説明

眼手術システムにおける流量検知のためのリセス電極

手術部位から吸引された液体及び粘弾性物質を受け取るためのフローチャネル(108)に通じる流入口(104)及びフローチャネル(108)に向けて先細りになっている流出口(106)を有する電極端子チャンバ(102)を備える流量計(100)が提供される。流出口(106)は、流れを滑らかにし、電極端子チャンバ(102)に入る粘弾性物質を実質的にチャンバの中心領域内を流し、流出口(106)を通して流すに十分なテーパ角を有する。電極端子チャンバ(102)はさらに、隔てられた態様で、電極端子チャンバ(102)の概ね対向する側面に配された第1の電極端子(130)及び第2の電極端子(140)を有する。第1の電極端子(130)及び第2の電極端子(140)は、端子とチャンバ(102)を流過している粘弾性物質の間の接触を実質的に避けるに十分な距離をチャンバ(102)の中心からおいて配される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は外科手術ポンプシステムにおける吸引流量の検知に関する。さらに詳しくは、本出願は外科手術ポンプシステムとともに用いるための流量センサに向けられる。
【背景技術】
【0002】
本節における言明は本開示に関する背景情報を提供するだけであり、従来技術を構成することはない。
【0003】
眼手術を含む、手術中には吸引チューブを通る組織及び液体の流れ及び流量に関心が払われる。術中吸引流量の測定は、眼手術装置の安全制御を提供できる点で、重要であり得る。ほとんどの容積式システムにおいては、流量が吸引ポンプのサイクル周波数、すなわち回転速度から推定されることが知られている。しかし、ポンプシステム内に変動圧力差がある状況では、この推定は有効ではないであろう。圧力変動は、洗浄液ボトル高の変化、吸引液粘度の変化及び吸引チューブ遠端の閉塞状態の変更の結果としておこり得る。既知の市販真空式吸引システムについては、流量測定はこれまで実施できておらず、流量を真空レベルから正確に推定することもできない。これは、実流量が吸引液の粘度及び吸引チューブの閉塞状態によって変化するからである。したがって、真空式システムについて流量の直接測定は達成困難であり、一般に実行できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、流量を直接測定するために使い捨て式のまたは再利用可能なシステムに低費用で組み込むことができる、実行可能な低コストセンサを有することが望ましいであろう。そのような流量測定は、特に真空式システムに対して、新しい動作モードを可能にすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様にしたがえば、流過流量を検知するための電極端子チャンバを備える、吸引流量の制御を可能にするための検知手段が提供される。電極端子チャンバは、手術部位から吸引される液体及び粘弾性物質を受け取るための、フローチャネルと通じている流入口及び吸引液収集槽と通じているフローチャネルに向けて先細りになる流出口を有する。流出口端は、流れを滑らかにし、粘弾性物質を電極端子チャンバに入れて実質的にチャンバの中心領域内を流すに十分なテーパがかけられている。電極端子チャンバはさらに、間隔がとられた態様で電極端子チャンバの概ね対向面に配された第1及び第2の電極端子を有する。第1及び第2の電極端子は、チャンバの中心から、チャンバの中心領域を流過している粘弾性物質との電極の接触を実質的に阻むに十分な距離に配される。
【0006】
