説明

着火具

【課題】絶縁性基板と抵抗発熱体層との密着性が高い着火具を提供する。
【解決手段】容器6の底面側に位置する第1主面3Aと、第1主面3Aの反対側に位置する第2主面3Bと、を有し、第1主面3Aと第2主面3Bとの間を貫通する複数の貫通孔3aを備えたセラミック体3と、セラミック体3の第2の主面3B側に位置する複数の貫通孔3aの内周面に被着した、Moを主成分とするメタライズ層12と、第1の主面3Aから第1の主面3A側に位置する複数の貫通孔3aの内周面にかけて連続的に被着した、Ptを主成分とする抵抗発熱体層14と、メタライズ層12と抵抗発熱体層14とを電気的に接続する、複数の貫通孔3aの内周面に被着した、PtMo合金を主成分とする合金層16と、複数の貫通孔3aに挿入され、メタライズ層12に電気的に接続された複数の電極ピン8と、を備えている着火具1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉塞された容器内に充填された火薬に着火するための着火具、例えば、エアバッグ等の自動車の安全装置に使用されるガス発生器等に搭載される着火具に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車に装着されるエアバッグを膨張させるためのガス発生器用の着火具として、従来から種々の電気式着火具が開発されている。この着火具は通常、外部と電気的に接続するための電極ピンと、該電極ピンに接続され、電極ピンに印加された電圧に応じて発熱する点火部と、を有している。
【0003】
従来の点火部の一例として、印加された電圧に応じて生じる電流に応じて発熱する、ニクロム線等からなる架橋ワイヤを使用する例がある。ニクロム線等の架橋ワイヤを用いた場合、架橋ワイヤの線径が比較的細い場合は外部からの衝撃によって断線し易く、また架橋ワイヤの線径を比較的大きくした場合は熱容量が必要以上に大きくなる課題があった。熱容量が大きくなり過ぎると、通電してから架橋ワイヤが点火薬の点火温度に達するまでの時間が長くなり、例えばエアバッグの膨張に要求される高速応答性が充分にとれないといった問題があった。
【0004】
このような架橋ワイヤに代わる点火部として、例えば特許文献1には、絶縁性基板上に、蒸着技術やメタライズ技術によって薄膜状の抵抗発熱体層を形成し、この抵抗発熱体層を点火部として用いる例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2001−519595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
抵抗発熱体層を蒸着技術やメタライズ技術によって形成した、従来の点火部では、抵抗発熱体層全面が絶縁性基板の表面に直接被着されているため、抵抗発熱体層と絶縁性基板との密着性が低く、抵抗発熱体層が剥離しやすいといった課題があった。
【0007】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、閉塞された容器内に充填された火薬に着火するための着火具であって、前記容器の内面の一部を構成するとともに複数の貫通孔が開口した第1の主面を備えるセラミック体と、複数の前記貫通孔の内周面のうち前記セラミック体の第2の主面側に被着した、Moを主成分とするメタライズ層と、前記第1の主面から複数の前記貫通孔のそれぞれの内周面のうち前記第1の主面側にかけて被着した、Ptを主成分とする抵抗発熱体層と、前記メタライズ層と前記抵抗発熱体層とを電気的に接続する、複数の前記貫通孔の内周面に被着した、PtMo合金を主成分とする合金層と、複数の前記貫通孔のそれぞれに挿入されて前記メタライズ層に電気的に接続された複数の電極ピンと、を備えていることを特徴とする着火具を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態にかかる着火具では、絶縁性基板と抵抗発熱体層との密着性が高く
、抵抗発熱体層が剥離し難い。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1(a)は、本発明の一実施形態に係る着火具を備えた発破体の断面図であり、図1(b)は図1(a)に示した着火具の斜視図である。
