説明

眼鏡枠形状測定装置

【課題】装置のカバー等に型板ホルダー収納場所を設けなくても、型板ホルダーの使い勝手の良い眼鏡枠形状測定装置を提供する。
【解決手段】眼鏡フレームの左右のリムの左右方向に対して眼鏡フレーム装用時の縦方向から左右のリムを押圧して眼鏡フレームを保持する第1スライダー102及び第2スライダー103を有する眼鏡フレーム保持ユニット100と、型板又デモレンズの測定対象物が取り付けられる型板ホルダーと、型板ホルダーに取り付けられた測定対象物のエッジに接触する測定軸を持ち、測定軸の動径方向の移動を検知して測定対象物の動径情報を得る型板測定ユニットと、を備える眼鏡枠形状測定装置において、型板ホルダーの非使用時に前記型板ホルダーを収納するための収納部を前記第1スライダー102又は第2スライダー103に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼鏡フレームのリムの形状を測定する眼鏡枠形状測定装置であって、型板又はデモレンズの形状を測定可能にした眼鏡枠形状測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
眼鏡フレームを所期する状態に保持する眼鏡フレーム保持機構と、眼鏡フレームのリム(レンズ枠)の溝に挿入した測定子をリムの溝に沿って移動させ、測定子の移動を検知することによりリムの三次元形状を得る測定機構と、を備える眼鏡枠形状測定装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
眼鏡フレーム保持機構は、眼鏡フレームの左右リムを縦方向(眼鏡フレームの装用時の縦方向:Y方向)から押圧し、左右リムの縦方向の位置を決めるための第1スライダー及び第2スライダーを備える。各スライダーには、左リム及び右リムをそれぞれクランプするためのクランプピンを持つクランプ機構が内部に設けられている。クランプピンにより眼鏡フレームのリムがクランプされ、第1スライダー及び第2スライダーの間隔が狭められることにより、眼鏡フレームの左右リムが所定状態に保持される。この状態で片方のリムの溝に測定子が挿入され、リムの三次元形状が測定される。
【0004】
また、この種の測定装置においては、型板又は眼鏡フレームのリムに取り付けられていたデモレンズをも測定可能にされている。この場合、型板又はデモレンズを取り付けるための治具である型板ホルダーが使用され、眼鏡フレーム保持機構とは別に設けられた取り付け部に型板ホルダーが取り付けられ、測定機構に対して所定の測定位置に型板がセットされる。型板ホルダーは、眼鏡フレームの測定時には不要であり、邪魔になるので、取り付け部から型板ホルダーが取り外される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−314617号公報
【特許文献3】特開2011−122899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の眼鏡枠形状測定装置においては、取り付け部から取り外された型板ホルダーは、測定装置とは別の場所に保管されたり、あるいは、測定装置のカバー(眼鏡枠形状測定装置が眼鏡レンズ周縁加工装置に一体的に組み込まれている場合には、加工装置のカバー)に設けられた収納部に保管されていた。しかし、測定装置とは別の場所に型板ホルダーを保管する方式では、型板ホルダーを紛失したり、使用時に直ぐに取り出せない場合があった。測定装置(又は加工装置)のカバーに、型板ホルダーの収納場所を設ける構成は、装置が大型化する問題や、眼鏡枠形状測定装置又は眼鏡レンズ周縁加工装置のカバーに応じて収納場所を確保しなければならず、そのような設計に配慮が必要であった。
【0007】
本件発明は、上記従来装置に鑑み、装置のカバー等に型板ホルダー収納場所を設けなくても、型板ホルダーの使い勝手の良い眼鏡枠形状測定装置を提供することを技術課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 眼鏡フレームの左右のリムの左右方向に対して眼鏡フレーム装用時の縦方向から左右のリムを押圧して眼鏡フレームを保持する第1スライダー及び第2スライダーを有する眼鏡フレーム保持ユニットと、型板又デモレンズの測定対象物が取り付けられる型板ホルダーと、型板ホルダーに取り付けられた測定対象物のエッジに接触する測定軸を持ち、測定軸の動径方向の移動を検知して測定対象物の動径情報を得る型板測定ユニットと、を備える眼鏡枠形状測定装置において、前記型板ホルダーの非使用時に前記型板ホルダーを収納するための収納部を前記第1スライダー又は第2スライダーに設けたことを特徴とする。
