説明

研磨装置

【課題】装置の不具合や故障を防止するとともに、研磨の効率化を図る。
【解決手段】直管状の管体pを支持可能なローラ2とローラ駆動装置3とを有する支持装置1を備え、前記支持装置1に隣接して研磨機10を備える。研磨機10は、基台11に支持軸12が軸周り回転自在に支持されて、その支持軸12の軸方向前端に回転砥石13が設けられ、後端には駆動装置14が接続されている。支持装置1は、内外を隔てる仕切部材21によって構成された研磨ブース20内に配置され、基台11は前記研磨ブース20外に配置されて管体pの管軸方向に沿って移動可能である。支持装置1と基台11との間を仕切る前記仕切部材21には、少なくとも支持軸12が挿通可能な大きさの孔22が設けられ、その孔22に挿通された前記支持軸12の軸方向前端に設けた前記回転砥石13を、前記駆動装置14からの駆動力によって回転させ、その回転砥石13を被研磨物(A)に宛がって研磨処理を施す研磨装置とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、鋳鉄管等の各種物品を研磨するために用いられる研磨装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、遠心鋳造法により製造された鋳鉄管では、管内面に粉体塗装等の内面被覆装が施される場合が多い。
その内面被覆装を行うに際し、その管体の管内面におけるスケールの除去や、管内面の平滑化を目的として、予め、研磨装置を用いて管内面の研磨を行うのが一般的である。
【0003】
従来の研磨装置としては、例えば、特許文献1に示すものがある。この研磨装置は、密閉された研磨ブース内に、被研磨物である管体を水平方向に支持する支持装置を備えている。管体は、その支持装置が備えるローラ上に載置され、ローラ駆動装置から供給される駆動力によってローラが回転することで、その回転力が管体に付与されて、管体が管軸周りに回転するようになっている。
【0004】
また、その支持装置に隣接して、管軸方向両側の床面に走行レールが設けられている。この走行レールは、管体の管軸方向の延長線上に沿って設けられ、この走行レール上に台車が載せられている。
【0005】
この台車には、水平方向の支持軸が軸周り回転自在に支持されている。また、その支持軸には、軸方向前端に回転砥石が設けられている。支持軸の軸方向後端が、台車の駆動装置に接続されて研磨機を構成している。
【0006】
台車がレール上を走行して管体に接近することで、支持軸の前端が管体の内部に挿入される。駆動装置から支持軸に駆動力が伝達され、その支持軸が回転することで前端の回転砥石も回転する。支持軸の上下方向位置、左右方向位置を調整し、回転砥石が回りながら管内面に接触する。
このとき、管体は管軸回りに回転しているので、その回転砥石で全周に亘り管内面を研磨することができる。また、台車の走行により、回転砥石と管体とが管軸方向に相対移動することで、その管内面を管軸方向全長に亘り研磨することができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平05−104424号公報(第5頁第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記研磨装置では、周囲への防音と防塵の観点から、前記ローラ、ローラ駆動装置等を備えた支持装置や、回転砥石、支持軸及びそれを支える台車、駆動装置等からなる研磨機など、装置全体が壁で覆われている。すなわち、研磨装置全体が、密閉された研磨ブース内に配置されている。
【0009】
このため、研磨によって生じた粉塵が、研磨機を構成する駆動装置、軸受等の機器類の中に入り込んで、装置の不具合や故障を誘発していた。
【0010】
そこで、この発明は、装置の不具合や故障を防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、この発明は、被研磨物を支持する支持装置と、前記支持装置に隣接して研磨機を備え、前記研磨機は、基台に支持軸が設けられてその支持軸の軸方向前端に回転砥石が設けられ、その支持軸には駆動装置が接続されており、前記研磨機の基台と前記支持装置に支持された被研磨物とは相互に接近離反する方向に相対移動可能となっており、内外を隔てる仕切部材によって構成された研磨ブース内に前記支持装置を配置し、前記研磨機の基台を前記研磨ブース外に配置し、前記支持装置と前記研磨機の基台との間を仕切る前記仕切部材には、少なくとも前記支持軸が挿通可能な大きさの孔が設けられ、前記孔に挿通された前記支持軸の軸方向前端に設けた前記回転砥石を、前記駆動装置からの駆動力によって回転させ、その回転砥石を前記被研磨物に宛がうことによりその前記被研磨物を研磨することを特徴とする研磨装置を採用した。
