説明

砕土部材

【課題】二軸ロータリ耕耘機における砕土軸に装着される砕土部材であって、車輌幅方向に関し十分な砕土領域を確保しつつ、藁や草等の不要物が絡み付くことを可及的に防止し得る砕土部材を提供する。
【解決手段】二軸ロータリ耕耘機400における砕土軸422に装着される砕土部材423は、砕土軸422に相対回転不能に外挿されるベース部423aと、基端部423b’がベース部423aの径方向外端部に固着され且つ先端部423b”が自由端部とされたロッド部423bとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二軸ロータリ耕耘機における砕土軸に装着される砕土部材に関する。
【背景技術】
【0002】
車輌幅方向に沿うように配設された耕耘軸と、前記耕耘軸より車輌後方側において車輌前後方向に沿うように配設された砕土軸とを備えた二軸ロータリ耕耘機は、従来から広く利用されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
さらに、前記特許文献には、前記砕土軸に装着される砕土部材として、砕土爪、代掻きハロー及びカゴ型ハローが記載されている。
【0004】
しかしながら、前記砕土爪は、車輌幅方向に関し砕土領域を十分に確保することができず、結果として、十分な砕土作用を得ることができないという問題がある。
一方、前記代掻きハロー又はカゴ型ハローは、車輌幅方向に関し砕土領域を確保できるが、その反面、草や藁等の不要物が絡み付き易く、砕土作業効率が悪化するという問題がある。
【特許文献1】特開昭60−19406号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、二軸ロータリ耕耘機における砕土軸に装着される砕土部材であって、車輌幅方向に関し十分な砕土領域を確保しつつ、藁や草等の不要物が絡み付くことを可及的に防止し得る砕土部材の提供を、一の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前記目的を達成する為に、作業車輌本機に設けられたPTO軸によって作動的に駆動される耕耘軸と、前記耕耘軸に設けられた耕耘爪と、前記耕耘軸より車輌後方側に配設され、前記PTO軸から前記耕耘軸への動力伝達経路から分岐された動力によって駆動される砕土軸とを備えた二軸ロータリ耕耘機における前記砕土軸に装着される砕土部材であって、前記砕土軸に相対回転不能に外挿されるベース部と、基端部が前記ベース部の径方向外端部に固着され且つ先端部が自由端部とされたロッド部とを備えていることを特徴とする砕土部材を提供する。
【0007】
本発明にいう「ベース部の径方向外端部」とは、前記ベース部の径方向最外端位置から径方向内方へ向かう所定の周縁領域を含む概念である。
又、前記ロッド部は、前記自由端部が前記砕土軸の軸線方向に関し前記ベース部を基準して一方側及び他方側に位置していてもよい。この場合、該ロッド部の基端部は、前記一方側の自由端部と前記他方側の自由端部との間に位置する。
【0008】
本発明に係る砕土部材において、前記ロッド部の具体的態様として、次のものを例示できる。即ち、
(a)前記ロッド部は、前記基端部から前記自由端部へ行くに従って前記砕土軸の回転方向上流側へ後退している態様、
(b)前記ロッド部は、周方向に複数個設けられており、隣接するロッド部は、回転半径が異なる態様、
(c)前記ロッド部は、前記砕土軸の軸線回り最下点に位置した際に、基端部から自由端部へ至る全体が上下方向に関し略同一位置に位置するように構成されている態様、
(d)前記(a)から(c)の態様のうち少なくとも二つを組み合わせた態様である。
【0009】
本発明に係る砕土部材において、前記砕土軸に外挿されるボス部であって、前記ベース部の径方向内端部が固着されるボス部をさらに備えていてもよい。この場合、前記ボス部には、軸線方向及び周方向に変位された複数の位置決め孔が設けられており、前記複数の位置決め孔の軸線方向ピッチは、前記砕土軸に設けられた取付孔の軸線方向ピッチよりも間隔が狭いことが好ましい。
【0010】
又、本発明に係る砕土部材において、前記ベース部は、例えば、プレート状のものとされていてもよいし、前記砕土軸に対して径方向外方に向けて放射状に延びるように設けられたスポーク状のものとされていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る砕土部材では、基端部が前記ベース部の径方向外端部に固着され且つ先端部が自由端部とされた前記ロッド部を備えているので、該ロッド部によって車輌幅方向に関する砕土領域を十分に確保した状態で砕土することができる。さらに、前記ロッド部は、先端部が自由端部とされているので、藁や草等の不要物を絡み付き難い状態で砕土することができる。
従って、本発明に係る砕土部材によれば、車輌幅方向に関し十分な砕土領域を確保しつつ、藁や草等の不要物が絡み付くことを可及的に防止することができる。
【0012】
又、前記ロッド部は、前記基端部から前記自由端部へ行くに従って前記砕土軸の回転方向上流側へ後退している場合には、藁や草等の不要物をさらに絡み付き難くすることができ、これにより、砕土性能を良好に維持することが可能となる。
【0013】
又、前記ロッド部は、周方向に複数個設けられており、隣接するロッド部は、回転半径が異なる場合には、砕土する前記複数のロッド部のうち、所定の回転半径を有する一のロッド部と、該一のロッド部とは回転半径が異なる次のロッド部とで砕土状態を異ならせることができるので、押し固められたような砕土状態を可及的に防止しつつ砕土することが可能となる。
【0014】
又、前記ロッド部は、前記砕土軸の軸線回り最下点に位置した際に、基端部から自由端部へ至る全体が上下方向に関し略同一位置に位置するように構成されている場合には、前記ロッド部は、前記砕土軸の軸線回り最下点では、常に、水平方向に沿った姿勢となる為、均一な砕土表面が得られるように砕土することが可能となる。
【0015】