本発明のまた別の態様において、吸引流量を制御するための眼手術用ポンプシステムが提供される。本システムは、電極端子チャンバを内部に有する使い捨て式集成電極部品及び、手術部位から吸引される液体及び粘弾性物質を受け取るための、電極端子チャンバを貫通するフローチャネルを備える。電極端子チャンバは、電極端子チャンバを貫通するフローチャネルから隔てられた、第1のリセス領域を有する。チャンバは、電極端子チャンバを貫通するフローチャネルから隔てられた、第2のリセス領域も有する。電極端子チャンバはフローチャネルに向けて先細りになる流出口端をさらに有し、流出口端には粘弾性物質流を、チャンバの中心を通し、第1及び第2のリセス領域からは離して、導くに十分なテーパがかけられている。電極端子チャンバはさらに、フローチャネルの近くに、フローチャネルから距離をおいて、第1及び第2のリセス領域内にそれぞれが配された、耐蝕性導電材料でつくられた第1及び第2の電極端子を有する。第1の電極端子及び第2の電極端子は、粘弾性物質流が第1及び第2の電極端子のいずれにも影響を及ぼさないように、チャンバを流過するいかなる粘弾性物質も避けるに十分な距離をおいて隔てられる。
【0007】
さらなる適用領域は本明細書に与えられる説明から明らかになるであろう。記述及び特定の例は、説明が目的とされているに過ぎず、本開示の範囲の限定は目的とされていないことは当然である。
【0008】
本明細書で説明される図面は説明の目的のためでしかなく、本開示の範囲の限定は全く目的とされていない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は本出願によるフローチャネル及び検知チャンバの部分破断図である。
【図2】図2は、本出願の一態様にしたがう、検知チャンバを有する術用流量計の断面である。
【図3】図3は、本出願の一態様にしたがう、集液カセットに組み込まれた流量計を示す部分立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明は実際上例示に過ぎず、本開示、応用、用法の限定は目的とされていない。図面を通して、対応する参照数字は同様であるかまたは対応する要素及び特徴を示すことは当然である。
【0011】
眼手術用吸引システムは、大まかにはフロー式システムまたは真空式システムの類に入れることができる。フロー式ポンプシステムは特定の真空範囲内において吸引路の流過流量を一定にまたは制御された値に維持しようとする。様々な負荷条件の下での駆動システムの恒常性を保証するために、フィードバックループまたは制御ループを用いることができる。吸引液収集槽内の真空度を制限するため、吸引ライン内の真空センサとモータの間に別のフィードバック制御ループが存在し得る。
【0012】
真空式システムも、吸引路内の真空センサからの信号があらかじめ設定された所望の真空レベルと比較される、フィードバック制御ループを有する。次いで、真空レベルを高めるかまたは低めるため、比例値のような誤差信号が、ベンチュリチャンバのような真空発生器に送られる、いくつかの状況においては、真空式ポンプシステムによるフロー式ポンプシステムのエミュレーションが望ましいことがあり得る。そのようなエミュレーションは、ボシュロム社(Bausch & Lomb Incorporated)に譲渡された、米国特許第6599277号及び第6634237号の明細書に説明されている。上記特許明細書は本明細書に参照として含まれる。本出願明細書は吸引流路内の有効なセンサ位置を可能にするための新規な構造を説明する。
【0013】
本出願明細書は眼用吸引流量測定に対する解決策を提供する様々な実施形態を開示する。様々な実施形態は眼手術に普通に用いられる食塩水が導電性であることという事実を利用する、非接地ホール効果電磁流量計を用いることが好ましい。電流伝導体間を流れる導電性流体に磁場がかけられると、ホール効果により導電性流体にかけて電圧が発生する。すなわち、磁場を印加すれば、吸引液収集槽にかけて電圧を誘起することができる。しかし、ホール効果では、磁場感度が低いため、発生する電気信号は非常に弱い。眼手術用ポンプシステムにおけるそのような流量測定は磁場源または電磁石の適用を含む。
【0014】
粘弾性物質が導体に接触すると、大量の雑音が発生して流量測定が妨げられることがわかっている。したがって、本出願明細書は、吸引液流内にある粘弾性物質との接触を避けるための、導体の配置に対する新規な構成及び方位を説明する。
【0015】
