説明

磁気共鳴画像データを自動的に取得する方法

本発明は、MRI装置の画像取得領域に移動されるように構成された支持部140上に配置された対象の磁気共鳴(MR)画像データ500;504を自動的に取得する方法に関し、前記方法は、前記MRI装置により検出されるべき関心領域510を指定するステップと、前記支持部140を前記画像取得領域に向かう方向に自動的に移動するステップと、取得された画像データ500:504における関心領域510の識別に対して第1の分解能で第1のMR画像データ500:504を自動的に取得するステップと、第2の分解能で前記識別された関心領域510の第2のMR画像データを自動的に取得するステップとを有し、前記第1の分解能は、前記第2の分解能より低い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴画像データを自動的に取得する方法、対象のMR画像を自動的に取得する磁気共鳴撮像装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴撮像(MRI)は、医学において重要な撮像技術の1つである。MRIは、柔らかい組織の詳細な画像を生成することができる。MRIにおいて、組織内で見つけられる様々な化合物の固有の性質が、画像を生成するのに使用され、例えば、水は、この目的で最も一般的に使用される。強い外部磁場を受ける場合、陽子1Hは、この外部磁場と整列し、正味の磁気モーメントを生じる。無線周波数RFパルスによる励起の後に、この磁化は、検出されることができるRF信号を生成する。このRF信号は、磁場強度に関連する周波数により特徴付けられる。したがって、磁場傾斜は、検出された信号から画像を再構成するのに必要とされる空間情報をエンコードするのに使用される。
【0003】
MRIは、臨床診断においてますます普及している。スキャンパラメータ、プロトコル及びスキャンされるべき生体構造の内在する豊富さ及び可変性のために、MRIシステムの動作は比較的複雑である。MRIシステムの使いやすさ、ワークフロー及び効率の向上は、現在報告され、未来に対して予測されているオペレータスキルの減少する度合も考慮してますます重要である。更に多くのMRシステムが導入されると、オペレータは、1つのMRIシステムだけでなく、並行して実行される複数のMRIシステムに関与することにさえなりうる。更に、利用可能なMRIシステムの増加する数とともに、オペレータは、異なるベンダプラットフォーム又は異なるモダリティで検査を実行しなくてはならないかもしれない。将来、固定及び確立されたスキームによって特定の診断質問に回答するのに使用されるプリセット検査手順(プロトコルのセット)の増大する数を更に予測することができ、これは、償還問題にも関連する。したがって、動作を単純化し、ワークフローを高めるようにこれらの種類の検査を自動化する必要性が明らかに存在する。
【0004】
現在の技術水準によると、患者配置は、MRIスキャナの感知体積において患者を手動で配置するのに光バイザのような異なる手段を使用して実行される。この後に、前記オペレータは、コースの解剖学的情報を取得するために、前記患者が安静に配置されるテーブルを用いて局所的なスカウトスキャンを始動する。場合によっては、関心の生体構造は、十分にカバーされないので、この取得は、繰り返されなければならない。前記解剖学的情報は、前記オペレータがスキャン幾何構成を手動で計画することを可能にする。最近になって、自動化されたモデルベースの計画が、導入され、前記オペレータにより修正及び訓練されることができる所定の目標生体構造に適切なスキャン幾何構成を提案するのに前記スカウトスキャン情報を使用する。
【0005】
US7145338B2は、移動可能な患者ベッドを持つ撮像医療磁気共鳴装置を用いて患者の磁気共鳴検査を実施する方法を開示している。US6195409B1は、撮像される対象に対して少なくとも1つのローカライザスキャンを最初に実行することを含む自動スキャン規定のシステム及び方法を開示している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、MRI装置の画像取得領域に移動されるように構成された支持部上に配置された対象の磁気共鳴(MR)画像データを自動的に収集する方法を提供し、前記方法は、前記MRI装置により検出されるべき関心領域を指定するステップと、前記画像取得領域に向かう方向に前記支持部を自動的に移動するステップと、取得された画像データにおける前記関心領域の識別のために第1の分解能で第1のMR画像データを自動的に取得するステップと、第2の分解能で前記識別された関心領域の第2のMR画像データを自動的に取得するステップとを有し、前記第1の分解能は、前記第2の分解能より低い。
