説明

砥石成形状態判定装置及び砥石成形状態判定方法

【課題】被熟練者にも砥石の適正なドレッシングを可能にする。
【解決手段】砥石10とドレッサ13との間の砥石成形状態を判定する砥石成形状態判定装置20は、砥石10とドレッサ13とを砥石成形させたときに生じる弾性波を検出するAEセンサ21と、基準の砥石及びドレッサでドレッシングしたときにAEセンサ21から出力された信号波形をマスタ信号波形として記憶する記憶部25と、砥石成形状態を判定する対象の対象砥石及び対象ドレッサをドレッシングしたときにAEセンサ21から出力された測定信号波形とマスタ信号波形と間の差が、所定の閾値範囲にあるか否かを判定することにより、前記対象砥石及び前記対象ドレッサの間の砥石成形状態を判定する判定部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砥石にドレッサを接触させてドレッシングを行うツールドレッサにおいて、ドレッシング中の砥石とドレッサの砥石成形状態を判定して、砥石のドレッシング状態やドレッサの状態を判定する砥石成形状態判定装置及び砥石成形状態判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
砥石にドレッサを接触させてドレッシングを行うツールドレッサでは、砥石とドレッサとの接触検出やドレッシングの完了検出等のために、AE(Acoustic Emission)センサが使用される。AEセンサは、対象とする周波数などに応じて各種の方式があるが、研削盤などの加工装置やドレッシング装置で使用するAEセンサは、数十kHz〜数百MHzの超音波領域を対象とし圧電素子などで構成される。
【0003】
AEセンサについては、NDISのNo.2106−79、2106−91などに、AEセンサを使用した研削盤については、特許文献1などに記載されているように、広く知られているので、ここではAEセンサ及びドレッシング装置の詳しい説明は省略し、本発明に直接関係する部分についてのみ説明する。
【0004】
【特許文献1】特開平6−114692号公報
【特許文献2】特開平7−164319号公報
【特許文献3】特開平9−216158号公報
【特許文献4】特開平11−235665号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ドレッシング作業中に発生させたAE信号を監視することによって砥石形状の適否を判定することができる。回転する砥石をドレッサに接触させると、ドレッサとの接触する砥石の部分の断面直径が大きいほど接触箇所の周速度が大きくなる。このため、砥石の断面直径が大きい部分にドレッサが接触しているときはAE信号が強くなり、砥石の断面直径が小さい部分にドレッサが接触しているときはAE信号が弱くなる。したがって、ドレッサを砥石の周面形状に沿って砥石の回転軸方向に移動させながらAE信号を検出すると、AE信号の強弱は砥石の断面直径に応じて変化することになる。
【0006】
従来のドレッシング作業では、AEセンサから出力されたAE信号をモニタに表示し、モニタに現れるAE信号から判断される砥石形状を人間が監視することにより、ドレッシング完了判定やドレッサの異常の有無の判定を行っていた。このため、ドレッシング作業には熟練を要し、また作業者の違いにより砥石のドレッシング精度にバラツキが生じ、その結果、砥石を使って加工された製品の品質低下を招く恐れがあった。
上記事情に鑑みて、本発明は、被熟練者にも砥石の適正なドレッシングを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明では、基準の砥石を基準のドレッサを用いて所定の相対運動をさせてドレッシングしたときに生じる弾性波をAEセンサで検出して、このときAEセンサから出力される信号波形をマスタ信号波形として記憶する。次に、砥石成形状態を判定する対象の対象砥石及び対象ドレッサを上記の所定の相対運動と同じ運動をさせながらドレッシングしたときに生じる弾性波をAEセンサで検出した測定信号波形を取得する。そして測定信号波形と予め記憶されたマスタ信号波形との差が、所定の閾値範囲にあるか否かを判定することにより、対象砥石の砥石成形状態を判定する。
【0008】
測定信号波形とマスタ信号波形との差を閾値範囲と比較するときに、複数の閾値範囲にあるか否かを比較することにより複数の砥石成形状態を検出することとしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
予め記憶したマスタ信号と測定信号波形との差を閾値範囲と比較することによって、砥石の断面直径の違いによってAE信号の強度が変化するときでも、砥石成形状態の判定を容易に行うことができる。
