説明

眼球の波面補正プロファイリング

多焦点視力矯正を実行する方法は、眼の複数の瞳孔状態を求める段階と、前記複数の瞳孔状態に基づいて目標波面プロファイルを求める段階とを含む。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼球の波面補正プロファイリングに関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活を営む上で、人は一般に眼から様々な距離にある物体を眺める。こうした物体に選択的に焦点を合わせるには、眼の水晶体の焦点距離を変更しなければならない。健康な眼では、これは水晶体に物理的に接合された毛様体筋の収縮により達成される。毛様体筋の収縮に合わせて水晶体が変形する。この変形が水晶体の焦点距離を変更させる。水晶体をこうした様態で選択的に変形させることにより、眼から異なる距離に位置する物体に焦点を合わせることができる。異なる距離に位置する物体に選択的に焦点を合わせるこの機能は、「遠近調節」と呼ばれる。
【0003】
人が老化するにつれ、水晶体はその可塑性を失っていく。結果的に、水晶体を十分に変形させて異なる距離に位置する物体に焦点を合わせることが徐々に困難になる。この症状は老視と呼ばれる。遠視、近視などの症状による屈折異常や、眼の不規則性(例えば、角膜又は自然な水晶体の不規則性)に起因する収差によって、眼が物体に焦点を合わせる能力に問題を来すこともある。この機能低下を補償するには、異なる距離にある物体への焦点合わせのための様々な光学補正を行うことが有用である。
【0004】
様々な光学矯正を施す一つのアプローチは、幾つかの眼鏡を持ち歩いて必要なときにそれらを掛け替えるものがある。例えば、読書用の眼鏡と運転用の遠距離眼鏡を別々に持ち歩くこともできよう。
【0005】
別のアプローチとしては、二焦点レンズは同一レンズに2つの異なる光学矯正を組み込んでいるので、遠近調節の助けとなる。このレンズの下方部分は、読書や他の近距離作業に適した矯正をもたらすように研磨されており、一方、レンズの残り部分は遠見視力用の矯正をもたらすように研磨されている。物体を眺めるには、二焦点レンズの使用者は頭を動かすだけで、注視対象の物体と瞳孔との間の光線が、その物体の距離に適した光学矯正を行うレンズ部分を通過させることができる。
【0006】
眼の焦点調節能力を向上させるための眼科用レーザ手術では、眼の一部にレーザアブレーションを施す。光反応角膜整形手術(PRK)では、外科医がエキシマーレーザを用いて角膜表面から組織を除去する。レーザ支援による生体位での角膜曲率形成術(LASIK)又はレーザ上皮角膜曲率形成術(LASEK)では、外科医は、角膜の一部(「フラップ」)を持ち上げることで角膜の表面下の組織を除去する。組織を選択的に除去することで角膜を整形し直して、水晶体の変形をそれ程必要とせずに遠近調整を可能とするものである。被験者の眼の測定に基づいて調整した眼科用レーザ手術も、幾つかの波面収差を補償できる。眼科用レーザ手術による角膜の形状変更を最適化して、一般に単一の注視距離での視力を改善できる。一方、他の距離での視力は低下状態に留まることがある。例えば、被験者は、遠見視力を矯正する眼科用レーザ手術を受けた後でも読書用眼鏡を必要とすることもある。従って、複数の注視距離での視力を改善することが好ましいことがある。
発明の概要
【0007】
瞳孔の大きさ及び/又は位置の測定に基づいた特徴を波面補正プロファイルに組み込むと、眼の多焦点視力矯正に有用であることが知られており、本発明は部分的にはこの見知に基づいている。
【0008】
一様態では、本発明は多焦点視力矯正を行うための方法を特徴とする。本方法は、眼の複数の瞳孔状態を求める段階と、前記複数の瞳孔状態に基づいて目標波面プロファイルを求める段階とを含む。
【0009】
幾つかの実施形態では、本方法は、前記眼の波面収差マップを求める段階と、前記目標波面プロファイルと前記波面収差マップとに基づいて波面補正プロファイルを求める段階とを更に含む。
【0010】
幾つかの実施形態では、前記波面補正プロファイルは、前記目標波面プロファイルと前記波面収差マップに関連した基準波面プロファイルとの差に基づいたものである。
【0011】
本方法は、眼の複数の瞳孔状態を求める前記段階が、前記眼の瞳孔の寸法の変化又は前記瞳孔の位置の変化を求める段階を含む。
【0012】
幾つかの実施形態では、眼の複数の瞳孔状態を求める前記段階が、複数の所望の視覚状態を求める段階と、前記複数の所望の視覚状態のそれぞれに対応した瞳孔状態を推定する段階とを含む。
【0013】
幾つかの実施形態では、眼の複数の瞳孔状態を求める前記段階が、複数の所望の視覚状態をシミュレートする段階と、前記所望の視覚状態のそれぞれに起因する瞳孔状態を測定する段階とを含む。
【0014】
幾つかの実施形態では、眼の複数の瞳孔状態を求める前記段階が、照明条件及び注視距離に対応した瞳孔状態を求める段階を含む。
【0015】
幾つかの実施形態では、前記瞳孔状態を求める前記段階が、注視距離に対応した瞳孔状態を求める段階を更に含む。
【0016】