【0007】
患者テーブル(支持部)がMRスキャナボア内に入る間(スキャンのための移動(travel-to-scan)フェーズ)に前記第1のMR画像データを取得することにより、例えば、事前に前記オペレータにより選択された、肝臓、腎臓又は脊椎のような特定の器官を自動的に検出することが可能であり、これは、前記患者の快適さを増大させる。前記患者が前記テーブル上に配置された直後に、唯一のオペレータのアクションは、特定の器官を選択し、検査プロトコル(例えばExamCard)の所定のセットを指定し、自動スキャン手順を自動的に開始する単一のボタンを押すことである。これにより、検査プロトコルの所定のセットの選択は、オプションである。前記MRIスキャナ自体は、前記選択された器官に対していずれの最良に適した検査プロトコルを使用するかを自動的に決定することができるか、又は前記オペレータは、それぞれの器官のスキャンに適したMRIスキャナにより選択された検査プロトコルのセットを与えられることができる。前記オペレータが好ましくは取得されたMR画像から抽出することを望む情報に依存して、前記検査プロトコルのセットの中の特定の検査プロトコルは、前記オペレータにより選択されることができる。これにより、前記検査プロトコルは、例えば、それぞれの病院に適合された標準化されたプリセットプロトコルであることができる。
【0008】
前記第1のMR画像データの自動取得のために、低分解能の連続移動テーブル(CMT、continuously moving table)撮像は、前記スキャンのための移動フェーズ中に実行される。したがって、前記第1のMR画像データは、前記患者が、前記MRスキャナボアのアイソセンタに近づく間に取得される。3次元(又はマルチスライス)CMTスキャンは、信号受信に対してMRボディコイル(及び/又は表面コイル)を使用して、好ましくは等方性空間分解能で、実行される。CMT撮像に関するより一般的な細部に対しては、Shankaranarayanan A, Herfkens R, Hargreaves BM, et al. Magn Reson Med. 2003;50:1053-60; Kruger DG, Riederer SJ, Grimm RC, Rossman PJ. Magn Reson Med 2002; 47:224-231: Aldefeld B, Bornert P, Keupp. Magn Reson Med. 2006; 55:1210を参照する。
【0009】
3次元(又はマルチスライス)CMTスキャンが、スキャンされる生体構造に適合された空間分解能で実行されることも可能である。この分解能適合は、MRデータ取得と並行して実行される生体構造検出プロセスにより進められる。
【0010】
前記磁気共鳴画像データを取得する方法が、前記MRI装置により完全に自動的に実行されることは、再び述べられなければならない。これは、前記MRI装置が、コースの解剖学的情報を取得し、前記オペレータのスキャン幾何構成の手動計画を容易化するために技術水準の局所スカウトスキャンを置き換えて人体の身体部分及び器官の自動検出に対してオペレータをサポートするだけではないことを意味する。反対に、本発明による方法は、追加的に、関心領域がオペレータにより指定された後に第1の低画像分解能MRデータ取得を用いてMR患者を完全に自動的にスキャンすることを可能にし、前記スキャンは、MRスキャンプロセスに関してオペレータの介入又はインタラクション無しで実行される。前記患者が、前記指定された関心領域を識別した前記第1のMR画像データの分析に基づいてMR磁石ボア内に自動的に配置された後に、前記MRI装置は、前記識別された関心領域の前記(又は複数の)第2のMR画像データを取得するためにユーザインタラクション無しで1又は複数の高分解能MR撮像手順を自動的に開始する。これらの第2のMR画像データは、この場合、医療診断の目的で医師に対して更に使用されることができる。
【0011】
