説明

眼科用および耳鼻咽喉科用機器材料

柔軟性があり、高屈折率のアクリル樹脂製機器材料が開示される。この材料は、ポリマー骨格に親水性ブロックを含むジブロックマクロマーまたはトリブロックマクロマーを含む。この材料は、改善されたグリスニング耐性を有する。本発明の機器材料は、a)単官能性アクリレートモノマー、または単官能性メタクリレートモノマー[1]、b)二官能性アクリレート架橋剤、または二官能性メタクリレート架橋剤[2]、およびc)ジブロックマクロマーまたはトリブロックマクロマー[3](これらは、式[3a]、[3b]、[3c]、[3d]、または[3e]のマクロマーでありうる)を含むコポリマーである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善された眼科用および耳鼻咽喉科用機器材料を対象とする。特に、本発明は、改善されたグリスニング耐性(glistening resistance)を有する、柔軟性のある、高屈折率アクリル樹脂製機器材料に関する。
【背景技術】
【0002】
小切開白内障手術における近年の進歩と共に、人工レンズの用途に適した柔軟性のある、折りたたみ可能な材料の開発に重点が置かれることが増えている。一般的にこのような材料は、次の3つの分類のうちの1つに属す:ヒドロゲル、シリコーン、およびアクリル樹脂(acrylic)。
【0003】
一般的に、ヒドロゲル材料は、比較的屈折率が低く、所与の屈折力を実現するのにより厚いレンズ光学部が必要であるため、他の材料よりも好ましくないものにしている。従来のシリコーン材料は、一般的にヒドロゲルよりも高い屈折率を有するが、たたみ込まれた状態で眼内に配置された後、爆発的に広がりやすい。爆発的に広がると、角膜内皮を損傷し、および/または生来の水晶体嚢を破裂させる可能性が有りうる。アクリル樹脂材料は、高い屈折率を有し、また従来のシリコーン材料よりもゆっくりとまたは制御可能に広がるので、この材料が好ましい。
【0004】
特許文献1は、眼内レンズ(「IOL」)材料として用いるのに適した、高屈折率のアクリル樹脂材料を開示している。このようなアクリル樹脂材料は、主成分として2種類のアリールアクリルモノマーを含む。このようなアクリル樹脂材料を原料とするIOLは、小さな切開部より挿入するために丸められ、折りたたまれうる。
【0005】
また、特許文献2は、柔軟性のあるアクリル樹脂IOL材料も開示している。このような材料は、2種類のアクリルモノマーを主成分として含み、同アクリルモノマーは、各ホモポリマーの特性により定義される。第1のモノマーは、そのホモポリマーが、少なくとも約1.50の屈折率を有するもののうちの1つとして定義される。第2のモノマーは、そのホモポリマーが、約22℃未満のガラス転移温度を有するもののうちの1つとして定義される。また、これらのIOL材料は、架橋剤成分も含む。さらに、これらの材料は、最初の3種類の構成物質とは異なる、親水性モノマーに由来する第4番目の構成物質を任意選択的に含みうる。これらの材料は、全量として親水性成分の約15重量%未満を占めるのが好ましい。
【0006】
特許文献3は、2種類の主要成分のみ、すなわち1種類のアリールアクリル疎水性モノマー、および1種類の親水性モノマーのみを少なくとも約90重量%含む、折りたたみ可能な高屈折率眼科用レンズ材料を開示している。アリールアクリル疎水性モノマーは、下記の化学式を有し、
【0007】
【化1】

式中、Xは、HまたはCHであり;
mは、0〜6であり;
Yは、無し、O、S、またはNRであり、ここでRは、H、CH、C2n+1(n=1〜10)、イソ−OC、C、またはCHであり;
Arは、置換されていない、またはCH、C、n−C、イソ−C、OCH、C11、Cl、Br、C、またはCHで置換されていてもよい任意の芳香環である。
特許文献3に記載されているレンズ材料は、約−20および+25℃の間にガラス転移温度(「T」)を有するのが好ましい。
【0008】
可撓性のある眼内レンズは、折りたたまれ、小さな切開部から挿入されうる。一般的に、材料が柔らかくなるほど、より大きく変形できるようになり、その結果、極めて小さな切開部から当該材料を挿入できるようになる。柔軟なアクリル樹脂、またはメタクリル樹脂材料は、一般的に、IOLをシリコーン製IOLに必要とされる切開と同程度に小さな切開部から挿入可能にするような、適当な材料強度、可撓性、および非粘着性表面特性の組み合わせを有さない。
【0009】
ポリエチレングリコール(PEG)ジメタクリレートは、疎水性アクリル樹脂配合物のグリスニング耐性を改善することが公知である。例えば、特許文献3;特許文献4;特許文献5;および特許文献6を参照すること。PEGジメタクリレートの濃度と分子量の両方が、グリスニング性能に影響を及ぼす。一般的に、より高分子量のPEGジメタクリレート(1000MW)を使用すると、より低分子量のPEGジメタクリレート(<1000MW)と比較して、低PEG濃度(10〜15wt%)でもグリスニング性能が改善されたコポリマーを生成する。しかし、低PEGジメタクリレート濃度は、高屈折率コポリマーを維持するのに望ましい。PEGジメタクリレートを添加すると、生成したコポリマーの弾性係数および伸張強度を低下させる傾向もある。また、より高分子量のPEGジメタクリレートは、一般的に、疎水性アクリルモノマーと混和しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5,290,892号明細書
【特許文献2】米国特許第5,331,073号明細書
【特許文献3】米国特許第5,693,095号明細書
【特許文献4】米国特許第6,528,602号明細書
【特許文献5】米国特許第6,653,422号明細書
【特許文献6】米国特許第6,353,069号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
特にIOLとして用いるのに適した、ただし、例えば、コンタクトレンズ、人工角膜、角膜リングまたは角膜内レンズ、耳科用換気チューブ、および鼻腔用移植物などのその他の眼科用または耳鼻咽喉科用機器としても有用な、改善された、柔軟性のある、折りたたみ可能なアクリル樹脂製機器材料が発見されている。これらの高分子材料は、高分子骨格中に親水性ブロックを含むジブロックマクロマーまたはトリブロックマクロマーを含む。
【0012】
本発明のマクロマーが有する特定のブロック構造は、重合前の疎水性モノマー配合物内に、より高分子量の親水性ブロックが可溶化するのを可能にする。親水性ブロックの分子量が高いほど、より低分子量の親水性ブロックと比較して、親水性ブロックの濃度が低くてもグリスニング耐性が得られる。マクロマー中に疎水性ブロック組成物が存在すると、マクロマーが疎水性コポリマー配合物中に溶解する溶解度が増大する。このように、親水性成分の濃度が低下すると、平衡含水量の低下、屈折率の増大、および小切開箇所から挿入可能な眼内レンズの低質量化がもたらされる。対象とするジブロックマクロマーおよびトリブロックマクロマーは、グリスニング耐性、低平衡含水量、高屈折率のIOLの合成を可能にする。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明の詳細な説明
別途明記しない限り、すべての成分量は、%(w/w)(「wt%」)に基づき表される。
【0014】
本発明の機器材料は、a)単官能性アクリレートモノマー、または単官能性メタクリレートモノマー[1]、b)二官能性アクリレート架橋剤、または二官能性メタクリレート架橋剤[2]、およびc)ジブロックマクロマーまたはトリブロックマクロマー[3](これらは、式[3a]、[3b]、[3c]、[3d]、または[3e]のマクロマーでありうる)を含むコポリマーである。この機器材料は、2種類以上のモノマー[1]、2種類以上のモノマー[2]、および2種類以上のマクロマー[3]を含むことができる。別途明記しない限り、各成分を参照する場合、同一の式の複数のモノマーまたはマクロマーを含めるように意図され、また量を参照する場合、各式の全モノマーまたは全マクロマーの全量を指すように意図されている。
【0015】
【化2】

