説明

砥石車の頭上ドレッシング方法および頭上ドレッシング装置

【課題】 砥石車の頭上ドレッシング精度を高めるドレッシング方法の提供。
【解決手段】 数値制御されていない非数値制御軸22の左右方向移動によって位置変化を受ける数値制御上下軸4に固定されている単石ドレッシング器具2を用いて砥石車wを頭上ドレッシングするにおいて、予め数値制御の上下軸を移動させないで非数値制御の左右軸を移動させて非数値制御の左右軸のストロークを各補正点数pで割ったピッチ間距離における上下軸への真直度Sを測定し、ピッチ間距離に真直度補正量ΔSを算出し、この真直度補正量ΔSを上下軸の補正量として単石ドレッシングによる砥石車のドレッシングを開始するドレッシング方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車部品、電気・電子機器部品、金型部材等のワークの表面を平面研削する砥石車の頭上ドレッシング方法およびそれに用いる頭上ドレッシング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転軸に水平方向に軸承された砥石車を、左右方向および鉛直(上下)方向に移動可能なドレッシング器具で頭上ドレッシングする方法は知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
【0003】
例えば、所定のドレス量分だけ砥石車をドレッシングする単石ドレッシング器具と、ワーク(工作物)について砥石車で研削を実行しているときにドレッシング作業を行う旨の指示を与えるためのドレス割込指示手段と、前記ドレス割込指示手段からの指示が与えられたときに、前記ワーク研削の作業を中断し、前記単石ドレッシング器具の左右および上下の動作を制御して前記砥石車をドレッシングすると共に、当該ドレッシング作業が終了したときに、前記ワーク研削の作業を再開する制御手段と、を具備する研削装置が提案され、実施されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、ワークを研削加工するための研削砥石車が着脱可能に装着される主軸と、この主軸を回転可能に支持するとともに、前記ワークに対して前記主軸の軸線方向を含む直交3軸方向に相対移動可能な主軸頭と、この主軸頭に対して前記主軸の軸線方向と直交する方向に相対移動可能に設けられたドレッシング装置本体と、このドレッシング装置本体に対して前記主軸の軸線方向と直交する方向に相対移動可能に設けられ、前記研削砥石をドレッシングするためのドレッサを回転可能に支持しているドレッサ支持体とを備え、前記ドレッサが前記研削砥石車をドレッシングする動作と前記研削砥石車が前記ワークを研削加工する動作とを同時に行う連続ドレッシング研削加工時には、前記ドレッサで前記研削砥石車をドレッシング可能なドレッシング位置に前記ドレッシング装置本体を移動させ、前記連続ドレッシング研削加工以外の通常の研削加工時には、前記ドレッサと前記ワークとが干渉しない待避位置に前記ドレッシング装置本体を移動させるようにした研削装置も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
さらに、数値制御されていない非数値制御軸の移動によって、位置変化を受ける他の軸の位置を補正する位置補正方式において、前記非数値制御軸の機械座標位置を記憶する機械座標位置レジスタと、前記非数値制御軸の位置検出器からのフィードバック信号によって、前記機械座標位置レジスタを更新するレジスタ更新手段と、予め測定された真直度補正データを格納する真直度補正データメモリと、前記機械座標位置に対応した真直度補正データを読み出して、前記非数値制御軸の移動によって位置変化する他の軸を補正する真直度補正を行う真直度補正手段と、を有する位置補正数値制御装置も提案されている。(例えば、特許文献3参照。)。
【0006】
上記位置補正数値制御装置のバージョンアップ版は、ファナック株式会社より"FANUC Series" 30-MODEL A,300-MODEL A, 300is-MODEL A の商品名で販売されている。
【0007】
【特許文献1】特開2000−135675号公報
【特許文献2】特開2000−237957号公報