本発明の一実施例によると、前記関心領域は、解剖学的異常として指定可能である。前記関心領域が"解剖学的異常"としてオペレータにより指定される場合、3次元全身スキャン並びに器官及び目標識別プロセスの結果は、患者が、深刻な解剖学的異常を示すかどうかを試験するのに使用されることができ、これは、診断的に関心が高くあることができ、手動計画を必要とする可能性がある。手動計画が必要ではない場合、全体的な後に続く診断スキャンプロセスは、インタラクションを使用することなしに自動的に行われることができる。望ましい場合には前記スキャナ自体により与えられる全ての口頭コマンドを含むことも可能である。解剖学的異常の追加的な自動検出も、解剖学的構造の検出に対する通常のスカウトスキャン中に可能であることは、述べられるべきである。
【0012】
本発明の一実施例によると、前記患者支持部は、連続的に移動することができる。このような支持部(テーブル、ベッド)を使用して、患者は、正確な患者配置無しでMRスキャンの最初に一度だけ前記支持部に横たえられなければならない。この瞬間から、前記支持部は、MR画像データを取得するそれぞれの位置に前記MRスキャナにより自動的に移動される。前記第1のMR画像データを取得するMRスカウトスキャンを実行するために、前記支持部の用語'連続的移動'は、静止している支持部が前記取得された画像データにおける前記関心領域の識別に対する前記第1のMR画像データに関する瞬間画像を取得するために使用されることができるので、前記支持部の段階的な移動として理解されなければならないか、又はMRデータ取得中の前記支持部の滑らかな移動として理解されることができるかのいずれかであることが述べられなければならない。後者の場合、前記支持部を移動しながら記録された前記MR画像の支持部移動修正は、当技術分野において周知であるように実行されなければならない。
【0013】
本発明の一実施例によると、前記第1のMR画像データは、前記支持部の連続的な移動中にリアルタイムで取得される。一般に、画像再構成及び器官/生体構造識別は、前記データ取得と並行してリアルタイムで実行され、一度目標生体構造が識別され、好ましくは既に完全に前記MRスキャナの感知体積内にあると、テーブル移動を停止することを可能にする。リアルタイム表示は、一度画像処理が解剖学的フィーチャを識別すると前記解剖学的フィーチャを強調して(輪郭を描いて、器官地図を重ね合わせて等)ユーザインタフェースにおいて関連データ(例えば、前記MRデータのコロナル若しくはサジタルビュー又は適合された解剖学的地図)を示すように追加されることができる。このフィーチャを可能にするために、画像再構成もリアルタイムで実行される。各部分k空間取得後に、新しい画像再構成が実行され、例えば更新された画像データ上の切り取られた全身解剖学的地図を使用して新しい器官識別処理を始動する。
【0014】
本発明の一態様によると、前記方法は、前記第1のMR画像データ及び/又は前記第2のMR画像データの取得に対するMR画像取得パラメータの自動調節を更に有する。これにより、前記MR画像取得パラメータの自動調節は、前記取得された第1の及び/又は第2のMR画像データの分析に基づく。目標生体構造認識後に終了した3次元CMTスキャンが、発見された目標生体構造に関する局所情報及び前記患者の他の部分に関する大域情報を与えるので、この情報及び得られた準備パラメータは、この後に実行されるべき診断スキャンの(幾何構成)計画フェーズ及び準備フェーズを最適化するのに使用されることができる。この目的で、インタラクションは、前記検査の選択されたセット(ExamCard)内の所定のスカウトスキャンプロトコルを用いて行われることができる。これらの従来のスカウトスキャンは、前記情報が前記CMTスキャンフェーズから既に利用可能であり十分である場合に、スキップされることができる。
【0015】
前記第2のMR画像データの取得は、典型的には、スキャンされるべき特定の器官に対して特定的に適合されるので、特に、前記第1のMR画像データの取得に対するMR画像取得パラメータの自動調節は必要である。これは、それぞれのパルスシーケンスに対するエコー時間、反復時間の調節、画像データ平均、及び前記第2のMR画像データ取得中に取得されたデータのボクセルサイズ(3次元画素)、スライス、RESTスラブ(領域信号抑制)、シム体積等の調節をも含みうる。これらの対象に対して、SENSEスキャン(感度エンコーディング)に対する二重斜めスキャンにおいて特に必要な折り返し確認が実行されることができ、スキャンパラメータは、適宜に修正されることができる(FOV、RESTレジーム)。