【図2】図1(a)に示した破線部分を拡大して示す拡大断面図である。
【図3】図3(a)〜(c)は、図1(a)に示した着火具の製造方法の一例について説明する概略断面図である。
【図4】図4(a)〜(c)は、図1(a)に示した着火具の実施例を示す断面写真であり、図4(a)は、着火具1の一断面における電子顕微鏡写真であり、図4(b)および図4(c)は、図4(a)と同一断面における蛍光X線分析写真である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1(a)、(b)および図2を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る着火具について、該着火具を備えた発破体を例に詳細に説明する。
【0012】
発破体11は、内部に火薬7を収容するための容器6と、火薬7に着火するための着火具1と、火薬7と、を備えて構成され、着火具1によって着火された火薬の爆発によって圧力を発生させる。かかる発破体11は、例えば自動車に装着されるエアバッグを膨張させるためのガス発生器として使用することができ、この場合、火薬の爆発によって発生する圧力によってエアバックを膨張させる。なお、 火薬7としては、その組成中にジルコニウムを含むものが好適である。その他、水素化チタンやボロン、トリシネートなどを含むものも有利に適合する。
【0013】
容器6は、例えば、一方端部に開口を有した円筒形状をなしており、例えば、アルミニウム等の金属材料により形成される。かかる容器6は、その底面と前記開口を閉塞する着火具1との間に火薬7を収容し、該火薬7の爆発によって破裂するような強度に設計される。
【0014】
一方、着火具1は、容器6の底面との間に火薬を充填するための空間を形成しつつ容器6の開口内に嵌合されることで前記空間を閉塞するとともに、該空間に充填された火薬に着火し、火薬を爆発させるためのものである。
【0015】
このような着火具1は、容器6の開口内に配置され、複数の貫通孔3aを備えたセラミック体3と、複数の前記貫通孔3aの内周面に被着した、Moを主成分とするメタライズ層12と、貫通孔3aの内周面に被着した、Ptを主成分とする抵抗発熱体層14と、メタライズ層12と抵抗発熱体層14とを電気的に接続する、複数の貫通孔3aの内周面に被着した、PtMo合金を主成分とする合金層16と、複数の貫通孔3aに挿入され、メタライズ層12に電気的に接続された複数の電極ピン8と、を備えている。
【0016】
セラミック体3は、例えばアルミナを主成分とする円柱状に形成されており、容器6の底面との間に火薬7を充填するための空間を形成するように容器6の開口内に嵌合されている。なお、セラミック体3は、貫通孔3aやメタライズ層12等を形成して着火具1とした後、該着火具1を構成するセラミック体3を、例えばレーザー溶接等の手段で容器6と一体化されることで、容器6の開口の内面に密着するように開口に嵌合される。
【0017】
セラミック体3は、容器6の底面側に位置する第1の主面3Aと、該第1の主面3Aと反対側に位置する第2の主面3Bと、を有し、上述した貫通孔3aが第1の主面3Aと第2の主面3Bとの間を貫通している。かかる貫通孔3aは、複数個(本実施形態においては2個)形成されており、各々の貫通孔3aは第1の主面3A側の端部に、第1の主面3
Aに近付くに従って径が拡大する拡径部15を有している。なお、貫通孔3aの直径は、例えば、拡径部15以外の部分で0.1mm〜0.5mm、拡径部15における最大直径は、拡径部15以外の部分の直径の1.5倍〜3倍に設定される。
【0018】
また、貫通孔3aの拡径部15における内周面とセラミック体3の第1の主面3Aとの間のコーナー部分17の角度は、鈍角とされている。このため、該コーナー部分17上に被着される後に詳述する抵抗発熱体層14の断線が抑制されている。なお、抵抗発熱体層14の断線を抑制する観点では、コーナー部分17の表面は、曲面状とすることがより好ましい。
【0019】
一方、かかる貫通孔3aの内周面に被着したメタライズ層12は、貫通孔3aの第2の主面3B側の端部から第1主面3A側に位置する拡径部15にかけて連続的に被着されている。メタライズ層12は、その表面に被着されたNiメッキ層22および後述する接合体19を介して電極ピン8と接合されている。