又、前記ボス部をさらに備え、前記ボス部には、軸線方向及び周方向に変位された複数の位置決め孔が設けられており、前記複数の位置決め孔の軸線方向ピッチは、前記砕土軸に設けられた取付孔の軸線方向ピッチよりも間隔が狭い場合には、前記砕土軸に対して前記砕土部を取り付ける際に、前記砕土軸における前記所定ピッチの前記取付孔と、前記砕土部材における前記ボス部の前記複数の位置決め孔のうち何れかの孔とを位置合わせすることで、前記砕土部材を軸線方向に関し前記所定ピッチの範囲内で微調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る砕土部材の一実施の形態について添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施の形態に係る砕土部材が適用された二軸ロータリ耕耘機を付設する作業車輌の概略側面図である。
【0017】
図1に示す如く、乗用トラクタの形態をなす前記作業車輌100は、作業車輌本機50と、該本機50の後部に連結された二軸ロータリ耕耘機400とを備えている。
前記本機50は、走行機体1と、該走行機体1を支持する左右一対の前車輪2及び左右一対の後車輪3と、該走行機体1の前部に搭載されたエンジン4とを備えており、前記エンジン4からの動力によって前記後車輪3及び前記前車輪2を作動的に駆動することにより、前後進走行するように構成されている。なお、図中の符号5は前記エンジン4を覆うボンネットである。
【0018】
前記走行機体1は、前バンパ11及び前車軸ケース12を有するエンジンフレーム13と、該エンジンフレーム13の後部にボルトにて着脱自在に固定される左右の機体フレーム15とを有している。
前記機体フレーム15の後部には、前記エンジン4の回転を適宜変速してそれぞれ後輪軸3a及び前輪軸2aを介して前記後車輪3及び前記前車輪2に伝達するためのミッションケース16が連結されている。
なお、前記ミッションケース16の後端面には、前記二軸ロータリ耕耘機400の駆動力を出力する為のPTO軸18が後向きに突出するように設けられている。
【0019】
さらに、前記作業車輌100は、前記走行機体1の上面に設けられたキャビン6を有している。該キャビン6の内部には、操縦座席7と、かじ取りすることによって前記前車輪2の操向方向を左右に動かすように構成された操縦ハンドル(丸ハンドル)8とが設置されている。該操縦ハンドル8は、前記操縦座席7の前方に位置する操縦コラム19上に設けられている。
又、前記キャビン6内には、さらに、前記走行機体1を制動操作するための左右ブレーキペダル20と、前記エンジン4から前記前車輪2及び前記後車輪3への動力伝達の係脱操作を行う為のクラッチペダル21と、前記二軸ロータリ耕耘機400の高さ位置を手動で変更操作するための上下位置設定手段として作用する作業機昇降レバー22と、前記PTO軸18からの出力を変速操作する為のPTO変速レバー23と、前記本機50の走行速度を変速操作する為の走行変速レバー24と、前記エンジン4から前記後車輪3への動力伝達経路に介挿されるディファレンシャル機構をロック操作する為のデフロックペダル25とが配置されている。
前記キャビン6の外側部には、作業者が乗降するステップ9が設けられ、該ステップ9より内側で且つ該キャビン6の底部より下側には、前記エンジン4に燃料を供給する燃料タンク10が設けられている。
【0020】
前記二軸ロータリ耕耘機400は、作業車輌本機(ここでは、ミッションケース16の後部)に、リンク機構300を介して上下揺動可能に連結されている。
本実施の形態においては、前記リンク機構300は、トップリンク320及び左右一対のロワーリンク311,312を備えた3点リンク機構とされている。
【0021】
前記左右一対のロワーリンク311,312は、前端側が前記ミッションケース16後部の左右側面のそれぞれにロワーリンクピン313を介して回動可能に連結され、且つ、後端側がヒッチフレーム310の下端部に下ヒッチピン314を介して連結されている。
前記トップリンク320は、前端側が下記作業機用昇降機構200の後部のトップリンクヒッチ210にトップリンクピン211を介して連結され、且つ、後端側が下記上リンクフレーム401の前端側に上ヒッチピン321を介して連結されている。
詳しくは、前記トップリンク320は、ターンバックル320aの回転にて伸縮されて、該トップリンク320の長さを変更調節可能となるように構成されている。
【0022】
前記ミッションケース16の後部上面には、前記二軸ロータリ耕耘機400を昇降動する為の油圧式作業機用昇降機構200が着脱可能に取付けられている。
油圧式の作業機用昇降機構200は、昇降用アクチュエータとして作用する単動形の昇降制御油圧シリンダ(図示せず)と、該油圧シリンダにおけるピストンによって作動的に回動される左右一対のリフトアーム221,222とを有している。
【0023】
進行方向に向かって左側の前記リフトアーム221は、左リフトロッド231を介して対応する左側の前記ロワーリンク311に連結されている。
進行方向に向かって右側の前記リフトアーム222は、右リフトロッド232を介して対応する右側の前記ロワーリンク312に連結されている。
つまり、前記二軸ロータリ耕耘機400は、前記昇降制御油圧シリンダによって前記左右一対のリフトアーム221,222が車輌幅方向に沿った回動軸回りに揺動することで、前記トップリンク320及び前記一対のロワーリンク311,312の前端部回りに昇降するようになっている。
【0024】
なお、前記右リフトロッド232には、前記二軸ロータリ耕耘機400を前記本機50に対して傾動させる傾動用アクチュエータとして作用する複動形の傾斜制御油圧シリンダ240が介挿されている。
つまり、前記二軸ロータリ耕耘機400は、前記傾斜制御油圧シリンダ240のピストンロッド241が進退することによって、前記左右一対のリフトロッド231,232の他方(ここでは、左リフトロッド231)と該他方のリフトロッド231に対応したロアーリンク311との連結点(即ち、前記二軸ロータリ耕耘機400の車輌幅方向中心位置から一方側へ変位された位置)を支点Qとして、傾動するようになっている。
【0025】
図2は、図1に示す作業車輌100における二軸ロータリ耕耘機400部分を示す図であって、図2(a)は、該二軸ロータリ耕耘機400の概略側面図であり、図2(b)は、該二軸ロータリ耕耘機400において、カバー部材等の一部の部材を取り外した状態を示す概略側面図である。
又、図3は、図1に示す二軸ロータリ耕耘機400を左斜め上後方から視た概略斜視図であり、図4は、図1に示す二軸ロータリ耕耘機400を斜め下後方から視た概略斜視図である。
