説明

磁気共鳴イメージングで使用される患者支持テーブル

磁気共鳴及びX線を含む一般的なイメージングシステムのための患者用テーブルであって、イメージングの前、間及び後において患者を安定に維持し、ベース及び該ベースとマットレスから片持ち梁で形成される患者支持部を含む。患者が支持されている間に、頭部及び胸部のためのRF後部コイル部は、患者の頭部及び胸部の真下の作業位置に挿入することができ、且つ作業位置から取り除くことができる。胸部コイルは、スリーブによって強化されたマットレスの空洞の一端部から挿入される。胸部コイルからの信号通信ケーブルは、側面へ露出しないように、マットレスの正面及びマットレスの上に送られる。頭部コイルは、適所にある頭部支持部と並んで患者支持部のベースプレート上で備えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、患者の磁気共鳴画像及びX線画像を得るための装置において使用され得る磁気共鳴イメージングにおいて使用するための患者支持テーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
MRI(磁気共鳴イメージング)について、一般的には超電導である高磁界磁石、典型的には超電導磁石が、トーラス配位(ドーナツ状)に配置され、患者がテーブルの磁石内に横たわった状態で、パルス化され連続化された磁界及び電磁界が、画像を生成するために身体を精査することを可能にし、熟練の放射線科医が患者の生体構造を高確率で決定することを可能にする。MRIは、時には患者に導入される造影剤を用いて行われ、異なる組織の種類の間のさらに良好なコントラストを提供する。MRI手法は、例えば腫瘍といった種々の疾患の身体構造上の位置を検知することを非常に得意とする。
【0003】
1998年4月7日に発行された米国特許5,735,278号(Hoult et al)において、磁石が患者に対して及びシステムの他の構成部品に対して移動可能である医療処置が開示されている。この移動磁石システムは、手術中のMRIイメージングを神経外科患者においてより容易に行うことを可能にし、肝臓、胸部、脊椎及び心臓外科患者に対してさらなる用途を有する。
【0004】
2007年12月27日に発行された本出願のPCT出願WO07147233A1号公報「ROTATABLE INTEGRATED SCANNER FOR DIAGNOSTIC AND SURGICAL IMAGING APPLICATIONS」において、磁石のさらなる回転運動が可能となる上記患者に対する改善が開示されている。
【0005】
走査システムは、患者を一つのイメージングシステムから他のシステム例えば移動可能テーブルに移送することにより、患者がX線イメージングシステムからMRイメージングシステムに移動することが知られている。MRスキャナは、X線を用いて得られた情報と相補的な情報を提供するのに使用される。MRスキャナは、例えば、治療介入前に基礎評価を行うため、及び治療介入後の評価を行うために使用される。このような評価は、心臓の又は脳の灌流及び生存率研究を含むことがある。
【0006】
1998年2月3日に発行された米国特許5,713,357号(Meulenbrugge)、及び関連する特許5,807,254号(共にPhillips)は、X線システムとMRIシステムの組合せを示している。そのシステムは、手術中の使用のためのものではなく、磁石は円筒形ではない。磁石は移動しない。X線は、図2において左右に移動する。患者は図1において移動する。
【0007】
2000年8月8日に発行された米国特許6,101,239号(KawasakiからHitachi)は、同じ場所で同時に動作するX線及びMRI、及び干渉を回避するように時間を調節された方法でそれらを作動する方法を提供している。しかしながら、機械の存在が患者への接近を制限するので、この配置は、医療チームによる治療介入に適していない。
【0008】
2002年3月7日に発行された米国特許6,385,480号(Bachus)(Siemens)は、彼らがangio−MRシステムと呼ぶものを開示し、ここでX線撮影angio−システムは、MRシステムと協同する。患者をX線システムの一つの位置から、MRIの第2位置へ移送する移動患者テーブルが提供される。
【0009】
2006年10月26日に発行された米国特許出願2006/0239524号(Desh)(Simens)は、MRI及びX線を用いる心臓病の診断及び処置に関する。これは、診断結果を分析するために、画像を結合する方法を対象にする。
【0010】
2005年12月13日に発行された米国特許6,975,895号(Pelc)(Leland Stanford University)は、MRIシステムの磁場における使用のための修正されたX線管を提供する。
【0011】
2004年11月2日に発行された米国特許6,812,700号(Fehrig)(Leland Stanford University)は、X線システムによって引き起こされるMRIの磁場における摂動が相殺される、関連システムを開示する。
【0012】
1986年6月17日に発行された米国特許4,595,899号(Smith)(Leland Stanford University)は、MRIシステムを提供する。
【0013】
1992年3月31日に発行された米国特許5,099,846号(Hardy)は、種々のイメージングモダリティから画像を結合することに関し、主にX線及びNMRなどの画像を結合するためのソフトウェアについてのものである。
【0014】
2004年6月22日に発行された米国特許6,754,519号(Hefetz)(Elgems)は、CTやMRIなどの2つのイメージングシステムを開示し、ここで2つのシステムは、共通位置から空間位置への回転運動のための一般的なレールシステムに取り付けられる。
【0015】
1994年3月8日に発行された米国特許5,291,890号(Cline)(GE)は、患者熱処理システムを開示し、ここで熱はMRIを用いて検知される。
【0016】
2005年11月1日に発行された米国特許6,961,606号(DeSilits)(Phillips)は、CT及びPETなどの2つのイメージングシステムを開示し、ここで2つのイメージングシステムは、患者の一般的な走査のための共通位置から空間離間位置への回転運動のための一般的なレールシステムに取り付けられる。
【0017】
1991年4月4日に発行されたドイツ特許出願39 31 854号(Muller)は、レーザー凝固定位固定システムを用いるNMR装置を開示する。
【0018】
日本出願05344964号(Toshiba)は、X線システムとMRIシステムの組合せを示している。これは日本でのみ出願されており、一見したところ粗雑なシステムであるものを提供している。
【0019】
1992年6月30日に発行された日本のRes Dev Corpによる日本特許出願4183446号は、一般の装置におけるMRI及びX線の使用を開示している。
【0020】
上記される種類の結合型イメージングシステムを用いる使用のために設計されなければならない一つの要素は、患者支持テーブルのシステムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】米国特許5,735,278号
【特許文献2】PCT出願WO07147233A1号
【特許文献3】米国特許5,713,357号
【特許文献4】米国特許5,807,254号
【特許文献5】米国特許6,101,239号
【特許文献6】米国特許6,385,480号
【特許文献7】米国特許出願2006/0239524号
【特許文献8】米国特許6,975,895号
【特許文献9】米国特許6,812,700号
【特許文献10】米国特許4,595,899号
【特許文献11】米国特許5,099,846号
【特許文献12】米国特許6,754,519号
【特許文献13】米国特許5,291,890号
【特許文献14】米国特許6,961,606号
【特許文献15】ドイツ特許出願39 31 854号
【特許文献16】日本出願05344964号
【特許文献17】日本特許出願4183446号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
上記に記載される種類の結合型イメージングシステムにおいて使用され得る患者支持テーブルを提供することは、本発明の一つの目的である。
【0023】
胸部領域のイメージングを可能にする患者支持テーブルを提供することは、本発明の一つのさらなる目的である。
【0024】
頭部領域、首部領域、及び上部の頚椎部領域のイメージングを可能にする患者支持テーブルを提供することは、本発明の一つのさらなる目的である。
【0025】
患者が支持されている間に、患者を動かすことなしに、RFコイルの後コイル部が挿入され取り出されることを可能にする患者支持テーブルを提供することは、本発明の一つのさらなる目的である。
【0026】
テーブルがMRIマグネットの高磁場で使用されることを可能にする患者支持テーブルを提供することは、本発明の一つのさらなる目的である。