式中、
B=−O(CH−、−(OCHCH−、−NH(CH−、または−NCH(CH−であり;
=H、CH、CHCH、またはCHOHであり;
n=0〜12であり;
A=CまたはO(CHであり、C基は、−(CHH、−O(CHH、−CH(CH、−C、−OC、−CH、F、Cl、Br、またはIにより場合によって置換されており;
m=0〜18であり;
【0016】
【化3】

式中、
独立に、R、R=H、CH、CHCH、またはCHOHであり;
独立に、W、W’=O(CH、NH(CH、NCH(CH、O(CH、O(CHCHO)CH、O(CHCHCHO)CH、O(CHCHCHCHO)CH、または無し、であり;
J=(CH、O(CHCHO)、O、または無し、であり、ただし、WおよびW’=無し、の場合には、J≠無し、であり;
d=0〜12であり;
a=1〜12であり;
b=1〜24であり;
【0017】
【化4】

【0018】
【化5】

ここで、式[3a]、[3b]、[3c]、[3d]、および[3e](まとめて「式[3]」と呼ぶ)において、
独立に、a=1〜18であり;
=−(OCHCHO−、−(OCHCH(CH))O−、−(NHCHCHNH−、または−N(COR)CHCHOであり;
X=O、NH−、N(CH)−、N(CHCH)−、またはN(C)−であり;
Y=−(CHH、−CHC(CH;−CHCHN(C、−CHCH(OH)CHOC、−(CHCHO)、−(CH、または−(CHOCであり;
=−(OCHCHO−、−(OCHCH(CH))O−、−(NHCHCHNH−、または−O(CHCH(COR)N)−R−(N(COR)CHCHO−であり;
独立に、R、R、R=H、CH、CHCH、CHCHCH、CH(CH、CHCHCHCH、またはCHCH(CHであり;
=CH、CHCH、CHCHCH、CH(CH、CHCHCHCH、またはCHCH(CHであり;
=CH、(CH、(CH、(CH、(CH、または(CHであり;
p=1〜500であり;
e=1〜200、ただし、p≧eであり;
t=0〜6であり;
=CH=C(R)C(O)−、CH=C(R)COCHCHNHC(O)−、またはCH=CHCC(O)CH=CHCCHであり;
L=H、Cl、Br、−CHC(O)CH、CHC(O)C(CH、−CHC(O)C、−CHC(O)COH、−CHC(O)COCH
【0019】
【化6】

またはCHCH=CHである。
【0020】
式[1]の好ましいモノマーは、
B=−O(CH−または−(OCHCH−であり;
=−Hまたは−CHであり;
n=1〜5であり;
A=−C、O(CHであり;
m=0〜4である、
ものである。
【0021】
式[2]の好ましいモノマーは、
独立にR、R=HまたはCHであり;
独立にW、W’=O(CH、O(CH、または無しであり;
J=O(CHCHO)、または無し、であり、ただし、WおよびW’=無し、である場合には、J≠無し、であり;
d=0〜6であり;
b=1〜10である、
ものである。
【0022】
式[3]の好ましいマクロマーは、
独立に、a=1〜12であり;
=−(OCHCHO−、または−(OCHCH(CH))O−であり;
X=O、またはN(CH)−であり;
Y=−(CH、または(CHOCであり;
=−(OCHCHO−、または−(OCHCH(CH))O−であり;
独立に、R、R、R=H、CH、またはCHCHであり;
p=20〜250であり;
e=5〜150、ただし、pは≧eであり;
t=1〜4であり;
=CH=C(R)C(O)−、またはCH=C(R)COCHCHNHC(O)−であり;
L=H、Cl、Br、−CHC(O)CH、CHC(O)C(CH、−CHC(O)C、−CHC(O)COH、−CHC(O)COCH
【0023】
【化7】

またはCHCH=CHである、
ものである。
【0024】
式[3]の最も好ましいマクロマーは、
独立に、a=1〜4であり;
=−(OCHCHO−であり;
X=Oであり;
Y=(CHであり;
=−(OCHCHO−であり;
、R=CHであり;
=HまたはCHであり;
p=30〜120であり;
e=10〜100、ただし、p≧eであり;
t=1〜2であり;
=CH=C(R)C(O)−、またはCH=C(R)COCHCHNHC(O)−であり;
L=H、−CHC(O)C、−CHC(O)COH、−CHC(O)COCH、CHCH=CHである、
ものである。
【0025】
式[1]のモノマーは公知であり、公知の方法により作製可能である。例えば、米国特許第5,331,073号および第5,290,892号を参照すること。式[1]の多くのモノマーは、様々な製造元から市販されている。式[1]の好ましいモノマーとして、ベンジルメタクリレート、2−フェニルエチルメタクリレート、3−フェニルプロピルメタクリレート、4−フェニルブチルメタクリレート、5−フェニルペンチルメタクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、2−(2−フェノキシエトキシ)エチルメタクリレート、2−ベンジルオキシエチルメタクリレート、2−(2−(ベンジルオキシ)エトキシ)エチルメタクリレート、および3−ベンジルオキシプロピルメタクリレート、ならびにこれらに対応するアクリレートが挙げられる。
【0026】
式[2]のモノマーは公知であり、公知の方法により作製可能である。多くは市販されている。式[2]の好ましいモノマーとして、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ベンゼンジメタノールジメタクリレート、およびこれらの対応するアクリレートが挙げられる。最も好ましいのは、1,4−ブタンジオールジアクリレートである。
【0027】
式[3]のマクロマーは、公知の方法により作製可能である。式[3]のマクロマーは、制御ラジカル重合法を用いて作製可能である。例えば、構造式[3a]および[3b]のマクロマーは、ポリエチレングリコールに基づく開始剤を用いたメタクリルモノマーの原子移動ラジカル重合(ATRP)により、作製されうる。末端にブロモイソブチレート基(複数可)を有する単官能性または二官能性PEGは、選択されたメタクリレートモノマーを重合化するように、ハロゲン化銅(I)、および可溶化アミン配位子と混合される。一度、所望の分子量が得られると、ラジカルスカベンジャーまたは触媒として働く連鎖移動剤を添加して、不飽和末端基を備えたメタクリルポリマーを生成する。例えば、Norman, J. らのMacromolecules 2002年、35巻、8954〜8961頁、またはBon, S. A. F. らのJ.Polym.Sci., Polym.Chem.2000年、38巻、2678頁を参照すること。
【0028】
式[3c]および[3d]のマクロマーは、ポリエチレングリコールに基づく開始剤を用いたメタクリルモノマーまたはアクリルモノマーの原子移動ラジカル重合(ATRP)により、調製されうる。このような場合、水酸基官能性1級アミンを用いて反応を停止すると、末端に水酸基を有するポリ(アクリレート)またはポリ(メタクリレート)が得られる。次に、この生成物は、メタクリロイルクロリド、またはイソシアナトエチルメタクリレートと反応することができる。一般的に、米国特許第5,852,129号、第5,763,548号、および第5,789,487号を参照すること。
【0029】
構造式[3e]のマクロマーも、原子移動ラジカル重合(ATRP)によって作製されうる。例えば、メタクリレートモノマーは、ハロゲン化銅(I)、アミン配位子、および溶媒と混合される。重合は、一方が保護されたポリエチレングリコールに基づく活性化ハロゲン化アルキルにより開始される。一度、所望の変換が達成され、末端封鎖剤を添加すると、末端基に望ましい官能性を有するメタクリルポリマーが生成する。次に、ポリエチレングリコールに基づく開始剤から保護基を取り外し、生成ポリマーを、例えば、メタクリロイルクロリドまたはイソシアナトエチルメタクリレートでエステル化する。
【0030】
好ましい実施形態では、マクロマー[3]は下記の構造式を有する。
【0031】
【化8】