【特許文献3】特開平7−104812号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記特許文献2に記載の砥石車のドレッシング方法は回転ドレッサの移動方向2軸とも数値制御されているので両軸間の真直度もよく、砥石車のドレッシングを精度よく行うことができる。しかし、砥石車に切り込みを懸けるドレッサ(単石ドレッシング器具)の上下軸がサーボモータおよびボールネジの駆動で数値制御され、ドレッサの左右方向(砥石車の幅方向)移動軸が油圧シリンダ駆動のように非数値制御軸である場合、軸の移動距離が大きい場合に工作機械において生じる一方の軸の位置が変化することにより他軸の位置が変化する現象を解消するための位置補正が必要となるが、油圧シリンダ駆動軸が非数値制御軸であるため、かかる位置補正を数値制御することができない。
【0009】
後者の単石ドレッシング器具を用いるドレッシング方法においては、単石ドレッシング器具の上下軸と単石ドレッシング器具の左右往復移動軸間の真直度が低くなるためにドレッシングされた砥石車の加工精度が低下する欠点がある。
【0010】
本発明は、特許文献3記載の位置補正数値制御装置を単石ドレッシング器具による砥石車のドレッシング方法に応用することによって砥石車のドレッシング精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、非数値制御で左右軸方向に移動可能であり、かつ、数値制御で上下方向に移動可能な上下軸に固定された単石ドレッシング器具を用いて回転軸に水平方向に軸承された砥石車を頭上ドレッシングする方法において、予め数値制御の上下軸を移動させないで非数値制御の左右軸を移動させて非数値制御の左右軸のストロークを各補正点数p(pは30〜1800の整数)で割ったピッチ間距離における上下軸への真直度Sを測定し、数値制御装置の真直度補正量記録部に入力し、ピッチ間距離を(b−a)、このピッチ間距離における真直度Sの最大値Smaxおよび最小値Sminとからこのピッチ間距離における真直度補正量ΔS=(Smax−Smin)/(b−a)として数値制御装置の真直度補正手段でこの各ピッチ間距離における各ピッチ誤差補正点位置における真直度補正量ΔSを演算し、この補正点位置における真直度補正量ΔSを上下軸の補正量として記録部に送信してドレッシング量を補正し、ついで、単石ドレッシングによる砥石車のドレッシングを開始することにより左右軸のピッチ誤差補正点pで上下軸にΔSの補正をかけたドレッシング量のドレッシングを行うことを特徴とする、砥石車の頭上ドレッシング方法を提供するものである。
【0012】
請求項2の発明は、油圧駆動で左右軸方向に移動可能であり、かつ、サーボモータで上下方向に移動可能な上下軸に固定された単石ドレッシング器具、予め測定された真直度補正データSを格納する真直度補正データメモリ、予め数値制御の上下軸を移動させないで油圧駆動の左右軸を移動させて非数値制御の左右軸のストロークを各補正点数p(pは30〜1800の整数)で割ったピッチ間距離における上下軸への真直度Sを測定し、数値制御装置の真直度補正量記録部に入力し、ピッチ間距離を(b−a)、このピッチ間距離における真直度Sの最大値Smaxおよび最小値Sminとからこのピッチ間距離における真直度補正量ΔS=(Smax−Smin)/(b−a)とする真直度補正手段、および、前記左右軸の位置検出器からのフィードバックパルスWPfによって前記上下軸座標位置レジスタを更新するレジスタ更新手段、とを有する頭上ドレッシング装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
非数値制御軸と数値制御軸間の各位置座標における真直度の変位量を近似させてドレッシング補正量を定めるので、精度よく砥石車のドレッシングを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
図1は真直度補正量を求める図(a)と、真直度補正における移動軸のピッチ誤差補正点と移動軸の機械座標における真直度の相関図(b)を示す。図2は砥石車の幅方向の頭上左端から中央経由、右端に到るドレッシング量で、図2(a)はドレス補正量なしでドレス速度200rpmでドレッシングされた砥石車のドレッシング量分布図、図2(b)はドレス速度200rpm、補正点数128点、ドレス量1μmでドレッシングされた砥石車のドレッシング量分布図、図2(c)はドレス速度200rpm、補正点数128点、ドレス量2μmでドレッシングされた砥石車のドレッシング量分布図である。図3は頭上ドレッシング装置の一部を切り欠いた正面図、図4は頭上ドレッシング装置の側面図、図5は頭上ドレッシング装置の図3におけるB−B面方向から見た背面断面図、図6はドレッサ量補正制御装置の図、および、図7はドレッサ量補正を実施する研削装置の概略構成図である。