【0016】
前記第1のMR画像データの取得に対するMR画像取得パラメータの調節は、重要ではない。従来のスカウトは、好ましくは、完全な又は適合された準備フェーズを含めて自動的に実行される。前記スカウトスキャンから既に利用可能な幾何情報に基づいて、高分解能スキャン(第2のMRデータ)の幾何構成は、例えばSmartExam型スキャン幾何構成計画に対する入力を最適化するように、調節されることができる。これにより、所定のシナリオにおいて、光バイザは、もはや必要ではない。
【0017】
MR信号は、第1の解剖学的部分が撮像視野に入った後のみに利用可能であるので、CMTスカウトスキャンは、患者独立システムパラメータ設定に基づくべきである。これは、スキャンが、準最適調整システムパラメータを用いて実行されることを意味する。これらは、可能な患者構成に対して、例えばスペクトロメータ飽和等を避けるように安全であるように選択される。これらのシステム設定は、同じ又は他の患者に関する以前の検査からの更新又は更新履歴を組み込むように選択されることができる。オプションとして、パラメータ更新に対するCMTスキャンシーケンスに結合される少数かつ短い準備フェーズが実行される。これらの測定は、アイソセンタから外して又は前記第1の解剖学的部分が前記アイソセンタに到達した後のいずれかで得られることができる。単純なモデルに関する基本的な仮定は、少数の更新のみに基づいて適正な準備パラメータを推定するのに使用されることができる。
【0018】
本発明の一実施例によると、前記関心領域の識別は、画像処理を使用して実行され、前記関心領域の識別は、解剖学データベース及び/又は磁化率データベースを用いて実行される。前記解剖学データベースは、例えば解剖学的地図を有することができ、これは、取得された解剖学的構造を識別するのに画像処理を使用するためにモデル駆動患者認識システムを使用することを可能にする。これにより、全身スカウト中の器官識別及び/又はセグメンテーションは、患者の健康状態を特徴付けるのに追加的に役立つ患者に関する追加情報を与える。これは、例えば肺体積、肝臓のサイズ、腎臓の空間的位置、器官体積、寸法、質量等の測定を含む。
【0019】
全身スカウト情報が、前記スキャナの均一領域より大きい解剖学的構造を計画するのに使用されることもできることも、述べられるべきである。脊椎又は末梢血管造影型検査は、一例である。全身CMTスカウトデータに基づいて、全体的な診断検査が、自動的に計画されることができ、これは、マルチステーションスキャン又はCMTスキャンに基づく拡張された仮想FOVを使用することができる。
【0020】
本発明の一実施例によると、前記方法は、前記第1のMR画像データの分析に基づくリアルタイム磁化率マッピングを更に有し、磁化率歪の識別の場合、前記MRIスキャンが中断され、及び/又は前記MRIスキャンパラメータが調節され、及び/又は前記支持部の移動方向が反転され、及び/又は磁化率歪の識別を示す信号が、前記MRI装置により生成される。
【0021】
全ての種類の例えば金属材料が、MR検査中に患者の内部又は周りに配置されることができるので、このような種類のリアルタイム磁化率マッピングが必要である。このような種類の金属材料は、インプラント、ペースメーカ、ボタン又はジッパのような患者の衣服の一部、貴金属類、ピアス等を有することができ、これらは、画質を実質的に劣化させることができる又は強磁性部分の場合、前記患者を害することさえありうる。加えて、RFエネルギの付与は、金属体の強力な加熱をもたらすことができ、結果として前記患者に対する深刻な火傷のリスクを生じる。患者スループットの増大、オペレータスキルの減少する度合及び既往歴における誤りに対して、これは、将来的により頻繁に起こりうる。金属ハードウェアは、整形外科手術においても一般的にインプラントされる。インプラントを持つ患者の数は、外科技術の向上及び老齢人口とともに急速に増加している。遠い昔に付着されたインプラントに対して、正確なサイズ、位置及び材料組成は、もはや既知ではないかもしれない。
【0022】
