説明

硬質ポリウレタンフォーム用短鎖ポリエーテル

本発明は、約0.5重量%〜約20重量%(該重量%は、短鎖ポリエーテルポリオールの重量に基づく)のポリオキシエチレン含有化合物でキレート化された少なくとも1つのカチオンを有する塩基触媒の存在下、開始剤をアルコキシル化することにより製造される、約1,200 g/モル未満の数平均分子量を有する短鎖ポリエーテルポリオールを提供する。本発明の短鎖ポリオールは、硬質ポリウレタンフォームおよび非発泡ポリウレタンを製造するために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してポリエーテルポリオール、およびより詳細には、約0.5重量%〜約20重量%のポリオキシエチレン含有化合物でキレート化された少なくとも1つのカチオンを有する塩基触媒の存在下、開始剤をアルコキシル化することにより製造される、約1,200 g/モル未満の分子量を有する短鎖ポリエーテルポリオールに関する。
【背景技術】
【0002】
長い間、環状エーテルがカリウムイオンを強く錯化することは知られてきた。クラウンエーテルは1960年代にCharles Pedersonにより発見され、および1987年、彼はその努力の成果についてノーベル賞を受賞した。金属イオンを強く錯化する環状エーテルの能力は、多くの科学的研究を導いてきた。不幸にも、クラウンエーテルは製造困難であり、高価であり、かつ毒性が強いため、広範な商業的用途を見出されていなかった。恐らく、クラウンエーテルが最初に発見されたために、多くの当業者らは非環状ポリエーテルが有する強い錯化能力を見落としてきた。その利点のなかには、入手容易、低コスト、およびエチレンオキシドのポリマーおよびオリゴマーは非毒性であるので、食品添加剤としての使用が許容されうるという事実がある。
【0003】
長鎖ポリオールのKOH触媒によるアルコキシル化の速度向上のためのポリエチレングリコール(「PEG」)の使用の概念は、当該分野で既知であるが(Mihail Ionescu、Viorica Zugravu、Ioana MihalacheおよびIon Vasileによる「Synthesis of Polyether Polyols for Flexible Polyurethane Forms with Complexed Counter-Ion」、Cellular Polymers IV, International Conference, 4th、シュルーズベリー(英国)、1997年6月5日〜6日、Paper 8、1-8. 編者: Buist, J. M.参照)、この概念を短鎖ポリオール合成まで広げた報文は存在しない。
【0004】
本願と同一出願人による同日付け米国特許出願:名称「ポリオキシエチレン含有化合物の存在下での塩基触媒によるアルコキシル化」(弁護士整理番号PO8708、米国特許出願番号未詳)は、長鎖ポリエーテルの塩基触媒によるアルコキシル化においてキレート化剤として作用するポリオキシエチレン含有添加剤についての分子量依存性を開示する。
【0005】
第二の本願と同一出願人による同日付け米国特許出願:名称「非直鎖ポリオキシエチレン含有化合物の存在下での塩基触媒によるアルコキシル化」(弁護士整理番号PO8709、米国特許出願番号未詳)は、長鎖ポリエーテルの塩基触媒によるアルコキシル化のためのキレート化剤として、それから製造される軟質フォームに対して悪影響を与えない非直鎖状の少なくとも3官能性のポリオキシエチレン含有添加剤を開示する。
【0006】
最後に、第三の本願と同一出願人による同日付け米国特許出願:名称「長鎖ポリエーテルポリオール」(弁護士整理番号PO8706、米国特許出願番号未詳)は、長鎖ポリエーテルのアルコキシル化におけるキレート化剤としてポリオキシエチレン含有開始剤を開示する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
短鎖ポリオール用スターター混合物は、2〜8の範囲の官能価を有するポリヒドロキシルまたはポリアミノ官能性スターター(例えば、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、エチレンジアミン、トルエンジアミン、スクロース、ソルビトール)の混合物を典型的に含有し、そして、しばしば水を含有する。このようなPEGが、これらの混合物からの短鎖ポリオール(すなわち、約1,200 g/モル未満の分子量を有するもの)の塩基触媒による合成に対して如何なる影響を与えるのかは、これまで知られていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、本発明は、約0.5重量%〜約20重量%(該重量%は、短鎖ポリエーテルポリオールの重量に基づく)のポリオキシエチレン含有化合物でキレート化された少なくとも1つのカチオンを有する塩基触媒の存在下、開始剤をアルコキシル化することにより製造される、約1,200 g/モル未満の数平均分子量を有する短鎖ポリエーテルポリオールを提供することにより、当該分野に固有の問題を回避する。
本発明の短鎖ポリオールは、硬質ポリウレタンフォームおよび非発泡ポリウレタンを提供するのに使用することができる。
【0009】
本発明のこれらのおよび他の利点および利益は、以下の本発明の詳細な説明から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明を限定する目的ではなく、説明する目的で記載する。実施例を除いて、または他に示さない限り、本明細書中に示された量、百分率、OH価、官能価などの全ての数は、いずれの場合も、用語「約」によって修飾されていると理解すべきである。本明細書中に示される当量および分子量は、他に示さない限り、それぞれ数平均当量および数平均分子量である。
【0011】
本発明は、0.5重量%〜20重量%(該重量%は、短鎖ポリエーテルポリオールの重量に基づく)のポリオキシエチレン含有化合物でキレート化された少なくとも1つのカチオンを有する塩基触媒の存在下、開始剤をアルコキシル化することにより製造される、1,200 g/モル未満の数平均分子量を有する短鎖ポリエーテルポリオールを提供する。
【0012】
