説明

硬化物の製造方法、硬化物の製造装置およびプログラム

【課題】気泡混入のない硬化物を好適に製造し得る硬化物の製造技術を提供する。
【解決手段】硬化性材料30を下型20に塗布する。硬化性材料30が上型10に接触するように、上型10および下型20を近接させる。上型10および下型20を上下に分離する。硬化性材料30を下型20に塗布する。上型10および下型20を近接させる。硬化性材料30を硬化させることにより硬化物を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は硬化物を製造するための硬化物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液状の硬化性材料を上型および下型からなる成形型(例えば、金型)で挟み込んで成型して硬化物を製造するとき、当該硬化物にボイド(空洞)ができることがある。これは、以下のような理由による。
【0003】
図6は、従来の硬化物の製造方法の流れを示す図である。従来の硬化物の製造方法では、まず、図6(a)に示すように、下型20に硬化性材料30を塗布する。
【0004】
このとき、下型20に塗布された硬化性材料30の上面はフラットな形状となる。図5は、下型20に塗布したときの液状の硬化性材料30の表面の形状(液面形状)の一例を示す図である。図5では、下型に対する接触角が90°であり、比重が1.0であり、容積が5000mm(5cc)である硬化性材料の典型的な液面形状を示す。硬化性材料の表面張力のみを考慮した場合、図5に点線で示すように、液面形状は円形となり得る。しかし、重力も考慮した場合、液面形状は、図5に実線で示すように、上面がほぼフラットな形状となる。
【0005】
続いて、図6(b)に示すように、上型10を硬化性材料30が塗布された下型20に近接させる。上型10が硬化性材料30に接触するまで上型10を下型20に近接させた時、硬化性材料の上面の形状は、ほぼフラットであるため、図6(c)に示すように、上型10と硬化性材料30とは多点で同時に接触する。そのため、上型10の凹凸の形状に応じて、気泡が発生する。この状態のまま、上型10と下型20とを閉じると、図6(d)に示すように、発生した気泡は硬化物内に混入し、製造された硬化物にボイドができてしまう。
【0006】
そこで、特許文献1から4には、気泡の混入を防ぐ技術が提案されている。例えば、特許文献1には、上型を凸状になるように湾曲させ、上型と反応性原料液の表面とを中央部から両端部へと徐々に当接させていくことによって、気泡が外方へ排出させる反応注型成型方法が記載されている。
【0007】
また、特許文献2には、未硬化の光学材料樹脂に光学部材を押圧して光学材料樹脂を凹凸パターンに押し広げることによって気泡の混入を防止する方法が記載されている。
【0008】
また、特許文献3には、ガラスレンズの中央部に所定量の放射線硬化型樹脂液を垂らし、当該ガラスレンズの天地を反転させて金型と近接させ、当該ガラスレンズと金型との間に挟まれた樹脂液を硬化させることによって、気泡が入らない樹脂接合型レンズを製造する方法が記載されている。
【0009】
また、特許文献4には、基板と金型の両方に光硬化型樹脂を付着させ、基板と金型が設置された雰囲気を減圧し、両方に付着した光硬化型樹脂から脱泡した後、脱泡した光硬化型樹脂同士を密着させ、硬化させることによって、気泡の混入を防いだ光学素子の製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平5−50446号公報(1993年3月2日公開)
【特許文献2】特開2008−46469号公報(2008年2月28日公開)
【特許文献3】特開平6−130209号公報(1994年5月13日公開)
【特許文献4】特開2011−85791号公報(2011年4月28日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1の技術では、外力によって上型を湾曲させ、その後、湾曲させた上型を水平に戻すため、製造された成形製品の平坦度等の精度が劣化する恐れがある。
【0012】