図1を参照すれば、吸引流量を制御するための眼手術ポンプシステム用流量計100の第1の実施形態が示されている。吸引流量制御を与えるための眼手術ポンプシステムは、流入口104及び流出口106を有する電極端子チャンバ102を備える。電極端子チャンバ流入口102は、手術部位から吸引された液体及び粘弾性物質を受け取るための、フローチャネル108に通じている。電極端子チャンバ流出口106は、吸引液収集槽に通じる、フローチャネル108に通じている。図1に示されるようにフローチャネル104は、チャンバ102を通る液流にかかる重力の効果を最小限に抑える、垂直配置で示されるが、フローチャネル108は垂直以外の方位で配置することもできる。
【0016】
流量検知チャンバ102を備える眼手術ポンプシステムの第1の実施形態はさらに、電極端子チャンバ102の概ね対向する側面に、フローチャネルに対してあらかじめ定められた距離だけ隔てられて、配された第1の電極端子130及び第2の電極端子140を備える。第1の実施形態において、フローチャネル108は約0.030インチ〜約0.050インチ(約1.2mm〜約2.0mm)の範囲の幅を有し、さらに好ましくは約0.038インチ(約1.5mm)の幅を有する。第1の電極端子130及び第2の電極端子140はそれぞれ、フローチャネル108/チャンバ102の中心線からあらかじめ定められた距離に配置される。この距離は、フローチャネル及びチャンバの中心領域を流過している粘弾性物質の第1の電極端子130及び第2の電極端子140との接触を実質的に避けるに十分である。第1の実施形態において、端子130及び140のそれぞれの前面132及び142からフローチャネル108/チャンバ102の中心線までの距離は、少なくとも約0.046インチ(1.8mm)から約0.116インチ(4.6mm)(あるいは、フローチャネル108の側壁から約0.030〜約0.100インチ(約1.2〜約4.0mm))である。約0.030〜0.050インチ(約1.2〜2.0mm)のフローチャネル幅に対し、第1の電極端子130及び第2の電極端子140は少なくとも約0.115インチ(約4.5mm)のあらかじめ定められた距離だけ隔てられることが好ましい。
【0017】
電極端子チャンバ102への流入口104は鋭いコーナー122を有することが好ましい。表面112とフローチャネル側壁の間に形成された鋭いコーナー122は、フローチャネル108の延長線に沿い、電極端子チャンバ102の中心を通して、粘弾性物質を誘導するに役立つ。すなわち、鋭いコーナー122は粘弾性物質を境界層105から引き離し、電極端子チャンバ102の中心を通して流れ続けさせる。さらに、電極端子チャンバ102の流出口106はテーパ面120を有する。テーパ面120はフローチャネル108に対して、対向するテーパ面120の間に層流領域をつくる、滑らかな境界層109を表面120に沿って形成させるに十分な角度をなしている。粘弾性物質は鋭いコーナー122によりチャンバ102の中心に向けて導かれ、チャンバ102を通し流出口106に向けて流れを導くための漏斗として作用する、テーパ付面102により流出口102に向けて追いやられる。テーパ面120は液流及び粘弾性物質流を図1に示される境界層109の間の層流領域を通して導くための漏斗として作用する。
【0018】
電極端子チャンバ102は電極端子チャンバ102内に、第1の電極端子130及び第2の電極端子140をそれぞれ受け入れるように構成された、第1のリセス110及び第2のリセス116を備えることが好ましい。第1のリセス110及び第2のリセス116はさらに電極130及び140を囲む外囲器114及び118を有することができ、外囲器は約0.075インチ〜約0.115インチ(約3.0mm〜約4.5mm)の範囲にある幅を有する。第1及び第2のリセスは電極端子チャンバ102の対向する側面に対称に配され、第1の電極端子130及び第2の電極端子140への粘弾性物質物質流の影響を最小限に抑えるに十分な間隔でチャンバ102の中心領域から隔てられる。流出口端106は、粘弾性物質流が第1及び第2の電極端子のいずれにも影響を与えないように、実質的な量の流れをチャンバの中心領域を通して導くに十分な角度をなすテーパ面120を有する。