本発明は、1,200 g/モル未満の数平均分子量を有する短鎖ポリエーテルポリオールの製造方法であって、0.5重量%〜20重量%(該重量%は、短鎖ポリエーテルポリオールの重量に基づく)のポリオキシエチレン含有化合物でキレート化された少なくとも1つのカチオンを有する塩基触媒の存在下、開始剤をアルコキシル化することを含む方法をさらに提供する。
【0013】
さらに、本発明は、少なくとも1つのポリイソシアネートと、
0.5重量%〜20重量%(該重量%は、短鎖ポリエーテルポリオールの重量に基づく)のポリオキシエチレン含有化合物でキレート化された少なくとも1つのカチオンを有する塩基触媒の存在下、開始剤をアルコキシル化することにより製造される、1,200 g/モル未満の数平均分子量を有する少なくとも1つの短鎖ポリエーテルポリオールとの、
必要に応じて発泡剤、界面活性剤、他の架橋剤、増量剤、顔料、難燃剤、触媒および充填剤のうちの少なくとも1つの存在下での、
反応生成物から製造された硬質ポリウレタンフォームを提供する。
【0014】
また、本発明は、少なくとも1つのポリイソシアネートと、
0.5重量%〜20重量%(該重量%は、短鎖ポリエーテルポリオールの重量に基づく)のポリオキシエチレン含有化合物でキレート化された少なくとも1つのカチオンを有する塩基触媒の存在下、開始剤をアルコキシル化することにより製造される、1,200 g/モル未満の数平均分子量を有する少なくとも1つの短鎖ポリエーテルポリオールとを、
必要に応じて発泡剤、界面活性剤、他の架橋剤、増量剤、顔料、難燃剤、触媒および充填剤のうちの少なくとも1つの存在下、
反応させることを含む、硬質ポリウレタンフォームの製造方法をさらに提供する。
【0015】
ここで、本発明者による「短鎖」ポリエーテルポリオールは、1,200 g/モル未満、好ましくは300〜1,000 g/モル、より好ましくは500〜900 g/モルの数平均分子量を有するポリエーテルポリオールを意味する。本発明のポリオールの分子量は、これらの値の任意の組合せの間の範囲内(引用した値を含む)にある量であり得る。
【0016】
本発明の短鎖ポリエーテルポリオールは、塩基触媒反応により製造される。この反応の一般的条件は、当業者によく知られている。塩基触媒は、当該分野において既知の任意の塩基触媒でよい。より好ましくは、該塩基触媒は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウムおよび水酸化セシウムのうちの1つであり、最も好ましくは、該塩基触媒は、水酸化カリウムである。
【0017】
適当な開始剤化合物としては、限定されないが、C1-C30モノオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、水、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、エチレンジアミン、トルエンジアミン異性体混合物、ペンタエリスリトール、α-メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ヒドロキシメチルグルコシド、ヒドロキシプロピルグルコシド、スクロース、N,N,N’,N’-テトラキス[2-ヒドロキシエチルまたは2-ヒドロキシプロピル]エチレンジアミン、1,4-シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシノール等が挙げられる。名目上の開始剤官能価(これは、スターター混合物における活性水素(ツェレビチノフ法により決定)の当量の総数とモルとの比率を表すと理解される)は、1〜8またはそれより大きく、好ましくは3〜6である。本発明に有用な開始剤の官能価は、これらの値の任意の組合せの間の範囲内(引用した値を含む)にある量であり得る。また、モノマー開始剤またはそれらのオキシアルキル化オリゴマーの任意の混合物を使用してもよい。本発明の短鎖ポリエーテルポリオール用の好ましい開始剤化合物は、4〜6の官能価を有する、プロピレングリコール、スクロースおよび水の混合物である。
【0018】
本発明の短鎖ポリエーテルポリオールの製造方法におけるアルコキシル化の間、ポリオキシエチレン含有化合物(例えば、ポリエチレングリコール)を添加して塩基触媒のカチオンの少なくとも1つをキレート化する。本発明に適当なポリオキシエチレン含有化合物は、アルコール、ジオール、またはポリオール、例えばポリエチレングリコール(PEG)またはTPEG(Dow Chemicalから入手可能)のエトキシレートであると理解される。このポリオキシエチレン含有化合物は、好ましくは1〜8、より好ましくは2〜6および最も好ましくは2〜3のヒドロキシ官能価を有する。あるいは、ポリオキシエチレン含有化合物のヒドロキシ官能価は、当業者に既知であるように、アルキル(好ましくはメチル)基でキャップされていてもよい。ポリオキシエチレン含有化合物の官能価は、これらの値の任意の組合せの間の範囲内(引用した値を含む)にある量であり得る。ポリオキシエチレン含有化合物は、好ましくは150〜1,200、より好ましくは200〜1,000および最も好ましくは250〜400の分子量を有する。ポリオキシエチレン含有化合物は、これらの値の任意の組合せの間の範囲内(引用した値を含む)にある量の分子量を有し得る。
【0019】
ポリオキシエチレン含有化合物は、好ましくは0.5〜20重量%の量、より好ましくは1〜10重量%の量、および最も好ましくは2〜7重量%の量で添加される(該重量%は、短鎖ポリエーテルポリオールの最終重量に基づく)。ポリオキシエチレン含有化合物は、これらの値の任意の組合せの間の範囲内(引用した値を含む)にある量で添加され得る。
【0020】
開始剤をアルコキシル化して本発明の短鎖ポリエーテルポリオールを製造するのに有用なアルキレンオキシドとしては、限定されないが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、オキセタン、1,2-および2,3-ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、およびより高級のアルキレンオキシド(例えば、C5-C30 α-アルキレンオキシド)が挙げられる。プロピレンオキシド単独またはプロピレンオキシドとエチレンオキシドまたは別のアルキレンオキシドとの混合物が好ましい。他の重合可能なモノマー、例えば、米国特許3,404,109、3,538,043および5,145,883(これらの内容は、参照により全体として本明細書中に援用される)に開示されるような無水物および他のモノマーも同様に使用できる。