また、特許文献2および特許文献3の技術では、レンズに樹脂を塗布する際、当該レンズの天地を反転させる必要があるため、硬化物を成型する際、レンズと下型との位置あわせを都度行う必要があり、製造工程および製造装置が複雑化するといった問題がある。
【0013】
また、特許文献4の技術では、脱泡する際、基板と金型が設置された雰囲気を減圧する必要があるため、製造工程および製造装置が複雑化するといった問題がある。
【0014】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、簡単な方法で気泡の混入を抑制することができる硬化物の製造技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するために、本発明は、上型および下型からなる成形型を用いて硬化物を製造する硬化物の製造方法であって、第1の硬化性材料を前記下型に塗布する第1の塗布工程と、前記第1の塗布工程の後、前記第1の硬化性材料が前記上型に接触するように、前記上型および前記下型を近接させる第1の近接工程と、前記第1の近接工程の後、前記上型および前記下型を上下に分離する分離工程と、前記分離工程の後、第2の硬化性材料を前記下型に塗布する第2の塗布工程と、前記第2の塗布工程の後、前記上型および前記下型を近接させる第2の近接工程と、前記第2の近接工程の後、前記第1および第2の硬化性材料を硬化させることにより前記硬化物を製造する硬化工程と、を含むことを特徴としている。
【0016】
上記構成によれば、上型と下型とを合わせるとき(第2の近接工程)に、下型の硬化性材料が上型にほぼ一点において接触し、そこから周囲に濡れ広がるため、硬化性材料中に気泡が混入する余地を首尾よく排除することができる。
【0017】
すなわち、下型に塗布された第1の硬化性材料が、一旦、上型と下型とを近接させることにより、上型に付着する。その後、下型に塗布された第2の硬化性材料に、第1の硬化性材料が付着している上型を近接させることにより、上型に付着している第1の硬化性材料と、下型に塗布された第2の硬化性材料とを、最初ほぼ一点で接触するように接触させることができる。このとき、第1の硬化性材料は、表面張力により当該一点から外側へ向かって濡れ広がり、それゆえ、上型と下型内部の気泡が外側に向かって押し出される。結果として、硬化物への気泡の混入を抑制することができる。
【0018】
また、このとき、上型および下型は、離接方向(典型的には、上下方向)にのみ移動させればよい。そのため、硬化物を製造する度に、左右方向の位置合わせ等を行う必要がない。
【0019】
なお、本発明では、特許文献4に記載の技術とは異なり、まず、硬化物を形成するための硬化性材料の一部を下型に塗布し(第1の塗布工程)、第1の近接工程を実行した後に、残りの硬化性材料を下型に塗布するようにしている(第2の塗布工程)。このように、本発明では、第1の近接工程の前には、全ての硬化性材料を下型に塗布しない。これにより、第1の近接工程において硬化性材料が上型の複数地点に付着することを避け、第2の近接工程において、上型に付着した硬化性材料と、下型に塗布された硬化性材料とがほぼ一点から接触を開始するようにすることができる。それゆえ、上述したように、第2の近接工程において、成形型内部の気泡が外側に向かって押し出されるようにして、硬化物への気泡の混入を抑制することができる。
【0020】
以上のように、本発明に係る硬化物の製造方法を用いることにより、簡単な方法で気泡の混入を抑制することができる。
【0021】
また、前記製造方法において前記硬化物が、表面に複数の素子が配列されている基板であり、前記素子が、光学レンズであることが好ましい。本発明の硬化物の製造方法は、このような硬化物を製造するために好適に用いることができる。すなわち、このように表面に複数の素子が配列されている基板を製造するための凹凸が形成されている成形型を用いる場合であっても、本発明によれば、第2の近接工程において、上型に付着した硬化性材料と下型に塗布された硬化性材料とがほぼ一点から接触を開始するようになっているため、首尾よく、成形型内部の気泡が外側に向かって押し出されるようにして、硬化物への気泡の混入を抑制することができる。
【0022】
前記第1の塗布工程における前記第1の硬化性材料の塗布量Vが、
【0023】
【数1】

