説明

眼科用器具および方法

例えば、レンズ中心部から縁部への青色光遮断発色団(BLBC)の真の減少勾配の存在により改良されたコントラスト感度並びに周囲UVおよび青色光からの抑制および保護を有する眼科用デバイス、とりわけ、眼内レンズ(IOL)類。例えば、IOL中で使用するときのBLBC減少勾配は、とりわけ暗所および低光条件下において増強された患者視力をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(参考としての組み入れおよび関連出願との相互関連)
同時係属中の2006年2月8日に出願された米国非仮出願第11/350,396号 (Attorney Docket No. KMT-33696)および2006年3月23日に出願された米国一般出願第11/388,212号 (Attorney Docket No. KMT-33833)は、その全体を参考として本明細書に取り入れる。本出願は、2005年5月5日に出願された米国仮出願第60/677,917号に関連し、その権利を主張する;その内容は、参考として本明細書に取り入れる。
優先権は、3件の上記出願の全てから主張する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、改良されたコントラスト感度並びにUVおよび青色光からの保護性を有する眼科用デバイスおよび器具、とりわけ眼内レンズ(IOL)類に関する。本発明は、とりわけ、アクリル折り畳み式IOL類およびコンタクトレンズに応用可能である。また、眼科用デバイスの新規な製造方法も開示する。
【0003】
(背景技術)
近年における視覚障害の評価は、青色光に関連する網膜に対する潜在的危険性を認識するに至っている。一般に、青色光は、約400〜500nm範囲の波長を有する。青色光障害が視覚に対する現実の脅威であるとすれば、眼科用レンズ、とりわけ眼内レンズ(IOL)類のUV/可視光透過特性は、環境において直面する青色光障害からの適切な保護を与えるように修正すべきである。
周囲環境においては、日射は、視覚に対する主要障害要因である。太陽は、UV、可視およびIR光線を自由に発出し、その多くは、大気によって吸収される。大気を透過し、地球表面に達する日射は、UV-B線(230〜300nm)、近UVまたはUV-A線(300〜400nm)、可視光線(400〜700nm)および近IR線(700〜1400nm)からなる。正常で健常状態のヒトの目の中膜は、近IRおよび殆どの可視スペクトルを網膜に自由に伝達する。しかしながら、UV-B線は、角膜によって吸収され、網膜には達しない。UV-Aおよび可視スペクトルの青色部分は、ヒトの年齢に応じて、目の水晶体によって吸収され得る。
ヒト水晶体は、老化するにつれて、そのUVおよび可視光線透過特性を変化させる。幼児では、ヒト水晶体は、300nmよりも高い近UVおよび可視光線を自由に透過するが、さらに加齢するにつれ、環境からのUV線の作用により、水晶体内での黄色色素、即ち、フルオロゲンの産生が起る。54歳辺りで、水晶体は400nmよりも低い光を透過せず、400〜500nmの光の透過は大幅に消失する。水晶体は、老化するにつれて、黄色を絶えず発生し、近UVおよび青色光をフィルターアウトするその能力を増大する。
現在、UVおよび青色光を種々の度合に遮断し得るIOL類が、ある種の条件下においては有効である。しかしながら、そのようなIOL類には、幾つかの大きな欠点が存在する:
1.青色光遮断IOL装着患者は、暗所条件において視力能の低下を示す。IOLのレンズ内での青色光遮断発色団の存在は、暗所視(微光条件)を干渉する。これは、瞳孔が光により一層順応しようと拡大する暗所条件における目の自然反応に基づく。同時に、より多量のIOL表面積が入射光に曝されて、青色光ろ過効率の漸進的増大および全体的コントラスト感度の低下を生じる。
2.例えば、IOL類における青色光遮断発色団の存在は、ある場合にはコントラスト感度を低下させる。
その黄色(青色光発色団の存在がIOL類に付与する)故に、IOLおよび他の眼科用デバイス中の青色光遮断発色団は、色知覚を干渉し得る。
【0004】
(発明の開示)
本発明は、例えば、眼科用デバイス内での青色光遮断発色団(BLBC)の使用、並びに、例えばIOLの中心部で、例えば、高めのBLBC濃度を、そして、IOLの周辺部で相対的に低めのBLBC濃度を発生させるレンズの製造方法に関する。発色団濃度を低下させる発色団勾配は、レンズ中心部からその縁部に向かって形成させる。現存の青色光遮断IOL類に関連する欠点は、種々の光条件下でのIOL青色光ろ過効率と瞳孔サイズとの相互作用を最適化することによって軽減または排除される。強い光条件(即ち、日光、高輝人工光)においては、瞳孔は、およそ3mmに収縮して網膜の光暴露を低くする。これは、縮瞳として知られている。レンズ中心部の相対的に高めの発色団濃度は、網膜を損傷から保護する。暗所条件においては、瞳孔は、およそ7mm(或いはそれ以上)に拡大してより多くの光が網膜に達するのを可能にする(散瞳)。レンズ中心部から縁部に向かって低下する発色団濃度は、より多くの周囲光がレンズを通過して網膜に達するのを可能にする。このことは、引続き、暗所条件下での増強された視力能をもたらす。
