説明

磁気ディスクのクリーニング方法

【課題】磁気ディスクの表面を傷つけることなく、磁気ディスク上のパーティクルを効果的に除去する方法を提供すること。
【解決手段】磁気ディスクよりも大きな表面エネルギーを有するクリーニング部材を接触し、そのまま放置した後に引き離すことで、磁気ディスク上のパーティクルを除去する。
特に好ましい接触方法は、磁気ディスクとクリーニング部材を筺体内に挿入し、筺体を真空装置で排気し、該筺体の一部が磁気ディスクとクリーニング部材を押圧する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は磁気ディスクのクリーニング方法に関し、特にコンピュータの外部記憶装置等として用いられる磁気記録装置(HDD)に用いられる磁気ディスクのクリーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なHDD装置においては、磁気ヘッドがスライダーと呼ばれる浮上機構によって、回転している円環形の磁気ディスクの表面上を数nmの浮上距離を保って浮上しながら、データの記録および再生が行われる。
【0003】
磁気ヘッドを磁気ディスク上にロード・アンロードする時、磁気ディスク上に異物(パーティクル)が存在すると、ヘッドの浮上を妨げたり、磁気ヘッドがパーティクルを巻き込むことにより磁気ディスクの表面に塗付されている潤滑剤(ルブ)がスライダーに付着するルブピックアップの原因になり、HDDの安定的な動作が困難になるという問題がある。
【0004】
従って、磁気ディスク上のパーティクルをあらかじめ除去することが必要とされるが、パーティクルはその大きさがミクロンないしサブミクロンレベルの微小なものであることから、その除去はきわめて困難であり、パーティクルを除去するためにはなんらかのクリーニング手段を用いて磁気ディスク表面を機械的に摺動することが必要とされてきている。例えば、バニッシュヘッドを用いて磁気ディスク表面を清浄化する方法が提案されている。これは、スライダー面に溝状の鋭利なエッジ部を多数設けたバニッシュヘッドを準備し、回転する磁気ディスク上に載置してスライダー面と磁気ディスク表面を摺動しながらパーティクル等を除去する方法である。あるいは、テープバニッシュ法が提案されている。これは適度な表面性を有するテープを準備し、弾性体のローラー等によりテープを磁気ディスク表面に圧接して磁気ディスクを回転し、摺動してパーティクル等を除去する方法である。
【0005】
しかしながら、これらの手段を用いて、単に磁気ディスク表面を機械的に摺動すると、磁気ディスクの表面に傷が生じて記録性能が劣化するため、この対策が種々提案されてきた。例えば、磁気ディスクの表面に潤滑剤をあらかじめ厚く塗付する方法が提案されている。これは、本来必要な厚みを超えた厚みの潤滑剤を塗付することで潤滑性能を高めておき、その後テープバニッシュを行う方法である(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、潤滑性能を高めるためには余分な量の潤滑剤を塗布する等の何らかの付加物を磁気ディスク表面に添加することが必要であり、テープバニッシュ等の加工後に余分な潤滑剤等を洗い流す工程が必要となることから、製造装置と工程が複雑になるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−222519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述の問題に鑑みてなされたもので、磁気ディスクの表面を傷つけることなく、磁気ディスク上のパーティクルを効果的に除去する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、磁気ディスクの表面エネルギーよりも大きな表面エネルギーを有するクリーニング部材を磁気ディスクの表面に接触することで磁気ディスク上のパーティクルを効果的に除去できることを見出したことに基づいてなされたものである。
【0009】
より具体的には、本発明は、非磁性基板上に、磁気記録層、保護層、潤滑層を備えた磁気ディスクのクリーニング方法であって、
a)基体上に、表面エネルギーが前記磁気ディスクの表面エネルギーよりも20mN/m以上高いクリーニング層を備えたクリーニング部材を準備する工程と、