複数の閾値範囲と比較することによって、例えば、ドレッシングの完了判定とドレッサの摩耗検出を同時に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施例を説明する。図1は、本発明の実施例によるドレッシング装置の全体構成を示す図である。ドレッシング装置1は、軸A1を回転軸として砥石10を回転させる砥石回転部11と、軸A2を回転軸としてドレッサ12を回転させるドレッサ回転部13と、ドレッサ12を砥石10に対して相対移動させるドレッサ移動部14を備えている。
【0011】
図2は、図1における砥石10及びドレッサ12の部分の拡大図である。図2に例示する砥石10は、被ドレッシング面10aが円錐形状を有している。ドレッシングを行う際には、ドレッサ12が砥石10に接触しながら、図1に示したドレッサ移動部14によって被ドレッシング面10aに沿って、砥石の回転軸A1方向に移動する。
なお、本発明による砥石とドレッサとの間の砥石成形状態の判定は様々な形状の砥石10に適用可能であり、特定の形状の砥石10に特定されない。しかし本明細書では、簡単のため、被ドレッシング面10aが円錐形状を有する砥石10を例示して以下の説明を行う。
【0012】
ドレッシング装置1は、また、砥石回転部11、ドレッサ回転部13及びドレッサ移動部14の動作を制御する制御部15を備える。制御部15は、例えば数値制御(NC:Numerical Control)装置などであってよい。
ドレッサ回転部13の筐体にはAE(Acoustic Emission)センサ21が取り付けられ、砥石10とドレッサ12との砥石成形により発生するAE波が筐体を通してAEセンサ21に伝達され、AEセンサ21はAE信号を発生する。ドレッシング装置1は、AE信号を処理して砥石10のドレッシングの完了判定や、ドレッサ12の状態の良否判定を行う砥石成形状態判定部20を備える。
表示部16は、制御部15の操作のための操作画面や、ドレッシング装置1の装置状態、砥石10のドレッシング状態の良否を表示するために使用される。
【0013】
図3は、図1に示す砥石成形状態判定部20の概略構成を示すブロック図である。砥石成形状態判定部20は、AEセンサ21から入力したAE信号を所定の強度に増幅する増幅器22と、増幅器22から出力されたアナログ信号をディジタルAE信号に変換するA/D変換器23と、A/D変換器23によりディジタル化された信号波形をマスタ信号波形として記憶するための記憶部25と、実際のドレッシング時に検出したAE信号波形である測定信号波形と予め記憶部25に記憶されたマスタ信号波形とを比較する波形比較部26と、波形比較部26による比較結果に応じて砥石10とドレッサ12との間の砥石成形状態を判定してその結果を示す判定結果指示信号を制御部15へ出力する判定部27を有する。
【0014】
さらに砥石成形状態判定部20は、判定部27による砥石成形状態の判定が行われる「判定モード」で砥石成形状態判定部20が動作するのか、それともメモリ25にマスタ信号波形を記憶する「マスタ記憶モード」で砥石成形状態判定部20が動作するのかを決定するモード決定部28を備える。モード決定部28は、例えば砥石成形状態判定部20に設けられたスイッチの状態にしたがって動作モードを決定してよく、または制御部15からの制御にしたがっての動作モードを決定してもよい。
【0015】
砥石成形状態判定部20は、モード決定部28により決定された動作モードに従ってA/D変換器23から出力されるディジタルAE信号を、メモリ25及び波形比較部26のどちらに出力するかを制御する信号処理部24を備える。信号処理部24は、「マスタ記憶モード」の時はディジタルAE信号をメモリ25に記憶し、「判定モード」の時にはディジタルAE信号を波形比較部26へ出力する。
【0016】
図4は、円錐形状を有する砥石のドレッシングの説明図である。ドレッシングの際には、始めにドレッサ12をある程度まで砥石10の被ドレッシング面10aに接近させた後、点aから点bまで、点bから点cまで、点cから点dまで、点dから点aまでドレッサ12を移動させるサイクルを繰り返す。
【0017】
まず点aから点bへの方向へ、すなわちドレッシング面10aと直交し砥石10のドレッシング面10aへ接近する方向へ、所定量だけドレッサ12を送る。次にドレッシング面10aに沿う点bから点cへの方向へ砥石の先端から基端に向かって一定速度でドレッサ12を送り、砥石10の基端に達すると、点aから点bへの方向と反対の点cから点dへの方向にドレッサ12を送り、点bから点cへの方向と反対の点dから点aへの方向へ送る。