【0012】
研磨ブース内に前記支持装置を配置し、研磨機の基台を前記研磨ブース外に配置したので、研磨によって生じた粉塵は研磨ブース内に保持される。このため、研磨ブース外に配置した研磨機に不具合や故障が生じにくい。
【0013】
研磨する対象物である被研磨物は、例えば、板状の被研磨物、ブロック状の被研磨物,棒状の被研磨物等を採用することができ、その形状は限定されない。また、その被研磨物の素材も、木材、樹脂、金属などを採用することができ、その素材は限定されない。
このため、例えば、被研磨物として、上水道管、下水道管等に採用される管体を採用することができる。その管体としては、例えば、鋳鉄管が挙げられる。
【0014】
管体を被研磨物としその管内面を研磨する際、特に、その管体が直管であれば、ローラで管体を管軸回りに回転させながら、回転砥石をその管内に挿入する手法がある。
すなわち、被研磨物が直管の管体である場合、前記支持装置は、その管体を水平方向に支持可能なローラと、そのローラを回転させるローラ駆動装置とを有し、前記研磨機の基台と前記支持装置に支持された管体とは、その管体の管軸方向に沿って相対移動可能となっており、前記ローラ駆動装置からの駆動力によってローラが回転することで前記管体を管軸周りに回転させた状態で、前記駆動装置からの駆動力によって前記支持軸及び前記回転砥石を回転させ、その回転砥石を前記管体の内面に宛がうことによりその前記管体の内面を研磨する構成とすることができる。
【0015】
これらの各構成において、前記研磨機の基台と前記支持装置に支持された被研磨物との相対移動は、例えば、基台に対して被研磨物が移動する構成(不動の基台に対して、被研磨物が接近したり遠ざかったりする構成)としてもよいし、被研磨物に対して基台が移動する構成(不動の被研磨物に対して、基台が接近したり遠ざかったりする構成)としてもよい。あるいは、基台に対して被研磨物が移動する構成と、被研磨物に対して基台が移動する構成とを組み合わせた構成としてもよい。
【0016】
被研磨物に対して基台が移動する構成の場合、例えば、前記基台は、前記研磨ブース外に敷設されたレール上を走行可能となっており、その走行により、前記相対移動が可能となっている構成を採用することができる。
【0017】
これらの各構成において、孔の大きさを、回転軸が挿通可能なものであって、且つ、その回転軸よりも大径の回転砥石は挿通できないように設定した場合は、回転軸に対する回転砥石を取り付け、交換、取り外しは、孔を通じて回転軸の前端を研磨ブース内に差し入れた状態で、その研磨ブース内で行うこととなる。
また、孔の大きさを、回転軸及びその回転軸よりも断面の大きい回転砥石が挿通可能に設定した場合は、回転軸に対する回転砥石の取り付け、交換、取り外しは、研磨ブース外で行うこともできる。
【0018】
孔の大きさを、回転軸及び回転軸よりも断面の大きい回転砥石が挿通可能に設定した場合において、前記仕切部材は、前記孔を開閉する機能を有する開閉手段を備え、前記孔を通じて前記回転砥石を前記研磨ブース内へ入り込ませた状態で、前記開閉手段は、その孔を閉鎖可能である構成を採用することができる。
このようにすれば、孔が比較的大きくても、その孔内において支持軸周囲に生じ得る隙間を低減できる。すなわち、孔に開閉手段を備えることで、支持軸の周囲に生じる隙間を解消し、あるいは低減し、研磨によって生じた粉塵が研磨ブース外に飛散することを、より確実に防止できる。
なお、この開閉手段は、孔の大きさが回転軸が挿通可能なものであって、且つ、その回転軸よりも断面の大きい回転砥石は挿通できないように設定されている場合にも設けることができる。
【0019】
この開閉手段の構成としては、仕切部材に形成された孔に支持軸が挿通された状態で、その孔、特に、支持軸の外周と孔の内周との間の隙間を塞いだり開けたりできる周知の手段を採用してよく、例えば、布、紙、樹脂などのシート状物をカーテン状に吊して、そのシート状物で、支持軸の外周と孔の内周との間の隙間を塞ぐ手段が考えられる。また、支持軸の外周と孔の内周との間の隙間に、詰め物をしてもよい。
【0020】
さらに、他の構成からなる開閉手段としては、例えば、前記孔を夾んで両側に開閉板を備え、その開閉板同士が接近して、前記支持軸を両側から挟み込むことで、前記孔を閉じる構成を採用することができる。支持軸を両側から夾む構成とすれば、支持軸周囲の隙間がより生じにくくなる。
【0021】
なお、その開閉板は、上下方向に接近して前記支持軸を上下両側から挟み込む構成を採用することもできるし、横方向に接近して前記支持軸を左右両側から挟み込む構成を採用することもできる。
