磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置
【課題】 従来と同等の起磁力の永久磁石を用いて、より大きな伝達トルクを得られる磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置を提供する。
【解決手段】 駆動側非磁性板5によって真空層6が形成され、この真空層6内の下方に接続される出力軸8を有し、駆動軸1側及び前記真空層6内にそれぞれ永久磁石装置4,7を具備する磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置において、前記永久磁石装置4,7は、リング状の内部支持部材とリング状の外部支持部材との間のリング状の領域にハルバッハ配列の磁石を備え、前記出力軸8にフライホイール9を連結した。
【解決手段】 駆動側非磁性板5によって真空層6が形成され、この真空層6内の下方に接続される出力軸8を有し、駆動軸1側及び前記真空層6内にそれぞれ永久磁石装置4,7を具備する磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置において、前記永久磁石装置4,7は、リング状の内部支持部材とリング状の外部支持部材との間のリング状の領域にハルバッハ配列の磁石を備え、前記出力軸8にフライホイール9を連結した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新型クラッチ付きフライホイール装置に係り、特に、ハルバッハ配列の磁石を備えた磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、非接触動力伝達装置や非接触軸受を使用したフライホイール装置では、磁気カップリングクラッチ装置が必須である。磁気カップリングクラッチ装置には、磁束密度が大きく、メンテナンスフリーで電力給電の必要がない永久磁石のものが有効である。
【0003】
従来の永久磁石を用いた磁気カップリングクラッチ装置としては、図12に示すような従来の角型8連反発磁場磁気カップリングクラッチ装置(下記特許文献1参照)が用いられている。
【0004】
磁気クラッチ方式では、同一ギャップで伝達トルクが大きいほど、もしくは、同一トルクでギャップが広いほど、応用範囲は広がり、フライホイール装置などでは全体の効率が高くなる。
【0005】
一方、ハルバッハ配列の磁石は、コンパクトな磁気カップリングクラッチ装置への適用がなされていないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−074900号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Gen KUWATA,et al.,“Developement of Low Loss Active Magnetic Bearing for the Flywheel UPS”,Proceeding of 10th International Symposium on Magnetic Bearings,Switzerland,2006
【非特許文献2】「フライホイール型無停電電源用低損失磁気軸受の開発」,電気学会技術開発レポート,http://www2.iee.or.jp/〜ias/2007/08/08D 900 03.pdf
【非特許文献3】清野 寛他,「フライホイール用高温超電導バルク体磁気軸受の基礎検討」,鉄道総研報告,Vol.22,No.11,pp.35−40,2008
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記した従来の磁気カップリングクラッチ装置では、永久磁石の起磁力のわりには大きな伝達トルクを得られないといった問題があった。したがって、フライホイール装置の伝達トルクが低いものとならざるを得ない。
【0009】
本発明は、上記状況に鑑みて、従来のものより数倍の発生トルクを得ることができ、より大きな伝達トルクを得られる磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕駆動側非磁性板(5)によって真空層(6)が形成され、この真空層(6)内の下方に接続される出力軸(8)を有し、駆動軸(1)側及び前記真空層(6)内にそれぞれ永久磁石装置(4,7)を具備する磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置において、前記永久磁石装置(4,7)は、リング状の内部支持部材(4A,7A)とリング状の外部支持部材(4C,7C)との間のリング状の領域にハルバッハ配列の磁石(4B,7B)を備え、前記出力軸(8)にフライホイール(9)を連結したことを特徴とする。
【0011】
〔2〕上記〔1〕記載の磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置において、前記フライホイールが磁気浮上大型慣性体であることを特徴とする。
【0012】