幾つかの実施形態では、眼の複数の瞳孔状態を求める前記段階が、光の波長に対応した瞳孔状態を求める段階を含む。
【0017】
幾つかの実施形態では、前記瞳孔状態を求める前記段階が、注視距離に対応した瞳孔状態を求める段階を更に含む。
【0018】
幾つかの実施形態では、眼の複数の瞳孔状態を求める前記段階が、瞳孔状態を画像に記録する段階を含む。
【0019】
幾つかの実施形態では、前記瞳孔状態を画像に記録する前記段階が、前記瞳孔状態をビデオフレームに記録する段階を含む。
【0020】
幾つかの実施形態では、前記瞳孔状態を画像に記録する前記段階が、前記瞳孔状態を赤外線カメラで記録する段階を含む。
【0021】
幾つかの実施形態では、目標波面プロファイルを求める前記段階が、注視対象物体までの複数の距離を選択する段階と、少なくとも部分的には該複数距離に基づいて前記目標波面プロファイルを求める段階とを含む。
【0022】
幾つかの実施形態では、目標波面プロファイルを求める前記段階が、所望の視覚状態を、該所望の視覚状態に合わせて遠近調節しようとする被験者の意図を示す測定値に基づいて推定する段階を含む。
【0023】
幾つかの実施形態では、眼の複数の瞳孔状態を求める前記段階が、該眼の解剖学的基準に対する瞳孔状態を求める段階を含む。
【0024】
幾つかの実施形態では、該眼の前記解剖学的基準に対する瞳孔状態を求める前記段階が、該眼の前記解剖学的基準に対する瞳孔寸法及び瞳孔位置を求める段階を含む。
【0025】
幾つかの実施形態では、前記解剖学的基準は、角膜縁、虹彩、散大した瞳孔、収縮した瞳孔、薬理学的に散大した瞳孔、結膜、又は角膜である。
【0026】
幾つかの実施形態では、前記複数の瞳孔状態が少なくとも3つの瞳孔状態を含む。
【0027】
幾つかの実施形態では、第1の瞳孔状態は、第2の瞳孔状態瞳孔状態に対して求められる。
【0028】
幾つかの実施形態では、本方法は、前記波面補正プロファイルを、少なくとも部分的に点広がり関数、光学的伝達関数、変調伝達関数、又は相伝達関数に基づいて求める段階を更に含む。
【0029】
幾つかの実施形態では、第1の瞳孔状態に対応する瞳孔位置は、第2の瞳孔状態に対応する瞳孔位置に対して非同心である。
【0030】
幾つかの実施形態では、前記目標波面プロファイルを求める前記段階が、第1組の修正係数を、一組の目標係数及び第1の瞳孔状態の関数として与える段階と、第2組の修正係数を、前記一組の目標係数及び第2の瞳孔状態の関数として与える段階と、前記第1組の修正係数のうち少なくとも1つと前記第2組の修正係数のうち少なくとも1つとに関する制約条件に従って前記一組の目標係数を選択する段階と、前記目標係数に基づいて前記目標波面プロファイルを求める段階とを含む。
【0031】
幾つかの実施形態では、本方法は、前記眼の波面収差マップを求める段階と、前記波面収差マップに対応する空間モードの一組の基準係数を与える段階と、前記目標係数及び前記基準係数に基づいて波面補正プロファイルを求める段階とを更に含む。
【0032】
幾つかの実施形態では、前記目標係数を選択する前記段階は、前記第1組及び第2組の修正係数に対応する計量に基づいて前記目標係数を選択する段階を含む。
【0033】
幾つかの実施形態では、前記計量が、点広がり関数、光学的伝達関数、変調伝達関数、又は相伝達関数である。
【0034】
幾つかの実施形態では、前記計量が、伝達関数の三次元プロットの下側にある容積に基づく。
【0035】
幾つかの実施形態では、前記目標係数を選択する前記段階は、前記計量の値を閾値と比較する段階を含む。
【0036】
幾つかの実施形態では、本方法は、前記波面補正プロファイルに従って前記眼の前記角膜にレーザアブレーションを行う段階を更に含む。
【0037】
幾つかの実施形態では、レーザアブレーションを行う前記段階は、一回の外科処置で前記レーザアブレーションを行う段階を含む。
【0038】
幾つかの実施形態では、本方法は、前記波面補正プロファイルに従って光学素子を成形する段階を更に含む。
【0039】
幾つかの実施形態では、成形する前記段階は、前記波面補正プロファイルに従って前記光学素子にレーザアブレーションを実行する段階を更に含む。
【0040】
前記光学素子は、レンズ、コンタクトレンズ、眼鏡、眼内レンズ、又は変形可能ミラーを含むことができる。
【0041】
幾つかの実施形態では、本方法は、前記波面補正プロファイルに従って光可調節レンズを照射する段階を更に含む。
【0042】
幾つかの実施形態では、前記波面補正プロファイルを求める前記段階は、被験者のために複数の波面補正プロファイル候補に基づいて像をシミュレートする段階と、前記被験者からのフィードバックに基づいて前記波面補正プロファイルを選択する段階とを含む。
【0043】
別の様態では、本発明は眼内に配置するための光学素子を特徴とし、前記光学素子は、目標波面プロファイルに基づいた特徴を含んだ波面補正プロファイルに従って成形された表面を含む。前記波面補正プロファイルは、前記眼の複数の瞳孔状態に基づいた特徴を含む。
【0044】
幾つかの実施形態では、前記波面補正プロファイルは、前記目標波面プロファイル及び前記眼の波面収差マップに基づいた特徴を含む。