【0024】
(ここで、θは前記下型に対する前記第1の硬化性材料の接触角を表し、hは前記基板の厚さを表す。)を満たすことが好ましい。
【0025】
これにより、第1の塗布工程において、硬化物の厚さよりも高く第1の硬化性材料を塗布することができるので、第1の近接工程において、上型と下型とが衝突することなく、より確実に上型と第1の硬化性材料とを接触させることができる。
【0026】
前記第1の塗布工程における前記第1の硬化性材料の塗布量Vが、
【0027】
【数2】

【0028】
(ここで、θは前記下型に対する前記第1の硬化性材料の接触角を表し、pは前記素子の配列ピッチを表す。)を満たすことが好ましい。
【0029】
これにより、第1の塗布工程において、素子の配列ピッチよりも狭い範囲に、第1の硬化性材料を塗布することができるので、第1の近接工程において、上型と第1の硬化性材料とが多点で同時に接触することをより好適に防ぐことができる。
【0030】
前記第2の近接工程において、前記上型および前記下型を近接させる速さが、0.02mm/s以下であってもよい。
【0031】
上記構成によれば、第2の近接工程において、上型と下型との間隔が製造すべき硬化物の厚さとなるまでに、第1および第2の硬化性材料を十分に上型と下型との間に濡れ広がらせることができるため、首尾よく気泡を外側に向かって押し出して、硬化物の内部への気泡の混入を好適に抑制することができる。
【0032】
上記の課題を解決するために、本発明は、上型および下型からなる成形型を用いて硬化物を製造する硬化物の製造装置であって、硬化性材料を前記下型に塗布する塗布手段と、前記上型と前記下型とを離接方向に移動させる移動手段と、前記塗布手段を制御して、第1の硬化性材料を前記下型に塗布する第1の塗布工程を実行する第1の塗布制御手段と、前記移動手段を制御して、前記第1の塗布工程の後、前記第1の硬化性材料が前記上型に接触するように、前記上型および前記下型を近接させる第1の近接工程を実行する第1の近接制御手段と、前記移動手段を制御して、前記第1の近接工程の後、前記上型および前記下型を上下に分離する分離工程を実行する分離制御手段と、前記塗布手段を制御して、前記分離工程の後、第2の硬化性材料を前記下型に塗布する第2の塗布工程を実行する第2の塗布制御手段と、前記移動手段を制御して、前記第2の塗布工程の後、前記上型および前記下型を近接させる第2の近接工程を実行する第2の近接制御手段と、前記移動手段を制御して、前記第2の近接工程の後、前記第1および第2の硬化性材料が硬化するまで前記上型および前記下型の間隔を維持することにより前記硬化物を製造する硬化工程を実行する硬化制御手段と、を含むことを特徴としている。
【0033】
上記構成によれば、上記硬化物の製造方法と同様の効果を奏する。
【0034】
また、上記硬化物の製造装置が備えているコンピュータを動作させるプログラムであって、上記コンピュータを上記の各制御手段として実行させるためのプログラム、及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の技術的範囲に含まれる。
【発明の効果】
【0035】
本発明は、上型および下型からなる成形型を用いて硬化物を製造する硬化物の製造方法であって、第1の硬化性材料を前記下型に塗布する第1の塗布工程と、前記第1の塗布工程の後、前記第1の硬化性材料が前記上型に接触するように、前記上型および前記下型を近接させる第1の近接工程と、前記第1の近接工程の後、前記上型および前記下型を上下に分離する分離工程と、前記分離工程の後、第2の硬化性材料を前記下型に塗布する第2の塗布工程と、前記第2の塗布工程の後、前記上型および前記下型を近接させる第2の近接工程と、前記第2の近接工程の後、前記第1および第2の硬化性材料を硬化させることにより前記硬化物を製造する硬化工程と、を含むことを特徴としている。
【0036】
このような硬化物の製造方法を用いることにより、簡単な方法で気泡の混入を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】ウェハレンズの製造方法の各工程を示す説明図である。
【図2】金型の断面概略図である。
【図3】第1の硬化性材料の塗布の一例を示す図である。
【図4】第1の硬化性材料が下型に塗布された時の第1の硬化性材料の断面図の例を示す図である。
【図5】硬化性材料の表面の形状(液面形状)の一例を示す図である。
【図6】従来の硬化物の製造方法の流れの一例を示す図である。
【図7】ウェハレンズの製造装置を示すブロック図である。
【図8】ウェハレンズの製造の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明すれば、以下のとおりである。なお、本発明はこれに限定されるものではなく、この実施形態に記載されている硬化物の寸法、形状、硬化性材料の種類などは、特に限定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0039】
本実施形態では、硬化物として、図1(j)に示すようなウェハレンズ60を例に説明を行う。ウェハレンズ60は、表面に複数の光学レンズ(素子)60aが配列されている基板である。本実施形態では、直径100mm、基板の厚さ0.5mmであり、複数の光学レンズが配列ピッチ(各光学レンズ60aの中心間距離)3mmで格子状配列された円盤状のウェハレンズ60の製造方法について説明を行う。なお、硬化物はこれに限定されるものではない。
【0040】
また、本実施形態において、ウェハレンズの製造方法は、熱転写ナノインプリントのように、硬化性材料に対し成形型(例えば、金型)を用いてプレスし、冷却することにより硬化させる方法を採用している。なお、本発明はこれに限定されず、例えば、光ナノインプリントのように、紫外線を照射することによって樹脂を硬化させる方法を用いてもよい。
【0041】