【0027】
胸部領域のイメージングを妨げることを回避する一方、患者の腕がテーブル上に位置することを可能にする患者支持テーブルを提供することは、本発明の一つのさらなる目的である。
【0028】
MRI磁石の中へのテーブル及び患者の導入が妨害されないように、MRコイル、例えば心臓又は神経のコイルのケーブルの効果的なルーティングを可能にする患者支持テーブルを提供することは、本発明の一つのさらなる目的である。
【0029】
発明の第1の態様によれば、患者の一部の磁気共鳴イメージングで使用される装置が提供され、該装置は、
患者支持テーブルと、
患者の真下の位置の後部コイル部を含むMRイメージングで使用されるRFコイルと、
を備え、
前記患者支持テーブルは、イメージング室内の所定位置に備え付けるためのテーブル支持ベースを備え、
前記患者支持テーブルは、イメージングのために露出した患者の部分を備える患者を構造的に支持するための上部患者支持部を備え、
前記患者支持テーブルの前記上部患者支持部は、磁石の一端から磁石のイメージングゾーンまでのMRI磁石のボアの中へ延出するように、長手方向に前記テーブル支持ベースから片持ち梁で形成され、
前記装置はさらに、
前記患者支持部上に貼り付けられたマットレスを備え、
前記上部患者支持部及び前記マットレスは、イメージングの前、間及び後において患者を完全に支持するように配されており、
前記後部RFコイル部は、患者の動きなしで患者が完全に支持される間、イメージングされるべきであり且つ作業位置から取り出されるべき患者の真下の作業位置へ後部コイル部が挿入され得るように、前記患者支持部及び前記マットレスに関連して配される。
【0030】
好ましくは、患者支持部及びマットレス部のうち1つ又は両方に、後部RFコイルのためのレセプタクルが提供される。
【0031】
好ましくは、レセプタクルはマットレスに提供される。しかし、レセプタクルはテーブルの患者支持部にあることもでき、或いはレセプタクルはマットレスと支持部の両方の一部として提供され得る。
【0032】
好ましくは、患者の頭部及び上部胴体は両方とも、イメージングの前、間及び後に完全に支持されたままである。
【0033】
本発明の第2の態様によれば、患者の一部の磁気共鳴イメージングで使用される装置が提供され、該装置は、
患者支持テーブルと、
上部胴体の真下の位置の後部コイル部を含む、患者の上部胴体のMRイメージングで使用されるRFコイルと、
を備え、
前記患者支持テーブルは、イメージング室内の所定位置に備え付けるためのテーブル支柱ベースを備え、
前記患者支持テーブルは、イメージングのために露出した患者の部分を備える患者を構造的に支持するための上部患者支持部を備え、
前記患者支持テーブルの前記上部患者支持部は、磁石の一端から磁石のイメージングゾーンまでのMRI磁石のボアの中へ延出するように、長手方向に前記テーブル支持ベースから片持ち梁で形成され、
前記装置はさらに、
患者と接触させるための上部表面を有する、前記患者支持部上に貼り付けられたマットレスと、
前記後部コイル部を収容するための前記患者支持部及び前記マットレスのうち1つ又は両方にあるレセプタクルと、
を備え、
前記レセプタクルは、挿入用開口部を有し、前記挿入用開口部は、支持部上の適所にマットレスがあり、及びマットレス上の適所に患者があるように位置し且つ配され、前記開口部が上部表面の下部に露出される。
【0034】
好ましくは、レセプタクルはマットレスに提供される。
【0035】
好ましくは、開口部は、平面パネル形状のコイルが水平方向の動きによって開口部を通ってレセプタクルへ挿入されるように、端部にある。
【0036】
好ましくは、開口部は、一つの側面端部にあるが、頭部支持部の真下のテーブルの先端にあることができる。
【0037】
好ましくは、マットレスのレセプタクルの位置に補強材スリーブが提供される。レセプタクルのスリーブへ後部コイル部が挿入される。補強材スリーブは、取り除かれる後部コイル部とともに患者の支持を提供する。
【0038】
好ましくは、後部コイル部が使用されない場合、マットレスのレセプタクルの中への挿入のための置換挿入部が提供される。
【0039】
好ましくは、レセプタクルは、実質的にマットレスの全幅に亘って延出する。
【0040】
好ましくは、レセプタクルは、レセプタクルの上のマットレスの厚みの一部を備え、マットレスの厚みを部分的に通って延出する。
【0041】
好ましくは、レセプタクルはマットレスの前方端部に位置する。
【0042】
本発明の第3の態様によれば、患者の一部の磁気共鳴イメージングで使用される装置が提供され、該装置は、
患者支持テーブルと、
患者の真下の位置の後部コイル部を含む、患者の頭部のMRイメージングで使用されるRFコイルと、
を備え、
前記患者支持テーブルは、イメージング室内の所定位置に備え付けるためのテーブル支持ベースを備え、
前記患者支持テーブルは、イメージングのために露出した患者の部分を備える患者を構造的に支持するための上部患者支持部を備え、
前記患者支持テーブルの前記上部患者支持部は、磁石の一端から磁石のイメージングゾーンまでのMRI磁石のボアの中へ延出するように、長手方向に前記テーブル支持ベースから片持ち梁で形成され、
前記装置はさらに、
患者と接触させるための上部表面を有する、前記患者支持部上に貼り付けられたマットレスと、
前記テーブルに接続され、且つ患者の頭部を係合及び支持するための上部支持表面を定義する頭部支持部材と、
を備え、
前記後部コイル部は、前記頭部支持部材の前記上部支持表面の真下の作業位置へ挿入され且つ前記作業位置から取り除かれるように形成され配される。
【0043】
好ましくは、頭部支持部材はチャネル部を備え、該チャネル部は、患者の頭部の後側周囲を杯状にするための上部チャネル形成表面及び下部チャネル形成表面を有する。後部コイル部は、チャネル部の下部チャネル形成表面の真下近くの位置のチャネル形成内側表面を含む。
【0044】
好ましくは、チャネル部は、テーブルの患者支持部で連結部材から片持ち梁で形成される。
【0045】
好ましくは、連結部材はテーブルの患者支持部から取外し可能である。
【0046】
好ましくは、テーブルの患者支持部は、外側へ突出する端部を含んでいる。ここで連結部材は、端部の縁上への係合部を滑らせるためのクランプ部を含んでいる。
【0047】
好ましくは、取り除かれる頭部支持部材を用いての使用のために頭部支持プレート及びマットレス部が、そのために提供される。頭部支持プレートは、端部の縁上へ係合部を滑らせるためのクランプ部を含んでいる。
【0048】
本発明の第4の態様によれば、患者の一部の磁気共鳴イメージングで使用される装置患者支持テーブルが提供され、該患者支持テーブルは、
イメージング室、及びその上で患者がイメージングのために患者の部分を露出して横たわることができる上部患者支持部の一定位置に備え付けるためのテーブル支持ベースと、
磁石の一端から磁石のイメージングゾーンまでのMRI磁石のボアの中へ延出するように、軸の長手方向に前記テーブル支持ベースから片持ち梁で形成される前記患者支持テーブルの前記上部患者支持部と、
前記患者支持部上に貼り付けられたマットレスと、
を備え、
前記患者支持部は、強化用繊維によって強化された樹脂材料から形成され、
前記強化用繊維は、非導電性である。
好ましくは、強化繊維は炭素繊維を含んでいない。
【0049】
本発明の第5の態様によれば、患者の上部胴体のイメージングで使用される患者支持テーブルが提供され、該患者支持テーブルは、
イメージング室、及びその上で患者がイメージングのために患者の部分を露出して横たわることができる上部患者支持部の一定位置に備え付けるためのテーブル支持ベースと、
磁石の一端から磁石のイメージングゾーンまでのMRI磁石のボアの中へ延出するように、軸の長手方向に前記テーブル支持ベースから片持ち梁で形成される前記患者支持テーブルの前記上部患者支持部と、
前記患者支持部上に貼り付けられたマットレスと、
患者が前記マットレス上にうつぶせで横たわる間に、前記マットレス上の患者の腕の1つそれぞれをはめこみ、保つために、前記患者支持部のそれぞれの側に各々配された1対の腕係合部材と、
を備え、
前記腕係合部材の夫々は、伸長プレート部を備え、前記伸長プレート部は、患者の腕と隣接する最後縁部及び患者の肩と隣接する最前縁部を備え、前記マットレスの側面に沿って延出し、且つ患者の腕を内部に保持するためにそこから上方へ立ち上がるように配され、
前記腕係合部材の夫々は、取付板を備え、前記取付板は、前記伸長プレート部に接続され、前記テーブルの前記患者支持部の側面で適所に腕係合位置を保持するために、前記マットレスと前記テーブルの前記患者支持部との間の前記伸長プレート部へ、一般的に直角で延出するように配され、
前記取付板は、前記伸長プレート部の最前端部から後方へ間隔を空けられた最前端部を有している。
【0050】
好ましくは、取付板は、前記取付板に接続され且つ前記伸長プレート部へ上方に延出する垂直部に接続されることにより、前記取付板から高い位置で前記伸長プレート部を保持する。垂直部は、取付板と隣接する最前端部を有している。
