟性の程度だけ異にして構成されることができる。
【0091】
また、ヘプテック(HAPTIC)部(123)の支持台(125)とヘプテック(HAPTIC)部(123)の支柱(122)とは柔軟性が同一または異なることができ、二つ以上の切れで構成され、あるいは一体で構成されることができる。支持台(125)は毛樣小帶の形状変形に伴う後述する眼内レンズ支持体の体積変化を直接反映する部分において支柱(122)より柔軟性ある材料を使用する場合、支持台(125)の形状変形がさらに効率よくなるであろう。
【0092】
眼内レンズが切れで構成される場合、各切れは接着剤、レーザー、熱を使用し接着することができる。
【0093】
眼内レンズの材料はシリコーン(Silicone)、シリコーンエラストマー(Silicone elastomer)、シリコーンポリマー(Silicone polymer)、ポリジメチルシロキサン(Polydimethyl siloxane)、ポリプロピレン(Polypropylene)、ポリイミド(Polyimide)、ポリブテステル(Polybutester)、PMMA(polymethyl methacrylate)、マイクロプレクス PMMA (Microplex PMMA)、CQ−UV PMMA、アクリル樹脂(Acrylic)、硬性アクリル(Rigid acrylic)、柔軟性アクリル(Flexible acrylic)、アクリルプラスチック(Acrylate plastic)、疎水性アクリル(Hydrophobic acrylic)、親水性アクリル(Hydrophilic acrylic)、 親水性アクリル高分子(Hydrophilic acrylic polymer)、紫外線吸収アクリレート(UV absorbing acrylate)、メタクリレートコポリマー(Methacrylate copolymer)、ブチルアクリレート(butyl acrylate)、ポリシロキサンエラストマー(Polysiloxane elastomer)、紫外線吸収ポリシロキサン(UV absorbing polysiloxane)、コラーゲンコポリマー(Collagen copolymer)、金(Gold)、ヒドロゲル(Hydrogel)、HEMA(2−hydroxyethyl methacrylate)、MMA(methyl methacrylate)、CAB(cellulose acetate butylate)、2−HAMA(2−hydroxy ethyl methacrylate)、NVP(n−vinyl pyrrolidone)、PVP(polyvinyl pyrrolidone)、MA(methacrylic acid)、GMA(glycerol methacrylate)、DMS(dimethyl siloxane)、PHEMA(polyhydroxyethyl methacrylate)、PEGMMA(polyethylenehlycol methacrylate)、ポリHEMAヒドロゲル(Poly HEMA hydrogel)、紫外線吸収ポリHEMAヒドロゲル(Poly HEMA hydrogel with UV absorption)、シリコーンヒドロゲル(Silicone hydrogels)、GMA/HEMA、HEMA/PVP/MA、PVA、HEMA/PVA/MA、HEMA/PVA/MMA、HEMA/MMA、HEMA/NVP、HEMA/NVP/MA、HEMA/NVP/MMA、HEMA/Acryl及びHEMA/PC等が使用できる。
【0094】
図7及び図8は本発明の第1実施例に係り、それぞれ遠距離と近距離を注視する時に毛樣小帶、眼内レンズ及び水晶体嚢(Capsular Sac)の作用を説明するための説明図である。
【0095】
毛樣小帶(170)は水晶体嚢(Capsular Sac)(180)の外面に連結され、毛樣小帶(170)は赤道周囲の領域で連結される。本明細書では毛樣小帶(170)が連結される領域を毛樣小帶連結領域(Z)という。
【0096】
遠距離を注視する時には毛樣小帶(170)のうち水晶体嚢(Capsular Sac)(180)の毛樣小帶連結領域(Z)の中央に連結される第1小帶(173)はぴんと張っており、水晶体嚢(Capsular Sac)(180)の毛樣小帶連結領域(Z)赤道部の周辺に連結される第2小帶(171)は緩んでいる。これにより、水晶体嚢(Capsular Sac)(180)の赤道部がX方向に伸びるようになって、内部に位置した弾性を持つ眼内レンズ(110)も同じ方向に伸びてより少し膨らむことになる。
【0097】
近距離を注視する時には毛樣小帶(170)のうち水晶体嚢(Capsular Sac)(180)の毛樣小帶連結領域(Z)の中央に連結される第1小帶(173)は緩んでおり、水晶体嚢(Capsular Sac)(180)の毛樣小帶連結領域(Z)の周辺に連結される第2小帶(171)はぴんと張っている。これにより、水晶体嚢(Capsular Sac)(180)の赤道部がY方向に膨らみ、内部に位置した弾性を持つ眼内レンズ(110)も同じ方向に伸びる。
【0098】
