説明

碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具及び方法

本発明は、碁の規則を利用した対戦用ボードゲーム道具及び方法を提供する。本発明の対戦用ボードゲーム道具及び方法によると、M個の横線とN個の縦線が相互交差するように構成されたM×N個の着点を備えたボードが提供されて、前記ボード上に色相の異なる2組の石をそれぞれ使用し、一般的な碁の規則と共に、多数着点の同時布石、込み(特別補償点数)ベッティング、点数を異ならせて設定した着点、点数を異ならせて設定した石、及び相手にばれずに使用できるヒドン石などの規則をさらに含み、確保された地に対する計家(地の計算)ではない、石が着手された瞬間に着点の点数と石の点数などを合算して実時間で表示される最終点数が高いプレイヤーを勝者となるように決定する。このような方式を通じて、碁の規則が分からない人でも、容易に規則を習得してゲームを楽しんだり、対局状況を観戦することができて、ゲームが暴力的でないため、子供から大人まで誰もが楽しむことができ、また、ゲーム時間が相対的に短くなるため、プレイヤーたちは、時間の負担無しに気軽にゲームを利用することができて、さらに、このゲームは、多様な反転の妙味を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具及び方法に関する。本発明の対戦用ボードゲーム道具及び方法によると、M個の横線とN個の縦線が相互交差するように構成されたM×N個の着点を備えたボードが提供されて、前記ボード上にそれぞれ色相の異なる2組の石が使用される。一般的な碁の規則と共に、多数着点の同時布石、込み(特別補償点数)ベッティング、点数を異ならせて設定した着点、点数を異ならせて設定した石、相手にばれずに使用できるヒドン石などの規則をさらに含み、計家(地の計算)の代わりに、石が着手された瞬間に着点の点数と石の点数などを合算して実時間で表示される最終点数が高いプレイヤーを勝者となるように決定する。このような方式により、碁の規則が分からない人でも、容易に規則を習得してゲームを楽しんだり、対局状況を観戦することができて、ゲームが暴力的でないため、子供から大人まで誰もが楽しむことができる。ゲーム時間が相対的に短くなるため、プレイヤーが時間の負担無しに気軽にゲームをすることができて、さらに、このゲームは、多様な反転の妙味を提供する。
【背景技術】
【0002】
碁は、数千年の歴史を有した地上最高の戦略ゲームである。一般的な碁の規則は、次のようである。19×19の横線と縦線を有する碁盤に、それぞれ白石と黒石を有した人が前記碁盤の線の交差する着点に白石と黒石を一点ずつ交互に着手する。このオフライン上のゲームにおいて、さらに多い地(白石のみまたは黒石のみで囲まれた着点)を確保する人が最終的に勝利するようになる。碁は、碁盤と石のみあれば、プレイヤーは時間と場所に関係なくゲームを楽しむことができて、高度の数学的且つ科学的な思考と礼節に基づき多様な戦略を駆使できる。したがって、碁のゲームは、成長期の子供たちの頭脳啓発と人性発達はもちろん、大人の余暇活用と精神健康によい効果を有している。
【0003】
しかしながら、前記碁は、ゲームを終えるまで多い時間が所要されるため、短い暇な時間などを活用して楽しむには無理があり、他の人たちの対局を観戦するにも時間がかかる。また、型にはまった定石とこれに基づいたゲーム進行のため、退屈に感じられることがある。したがって、成長期の子供たちやコンピューターゲームを楽しむ大多数の青少年たちと大人たちから目を背けられているという問題点があった。
【0004】
さらに、最初に碁を習うためには、複雑な規則と共に覚えなければならない定石などが多くて、碁が楽しめるまでには多い時間を投資しなければならないという問題点がある。したがって、上記のような効果にもかかわらず、碁人口の底辺拡大に難航を極めており、実際、碁の強国と言われる韓国でさえ、毎年碁人口が急激に減少している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明は、上述のような問題点を解決して、子供から大人まで誰でも短時間で容易にゲーム規則を習得し、すぐに楽しむことができて、多様な
戦略を立てて、反転の妙味をスピーディーに楽しむことができる、碁の規則を活用した対戦用ボードゲームを提供することを目的とする。
【0006】
さらに具体的に、本発明は、M個の横線とN個の縦線が相互交差するM×N個の着点を備えたボードと、基本点数が付与された一般石と少なくとも1種以上の加算点の付与された石とを混合して備えて、前記石をボードの着点に着手する瞬間、点数が加減されて表示されるようにして、小さい大きさのボードを選択して短時間内にゲームの結果が分かるようにすることにより、ゲームのスピーディーな展開と興味を倍加させて、実時間で対局状況が把握できるようにすることを目的とする。
【0007】
また、本発明は、上記のようなボード上に、最初布石段階で多数個の着点に同時に布石するようにしてからゲームを進行することにより、もっと迫真感のある、
