説明

磁気共鳴イメージング装置

【課題】代謝物スペクトルの位相の補正精度を向上させる。
【解決手段】代謝物シーケンスMのRFパルスP、P、およびPの送信周波数fを、観測したい代謝物の化学シフトに基づいて、2.6ppmに対応する周波数に設定する。一方、水シーケンスWのRFパルスP11、P12、およびP13の送信周波数fを、水の化学シフト4.7ppmに対応する周波数に設定する。このように送信周波数を設定して代謝物シーケンスMおよび水シーケンスWを実行し、水スペクトルを用いて、代謝物スペクトルの位相を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、代謝物スペクトルを取得する磁気共鳴イメージング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生体内の微少な代謝物のスペクトルを観測し、画像化することができるMRSI(Magnetic
Resonance Spectroscopic Imaging)が普及している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-346779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図5は、代謝物スペクトルを取得するために使用される代謝物シーケンスの一例を示す図、図6は、代謝物シーケンスの励起領域の一例を示す図である。図6では、頭部のアキシャル断面内での励起領域Rが示されている。
【0005】
代謝物シーケンスMは、RFパルスP、P、およびPを有している。これらのRFパルスP、P、およびPの送信周波数fは、観測したい代謝物の化学シフトによる周波数のずれを考慮して設定される。例えば、代謝物として、NAA(N-acetyl-L-aspartate)およびコリン(choline)を観測したい場合、RFパルスP、P、およびPの送信周波数fは、NAAの化学シフト(2.00ppm)とコリンの化学シフト(3.2ppm)との中間値2.6ppmに対応する周波数に設定される。
【0006】
尚、頭部は、脳室などに大量の水を含んでいるので、代謝物の信号と一緒に水の信号も収集してしまうと、代謝物のスペクトルのピークが水のスペクトルのピークの裾野に隠れてしまい、代謝物を観測できなくなる。そこで、代謝物シーケンスMは、水の信号を抑圧するための水抑圧用シーケンス部Mを有している。水抑圧用シーケンス部Mに含まれる水抑圧用RFパルスPの送信周波数fは、水の化学シフト4.7ppmに対応する周波数に設定されている。したがって、水抑圧用シーケンス部Mによって、水の信号を抑制することができ、励起領域Rの代謝物スペクトルを観測することができる。
【0007】
ただし、観測される代謝物スペクトルは、渦電流などが原因で、位相が変動してしまうので、位相を補正する必要がある。そこで、水スペクトルを用いて代謝物の位相を補正する方法が知られている(Klose U,In vivo proton
spectroscopy in presence of eddy currents. Magn Reson Med. 1990 Apr;14(1):26-30)。
【0008】
図7は、水スペクトルを取得するための水シーケンスの一例を示す図である。
図7に示す水シーケンスWは、図5に示す代謝物シーケンスMから水抑圧用シーケンス部Mを除くことにより得られる水シーケンスWを示す図である。図7に示す水シーケンスWは、水抑圧用シーケンス部Mが除かれているので、水シーケンスWを実行することにより、水スペクトルを取得することができる。したがって、取得した水スペクトルを用いて、代謝物スペクトルの位相を補正することができる。
【0009】
しかし、図7に示す水シーケンスWにより取得した水スペクトルを用いて代謝物スペクトルの位相を補正すると、以下の問題がある。
【0010】
図8は、問題点を説明する図である。