このように本実施例に係る眼内レンズ(110)を使用する場合、眼内レンズ(110)の厚さが天然水晶体と同様に調節できるようにする。すなわち、天然的な水晶体の厚さが、毛樣小帶に連結された水晶体嚢(Capsular Sac)(180)の作用によって調節できるのと同様に、本実施例に係る眼内レンズ(110)も厚さが調節できる。特に、本実施例では眼内レンズが機械的な変形だけを起こし、後述する第2実施例に比べて毛樣小帶の動きの伝達能力が弱いので、毛樣小帶の動きがより円滑な患者の場合に適する。
【0099】
この際、より柔軟性ある材料にオプテック(Optic)部(121)とヘプテック(HAPTIC)部(123)の支持台(125)を形成すれば、眼内レンズ形状の変形が效率よく起きることができる。
【0100】
次には、本発明の第2実施例を図9を参照して説明する。図9は本発明の一側面に係る眼内レンズ(Intraocular Lens;IOL)の1実施例を示す斜視図であり、図10は図9のI−I’線に沿った断面図である。
【0101】
第2実施例に係る眼内レンズは第1実施例と重複する事項は簡略に説明し、差異点を中心に説明する。
【0102】
これによれば、オプテック(Optic)部(221)は中心部から赤道部に行くほど厚くなる第1オプテック(Optic)体(221a)及び前記第1オプテック(Optic)体(221a)と結合され少なくとも中心部においての厚さが前記第1オプテック(Optic)(221a)体よりさらに厚い第2オプテック(Optic)体(221b)を含む。
【0103】
この際、前記第1オプテック(Optic)体(221a)は内面(221ab)と外面(221aa)を含み、少なくとも内面(221ab)は曲率が大きい球面であり、またはさらに非球面(aspheric surface)であることが好ましい。
【0104】
オプテック(Optic)部(221)を第1オプテック(Optic)体(221a)と第2オプテック(Optic)体(221b)の二つの切れで構成することはオプテック(Optic)部(221)の形状変形をより容易くするためである。
【0105】
第1オプテック(Optic)体(221a)の厚さ(L1)は水晶体視軸方向の仮想平面に沿って切断した断面において、前記第2オプテック(Optic)体(221b)の厚さ(L2)より薄い。これはオプテック(Optic)部(221)に機械的または流体的な力が伝達される場合、実際水晶体で前面の形状変形がより多いことのように、第1オプテック(Optic)体(221a)の形状変形が第2オプテック(Optic)体(221b)より誘導されるためである。
【0106】
第1オプテック(Optic)体(221a)と第2オプテック(Optic)体(221b)との間には空いている流動空間(231)が設けられる。流動空間(231)の大きさ及び形状は第1オプテック(Optic)体(221a)と第2オプテック(Optic)体(221b)の内面の形状と関連する。すなわち、流動空間(231)が小さい場合、少なくとも流動空間(231)は、第1オプテック(Optic)体(221a)に向け、前面と後面が膨らむが、それ故、前面の曲率が増加しながら凸レンズの形状に形成され始め、そして、流動空間(250)の体積が増加する場合、第1面は第1オプテック(Optic)体(221a)に向かって膨らむ凸レンズの形状で形成され、第2面は第2オプテック(Optic)体(221b)に向かって膨らむ凸レンズの形状で形成される。
【0107】
本図面で流動空間は小さく形成され、全体的に前面と後面は瞳孔に向けて膨らんでいるが、前面の曲率がより大きい球面であり、あるいはもっと非球面なので、全体的に凸レンズ形状を有する。一方、第2オプテック(Optic)体(221b)の厚さ(L2)において、前述した実施例のように流動空間がなく、機械的な変形だけを起こす場合は中心部がさらに厚いことが有利であるが、流動空間を具備する場合、すなわち、オプテック(Optic)体内部に前後面が非球面になって大きく形成された流動空間を確保すれば、中心部から赤道部に行くほど厚くなるようにすることが好ましい。これはまた、天然水晶体の構造を行なったことであり、オプテック(Optic)部の中央部が周辺部より形状変形を容易くして、天然水晶体ともっと類似に機能するようにするためである。
【0108】
ヘプテック(HAPTIC)部(223)はオプテック(Optic)部(221)の縁部から連結されるが、ヘプテック(HAPTIC)部(223)は複数の支柱(222)と支持台(225)とからなされる。ヘプテック(HAPTIC)部(223)の支柱(222)は少なくとも二つ以上が設けられ伝達される力を釣り合うように眼内レンズに伝達できるようにする。この際、支柱(222)の両端部(222a、222b)は中央より断面積が広いことが好ましい。これにより、それぞれオプテック(Optic)部及び支持台に安定的に結合されるからである。
【0109】
支持台(225)は水晶体嚢(Capsular Sac)から伝達される力をより釣り合うように伝達するための、支柱(222)のオプテック(Optic)部反対側端部(222b)が連結される環状形状体であり、第1面(211)と第2面(213)を含む。
【0110】
この際、支持台(225)の形状は多様に変更でき、支柱(222)の端部(222b)を少なくとも二つ以上連結することならば、その形状に制限されない。すなわち、図11と同様に形成することも可能である。
