説明

硫酸ピッチの処理方法

【課題】 石油精製過程にて生じた硫酸ピッチを、従来廃棄されている材料を使用することで中和剤の材料コストを低減し、中和効果が十分で、処理後のハンドリング性がよく、臭気の脱臭、有害重金属の固定化が可能な硫酸ピッチの処理方法を提供する。
【解決手段】 石油精製過程にて生じた硫酸ピッチをコンクリート廃材から再生骨材回収時に生じる微粉末で処理することで、中和処理する。また、得られた中和処理物をセメント焼成工程の原料又は助燃材、あるいは路盤材料等の土木建築材料として利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石油精製過程にて生じた硫酸ピッチをコンクリート廃材から再生骨材回収時に生じる微粉末で中和処理する硫酸ピッチの処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、石油精製過程においては、原油に含まれている金属類や不純物を取り除くために硫酸を用いて洗浄処理を施しているが、この洗浄処理過程では、硫酸が残留した石油ピッチ(以下、硫酸ピッチと呼ぶ。)が残渣として多量に発生する。
この硫酸ピッチは、廃酸と廃油の混合物からなるもので、硫黄分、アスファルト質等を含むタール状の物質である。この硫酸ピッチは、通常、中和して焼却処理される。
硫酸ピッチは、例えば、硫酸または硫酸イオンを30〜40%、石油タールを30〜40%、油分を10%程度、それぞれ含むもので、油分が多いものは粘性の高い液状であるが、油分が揮発してくるにつれて液状から固体状に変化することとなる。この硫酸ピッチは、硫酸または硫酸イオンの濃度が非常に高いために、例えば、pHが1程度の強い酸性を示す。
【0003】
この硫酸ピッチは、中和処理の際に有害ガスが発生するおそれがあり、また、焼却処理の際に発生する酸性ガスにより焼却炉が腐食するおそれがあり、この酸性ガスを環境中に放出しないために該酸性ガスを分離捕集する必要がある等、様々な問題点があり、廃棄処理を容易に行うことができないものであった。
そこで、以下のように、硫酸ピッチの様々な処理方法(特許文献1、2参照)が提案され、実用に供されている。
【0004】
特許文献1の処理方法では、硫酸ピッチにセメントを加えて攪拌混合して、油分及び反応生成物からなる混合物と気化ガスとに分離する。気化ガスは燃焼処理し、混合物は油分を分離して燃料油として利用し、残された粉末状の反応生成物を建築材料等に利用する。
この処理には、硫酸ピッチをセメントで中和処理をする攪拌混合装置、中和反応で生じたオイルヒューム・オイルミストを回収する油分回収装置、撹拌混合装置から発生したオイルフューム・オイルミストを吸引するファン、油分回収装置2で未回収となった油分を燃焼させる燃焼炉、及び燃焼排ガスを排出する排気筒を主構成要素とする処理装置が用いられている。
【0005】
特許文献2の方法は、硫酸ピッチを中和・無害化することによって、セメント焼成の際の原料や助燃材として有効利用するもので、石油精製により生じて地中に埋設した流動性を有する砂混じりの硫酸ピッチを掘り出し、この砂混じり硫酸ピッチに一定量の砂と無機セメント系固化剤と消石灰等の処理材を加えて攪拌混合して粘性を取り、無害化して均一な混合物(安定処理土)とし、塊状物と油分の多い処理物に分離する。この分離した塊状物を破砕して砂状とし、セメント焼成設備に投入することでセメント原料の混合材として利用するとともに、油分の多い処理物をセメント焼成の際の助燃材として利用する方法である。
【0006】
しかしながら、これら従来の硫酸ピッチの処理方法では、中和効果が認められ、処理後のハンドリングの簡便性も改善されたが、臭気の脱臭性、有害重金属の固定化、低価格などの点で満足すべきものではなかった。
【0007】
【特許文献1】特開2000−42594号公報