なお、図4においては、後述する整形前部上面カバー425等を取り外した状態を示している。
【0026】
図1から図4に示すように、前記二軸ロータリ耕耘機400は、耕耘軸411と、耕耘爪412と、砕土軸422と、砕土部材423とを備えている。
前記耕耘軸411は、前記作業車輌本機50に設けられたPTO軸18によって作動的に(ここでは両端に自在継手が備えられた伝動軸452を介して)駆動されるように構成されており、前記耕耘爪412は、前記耕耘軸411に設けられている。
【0027】
又、前記砕土軸422は、前記耕耘軸411より車輌後方側に配設され、前記PTO軸18から前記耕耘軸411への動力伝達経路から分岐された動力によって駆動されるように構成されており、前記砕土部材423は、前記砕土軸422に設けられている。
【0028】
次に、本実施の形態に係る砕土部材423について詳述する。
図5は、図4に示す前記砕土軸422及び前記砕土部材423部分を拡大して示す図である。
又、図6から図8は、前記砕土部材423を示す図であって、図6(a)は、該砕土部材423の右側面図(左側面図)であり、図6(b)は、該砕土部材423の左側面図(右側面図)であり、図7(a)は、該砕土部材423の背面図(正面図)であり、図7(b)は、該砕土部材423の平面図(底面図)であり、図8は、該砕土部材423の斜視図である。
【0029】
図5から図8に示すように、前記砕土部材423は、ベース部423aと、ロッド部423bとを備えている。
前記ベース部423aは、前記砕土軸422に相対回転不能に外挿されるように構成されている。
前記ロッド部423bは、基端部423b’が前記ベース部423aの径方向外端部に固着され且つ先端部423b”が自由端部とされている。
【0030】
ここでは、前記ロッド部423bが設けられる前記ベース部423aの径方向外端部は、図6の斜線部の領域αとされており、前記ベース部423aの径方向最外端位置から径方向内方へ向かう所定の周縁領域を含んでいる。
又、前記ロッド部423bは、図7に示すように、前記自由端部423b”が前記砕土軸422の軸線方向に関し前記ベース部423aを基準して一方側及び他方側に位置しており、該ロッド部423bの基端部423b’は、前記一方側の自由端部423b”と前記他方側の自由端部423b”との間に位置している。
【0031】
本実施の形態に係る砕土部材423では、基端部423b’が前記ベース部423aの径方向外端部に固着され且つ先端部423b”が自由端部とされている前記ロッド部423bを備えているので、該ロッド部423bによって車輌幅方向に関する砕土領域を十分に確保した状態で砕土することができる。さらに、前記ロッド部423bは、先端部423b”が自由端部とされているので、藁や草等の不要物を絡み付き難い状態で砕土することができる。
従って、本実施の形態に係る砕土部材423によれば、車輌幅方向に関し十分な砕土領域を確保しつつ、藁や草等の不要物が絡み付くことを可及的に防止することができる。
又、前記砕土部材423は、前記ロッド部423bが前記ベース部423aの径方向外端部に設けられるといった簡単な構成なので、該砕土部材423の軽量化を実現できると共に、土の詰まり等の不都合を有効に防止しつつ砕土することができる。
【0032】
本実施の形態においては、前記ロッド部423bは、前記基端部423b’から前記自由端部423b”へ行くに従って前記砕土軸422の回転方向(図8の矢印A参照)上流側へ後退している。
斯かる構成を備えた前記砕土部材423では、藁や草等の不要物をさらに絡み付き難くすることができ、これにより、砕土性能を良好に維持することが可能となる。
なお、前記砕土軸422に沿った仮想直線βと前記ロッド部423bとのなす後退角度θ(図7(a)及び図8参照)は、それには限定されないが、20°〜40°程度を例示できる。
【0033】
又、本実施の形態においては、前記ロッド部423bは、前記ベース部423aに周方向に(ここでは周方向に均等に)複数個設けられており、隣接するロッド部423bは、回転半径が異なるように構成されている(図6参照)。
斯かる構成を備えた前記砕土部材423では、砕土する前記複数のロッド部423b,423b,…のうち、所定の回転半径rを有する一のロッド部423b’と、該一のロッド部423bとは回転半径Rが異なる次のロッド部423b”とで砕土状態を異ならせることができるので、押し固められたような砕土状態を可及的に防止しつつ砕土することが可能となる。
なお、前記複数のロッド部423b,423b,…の回転半径のうちの最小の回転半径は、それには限定されないが、最大の回転半径の70%〜80%程度を例示できる。
【0034】
又、本実施の形態においては、前記ロッド部423b,423b,…は、図6及び図7に示すように、前記砕土軸422の軸線回り最下点に位置した際に、基端部423b’から自由端部423b”へ至る全体が上下方向に関し略同一位置に位置するように構成されている。
斯かる構成を備えた前記砕土部材423では、前記ロッド部423b,423b,…は、前記砕土軸422の軸線回り最下点では、常に、水平方向に沿った姿勢となる為、均一な砕土表面が得られるように砕土することが可能となる。
【0035】
本実施の形態においては、前記砕土部材423は、前記砕土軸422に対して軸線方向位置調整可能に固定されている。
図9は、前記砕土軸422、及び前記砕土部材423におけるボス部を示す図である。
【0036】
本実施の形態においては、図5及び図9に示すように、前記砕土軸422は、軸線方向に沿って所定ピッチP1(図9参照)で設けられた複数の取付孔(ここでは軸線方向に略直交する方向に貫通する複数の取付孔)422a,422a,…を有している。
前記砕土部材423は、前記砕土軸422に外挿されるボス部423cであって、前記ベース部423aの径方向内端部が固着されるボス部423cをさらに備えている。
そして、前記ボス部423cには、位置決め孔423c’(ここでは軸線方向に略直交する方向に貫通する位置決め孔)が設けられており、これにより、前記砕土部材423は、前記位置決め孔423c’に挿通される取付ピン等の固定部材422a’が前記複数の取付孔422a,422a,…のうち何れかの孔に取り付けられることによって、前記砕土軸422に位置決め固定されるようになっている。