b)前記磁気ディスクの潤滑層と前記クリーニング部材のクリーニング層を対向して載置する工程と、
c)載置した状態で放置する工程と、
d)前記クリーニング部材を前記磁気ディスクから引き離す工程とを、
この順に備えたことを特徴とする。
【0010】
前記工程c)は、前記磁気ディスクと前記クリーニング部材を圧接しながら放置する工程であることが好ましい。
前記圧接する方法は、前記磁気ディスクと前記クリーニング部材を筺体内に挿入し、該筺体を真空装置で排気し、該筺体の一部が前記磁気ディスクと前記クリーニング部材を押圧する方法であることが特に好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、クリーニング部材と磁気ディスクの表面エネルギーに差を持たせることで、磁気ディスク表面のパーティクルをクリーニング部材に吸着して効果的に除去することができる。さらには、クリーニング部材で磁気ディスク表面を摺動する必要がないため、磁気ディスク表面を傷つけることなくパーティクルを除去して磁気ディスク表面をクリーニングすることができる。また、清浄な表面を有する磁気ディスクを得ることができることから、磁気ヘッドのロード・アンロードの際に、ルブピックアップを抑制して安定したHDD動作を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明を実施するためのクリーニング装置の例を示す断面模式図である。
【図2】本発明を実施するためのクリーニング部材の例を示す断面模式図である。
【図3】本発明を適用する磁気ディスクの例を示す断面模式図である。
【図4】本発明の工程を説明するための模式図である。
【図5】本発明を実施するためのクリーニング部材の別の例を示す断面模式図である。
【図6】磁気ディスク上のパーティクルの除去効果を説明するためのグラフである。
【図7】クリーニング層の表面エネルギーとパーティクルの除去効果の関係を説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳しく説明する。
図1は本発明を実施するために用いるクリーニング装置1のひとつの例を示す断面模式図で、クリーニングを行う磁気ディスク20の上にクリーニング部材10を載置して、下部筐体40に挿入し、上部筐体30をかぶせたものである。下部筐体40もしくは上部筐体30には図示しない真空排気装置が接続され、筐体の内部を減圧することができる。
【0014】
図2は、クリーニング部材10のひとつの例を説明するための断面模式図で、クリーニング基体11上にクリーニング層12を形成したものである。
図3は、磁気ディスク20のひとつの例を説明するための断面模式図で、磁気ディスク基板21上に、磁気記録層22、保護層23、液体潤滑層24が形成されている。
【0015】
図4は、クリーニングを行う工程を説明するための断面模式図で、まず、図4(a)に示すように、パーティクル90を表面に有する磁気ディスク20に対してクリーニング層12を対向させてクリーニング部材10を配置する。引き続き、図4(b)に示すように、クリーニング層12と磁気ディスク20を密着させる。ここで密着するとは、クリーニング層12と磁気ディスク20とがパーティクル90を介して隣接している状態を包含している。クリーニング層12と磁気ディスク20が密着した状態で、磁気ディスクとクリーニング部材との摺動を行うことなく所望の時間放置する。クリーニング層12の表面エネルギーは磁気ディスク20の表面エネルギーより大きく設定されている。両者の表面エネルギーに差があることから、磁気ディスク表面上に付着しているパーティクル90は、前述した放置時間の間に、その付着する先が磁気ディスク20からクリーニング層12に変化する。引き続き、図4(c)に示すように、クリーニング層12を磁気ディスクから引き離すことにより、パーティクル90がクリーニング層12に転写されクリーニングが行われる。
【0016】
クリーニング部材10は繰り返して使用できる。即ち、ひとつのクリーニング部材10を用い、磁気ディスク20を交換して図4の工程を繰り返して行うことができる。クリーニング部材10に相当量のパーティクル90が付着して、クリーニング性能が劣化した時点で、クリーニング部材10は交換するが、クリーニング部材10は清浄化することにより再度使用することができる。
【0017】