戦略的なボードゲームを楽しむことができるようにすることを他の目的とする。
【0008】
また、本発明は、前記ボード上において布石した部分が重なる場合、その部分に布石された石を取り除き、前記石の取り除かれた着点を、加算点または減点が付与された着点にするか、空白に処理することにより、これを通じて、布石の客観的な立場を見地して、ゲームの興味をより一層倍加させることをまた他の目的とする。
【0009】
また、本発明は、石を最初に着手する先手を決定するために、互いに込み(特別補償点数)をベッティングするようにして、より多い込みをベッティングしたプレイヤーが先手として石を着手してゲームを進行し、後手プレイヤーは、前記ベッティングで得た込みを本人の点数に加算することにより、碁で発生する込みの条件を客観的に定立できるようにすることをまた他の目的とする。
【0010】
また、本発明は、ゲームの進行中に、異なる点数の加算点が付与された石を一定な規則によって所望の着点に着手できるようにすることにより、高い点数の石が死石とならないようにして、また相手が死石となる位置に加算点の付与された石を着手するしかないように誘導することにより、ゲームの緊張感と迫真感を増大させることをまた他の目的とする。
【0011】
また、本発明は、プレイヤーがゲーム進行中に、自分の石が相手の石に囲まれて、一手では自分の石を生かせない位置またはゲームの反転のために少なくとも二手以上が必要な位置に、相手にはばれずに自分のみが分かるヒドン石を少なくとも一回以上使用できるようにすることにより、プレイヤーたちの相互ヒドン石の位置によって多様な逆転機会を付与し、ゲームの興味を倍加させることをまた他の目的とする。
【0012】
また、本発明は、上記のようなゲームの進行状況を表すために、例えば石がボードに着手される瞬間、またはボードから石が死石として除去される瞬間、加算着点や減算着点に石が着手される瞬間など、ボード上に石が着手されるか除去される実時間で点数を点数板に掲示することにより、ゲーム進行者が点数を見て迅速に作戦を駆使できるようにして、ゲームの途中から観戦する人でも、現在の進行状況が容易に把握できるようにすることをまた他の目的とする。
【0013】
また、本発明は、多様な戦略を立てて反転の妙味を楽しむことができて、スピーディーなゲームの進行を通じて、碁人口の底辺を拡大できる対戦用ボードゲームを提供することをまた他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一様態によると、本発明は、多数個の横線と多数個の縦線が交差するように図示された一つのボードと、2組の石を含み、前記ボードは、M個の横線とN個の縦線が相互交差するように構成されたM×N個の着点を有し、前記着点の中、石が着手される場合、所定の加算点が付与される少なくとも一つ以上の加算着点と、石が着手される場合、所定の減算点が付与される少なくとも一つ以上の減算着点とが、一般的な着点の色相と区別されるように異なる色相の点や図形で表示されていることを特徴とする碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具を提供する。
【0015】
また、本発明の他の様態によると、本発明は、多数個の横線と多数個の縦線が交差するように図示されたボードと、2組の石を含み、前記2組の石は、それぞれボードに着手されて布石を行うための多数個の布石用石と、前記布石用石の布石後、ゲームの進行時に使用され且つ基本点数が付与された一般石と、前記基本点数より大きい点数を有する少なくとも一つ以上の加算点石とを含むことを特徴とする、碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具を提供する。
【0016】
また、本発明の他の様態によると、本発明は、M個の横線とN個の縦線が相互交差するように構成されたM×N個(5≦M≦19、5≦N≦19、MとNは自然数)の着点を有して、前記M×N個の着点の中、加算点が付与された少なくとも一つ以上の加算着点と、減算点が付与された少なくとも一つ以上の減算着点とが、相異なる色相や図形で表示されているボードと、前記ボードに着手されて布石を行うための多数個の布石用石と、布石後、ゲームの進行時に使用され且つ基本点数が付与された一般石と加算点が付与された加算点石とが混合された2組の石とを含み、碁の規則を活用してゲームを進行するが、石がボードに着手される度に、石の点数と加算着点の点数及び減算着点の点数を合算して勝者を決定することを特徴とする、碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具を提供する。
【0017】
また、本発明の他の様態によると、本発明は、双方が同時に布石する多数の着点を記載して相手に提示するようにして、その後、相互間に提示された着点に双方の布石石が同時に着手されるようにする布石位置記載カードをさらに含むことを特徴とする、碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具を提供する。