【0037】
このように、本実施の形態においては、前記砕土部材423は、前記砕土軸422に対して軸線方向位置調整可能に固定されているので、砕土領域を車輌幅方向に関し調整することができ、これにより必要な部分の砕土が可能となる。
【0038】
又、本実施の形態おいては、前記砕土部材423は、図5に示すように、互いに別体とされた複数(ここでは4個)のものとされ、該複数の砕土部材423,423,…は、それぞれ、前記砕土軸422に対して軸線方向位置調整可能に固定されていている。
斯かる構成によれば、車輌幅方向に関し、前記複数の砕土部材423,423,…によって砕土される領域を、植付領域に応じてそれぞれ異ならせることができる。
又、砕土する畦Fの幅が変更された場合でも、隣り合う砕土部材423,423間の距離d(図5参照)を変更することができ、これにより、畦の幅に応じた専用幅の砕土部材を用意することなく、該変更された畦Fの幅に対応させることができる。
【0039】
又、本実施の形態においては、図9に示すように、前記ボス部423cには、軸線方向及び周方向に変位された複数の位置決め孔(ここでは軸線方向及び周方向に変位するように軸線方向に略直交する方向に貫通する2箇所の位置決め孔)423c’,423c’が設けられている。
そして、前記複数の位置決め孔423c’,423c’の軸線方向ピッチP2は、前記所定ピッチP1よりも間隔が狭くなっている。
斯かる構成では、前記砕土軸422に対して前記砕土部材423,423,…を取り付ける際に、前記砕土軸422における前記所定ピッチP1の前記取付孔422aと、前記砕土部材423,423,…における前記ボス部423cの前記複数の位置決め孔423c’,423c’のうち何れかの孔とを位置合わせすることで、前記砕土部材423,423,…を軸線方向に関し前記所定ピッチP1の範囲内で微調整することが可能となる。
【0040】
なお、前記砕土軸422及び前記ボス部423cは、ここでは、筒状のものとされている。
又、前記ベース部423aは、図5から図8に示すように、ここでは、プレート状のものとされている。なお、それに限定されるものではなく、前記砕土軸422に対して径方向外方に向けて放射状に延びるように設けられたスポーク状のものとされていてもよい。
又、前記砕土部材423は、前記ロッド部423bの数を適宜増減してもよい。例えば、図15から図17に示す如く、前記ロッド部423bの数を適宜増やしてもよい。
【0041】
本実施の形態においては、前記二軸ロータリ耕耘機400は、前記耕耘軸422及び前記耕耘爪412を含む耕耘部410と、前記耕耘部410より車輌後方側に配設された整形部421とを備え、ロータリ整形機として作用するように構成されている。
詳しくは、図1から図4に示すように、前記整形部420は、整形板421と、砕土軸422と、砕土部材423とを有している。
前記整形板421は、前記耕耘部410によって耕耘された土G’を畦形状に整形するように構成されている。
前記砕土軸422は、前記整形板421によって整形された畦Fの上部Tを砕土し得るように前記PTO軸18からの動力によって作動的に駆動されている。
【0042】
図10は、図1に示す二軸ロータリ耕耘機400によって土Gが耕耘,整形及び砕土される一連の作業を示す模式図である。
前記二軸ロータリ耕耘機400では、図10に示すように、前記耕耘部410によって土Gを粗く耕耘し、前記耕耘部410によって粗く耕耘された土G’を前記整形板421によって畦形状に整形し、さらに前記整形板421によって整形された粗い土の畦Fの上部Tを、前記砕土軸422に設けられた前記砕土部材423によってより細かく砕土することができる。
このように、前記二軸ロータリ耕耘機400によれば、前記耕耘部410によって粗く耕耘された土Gを前記整形板421によって畦形状に整形すると共に、前記整形板421によって整形された粗い土の畦Fの上部Tを、前記砕土軸422に設けられた前記砕土部材423によってより細かく砕土できるので、植付領域となる上面部がより細かく砕土された畦を一工程で形成することが可能となる。
【0043】
本実施の形態においては、前記二軸ロータリ耕耘機400は、図2(b)及び図10に示すように、前記砕土部材423の回転軌跡K1の少なくとも一部が、側面視において前記整形板421とオーバーラップするように構成されている。
斯かる構成を備えることにより、前記二軸ロータリ耕耘機400は、前記整形板421によって粗い土G’の畦を整形すると同時に該整形された畦Fの上部Tを前記砕土部材423によってより細かく砕土することができる。従って、前記整形板421によって粗い土の畦Fが整形されている状態で前記砕土部材423によって該畦Fの上部Tをより細かく砕土できるので、該畦Fの植付領域となる上面部のみを効果的に砕土することができ、これにより、例えば、播種、移植に適した畦を得ることが可能となる。
【0044】
又、本実施の形態においては、前記砕土軸422が前記PTO軸18から前記耕耘軸411への動力伝達経路から分岐された動力によって駆動されるようになっている。
図11に、前記二軸ロータリ耕耘機400の動力取出機構及び砕土用伝動機構部分を右斜め上後方から視た概略斜視図を示す。
前記整形部420は、前記砕土軸422及び前記砕土部材423に加えて、図11に示すように、動力取出機構430と、砕土用伝動機構440と、前記砕土用伝動機構440を収容する砕土用伝動ケース450とを備えており、前記動力取出機構430は、前記PTO軸18から前記耕耘軸411へ至る伝動経路から回転動力を取り出すように構成されている。
【0045】
詳しくは、前記砕土用伝動機構440は、前記動力取出機構430に作動連結された入力部441及び前記入力部441より下方に位置する出力部442(図4参照)を有している。
又、前記砕土軸422は、図4に示すように、前記出力部442に作動連結された状態で前記砕土用伝動ケース450に支持されており、前記砕土部材423は、前記砕土軸422に設けられている。
そして、前記砕土用伝動ケース450は、図10に示すように、前記入力部441回り揺動可能に前記耕耘部410に支持されている。