【0021】
本発明の短鎖ポリエーテルポリオールは、好ましくは、必要に応じて発泡剤、界面活性剤、架橋剤、増量剤、顔料、難燃剤、触媒および充填剤の存在下、ポリイソシアネートと反応して硬質ポリウレタンフォームを製造することができる。
【0022】
適当なポリイソシアネートは、当業者に既知であり、およびこれらとしては、非変性イソシアネート、変性ポリイソシアネート、およびイソシアネートプレポリマーが挙げられる。このような有機ポリイソシアネートとしては、例えば、W. SiefkenによりJustus Liebigs Annalen der Chemie、562、75〜136頁に記載されるようなタイプの、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族、およびヘテロ環式ポリイソシアネートが挙げられる。このようなイソシアネートの例としては、式:
Q(NCO)n
〔式中、nは2〜5、好ましくは2〜3の数であり、およびQは脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基である。〕
で表されるものが挙げられる。
【0023】
適当なイソシアネートの例としては以下のものが挙げられる:
エチレンジイソシアネート;1,4-テトラメチレンジイソシアネート;1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート;1,12-ドデカンジイソシアネート;シクロブタン-1,3-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,3-および-1,4-ジイソシアネート、およびこれらの異性体混合物;1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート;独国特許公告公報1,202,785および米国特許3,401,190);2,4-および2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネートおよびこれらの異性体混合物;ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート(水素化MDIまたはHMDI);1,3-および1,4-フェニレンジイソシアネート;2,4-および2,6-トルエンジイソシアネートおよびこれらの異性体混合物(TDI);ジフェニルメタン-2,4’-および/または-4,4’-ジイソシアネート(MDI);ポリマージフェニルメタンジイソシアネート(PMDI)、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート;トリフェニルメタン-4,4’,4’’-トリイソシアネート;アニリンをホルムアルデヒドと縮合し、続いてホスゲン化することにより得られ得るタイプのポリフェニル-ポリメチレン-ポリイソシアネート(クルードMDI、これらは、例えば、英国特許GB 878,430およびGB 848,671に記載されている);ノルボルナンジイソシアネート、例えば、米国特許3,492,330に記載されているもの;米国特許3,454,606に記載されるタイプのm-およびp-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート;例えば、米国特許3,227,138に記載されるタイプの過塩素化アリールポリイソシアネート;米国特許3,152,162に記載されるタイプのカルボジイミド基含有変性ポリイソシアネート;例えば、米国特許3,394,164および3,644,457に記載されるタイプのウレタン基含有変性ポリイソシアネート;例えば、英国特許GB 994,890、ベルギー国特許BE 761,616、およびオランダ国特許NL 7,102,524に記載されるタイプのアロファネート基含有変性ポリイソシアネート;例えば、米国特許3,002,973、独国特許1,022,789、1,222,067および1,027,394、および独国特許出願公開1,919,034および2,004,048に記載されるタイプのイソシアヌレート基含有変性ポリイソシアネート;独国特許1,230,778に記載されるタイプの尿素基含有変性ポリイソシアネート;例えば、独国特許1,101,394、米国特許3,124,605および3,201,372、および英国特許GB 889,050に記載されるタイプのビウレット基含有ポリイソシアネート;例えば、米国特許3,654,106に記載されるタイプの、短鎖重合反応により得られるポリイソシアネート;例えば、英国特許GB 965,474およびGB 1,072,956、米国特許3,567,763、および独国特許1,231,688に記載されるタイプのエステル基含有ポリイソシアネート;独国特許1,072,385に記載されるような上記イソシアネートとアセタールとの反応生成物;および米国特許3,455,883に記載されるタイプのポリマー脂肪酸基含有ポリイソシアネート。また、商業規模でのイソシアネートの製造において蓄積する、必要に応じて1以上の上記ポリイソシアネート中の溶液の状態の、イソシアネート含有蒸留残渣を使用することもできる。ポリマージフェニルメタンジイソシアネートが特に好ましい。当業者は、上記ポリイソシアネートの混合物を使用できることも認識する。
【0024】
また、プレポリマーを、本発明のフォームの製造に用いることもできる。プレポリマーは、過剰の有機ポリイソシアネートまたはそれらの混合物と、KohlerによりJournal of the American Chemical Society、49、3181(1927)に記載された、よく知られたツェレビチノフ試験により決定される少量の活性水素含有化合物とを反応させることにより製造することができる。これらの化合物およびそれらの製造方法は、当業者に既知である。任意の1つの特定の活性水素化合物の使用は重要ではない。任意のこのような化合物を本発明の実施に用いることができる。
【0025】
本発明の硬質ポリウレタンフォーム形成処方物中に必要に応じて含有される適当な添加剤としては、例えば、安定剤、触媒、セル調整剤、反応抑制剤、可塑剤、充填剤、架橋剤または増量剤、発泡剤等が挙げられる。
【0026】