また、硬化性材料を成形する際、硬化性材料は、成形型内に密閉されるのではなく、上下のみが成形型に挟まれる状態であってもよい。つまり、成形型に挟まれたときに、硬化性材料の側面方向がフリー空間となっていてもよい。
【0042】
(金型1の構成)
まず、本実施形態における金型(成形型)1について図2を参照して説明する。図2は、金型1の断面概略図である。図2に示すように、金型1は、上型10および下型20からなる。また、上型10は、下側の面(下型20側の面)に基材部11と、素子部12とを有している。また、下型20は、上側の面(上型10側の面)基材部21と、素子部22とを有している。
【0043】
基材部11および基材部21は、ウェハレンズ60における基板を形成するための平坦な部分である。素子部12は、基材部11に複数配列されて形成された略半円形状の凹部である。また、素子部22は、基材部21に複数配列されて形成された略半円形状の凹部である。素子部12および素子部22は、ウェハレンズ60における光学レンズ60aを形成する部分である。なお、素子部12および素子部22はこれに限定されず、基材部11または基材部21に対し、凸状に形成されていてもよい。
【0044】
(ウェハレンズの製造方法)
次に、図1を参照して、金型1を用いてウェハレンズ60を製造するウェハレンズの製造方法について説明を行う。図1は、ウェハレンズの製造方法の各工程を示す説明図である。
【0045】
本実施形態に係るウェハレンズの製造方法では、まず、図1(a)に示すように、ウェハレンズ60を製造するのに必要な量より少量の硬化性材料(第1の硬化性材料)30を下型20に塗布する(第1の塗布工程)。本実施形態では、硬化性材料30としては、金型1に対する接触角が45°であり、未硬化時の粘度が0.1Pa・sの熱硬化性材料を用いるがこれに限定されない。また、第1の塗布工程で下型20に塗布する硬化性材料30の量は、液面形状がほぼ球面状になる量である。なお、硬化性材料30の量の詳細については、後述する。
【0046】
その後、図1(b)に示すように、上型10を下型20に近づける。このとき、図1(c)に示すように、上型10が硬化性材料30に接触するまで、上型10を下型20に近づける(第1の近接工程)。硬化性材料30の液面形状がほぼ球面状であるため、上型10は、硬化性材料30に最初ほぼ一点で接触する。これにより、硬化性材料30が上型10に付着する。
【0047】
次に、図1(d)に示すように、上型10と下型20とを上下に分離させる(分離工程)。これにより、硬化性材料30が、上型10に付着した硬化性材料30aと下型20に残った硬化性材料30bとに分離する。
【0048】
その後、図1(e)に示すようにウェハレンズ60を製造するために必要な量の追加硬化性材料(第2の硬化性材料)を下型20に塗布する(第2の塗布工程)。なお、本実施形態において、第2の塗布工程で下型20に塗布する追加硬化性材料は硬化性材料30と同じ材料であるとする。但し、第1および第2の塗布工程で異なる硬化性材料を塗布してもよい。また、図1(e)以降、第2の塗布工程で下型20に塗布した追加硬化性材料と硬化性材料30bとを合わせて、硬化性材料40として表す。
【0049】
その後、図1(f)〜(i)に示すように、上型10と下型20との間隔が製造すべきウェハレンズ60の厚さとなるまで、上型10と下型20とを近づける(第2の近接工程)。まず、図1(f)の状態から、上型10を下型20に近づけると、図1(g)に示すように、硬化性材料30aと硬化性材料40とがほぼ一点において接触し、表面張力により、拡大図中矢印で示す方向に濡れ広がる。そして、さらに上型10を下型20に近づければ、図1(h)に示すようになる。なお、図1(h)以降では、硬化性材料40と硬化性材料30aとを合わせて、硬化性材料50として表す。ここで、図1(h)に示すように、硬化性材料50はほぼ一点から上型10および下型20の間で濡れ広がるので、気泡が外側に向かって押し出されており、気泡の混入が抑制されている。最終的には、図1(i)に示すように、上型10と下型20との間隔が製造すべきウェハレンズ60の厚さになるまで上型10と下型20とを近づける。
【0050】
その後、図1(i)の状態で、硬化性材料50を硬化させることにより、図1(j)に示すような、複数の光学レンズ60aが配列されているとともに、気泡の混入が抑制されたウェハレンズ60を首尾よく製造することができる(硬化工程)。
【0051】
(近接工程について)
第1の近接工程において、上型10を下型20に近づけることについて説明を行ったが、本発明はこれに限定されず、例えば、下型20を上型10に近づけてもよい。つまり、第1の近接工程では、上型10が硬化性材料30に接触するまで、上型10と下型20とを近接させればよい。同様に、第2の近接工程においても、上型10を下型20に近づけることに限定されず、上型10と下型20とを近接させればよい。
【0052】
(近接速度について)
また、第2の近接工程における上型10と下型20とを近接させる速度(近接速度)は、適宜設定すればよいが、0.02mm/s以下の速度とすることがより好ましい。
【0053】
また、本発明者は、第2の近接工程において、粘度が0.1Pa・sの硬化性材料に対し、上型10と下型20とを0.02mm/sより速く近接させると、気泡が外側に向かって押し出されるより速く上型10と下型20との間隔が製造すべきウェハレンズ60の厚さになるまで近づいてしまい、ウェハレンズ60の内部に気泡が混入してしまう可能性があることを見出した。
【0054】
表1は、粘度が0.1Pa・sの硬化性材料A、粘度が0.2Pa・sの硬化性材料Bおよび粘度が0.6Pa・sの硬化性材料Cに対する気泡残量の量を示す表である。なお、表1に示す粘度は、各硬化性材料を50度で下型20に塗布した状態での値である。また使用した金型1の素材はNiであり、その上にフッ素系の離型処理を施している。
【0055】
【表1】