【特許文献2】特開2002−180067号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑み、石油精製過程にて生じた硫酸ピッチを、従来廃棄されている材料を使用することで中和にかかる材料コストを低減し、中和効果が十分で、処理後のハンドリング性がよく、臭気の脱臭、有害重金属の固定化が可能な硫酸ピッチの処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、硫酸ピッチをコンクリート廃材から再生骨材回収時に生じる微粉末で処理することで、中和剤の材料コストを低減し、中和効果が十分で、処理後のハンドリング性がよく、臭気の脱臭、有害重金属の固定化が可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明の硫酸ピッチの処理方法は、石油精製過程にて生じた硫酸ピッチを解体コンクリートなどのコンクリート廃材から再生骨材回収時に生じる微粉末で中和処理することを特徴とする。
また、得られた処理物は、路盤材料等の土木建築材料として、あるいはセメント焼成工程の原料又は助燃材として利用することができ、後者の場合、該処理物はセメント製造設備の800℃以上の高温部に投入することにより行われるのが好ましい。
【0011】
前記中和処理は、中和滴定法により前記硫酸ピッチ中の硫酸の含有量を求め、次いで、この硫酸を中和するのに十分な量のコンクリート廃材から再生骨材回収時に生じる微粉末を前記硫酸ピッチに加えて該硫酸ピッチ中の硫酸を中和し、次いで、この処理物を粒状化または塊状化することが好ましい。
また、硫酸ピッチと微粉末を十分に混合して中和反応を円滑に進行させるために、前記中和処理の前に、前記硫酸ピッチの粘性を低下させておくことが好ましい。粘性を低下させる方法としては、中和処理の前に、硫酸ピッチを加熱することが好ましいが、該硫酸ピッチに水または溶剤を添加してもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の硫酸ピッチの処理方法によれば、硫酸ピッチは、「コンクリート廃材から再生骨材回収時に生じる微粉末」(「コンクリート廃材微粉末」または単に「微粉末」と呼ぶことがある。)と混合され、その結果中和処理されるが、該コンクリート廃材微粉末の下記特性により、処理後のハンドリング性がよく、臭気の脱臭、有害重金属の固定化が可能であり、運搬が容易で安全な状態に改質される。
【0013】
コンクリート廃材から再生骨材回収時に生じる微粉末中のセメント水和物粒子は、平均粒径が0.10mm以下、比表面積が4000〜10000cm2/g程度と未水和のセメント粒子より細かい。また、モルタルペーストが粉砕されたものであるため、微粉末中には様々な径のセメント水和物粒子が存在する。硫酸ピッチ中のH2SO4は、微粉末中のセメント水和物と反応することで中和され、セメント水和物粒子中に中和反応によってCaが抜けた後にできる空隙の細孔径は、セメント水和物粒子の粒径同様多彩な細孔径を持つ。
【0014】
多彩な細孔径を持つセメント水和物粒子中に、硫酸ピッチの油分が封じ込められるため、油分が分離され、粘性が低下することで、ハンドリング性が向上する。
また、SO2ガスなどの有害ガスは、中和時に形成された多彩な細孔径空隙から、最適な細孔径の空隙に取り込まれることによって、臭気が低減し、外部へ排出されるおそれがなくなる。
また、Pbなどの有害重金属は、多彩な細孔径の空隙から、最適な細孔径の空隙に取り込まれることで、処理物中に固定化される。
硫酸ピッチの粘性が低下され、有害ガスおよび有害重金属が固定化されたコンクリート廃材微粉末の処理物は、セメント焼成設備にて燃焼処理され、他のセメント原料とともにセメントクリンカーの一成分となる。
すなわち、本発明によれば、産業廃棄物である硫酸ピッチを、廃棄処分されていたコンクリート廃材から再生骨材回収時に生じる微粉末で中和処理することで得た物を、セメント原料及び焼成時の燃料として、あるいは路盤材料等の土木建築材料として利用することができ、これら廃棄物の再資源化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の硫酸ピッチの処理方法の一実施の形態について、図1も参照しながら説明するが、特に指定のない限り、もとより本発明を限定するものではない。
【0016】