【0051】
好ましくは、MRイメージングで使用される患者の真下の位置へ、RFコイルの後部コイル部を収容するための、患者支持テーブルとマットレスのうち1つ或いは両方に、レセプタクルが提供される。そして、取付板は、その最前端部がレセプタクルから後方に間隔を空けられるように配される。
【0052】
好ましくは、レセプタクルはマットレスに提供される。
【0053】
好ましくは、レセプタクルへの開口部は、マットレスの一つの側面縁部にあり、これにより、コイルは、水平方向の動きによって、開口部を通ってレセプタクルへ挿入される。
【0054】
本発明の第6の態様によれば、患者の一部の磁気共鳴イメージングで使用される装置が提供される。該装置は、
患者支持テーブルと、
患者の真下の位置の後部コイル部及び患者の最上部の位置の前部コイル部を含むMRイメージングで使用されるRFコイルと、
を備え、
前記患者支持テーブルは、イメージング室内の所定位置に備え付けるためのテーブル支持ベースを備え、
前記患者支持テーブルは、イメージングのために露出した患者の部分を備える患者を構造的に支持するための上部患者支持部を備え、
前記患者支持テーブルの前記上部患者支持部は、磁石の一端から磁石のイメージングゾーンまでのMRI磁石のボアの中へ延出するように、長手方向に前記テーブル支持ベースから片持ち梁で形成され、
前記装置はさらに、
前記患者支持部上に貼り付けられたマットレスを備え、
前記マットレスは、前記患者支持部の一つの側面に沿った一つの側面縁部を有し、
前記後部コイル部は、前記マットレスの真下に位置しており、
前記後部コイル部は、前記一つの側面縁部にあるケーブルを備えた磁気共鳴イメージングのコントロールのために、前記後部コイル部からコントロールシステムまでのRF信号の通信用のケーブルを含み、
前記ケーブルは、前記一つの側面縁部に隣接する前記後部コイル部に接続され、
しかし、前記ケーブルは、前記一つの側面縁部から奥まった前記マットレスの端部で前記後部コイル部から表れ、前記一つの側面縁部を越えて外側に突出することなしに前記マットレスの上の前記後部コイル部から通過するように配される。
【0055】
好ましくは、ケーブルは、その前方端部で後部コイル部に接続され、ケーブルが前記一つの側面縁部に直に隣接するマットレスの最前端部で後部コイル部から表れるように配される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】患者テーブル、テーブル上の患者をイメージングするための位置へ移動可能なMRI磁石、およびX線システムを移動させるための配置を示す、血管造影室の等角図である。
【図2】患者を乗せるテーブル、図示の便宜上省略されているベース、患者の上部胴体のイメージング用のRFコイル構造を示す、等角図である。
【図3】図2のテーブルの一部を拡大した尺度の、および後部コイル部が除去される場合に、マットレスにおけるレセプタクルへの挿入用の挿入部を示す、等角図である。
【図4】図2のテーブルの一部を拡大した尺度の等角図である。
【図5】図2のテーブルの分解図である。
【図6】患者を乗せるテーブル、図示の便宜上省略されているベース、患者の頭部のイメージング用のRFコイル構造を示す、等角図である。
【図7】図6のテーブルの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
参照は、本出願人により2007年12月27日に公表された上述のPCT出願WO07147233A1号、表題「ROTATABLE INTEGRATED SCANNER FOR DIAGNOSTIC AND SURGICAL IMAGING APPLICATIONS」になされ、この出願は、現在の配置で使用するに適したMRI磁石の構造の、開示された詳細である。この文書の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0058】
図1では、患者が患者支持テーブル上で静止している間に、患者の磁気共鳴イメージングおよびX線イメージングを実行するための配置が示される。この配置は、磁石ベイ(1A)からMRイメージングシステムの磁石(3)の部屋に入るための、部屋の片側にドア(2)が付いた、患者支持テーブル(10)が搭載される部屋(1)を提供する。この部屋は、レール(5)の上に搭載されたX線イメージングシステム(4)を含み、X線伝達装置(6)、およびC−形の支持部(8)上に搭載された受信機(7)を備える。X線システムは、シーメンスなどのメーカーから商業的に利用可能である、従来の構造である。本明細書に記述、図示されたテーブル(10)は、患者がテーブル上にいる配置において使用され、その一方でイメージングはMRI及びX線を用いて影響を受ける。
【0059】
更なる独特の多室構造設計、配置、及び適応は、回転するMRIシステムが設計される場合に可能である。この場合、以下の多室構造配置は、ヘルス・ケア産業にとって財政的に有益であるこれら全ての適用と共に、可能である様々な適応を図示する例として使用される。
【0060】
磁石システム(3)は、1分以内に部屋へ移動し、ドア(2)は数秒内に開く。そうして、磁石システムの使用法の有効性上の限定因子は、部屋の中、および部屋の外へ患者を提供すること、必要であれば患者を準備すること、患者のイメージングについて議論することである。イメージングイベントにつき妥当な時間量は60分であり、それゆえ、MRIスキャナの室内、室外への移動は、限定する時間的価値ではない、ということが知られている。その上、多室構造システムの有効性は、診断法と介入手順の両方の必要性が生じるにつれ、予定することがより難しくなる。以下の配置が現在可能である。
【0061】
ベイ(1A)を保持する中心磁石が磁石を収容し、診断患者が、部屋(1)と更にベイ(1A)の向こうに示されない部屋を含む3部屋の中に整理される、3部屋の診断配置。部屋(1)へのドア(2)は開き、ベイ(1A)を保持する磁石は部屋(1)の一部になる。磁石が第2の部屋へ移動する場合、磁石は移動しなくてもよいが、その診断テーブルを拡張させることがあり、患者は診断テーブルの上に横たわり、イメージングが行なわれ、介入を行う必要は見られず、患者は診断テーブルから去り、磁石は保持ベイに戻り、他の部屋の1つの使用の準備を行う。その後、磁石はそのテーブルを引き込み、その部屋用のドアを回転させ、他の部屋の工程が始まる。この場合、磁石は、レール上のような並進運動方向に動かず、単に回転する。
【0062】
2部屋システムは、病院の隅にある。この場合、磁石は回転、並進運動の両方を行う。2つの各々が90℃方向であるドアと共に、部屋を保持する中心磁石があり、磁石はどのような方向が要求されてもその診断テーブルを回転させることができ、又は磁石の反対端を最初に部屋に入れることを可能にするため、回転できる。この接近は、既存の診断機能性および適用が一方の部屋の中で使用されることを可能にするか、或いは磁石コントロールおよびモニタリングへの任意の重要な変更のないイントラ手術室として両方の部屋が機能することを可能にする。この2部屋角システムは、回転する磁石なしでは行うことができない。
【0063】
このシステムは、磁石の回転を提供する一方のシステムと共に、天井から吊るされ、又はベアリングを搭載した床に搭載することができる。MRIシステムも、レールシステムを使用する空間に平行移動されることができるように、レール上の天井から吊るされてもよい。回転機構は磁石とレールの間で、又はレール上のどちらかに位置することができる。下の軌道及び上の軌道回転炉は、異なる配置のための異なる特性を有する。下の軌道回転炉は、既存の部位の最も容易な機能上昇を可能にし、一方で上の軌道回転炉は、鉄道操車場の円形機関車庫のように、レール、MRIシステム、及び全ての関連するシステムが回転されるよう、機能する。
【0064】
上述の可動磁石と連携するX線システムを含む配置の方に今は変わり、このシステムは、患者が同じテーブル上のどちらかのモダリティによってイメージされ得るよう、X線システムに統合された可動自在な磁石から成る。患者は移動しない。
【0065】
MRは、上述のような2以上の部屋の間の高架レール上で移動する、超磁場(例えば1.5T又は3T)磁石である。記述のシステムにおいて、1以上のこれらの部屋は、X線システム、又は単一面或いは複葉機のどちらかを含む。磁石がX線検査室から移動し、1セットのRFおよびX線で遮蔽されたドアが閉まる場合、検査室は従来のX線の研究室として機能を果たし、従来の装置と共に使用することができる。特に、X線により導かれた医療介入が行なわれてもよい。
【0066】
配置は、左側に血管造影室(AR)、真ん中に診断室(DR)、右側に手術室を備えた、典型的な3部屋配置の中で使用されてもよい。磁石は部屋の間の高架レール上で移動し、各々でイメージできる。
【0067】
MRイメージングが要求される場合、X線装置は安全に積まれ、ドアが開き、磁石はテーブル上にいる患者の上の部屋へもたらされる。RFシールドはARを包含し、したがってX線検査室の全ての装置は、RF平穏状態(RF-quiet)で作られる。その後、MRイメージングを行なうことができる。その後で、磁石は部屋から取り除かれ、ドアが閉まり、X線装置はその作動位置に戻される。