ここで点aから点bへのドレッサの送り量を点cから点dへの送り量よりも所定長Δdだけ長く設定することにより、1回のサイクル(ドレッシングサイクル)で所定長Δdずつ砥石10の被ドレッシング10aをドレッシングする。
【0018】
図5は、図4に示す1サイクルのドレッシングの際に出力されるAE信号の波形を示す図である。時刻ta1において図4に示す点aにあったドレッサ12が、時刻tb1において点bに達すると、ドレッサ12と砥石10とが接触するためAE信号が発生する。その後、点bから点cへの方向へ砥石の先端から基端に向かってドレッサ12を送るにつれて、ドレッサ12と砥石10の接触部分における砥石10の断面直径が大きくなるのでAE信号も増大する。
時刻tc1においてドレッサ12が点cに達すると、ドレッサ12と砥石10とが離間するためAE信号の発生が停止する。その後、時刻td1においてドレッサ12が点dに達し、時刻ta2においてドレッサ12が点aに達する。したがって時刻ta1〜ta2がドレッシングの1サイクルに相当する。
【0019】
各サイクルの間においてドレッサ12を送る速度が同じであれば、1つサイクルに要する時間ΔTcは各サイクルにおいて等しい。したがって、制御部15がドレッサ移動部14を制御して点abcdaを通過する経路上をドレッサ12に移動させるときに、この経路上の同じ点にドレッサ12が到達する時刻trに、制御部15がタイミング信号を出力すると、タイミング信号の出力時刻trとAE信号の立ち上がり時刻tb1との間の間隔ΔTは常に等しくなる。
【0020】
制御部15から出力される上記タイミング信号によって、図3に示す信号処理部24は、メモリ25に記憶したマスタ信号波形と、ドレッシング中に測定されたAE信号波形との同期を行うことができる。
例えば信号処理部24は、タイミング信号を基準にして、マスタ信号波形の採取のために砥石10をドレッシングする1サイクル内におけるマスタ信号波形の採取期間と、砥石10の実際のドレッシング作業における各サイクル内における測定信号波形の採取期間とを一致させることによって、波形比較部26において比較されるマスタ信号波形と測定信号波形との間の同期を行うことができる。
【0021】
または信号処理部24は、制御部15からドレッサ移動部14へ指示するドレッサ12の送り量を示す送り量信号を制御部15から入力して、メモリ25に記憶したマスタ信号波形と、波形比較部26において比較されるマスタ信号波形と比較される測定信号波形との間の同期を行ってもよい。
または信号処理部24は、一定長の期間の測定信号波形を入力してから、この期間の測定信号波形とマスタ信号波形とのパターンマッチングを行うことにより、波形比較部26において比較されるマスタ信号波形と測定信号波形との間の同期を行ってもよい。
【0022】
図6は、本発明の実施例によるドレッシング完了判定方法の第1例を示すフローチャートである。ステップS1において、図3に示す信号処理部24は、AEセンサ21から出力されたAE信号のマスタ信号波形をメモリ25に記憶する。
オペレータからの操作や制御部15からの制御により、砥石成形状態判定部20の動作モードが「マスタ記憶モード」に指定されると、モード決定部28は、現在の動作モードが「マスタ記憶モード」である旨を示すモード設定信号を信号処理部24へ出力する。このモード設定信号を受信した信号処理部24は、A/D変換器23から入力したディジタル化されたAE信号波形をメモリ25に記憶する。
【0023】
このとき砥石回転部11には、基準となる砥石として、既にドレッシングを完了して所望の形状を有する砥石10を装着する。またドレッサ回転部13にも基準となるドレッサとして、望ましい状態のドレッサ12を装着する。そして、基準となる砥石10に対して基準となるドレッサ12を用いてドレッシングと同様の処理を行い、このとき発生するAE信号をメモリ25に記憶する。図7の(A)にマスタ信号波形の例を示す。
【0024】
そして、オペレータからの操作や加工機制御装置12からの制御により、砥石成形状態判定部20の動作モードが「判定モード」に指定されると、モード決定部28は、現在の動作モードが「判定モード」である旨を示すモード設定信号を信号処理部24へ出力する。またこのモード設定信号を受信した後は、信号処理部24は、A/D変換器23から入力したディジタル化されたAE信号波形を波形比較部26へ出力する。
【0025】
図6のステップS2では、砥石10に対してドレッサ12を用いて実際のドレッシング工程を行い、そのとき発生する弾性波をAEセンサ21で検出してAE信号を生成し、このAE信号をA/D変換器23によりディジタル化した測定信号波形を取得する。取得された測定信号波形は信号処理部24から波形比較部26に出力される。図7の(B)に測定信号波形の例を示す。