【0018】
また、本発明の他の様態によると、本発明は、各プレイヤーが先手を取るために、込みベッティングカードに相手に与える込みを記載して提示するようにして、大きい数字の込みを記載したプレイヤーが先手となってボードゲームを進行するようにする込みベッティングカード及び過程を含むことを特徴とする、碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具を提供する。
【0019】
また、本発明の他の様態によると、本発明は、前記プレイヤー相互間に、ゲーム開始前、相手の予想着点位置を誘引着点記載カードに記載するようにして、相手に見えないようにカードを保管する誘引着点記載カード及び過程をさらに含むことを特徴とする、碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具を提供する。前記誘引着点記載カードによる誘引着点実行過程は、各プレイヤーがゲーム開始前またはゲーム開始後、ある定められた手順で相手の予想着点位置を誘引着点カードに記載するようにして、相手に見えないように保管する段階と、前記誘引着点に相手が石を打つ場合、誘引着点を記載したプレイヤーが誘引着点記載カードを提示するようにして、予め設定されたボーナス点数をプレイヤーの点数に合算する段階とを含む。
【0020】
本発明のまた他の様態によると、碁の規則を活用してボードゲームを進行中に、相手にばれずに一手が打てるように、ヒドン石の着点位置を記載して使用するヒドンカードをさらに含むことを特徴とする、碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具を提供する。前記ヒドンカードによるヒドン石の使用方法は、碁の規則を活用してボードゲームを進行中に、プライヤーが相手にばれずに一手が打てるように、ヒドン石の着点位置を前記ヒドンカードに記載して伏せておく段階と、前記ヒドンカードに記載された着点に相手が石を着手するか、またはヒドン石と連係された石で相手の石を捕獲して死石として取り除く場合、ヒドンカードを相手に提示するようにするヒドンカード提示段階とを含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明による碁の規則を利用した対戦用ボードゲーム道具及び方法によると、ゲームは、石を着手する場合、点数が加減される多数個の着点を有する多様な大きさのボードと、基本点数を有する一般石と加算点の付与された加算点石とが混合された石とを含み、碁の規則を活用してゲームを進行する。着点に石を着手する実時間で石の点数または着点の点数を合算して表示し、地の計算無しに、表示された点数で勝者を決定することにより、ゲームの興味が倍加されて、ボードの大きさを選択するようにして、ゲームのスピーディーな展開と共に、実時間で対局状況を把握することができる。
【0022】
また、一般的な碁と異なって、同時に多数個の点に布石を行うようにすることにより、プレイヤーの所望の布石状態でゲームを始めることができるようにし、多様な戦略と戦術を具現することができる。
【0023】
また、先手を取るために、相手に込みの数を提示する込みベッティングを行って、より多い込みをベッティングしたプレイヤーが先手としてゲームを進行するようにすることにより、先手者により支払われる込み(特別補償点数)の条件を客観的に定立することができる。
【0024】
また、ゲームの進行中に、異なる点数の加算点が付与された石を一定な規則によって着点に着手できるようにすることにより、多様なゲーム状況を導くことができるようにして、これを通じてゲームの緊張感と迫真感を増大させることができる。
【0025】
また、ゲームの進行中に、少なくとも一回のヒドン石を提供してボードに着手するようにするが、そのヒドン石が位置した着点を相手にばれないように処理した後、ゲームを進行することにより、互いにヒドン石の位置によって多様な逆転機会を付与し、ゲームを興味を倍加させることができる。
【0026】
また、子供から大人まで短時間で容易にゲーム規則を習得してすぐに楽しむことができ、また、現在提供される多様なゲームの暴力的且つ非教育的な問題点を解決して、多様な人たちがオンライン、またはオフラインで、パソコンなどで楽しむことができる。
【0027】
本発明の上述の目的及び効果は、添付の図面を参照して好ましい実施例を詳細に説明することにより、さらに明確にされる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施例に係わる、碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具を構成する(a)はボード、(b)は石、(c)は点数板、(d)は布石位置記載カード、(e)は込みベッティングカード、(f)は誘引着点記載カード、及び(g)はヒドン(Hidden)カードを示した図である。
【図2】本発明に係わる、碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具を構成するボードの他の実施例を示した図である。