このマクロマーは下記実施例1のように、ポリ(エチレングリコール)(M 1500)から、2ステップで合成される。第1のステップでは、ポリ(エチレングリコール)を、ピリジン存在下で、2−ブロモイソブチリルブロミドとエステル化する。次に、精製したこの生成物を、ATRPによる2−フェニルエチルメタクリレート(PEMA)の重合の開始に用いるが、この重合化は、ラジカルスカベンジャーにより停止されて、不飽和末端基が生成する。
【0032】
本発明の共重合性材料は、モノマー[1]を全量として65〜95%の量、および好ましくは、70〜90%の量を含む。二官能性の架橋剤[2]の濃度は、全濃度の約0.5〜3%程度で、好ましくは1〜2%でありえる。
【0033】
本発明の材料は、少なくとも1種類の式[3]のマクロマーを有する。マクロマー[3]の全量は、機器材料にとって望ましい物理特性に依存する。本発明の共重合性材料は、マクロマー[3]を全部で少なくとも5wt%を含み、最大35%を含むことができる。好ましくは、共重合性機器材料は、マクロマー[3]を10〜30wt%含む。最も好ましくは、共重合性機器材料は、マクロマー[3]を10〜20wt%含む。
【0034】
本発明の共重合性機器材料は、任意選択的に、重合性UV吸収剤および重合性着色剤からなる群から選択される1つまたは複数の種類の成分を含む。本発明の機器材料は、式[1]および[2]のモノマー、マクロマー[3]、ならびに任意選択的である重合性UV吸収剤および重合性着色剤以外の、その他の成分を含まないのが好ましい。
【0035】
反応性UV吸収剤は公知である。適当な反応性UV吸収剤は、o−メタリルチヌビンP(「oMTP」)として、Polysciences、Inc.、Warrington、Pennsylvaniaより市販されている、2−(2’−ヒドロキシ−3’−メタリル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールである。UV吸収剤は、一般的に、約0.1〜5%の量で存在する。適当な反応性のある青色光吸収性化合物として、米国特許第5,470,932号に記載されているものが挙げられる。青色光吸収剤は、一般的に、約0.01〜0.5%の量で存在する。IOLを作製するのに用いる場合には、本発明の機器材料は、反応性UV吸収剤、および反応性着色剤の両方を含むのが好ましい。
【0036】
本発明の機器材料を形成するために、任意選択的成分のいずれかと共に、選択成分[1]、[2]、および[3]を混合し、加熱作用または照射作用のいずれかにより重合が開始するように、ラジカル開始剤を用いて重合させる。機器材料は、窒素下で脱気したポリプロピレン鋳型内において、またはガラス鋳型内において重合させるのが好ましい。
【0037】
適当な重合開始剤として、熱開始剤および光開始剤が挙げられる。好ましい熱開始剤として、t−ブチル(ペルオキシ−2−エチル)ヘキサノエート、およびジ−(tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカルボネート(Akzo Chemicals Inc.、Chicago、Illinoisより、Perkadox(登録商標)16として市販されている)などの、ペルオキシフリーラジカル開始剤が挙げられる。特に、本発明の材料が、青色光吸収性発色団を含まない場合には、好ましい光開始剤としては、BASF Corporation(Charlotte、North Carolina)よりLucirin(登録商標)TPOとして市販されている、2,4,6−トリメチル−ベンゾイルジフェニル−ホスフィンオキシドなどの、ベンゾイルホスフィンオキシド開始剤が挙げられる。開始剤は、一般的には、総配合物量の約5%以下の量で存在し、より好ましくは、総配合物の2%未満である。成分量計算を目的とする場合の常として、開始剤重量は、配合物重量%の計算には含まれない。
【0038】
上記成分の具体的な組み合わせ、およびあらゆる追加成分の識別および量は、完成される機器材料の望ましい特性により決定される。好ましい実施形態では、本発明の機器材料は、圧縮または引き伸ばされ、また2mm以下の大きさの外科的切開部から挿入されるように設計されている、5.5または6mmの光学直径を有するIOLを作製するのに用いられる。例えば、マクロモノマー[3]は、単官能性のアクリレートモノマーまたはメタクリレートモノマー[1]、多官能性のアクリレート架橋剤またはメタクリレート架橋剤[2]、反応性UV吸収剤および反応性着色剤と共に混合され、適当なレンズ鋳型内でラジカル開始剤を用いて重合される。
【0039】
機器材料は、Abbeの屈折計により、589nm(Na光源)および25℃において測定した場合、水和状態で少なくとも約1.50の屈折率を有するのが好ましく、少なくとも約1.53を有するのがより好ましい。1.50未満の屈折率を有する材料から作製された光学部は、より高い屈折率を有する材料から作製された同じ屈折力の光学部よりも、必然的に厚くなる。従って、同等の機械特性および約1.50よりも低い屈折率を持つ材料から作製されたIOL光学部は、一般的に、IOL移植するのに、比較的大き目の切開を必要とする。
【0040】
本発明のコポリマーに含まれるべきモノマーおよびマクロマーの比率は、コポリマーが、正常なヒト体温である約37℃以下のガラス転移温度(T)を有するように選択される必要がある。37℃よりも高いガラス点移転を有するコポリマーは、折りたたみ可能なIOLで使用するのに適さず、そのようなレンズは、37℃よりも高い温度においてのみ丸めること、または折りたたむことができ、また正常体温では丸まったもの、または折りたたまれたものは元には戻らない。正常体温よりも若干低く、また通常の室温以下のガラス転移点温度、例えば20〜25℃を有するコポリマーを、そのようなコポリマーを原料とするIOLが、室温で便利に丸められ、折りたたまれうるように、使用するのが好ましい。Tは、示差走査熱量測定法により10℃/分で測定され、熱流束曲線の転移中点において決定される。
【0041】