【0056】
表1に示すように、硬化性材料Aに対し、硬化性材料Aを付着させてない上型10と、下型20とを、近接速度(金型近接速度)20μm/s(0.02mm/s)で近接させると、硬化性材料Aには、気泡が予め定められた値より多く残留する。
【0057】
同じ速度で、第1の近接工程で硬化性材料Aを付着させた上型10と、下型20とを近接させると、硬化性材料Aの気泡残留は、予め定められた値より少なくなる。
【0058】
また、第1の近接工程で硬化性材料Aを付着させた上型10と、下型20とを近接速度10μm/s(0.01mm/s)で近接させると、硬化性材料Aには、ほとんど気泡が残留しない。
【0059】
同じ速度で、硬化性材料Bに対し、硬化性材料Bを付着させた上型10と、下型20とを近接させると、硬化性材料Bにもほとんど気泡が残留しない。同様に、硬化性材料Cに対し、硬化性材料Cを付着させた上型10と、下型20とを近接させると、硬化性材料Cにもほとんど気泡が残留しない。
【0060】
このように、上型10に硬化性材料を付着し、近接速度20μm/s(0.02mm/s)で、上型10と下型20とを近接させることにより、硬化性材料に気泡の混入が抑制されることがわかる。また、上型10に硬化性材料を付着した状態で、近接速度を10μm/s(0.01mm/s)で近接させると、より安定して気泡の混入を防ぐことができる。
【0061】
それゆえ、上型10と下型20とを近接させる速さを、0.02mm/s以下にすることにより、気泡の混入が抑制されたウェハレンズ60を好適に製造することができる。言い換えれば、第2の近接工程において、上型10と下型20との間隔が製造すべき硬化物の厚さとなるまでに、硬化性材料50を十分に上型と下型との間に濡れ広がらせることができるため、首尾よく気泡を外側に向かって押し出して、ウェハレンズ60の内部への気泡の混入を好適に抑制することができる。
【0062】
なお、表1において、硬化性材料として、粘度が0.1Pa・s、0.2Pa・s、および、0.6Pa・sの硬化性材料を用いているが、硬化性材料はこれに限定されない。また、粘度が0.6Pa・sより大きいものについては、下型20への塗布に要する時間がかかるため、硬化性材料は、粘度が0.6Pa・s以下であることが好ましい。
【0063】
(第1の塗布工程における硬化性材料の塗布について)
上述したとおり、第1の近接工程において、上型10は、硬化性材料30と最初ほぼ一点で接触し、これにより、上型10に付着した硬化性材料30aに気泡が混入することを避けることができる。つまり、第1の塗布工程において、下型20に塗布する硬化性材料30の量(塗布量)は、第1の近接工程において上型10が硬化性材料30とほぼ一点で接触する量である。
【0064】
図3は、硬化性材料30の塗布の一例を示す図である。図3(a)に示すように、上型10の素子部12が凹状である時、最初に硬化性材料30に接するのは、上型10の基材部11となる。そのため、図3(a)に示すように、下型20の基材部21を中心に硬化性材料30を塗布することが好ましく、このとき、硬化性材料30の頂点が、上型10の基材部11に接触する。また、図3(b)に示すように、上型10の素子部12が凸状である時、最初に硬化性材料30に接するのは、上型10の素子部12となる。そのため、図3(b)に示すように、下型20の素子部22を中心に硬化性材料30を塗布することが好ましく、このとき、硬化性材料30の頂点が、上型10の素子部12に接触する。
【0065】
このときの硬化性材料30の塗布量について図4を参照して説明を行う。図4は、硬化性材料30が下型20に塗布された時の硬化性材料30の断面の一例を示す図である。
【0066】
図4(a)に示すように、下型20に対する球面状の硬化性材料30(液滴)の接触角をθとし、液滴の高さ(液滴の頂部の、基材部21からの高さ)をhとする。また、液滴の半径をRとする。更に、図4(b)に示すように、硬化性材料30が塗布された下型20上の面(塗布面)の半径をrとする。また、液滴の左右端点の一端と液滴の頂点とを結ぶ線分の長さをcとすると以下の式が成り立つ。
【0067】
【数3】

