説明

硝化細菌のコンソーシアム

本発明は、ニトロソモナス・ユートロファ(Nitrosomonas eutropha)及びニトロバクター・ウィノグラドスキィ(Nitrobacter winogradskyi)のコンソーシアムに関するものであり、それは特に、小エビ養魚池のような養殖において、一般的に用いられるニトロソモナス・ユーロぺア(Nitrosomonas europea) 及びニトロバクター・ウィノグラドスキィ(Nitrobacter winogradskyi)のコンソーシアムよりアンモニアと亜硝酸の除去に効果的である。小エビ養魚池のような養殖においてコンソーシアムを補足することは、総収穫高の増加、サイズの増大、飼料要求率の減少(1kgの小エビを得るのに必要な飼料の量がより少ない)、及び養魚池当たりの総売上高の増加を導き得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硝化細菌のコンソーシアム及びその使用(特に養殖における)に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の詳細
養殖システムにおいて、水生生物に有毒な、高濃度のアンモニア及び亜硝酸の蓄積は、一般に、アンモニア酸化細菌(AOB)及び亜硝酸酸化細菌(NOB)を含む硝化微生物による活発な除去によって防止されている。伝統的に、水槽においてアンモニア及び亜硝酸の酸化を招く細菌は、ニトロソモナス・ユーロペア(Nitrosomonas europea)及びニトロバクター・ウィノグラドスキィ(Nitrobacter winogradskyi)であると考えられた。新たに設置した水槽において、アンモニア及び亜硝酸は、AOB及びNOBの十分なバイオマスが確立される前に、魚、甲殻類、及び他の水生の無脊椎動物に有毒な濃度に達し得る。NOBの確立のための時間を短縮するため、これらの生物の市販品が、独立栄養のAOB及びNOB生物の混合培養菌を含む水槽環境に接種するのに利用される。
【0003】
米国公開公報第2004/0101944号は、窒素化合物のような特に有害な物質を除去するための微生物の培養菌及びこの培養菌の使用に関する;本微生物は、例えば、ニトロソモナス・ユートロファ(Nitrosomonas eutropha)又はニトロバクター・ウィノグラドスキィ(Nitrobacter winogradskyi)といった硝化微生物から選択され得る。
【0004】
米国特許第6,207,440号明細書は、水性の培養基において、亜硝酸の蓄積を防止、又は軽減するために、亜硝酸を硝酸に酸化し得る単離した菌株とそれの使用方法を記載する。
改良された硝化細菌のコンソーシアムを提供することが、本発明の目的である。
【発明の開示】
【0005】
発明の要約
本発明者は、ニトロソモナス・ユートロファ(Nitrosomonas eutropha)及びニトロバクター・ウィノグラドスキィ(Nitrobacter winogradskyi)のコンソーシアムが、一般に用いられるニトロソモナス・ユーロぺア(Nitrosomonas europea)及びニトロバクター・ウィノグラドスキィ(Nitrobacter winogradskyi)のコンソーシアムより、特に養殖において、例えば、成長する小エビにとって、アンモニア除去に効果的であることを確認した。小エビ養魚池のような養殖においてコンソーシアムを補足することは、総収穫高の増加、サイズの増大、飼料要求率の減少(1kgの小エビを得るのに必要な飼料の量がより少ない)、及び養魚池当たりの総売上高の増加を導き得る。
【0006】
したがって、本発明は、このような硝化細菌のコンソーシアム及び養殖における(特に小エビ養魚池における)その使用を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
微生物の寄託
代表的な細菌のコンソーシアムは、1994年以前から集められた自然の水源由来の試料から単離された。それは、ブダペスト条約の約定の下、特許の目的のためにATCC(米国菌培養収集所:10801 University Blvd., Manassas, VA 20108 USA)に寄託された。本寄託は、2004年9月23日になされ、Novozymes Biologicals社によって寄託番号PTA-6232を与えられた。
【0008】
寄託されたコンソーシアムは、アンモニア酸化細菌及び亜硝酸酸化細菌を含む。分類学的目的のため、2つの微生物の16SリボゾームDNA(16S rDNA)は、配列を決定された。そして、それぞれ配列番号1及び2のように示される。GenBank(Nucleic Acids Research 2004 Jan 1; 32(1):23-6)を通じて公的に利用できるすべての他の公表された塩基配列を使った配列決定に基づき、アンモニア酸化細菌は、ニトロソモナス・ユートロファ(Nitrosomonas eutropha)(Koops et al., J. Gen. Microbiol. 1991, 137, 1689-1699)として分類され、亜硝酸酸化細菌は、ニトロバクター・ウィノグラドスキィ(Nitrobacter winogradskyi)として分類された。