IOL、またその他の用途の場合、本発明の材料は、この材料を原料とする機器が、破壊することなく折りたたまれ、または取り扱われうるように、十分な強度を示さなければならない。従って、本発明のコポリマーは、少なくとも80%、好ましくは少なくとも100%、最も好ましくは110%を超えた伸長率を有する。このような特性は、こうした材料を原料とするレンズは、一般的に、折りたたまれる際に、割れたり、裂けたり、または分離したりしないこととして現れる。ポリマーサンプルの伸長率は、全長20mm、グリップ部の長さが4.88mm、全幅が2.49mm、くびれ部分の幅が0.833mm、フィレット半径が8.83mm、および厚さが0.9mmのダンベルの形状をした伸張試験試料について決定される。試験は、サンプルについて、50ニュートンのロードセルを備えたInstron Material Tester(Model No.4442または同等品)を用いて、周囲条件で実施される。グリップ距離を14mmに、またクロスヘッドスピードを500mm/分に設定し、破断するまでサンプルを引っ張る。伸長率(変形率)は、当初のグリップ距離に対する破断時の変位の割合として報告される。試験対象材料は、本質的に柔らかいエラストマーであるため、Instron機械装置に材料を取り付ける際に、材料を折り曲げてしまいやすい。材料サンプルのたるみを除去するために、サンプルに前負荷をかける。こうすることは、たるみを低減し、より一定な測定値を得るのに役立つ。一度、サンプルに所望の値(一般的に0.03〜0.05N)まで前負荷をかけたら、変形率を0に設定し、試験を開始する。弾性係数は、応力−変形曲線の、0%変形率(「ヤング率」)、25%変形率(「25%弾性係数」)、および100%変形率(「100%弾性係数」)における瞬間的な傾きとして計算される。
【0042】
本発明の眼科用機器材料を原料とするIOLは、他の材料よりもグリスニングに対する耐性が高い。グリスニングは、下記試験に基づき測定される。レンズまたは円板状のサンプルをバイアルまたは密閉ガラスチャンバー内に配置し、脱イオン水または平衡塩類溶液を加えて、グリスニングの有無を測定する。次に、バイアルまたはガラスチャンバーを、45℃に予備加温されたウォーターバスに入れる。サンプルはバス内に、最低16時間、好ましくは24時間±2時間保持されるべきである。次に、バイアルまたはガラスチャンバーを、最低60分間、好ましくは90±30分間、周囲温度になるまで冷却する。サンプルは、透明度を評価するために、様々なオンアングルまたはオフアングル照明において目視的に検査される。グリスニングの可視化は、周囲温度において、倍率50〜200倍を用いた光学顕微鏡により実施される。倍率50〜200倍で、2−フェニルエチルアクリレートが65重量%、2−フェニルエチルメタクリレートが30重量%、BDDAが3.2重量%、およびOMTPが1.8重量%に基づく対照サンプルにおいて観察される多くのグリスニングの約50〜100%が存在する場合には、サンプルは多くのグリスニングを有すると判断される。同様に、対照サンプル中に観察される数量と比較して、約10%以上のグリスニングが存在する場合には、サンプルは若干のグリスニングを有すると判断される。対照サンプルと比較して、約1%以上のグリスニングが存在する場合には、サンプルは非常に少ないグリスニングを有すると判断される。接眼レンズ内で検出されるグリスニングの数がゼロの場合には、サンプルはグリスニング無し、と判断される。倍率50〜200倍で、接眼レンズ内で検出されるグリスニングの数が約2個/mm未満の場合には、サンプルは実質的にグリスニングが無いと判断される。特に、より多くの欠陥および破片(debris)が形成される表面および端部におけるグリスニングを検出するのは、多くの場合非常に困難であり、従って、サンプルは、グリスニングの有無の検出を狙いとして、倍率レベル(50〜200倍)、開口虹彩絞り、および視野条件(明視野条件および暗視野条件の両方を用いて)を変化させながら、レンズ体積全体についてラスター化される。
【0043】
本発明のコポリマーは、0.5〜3.0%の平衡含水量(EWC)を有するのが最も好ましい。EWCは、乾燥サンプル重量および水和サンプル重量の比較により、重量測定法的に決定されうる。最初に、乾燥サンプル重量が得られ、次にこのサンプルは適当な容器に入れられ、規定温度で少なくとも24時間脱イオンHO中で平衡化される。次に、このサンプルは脱イオンHOから取り出され、余分の表面の水が除去され、サンプルは秤量される。EWCは、次式により求められる:%EWC=[(wthyd―wtdry)/wthyd]x100。
【0044】
本発明の機器材料により形成されるIOLは、2mm切開部を通過するのに適しうる小断面に引き伸ばされ、または圧縮されるのを可能にする任意の設計のものでありうる。例えば、IOLは、ワンピース設計またはマルチピース設計として公知のものでありえ、光学的構成要素および角膜的構成要素を含みうる。光学部とは、レンズとしての役割を果たす部分であり、支持部とは、光学部に取り付けられ、眼内の適当な場所で光学部を保持するアームのようなものである。光学部および支持部は、同じ材料であっても、また異なる材料であってもよい。マルチピースレンズは、光学部および支持部は別々に作製され、次いで支持部が光学部に取り付けられるので、そう呼ばれる。シングルピースレンズでは、光学部および支持部は、1つのピースからなる材料から形成される。材料に応じて、支持部は材料から切り出され、または旋盤加工されて、IOLを生成する。
【0045】
IOLに加えて、本発明の材料は、コンタクトレンズ、人工角膜、角膜内レンズまたは角膜リング、耳科用換気チューブ、および鼻腔用移植物などのその他の眼科用または耳鼻咽喉科用機器として用いるためにも適する。
【0046】
本発明は、さらに、事例的であることを前提とした、下記実施例により説明されるが、ただし、それらに限定されない。
【0047】
すべてのモノマー、架橋剤、開始剤、およびその他の化学薬品は、市販元より購入した。ポリエチレングリコール(平均M 1500、2000、4600)およびポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平均M 2000)は、Aldrichより購入し、受け入れたままで使用した。2−フェニルエチルメタクリレート(PEMA)およびベンジルメタクリレート(BzMA)を、使用前に、それぞれ塩基性アルミナに通し、Nで脱気した。2−フェニルエチルアクリレート(PEA)、ベンジルアクリレート(BzA)、および1,4−ブタンジオールジアクリレート(BDDA)を、使用前に、カラムクロマトグラフィーで精製した。N,N,N’,N’,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)を、使用前に、水素化カルシウム上で乾燥し、真空蒸留した。アセトンおよびトルエンを、それぞれNバブル処理し、グローブボックス内に保管した。すべての反応操作を、N充填されたグローブボックス内で行った。2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を、使用前に、メタノールから再結晶した。他のすべての化学薬品は、利用可能な最高純度のものであり、受け入れたままで使用した。
【実施例】
【0048】
(実施例1)
開始剤の合成
2−ブロモイソブチレートによるポリ(エチレングリコール)(PEG)1500のエステル化
【0049】
【化9】