水シーケンスWは、図5に示す代謝物シーケンスMから、水抑圧用シーケンス部Mを除くことによって得られたシーケンスである。したがって、水シーケンスWのRFパルスP、P、およびPの送信周波数fは、観測したい代謝物の化学シフトに基づいて設定された値(2.6ppm)になっている。しかし、水の化学シフトは4.7ppmであるので、水シーケンスWを実行した場合、化学シフトの違いによって、水スペクトルが得られる励起領域Rは、代謝物スペクトルが得られる励起領域Rからずれてしまう。この場合、励起領域Rと励起領域Rとの間の位置ずれによって、代謝物スペクトルの位相の補正精度が悪くなってしまうという問題がある。したがって、代謝物スペクトルの位相の補正精度を向上させることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様は、所定の領域を励起する第1のRFパルスを用いて前記所定の領域に含まれる代謝物のスペクトルを得るための第1のシーケンスと、前記所定の領域を励起する第2のRFパルスを用いて前記所定の領域に含まれる水のスペクトルを得るための第2のシーケンスとを実行し、前記水のスペクトルに基づいて、前記代謝物のスペクトルの位相を補正する磁気共鳴イメージング装置であって、
前記第1のRFパルスの送信周波数は、前記代謝物の化学シフトに対応する周波数に設定されており、
前記第2のRFパルスの送信周波数は、前記水の化学シフトに対応する周波数に設定されている、磁気共鳴イメージング装置である。
【0012】
本発明の第2の態様は、所定の領域を励起する第1のRFパルスを用いて前記所定の領域に含まれる複数の代謝物のスペクトルを得るための第1のシーケンスと、前記所定の領域を励起する第2のRFパルスを用いて前記所定の領域に含まれる水のスペクトルを得るための第2のシーケンスとを実行し、前記水のスペクトルに基づいて、前記複数の代謝物のスペクトルの位相を補正する磁気共鳴イメージング装置であって、
前記第1のRFパルスの送信周波数は、前記複数の代謝物の化学シフトの基準値に対応する周波数に設定されており、
前記第2のRFパルスの送信周波数は、前記水の化学シフトに対応する周波数に設定されている、磁気共鳴イメージング装置である。
【発明の効果】
【0013】
第1のRFパルスの送信周波数を、代謝物の化学シフト(又は複数の代謝物の化学シフトの基準値)に対応する送信周波数に設定し、第2のRFパルスの送信周波数を、水の化学シフトに対応する送信周波数に設定することによって、代謝物の化学シフトと水の化学シフトの違いによる励起領域の位置ずれを低減することができる。したがって、代謝物スペクトルの位相の補正精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一形態の磁気共鳴イメージング装置の概略図である。
【図2】被検体を撮影するときに実行されるシーケンスの説明図である。
【図3】図2に示すシーケンスを用いて代謝物スペクトルの位相を補正するときのフローを示す図である。
【図4】位相補正の結果を示す図である。
【図5】代謝物スペクトルを取得するために使用される代謝物シーケンスの一例を示す図である。
【図6】代謝物シーケンスの励起領域を示す図である。
【図7】水スペクトルを取得するための水シーケンスの一例を示す図である。
【図8】問題点を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、発明を実施するための形態を説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
【0016】
図1は、本発明の一形態の磁気共鳴イメージング装置の概略図である。
磁気共鳴イメージング装置(以下、「MRI装置」と呼ぶ。MRI:Magnetic Resonance Imaging)100は、磁場発生装置2、テーブル3、受信コイル4などを有している。
【0017】
磁場発生装置2は、被検体12が収容されるボア21と、超伝導コイル22と、勾配コイル23と、送信コイル24とを有している。超伝導コイル22は静磁場B0を印加し、勾配コイル23は勾配磁場を印加し、送信コイル24はRFパルスを送信する。尚、超伝導コイル22の代わりに、永久磁石を用いてもよい。
【0018】
テーブル3は、クレードル31を有している。クレードル31は、ボア21内に移動できるように構成されている。クレードル31によって、被検体12はボア21に搬送される。
【0019】
受信コイル4は、被検体12の頭部に取り付けられている。受信コイル4は、被検体12からの磁気共鳴信号を受信する。
【0020】
MRI装置100は、更に、シーケンサ5、送信器6、勾配磁場電源7、受信器8、中央処理装置9、操作部10、および表示部11を有している。
【0021】
シーケンサ5は、中央処理装置9の制御を受けて、被検体12を撮影するための情報を送信器6および勾配磁場電源7に送る。