〔3〕上記〔2〕記載の磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置において、前記磁気浮上大型慣性体の質量が145kg〜2000kgであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0014】
本発明の磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置は、従来と同等の起磁力の永久磁石を用いて、より大きな伝達トルクを得ることができるとともに、800N・mの高いトルクを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例を示す磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置を示す図である。
【図2】本発明の実施例を示すハルバッハ配列の磁石装置の平面図である。
【図3】本発明の実施例を示すハルバッハ配列の磁石装置の発生磁界の状態を示す図である。
【図4】本発明に係るハルバッハ配列の磁石装置を有する磁気カップリングクラッチ装置の発生トルク及びスラスト特性図である。
【図5】実例1としての6500〜13000rpm〜rpmの速度変化におけるトルクと電動機出力との関係を示す図である。
【図6】実例2としての0rpm〜3000rpmの速度変化におけるトルクと電動機出力の関係を示す図である。
【図7】実例3としての0rpm〜3000rpmの速度変化におけるトルクと電動機出力の関係を示す図である。
【図8】実例4としての0rpm〜3000rpmの速度変化におけるトルクと電動機出力の関係を示す図である。
【図9】極1倍のハルバッハ配列の磁石装置を有する磁気カップリングクラッチを示す図である。
【図10】極2倍のハルバッハ配列の磁石装置を有する磁気カップリングクラッチを示す図である。
【図11】極3倍のハルバッハ配列の磁石装置を有する磁気カップリングクラッチを示す図である。
【図12】従来の角型8連反発磁気カップリングクラッチ装置を示す図である。
【図13】従来の角型8連反発磁気カップリングクラッチ装置の解析モデルを示す図である。
【図14】従来の角型8連反発磁気カップリングクラッチ装置の発生トルク及びスラスト特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置は、駆動側非磁性板(5)によって真空層(6)が形成され、この真空層(6)内の下方に接続される出力軸(8)を有し、駆動軸(1)側及び前記真空層(6)内にそれぞれ永久磁石装置(4,7)を具備する磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置であって、前記永久磁石装置(4,7)は、リング状の内部支持部材(4A,7A)とリング状の外部支持部材(4C,7C)との間のリング状の領域にハルバッハ配列の磁石(4B,7B)を備え、前記出力軸(8)にフライホイール(9)を連結するようにした。
【実施例】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の実施例を示す磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置を示す図、図2は本発明の実施例を示すハルバッハ配列の磁石装置の平面図であり、図2(a)は駆動側のハルバッハ配列の磁石装置の平面図、図2(b)は従動側のハルバッハ配列の磁石装置の平面図、図3はその磁石装置の発生磁界の状態を示す図である。
【0019】
図1において、1は駆動軸(1次側の軸)、2はスプラインナット、3は非磁性ベアリング、4は駆動(1次)側のハルバッハ配列の磁石装置、5は駆動軸1の下端に固定される駆動側の非磁性板、6は真空層、7は従動(2次)側のハルバッハ配列の磁石装置、8は下方に延びる出力軸である。この出力軸8には磁気浮上大型慣性体であるフライホイール9を連結する。
【0020】
なお、図2において、駆動側のハルバッハ配列の磁石装置4は、駆動軸(スプライン軸)1を中心として、リング状の内部固定部材4Aと、リング状のハルバッハ配列の磁石4Bと、リング状の外部固定部材4Cとからなる。
【0021】
なお、リング状のハルバッハ配列の磁石4BのNS又はSN磁極4B−1,4B−2とその両側に配置されるN単極4B−3又はS単極4B−4との間には間隔子(セパレータ)4B−5が配置されている。
【0022】
このリング状のハルバッハ配列の磁石4Bの磁界の分布は、NS又はSN磁極4B−1,4B−2の間にはN単極4B−3又はS単極4B−4が配置されているので、N単極4B−3又はS単極4B−4は対向する相手のS単極又はN単極と磁気的に結合する。つまり、図3に示すように、NS又はSN磁極4B−1,4B−2では矢印の方向の磁界が、N単極4B−3又はS単極4B−4と相手のS単極又はN単極との間には図示されるような方向(紙面に対して直角の正と負の方向の磁界)が生成されている。
【0023】
また、従動側のハルバッハ配列の磁石装置7も駆動側のハルバッハ配列の磁石装置4と同様の構造を有する。つまり、出力軸8を中心として、リング状の内部固定部材7Aと、リング状のハルバッハ配列の磁石7Bと、リング状の外部固定部材7Cとからなる。
【0024】