図14は、前記砕土用伝動ケース450が前記入力部441回り揺動可能に前記耕耘部410に支持されている状態を左斜め上側方から視た斜視図である。
本実施の形態においては、前記砕土用伝動ケース450は、図14に示すように、前記耕耘部410に設けられた固定支持部材410aに前記入力部441における入力軸443回り揺動可能且つ位置調整可能に支持されている。
具体的には、前記固定支持部材410aには、前記入力軸443回りの周方向に沿った長孔(ここでは、2箇所の長孔)410bが設けられている。
そして、前記砕土用伝動ケース450は、前記入力軸443回りに上下揺動可能とされており、前記固定支持部材410aに設けられた前記長孔410bに挿通されるボルト等の固定部材410cによって、該長孔410bの長さの範囲内で、前記入力軸443回り位置調整可能に固定されている。
【0046】
斯かる構成を備えることにより、前記二軸ロータリ耕耘機400は、前記砕土用伝動ケース450の前記入力部441回りの揺動によって、前記整形板421によって整形された粗い土の畦Fの上部Tにおいてより細かく砕土される砕土層Sの深さhを調整することができる。
即ち、前記砕土用伝動ケース450が前記入力部441回り下方へ揺動される場合には、砕土層S1の深さh1は、前記入力部441回り上方へ揺動される場合(例えば、図10の鎖線位置に位置している場合)の砕土層S2の深さh2よりも深くなるように調整することができる。
これにより、植付ける作物に適した深さhの砕土層Sを有する畦Fを得ることができる。
【0047】
前記二軸ロータリ耕耘機400について図12及び図13も参照しながらさらに具体的に説明する。
図12に、前記耕耘部410の耕耘用動力伝動機構部分の展開断面図を示す。
前記耕耘部410は、前記耕耘軸411及び前記耕耘爪412に加えて、入力軸413と、ギヤケース414と、従動軸415と、メインビーム416と、耕耘用伝動ケース417と、耕耘用伝動機構418とを備えている。
【0048】
本実施の形態においては、前記耕耘部410は、前記従動軸415,前記メインビーム416,前記耕耘用伝動ケース417,前記耕耘用伝動機構418及び前記耕耘軸411を左右一対備えている。
斯かる形態においては、例えば、前記入力軸413からの動力を車輌幅方向の両外端部において前記耕耘軸411,411にそれぞれ伝達するように構成することができる。
なお、図12では、一対の構成のうち、一方(ここでは進行方向に向かって右側)の構成を示しているが、他方の構成は、前記動力取出機構430の後述する第1伝動プーリー431が設けられていないことを除いて前記一方の構成と実質的に同一構成を備えている。
従って、図12においては、前記一方の構成に代表させて示している。
【0049】
前記入力軸413は、前記PTO軸18に作動連結されるように構成されている。
詳しくは、前記入力軸413は、前記PTO軸18に前記伝動軸452を介して作動連結されるように構成されており、前記エンジン4からの動力が該PTO軸18及び前記伝動軸452を介して伝達されるようになっている。
【0050】
前記ギヤケース414は、前記入力軸413を車輌前後方向に沿うように支持しており、前記従動軸415,415は、前記入力軸413に作動連結された状態で車輌幅方向に沿って延びている。
詳しくは、前記従動軸415,415は、前記入力軸413を挟んで左右に延びており、該入力軸413からの動力が駆動伝達機構350によって伝達されるように、該駆動伝達機構350を介して該入力軸413に作動連結されている。
【0051】
具体的には、前記従動軸415,415は同軸上に一体的に連結されており、前記駆動伝達機構350は、前記ギヤケース414に収容される第1及び第2ベベルギヤ351,352を備えている。
前記ギヤケース414は、前記入力軸413を軸線回り回転自在に支持すると共に、該入力軸413に対して直交するように配置された前記従動軸415,415を軸線回り回転自在に支持している。
前記第1ベベルギヤ351は、前記ギヤケース414内に収容された状態で、前記入力軸413に外嵌固定されている。前記第2ベベルギヤ352は、前記ギヤケース414内に収容された状態で、前記第1ベベルギヤ351と噛合するように、前記従動軸415,415の一方に外嵌固定されている。
【0052】
前記メインビーム416,416は、前記従動軸415,415を軸線回り回転自在に支持するように前記ギヤケース414の車輌幅方向の両側に連結されており、前記耕耘用伝動ケース417,417は、上下方向に延びるように前記メインビーム416,416の車輌幅方向外端部に連結されている。
詳しくは、前記メーンビーム416,416は、前記ギヤケース414の側面と前記耕耘用伝動ケース417,417の上端部とを連結するように配設されており、前記従動軸415,415が内挿されている。
【0053】
本実施の形態では、前記メーンビーム416,416及び前記従動軸415,415は、車輌幅方向に伸縮可能とされている。
このように前記耕耘部410は、前記メーンビーム416,416及び前記従動軸415,415が車輌幅方向に伸縮されることで、耕耘幅を調整できるようになっている。
【0054】
詳しくは、前記従動軸415,415は、軸線方向位置が固定された状態で前記入力軸413に作動連結された位置固定従動軸415aと、前記位置固定従動軸415aに軸線方向移動可能な状態で軸線回り相対回転不能に連結される位置可動従動軸415bとを有している。
具体的には、前記位置可動従動軸415bは、筒状部材415b’を有しており、該筒状部材415b’の車輌幅方向内端部が前記位置固定従動軸415aの車輌幅方向外端部に車輌幅方向摺動自在且つ軸線回り相対回転不能に外嵌されている。
【0055】
前記メインビーム416,416は、前記位置固定従動軸415aを支持する固定ビーム416aと、前記固定ビーム416aに対して軸線方向移動可能に連結される可動ビーム416bとを有している。
具体的には、前記固定ビーム416aは、前記位置固定従動軸415aを内挿し且つ前記可動ビーム416bを内嵌可能な中空部材(例えば、横長筒状の部材)とされており、前記可動ビーム416bは、前記位置可動従動軸415bを内挿可能な中空部材(例えば、横長筒状の部材)とされている。