【0022】
送信器6は、シーケンサ5から送られた情報に基づいて、RFコイル24を駆動する駆動信号を出力する。
【0023】
勾配磁場電源7は、シーケンサ5から送られた情報に基づいて、勾配コイル23を駆動する駆動信号を出力する。
【0024】
受信器8は、受信コイル4で受信された磁気共鳴信号を信号処理し、信号処理により得たれたデータを中央処理装置9に出力する。
【0025】
中央処理装置9は、シーケンサ5および表示部11に必要な情報を伝送したり、受信器8から受け取ったデータに基づいて画像を再構成するなど、MRI装置100の各種の動作を実現するように、MRI装置100の各部の動作を制御する。中央処理装置9は、例えばコンピュータ(computer)によって構成される。中央処理装置9は、スペクトル作成手段91および位相補正手段92などを有している。
【0026】
スペクトル作成手段91は、代謝物シーケンスM(図2参照)により得られたデータに基づいて代謝物スペクトルを作成し、水シーケンスW(図2参照)により得られたデータに基づいて、水スペクトルを作成する。
【0027】
位相補正手段92は、スペクトル作成手段91により作成された水スペクトルに基づいて、代謝物スペクトルの位相を補正する。
【0028】
操作部10は、オペレータ13により操作され、種々の情報を中央処理装置9に入力する。表示部11は種々の情報を表示する。
【0029】
MRI装置100は、上記のように構成されている。
次に、被検体12を撮影するときに実行されるシーケンスについて説明する。
【0030】
図2は、被検体を撮影するときに実行されるシーケンスの説明図である。
本形態では、代謝物シーケンスM、および水シーケンスWが実行される。以下に、代謝物シーケンスM、および水シーケンスWについて順に説明する。
【0031】
(1)代謝物シーケンスMについて
代謝物シーケンスMは、代謝物スペクトルを取得するためのシーケンスである。代謝物シーケンスMは、図5に示すシーケンスと同じであり、RFパルスP、P、およびPの送信周波数fは、観測したい代謝物の化学シフトを考慮して決定される。例えば、観測したい代謝物がNAAの場合、NAAの化学シフトCSNAAはCSNAA=2.0ppm程度の値であるので、RFパルスP、P、およびPの送信周波数fは、2.0ppmに対応する周波数に設定される。また、観測したい代謝物がコリンの場合、コリンの化学シフトCSはCS=3.2ppm程度の値であるので、RFパルスP、P、およびPの送信周波数fは、3.2ppmに対応する周波数に設定される。
【0032】
また、複数の代謝物を観測したい場合は、観測したい複数の代謝物の化学シフトの基準値CSrefに基づいて決定される。化学シフトの基準値CSrefは、例えば、以下の式(1)で表すことができる。
CSref=観測したい複数の代謝物の化学シフトの最大値CSmaxと最小値CSminとの中間値
=(CSmax+CSmin)/2 ・・・(1)
【0033】
例えば、観測したい複数の代謝物の中で、化学シフトの最大値CSmaxがコリンの化学シフト(3.2ppm)であり、化学シフトの最小値CSminがNAAの化学シフト(2.0ppm)の場合、式(1)は、以下の式(2)で表される。
CSref=(3.2ppm+2.0ppm)/2
=2.6ppm ・・・(2)
【0034】
したがって、コリンおよびNAAを観測したい場合は、代謝物シーケンスMの送信周波数fは、2.6ppmに対応する周波数に設定される。図2では、代謝物シーケンスMの送信周波数fが、2.6ppmに対応する周波数に設定された例について示されている。
【0035】
次に、水シーケンスWについて説明する。
(2)水シーケンスWについて
水シーケンスWは、3つのRFパルスP11、P12、およびP13を有している。これらのRFパルスP11、P12、およびP13の送信周波数fは、水の化学シフト(4.7ppm)に対応する周波数に設定される。したがって、代謝物の化学シフトと、水の化学シフトとの違いによって、水シーケンスWの送信周波数fは、式(3)に示すように、代謝物シーケンスMの送信周波数fに対して、Δfだけずれることになる。
=f+Δf ・・・(3)
【0036】
例えば、観測したい代謝物が1つの場合、周波数のずれ量Δfは、以下の式(4)で表される。
Δf=CSwater−CS ・・・(4)
ここで、CSwater:水の化学シフト