オーブンで乾燥した250mLの3つ首丸底フラスコに、N送気口/排気口を備えた60mLの滴下ロート、および温度計用アダプター、およびガラス栓を取り付けた。このフラスコに、PEG1500を29.0g(19.3mmol)、無水CHClを100mL、およびピリジンを3.5mL(43.2mmol)加え、また滴下ロートに、2−ブロモイソブチリルブロミドを5mL(40.5mmol)準備した。このフラスコを密閉し、氷浴に浸漬した。2−ブロモイソブチリルブロミドを、冷却溶液に20分かけて攪拌しながら滴下添加した。氷浴を取り除き、反応物を64時間、Nブランケットの下で攪拌した。反応混合物をろ過し、このろ過物を濃縮した。粗生成物を少量のCHClに溶解し、短い塩基性アルミナカラム上に負荷し、CHClで溶出した。この溶出物を収集し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去した。得られた固形分をCHClに溶解し、大過剰の1/1ヘキサン/ジエチルエーテル中で沈殿させた。生成物を真空下、一晩乾燥して、白色粉末20.6g(59%)を得た。
【0050】
マクロマーの合成
【0051】
【化10】

PEG(1500)二官能性開始剤による、ポリ(2−フェニルエチルメタクリレート)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(2−フェニルエチルメタクリレート)。目標[M]/[I]=20。
【0052】
すべての合成操作を、N充填されたグローブボックス内で実施した。PTFEで被覆されたマグネティック攪拌バーを含む100mL丸底フラスコに、CuClを0.3622g(3.66mmol)、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチルジエチレントリアミンを1.8026g(10.17mmol)、2−フェニルエチルメタクリレート(PEMA)を12.8233g(67.41mmol)、およびアセトンを20mL加えた。このフラスコを、オイルバス内で50℃まで加温した。PEG(1500)二官能性開始剤(5.0106g、3.34mmol)をアセトンに溶解し、攪拌しているモノマー溶液に添加した。この反応物を50℃で3時間維持した。2,2,6,6,−テトラメチル−1−ピペリジニロキシ(1.0621g、6.80mmol)をアセトンに溶解し、反応混合物に添加した。この反応混合物をさらに1.5時間加熱し、次いで一晩冷却した。フラスコをグローブボックスから取り出し、空気で30分間バブリングした。粗生成物を、ロータリーエバポレーターで濃縮し、次にCHClで稀釈し、CHCl溶出液を用いて塩基性アルミナ上でクロマトグラフ精製した。溶出物を収集し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。得られたポリマーを少量のCHClに溶解し、大過剰の1−プロパノール中で沈殿させた。このポリマーを、静置し、液体部分をデカンテーションし、またこのポリマーを1−プロパノールの新鮮な部分で洗浄した。この生成物を、再度CHClに溶解し、丸底フラスコに移し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去した。この生成物を、さらに真空下、一晩乾燥し、無色の粘稠液体を6.05g(34%)得た。
【0053】
(実施例2)
開始剤の合成
オーブンで乾燥した1Lの3つ首丸底フラスコに、N送気口/排気口を備えた60mLの滴下ロート、および温度計用アダプター、およびガラス栓を取り付けた。このフラスコに、PEG2000を102.6g(51.3mmol)、無水CHClを300mL、およびピリジンを8.5mL(105.0mmol)加え、また滴下ロートに、2−ブロモイソブチリルブロミドを13mL(105.0mmol)準備した。このフラスコを密閉し、氷浴に浸漬した。2−ブロモイソブチリルブロミドを、冷却溶液に40分かけて攪拌しながら滴下添加した。氷浴を取り除き、反応物を27時間、Nブランケットの下で攪拌した。反応混合物をろ過し、このろ過物を濃縮した。粗生成物を少量のCHClに溶解し、短い塩基性アルミナカラム上に負荷し、CHClで溶出した。この溶出物を収集し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去した。得られた固形分をCHClに溶解し、大過剰の1/1ヘキサン/ジエチルエーテル中で沈殿させた。生成物を真空下、一晩乾燥して、白色粉末79.7g(68%)を得た。
【0054】
マクロマーの合成
PEG(2000)二官能性開始剤によるポリ(2−フェニルエチルメタクリレート)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(2−フェニルエチルメタクリレート)。目標[M]/[I]=50。
【0055】
すべての合成操作を、N充填されたグローブボックス内で実施した。PTFEで被覆されたマグネティック攪拌バーを含む200mL丸底フラスコに、CuClを0.5542g(5.60mmol)、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチルジエチレントリアミンを2.6753g(15.09mmol)、2−フェニルエチルメタクリレート(PEMA)を46.4408g(244.12mmol)、およびアセトンを50mL加えた。PEG(2000)二官能性開始剤(9.9649g、4.98mmol)をアセトン45mLに溶解し、攪拌しているモノマー溶液に添加した。この反応物を周囲温度で19時間攪拌した。2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニロキシ(1.5860g、10.15mmol)をアセトンに溶解し、反応混合物に添加した。この反応混合物を、50℃のオイルバスに浸漬し、3時間加熱し、次いで周囲温度まで冷却した。フラスコをグローブボックスから取り出し、空気で30分間バブリングした。粗生成物を、ロータリーエバポレーターで濃縮し、次にCHClで稀釈し、CHCl移動相を用いて塩基性アルミナ上でクロマトグラフ精製した。溶出物を収集し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。得られたポリマーを少量のCHClに溶解し、大過剰の1−プロパノール中で沈殿させた。このポリマーを、静置し、液体部分をデカンテーションし、またこのポリマーを1−プロパノールの新鮮な部分で洗浄した。このポリマーを、再度CHClに溶解し、丸底フラスコに移し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去した。この生成物を、さらに真空下、一晩乾燥し、無色の固体を32.73g(58%)得た。
【0056】
(実施例3)
開始剤の合成
オーブンで乾燥した500mLの3つ首丸底フラスコに、N送気口/排気口を備えた60mLの滴下ロート、および温度計用アダプター、およびガラス栓を取り付けた。このフラスコに、PEG4600を44.66g(9.8mmol)、無水CHClを100mL、およびピリジンを2.0mL(24.7mmol)加え、また滴下ロートに、2−ブロモイソブチリルブロミドを2.6mL(20.5mmol)準備した。このフラスコを密閉し、氷浴に浸漬した。2−ブロモイソブチリルブロミドを、冷却溶液に20分かけて攪拌しながら滴下添加した。氷浴を取り除き、反応物を63時間、Nブランケットの下で攪拌した。反応混合物をろ過し、このろ過物を濃縮した。粗生成物を少量のCHClに溶解し、短い塩基性アルミナカラム上に負荷し、CHClで溶出した。この溶出物を収集し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去した。得られた固形分をCHClに溶解し、大過剰の1/1ヘキサン/ジエチルエーテル中で沈殿させた。生成物を真空下、一晩乾燥して、白色粉末29.5g(62%)を得た。
【0057】
マクロマーの合成
PEG(4600)二官能性開始剤によるポリ(2−フェニルエチルメタクリレート)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(2−フェニルエチルメタクリレート)。目標[M]/[I]=67。
【0058】
すべての合成操作を、N充填されたグローブボックス内で実施した。PTFEで被覆されたマグネティック攪拌バーを含む200mL丸底フラスコに、CuClを0.2191g(2.21mmol)、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチルジエチレントリアミンを1.1108g(6.27mmol)、2−フェニルエチルメタクリレート(PEMA)を25.5245g(134.17mmol)、およびアセトンを40mL加えた。このフラスコを、オイルバス内で50℃まで加温した。PEG(4600)二官能性開始剤(9.8431g、2.01mmol)をアセトンに溶解し、攪拌しているモノマー溶液に添加した。この反応物を50℃で7時間維持した。2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニロキシ(0.7234g、4.63mmol)をアセトン40mLに溶解し、反応混合物に添加した。この反応混合物を、さらに30分間加熱し、次いで一晩冷却した。フラスコをグローブボックスから取り出し、空気で30分間バブリングした。粗生成物を、ロータリーエバポレーターで濃縮し、次にCHClで稀釈し、CHCl溶出液を用いて塩基性アルミナ上でクロマトグラフ精製した。溶出物を収集し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。生成物を少量のCHClに溶解し、大過剰の1−プロパノール中で沈殿させた。このポリマーを、静置し、液体部分をデカンテーションし、またこのポリマーを1−プロパノールの新鮮な部分で洗浄した。この生成物を、再度CHClに溶解し、丸底フラスコに移し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去した。この生成物を、さらに真空下、一晩乾燥し、無色の軟性固体を16.15g(47%)得た。
【0059】
(実施例4)
開始剤の合成
オーブンで乾燥した1Lの3つ首丸底フラスコに、N送気口/排気口を備えた60mLの滴下ロート、および温度計用アダプター、およびガラス栓を取り付けた。このフラスコに、PEG4600を106.6g(10.7mmol)、無水CHClを300mL、およびピリジンを2.0mL(24.7mmol)加え、また滴下ロートに、2−ブロモイソブチリルブロミドを2.8mL(22.1mmol)準備した。このフラスコを密閉し、氷浴に浸漬した。2−ブロモイソブチリルブロミドを、冷却溶液に20分かけて攪拌しながら滴下添加した。氷浴を取り除き、反応物を63時間、Nブランケットの下で攪拌した。反応混合物をろ過し、このろ過物を濃縮した。粗生成物を少量のCHClに溶解し、短い塩基性アルミナカラム上に負荷し、CHClで溶出した。この溶出物を収集し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去した。得られた固形分をCHClに溶解し、大過剰の1/1ヘキサン/ジエチルエーテル中で沈殿させた。生成物を真空下、一晩乾燥して、白色粉末83.8g(79%)を得た。
