説明

眼科薬剤のミストを投与するための装置

患者の眼に眼科薬剤を投与する装置が開示されている。この装置は、フレーム及び少なくとも1つのレンズにより規定される眼鏡と、フレームに組み込まれ、眼科薬剤を収容するように構成された少なくとも1つの容器と、薬剤の投薬量を制御するように構成された投薬機構と、薬剤の容器に流体相互接続した少なくとも1つのノズルとを備えている。ノズルは、機械的にフレームに固着しており、薬剤のミストの流れを提供するように構成されている。ノズルは、患者の眼の細長い穴の周囲部の前方に配置されており、患者の眼の前にミストの流れを提供するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は眼科薬剤のミストを投与するための装置及び方法に関するものであり、より特定的には、本発明は防腐剤無添加の眼科薬剤を含有するミストの側方流を提供する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人間の眼を治療すること、特に眼球に薬剤を投与することは、慎重に行うべきものであり、しばしば困難な作業となる。最も一般的な薬物配送は、例えば点眼による、眼の表面への薬剤の局所投与である。薬物は、角膜を透過し、眼の内部で治療濃度レベルに達し、薬物の有益な効果をそこで発揮できるため、眼は薬剤の表面投与に非常に適している。実際、眼に投与される薬物の90〜95%は、現在は点眼によって投与されている。まれに、所望の薬理効果を有するにはあまりにも低すぎる濃度で眼に達する場合、又は重い副作用により使用が困難である場合に、眼科薬剤は、経口又は注射によって投与される。
【0003】
局所点眼は、効果的であるにもかかわらず、いくつかの欠点を有している。点眼薬が眼に注入されると、眼と眼瞼の間の嚢である結膜嚢がいっぱいになり、点眼薬のかなりの部分が眼瞼縁から頬へのオーバーフローにより失われてしまう。さらに、眼表面上に残っている点眼薬のかなりの部分が鼻涙管に流れ込み、それによって、吸収されるべき薬物の有効性が低下してしまう。投与された薬剤のこのかなりの部分が角膜を透過する前に失われてしまうことのみならず、この過剰の薬剤が鼻や喉に入って局所的又は全身の循環で吸収され、たまには重篤となる全身性副作用を引き起こす。
【0004】
このため、患者は、多くの場合、処方された点眼薬を使用しない。多くの場合、この服薬順守の低さは、点眼によって生じる最初の痛み又はヒリヒリする感覚に起因している。確かに、一つには眼を守るための正常な反射から、点眼薬を自分自身の眼に注入することが困難であり得る。それゆえ、1滴又はそれ以上の滴の点眼薬を眼へ差し損なうことがある。高齢患者は、関節炎、不安定性及び視力減退のために、点眼薬を差すことについてさらなる問題点を有しており、小児科及び精神科の患者群も、同様の問題点を有している。瓶入りの点眼薬は開封後に冷却しなければならず、それゆえ、冷たい点眼滴は不快感を増大させる。さらに、現在使用されている眼科用製剤の多くには、主に塩化ベンザルコニウム(BAK)である防腐剤が含まれており、この物質は角膜に対して有害であることが知られている。
【0005】
患者が眼に薬剤を投与するのに役に立ついくつかの研究がなされている。
【0006】
特許文献1には、眼科用液体を含有する折り畳み式袋を包含すると共にこの袋を加圧するためのバネ指を備えたカートリッジハウジングを受容するための空間を有する槽状部材を含む点眼薬投与装置が記載されている。この装置は、ばね式ポンプによって、所定量の眼科用液体を使用者の眼に噴霧可能としている。
【0007】
特許文献2には、眼を囲む眼窩の骨に接触する外部ハウジングを備えた眼の治療のための眼科用ミスト装置が記載されている。外部ハウジング内部に同心円状に配置された内部ハウジングは、眼瞼と接触して眼瞼を押し戻し眼を露出させる。内部ハウジングの一端は、眼の治療装置により眼が開いている状態が保たれている際に、粉末若しくは液体の薬剤の定量噴霧を行うための又は眼の洗浄を行うためのディスペンサを受容するように構成されている。ディスペンサのノズルは、定量噴霧を受けるために眼が最適に配置されることを確実にすべく眼が合焦するターゲットとなる対照マークを備えている。噴霧は眼球の前面に真っ直ぐに直接的に行われるとされており、それゆえ、薬剤は無駄にはならない。しかしながら、眼球表面への直接の噴霧は、一部の使用者に、まばたき反射及び不快感を生じさせる可能性がある。
【0008】
特許文献3には、ドライアイ疾患の治療のためのヒドロゲルを経た薬物配送物及び薬物配送方法が記載されている。これにより、希薄溶液からヒドロゲルへの薬剤の受動転移を可能にしている。ヒドロゲルは、眼に接触させたときに薬剤を供給する。薬剤の供給は、長期間に渡って持続される。
【0009】
特許文献4には、容器を規定する本体と、この本体の端部に設けられ容器を閉止するヘッドとを含む埋め込み型装置が記載されている。ヘッドは、薬剤を容器から埋め込み部に所定速度で放出するように構成された透水性材料で形成されている。
【0010】
特許文献5には、液体からミスト、蒸気又は噴霧を生成して投与するための装置が記載されている。この装置は、ミスト室内に回転するロータを含んでいる。ロータは、このロータの開放された底部からロータの頂部近くの穴にかけて外向きに円錐状にテーパとなった内壁を有する。液体は、指作動ポンプによって、カートリッジモジュールからロータの底端部を囲むボール内へとポンプされる。液体が液滴となるとその液滴が遠心力によりロータの穴を通り抜け、噴霧が生成される。
【0011】
特許文献6には、一方又は両方の眼に薬剤を配送するための装置及び方法が記載されている。この装置は、眼の周りに着用されるゴーグルを含んでいる。噴霧器は、霧を霧放出口から放出して一方又は両方の眼に薬剤を供給するように、薬剤を薬剤運搬霧に霧化する。
【0012】
特許文献7には、液体溶液を霧化する(即ち、エアロゾルに変換する)ための噴霧器が開示されている。この噴霧器は、振動するダイアフラムによって、治療領域に効率的に供給される粒子サイズに液体を霧化するエアロゾル発生器を含んでいる。この噴霧器は、現在、「eFlow(登録商標)」という商品名で商品化されている。古典的な蒸気噴流式噴霧器及び超音波式噴霧器は、高いせん断力(蒸気噴流式噴霧器及び超音波式噴霧器)と、温度上昇(超音波噴霧器)とによって、活性薬剤を変性させてしまうかもしれないという欠点を有している。「eFlow(登録商標)」は、せん断応力とせん断場における滞留時間とを減少させることにより、せん断応力に対する薬剤の暴露を最小限にすると共に液体製剤を加熱しない「穏やかな」エアロゾル化機構を包含している。
【0013】
特許文献8、特許文献9及び特許文献10には、「eFlow(登録商標)」技術のさらなる態様が開示されている。
【0014】
特許文献11には、医薬組成物のミストを眼に案内するように構成された製剤成分の眼への投与装置が開示されている。この出願においては、装置の無菌状態を維持する必要性が認識されている。これは、個々の投与間で装置の皮膚接触面を殺菌することにより達成される。この文献に記載されているように、迅速かつ簡単に殺菌できる装置は、例えば多くの患者が1台の装置で治療を受けることとなる病院や診療所、又は高い処理能力が求められる状況下において、例えば、伝染病や流行性疾患の集団を治療するか、又はある集団を予防接種や予防注射することが求められるときに、高い処理能力と医薬組成物の安全な眼への投与とを可能とする。1つの実施態様では、装置の接触面に放射を行う形態の自己殺菌装置が組み込まれている。しかしながら、この出願では、防腐剤の使用を仮定している他に、特に単一の人が装置を典型的な家庭環境で長期間連続的に使用する場合に、医薬組成物自体を無菌状態に保つことを確実にする必要性が考慮されているようには見えない。
【0015】
ほとんどのディスペンサは、ノズル、即ち、投薬される流体にその流出特性を与える内部組み込み機構から成る。従来型のノズルを有しないディスペンサ(即ち、ベンチュリノズル型ディスペンサ)は、この技術分野においてほとんど提案されていなかった。従って、少数のT型流出ノズルが文献に開示されているのみである。例えば、特許文献12には温水供給装置が開示されており、特許文献13には高所に薬剤を散布する高所噴霧補助器具が開示されている。
【0016】
特許文献14には、内部に薬剤の微細なミスト又は霧が噴霧される単一又は一対のゴーグルからなる、眼に薬剤を投与するための装置が開示されている。薬剤はゴーグルの開口に取り付けられた容器内に収容されており、ミストは出口弁の構成又はゴーグル内の出口弁の反対側に配置されたバッフルによって生成される。この特許文献14で教示されている技術的解決手法によると、ミストの流れはノズルから患者の眼に真っ直ぐに向かっており、このようなミストの流れは患者の眼を傷つける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許第6610036号明細書
【特許文献2】米国特許第6336917号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開公報2005/0255144号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開公報2006/0020253号明細書
【特許文献5】米国特許第5893515号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開公報2002/0124843号明細書
【特許文献7】米国特許第6962151号明細書
【特許文献8】米国特許第5152456号明細書
【特許文献9】米国特許第5261601号明細書
【特許文献10】米国特許第5518179号明細書
【特許文献11】国際公開2006/082588号明細書
【特許文献12】特開昭60−101434号公報
【特許文献13】特開2001−145450号公報
【特許文献14】国際公開2007/132446号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上述したように、側方から生起される薬剤のミストのクラウドを生成するために構成された眼科治療装置を提供することは、未だ、満たされておらず、長年に渡って切実に要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の一態様によれば、眼科薬剤のゴーグル状ディスペンサは、眼に装着され、薬剤のミストの漏出を防止するシールを有する単一のゴーグルを備えている。ゴーグル状ディスペンサは、アイカップを外部環境からの汚染から保護するために、使用の合間にこのアイカップに折り重なるように構成されているウイング部を、実現可能性を秘めて、備えている。装置は、多分、防腐剤無添加の薬剤を格納していると共に機械的に配送する機構を備えている。装置は、また、完全に機械的な構成である(電気的要素がない)。ゴーグル状ディスペンサは、眼の表面に落ち着いて優しく覆い、視野を妨げたり眼を刺激しない、50マイクロメータよりほぼ小さい範囲の液滴寸法からなる安定したミストを投与する。装置は、薬剤を眼に有効に届けるために、液滴の方向、速度、寸法、形状及び露出時間を制御するために修正可能な制御機構を実現可能性を秘めて備えている。装置は、また、単動式の用途に有効である。
【0020】
本発明の他の態様によれば、患者の眼を囲む閉じ込められた容積の範囲内で薬剤のミストの漏出を防止するシールと、防腐剤無添加の薬剤を格納していると共に機械的に配送する機構と、眼の表面に落ち着いて優しく覆い、視野を妨げたり眼を刺激しない、50マイクロメータよりほぼ小さい範囲の液滴寸法からなる安定したミストを投与するディスペンサとを有しており眼に装着される単一のゴーグルを備えている眼科薬剤のゴーグル状ディスペンサが提供される。
【0021】
本発明の他の態様によれば、眼科薬剤を収容するように構成された少なくとも1つの容器と、患者の眼の細長い穴の周囲部の前方に配置されていると共に容器と相互に流体接続されている少なくとも1つのノズルとをさらに備えており、ノズルは、ディスペンサ本体に機械的に固定され、薬剤のミストの流れを供給するように構成された、上述したゴーグル状ディスペンサが提供される。ノズルは、直接的で眼に影響しない方法で、密閉された範囲内でミストの流れを横方向に供給するように構成されている。