【0068】
MRスキャナは、X線を使用して得られたものに、補足情報を提供するために使用される。それは、例えば次の医療介入評価を行なうことと同様に、医療介入前に基礎評価を行なうために使用され得る。このような評価は、例えば心臓又は脳のかん流及び生存率研究を含むことがある。
【0069】
システム用のワークフローの例として、急性卒中又は急性冠不全症候群などの、選択的手術と急患を考慮する。
【0070】
選択的手術ワークフローにおいて、予備の、基本的なMRスキャンは、診断室又は血管造影室の一方にいる患者により得られる。これは基本的に手術前のMRスキャンである。目的は、臨床的に適切である基本的なパラメーターを測定することである。心臓手術に関して、これは基本的な心臓機能と心筋の生存率を含むことがある。
【0071】
MRスキャン後、MRが診断室でイメージされた場合、患者は血管造影法室へ移され、又は既に血管造影室でイメージされた場合、患者はテーブル上にただ留まる。この場所では必要であれば、X線間蛍光透視法下の慣例の方法で、冠動脈又は脳造影法、及び冠動脈又は脳形成術、後のステント留置が行われる。
【0072】
MRスキャナ磁石は血管造影法室に入り、適切なMRイメージを得る。MRデータを調査し、場合によりX線データと相互関連した後に、カウンセラーは患者を退院させる、又は処置を継続することができる。
【0073】
急患の場合のワークフローにおいて、患者は受け入れられ、緊急処置室で前処理(股の毛を剃ること、MR検査のスクリーニング、金属チェックなど)を受ける。患者は、AR(ECGにより診察された急性心筋梗塞の場合に)に連れて来られ、股を介した血管アクセスが確立される。MRイメージングは、急性患者の移動を最小化するために、基礎評価用のARの中で起こることがある。スキャナは、心臓の場合にイメージングする基本的な心臓機能およびかん流のMR測定のためにARへもたらされる。卒中の場合には、MRイメージは、医療介入治療が示されるかどうかを明らかにする。両方の場合では、MR基本的イメージングは、最小時間で達成され、処理される。卒中および心臓病患者の両方において、もしそのように示されれば、血管造影法および医療介入(閉塞部位での血管形成、血栓摘出、又は血栓溶解薬の運搬)は、X線蛍光透視法下の慣例の方法で行なわれる。
【0074】
MRスキャナは、後のMRイメージ入手のために、ARへもたらされる。MRイメージ及び場合によってはX線データとの相関性を調査した後に、カウンセラーは患者を退院させる、又は処置を継続する。
【0075】
図1に示されるようなX線システムを移動させるための配置において、MRはX線検査室に入り、テーブル(10)のヘッドエンド上に移動する。MRの進路がC−アームスタンドの位置をちょうど通り抜けるので、磁石が入ることができる前に、後者は移動されねばならない。必要に従って、床に搭載されたC−アームスタンドは、床レール、床ターンテーブル又は床或いは壁に搭載されたブームの上で動かされてもよい。必要に従って、天井に取り付けられたC−アームスタンドは、スタンド・レールを可動自在の磁石レールから吊るされた土台に取り付けることにより、或いはそれらを横方向に移動させる伸縮アームを備えた土台にスタンド・レールを固定することにより、テーブルの脚端部にそれを置くために拡張レールを使用して動かされてもよい。
【0076】
天井に搭載されたスタンド用の発動機と共に、床に搭載されたスタンドを動かす媒体の使用は、複葉機システムを移動させる機構を提供する。発動機は、MRレールに対し0度でない角度、例えば90度で単一面又は複葉機の取り付け位置を提供できる。
【0077】
広範囲の安全システムは、一般的に2つのモダリティの、安全で有効な統合のために要求される。ARには、動くスタンド、テーブルおよびMRとの不一致;磁石ボアに引きこまれる鉄の物体;及び望まれない放射線暴露、などのような多くの危険がある。
【0078】
広範囲の安全システムは、システムの多くの側面に関与する。
AR/DRドアが閉じられない場合、X線発生は無効になる。
そうするのに安全でない場合、C−アームの動作は無効になる。
そうするのに安全でない場合、テーブルの動作は無効になる。
そうするのに安全でない場合、MRの前進は無効になる。
【0079】
DRから患者テーブルへの磁石移動の方向は前進として表され、反対方向は後進として表される。DRにおける磁石の定位置からARにおけるそのイメージング位置への進路は、3つのゾーンに分割される。
遠くのゾーン:磁石およびC−アームは、その各々が安全性を懸念することなく独立して操作できるほど十分遠くに離れている。患者テーブルは自由に移動できる。
近くのゾーン:C−アームが安全に置かれ、動かないほど、磁石はC−アームに十分に接近している。患者テーブルは、垂直に、水平に、及び傾いて移動でき、そのベースに対して回転しない。
テーブルゾーン:磁石はテーブル上に、又は略その上にある。C−アームスタンドは、安全に置かれ、動かない。テーブルは、MRイメージングのための正確な位置にあり、移動しない。
【0080】
近いゾーンでは、C−アームスタンドは安全に置かれ、移動しない。このことがそうでない場合、MRの前進動作は阻害され、MRが近くのゾーンに入るのを防ぐ。同様に、近くのゾーンとテーブルゾーンの間で、テーブルがMRイメージングのための位置(即ち、磁石ボアに入る正確な高さと横の位置に)になければならない、という状態が確認される。テーブルが正確な位置にない場合、磁石はゾーンへ前進しなくてもよい。
【0081】
ESCP(装置安全チェックポイント)及びPSCP(患者安全チェックポイント)は、進路を3つのゾーン、即ち遠く、近く、及びテーブルに分割する。インターロックは、磁石がゾーンへ前進することが安全でない場合に、それを制止している。
【0082】
図1で示されるように、安全システム制御装置は、可動磁石制御装置、RFドア制御装置、X線機器及び患者テーブルと通信する。信号は次の情報を含んでいる。
【0083】
可動磁石制御装置は磁石ゾーンを送り、前進が許可されるかどうか示す信号を受け取る。
【0084】
ドア制御装置は、ドアが開いているか閉じられるかどうかを示す信号を送信する。
【0085】
X線制御装置は、C-アームスタンドの場所及びテーブル位置についての情報を送信し、スタンドの動き又はテーブルの動きが許可されるかどうかを示す信号を受け取る。
【0086】
患者取り扱いシステム又は支持テーブルは、一般的に(10)で示されるように、図2〜7の中で示される。患者支持テーブルは、従来型の構造のベース(11)を含み、該ベース(11)は、ベースが患者支持部(12)を高さと向きにおける所要位置へ動かすことを可能にする。適切な駆動機構及び連結器は、当該分野で知られており、従って本明細書中に記載されていることは要求されない。ベース(12)の最上端に、繊維強化プラスチック材料で形成される一般的に平面体(12)の形状である患者支持部が取り付けられ、患者支持部に横たわっている間、患者を支持するのに十分な表面積を定義する。従って、図5で最もよく示されるように、患者支持部(12)は、支持部によって支持されるべき患者の足、身体及び腕を受け入れ収容するのに十分な距離によって間隔を空けられた2つの側端部(14)及び(15)とともに、うつ伏せの患者の脚のところ、又はその向こう側に後端部(13)を含んでいる。前端部(16)に、患者の頭を横たわらせるための前側へ延出する狭窄部(17)が提供される。従って、側端部(14)及び(15)を介する幅は、端部(16)までほぼ一定であり、端部(16)には、一般的に患者の頭部を支持するための十分な幅の狭窄板部(17)を提供するために、一般的には患者の肩に隣接した位置に、幅方向において支持狭窄部が設けられる。
【0087】
患者支持部(12)の最上段にマットレス(18)が提供され、マットレス(18)は患者支持部(12)に重なるように形作られる。従って、マットレスは、患者支持部(12)の端部(13)に位置する後端部(19)、及び側端部(14)及び(15)に隣接する2つの側端部(20)及び(21)を有する。ステップ部(22)は、マットレスが幅方向において増加している箇所のマットレスに提供される。従って、側部は、縮小された幅の側部(20A)及び(21A)を含み、側部(20A)及び(21A)は、MRI磁石の円筒ボアへ挿入されるように意図された位置に配される。ステップ部(22)の向こう側のマットレスの幅広部が、磁石ボアを外側のままにするように一般的に意図され、その結果、これらの部分が、患者のためのより多くの安定を可能にする増加した幅になり得る。ボアへ挿入される部分が、ベース(11)から前方に片持ち梁のように形成され、その結果、ベースの全体が、マットレスの幅広部のエリア内のステップ部(22)の向こう側に配される。
【0088】