本発明のフォーム形成方法に適当であると考えられる安定剤としては、例えば、ポリエーテルシロキサン、好ましくは水に不溶性であるものである。これらのような化合物は、通常、比較的短鎖のエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマーがポリジメチルシロキサン残基に結合した構造のものである。このような安定剤は、例えば、米国特許2,834,748、2,917,480および3,629,308に記載されている。
【0027】
本発明のフォーム形成方法に適当な触媒としては、当該分野で既知のものが挙げられる。これらの触媒としては、例えば、第三級アミン、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチル-ジエチレントリアミンおよびより高級の相同体(例えば、独国特許出願公開DE-A 2,624,527および2,624,528に記載されるもの)、1,4-ジアザビシクロ(2.2.2)オクタン、N-メチル-N’-ジメチル-アミノエチルピペラジン、ビス-(ジメチルアミノアルキル)ピペラジン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N-ジエチル-ベンジルアミン、ビス-(N,N-ジエチルアミノエチル)アジペート、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,3-ブタンジアミン、N,N-ジメチル-β-フェニルエチルアミン、1,2-ジメチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、単環式および二環式アミン並びにビス-(ジアルキルアミノ)アルキルエーテル、例えば2,2-ビス-(ジメチルアミノエチル)エーテルが挙げられる。
【0028】
本発明のポリウレタンフォームを製造するのに使用し得る他の適当な触媒としては、例えば、有機金属化合物、特に有機錫化合物が挙げられる。適当であると考えられる有機錫化合物としては、硫黄含有有機錫化合物が挙げられる。このような触媒としては、例えば、ジ-n-オクチル錫メルカプチドが挙げられる。他のタイプの適当な有機錫触媒としては、好ましくはカルボン酸の錫(II)塩、例えば、錫(II)アセテート、錫(II)オクトエート、錫(II)エチルヘキソエートおよび/または錫(II)ラウレート等、および錫(IV)化合物、例えば、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジクロリド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエートおよび/またはジオクチル錫ジアセテート等が挙げられる。
【0029】
水単独または水を発泡助剤(「ABA」)と組み合わせて使用することができるけれども、好ましくはABAを本発明にしたがって製造されるフォームに使用する。ABAは、硬質フォームを製造するための分野においてよく知られており、およびABAとしては、炭化水素、フルオロ炭素、ヒドロフルオロ炭素、ヒドロクロロ炭素、ヒドロクロロフルオロ炭素、クロロフルオロ炭素、および二酸化炭素が挙げられる。適当な発泡剤としては、限定されないが、HCFC-141b(1-クロロ-1,1-ジフルオロエタン)、HCFC-22(モノクロロジフルオロメタン)、HFC-245fa(1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン)、HFC-134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン)、HFC-365mfc(1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン)、シクロペンタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、LBL-2(2-クロロプロパン)、トリクロロフルオロメタン、CCl2FCClF2、CCl2FCHF2、トリフルオロクロロプロパン、1-フルオロ-1,1-ジクロロエタン、1,1,1-トリフルオロ-2,2-ジクロロエタン、塩化メチレン、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、メチルホーメート、二酸化炭素およびそれらの混合物が挙げられる。
【0030】
含有される場合、水はイソシアネート成分と反応して二酸化炭素ガスおよびアミン部分(これは、ポリイソシアネートとさらに反応して尿素骨格基を形成する)を化学的に形成することにより、発泡剤として作用する。
【実施例】
【0031】
本発明を、限定されないが、以下の実施例によってさらに説明する。「部」および「%」で与えられる全ての量は、他に示さない限り、重量基準であると理解される。
【0032】
PEG-300、PEG-400、およびPEG-600は、それぞれ、300、400および600 g/モルの数平均分子量を有するポリエチレングリコールであり、Aldrich Chemical Companyから市販されている。TPEG-990は、Dow Chemical Companyから市販されている990 g/モルの数平均分子量を有するエトキシル化グリセリンである。
【0033】
〔実施例1〜8〕
スクロース/プロピレングリコール/水開始ポリエーテルを、以下の手順にしたがって、表Iに規定される各成分の量(グラムの値)を使用して製造した。コントロール実験を、如何なるポリオキシエチレン含有化合物も使用せずに行った(実施例C-1およびC-2)。実施例3〜8を本発明にしたがって製造した。実施例3〜8は、示されるポリオキシエチレン含有化合物を含有した。
【0034】
全ての場合において、水、KOH溶液、プロピレングリコール、スクロース、およびPEG添加剤(例えば、本発明にしたがって製造)を、5ガロンのポリエーテルポリオール反応器中に充填した。反応器を窒素で40 psiaに加圧し、20 psiaまで排気し、およびこれを3回繰り返すことによって、酸素を除去した。反応器への真空バルブを閉じ、および混合物を100℃に加熱した。窒素を、20 psiaの圧力に達するまで反応器に添加した。反応器中へのプロピレンオキシド(PO)の供給を開始した。PO供給速度を、フィードバック・ループによって制御して45 psiaの総反応器圧力を維持した。PO-1として表I中に示されるグラムのPOを添加し、供給を停止し、およびPOが消費されたことを示す圧力の低下が止まるまで加熱した。PO添加に必要とされた時間を記録した。反応器への真空バルブを開け、および反応混合物を完全真空下に加熱して脱水した。