【0111】
第1実施例と第2実施例に係る眼内レンズは毛樣小帶から伝達される力が眼内レンズ(210)に機械的に伝達され、眼内レンズ(210)のオプテック(Optic)部(221)の厚さを調節できるようになる。
【0112】
第2実施例においても眼内レンズの材料は同一に適用されることができ、その作用も当業者が第1実施例の記載によって容易に実施できることであるから、これに対する詳細な説明は略する。
【0113】
一方、より眼内レンズの形状の変形を效率よく成すため、本発明の第3実施例を説明する。図12は本発明の第3実施例に係る眼内レンズの水晶体視軸方向の仮想平面を示す断面図である。
【0114】
第3実施例に係る眼内レンズ(310)は第1実施例または第2実施例の眼内レンズと類似の構造を持つが、眼内レンズ(310)内部に流体が充填される流動空間(350)を設け、前記流動空間(350)には流体が充填できるという点において差がある。
【0115】
この際、流動空間(350)は大きさ及び形状が多様に変形できる。流動空間(231)の大きさ及び形状は第1オプテック(Optic)体(221a)と第2オプテック(Optic)体(221b)の内面の形状と関連する。流動空間(231)が小さいほど少なくとも流動空間(231)の前面及び背面が全て第1オプテック(Optic)体(221a)に向けて膨らんでいる凸レンズの形状に形成され始め、流動空間が大きくなるほど前面は第1オプテック(Optic)体(221a)に向けて膨らんで、背面は第2オプテック(Optic)体(221b)に向けて膨らんでいる凸レンズの形状に形成される。
【0116】
本実施例と同様に、流体が充填される流動空間を持つ場合、前面及び背面が全て非球面であり、膨らんでいる凸レンズの形状に形成されることが好ましい。
【0117】
この際、第1オプテック(Optic)体(221a)及び第2オプテック(Optic)体(221b)の厚さは中心部から赤道部に行くほど厚くなる。
【0118】
流動空間(350)に充填される流体は水、空気、シリコーン、粘弾性物質が用いられる。粘弾性物質の例としてはヒアルロン酸ナトリウム(Sodium hyaluronate)、コンドロイチン硫酸(Chondroitin sulfate)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Hydroxypropyl methylcellulose)及びポリアクリルアミド(Polyacrylamide)などが用いられることができる。
【0119】
好ましく、流動空間(330)はオプテック(Optic)部(321)内部の第1空間部(331)、及び連結台(322)内部の第2空間部(333)、及び支持台(325)内部の第3空間部(335)になされることができる。第1空間部(331)、第2空間部(333)及び第3空間部(335)はお互いに連結され、あるいは連結されないこともあるが、お互いに連結される場合、流体的な力に係る眼内レンズ(310)の変形が容易である。
【0120】
本実施例では第1空間部(331)、第2空間部(333)及び第3空間部(335)が連結している。これに伴い、内部に充填された流体は外力に係って流動空間(330)の第1空間部(331)、第2空間部(333)及び第3空間部(335)を流動する。
【0121】
流動空間(330)に充填される流体は水、空気、不活性気体、シリコーン、粘弾性物質が用いられる。不活性気体の例としては窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンなどであり、粘弾性物質の例としてはヒアルロン酸ナトリウム(Sodium hyaluronate)、コンドロイチン硫酸(Chondroitin sulfate)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Hydroxypropyl methylcellulose)及びポリアクリルアミド(Polyacrylamide)などが用いられる。
【0122】
第1空間部(331)に気体や水が充填される時、低い屈折率のゆえにオプテック(Optic)部(321)が低い度数のレンズ役割もできるようになって、超高度近視の手術に利用されるマイナスレンズの製作も可能なことである。
【0123】
第2空間部(333)は支柱(322)に形成される空間であり、この時に支柱(322)は一種の連結管と同様の役割をして第1空間部(331)と第3空間部(335)との間で流体が流動できるようにする。第3空間部(335)は前述したように支持台(325)に形成される空間に、第3空間部(335)は水晶体嚢(Capsular Sac)の体積変化を直接に反映する部分である。すなわち、流動空間(330)を設けることにより、眼内レンズ(310)は毛樣小帶から伝達される力に沿って流体の流動空間の内で流動が起きるようになる。例えば、流体が近距離を注視する場合、流体は眼内レンズ(310)のオプテック(Optic)部(321)の内部に集まるようになり、これによってオプテック(Optic)部(321)はより効率よく変形が発生する。
【0124】