【図3】本発明に係わる、碁の規則を活用した対戦用ボードゲームの布石後に使用される石の使用順番の一実施例を示した図である。
【図4】図4(a)及び図4(b)は、本発明の一実施例に係わる、碁の規則を活用した対戦用ボードゲームの序盤布陣のために布石された状態を示した図である。
【図5】図5(a)及び図5(b)は、本発明に係わる、碁の規則を活用した対戦用ボードゲームのヒドン石の使用の一実施例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具及び方法に関する。
【0030】
本発明によると、碁の規則による定石や基本布石などを活用してゲームを進行するが、従来の碁とは異なって、伝統的な碁盤に代わる、M個の横線とN個の縦線で構成されたM×Nの大きさを有するボード、及び碁石のような石を使用して、ゲーム終了後、プレイヤーが得た地を数えて勝者を決定するのではなく、着点に石を着手する度に点数を加減して実時間で表示し、最終点数の高い人が勝者とある。
【0031】
以下、添付の図面に示された実施例を参照し、本発明をさらに詳細に説明する。
【0032】
まず、図1は、本発明の一実施例に係わる、碁の規則を活用したボードゲームを実現するためのボードゲーム道具を示したもので、図1(a)は、本発明に使用されるボード10の一実施例であり、図1(b)は、石20の実施例であって、図1(c)は、実時間でプレイヤーの点数を表示するための点数板30の実施例である。
【0033】
また、図1(d)は、布石した位置を同時に記載して相手に布石位置を提示し、同時布石を行うための布石位置記載カード40、図1(e)は、ゲームの開始前に先手を取るために、込みの数を記載して相手に提示するための込みベッティングカード50、図1(f)は、相手が石を着手すると予想される位置の着点を記載して、相手がその着点に石を打つように誘引して点数を得るようにする誘引着点記載カード60、図1(g)は、ゲームの進行中にヒドン石の位置を記載するためのヒドン(Hidden)カードの実施例を示したものである。
【0034】
前記ボード10は、碁盤のような形態で、M個の横線とN個の縦線が相互交差するように構成されたM×N個の着点を備えた四角板の形態を有するように、木板、金属板、プラスチック板や紙上に図示して構成されて、碁の規則で重要視されない各辺に位置した多数個の着点を選択して表示した加算着点12と、碁で定石とされて、布石時に重要な位置を占める点から多数個の着点を選択して表示した減算着点11を有する。この際、前記加算着点12及び減算着点11は、プレイヤーがゲームの開始前に設定することもできる。
【0035】
この際、ボードの横線Mと縦線Nの数は、プレイヤーの規則熟練程度やゲームの進行速度を考慮して5〜19行に構成して、好ましくは、5×5、11×11、15×15、19×19などに形成することができる。また、前記減算着点11は、定石において主に布石に使用される多数個の着点を選択して、一つの色で着点に表示して、前記加算着点12は、重要ではない辺の着点から多数個を選択して、異なる色で着点に表示する。
【0036】
また、図2に示されたように、ボード10aは、碁盤のような形態で、M個の横線とN個の縦線が相互交差するように構成されたM×N個の着点を有して、前記図1の加算着点12または減算着点11に代わって、前記横線と縦線により形成された空間の中、隣接した少なくとも二つ以上の空間を異なる色相で彩色した加算領域13または減算領域14を形成して、前記加算領域13に含まれた着点に石を着手する場合は、予め設定された加算点を石の点数に追加して合算し、前記減算領域14に含まれた着点に石を着手する場合は、予め設定された減算点を、得点した点数から差し引くようにする。即ち、前記加算領域13内の全ての着点は、加算着点となり、前記減算領域14内の全ての着点は、減算着点となる。
【0037】
次に、前記ボード10上に着手される2組の石20は、碁石のような形態で二種の色相を有し、前記石20は、布石に使用するために、前記の二種の色相の石のそれぞれに、前記石の色相と異なる色相の点や図形が表示された(例えば、白色と黒色の石にそれぞれ赤色点が付いた)布石用石21と、前記布石用石21とは異なる色相の点や図形が表示されて(例えば、白色と黒色の石にそれぞれ黄色点が付いた)且つ布石以後、ゲーム進行中に使用される加算点石22と、一般石23とに区分し、プレイヤーがそれぞれの石21、22、23を区分することができるようにする。一実施例として、前記布石用石21は5点、加算点石22は3点、一般石23は1点を付与することができる。
【0038】
また、前記のような一組の石には、加算点石の点数を2、3、4点などのように、差等的に多様な加算点を有するようにして、この際、前記一般石と加算点石との混合比率は、N:N:...:N(ここで、Nは、それぞれ基本点数1点が付与された一般石の数、Nは、それぞれ2点が付与された加算点石の数、Nは、それぞれn点が付与された加算点石の数であり、N≧N≧…≧Nである)で構成できる。
【0039】