支持軸を左右両側から挟み込む開閉板の構成とすると、回転砥石を管内面に宛がうに際し、支持軸を上下方向に移動させると、支持軸は向かい合う開閉板の端縁間に沿って移動できる。このとき、支持軸が端縁に摺接しながら移動するようにしてもよいし、わずかな隙間をもってその端縁に沿って移動できる構成としてもよい。すなわち、支持軸の上下方向への移動を開閉板が妨げにくい構成となるから好ましい。
【0022】
さらに、前記開閉板は、前記支持軸を両側から挟み込む際の前記支持軸に触れる部分に可撓性を有する閉止部材を備え、その閉止部材の弾性変形により前記支持軸との間に隙間が生じることを抑制する構成を採用することができる。
閉止部材が弾性変形することにより、その閉止部材が支持軸の外周にぴったりと接触するようになり、支持軸の外周と孔の内周との間の隙間の解消、低減に寄与し得る。
【発明の効果】
【0023】
この発明は、研磨ブース内に前記支持装置を配置し、研磨機の基台を前記研磨ブース外に配置したので、研磨によって生じた粉塵は研磨ブース内に保持される。このため、研磨ブース外に配置した研磨機に不具合や故障が生じにくい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】一実施形態の全体図
【図2】管体、ローラ、及び回転砥石等との位置関係を示す側面図
【図3】研磨ブースの仕切部材に設けられた孔付近の詳細図
【図4】(a)は開閉手段を閉じた状態を示す説明図、(b)は開閉手段を開けた状態を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0025】
この発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。この実施形態は、遠心鋳造法により製造された鋳鉄管の管内面に粉体塗装を施すに際し、その前段で、管内面における平滑化を目的として研磨を行うために用いられるものである。
【0026】
研磨装置の構成を説明すると、図1に示すように、研磨ブース20内は、周囲から隔てられた空間であり、内部で発生した粉塵等が外部へ漏れ出にくい構成となっている。
この実施形態では、研磨ブース20は、仕切部材21としての側壁部、天井部によって周囲から密閉された空間を形成している。
【0027】
この研磨ブース20内に、支持装置1が配置されている。支持装置1は、被研磨物Aとして管軸が直線状になるように形成された直管からなる管体pを、その管軸方向が水平方向になるように支持可能なローラ2と、そのローラ2を回転させるローラ駆動装置3とを有している。この実施形態では、図1に示すように、ローラ2は管軸方向に沿って2箇所、また、その各々の箇所につき、図2に示すように、2つのローラを管軸直交方向に並列して配置し、それらのローラ2で管体pを支持している。
【0028】
また、その支持装置1に隣接して、管体pの管軸方向両側に研磨機10を備えている。なお、この実施形態では、研磨ブース20を夾んで両側に研磨機10を備えているが、必要に応じて、片側のみに研磨機10を配置した構成も採用できる。
【0029】
研磨機10の構成を説明すると、前記研磨ブース20外において、支持装置1に隣接して、管軸方向両側にレール15がそれぞれ敷設されている。レール15は、支持装置1によって支持された管体pの管軸方向の延長線と平行に設けられている。
そのレール15上に、車輪11aを備えた台車形式の基台11が走行可能に載置されている。基台11がレール15上を走行することにより、その支持装置1によって支持された管体pに対して基台11が、管体pの管軸方向に沿って接近したり遠ざかったり相対移動をすることができる。この基台11の走行は、図示しない走行用動力源及び制御装置によって制御される。
【0030】
前記基台11には、その軸方向が水平方向に向く支持軸12が支持されている。支持軸12は、パイプ内にフレキシブルシャフトが挿通されている構造となっており、そのフレキシブルシャフトの軸方向前端には回転砥石13が設けられている。回転砥石13はその外形が円形であり、回転砥石13が支持軸12の軸周りに回転しながら、その外周面が管内面に宛がわれることで研磨機能を発揮する。
【0031】
また、その支持軸12の後端には、前記基台11に設けた駆動装置14が接続されている。この実施形態では、駆動装置14はモータが採用されている。また、その支持軸12の位置は、基台11に設けた昇降装置16によって上下方向に調整できる。
なお、支持軸12の前端は受け台17で軸方向にスライド自在に支持されている。
【0032】