図13及び図14は本発明の第3実施例に係り、それぞれ遠距離と近距離を注視する時、毛樣小帶、眼内レンズ及び水晶体嚢(Capsular Sac)の作用を説明するための説明図である。
【0125】
遠距離を注視する時には毛樣小帶のうち水晶体嚢(Capsular Sac)(380)の赤道部の中央に連結される第1小帶(373)はぴんと張っており、水晶体嚢(Capsular Sac)(380)の赤道部の周辺に連結される第2小帶(371)は緩くなる。
【0126】
この際、水晶体嚢(Capsular Sac)(380)の赤道部が水晶体の赤道方向(X方向)に伸びるようになって、水晶体嚢(Capsular Sac)に接した眼内レンズ(310)の支持台の第1面(311)の形状も水晶体の半径方向に伸びるようになる。したがって、眼内レンズ(310)のオプテック(Optic)部(321)も同じ方向に伸びてオプテック(Optic)部(321)がより少なく膨らむことになる。
【0127】
同時に、眼内レンズ(310)の流動空間(330)に入っている流体も外力を受け、遠距離を注視する時には眼内レンズ(310)が水晶体の半径方向に伸びることになるので、流動空間(330)の流体が第1空間部(331)及び第2空間部(333)よりは第3空間部(335)に多く分布するようになる。これにより、さらに效率よく眼内レンズ(310)のオプテック(Optic)部(321;321a、321b)の形状を変形させ、オプテック(Optic)部(321)がより少なく膨らむようにする。
【0128】
近距離を注視する時には毛樣小帶のうち水晶体嚢(Capsular Sac)(380)の赤道部の中央に連結される第1小帶(373)は緩くなり、水晶体嚢(Capsular Sac)(380)の赤道部の周辺に連結される第2小帶(371)はぴんと張ることになる。
【0129】
したがって,水晶体嚢(Capsular Sac)(380)の赤道部が水晶体の視軸方向(Y方向)に膨らむことになり、内部に位置した弾性を持つ眼内レンズ(310)も同じ方向(Y方向)に伸びて近距離を見ることに適合した形状に変形する。
【0130】
同時に眼内レンズ(310)の流動空間に入っている流体も外力を受け、近距離を注視する時には眼内レンズ(310)の支持台の柔軟領域に力が加えられるので、第3空間部(335)の流体が第2空間部(333)を通し第1空間部(331)において集まるようになる。これにより、さらに效率よく眼内レンズ(310)のオプテック(Optic)部(321)の形状を変形させてオプテック(Optic)部が膨らむことになるようにする。
【0131】
また、オプテック(Optic)部(321)の第1空間部(331)に流体が集まる場合、第1オプテック(Optic)体(321a)の厚さが第2オプテック(Optic)体(321b)の厚さより薄く形成されているので、オプテック(Optic)部(321)は第2オプテック(Optic)体(321b)側から第1オプテック(Optic)体(321a)側にもっと膨らむことになる。これにより、実際眼の構造より類似に眼内レンズの変形が起きる。したがって、本実施例に係る眼内レンズは毛樣小帶から伝達される力が眼内レンズ(310)に機械的に伝達されるだけでなく、流圧的に伝達され眼内レンズ(310)のオプテック(Optic)部(321)の厚さが效率よく調節され、毛様体筋の能力が低下になった場合にも效果よく眼内レンズの形状を調節できる。
【0132】
すなわち、本実施例では流圧による作用力と合せて機械力による作用力が 相補的に作用する。より柔軟性のある材料やより薄い材料、またはより柔軟な媒質の流体を使用するほど、流圧によるオプテック(Optic)部(321)の変形はより大きくなり,より低い柔軟性の材料や、より厚い材料、またはよりよくない媒質の流体を使用するほど、機械力によるオプテック(Optic)部(321)の変形が大きくなる。
【0133】
機械力によるオプテック(Optic)部(321)の変形は支柱(322)のオプテック(Optic)部側端部(322a)によるオプテック(Optic)部(321)へ挿入される形状と位置によって作用力に差が出て、その作用力を大きくすればオプテック(Optic)部(321)の形状変化は大きくなるけれど安定性が低下し、その作用力を小さくすればオプテック(Optic)部(321)の形状変化は小さいけれど安全性はより優秀になる。
【0134】
機械力よりは流圧によるオプテック(Optic)部(321)の変形能力が遥かに大きいので、適当な材料と流体を選択することで眼内レンズの調節能力を調整することができる。
【0135】
調節能力がとても大きい眼内レンズはオプテック(Optic)部の過度な変形の繰り返しと薄い材質のため寿命が長続きしない短所はあるが、調節能力が著しく落ちた、すなわち、非常に年上の患者に適当である。したがって、本実施例に係る眼内レンズは毛樣小帶から伝達される力が眼内レンズに機械的及び流体的に伝えられ、眼内レンズのオプテック(Optic)部(321)の厚さを調節することができる。
【0136】
第3実施例においても眼内レンズの材料は同一に適用されることができる。
【0137】