【0022】
本発明の他の態様によれば、少なくとも1つの容器がフレーム内部又はレンズ内部に組み込まれている、上述のゴーグル状ディスペンサが提供される。
【0023】
本発明の他の態様によれば、ノズルがフレーム又はレンズに機械的に固定されている、上述のゴーグル状ディスペンサが提供される。
【0024】
本発明の他の態様によれば、薬剤が窒素無しの高圧の加圧状態又は非加圧状態で容器に収容されている、上述のゴーグル状ディスペンサが提供される。
【0025】
本発明の他の態様によれば、薬剤のミストが防腐剤無添加である、上述のゴーグル状ディスペンサが提供される。
【0026】
本発明の他の態様によれば、制御機構が薬剤を眼に有効に届けるために、液滴の方向、速度、寸法、形状及び露出時間を制御するために修正可能な制御機構を備えている上述のゴーグル状ディスペンサが提供される。制御機構が一方向投薬弁を備えているかもしれない。これに代えて又は付加的に、制御機構は、投薬時間プロトコル、液滴容積、流体流量、液滴重量、1回分の単位及びこれらの任意の組み合わせからなる群より選ばれる1つ又はそれ以上の流体パラメータを調整又は測定する。
【0027】
本発明の他の態様によれば、薬剤のミストが、設定された時間尺度の間、分散状態を保つように投与され、この時間尺度が約0.5秒〜約5秒の間、約5秒〜約40秒の間、約10〜約50秒の間、又は約15〜約60秒の間である、上述のゴーグル状ディスペンサが提供される。
【0028】
本発明の他の態様によれば、ディスペンサが薬剤の加熱器及び/又は冷却器をさらに備えている、上述のゴーグル状ディスペンサが提供される。加熱器及び冷却器が、非限定的に、ペルチェ装置、超音波発生器、オーム抵抗などからなる群から選択されることも本発明の範囲内である。
【0029】
本発明の他の態様によれば、少なくとも1つの容器が複数のマイクロ容器、特に使い捨てのマイクロ容器であり、マイクロ容器が流体接続の形態でノズルと個々に接続可能である、上述のゴーグル状ディスペンサが提供される。マイクロ容器は、回動ノーズピース部、カートリッジ、マガジン、クリップ及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選ばれる供給機構により任意に供給される。
【0030】
本発明の他の態様によれば、マイクロ容器を連続的に又は同時に開いて、眼科薬剤の対応する投薬量をノズルに供給するように構成されたコネクタを備えている、上述のゴーグル状ディスペンサが提供される。
【0031】
本発明の他の態様によれば、アイカップを外部環境からの汚染から保護するために、使用の合間にアイカップに折り重なるように構成されている少なくとも1つの保護カバーをさらに備えている、上述のゴーグル状ディスペンサが提供される。
【0032】
本発明の他の態様によれば、保護カバーがぴったり合うウイングである、上述のゴーグル状ディスペンサが提供される。
【0033】
本発明の他の態様によれば、眼科薬剤を投与する方法が提供される。この方法は、上述のごとく規定された眼科薬剤のゴーグル状ディスペンサを用意し、容器を眼科薬剤で満たし、装置を患者に装着し、薬剤のミスト又は蒸気の流れを患者の眼とレンズとの間の閉じ込められた容積内に促進し、この流れは眼の表面に落ち着いて優しく覆い、視野を妨げたり眼を刺激しない方法で行われる。
【0034】
本発明の他の態様によれば、眼科薬剤のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサが提供される。この装置は、患者の眼を囲む閉じ込められた容積の範囲内で薬剤のミストの漏出を防止するシールと、防腐剤無添加の薬剤を格納していると共に機械的に配送する機構と、複数W個(Wは2以上の整数)の導管の少なくとも1つのベルヌーイ型接続部に流体接続している放出口を有すると共に安定したミストの流れを投与するディスペンサとを有しており眼に装着される単一のゴーグルを備えており、上述のミストが、眼の表面に落ち着いて優しく覆い、視野を妨げたり眼を刺激しない、50マイクロメータよりほぼ小さい範囲の液滴寸法を有する。用語「約」は、本発明においては、定義された値の±20%の値を参照する。
【0035】
本発明の他の態様によれば、複数W個の導管が複数の導管の接続部を提供し、接続部はL型、Y型、T型及びX型からなる群から選ばれる、上述のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサが提供される。
【0036】
本発明の他の態様によれば、2つの導管の主縦軸間の角度が角度θであり、θが0°よりも大きい、上述のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサが提供される。
【0037】
本発明の他の態様によれば、θが約90°であり、特にθが約75°から約85°の間にある、上述のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサが提供される。
【0038】
本発明の他の態様によれば、少なくとも1つの容器がフレーム内部又は前記レンズ内部に組み込まれている、上述のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサが提供される。
【0039】
本発明の他の態様によれば、流体放出口がフレーム又はレンズに機械的に固定されている、上述のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサが提供される。
【0040】
本発明の他の態様によれば、薬剤が窒素無しの高圧の加圧状態又は非加圧状態で容器に収容されている、上述のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサが提供される。
【0041】
本発明の他の態様によれば、薬剤のミストが防腐剤無添加である、上述のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサが提供される。
【0042】
本発明の他の態様によれば、薬剤の投薬量を制御するように構成された制御機構をさらに備えている、上述のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサが提供される。この制御機構はおそらくは一方向投薬弁を備えている。
【0043】
本発明の他の態様によれば、投薬量が、所定時間プロトコル、容積、流量、重量、1回分の単位、バースト数及びこれらの任意の組み合わせからなる群の1つ又はそれ以上によって与えられる、上述のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサが提供される。
【0044】
本発明の他の態様によれば、薬剤のミストが、設定された時間尺度の間、非凝縮状態を保つように投与され、前記時間尺度が約1秒〜約5秒の間、約5秒〜約40秒の間、約10〜約50秒の間、又は約15〜約60秒の間である、上述のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサが提供される。
【0045】
本発明の他の態様によれば、薬剤の加熱器及び/又は冷却器をさらに備えている、上述のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサが提供される。
【0046】
本発明の他の態様によれば、薬剤の格納のための機構が、流体接続の形態でノズルと個々に接続可能な複数のマイクロ容器である、上述のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサが提供される。
【0047】
本発明の他の態様によれば、特にぴったり合うウイングである少なくとも1つの保護カバーをさらに備えており、この保護カバーがヒンジ又はその同等物のような機械的取り付け具によってレンズ又はディスペンサ本体に恒久的に若しくは一時的に取り付けられており、閉じた際に効率良くシールを形成する、上述のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサが提供される。
【0048】
本発明の他の態様によれば、眼科薬剤を投与する方法が提供される。この方法は、上述のごとく規定された眼科薬剤のゴーグル状ディスペンサを用意し、容器を眼科薬剤で満たし、装置を患者に装着し、薬剤のミスト又は蒸気の流れを患者の眼とレンズとの間の閉じ込められた容積内に促進し、この流れは眼の表面に落ち着いて優しく覆い、視野を妨げたり眼を刺激しない方法で行われる。
【0049】
本発明の他の態様によれば、眼科薬剤のゴーグル状ディスペンサが提供される。このディスペンサは、治療する患者の眼を囲む閉じ込められた容積を規定するフレーム及び少なくとも1つのレンズを有するゴーグル状眼鏡と、この眼鏡内に設けられ薬剤を収容するように構成された少なくとも1つの容器と、患者の眼の細長い穴の周囲部の前方に配置されていると共に前記容器と相互に流体接続されている少なくとも1つのノズルとを備えている。このノズルは、眼鏡に機械的に固定されており、薬剤のミストの流れを眼に直接的に(即ちバッフルされたり仲介されたりすることなく)、かつ眼に影響を及ぼすことなく(即ち垂直に衝突することなく)供給する。鼻の薬剤及び耳の薬剤を投与すること、並びに治療する患者の周囲部がそれぞれ鼻孔及び耳孔であることも本発明の範囲内である。
【0050】
液滴の流れが直接的及び眼に影響を及ぼさない組み合わせであることにより、特に、眼を薬剤で効果的に覆うことができ、過剰摂取、即ち、患者の鼻孔の粘膜被覆を介しての血行への薬剤の不用意な浸透、眼の炎症、高価な薬剤の損失等を防止でき、患者が自身の眼への薬剤投与に対する意識した及び無意識のためらい及び自制を克服でき、これにより短期及び長期の治療効果を向上できる。さらに、ここで述べたディスペンサは、エアロゾルをバッフルされたり仲介されたりすることなく投与するように設計されているため、本発明のいくつかの実施形態によれば、投与された薬剤がバッフルの上に蓄積されるようなことをほぼ完全に回避でき、閉じ込められた容積の二次汚染(薬剤によって連続的に湿潤化されているバッフルの微生物接種)を防止でき、装置の安全な再使用が保証される。
【0051】
用語「ゴーグル状眼鏡」は、非限定的に、治療する一方又は両方の眼に隣接した閉じ込められた容積を規定する、眼のゴーグル、ゴーグル状部材、眼鏡、単眼鏡、任意の寸法、形状及び設計のマスク等であると以下参照する。
【0052】
本発明の他の態様によれば、非限定的に、フレーム内部及び/又は少なくとも1つのレンズ内部に組み込まれている少なくとも1つの容器が提供される。レンズが透明で光の透過を可能であること、半透明であること、又は少なくとも部分的に非透明材料で形成されていることは本発明の範囲内である。
【0053】
以下に規定されるゴーグル状ディスペンサが、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA、PHMMA等)のようなポリマー及びプラスチック、ナイロン及びその他のようなポリアミド、ポリウレタン、ポリ乳酸、ポリプロピレン及びポリエチレン等のポリアルキレン、ガラス製品、段ボール、ゴム、複合材料、金属製品又はこれらの任意の混合物及び組合わせにより少なくとも一部が形成されることは、本発明の範囲内である。ゴーグル状ディスペンサ又はその構成部品が使い捨てであるか又は多用途目的であることも本発明の範囲内である。
【0054】
本発明の他の態様によれば、例えば眼の細長い穴に対してフレームの横(側方)方向の部分において、フレームに機械的に固定されているノズルが提供される。本発明の他の態様によれば、特に眼の細長い穴に対してフレームの横(側方)方向の部分において、レンズに機械的に固定されているノズルが提供される。用語「横方向」は、非限定的に、底側の側方部、中央の側方部、頂側の側方部又はこれらの組み合わせ等の、眼の側方であると以下参照する。
【0055】