なお、リング状のハルバッハ配列の磁石7BのNS又はSN磁極7B−1,7B−2とその両側に配置されるN単極7B−3又はS単極7B−4との間には間隔子(セパレータ)7B−5が配置されている。
【0025】
図4は本発明に係るハルバッハ配列の磁石装置を有する磁気カップリングクラッチ装置の発生トルク及びスラスト特性図、図12は従来の角型8連反発磁気カップリングクラッチ装置を示す図、図13はその従来の角型8連反発磁気カップリングクラッチ装置の発生磁界を示す図、図14は従来の角型8連反発磁気カップリングクラッチ装置の発生トルク及びスラスト特性図である。
【0026】
従来の角型8連反発磁気カップリングクラッチ装置は、図14に示すような発生トルクとスラスト特性を示し、本発明に係るハルバッハ配列の磁石装置を有する磁気カップリングクラッチ装置は、図4に示すような発生トルクとスラスト特性を示している。つまり、ハルバッハ配列の磁石装置を有する磁気カップリングクラッチ装置は、従来の角型8連反発磁気カップリングクラッチ装置に比較して発生トルクが約2.6倍となっている。
【0027】
よって、ハルバッハ配列の磁石装置は、従来のものと寸法がほぼ同じであっても、伝達トルクを大きくとることができる。
【0028】
以下、磁気浮上大型慣性体として各種フライホイール装置を連結した時の伝達トルクと電動機動力の計算結果について説明する。
【0029】
まず、フライホイールの伝達トルクを計算するための計算式について説明する。
【0030】
〔必要トルク・回転動力算出式〕
ΔE=I・〔(ω1 2 −ω2 2 )/2〕 …(1)
ここで、I=(1/2)m・(rout 2 −rin 2)
〔ΔE:フライホイールから取り出せるエネルギ量(J),I:慣性モーメント,ω1 :エネルギ取り出し開始の角速度(rad/s),ω2 :エネルギ取り出し終了の角速度(rad/s),m:フライホイール質量(kg),rin:フライホイール内半径(m),rout :フライホイール外半径(m)〕
フライホイール形状から算出した負荷慣性より、回転速度変化(最大回転速度と最低回転速度および速度変化に要する時間)を定義して加速(減速)時のトルクTを算出する。なお、回転速度変化は一定とする。
〔T={2π・〔(n1 −n2 )/60〕・GD2 }/4t …(2)
ここで、GD2 =πρLD4 /8=m(2R)2 /2
T:加速・減速トルク(kgm),GD2 :回転体の負荷慣性(kgm2 ),n1 :最大回転速度(rpm),n2 :最小回転速度(rpm),t:回転速度変化時間(s),ρ:フライホイールの密度(kg/m3 ),L:フライホイールの高さ(m),D:フライホイールの直径(m),R:フライホイールの半径(m),m:フライホイール質量(kg)〕
算出した加速(減速)時のトルクと、回転速度変化(最大回転速度と最低回転速度および速度変化に要する時間)から、それに必要な電動機動力を算出する。
【0031】
P=2π〔(n1 −n2 )/60〕・T …(3)
〔P:所要動力(w)〕
実例1:(株)IHI製のフライホイール装置にハルバッハ配列の磁石装置を有する磁気カップリングクラッチ装置を適用した場合(上記非特許文献1及び2参照)
計算条件:
(1)フライホイール質量m=140kg(ロータ質量254kg)
(2)フライホイール外半径rout =350mm,フライホイール内半径rin=220mm
(3)フライホイール高さL=210mm
(4)出力 200kW
なお、フライホイールは外形〜内形に存在するリング状で簡易定義し、この質量をフライホイール質量m=140kgとした。回転速度変化は6500rpm〜13000rpmとした。
【0032】
計算結果:
蓄積エネルギ量は2.3kWh、必要トルクは300N・m程度となり、13000rpm〜6500rpmの速度変化における伝達トルクと電動機出力との関係を図5に示す。
【0033】
この図5において、上記した計算条件で必要トルクを上記式(2)で計算すると、図5のトルク曲線(○)となり、加速時間によりトルクが変化する。また、この時の所要動力は上記式(3)で計算でき、これが図5の電動機動力の曲線(□)となる。既知文献の仕様は出力200kWで20秒の出力となる。この部分を黒楕円で囲った範囲では、この既知文献の仕様を示したものであり、図5はほぼこれに一致する。この時のトルクは同じく図5の黒楕円囲いの20秒で見れば良く、300N・mと算出される。
【0034】
実例2:本出願人所有試験フライホイール装置にハルバッハ配列の磁石装置を有する磁気カップリングクラッチを適用した場合(上記非特許文献3参照)。
【0035】
計算条件:
(1)フライホイールの質量m=500kg(ロータ質量254kg)
(2)フライホイール外半径rout =230mm(円板形状)
(3)フライホイール高さL=330mm
(4)電動機最大出力:22kW(参考値)
なお、回転速度変化は0rpm〜3000rpmとした。
【0036】
計算結果:
蓄積エネルギ量は0.12kWh、必要トルクは70N・m程度となり、0rpm〜3000rpmの速度変化におけるトルクと電動機出力の関係を図6に示す。
【0037】