【0035】
脱水を、水量が1.95〜2.0%(カール・フィッシャー滴定により決定)に達するまで100℃にて続けた。必要な場合、水を反応混合物中に添加して含水量がこの範囲になるようにした。混合物を110℃に加熱し、十分な窒素を添加して反応器圧力を20 psiaにし、そして第二のPO供給(PO-2)を開始した。供給の最初の120分間にわたって、温度を120℃まで直線的に高めた。再び、PO供給速度を、フィードバック・ループによって制御して、供給の間、45 psiaの総反応器圧力を維持した。第二のPO添加に必要とされた時間を記録し、および両方のPO供給に必要とされた時間を合計することにより決定された総PO添加時間を表IIに示す。硫酸を添加してKOHを中和し、生成物をろ過し、そして25℃での粘度、ヒドロキシル価および外観(濁りまたは濁りなし)によって特徴付けた。
【0036】
以下の表IおよびIIを参照してよく理解できるように、実施例3および4において、TPEG-990(3%)を反応混合物に添加し、およびスクロース(実施例3)またはプロピレングリコール(実施例4)のいずれかの当量の同数を除いた。比較例C-1(0.3%)と同じKOH触媒レベルにて、プロポキシル化時間は15時間〜約10時間低減した。実施例5〜8では、種々のポリオキシエチレン含有添加剤を本発明にしたがって添加し、そしてプロピレングリコールの当量の同数を除いた。プロポキシル化時間は、同じKOHレベルにて、コントロール(実施例C-2;KOH=0.7%)の9時間から、6時間と7.3時間との間に低減した。これは、0.7%KOHレベルおよび0.3%KOHレベルにて、それぞれ約20〜30%の供給時間の低減に相当する。
【0037】
300〜1,000 g/モルの分子量範囲にわたって、ポリオキシエチレン含有添加剤の速度促進の有効性の分子量依存性は、ほとんどないように見えた。しかしながら、低分子量オキシエチレン含有添加剤(PEG-300)は、濁りのない試料を生じさせ、一方、高分子量添加剤は、ほとんどの場合、濁った試料を生じさせた。
【0038】
【表1】

【0039】
【表2】

【0040】
〔実施例9〜15〕
スクロース/水開始ポリエーテルを、以下の手順にしたがって、表IIIに規定される各成分の量(グラムの値)を使用して製造した。コントロール実験を、如何なるポリオキシエチレン含有添加剤も使用せずに行った(実施例C-9、C-10およびC-11)。実施例12〜15を本発明にしたがって製造した。実施例12〜15は、示されるポリオキシエチレン含有添加剤を含有した。
【0041】
全ての場合において、水、KOH溶液、スクロース、およびポリオキシエチレン含有添加剤(例えば、本発明にしたがって製造)を、5ガロンのポリエーテルポリオール反応器中に充填した。反応器を窒素で40 psiaに加圧し、20 psiaまで排気し、およびこれを3回繰り返すことによって、窒素パージした。反応器への真空バルブを閉じ、および混合物を100℃に加熱した。窒素を、20 psiaの圧力に達するまで反応器に添加した。反応器中へのプロピレンオキシド(PO)の供給を開始した。PO供給速度を、フィードバック・ループによって制御して45 psiaの総反応器圧力を維持した。PO-1として表III(グラムの値)中に示されるグラムのPOを添加し、供給を停止し、およびPOが消費されたことを示す圧力の低下が止まるまで加熱した。PO添加に必要とされた時間を記録した。反応器への真空バルブを開け、および反応混合物を完全真空下に加熱して脱水した。
【0042】
脱水を、水量が0.40〜0.45%(カール・フィッシャー滴定により決定)に達するまで100℃にて続けた。必要な場合、水を反応混合物中に添加して含水量がこの範囲になるようにした。十分な窒素を添加して反応器圧力を20 psiaにし、そして第二のPO供給(PO-2)を開始した。供給の最初の120分間にわたって、温度を120℃まで直線的に高めた。再び、PO供給速度を、フィードバック・ループによって制御して、供給の間、45 psiaの総反応器圧力を維持した。第二のPO添加に必要とされた時間を記録し、および両方のPO供給に必要とされた時間を合計することにより決定された総PO添加時間を表IVに示す。硫酸または乳酸(表IV参照)を添加してKOHを中和した。硫酸中和試料について、生成物をろ過し、そして25℃での粘度、ヒドロキシル価および外観(濁りまたは濁りなし)によって特徴付けた。乳酸中和試料は、特徴付け前にろ過しなかった。
【0043】
表IVを参照してよく理解できるように、本発明に要求される範囲内のPEG-300濃度を用いて製造された短鎖ポリエーテルポリオール(実施例12〜15)は、如何なるポリオキシエチレン含有化合物も使用せずに製造したもの(実施例C-9、C-10およびC-11)に比べて、速度促進を示した。またしても、PEG-300の使用は、濁りのない試料をもたらした。
【0044】
【表3】

【0045】
【表4】

【0046】
本発明の上記の実施例は、本発明を制限する目的ではなく、例示の目的で提供される。本明細書に記載された実施態様は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、種々の方法で変形または修正され得ることは当業者には明らかである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって判定すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約0.5重量%〜約20重量%(該重量%は、短鎖ポリエーテルポリオールの重量に基づく)のポリオキシエチレン含有化合物でキレート化された少なくとも1つのカチオンを有する塩基触媒の存在下、開始剤をアルコキシル化することにより製造される、約1,200 g/モル未満の数平均分子量を有する短鎖ポリエーテルポリオール。
【請求項2】
約300 g/モル〜約1,000 g/モルの数平均分子量を有する、請求項1に記載の短鎖ポリエーテルポリオール。
【請求項3】