CS:観測したい代謝物の化学シフト
【0037】
例えば、観測したい代謝物がNAAであるとする。水の化学シフトは4.7ppm、NAAの化学シフトは2.0ppm程度の値であるので、周波数のずれ量Δfは、以下の式(5)で表される。
Δf=4.7ppm−2.0ppm
=2.7ppm ・・・(5)
【0038】
したがって、式(5)に示すように、水シーケンスWの送信周波数fを、代謝物シーケンスMの送信周波数fに対して2.7ppmだけずらすことによって、励起領域Rと励起領域Rとの位置ずれを十分に小さくすることができる。
【0039】
また、観測したい代謝物がコリンの場合、コリンの化学シフトは3.2ppm程度の値であるので、式(4)は、以下の式(6)で表される。
Δf=4.7ppm−3.2ppm
=1.5ppm ・・・(6)
【0040】
したがって、式(6)に示すように、水シーケンスWの送信周波数fを、代謝物シーケンスMの送信周波数fに対して1.5ppmだけずらすことによって、励起領域Rと励起領域Rとの位置ずれを十分に小さくすることができる。
【0041】
また、観測したい代謝物が複数の場合、式(3)のΔfは、以下の式(7)で表される。
Δf=CSwater−CSref ・・・(7)
ここで、CSwater:水の化学シフト
CSref:観測したい複数の代謝物の化学シフトの基準値
【0042】
例えば、観測したい代謝物の化学シフトの最小値がNAAの化学シフト(2.0ppm)であり、最大値がコリンの化学シフト(3.2ppm)の場合、CSrefは、式(2)で表されるので、式(7)は、式(8)で表すことができる。
Δf=4.7ppm−2.6ppm
=2.1ppm ・・・(8)
【0043】
したがって、式(8)に示すように、水シーケンスWの送信周波数fを、代謝物シーケンスMの送信周波数fに対して2.1ppmだけずらすことによって、励起領域Rと励起領域Rとの位置ずれを十分に小さくすることができる。
【0044】
尚、図2では、代謝物シーケンスMを実行した後に水シーケンスWを実行している。しかし、水シーケンスWを実行した後に代謝物シーケンスMを実行してもよい。
【0045】
次に、図2に示すシーケンスを用いて代謝物スペクトルの位相を補正するときのフローについて説明する。
【0046】
図3は、図2に示すシーケンスを用いて代謝物スペクトルの位相を補正するときのフローを示す図である。
【0047】
ステップST1では、図2に示す代謝物シーケンスMおよび水シーケンスWを実行する。スペクトル作成手段91(図1参照)は、代謝物シーケンスMにより得られたデータに基づいて、代謝物スペクトルを作成し、水シーケンスWにより得られたデータに基づいて、水スペクトルを作成する。
【0048】
ステップST2では、位相補正手段92(図1参照)が、ステップST1で得られた水スペクトルに基づいて、代謝物スペクトルの位相を補正し、フローを終了する。
【0049】
本形態のように、fをfに対してΔfだけずらしたシーケンスを用いて代謝物スペクトルおよび水スペクトルを取得することによって、f=f(つまり、Δf=0)の場合よりも、代謝物スペクトルの位相の補正精度を向上させることができる。このことを検証するため、式(3)の条件(f=f+Δf)で代謝物シーケンスの位相補正を行った場合と、f=fの条件で代謝物シーケンスの位相補正を行った場合で、補正精度を比較した。以下に、位相補正の結果を示す。
【0050】
図4は、位相補正の結果を示す図である。
図4(a1)および(a2)は、f=f+Δfの条件で代謝物シーケンスの位相補正を行った場合の補正結果を示し、図4(b1)および(b2)は、f=fの条件で代謝物シーケンスの位相補正を行った場合の補正結果を示す図である。
【0051】
尚、図4(a1)および(b1)は、脳の中心付近で得られた位相補正後の代謝物スペクトルであり、図4(a2)および(b2)は、脂肪に隣接している部分で得られた位相補正後の代謝物スペクトルである。
【0052】
脳の中心付近では、f=f+Δfおよびf=fのどの場合であっても、図4(a1)および(b1)に示すように、代謝物スペクトルは良好に位相補正されている。
【0053】
しかし、脂肪に隣接している部分では、f=fの場合、図4(b2)に示すように、化学シフトアーチファクトの影響で、代謝物スペクトルを位相補正しても、ベースラインにうねりが生じている。これに対して、f=f+Δfの場合、脂肪に隣接している部分であっても、図4(a2)に示すように、化学シフトアーチファクトが十分に低減されるので、ベースラインのうねりが抑制されており、代謝物スペクトルは良好に位相補正されていることがわかる。
