説明

石炭の代替燃料製造方法および脱水システム

【課題】従来は埋立処分、焼却処分さていた有機性汚泥を石炭の代替燃料の原料として有効活用する、石炭の代替燃料の製造方法を提供する
【解決手段】微生物を含有する有機性汚泥から石炭の代替燃料製造する、具体的には、圧送装置を用いて、汚泥に含まれる気体成分を脱気しつつ該汚泥をフイルタープレスに圧送し、前記圧送装置から送られた汚泥をフイルタープレスにて加圧脱水する。加圧脱水の過程では、圧送装置からの圧力により、汚泥に含まれる微性物細胞の細胞壁を圧壊させ、含水率40%以下に脱水し、そのケーキを粉砕と、石炭の粉砕とを、混合しペレット成形機でペレットを製造し 石炭の代替燃料を製造する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物を含有する有機性汚泥から石炭の代替燃料とする製造する方法及びこの方法で用いる脱水システムに関する
【背景技術】
【0002】
現在、工場や下水処理場から排出される下水の排水(排液)は、主に微生物を利用した生物的処理法で処理されているが、この処理法から発生する大量の余剰汚泥は焼却または埋立処分されているが、しかし、最近では焼却によるダイオキシンの発生や埋立処分場確保が困難になってきており、汚泥処理は深亥な社会問題になってきている
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで上述した問題点に鑑み、本発明の目的は 従来埋立処分 焼却処分されていた有機性汚泥を石炭の代替燃料の原料として有効活用しその製造方法を提供し地球規模のエネルギーを提供し 環境改善を図ることにある
【0004】
このような目的は特許請求運範囲記載の石炭の代替燃料製造方法および脱水システムによって達成される
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、汚泥に含まれる気体成分は圧送過程で脱気(排気)されるのでフイルタープレスの濾室に対して汚泥を高密度で圧送 充填することができる。その結果、気泡や空気溜りによるクッション作用が働くことがほとんどなく、圧送装置からの圧力が、濾室内の汚泥にほぼそのまま伝達されることになる、そして、フイルタープレスの各濾室が汚泥で満たされると、圧送装置からの圧力が 濾室内の汚泥にほぼそのまま伝達されることになる。そして フイルタープレスの各濾室が汚泥で満たされると、圧送装置からの圧力により脱水が始まり、脱水初期においては汚泥中の水分(微生物の周囲にある水分)が脱水される、続いて、汚泥中の微生物細胞同士が密接して互いを押しつぶすように状態になり、最終的に細胞壁が互いに押圧力により圧壊して、その内部の細胞質が溶出可能になる。このような脱水処理を所定圧力で行うことにより 微生物周囲にあった水分が十分に脱水され、かつ、細胞質成分をそのまま含有する脱水ケーキ(含水率40%以下)が形成される このように得れた脱水ケーキを粉砕にし粉砕ケーキ7割石炭粉砕3割を混合機で混合しペレト成形機でペレトを作り、石炭の代替燃料が製造される。
【発明を実施するための最良の形能】
【0006】
本発明の石炭の代替燃料製造および脱水システムは、添付図に示すとおりの以下の形能を有している
【石炭の代替燃料製造方法】
【0007】
本発明は、微生物を含有する有機性汚泥から石炭の代替燃料製造する方法であって、圧送装置を用いて。汚泥に含まれる気体成分を脱気(排気)しつつ該汚泥をフイルタープレス圧送し前記圧送装置から送られた汚泥をフイルタープレスにて加圧脱水し、その際、汚泥に含まれる微生物細胞壁(細胞膜)を加圧破壊してその細胞質が溶出可能な状態にし、前記フイルタープレスで得られた脱水物(脱水ケーキ)粉砕機で粉砕にし石炭の粉末と混合(脱水ケーキ7割石炭粉砕3割)ペレツトにし石炭の代替燃料にする特徴とする
【0008】
また、本発明は、微生物を含有する有機性汚泥の炭素等などを燃料製造する方法であって圧送装置を用いて、汚泥に含まれる気体成分を脱気(排気)しつつ該汚泥をフイルタープレスに圧送して、フイルタープレスの濾板間に形成される濾室を前記圧送装置からの圧力によって加圧脱水し、その際、汚泥に含まれる微生物細胞壁(細胞膜)を加圧破壊し汚泥含水率40%以下に下げる
【0009】
上記の場合において、前記汚泥は活性汚泥(余剰汚泥)である
【0010】
なお、前記フイルタープレスによる加圧脱水処理に先立って、汚泥を予備脱水(含水率80〜83%)しておくことが好ましい。