本発明の他の態様によれば、窒素無しの高圧の加圧状態(即ち、3〜5気圧、30〜50気圧等の大気圧より高い圧力状態)又は非加圧状態で容器に収容されている薬剤が提供される。用語「非加圧状態」は、ここでは、「高い圧力」より低い任意の圧力を参照し、適度の圧力を含む。容器内の薬剤は、公知のように設定されるであろう。即ち、約1気圧〜約5気圧、約5気圧〜約50気圧、約50気圧〜約150気圧等の範囲である。用語「約」は、本発明においては、定義された値の±20%の値を参照する。
【0056】
本発明の他の態様によれば、投与される薬剤の投薬量を制御するように構成された投薬機構又は他の任意の計量機構を備えたゴーグル状ディスペンサが提供される。即ち、計量噴霧ポンプ構造及び/又は計量弁、例えば、ボール、ノブ又は静的若しくは動的部材、又は、ステムの充分な作動又は押圧が利用可能な場合に、弁アセンブリからエアロゾル生成物の所望量が適切に計量されるように構成された他の構成を備えた機構である。投薬機構は、例えば投与時間プロトコル(例えばミストの少数のバースト列のプロトコル)、エアロゾル容積、流量、重量、1回分の単位又はこれらの任意の組み合わせを含む、投与されるエアロゾルのパラメータを制御する。
【0057】
本発明の他の態様によれば、少なくとも1つの一方向投薬弁を備えた投薬機構が提供される。
【0058】
本発明の他の態様によれば、設定された時間尺度の間、非凝縮状態を保つように投与される薬剤のミストが提供される。本発明の一態様によれば、非限定的であるが、時間尺度が約1秒〜約5秒の間、約5秒〜約40秒の間、約10〜約50秒の間、又は約15〜約60秒若しくはそれ以上の間である。ミストが、ナノメータの大きさの平均径を有する粒子及び/又は液滴(例えば蒸気又はサブマイクロメータの大きさの液滴)からマイクロメータの大きさの平均径を有する粒子及び/又は液滴を備えていることも本発明の範囲内である。
【0059】
本発明の他の態様によれば、薬剤及び/又はミストの加熱器及び/又は冷却器をさらに備えているゴーグル状ディスペンサが提供される。加熱器/冷却器(例えば、ペルチェ機構、加熱コイル等)の少なくとも一部がディスペンサのフレームに組み込まれていることも本発明の範囲内である。加熱器/冷却器機構は、直接的機構(例えば、投与された流体の加熱)であるか、又は間接的機構(例えば、レンズの加熱)である。
【0060】
本発明の他の態様によれば、制御装置を備えたゴーグル状ディスペンサが提供される。
制御装置が、患者に対応する(例えば、患者の年齢、状態及び病気の程度)、薬剤に対応する、プロトコルに対応する(例えば、プログラム可能)、オペレータに対応する(例えば、ユーザによる若しくは看護師による)、又はフィードバック作動することも本発明の範囲内である。
【0061】
本発明の他の態様によれば、容器が複数のマイクロ容器を備えたアレー又はカートリッジを組として有する、上述のゴーグル状ディスペンサが提供される。マイクロ容器は、流体接続の形態でノズルと個々に接続可能である。マイクロ容器が供給機構によって投与する前にノズルに向かって供給することも本発明の範囲内である。この供給機構は、非限定的に、回動ノーズピース部、カートリッジ、マガジン、クリップ及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選ばれる。用語「マイクロ容器」が使い捨てのマイクロ容器、マイクロノズルを備えた容器、マイクロベンチュリ接続部を備えた投与促進部、及びマイクロ複数相流混合室を参照することも本発明の範囲内である。
【0062】
本発明の他の態様によれば、各マイクロ容器の設定された部分を連続的に開いて、眼科薬剤の対応する設定された投薬量をノズルを介して閉じ込められた容積内に供給するように構成されたコネクタを備えたゴーグル状ディスペンサが提供される。
【0063】
設定されたプロトコルにより、複数の薬剤が同時に又は個別に利用されることも本発明の範囲内である。それ故、上述のいずれかのゴーグル状ディスペンサは、実現可能性を秘めて、複数の容器又は複数の独立した区画を有する容器、複数のノズル等を備えていることも本発明の範囲内である。1つ又はそれ以上の薬剤が例えば加圧されたN等の生物学的高圧ガスによって投与されることも本発明の範囲内である。
【0064】
本発明の他の態様によれば、眼科薬剤を投与する方法が提供される。この方法は、非限定的に選択される、前述したいずれかのゴーグル状ディスペンサを用意し、容器を眼科薬剤で満たし、装置を患者に装着し、ミストの流れを横方向に吹き込み、噴出し又は促進し、眼科薬剤を患者の眼とレンズとの間に定義される閉じ込められた容積内に含ませるステップを備えている。ノズルがミストの流れを閉じこめられた容積内において横方向に直接的に(即ちバッフル無しに)かつ眼に影響を与えないように(垂直入射では無い形態で)供給する等により、ミストの流れを横方向(眼に対する側方方向)に吹き込み、噴出し又は促進するステップは本発明の主要部である。
【0065】
本発明の他の態様によれば、フレーム及び/又はレンズ内に少なくとも1つの容器を組み込むステップをさらに備えた、前述した投与方法が提供される。
【0066】
本発明の他の態様によれば、ノズルをフレームに機械的に固定するステップをさらに備えた、前述した投与方法が提供される。
【0067】
本発明の他の態様によれば、容器をレンズに機械的に固定するステップをさらに備えた、前述した投与方法が提供される。
【0068】
本発明の他の態様によれば、薬剤を窒素無しの高圧の加圧状態で容器に収容するステップをさらに備えた、前述した投与方法が提供される。
【0069】
本発明の他の態様によれば、防腐剤無添加の薬剤の流れを吹き込み、噴出し又は促進するか、又は防腐剤無添加の薬剤を噴出するステップをさらに備えた、前述した投与方法が提供される。
【0070】
本発明の他の態様によれば、投与される投薬量を制御するステップをさらに備えた、前述した投与方法が提供される。
【0071】
本発明の他の態様によれば、一方向投薬弁によって投与される投薬量を制御するステップをさらに備えた、前述した投与方法が提供される。
【0072】
本発明の他の態様によれば、所定時間プロトコル、容積、流量、重量、1回分の単位、バースト数及びこれらの任意の組み合わせからなる群より選ばれる1つ又はそれ以上であることに特徴を有する、投薬量を制御するステップをさらに備えた、前述した投与方法が提供される。
【0073】
本発明の他の態様によれば、薬剤のミストの流れを、設定された時間尺度の間、非凝縮状態を保つように吹き込み、噴出し又は促進するステップをさらに備えた、前述した投与方法が提供される。この時間尺度は、約1秒〜約5秒の間、約5秒〜約40秒の間、約10〜約50秒の間、又は約15〜約60秒の間である。
【0074】
本発明の他の態様によれば、薬剤を直接的か又は間接的に、加熱及び/又は冷却するステップをさらに備えた方法が提供される。
【0075】
本発明の他の態様によれば、流れを吹き込み、噴出し又は促進するステップが、特に、薬剤のミストの流れ及び/又はパラメータを制御又は調整するサブステップをさらに備えている。
【0076】
本発明の他の態様によれば、時間、液滴の寸法及び分布、薬剤の種類、流量、温度並びにこれらの組み合わせからなる群から1つ又はそれ以上を選択することにより少なくとも1つのパラメータに関して実施される、パラメータを制御するサブステップが提供される。
【0077】
本発明の他の態様によれば、ディスペンサを用意するステップが提供される。この方法は、特に、流体接続の形態でノズルと個々に接続可能な複数のマイクロ容器を用意するサブステップを備えている。
【0078】
本発明の他の態様によれば、流れを吹き込み、噴出し又は促進するステップが、特に、供給機構によりマイクロ容器に供給するサブステップと、供給機構を回動ノーズピース部、カートリッジ、マガジン、クリップ及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選ぶサブステップとをさらに備えている。
【0079】
本発明の他の態様によれば、ミストの流れを吹き込み、噴出し又は促進するステップをさらに備えており、マイクロ容器を連続的に又は同時に開くサブステップと、眼科薬剤の対応する量をノズルに供給するサブステップとをさらに備えた、前述した投与方法が提供される。
【0080】
本発明の他の態様によれば、眼科薬剤のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサが提供される。このベンチュリノズル型ディスペンサは、治療する患者の眼を囲む閉じ込められた容積フレーム及び少なくとも1つのレンズを有するゴーグル状眼鏡と、この眼鏡内に組み込まれており薬剤を収容するための少なくとも1つの容器と、患者の眼の細長い穴の周囲部の前方に配置されていると共に容器と相互に流体接続されている少なくとも1つの流体放出口とを備えている。この放出口は、複数W個(Wは2以上の整数)の導管の少なくとも1つのベルヌーイ型接続部に流体接続しており、薬剤のミストの流れを供給するように構成されている。このベンチュリノズル型ディスペンサの1つ又はそれ以上の流体放出口は、好ましくは、眼鏡に固定されており、薬剤のミストの流れを眼に直接的に(即ちバッフルされたり仲介されたりすることなく)、かつ眼に影響を及ぼすことなく(即ち垂直に衝突することなく)供給する。
【0081】
同様にかつ前述したように、本発明の他の態様によれば、ベルヌーイ型接続部及び放出口の組み合わせが、直接的で眼に影響しない方法で、密閉された範囲内でミストの流れを横方向に供給するように構成されている、上述のベンチュリノズル型ディスペンサが提供される。単に1つ又はそれ以上の放出口を介する(即ち、単一のノズルを介するのではない)液滴のミストの直接的かつ眼に影響を及ぼさない組み合わせの流れは、特に、眼を薬剤で効果的に覆うことができ、過剰摂取、即ち、患者の鼻孔の粘膜被覆を介しての血行への薬剤の不用意な浸透、眼の炎症、高価な薬剤の損失等を防止でき、患者が自身の眼への薬剤投与に対する意識した及び無意識のためらい及び自制を克服でき、これにより短期及び長期の治療効果を向上できる。さらに、ここで述べたディスペンサは、エアロゾルをバッフルされたり仲介されたりすることなく投与するように設計されているため、本発明のいくつかの実施形態によれば、投与された薬剤がバッフルの上に蓄積されるようなことをほぼ完全に回避でき、閉じ込められた容積の二次汚染(薬剤によって連続的に湿潤化されているバッフルの微生物接種)を防止でき、装置の安全な再使用が保証される。
【0082】
本発明の他の態様によれば、2つの導管の主縦軸間の角度が角度θであり、θが0°よりも大きく180°より小さい範囲にあり、例えばθが約90°であり、又は例えばθが約75°から約85°の間にある、上述した眼科薬剤のベンチュリノズル型ディスペンサが提供される。
【0083】
本発明の他の態様によれば、ベンチュリノズル型ディスペンサから眼科薬剤を投与する方法が提供される。この方法は、ゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサを用意するステップを備えている。このディスペンサは、治療する患者の眼を囲む閉じ込められた容積フレーム及び少なくとも1つのレンズを有するゴーグル状眼鏡と、この眼鏡内に組み込まれており薬剤を収容するための少なくとも1つの容器と、患者の眼の細長い穴の周囲部の前方に配置されていると共に容器と相互に流体接続されている少なくとも1つの流体放出口とを備えている。この放出口は、複数W個(Wは2以上の整数)の導管の少なくとも1つのベルヌーイ型接続部に流体接続しており、薬剤のミストの流れを供給するように構成されている。好ましくは、眼鏡に固定されており、薬剤のミストの流れを眼に直接的に(即ちバッフルされたり仲介されたりすることなく)、かつ眼に影響を及ぼすことなく(即ち垂直に衝突することなく)供給する。この方法は、さらに、容器を眼科薬剤で満たすステップと、装置を患者に装着するステップと、ベルヌーイの定理により、薬剤を含むミストの流れを患者の眼とレンズとの間の閉じ込められた容積内に吹き込み、噴出し又は促進するステップとを備えている。
【0084】
本発明の他の態様によれば、流れを吹き込み、噴出し又は促進するステップが、放出口がミストの流れを閉じこめられた容積内において横方向に直接的にかつ眼に影響を与えないように供給するように横方向に実施される上述した方法が提供される。