【0026】
ステップS3において、波形比較部26は、ステップS1にて記憶したマスタ信号波形をメモリ25から読み出して、信号処理部24から入力した測定信号波形との差信号を生成する。信号処理部24から波形比較部26へ出力される測定信号波形は、信号処理部24による上述の方法に従って、メモリ25から波形比較部26へ読み出されるマスタ信号波形との間で同期がとられている。図7の(C)に図7の(A)と図7の(B)との間の差信号を示す。
【0027】
ステップS4では、マスタ信号波形と測定信号波形の差信号が、所定の閾値範囲R1(T1l≦x≦T1h)内に収まっているか否かを判断する。差信号の値が閾値範囲R1内にない場合には、ステップS5において、砥石10とドレッサ12との砥石成形状態が異常であり、ドレッサ12の摩耗や、砥石の形状異常、ドレッシング装置1等の何らかの異常があると判定して、異常状態を示す判定結果指示信号を制御部15に出力する。
【0028】
ステップS6では、差信号が、閾値範囲R1内のR1より狭い所定の閾値範囲R2(T2l≦x≦T2h)内に収まっているか否かを判断する。1つのドレッシングサイクル内にて算出された差信号の値がすべて閾値範囲R2内にあるときには、ステップS7において、砥石10とドレッサ12との砥石成形状態が良好であり砥石10のドレッシングが完了したと判定して、ドレッシング完了を示す判定結果指示信号を制御部15に出力する。差信号の値が閾値範囲R2内に収まらないときには、砥石10のドレッシングが完了していないと判定して、処理をステップS2に戻す。
【0029】
図8は、本発明の実施例によるドレッシング完了判定方法の第2例を示すフローチャートである。ステップS1では、図6に示すステップS1と同様にマスタ信号波形をメモリ25に記憶する。図9の(A)にマスタ信号波形の例を示す。
ステップS10では、図4に示す経路abcda上に沿ってドレッサ12を移動させるサイクルを所定回数繰り返して砥石10のドレッシングを行う。ここで所定回数は、すなわちドレッシングを行うサイクルの回数は、例えば、普段、砥石10が通常の頻度でドレッシングされるときに、砥石10のドレッシングの完了に要すると見込まれるドレッシングのサイクル数であってよい。
ステップS2では、図6に示すステップS2と同様に測定信号波形を取得する。図9の(B)に測定信号波形の例を示す。
【0030】
ステップS3において波形比較部26は、図6に示すステップS2と同様に、ステップS1にて記憶したマスタ信号波形をメモリ25から読み出して、信号処理部24から入力した測定信号波形との差信号を生成する。図9の(C)に図9の(A)と図9の(B)との間の差信号を示す。
ステップS4では、マスタ信号波形と測定信号波形の差信号が、所定の閾値範囲R1内に収まっているか否かを判断する。差信号の値が閾値範囲R1内にない場合には、図6に示すステップS5と同様に、砥石10とドレッサ12との何らかの異常があると判定して、異常状態を示す判定結果指示信号を制御部15に出力する。
【0031】
ステップS6では、差信号が、閾値範囲R1内のR1より狭い所定の閾値範囲R2内に収まっているか否かを判断する。1つのドレッシングサイクル内にて算出された差信号の値がすべて閾値範囲R2内にあるときには、図6に示すステップS7と同様に砥石10のドレッシングが完了したと判定して、ドレッシング完了を示す判定結果指示信号を制御部15に出力する。差信号の値が閾値範囲R2内に収まらないときには、砥石10は規定どおりの形状にドレッシングされているが、ドレッサ12が摩耗していると判定し、ドレッサ12の交換時期であることを示す判定結果指示信号を制御部15に出力する。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、砥石にドレッサを接触させてドレッシングを行うツールドレッサに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施例によるドレッシング装置の全体構成を示す図である。
【図2】図1における砥石及びドレッサの部分の拡大図である。
【図3】図1に示す砥石成形状態判定部の概略構成を示すブロック図である。
【図4】円錐形状を有する砥石のドレッシングの説明図である。
【図5】図4に示す1サイクルのドレッシングの際に出力されるAE信号の波形を示す図である。
【図6】本発明の実施例によるドレッシング完了判定方法の第1例を示すフローチャートである。
【図7】(A)はマスタ信号波形の例を示す波形図であり、(B)は測定信号波形の例を示す波形図であり、(C)は図6に示す判定方法における(A)と(B)との間の差信号と閾値範囲との比較を説明する図である。