【0045】
幾つかの実施形態では、前記波面補正プロファイルは、前記目標波面プロファイルと前記波面収差マップに関連した基準波面プロファイルとの差に基づいた特徴を含む。
【0046】
前記方法は、前記眼の前記複数の瞳孔状態が、前記眼の瞳孔の寸法の変化又は前記瞳孔の位置の変化を含む。
【0047】
前記光学素子は、コンタクトレンズ又は眼内レンズを含むことができる。
【0048】
他の様態では、本発明は多焦点視力矯正を実行するシステムを特徴とし、前記システムは、眼の複数の瞳孔状態を求め、前記複数の瞳孔状態に基づいて目標波面プロファイルを求め、且つ前記目標波面プロファイルに基づいて波面補正プロファイルを求めるよう構成されたプロファイル計算モジュールを含む。
【0049】
幾つかの実施形態では、本システムは、前記眼の波面収差マップを求めるよう構成された波面マッピングモジュールを更に含み、前記プロファイル計算モジュールは、前記目標波面プロファイルと前記波面収差マップとに基づいて前記波面補正プロファイルを求めるよう構成されている。
【0050】
幾つかの実施形態では、前記プロファイル計算モジュールは、前記波面補正プロファイルを、前記目標波面プロファイルと前記波面収差マップに関連した基準波面プロファイルとの差に基づいて求めるよう構成されている。
【0051】
幾つかの実施形態では、前記方法は、前記眼の前記複数の瞳孔状態が、前記眼の瞳孔の寸法の変化又は前記瞳孔の位置の変化を含む。
【0052】
他に特に定義していない限り、本明細書で用いる科学技術用語は、本発明が属する分野の通常の技能を備えた当業者が一般に理解する意味と同一である。本明細書に記載したものと類似又は同等の方法及び材料を、本発明の実施又は試験に用いることができるが、適切な方法及び材料は後述する。本明細書で言及する全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の引用文献は、その全体を引用して援用する。かりに矛盾が生じた場合は、定義も含めて本明細書が優先する。更に、これら材料、方法、及び例は、例示的なものであって限定する意図はない。
【0053】
本発明のその他の特徴及び利点は、次の説明及び特許請求の範囲から明らかとなるはずである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
図1を参照すると、眼球波面補正プロファイリング・システム100は、被験者の眼の波面収差マップをプロファイル計算モジュール104へ入力として与える波面マッピングモジュール102を含む。プロファイル計算モジュール104は、瞳孔状態106も入力として受け取る。瞳孔状態106には、例えば瞳孔の寸法(例えば半径)及び眼の角膜縁に対する瞳孔の位置などが含まれる。プロファイル計算モジュール104は、角膜にレーザアブレーションを施すのに利用可能な波面補正プロファイル110を求めるモードソルバ108を含む。後に詳細するように、こうしたレーザアブレーションは、複数の注視距離(例えば、近い注視距離及び遠い注視距離)に関わる焦点調節能力の低下を補償するものである。或いは、波面補正プロファイル110を用いてコンタクトレンズ又は眼鏡(例えば、手術を行う前に被験者からのフィードバックを用いて当該プロファイルをテストするため)或いは眼内レンズなどの光学素子を成形できる(例えばレーザアブレーションを用いて)。例えば、波面補正プロファイル110を利用して、有水晶体眼内レンズ又は疑似有水晶体眼内レンズを挿入及び配置する前にそのレンズの表面を成形できる
【0055】
それ以外に、幾つかの実施形態では、システム100は調整可能な眼内レンズ(例えば、加えられた光放射に応答してその形状が変化する光可調節レンズ(LAL)、又は印加した電場に応答してその屈折率が変化するネマチック液晶レンズ)を挿入及び配置した後に瞳孔及び波面測定を行うこともできる。これら測定値を後に用いて、調節可能な眼内レンズの光学特性を波面補正プロファイル110に従って選択的に修正してもよい。
【0056】
波面マッピングモジュール102は、基準面(例えば、平面)に対して波面収差マップを測定又は推定するための様々な技術ならどんなものでも使用できる。例えば、波面マッピングモジュール102は、空間分解屈折計、レーザ光線追跡、チャーニング収差計(原語:Tcherning
aberroscope)、シャック−ハルトマン波面センサ、又は動的屈折検査法(原語:skiascopy)などの測定技法及び/又は装置を利用できる。収集した波面データは、被験者の薬理学的に散大した瞳孔に囲まれた領域にわたる収差を表す。或いは、波面マッピングモジュール102は、被験者の眼の一部の解剖学的測定に基づいて波面収差を推定してもよい。例えば、波面収差マップは角膜形態のマップから推定できる。従って、波面収差マップは、眼の構造体の一部又は全てを介した伝播による収差を表すことができる。
【0057】
波面マッピングモジュール102は、波面収差マップの数学的記述をプロファイル計算モジュール104に与える。波面収差マップの便利な数学的記述の1つとしては、波面収差マップ