本発明は、1つの局面においては、例えば、BLBCの濃度最適化を、患者の正常なUV、青色光等の暴露に相応した或いはそれに対して選定したレンズ中心部からレンズ縁部への濃度傾斜または勾配を形成させることによって可能にする。当業者であれば、IOL類を説明することによって本発明を例示すること、本発明は、IOL類或いはいずれか特定の発色団レンズまたは非発色団レンズまたはポリマー添加剤に限定されないことを理解されたい。換言すれば、用語“添加剤”は、本発明の基本的特性を損なうように狭く解釈すべきではない。例えば、前記で参考として取り入れた米国第11/388,212号出願の教示に従って屈折率勾配を形成させることが、望ましくあり得る。該第11/388,212号出願の15〜17頁の無限屈折率勾配の形成および定義に関する開示は、とりわけ、本明細書に参考として取り入れる。他の添加剤の濃度勾配、好ましくは、無限濃度勾配が、当業者に対して、また、本発明に照らして示唆される。
【0005】
本発明の製造方法は、高めの濃度の、例えば、BLBCを含む中心部材即ちコアを、例えば、重合により形成させ、次いで、該コア物質の周りに無含有を含む低めの量の発色団を含有するポリマースリーブまたはチューブを重合させる工程を含む。第2重合工程においては、少なくとも幾分かの発色団は、高めの濃度のコアから低めの濃度のスリーブ即ち周辺物質に移行して均一な勾配を形成する傾向を有する。
上記方法の変法においては、眼科用デバイス、例えば、IOLは、コア物質を上記のようにして形成させ、高めの濃度の発色団を含む該コア物質を、ドリル掛けし、機械加工し、レーザー改質しまたは他の方法で改質して該着色中心コアを挿入する中心オリフィスまたは孔を形成させている低めの発色団含有外側スリーブまたはロッド中に挿入することによって形成する。構造体は、超音波溶接、モノマー結合または溶媒結合のような方法を使用して、上記コア物質を上記外側スリーブに結合させることによって完成させる。そのようにして形成させた構造体は、レンズの製造において使用するとき、ある種の用途においては有用であるより断裂的(abrupt)な有色ないし無色の界面または境界を有する。
当業者であれば、上記製造方法について幾つかの事項を承知されたい。明らかに、上記方法は、例えば、IOLのレンズとなる物体中への発色団の配置に限定されない。濃度勾配が有利な特性を得られる眼科用デバイスに付与し得る任意のポリマー添加剤、処理増強剤等をポリマー物質即ち本発明に従う属性に分散させ得る。さらに、ある種の用途においては、上記濃度勾配または濃度界面は、逆転させ得る。即ち、勾配は、例えばIOLの縁部において高めの濃度の、例えば、発色団または他のポリマー変性分子、添加剤もしくはコモノマーを有し、IOLレンズの中心部に向かって低めの濃度を有する。勿論、一般的には、添加剤は、その目的の如何にかかわらず、レンズ構造体から浸出しないように注意を払わなければならない。ある種の用途、例えば、医薬の投与においては、勾配からの添加剤の浸出を意図し得る。上記の変法は、全て本発明の意図する範囲内である。
【0006】
(発明を実施するための最良の形態)
基本材料
本発明において使用するのに適するレンズ形成性モノマーとしては、カルバゾールおよび/またはナフチル成分、カルバゾール、ナフタレン、またはビニルカルバゾール、ビニルナフタレンのようなナフチル群、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、メチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、n-ビニルピロリドン、スチレン、ユージノール(4-ヒドロキシビニルベンゼン、およびアルファ-メチルスチレンがある。