(2) (1)の眼鏡枠形状測定装置において、前記第1スライダー及び第2スライダーは、左リムをクランプするためのクランプピンを持つ左リムクランプ機構と、右リムをクランプするためのクランプピンを持つ右リムクランプ機構と、をそれぞれ有し、前記収納部は、前記左リムクランプ機構と前記右リムクランプ機構との間に設けられていることを特徴とする。
(3) (2)の眼鏡枠形状測定装置において、前記型板ホルダーは、前記収納部の左右方向の寸法、縦方向の寸法及び垂直方向の高さ寸法に入るように定められた横寸法、縦寸法及び高さ寸法を持つことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本件発明によれば、装置のカバー等に型板ホルダー収納場所を設けなくても、型板ホルダーの使い勝手を良くすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、眼鏡枠形状測定装置の外観略図である。眼鏡枠形状測定装置1は、眼鏡フレームFを所期する状態に保持するフレーム保持ユニット100と、フレーム保持ユニット100に保持された眼鏡フレームのリムの溝に測定子を挿入し、測定子の移動を検出することによりリム(玉型)の三次元形状を測定する測定ユニット200と、を備える。測定装置1のカバーは開口窓2を有し、開口窓2の下にフレーム保持ユニット100が配置されている。また、型板又は眼鏡フレームに取り付けられていたデモレンズの測定対象物TPを測定する際に使用される型板ホルダー310を着脱自在に取り付けるための取り付け部300が、装置1の左右中央の後方に配置されている。測定ユニット200は、型板ホルダ310に取り付けられた測定対象物TPの測定ユニットとして兼用される。
【0011】
装置1の筐体の前側には測定開始用のスイッチ等を持つスイッチ部4が配置されている。装置1の筐体の後側には、タッチパネル式のディスプレイを持つパネル部3が配置されている。レンズの周縁加工に際し、パネル部3により玉型データに対するレンズのレイアウトデータ、レンズの加工条件等が入力される。装置1で得られたリムの三次元形状データ及びパネル部3で入力されたデータは、眼鏡レンズ周縁加工装置に送信される。なお、装置1は、特開2000−314617号公報等と同じく、眼鏡レンズ周縁加工装置に組み込まれる構成としてもよい。
【0012】
図2は型板ホルダー310の概略構成図であり、図2(a)は型板ホルダー310の表面の斜位図であり、図2(b)は型板ホルダー310の裏面の斜位図である。型板ホルダー310は、本体部311と、本体部311の長手方向の一端に、取付け部300に装着するための装着面340を有する。装着面340には、マグネット341と、取付け部300側に形成された穴に勘合する2つのピン342が設けられている。図2(a)に示されるように、本体部311の表面側には、デモレンズの表面に固定されたカップCUの基部を装着するための挿入穴331が形成されている。本体部311の長手方向のもう一方の端部には、本体部311の内部に配置されたバネ(図示を略す)によって、本体部311からは離れる側に常時付勢されている押し込み部材314が配置されている。押し込み部材314が本体部311側に押し込まれた状態で、挿入穴331にカップCUの基部が装着され、押し込み部材314が元に戻されることにより、型板ホルダー310にデモレンズが保持される。
【0013】
本体部311の裏面側には、図2(b)に示されるように、型板TPが持つ中央穴に挿入される中央ピン323と、型板TPが持つ2つの小穴に挿入される2つの小ピン321が設けられている。中央ピン323は押し込み部材314に固定され、押し込み部材314と一緒に移動される。押し込み部材314が本体部311側に押し込まれた状態で、型板TPの中央穴が中央ピン323に挿入されると共に型板TPの小穴が小ピン321に挿入された後、押し込み部材314が元に戻されることにより、型板TPが型板ホルダー310に保持される。
【0014】
図3は、眼鏡フレームFが保持された状態のフレーム保持ユニット100の上面図である。図3上の左右方向をX方向とし、縦方向をY方向とする。眼鏡フレームFのリムの動径方向はXY方向とされる。XY方向に直交する垂直方向をZ方向とする。以下では、装置1の上下方向とは、垂直方向(Z方向)とされる。
【0015】
フレーム保持ユニット100の下側には、測定ユニット200が備えられている。保持部ベース101上には眼鏡フレームFを略水平に保持するための第1スライダー102及び第2スライダー103が載置されている。第1スライダー102は、フレームFの左リムRIL及び右リムRIRの縦方向の上側に当接する第1面1021を持つ。第2スライダー103は、左リムRIL及び右リムRIRの縦方向の下側に当接する第2面1031を持つ。第1面1021と第2面1031は、互いに対向している。
【0016】