患者のための構造的支持は、繊維強化樹脂材料で形成される支持部(12)によって提供され、繊維はシート状に敷かれており、樹脂材料によって注入されることで、典型的な患者の重量を運ぶのに十分な強さの水平な構造部材を提供する。患者支持部は、磁石の作用又は磁気共鳴イメージングで使用される必要な信号の生成及び獲得を妨げない材料で形成されるため、患者支持部(12)の構造における使用のために選択される繊維強化材は、折り曲げるのに必要な抵抗力を提供するのに十分な強さを有する繊維であるが、非導電性の繊維である。従って、炭素繊維は使用することができない。なぜなら、長い炭素繊維は、その部分の構造内に流れる電流を生成又は許可し、そして、そのような電流が必要な信号を妨げるからである。電流は、磁石内の高磁界、及び磁気共鳴イメージングで使用される磁石内に生成される電気磁気信号によって生成される。典型的に、ケブラー(登録商標)のようなアラミド繊維は、そのような構造で典型的に使用される炭素繊維の代替として使用することができる。
【0089】
マットレスは、皮によって包まれた堅いフォーム材から作られることで、流体に抵抗性があり、臨床的状況で使用されるように殺菌のため容易に清潔にされ得る外表面を提供する。マットレスは、ステップ(22)から末端縁(16)に配される前端部(25)まで延出する。マットレスは、プレート(17)のエリアへ末端縁(16)を越えて延出する部分を含んでいない。
【0090】
マットレスは形成された材料の二層で形成され、約2インチの典型的な厚さを提供する。フォーム材の第2の層又は下層は、前端部(25)と位置(26)の間の領域内で除外され、患者支持部(12)の上側表面でマットレスの範囲内のレセプタクル(27)を定義する。レセプタクルの最上部に、フォーム材の第2層が提供され、その結果、レセプタクルは、フォームのより薄い層ではあるが、フォームの層によって、患者の身体から間隔を空けられる。これにより、患者は、患者の胸部領域の真下のレセプタクルの存在にもかかわらず、患者の全長に亘って快適に支持される。
【0091】
図7で示されるように、レセプタクル(27)は、覆っている皮と同じフォーム材で形成された挿入部(28)によって満たすことができる。挿入部(28)は、レセプタクルを満たすように形作られ、その結果、それが、2つの並列の辺を有する長方形であり、該2つの並列の辺は、レセプタクルの端部(25)とレセプタクルの端部(26)の間にスライドすることを可能にする。挿入部(28)の側面は、ホック及びファスナー接続ストリップ(29)を備えており、フック及びファスナー接続ストリップ(29)は、端部(26)上及び端部(25)のところのディペンディングフラップ(depending flap)(31)上の同様のストリップ(30)と連携している。実際には、患者が取り除かれる時、挿入部(28)は、空間へ挿入され得る。なぜなら、テーブルは、患者の頭部又は胸部のどちらかをイメージングするために、セットアップされるべきであるからである。そして、この場合において、イメージングが頭部になされるとき、胸部コイルが除去され、その結果、この場合において、挿入部(28)は、支持部(12)上に配され、マットレスは、その最上部に配される。
【0092】
イメージングが胸部になされる場合において、胸部コイル部(31)がマットレス上でイメージングするための場所にあるとき、前部胸部コイル(31)は、患者の胸部最上部に位置するように配され、また後部コイル(32)がレセプタクル(27)中へ挿入されるように配される。コイル(32)を保護するために及びマットレスがレセプタクル(27)の上で適切に平坦なままであることを確実にするために、平坦長方形スリーブ(33)が提供され、コイル(32)が使用されるべきときに、平坦長方形スリーブ(33)は、マットレスの下の場所に挿入される。従って、テーブルが、胸部のイメージングのためにセットアップされる場合、挿入ピース(28)は省略される。そして、その場所で、スリーブ(33)は挿入される。これは、後部コイル(32)が、マットレス(18)の側面部のスリーブ(33)の一側面のスロット形成開口部(34)を通って、所定位置へスライドすることを可能にする。コイル(32)は、スリーブの内部の中への滑りばめとして、容易にはめ合うように形作られる。従って、磁気共鳴イメージングを実行するように意図される場合、後部コイル(32)は、患者及びテーブルの片持ばり部分が、イメージングを実行するために磁気ボアにスライドすることを可能にする場所に容易にスライドすることができる。
【0093】
イメージングが完了し、患者がX線システムによってイメージングされるべき時、コイル(32)は、スリーブ(33)の開口部(34)の外へコイルを引き出すことにより、容易に取り除くことができる。前部コイル(31)もまた、患者胸部の最上部から容易に取り除くことができ、その結果、すべてのコイル部分はテーブルから取り除くことができ、X線イメージングが、テーブルの任意の金属構成部品から任意の干渉なしで実行されることを可能にする。
【0094】
図3で最もよく示されるように、磁気共鳴イメージング装置のコントロールシステムに受信信号を送信するコイル(32)からのケーブルは、(36)で示され、コイルの側表面(32B)に直接隣接するコイルの前表面(32A)から出るコイルの前方端でコイル上に配される。従って、ケーブル(36)は、コイル(32)からこの位置で前方に延出する。スリーブ(33)は、スロット(33A)を有し、該スロット(33A)は、開口部(34)に隣接するスリーブ前表面(33B)の正面に位置する。これは、ケーブル(36)及びその最も内側の端部(36A)を備えた開口部(34)によってコイルが挿入されることを可能にする。該ケーブル(36)及び該端部(36A)は、スロット(33A)を通って延出し、従ってコイルから前方に、及びスリーブ(33)から前方に延出する。
従って、ケーブルは、マットレス(18)の端部(25)を越えて現れる。そして、ケーブルはマットレス(18)の側端面(20A)を越えて現れない。ケーブル(36)はこのように置くことができ、これにより、ケーブル(36)は端部(25)を越えて延出し、すぐに上方及び後方へ曲がり、ケーブル部(36B)を形成する。該ケーブル部(36B)は、患者の腕及び身体の間の接合部で患者の肩部の上方を患者の身体に沿って通過し、腕の向こう側の位置を通過する。ここでケーブルは、部分(36C)を含み、該部分(36C)は、マットレスの上、特に肩部(22)の向こう側のマットレス部のより狭い部分を横たわる。このように、ケーブルを導くことができ、その結果、ケーブルが適切にコントロールされ、行なわれている画像処理前に作業者によって適所に配される。ケーブルが患者の上を通過するように適切に管理され、ケーブルは、コントロールされないでテーブルから外側へ落下する可能性がない。テーブルの一部が、マットレス及び支持部(12)の側面を越えて突出せず、その結果、これらが、磁石のボアに入ることが可能である最大寸法でありうる。
【0095】
テーブルは、さらに腕係合部材(40)及び(41)を含んでおり、該腕係合部材(40)及び(41)は、患者の腕を収容するように配されており、患者の腕が、マットレス上に保持されることを確実にし、画像処理の間患者が支持部の上に存在する時は、患者は外側へ落下することができない。たとえ、磁気共鳴イメージングシステムによる及びX線システムによる両方の画像処理の間、テーブルが安定であっても、患者が左右に動くことができないように、また患者が画像処理の間、テーブルの外側へ一つの腕を落とすことはできないように、患者を閉じ込める必要がある。
【0096】
図5で最もよく示される腕係合部材は、一般的に直立のボード(42)を含んでおり、該ボード(42)は、後端部(43)から前端部(44)の長さを有する。その長さは、手から肩までの患者の腕のほぼ全体に沿って延長するのに十分である。ボードは、一般的に直立の部分及び上部で形成される。該上部は、内側及び上方へ傾けられ、よりよく患者の腕を制限するわずかなチャネル形状を形成する。ボードは、取付板(45)に取り付けられ、該取付板(45)は、側端面(46)及び(47)ならびに側端面(48)を備えた平面プレートである。プレート(45)は、フランジ部(49)を含んでおり、該フランジ部(49)は、プレートから上方へ立ち上がっており、エッジ(46)と(47)の間のプレートの長さと等しい長さを有する。フランジ部(49)の最上部に、ボード(42)は、不可欠な接続部として取り付けられるが、ボードは、フランジ(49)前側から前端部(44)に延出する。従って、プレート(45)は距離的に制限され、その結果、前端部(47)がボードの前端部(44)から奥まって配される。プレート(45)の長さは、マットレスと平面支持部(12)の間の患者の真下にプレート(45)が挿入され得るようになっており、その結果、プレートは患者の重量によって挟まれ、その患者の重量は、長手方向又は側面外側への動きに対して適所にボードを保持する。取付板(45)の長さは、しかしながら、それがちょうどマットレスの端部(26)の向こう側の位置で終了するように制限され、その結果、プレートは、スリーブ(33)の下、或いはコイル(32)のエリアへ延出しない。従って、腕部支持ボード(42)は、このプレートから前方に片持ち梁で形成される。そして、プレート自体は、コイルによって定義されるイメージングのエリアへ入らない。もちろん、コイルは、磁気共鳴イメージングシステム、及びX線システムの両方において適切にイメージングされるべき胸部において、患者の部分のための所要位置に配される。