図15は本発明の第4実施例に係る眼内レンズの斜視図である。第4実施例は前述した実施例と違って連結台(422)がディスク形状の構造体に構成される。この場合、連結台(422)の端部に形成される支持台(425)はディスク形状構造体の外周全体にかけて形成される環状構造体になり、あるいは外周の一定区間にだけ形成されることができる。
【0138】
図16は本発明の第5実施例に係る眼内レンズの斜視図である。第5実施例は前述した実施例等と違って連結台(522)がオプテック(Optic)部(521)の一区間にだけ連結され、分割されたディスク形状の構造体で構成される。この場合においても、連結台(522)の端部に形成される支持台(525)はディスク形状構造体の外周全体にかけて形成される環状構造体になり、あるいは外周の一定区間にだけ形成されることができる。
【0139】
図17は本発明の第6実施例に係る眼内レンズの斜視図である。図18、19はそれぞれ図17のI−I’線及びII−II’線に沿った断面図だである。また、図20は図17の眼内レンズを水晶体赤道方向の仮想平面を沿って切断した断面図である。これによれば、本実施例に係る眼内レンズは第2支持台(627)を設けるという差異点がある。
【0140】
オプテック(Optic)部(621)は第1オプテック(Optic)体(621a)と、第2オプテック(Optic)体(621b)を含み、ヘプテック(HAPTIC)部(623)は第1支持台(625)、第2支持台(627)及び支柱(622)を含んで構成される。
【0141】
オプテック(Optic)部(621)は中心部から赤道部に行くほど厚くなる第1オプテック(Optic)体(621a)と第2オプテック(Optic)体(621b)を含む。
【0142】
この際、第1オプテック(Optic)体(621a)の後面と第2オプテック(Optic)体(621b)の前面は非球面であることが好ましい。
【0143】
また、第1オプテック(Optic)体(621a)及び第2オプテック(Optic)体(621b)の膨らみの程度(Convexity)はお互いに異なることができる。すなわち、人の水晶体の前方面及び後方面とのようにお互い違うことができ、前面の曲率が背面の曲率より小さいことが好ましい。
【0144】
一方、オプテック(Optic)部(621)の形状は制限されないが、通常凸レンズ形状に設けられることが好ましく、この場合オプテック(Optic)部(621)の直径は全体眼内レンズ(610)の直径の0.2〜0.8倍に構成できる。
【0145】
オプテック(Optic)部(621)を第1オプテック(Optic)体(621a)と第2オプテック(Optic)体(621b)の二つの切れで構成することはオプテック(Optic)部(621)の形状変形をより容易にするためである。この際、オプテック(Optic)部(621)の第1オプテック(Optic)体(621a)と第2オプテック(Optic)体(621b)との間には流体が流動できる第1空間部(631)が含まれる。
【0146】
ヘプテック(HAPTIC)部(623)はオプテック(Optic)部(621)の内部に一部含まれて連結され、ヘプテック(HAPTIC)部(623)は複数支柱(622)と第1支持台(625)及び第2支持台(627)でなされる。ヘプテック(HAPTIC)部(623)の支柱(622)は少なくとも二つ以上が設けられ伝達される力を釣り合うように眼内レンズに伝達できるようにし、内部に流動空間である第2空間部(633)を設ける。
【0147】
第1支持台(625)は前述した実施例と同様に水晶体嚢(Capsular Sac)から伝達される力をより釣り合うように伝達するために設けられ、水晶体嚢(Capsular Sac)の内面と少なくとも一点で接触する第1面(641)と、前記第1面(641)の反対面である第2面(643)を有し、支柱(622)のオプテック(Optic)部反対側端部(622b)が連結される環状形状体であり、外面は丸い形状が好ましく、内部には第3空間部(635)を含むことができる。
【0148】
前述したように、第1支持台(625)は水晶体の視軸方向(Y方向)の仮想平面に沿って切断された断面において水晶体嚢(Capsular Sac)の外面に毛樣小帶が連結された領域の断面長さの少なくとも3/4倍〜3倍の長さで設けられることが好ましい。
【0149】
第2支持台(627)は眼内レンズ(610)のヘプテック(HAPTIC)部支柱(622)のオプテック(Optic)部側端部(622a)をお互いに連結する。支柱(622)に安全性を付与し、支柱(622)を通じて伝達される力をオプテック(Optic)部(621)により均衡的に伝達する。この際、第2支持台(627)は支柱(622)のオプテック(Optic)部側の端部(622a)を連結し、あるいは端部辺りの支柱(622)をお互いに連結する構造体であることができる。また、第2支持台(627)がオプテック(Optic)部と接する面はオプテック(Optic)部の赤道面と対応される形状、すなわち、オプテック(Optic)部中心に向けて凹んでいる形状であることが好ましい。
【0150】