第1スライダー102の第1面1021及び第2スライダー103の第2面1031は、両者の間隔が開閉される方向(両者の間隔が広げられる方向と両者の間隔が狭められる方向)に、開閉移動機構110によって移動可能に保持されている。開閉移動機構110は、保持部ベース101の左右に配置されてY方向に延びる2つのガイドレール1101と、図3上の左側でY方向に配置された2つのプーリー1105及びプーリー1107と、2つのプーリー1105、1107とに掛け渡されたワイヤー1109と、第1スライダー102及び第2スライダー103の間隔を閉じる方向に常時付勢するバネ1110(図5参照)と、を備える。図3上で、ワイヤーの左側に第1スライダ102の右端部102Eが取り付けられ、ワイヤーの右側に第2スライダ103の右端部103Eが取り付けられている。これらの構成を持つ開閉移動機構110により、第1スライダー102及び第2スライダー103は、両者の間の中心線FXを中心に、両者の間隔が広がる方向と、両者の間隔が狭められる方向と、に移動可能に保持されている。第1スライダー102及び第2スライダー103の一方が移動されると、他方も連動して移動される。
【0017】
図4は、型板ホルダー310が取付け部300に取り付けられ、型板測定時のフレーム保持ユニット100の斜視図である。図5は、第1スライダー102及び第2スライダー103によって、フレームFが保持されていない状態のフレーム保持ユニット100の上面図である。
【0018】
第1スライダー102には、眼鏡フレームFの左リムRIL及び右リムRIRの上側(リムの上下とは、眼鏡装用時の縦方向の上下を言う)を、その厚み方向からクランプするためのクランプピン230a,230bがそれぞれ2箇所に配置されている。同様に、第2スライダー103にも、左リムRIL及び右リムRIRの下側を、その厚み方向からクランプするためのクランプピン230a,230bがそれぞれ2箇所に配置されている。第1スライダー102側の2箇所配置されたクランプピン230a,230bは、それぞれ第1面1021から第2スライダー103側に突き出て配置されている。第2スライダー103側の2箇所に配置されたクランプピン230a,230bも、第2面1031から第1スライダー102側に突き出て配置されている。
【0019】
図6は、左リムRILの上側をクランプするために、第1スライダー102の左側に配置されたクランプ機構2300の構成図である。第1スライダー102の内部に、ベース板2301が配置されている。クランプピン230aは、第1アーム2303の先端に取り付けられている。第1アーム2303の中心部は、ベース板2301に対して回転軸2304により回転可能に保持されている。クランプピン230bは、第2アーム2305の先端に取り付けられている。第2アーム2305の中心部は、ベース板2301に対して回転軸2306により回転可能に保持されている。第1アーム2303及び第2アーム2305の間には、圧縮バネ2307が取り付けられている。圧縮バネ2307によって、2つのクランプピン230a及び230bの間隔が常に開く方向に付勢されている。また、第1アーム2303の中心部には、回転軸2304を中心にしたギヤ2309が形成されている。同様に、第2アーム2305の中心部には、回転軸2306を中心にしたギヤ2311が形成され、ギヤ2309はギヤ2311に噛み合わされている。
【0020】
第1アーム2303の後端には、バネ2313の一端が取り付けられている。バネ2313の他端にワイヤー2315が固定されている。ワイヤー2315は、ベース板2301に回転可能に取り付けられたプーリー2317を介して、駆動ユニット2320に接続されている。駆動ユニット2320は、ワイヤー2315を巻き取るためのシャフト2321と、シャフト2321を回転するためのモータ2322と、を有する。モータ2322の駆動により、ワイヤー2315が引っ張られると、第1アーム2303は回転軸2304を中心にして反時計回りに回転される。このとき、ギヤ2309とギヤ2311が噛み合わされていることにより、第2アームは回転軸2306を中心にして時計回りに回転される。これにより、2つのクランプピン230a及び230bが連動して閉じられ、リムRILが2つのクランプピン230a及び230bによってクランプされる。
【0021】
右リムRIRの上側をクランプするために、第1スライダー102の右側に配置されたクランプ機構は、上記のクランプ機構2300の左右を反転した構成である。また、左リムRIL及び右リムRIRの下側をクランプするために、第1スライダー102の左側及び右側の2箇所に配置されたクランプ機構は、第1スライダー102に配置されたクランプ機構2300に対して、縦方向が反転されたものと同じである。そのため、他のクランプ機構の説明は省略する。なお、モータ2322及びシャフト2321は、4箇所のクランプ機構2300にそれぞれ配置されている構成であっても良いが、4箇所のクランプ機構2300において共通で使用される構成であっても良い。何れの場合も、4箇所のクランプピン230a及び230bが同時に開閉されるように構成されている。