この図6において、電動機最大出力22kWを電動機動力曲線(□)から拾うと時間は60秒となり、この60秒で減速するためのトルクはトルク曲線(○)から70N・m程度となる。つまり、黒楕円で囲った部分となる。
【0038】
実例3:本出願人が設計中の新型試験フライホイール装置にハルバッハ配列の磁石装置を有する磁気カップリングクラッチを適用した場合
計算条件:
(1)フライホイール質量m=2000kg(回転軸も含め2500kgとする)
(2)フライホイール外半径rout =500mm(円板形状)
(3)フライホイール高さL=330mm
(4)電動機最大出力:75kW(参考値)
なお、回転速度変化は0rpm〜3500rpmとした。
【0039】
計算結果:
蓄積エネルギ量は3.5kWh、必要トルクは200N・m程度であり、0rpm〜3500rpmの速度変化におけるトルクと電動機出力の関係を図7に示す。
【0040】
この図7において、電動機最大出力75kWを電動機動力曲線(□)から拾うと時間は490秒となり、この490秒で減速するためのトルクはトルク曲線(○)から200N・m程度となる。つまり、黒楕円で囲った部分となる。
【0041】
以上実例1〜3の結果から各種フライホイール装置に本発明に係るハルバッハ配列の磁石装置を磁気カップリングクラッチ装置を適用することで、十分な伝達トルクを得られることがわかる。
【0042】
実例4:本出願人が設計中の新型試験フライホイール装置にハルバッハ配列の磁石装置を有する磁気カップリングクラッチを適用した場合
計算条件:
(1)フライホイール質量m=2000kg(回転軸も含め2500kgとする)
(2)フライホイール外半径rout =500mm(円板形状)
(3)フライホイール高さL=330mm
(4)最大トルク=820M・m
なお、回転速度変化は0rpm〜3500rpmとした。
【0043】
計算結果:
蓄積エネルギ量は3.5kWh、動力は300kW,60秒/3500→1750rpm、0rpm〜3500rpmの速度変化におけるトルクと電動機出力の関係を図8に示す。
【0044】
この図8において、最大トルクを極3倍の最大値である820N・mに設定して、この最大トルクを実例3に適用した場合を計算する。この時の最大化減速時間は120秒程度となる。この時間およびトルクで減速するための電動機最大出力は300kWとなる。つまり、黒楕円で囲った部分となる。
【0045】
本発明の磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置においては、クラッチが、図9のような外径144mm、内径61.5mmのリング状の極1倍の場合は、92.2N・m、図10に示すような外径245mm、内径162.5mmのリング状の極2倍の場合は、300N・mであり、上記した実例1〜3全てのフライホイール装置において性能を満足できる。また、図11に示すような外径346.8mm、内径264.3mmのリング状の極3倍の場合は、828N・mであり、300kW,60秒の達成(実例4)が可能となる。
【0046】
このように、本発明に係るハルバッハ配列の磁石装置を有する磁気カップリングクラッチは、伝達トルクを大きくとることができるので、その応用範囲は広がり、特にフライホイール装置に好適である。
【0047】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の磁気カップリングクラッチ装置は、大きな伝達トルクを要するフライホイール装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 駆動軸(スプライン軸)
2 スプラインナット
3 非磁性ベアリング
4 駆動側のハルバッハ配列の磁石装置
4A,7A リング状の内部固定部材
4B,7B リング状のハルバッハ配列の磁石
4B−1,7B−1 NS磁極
4B−2,7B−2 SN磁極
4B−3,7B−3 N単極
4B−4,7B−4 S単極
4B−5,7B−5 間隔子(セパレータ)
4C,7C リング状の外部固定部材
5 駆動側の非磁性板
6 真空層
7 従動側のハルバッハ配列の磁石装置
8 出力軸
9 フライホイール
【技術分野】
【0001】
本発明は、新型クラッチ付きフライホイール装置に係り、特に、ハルバッハ配列の磁石を備えた磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、非接触動力伝達装置や非接触軸受を使用したフライホイール装置では、磁気カップリングクラッチ装置が必須である。磁気カップリングクラッチ装置には、磁束密度が大きく、メンテナンスフリーで電力給電の必要がない永久磁石のものが有効である。
【0003】
従来の永久磁石を用いた磁気カップリングクラッチ装置としては、図12に示すような従来の角型8連反発磁場磁気カップリングクラッチ装置(下記特許文献1参照)が用いられている。
【0004】
磁気クラッチ方式では、同一ギャップで伝達トルクが大きいほど、もしくは、同一トルクでギャップが広いほど、応用範囲は広がり、フライホイール装置などでは全体の効率が高くなる。
【0005】