【0020】
本実施形態におけるメタライズ層12は、Moを主成分とし、Mnを含有する、いわゆるMo−Mnメタライズ層である。この場合、メタライズ層12は、例えば、Mo粉末を86質量%とMn粉末を5質量%含むとともに、ガラス成分であるSiOを10質量%含有したメタライズペーストを、セラミック体3の貫通孔3aの内周面に塗布し、1350℃に焼成することで形成される。
【0021】
また、貫通孔3aの内周面に被着した抵抗発熱体層14は、第1の主面3A側に位置する貫通孔3aの内周面、すなわち拡径部15の内周面からセラミック体3の第1の主面3A上を介して隣接する貫通孔3aの拡径部15の内周面にかけて連続的に被着されており、抵抗発熱体層14の両端が隣接する一対の貫通孔3aの拡径部15の内周面に位置している。
【0022】
また、抵抗発熱体層14は、貫通孔3aの拡径部15に位置する両端が合金層16を介してメタライズ層12と接続されているため、メタライズ層12を介して電圧が印加されると、抵抗発熱体層14に電流が流れ、抵抗発熱体層14が発熱する。そして、その熱によって火薬7が着火し、火薬7が爆発する。
【0023】
かかる抵抗発熱体層14は、Ptを主成分とする抵抗材料により形成されており、例えばPt粉末とバインダ粉末、さらに例えばアルミナ等のセラミック原料粉末とを混合したペーストを、セラミック体3の表面に塗布した後、例えば1350℃に焼成することで、薄膜状に形成される。
【0024】
一方、複数の貫通孔3aの内周面に被着した合金層16は、貫通孔3aの拡径部15の内周面でメタライズ層12と抵抗発熱体層14とを接続しており、メタライズ層12と抵抗発熱体層14の間に位置するように貫通孔3aの拡径部15の内周面上に被着されている。
【0025】
かかる合金層16は、PtMo合金を主成分としている。このPtMo合金は、抵抗発熱体層14およびメタライズ層12との機械的な接合強度も強く、また電気的な接合も安定している。このため、本実施形態のように、合金層16を抵抗発熱体層14とメタライズ層12の間に形成した方が、合金層16を形成させずに抵抗発熱体層14をメタライズ層12に直接接続する場合に比べて、抵抗発熱体層14をセラミック体3に対して強固に被着させることができる。
【0026】
合金層16は、Mo−Mnメタライズ層の表面に、Ptを主成分とするペーストを塗布
した後、例えば1350℃に焼成することで形成することができる。メタライズ層12、抵抗発熱体層14、および合金層16の形成工程については、後に詳述する。
【0027】
なお、本実施形態では、メタライズ層12、合金層16および抵抗発熱体層14の両端部における表面に、Niメッキ層22が連続的に被着されている。かかるNiメッキ層22は、メタライズ層12と接合体9との接合強度を高めるためのものである。なお、Niメッキ層22は、例えば、電気メッキによって形成される。
【0028】
そして、複数の貫通孔3aの各々には、複数の電極ピン8が挿入されている。
【0029】
電極ピン8は、例えばFe−Ni−Co合金からなり、第1主面3A側の一端部が貫通孔3aに挿入され、該挿入部が接合体9を介してメタライズ層12、合金層16および抵抗発熱体層14に接合されている。一方、電極ピン8の他端部は、図示しない外部電圧供給端子に接続され、該外部電圧供給端子からの電圧が電極ピン8を介してメタライズ層12および合金層16に印加され、ひいては該印加電圧によって抵抗発熱体層14に電流が流れる。
【0030】
かかる電極ピン8は、前記一端部を貫通孔3aに挿入し、前記一端部を貫通孔3aの拡径部15内に保持した状態で、溶融した導電ペースト(例えば、Ag−Cuロウ)を貫通孔3a内に拡径部15より充填し、導電ペーストを貫通孔3aの第2の主面3B側まで浸透させるとともに、該浸透させた導電ペースト冷却・硬化させることにより、電極ピン8を貫通孔3a内に固定するとともに、導電ペーストを硬化させて形成された接合体19が電極ピン8とメタライズ層12の間に介在される。
【0031】