約500 g/モル〜約900 g/モルの数平均分子量を有する、請求項1に記載の短鎖ポリエーテルポリオール。
【請求項4】
開始剤が、C1-C30モノオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、水、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、エチレンジアミン、トルエンジアミン異性体、ペンタエリスリトール、α-メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ヒドロキシメチルグルコシド、ヒドロキシプロピルグルコシド、スクロース、N,N,N’,N’-テトラキス[2-ヒドロキシエチルまたは2-ヒドロキシプロピル]エチレンジアミン、1,4-シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシノールおよびそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の短鎖ポリエーテルポリオール。
【請求項5】
塩基触媒が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウムおよび水酸化セシウムから選択される、請求項1に記載の短鎖ポリエーテルポリオール。
【請求項6】
塩基触媒が水酸化カリウムである、請求項1に記載の短鎖ポリエーテルポリオール。
【請求項7】
アルキレンオキシドが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、オキセタン、1,2-および2,3-ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、C5-C30 α-アルキレンオキシドおよびそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の短鎖ポリエーテルポリオール。
【請求項8】
アルキレンオキシドがプロピレンオキシドである、請求項1に記載の短鎖ポリエーテルポリオール。
【請求項9】
塩基触媒の少なくとも1つのカチオンが、約1重量%〜約10重量%のポリオキシエチレン含有化合物でキレート化されている、請求項1に記載の短鎖ポリエーテルポリオール。
【請求項10】
塩基触媒の少なくとも1つのカチオンが、約2重量%〜約7重量%のポリオキシエチレン含有化合物でキレート化されている、請求項1に記載の短鎖ポリエーテルポリオール。
【請求項11】
約1,200 g/モル未満の数平均分子量を有する短鎖ポリエーテルポリオールの製造方法であって、約0.5重量%〜約20重量%(該重量%は、短鎖ポリエーテルポリオールの重量に基づく)のポリオキシエチレン含有化合物でキレート化された少なくとも1つのカチオンを有する塩基触媒の存在下、開始剤をアルコキシル化することを含む、方法。
【請求項12】
短鎖ポリエーテルポリオールが、約300 g/モル〜約1,000 g/モルの数平均分子量を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
短鎖ポリエーテルポリオールが、約500 g/モル〜約900 g/モルの数平均分子量を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
開始剤が、C1-C30モノオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、水、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、エチレンジアミン、トルエンジアミン異性体、ペンタエリスリトール、α-メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ヒドロキシメチルグルコシド、ヒドロキシプロピルグルコシド、スクロース、N,N,N’,N’-テトラキス[2-ヒドロキシエチルまたは2-ヒドロキシプロピル]エチレンジアミン、1,4-シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシノールおよびそれらの混合物から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
塩基触媒が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウムおよび水酸化セシウムから選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
塩基触媒が水酸化カリウムである、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
アルキレンオキシドが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、オキセタン、1,2-および2,3-ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、C5-C30 α-アルキレンオキシドおよびそれらの混合物から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
アルキレンオキシドがプロピレンオキシドである、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
塩基触媒の少なくとも1つのカチオンが、約1重量%〜約10重量%のポリオキシエチレン含有化合物でキレート化されている、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
塩基触媒の少なくとも1つのカチオンが、約2重量%〜約7重量%のポリオキシエチレン含有化合物でキレート化されている、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも1つのポリイソシアネートと、
約0.5重量%〜約20重量%(該重量%は、短鎖ポリエーテルポリオールの重量に基づく)のポリオキシエチレン含有化合物でキレート化された少なくとも1つのカチオンを有する塩基触媒の存在下、開始剤をアルコキシル化することにより製造される、約1,200 g/モル未満の数平均分子量を有する少なくとも1つの短鎖ポリエーテルポリオールとの、