【0011】
また、前記フイルタープレスによる加圧脱水処理に先立って、汚泥をミキシングしておくことが好しい
【0012】
また、前記フイルタープレスによる加圧脱水処理に先立って 汚泥に凝集剤を添加して、おくことが好しい
【0013】
また、前記脱水前の含水率80〜83%の汚泥を脱水することが好しい
【0014】
また、前記脱水物の脱水後含水率30〜40%程度なるように前記フイルタープレスに加圧脱水を施すことが好ましい
【0015】
この場合、前記フイルタープレスの各濾室は、厚さ6〜8mm程度の脱水ケーキが形成される寸法を有していることが好しい。
【0016】
〔脱水システム〕
また別の本発明は、有機性汚泥から石炭の代替燃料に用いられる脱水システムであって、圧締された状態で隣接する濾板間に濾室を形成するようになっている複数の濾板を備えており石炭の代替燃料の原料となる汚泥を脱水処理するためのフイルタープレスと、汚泥に含まれる気体成分を脱気(排気)しながら該汚泥をフイルタープレスに圧送するとともに、濾室に充填された汚泥に含まれる微生物細胞の細胞壁(細胞膜)を圧壊させるための、圧送装置と、を有しているいこを特徴とする
【0017】
この場合、前記フイルタープレスの各濾室は、厚さ6〜8mm程度の脱水ケーキが形成される寸法を有していることが好ましい。又ポンプ吐出圧力(脱水圧力)4.5〜5MPα脱水ケーキ含水率40%以下が好ましい。
【0018】
また、前記圧送装置は、
汚泥を一時的に収容するための圧送室を有する圧力容器と、前記圧送室に収容された汚泥を加圧手段(例えば油圧シリンダ)と、圧力容器の外部から前記圧送室に汚泥を投入するための投入口と、前記加圧体が加圧方向に作動した際に 前記フイルタープレスへ向けて汚泥を前記圧送室から吐出されるための吐出口と、を有しており、前記圧力容器には、前記圧送室と圧力容器の外部との間を連通する切れ込みが形成されており、
○当該切れ込み(スリット)には、前記汚泥を濾過するための濾過部材(例えば濾布、スポンジなど)が、埋設されており、
前記加圧手段が加圧方向に作動した際には、圧送室内の圧力の上昇に伴って、当該圧送室に収容された汚泥に含まれる気体成分が 前記切れ込み内の濾過部材を介して外部へ排気されるともに、当該汚泥の液体成分及び固体成分が、前記吐出口から吐出されるようになっていることが好ましい。
【0019】
また、前記圧送装置は、
汚泥を一時的に収容するための圧送室を有する圧力容器と、
前記圧送室に収容された汚泥を加圧するための加圧手段(例えば油圧シリンダ)と、
圧力容器と外部から前記圧送室に汚泥を投入するための投入口と、
前記加圧体が加圧方向に作動した際に、前記フイルタープレスへ向けて汚泥を前記圧送室から吐出させるための吐出口とを有しており
前記圧力容器には、前記圧送室に収容された汚泥に含まれる気体成分を外部へ排気するための脱気手段が形成されており
当該脱気手段は、前記汚泥を濾過された汚泥に含まれる気体成分を外部へ排気するための脱気手段が形成されている
当該脱気手段、前記汚泥を濾過するための濾過部材(例えば濾布、スポンジなど)を含んで構成されており
前記加圧手段が加圧方向を作動した際には、圧送室内の圧力の上昇に伴って、当該圧送室に収容された汚泥に含まれる気体成分が、前記脱気手段の濾過部材を介して外部へ排気されるとともに、当該汚泥の液体成分及び固体成分が、前記吐出口から吐出されるようになっていることが好ましい。
【0020】
また、前記圧送装置は、
汚泥を一時的に収容するための圧送室と
前記圧送室に収容された汚泥を加圧するための加圧手段(例えば油圧シリンダ)と、
一端が前記送装置に接続されており、前記容器からの汚泥を前記圧送室に投入させるための送給管:
一端が前記圧送装置に接続されており、前記圧送装置によって圧送された汚泥が前記フイルタープレスへ向けて流動するようになっている圧送管と:
一端か前記圧送装置に接続されており、排気口を有し、圧送室内にある汚泥の気体成分をシステム外部へ放出させるための脱気管と:
前記送給管に設けられ、該送給管における汚泥の流れを制御するための第1の制御弁と
前記圧送管に設けられ、該圧送管における汚泥の流れを制御するための第2の制御弁と、
前記脱気管に設けられており、一方と他方の間で脱気チヤンバーを構成するための一組の制御弁であって、圧送装置寄りに配置された第3の制御弁と、排気口寄りに配置された第4の制御弁とを含むものと:を有しており