オプテック(Optic)部(621)とヘプテック(HAPTIC)部(623)の材料を異なるように使用する場合、支柱(622)のオプテック(Optic)部側の端部(622a)は機械的な調節力を極大化し、製作の時にオプテック(Optic)部(621)の安定のためオプテック(Optic)部(621)内部に一部分含まれることができる。この際、オプテック(Optic)部(621)は製作の時に第1オプテック(Optic)体(621a)及び第2オプテック(Optic)体(621b)が合って圧搾され、流動空間と関係のない周辺部のオプテック(Optic)接合部(621c)が形成される。
【0151】
したがって、オプテック(Optic)接合部(621c)は機械的または流圧的な変形が少なくなり、第1オプテック(Optic)体(621a)と第2オプテック(Optic)体(621b)がお互いに接着出来ない中心部がより効率的または集中的に機械的または流圧的な変形が発生するようになるものである。
【0152】
また、支柱(622)のオプテック(Optic)部に結合される形状は多様になされることができて、この形状によって機械力による調節力が差があることができる。
【0153】
すなわち、機械力によるオプテック(Optic)部(621)の変形は、支柱(622)のオプテック(Optic)部側の端部(622a)によるオプテック(Optic)部(621)の外周をくるむ形状と位置によって作用力の差があり、その作用力を大きくすればオプテック(Optic)部(621)の形状変化は大きくなるが安定性が低下し、その作用力を小さくすればオプテック(Optic)部の形状変化は小さいが安全性はより優秀になる。
【0154】
支柱(622)のオプテック(Optic)部側の端部(622a)は膨らんでいる円錐、膨らんでいる球、円柱、凹んでいる球、凹んでいる円錐の多様な形状を持つことができ、この形状によって前述した機械力による調節力が差がある。本実施例において、オプテック(Optic)部側の端部(622a)は(図18)でオプテック(Optic)部(621)側に膨らんでいる円錐形状を持っており、(図20)の拡大絵では円柱の形状を持っている。一方、ヘプテック(HAPTIC)部(623)の支柱(622)は相対的にオプテック(Optic)部(621)、第1支持台(625)及び第2支持台(627)より堅い(rigid)材料で構成するが、機械的変形が起きることができるように弾性及び復原力があるようにする。また、第1支持台(625)の第2面(643)及び第2支持台(627)よりは第1支持台(625)の第1面(641)及びオプテック(Optic)部(621)を構成する材料の方がより柔軟な材料で構成されることが好ましい。
【0155】
これにより、毛様体筋から誘導されが毛樣小帶の動きにより伝達される力により、效率よくオプテック(Optic)部(621)の形状が変形を起こすためである。ここで柔軟だということは軟らかくて変形がよく起きるという意味である。これに加えて、第2面(643)の厚さは第1面(641)の厚さより厚く設けられている。これは第2面(643)をより不十分に柔軟にさせ、同時に支柱(622)を第1支持台(625)に堅固に付着させることができるホイールのような役割をするようにするためである。
【0156】
また、オプテック(Optic)部(621)及びヘプテック(HAPTIC)部(623)内部には前述した実施例と同様に流動空間が設けられ、より毛樣小帶の動きを敏感に反映できる。
【0157】
前述した本発明の実施例に係る眼内レンズは前述した通り一体に製作され、あるいはいくつかの切れに製作されることができる。例えば、一体に製作する場合には各種のプラスチック成形方法を利用して製造でき、いくつかの切れに製造する場合にも各切れを接着剤、熱、レーザーなどを利用して接着させることによって容易に製造できる。
【0158】
本発明について好適な実施例を参照して記述及び説明したが、種々の変形または修正が本発明の要旨と範囲から逸脱することなく可能である。
【0159】
前述した本発明の権利範囲は請求の範囲で決められるべきであり、明細書の本文の記載に拘束されず、請求の範囲の均等範囲に属する変形及び変更はいずれも本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0160】
10 角膜
20 紅彩
30 瞳孔
40 網膜
50 水晶体
60 毛様体筋
70 毛樣小帶
71 第2小帶
73 第1小帶
80 水晶体嚢(Capsular Sac)
110、210 眼内レンズ
111、211 第1面
111a、211a 全面部
111b、211b 背面部
113、213 第2面
121、221 オプテック(Optic)部
121a、221a 第1オプテック(Optic)体
121b、221b 第2オプテック(Optic)体
123、223 ヘプテック(HAPTIC)部
125、225 支持台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水晶体嚢内部に挿入される眼内レンズにおいて、
中心部の厚さが前記中心部周辺の厚さより薄い第1オプテック体及び前記第1オプテック体と結合され、少なくとも中心部での厚さが前記第1オプテック体と同一またはより厚い第2オプテック体を含むオプテック部;及び
前記オプテック部に連結される連結台と、前記連結台の外周と連結して前記水晶体嚢内面と接触する第1支持台を含むヘプテック部を含んで構成されることを特徴とする眼内レンズ。
【請求項2】