【0085】
本発明の他の態様によれば、フレーム内に少なくとも1つの容器を組み込むステップをさらに備えた前述した方法が提供される。
【0086】
本発明の他の態様によれば、レンズ内に少なくとも1つの容器を組み込むステップをさらに備えた前述した方法が提供される。
【0087】
本発明の他の態様によれば、流体放出口をフレームに機械的に固定するステップをさらに備えた前述した方法が提供される。
【0088】
本発明の他の態様によれば、流体放出口をレンズに機械的に固定するステップをさらに備えた前述した方法が提供される。
【0089】
本発明の他の態様によれば、薬剤を窒素無しの高圧の加圧状態で容器に収容するステップをさらに備えた前述した方法が提供される。
【0090】
本発明の他の態様によれば、薬剤のミストの流れを吹き込み、噴出し又は促進するステップが、防腐剤無添加で行われる前述した方法が提供される。
【0091】
本発明の他の態様によれば、投与される投薬量を制御するステップをさらに備えた前述した方法が提供される。
【0092】
本発明の他の態様によれば、投与される投薬量を制御するステップが一方向投薬弁によって行われる前述した方法が提供される。
【0093】
本発明の他の態様によれば、投与される投薬量を制御するステップが所定時間プロトコル、容積、流量、重量、1回分の単位、バースト数及びこれらの任意の組み合わせからなる群より選ばれる1つ又はそれ以上であることに特徴を有する前述した方法が提供される。
【0094】
本発明の他の態様によれば、薬剤のミストの流れを吹き込み、噴出し又は促進するステップが、約1秒〜約5秒の間、約5秒〜約40秒の間、約10〜約50秒の間、又は約15〜約60秒の間である設定された時間尺度の間、非凝縮状態を保つように行われる方法が提供される。
【0095】
本発明の他の態様によれば、薬剤を加熱及び/又は冷却するステップをさらに備えた前述した方法が提供される。
【0096】
本発明の他の態様によれば、流れを吹き込み、噴出し又は促進するステップが、薬剤のミストの流れ及び/又はパラメータを制御するサブステップを備えた前述した方法が提供される。
【0097】
本発明の他の態様によれば、パラメータを制御するサブステップが、時間、液滴の寸法及び分布、薬剤の種類、流量、温度並びにこれらの組み合わせからなる群から選択された少なくとも1つのパラメータに関して実施される前述した方法が提供される。
【0098】
本発明の他の態様によれば、ディスペンサを用意するステップが、流体接続の形態でノズルと個々に接続可能な複数のマイクロ容器を用意するサブステップを備えた前述した方法が提供される。
【0099】
本発明の他の態様によれば、ミストの流れを吹き込み、噴出し又は促進するステップが、回動ノーズピース部、カートリッジ、マガジン、クリップ及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選ばれた供給機構によってマイクロ容器に供給するサブステップをさらに備えた前述した方法が提供される。
【0100】
本発明の他の態様によれば、ミストの流れを吹き込み、噴出し又は促進するステップをさらに備えており、マイクロ容器を連続的に開くサブステップと、眼科薬剤の対応する量をノズルに供給するサブステップとをさらに備えた前述した方法が提供される。
【0101】
本発明の他の態様によれば、患者の眼を囲む閉じ込められた容積の範囲内で薬剤のミストの漏出を防止するシールと、防腐剤無添加の薬剤を格納していると共に機械的に配送する機構と、50マイクロメータよりほぼ小さい範囲の液滴寸法を有する安定したミストを投与するディスペンサとを含む、眼に装着される単一のゴーグルを備えた眼科薬剤のゴーグル状ディスペンサを用意し、容器を眼科薬剤で満たし、装置を患者に装着し、薬剤のミスト又は蒸気の流れを患者の眼とレンズとの間の閉じ込められた容積内に促進し、この促進が眼の表面に落ち着いて優しく覆い、視野を妨げたり眼を刺激しない方法で行われる、前述した方法が提供される。
【0102】
本発明を理解し、実際にどのよう実施されるかを知るために、以下の添付の図面を参照した非限定的な例のみにより、以下、複数の実施形態が記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の一実施形態として、眼科薬剤を投与する装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】薬剤のエアロゾル粒径の分布を示すグラフである。
【図3】本発明の他の実施形態として、眼科薬剤を投与する装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【図4】本発明のさらに他の実施形態として、回動ノーズピース部に配置されたマイクロ容器を備えた眼科薬剤を投与する装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【図5】本発明のまたさらに他の実施形態として、薬剤をマイクロ容器から投与するように構成された投与装置の斜視図、並びにマイクロ容器の等角図及び断面図である。
【図6A】本発明のさらに他の実施形態として、薬剤をマイクロ容器から投与するように構成された投与装置におけるマイクロ容器の等角図及び断面図である。
【図6B】本発明のさらに他の実施形態として、薬剤をマイクロ容器から投与するように構成された投与装置におけるマイクロ容器の等角図及び断面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施形態として、ベンチュリY型及びT型の分岐部の構成を概略的に示す断面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施形態として、ベンチュリY型の分岐部の構成を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0104】
以下の説明は、本発明の全ての章と共に、いかなる当業者も本発明を使用できるようにするものであり、本発明を実施する発明者により考察される最良の形態を説明するものである。しかしながら、本発明の一般的な原理が患者の眼に眼科薬剤を投与する装置を特に提供するために規定されているため、種々の変更態様が適合されることは当業者にとって明らかである。
【0105】
用語「霧」は、約30秒又はそれ以上の自由落下時間(1インチの自由落下当たりの存在時間)、終端速度0〜5mm/秒及びかすんだ外観を有するという点に特徴付けられた0.5〜10マイクロメータの液滴のクラウドであると以下参照する。
【0106】
用語「細かいミスト」又は「ミスト」は、約1〜約5秒の自由落下時間(1分当たりの存在時間)、終端速度20〜100mm/秒という点に特徴付けられた20〜50マイクロメータの液滴のクラウドに置き換え可能であると以下参照する。このようなミストは、分離された液滴という視覚的外観を有する。
【0107】
用語「粗いミスト」は、約0.1〜約0.3秒の自由落下時間(1分当たりの存在時間)、終端速度50〜600mm/秒という点に特徴付けられた50〜150マイクロメータの液滴のクラウドであると以下参照する。このようなミストは、分離された液滴という視覚的外観を有する。
【0108】
実際には、用語「ミスト」と用語「霧」とは置き換え可能である。
【0109】
用語「ミスト」及び「霧」は、置き換え可能であり、特に本発明ではさらに、ブラウン運動を伴う非常に小さい液滴のクラウド、即ちファンやインジェクタのような任意の外部機構によって閉じ込められた容積内で助長された流れではないクラウド、を参照する。
【0110】
さらに、本発明によって提供される「ミスト」及び「霧」は、その液滴が衝突せず従ってその量を減少させずに眼に実質的に作用するように、眼の近傍の閉じ込められた容積内に向かって接線方向に移動する。
【0111】
用語「噴霧」及び「霧雨」は、約0.05秒の自由落下時間(1分当たりの存在時間)、終端速度2000mm/秒という点に特徴付けられた200〜500マイクロメータの液滴のクラウドに置き換え可能であると以下参照する。このような噴霧又は霧雨は、液滴という視覚的外観を有する。
【0112】
クラウドの運動量(kg×m/sec)は、噴霧用に約1×10−4、粗いミスト用に約1×10−5、ミスト用に10−5〜1×10−6、霧用に1×10−8〜1×10−9である。
【0113】
図1(a)〜(c)には、本発明の一実施形態として、眼科薬剤を投与する装置100の全体構成が非実尺で示されている。本実施形態における眼科薬剤のゴーグル状ディスペンサ100について、閉じた形態(使用可能状態)が図1(a)に示されており、開いた形態が図1(b)及び(c)に示されている。図1(b)は背面図、図1(c)は正面図である。このディスペンサ100は、少なくとも1つのレンズ30及び場合によっては治療すべき患者の眼を囲む閉じ込められた容積を規定するフレームを含む本体60と、薬剤を収容する少なくとも1つの容器(図示なし)とを備えている。容器に流体内部接続された少なくとも1つのノズル40が、患者の眼の細長い穴(slot)の周囲部の前方に配置されている。このノズルは、ディスペンサの本体に機械的に固定されており、薬剤のミストの流れを提供するように構成されている。ノズルは、さらに、閉じ込められた容積内において、直接的なかつ眼への影響を与えない横方向のミストの流れを提供するように構成されている。
【0114】
用語「直接的」及び「眼へ影響を与えない」は、非限定的に、ノズル即ちベンチュリノズルから患者の眼への直接的な、即ちディスペンサの表面に、閉じ込められた容積内の挿入物(例えばファンの羽根、バッフル、ゴーグル壁、その他)の表面に、前もって衝突すること無しの、液滴の通過に関する。この用語は、また、約1×10−7又は1×10−9Kg・m/sec、例えば、1×10−8Kg・m/secの最小の運動量によって特徴付けられたクラウドの助長された流れに関する。
【0115】
図1(a)〜(c)に示す本発明の特別の実施形態によれば、ディスペンサは、ヒンジ20によってディスペンサのフレーム又は本体に接続されているウイング10を備えている。同様に、この実施形態のディスペンサは、任意の単動式機構(single-action mechanism)の片手(single-handed)投薬弁50を備えている。ウイング10が、ゴーグルの開口の輪郭に適合するように構成された、弾性の又は半剛性のリムを備えていることも本発明の範囲である。
【0116】
同様に、本発明の第2の実施形態によれば、ディスペンサが、対になった又は相互の単一フレームを合体した、左右の眼用の2つのゴーグル状ディスペンサを備えている。
【0117】
図2には、薬剤液滴の寸法(径)dに対するμm−3で表された薬剤の相対量Nの依存性からなる液滴分布のグラフが非実尺で示されている。図2に示されているように、液滴の量の最大値が10マイクロメータの径の液滴に対応する。本発明で規定されかつ示される霧又はミストは、ガウス分布で表されることが知られている。
【0118】
図3には、本発明の他の実施形態として、眼科薬剤を投与する装置200が非実尺で三次元化されて示されている。ゴーグル状ディスペンサ200は、特に、レンズカップ510と、保護カバー(ウイング状部材)520と、ヒンジ530と、制御装置540と、流体リザーバ550と、アクチュエータ560と、任意の投薬弁と、ノズル570とを備えている。
【0119】
保護カバー520は、例えば、ほこり、細菌及び異物から保護するために閉じた際に、レンズカップ510に対してぴったりと合わされる。ユーザは、装置200を開いた後、彼又は彼女の眼にレンズカップ510を保持し、アクチュエータ560を押す。これにより、アクチュエータ560は、計量された薬剤をノズル570を介して放出する。
【0120】
容器550が、50気圧まで加圧されかつ高圧ガス(propellant gas)として窒素を含有しない眼科薬剤を保持することも本発明の範囲である。眼科薬剤を環境から隔離するために、ノズル570は、薬剤を投与すると共に環境空気がレンズカップ510に進入することを防止する一方向投薬弁560を備えている。薬剤の導管540は、所定の時間プロトコルに従ってミストの流れを投与するため及び実行された動作を記録するために設計された制御装置540により制御される。患者の眼とゴーグル510との間の閉じ込められた容積の中央領域に生成されたミストは、薬剤が患者の鼻孔の粘膜皮膜を介して血流内に不用意に浸透することを防止する凝縮不可能なミストである。