また、上述のボード10に、同一な点数を有する一般石を含めてボードゲーム道具を構成するか、従来の碁盤のようなボードに、上述の布石用石及び加算点石が含まれた二組の石20を使用してボードゲーム道具を構成することもでき、また、上述のように構成されたボード10と石20とを全て含むボードゲーム道具を提供することもできる。
【0040】
上記のようなボード10または石20を利用してゲームを進行するための規則は、次のようである。(1)布石は、多数個の布石用石21を所望の位置に同時に着手する。(2)布石後、込み(特別補償点数)ベッティングを通じて、より多い込みをベッティングしたプレイヤーを先手とする。この際、布石前にベッティングを行うこともできる。(3)ゲーム進行過程において、各々のプレイヤーは、相互間に一手ずつ交互に着手して、自分の着手順番で前記一般石と加算点石を、各プレイヤーの着手順番によって定められた使用順序にしたがって、または無作為に選択して使用するようにする。(4)各プレイヤーは、相手の予想着点位置を誘引着点として予め記載するようにして、相手がその誘引着点に石を着手した場合、ボーナス点数を付与する。(5)ゲームの進行中、プレイヤーがゲームの重要基点と思われる時に使用できるヒドン石(使用者には見えるが、相手には見えない石)を提供して、石をボード10に載せずにゲームを進行する。(6)ゲーム進行及び終了時、点数の計算は、ボード10に着手される実時間で石と着点の点数を合算して点数板に表示し、着手された石の点数の合計+込み+ボーナス点数+ボードの加算着点の点数−ボード減算着点の点数の計算で勝者を決定する。この際、前記(1)乃至(6)の規則は、ゲーム進行中にいずれか一つまたはそれ以上を選択的に使用することもできる。
【0041】
上記のような規則以外は、各プレイヤーが一手ずつ交互に石を着手する碁の一般的な規則によってゲームを進行し、特に碁の規則と定石が分からなくても、相手の石を取り除く死石の概念を知っている人ならば、誰でも前記規則にしたがってゲームを進行することができる。
【0042】
上記のような規則によってゲームを進行するためには、上述のボード10と石20の他に、布石位置を記載して相手に提示するための布石位置記載カード40と、込みベッティングのために込みの数を記載して相手に提示するための込みベッティングカード50と、誘引点を記載して伏せておき、相手がその誘引点に着手する場合、これを提示してボーナス点数を獲得するための誘引着点記載カード60と、そしてヒドン石の使用を相手に要請して、ヒドン石の位置を記載して相手には秘密として維持した後、相手がヒドン石の位置に着手するか、ヒドン石と他の石とを連係して相手の石を捕獲し死石として除去しようとする場合、ヒドン石の位置を相手に提示するためのヒドンカード70とのいずれか一つ以上を選択的にさらに備える。
【0043】
この際、前記布石位置記載カード40は、前面41に‘布石’と記載されていて、後面42には、三つ(ボードの大きさとプレイヤー相互間の協議によって布石の数は変更可能)の布石しようとする着点を記載するための布石位置記載部が印刷されており、前記込みベッティングカード50は、前面51に‘込みベッティング’と記載されていて、後面52には、込みの数が記載できるように込みの数記載部が印刷されており、前記誘引着点記載カード60の前面61には、‘誘引着点’と記載されていて、後面62には、相手の着手を誘引しようとする着点を記載するための誘引着点記載部が印刷されており、前記ヒドンカード70は、前面71に‘Hidden’と印刷されて、後面72には、少なくとも一つ以上のヒドン石の着点を記載するためのヒドン位置記載部が印刷されている。前記カード40、50、60、70は、厚い紙や厚いフィルムなどで形成して、鉛筆や水性ペンを利用し、書き消しできるように構成する。
【0044】
上記のようにボード10、二組の石20、点数板30、布石位置記載カード40、込みベッティングカード50、誘引着点記載カード60及びヒドンカード70と、上述の(1)〜(6)の規則を選択的に混合して使用し、碁の規則によってボードゲームを進行することができる。この際、布石位置記載カード40、込みベッティングカード50、誘引着点記載カード60及びヒドンカード70を全て使用するかあるいは選択的に使用するかは、選択した規則によって決定することもできる。
【0045】
まず、前記加算着点と減算着点または加算領域と減算領域を有するボード10と、一般石と、多様な種類の加算点石とを有する2組の石20を利用してボードゲームを進行する基本的な方法は、プレイヤー相互間に一手ずつ交互に着手し、それぞれのプレイヤーは、自分の着手順番で前記一般石と加算点石を、予め定められた使用順序にしたがってまたは無作為に選択して使用するようにする。上記のような方法により、前記ボードにそれ以上石を着手する着点が存在しないまでゲームを進行する。次に、プレイヤー相互間に、相手方が獲得した地を自分の一般石で埋め、点数を加算した後、最終的に点数が高いプレイヤーを勝者と決定する。
【0046】