【0009】
硝化コンソーシアム
本硝化コンソーシアムは、アンモニア酸化細菌(AOB)及び亜硝酸酸化細菌(NOB)を含んでなる。
本AOBは、ニトロソモナス・ユートロファ(Nitrosomonas eutropha)菌種に属し得るし、及び/又は、配列番号1 と2%未満異なる(98%以上一致する)、特に1%未満異なる(99%以上一致する)、16SリボゾームDNA(16S rDNA)塩基配列を有し得る。好ましくは、本AOBは、配列番号1又はATCC PTA-6232に含まれるニトロソモナス・ユートロファ(Nitrosomonas eutropha)菌株である16SリボゾームDNA(16S rDNA)塩基配列を有する。
【0010】
本NOBは、ニトロバクター・ウィノグラドスキィ(Nitrobacter winogradskyi)に属し得るし、及び/又は、配列番号2 と10%未満異なる(90%以上一致する)、特に6%未満又は3%未満異なる(94%以上又は97%以上一致する)、16SリボゾームDNA(16S rDNA)塩基配列を有し得る。好ましくは、本NOBは、配列番号2又はATCC PTA-6232に含まれるニトロバクター・ウィノグラドスキィ(Nitrobacter winogradskyi)菌株である16SリボゾームDNA(16S rDNA)塩基配列を有する。
【0011】
既知の塩基配列は、配列番号1又は2とアライメントされ得る。そして、相違点又は一致点は、www.ebi.ac.uk/blast/index.htmlにおいて利用できるBLASTプログラム(Basic Local Alignment Search Tool)を用いて計算され得る。そこでは、期待値(the expectation value)は10と評価され、塩基不一致ペナルティ値(the penalty for nucleotide mismatch)は−3、一致スコア値(the reward for match)は+1、ギャップ開始ペナルティ値(the gap opening penalty)は−5、そしてギャップ継続ペナルティ値(the gap extension penalty)は−2である。
【0012】
シーケンスアライメントは、PHYLIP Phylogenetic inference Package (Felsenstein,J.1989. PHYLIP-Phylogeny Inference Package (Version 3.2). Cladistics 5:164-166)由来のCLUSTALWプログラムを用いて作成され得る。 IUB/BESTFIT 重み行列(wight matrix)を用いる高精度法は、ギャップペナルティ値(a gap penalty)が-15、継続ペナルティ値(an extension penalty)が-6.66で使用され得る。アライメントの結果は、Jukes-Cantor model に従って、PHYLIP由来のDNADISTを用いる相違点%(及び、一致点%)の測定のために使用され得る。
【0013】
AOB及びNOBは、他の細菌、例えば、商業的に生成したPrawn Bac PB-628(Novozymes Biologicalsの製品)、エンテロバクター(Enterobacter)又はシュードモナス(Pseudomonas)のようなバチルス(Bacillus)とともに使用され得る。
【0014】
本硝化コンソーシアムは、液体、凍結乾燥した粉末、又はバイオフィルムとして、例えば、ふすま又はコーングルテンに加えて、調製され得る。アンモニア酸化細菌は、一般的には、約50〜5000 mg NH3-N/L/hr(一般的に、およそ800)のアンモニア酸化速度で接種され、亜硝酸酸化細菌は、一般的には、約10〜2000 mg NO2-N/L/hr(一般的に、およそ275)の亜硝酸酸化速度で接種される。
【0015】
アンモニア及び亜硝酸の酸化速度
アンモニア酸化速度は、30℃、pH 8.0で、培養基に塩化アンモニウムを用いて培養することにより測定される。亜硝酸酸化速度は、30℃、pH 7.5〜7.8で、培養基に亜硝酸ナトリウムを用いて培養することにより測定される。
【0016】
培養