前記第1オプテック体が前記第2オプテック体より柔軟な材質になされたことが特徴である、請求項1に記載の眼内レンズ。
【請求項3】
前記第1オプテック体は内面及び外面を含んで、前記内面及び前記外面は球面または非球面であり、前記内面は前記外面より曲率がより大きい球面でありまたはより非球面であることを特徴とする、請求項1に記載の眼内レンズ。
【請求項4】
前記第1支持台が前記水晶体嚢の内面に接触する面は丸い形状を持つことを特徴とする、請求項1に記載の眼内レンズ。
【請求項5】
前記連結台はオプテック部の外周の少なくとも二つ以上の区間で連結された支柱形状構造体であることを特徴とする、請求項1に記載の眼内レンズ。
【請求項6】
前記第1支持台は前記連結台のオプテック部反対側支柱の端部を少なくと二つ以上連結する構造体であることを特徴とする、請求項5に記載の眼内レンズ。
【請求項7】
前記第1支持台は前記連結台のオプテック部反対側支柱の端部を全て連結する環形構造体であることを特徴とする、請求項5に記載の眼内レンズ。
【請求項8】
前記支柱のオプテック部側の端部には前記オプテック部側の端部を連結する第2支持台をさらに設けることを特徴とする、請求項5に記載の眼内レンズ。
【請求項9】
前記支柱の両端部は前記支柱の中央より断面積が大きいことを特徴とする、請求項5に記載の眼内レンズ。
【請求項10】
前記第2支持台の内面はオプテック部中心に向けて凹んでいる形状であることを特徴とする、請求項8に記載の眼内レンズ。
【請求項11】
前記第2支持台はオプテック部の外周に連結されたことを特徴とする、請求項8に記載の眼内レンズ。
【請求項12】
前記第2支持台はオプテック部の内部に挿入されたことを特徴とする、請求項8に記載の眼内レンズ。
【請求項13】
前記連結台は前記オプテック部外周の全区間において連結されたディスク形状構造体であることを特徴とする、請求項1に記載の眼内レンズ。
【請求項14】
前記連結台は前記オプテック部の外周の少なくとも二つ以上の区間で連結され、分割されたディスク形状構造体であることを特徴とする、請求項1に記載の眼内レンズ。
【請求項15】
前記第1支持台はディスク形状の連結台の端部の外周に形成されることを特徴とする、請求項13または請求項14に記載の眼内レンズ。
【請求項16】
前記オプテック部及び前記第1支持台は前記連結台より柔軟な材料でなされたことを特徴とする、請求項1に記載の眼内レンズ。
【請求項17】
前記オプテック部及び前記第1支持台が前記連結台と同様な材料でなされ、前記連結台よりさらに薄い厚さで構成されることが特徴である、請求項1に記載の眼内レンズ。
【請求項18】
前記第1支持台は前記連結台の端部に沿って延長される構造体であり、前記水晶体嚢の内面と少なくとも一点で接触する第1面と、前記第1面の反対面である第2面を有し、
前記第1支持台を水晶体の視軸方向(Y方向)の仮想平面に沿って切断した断面において、
前記第1面は前記水晶体嚢の外面に毛樣小帶が連結された領域の長さ(d5)の3/4倍〜3倍の長さで設けられることを特徴とする、請求項1に記載の眼内レンズ。
【請求項19】
前記第1面は前記第2面よりさらに柔軟性のある材質で構成されることを特徴とする、請求項18に記載の眼内レンズ。
【請求項20】
前記第1面と前記第2面の材質が同一であり、前記第1面が前記第2面よりさらに薄く構成されることを特徴とする、請求項18に記載の眼内レンズ。
【請求項21】
前記第1面と前記第2面は同一の材質及び同一の厚さで構成されることを特徴とする、請求項18に記載の眼内レンズ。
【請求項22】
前記第1面の表面は他の部分の表面より粗さが大きいことを特徴とする、請求項18に記載の眼内レンズ。
【請求項23】
前記第1面の表面には前記水晶体嚢への装着を容易にする装着材がさらに含まれたことを特徴とする、請求項18に記載の眼内レンズ。
【請求項24】
前記装着材は組織グルーまたはグルーであることを特徴とする、請求項23に記載の眼内レンズ。
【請求項25】
前記眼内レンズの内には流動空間が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の眼内レンズ。
【請求項26】
前記流動空間は少なくとも前記第1オプテック体と前記第2オプテック体との間に設けられることを特徴とする、請求項25に記載の眼内レンズ。
【請求項27】
前記流動空間は前記第1オプテック体と前記第2オプテック体との間に設けられる第1空間部、前記連結台の内部に設けられる第2空間部、及び前記第1支持台内部に設けられる第3空間部を含むことを特徴とする、請求項25に記載の眼内レンズ。
【請求項28】
前記第1空間部、前記第2空間部及び前記第3空間部はお互いに連結されたことを特徴とする、請求項27に記載の眼内レンズ。
【請求項29】
前記流動空間には液体、気体及び流動性固体で構成される群から選ばれるいずれか一つが充填されることを特徴とする、請求項27に記載の眼内レンズ。
【請求項30】
前記液体は水、シリコーン、ヒアルロン酸ナトリウム、コーンドロイチン硫酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリアクリルアミドよりなる群から選ばれるいずれか一つであることを特徴とする、請求項29に記載の眼内レンズ。