【0015】
図3、図4および図5に示す頭上ドレッシング装置1において、2は単石ドレッシング器具、3は単石ダイヤモンド、4はボールスプライン、5はボールネジ(上下軸)、6と7はドッグ、8はベアリング、9はACサーボモータ、10は端子台、11はピニオンギア、12は螺合体、13はモータ軸、14はカバー、15はオイルキャップ、16はモータカバーである。前記ボールスプライン4はボールネジ5の鉛直線上にあり螺合体12に固定されている。wは仮想線で示す砥石車である。
【0016】
ボールスプライン4に固定された単石ドレッシング器具2は、ACサーボモータ9の回転駆動力をモータ軸13に固定されたピニオンギア11を介してギア14を回転駆動させ、ギア14を固定する螺合体12の内雌ネジを外挿するボールネジ5を回転駆動させることによりボールスプライン4の上下方向移動に連れて上下方向移動しる。下方向に単石ドレッシング器具2が移動したときは、砥石車wの外周に切り込みが可能である。切り込み量は、ACサーボモータ9の回転駆動量により制御される。
【0017】
前記単石ドレッシング器具2は、スライド板21に下方向向きに固定され、該スライド板21右側は油圧シリンダー機構20のピストン(左右軸)22の先端側に留めピン25を介して固定具で固定され、スライドベース24上を左右方向(砥石幅方向)に滑走する。図示されていない油圧ポンプより油圧配管26、27、ソレノイドバルブ(図示されていない)を経由して油が油圧シリンダー23内のピストンの後側に供給されるとスライド板21は左方向に前進し、油がピストンの前側に供給されるとスライド板21は右方向に後退する。ピストン22の左右ストローク幅(実線で示す単石ダイヤモンドドレッシング器具2と仮想線で示す単石ダイヤモンドドレッシング器具2'間の距離)は、砥石車横幅の1.2〜1.5倍で十分である。
【0018】
スライドベース24の取付板28は、研削装置本体の砥石頭の上に砥石軸と平行に砥石頭ハウジング30にボルト29および皿バネ31を用いて固定される。32および33は保護カバーである。
【0019】
図4および図5に見受けられるように頭上ドレッシング装置1の油圧シリンダー機構20側には機械座標を読み取る位置検出器スケール40が取り付けられている。位置検出器45からのフィードバックパルスWPfを受信したレジスタ更新手段50により前記上下軸5,6座標位置レジスタを更新する。図中、41はスケールカバー、42はスケールホルダーカバー、43はスケールブラケット、44はコマである。
【0020】
図6のドレッサ量補正制御装置において、レジスタ更新手段50は左右軸24の位置検出器45からのフィードバックパルスWPfよって、機械座標位置レジスタ51を更新する。また、真直度補正データメモリ53(64)には、左右軸24の機械座標位置に対応した真直度補正データSが格納される。真直度補正手段52は左右軸の機械座標位置に対応した真直度補正データΔY(ΔSに相当)を真直度補正データメモリ53から読み出して、上下軸指令値(ドレス量)Ycに加えて補正された指令(Yc+ΔY)で上下軸サーボモータ9を制御する。
【0021】
図1aに示されるように、真直度補正データΔSは、予めサーボモータ数値制御の上下軸4,5を移動させないで油圧駆動の左右軸22を移動させて非数値制御の左右軸のストロークを各補正点数p(pは30〜180の整数)で割ったピッチ間距離における上下軸への真直度Sを測定し、数値制御装置の真直度補正量記録部に入力し、ピッチ間距離を(b−a)、このピッチ間距離における真直度Sの最大値Smax(図1aではα)および最小値Smin(図1aではβ)とからこのピッチ間距離における真直度補正量ΔS=(Smax−Smin)/(b−a)とする。図1aではΔS=(β−α)/(b−a)。
【0022】
図1bに示されるように、機械座標の左右方向軸をX、上下方向軸をYとすると、真直度補正を行わないで上下軸のみをピッチ点p〜pへ移動させる指令を行った場合、単石ドレッシング器具2のX軸上の軌跡(点Aの軌跡)は左右軸の真直度誤差の軌跡(B部の軌跡)の影響を受けてしまうので、Y座標の真直度補正を行う。Y軸(移動軸)のみをピッチ点p〜pへ移動させる指令を行うと、B部がp〜pにあるときは真直度補正によりそれらに対応する真直度補正量ΔSからΔS(図1bではεからε4)がY軸に与えられる。このY軸の補正動作によりX軸とY軸をつなぐB部の軌跡がX軸の勾配の影響を受けたとしても、Y軸上の点A(単石ドレッシング器具2)の軌跡はX軸の勾配の影響が除去されたものとなっている。