【0060】
マクロマーの合成
PEG(10k)二官能性開始剤によるポリ(2−フェニルエチルメタクリレート)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(2−フェニルエチルメタクリレート)。目標[M]/[I]=134。
【0061】
すべての合成操作を、N充填されたグローブボックス内で実施した。PTFEで被覆されたマグネティック攪拌バーを含む200mL丸底フラスコに、CuClを0.1296g(1.31mmol)、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチルジエチレントリアミンを0.6828g(3.85mmol)、2−フェニルエチルメタクリレート(PEMA)を30.4780g(160.21mmol)、およびアセトンを30mL加えた。PEG(10k)二官能性開始剤(12.0163g、1.17mmol)をアセトン30mLに溶解し、攪拌しているモノマー溶液に添加した。この反応物を周囲温度で21時間攪拌した。2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニロキシ(0.4079g、2.61mmol)をアセトンに溶解し、反応混合物に添加した。この反応混合物を、50℃のオイルバスに浸漬し、3時間加熱し、次いで周囲温度まで冷却した。フラスコをグローブボックスから取り出し、空気で30分間バブリングした。粗生成物を、ロータリーエバポレーターで濃縮し、次にCHClで稀釈し、CHCl移動相を用いて塩基性アルミナ上でクロマトグラフ精製した。溶出物を収集し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。得られたポリマーを少量のCHClに溶解し、大過剰の1−プロパノール中で沈殿させた。このポリマーを、静置し、液体部分をデカンテーションし、またこのポリマーを1−プロパノールの新鮮な部分で洗浄した。このポリマーを、再度CHClに溶解し、丸底フラスコに移し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去した。この生成物を、さらに真空下、一晩乾燥し、無色の固体を24.1g(57%)得た。
【0062】
(実施例5)
開始剤の合成
オーブンで乾燥した300mLの3つ首丸底フラスコに、N送気口/排気口を備えた60mLの滴下ロート、および温度計用アダプター、およびガラス栓を取り付けた。このフラスコに、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル(M 2000)を36.42g(18.2mmol)、無水CHClを100mL、およびピリジンを2.0mL(24.7mmol)加え、また滴下ロートに、2−ブロモイソブチリルブロミドを2.4mL(19.3mmol)準備した。このフラスコを密閉し、氷浴に浸漬した。2−ブロモイソブチリルブロミドを、冷却溶液に15分かけて攪拌しながら滴下添加した。氷浴を取り除き、反応物を63時間、Nブランケットの下で攪拌した。反応混合物をろ過し、このろ過物を濃縮した。粗生成物を少量のCHClに溶解し、短い塩基性アルミナカラム上に負荷し、CHClで溶出した。この溶出物を収集し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去した。得られた固形分をCHClに溶解し、大過剰の1/1ヘキサン/ジエチルエーテル中で沈殿させた。生成物を真空下、一晩乾燥して、白色粉末25.7g(66%)を得た。
【0063】
マクロマーの合成
PEG(2000)単官能性開始剤によるポリ(2−フェニルエチルメタクリレート)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)。目標[M]/[I]=10。
【0064】
すべての合成操作を、N充填されたグローブボックス内で実施した。PTFEで被覆されたマグネティック攪拌バーを含む200mL丸底フラスコに、CuClを0.6562g(6.63mmol)、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチルジエチレントリアミンを3.2117g(18.11mmol)、2−フェニルエチルメタクリレート(PEMA)を11.7538g(61.78mmol)、およびアセトンを30mL加えた。PEG(2000)単官能性開始剤(11.9978g、5.99mmol)をアセトン15mLに溶解し、攪拌しているモノマー溶液に添加した。この反応物を周囲温度で4.5時間攪拌した。2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニロキシ(0.4079g、2.61mmol)をアセトンに溶解し、反応混合物に添加した。この反応混合物を、50℃のオイルバスに浸漬し、30分間加熱し、次いで一晩冷却するように放置した。フラスコをグローブボックスから取り出し、空気で30分間バブリングした。粗生成物を、ロータリーエバポレーターで濃縮し、次にCHClで稀釈し、CHCl移動相を用いて塩基性アルミナ上でクロマトグラフ精製した。溶出物を収集し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。得られたポリマーを少量のCHClに溶解し、大過剰の1−プロパノール中で沈殿させた。このポリマーを、静置し、液体部分をデカンテーションし、またこのポリマーを1−プロパノールの新鮮な部分で洗浄した。このポリマーを、再度CHClに溶解し、丸底フラスコに移し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去した。この生成物を、さらに真空下、一晩乾燥し、粘稠液体を8.83g(37%)得た。
【0065】
(実施例6)
マクロマーの合成
PEG(2000)単官能性開始剤によるポリ(ベンジルメタクリレート)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(ベンジルメタクリレート)。目標[M]/[I]=50。
【0066】
すべての合成操作を、N充填されたグローブボックス内で実施した。PTFEで被覆されたマグネティック攪拌バーを含む200mL丸底フラスコに、CuClを0.5470g(5.53mmol)、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチルジエチレントリアミンを2.6808g(15.12mmol)、ベンジルメタクリレート(BzMA)を46.1957g(262.16mmol)、およびアセトンを50mL加えた。実施例2のPEG(2000)二官能性開始剤(10.0700g、5.04mmol)をアセトン30mLに溶解し、攪拌しているモノマー溶液に添加した。この反応物を周囲温度(22℃)で18時間攪拌した。2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニロキシ(1.5926g、10.19mmol)をアセトンに溶解し、反応混合物に添加した。この反応混合物を、50℃のオイルバスに浸漬し、3時間加熱し、次いで周囲温度まで冷却した。フラスコをグローブボックスから取り出し、空気で35分間バブリングした。粗生成物を、ロータリーエバポレーターで濃縮し、次にCHClで稀釈し、CHCl移動相を用いて塩基性アルミナ上でクロマトグラフ精製した。溶出物を収集し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。得られたポリマーを最少量のCHClに溶解し、大過剰の1−プロパノール中で沈殿させた。このポリマーを、静置し、液体部分をデカンテーションし、またこのポリマーを1−プロパノール、次いでメタノールの新鮮な部分で洗浄した。このポリマーを、再度CHClに溶解し、5℃のメタノール中で沈殿させて収集し、ろ過し、次に新鮮なメタノールで洗浄した。この生成物を、周囲温度、真空下、一晩乾燥し、白色固体を37.00g(66%)得た。GPC(THF、ポリスチレン標準)Mn 21,196、Mw/Mn 1.27。
【0067】
(実施例7)
マクロマーの合成
PEG(2000)単官能性開始剤によるポリ(ベンジルメタクリレート)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(ベンジルメタクリレート)。目標[M]/[I]=134。
【0068】
すべての合成操作を、N充填されたグローブボックス内で実施した。PTFEで被覆されたマグネティック攪拌バーを含む200mL丸底フラスコに、CuClを0.2095g(2.12mmol)、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチルジエチレントリアミンを1.1210g(6.32mmol)、ベンジルメタクリレート(BzMA)を49.5893g(281.42mmol)、およびアセトンを50mL加えた。実施例2のPEG(2000)二官能性開始剤(4.0692g、2.03mmol)を、アセトン30mLに溶解し、攪拌しているモノマー溶液に添加した。この反応物を周囲温度(22℃)で22時間攪拌した。2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニロキシ(0.6344g、4.06mmol)をアセトンに溶解し、反応混合物に添加した。この反応混合物を、50℃のオイルバスに浸漬し、4時間加熱し、次いで周囲温度まで冷却した。フラスコをグローブボックスから取り出し、空気で35分間バブリングした。粗生成物を、ロータリーエバポレーターで濃縮し、次にCHClで稀釈し、CHCl移動相を用いて塩基性アルミナ上でクロマトグラフ精製した。溶出物を収集し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。得られたポリマーを最少量のCHClに溶解し、大過剰の1−プロパノール中で沈殿させた。このポリマーを、静置し、液体部分をデカンテーションし、またこのポリマーを1−プロパノール、次いでメタノールの新鮮な部分で洗浄した。このポリマーを、再度CHClに溶解し、5℃のメタノール中で沈殿させて収集し、ろ過し、次に新鮮なメタノールで洗浄した。この生成物を、周囲温度、真空下、一晩乾燥し、白色固体を32.50g(61%)得た。GPC(THF、ポリスチレン標準)Mn 43,994、Mw/Mn 1.27。
【0069】
コポリマーの合成
ポリプロピレン鋳型を、使用前に90℃で真空脱気した。この鋳型を、脱気後速やかに、窒素雰囲気のグローブボックスに設置した。モノマー、架橋剤、および開始剤を、表1に記載の通り混合し、次いでトラップされた気泡をすべて除去するように、低真空下に置き、窒素でバックフラッシュし、速やかにグローブボックス内に配置した。モノマー配合物を、1−μmガラス繊維フィルターを備えたシリンジを用いて真空脱気したポリプロピレン鋳型に分注した。充填済みの鋳型を、コンベクションオーブンに、70℃で1時間、次に110℃で2時間放置した。得られたポリマーサンプルを、還流アセトン中で6時間抽出し、洗浄および風乾し、真空下、65℃で15時間放置した。伸張特性および微小空胞耐性の結果を表2にまとめる。
【0070】
【表1】