詳しくは、チャンバ102の流出口端106はチャネル108に対して、滑らかな境界層109を表面120に沿って形成し、境界層109の間に層流領域をつくるに十分な角度をなす表面130を有する。テーパ面120及び直角コーナー122は、粘弾性物質及び液体を実質的にチャンバ102の中心領域内を流れさせる。テーパ面120は液流及び粘弾性物質流を、層流領域内を、流出口106を通して、導くための漏斗として作用する。すなわち、手術部位から吸引されてチャンバに入る粘弾性物質は、実質的に中心層流領域内を、流出口を通って、流れるであろう。したがって、チャンバの流入口の直角コーナー122及び流出口のテーパ面120は、粘弾性物質の電極端子130及び140との接触を避けるように滑らかにされた流れを提供する。粘弾性物質すなわち組織の接触が電極端子で発生される信号を混乱させ、眼手術ポンプシステムの流量検知能力に悪影響を与えるであろうことがわかっているから、このことは必要不可欠である。
【0019】
電極端子チャンバ102を流過している液体は一般に導電性の食塩水を含む。したがって、第1の電極端子130及び第2の電極端子140は、電極端子チャンバ102を流過している液体の流量を示す少なくとも1つの電気信号を発生するに十分な間隔がとられた態様で互いに対向して配置される。ホール効果では磁場感度が低いために非常に弱い信号しか発生されないから、第1の電極端子130及び第2の電極端子140は、端子の導電特性の長期にわたる維持に役立つように耐蝕性導電金属でメッキされる。端子130及び140は金でメッキされることが好ましく、白金のような、他の材料でメッキすることもできる。電極端子チャンバ102は、電極端子130及び140で発生される少なくとも1つの信号と比較するための接地信号または基準信号を確立するために用いることができる、端子150のような、追加の電極端子を1つないしさらに多く有することができる。
【0020】
図1に示される電極端子チャンバ及びフローチャネルは、眼手術ポンプシステムに連結されるかまたは組み込まれるように適合された使い捨て式集成電極部品を形成することが好ましい。第1及び第2の電極は、使い捨て式集成電極部品を流過する液体の流量を示す少なくとも1つの信号を与える。そのような使い捨て式集成電極部品は眼手術ポンプシステム内で用いられることが好ましい。
【0021】
図2及び3に示される第2の実施形態においては、吸引流量を制御するための眼手術ポンプシステムが提供される。本システムは、内部に電極端子チャンバを有し、手術部位から吸引された液体及び粘弾性物質を受け取るための、電極端子チャンバを貫通するフローチャネルを有する、使い捨て式集成電極部品を備える。電極端子チャンバは、電極端子チャンバを貫通するフローチャネルから隔てられた、第1のリセス領域を有する。チャンバは、電極端子チャンバを貫通するフローチャネルから隔てられた、第2のリセス領域も有する。電極端子チャンバはさらに、フローチャネルに向けて先細りになる流出口端を有し、流出口端には、粘弾性物質流を第1及び第2のリセス領域から離し、チャンバの中心を通して導くに十分な、テーパがかけられている。電極端子チャンバはさらに、フローチャネルの近くにフローチャネルからある距離隔てられて、第1及び第2のリセス領域内にそれぞれが配された、耐蝕性導電金属でつくられた第1及び第2の電極端子を有する。第1及び第2の電極端子は、粘弾性物質流が第1及び第2の電極端子のいずれにも影響を与えないように、チャンバを流過するいかなる粘弾性物質も避けるに十分な距離隔てられる。
【0022】