(極座標による)のゼルニケ空間モード拡張がある。
【0058】
【数1】

【0059】
上記式で、

は、半径次数nと角振動数mを備えた互いに直交するゼルニケ基底関数(すなわち「空間モード」)であり、

は対応する重みづけ係数である。これら空間モードは、波面収差が定義されている瞳孔に対応した単位円(すなわち、

)上に定義される。半径次数n =
0及びn = 1(定数及び傾きの項)は波面収差マップの収差に寄与しないので、半径次数nは2からNまでに合計される。角振動数mは-nからnまで合計され、ここで

である(すなわち、mのパリティはnのパリティと同一)。従って、半径次数4(N
= 4)までの拡張では、この拡張は次の空間モード、


を含む。これら空間モードは基準円上にゼロ平均及び単位分散を備えるように正規化し、これは次の式で与えられる。
【0060】
【数2】


上記式では、
【0061】
【数3】


となる。
【0062】
図2A及び2Bを参照すると、波面収差マップ

は、瞳孔領域204上の基準面202からの波面200のずれを表す。波面200は、網膜206上の点Pから眼の解剖学的構造体(例えば、水晶体208及び角膜210)を介して角膜210の直前にある基準面202まで伝播する球面波面の作用を表す。平坦な(すなわち平面的な)基準面202は、「遠い」点(すなわち、可能な限り最も遠くの注視距離)を凝視した眼に対応する。或いは、基準面202は、眼のそれ以外の状態に関して他の形状(例えば球面)を備えることもできる。眼の構造体が「理想的」であれば(すなわち、構造体が収差を引き起こさなければ)、波面200は平坦となり、瞳孔領域204上に

を備えるはずである。
【0063】
異なる照明及び凝視(すなわち、注視距離)状態に関する瞳孔領域204及びその位置。瞳孔領域204の中心Oは、角膜縁212の中心OLに対して測定される。収差マップ