一方、ハルバッハ配列の磁石は、コンパクトな磁気カップリングクラッチ装置への適用がなされていないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−074900号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Gen KUWATA,et al.,“Developement of Low Loss Active Magnetic Bearing for the Flywheel UPS”,Proceeding of 10th International Symposium on Magnetic Bearings,Switzerland,2006
【非特許文献2】「フライホイール型無停電電源用低損失磁気軸受の開発」,電気学会技術開発レポート,http://www2.iee.or.jp/〜ias/2007/08/08D 900 03.pdf
【非特許文献3】清野 寛他,「フライホイール用高温超電導バルク体磁気軸受の基礎検討」,鉄道総研報告,Vol.22,No.11,pp.35−40,2008
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記した従来の磁気カップリングクラッチ装置では、永久磁石の起磁力のわりには大きな伝達トルクを得られないといった問題があった。したがって、フライホイール装置の伝達トルクが低いものとならざるを得ない。
【0009】
本発明は、上記状況に鑑みて、従来のものより数倍の発生トルクを得ることができ、より大きな伝達トルクを得られる磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕駆動側非磁性板(5)によって真空層(6)が形成され、この真空層(6)内の下方に接続される出力軸(8)を有し、駆動軸(1)側及び前記真空層(6)内にそれぞれ永久磁石装置(4,7)を具備する磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置において、前記永久磁石装置(4,7)は、リング状の内部支持部材(4A,7A)とリング状の外部支持部材(4C,7C)との間のリング状の領域にハルバッハ配列の磁石(4B,7B)を備え、前記出力軸(8)にフライホイール(9)を連結したことを特徴とする。
【0011】
〔2〕上記〔1〕記載の磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置において、前記フライホイールが磁気浮上大型慣性体であることを特徴とする。
【0012】
〔3〕上記〔2〕記載の磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置において、前記磁気浮上大型慣性体の質量が145kg〜2000kgであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0014】
本発明の磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置は、従来と同等の起磁力の永久磁石を用いて、より大きな伝達トルクを得ることができるとともに、800N・mの高いトルクを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例を示す磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置を示す図である。
【図2】本発明の実施例を示すハルバッハ配列の磁石装置の平面図である。
【図3】本発明の実施例を示すハルバッハ配列の磁石装置の発生磁界の状態を示す図である。
【図4】本発明に係るハルバッハ配列の磁石装置を有する磁気カップリングクラッチ装置の発生トルク及びスラスト特性図である。
【図5】実例1としての6500〜13000rpm〜rpmの速度変化におけるトルクと電動機出力との関係を示す図である。
【図6】実例2としての0rpm〜3000rpmの速度変化におけるトルクと電動機出力の関係を示す図である。
【図7】実例3としての0rpm〜3000rpmの速度変化におけるトルクと電動機出力の関係を示す図である。
【図8】実例4としての0rpm〜3000rpmの速度変化におけるトルクと電動機出力の関係を示す図である。
【図9】極1倍のハルバッハ配列の磁石装置を有する磁気カップリングクラッチを示す図である。
【図10】極2倍のハルバッハ配列の磁石装置を有する磁気カップリングクラッチを示す図である。
【図11】極3倍のハルバッハ配列の磁石装置を有する磁気カップリングクラッチを示す図である。
【図12】従来の角型8連反発磁気カップリングクラッチ装置を示す図である。
【図13】従来の角型8連反発磁気カップリングクラッチ装置の解析モデルを示す図である。
【図14】従来の角型8連反発磁気カップリングクラッチ装置の発生トルク及びスラスト特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置は、駆動側非磁性板(5)によって真空層(6)が形成され、この真空層(6)内の下方に接続される出力軸(8)を有し、駆動軸(1)側及び前記真空層(6)内にそれぞれ永久磁石装置(4,7)を具備する磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置であって、前記永久磁石装置(4,7)は、リング状の内部支持部材(4A,7A)とリング状の外部支持部材(4C,7C)との間のリング状の領域にハルバッハ配列の磁石(4B,7B)を備え、前記出力軸(8)にフライホイール(9)を連結するようにした。