必要に応じて発泡剤、界面活性剤、他の架橋剤、増量剤、顔料、難燃剤、触媒および充填剤のうちの少なくとも1つの存在下での、
反応生成物を含んでなる、硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項22】
少なくとも1つのポリイソシアネートが、エチレンジイソシアネート、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカンジイソシアネート、シクロブタン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-および-1,4-ジイソシアネート、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチル-シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、2,4-および2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート(水素化MDIまたはHMDI)、1,3-および1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-および2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン-2,4’-および/または-4,4’-ジイソシアネート(MDI)、ポリマージフェニルメタンジイソシアネート(PMDI)、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、トリフェニル-メタン-4,4’,4’’-トリイソシアネート、ポリフェニル-ポリメチレン-ポリイソシアネート(クルードMDI)、ノルボルナンジイソシアネート、m-およびp-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、過塩素化アリールポリイソシアネート、カルボジイミド変性ポリイソシアネート、ウレタン変性ポリイソシアネート、アロファネート変性ポリイソシアネート、イソシアヌレート変性ポリイソシアネート、尿素変性ポリイソシアネート、ビウレット含有ポリイソシアネート、イソシアネート末端プレポリマーおよびそれらの混合物から選択される、請求項21に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項23】
少なくとも1つのポリイソシアネートが、ポリマージフェニルメタンジイソシアネート(PMDI)である、請求項21に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項24】
短鎖ポリエーテルポリオールが、約300 g/モル〜約1,000 g/モルの数平均分子量を有する、請求項21に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項25】
短鎖ポリエーテルポリオールが、約500 g/モル〜約900 g/モルの数平均分子量を有する、請求項21に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項26】
開始剤が、C1-C30モノオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、水、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、エチレンジアミン、トルエンジアミン異性体、ペンタエリスリトール、α-メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ヒドロキシメチルグルコシド、ヒドロキシプロピルグルコシド、スクロース、N,N,N’,N’-テトラキス[2-ヒドロキシエチルまたは2-ヒドロキシプロピル]エチレンジアミン、1,4-シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシノールおよびそれらの混合物から選択される、請求項21に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項27】
塩基触媒が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウムおよび水酸化セシウムから選択される、請求項21に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項28】
塩基触媒が水酸化カリウムである、請求項21に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項29】
アルキレンオキシドが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、オキセタン、1,2-および2,3-ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、C5-C30 α-アルキレンオキシドおよびそれらの混合物から選択される、請求項21に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項30】
アルキレンオキシドがプロピレンオキシドである、請求項21に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項31】
塩基触媒の少なくとも1つのカチオンが、約1重量%〜約10重量%のポリオキシエチレン含有化合物でキレート化されている、請求項21に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項32】
塩基触媒の少なくとも1つのカチオンが、約2重量%〜約7重量%のポリオキシエチレン含有化合物でキレート化されている、請求項21に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項33】
少なくとも1つのポリイソシアネートと、
約0.5重量%〜約20重量%(該重量%は、短鎖ポリエーテルポリオールの重量に基づく)のポリオキシエチレン含有化合物でキレート化された少なくとも1つのカチオンを有する塩基触媒の存在下、開始剤をアルコキシル化することにより製造される、約1,200 g/モル未満の数平均分子量を有する少なくとも1つの短鎖ポリエーテルポリオールとを、