【0121】
容器、薬剤の導管、投薬弁及び/又はノズルが使い捨ての構成部品であること、即ち使用した後に交換されるように構成されていること、の各々、一部又は全ては本発明の範囲である。
【0122】
図4には、本発明のさらに他の実施形態として、眼科薬剤を投与する装置300の概略が非実尺で示されている。この装置300は、フレーム210と、レンズ230と、保護ウイング211とを備えている。この装置300は、さらに、眼科薬剤の微量の投薬を収容する複数のマイクロ容器250を備えている。マイクロ容器250は、これに限定されないが、マイクロ容器250からコネクタ(図示なし)に供給されることを可能にする供給機構に配置される。この供給機構は、回動ノーズピース部、カートリッジ、マガジン、クリップ及びこれらの任意の組み合わせからなる群から非限定的に選択される。上述したコネクタは、複数のマイクロ容器250を連続的に開き、眼科薬剤の相応する投薬量をノズル(図示なし)に供給するように構成されている。マイクロ容器250は、50気圧まで加圧されかつ高圧ガス(propellant gas)として窒素を含有しない眼科薬剤を収容する。投薬は、所定の時間プロトコルに従ってミストの流れを投与し、実行された動作を記録するように構成された投薬(制御)ユニット270により制御される。患者の眼とレンズ230との間の容積の中央領域に生成されたミストは、薬剤が患者の鼻孔の粘膜皮膜を介して血流内に不用意に浸透することを防止する凝縮不可能なミストである。
【0123】
図5には、本発明のまたさらに他の実施形態として、マイクロカプセル310が非実尺で示されている。ミスト生成のプロセスは、キャビティ320内に収容された窒素によって促進される。ノズル340はフォイル350に穴を開け、マイクロカプセル310からの薬剤が患者の眼と装置(図示なし)との間の閉じ込められた容積内に放出される。
【0124】
図6A(a)には、その上部に、本発明のさらに他の実施形態として、マイクロ容器90の非実尺の断面が示されている。この小さい(例えば、約5〜約10mmの径、約7mmの長さ94)、好ましくは排他的ではない、使い捨ての容器は、流体流入口91と、容積93内に含まれる薬物を投与する噴出口92とを備えている。図6A(a)には、さらに、その下部に、例えば使い捨てのベンチュリ弾丸型として有用なマイクロ容器95の非実尺の斜視図が示されている。図6A(b)及び(c)には、突き通し型のノズル装置の断面図及び斜視図がそれぞれ示されている。図6B(d)及び(e)には、同様の装置が示されている。
【0125】
本発明は、眼科薬剤のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサをも開示する。この装置は、特に、少なくとも1つのレンズ及び治療すべき患者の眼を囲む閉じ込められた容積を規定する任意のフレームを有する本体と、薬剤を収容するように構成された少なくとも1つの容器と、患者の眼の細長い穴の周囲部の前方に配置されており、容器との流体相互接続されている少なくとも1つの流体放出口とを備えている。放出口は、薬剤にミストの流れを提供するように構成された、複数Wの導管の少なくとも1つのベルヌーイ型接続部に流体接続されている。ここで、Wは2以上の整数である。ベンチュリ型接続部及び放出口の組み合わせは、おそらく、閉じ込められた容積内において、直接的なかつ眼に影響を与えないミストの流れを横方向に提供するように構成されている。複数Wの導管は、複数の導管接続を提供する可能性がある。この接続は、L型、Y型、T型及び/又はX型からなるグループから選択される。
【0126】
図7には、本発明を開示する2つの型のディスペンサの断面がこれに限定されない方法で示されている。即ち、Y型(対称か又は非対称の構造の、1つの液体薬剤の様相及び1つのガス状キャリアの様相)と、ダブルY型又はX型(2つの液体薬剤の様相及び1つのガス状キャリアの様相)とのベンチュリノズル型システムが示されている。ベンチュリノズル型システムの内部断面寸法の符号が図に示されている。表1は、全てが可能ではない種々の寸法を示している。
【0127】
本発明のいくつかの実施形態におけるY型及びX型ベンチュリノズル型システムの接続部の特性(°、mm)
【表1】

【0128】
本発明の他の実施形態として、ベンチュリノズル投与装置が示されている。ベンチュリノズル投与装置は、ベルヌーイの定理とベンチュリ効果とを利用している。ベルヌーイの定理は、粘質の流れについて、流体の圧力の減少又は流体の位置エネルギの減少と同時に流体の速度の増加が発生するというものである。ベンチュリ効果は、流体の圧力の減少について述べており、これは、流体がパイプの圧縮された断面を通って流れるときに以下の結果となる。流体の速度が連続の方程式を満たすために圧縮によって増加し、その一方、流体の圧力がエネルギ保存の法則のために減少し、運動エネルギ量が圧力又は圧力勾配力の低下によって平衡となる。従って、ベンチュリ型装置においては、本発明のいくつかの実施形態において述べたように、流体の流速及び流体の運動エネルギ(即ち、装置の導管内)と、環境条件内(装置の外側)の凝縮された液体の性質に関するパラメータ全体とが、より小さい液滴となりこれにより医学的効率が上昇させるために投与された液滴に提供されると認識される。
【0129】
より特定的には、本発明は眼科薬剤のベンチュリノズル型ディスペンサを開示する。特に、本発明は、ベンチュリノズルT型又はL型導管接続と、薬及び防腐剤無添加の薬剤を適用するために噴霧射出を促進する機構であるベンチュリノズル(即ち、ノズル機構を基本的に含まないT型又はL型導管構造)とを開示する。用語「防腐剤無添加」は、本発明の一実施形態によれば、ベンザルコニウム塩化物(即ち、塩化アルキル・ジメチル・ベンジル・アンモニウム、ADBAC、又は同様の化合物)及びその等価物、並びに他のあらゆる保存物質、安定剤又は同様の化合物が添加されていないことを意味している。ディスペンサは、特に、治療すべき患者の眼の少なくとも一部(例えば、球、半球、三日月形状の半球等)を囲み閉じ込められた容積を規定するための容器機構(例えば、フレーム、ゴーグル状容器等)を備えている。ディスペンサは、また、単一若しくは複数成分の薬剤、原料又はそのプロセッサを収容している少なくとも1つの容器を備えている。さらに、ディスペンサは、L型、Y型又はT型ベンチュリノズル投与機構、即ち複数Wの導管の接続部(ただし、Wは2以上の整数)を備えている。2導管接続部は、以下、T型、又はL型若しくはY型と参照し、3導管接続部は、以下、X型と参照し、以下同様とする。上述したWの導管及びその接続部に前述したベルヌーイの定理が適用されることは、本発明の範囲である。ベンチュリノズル装置は患者の眼の細長い穴の周囲部の前に配置されており、容器との流体相互接続部に設けられている。ベンチュリノズル装置は、好ましくは、容器機構に機械的に固着されており、有効な薬剤のミスト流を提供するように構成されている。従って、X型接続部及び他の任意の複数の接続部によって特徴付けられる装置が、細かいミストとして印加される治療組成を高めるための2つ若しくはそれ以上の薬剤又はキャリアを混合するために特に有用であると認識される。
【0130】
図8には、ベンチュリT型接合部が概略的に示されている。ガス流810は、オリフィス801を介して、さらに、オリフィス802を越えて通過する。図中のグラフに示すように、これは、管840に対して負圧となる圧力降下を領域800に生成する。これにより流体の流れ820が生じる。流体はオリフィスを通過し、混合された流れ830がノズル850から現れる。管840から引出される流体の速度は、オリフィス802の前後の瞬間的な圧力差に依存する。総量は初期の圧力差に基づいて予測することができ、投薬量を効果的に測ることができる。
【0131】
破線円800内に、オリフィス801からの距離(X軸)に対する圧力(Y軸)の特性が示されている。距離が増加するにつれて、圧力は管820内の圧力より低い値に減少する。これにより、所定投薬量に計測された正しい寸法の液滴が放出口から現れるように吸引が発生する。
【0132】
従って、制御された液滴の寸法が眼科薬剤の投与において重要なパラメータであると認識される。方向を持った流れ内で直線の進路を進むために、液滴は十分に大きくなければならない。霧内において、あまりに大きい液滴は重力により落下し、この霧は消えるであろう。液滴の寸法は、液滴の運動量にも直接的に影響を及ぼし、これは眼に影響を与える可能性に関与する。本発明の記載において、用語「眼に影響を与える」又は「影響を与える」は、ブラウン運動単独で与えられるより大きな運動量を備えており、眼に直接的に突き刺さる液滴であると、本発明の態様に応じて入替え可能に参照する。本発明のゴーグル状ディスペンサは、液滴の方向を制御し、これにより薬を眼に効果的に配送し、眼に影響を与える機会を減少させる。このディスペンサは、低い運動量の液滴を発生させる速度で非常に短い弾道軌跡を有する非常に少ない量の液滴を提供する。高い表面−容積比のこの種の低運動量の液滴は、眼に、非常に小さい衝撃を伝達すると共に最大の投薬量を配送するように設計されている。
【0133】
本発明は、制御された投薬量及び制御された露出時間(exposure time)で眼に投与流体を投与することを可能にする。しかしながら、ここに開示されている技術は、ミストの生成及び噴出の両方の作動を行う単動式の機構を提供するものであり、簡単操作の動作システムである。また、印加がゆるやかであること及び処理時間が短い(数秒)ことから、薬物が眼に直接印加されるという不快な体験を最小にすることができる。ゴーグル状ディスペンサは、液滴の寸法、速度及び実現時間により、露出時間を制御することができる。露出時間を制御することにより、眼への活性化合物の吸収を制御する。本発明のゴーグル状ディスペンサは、露出時間を数秒程度とすることができる。
【0134】
本発明は、ミストを、放出口から閉じ込められた容積に直接的に、即ち汚染される傾向にありかつ小さな液滴が大きな液滴に衝突し最終的に眼に影響を与える傾向のあるバッフル、ファンの羽根又はサスペンダ(suspenders)を利用せずに移送する投与機構を開示する。このように、開示技術は、眼の表面に落ち着き優しく覆う安定したミストを与える。ミストが視野を妨げたり眼を刺激しないように、非垂直な角度で眼の周囲部が目標とされる。
【0135】
容器10は、限定されない方法で、眼鏡のフレーム60に組み込まれる。前述の容器又は互いに接続された若しくは接続されていない2つ以上の容器が、例えばゴーグルのレンズの周辺の少なくとも一部分におけるフレーム内で、フレームの上で、フレームの下で、フレームの横で、フレームの近傍で、又はフレームから離れて、一体化されることも本発明の範囲内である。制御装置20は、患者が眼に向けて投与されるミストのプロトコル及び特性を調節することを可能にする。制御装置の調節は、手動又は自動で行われる。
【0136】
本発明のゴーグル状ディスペンサは、本発明の一実施形態によれば、フレーム内に完全に一体化された容器を備えている。ゴーグル状ディスペンサは、おそらく、基本的にはチューブレスである。さらに、例えば眼鏡のブリッジ上に位置している容器等の着脱可能な非加圧容器の欠点を避けたノズルのない使い捨て可能なベンチュリと、インクジェットカートリッジのような噴出カートリッジと、カートリッジから現れ各眼鏡の周辺で部分的にくねっている長く細い管を有する装置とから成るディスペンサによって特徴付けられる可能性のあるゴーグル状ディスペンサも本発明の範囲内にある。この種の長く細い管は、本質的にねじれる傾向があり、裂けること及び汚染を防止する。取り外し可能な(即ち、一体化されていない)カートリッジは、詰め替え可能な容器を有する。
【0137】
ノズル付き及び/又はノズル無しのベンチュリが、ゴーグルのリム、ゴーグルの頂部、ゴーグルの横、ゴーグルの底、ゴーグルの内部、若しくはゴーグルのレンズ内又はこれらの組合わせからなる群から選択される1つ又はそれ以上の位置においてゴーグルフレーム上若しくはゴーグルフレーム内に位置していることは、本発明の範囲内である。