一実施例として、一組の石に、1点の一般石と3点の加算点石が4:1で混合されている場合、図3に示されたように、最初の5手以内に加算点石22の使用始点を決定し、3手目に着手したならば、それ以後は、加算点石22は、3手を基準に5手目毎に、即ち、8手目、13手目、18手目などに、一回ずつ使用してゲームを進行する。
【0047】
次に、上記のような基本的なゲーム進行方法に加えて、多数個の着点に同時布石を行う布石過程をさらに含むことができる。
【0048】
前記布石過程は、前記布石位置記載カード40に、プレイヤー相互間に各自布石する着点を記載する段階と、前記布石着点が記載されたカード40を互いに交換するか同時に開くようにして、記載された着点に同時に布石用石を着手する段階とを含む。また、前記プレイヤー双方の布石着点の位置が同一に重なる場合は、前記重なる着点の布石用石を除去して、その着点を加算着点または減算着点に設定するか、禁止着点に設定する段階をさらに含むこともできる。
【0049】
一実施例として、白石をもったプレイヤーが(3、4)、(4、3)、(11、11)と布石位置を記載して、黒石をもったプレイヤーが(4、10)、(5、12)、(11、4)と布石位置を記載するようにした後、図4の(a)に示されたように、同時に三つの布石用石21を利用して布石を行う。しかし、白石をもったプレイヤーが布石位置を(4、6)、(5、4)、(11、4)と記載して、黒石をもったプレイヤーも布石位置を(10、12)、(11、4)、(12、11)と記載し、図4の(b)のように(11、4)の布石位置が重なる場合は、その着点の布石用石21を全て取り除いた後、その着点を加算着点または減算着点に設定するか、禁止着点に設定した後、ゲームを進行することもできる。この際、前記布石用石21がボード10に載せられる瞬間、布石用石21の点数(例えば、図4の(a)の場合、それぞれ15点、図4の(b)の場合は、それぞれ10点)を合算して、点数板30に表示する。また、前記布石の数は、ボード10の大きさによって選択的に使用することもできる。
【0050】
次に、上記のような基本的なゲーム進行方法に加えて、ゲーム進行時、先手を取るために、込みベッティングを行う込みベッティング過程をさらに含むことができる。
【0051】
前記込みベッティング過程は、前記込みベッティングカードに、プレイヤー相互間に相手に提示する込みの数を記載するようにする段階と、前記込みの数が記載された込みベッティングカードを相互間に同時に提示して、込みの数をより多く記載した人を先手と決定する段階と、前記込みベッティングの結果、後手と確定されたプレイヤーの点数板に、先手者がベッティングしたその込みを加算して表示する段階とを含めて構成される。この際、双方のプレイヤーが相互ベッティングした込みが同じ場合は、再び込みベッティングを行う段階と、それでも同一な場合は、石の選択などを通じて先手を決定して、双方のプレイヤーが同数に記載した込みを後手の点数板に加算して表示する段階をさらに含めて構成することもできる。
【0052】
上記のような込みベッティング過程は、前記基本的なゲーム進行方法によってゲームを始める前に行うか、前記布石過程が終了した後、布石の位置によって決定することもできる。
【0053】
次に、上記のような基本的なゲーム進行方法を始める前に、相手が着手すると予想される位置に誘引着点を設定して、その誘引着点に相手が着手する場合、誘引着点を設定したプレイヤーにボーナス点数が与えられる誘引着点実行過程をさらに含むことができる。
【0054】
前記誘引着点実行過程は、各プレイヤー相互間に、ゲームの開始前またはゲームの開始後、特定手順で相手の予想着点位置を誘引着点記載カード60に記載するようにして、相手に誘引着点設定のことを知らせた後、相手に見えないようにカード60を保管する段階と、前記誘引着点に相手が石を打つ場合、誘引着点を記載したプレイヤーが誘引着点記載カードを提示して、設定されたボーナス点数をプレイヤーの点数に合算する段階とを含めて構成される。
【0055】
また、前記プレイヤー双方が誘引着点記載カードに記載した誘引着点が同一な場合、その誘引着点は無効に処理する段階と、前記誘引着点記載カードに記載された誘引着点は、相手が誘引着点に石を打たないまま、プレイヤーたちの手順が10手乃至20手を経過すると、自動消滅するようにする段階とをさらに含めて構成することもできる。
【0056】
上記のような誘引着点実行過程の誘引着点記載段階は、布石前、布石後、込みベッティング後など、一般的なゲーム開始前に時期を決定して行うことができる。
【0057】
次に、前記基本的なゲーム進行過程によってゲームを進行している途中、一般的な手では自分の地を守り難いか、一手では相手の大石を取ることができない場合、相手に見えない一手を使用できるヒドン石の使用過程をさらに含むことができる。
【0058】
前記ヒドン石の使用過程は、碁の規則を活用してボードゲームを進行する途中、前記ヒドンカード70に、相手にばれずに一手が打てるようにヒドン石の着点位置を記載して、相手にヒドン石の使用のことを知らせた後、ヒドンカード70を隠しておく段階と、前記ヒドンカード70に記載された着点に相手が石を着手するか、ヒドン石と連係された石で相手の石を捕獲し死石として取り上げようとする場合、ヒドンカード70を相手に提示する段階とで構成される。