本コンソーシアムは、従来技術の既知の方法により回分培養にて培養され得る。例えば、「H Koops, U Purkhold, A Pommerening-Roser, G Timmermann, and M Wagner,“The Lithoautotrophic Ammonia-Oxidizing Bacteria,” in M. Dworkin et al., eds.,The Prokaryotes:An Evolving Electronic Resource for the Microbiological Community, 3rd edition, release 3.13, 2004, Springer-Verlag, New York」を 参照すべきである。
【0017】
硝化コンソーシアムは、液体、凍結乾燥した粉末、又はバイオフィルムとして、例えば、ふすま又はコーングルテンに加えて、調製され得る。それは、一般的には、約50〜5000 mg NH3-N/L/hr(例えば、およそ800)のアンモニア酸化速度、及び約10〜2000 mg NO2-N/L/hr(例えば、およそ275)の亜硝酸酸化速度で調製される。
【0018】
コンソーシアムの使用
本コンソーシアムは、アンモニア含有の液体又は亜硝酸含有の液体を硝化するために使用され得る。このように、有害な濃度以下で養殖容器中のアンモニア及び亜硝酸塩のレベルを維持することは、魚(淡水又は海水魚)又は甲殻類(例えば、小エビ)ような水生生物を養殖するため、特に、養殖における飼料貯蔵(foodstocks)の生産のために役立ち得る。 水生生物は、養殖容器、タンク、水槽、池、野外の商業用若しく観賞用の魚か小エビの池、又は養魚池のような容器における液体中で(淡水又は海水魚)養殖され得る。このように、集約的な養殖による海産小エビの生産に用いられる小エビ養魚池への微生物の捕捉は、有害な有機及び無機廃棄物を環境的に安全なレベルまで減少するのに役立ち得る。
【0019】
一般的に、硝化コンソーシアム濃度は、500,000リットル処理するにあたって、0.5〜300リットルの割合で、例えば、処理期間10週以上で、1週間当たり500,000リットルの水に対して約2リットルの硝化コンソーシアムというより好ましい処理レジームを使って、500,000リットル処理するにあたって1〜300リットル、養殖容器に添加される。本アンモニア酸化細菌は、一般的に0.01〜10 mg NH3-N/L/hrのアンモニア酸化速度、例えば0.03〜3 又は0.1〜10 mg NH3-N/L/hr、特に0.3〜3 mg NH3-N/L/hr、そして本亜硝酸酸化細菌は、一般的に0.003〜3 mg NO2-N/L/hrの亜硝酸酸化速度、例えば0.03〜3 mg NO2-N/L/hr、特に0.01〜1又は0.1〜1 mg NO2-N/L/hrで接種される。
【0020】
養魚池や水槽中の液体は、0〜36 ppm(1000分の1)の塩分濃度に、より好ましくは4〜22 ppmの塩分濃度範囲に変化させ得る。温度は、約18〜38℃、一般的におよそ30℃でもよい。pHは、約6.8〜8.5でもよい。養殖容器は、一般的に40〜100%の酸素飽和、又は3.5〜7.5 mg/mLの溶解酸素まで、パドル付車輪又はジェットポンプのような従来の方法によって曝気され得る。養殖容器はまた、非機械の自然な方法によっては曝気され得ない。
シクロへキシミドのような抗生物質は、アメーバのような原生生物の成長を阻害するために加えられ得る。
【0021】
様々な工業排水処理施設、自治体収集廃物処理、又は観賞用の池のような、アンモニア、及び/又は、亜硝酸が有害なレベルに達した他の環境状態は、水理学的滞留時間及び初期のアンモニアと亜硝酸のレベルに応じて、定期的に同様な量の硝化コンソーシアムの添加によって利益を得ることができる。
【実施例】
【0022】
例1. フラスコにおけるアンモニア酸化
フラスコ研究にとって、開始の基質溶液は、活発な小エビの水槽タンクから採取した水であった。そのタンクでは小エビが、目的DO(溶解した酸素;4〜5 mg/L O2)レベルまで酸素を供給し、30℃でインキュベートし、そして、標準的な食物ペレット(一日あたりタンクにつき全小エビ重量の5〜10 %)を一定レベル供給した、pH 8に緩衝した4pptの食塩水溶液中で、温度を慎重に維持した条件下、それらの通常のアンモニア排泄物を生じながら、4日間活発に成長させられた。4日後、アンモニアは、およそ1.4〜2.0 ppm NH3まで蓄積しており、これは小エビの成長促進に有害となる初期段階レベルであった。この溶液は、本処理研究のため、バックグラウンドの微生物(有機栄養生物)を除去し、シェークフラスコの中に分けるために濾過された。本フラスコは、表示された酸化速度まで、以下の株で接種された。
【0023】
【表1】

【0024】
以下の3つの鍵となる要素が、アンモニア(NH4+)、亜硝酸(NO2)及び硝酸(NO3)の硝化プロセスにおける0日ないし8日まで測定された。
【0025】
【表2】

【0026】