【0138】
本発明は、また、抗菌特性を有するゴーグル状ディスペンサを開示する。ディスペンサは、防腐剤無添加の薬剤を安全に保存し供給することができる。ゴーグル状ディスペンサは、以下のように、新規な安全機能を組み込んでいる:
・圧力勾配−バクテリアは一般に圧力勾配に対抗して移動することができない。AOPにおいて、この種の勾配は、それが排出されるまで、流体容器及び放出口間の全ての経路に沿って促進される。例えば、投与された薬剤を洗い流す部分のための、及び薬剤管に沿って安定かつ連続した圧力勾配を提供するための、少なくとも1つの第1の及び少なくとも1つの第2の圧縮窒素(又はCO若しくは空気)の容器を用いることは本発明の範囲内である。これに代えて又は付加的に、治療すべき眼の近傍がより低い圧力となる圧力勾配を促進するために、一方向及び/又は逆止め弁が用いられる。
・窒素バッファリング−管は注入の前及び/又は後に、窒素によっておそらく洗い流される。特にNの1つ以上の容器及び/又はマイクロ容器を備えた、上述のように定義された洗い流し機構を設けることは本発明の範囲内にある。
・一方向弁−圧力勾配を逆にすべき場合であったとしても、最近の開示物は、空中の微生物の伝染を防止するために、各流体連通位置に逆止め弁を配置する可能性を教示している。
・使い捨てノズル―ゴーグル状ディスペンサが、各使用の後にユーザによって取り替えられるように構成された、ノズルのないベンチュリ放出口を備えている可能性がある。
【0139】
本発明のゴーグル状ディスペンサは、いかなる破片又は汚染からも眼を隔離するように封止し、外部からの噴霧が他の部位を接触するのを防止する。ゴーグル状ディスペンサは、薬剤の大部分が眼及びその周囲領域に確実に吸収され、無駄でありかつ薬物投薬量が不正確となる薬剤の外部への分散を確実に防止する。
【0140】
本発明の種々の実施形態によれば、ゴーグル状ディスペンサは、完全に機械的であり、電力源又は電気的要素が不要である。
【0141】
ゴーグル状ディスペンサは、眼の表面に落ち着き優しく覆う安定したミストを与える。ミストが視野を妨げたり眼を刺激しないように、非垂直な角度で眼の周囲部が目標とされる。この実現可能性を秘めた技術は、流体の流れを直接的に眼に向ける欠点を克服する。
【0142】
ゴーグル状ディスペンサは、熱膨張原理によって作動するインクジェット式投与機構とは異なる、眼に影響を与えない液滴クラウドを供給する霧化機構を提供する。さらに、この技術は、薬剤等の劣化を含む、加熱システムに固有の問題点を解決するものである。
【0143】
ゴーグル状ディスペンサは、一実施形態において、液滴の寸法の制御を教示する。ディスペンサは、ベンチュリポンプの以下に記載する所定のかつ正確な動作によって、予測可能な液滴寸法を提供する。
【0144】
液滴の方向制御は、薬剤を眼に効率良く届け、眼に影響を与える可能性を減らす機構として重要である。本発明は、特に、ミストを噴霧するノズルのないベンチュリを使用し、これにより、噴霧の特性を制御することができる。ディスペンサによる噴霧は、おそらく、線形ではなく、種々の実施形態によれば、ノズルのパラメータにより制御可能なある種の分散を有するであろう。噴霧の寸法及び形状も制御されるであろう。ノズルは、例えば、眼の表面をより良好に覆うために、楕円断面を有する噴霧を生成するように変更することができる。この技術は、ランダム化された大きな液滴が乱気流中で衝突し、さらに大きな液滴を形成することを回避する。
【0145】
液滴の速度は、これが運動量に影響するため、重要な要素である。この速度は、液滴の寸法よりも広く分布している。ゴーグル状ディスペンサは、低運動量の液滴を発生する速度で、非常に短い弾道軌道を有する非常に少ない量の液滴を提供する。高い表面−容積比のこの種の低運動量の液滴は、眼に、非常に小さい衝撃を伝達すると共に最大の投薬量を配送するように設計されている。
【0146】
流体に対する露出時間の制御は、投薬量を制御する1つの方法である。ゴーグル状ディスペンサは、本発明の一実施形態によれば、ミストの生成及び噴出の両方の作動を行う単動式の機構を提供するものであり、簡単操作の動作システムである。また、印加がゆるやかであること及び処理時間が短い(数秒)ことから、薬物が眼に直接印加されるという不快な体験を最小にすることができる。
【0147】
ゴーグル状ディスペンサは、液滴の寸法、速度及び実現時間により、露出時間を制御することができる。露出時間を制御することにより、眼への活性化合物の吸収を制御する。ゴーグル状ディスペンサは、露出時間を数秒程度とすることができる。
【0148】
本発明で規定され記載されているディスペンサは、薬物の過量摂取の危険を回避するか又は少なくとも低減する。例えば、ベータ遮断薬の過量摂取は、致命的な可能性のあることは公知である。緑内障の治療のうちの1つは、1日に2回投与されるベータ遮断薬(例えチモロール)として公知の薬物の類を用いることである。鼻涙管を介する鼻咽頭を経た体内吸収のため、この種の薬剤は、心臓不整脈及び呼吸器系疾患(喘息、慢性閉塞性肺疾患)を引き起こすことがあり得る。患者がベータ遮断薬(例えば市販のプロプラノロール、アテノロール及び他の薬剤)を用いて治療し、既に体がほぼ中毒レベルである場合、ここで示しディスペンサを用いた治療は、過量摂取の危険度を最小化する。
【0149】
ゴーグル状ディスペンサの新規な単一動作機構は、本発明の種々の実施形態において規定したように、薬剤の正確な一回量が毎回届けられるため、不測の過量摂取を防止できる。さらに、この投与方法は、少なくとも部分的に、刺激性薬剤及び溶媒の過量摂取を引き起こすような、眼の表面に印加される合体された大きな液滴の生成を不可能にする。
【0150】
ゴーグル状ディスペンサは、本発明の一実施形態によれば、いかなる破片又は汚染からも眼を隔離するように封止し、外部からの噴霧が他の部位を接触するのを防止する。ゴーグル状ディスペンサは、薬剤の大部分が眼及びその周囲領域に確実に吸収され、無駄でありかつ薬物投薬量が不正確となる薬剤の外部への分散を確実に防止する。最近の技術は、さらに、環境から隔離されない眼鏡フレーム型の解決策(solutions)、空気循環のための吸入ポートを有するゴーグル状機構、非常に大きな空気容積型の解決策を克服する。
【0151】
ゴーグル状ディスペンサは、本発明の一実施形態によれば、小さな密封的に閉じ込められた容積内の小さい液滴である(これによりあらゆる液滴が非常に傾斜した角度で眼の比較的大きな表面を通過する)、眼に正接する円運動しない噴霧を提供する。従って、側面に向けられた噴霧オリフィスを有する小さな密封的に閉じ込められたゴーグルと、円運動しないミストとの固有の組み合わせは、液滴が眼に影響を与えかつ直接的に衝突することを回避する。
【0152】
本発明の他の実施形態によれば、管腔内管腔(lumen-within-lumen)構成を有するベンチュリノズル投与装置が提供される。同心の又は偏心の形態で、少なくとも1つの内側管腔が少なくとも1つの外側内腔内に収容されている。少なくとも1つの内側内腔の主縦軸は、少なくとも1つの外側内腔の縦軸に対して平行であるか又はある角度θだけ傾いている。
【0153】
本発明の他の実施形態によれば、上述のいずれかで定義したベンチュリノズル投与装置は、1つ又はそれ以上の流体を混合かつ投与するために用いられる。用語「流体」が、液体、ガス、エアロゾル、固体微粒子(例えば、ナノ若しくはマイクロのスケール)、又はそれらの任意の混合物を、非限定的に、参照することは本発明の範囲内である。
【0154】
用語「流体」は、加湿若しくは乾燥された流体、帯電した流体等のような、前処理した流体及び/又は後処理した流体をも参照する。この用語は、また、スラリー、コロイド、エマルジョン、並びに流体及び薬剤の他の混合物をも参照する。流体及び薬剤という用語は、さらに、化学的若しくは物理的な反応(例えば、2つ又はそれ以上の原料、触媒又は他の成分を混ぜることにより直ちに得られる反応)の生成物又は副生成物である流体又は薬剤を置き替え可能に参照する。
【0155】
本発明の他の実施形態によれば、上述のいずれかで定義したベンチュリノズル投与装置は、その流体及び薬剤を多相(例えば、2相)投与するために用いられる。1つのケースでは、上述のごとく定義されたマイクロ容器(例えば、弾丸状容器)が用いられる。一構成例において、各マイクロ容器は、膜状の境界物によって形成される区画に用意される、混合又は複数分離相を備えている。少なくとも1つの液体及び少なくとも1つのガスは、大気圧より高い圧力(例えば、それぞれ、約3〜約4気圧の低圧、約10〜約50気圧の高圧、その他の圧力)で、このマイクロ容器内に保存される。マイクロ容器が貫通されるか又は外部圧力にさらされるときに、液体はその初期容積のままであるが、ガスの容積は増大する(約3〜約4倍)。使われているガスの促進流は、流体を混合すると同時に投与通路に沿って運ぶ。
【0156】
ノズルを備えたディスペンサに対して、即ち、流体流の特徴、並びに結果である投与されたエアロゾルがノズルの型、形状及び他のパラメータで主に決定される場合に対して、流体流及び上述のごときベンチュリノズル投与装置により投与されるエアロゾルは、装置の内部構造によっては決定されず、投与放出口及び放出口に関して下流に位置するエアロゾル路(aerosol tracts)に従って決定される。放出口の位置、形状及び寸法は流体の流れ及びそれによって投与されるエアロゾルを規定しかつ調節する主要なパラメータである。
【0157】
従って、ディスペンサがベンチュリノズルであり、投与されたエアロゾルの特性(液滴の寸法及び分布、流量、ビーム特性並びに方向を含む)が、放出口のみによって決定されることは本発明の範囲内である。このため、例えば、放出口の近傍の、ディスペンサの主縦軸に沿った及び回りの流体流の特性(例えば、流体柱の回転及び3次元ベクトル)が、ベルヌーイ定理と上述したW−接続部内における放出口のベンチュリ効果との組み合わせによって提供される。
【0158】
また、放出口がこの放出口の下流に位置する外部の機構と流体連通していることも本発明の範囲内である。この種の機構は、円錐状若しくは円筒状の突起、静流ガイド(バッフル等)、ファンや乱流機構(turbulents)等の動的な投与機構からなる群から非限定的に選択される。
【0159】
放出口及び外部の機構が流体流及びこれを投与してなるエアロゾルにその固有な特性を与える際に、流体流にわずかな特性を与えるために、ノズルユニットを放出口に関して上流に配置することも本発明の範囲内である。
【0160】
加圧された2相又は他の多相リザーバが用いられることも本発明の範囲内である。リザーバは、少なくとも1つの薬剤と、例えばN又は空気であるキャリアとを含んでいる。液体である薬剤相及びガスのキャリア相は、あらかじめ定められた条件群(圧力、ボリューム等)に従ってリザーバ内で混合される。混合物の促進流が特別に作製されたオリフィス(ノズル)又はベンチュリノズルシステムを介して流れ始めると、与えられた液滴寸法、分布及び速度によって特徴付けられた噴霧が供給される。本発明のさらに他の実施形態によれば、泡(foam)、スラグ状流れ(slug flow)、環状流れ及び/又は層状流れを得ることができる。
【0161】
上述したシステム及び方法は、ガス無しの、ベンチュリ効果駆動による臨時ガス−液体混合物を供給する。これに代えて又は付加的に、高速の液体放出機能が提供され有用である。液体流は、患者の眼を囲む閉じ込められた容積内に約×10から約×100m/秒の範囲のノズル速度で放出される。平衡に達して、約1〜10マイクロメートルの寸法の液滴が得られるまで、表面張力と引っ張り力との間のエネルギ及び力のバランスによって、最初の液滴のより小さい液滴へ急速な破壊が生じる。薬剤液相の加速のためのエネルギ源が、乗算シリンダ、ばね付勢のステップ関数発生器、又は他の市販の機構によって提供されることも本発明の範囲内である。
【0162】