【図8】本発明の実施例によるドレッシング完了判定方法の第2例を示すフローチャートである。
【図9】(A)はマスタ信号波形の例を示す波形図であり、(B)は測定信号波形の例を示す波形図であり、(C)は図8に示す判定方法における(A)と(B)との間の差信号と閾値範囲との比較を説明する図である。
【符号の説明】
【0034】
1 ドレッシング装置
10 砥石
10a 被ドレッシング面
11 砥石回転部
12 ドレッサ
13 ドレッサ回転部
14 ドレッサ移動部
21 AEセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
砥石にドレッサを接触させてドレッシングを行う間に前記砥石と前記ドレッサとの間の砥石成形状態を判定する砥石成形状態判定装置であって、
前記砥石と前記ドレッサとを砥石成形させたときに生じる弾性波を検出するAEセンサと、
基準の砥石と基準のドレッサとを接触させながら所定の相対運動をさせてドレッシングしたときに前記AEセンサから出力された信号波形をマスタ信号波形として記憶する記憶部と、
砥石成形状態を判定する対象の対象砥石及び対象ドレッサを前記所定の相対運動と同じ運動をさせながらドレッシングしたときに前記AEセンサから出力された測定信号波形と予め記憶された前記マスタ信号波形との間の差が、所定の閾値範囲にあるか否かを判定することにより、前記対象砥石及び前記対象ドレッサの間の砥石成形状態を判定する判定部と、
を備える砥石成形状態判定装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記測定信号波形と前記マスタ信号波形との差が複数の閾値範囲にあるかをそれぞれ比較することにより複数の砥石成形状態を検出する請求項1に記載の砥石成形状態判定装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記対象砥石及び前記対象ドレッサの間の砥石成形状態に基づいて、前記対象砥石のドレッシング状態の良否を判定する請求項1又は2に記載の砥石成形状態判定装置。
【請求項4】
前記判定部は、所定のドレッシングを行った後の前記測定信号波形に基づいて判定した前記対象砥石及び前記対象ドレッサの間の砥石成形状態に基づいて、前記ドレッサの状態の良否を判定する請求項1又は2に記載の砥石成形状態判定装置。
【請求項5】
砥石にドレッサを接触させてドレッシングを行う間に前記砥石と前記ドレッサとの間の砥石成形状態を判定する砥石成形状態判定方法であって、
基準の砥石と基準のドレッサとを砥石成形させながら所定の相対運動をさせてドレッシングしたときに生じる弾性波をAEセンサで検出する第1の検出ステップと、
前記第1の検出ステップにて前記AEセンサから出力される信号波形をマスタ信号波形として記憶する記憶ステップと、
砥石成形状態を判定する対象の対象砥石及び対象ドレッサを前記所定の相対運動と同じ運動をさせながらドレッシングしたときに生じる弾性波を前記AEセンサで検出する第2の検出ステップと、
前記第2の検出ステップにおいて前記AEセンサから出力された測定信号波形と、予め記憶された前記マスタ信号波形との差が、所定の閾値範囲にあるか否かを判定することにより、前記対象砥石及び前記対象ドレッサの間の砥石成形状態を判定する判定ステップと、を含む砥石成形状態判定方法。
【請求項6】
前記判定ステップにおいて、前記測定信号波形と前記マスタ信号波形との差が複数の閾値範囲にあるかをそれぞれ比較することにより複数の砥石成形状態を検出する請求項5に記載の砥石成形状態判定方法。
【請求項7】
前記判定ステップにおいて、前記対象砥石及び前記対象ドレッサの間の砥石成形状態に基づいて、前記対象砥石のドレッシング状態の良否を判定する請求項5又は6に記載の砥石成形状態判定方法。
【請求項8】
前記判定ステップにおいて、所定のドレッシングを行った後の前記測定信号波形に基づいて判定した前記対象砥石及び前記対象ドレッサの間の砥石成形状態に基づいて、前記ドレッサの状態の良否を判定する請求項5又は6に記載の砥石成形状態判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−255250(P2009−255250A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−109164(P2008−109164)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【出願人】(000151494)株式会社東京精密 (592)
【Fターム(参考)】