本結果は、ニトロソモナス・ユートロファ(Nitrosomonas eutropha)及びニトロバクター・ウィノグラドスキィ(Nitrobacter winogradskyi)のコンソーシアムが、アンモニアの硝酸への酸化に最も効果的であったことを明らかに示す。アンモニア酸化細菌ニトロソモナス・ユートロファ(Nitrosomonas eutropha)だけを有する参照は、アンモニアを亜硝酸に酸化させることができたが、亜硝酸を硝酸に酸化させることができなかった。従来技術のコンソーシアムは、アンモニアを亜硝酸に酸化させることができたが、アンモニア除去により効果的ではなかった。
【0027】
例2. 小エビのタンクにおけるアンモニア酸化
小エビのタンク研究のため、小エビは、例2で述べたように水槽タンクで成長させ、そして、研究の初日に一度だけ接種した。タンク研究に使用する接種速度は、例2で述べた速度の10分の1であった。一般的には、800 mg NH3-N/L/hrのアンモニア酸化速度、及び、少なくとも270 mg NO2-N/L/hrの亜硝酸酸化速度(該当する場合)を有する硝化菌株の濃縮物2.5 ml が、水槽の食塩水5ガロンに添加された。
【0028】
これは、0.1 mg NH3-N/L/hrの最終アンモニア酸化速度、及び、少なくとも0.03 mg NO2-N/L/hrの亜硝酸酸化速度(該当する場合)をもたらした。アンモニア、亜硝酸及び硝酸の蓄積が、例2に示したように、同じ菌株で処理したタンク中で生じた。その水はまた、飼料及び小エビそれら自体(養殖池中と同様に)から当然に生じる従属栄養細菌を含んでいた。その従属栄養細菌は、凝集した硝化細菌のコンソーシアムに付着し得るし、効果的なアンモニアまたは亜硝酸の利用を阻害し得る。
【0029】
【表3】

【0030】
意外なことに、ニトロソモナス・ユートロファ(Nitrosomonas eutropha)及びニトロバクター・ウィノグラドスキィ(Nitrobacter winogradskyi)のコンソーシアムは、ニトロソモナス・ユーロペア(Nitrosomonas europea) 及びニトロバクター・ウィノグラドスキィ(Nitrobacter winogradskyi)の従来技術のコンソーシアムがあまり効果的でなかった一方で、この自然環境にも効果的なアンモニア酸化が可能であった。
【0031】
従来技術のコンソーシアムは、本発明のコンソーシアムと比較して、例2ではアンモニアに対してフラスコの中でほぼ同程度に効果的であったが、あまり効果的でなかった。本発明における亜硝酸(NO2)のレベルは、参照(前者の優れたアンモニア酸化活性に起因する)におけるものより高く、そして、硝酸(NO3-)のレベルはまた、亜硝酸の形が本発明の亜硝酸酸化活性によって硝酸に変化されるので、本発明においてより高いことに留意すべきである。
【0032】
例3. 野外実地試験
野外実地試験は、1平方メートル当たり110の幼生という密度で入れた商業規模の孵化場から得た、あらかじめ選択したエクアドルエビ(Litopenaeus vannamei) 後幼生(PL)小エビを用いておこなわれた。2つの異なる池(それぞれ0.8ヘクタール)は、硝化微生物の生産物の標準的なレジーム(regime)で処理された。そこには、4ガロンの濃縮した硝化コンソーシアムが、あらかじめストックしていた4週目に、そして、5週目及び6週目に2ガロン、その後、13週目まで1ガロンが、各々の池に加えられた。本研究をとおして、AOB細菌の全接種量は、0.01 mg NH3-N/L/hrと同量を供給し、NOB細菌の全接種量は、0.03 mg NO2-N/L/hrと同量を供給した。5つの追加の全く同じ大きさ、かつ、ストックした池は、処理した池と同量の餌を与える未処理の対照として供した。全ての池は、少なくとも4.5 mg/L O2 になるまで、終日、機械的に曝気された。
【0033】
池の水温と塩濃度は、平均温度範囲27〜32℃であって塩濃度22〜24 pptを示す、一般的な季節ごとの変動に従った。池は、収穫近くまで1日当たり最高4回給餌という方法で、毎日、餌を供給された。
【0034】
5つの未処理の対照の池のうちの4つは、6週目までにアンモニアストレス及びウイルス性の疾患で死んだ。残りの対照の池は、アンモニアレベルが給餌ストレス及びり病性を引き起こした82日目に収穫するまで養殖された。2つの処理した池は、100日目を過ぎても健康であった。
【0035】
処理した池の、小エビの収穫(kg/ha);飼料要求率(FCR);及び個々の小エビの重量(wt/pcs)は、未処理の対照の池に比べて、これらの鍵となるパラメータの全てに関し、すべて有意に優れていた。
【0036】