ゴーグル状ディスペンサを、眼の治療に役立つように提供する、特に、未だ、独占的にではなく眼の病変及び眼の付属器(例えば、結膜、睫毛、涙管及び眼窩骨)の治療に用いる、抗アレルギー薬剤を投与して眼のアレルギーを治療に用いる、並びに例えば抗生薬剤を投与して感染症の治療に用いることは本発明の範囲内である。抗アレルギー薬剤は、非限定的に、ケトロラクトロメタミン、ロテプレドノールエタボン酸エステル、エピナスチン塩酸塩、フマル酸エメダスチン、レボカバスチン塩酸塩、アゼラスチン塩酸塩、オロパタジン塩酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、ペミロラストカリウム、ネドクロミルナトリウム、ロドキサミドトロメタミン及びクロモグリク酸ナトリウムからなる群から選択される。抗生薬剤としては、アミノグリコシド系抗生物質、シプロフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ガチフロキサシン、トブラマイシン、ゲンタマイシン、エリスロマイシン及びバシトラシンのような抗生物質、ポリミキシンBとトリメトプリム、ポリミキシンBとバシトラシン、ポリミキシンBとネオマイシン及びグラマイシンのようなポリミキシンB合剤等が挙げられる。
【0163】
ゴーグル状ディスペンサは、眼を治療すること及び副腎皮質ステロイド薬剤を投与するのに役立つように提供される。この副腎皮質ステロイド薬剤は、酢酸プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、フルオロメトロン、酢酸プレドニゾロン、デキサメタゾン、プレドニゾロンリン酸エステルナトリウムからなる群から選択される。ゴーグル状ディスペンサは、また、眼を治療すること及び副腎皮質ステロイド/抗生物質合剤を投与するのに役立つように提供される。この副腎皮質ステロイド/抗生物質合剤としては、スルファセタミド、ネオマイシン、ポリミキシンB、ネオマイシン、ゲンタマイシン及びトブラマイシンからなる群のいずれかと組み合わせた酢酸プレドニゾロン、スルファセタミドナトリウム、ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、フルオロメトロン、酢酸プレドニゾロン、デキサメタゾン、プレドニゾロンリン酸エステルナトリウム等が挙げられる。
【0164】
ゴーグル状ディスペンサは、眼の緑内障治療薬を投与することにより緑内障を治療するのに役立つように提供される。この緑内障治療薬としては、レボブノロール塩酸塩、チモロール半水和物、ベタキソロール塩酸塩、チモロールマレイン酸塩、チモロールマレイン酸塩、チモロール半水和物、ビマトプロスト、トラボプロスト、ラタノプラスト、ウノプロストン、ブリモニジン、アプラクロニジン、ブリンゾラミド、ドルゾラミド及びドルゾラミド/チモロール合剤等が挙げられる。本発明のさらなる態様として、緑内障治療薬は、ベータ遮断薬、プロスタグランジン類似体、ドコサノイド化合物、アルファアゴニスト、炭酸脱水酵素阻害剤及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0165】
ゴーグル状ディスペンサは、ドライアイ薬剤を投与することによりドライアイを治療するのに役立つように提供される。このドライアイ薬剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ヒマシ油、ポリソルベート80及びミネラルオイル等が挙げられる。
【0166】
ゴーグル状ディスペンサは、コンタクトレンズ湿潤剤、眼軟膏、及びアイゲルに役立つように提供される。
【0167】
ゴーグル状ディスペンサを以下のごとき薬剤を投与するように構成することは本発明の範囲内である。即ち、この薬剤は、非限定的に、生理食塩水含有水溶液、潤滑剤含有水溶液、ステロイド(例えば、デキサメタゾン)、抗ヒスタミン薬、交感神経模倣薬、β受容体遮断薬、副交感神経刺激薬(例えば、ピロカルピン)、副交感神経遮断薬(例えば、トロピカミド又はアトロピン)、プロスタグランジン、非ステロイド系抗炎症薬又は局所麻酔薬、顔料、染料、殺生物剤、抗生物質(例えば、殺菌剤、抗ウイルス剤、殺真菌剤)又はそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0168】
これに代えて又は付加的に、薬剤は、非限定的に、抗ヒスタミン薬、うっ血除去薬、鼻ステロイド、コルチコステロイド、モメタゾンフランカルボン酸エステル、フルチカゾンフロ酸エステル、オキシメタゾリン、二酸化炭素、食塩水、オキシメタゾリン、オキシメタゾリン塩酸塩、糖質コルチコステロイド、ジフェンヒドラミン、プレドニゾン、エピナスチン、オロパタジン、イトラコナゾール、シクレソニド、アドレナリン、L−アスパラギナーゼ−メトトレキセート−デキサメタゾン、抗菌療法薬、抗真菌治療薬、抗炎症薬、抗ウィルス薬、鎮痛剤、抗痙攣薬、その他の脳血液関門を通過する目的の処方を含むものからなる群から選択される。
【0169】
これに代えて又は付加的に、薬剤は、非限定的に、コルチコステロイド、ベータ2受容体刺激薬、ロイコトリエン修飾薬、抗ロイコトリエン剤、コロモリン、ネドクロミル、テオフィリン、免疫療法薬、抗IgEモノクローナル抗体、インスリン、アルブテロール、ピルブテロール、レバルブテロール、ビトルテロール、イプラトロピウム(アトロベント)、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン及びセレベント。アレルギー用薬のうち、以下からなる群より選ばれるもの、ケトロラクトロメタン、ロテプレドノールエタボン酸エステル、エピナスチン塩酸塩、フマル酸エメダスチン、レボカバスチン塩酸塩、アゼラスチン塩酸塩、オロパタジン塩酸塩、フマル酸ケトチフェン、ペミロラストカリウム、ネドクロミルナトリウム、ロドキサミドトロメタミン及びクロモリンナトリウム、シプロフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ガチフロキサシン、トブラマイシン、ゲンタマイシン、エリスロシン、アミノグルコシド、バシトラシン、ポリミキシンB、ポリミキシンB及びトリメトプリムの任意の化合物、ポリミキシンB及びバシトラシンの任意の化合物、ポリミキシンB及び酢酸プレドニゾロンの任意の化合物、ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、フルオロメトロン、酢酸プレドニゾロン、デキサメタゾン、プレドニゾロンリン酸ナトリウム、ネオマイシン及びグラマイシンからなる群から選択される。
【0170】
これに代えて又は付加的に、薬剤は、非限定的に、副腎皮質ステロイド処方物で以下からなるもの、酢酸プレドニゾロン、スルファセタミドナトリウム、ヒドロコルチゾンデキサメタゾンフルオロメトロン、酢酸プレドニゾロン、デキサメトゾン、プレドニゾロンリン酸ナトリウムと以下のグループのいずれかとの化合物、サルファセタミド、ネオマイシン、ポリマイキシンB、ネオマイシン、ゲンタマイシン並びにトブラマイシン、レボブノロール塩酸塩、チモロールヘミ水和物、ベタキソロール塩酸塩、マレイン酸チモロール、マレイン酸チモロール、チモロールヘミ水和物、ビマトプロスト、トラボプロスト、ラタノプロスト、ウノプロストン、ビリモニジン、アプラクロニジン、ブリゾールアミド、ドルジカヌード、及びドルゾールアミド/チモロール、ベータ受容体遮断薬、プロスタグランジンアナログ、ドコサノイド化合物、アルファ作動薬、炭酸脱水酵素阻害薬、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ヒマシ油、ポリソルベート80、ミネラルオイル、コンタクトレンズ湿潤滴、点眼薬、点眼ジェル及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0171】
これに代えて又は付加的に、薬剤は、非限定的に、抗ヒスタミン剤、うっ血除去薬、ステロイド点鼻薬、コルチコステロイド、フランカルボン酸モメタゾン、フロ酸フルチカゾン、オキシメタゾリン、二酸化炭素、食塩水、オキシメタゾリン塩酸塩、糖質コルチコステロイド、ジフェンヒドラミン、プレドニゾン、エピナスチン、オロパタジン、イトラコナゾール、シクレソニド、アドレナリン、L−アスパラギナーゼ−メトトレキセート−デキサメタゾン、全身抗菌薬、抗うつ剤、抗真菌薬剤、抗炎症薬、抗ウィルス剤、鎮痛剤、抗痙攣薬、その他の脳血液関門を通過する目的の処方を含むものからなる群から選択される。
【0172】
眼科薬剤を投与する方法は、眼科薬剤のゴーグル状ディスペンサを提供することを含んでいる。このゴーグル状ディスペンサは、患者の眼を囲む閉じ込められた容積の範囲内で薬剤のミストの漏出を防止するシールと、防腐剤無添加の薬剤を格納していると共に機械的に配送する機構と、50マイクロメータよりほぼ小さい範囲の液滴寸法からなる安定したミストの流れを投与するディスペンサとを有する、眼に装着される単一のゴーグルを備えている。このディスペンサは、複数W個(Wは2以上の整数)の導管の少なくとも1つのベルヌーイ型接続部に流体接続している放出口を有している。上述の方法は、さらに、容器を眼科薬剤で充満させること、装置を患者に装着すること、及び患者の眼とレンズとの間に定められる閉じ込められた容積にミスト又は蒸気の薬剤の流れを促進することを含んでいる。この促進は、眼の表面に落ち着き優しく覆うように行われ、視野を妨げたり眼を刺激しない。
【0173】
眼科薬剤を投与する方法は、眼科薬剤のゴーグル状ディスペンサを提供することを含んでいる。このゴーグル状ディスペンサは、患者の眼を囲む閉じ込められた容積の範囲内で薬剤のミストの漏出を防止するシールと、防腐剤無添加の薬剤を格納していると共に機械的に配送する機構と、50マイクロメータよりほぼ小さい範囲の液滴寸法からなる安定したミストの流れを投与するディスペンサとを有する、眼に装着される単一のゴーグルを備えている。上述の方法は、さらに、容器を眼科薬剤で充満させること、装置を患者に装着すること、及び患者の眼とレンズとの間に定められる閉じ込められた容積にミスト又は蒸気の薬剤の流れを促進することを含んでいる。この促進は、眼の表面に落ち着き優しく覆うように行われ、視野を妨げたり眼を刺激しない。
【0174】
眼科薬剤を投与する方法は本発明の範囲内である。特にこの方法は、どちらかの1回使用(少なくとも部分的には使い捨て)を獲得するステップと、容器若しくはマイクロ容器又は複数の容器若しくはマイクロ容器内に少なくとも薬剤を配置するステップと、装置がウイングを備える場合にこのウイングを回動するか又はウイングを開状態に配置するステップと、ゴーグル状ディスペンサを眼に又は治療すべき他の器官に導入するステップと、関連する場合に、投与弁を、投与される薬剤に適切なあらかじめ設定されたパラメータ及び/又は治療プロトコルに調整するステップと、直接的なかつ眼への影響を与えない方法でミストのクラウドが流れ、治療すべき器官が優しく覆われるように制御弁を押圧するステップと、器官から装置を取り外して、手動又は自動で、装置を洗浄するステップと、ウイングを回動するか又はウイングを常閉状態に配置するステップとからなる群から選択されるステップを備えている。新規なマイクロ容器をマイクロ容器ハウジング及びその接続部内に導入するステップと、使用前に装置の使い捨て機構を交換するステップ等の他のステップも可能である。
【0175】