前記支持装置1と前記研磨機10の基台11との間を仕切る側壁部(前記仕切部材21)には、前記回転砥石13が挿通可能な大きさの孔22が設けられている。また、その側壁部には、前記孔22を開閉する機能を有する開閉手段23が備えられている。
【0033】
図1に矢印で示すように、基台11の走行によって、支持装置1によって支持された管体pに研磨機10の基台11が接近した際、その孔22を通じて前記回転砥石13が前記研磨ブース20内へ入り込むようになっている。図1で示す鎖線は、回転砥石13が管体p内に入り込んだ状態、及びそれに対応する基台11の位置を示している。
【0034】
実際に、管内面の研磨を行う際には、前記ローラ駆動装置3からの駆動力によってローラ2が回転することで前記管体pを管軸周りに回転させた状態で、前記駆動装置14からの駆動力によって前記支持軸12及び前記回転砥石13を軸周りに回転させ、その状態で、基台11を管体pに近づく方向へ走行させる。
【0035】
回転砥石13が孔22を通じて研磨ブース20内に入り込んで、さらに管体pの内部に挿入され、前記昇降装置16によって支持軸12の高さを調整しながら(図2の実線及び鎖線で示された回転砥石13を参照)、その回転砥石13を管体pの管内面に宛がう。管体pは管軸回りに回転しており、回転砥石13も回転しているから、管体pの管内面は、その全周に亘って研磨されていく。そして、基台11がレール15上をゆっくりと走行することにより、管体pの管内面はその全長に亘って研磨されていく。
【0036】
この実施形態では、研磨機10を2台備えているので、両方の研磨機10を同時に使用してもよいし、一方の研磨機10を稼働させて、他方を待機状態又は休止状態としてもよい。
【0037】
このように、回転砥石13及び支持軸12を孔22に挿通した際に、そのままでは、支持軸12の外周と孔22の内周との間に隙間が生じてしまうことから、その隙間の解消、低減のために、前記開閉手段23を機能させている。
【0038】
すなわち、開閉手段23は、図3に示すように、前記孔22の中心を夾んで左右両側に開閉板24を備えている。各開閉板24は、スライドレール26によって横方向に移動可能に支持されている。
図4(b)に示すように、前記孔22を通じて前記回転砥石13及び支持軸12を研磨ブース20内へ入り込ませた状態で、開閉板24同士を相互に接近させる方向へ移動させることで、図4(a)に示すように、両開閉板24は支持軸12を両側から挟み込む状態となる。この挟み込みにより孔22を閉じた状態とできる。
【0039】
このとき、前記開閉板24は、それぞれ、その向かい合う端縁側に閉止部材25を備えている。すなわち、開閉板24は、前記支持軸12に触れる部分に可撓性を有する閉止部材25を備えている。
この実施形態では、閉止部材25の素材としてゴムを採用している。
【0040】
この閉止部材25が支持軸12に触れて適宜弾性変形することにより、その支持軸12の周囲に隙間が生じることを抑制するのである。
閉止部材25は、支持軸12の外周に沿ってしなやかに変形して、その隙間を解消できる変形性能を有していることが望ましい。
【0041】
また、支持軸12は、回転砥石13を管内面に宛がう際に、前述のように、上下方向に移動させる必要があることから、その支持軸12の移動に追随して閉止部材25が適宜弾性変形をし、常に支持軸12の外面への接触を維持して、支持軸12周囲の隙間の発生を抑制するのである。
【0042】
なお、この実施形態では、開閉板24を横方向に移動可能として、支持軸12を左右両側から挟み込む構成としたが、開閉板24を上下方向に移動可能として、支持軸12を上下両側から挟み込む構成とすることもできる。
このとき、支持軸12を上下方向に移動させる際に、その支持軸12の移動を開閉板24が妨げないようにすることが望ましい。例えば、その支持軸12の上下方向への移動に連動して、対の開閉板24が、共に支持軸12への接触を維持するように移動するようにしてもよい。
【0043】
この実施形態では、孔22は、支持軸12及びその支持軸12よりも断面の大きい回転砥石13がともに挿通可能な大きさとしたが、さらに孔22を小さくして、例えば、支持軸12が挿通可能で、回転砥石13は挿通できない大きさとしてもよい。この場合、孔22を通じて支持軸12の前端を研磨ブース20内に差し入れた状態で、その支持軸12に対して回転砥石13を取り付け、交換、取り外しすることとなる。
【0044】
この実施形態では、被研磨物Aとして直管の管体pを採用したが、直管以外の管体p、例えば、曲がり管やT字管、Y字管などの異形管を被研磨物Aとしてもよい。