【請求項31】
前記気体は空気、窒素、ヘリウム、ネオン及びアルゴンで構成される群から選ばれるいずれか一つであることを特徴とする、請求項29に記載の眼内レンズ。
【請求項32】
前記第1面及び前記第2面の中、少なくとも第1面は前記第2面から前記第1面に向ける方向に膨らんでいることを特徴とする、請求項18に記載の眼内レンズ。
【請求項33】
前記第1面は水晶体嚢の前嚢と後嚢にそれぞれ対応する区間であり、赤道により区分される前面部と後面部を有し、
前記前面部の曲率は後面部の曲率よりさらに大きいことを特徴とする、請求項18に記載の眼内レンズ。
【請求項34】
前記眼内レンズの水晶体の視軸方向(Y方向)の仮想平面に沿って切断された断面において、前記第1支持台の第1面の、赤道から前記前面部の終点までの延長長さ(d1)及び赤道から前記後面部の終点までの延長長さ(d2)は1mm〜4.2mmであることを特徴とする、請求項18に記載の眼内レンズ。
【請求項35】
前記赤道から前記前面部の終点までの延長長さ(d1)は前記赤道から後面部の終点までの延長長さ(d2)より短いことを特徴とする、請求項34に記載の眼内レンズ。
【請求項36】
前記眼内レンズの水晶体の視軸方向(Y方向)の仮想平面に沿って切断した断面において、前記第1支持台の第1面の断面形状は、接触する前記水晶体嚢の内面と一致することを特徴とする、請求項19に記載の眼内レンズ。
【請求項37】
前記第1空間部は少なくとも一面が膨らんでいることを特徴とする、請求項27に記載の眼内レンズ。
【請求項38】
前記第1空間部は少なくとも一面が非球面であることを特徴とする請求項37に記載の眼内レンズ。
【請求項39】
前記第2オプテック体は中心部の厚さが周辺の厚さより薄いことを特徴とする、請求項26に記載の眼内レンズ。
【請求項40】
前記第2オプテック体は内面及び外面を含み、前記内面及び前記外面は球面または非球面であり、前記内面は前記外面よりさらに曲率が大きい球面であり、あるいはさらに非球面であることを特徴とする、請求項26に記載の眼内レンズ。
【請求項41】
前記第1オプテック体及び第2オプテック体は厚さにおいて同一な厚さであり、それぞれの中心部から周辺に行くほど厚くなる区間を含むことを特徴とする、請求項26に記載の眼内レンズ。
【請求項42】
前記眼内レンズの材料はシリコーン、シリコーンエラストマ、シリコーン ポリマー、ポリジメチルシロキサン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリブテステル、PMMA(polymethyl methacrylate)、マイクロプレクス PMMA、CQ−UV PMMA、アクリル樹脂、硬性アクリル、柔軟性アクリル、アクリルプラスチック、疎水性アクリル、親水性アクリル、親水性アクリル高分子、紫外線吸収アクリレート、メタクリレートコポリマー、ブチルアクリレート、ポリシロキサンエラストマー、紫外線吸収ポリシロキサン、コラーゲンコポリマー、金、ヒドロゲル、HEMA(2−hydroxyethyl methacrylate)、MMA(methyl methacrylate)、CAB(cellulose acetate butylate)、2−HAMA(2−hydroxy ethyl methacrylate)、NVP(n−vinyl pyrrolidone)、PVP(polyvinyl pyrrolidone)、MA(methacrylic acid)、GMA(glycerol methacrylate)、DMS(dimethyl siloxane)、PHEMA(polyhydroxyethyl methacrylate)、PEGMMA(polyethylenehlycol methacrylate)、ポリHEMAヒドロゲル、紫外線吸収ポリHEMAヒドロゲル、シリコーンヒドロゲル、GMA/HEMA、HEMA/PVP/MA、PVA、HEMA/PVA/MA、HEMA/PVA/MMA、HEMA/MMA、HEMA/NVP、HEMA/NVP/MA、HEMA/NVP/MMA、HEMA/Acryl及びHEMA/PCよりなる群から選ばれるいずれか一つで構成されることを特徴とする、請求項1に記載の眼内レンズ。
【請求項43】
前記第1オプテック体は中心部から周辺に行くほど厚くなる区間を含むことを特徴とする、請求項1に記載の眼内レンズ。
【請求項44】
前記第2オプテック体は中心部から周辺に行くほど厚くなる区間を含むことを特徴とする、請求項39に記載の眼内レンズ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2010−520010(P2010−520010A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552574(P2009−552574)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【国際出願番号】PCT/KR2007/004632
【国際公開番号】WO2008/108524
【国際公開日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(509066721)
【Fターム(参考)】