【0068】
よって、線分の長さcは、以下の式となる。
【0069】
【数4】

【0070】
また、液滴の高さhは、以下の式で表すことができる。
【0071】
【数5】

【0072】
液滴の体積(塗布量)Vは、次式で求めることができる。
【0073】
【数6】

【0074】
よって、液滴の体積Vは、以下の式(1)となる。
【0075】
【数7】

【0076】
ここで、硬化性材料30を製造するウェハレンズの基板の厚さ以上に高く塗布することによって、第1の近接工程において、確実に上型10を硬化性材料30に接触させることができる。つまり、ウェハレンズの基板の厚さをhとすると、h≧hであればよい。よって、第1の塗布工程における硬化性材料30の塗布量Vは以下の式を満たすことが好ましい。
【0077】
【数8】

【0078】
例えば、接触角θ=45°の硬化性材料30を用いて、基板の厚さh=0.5mmのウェハレンズを製造する場合、塗布量Vは、V≧1.2mmを満たすことが好ましい。
【0079】
これにより、第1の近接工程において、上型10が下型20と衝突することなく、確実に上型10を硬化性材料30に接触させることができる。
【0080】
なお、塗布面の半径rは、以下の式(2)で表すことができる。
【0081】
【数9】

【0082】
式(1)に式(2)を代入することにより、液滴の体積Vは、次式となる。
【0083】
【数10】

【0084】
ここで、図3(a)および図3(b)に示すように、素子部22の中央間の距離、つまり、製造するウェハレンズの光学レンズの配列ピッチをpとする。硬化性材料30の塗布面の半径rが、光学レンズの配列ピッチpより大きくなるように、硬化性材料30を塗布すると、上型10と硬化性材料30とが多点で同時に接触する可能性がある。つまり、塗布面の半径rを光学レンズの配列ピッチp以下にすることにより、上型10と硬化性材料30とをほぼ一点で接触させることができる。したがって、p≧rであればよい。よって、第1の塗布工程における硬化性材料30の塗布量Vは以下の式を満たすことが好ましい。
【0085】
【数11】

【0086】
例えば、接触角θ=45°の硬化性材料30を用いて、光学レンズの配列ピッチp=3mmのウェハレンズを製造する場合、塗布量Vは、V≦18.6mmを満たすことが好ましい。
【0087】
これにより、第1の近接工程において、上型10と硬化性材料30とが多点で同時に接触することを好適に防ぐことができる。
【0088】
(上型10に付着した硬化性材料30aについて)
次に、分離工程後に、上型10に付着した硬化性材料30aについて説明する。図3(a)に示すように、上型10の素子部12が凹状である時、基材部11より突出する高さとなる量を上型10に付着させることが好ましい。また、図3(b)に示すように、上型10の素子部12が凸状である時、素子部12より突出する高さとなる量を上型10に付着させることが好ましい。
【0089】
つまり、上型10における基材部11から下型20方向への突出の高さ(素子部12が凹状の場合は0、素子部12が凸状の場合は、素子部12の高さ)以上の高さとなる量の硬化性材料30aを上型10に付着させることにより、硬化性材料30aが下型20に最も近くなる。
【0090】
ここで、上型10に対する硬化性材料30aの接触角をθとし、上型10における基材部11から下型20方向への突出の高さをhとすると、硬化性材料30aの量(体積)Vは、以下の式を満たすことが好ましい。
【0091】
【数12】