このような異形管を被研磨物Aとする場合は、回転砥石13がその被研磨物Aの研磨対象部位を全て研磨できるよう、支持装置1には、前記直管の管体pを管軸回りに回転させる手段に代えて、例えば、被研磨物Aの位置を変えたり向きを変えたりできる動作手段を設けるか、あるいは、支持軸12の軸方向進退や上下方向への移動、水平方向への移動ができる動作手段を基台11に設けることができる。また、いずれの管体pにおいても、管内面だけでなく管外面や管端部を研磨対象部位とすることもできる。
【0045】
また、管体p以外の被研磨物Aを採用することもできる。例えば、板状の被研磨物A、ブロック状の被研磨物A、棒状の被研磨物A等を採用することができ、採用可能な被研磨物Aの形状は限定されない。また、その被研磨物の素材も、木材、樹脂、金属などを採用することができ、その素材は限定されない。
【符号の説明】
【0046】
1 支持装置
2 ローラ
3 ローラ駆動装置
10 研磨機
11 基台
12 支持軸
13 回転砥石
14 駆動装置
15 レール
16 昇降装置
17 受け台
20 研磨ブース
21 仕切部材
22 孔
23 開閉手段
24 開閉板
25 閉止部材
26 スライドレール
p 被研磨物(管体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被研磨物(A)を支持する支持装置(1)と、前記支持装置(1)に隣接して研磨機(10)を備え、前記研磨機(10)は、基台(11)に支持軸(12)が設けられてその支持軸(12)の軸方向前端に回転砥石(13)が設けられ、その支持軸(12)には駆動装置(14)が接続されており、前記研磨機(10)の基台(11)と前記支持装置(1)に支持された被研磨物(A)とは相互に接近離反する方向に相対移動可能となっており、
内外を隔てる仕切部材(21)によって構成された研磨ブース(20)内に前記支持装置(1)を配置し、前記研磨機(10)の基台(11)を前記研磨ブース(20)外に配置し、前記支持装置(1)と前記研磨機(10)の基台(11)との間を仕切る前記仕切部材(21)には、少なくとも前記支持軸(12)が挿通可能な大きさの孔(22)が設けられ、
前記孔(22)に挿通された前記支持軸(12)の軸方向前端に設けた前記回転砥石(13)を、前記駆動装置(14)からの駆動力によって回転させ、その回転砥石(13)を前記被研磨物(A)に宛がうことによりその前記被研磨物(A)を研磨することを特徴とする研磨装置。
【請求項2】
前記被研磨物(A)は直管の管体(p)であり、前記支持装置(1)は、その管体(p)を水平方向に支持可能なローラ(2)と、そのローラ(2)を回転させるローラ駆動装置(3)とを有し、前記研磨機(10)の基台(11)と前記支持装置(1)に支持された管体(p)とは、その管体(p)の管軸方向に沿って相対移動可能となっており、
前記ローラ駆動装置(3)からの駆動力によってローラ(2)が回転することで前記管体(p)を管軸周りに回転させた状態で、前記駆動装置(14)からの駆動力によって前記支持軸(12)及び前記回転砥石(13)を回転させ、その回転砥石(13)を前記管体(p)の内面に宛がうことによりその前記管体(p)の内面を研磨することを特徴とする研磨装置。
【請求項3】
前記基台(11)は、前記研磨ブース(20)外に敷設されたレール(15)上を走行可能となっており、その走行により、前記相対移動が可能となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の研磨装置。
【請求項4】
前記孔(22)は、前記支持軸(12)よりも断面の大きい前記回転砥石(13)が挿通可能な大きさであり、前記仕切部材(21)は、前記孔(22)を開閉する機能を有する開閉手段(23)を備え、前記孔(22)を通じて前記回転砥石(13)を前記研磨ブース(20)内へ入り込ませた状態で、前記開閉手段(23)は、その孔(22)を閉鎖可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の研磨装置。
【請求項5】
前記開閉手段(23)は、前記孔(22)を夾んで両側に開閉板(24)を備え、その開閉板(24)同士が接近して、前記支持軸(12)を両側から挟み込むことで、前記孔(22)を閉じることを特徴とする請求項4に記載の研磨装置。
【請求項6】
前記開閉板(24)は、前記支持軸(12)を両側から挟み込む際の前記支持軸(12)に触れる部分に可撓性を有する閉止部材(25)を備え、その閉止部材(25)の弾性変形により前記支持軸(12)との間に隙間が生じることを抑制することを特徴とする請求項5に記載の研磨装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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