中和処理槽22に石油精製過程にて生じた硫酸ピッチを所定量貯留し、この硫酸ピッチに廃棄処分されていたコンクリート廃材から再生骨材回収時に生じる微粉末を添加し、中和処理する。
【0017】
コンクリート廃材からの再生骨材の回収は、一般的に次のように行われる。
コンクリート廃材を加熱し、モルタル部分と骨材部分の付着を弱くしてから、骨材部分を破砕しない程度に粉砕、摩砕を行い、得られた破砕物を篩で各種骨材(細骨材、粗骨材)、その他と「微粉末」に分別し、各種骨材を再生骨材として回収する。
本発明においては、このコンクリート廃材からの再生骨材の回収時に生じる微粉末を利用するものであり、該微粉末はセメント水和物を主要成分(反応成分)とし、回収されなかった小粒径の細骨材を含む。細骨材の含有割合は、篩分けの程度(細骨材の回収度合い)により、セメント水和物1質量部に対し細骨材0.1〜5質量部、通常2〜4質量部の範囲である。なお、セメント水和物粒子の平均粒径は前記したように0.10mm以下であり、細骨材の最大粒径は5mm以下、通常2.5mm以下である。
【0018】
本発明の硫酸ピッチの中和処理は、より具体的には次のように行う。
まず、中和滴定法により硫酸ピッチ中の硫酸の含有量を求め、次いで、この硫酸ピッチを攪拌しつつ、この硫酸ピッチ中の硫酸を中和するに十分な量のコンクリート廃材から再生骨材回収時に生じる微粉末を加え、硫酸ピッチ中の硫酸を中和し、中和処理物とする。
これにより、中和処理物のpH(水素イオン濃度)は、中和前の硫酸ピッチの状態ではpHが2以下であったものが、中和後には4〜12程度(望ましくは6〜10.5)にまで上昇し、弱酸性、中性もしくはアルカリ性を呈することとなる。
【0019】
硫酸ピッチの粘性が高く撹拌し難い場合には、予め、中和処理槽22のヒータ(図示略)により硫酸ピッチを加熱して該硫酸ピッチの粘性を低下させておくとよい。
また、硫酸ピッチに水または有機溶剤を添加し、この硫酸ピッチの粘性を低下させておいてもよい。
さらには、この中和処理において、油分吸着・ハンドリング性状改善等のために、コンクリート廃材微粉末を添加する際に、木粉等をともに添加してもよい。
【0020】
また、コンクリート廃材から再生骨材回収時に生じる微粉末は、硫酸ピッチを中和するために必要な量以上に添加してもよい。
コンクリート廃材から再生骨材回収時に生じる微粉末の添加量が少ない場合は、得られた中和処理物が酸性になり、これと接する金属は腐食し易くなるため、セメント原料や燃料等として使用する際、輸送装置や保管庫、セメント焼成装置にトラブルが生じ易くなる。しかし、コンクリート廃材から再生骨材回収時に生じる微粉末の添加量が多い場合、得られた中和処理物はアルカリ性となるが、アルカリ性では、これと接する金属は腐食し難くなるのでこのような問題は生じない。
【0021】
次いで、得られた中和処理物を粒状化装置23に投入し、粒状化する。
ここでは、投入された中和処理物は、この粒状化装置23内に設けられたヒータ(図示略)により所定の温度、例えば、30〜150℃に加熱され、内部に含まれる水分や揮発性有機物等が蒸発(あるいは揮発)し、この中和処理物から散逸する。残った半固体状の中和処理物は粒状化されて、例えば、1〜20mm径の大きさの粒子となる。
【0022】
このようにして得られる本発明の中和処理物は、セメント原料及び焼成時の燃料として利用する場合は、例えば次のように操作することが好ましい。
上記の粒状化された中和処理物を、投入ライン24によりセメント焼成設備の800℃以上の高温部である窯尻部4aに投入する。
中和処理物を投入する位置は、セメント焼成設備の800℃以上の高温部であればよく、窯尻部4aの他、原料予熱装置の最下段の仮焼炉6、ロータリーキルン4の出口である窯前部4b等が好適である。
【0023】
ここで、中和処理物の投入位置を、セメント焼成設備の800℃以上の高温部とした理由は、例えば、中和処理物を他の粉末原料と同様の800℃より低温の位置に投入して燃焼処理すると、この中和処理物に含まれる硫酸ピッチがサスペンションプレヒータ7の最上段のサイクロン7aでほとんど燃焼してしまうため、セメント焼成設備の排ガス温度を上昇させるのみで、この硫酸ピッチの保有熱量を有効利用することができないからである。