クリーニング層12は、その表面エネルギーが磁気ディスクの表面エネルギーより大きな材料であれば用いることができるが、クリーニングされる磁気ディスク20の保護層と同じ系統の材料を用いることが好ましい。これは、クリーニング層12と磁気ディスク20を密着させる際に、ある程度の押圧力を印加することが必要であるが、両者の硬度等が著しく異なる場合には何れかに圧痕等の損傷が生じてクリーニング工程に悪影響をもたらすからである。なお、磁気ディスク20の最表面は液体潤滑層24であるが、押圧力に対する耐性は保護層23により定まることから、クリーニング層12としては磁気ディスクの保護層23として用いられる系統の材料が好ましい。より具体的には、非晶質カーボン、ダイアモンド状カーボン、テトラヘドラルアモルファスカーボン等のカーボン系材料、あるいはシリコン系の材料等を用いることができる。
【0018】
クリーニング層12の表面エネルギーは磁気ディスク20の表面エネルギーよりも大きく設定される。十分なクリーニング効果を得るためには、クリーニング層12の表面エネルギーを磁気ディスク20の表面エネルギーよりも20mN/m以上大きく設定することが好ましい。20mN/mを下回る場合には、パーティクル90が磁気ディスク20の付着力に打ち勝ってクリーニング層12に移動する効果が低減する。磁気ディスク20の表面エネルギーは、保護層23、液体潤滑層24の両者の影響が合成されたものとなる。通常使用される磁気ディスク用の潤滑剤の場合には、合成された表面エネルギーは保護層23単独の表面エネルギーよりも小さくなる。ここで留意すべき事項は、図4のクリーニング工程を行うことにより、多少ではあるが磁気ディスクの潤滑剤がクリーニング層12に移着することである。この結果、クリーニング層12の表面エネルギーは当初よりも小さくなる。従って、この影響を織り込んでクリーニング層12の表面エネルギーを設定する必要がある。カーボン系材料の表面エネルギーを変えるためには特開2000−315313号公報等に記載されている添加物等を用いて調整することができる。
【0019】
クリーニング基体11は、クリーニング層12を保持するためのもので、保持する機能があればその材質は問わない。好ましくは、ガラス材料、アルミ材料等を用いた磁気ディスク基板である。これは、クリーニング層12がクリーニングの作用を発揮するためには磁気ディスク20上のパーティクル90と少なくとも接触することが必要であるが、このためには磁気ディスク20と同等の平滑性を有することが必要である。一般に磁気ディスク20の平滑性はきわめて高いことから磁気ディスク基板を用いることで所望の平滑性を得ることができる。平滑性の高いシリコン基板等の他の材料を用いることも可能である。
【0020】
クリーニング部材10と磁気ディスク20を密着させる手段としては通常知られている各種の方法を用いることができる。図1に示すように、筐体内部を減圧して、大気圧により上部筐体30を介してクリーニング部材10を圧接する方法、あるいは機械的手段を用いてクリーニング部材10を磁気ディスク20に押圧する方法を用いることができる。磁気ディスク20の全面をクリーニングするためには、クリーニング部材10を磁気ディスク20の全面に均一に接触させることが必要である。このためには、筺体内を減圧する方法が好ましい。これは、空気の圧力が押圧面全面に均一に印加されるためである。
【0021】
クリーニング部材10と磁気ディスク20の密着性をより向上する目的でクリーニング部材を図5に示す構成とすることもできる。磁気ディスク基板21、クリーニング基体11はきわめて平滑とはいえ、微小なうねり等の凹凸は存在し、またパーティクル90はその大きさは一様ではない。従って、クリーニング部材10と磁気ディスク20をその全面に渡ってまんべんなく密着させるためには相応の押圧力を印加することが必要である。この押圧により所望しない圧接痕を磁気ディスクに生じる場合も生じる。圧接痕を低減するために、クリーニング基体11とクリーニング層12の間に弾性体13を挿入することで、より小さな押圧力でクリーニング部材10と磁気ディスク20の密着性を確保することができる。弾性体13としては、所望の弾性を有する樹脂材料、高硬度ゴム材料等を使用することができる。
【0022】