【実施例】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の実施例を示す磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置を示す図、図2は本発明の実施例を示すハルバッハ配列の磁石装置の平面図であり、図2(a)は駆動側のハルバッハ配列の磁石装置の平面図、図2(b)は従動側のハルバッハ配列の磁石装置の平面図、図3はその磁石装置の発生磁界の状態を示す図である。
【0019】
図1において、1は駆動軸(1次側の軸)、2はスプラインナット、3は非磁性ベアリング、4は駆動(1次)側のハルバッハ配列の磁石装置、5は駆動軸1の下端に固定される駆動側の非磁性板、6は真空層、7は従動(2次)側のハルバッハ配列の磁石装置、8は下方に延びる出力軸である。この出力軸8には磁気浮上大型慣性体であるフライホイール9を連結する。
【0020】
なお、図2において、駆動側のハルバッハ配列の磁石装置4は、駆動軸(スプライン軸)1を中心として、リング状の内部固定部材4Aと、リング状のハルバッハ配列の磁石4Bと、リング状の外部固定部材4Cとからなる。
【0021】
なお、リング状のハルバッハ配列の磁石4BのNS又はSN磁極4B−1,4B−2とその両側に配置されるN単極4B−3又はS単極4B−4との間には間隔子(セパレータ)4B−5が配置されている。
【0022】
このリング状のハルバッハ配列の磁石4Bの磁界の分布は、NS又はSN磁極4B−1,4B−2の間にはN単極4B−3又はS単極4B−4が配置されているので、N単極4B−3又はS単極4B−4は対向する相手のS単極又はN単極と磁気的に結合する。つまり、図3に示すように、NS又はSN磁極4B−1,4B−2では矢印の方向の磁界が、N単極4B−3又はS単極4B−4と相手のS単極又はN単極との間には図示されるような方向(紙面に対して直角の正と負の方向の磁界)が生成されている。
【0023】
また、従動側のハルバッハ配列の磁石装置7も駆動側のハルバッハ配列の磁石装置4と同様の構造を有する。つまり、出力軸8を中心として、リング状の内部固定部材7Aと、リング状のハルバッハ配列の磁石7Bと、リング状の外部固定部材7Cとからなる。
【0024】
なお、リング状のハルバッハ配列の磁石7BのNS又はSN磁極7B−1,7B−2とその両側に配置されるN単極7B−3又はS単極7B−4との間には間隔子(セパレータ)7B−5が配置されている。
【0025】
図4は本発明に係るハルバッハ配列の磁石装置を有する磁気カップリングクラッチ装置の発生トルク及びスラスト特性図、図12は従来の角型8連反発磁気カップリングクラッチ装置を示す図、図13はその従来の角型8連反発磁気カップリングクラッチ装置の発生磁界を示す図、図14は従来の角型8連反発磁気カップリングクラッチ装置の発生トルク及びスラスト特性図である。
【0026】
従来の角型8連反発磁気カップリングクラッチ装置は、図14に示すような発生トルクとスラスト特性を示し、本発明に係るハルバッハ配列の磁石装置を有する磁気カップリングクラッチ装置は、図4に示すような発生トルクとスラスト特性を示している。つまり、ハルバッハ配列の磁石装置を有する磁気カップリングクラッチ装置は、従来の角型8連反発磁気カップリングクラッチ装置に比較して発生トルクが約2.6倍となっている。
【0027】
よって、ハルバッハ配列の磁石装置は、従来のものと寸法がほぼ同じであっても、伝達トルクを大きくとることができる。
【0028】
以下、磁気浮上大型慣性体として各種フライホイール装置を連結した時の伝達トルクと電動機動力の計算結果について説明する。
【0029】
まず、フライホイールの伝達トルクを計算するための計算式について説明する。
【0030】
〔必要トルク・回転動力算出式〕
ΔE=I・〔(ω1 2 −ω2 2 )/2〕 …(1)
ここで、I=(1/2)m・(rout 2 −rin 2)
〔ΔE:フライホイールから取り出せるエネルギ量(J),I:慣性モーメント,ω1 :エネルギ取り出し開始の角速度(rad/s),ω2 :エネルギ取り出し終了の角速度(rad/s),m:フライホイール質量(kg),rin:フライホイール内半径(m),rout :フライホイール外半径(m)〕
フライホイール形状から算出した負荷慣性より、回転速度変化(最大回転速度と最低回転速度および速度変化に要する時間)を定義して加速(減速)時のトルクTを算出する。なお、回転速度変化は一定とする。
〔T={2π・〔(n1 −n2 )/60〕・GD2 }/4t …(2)
ここで、GD2 =πρLD4 /8=m(2R)2 /2
T:加速・減速トルク(kgm),GD2 :回転体の負荷慣性(kgm2 ),n1 :最大回転速度(rpm),n2 :最小回転速度(rpm),t:回転速度変化時間(s),ρ:フライホイールの密度(kg/m3 ),L:フライホイールの高さ(m),D:フライホイールの直径(m),R:フライホイールの半径(m),m:フライホイール質量(kg)〕