使用において、使い捨て式集成電極部品は、図3に示される、眼手術ポンプシステム152に連結されることが好ましい。フローチャネル108を通る液体及び組織の流量を一定に維持することで蠕動運動型ポンプをエミュレートするように真空ポンプまたはベンチュリポンプの比例バルブまたはベンチュリチャンバ(図示せず)を制御するため、電極端子130及び140で与えられる少なくとも1つの出力信号に制御エレクトロニクスまたはプロセッサ(図示せず)が応答することが好ましい。好ましい実施形態は流量計160及び眼手術機器(図示せず)に連結された吸引流路154を含むが、フローチャネル108には手術部位からの液体及び組織の運び去りを可能にする別の流路を含めることもできるであろう。眼の手術部位から、例えば集液フローチャネル108を通して集液槽カセット156に、液体及び組織を吸引するための真空レベルを生成するためにベンチュリポンプまたは真空ポンプを用いることができる。本発明に適合させ得るであろう市販ベンチュリポンプの1つは、ボシュロム社のMillennium(商標)とともに販売されるベンチュリポンプ、あるいはStellaris(商標)システムで利用できる真空システムである。流量測定電極端子は、ポンプの真空レベルを変え、よって手術部位から吸引されている液体及び組織の流量を所望の値に維持するために、制御回路(図示せず)に電気的に接続される。
【0023】
好ましくは、電極端子チャンバ102は、カセットが動作可能であり、動作中に真空レベルがベンチュリポンプによって印加されたときに陥没しないように、硬壁カセット156に収められる。そのような例示的集液槽の1つが図2及び3に示される。電極130及び140が図2に示され、流量計に組み込まれている。
【0024】
以上のように、低コストの吸引流量計を備える新規な眼手術ポンプシステムを示した。加えて、そのようなシステムは真空ポンプまたはベンチュリポンプとともに用いて容積式ポンプをエミュレートする用途に用いることができる。電極端子130及び140から得られる、検知された流量出力信号は真空レベルを調節するためにフィードバック制御ループ内で用いることができる。このフィードバック制御ループは、流量を測定し、その流量を所望の流量と比較する制御回路(図示せず)の一環であることが好ましい。検知された流量が所望の流量より低ければ、さらに真空を高くして流量を高めるように真空発生器のレベルが強められる。逆に、流量が高すぎれば、真空発生器のレベルが弱められ、この結果、所望の流量が得られる。このような制御システム構成を用いれば、フロー式ポンプの特性を真空ポンプまたはベンチュリポンプを用いてエミュレートすることができる。
【符号の説明】
【0025】
100 流量計
102 電極端子チャンバ
104 電極端子チャンバ流入口
105,109 境界層
106 電極端子チャンバ流出口
108 フローチャネル
110,116 リセス
114,118 外囲器
120 テーパ面
122 直角コーナー
130,140,150 電極端子
132,142 電極端子前面
152 眼手術ポンプシステム
154 吸引流路
156 集液槽カセット
160 流量計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引流量の制御を与えるための眼手術ポンプシステムにおいて、
手術部位から吸引された液体及び粘弾性物質を受け取るためのフローチャネルと通じている流入口及びフローチャネルに向けて先細りになる流出口を有する電極端子チャンバであって、前記流出口が、流れを滑らかにし、前記電極端子チャンバに入る粘弾性物質を実質的に前記チャンバの中心領域内を流し、前記流出口を通して流すに十分なテーパ角を有する、電極端子チャンバ、及び
間隔をとられた態様で前記電極端子チャンバの概ね対向する側面に配された第1及び第2の電極端子であって、前記第1及び第2の電極端子のそれぞれが前記チャンバを流過している粘弾性物質との接触を実質的に避けるに十分な前記チャンバの中心からの距離に配されている、第1及び第2の電極端子、
を備えることを特徴とする眼手術ポンプシステム。
【請求項2】
前記第1及び第2の電極端子を受け入れるように構成された第1及び第2のリセスを前記電極端子チャンバ内にさらに有し、前記第1及び第2のリセスが前記電極端子チャンバの対向する側面に対称に配され、粘弾性物質流が前記第1及び第2の電極端子に影響を与えることを防ぐに十分な間隔で前記チャンバの前記中心領域から隔てられることを特徴とする請求項1に記載の眼手術ポンプシステム。
【請求項3】