の点

の座標は、Oを中心とする極座標系で定義される。瞳孔領域204の半径Rも測定する。瞳孔領域204の最大寸法は薬理学的に散大した眼に対応する。瞳孔領域204は角膜210外部で測定するので、瞳孔領域204は瞳孔の実際の内部寸法214と異なることがある。
【0064】
被験者の眼の瞳孔状態106は、様々な照明及び凝視状態の下で(例えば、瞳孔計やカメラを使って)測定される。例えば、被験者が幾つかの特定距離にある点を凝視する間に、室内照明を1ルクスから1000ルクスまで変化させる。瞳孔状態106は、被験者の視覚上の必要性及び/又は要求に対応した凝視距離並びに室内照明状態に関する瞳孔寸法と位置の測定値を含み、これら必要性及び/又は要求は、二焦点矯正を行うための、「遠い視覚状態」(夜間の運転、映画鑑賞、屋外労働など)と「近い視覚状態」(明るい照明での読書、レントゲン写真を見ること、ピアノ演奏など)とに関わるものである。3つ以上の凝視状態に関する瞳孔状態を、例えば三焦点又は多焦点矯正のため含めることができる。瞳孔状態は、所望の視覚状態(例えば、遠い視覚状態又は近い視覚状態)に基づいて測定或いは推定される。所望の視覚状態は直接測定してもよいし、当該所望の視覚状態に合わせて遠近調節しようとする被験者の意図を示す測定(例えば、被験者の毛様体筋の収縮測定)に基づいて推定してもよい。こうした推定による測定は、引用して本明細書にその全体を援用する米国特許6,638,304号に詳細に記載されている。
【0065】
図3を参照すると、一実施形態では、瞳孔状態106は、角膜縁210の原点OLに対する、被験者瞳孔の3つの原点及び半径測定値を含む。第1原点O1及び半径R1は、薬理学的に散大した瞳301に対応する。第2原点O2及び半径R2は、眼が所望の遠い凝視状態にある時の、暗順応(すなわち、自然に散大した)瞳孔302に対応する。第3原点O3及び半径R3は、眼が所望の近い凝視状態にある時の収縮した瞳孔303に対応する。

【0066】
プロファイル計算モジュール104は、モードソルバ108が行う計算において相対的な瞳孔状態パラメータを用いる。パラメータSは、瞳孔寸法の相対比を

として表す。パラメータ

は、瞳孔状態間の移動距離を

として表し、この式では関数

は原点



との間の距離を与える。

などのゼロでない値は瞳孔の移動(すなわち「偏心」)を表し、瞳孔位置が非同心となる。パラメータaは、瞳孔状態間の水平方向からの移動角度を

,

として表し、x1は中心を

とするデカルト座標系のx軸上の点である。
【0067】
他の実施形態では、これより多くの或いは少ない瞳孔状態を使用する。
【0068】
プロファイル計算モジュール104は、被験者の現状での遠近調節能力を補足するのに必要であって、被験者が近い凝視状態

にある網膜に像を結ぶために必要な焦点調節力の度合い(ゼルニケRMS単位で)に対応した「加算」パラメータ

を求める。様々な技法のうち任意のものを用いて

を推定できる。例えば、「眼鏡読書テスト」を被験者に施して、被験者の遠近調節の関数として眼の収差を求めることができる。随意選択で、例えば、

などの、他の「加算」パラメータも推定して、近い瞳孔及び凝視状態と遠い近い瞳孔及び凝視状態との間の収差の変化をより正確に表すことできる。波面収差マップを被験者の非薬理学的に散大した瞳孔を介して求め、これら加算パラメータの推定の補助とすることもできる。遠近調節の関数としての球面収差などの収差変化は収差マップから測定でき、対応する「加算」パラメータ(例えば、球面収差については

)を求めるために使用できる。
【0069】
波面マッピングモジュール102は、薬理学的に散大した眼の瞳孔(半径R1)を介して測定される波面収差マップ

の空間モード拡張の「基準係数」を与える。収差マップ

の点

の座標は、

を中心とする極座標系で定義される。基準係数

は、相対瞳孔状態パラメータS1, S2,
d1, d2, a1, a2及び加算パラメータ

とともにモードソルバ108に入力される。
【0070】
モードソルバ108は、一組の「目標係数」と1つ又は複数組の「修正係数」とを求める。目標係数

は目標波面収差マップの空間モード拡張に対応し、これは、被験者の視力(例えば、被験者の角膜又はコンタクトレンズ)に関連した光学的性質(例えば、表面形状)に関わる所望の「目標波面プロファイル」を表す。眼球波面補正プロファイリング・システム100は、「目標波面プロファイル」と基準係数(被験者の手術前の波面プロファイル)に対応した「基準波面プロファイル」との差に基づいて、波面補正プロファイル110を生成する。
【0071】
目標係数は、修正係数に関する1つ又は複数の制約条件を満足する解を表す。修正係数は、瞳孔の収縮及び瞳孔の偏心の結果に起因する修正波面収差マップの空間モード拡張に対応する。一実施形態では、二組の修正係数