磁気ディスク20としては、通常の固定磁気ディスク装置用の磁気ディスクに本方法を適用することができる。例えば、図3に示すように、ガラスあるいはアルミ材料の磁気ディスク基板21上に、磁気記録層22を形成し、カーボン系等の保護層23を形成し、さらにパーフロロポリエーテル等の液体潤滑層24を形成した磁気ディスク20を例としてあげることができる。ここで磁気記録層22は、記録を保存する磁性層の他に、磁性層の結晶性などを良好に制御するためのシード層、中間層、あるいは垂直磁気記録を良好に行うための軟磁性裏打ち層等を包含する層である。例えば、磁性層としてはCoCrTa−SiO2等のグラニュラー磁性層を用いることができ、シード層としてはCr、CrTa等の非磁性材料を用いることができ、軟磁性裏打ち層としてはNiFe合金等の軟磁性材料を用いることができる。
【0023】
また、本法は、図1の例に限らず、基板の両面に磁気記録を行う磁気ディスクに対しても適用できることは言うまでもない。
上部筺体30、下部筺体40としては、金属材料等の所望の剛性を有する材料を用いて作成することができる。
【実施例1】
【0024】
以下、実施例を用いてさらに詳しく説明する。
クリーニング装置1としては、図1と同様の構成を有する転写装置SPM−R1(YAC社製)を使用した。
【0025】
まず、クリーニング部材10を次のようにして作製した。直径65mmのガラス基板をクリーニング基体11として用いた。ガラス基板を良く洗浄した後にCVD成膜装置に導入し、反応ガスとしてC24ガスを用いて水素添加カーボン層(以下、CH層と略す。)を3nmの膜厚で成膜してクリーニング層12とした。
【0026】
磁気ディスク20は次のようにして作製した。直径65mmのガラス基板を磁気ディスク基板21として用いた。ガラス基板を良く洗浄した後にスパッタ装置に導入し、CoCrPt合金系の磁気記録層22を形成した。引き続き、CVD成膜装置に導入し、反応ガスとして窒素を添加したC24ガスを用いて窒素を添加した水素化カーボン(以下N−CH層と略す。)からなる保護層23を膜厚3nmで成膜した。引き続き浸漬塗布法を用いてパーフロロポリエーテルの液体潤滑層24を厚み1.1nmにて形成した。
【0027】
得られた磁気ディスク20、クリーニング部材10の表面エネルギーを測定した結果、クリーニング部材は43.24mN/mで、磁気ディスクは17.63mN/mであり、両者の差は25.61mN/mであった。表面エネルギーの測定は、接触角計CA−X150(FACE社製)を用いて、極性液体である水と非極性液体であるテトラデカンを使用して行った。接触角から、分散成分γsd、極性成分γshを求め、合算して表面エネルギーを得た。
【0028】
上記のようにして作製した磁気ディスク20とクリーニング部材10をクリーニング装置1に導入してクリーニングを行った。
磁気記録媒体20の液体潤滑層24を上にして下部筐体40に配置し、その上にクリーニング部材10をクリーニング層12を下にして載置した。引き続き上部筐体30を載置した後に、図示しない真空排気装置を用いて筐体内部を16kPaに減圧して5分間放置した。引き続き、大気圧に戻し、上部筐体を開けてクリーニング部材10と磁気ディスク20を取り出した。
【0029】
磁気ディスク20だけを交換して、クリーニング部材10は同じものを用い、上記の操作を3回繰り返して、クリーニング結果を測定した。図6は、各磁気ディスクおよびクリーニング部材上のパーティクル個数の測定結果を示すもので、磁気ディスクについてはクリーニング前後の測定結果を示し、クリーニング部材についてはクリーニング後の測定結果を示している。パーティクル個数は光学式表面解析装置OSA6100(KLA Tencor社製)で測定した。光学式表面解析装置は、磁気ディスク表面に、波長405nmのレーザ光を照射し、照射レーザ光の反射光や散乱光、反射光の位相差を測定する装置である。パーティクル個数測定の条件としては、散乱光モードで、径方向の分解能が4μm、A/Dコンバーターのサンプリング周波数が8X(値が高くなるほど1回転あたりの収集データポイント数は多くなる)、ゲインが100mVである。
【0030】
クリーニング部材10の繰り返し使用2枚目まで磁気ディスク20のパーティクルが減少し、クリーニング効果が得られている。繰り返し使用の3枚目ではクリーニング効果がなくなっている。この場合には、クリーニング部材10を洗浄して清浄化することにより再使用可能である。
【0031】