さらに、硫酸ピッチの不完全燃焼によりダイオキシン類が発生するおそれがあり、また、この不完全燃焼に伴い発生する炭化物が排ガス中に含まれる結果、電気集塵機等の集塵装置の集塵効率を低下させ、煤塵等が外部に排出されるおそれもある。
【0024】
一方、中和処理物の投入位置を800℃以上の高温部とすれば、中和処理物の油分は、完全に燃焼分解し、燃焼残渣と硫黄分は予熱装置で加熱されたセメント原料中に取り込まれ、ロータリーキルン4内で焼成され、セメントクリンカーとなるので、硫酸ピッチの燃焼に伴って排出される煤塵や有害物質はない。
【0025】
なお、硫酸ピッチに埋立て処分等により礫や砂が含まれる場合は、中和処理物を、篩により分級して砂分をロータリーキルン4に投入するとともに、取り除いた礫を粉砕してからロータリーキルン4に投入することとするのが好ましい。
この場合、砂分や粉砕した礫は、ロータリーキルン4にて完全に焼成されてクリンカー成分となる。
【0026】
以上説明したように、本実施形態の硫酸ピッチの処理方法によれば、硫酸ピッチをコンクリート廃材から再生骨材回収時に生じる微粉末にて中和処理するので、中和処理を行った硫酸ピッチを容易に粒状化(または塊状化)することができる。また、粒状化(または塊状化)した中和処理物をセメント焼成設備の高温部に投入し、この中和処理物を燃焼処理するので、セメント焼成設備の操業に影響を及ぼすことなく、安定して硫酸ピッチを処理することができる。
しかも、硫酸ピッチの燃焼に伴って発生する酸化硫黄(SOx)等の排出を抑えることができるので、酸化硫黄(SOx)等を処理するための新たな処理装置を設ける必要が無く、容易に燃焼処理を行うことができる。
【0027】
また、硫酸ピッチに含まれる硫酸または硫酸イオンを中和処理により無害化することができ、外部へ排出されるおそれもない。また、この硫酸ピッチは、中和処理過程でコンクリート廃材から再生骨材回収時に生じる微粉末と反応することで中和処理物中に取り込まれ、その後、ロータリーキルン4にて燃焼処理されるので、硫酸ピッチの有する熱量及び硫黄成分を有効利用することができる。
【0028】
本実施形態の硫酸ピッチの処理装置21によれば、硫酸ピッチをコンクリート廃材から再生骨材回収時に生じる微粉末にて中和処理する中和処理槽22と、中和処理物を粒状化する粒状化装置23と、ホッパ24と、この粒状化された中和処理物をロータリーキルン4の窯尻部4aに投入する投入ライン25と、これらの装置における硫酸ピッチ、コンクリート廃材から再生骨材回収時に生じる微粉末等の供給量、温度等を制御する制御装置(図示略)とにより構成したので、硫酸ピッチの処理を安全かつ確実に行うことができ、ダイオキシン等の有害物質が生じるおそれもない。また、産業廃棄物である硫酸ピッチの中和処理物をセメント原料及び焼成時の燃料として利用することができ、廃棄物の再資源化を図ることができる。
【実施例】
【0029】
以下、本発明の硫酸ピッチの処理方法について実施例を挙げて説明する。
実施例1、比較例1〜3
硫酸ピッチ100質量部に対し、処理材(本発明の微粉末(実施例1)、普通ポルトランドセメント(比較例1)、消石灰(比較例2)および未処理(比較例3))を表1の割合で添加して混合攪拌し、得られた処理物を(1)ハンドリング性の評価、(2)臭気の評価、(3)有害重金属溶出量の評価の各試験に供した。
【0030】
【表1】

【0031】
ここで用いた硫酸ピッチの性状は、下記の通りである。
pH:1.9
SO3含有量:45重量%
(分析法:蛍光X線分析、ただし、油分、タール分を除く)
油分:8.0重量%(ヘキサン抽出物質)
タール分:35重量%(ジクロロメタン抽出物質)
Pb含有量:100ppm
【0032】
試験方法:
「試験(1)」ハンドリング性の評価(処理後の性状)
処理物のハンドリング性の評価としては、タール分の混ざったドロドロ状かつ流動性のある状態を×とし、サラサラ状で粒状である状態を○とした。
「試験(2)」臭気の評価
処理物の臭気を、公害防止法で分類される5段階で評価した。
臭気強度0 臭いを感じない
1 やっと感知できる臭い(検知閾値)