及び

に関する制約条件は、修正「焦点ぼけ係数」(すなわちn
= 2及びm = 0の係数)に関する次の制約条件を含む。
【0072】
【数4】

【0073】
上記式で、

は、薬理学的に散大した瞳孔301から暗順応瞳孔302への瞳孔状態の移行に基づく修正焦点ぼけ係数であり、

は、暗順応瞳孔302から収縮した瞳孔303への瞳孔状態の移行に基づく修正焦点ぼけ係数である。
【0074】
他の制約条件も可能であり、それらの幾つかは修正係数の一次結合として表現できる。例えば、モードソルバ108は、異なる係数の相対的な大きさに関する制約条件を(例えば、様々な係数の中で、特定の係数に対する実験的に導かれた優先に基づいて)含むことができる。
【0075】
目標係数は、閾値と比較した計量(原語:metric)の値に基づいて選択される。例えば、この計量は目標係数の平方自乗平均(RMS)を含むことができる。或いは、この計量は目標係数の任意の二次関数を含んでもよい。各目標係数は選択的に重み付けしてもよい。最初は、全ての重みを等しく1に設定する。次に、重みを変化させて、異なる解候補を計算する。
【0076】
修正係数

及び

は目標係数

の一次関数として計算される。
【0077】
【数5】

【0078】
四次元配列Pの係数

は、ゼルニケ多項式の直交性を用いて単位円板上の積分として計算される。
【0079】
【数6】

【0080】
上記式で、

は、

を中心とする極座標系で計算される。
【0081】
例えば、N = 6までの拡張に関して、修正焦点ぼけ係数

及び

は次のように計算される(k =
2,3とし、

と推定して)。
【0082】
【数7】

【0083】
上記式では、

及び

である。
【0084】
モードソルバ108は、閾値条件を満足する計量を与える目標係数を選択する。1つの閾値条件は、修正係数

及び

とそれぞれの瞳孔状態とに対応する修正波面収差マップ

及び

の点広がり関数を用いる。例えば、点広がり関数PSFは次のように計算される。
【0085】
【数8】

【0086】
FTはフーリエ変換に対応し、

は、所与の瞳孔状態に関する円形瞳孔領域を定義する開口関数であり、λは

を測定するのに用いる光の波長である。薬理学的に散大した眼の瞳孔(半径R1)を介して測定した波面収差マップ

の空間モード拡張の基準係数に関しては、開口関数は

について

であり、それ以外は

である。修正係数に関しては、開口関数は、対応する相対的な瞳孔収縮及び偏心に従って修正する。例えば、閾値条件は、所与の瞳孔状態の点広がり関数に基づいた「広がり計量」の値を、回折限界エアリー円盤パターンの広がり計量の値に比較することを含む。

であり、この式で

は単位ステップ関数で、

は所与の瞳孔状態の相対瞳孔寸法である(例えば、

)。こうした計量の1つは、PSFの二次モーメントを対応するエアリー円盤パターンの二次モーメントで除算したものである。二組の瞳孔状態に関して、閾値条件は、広がり係数のそれぞれの値の合算又は積を閾値と比較してもよい。
【0087】
先ず始め、モードソルバ108は、目標係数を、薬理学的に散大した瞳301で測定した基準係数に設定する。すなわち