又、前記可動ビーム416bは、前記位置可動従動軸415bを内挿した状態で前記固定ビーム416aの車輌幅方向外端部に車輌幅方向摺動自在に嵌装されており、固定部材BL(例えば、固定ボルト)によって固定されるようになっている。
【0056】
前記耕耘用伝動ケース417,417は、上端部の軸受部417aが前記従動軸415,415の他端部側を軸線回り回転自在に支持しており、下端部の軸受部417bが前記耕耘軸411,411の一端部側を軸線回り回転自在に支持している。
【0057】
前記耕耘用伝動機構418,418は、前記耕耘用伝動ケース417,417に収容されており、前記従動軸415,415の車輌幅方向外端部に作動連結された入力部418a及び前記入力部418aより下方に位置する出力部418bを有している。
詳しくは、前記耕耘軸411,411は、前記耕耘用伝動機構418,418によって駆動されるように構成されている。即ち、前記耕耘軸411,411は、前記従動軸415,415からの動力が前記耕耘用伝動機構418,418によって伝達されるように、該耕耘用伝動機構418,418を介して該従動軸415,415に作動連結されている。
【0058】
具体的には、前記耕耘用伝動機構418,418は、第1及び第2スプロケット418c,418dと、チェーン418eとを備えている。
前記第1スプロケット418cは、前記従動軸415,415の他端部側に外嵌固定されており、前記第2スプロケット418dは、前記耕耘軸411,411の一端部側に外嵌固定されている。そして、前記チェーン418eは、前記第1及び第2スプロケット418c,418dに巻掛けられている。
【0059】
前記耕耘爪412は、前記耕耘軸411,411に軸線回り相対回転不能に設けられている。
又、前記耕耘軸411,411は、前記出力部418bに作動連結された状態で車輌幅方向に沿って延びるように前記耕耘用伝動ケース417に支持されている。
【0060】
なお、本実施の形態では、前記耕耘部410は、前記従動軸415,前記メインビーム416,前記耕耘用伝動ケース417,前記耕耘用伝動機構418及び前記耕耘軸411を左右一対備えているが、耕耘部全幅で耕耘する必要がある為、図4及び図12に示すように、前記耕耘軸411,411の車輌幅方向内端部同士を耕耘爪412を有するカップリング等の連結部材470を介して相対回転不能に連結している。
【0061】
ここでは、前記耕耘軸411,411は、車輌幅方向に移動可能に互いの対向端部が連結部材470を介して連結されている。こうすることで、前記耕耘軸411,411は、それぞれ、前記メーンビーム416,416及び前記従動軸415,415の車輌幅方向の伸縮の伴い、車輌幅方向に移動できるようになっている。
詳しくは、前記第耕耘軸411,411は、それぞれ、車輌幅方向内端部411aが筒状の連結部材470に車輌幅方向摺動自在且つ軸線回り相対回転不能に外嵌されているようになっている。好ましくは、前記耕耘軸411,411と前記連結部材470とは、固定部材BL(例えば、固定ボルト)によって固定される。又、前記連結部材470に前記耕耘爪412が設けられている。
【0062】
又、本実施の形態では、前記入力軸413からの動力を車輌幅方向の両外端部において前記耕耘軸411,411に伝達するように構成されているが、当然ながら、単一の耕耘用伝動ケース及び軸受板によって、単一の耕耘軸を支持することも可能である。
斯かる形態においては、前記入力軸413からの動力を車輌幅方向の一方の外端部において単一の耕耘軸に伝達するサイドドライブロータリタイプの構成や、或いは、前記入力軸413からの動力を車輌幅方向中央部において単一の耕耘軸に伝達するセンタードライブロータリタイプの構成を例示できる。
【0063】
図1から図4に示すように、前記耕耘部410は、前記構成に加えて、耕耘カバー419と、耕深調節フレーム461と、ゲージ輪フレーム462と、ゲージ輪アーム463と、ゲージ輪464と、耕深調節軸465とを備えている。
ここで、上リンクフレーム401は、前記ギヤケース414にボルト等の固定部材402によって固定されている。
前記耕耘カバー419は、前記耕耘爪412の回転軌跡K2の上方を覆うように配置された耕耘上面カバー419aと、前記耕耘上面カバー419aの車輌幅方向両端部に設けられた左右一対の耕耘サイドカバー419b,419bとを備えている。
【0064】
前記耕深調節フレーム461は、前記メインビーム416,416に前端側が取付けられて後方に長く延びている。前記ゲージ輪フレーム462は、車輌幅方向に延びており、前記二軸ロータリ耕耘機400のフレーム体(ここでは上リンクフレーム401)に対して前記耕深調節フレーム461を介して位置調整可能に連結されている。
前記ゲージ輪アーム463は、上下方向に延びるように前記ゲージ輪フレーム462に支持されており、前記ゲージ輪464は、前記ゲージ輪アーム463に車輌幅方向に沿った軸線回り回転自在に支持されている。
又、前記耕深調節軸465は、前記上リンクフレーム401の後端側と前記ゲージ輪フレーム462とをつなぐ伸縮調節可能なものとされており、伸縮調節を行う為に回転操作する耕深調節ハンドル465a(図1等参照)を有している。
【0065】
斯かる構成を備えた前記耕耘部410は、該耕深調節ハンドル465aが回転操作されて前記耕深調節軸465が伸縮され、前記ゲージ輪464が上下することにより、前記二軸ロータリ耕耘機400全体が下降或い上昇し、これにより、前記耕耘爪412による耕深深さg1(即ち畦Fの高さg2)が手動で変更できるようになっている。
【0066】
前記整形部420において、前記動力取出機構430は、図11に示すように、前記PTO軸18から前記耕耘軸411へ至る伝動経路のうち、前記位置固定従動軸415aから回転動力を取り出すように構成されている。
詳しくは、前記動力取出機構430は、第1及び第2伝動プーリー431,432並びに伝動ベルト433を備えている。
前記第1伝動プーリー431は、前記位置固定従動軸415aに軸線回り相対回転不能に支持されており(図12参照)、前記第2伝動プーリー432は、前記砕土用伝動機構440における後述する砕土用入力軸443に軸線回り相対回転不能に支持されている。そして、前記伝動ベルト433は、前記第1及び第2伝動プーリー431,432に巻き掛けられている。ここでは、前記伝動ベルト433は、付勢部材434の付勢力にてテンションローラ435によって張設されている。