また、電極ピン8の、前記一端部の端面8Aは、セラミック体3の第1の主面3Aと面一とされており、さらに接合体19の表面が、第1の主面3Aおよび電極ピン8の端面8Aと面一とされている。抵抗発熱体層14は、厚さが約20μm以下と薄く、セラミック体3の第1の主面3A、抵抗発熱体層14、電極ピン8の端面8A、および接合体19は、いずれも面一とされている。ここで面一とは、表面粗さ計を用いて測定した表面プロファイルにおける、最高点と最低点との差(最大高低差)が、例えば0.5mm以下のことをいう。
【0032】
このように、本実施形態における着火具1では、セラミック体3の第1の主面3A、抵抗発熱体層14、電極ピン8の端面8Aは、および接合体19は、いずれも面一とされている。それ故、着火具1の表面に形成される段差を小さくすることができ、着火具1と容器6との間に充填された火薬7への着火具1からの押圧力のバラツキを低減でき、ひいては火薬7の点火感度をより均一にできる。なお、例えば、セラミック体3の第1の主面3A、抵抗発熱体層14、電極ピン8の端面8Aは、および接合体19において段差が生じていると、該段差によって着火具1の表面には凹凸部が形成される。このような着火具1を火薬7と圧接させると、着火具1の凸部では凹部よりも火薬7を強く押圧するため、凸部上の火薬7は凹部上の火薬7よりも密度が高くなる。それ故、抵抗発熱体層14を発熱させたときに、火薬7の点火感度のばらつきが大きくなりやすい。
【0033】
以下、上述した発破体11に用いられた着火具1の製造工程の一例について図3(a)〜(c)を用いて詳細に説明する。
【0034】
(1)まず、拡径部15を有する貫通孔3aが形成されたセラミック体3を準備する。なお、拡径部15は、貫通孔が設けられたセラミック体3を例えばバレル研磨することで、貫通孔の端面におけるコーナー部分を面取りすることにより形成することができる。
【0035】
(2)次に、図3(a)に示すように、このセラミック体3の貫通孔3aの内周面に、Mo−Mnメタライズ体32を形成する。Mo−Mnメタライズ体32は、Mo粉末を86質量%とMn粉末を5質量%含むとともに、ガラス成分であるSiOを10質量%含有したメタライズペーストを、セラミック体3の貫通孔3aの内周面に塗布し、例えば1350℃に焼成することで形成することができる。
【0036】
(3)続いて、図3(b)に示すように、貫通孔3aの拡径部15の内周面からセラミック体3の一方主面3Aを介して隣接する貫通孔3aの拡径部15にかけて連続的に被着するように、Ptを主成分とするPtペースト層34を塗布する。Ptペースト層34は、例えばPt粉末とバインダ粉末、さらに例えばアルミナ等のセラミック原料粉末とを混合したペーストからなる。Ptペースト層34は、拡径部15において一部がメタライズ体32の表面に重なるように塗布する。
【0037】
(4)そして、Ptぺースト層34を例えば1350℃の温度で焼成する。この焼成の際、Ptペースト層34とメタライズ体32とが重なり部分でPtペースト層34に含まれるPtが、メタライズ体32に含まれるMoと反応して合金化することで、図3(c)に示されるように、前記重なり部分で合金層16が形成される。なお、合金化されなかったPtペースト層34は、抵抗発熱体層14となり、合金化されなかったメタライズ体32がメタライズ層12となる。
【0038】
本実施形態では、Ptペースト層34とメタライズ体32とを重ならせているため、該重なった部分でPtとMoとを合金化させることができ、PtとMoとの合金層16を形成している。
【0039】
また、本実施形態では、Ptの融点に比して充分に低い1350℃でペーストを焼成して薄膜化しているため、Ptが溶融して流動することが抑制され、抵抗発熱体層を安定した形状および組成で形成することが可能となっている。
【0040】
(5)次に、セラミック体3の貫通孔3aの内周面に被着されたメタライズ層12、合金層16および抵抗発熱体層14の対応する表面に、電気メッキによりNiメッキを施し、Niメッキ層22を形成する。
【0041】
(6)最後に、貫通孔3aに対応する孔に電極ピン8を挿入し、電極ピン8を接合体19で接合・固定する。
【0042】
かかる電極ピン8は、その一端部を貫通孔3aに挿入し、前記一端部を貫通孔3aの拡径部15内に保持した状態で、溶融した導電ペースト(例えば、Ag−Cuロウ)を貫通孔3a内に拡径部15より充填し、導電ペーストを貫通孔3aの第2の主面3B側まで浸透させるとともに、該浸透させた導電ペースト冷却・硬化させることにより、電極ピン8を貫通孔3a内に固定するとともに、導電ペーストを硬化させて形成された接合体19が電極ピン8とメタライズ層12の間に介在される。