である。次に、モードソルバ108は、修正焦点ぼけ係数に関する制約条件を満足し且つ選択した誤り判定基準を最小化する基準係数

の値を求めて初期状態の近傍を検索する。モードソルバ108は、制約条件を満足し且つ計量の同一値又は最小化値を与える複数の「解候補」(すなわち、目標係数からなる候補組)を発生してもよい。こうした場合、眼球波面補正プロファイリング・システム100は、閾値条件に従って1つ又は複数の解候補を選択できる。閾値条件は、解候補それぞれに関して生成した様々な像平面計量の何れかに基づくことができる。
【0088】
使用可能な他の計量の例としては、PSFのフーリエ転換である光学的伝達関数(OTF)、OTFの大きさである変調伝達関数(MTF)、及びOTFの位相である相伝達関数(PTF)がある。これら計量を、それぞれの瞳孔状態及び任意波長について計算可能である。幾つかの実施形態では、白色光のMTFが、異なる解候補に関して計算される。最終的な解は、制約条件を満足する解候補であって、最大及び最小瞳孔寸法の一方又は両方に関してMTFの三次元プロットの下側にある容積を最大化するものとして選択できる。
【0089】
或いは、眼球波面補正プロファイリング・システム100は、複数の解候補に基づいて複数の波面補正プロファイル(例えば5乃至10)を生成できる。複数の「プレビューレンズ」を作製して、被験者に様々なプロファイルの視覚効果を試させて(例えば視力テストにより)、実際に使用するものを1つ選択させてもよい。例えば、プレビューレンズを試用フレームに入れて使用したり、手で持ったり、コンタクトレンズとして使用したりできる。別法としては、複数の解候補を変形可能ミラーアレイで表して、波面が被験者の眼に透過する前に直接的にその波面をひずませてもよい。被験者は、様々な瞳孔寸法及び/又は照明状態で、変形可能ミラーを備えた光学系を介して様々な物体を見ることで、解候補をシミュレートし、最善の折衷案又は最善解を選択できる。これら又は他の技法を用いて異なる解候補をシミュレートできる。
【0090】
波面補正プロファイル110は、オプションで、外科処置の予想される術後生体効果(例えば、創傷治癒)を表すこともできる。角膜の波面誘導レーザアブレーションに関しては、プロファイル110によって、複数の瞳孔及び凝視状態の視力矯正が一回のみの外科処置で可能となる。従って、単一組の瞳孔及び凝視状態に関する遠近調節を最適化し且つ高次の収差を最小化することによって視力を矯正する代わりに、眼球波面補正プロファイリング・システム100は、複数組の瞳孔及び凝視状態に関する視力矯正を天秤に掛けるための、選択的に誘導された収差を組み込んだプロファイル110を生成できる。
【0091】
本発明をその詳細な説明に関連して記載してきたが、上述の説明は例示を意図したものであり、本発明の範囲を限定するものではない。又、本発明の範囲は、添付した特許請求の範囲によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】眼球の波面補正プロファイリング・システムのブロック図である。
【図2】(A)眼及び波面収差に関する基準面の概略図である。 (B)角膜縁に対する瞳孔領域の座標系の略図である。
【図3】3つの瞳孔位置を示す略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多焦点視力矯正を行うための方法であって、
眼の複数の瞳孔状態を求める段階で、第1の瞳孔状態に対応する瞳孔位置が、第2の瞳孔状態に対応する瞳孔位置に対して非同心である、求める段階と、
目標波面プロファイルを前記複数の瞳孔状態に基づいて求める、方法。
【請求項2】
前記眼の波面収差マップを求める段階と、
前記目標波面プロファイル及び前記波面収差マップに基づいて波面補正プロファイルを求める段階とを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記波面補正プロファイルが、前記目標波面プロファイルと前記波面収差マップに関連した基準波面プロファイルとの差に基づいたものである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
眼の複数の瞳孔状態を求める前記段階が、前記眼の瞳孔の寸法の変化及び前記瞳孔の位置の変化を求める段階を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
眼の複数の瞳孔状態を求める前記段階が、複数の所望の視覚状態を求める段階と、前記複数の所望の視覚状態のそれぞれに対応した瞳孔状態を推定する段階とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
眼の複数の瞳孔状態を求める前記段階が、複数の所望の視覚状態をシミュレートする段階と、前記所望の視覚状態のそれぞれに起因する瞳孔状態を測定する段階とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
眼の複数の瞳孔状態を求める前記段階が、照明条件に対応した瞳孔状態を求める段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記瞳孔状態を求める前記段階が、注視距離に対応した瞳孔状態を求める段階を更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
眼の複数の瞳孔状態を求める前記段階が、光の波長に対応した瞳孔状態を求める段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記瞳孔状態を求める前記段階が、注視距離に対応した瞳孔状態を求める段階を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
眼の複数の瞳孔状態を求める前記段階が、瞳孔状態を画像に記録する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記瞳孔状態を画像に記録する前記段階が、前記瞳孔状態をビデオフレームに記録する段階を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記瞳孔状態を画像に記録する前記段階が、前記瞳孔状態を赤外線カメラで記録する段階を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
目標波面プロファイルを求める前記段階が、注視対象物体までの複数の距離を選択する段階と、少なくとも部分的には該複数距離に基づいて前記目標波面プロファイルを求める段階とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
目標波面プロファイルを求める前記段階が、所望の視覚状態を、該所望の視覚状態に合わせて遠近調節しようとする被験者の意図を示す測定値に基づいて推定する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
眼の複数の瞳孔状態を求める前記段階が、該眼の解剖学的基準に対する瞳孔状態を求める段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
該眼の前記解剖学的基準に対する瞳孔状態を求める前記段階が、該眼の前記解剖学的基準に対する瞳孔寸法及び瞳孔位置を求める段階を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記解剖学的基準が、角膜縁、虹彩、散大した瞳孔、収縮した瞳孔、薬理学的に散大した瞳孔、結膜、及び角膜からなるグループから選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の瞳孔状態が少なくとも3つの瞳孔状態を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