【0022】
図7は、図5における左右中心線LYのB−B断面図である。図3〜図5に図示されるように、第1スライダー102の左右中央の上部には、型板ホルダ310を収納(保管)するための保管スペース(窪み)としの収納部1024が設けられている。収納部1024は、図5に示されるように、第1スライダー102の左側に配置された左リムクランプ用のクランプ機構2300と、第1スライダー102の右側に配置された右リムクランプ用のクランプ機構2300と、の間の中央に設けられている。図5に示されるように、収納部1024の左右方向の横寸法WL2は、型板ホルダー310の横寸法WL1より大きく形成されている。収納部1024の縦寸法DL2は、型板ホルダー310の縦寸法DL1より大きく形成されている。また、収納部1024の垂直方向の高さ寸法HL2は、型板ホルダー310の高さ寸法HL1より大きく形成されている。言いかえると、第1スライダー102の構成において、左リムクランプ用のクランプ機構2300と右リムクランプ用のクランプ機構2300との間に確保できる収納部1024の横寸法WL2、縦寸法DL2及び高さ寸法HL2に入るように、型板ホルダー310の横寸法WL1、縦寸法DL1及び高さ寸法HL1が設定されている。なお、収納部1024は、第2スライダー103側の左リムクランプ用のクランプ機構2300と右リムクランプ用のクランプ機構2300との間に設けられていても良い。
【0023】
このように収納部1024を第1スライダー102(又は第2スライダー103)に設けたことにより、測定装置1のカバ(又は測定装置1が一体的に設けられた眼鏡レンズ周縁加工装置のカバー)に型板ホルダー310の収納場所を設けなくて済む。また、型板ホルダー310の使用時には、操作者は目視で直ぐに型板ホルダー310の存在場所を知ることができ、簡単に型板ホルダー310を取り出すことができ、型板ホルダー310の使い勝手の良い測定装置1を提供できる。
【0024】
次に、測定ユニット200の構成を簡単に説明する。図8及び図9は測定ユニット200の概略構成図である。測定ユニット200は、水平方向(XY方向)に伸展した方形状の枠を持つベース部211と、リムRIL,RIRの溝に挿入される測定子281が上端に取り付けられた測定軸282を保持する測定子保持ユニット250と、測定子保持ユニット250をXYZ方向に移動させる移動ユニット210と、を備える。ベース部211は、フレーム保持ユニット100の下に配置されている。移動ユニット210は、測定子保持ユニット250をY方向に移動するY移動ユニット230と、Y移動ユニット230をX方向に移動するX移動ユニット240と、測定子保持ユニット250をZ方向に移動するZ移動ユニット220と、を有する。Y移動ユニット230は、Y方向に延びるガイドレールを備え、モータ235の駆動によりガイドレールに沿って測定子保持ユニット250をY方向に移動させる。X移動ユニット240は、X方向に延びるガイドレール241を備え、モータ245の駆動によってY移動ユニット230をX方向に移動させる。Z移動ユニット220は、Y移動ユニット230に取り付けられ、モータ225の駆動により、Z方向の延びるガイドレール221に沿って測定子保持ユニット250をZ方向に移動させる。
【0025】
測定子保持ユニット250は、Z方向に延びる中心軸LOの軸回りに測定子軸282を回転する回転ユニット260を有する。回転ユニット260は、測定子軸282が取り付けられた回転ベース251と、回転ベース251を中心軸LOの軸回りに回転するモータ265を有する。また、測定子軸282は、測定子281の先端方向である横方向に移動可能(傾斜可能)に、回転ベース251に保持されている。なお、測定子保持ユニット250は、測定子281の先端をリムRIL(RIR)の溝に押し当てる測定圧を付与するための測定圧付与機構(図示を略す)を備える。測定子281の先端方向の移動位置は、検知器であるエンコーダ286により検知される。また、測定子軸282はZ方向に移動可能に、回転ベース251に保持されている。測定子281のZ方向の移動位置は、検知器であるエンコーダ288により検知される。制御部50は、エンコーダ286、288と、各モータ235、245、255、265と、に接続されている。
【0026】
また、制御部50は、クランプ機構2300のモータ2322に接続されている。制御部50は、図示を略すクランプピン開閉スイッチの信号により、4箇所に配置されたクランプピン230a及び230bの開閉を同時に行う。
【0027】