アンモニア性窒素(NH3-N)及び亜硝酸性窒素(NO2-N)は、この試験に伴う最も重要な物理的なパラメータであった。最初の8週間の間、全ての処理した池におけるアンモニアレベル及び亜硝酸レベルは、対照の池の全てにおいて得られた、測定値で認められた安定した増加と比較して、非常に低い状態のままであった。明らかに、これらのアンモニア及び亜硝酸の増加は、4つの対照の池において死ぬのに十分な、小エビの成長の初期の終結を強いるのに十分に深刻なものであった。成長を続ける間、生き残っている対照の池において有意な増加が、処理した池で認められたゼロレベルに近い非常に低い値で依然認められた。
【0037】
小エビは、対照の池由来の小エビよりわずかに大きく、そして、より一層活発(飛びはねる)と思われた、処理した池の1つから8週目に回収した。これは、処理した池における相対的に低いレベルと比較して、対照の池においてより高いアンモニア及び亜硝酸レベルにさせるのに十分かもしれない。処理をした池からの最終の収穫量は、生き残った対照の池から5.2 kg/haであったのに対し、平均して19.5 kg/haとなった。
【0038】
本データは、プロバイオティック処理の繁殖反応、特に、アンモニア水及び亜硝酸水の質、並びに小エビの成長及び収穫量パラメータの増加に関して、意味を示した。加えて、小エビのため池の残留汚泥の減少は、収穫量の点で未処理の対照及びこれらの池底の過去の観察報告と比較して、処理した池で劇的に明らかなものとして報告された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンモニア酸化細菌としてニトロソモナス・ユートロファ(Nitrosomonas eutropha)及び亜硝酸酸化細菌としてニトロバクター(Nitrobacter)を含んでなる細菌組成物。
【請求項2】
亜硝酸酸化細菌がニトロバクター・ウィノグラドスキィ(Nitrobacter winogradskyi)である、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
配列番号1と2%未満異なる核酸配列を含んでなるアンモニア酸化細菌、及び配列番号2と10%未満異なる核酸配列を含んでなる亜硝酸酸化細菌である、請求項1又は2記載の細菌組成物。
【請求項4】
配列番号1と2%未満異なる核酸配列を含んでなるアンモニア酸化細菌、及び配列番号2と10%未満異なる核酸配列を含んでなる亜硝酸酸化細菌を含んでなる細菌組成物。
【請求項5】
アンモニア酸化細菌が配列番号1と1%未満異なる核酸配列を含んでなる、請求項4記載の組成物。
【請求項6】
亜硝酸酸化細菌が配列番号2と6%未満異なる、特に3%未満異なる、核酸配列を含んでなる、請求項3〜5のいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
アンモニア酸化細菌が配列番号1の核酸配列を含んでなる、又はATCC PTA-6232に含まれるニトロソモナス・ユートロファ(Nitrosomonas eutropha)菌株である、請求項1〜6のいずれか1項記載の組成物。
【請求項8】
亜硝酸酸化細菌が配列番号2の核酸配列を含んでなる、又はATCC PTA-6232に含まれるニトロバクター・ウィノグラドスキィ(Nitrobacter winogradskyi)菌株である、請求項1〜7のいずれか1項記載の組成物。
【請求項9】
液体中で請求項1〜8のいずれか1項記載の細菌組成物を培養することを含んでなる、アンモニア含有、又は亜硝酸含有溶液を硝化する方法。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項記載の細菌組成物の存在下で、水生生物を飼養することを含んでなる、水生生物を飼養する方法。
【請求項11】
水生生物が甲殻類又は魚類を含んでなる、請求項10の方法。
【請求項12】
アンモニア酸化細菌が0.1〜10mg NH3-N/L/hr、特に0.3〜3mg NH3-N/L/hrのアンモニア酸化速度に至るまで接種される、請求項9〜11のいずれか1項の方法。
【請求項13】
亜硝酸酸化細菌が0.03〜3mg NO2-N/L/hr、特に0.1〜1mg NO2-N/L/hrの亜硝酸酸化速度に至るまで接種される、請求項9〜12のいずれか1項記載の方法。

【公表番号】特表2008−516603(P2008−516603A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536862(P2007−536862)
【出願日】平成17年10月12日(2005.10.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/036757
【国際公開番号】WO2006/044499
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(507121116)ノボザイムス バイオロジカルズ,インコーポレイティド (7)
【Fターム(参考)】