【0092】
例えば、突出の高さをh=0.2mmの上型10に、接触角θ=45°の硬化性材料30aを付着させる場合、硬化性材料30aの量Vは、V≧0.078mmを満たせばよい。
【0093】
これにより、第2の近接工程において、硬化性材料30aが最初に硬化性材料40に接触し得、本実施形態に係るウェハレンズが首尾よく製造される。
【0094】
なお、以上では、本実施形態では硬化性材料30と追加硬化性材料とが同じ材料であることを例に説明を行ったが、硬化性材料30と追加硬化性材料とは異なる材料であってもよい。
【0095】
(ウェハレンズ60の製造装置100について)
上述したウェハレンズ60の製造方法は、ウェハレンズ60の製造装置100が実施するものであってもよい。以下、図7および図8を参照して、ウェハレンズ60の製造装置100について説明する。図7は、ウェハレンズ60の製造装置100を示すブロック図である。
【0096】
図7に示すように、ウェハレンズ60の製造装置100は、塗布部(塗布手段)101、移動部(移動手段)102および制御部110を備えている。また、制御部110は、第1の塗布制御部(第1の塗布制御手段)111、第2の塗布制御部(第2の塗布制御手段)112、硬化制御部(硬化制御手段)113、第1の近接制御部(第1の近接制御手段)114、分離制御部(分離制御手段)115、および、第2の近接制御部(第2の近接制御手段)116を備えている。
【0097】
塗布部101は、硬化性材料を下型20に塗布する。また、移動部102は、上型10および下型20を離接方向(典型的には、上下方向)に移動させる。なお、移動部102は、上型10のみを移動させるものであってもよいし、下型20のみを移動させるものであってもよいし、上型10および下型20の両方を移動させるものであってもよい。制御部110は、塗布部101および移動部102を制御して、上述したウェハレンズ60の製造方法を実行する。
【0098】
次に、制御部110の各部の処理について、図8を参照し説明する。図8は、ウェハレンズ60の製造の流れを示すフローチャートである。
【0099】
第1の塗布制御部111は、第1の硬化性材料30を下型20に塗布する第1の塗布工程を実行するよう、塗布部101を制御する。塗布部101は、第1の塗布制御部111からの制御に従い、第1の硬化性材料30を下型20に塗布する(S1:第1の塗布工程)。第1の塗布制御部111は、第1の硬化性材料30の塗布量について、上述した条件を満たすように調整することが好ましい。
【0100】
次に、第1の近接制御部114は、第1の硬化性材料30が前記上型に接触するように、上型10および下型20を近接させる第1の近接工程を実行するよう、移動部102を制御する。移動部102は、第1の近接制御部114からの制御に従い、上型10および下型20を近接させる(S2:第1の近接工程)。
【0101】
その後、分離制御部115は、上型10および下型20を上下に分離する分離工程を実行するよう、移動部102を制御する。移動部102は、分離制御部115からの制御に従い、上型10および下型20を上下に分離する(S3:分離工程)。
【0102】
次に、第2の塗布制御部112は、第2の硬化性材料(追加硬化性材料)を下型20に塗布する第2の塗布工程を実行するよう、塗布部101を制御する。塗布部101は、第2の塗布制御部112からの制御に従い、第2の硬化性材料を下型20に塗布する(S4:第2の塗布工程)。第2の塗布制御部112は、第2の硬化性材料の塗布量について、上述した条件を満たすように調整することが好ましい。
【0103】
その後、第2の近接制御部116は、上型10および下型20を近接させる第2の近接工程を実行するよう、移動部102を制御する。移動部102は、第2の近接制御部116からの制御に従い、上型10および下型20を近接させる(S5:第2の近接工程)。第2の近接制御部116は、第2の近接工程における近接速度について、上述した条件を満たすように調整することが好ましい。
【0104】
その後、硬化制御部113は、硬化性材料50が硬化するまで上型10および下型20の間隔を維持することにより硬化物を製造する硬化工程を実行するよう移動部102を制御する。移動部102は、硬化制御部113からの制御に従い、上型10および下型20の間隔を維持する(S6:硬化工程)。
【0105】
以上により、ウェハレンズ60の製造装置100は、気泡の混入が抑制されたウェハレンズ60を首尾よく製造することができる。
【0106】
(プログラム及び記録媒体について)
また、上述した製造装置100の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0107】
すなわち、製造装置100は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである製造装置100の制御プログラム(認証プログラム)のプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記製造装置100に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0108】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0109】
また、製造装置100を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR(high data rate)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0110】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、ウェハレンズなどの硬化物の製造分野および当該硬化物の製造装置の製造分野において好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0112】
1 金型(成形型)
10 上型
11 基材部
12 素子部
20 下型
21 基材部
22 素子部
30 硬化性材料(第1の硬化性材料)
40 硬化性材料(第1および第2の硬化性材料の混合物)
50 硬化性材料(第1および第2の硬化性材料の混合物)
60 ウェハレンズ(基板)
60a 光学レンズ(素子)
100 製造装置
101 塗布部(塗布手段)
102 移動部(移動手段)
110 制御部
111 第1の塗布制御部(第1の塗布制御手段)
112 第2の塗布制御部(第2の塗布制御手段)
113 硬化制御部(硬化制御手段)
114 第1の近接制御部(第1の近接制御手段)
115 分離制御部(分離制御手段)
116 第2の近接制御部(第2の近接制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上型および下型からなる成形型を用いて硬化物を製造する硬化物の製造方法であって、
第1の硬化性材料を前記下型に塗布する第1の塗布工程と、
前記第1の塗布工程の後、前記第1の硬化性材料が前記上型に接触するように、前記上型および前記下型を近接させる第1の近接工程と、
前記第1の近接工程の後、前記上型および前記下型を上下に分離する分離工程と、
前記分離工程の後、第2の硬化性材料を前記下型に塗布する第2の塗布工程と、
前記第2の塗布工程の後、前記上型および前記下型を近接させる第2の近接工程と、
前記第2の近接工程の後、前記第1および第2の硬化性材料を硬化させることにより前記硬化物を製造する硬化工程と、を含むことを特徴とする硬化物の製造方法。
【請求項2】
前記硬化物が、表面に複数の素子が配列されている基板であることを特徴とする請求項1に記載の硬化物の製造方法。
【請求項3】
前記第1の塗布工程における前記第1の硬化性材料の塗布量Vが、
【数1】