【0054】
尚、本形態では、化学シフトの基準値CSrefは、観測したい複数の代謝物の化学シフトの最大値CSmaxと最小値CSminとの中間値としている。しかし、化学シフトの基準値CSrefは、必ずしも中間値である必要はなく、中間値からずれていてもよい。
【0055】
また、代謝物シーケンスMを終了してから水シーケンスWを開始するまでのシーケンスの待ち時間が長くなってしまうと、被検体が動きによる体動アーチファクトが大きくなる可能性が高くなるので、シーケンスの待ち時間は、できるだけ短いことが望ましい。
【符号の説明】
【0056】
2 磁場発生装置
3 テーブル
4 受信コイル
5 シーケンサ
6 送信器
7 勾配磁場電源
8 受信器
9 中央処理装置
10 操作部
11 表示部
12 被検体
13 オペレータ
21 ボア
22 超伝導コイル
23 勾配コイル
24 送信コイル
31 クレードル
91 スペクトル作成手段
92 位相補正手段
100 MRI装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の領域を励起する第1のRFパルスを用いて前記所定の領域に含まれる代謝物のスペクトルを得るための第1のシーケンスと、前記所定の領域を励起する第2のRFパルスを用いて前記所定の領域に含まれる水のスペクトルを得るための第2のシーケンスとを実行し、前記水のスペクトルに基づいて、前記代謝物のスペクトルの位相を補正する磁気共鳴イメージング装置であって、
前記第1のRFパルスの送信周波数は、前記代謝物の化学シフトに対応する周波数に設定されており、
前記第2のRFパルスの送信周波数は、前記水の化学シフトに対応する周波数に設定されている、磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
前記第1のRFパルスの送信周波数と、前記第2のRFパルスの送信周波数は、以下の関係式で表される、請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
=f+Δf
Δf=水の化学シフト−代謝物の化学シフト
ここで、f:前記第1のRFパルスの送信周波数
:前記第2のRFパルスの送信周波数
【請求項3】
所定の領域を励起する第1のRFパルスを用いて前記所定の領域に含まれる複数の代謝物のスペクトルを得るための第1のシーケンスと、前記所定の領域を励起する第2のRFパルスを用いて前記所定の領域に含まれる水のスペクトルを得るための第2のシーケンスとを実行し、前記水のスペクトルに基づいて、前記複数の代謝物のスペクトルの位相を補正する磁気共鳴イメージング装置であって、
前記第1のRFパルスの送信周波数は、前記複数の代謝物の化学シフトの基準値に対応する周波数に設定されており、
前記第2のRFパルスの送信周波数は、前記水の化学シフトに対応する周波数に設定されている、磁気共鳴イメージング装置。
【請求項4】
前記第1のRFパルスの送信周波数と、前記第2のRFパルスの送信周波数は、以下の関係式で表される、請求項3に記載の磁気共鳴イメージング装置。
=f+Δf
Δf=水の化学シフト−複数の代謝物の化学シフトの基準値
ここで、f:前記第1のRFパルスの送信周波数
:前記第2のRFパルスの送信周波数
【請求項5】
前記化学シフトの基準値は、
前記複数の代謝物の化学シフトの中間値である、請求項4に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項6】
前記第1のシーケンスは、
水の信号を抑圧するための水抑圧用RFパルスを有している、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図6】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−135466(P2012−135466A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290337(P2010−290337)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】