技術水準のMRシステムは、f0決定を使用して人体における金属の存在に関する非常に単純な確認を可能にするだけである。2つのf0測定の間の差が、特定の閾値より上である場合、材料が検査下の領域内に配置され、前記オペレータがそれに関して通知されていると仮定される。しかしながら、金属体が小さく、f0決定スキャン中に励起された体積内又は近くにない場合、これは、この方法により検出されない。更に、前記オペレータは、前記金属のサイズ及び位置に関して通知されることができない。
【0023】
画像再構成と一緒に及び人体の磁化率地図を使用することにより、異常な強い傾斜磁場及び信号空所は、金属体を識別するのに使用されることができる。前記オペレータが、主要なデータ取得の前に検査下の身体領域における金属体の位置及びサイズについて通知されれば、追加的に役立つ。このような情報は、リアルタイムで解剖学的画像上の色づけされたオーバレイとして前記オペレータに示されることができる。前記オペレータは、可能であれば前記金属を除去するか、計画スキャン(修正された幾何構成、減少されたSAR)を調整するか、又は安全性の理由で前記検査を停止するようにアドバイスされることができる。複数のこれらの決定は、ユーザインタラクション無しで自動的に行われることができる。これは、ワークフローを単純化し、MR撮像をより単純かつより安全にする。金属の量及び場所に関する情報も、例えばf0(中心共振周波数)決定に対してこれらの領域を除外することにより、準備測定をよりロバストかつより信頼できるようにするのに使用されることができる。
【0024】
磁化率を歪ませる物体の存在の危険性に依存して、前記MRIスキャナは、これ自体で、MRIスキャンがそれぞれ調節されたデータ取得パラメータで続行されることができるかどうか、又は前記MRIシステムが潜在的に極めて危険な物体を検出する場合に前記MRIシステム自体が可能な限り速く危険領域から患者を出すために前記支持部の移動方向を反転するように決定することができるかどうかを決定することができる。また、前記MRIスキャンを実行するのに使用される磁石の種類に依存して、磁場の完全であるが制御されるシャットダウンが、特に非超電導磁石に対して、可能でありうる。
【0025】
CMTスカウト撮像に基づく金属検出の技術的実装に関して、一度前記CMTスキャンにおける部分k空間データ取得が終了され、3次元データが再構成されると、前記データは、磁化率マッピングアルゴリズムを使用して分析される。信号位相の急な傾斜及び大きな信号空所は、金属体に対するインジケータである。例えば位相傾斜が、特定の閾値より上である場合、警告が前記オペレータに示されることができるか、又は対応するアクションが前記MR装置により自動的に実行されることができる。患者自身により誘発される磁化率変化は、全身にわたり強力に変化するので(例えば肩における強力な傾斜)、前記閾値は、解剖学的地図によって調節されるべきである。
【0026】
3次元データセット又は体積レンダリング画像の特徴的スライスも、前記オペレータに示されることができ、金属材料が推測される領域を示す色づけされたオーバレイを含む。前記材料のサイズ及び位置に依存して、異なるアクションが提案されることができる。例えば前記金属体が小さく、体表面に配置される場合、これは、おそらく衣服等に関連し、除去されることができる。前記金属が(解剖学的地図によると)骨の近くの体内にある場合、これは、おそらくインプラントである。高いSARでの特別なスキャンは、この場合、安全性の理由で禁止されることができるか、又は局所検査領域の過熱のリスクを減少するように適宜に修正されることができるか、又は検査全体が終了されることさえできる。このような状況において、前記オペレータ又は自動アルゴリズムが、前記検査を続行することを決定する場合、金属材料を持つ領域に関する情報は、既に上述されたように前記準備フェーズを最適化するのに使用されることができる。例えば、合理的なf0推定が金属の存在時に可能ではないので、これらの領域は、f0決定中に除外されることができる。
【0027】
画像再構成、位置合わせ、マッピング、急傾斜決定を有する全体の処理は、前記データ取得と並行してリアルタイムで実行されることができる。リアルタイム表示は、前記識別された金属体を示す色オーバレイを用いて前記ユーザインタフェースにおいて画像スライスを示す。これは、潜在的な安全性の問題がオペレータ自身により検出される場合、前記オペレータにより直接的に前記スキャンを中止することをも可能にする。
【0028】