【0097】
コイル(32)が除去される場合、磁石が除去され、X線システムが適所へ移動されると共に、患者がマットレスの定位置に横たわることができ、アーム係合部材(40)と(41)に囲まれた状態にあるように、アームボードは適所に留まる。したがって、X線処理が行なわれ、X線処理を干渉しない位置に取り付け板(45)が位置する間に、ボードは適所に患者を保持する。図3と5に示されるように、胸のX線イメージングの間に、患者の頭はプレート部(51)の上に備え付けられるマットレス拡張部(50)上で容易に支持される。このプレート部は、支持部(12)の幅よりも僅かに小さい幅を有する。したがって、プレート部(51)は後縁部(51A)と、平衡先端(51B)を含む。プレート部はまた、ケーブル(36)の反対側に片面端部(51C)を含む。ケーブル(36)には、ケーブル(36)が挿入される収納部(51E)を含む、片面端部(51D)を提供する。マットレス部(50)はまた、端部(51A)と一致する後縁部(50A)を含む。マットレス部(50)はまた、平衡先端(51B)と側端面(50C)とに一致する先端(50B)、及び片面端部(51C)と(51D)と一致する(50D)を含む。またしたがって、マットレス部は、ケーブルが挿入される収納部(51E)を含む。プレート(51)は、その側端面でプレート部(17)上を滑るためのスロットを形成する、1組のガイド(52)と(53)上に運ばれる。したがって、プレート(51)はプレート部(17)の頂部上で滑り、ネジ留め金具(54)と共に下側にあるスロットガイドにより適所で保持される。ネジ留め金具(54)は、支持板(51)がマットレスの端部の適所にあることを確実にするため、プレート部(17)の端部を挟む。その後、マットレス部(50)はプレート部(51)の上に置かれる。マットレス(18)とマットレス部(50)は、取り付けられる支持部(12)の部品に適した位置に位置する、鉤状及び輪状のファスナーストリップ(56)により、適所に都合よく保持される。マットレスはこのようにして、マットレスが片側に滑る危険がない、マットレスの頂部上で患者を動かすことを可能にする適所に適切に保持される。したがって図3に示されるように、イメージングが胸エリアで行なわれる場合、患者の頭は、クッション又は所望の他の快適なレセプタクルにより補われてもよいマットレス部(50)に、容易に乗る。
【0098】
今、図6と7を参照すると、テーブルは、頭のイメージング用に構成された、これらの図に示される。頭のイメージング中に、胸コイルはもちろん完全に除去される。さらに、プレート(51)とマットレス部(50)も、頭のイメージングのため、頭のより効果的で正確な支持を可能にするよう除去される。したがって、(70)で一般的に示された頭支持、及び前方部分(72)と後方部分(73)を含む頭コイル(71)が提供される。頭支持(70)は、患者の後頭部を受け、イメージング工程中、常に支持された頭を保持するよう形作られた、チャネル部材(74)を備える。頭支持(74)は、単純なチャネルを備えるか、頭をより効果的に適所に保持するための皮ひもを備えた、柔軟なレセプタクル部を備えることができる。どちらかのタイプの頭支持は、プレート(51)に関して前述されたものと同じ方法で、プレート(17)の端部上に係合する底部スロット部(77)と(78)を備えた、スロット型の取り付け部材(76)上に備え付けられた、ブラケット(75)に取り付けられる。したがって、スロット型の取り付け部材(76)は適所へと滑り、締結固定ねじ(79)により適所に固定されることができる。適所にあると、取り付け部(76)の前端(80)は、プレート部(17)の底部の支持(12)の端部(16)に対して接合する。チャネル部材(74)は、したがって、取り付けブラケット(75)から、先端(82)まで前方に片持ち梁が形成される。先端(82)は、ブラケットの前に前に間隔を置かれた先端(82)まで前方に、及びプレート(17)に重なる位置への端部(16)の前方に間隔を置かれるが、プレート17から上方に間隔を置かれる。
【0099】
後部のコイル部(73)は、チャネル部材(74)のほぼ外面に続く曲線状の上部表面(73A)を含み、その結果、患者の頭を長手方向に滑る動作中にチャネル部材(74)の下側を通り抜けることができる。
【0100】
その形が滑り動作の発生を可能にする十分な隙間を提供する形を供給するなら、表面(73A)の形とチャネル(74)の底面は緊密に正確である必要がないことが認識される。しかしながら、チャネル部材(74)が頭の重さを支持するのに十分に強い薄い物質から作られ、表面(73A)が支持チャネル(74)の後表面にほぼ近接するように、コイルが患者の頭の後部にできるだけ接近していることが好ましい。
【0101】
後部コイル(73)は、取り付け部(75)とそのスロット型取り付け部(77)の向こうの位置でプレート部(17)上を滑るために、スロット型取り付け部(86)も含む支持ブラケット(85)上に備え付けられる。したがって、図6の中で最も良く示されるように、頭支持チャネル(74)は後部コイル(73)の内部に位置し、取り付けブラケット(75)と(85)は、その両方がブラケット(57)の前の取り付けブラケット(85)を備えたプレート(17)上へ適合するように配置される。したがって、ブラケット(75)は適所に留まることができ、支持部(73)は、後部コイル部が適所へ移動されるか、適所から取り除かれる間、患者の頭を保持できる。
【0102】
一般的な構造として適所に滑リ込むことができるように、又は後部コイル部が既に導入された場合に後部コイル部から除去又はその上に位置できるように、前部コイル部は後部コイル部に取り付けられる。
【0103】
図7に示されるように、後部コイル部(73)の後表面と、後部コイル部がブラケットから取り除かれることを可能にするブラケット(85)の頂部の間に、スライドする相互連結部がある。
【0104】
患者取り扱いシステムは従って、以下の鍵となる構成、患者テーブル(11)、頭部保持具(73)、MRイメージングコイルを含む。鍵となる構成の統合を含むシステムは、十分な画質とワークフローを維持する間、MRI及びX線イメージング診断療法の両方でイメージングすること許容するため、特別に設計される。
【0105】
患者テーブルは、患者がMR及びX線イメージング診断療法の両方でスキャンされることを可能にするように設計されている。患者テーブルは2つの主な構成、テーブル器台とテーブルトップで構成される。テーブルトップは完全にMR及びX線に適合性があり、テーブル器台は、MRスキャン中にイメージングの質に逆効果を与えない(即ち、磁界の均質性に影響を与えない)。器台はまた、磁界から著しい力を受けない。テーブルトップは、テーブル器台(またX線に適合性がない)がイメージング部位から十分に離れた距離にあるように位置する。テーブルトップは頭部保持具、アームボード及びMRイメージングコイルを統合する。
【0106】
頭部保持具は、手術の間に患者の頭を支持し、またMR及びX線に適合性がなければならない。頭部保持具は、位置して除去するのに非常に効率的な方法で、患者テーブルに統合する。MRイメージング頭部コイルも頭部保持具に統合され、容易にイメージング部位に位置し、また容易に除去される。
【0107】
MRイメージングコイルは、身体の他の領域のイメージング(例えば、胸をイメージングするための心臓のコイル)用のコイルと同様、頭部コイル(頭及び上部背骨のイメージング用)からも成る。MRコイルは、X線に適合性はなく、したがって患者を動かし干渉する必要なく、イメージング診断療法の間に切り替える場合のイメージング領域に位置され、そこから除去される。例は、心臓のイメージングに使用されるMRコイルであり、MRコイルは前部コイル(患者の胸の上に置かれる)と後部コイル(患者の背中の真下に置かれる)から成る。前部コイルは、容易に患者に乗せることができ、後部コイルは様々な選択肢、例えばテーブルトップの下、テーブルトップの構造内、又はテーブルトップの頂部へ統合され、また後部コイルをテーブルトップのマットレスに統合することを含む。これら全ての方法は、コイルが容易に、効率的に位置付けられ、次に除去領域から取り除かれるように、設計される。
【0108】
特定の医療手術中に、X線及びMRイメージング診断療法の両方は、手術の間の別々の時間に利用されてもよい。MRIコイルがX線に適合性がないため、MRI及びX線イメージングの間で切り替わる場合に、速く容易にコイルの位置を決め、除去することが必要である。手術の間に固定位置に患者を留めることが必要な場合については、イメージングコイルはまた、任意の方法で保持具又は患者を動かさず、又は移動させずに、位置付けされ、除去されねばならない。例えば、頭蓋の手術は、全体の手術の間に患者の頭を固着するため、頭部保持具を使用する。MRイメージング頭部コイルは、任意の方法で、頭部保持具又は患者の頭を移動させずに、頭部保持具のまわりで容易に位置付けされる。二つ目の例は、胸/腹部のイメージングを要求する手術である。前部コイルは、患者の頂部に位置してもよく、後部コイルは、テーブルトップのマットレスの中、テーブルトップ自体の、又はテーブルトップの下のスロット又は穴へ位置付けられる。後部コイルの位置を決める全ての方法は、患者のため一定の位置を維持する。