さらに、高屈折率折畳み式レンズ用途においては、適切なモノマーとしては、限定するものではないが、2-エチルフェノキシメタクリレート、2-エチルフェノキシアクリレート、2-エチルチオフェニルメタクリレート、2-エチルチオフェニルアクリレート、2-エチルアミノフェニルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2-フェニルエチルメタクリレート、3-フェニルプロピルメタクリレート、4-フェニルブチルメタクリレート、4-メチルフェニルメタクリレート、4-メチルベンジルメタクリレート、2-2-メチルフェニルエチルメタクリレート、2-3-メチルフェニルエチルメタクリレート、2-4-メチルフェニルエチルメタクリレート、2-(4-プロピルフェニル)エチルメタクリレート、2-(4-(1-メチルエチル)フェニル)エチルメタクリレート、2-(4-メトキシフェニル)エチルメタクリレート、2-(4-シクロヘキシルフェニル)エチルメタクリレート、2-(2-クロロフェニル)エチルメタクリレート、2-(3-クロロフェニル)エチルメタクリレート、2-(4-クロロフェニル)エチルメタクリレート、2-(4-ブロモフェニル)エチルメタクリレート、2-(3-フェニルフェニル)エチルメタクリレート、2-(4-フェニルフェニル)エチルメタクリレート、2-(4-ベンジルフェニル)エチルメタクリレート等があり、相応するメタクリレートおよびアクリレート類も含む。また、N-ビニルピロリドン、スチレン、ユージノールおよびアルファ-メチルスチレンも、高屈折率折畳み式レンズ用途に適し得る。
好ましいレンズ形成性モノマー混合物は、ビニルカルバゾール、ラウリルメタクリレートおよびヒドロキシエチルアクリレートの混合物である。
【0007】
本発明のレンズ材料において使用する共重合性架橋剤は、2個以上の不飽和基を有する任意の末端エチレン系不飽和化合物である。適切な架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、アリルメタクリレート、1,3-プロパンジオールジメタクリレート、アリルメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート等がある。好ましい架橋剤は、エチレングリコールジメタクリレートである。
また、適切な架橋剤としては、ポリマー架橋剤、例えば、ポリエチレングリコール1000ジアクリレート、ポリエチレングリコール1000ジメタクリレート、ポリエチレングリコール600ジメタクリレート、ポリブタンジオール2000ジメタクリレート、ポリプロピレングリコール1000ジアクリレート、ポリプロピレングリコール1000ジメタクリレート、ポリテトラメチレングリコール2000ジメタクリレート、およびポリテトラメチレングリコール2000ジアクリレートもある。
紫外線吸収物質を、必要に応じて、本発明のポリマーレンズに含ませて、これらのレンズが目の本来の水晶体の紫外線吸収性とおよそ等価の紫外線吸収性を持たせることもできる。任意成分としての紫外線吸収物質は、紫外光、即ち、約400nmよりも一般に短い波長を有する光を吸収するが何ら実質量の可視光線は吸収しない任意の化合物であり得る。1つの方法においては、紫外線吸収化合物は、重合前のモノマー混合物に添加して分散させ、モノマー混合物を重合させるときに、ポリマーマトリックス内に内包させる。適切な紫外線吸収化合物としては、ビニルアントラセン、2-ヒドロキシベンゾフェノンのような置換ベンゾフェノン類および2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾ-チアゾール類がある。好ましくは、モノマー類と共重合性であり、それによって、ポリマーマトリックスに共有結合する紫外線吸収化合物を使用する。この方法において、レンズから目の内部への紫外線吸収化合物の可能性ある浸出を最低限にする。適切な共重合性紫外線吸収化合物は、米国特許第4,304,895号に開示されている置換2-ヒドロキシベンゾフェノン類および米国特許第4,528,311号に開示されている2-ヒドロキシ-5-アクリルオキシフェニル-2H-ベンゾトリアゾール類である;両米国特許は、その全体を参考として本明細書に合体させる。最も好ましい紫外線吸収化合物は、2-(3'-メタアリル-2'-ヒドロキシ-5'メチルフェニル)ベンゾチアゾールおよびビニルアントラセンである。
【0008】
BLBC (青色光遮断発色団)類
BLBC物質は、紫外/青色光、即ち、約380nm〜約570nmの波長を有する光を吸収し、且つ、例えば、重合、吸収、吸着、共有/イオン結合の形成等によってベースポリマーに適切に結合し得る任意の化合物であり得る。イエローおよびオレンジ染料、重合性黄色およびオレンジ染料、クロメン、およびこれらの任意の組合せは、本発明においての使用が見出せる周知のBLBC化合物である。好ましいオレンジ発色団の目録は、前記で参考として合体させた米国第11/350,396号出願のパラグラフ8に示されており、該目録は、とりわけ本明細書に合体させる。多くのそのようなBLBC類が、本発明を考慮すれば、容易に当業者に対して提案されるであろう。好ましいBLBCは、ビニルアントラセンと分散オレンジ3メタクリルアミドとの組合せである。
【0009】
製造方法
本発明の製品を形成させる2つの方法を説明する。