【0023】
真直度補正データΔS作成ソフトウエアは、ファナック株式会社より"FANUC Series" 30-MODEL A,300-MODEL A, 300is-MODEL Aの商品名で販売されている。砥石車幅が大きくなると補正点数pも大きくなる。補正点数p30〜200では、"FANUC Series" 30-MODEL Aが用いられ、補正点数p300〜1000では、"FANUC Series" 300-MODEL Aが、補正点数p600〜2000では"FANUC Series" 300is-MODEL Aが用いられる。砥石車のドレッシングにおいては砥石車の幅およびドレス速度50〜300rpmから判断して"FANUC Series" 300-MODEL Aで十分である。
【0024】
図7のドレッサ量補正を実施する研削装置60において、プロセッサ61は、ROM62に格納されたシステムプログラムに従って数値制御装置全体を制御する。RAM63には各種のデータあるいは入出力信号が格納される。
【0025】
不揮発性メモリ64には図示されていないバッテリによってバックアップされたCMOSが使用され、電源切断後も保持すべきパラメータ、ピッチ誤差補正量及び砥石車補正データ等が格納さる。また、不揮発性メモリ64には、本実施例の真直度補正データが格納される。
【0026】
グラフィック制御回路65はディジタル信号を表示用の信号に変換し、表示装置66に与える。表示装置66にはCRTあるいは液晶表示装置が使用される。表示装置66は対話形式で加工プログラムを作成していくときに、形状、加工条件及び生成された加工プログラム等を表示する。
【0027】
表示装置66に表示される内容(対話形データ入力画面)に従ってデータを入力することにより加工プログラムを作成することができる。画面の上部にはデータの意味を表す図形が表示され、下部に入力すべきデータの種類が表示される。また、画面にはその画面で受けられる作業又はデータがメニュー形式で表示される。メニューのうちどの項目を選択するかは、メニューの下のソフトウェアキー73を押すことにより行い、ソフトウェアキー73の意味は各画面毎に変化する。
【0028】
キーボード67はシンボリックキー、数値キー等からなり、必要な図形、データをこれらのキーを使用して入力する。PMC(プログラマブル・マシン・コントローラ)72はバス71経由でM機能信号等を受けて、シーケンス・プログラムで処理して、出力信号を出力し、研削装置60を制御する。また、PMC72は、研削装置側からの入力信号を受けて、シーケンス・プログラムで処理を行い、バス71を経由して、プロセッサ61に必要な入力信号を転送する。
【0029】
軸制御回路68はプロセッサ61からの軸の移動指令を受けて、軸の指令をサーボアンプ69に出力する。サーボアンプ69はこの移動指令を受けて、研削装置60のサーボモータを駆動する。
【0030】
研削装置60には、プリセットボタン80が機械操作盤に設けられている。
【0031】
図6に戻って、軸22には測定スケール40が固定されており、測定スケール40に対向して位置検出器45が設けられている。軸22が移動すると、位置検出器45から移動量に応じたフィードバックパルスWPfが出力される。
【0032】
レジスタ更新手段50はこのフィードバックパルスWPfによって左右軸の機械座標位置レジスタ51の機械座標位置を更新する。また、真直度補正データメモリ53には、予め左右軸の機械座標位置に対応した真直度補正データSが格納されている。
【0033】
真直度補正手段52は左右軸22の機械座標位置に対応した真直度補正データを読み出し、真直度補正データをY軸制御回路68yに送る。Y軸制御回路68yでは、Y軸指令Ycに真直度補正データΔYを加えて、補正された指令(Yc+ΔY)でY軸サーボモータ9を制御する。
【0034】
また、原点復帰時には左右軸の機械座標位置を非数値制御軸プリセット手段80でプリセットする。次に非数値制御軸プリセット手段80の動作について述べる。(ステップ1)原点復帰動作を手動等で行い、オペレータがプリセットボタン80を押すと、プリセット信号がPMC72経由で、送られてきて、非数値制御軸プリセット信号がオンになる。(ステップ2)非数値制御軸プリセット信号がオンになると、非数値制御軸プリセット手段80は左右軸の機械座標位置レジスタ51を0にプリセットする。(ステップ3)ついで、非数値制御軸プリセット手段80は原点復帰完了信号をPMC72に送り、これによって原点復帰が完了し、真直度補正手段52が機能を開始する。