【0059】
図5は、前記ヒドン石の使用過程の一実施例を示したもので、図5(a)に示されたように黒石が白石に包囲されて、黒石が4目を有しているため、白石をもったプレイヤーは、黒石を死石として取り上げることができない。しかし、黒石をもったプレイヤーが二手以上をそこに打たない場合、白石をもったプレイヤーが黒石を取ることができる。このような状況が発生した場合、白石をもったプレイヤーは、ヒドンカード70にヒドン石の着点を記載して、ヒドン石の使用を要請する。ヒドンカード70の使用時、ヒドンカード70に2の位置を記載したならば、2の位置にヒドン石Aが着手されたことになるが、これは、仮想の石であって、白をもったプレイヤーのみが知っていて、黒をもったプレイヤーには見えない石となる。したがって、黒をもったプレイヤーがそこにヒドン石が位置したことを知らずに、他のところに次の手を打ったとしたら、その後、白をもったプレイヤーは、図5(b)に示されたように、次の手として1の位置に白石を打つようになる。上記のように、黒の地に二つの白石が位置すると、次の手順により黒石は死石となる。しかし、黒石をもったプレイヤーがヒドン石の位置を予測して、1または2の着点に黒石を着手する場合、白をもったプレイヤーのヒドンカードの使用は、無用のものになる。
【0060】
上記のように、ヒドン石は、使用する着点と相手の意中によって数多い反転の機会を提供するため、ヒドン石の使用者や相手方、両者とも多用な攻撃戦術と防御戦略を立てなければならず、観戦者は、その緊迫感を体験してゲームの妙味を楽しむことができるようになる。
【0061】
上記のように、ゲームの進行が完了して、それ以上石を打つ着点がない場合、プレイヤー双方は、自分が占めた空いた空間にそれぞれ自分の一般石を着手した後、着手された石の点数を合算して点数板に表示し、表示された点数が高いプレイヤーが勝利することに決定されて、ゲームを終了するようになる。
【0062】
上述のように本発明によると、減算及び加算着点または領域を有するボードと、多様な形で使用され且つそれぞれ異なる点数を有する石と、点数板とを基本的に備えて、布石位置記載カード、誘引着点記載カード、ヒドンカードなどを選択的に使用し、このような方式で、碁の基本的な簡単な規則に、短時間内に習得可能な本発明による幾つかの規則を加えて使用するだけで、多様な戦略型対戦用ボードゲームを楽しむことができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
上述のような本発明による、碁の規則を活用したボードゲーム道具は、携帯が容易で、室内や野外で気軽にゲームを楽しむことができるため、余暇善用とレザー産業の発展に寄与することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
M個の横線とN個の縦線が相互交差するように構成されたM×N個の着点を有し、前記着点の中、加算点が付与された少なくとも一つ以上の加算着点と、減算点が付与された少なくとも一つ以上の減算着点とが、相異なる図形や色相で表示された一つのボードと、
それぞれ同一な点数を有する二組の石と、
前記ボードに石が着手される度に、前記石の点数と前記加算着点の点数または減産着点の点数とを合算して、実時間で表示するための点数板を含むことを特徴とする、碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具。
【請求項2】
前記ボードは、
M個の横線とN個の縦線とから構成されて、Mは、5≦M≦19であり、Nは、5≦N≦19であることを特徴とする、請求項1に記載の碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具。
【請求項3】
前記ボードにおいて、M個の横線とN個の縦線とが相互交差する位置に、前記横線と縦線が交差して形成された空間の中、少なくとも二つ以上の隣接した空間を異なる色相で表示した一つ以上の加算領域または一つ以上の減算領域を設定して、その異なる色相で図示された領域に含まれた着点に加算点または減算点を付与したことを特徴とする、請求項2に記載の碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具。
【請求項4】
先手を取るために相手に与える込みを記載して提示するための込みベッティングカードをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具。
【請求項5】
ゲーム中に、相手にばれずに一手が打てるように、ヒドン石の着点位置を記載するためのヒドンカードをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具。
【請求項6】
多数個の横線と多数個の縦線が交差するように図示された一つのボードと、2組の石を含む、碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具であって、