また、人間及び動物を治療する方法を開示することも、本発明の範囲内である。より詳しくは、この方法は、非限定的に、強膜炎、角膜炎、角膜潰瘍若しくは角膜剥離、雪盲若しくはアークアイ(arc eye)、タイゲソン表層点状角膜炎、角膜内血管新生、フックス角膜変性症、円錐角膜、乾性角結膜炎、炎症(ritis)、ブドウ膜炎等の強膜、角膜、虹彩及び毛様体の疾患を治療するために適用される。これに代えて又は付加的に、かつ非限定的に、この方法は、例えば白内障のようなレンズ疾患を治療するために適用される。これに代えて又は付加的に、かつ非限定的に、この方法は、脈絡膜及び網膜、網膜剥離、網膜分離、高血圧性網膜症、糖尿病性網膜症、網膜症、未熟児網膜症、加齢性黄斑変性症、黄斑変性症、網膜色素変性症、黄斑浮腫等の疾患を治療するために適用される。これに代えて又は付加的に、かつ非限定的に、この方法は、緑内障を治療するために適用される。これに代えて又は付加的に、かつ非限定的に、この方法は、例えば飛蚊症のような硝子体及び眼球の疾患を治療するために適用される。これに代えて又は付加的に、かつ非限定的に、この方法は、例えばレーバー遺伝性視神経萎縮症のような視神経及び視覚路の疾患を治療するために適用される。これに代えて又は付加的に、かつ非限定的に、この方法は、例えば斜視、眼麻痺、進行性外眼筋麻痺、内斜視、外斜視等のような眼筋障害、両眼球運動障害、調節障害及び屈折障害を治療するために適用される。これに代えて又は付加的に、かつ非限定的に、この方法は、例えば外斜視、近視、乱視、不同視、老視のような屈折障害及び調節障害を治療するために適用される。これに代えて又は付加的に、かつ非限定的に、この方法は、例えば内眼筋麻痺、視覚障害及び失明、弱視、レーバー先天性黒内症、暗点、色覚異常、色覚障害、夜盲症、河川盲目症、小眼球症(micro-opthalmia)、眼欠損症のような調節障害を治療するために適用される。これに代えて又は付加的に、かつ非限定的に、この方法は、例えば充血眼、アーガイルロバートソン瞳孔、角膜真菌症、眼球乾燥症、無虹彩症等のような眼及び付属器の他の疾患を治療するために適用される。これに代えて又は付加的に、かつ非限定的に、以上述べた全ての方法は、さらに又はこれに加えて、例えば耳、鼻、口、喉、膣、直腸腔、泌尿器下部路(urological lower tracks)、皮膚、毛髪、被毛等のような眼以外の人間又は動物の器官の疾患を治療するために適用される。
【0176】
本明細書において、参照された全ての特許、特許出願及び刊行物は、それらの全てが本明細書に参照されたものとする。上述した及びその他の特徴若しくは機能、又はその変更態様のいくつか、多くの他の異なるシステム又は用途に望ましく結合され得ることはいうまでもない。種々の予測又は予期し得ない、変形例、変更態様、バリエーション又はその改良が当業者によってなされるであろうことは明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の眼を囲む閉じ込められた容積の範囲内で薬剤のミストの漏出を防止するシールと、防腐剤無添加の薬剤を格納していると共に機械的に配送する機構と、眼の表面に落ち着いて優しく覆い、視野を妨げたり眼を刺激しない、50マイクロメータよりほぼ小さい範囲の液滴寸法からなる安定したミストを投与するディスペンサとを有しており眼に装着される単一のゴーグルを備えている眼科薬剤のゴーグル状ディスペンサ。
【請求項2】
眼科薬剤を収容するように構成された少なくとも1つの容器と、患者の眼の細長い穴の周囲部の前方に配置されていると共に前記容器と相互に流体接続されている少なくとも1つのノズルとをさらに備えており、
前記ノズルは、前記ディスペンサ本体に機械的に固定され、前記薬剤のミストの流れを供給するように構成されており、前記ノズルは、直接的で眼に影響しない方法で、前記密閉された範囲内で前記ミストの流れを横方向に供給するように構成されている請求項1に記載のゴーグル状ディスペンサ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの容器は、前記フレーム内部又は前記レンズ内部に組み込まれている請求項2に記載のゴーグル状ディスペンサ。
【請求項4】
前記ノズルは、前記フレーム又は前記レンズに機械的に固定されている請求項2に記載のゴーグル状ディスペンサ。
【請求項5】
前記薬剤は、窒素無しの高圧の加圧状態又は非加圧状態で前記容器に収容されている請求項2に記載のゴーグル状ディスペンサ。
【請求項6】
前記薬剤のミストは、防腐剤無添加である請求項1に記載のゴーグル状ディスペンサ。
【請求項7】
前記制御機構は、一方向投薬弁を備えている請求項6に記載のゴーグル状ディスペンサ。
【請求項8】
前記制御機構は、投薬時間プロトコル、液滴容積、流体流量、液滴重量、1回分の単位及びこれらの任意の組み合わせからなる群より選ばれる1つ又はそれ以上の流体パラメータを調整又は測定する請求項6に記載のゴーグル状ディスペンサ。
【請求項9】
前記薬剤のミストは、設定された時間尺度の間、分散状態を保つように投与され、前記時間尺度が約0.5秒〜約5秒の間、約5秒〜約40秒の間、約10〜約50秒の間、又は約15〜約60秒の間である請求項1に記載のゴーグル状ディスペンサ。
【請求項10】
薬剤の加熱器及び/又は冷却器をさらに備えている請求項1に記載のゴーグル状ディスペンサ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの容器は、複数のマイクロ容器、特に使い捨てのマイクロ容器であり、前記マイクロ容器は、流体接続の形態で前記ノズルと個々に接続可能である請求項1に記載のゴーグル状ディスペンサ。
【請求項12】
前記マイクロ容器は、回動ノーズピース部、カートリッジ、マガジン、クリップ及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選ばれる供給機構により供給される請求項11に記載のゴーグル状ディスペンサ。
【請求項13】
前記マイクロ容器を連続的に又は同時に開いて、対応する投薬量の前記眼科薬剤を前記ノズルに供給するように構成されたコネクタを備えている請求項11に記載のゴーグル状ディスペンサ。
【請求項14】
アイカップを外部環境からの汚染から保護するために、使用の合間に該アイカップに折り重なるように構成されている少なくとも1つの保護カバーをさらに備えている請求項1に記載のゴーグル状ディスペンサ。
【請求項15】
前記保護カバーは、ぴったり合うウイングである請求項15に記載のゴーグル状ディスペンサ。
【請求項16】
患者の眼を囲む閉じ込められた容積の範囲内で薬剤のミストの漏出を防止するシールと、防腐剤無添加の薬剤を格納していると共に機械的に配送する機構と、複数W個(Wは2以上の整数)の導管の少なくとも1つのベルヌーイ型接続部に流体接続している放出口を有すると共に安定したミストの流れを投与するディスペンサとを有しており眼に装着される単一のゴーグルを備えており、前記ミストは、眼の表面に落ち着いて優しく覆い、視野を妨げたり眼を刺激しない、50マイクロメータよりほぼ小さい範囲の液滴寸法を有する眼科薬剤のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサ。
【請求項17】
前記複数W個の導管は複数の導管の接続部を提供し、該接続部はL型、Y型、T型及びX型からなる群から選ばれる請求項16に記載のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサ。
【請求項18】
2つの導管の主縦軸間の角度は角度θであり、θは0°よりも大きい請求項16に記載のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサ。
【請求項19】
θは約90°であり、特にθは約75°から約85°の間にある請求項18に記載のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサ。
【請求項20】
前記少なくとも1つの容器は、前記フレーム内部又は前記レンズ内部に組み込まれている請求項18に記載のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサ。
【請求項21】
前記流体放出口は、前記フレーム又は前記レンズに機械的に固定されている請求項18に記載のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサ。
【請求項22】
前記薬剤は、窒素無しの高圧の加圧状態又は非加圧状態で前記容器に収容されている請求項18に記載のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサ。
【請求項23】
前記薬剤のミストは、防腐剤無添加である請求項18に記載のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサ。
【請求項24】
前記薬剤の投薬量を制御するように構成された制御機構をさらに備えていることを特徴とする請求項18に記載のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサ。
【請求項25】
前記制御機構は、一方向投薬弁を備えている請求項18に記載のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサ。
【請求項26】
前記投薬量は、所定時間プロトコル、容積、流量、重量、1回分の単位、バースト数及びこれらの任意の組み合わせからなる群の1つ又はそれ以上によって与えられる請求項25に記載のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサ。
【請求項27】
前記薬剤のミストは、設定された時間尺度の間、非凝縮状態を保つように投与され、前記時間尺度が約1秒〜約5秒の間、約5秒〜約40秒の間、約10〜約50秒の間、又は約15〜約60秒の間である請求項19に記載のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサ。
【請求項28】
薬剤の加熱器及び/又は冷却器をさらに備えている請求項18に記載のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサ。
【請求項29】
前記薬剤の格納のための機構は、流体接続の形態で前記ノズルと個々に接続可能な複数のマイクロ容器である請求項18に記載のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサ。
【請求項30】
特にぴったり合うウイングである少なくとも1つの保護カバーをさらに備えており、該保護カバーは、ヒンジ又はその同等物のような機械的取り付け具によって前記レンズ又はディスペンサ本体に恒久的に若しくは一時的に取り付けられており、閉じた際に効率良くシールを形成する請求項19に記載のゴーグル状ベンチュリノズル型ディスペンサ。
【請求項31】
患者の眼を囲む閉じ込められた容積の範囲内で薬剤のミストの漏出を防止するシールと、防腐剤無添加の薬剤を格納していると共に機械的に配送する機構と、50マイクロメータよりほぼ小さい範囲の液滴寸法を有する安定したミストの流れを投与するディスペンサとを含む、眼に装着される単一のゴーグルを備えており、該ディスペンサが複数W個(Wは2以上の整数)の導管の少なくとも1つのベルヌーイ型接続部に流体接続している放出口を有している、眼科薬剤のゴーグル状ディスペンサを用意し、
前記容器を前記眼科薬剤で満たし、
前記装置を患者に装着し、
薬剤のミスト又は蒸気の流れを前記患者の眼と前記レンズとの間の閉じ込められた容積内に促進し、
前記促進は眼の表面に落ち着いて優しく覆い、視野を妨げたり眼を刺激しない方法で行われる、眼科薬剤を投与する方法。
【請求項32】
患者の眼を囲む閉じ込められた容積の範囲内で薬剤のミストの漏出を防止するシールと、防腐剤無添加の薬剤を格納していると共に機械的に配送する機構と、50マイクロメータよりほぼ小さい範囲の液滴寸法を有する安定したミストを投与するディスペンサとを含む、眼に装着される単一のゴーグルを備えた、眼科薬剤のゴーグル状ディスペンサを用意し、
前記容器を前記眼科薬剤で満たし、
前記装置を患者に装着し、
薬剤のミスト又は蒸気の流れを前記患者の眼と前記レンズとの間の閉じ込められた容積内に促進し、
前記促進は眼の表面に落ち着いて優しく覆い、視野を妨げたり眼を刺激しない方法で行われる、眼科薬剤を投与する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−533392(P2012−533392A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521154(P2012−521154)
【出願日】平成22年7月21日(2010.7.21)
【国際出願番号】PCT/IL2010/000582
【国際公開番号】WO2011/010310
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(512017279)アドバンスト オフサルミック ファーマ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】