算出した加速(減速)時のトルクと、回転速度変化(最大回転速度と最低回転速度および速度変化に要する時間)から、それに必要な電動機動力を算出する。
【0031】
P=2π〔(n1 −n2 )/60〕・T …(3)
〔P:所要動力(w)〕
実例1:(株)IHI製のフライホイール装置にハルバッハ配列の磁石装置を有する磁気カップリングクラッチ装置を適用した場合(上記非特許文献1及び2参照)
計算条件:
(1)フライホイール質量m=140kg(ロータ質量254kg)
(2)フライホイール外半径rout =350mm,フライホイール内半径rin=220mm
(3)フライホイール高さL=210mm
(4)出力 200kW
なお、フライホイールは外形〜内形に存在するリング状で簡易定義し、この質量をフライホイール質量m=140kgとした。回転速度変化は6500rpm〜13000rpmとした。
【0032】
計算結果:
蓄積エネルギ量は2.3kWh、必要トルクは300N・m程度となり、13000rpm〜6500rpmの速度変化における伝達トルクと電動機出力との関係を図5に示す。
【0033】
この図5において、上記した計算条件で必要トルクを上記式(2)で計算すると、図5のトルク曲線(○)となり、加速時間によりトルクが変化する。また、この時の所要動力は上記式(3)で計算でき、これが図5の電動機動力の曲線(□)となる。既知文献の仕様は出力200kWで20秒の出力となる。この部分を黒楕円で囲った範囲では、この既知文献の仕様を示したものであり、図5はほぼこれに一致する。この時のトルクは同じく図5の黒楕円囲いの20秒で見れば良く、300N・mと算出される。
【0034】
実例2:本出願人所有試験フライホイール装置にハルバッハ配列の磁石装置を有する磁気カップリングクラッチを適用した場合(上記非特許文献3参照)。
【0035】
計算条件:
(1)フライホイールの質量m=500kg(ロータ質量254kg)
(2)フライホイール外半径rout =230mm(円板形状)
(3)フライホイール高さL=330mm
(4)電動機最大出力:22kW(参考値)
なお、回転速度変化は0rpm〜3000rpmとした。
【0036】
計算結果:
蓄積エネルギ量は0.12kWh、必要トルクは70N・m程度となり、0rpm〜3000rpmの速度変化におけるトルクと電動機出力の関係を図6に示す。
【0037】
この図6において、電動機最大出力22kWを電動機動力曲線(□)から拾うと時間は60秒となり、この60秒で減速するためのトルクはトルク曲線(○)から70N・m程度となる。つまり、黒楕円で囲った部分となる。
【0038】
実例3:本出願人が設計中の新型試験フライホイール装置にハルバッハ配列の磁石装置を有する磁気カップリングクラッチを適用した場合
計算条件:
(1)フライホイール質量m=2000kg(回転軸も含め2500kgとする)
(2)フライホイール外半径rout =500mm(円板形状)
(3)フライホイール高さL=330mm
(4)電動機最大出力:75kW(参考値)
なお、回転速度変化は0rpm〜3500rpmとした。
【0039】
計算結果:
蓄積エネルギ量は3.5kWh、必要トルクは200N・m程度であり、0rpm〜3500rpmの速度変化におけるトルクと電動機出力の関係を図7に示す。
【0040】
この図7において、電動機最大出力75kWを電動機動力曲線(□)から拾うと時間は490秒となり、この490秒で減速するためのトルクはトルク曲線(○)から200N・m程度となる。つまり、黒楕円で囲った部分となる。
【0041】
以上実例1〜3の結果から各種フライホイール装置に本発明に係るハルバッハ配列の磁石装置を磁気カップリングクラッチ装置を適用することで、十分な伝達トルクを得られることがわかる。
【0042】
実例4:本出願人が設計中の新型試験フライホイール装置にハルバッハ配列の磁石装置を有する磁気カップリングクラッチを適用した場合
計算条件:
(1)フライホイール質量m=2000kg(回転軸も含め2500kgとする)
(2)フライホイール外半径rout =500mm(円板形状)
(3)フライホイール高さL=330mm
(4)最大トルク=820M・m
なお、回転速度変化は0rpm〜3500rpmとした。
【0043】
計算結果:
蓄積エネルギ量は3.5kWh、動力は300kW,60秒/3500→1750rpm、0rpm〜3500rpmの速度変化におけるトルクと電動機出力の関係を図8に示す。
【0044】
この図8において、最大トルクを極3倍の最大値である820N・mに設定して、この最大トルクを実例3に適用した場合を計算する。この時の最大化減速時間は120秒程度となる。この時間およびトルクで減速するための電動機最大出力は300kWとなる。つまり、黒楕円で囲った部分となる。
【0045】