第1の瞳孔状態が第2の瞳孔状態に対して求められる、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
点広がり関数、光学的伝達関数、変調伝達関数、及び相伝達関数からなるグループから選択される計量に少なくとも部分的に基づいて前記波面補正プロファイルを求める段階を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項22】
第1の瞳孔状態に対応する瞳孔位置が、第2の瞳孔状態に対応する瞳孔位置に対して非同心である、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記目標波面プロファイルを求める前記段階が、
第1組の修正係数を、一組の目標係数及び第1の瞳孔状態の関数として与える段階と、
第2組の修正係数を、前記一組の目標係数及び第2の瞳孔状態の関数として与える段階と、
前記第1組の修正係数のうち少なくとも1つと前記第2組の修正係数のうち少なくとも1つとに関する制約条件に従って前記一組の目標係数を選択する段階と、
前記目標係数に基づいて前記目標波面プロファイルを求める段階とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記眼の波面収差マップを求める段階と、
前記波面収差マップに対応する空間モードの一組の基準係数を与える段階と、
前記目標係数及び前記基準係数に基づいて波面補正プロファイルを求める段階とを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記目標係数を選択する前記段階が、前記第1組及び第2組の修正係数に対応する計量に基づいて前記目標係数を選択する段階を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記計量が、点広がり関数、光学的伝達関数、変調伝達関数、及び相伝達関数からなるグループから選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記計量が、伝達関数の三次元プロットの下側にある容積に基づく、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記目標係数を選択する前記段階が、前記計量の値を閾値と比較する段階を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記波面補正プロファイルに従って前記眼の前記角膜にレーザアブレーションを行う段階を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項30】
レーザアブレーションを行う前記段階が、一回の外科処置で前記レーザアブレーションを行う段階を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記波面補正プロファイルに従って光学素子を成形する段階を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項32】
成形する前記段階が、
前記波面補正プロファイルに従って前記光学素子にレーザアブレーションを実行する段階を更に含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記光学素子がレンズを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記レンズがコンタクトレンズを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記光学素子が眼鏡を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記光学素子が眼内レンズを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記光学素子が変形可能ミラーを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
前記波面補正プロファイルに従って光可調節レンズを照射する段階を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項39】
前記波面補正プロファイルを求める前記段階が、
被験者のために複数の波面補正プロファイル候補に基づいて像をシミュレートする段階と、
前記被験者からのフィードバックに基づいて前記波面補正プロファイルを選択する段階とを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項40】
眼内に配置するための光学素子であって、
目標波面プロファイルに基づいた特徴を含んだ波面補正プロファイルに従って成形された表面を含み、
前記目標波面プロファイルが前記眼の複数の瞳孔状態に基づいた特徴を含み、第1の瞳孔状態に対応する瞳孔位置が、第2の瞳孔状態に対応する瞳孔位置に対して非同心である、光学素子。
【請求項41】
前記波面補正プロファイルが、前記目標波面プロファイル及び前記眼の波面収差マップに基づいた特徴を含む、請求項40に記載の光学素子。
【請求項42】
前記波面補正プロファイルが、前記目標波面プロファイルと前記波面収差マップに関連した基準波面プロファイルとの差に基づいた特徴を含む、請求項41に記載の光学素子。
【請求項43】
前記眼の前記複数の瞳孔状態が、前記眼の瞳孔の寸法の変化及び前記瞳孔の位置の変化を含む、請求項40に記載の光学素子。
【請求項44】
前記光学素子がコンタクトレンズを含む、請求項40に記載の光学素子。
【請求項45】
前記光学素子が眼内レンズを含む、請求項40に記載の光学素子。
【請求項46】
多焦点視力矯正を実行するシステムであって、
第1の瞳孔状態に対応する瞳孔位置が、第2の瞳孔状態に対応する瞳孔位置に対して非同心である、眼の複数の瞳孔状態を求め、
前記複数の瞳孔状態に基づいて目標波面プロファイルを求め、且つ
前記目標波面プロファイルに基づいて波面補正プロファイルを求めるよう構成されたプロファイル計算モジュールを含む、システム。
【請求項47】
前記眼の波面収差マップを求めるよう構成された波面マッピングモジュールを更に含み、
前記プロファイル計算モジュールが、前記目標波面プロファイルと前記波面収差マップとに基づいて前記波面補正プロファイルを求めるよう構成されている、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記プロファイル計算モジュールが、前記波面補正プロファイルを、前記目標波面プロファイルと前記波面収差マップに関連した基準波面プロファイルとの差に基づいて求めるよう構成されている、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記眼の前記複数の瞳孔状態が、前記眼の瞳孔の寸法の変化及び前記瞳孔の位置の変化を含む、請求項46に記載のシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−506505(P2008−506505A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522646(P2007−522646)
【出願日】平成17年7月19日(2005.7.19)
【国際出願番号】PCT/US2005/025547
【国際公開番号】WO2006/014624
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(596114853)マサチューセッツ・アイ・アンド・イア・インファーマリー (11)
【Fターム(参考)】