リムRIL(RIR)の測定時、測定子281の先端がリムRILの溝に挿入される。制御部50は、モータ235、245の駆動情報及び回転ベース251の回転情報と、エンコーダ286の検知情報とに基づき、リムRILの動径情報を得る。制御部50は、測定途中では、測定済みの動径情報に基づいてリムRILの未測定部分の動径変化を予測し、予測した動径変化に沿って測定子281が移動するように、モータ235、245、265の駆動を制御する。また、制御部50は、モータ225及びエンコーダ288の検知情報とに基づき、リムRILのZ方向の位置情報を得る。制御部50は、測定途中では、測定済みのZ位置情報に基づいてリムRILの未測定部分のZ位置変化を予測し、予測したZ位置変化に沿って測定子281がZ方向に移動するように、モータ225の駆動を制御する。これらにより、リムRILの3次元形状が測定される。もう片方のリムRIRの測定時には、制御部50はY方向のモータ245の駆動を制御し、測定子281をリムRIRの所定の測定位置に移動した後、上記と同様にリムRILの測定を行う。
【0028】
型板又はデモレンズの測定対象物の測定時には、取付け部300に型板ホルダ310が取り付けられる。型板測定ユニットはリム測定用の測定ユニット200が兼用され、測定軸282が測定対象物のエッジに接触される測定軸として使用される。なお、型板測定ユニットは測定ユニット200と別に専用に設けられていても良いが、リム測定用の測定ユニット200が兼用されと、装置が大型化せず、また、コスト的にも有利である。
【0029】
以上の測定ユニット200の構成及び測定方法は、特開2001−122899号公報に記載されたものでも良い。また、測定ユニット200の構成としては、特開2000−314617号公報に記載された機構等、周知の機構が採用できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】眼鏡枠形状測定装置の外観略図である。
【図2】型板ホルダーの概略構成図である。
【図3】眼鏡フレームが保持された状態のフレーム保持ユニットの上面図である。
【図4】型板測定時のフレーム保持ユニットの斜視図である。
【図5】フレームFが保持されていない状態のフレーム保持ユニットの上面図である。
【図6】クランプ機構の構成図である。
【図7】図5におけるB−B断面図である。
【図8】測定ユニットの概略構成図である。
【図9】測定ユニットの概略構成図である。
【符号の説明】
【0031】
50 制御部
100 フレーム保持ユニット
102 第1スライダー
103 第2スライダー
200 測定ユニット
210 移動ユニット
230a,230b クランプピン
281 測定子
286,288 エンコーダ
300 取り付け部
310 型板ホルダ
1024 収納部
2300 クランプ機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼鏡フレームの左右のリムの左右方向に対して眼鏡フレーム装用時の縦方向から左右のリムを押圧して眼鏡フレームを保持する第1スライダー及び第2スライダーを有する眼鏡フレーム保持ユニットと、型板又デモレンズの測定対象物が取り付けられる型板ホルダーと、型板ホルダーに取り付けられた測定対象物のエッジに接触する測定軸を持ち、測定軸の動径方向の移動を検知して測定対象物の動径情報を得る型板測定ユニットと、を備える眼鏡枠形状測定装置において、
前記型板ホルダーの非使用時に前記型板ホルダーを収納するための収納部を前記第1スライダー又は第2スライダーに設けたことを特徴とする眼鏡枠形状測定装置。
【請求項2】
請求項1の眼鏡枠形状測定装置において、前記第1スライダー及び第2スライダーは、左リムをクランプするためのクランプピンを持つ左リムクランプ機構と、右リムをクランプするためのクランプピンを持つ右リムクランプ機構と、をそれぞれ有し、前記収納部は、前記左リムクランプ機構と前記右リムクランプ機構との間に設けられていることを特徴とする眼鏡枠形状測定装置。
【請求項3】
請求項2の眼鏡枠形状測定装置において、前記型板ホルダーは、前記収納部の左右方向の寸法、縦方向の寸法及び垂直方向の高さ寸法に入るように定められた横寸法、縦寸法及び高さ寸法を持つことを特徴とする眼鏡枠形状測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−68439(P2013−68439A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205483(P2011−205483)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000135184)株式会社ニデック (745)
【Fターム(参考)】