前記2組の石は、ゲームの進行時に使用され且つ基本点数が付与された一般石と、
前記一般石でゲームを進行する前に、前記ボードの多数個の着点に同時に布石を行うために、前記一般石の色相とは異なる色相の点や図形が表示された布石用石を含むことを特徴とする、碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具。
【請求項7】
前記一組の石に含まれた布石用石は、2〜5個であることを特徴とする、請求項6に記載の碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具。
【請求項8】
前記ボードに、プレイヤー相互間に多数個の布石用石で同時に布石するために、布石用石の着点を記載して相手に提示するための布石位置記載カードをさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具。
【請求項9】
多数個の横線と多数個の縦線が交差するように図示された一つのボードと、2組の石を含む、碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具であって、
前記2組の石は、それぞれボードに着手するために、ゲームの進行時に使用され且つ基本点数が付与された一般石と、
前記基本点数より大きい点数を有して、一般石の色とは異なる色相の点や図形が表示された少なくとも1種以上の加算点石と、
前記石が前記ボードの着点に着手される度に、石の点数と着点の加減された点数を合算して実時間で表示するための点数板を含むことを特徴とする、碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具。
【請求項10】
前記一組の石に含まれた一般石は、1点の点数が付与されて、加算点石は、2点またはそれ以上の点数が付与されて、加算点石の種類は、少なくとも1種以上であることを特徴とする、請求項9に記載の碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具。
【請求項11】
ゲームの開始前に、相手の予想着点位置を予め記載して伏せておく誘引着点記載カードをさらに含み、相手がその誘引着点に碁を打つ場合、誘引着点を記載した誘引着点記載カードを相手に提示して、誘引着点記載カードを使用したプレイヤーにボーナス得点を付与することを特徴とする、請求項9に記載の碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具。
【請求項12】
先手を取るために相手に与える込みを記載して提示するための込みベッティングカードをさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具。
【請求項13】
ゲーム中に、相手にばれずに一手が打てるように、ヒドン石の着点位置を記載するためのヒドンカードをさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具。
【請求項14】
M個の横線とN個の縦線が相互交差するように構成されたM×N個の着点(5≦M≦19、5≦N≦19、MとNは自然数)を有して、前記着点の中、少なくとも一つ以上の加算点が付与された加算着点と、少なくとも一つ以上の減算点が付与された減算着点とが、それぞれ一般着点の色相と異なる色相の点や図形で区別されるように表示されて含まれている一つのボードと、
基本点数が付与された一般石と、一般石より高い点数が付与された加算点石、及び前記ボードに布石を行うための多数個の布石用石を混合して構成し、前記加算点石と布石用石には、一般石の色相とは異なる色相の点や図形が表示されている、2組の石を含み、
石がボードの着点に置かれる度に、前記石の点数と前記ボードの着点の点数を合算して勝者を決定することを特徴とする、碁の規則を活用した対戦用ボードゲーム道具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図5(a)】
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【図5(b)】
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【公表番号】特表2010−508059(P2010−508059A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−534516(P2009−534516)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【国際出願番号】PCT/KR2008/004906
【国際公開番号】WO2009/025521
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(509122290)イープレイオン インク (2)
【Fターム(参考)】