なお、磁気ディスク20からパーティクルを除去する性能を下げることにより、クリーニング部材10へのパーティクル累積量を低減することができるため、その使用可能な枚数を増加することが可能である。即ち、所望のクリーニング性能と、クリーニング部材10の洗浄回数の適切な組み合わせを設計することで効率的なクリーニング工程を設計できる。
(実験例)
磁気ディスク20とクリーニング部材10の表面エネルギーの差を変更してクリーニング性能の評価を行った結果について述べる。
【0032】
実施例1と同様の磁気ディスクを使用し、クリーニング部材10はクリーニング層12の材料を各種変更した。
CH層は、実施例1と同様に作製したクリーニング層12であり、N−CH層は、クリーニング基体11上に反応ガスとして窒素を添加したC24ガスを用いてN−CH層を成膜した。
【0033】
また、フッ素および窒素を添加した水素化カーボン層(以下、F−N−CH層と略す。)を次のようにして成膜した。上記と同様にしてN−CH層を成膜した後に、エッチング装置NE550(ULVAC社製)に導入して、CF4ガスを流し、エッチングにてF−N−CH層を形成した。
【0034】
上述の各クリーニング部材を用いて、実施例1と同様にしてクリーニングを行った結果を図7に示す。図7の横軸は、F−N−CH層、N−CH層、CH層の各クリーニング層12を用いたクリーニング部材10のクリーニング前の表面エネルギーと、磁気ディスクの表面エネルギーとの差である。縦軸は、各クリーニング層12を用いてクリーニングした後の磁気ディスクのパーティクル個数と、各々のクリーニング前の磁気ディスクのパーティクル個数の比である。F−N−CH層のクリーニング部材はクリーニング前の表面エネルギーが20.63mN/mであった。磁気ディスクの表面エネルギーが17.63mN/mであったので、クリーニング前のクリーニング部材と、磁気ディスクの表面エネルギーの差が3.0mN/mであるが、この差では、クリーニング性能が劣ることが分かる。CH層では表面エネルギーの差が25.61mN/mであったが、実施例1で説明したように大きなクリーニング効果が得られている。N−CH層では表面エネルギーの差が32.65mN/mとCH層の場合よりも大きくなり、パーティクル個数は増加していない。即ち、クリーニング前のクリーニング部材の表面エネルギーと磁気ディスクの表面エネルギーとの差が大きくなると磁気ディスクのパーティクル個数が減少して、クリーニング効果があるといえる。
【符号の説明】
【0035】
1 クリーニング装置
10 クリーニング部材
11 クリーニング基体
12 クリーニング層
13 弾性体
20 磁気ディスク
21 磁気ディスク基板
22 磁気記録層
23 保護層
24 液体潤滑層
30 上部筐体
40 下部筐体
90 パーティクル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
非磁性基板上に、磁気記録層、保護層、潤滑層を備えた磁気ディスクのクリーニング方法であって、
a)基体上に、表面エネルギーが前記磁気ディスクの表面エネルギーよりも20mN/m以上高いクリーニング層を備えたクリーニング部材を準備する工程と、
b)前記磁気ディスクの潤滑層と前記クリーニング部材のクリーニング層を対向して載置する工程と、
c)載置した状態で放置する工程と、
d)前記クリーニング部材を前記磁気ディスクから引き離す工程とを、
この順に備えたことを特徴とする磁気ディスクのクリーニング方法。
【請求項2】
前記工程c)が、前記磁気ディスクと前記クリーニング部材を圧接しながら放置する工程であることを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスクのクリーニング方法。
【請求項3】
前記圧接する方法が、前記磁気ディスクと前記クリーニング部材を筺体内に挿入し、該筺体を真空装置で排気し、該筺体の一部が前記磁気ディスクと前記クリーニング部材を押圧する方法であることを特徴とする請求項2に記載の磁気ディスクのクリーニング方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−40133(P2011−40133A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186553(P2009−186553)
【出願日】平成21年8月11日(2009.8.11)
【出願人】(503361248)富士電機デバイステクノロジー株式会社 (1,023)
【Fターム(参考)】