前記電極端子チャンバの前記流入口が前記チャンバの流入開口と前記フローチャネルの側壁の間に形成された、前記電極端子チャンバの中心を通して前記粘弾性物質を誘導する、鋭いコーナーを有することを特徴とする請求項1に記載の眼手術ポンプシステム。
【請求項4】
前記流出口が、前記粘弾性物質流が前記第1及び第2の電極端子のいずれにも影響を与えないように、前記鋭いコーナーによって前記チャンバの中心を通って誘導される前記粘弾性物質を実質的に前記チャンバの前記流出口に向けさせる角度をなすテーパ面を有することを特徴とする請求項3に記載の眼手術ポンプシステム。
【請求項5】
前記液体が導電性の食塩水を含み、前記第1及び第2の電極端子が前記電極端子チャンバを流過している前記液体の流量を示す少なくとも1つの電気信号を発生するに十分に間隔がとられた態様で互いに対向して配置されることを特徴とする請求項1に記載の眼手術ポンプシステム。
【請求項6】
前記電極端子チャンバ及び前記フローチャネルが眼手術ポンプシステムに連結されるように適合された使い捨て式集成電極部品を形成し、前記第1及び第2の電極が前記使い捨て式集成電極部品を流過している前記液体の流量を示す少なくとも1つの信号を与えることを特徴とする請求項1に記載の眼手術ポンプシステム。
【請求項7】
前記第1及び第2の電極端子が耐蝕性導電金属でメッキされることを特徴とする請求項1に記載の眼手術ポンプシステム。
【請求項8】
吸引流量の制御を与えるための眼手術ポンプシステムにおいて、
手術部位から吸引された液体、組織及び粘弾性物質を受け取るための流入口と、流出口を有するフローチャネルを備える、使い捨て式集成電極部品、
前記フローチャネルの前記流入口と前記流出口の間に配された電極端子チャンバであって、前記流出口の端に、流れを滑らかにし、前記電極端子チャンバに入る粘弾性物質を実質的に前記チャンバの中心領域内を流し、前記流出口を通して流すに十分なテーパがかけられている、電極端子チャンバ、及び
間隔をとられた態様で前記電極端子チャンバの概ね対向する側面に配された第1及び第2の電極端子であって、前記第1及び第2の電極端子のそれぞれが前記第1及び第2の電極端子と前記チャンバの前記中心領域を流過している粘弾性物質の間の接触を実質的に避けるに十分な前記チャンバの中心からの距離に配されている、第1及び第2の電極端子、
を備え、
前記使い捨て式集成電極部品が集液カセットに組み込まれる、
ることを特徴とする眼手術ポンプシステム。
【請求項9】
前記第1及び第2の電極端子を受け入れるように構成された第1及び第2のリセスを前記電極端子チャンバ内にさらに備え、前記第1及び第2のリセスが前記電極端子チャンバの対向する側面に対称に配され、粘弾性物質流が前記第1及び第2の電極端子に影響を与えることを防ぐに十分な間隔がとられて前記チャンバの前記中心領域から隔てられることを特徴とする請求項8に記載の眼手術ポンプシステム。
【請求項10】
前記チャンバの前記流出口が前記チャンバの前記流入口の上方で垂直方向に向けられ、前記チャンバの前記流出口が、粘弾性物質が前記第1及び第2の電極端子のいずれにも影響を与えないように、前記チャンバの前記中心領域を通して粘弾性物質を導くための層流領域を確立するに十分な角度を前記フローチャネルに対してなすテーパ部分を有することを特徴とする請求項8に記載の眼手術ポンプシステム。
【請求項11】
前記電極端子チャンバの前記流入口が前記チャンバの流入開口と前記フローチャネルの側壁の間に形成された、前記電極端子チャンバの中心を通して前記粘弾性物質を誘導する、鋭いコーナーを有することを特徴とする請求項8に記載の眼手術ポンプシステム。
【請求項12】
前記流出口が、前記粘弾性物質流が前記第1及び第2の電極端子のいずれにも影響を与えないように、前記鋭いコーナーによって前記チャンバの中心を通って誘導される前記粘弾性物質を実質的に前記チャンバの前記流出口に向けさせる角度をなすテーパ面を有することを特徴とする請求項11に記載の眼手術ポンプシステム。
【請求項13】
前記液体が導電性の食塩水を含み、前記第1及び第2の電極端子が前記電極端子チャンバを流過している前記液体の流量を示す少なくとも1つの電気信号を発生するに十分に間隔をとられた態様で互いに対向して配置されることを特徴とする請求項8に記載の眼手術ポンプシステム。