【0109】
患者テーブルは、MR及びX線に完全に適合性があるテーブルトップから成る。テーブルトップはまた、任意の方法で患者を動かさずに又は移動させずに、コイルを位置付けて除去する特別な特徴で、頭部コイルや心臓のコイルのような様々なMRイメージングコイルの統合を可能にする。コイル統合は、テーブルトップ自体の中、又はテーブルトップのマットレス内のスロット又は空洞を含むことができる。或いは、コイルはまた、取り付けブラケット又は棚構成を通じて、テーブルの真下に位置することができる。
【0110】
特別な空洞挿入装置はまた、MRイメージングコイルが適所にない場合に、テーブルトップかマットレスの中の空間を満たすために含まれ、このことにより追加の構造的強度が提供される。
【0111】
イメージングコイルと空洞挿入部の間で切り替わる場合に、追加の剛性を提供するために、テーブル/マットレス中のコイル空洞の周りに補強物質が提供される。或いは空洞は、空気注入式のポケットが並んでもよく、空気注入式のポケットは、膨張により空洞挿入と取り替えるためコイルを容易に挿入し、除去するのに十分なだけ者を持ち上げる。テーブルトップはまた、頭部保持具の位置を用意に決め、除去する手段を含む。この手段は、テーブルトップのヘッドエンドの周りの頭部又は出っ張りを含む。そこでは、頭部保持具は一致する接合部分と共に滑ることができる。イメージング頭部コイルはまた、この方法でテーブルに統合される。
【0112】
頭部保持具とテーブル補助器具は、手術の間頭を固着する頭部保持具と、頭部保持具を患者テーブルに固着するテーブル補助器具を含み、また頭部保持具の位置/配向を調節する手段を提供する。全体の組み立て部は、完全にMR及びX線に適合性がある。患者の頭を固定する手段は様々で、馬蹄形の頭部保持具、吊り包帯/サスペンダー状の頭部保持具、及び頭部収容部を含む。馬蹄形の頭部保持具は、ゲル、フォーム、又は空気で膨らんだ枕により緩和される剛性フレームを含み、患者の側頭部と頭頂部は、ストラップ、又はサイドクッションにより支持されてもよい。フレームはまた、頭のサイズの大きな範囲に対応するため、調整可能でもよい。吊り包帯/サスペンダー状の頭部保持具は、後頭部と側頭部を支持する吊り包帯に形成される軟質材(例えば織物)から成る。頭頂部は、織物ストラップで支持されてもよい。フォームの詰め物は、テーブル補助器具が吊り包帯/サスペンダー状の頭部保持具に結合する、頭を緩和する吊り包帯の横にある物質の層の間に挿入することができる。頭部収容部は、患者の頭と首を受け台に載せるスコップ型の装置であり、又は患者の頭の後部を緩和(快適さのために)し、また患者が左右に頭を移動させることを妨げる、泡又は膨張自在の空気枕を含む。膨張自在の枕の1つの追加の特徴は、枕が頭を僅かに下げるように収縮されることができる事であり、その結果枕は、患者の頭の真下に直接位置するMRイメージング頭部コイルの部分に、より一層近くなり、MR画像品質を高める。テーブル補助器具は、頭部保持具の正面(患者の頭に最も接近している)、頭部保持具の後ろ(患者テーブルから最も離れている)、頭部保持具の側面に沿って、又は頭部保持具の頂部に沿ってというような様々な配向で、頭部保持具に接続できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の一部の磁気共鳴イメージングで使用される装置であって、
前記装置は、
患者支持テーブルと、
患者の真下の位置の後部コイル部を含むMRイメージングで使用されるRFコイルと、
を備え、
前記患者支持テーブルは、イメージング室内の所定位置に備え付けるためのテーブル支持ベースを備え、
前記患者支持テーブルは、イメージングのために露出した患者の部分を備える患者を構造的に支持するための上部患者支持部を備え、
前記患者支持テーブルの前記上部患者支持部は、磁石の一端から磁石のイメージングゾーンまでのMRI磁石のボアの中へ延出するように、長手方向に前記テーブル支持ベースから片持ち梁で形成され、
前記装置はさらに、
前記患者支持部上に貼り付けられたマットレスを備え、
前記上部患者支持部及び前記マットレスは、イメージングの前、間及び後において患者を完全に支持するように配されており、
前記後部RFコイル部は、患者の動きなしで患者が完全に支持される間、イメージングされるべきであり且つ作業位置から取り出されるべき患者の真下の作業位置へ後部コイル部が挿入され得るように、前記患者支持部及び前記マットレスに関連して配されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記後部コイルのために、前記患者支持部及び前記マットレスのうち1つ又は両方にレセプタクルが提供されることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記レセプタクルが前記マットレスに提供されることを特徴とする請求項2記載の装置。
【請求項4】
患者の頭部及び上部胴体が、イメージングの前、間及び後において支持されたままであることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の装置。
【請求項5】
患者の一部の磁気共鳴イメージングで使用される装置であって、
前記装置は、
患者支持テーブルと、
上部胴体の真下の位置の後部コイル部を含む、患者の上部胴体のMRイメージングで使用されるRFコイルと、
を備え、
前記患者支持テーブルは、イメージング室内の所定位置に備え付けるためのテーブル支柱ベースを備え、
前記患者支持テーブルは、イメージングのために露出した患者の部分を備える患者を構造的に支持するための上部患者支持部を備え、
前記患者支持テーブルの前記上部患者支持部は、磁石の一端から磁石のイメージングゾーンまでのMRI磁石のボアの中へ延出するように、長手方向に前記テーブル支持ベースから片持ち梁で形成され、
前記装置はさらに、
患者と接触させるための上部表面を有する、前記患者支持部上に貼り付けられたマットレスと、
前記後部コイル部を収容するための前記患者支持部及び前記マットレスのうち1つ又は両方にあるレセプタクルと、
を備え、
前記レセプタクルは挿入用開口部を有し、前記挿入用開口部は,前記支持部上の適所に前記マットレスがあり、及び前記マットレス上の適所に患者があるように位置し、且つ配され、そして前記開口部が上部表面の下部に露出されていることを特徴とする装置。
【請求項6】
前記コイルが水平方向の動きによって前記開口部を通って前記レセプタクルへ挿入されるように、前記開口部が端部にあることを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項7】
開口部が、一つの側面端部にあることを特徴とする請求項5又は6記載の装置。
【請求項8】
前記レセプタクルが前記マットレスに提供されることを特徴とする請求項5、6又は7いずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記マットレスの前記レセプタクルの位置に提供される補強材スリーブを備え、
前記レセプタクルの中へ後部コイル部が挿入され、前記補強材スリーブは、取り除かれる前記後部コイル部とともに患者の支持を提供することを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記後部コイル部が使用されない場合、前記マットレスの前記レセプタクルの中への挿入のために提供される置換挿入部を備えることを特徴とする請求項8又は9記載の装置。
【請求項11】
前記レセプタクルが、実質的に前記マットレスの全幅に亘って延出することを特徴とする請求項8、9又は10いずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記レセプタクルが、前記レセプタクル上の前記マットレスの厚みの一部を備え、前記マットレスの前記厚みを部分的に通って延出することを特徴とする請求項8乃至11いずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記レセプタクルが、前記マットレスの前方端部に位置することを特徴とする請求項8乃至12いずれかに記載の装置。
【請求項14】
患者が前記マットレス上にうつぶせで横たわる間に、前記マットレス上の患者の腕の1つそれぞれをはめこみ、保つために、患者支持部のそれぞれの側に各々配された1対の腕係合部材を備え、
前記腕係合部材の夫々は、伸長プレート部を備え、前記伸長プレート部は、患者の腕と隣接する最後縁部及び患者の肩と隣接する最前縁部を備え、前記マットレスの側面に沿って延出し、且つ患者の腕を内部に保持するためにそこから上方へ立ち上がるように配され、