2 何の臭いかわかる弱い臭い(認知閾値)
3 楽に感知できる臭い
4 強い臭い
5 強烈な臭い
「試験(3)」有害重金属溶出量の評価
表1の混合割合で攪拌混合した後、さらに、水を40質量部加えて混練成形し、試験(3)の供試体を作製した。7日後の供試体について環告13号に定められたPb溶出試験を実施した。
環告13号に定められたPb溶出基準は0.3ppm以下である。
【0033】
試験結果:
試験(1)〜試験(3)の結果をそれぞれ表2〜4に示した。これらの試験結果から、従来の普通ポルトランドセメントや消石灰を用いて処理する場合において、再生骨材微粉末を用いて硫酸ピッチを処理すれば、中和にかかる材料コストを低減し、中和効果および処理後のハンドリング性が同等で、臭気の脱臭、有害重金属の固定化により効果があることがわかる。
【0034】
【表2】

【0035】
【表3】

【0036】
【表4】

【0037】
次に、実施例1で得られた本発明の中和処理物を、セメント原料及び焼成時の燃料として利用した。
実施例1の処理物を、セメント焼成設備の800℃以上の高温部であるロータリーキルン4の窯尻部4aに投入した。
セメント焼成設備としては、セメント焼成能力が単位時間当たり100tの設備を用い、窯尻部4aへの投入量は、単位時間当たり0.1〜1tとした。
これらの投入の結果、実施例1の処理物では、セメント焼成設備やセメントの品質への影響は認められなかった。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態であるセメント製造設備に付設した硫酸ピッチの処理装置を示す模式図である。
【符号の説明】
【0039】
1 原料ミル
2 サイクロン
3 セメント原料貯蔵庫
4、4a、4b ロータリーキルン
5 クリンカークーラ
6 仮焼炉
7 サスペンションプレヒータ
7a〜7d サイクロン
8 2次ダクト
9 電気集塵機
10 排気煙突
11 バーナー
12 クーラ排気ライン
13 セメント原料供給ライン
14 セメント原料粉供給ライン
15 セメントクリンカー搬送ライン
21 硫酸ピッチの処理装置
22 中和処理槽
23 粒状化装置
24 ホッパ
25 投入ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
石油精製過程にて生じた硫酸ピッチをコンクリート廃材から再生骨材回収時に生じる微粉末で中和処理することを特徴とする硫酸ピッチの処理方法。
【請求項2】
前記硫酸ピッチを前記微粉末で中和処理し、得られた処理物を粒状化または塊状化する硫酸ピッチの処理方法。
【請求項3】
前記硫酸ピッチを前記微粉末で中和処理し、得られた処理物をセメント焼成工程の原料又は助燃材として利用する硫酸ピッチの処理方法。
【請求項4】
前記処理物をセメント製造設備の800℃以上の高温部に投入することにより行う請求項4記載の硫酸ピッチの処理方法。
【請求項5】
石油精製過程にて生じた硫酸ピッチをコンクリート廃材から再生骨材回収時に生じる微粉末と混合する中和処理槽と該処理物を粒状化または塊状化する手段を設けた硫酸ピッチの処理装置。
【請求項6】
石油精製過程にて生じた硫酸ピッチを処理する装置であって、コンクリート廃材から再生骨材回収時に生じる微粉末と混合する中和処理槽とセメント製造設備の800℃以上の高温部に投入する投入手段とを備える硫酸ピッチの処理装置。
【請求項7】
前記中和処理槽と前記投入手段との間に、前記処理物を粒状化または塊状化する手段を設けた請求項7記載の硫酸ピッチの処理装置。



【図1】
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【公開番号】特開2006−263530(P2006−263530A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−82944(P2005−82944)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(000183266)住友大阪セメント株式会社 (1,342)
【Fターム(参考)】