【請求項14】
前記電極端子チャンバ及び前記フローチャネルが眼手術ポンプシステムに連結されるように適合された使い捨て式集成電極部品を形成し、前記第1及び第2の電極が前記使い捨て式集成電極部品を流過している前記液体の流量を示す少なくとも1つの信号を与えることを特徴とする請求項8に記載の眼手術ポンプシステム。
【請求項15】
前記第1及び第2の電極端子が耐蝕性導電金属でメッキされることを特徴とする請求項8に記載の眼手術ポンプシステム。
【請求項16】
吸引流量の制御を与えるための眼手術ポンプシステムにおいて、
内部に電極端子チャンバを有し、手術部位から吸引された液体及び粘弾性物質を受け取るための前記電極端子チャンバを貫通するフローチャネルを有する集成電極部品であって、前記電極端子チャンバが前記電極端子チャンバを貫通する前記フローチャネルから間隔をとられた第1のリセス領域及び前記電極端子チャンバを貫通する前記フローチャネルから間隔をとられた第2のリセス領域並びに前記フローチャネルに向けて先細りになっている流出口端を有し、前記流出口端に、前記粘弾性物質流を前記チャンバの中心を通し、前記第1及び第2のリセス領域から離して導くに十分な、テーパがかけられている、集成電極部品、
前記フローチャネルの近くにあって前記フローチャネルからある距離隔てられている前記第1のリセス領域内に配された、耐蝕性導電金属でつくられた第1の電極端子、及び
前記フローチャネルの近くにあって前記フローチャネルからある距離隔てられている前記第2のリセス領域内に配された、耐蝕性導電金属でつくられた第2の電極端子、
を備え、
前記第1の電極端子及び前記第2の電極端子が、前記粘弾性物質流が前記第1及び第2の電極端子のいずれにも影響を与えないように、前記チャンバを流過している前記粘弾性物質流を避けるに十分な距離をおいて配されている、
ことを特徴とする眼手術ポンプシステム。
【請求項17】
前記第1及び第2のリセス領域が前記電極端子チャンバの対向している側面に対称に、また前記チャンバを貫通する前記フローチャネルにも対称に、配されることを特徴とする請求項16に記載の眼手術ポンプシステム。
【請求項18】
前記電極端子チャンバの流入口が前記チャンバの流入開口と前記フローチャネルの側壁の間に形成された、前記電極端子チャンバの中心を通して前記粘弾性物質を誘導する、鋭いコーナーを有することを特徴とする請求項17に記載の眼手術ポンプシステム。
【請求項19】
前記流出口が、前記粘弾性物質流が前記第1及び第2の電極端子のいずれにも影響を与えないように、前記鋭いコーナーによって前記チャンバの中心を通って誘導される前記粘弾性物質を実質的に前記チャンバの前記流出口に向けさせる角度をなすテーパ面を有することを特徴とする請求項18に記載の眼手術ポンプシステム。
【請求項20】
前記液体が導電性の食塩水を含み、前記第1及び第2の電極端子が前記電極端子チャンバを流過している前記液体の流量を示す少なくとも1つの電気信号を発生するに十分に間隔をとられた態様で互いに対向して配置されることを特徴とする請求項17に記載の眼手術ポンプシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2011−506041(P2011−506041A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−539620(P2010−539620)
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【国際出願番号】PCT/US2008/086034
【国際公開番号】WO2009/079272
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(391008847)ボシュ・アンド・ロム・インコーポレイテッド (137)
【氏名又は名称原語表記】BAUSCH & LOMB INCORPORATED
【Fターム(参考)】