必要に応じて発泡剤、界面活性剤、他の架橋剤、増量剤、顔料、難燃剤、触媒および充填剤のうちの少なくとも1つの存在下、
反応させることを含む、硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項34】
少なくとも1つのポリイソシアネートが、エチレンジイソシアネート、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカンジイソシアネート、シクロブタン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-および-1,4-ジイソシアネート、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチル-シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、2,4-および2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート(水素化MDIまたはHMDI)、1,3-および1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-および2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン-2,4’-および/または-4,4’-ジイソシアネート(MDI)、ポリマージフェニルメタンジイソシアネート(PMDI)、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、トリフェニル-メタン-4,4’,4’’-トリイソシアネート、ポリフェニル-ポリメチレン-ポリイソシアネート(クルードMDI)、ノルボルナンジイソシアネート、m-およびp-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、過塩素化アリールポリイソシアネート、カルボジイミド変性ポリイソシアネート、ウレタン変性ポリイソシアネート、アロファネート変性ポリイソシアネート、イソシアヌレート変性ポリイソシアネート、尿素変性ポリイソシアネート、ビウレット含有ポリイソシアネート、イソシアネート末端プレポリマーおよびそれらの混合物から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
少なくとも1つのポリイソシアネートが、ポリマージフェニルメタンジイソシアネート(PMDI)である、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
短鎖ポリエーテルポリオールが、約300 g/モル〜約1,000 g/モルの数平均分子量を有する請求項33に記載の方法。
【請求項37】
短鎖ポリエーテルポリオールが、約500 g/モル〜約900 g/モルの数平均分子量を有する、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
開始剤が、C1-C30モノオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、水、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、エチレンジアミン、トルエンジアミン異性体、ペンタエリスリトール、α-メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ヒドロキシメチルグルコシド、ヒドロキシプロピルグルコシド、スクロース、N,N,N’,N’-テトラキス[2-ヒドロキシエチルまたは2-ヒドロキシプロピル]エチレンジアミン、1,4-シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシノールおよびそれらの混合物から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
塩基触媒が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウムおよび水酸化セシウムから選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
塩基触媒が水酸化カリウムである、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
アルキレンオキシドが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、オキセタン、1,2-および2,3-ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、C5-C30 α-アルキレンオキシドおよびそれらの混合物から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項42】
アルキレンオキシドがプロピレンオキシドである、請求項33に記載の方法。
【請求項43】
塩基触媒の少なくとも1つのカチオンが、約1重量%〜約10重量%のポリオキシエチレン含有化合物でキレート化されている、請求項33に記載の方法。
【請求項44】
塩基触媒の少なくとも1つのカチオンが、約2重量%〜約7重量%のポリオキシエチレン含有化合物でキレート化されている、請求項33に記載の方法。

【公表番号】特表2009−521557(P2009−521557A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547381(P2008−547381)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/048182
【国際公開番号】WO2007/120243
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(503349707)バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (178)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience LLC
【Fターム(参考)】