前記腕係合部材の夫々は、取付板を備え、前記取付板は、前記伸長プレート部に接続され、前記テーブルの前記患者支持部の側面で適所に腕係合位置を保持するために、前記マットレスと前記テーブルの前記患者支持部との間の前記伸長プレート部へ、一般的に直角で延出するように配され、
前記取付板は、前記伸長プレート部の最前端部から後方へ間隔を空けられた最前端部を有しており、前記取付板が患者の上部胴体から間隔を空けられた位置で前記テーブルの前記患者支持部上に全体的に配され、前記後部コイル部が前記取付板の正面の前記レセプタクルの中へ挿入され得るように配される
ことを特徴とする請求項5乃至13いずれかに記載の装置。
【請求項15】
患者の一部の磁気共鳴イメージングで使用される装置であって、
前記装置は、
患者支持テーブルと、
患者の真下の位置の後部コイル部を含む、患者の頭部のMRイメージングで使用されるRFコイルと、
を備え、
前記患者支持テーブルは、イメージング室内の所定位置に備え付けるためのテーブル支持ベースを備え、
前記患者支持テーブルは、イメージングのために露出した患者の部分を備える患者を構造的に支持するための上部患者支持部を備え、
前記患者支持テーブルの前記上部患者支持部は、磁石の一端から磁石のイメージングゾーンまでのMRI磁石のボアの中へ延出するように、長手方向に前記テーブル支持ベースから片持ち梁で形成され、
前記装置はさらに、
患者と接触させるための上部表面を有する、前記患者支持部上に貼り付けられたマットレスと、
前記テーブルに接続され、且つ患者の頭部を係合及び支持するための上部支持表面を定義する頭部支持部材と、
を備え、
前記後部コイル部は、前記頭部支持部材の前記上部支持表面の真下の作業位置へ挿入され且つ前記作業位置から取り除かれるように形成され配される
ことを特徴とする装置。
【請求項16】
前記頭部支持部材が、チャネル部を備え、
前記チャネル部は、患者の頭部の後側周囲を杯状にするための上部チャネル形成表面及び下部チャネル形成表面を有し、
前記後部コイル部は、前記チャネル部の前記下部チャネル形成表面の真下近くの位置のチャネル形成内側表面を含む
ことを特徴とする請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記チャネル部が、前記テーブルの前記患者支持部で連結部材から片持ち梁で形成されることを特徴とする請求項16記載の装置。
【請求項18】
前記連結部材が、前記テーブルの前記患者支持部から取外し可能であることを特徴とする請求項17記載の装置。
【請求項19】
前記テーブルの前記患者支持部が、外側へ突出する端部を含んでおり、
前記連結部材が、前記端部の縁上へ係合部を滑らせるためのクランプ部を含んでいることを特徴とする請求項17又は18記載の装置。
【請求項20】
前記後部コイル部が、前記連結部材の前記クランプ部と平行して前記端部の縁上へ係合部を滑らせるためのクランプ部を含んでいることを特徴とする請求項19記載の装置。
【請求項21】
取り除かれる前記頭部支持部材を用いての使用のために提供される頭部支持プレート及びマットレス部を備え、
前記頭部支持プレートは、前記端部の縁上へ係合部を滑らせるためのクランプ部を含んでいることを特徴とする請求項19又は20記載の装置。
【請求項22】
患者の一部の磁気共鳴イメージングで使用される患者支持テーブルであって、
前記患者支持テーブルは、
イメージング室、及びその上で患者がイメージングのために患者の部分を露出して横たわることができる上部患者支持部の一定位置に備え付けるためのテーブル支持ベースと、
磁石の一端から磁石のイメージングゾーンまでのMRI磁石のボアの中へ延出するように、軸の長手方向に前記テーブル支持ベースから片持ち梁で形成される患者支持テーブルの前記上部患者支持部と、
前記患者支持部上に貼り付けられたマットレスと、
を備え、
前記患者支持部は、強化用繊維によって強化された樹脂材料から形成され、
前記強化用繊維は、非導電性であることを特徴とするテーブル。
【請求項23】
患者の上部胴体のイメージングで使用される患者支持テーブルであって、
前記患者支持テーブルは、
イメージング室、及びその上で患者がイメージングのために患者の部分を露出して横たわることができる上部患者支持部の一定位置に備え付けるためのテーブル支持ベースと、
磁石の一端から磁石のイメージングゾーンまでのMRI磁石のボアの中へ延出するように、軸の長手方向に前記テーブル支持ベースから片持ち梁で形成される患者支持テーブルの前記上部患者支持部と、
前記患者支持部上に貼り付けられたマットレスと、
患者が前記マットレス上にうつぶせで横たわる間に、前記マットレス上の患者の腕のそれぞれの1つをはめこみ、保つために、患者支持部のそれぞれの側に各々配された1対の腕係合部材と、
を備え、
前記腕係合部材の夫々は、伸長プレート部を備え、前記伸長プレート部は、患者の腕と隣接する最後縁部及び患者の肩と隣接する最前縁部を備え、また前記マットレスの側面に沿って延出し、且つ患者の腕を内部に保持するためにそこから上方へ立ち上がるように配され、
前記腕係合部材の夫々は、取付板を備え、前記取付板は、前記伸長プレート部に接続され、前記テーブルの前記患者支持部の側面で適所に腕係合位置を保持するために、前記マットレスと前記テーブルの前記患者支持部との間の前記伸長プレート部へ、一般的に直角で延出するように配され、
前記取付板は、前記伸長プレート部の最前端部から後方へ間隔を空けられた最前端部を有しており、前記取付板が患者の上部胴体から間隔を空けられた位置で前記テーブルの前記患者支持部上に全体的に配される
ことを特徴とするテーブル。
【請求項24】
前記取付板は、前記取付板に接続され且つ前記伸長プレート部へ上方に延出する垂直部に接続されることにより、前記取付板から高い位置で前記伸長プレート部を保持し、
前記垂直部は、前記取付板と隣接する最前端部を有していることを特徴とする請求項23記載の装置。
【請求項25】
MRイメージングで使用される患者の真下の位置へ、RFコイルの後部コイル部を収容するための前記患者支持部及び前記マットレスのうち一つ又は両方に提供されるレセプタクルを備え、
その前記最前端部が前記レセプタクルから後方に間隔を空けられているように、前記取付板が配されることを特徴とする請求項23又は24記載の装置。
【請求項26】
前記レセプタクルが、マットレスに提供されることを特徴とする請求項25記載の装置。
【請求項27】
前記レセプタクルへの開口部が、前記マットレスの一つの側面縁部にあり、これにより、前記コイルは、水平方向の動きによって、前記開口部を通って前記レセプタクルへ挿入されることを特徴とする請求項26記載の装置。
【請求項28】
患者の一部の磁気共鳴イメージングで使用される装置であって、
前記装置は、
患者支持テーブルと、
患者の真下の位置の後部コイル部を含むMRイメージングで使用されるRFコイルと、
を備え、
前記患者支持テーブルは、イメージング室内の所定位置に備え付けるためのテーブル支持ベースを備え、
前記患者支持テーブルは、イメージングのために露出した患者の部分を備える患者を構造的に支持するための上部患者支持部を備え、
前記患者支持テーブルの前記上部患者支持部は、磁石の一端から磁石のイメージングゾーンまでのMRI磁石のボアの中へ延出するように、長手方向に前記テーブル支持ベースから片持ち梁で形成され、
前記装置はさらに、
前記患者支持部上に貼り付けられたマットレスを備え、
前記マットレスは、前記患者支持部の一つの側面に沿った一つの側面縁部を有し、
前記後部コイル部は、前記マットレスの真下に位置しており、
前記後部コイル部は、前記一つの側面縁部にあるケーブルを備えた磁気共鳴イメージングのコントロールのために、前記後部コイル部からコントロールシステムまでのRF信号の通信用のケーブルを含み、
前記ケーブルは、前記一つの側面縁部に隣接する前記後部コイル部に接続され、
しかし、前記ケーブルは、前記一つの側面縁部から奥まった前記マットレスの端部で前記後部コイル部から表れ、前記一つの側面縁部を越えて外側に突出することなしに前記マットレスの上の前記後部コイル部から通過するように配される
ことを特徴とする装置。
【請求項29】
前記ケーブルが、その前方端部で前記後部コイル部に接続され、前記ケーブルが前記一つの側面縁部に直に隣接する前記マットレスの最前端部で前記後部コイル部から表れるように配されることを特徴とする請求項28記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−521749(P2011−521749A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511942(P2011−511942)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【国際出願番号】PCT/CA2009/000673
【国際公開番号】WO2009/146522
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(510318860)イムリス インク. (7)
【Fターム(参考)】