本発明の一実施例によると、前記支持部の移動は、前記関心領域の識別時において停止される。しかしながら、器官は、完全な対応する画像データが収集された場合にのみ信頼できる形で検出されることができ、これは、典型的には、前記テーブルが、既に前記アイソセンタ内に前記目標期間を配置するのに必要な以上に移動されたことを意味する。これは、器官認識後のテーブル後退を最小化又は回避するためのジャストインタイムの器官検出の使用を含む。この挑戦に対処する複数のオプションが存在する。1つの可能性は、第1のMR画像データの取得が、画像取得領域の第1のゾーンにおいて実行され、前記第2のMR画像データの取得が、前記画像取得領域の第2のゾーンにおいて実行され、前記第1のゾーンが、支持部移動の方向に対して前記第2のゾーンの前方に空間的に配置される実施例である。これに対して、画像データ取得は、前記テーブル移動方向と反対にシフトされた、前記アイソセンタから移動された領域において実行されることができる。したがって、前記アイソセンタにもうすぐ到達する生体構造に関する情報が得られる。前記自動識別後の前記アイソセンタにおける目標生体構造/器官配置は、前記テーブル移動の適切な停止により達成されることができる。このアプローチは、前記磁石のアイソセンタ内に目標生体構造を配置するためにテーブル後退を回避する。
【0029】
ジャストインタイム器官検出を可能にする他の可能性は、前記第1のMR画像データ取得が、キーホール型サンプリングを使用して実行される実施例である。一般に、キーホール型サンプリングは、造影剤を用いて動的撮像に対して使用される。利点は、キーホール技術が、制限されたデータ取得により空間分解能の重大な損失無しで時間分解能を増大させることである。キーホールフーリエ撮像は、元の最高分解能データセットにおいて低い空間周波数で更新する。前記画像の高い空間周波数コンテンツは、更新が不要であるように時間において一定である。キーホール型サンプリングを使用して高分解能MR撮像を急速に実行する方法は、例えばWO99/14616から既知である。
【0030】
各個別の3次元データブロックのサンプリング中に、k空間中心は、k空間軌道及びCMT撮像シーケンスのタイミングを調節することにより2回又は複数回サンプリングされることができる。キーホール型サンプリング及び再構成は、サンプルブロック毎の画像更新の数を増加するために実行されることができる。この概念は、通常は低いk値に対するデータのサンプリングの周期性のために現れるCMT撮像における潜在的なアーチファクトを減少させる点でも興味深いことが可能である。
【0031】
キーホール型サンプリングが、撮像領域が対応する完全な3次元データブロックの最後の取得に対して変わりすぎていない場合にのみ使用されるのに合理的であると述べられるべきである。これに対して、前記キーホール型サンプリングは、特定の3次元データ取得ブロック間でインタリーブ形式でのみ使用されることができる。
【0032】
本発明の一実施例によると、前記支持部の移動速度は、前記第1のMR画像データの自動取得の手段で識別された生体構造に対して変化される。これは、前記関心領域が、前記画像取得領域まで前記移動する支持部を用いて移動されるべきであると期待される場合に前記第1のMR画像データを取得する空間分解能を増大することをも含む。
【0033】
解剖学的検出は、身体モデルに基づくことができ、患者の向き(足が先、頭が先)及び前記目標生体構造までの潜在的な距離に関して即時の推定を与えることができるので、一度前記生体構造検出器が、前記目標生体構造が範囲に入ってくるのを認識すると、テーブル速度は、減少され、前記MRデータ取得プロセスの空間分解能は、信頼できる器官検出を可能にするように増大される。これは、等方的に空間分解能を増大させることにより、又は異なる分解能をサポートする異なるスキャンモード間で切り換えることにより達成されることができる。例えば、前記スキャンは、高いテーブル速度でサンプリングされた2次元サジタル(又はコロナル、又はトランスバーサル、又はこれらの混合)取得で開始することができ、これは、一度前記モデル駆動生体構造検出が、前記目標が極めて近いことを示すと、より低い速度でより多くのスライスを取得するように次第に下に切り換えられる。効率的な2次元モードから、最終的なテーブル配置プロセスを始動する最終的な目標識別をサポートする等方性空間分解能を可能にする3次元モードに切り替えることも可能である。個別の分解能レベル間の遷移は、次第に又は段階的に実現されることができる。前記テーブル移動中に使用されるMRIプロトコルを完全に変更することも可能である。