【0067】
斯かる構成を備えた前記動力取出機構430は、前記位置固定従動軸415aからの回転動力が前記砕土用入力軸443に伝達されるようになっている。
なお、前記位置固定従動軸415aは、ここでは、筒状部材415a’と、前記第1伝動プーリー431が設けられたプーリー軸415a”とを有しており、前記筒状部材415b’の車輌幅方向外端部が前記プーリー軸415a’に外嵌され、固定部材BL(例えば、固定ボルト)によって固定されるようになっている。
【0068】
図13は、前記砕土用伝動機構440を収容する前記砕土用伝動ケース450の概略構成図であり、図13(a)に、その縦断面図を示し、図13(b)に、その側面図を示す。
図13に示すように、前記砕土用伝動機構440は、さらに、砕土用入力軸443と、第1及び第2伝動スプロケット444,445及び伝動チェーン446とを備えている。
前記砕土用入力軸443は、前記位置固定従動軸415aと略平行に配設され、前記砕土用伝動ケース450の上端側に軸線回り相対回転自在に支持されている。
前記第1伝動スプロケット444は、前記砕土用入力軸443に軸線回り相対回転不能に支持されており、前記第2伝動プーリー445は、前記出力部442において前記砕土軸422に軸線回り相対回転不能に支持されている。そして、前記伝動チェーン446は、前記第1及び第2伝動スプロケット444,445に巻き掛けられている。
【0069】
又、本実施の形態においては、前記砕土用伝動ケース450は、前記砕土用入力軸443回り揺動可能に前記砕土用伝動機構440を収容しており、前記砕土用伝動機構440は、前記砕土用伝動ケース450が前記砕土用入力軸443回りに揺動可能な状態で、前記砕土用入力軸443からの回転動力が前記砕土軸422に伝達されるようになっている。
【0070】
図1から図4に示すように、前記整形部420は、前記整形板421,前記砕土軸422及び前記砕土部材423に加えて、前記整形板421を支持する整形フレーム424を備えている。
本実施の形態においては、前記整形フレーム424は、前記耕耘部410に支持された支持アーム424aと、車輌幅方向に延びるように前記支持アーム424aに支持されたツールバー424bと、前記ツールバー424bの車輌幅方向両端部において車輌幅方向の位置調整可能に支持された左右一対の支柱フレーム424c,424cとを備えている。
詳しくは、前記支持アーム424aは、前端部が、前記メインビーム416の車輌後方側に該メインビーム416に略平行に配設されたサポートビーム416eの車輌幅方向中央部に取り付けられ且つ後端部が前記ツールバー424aの車輌幅方向中央部に一体的に連結されている。
【0071】
前記整形板421は、前記左右一対の支柱フレーム424c,424cに支持された左右一対のものとされており、該左右一対の支柱フレーム424c,424cが前記ツールバー424bに対して車輌幅方向に位置調整されることで、整形される畦Fの幅を調節できるようになっている。
本実施の形態においては、前記左右一対の整形板421,421は、それぞれ、前記耕耘爪412が設けられた前記耕耘軸411の外端部の車輌後方において前記耕耘爪412に対向して耕土を内側へ移動させる為の第1整形部421a,421aと、上端部が下端部より内方に傾くように前記第1整形部421aの車輌幅方向内端部より車輌後方へ延設された第2形成部421b,421bとを有している。
【0072】
詳しくは、前記一対の整形板421,421は、それぞれ、連結部材421c,421cを介して前記一対の支柱フレーム424c,424cに連結されている。ここでは、前記連結部材421c,421cは、それぞれ、前記一対の支柱フレーム424c,424cの下端部に設けられた箱形部に挿通され、ボルト等の固定部材によって固定されている。
又、前記第2形成部421b,421bの内面には、それぞれ、土付着防止板421b’,421b’(例えば、プラスチック板)が設けられている。
【0073】
前記整形部420は、前記構成に加えて、前記砕土部材423の回転軌跡K1の上方を覆うように配設された整形前部上面カバー425と、前記砕土部材423の回転軌跡K1の後方を覆うように配設された整形後部上面カバー426とを備えている。
本実施の形態においては、前記整形前部上面カバー425は、後端部425aが前記ツールバー424bに一体的に連結されており、前端部425bが前記耕耘上面カバー419aの上面に配置されている。
前記整形後部上面カバー426は、前記ツールバー424bに車輌幅方向に沿って設けられた枢着軸424b’を介して回動可能に連結されている。
【0074】
又、前記整形後部上面カバー426の内面には、土付着防止板426b’(例えば、プラスチック板)が設けられている。
なお、この土付着防止板426b’は、前記左右一対の支柱フレーム424c,424cが前記ツールバー424bに対して車輌幅方向に位置調整される際に、前記整形後部上面カバー426と前記第2整形部421b,421bとの間で前記砕土部材423の回転軌跡K1の上方を覆うことができるように、車輌幅方向に進退可能とされている。ここでは、前記土付着防止板426b’は、車輌幅方向両端部に設けられた一対の延長板426b”,426b”であって、車輌幅方向に延びる長孔Mを有する一対の延長板426b”,426b”を有している。前記延長板426b,426b”は、それぞれ、前記長孔Mに挿通されるボルト等の固定部材によって車輌幅方向両端部に車輌幅方向に沿って位置調整可能に取り付けられている。これにより、前記土付着防止板426b’は、車輌幅方向に進退できるようになっている。
【0075】
さらに、図3に示すように、前記ツールバー424bの車輌幅方向中央部には、後方へ延びる左右一対のハンガーフレーム427,427が延設されている。
そして、前記整形後部上面カバー426の上面後端側と前記左右ハンガーフレーム427,427との間には左右一対のハンガー機構480,480が設けられており、前記整形後部上面カバー426は、該ハンガー機構480,480を介して、前記枢着軸424b’回りに上下動し得るようになっている。
【0076】
詳しくは、前記各ハンガーフレーム427には、車輌幅方向に沿った軸線回り回動自在とされた受圧軸体427aが配置されている。該受圧軸体427aには、軸線と直交する方向に貫通孔が設けられている。