【0035】
図2に真直度補正された砥石車の幅方向の指令された補正量(Yc+ΔY)を示す。砥石車中央および両端での真直度補正量ΔY(ΔS)が大きいことが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0036】
非数値制御軸と数値制御軸間の各位置座標における真直度の変位量を近似させてドレッシング補正量を定めるので、精度よく砥石車のドレッシングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】真直度補正量を求める図を示す。
【図2】砥石車幅方向のドレッシング量を示す。
【図3】頭上ドレッシング装置の一部を切り欠いた正面図である。
【図4】頭上ドレッシング装置の側面図である。
【図5】頭上ドレッシング装置の図3におけるB−B面方向から見た背面断面図である。
【図6】ドレッサ量補正制御装置の図である。
【図7】ドレッサ量補正を実施する研削装置の概略構成図である。
【符号の説明】
【0038】
1 頭上ドレッシング装置
2 単石ドレッシング器具
3 単石ダイヤモンド
w 砥石車
4 ボールスプライン
5 ボールネジ
9 ACサーボモータ
20 油圧シリンダー機構
22 ピストン軸
40 スケール
45 位置検出器
50 レジスタ更新手段
52 真直度補正手段
60 研削装置
80 プリセット手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非数値制御で左右軸方向に移動可能であり、かつ、数値制御で上下方向に移動可能な上下軸に固定された単石ドレッシング器具を用いて回転軸に水平方向に軸承された砥石車を頭上ドレッシングする方法において、予め数値制御の上下軸を移動させないで非数値制御の左右軸を移動させて非数値制御の左右軸のストロークを各補正点数p(pは30〜1800の整数)で割ったピッチ間距離における上下軸への真直度Sを測定し、数値制御装置の真直度補正量記録部に入力し、ピッチ間距離を(b−a)、このピッチ間距離における真直度Sの最大値Smaxおよび最小値Sminとからこのピッチ間距離における真直度補正量ΔS=(Smax−Smin)/(b−a)として数値制御装置の真直度補正手段でこの各ピッチ間距離における各ピッチ誤差補正点位置における真直度補正量ΔSを演算し、この補正点位置における真直度補正量ΔSを上下軸の補正量として記録部に送信してドレッシング量を補正し、ついで、単石ドレッシングによる砥石車のドレッシングを開始することにより左右軸のピッチ誤差補正点pで上下軸にΔSの補正をかけたドレッシング量のドレッシングを行うことを特徴とする、砥石車の頭上ドレッシング方法。
【請求項2】
油圧駆動で左右軸方向に移動可能であり、かつ、サーボモータで上下方向に移動可能な上下軸に固定された単石ドレッシング器具、
予め測定された真直度補正データSを格納する真直度補正データメモリ、
予め数値制御の上下軸を移動させないで油圧駆動の左右軸を移動させて非数値制御の左右軸のストロークを各補正点数p(pは30〜1800の整数)で割ったピッチ間距離における上下軸への真直度Sを測定し、数値制御装置の真直度補正量記録部に入力し、ピッチ間距離を(b−a)、このピッチ間距離における真直度Sの最大値Smaxおよび最小値Sminとからこのピッチ間距離における真直度補正量ΔS=(Smax−Smin)/(b−a)とする真直度補正手段、および、
前記左右軸の位置検出器からのフィードバックパルスWPfによって前記上下軸座標位置レジスタを更新するレジスタ更新手段、
とを有する頭上ドレッシング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−132556(P2008−132556A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−319528(P2006−319528)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(391011102)株式会社岡本工作機械製作所 (161)
【Fターム(参考)】