方法I
1.第1の工程は、高めの濃度のBLBCを含有するIOLの中心部のコア物質の製造を含む。高さ約15.24cm (6インチ)および直径3mm寸法のロッドを、0.005%〜10%のBLBCを含有するベースポリマーをテフロン(登録商標)モールド内で重合させることによって製造する。該ポリマーロッドをモールドから取出し、硬化し、さらなる加工のためにアニーリングする。
第2の工程は、工程1で製造したロッドを、高さ約15.24cm (6インチ)および直径8mm寸法の円筒状モールドの中心部に置くことを含む。BLBCを含まないベースポリマー溶液を上記3mmロッドの周りで重合させて、高さ約15.24cm (6インチ)および直径8mm寸法で且つロッド中心部においてBLBCの最高濃度を有する最終ポリマーロッドを形成させる。
上記ポリマーロッドを機械加工して17mm×2mmディスクとし、複数のIOLを該サンプルからカットする。この方法により、第2の重合中のモノマーの上記3mmロッドへの拡散による勾配青色光遮断性を有するIOLを形成させる。
方法II
1.この方法の第1工程は、方法Iの第1工程と同じである。
2.第2の工程は、高さ約15.24cm (6インチ)および直径8mm寸法のBLBCを含有しないベースポリマーロッドを、該ベースポリマーをテフロン(登録商標)モールド内で重合させることによって製造することを含む。ロッドをモールドから取出し、3mmの孔をロッドの中心部にドリルで開ける。工程1で製造した3mmロッドを上記の前以ってドリル開けした孔内に入れ、2つの材料を、超音波溶接、モノマー結合または溶媒結合のような当該技術において既知の方法を使用して、一緒に結合させる。
上記ポリマーロッドを機械加工して17mm×2mmディスクとし、複数のIOLを該サンプルからカットする。この方法により、2つの明確なBLBC濃度領域を有するIOLを形成させる。








【0010】
(実施例1)
実施例1〜10







【0011】

%T = パーセント透過率、VC:ビニルカルバゾール、VN:2-ビニルナフタレン、EHA:2-エチルヘキシルアクリレート、LM:ラウリルメタクリレート、HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート、HEA:ヒドロキシエチルアクリレート、EGDM:エチレングリコールジメタクリレート、VA:ビニルアントラセン、MEB:2-(2'-メタクリルオキシ-5' メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、DYA:分散イエロー7アクリレート、DYM:分散イエロー7メタクリレート、DOM:分散オレンジ3メタクリルアミド。
【0012】
実施例1〜10のポリマーの一般的製造工程
工程1:上記に示す各コモノマーを、ガラスフラスコ内で、磁力撹拌棒を使用して少なくとも30分間混合し、その後、以下に説明するようにして、所定時間超音波処理し、次いで、再び、さらに30分間撹拌した。超音波処理と親水性/疎水性反発力の組合せは、ナノクラスターの形成を可能にする。ナノクラスターのサイズを、これらの工程において与えられるエネルギー量によって理論的に調整する。Branson 5510における100%の出力設定で約30分間の超音波処理により、適切な光学および物理特性を有する光学的に透明な材料を得る。ABINは、0.2%の濃度で添加した。BLBCを含むコモノマー混合物を、真空脱ガスし、テフロン(登録商標)管状モールド内に置いた。モールドを70℃の水浴内に12時間置き、その後、100℃で12時間硬化させた。直径3mmおよび長さ15.24cm (6インチ)寸法のポリマーロッドをモールドから取出し、さらなる加工のために養生しアニーリングした。
工程2:工程1で製造したロッドを、長さ15.24cm (6インチ)および直径8mm寸法の円筒状モールドの中心部に置いた。BLBCは含まず0.2%のABINを含む工程1で使用したベースポリマーの溶液を、工程1で製造した3mmロッドの周りに注入し、工程1と同様にして硬化させた。高さ約15.24cm (6インチ)および直径8mm寸法で且つロッド中心部においてBLBCの最高濃度を有する最終ポリマーロッドを製造した。ポリマーロッドを機械加工して17mm×2mmディスクとし、複数のIOLを該サンプルからカットした。
【0013】
屈折率は、Index Instrument社からのCLR 12-70屈折計を使用して測定した。IOLの光学特性は、Beckman Instruments社からのDU-50分光光度計を使用するUV/VIS分光法によって測定した。瞳孔サイズに基づく異なる光条件への目の暴露を示すレンズ中心部からの種々の位置でのUV光および青色光遮断の有効性を評価するために、主要波長での光透過率を、IOL中心部から3ヶ所の距離で測定した:0mm (レンズ中心部)、3.5mm (光強度が最高である光暴露領域の丁度外側)、および瞳孔が完全に拡大したときのレンズ周辺の5.5mm。