前記加圧手段が加圧方向に作動する際(及び作動している間)には
第1の制御弁を閉弁して、圧送室内の汚泥が容器へ向けて逆流しないようしし:
第2の制御弁を開弁して、加圧された汚泥が圧送管へ送出さえるようにし:
第3の制御弁を開弁して 汚泥の気体成分が第3の制御弁と第4の制御弁との間の脱気チヤンバーに進入できるようにし:
第4の制御弁を閉弁して、第3の制御弁を通過した気体成分を脱気チヤンバー内に閉じ込めるようにし:
前記加圧手段が反加圧方向に作動する際(及び作動している間)は、
第1の制御弁を開弁して、容器からの汚泥が圧送室に入できるようにし、
第2の制御弁を閉弁して、圧送管内の汚泥が圧送室へ向けて逆流しないようにし:
第3の制御弁を閉弁して、脱気チャンバー内に閉じ込められた気体成分が圧送室へ向けて逆流しないようにし:
第4の制御弁を閉弁して、脱気チャンバー内にある気体成分をシステム外に放出させることが好しい:
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態を示す図である
【図2】本発明の実施形態を示す図である
【図3】本発明の実施形態を示す図である
【図4】本発明の実施形態を示す図である
【図5】本発明の実施形態を示す図である
【図6】本発明の実施形態を示す図である
【図7】本発明の実施形態を示す図である
【図8】本発明の実施形態を示す図である
【図9】本発明の実施形態を示す図である
【図10】本発明の実施形態を示す図である
【図11】本発明の実施形態を示す図である

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物を含有する有機性汚泥70%粉砕石炭30%を混合し成形機でペレットにし石炭の代替燃料とする、圧送装置を用いて、汚泥に含まれる気体成分(排気)しつつ該汚泥をフイルタープレスに圧送し、前記圧送装置から送られた汚泥をフイルタープレスにて加圧脱水し、その際、汚泥に含まれる微性物細胞壁(細胞膜)を加圧破壊して汚泥の含水率40%以下にする、石炭の代替燃料とする製造方法
【請求項2】
微性物を含有する有機性汚泥含水率80%の汚泥を圧送装置を用いて、汚泥に含まれる気体成分を脱気(排気)しつつ該汚泥をフイルタープレスに圧送して、フイルタープレスの濾板間に形成される濾室に該汚泥を充填し、その際汚泥に含まれる細胞壁(細胞膜)を加圧破壊し、含水率40%にした脱水ケーキ7割粉砕石炭3割を混合機で混合しペレト成形機でペレットし石炭の代替燃料とする製造方法
【請求項3】
前記汚泥が活性汚泥(余剰汚泥)であることを特徴とする請求1又は2記載の石炭の代替燃料とする製造方法
【請求項4】
前記フイルタープレスによる加圧脱水処理に先立って、汚泥を予備脱水しておくことを特徴とする、請求項1又は2記載の石炭の代替燃料とする製造方法
【請求項5】
前記フイルタープレスによる加圧脱水に先立って、汚泥をミキシングしておくことを特徴とする、請求項1又は2記載の石炭の代替燃料製造方法
【請求項6】
前記フイルタープレスによる加圧脱水処理に先立って、汚泥に凝集済を添加しておくことを特徴とする請求項1又は2記載の石炭の代替燃料製造方法
【請求項7】
前記脱水物の含水率がおよそ30〜45%程度になるように、前記フイルタープレスにおいて加圧脱水を施すことを特徴とする請求項1又は2記載の石炭の代替燃料とする製造方法
【請求項8】
前記脱水物含水率40%以下になるように、前記フイルタープレスにおいて加圧脱水を施すことを特徴とする請求項1又は2記載の石炭の代替燃料とする製造方法
【請求項9】
前記石炭の代替燃料に先って前記脱水物に含まれる細胞質成分(炭素質等)を燃料とすることを特徴とする請求項1又は2記の石炭の代替燃料とする製造方法
【請求項10】
石炭の代替燃料にする脱水ケーキと石炭粉末を混合しペレット化する石炭の代替燃料とする製造方法
【請求項11】
有機性汚泥から石炭の代替燃料にするために用いられる脱水システムであって圧締された状態で隣接する濾板間に濾室を形成するようになっている複数の濾板を備えており、石炭の代替燃料の原料となる汚泥を脱水処理するためのフイルタープレスと、汚泥に含まれる気体成分を脱気(排気)しながら該汚泥をフイルタープレスに圧送するとともに、濾室に充填された汚泥に含まれる微生物細胞の細胞壁(細胞膜)を圧壊させるための圧送装置と、を有していることを特徴とする脱水システム
【請求項12】