【0043】
以上の工程(1)〜(6)を経て、着火具1を作製することができる。
【実施例】
【0044】
次に、上述した着火具1の一実施例について図4(a)〜(c)を用いて説明する。なお、図4(a)〜(c)では、上記図1および2に対応する同一部位については、図1および2で用いた符号と同一の符号を用いている。
【0045】
図4(b)では、色濃度が低い(=白色に近い)ほどPt元素の含有比率が高く、図4
(c)では、色濃度が低いほどMo元素の含有比率が高くなっている。図4(b)と図4(c)とを比較して分かるように、抵抗薄膜体層14は、セラミック体3の一方主面3Aから拡径部15の内面まで被着して、MoとPtとの合金層16に接続している。この合金層16は、図4において示す範囲外にあるメタライズ層12に接続している。本実施例では、Ptを主成分とする発熱抵抗体層14が、この合金層16を介して、セラミック体3と、機械的および電気的に比較的強固に接合していることがわかる。
【0046】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0047】
1 着火具
3 セラミック体
3A 第1の主面
3B 第2の主面
3a 貫通孔
6 容器
7 火薬
8 電極ピン
11 発破体
12 メタライズ層
14 抵抗発熱体層
15 拡径部
16 合金層
17 コーナー部分
19 接合体
22 Niメッキ層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有した容器の開口を閉塞するように該開口内に配置され、該容器の底面との間に充填された火薬に着火するための着火具であって、
前記容器の底面との間に前記火薬を充填するための空間を形成するように前記容器の開口内に配置されるセラミック体であって、前記容器の前記底面側に位置する第1主面と、該第1主面の反対側に位置する第2主面と、を有し、前記第1主面と前記第2主面との間を貫通する複数の貫通孔を備えたセラミック体と、
前記セラミック体の前記第2の主面側に位置する複数の前記貫通孔の内周面に被着した、Moを主成分とするメタライズ層と、
前記第1の主面から該第1の主面側に位置する複数の前記貫通孔の内周面にかけて連続的に被着した、Ptを主成分とする抵抗発熱体層と、
前記メタライズ層と前記抵抗発熱体層とを電気的に接続する、複数の前記貫通孔の内周面に被着した、PtMo合金を主成分とする合金層と、
複数の前記貫通孔に挿入され、前記メタライズ層に電気的に接続された複数の電極ピンと、
を備えていることを特徴とする着火具。
【請求項2】
前記第1の主面側に位置する前記貫通孔は、前記第1の主面に近づくに従って径が拡大する拡径部を有しており、
前記抵抗発熱体層は、前記第1の主面から前記拡径部の内周面にかけて被着しており、
前記メタライズ層は、前記貫通孔の内周面の前記第2の主面側から前記拡径部にかけて連続的に被着していることを特徴とする請求項1記載の着火具。
【請求項3】
前記合金層と前記メタライズ層の前記拡径部に位置する部分とを少なくとも被覆するとともに前記電極ピンに接合した、Agを主成分として含む接合体と、を更に備えることを特徴とする請求項2記載の着火具。
【請求項4】
前記接合体は、前記拡径部に位置する前記抵抗発熱体層をさらに被覆していることを特徴とする請求項3記載の着火具。
【請求項5】
前記第1の主面側に位置する前記電極ピンの端面が前記第1の主面と面一とされているとともに、前記接合体の表面が前記第1の主面および前記電極ピンの前記端面と面一とされていることを特徴とする請求項4記載の着火具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−251666(P2012−251666A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122074(P2011−122074)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】