【0034】
本発明の一実施例によると、前記方法は、他のMRI受信コイルの最適な空間配置に関する情報を自動的に提供するステップを更に有し、前記他のMRI受信コイルは、前記第2のMR画像データの取得に対して構成される。これにより、前記他のMRI受信コイルの最適な空間配置に関する情報の提供は、前記第1のMRI画像データの分析に基づき、及び/又は前記他のMRI受信コイルがスキャンされるべき対象の上に既に空間的に配置されている場合には、前記他のMR受信コイルから取得されたMR画像データの分析に基づく。
【0035】
多くのMRI検査は、信号受信及び/又は送信に対して特別な表面コイルアレイを使用し、増大された信号対雑音比の撮像加速技術(SENSE、GRAPPA)又は新規のエンコーディング方法(送信SENSE、RFエンコーディング)を可能にする。頭から爪先までのコイル範囲に対する設定を含む使用されるコイル素子の増大する数とともに、コイル配置又は最適なコイル素子サブセットの選択は、臨床ワークフローの重要かつ時間のかかる部分になる。
【0036】
前記患者上に配置された場所に既にある表面コイルを用いて実行されるスカウトスキャンの場合、前記表面コイルの現在の場所の向きは、前記スカウトスキャン中に測定されることができる。これは、例えば定期的な間隔で前記第1のMRI画像データを取得するそれぞれの撮像シーケンスのタイミングに追加の単一傾斜エコー(x、y、zに印加される)を導入することにより達成されることができる。代案として、前記取得は、コイル感度マップを得るためにインタリーブ又は同時形式でボディコイル画像及び表面コイル画像を取得するように拡張されることができる。これらのマップは、感度の中心又は質量中心に関して個別のコイル位置/向きを引き出すように処理されることができる。
【0037】
以前に知られたコイル感度情報は、このプロセスに含められることもできる。前記スカウトスキャンにおいて見つけられた目標生体構造に基づいて、前記スキャナは、選択されたタイプのコイルアレイの素子/素子グループに対する最適な場所/向きを計算する。加えて、前記素子/素子グループの最適な配置と一緒に、好ましくは使用される全ての現在利用可能なタイプの中からコイルアレイのタイプを自動的に選択することが可能である。前記アレイは、既に所定の位置にあるので、システムは、配置の修正又はアレイのタイプの変更が画質(基準:SNR、SNRの均一性、ゴースト/ストライプアーチファクトを避ける等)に対して有益であるかどうかアドバイスを与える。前記オペレータが承認する場合、前記患者は、ガイドコイル交換を可能にするように前記スキャナの外に出される。
【0038】
前記スカウトスキャンが、前記表面コイルが既に前記患者上に配置されることなしに実行される場合、前記スカウト中に、前記ボディコイルが、信号受信に使用され、前記表面コイルは、この後に前記オペレータにより配置されなくてはならない。ここで、前記スカウトは、現在の臨床設定において利用可能である表面コイルアレイの所定のセットに基づいて最適なコイル選択及び位置/向きを見つけるように自動化された手順に対する入力を供給する。前記患者は、前記コイル配置に対して無条件に前記スキャナの外に出される。これは、前記患者の長期にわたる前後移動を避けるために前記スキャナの裏側であることもできる。
【0039】
いずれの場合にも、前記患者上の前記表面コイルの再配置又は前記患者上の表面コイルの後の配置に対して、前記スキャナは、前記最適コイル位置/向きを示し、したがって前記オペレータをガイドするのに視覚化手段を使用する。これは、例えば前記コイル(光マーカ又は実際のコイル形状)を前記患者又は前記患者を覆うのに使用される上に投影するフォトニック繊維ブランケット上に投影するビーマにより達成されることができ、これは、前記コイル素子/素子グループ上に対照物を持つマーカを表示する。代替的には、前記テーブルは、コイル配置をガイドするように専用位置において停止する。このような自動化された手順及び視覚化又はガイドは、前記MRシステムの使いやすさに大幅に寄与する。最後に、前記患者は、前記目標生体構造に対して前記アイソセンタの最適化された位置まで前記MRスキャナボア内に再び自動的に移動されることができる。
【0040】