前記フイルタープレスの各濾室は、厚さ6〜8mm程度の脱水ケーキが形成される寸法を有していることを特徴とする請求項11記載の脱水システム
【請求項13】
前記圧送装置は、
汚泥を一時的に収容するための圧送室を有する圧力容器と、
前記圧送室に収容された汚泥を加圧するための加圧手段(例えば油圧シリンダ)と、圧力容器の外部から前記圧送室に汚泥を投入するための投入口と
前記加圧体が加圧方向に作動した際に、前記フイルタープレスへ向けて汚泥を前記圧送室から吐出させるための吐出口と、を有しており、前記圧力容器には、前記圧送室と圧力容器の外部との間を連通する切れ込みが形成されており、当該切れ込(スリット)には前記汚泥を濾過部材(例えば濾布、スポンジなど)が埋設されており、前記加圧手段が加圧方向に作動した際には、圧送室内の圧力の上昇に伴って、当該圧送室に収容された汚泥に含まれる気体成分が、前記切れ込み内の濾過部材を介して外部へ排気されるとともに、当該汚泥の液体成分及び固体成分が、前記吐出口から吐出されるようとなっていることを特徴とする請求項11記載の脱水システム
【請求項14】
前記圧送装置は
汚泥を一時的に収容するための圧送室を有する圧力容器と、前記圧送室に収容された汚泥を加圧するための加圧手段(例えば油圧シリンダ)と圧力容器の外部から前記圧送室に汚泥を投入するための投入口と、前記加圧体が加圧方向に作動した際に、前記フイルタープレスへ向けて汚泥を前記圧送室から吐出させるための吐出口と、を有しており、前記圧力容器には、前記汚泥を濾過するための濾過部材(例えば濾布、スポンジなど)を含んで構成されており、前記加圧手段が加圧方向に作働した際には、圧送室内の圧力の上昇に伴って、当該圧送室に収容された汚泥に含まれる気体成分が、前記脱気手段の濾過部材を介して外部へ排気されるとともに、当該汚泥の液体成分及び固体成分が、前記吐出口から吐出されるようになっていることを特徴とする請求項11記載の脱水システム
【請求項15】
前記圧送装置は、
汚泥を一時的に収容するための圧送室と前記圧送室に収容された汚泥を加圧するための加圧手段(例えば油圧シリンダ)と:
一端が前記圧送装置に接続されており前記容器からの汚泥を前記圧送室に投入させるための送給管と:
一端が前記圧送装置に接続されており、前記圧送装置によって圧送された汚泥が前記フイルタープレスへ向けて流動するようになっている圧送管
一端が前記圧送装置に接続されており排気口を有し、圧送室内にある汚泥の気体成分をシステム外部へ放出させるための脱気管と:
前記送給管に設けられ、該送給管における汚泥の流れを制御するための第一制御弁と
前記圧送管に設けられ、該圧送管における汚泥の流れを制御するための第2の制御弁と
前記脱気管に設けられており、一方と他方の間で脱気ナンバーを構成するための一組の制御弁であって、圧送装置寄りに配置された第3の制御弁と、排気寄りに配置された
第4の制御弁とを含むものと:を有しており、前記加圧手段が加圧方向に作動する際(及び作動している間)には
第1の制御弁が閉弁して、圧送室の汚泥が容器へ向けて逆流しないようにし
第2の制御弁を閉弁して、加圧された汚泥が圧送管へ送出されるようにし
第3の制御弁を開弁して、汚泥の気体成分が第3の制御弁と第4の制御弁との間の脱気チヤンバーに進入できるようにし
第4の制御弁を閉弁して、第3の制御弁を通過した気体成分を脱気チヤンバー内に閉込めるようにし
前記加圧手段が反加圧方向に作動する際(及び作動している間)には
第1の制御弁を開弁して、容器からの汚泥が圧送室に進入できるようにし
第2の制御弁を閉弁して、圧送管内の汚泥が圧送室へ向けて逆流しないようにし
第3の制御弁を閉弁して 脱気チンバー内に閉じ込められた気体成分が圧送室へ向けて逆流しないようにし
第4の制御弁を開弁して 脱気チャンバー内にある気体成分をシステム外に放出させることを特徴とする請求項11記載の脱水システム

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2009−270077(P2009−270077A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−151050(P2008−151050)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(500277467)東福商事有限会社 (11)
【Fターム(参考)】