本発明の磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置においては、クラッチが、図9のような外径144mm、内径61.5mmのリング状の極1倍の場合は、92.2N・m、図10に示すような外径245mm、内径162.5mmのリング状の極2倍の場合は、300N・mであり、上記した実例1〜3全てのフライホイール装置において性能を満足できる。また、図11に示すような外径346.8mm、内径264.3mmのリング状の極3倍の場合は、828N・mであり、300kW,60秒の達成(実例4)が可能となる。
【0046】
このように、本発明に係るハルバッハ配列の磁石装置を有する磁気カップリングクラッチは、伝達トルクを大きくとることができるので、その応用範囲は広がり、特にフライホイール装置に好適である。
【0047】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の磁気カップリングクラッチ装置は、大きな伝達トルクを要するフライホイール装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 駆動軸(スプライン軸)
2 スプラインナット
3 非磁性ベアリング
4 駆動側のハルバッハ配列の磁石装置
4A,7A リング状の内部固定部材
4B,7B リング状のハルバッハ配列の磁石
4B−1,7B−1 NS磁極
4B−2,7B−2 SN磁極
4B−3,7B−3 N単極
4B−4,7B−4 S単極
4B−5,7B−5 間隔子(セパレータ)
4C,7C リング状の外部固定部材
5 駆動側の非磁性板
6 真空層
7 従動側のハルバッハ配列の磁石装置
8 出力軸
9 フライホイール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動側非磁性板によって真空層が形成され、該真空層内の下方に接続される出力軸を有し、駆動軸側及び前記真空層内にそれぞれ永久磁石装置を具備する磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置において、前記永久磁石装置は、リング状の内部支持部材とリング状の外部支持部材との間のリング状の領域にハルバッハ配列の磁石を備え、前記出力軸にフライホイールを連結したことを特徴とする磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置。
【請求項2】
請求項1記載の磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置において、前記フライホイールが磁気浮上大型慣性体であることを特徴とする磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置。
【請求項3】
請求項2記載の磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置において、前記磁気浮上大型慣性体の質量が145kg〜2000kgであることを特徴とする磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置。
【請求項1】
駆動側非磁性板によって真空層が形成され、該真空層内の下方に接続される出力軸を有し、駆動軸側及び前記真空層内にそれぞれ永久磁石装置を具備する磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置において、前記永久磁石装置は、リング状の内部支持部材とリング状の外部支持部材との間のリング状の領域にハルバッハ配列の磁石を備え、前記出力軸にフライホイールを連結したことを特徴とする磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置。
【請求項2】
請求項1記載の磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置において、前記フライホイールが磁気浮上大型慣性体であることを特徴とする磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置。
【請求項3】
請求項2記載の磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置において、前記磁気浮上大型慣性体の質量が145kg〜2000kgであることを特徴とする磁気カップリングクラッチ付きフライホイール装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−209963(P2010−209963A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−54781(P2009−54781)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(000173784)財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(000173784)財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)
【Fターム(参考)】
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