結果は、この新規な材料による最高の青色光ろ過が収縮瞳孔を示すレンズ中心部で生じていることを示している。より多くの可視光が、瞳孔が拡大したとき、網膜に利用可能であろう。
IOL 2を示す添付図面についての説明。図面のIOL 10は、結合させた触角12を有するレンズ光学体即ちレンズ本体10を有する。レンズ本体10は、縁部20および中心部22を有する。図示するIOLは、およそ6mmの全体的直径を有する。また、図示するように、直径約3mmの濃厚発色団領域14が存在する。該3mm濃厚発色団は、その後、上述のようにして形成させた16の発色団の勾配領域に吸収されることを示している。より断裂的な発色団界面または領域を上述したように所望する場合、該領域または界面は、レンズ視覚10の中心部内の点線18によって示されるであろう。レンズ視覚10は、本発明の実施において製造し得る眼科用デバイス(即ち、IOL 12)の部品または一部である。前記で特記したように、発色団および眼内レンズを使用して本発明を例示しているが、その教示および開示は、決してそれに限定するものではない。
【0014】
参考としての合体
・本明細書には、参考として下記の特許および製品説明書を合体させる。
・米国特許第4,304,895号、Loshaek
・米国特許第4,528,311号、Beard
・米国特許第5,374,663号、Daicho
・米国特許第5,470,932号、Jinkerson
・米国特許第5,528,322号、Jinkerson
・米国特許第5,543,504号、Jinkerson
・米国特許第5,662,707号、Jinkerson
・“Acrysof(登録商標) Natural single piece IOL, Product Monograph (c)2004 by Alcon Laboratories, Inc。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の方法に従って製造した本発明の眼内レンズを例示する図面である。
【符号の説明】
【0016】
2 IOL
10 レンズ本体
12 触角
14 発色団濃厚領域
16 発色団勾配領域
18 界面
20 レンズ縁部
22 レンズ中心部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の工程を含むことを特徴とする、ポリマー添加剤の濃度勾配を有するポリマー眼科用デバイスの製造方法:
前記添加剤の第1濃度を有し且つ前記眼科用デバイスの少なくとも一部を構成するように適応させた少なくとも1種のポリマーコアを調製する工程;
眼科用デバイス内の前記コアを、モノマーおよび第2濃度の前記添加剤を含むモノマー溶液中に懸濁する工程;
前記モノマー溶液を前記ポリマーコアと反応させて、ポリマー改質用添加剤の濃度勾配を有する前記眼科用デバイスの少なくとも一部を形成させる工程。
【請求項2】
前記添加剤が、発色団である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記添加剤が、BLBCである、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記眼科用デバイスが、縁部と中心部を有するレンズである、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記添加剤の第1濃度が前記添加剤の第2濃度よりも高く、前記レンズの前記添加剤濃度勾配がレンズ縁部からレンズ中心部に向かって増大する、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記添加剤の第1濃度が前記添加剤の第2濃度よりも低く、前記添加剤濃度勾配がレンズ縁部からレンズ中心部に向かって低下する、請求項4記載の方法。

【公表番号】特表2008−541798(P2008−541798A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−510268(P2008−510268)
【出願日】平成18年5月5日(2006.5.5)
【国際出願番号】PCT/US2006/017441
【国際公開番号】WO2006/121876
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(507188902)キー メディカル テクノロジーズ インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】