【0071】
【表2】

【0072】
【表3】

本発明は、特定の好ましい実施形態を参照することにより説明されてきたが、その特別な、または本質的な特徴から逸脱することなく、その他の具体的な形態またはその変更形態で具現化されうると理解するべきである。従って、上記で説明する実施形態は、そのすべての態様において例示目的であって限定目的ではないと理解され、本発明の範囲は、以下の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)式[1]の
【化11】

式中、
B=−O(CH−、−(OCHCH−;−NH(CH−、または−NCH(CH−であり;
=H、CH、CHCH、またはCHOHであり;
n=0〜12であり;
A=CまたはO(CHであり、ここで、C基は、−(CHH、−O(CHH、−CH(CH、−C、−OC、−CH、F、Cl、Br、またはIで場合によって置換されており;
m=0〜18である、
65〜95%(w/w)の単官能性アクリレートモノマーまたはメタクリレートモノマーと、
b)式[2]の
【化12】

式中、
独立に、R、R=H、CH、CHCH、またはCHOHであり;
独立に、W、W’=O(CH、NH(CH、NCH(CH、O(CH、O(CHCHO)CH、O(CHCHCHO)CH、O(CHCHCHCHO)CH、または無し、であり;
J=(CH、O(CHCHO)、O、または無し、であり、ただし、WおよびW’=無し、の場合には、J≠無し、であり;
d=0〜12であり;
a=1〜12であり;
b=1〜24である、
二官能性アクリレート架橋モノマーまたはメタクリレート架橋モノマーと、
c)式[3a]、[3b]、[3c]、[3d]、または[3e]の
【化13】