前記各ハンガー機構480は、ハンガーロッド481と、鎮圧用付勢部材(ここでは圧縮バネ)482とを備えている。
【0077】
前記ハンガーロッド481は、前記受圧軸体427aの前記貫通孔に摺動可能に挿通された細長い丸棒形のものとされており、下端部が、車輌幅方向に沿った支軸481aを介して、前記整形後部上面カバー426の後部上面に設けられたブラケット426aに回動自在に連結されており、下方側で且つ前記支軸481aより上方側において固設された支持部材481bを有している。
前記鎮圧用付勢部材482は、前記支持部材481b及び前記ハンガーフレーム427の間に位置するように該ハンガーロッド481に外挿されている。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1は、本実施の形態に係る砕土部材が適用された二軸ロータリ耕耘機を付設する作業車輌の概略側面図である。
【図2】図2は、図1に示す作業車輌における二軸ロータリ耕耘機部分を示す図であって、図2(a)は、該二軸ロータリ耕耘機の概略側面図であり、図2(b)は、該二軸ロータリ耕耘機において、カバー部材等の一部の部材を取り外した状態を示す概略側面図である。
【図3】図3は、図1に示す二軸ロータリ耕耘機を左斜め上後方から視た概略斜視図である。
【図4】図4は、図1に示す二軸ロータリ耕耘機を斜め下後方から視た概略斜視図である。
【図5】図5は、図4に示す砕土軸及び砕土部材部分を拡大して示す図である。
【図6】図6は、砕土部材を示す図であって、図6(a)は、該砕土部材の右側面図(左側面図)であり、図6(b)は、該砕土部材の左側面図(右側面図)である。
【図7】図7は、砕土部材を示す図であって、図7(a)は、該砕土部材の背面図(正面図)であり、図7(b)は、該砕土部材の平面図(底面図)である。
【図8】図8は、砕土部材の斜視図である。
【図9】図9は、砕土軸、及び砕土部材におけるボス部を示す図である。
【図10】図10は、図1に示す二軸ロータリ耕耘機によって土が耕耘,整形及び砕土される一連の作業を示す模式図である。
【図11】図11は、二軸ロータリ耕耘機の動力取出機構及び砕土用伝動機構部分を右斜め上後方から視た概略斜視図である。
【図12】図12は、耕耘部の耕耘用動力伝動機構部分の展開断面図を示す。
【図13】図13は、砕土用伝動機構を収容する砕土用伝動ケースの概略構成図であり、図13(a)に、その縦断面図を示し、図13(b)に、その側面図を示す。
【図14】図14は、砕土用伝動ケースが入力部回り揺動可能に耕耘部に支持されている状態を左斜め上側方から視た斜視図である。
【図15】図15は、砕土部材の他の例を示す図であって、図15(a)は、該砕土部材の右側面図(左側面図)であり、図15(b)は、該砕土部材の左側面図(右側面図)である。
【図16】図16は、砕土部材の他の例を示す図であって、図16(a)は、該砕土部材の背面図(正面図)であり、図16(b)は、該砕土部材の平面図(底面図)である。
【図17】図17は、砕土部材の他の例の斜視図である。
【符号の説明】
【0079】
18 PTO軸
50 作業車輌本機
400 二軸ロータリ耕耘機
411 耕耘軸
412 耕耘爪
422 砕土軸
422a 砕土軸の取付孔
423 砕土部材
423a ベース部
423b ロッド部
423b’ ロッド部の基端部
423b” ロッド部の先端部
423c ボス部
423c’ ボス部の位置決め孔
P1 取付孔の所定ピッチ
P2 位置決め孔の軸線方向ピッチ
R,r ロッド部の回転半径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車輌本機に設けられたPTO軸によって作動的に駆動される耕耘軸と、前記耕耘軸に設けられた耕耘爪と、前記耕耘軸より車輌後方側に配設され、前記PTO軸から前記耕耘軸への動力伝達経路から分岐された動力によって駆動される砕土軸とを備えた二軸ロータリ耕耘機における前記砕土軸に装着される砕土部材であって、
前記砕土軸に相対回転不能に外挿されるベース部と、
基端部が前記ベース部の径方向外端部に固着され且つ先端部が自由端部とされたロッド部とを備えていることを特徴とする砕土部材。
【請求項2】
前記ロッド部は、前記基端部から前記自由端部へ行くに従って前記砕土軸の回転方向上流側へ後退していることを特徴とする請求項1に記載の砕土部材。
【請求項3】
前記ロッド部は、周方向に複数個設けられており、
隣接するロッド部は、回転半径が異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の砕土部材。
【請求項4】
前記ロッド部は、前記砕土軸の軸線回り最下点に位置した際に、基端部から自由端部へ至る全体が上下方向に関し略同一位置に位置するように構成されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の砕土部材。
【請求項5】
前記砕土軸に外挿されるボス部であって、前記ベース部の径方向内端部が固着されるボス部をさらに備え、
前記ボス部には、軸線方向及び周方向に変位された複数の位置決め孔が設けられており、
前記複数の位置決め孔の軸線方向ピッチは、前記砕土軸に設けられた取付孔の軸線方向ピッチよりも間隔が狭いことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の砕土部材。
【請求項6】
前記ベース部はプレート状のものとされていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の砕土部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−35764(P2008−35764A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−212867(P2006−212867)
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【出願人】(000006851)ヤンマー農機株式会社 (132)
【出願人】(000183967)鋤柄農機株式会社 (20)
【Fターム(参考)】