(ここで、θは前記下型に対する前記第1の硬化性材料の接触角を表し、hは前記基板の厚さを表す。)
を満たすことを特徴とする請求項2に記載の硬化物の製造方法。
【請求項4】
前記第1の塗布工程における前記第1の硬化性材料の塗布量Vが、
【数2】

(ここで、θは前記下型に対する前記第1の硬化性材料の接触角を表し、pは前記素子の配列ピッチを表す。)
を満たすことを特徴とする請求項2または3に記載の硬化物の製造方法。
【請求項5】
前記素子が、光学レンズであることを特徴とする請求項2から4の何れか1項に記載の硬化物の製造方法。
【請求項6】
前記第2の近接工程において、前記上型および前記下型を近接させる速さが、0.02mm/s以下であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の硬化物の製造方法。
【請求項7】
上型および下型からなる成形型を用いて硬化物を製造する硬化物の製造装置であって、
硬化性材料を前記下型に塗布する塗布手段と、
前記上型と前記下型とを離接方向に移動させる移動手段と、
前記塗布手段を制御して、第1の硬化性材料を前記下型に塗布する第1の塗布工程を実行する第1の塗布制御手段と、
前記移動手段を制御して、前記第1の塗布工程の後、前記第1の硬化性材料が前記上型に接触するように、前記上型および前記下型を近接させる第1の近接工程を実行する第1の近接制御手段と、
前記移動手段を制御して、前記第1の近接工程の後、前記上型および前記下型を上下に分離する分離工程を実行する分離制御手段と、
前記塗布手段を制御して、前記分離工程の後、第2の硬化性材料を前記下型に塗布する第2の塗布工程を実行する第2の塗布制御手段と、
前記移動手段を制御して、前記第2の塗布工程の後、前記上型および前記下型を近接させる第2の近接工程を実行する第2の近接制御手段と、
前記移動手段を制御して、前記第2の近接工程の後、前記第1および第2の硬化性材料が硬化するまで前記上型および前記下型の間隔を維持することにより前記硬化物を製造する硬化工程を実行する硬化制御手段と、を含むことを特徴とする硬化物の製造装置。
【請求項8】
コンピュータを請求項7に記載の硬化物の製造装置として動作させるためのプログラムであって、上記コンピュータを上記硬化物の製造装置が備えている各制御手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−22770(P2013−22770A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157169(P2011−157169)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】