【化14】

ここで、式[3a]、[3b]、[3c]、[3d]、および[3e]において、
独立に、a=1〜18であり;
=−(OCHCHO−、−(OCHCH(CH))O−、−(NHCHCHNH−、または−N(COR)CHCHOであり;
X=O、NH−、N(CH)−、N(CHCH)−、またはN(C)−であり;
Y=−(CHH、−CHC(CH;−CHCHN(C、−CHCH(OH)CHOC、−(CHCHO)、−(CH、または−(CHOCであり;
=−(OCHCHO−、−(OCHCH(CH))O−、−(NHCHCHNH−、または−O(CHCH(COR)N)−R−(N(COR)CHCHO−であり;
独立に、R、R、R=H、CH、CHCH、CHCHCH、CH(CH、CHCHCHCH、またはCHCH(CHであり;
=CH、CHCH、CHCHCH、CH(CH、CHCHCHCH、またはCHCH(CHであり;
=CH、(CH、(CH、(CH、(CH、または(CHであり;
p=1〜500であり;
e=1〜200、ただし、p≧eであり;
t=0〜6であり;
=CH=C(R)C(O)−、CH=C(R)COCHCHNHC(O)−、またはCH=CHCC(O)CH=CHCCHであり;
L=H、Cl、Br、−CHC(O)CH、CHC(O)C(CH、−CHC(O)C、−CHC(O)COH、−CHC(O)COCH
【化15】

またはCHCH=CHである、
5〜35%(w/w)のジブロックマクロマーまたはトリブロックマクロマーと、
を含む、眼科用または耳鼻咽喉科用の高分子機器材料。
【請求項2】
前記式[1]のモノマーにおいて、
B=−O(CH−または−(OCHCH−であり;
=−Hまたは−CHであり;
n=1〜5であり;
A=−C、O(CHであり;
m=0〜4である、
請求項1に記載の高分子機器材料。
【請求項3】
前記式[2]のモノマーにおいて、
独立に、R、R=HまたはCHであり;
独立に、W、W’=O(CH、O(CH、または無し、であり;
J=O(CHCHO)または無し、であり、ただし、WおよびW’=無し、の場合には、J≠無し、であり;
d=0〜6であり;
b=1〜10である、
請求項1に記載の高分子機器材料。
【請求項4】
前記式[3]のマクロマーにおいて、
独立に、a=1〜12であり;
=−(OCHCHO−、または−(OCHCH(CH))O−であり;
X=O、またはN(CH)−であり;
Y=−(CH、または(CHOCであり;
=−(OCHCHO−、または−(OCHCH(CH))O−、であり;
独立に、R、R、R=H、CH、またはCHCHであり;
p=20〜250であり;
e=5〜150、ただし、p≧eであり;
t=1〜4であり;
=CH=C(R)C(O)−、またはCH=C(R)COCHCHNHC(O)−であり;
L=H、Cl、Br、−CHC(O)CH、CHC(O)C(CH、−CHC(O)C、−CHC(O)COH、−CHC(O)COCH
【化16】

またはCHCH=CHである、
請求項1に記載の高分子機器材料。
【請求項5】
前記式[3]のマクロマーにおいて、
独立に、a=1〜4であり;
=−(OCHCHO−であり;
X=Oであり;
Y=(CHであり;
=−(OCHCHO−であり;
、R=CHであり;
=HまたはCHであり;
p=30〜120であり;
e=10〜100、ただし、pは≧eであり;
t=1〜2であり;
=CH=C(R)C(O)−、またはCH=C(R)COCHCHNHC(O)−であり;
L=H、−CHC(O)C、−CHC(O)COH、−CHC(O)COCH、CHCH=CHである、
請求項4に記載の高分子機器材料。
【請求項6】
前記式[1]のモノマーが、ベンジルメタクリレート、2−フェニルエチルメタクリレート、3−フェニルプロピルメタクリレート、4−フェニルブチルメタクリレート、5−フェニルペンチルメタクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、2−(2−フェノキシエトキシ)エチルメタクリレート、2−ベンジルオキシエチルメタクリレート、2−(2−(ベンジルオキシ)エトキシ)エチルメタクリレート、3−ベンジルオキシプロピルメタクリレート、ベンジルアクリレート、2−フェニルエチルアクリレート、3−フェニルプロピルアクリレート、4−フェニルブチルアクリレート、5−フェニルペンチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−(2−フェノキシエトキシ)エチルアクリレート、2−ベンジルオキシエチルアクリレート、2−(2−(ベンジルオキシ)エトキシ)エチルアクリレート、および3−ベンジルオキシプロピルアクリレートからなる群から選択される、請求項1に記載の高分子機器材料。
【請求項7】
前記式[2]のモノマーが、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ベンゼンジメタノールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、および1,4−ベンゼンジメタノールジアクリレートからなる群から選択される、請求項1に記載の高分子機器材料。
【請求項8】
前記モノマー[1]の量が70〜90%(w/w)である、請求項1に記載の高分子機器材料。
【請求項9】
前記モノマー[2]の量が、0.5〜3%(w/w)である、請求項1に記載の高分子機器材料。
【請求項10】
前記ジブロックマクロマーまたはトリブロックマクロマーの量が、10〜30%(w/w)である、請求項1に記載の高分子機器材料。
【請求項11】
前記ジブロックマクロマーまたはトリブロックマクロマーの量が、10〜20%(w/w)である、請求項10に記載の高分子機器材料。
【請求項12】
前記ジブロックマクロマーまたはトリブロックマクロマーが、式[3a]のマクロマーである、請求項1に記載の高分子機器材料。
【請求項13】
前記ジブロックマクロマーまたはトリブロックマクロマーが、式[3b]のマクロマーである、請求項1に記載の高分子機器材料。
【請求項14】
前記ジブロックマクロマーまたはトリブロックマクロマーが、式[3c]のマクロマーである、請求項1に記載の高分子機器材料。
【請求項15】
前記ジブロックマクロマーまたはトリブロックマクロマーが、式[3d]のマクロマーである、請求項1に記載の高分子機器材料。
【請求項16】
前記ジブロックマクロマーまたはトリブロックマクロマーが、式[3e]のマクロマーである、請求項1に記載の高分子機器材料。
【請求項17】
重合性UV吸収剤、および重合性着色剤からなる群から選択される成分をさらに含む、請求項1に記載の高分子機器材料。
【請求項18】
重合性UV吸収剤を0.1〜5%(w/w)、および重合性着色剤を0.01〜0.5%(w/w)を含む、請求項17に記載の高分子機器材料。
【請求項19】
請求項1に記載の高分子機器材料を含む、眼内レンズ、コンタクトレンズ、人工角膜、角膜内レンズまたは角膜リング、耳科用換気チューブ、および鼻腔用移植物からなる群から選択される、眼科用、または耳鼻咽喉科用の機器。
【請求項20】
前記眼科用または耳鼻咽喉科用の機器が、眼内レンズである、請求項19に記載の眼科用、または耳鼻咽喉科用の機器。

【公表番号】特表2011−501680(P2011−501680A)
【公表日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528149(P2010−528149)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【国際出願番号】PCT/US2008/078660
【国際公開番号】WO2009/046243
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(399054697)アルコン,インコーポレイテッド (102)
【Fターム(参考)】