患者の生体構造、並びにコイル配置及びコイル素子選択後に得られた相対的なコイル位置/向きに関する完全な情報は、所定のスキャンプロトコルに対するスキャンパラメータ更新に対する入力として又は他のスキャンプロトコルをより容易にセットアップするガイドラインとして使用されることができる。一例は、前記目標生体構造の実際のサイズ及び3次元における利用可能なコイル位置に基づく並列撮像に対する位相エンコーディングステップ又はSENSE低減の最適な方向の決定であることができる。更に多くのプロトコルパラメータが、実際の患者/コイル幾何構成に依存し、自動更新又は提案値に含められる及び最適化されることもできる。
【0041】
他の態様において、本発明は、対象のMR画像を自動的に取得する磁気共鳴撮像装置に関し、前記装置は、撮像されるべき対象に対する支持部であって、前記MRI装置の画像取得領域に移動されるように構成される当該支持部と、前記MRI装置により検出されるべき関心領域を指定する手段と、前記支持部を自動的に移動する手段と、前記取得された画像データにおける前記関心領域の識別に対して第1の分解能で第1のMR画像データを自動的に取得する手段と、第2の分解能で前記識別された関心領域の第2のMR画像データを自動的に取得する手段とを有し、前記第1の分解能が、前記第2の分解能より低い。
【0042】
本発明の一実施例によると、前記装置は、前記第1のMR画像データ及び/又は前記第2のMR画像データの取得に対するMR画像取得パラメータを自動的に調節する手段と、解剖学的データベース及び/又は磁化率データベースと、他のMR受信コイルの最適な空間位置に関する情報を自動的に提供する手段とを更に有し、前記他のMRI受信コイルは、前記第1のMR画像データの取得に対して構成される。
【0043】
他の態様において、本発明は、本発明による方法を実行するコンピュータ実行可能命令を有するコンピュータプログラムに関する。
【0044】
以下、本発明の好適な実施例は、図面を参照して例としてのみ詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】磁気共鳴撮像装置の一実施例のブロック図である。
【図2−I】患者のMR画像データを自動的に取得する方法を図示するフローチャートを示す。
【図2−II】患者のMR画像データを自動的に取得する方法を図示するフローチャートを示す。
【図3】患者上の表面コイル配置に関する情報を自動的に供給する方法を図示するフローチャートを示す。
【図4】患者上の表面コイル配置に関する情報を自動的に提供する方法を図示する他のフローチャートを示す。
【図5】本発明の方法によるMR画像の完成を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、磁気共鳴撮像装置の一実施例のブロック図である。これにより、本発明を組み込む好適なMRIシステムの主要な構成要素のみが、図1に示される。前記磁気共鳴撮像装置は、データ処理システム100を有し、データ処理システム100は、典型的には、コンピュータスクリーン102と、例えばキーボード及びマウス、並びに磁気共鳴撮像シーケンスを完全に自動的に実行することを可能にするように構成された単一のプッシュボタンであることができる入力装置104とを有する。
【0047】
図1のMRIシステムは、メモリ106及びインタフェース108を更に有する。これにより、インタフェース108は、典型的なハードウェアMRI構成要素と通信及びデータ交換するように構成される。
【0048】
これらのハードウェア構成要素は、例えば磁気コイル122の主磁場を制御するように構成された主磁場制御ユニット130を有する。主磁場磁石122は、これにより永久超電導磁石として構成されることができるか、又は前記MRIシステムの各個別の使用に対して外的に駆動され、オン及びオフに切り換えられることができる。インタフェース108は、更に傾斜コイル制御ユニット132と通信し、それぞれの傾斜コイル124は、好ましくは3つの相互の軸x、y及びzに沿って傾斜磁場を生成する自己遮蔽傾斜コイルである。前記MRIシステムは、RF制御ユニット134に電気的に接続されたRFコイル128を更に有する。これにより、RFコイル128は、好ましくは磁石ボア内に一体化された一体化ボディコイルとして構成される。
【0049】
RF生成器138を使用して、RFパルスシーケンスは、データ処理システム100の制御下で生成され、それをもって例えば人の体126内の陽子は、所定の形式で励起される。結果として生じる磁気共鳴信号は、同じRFコイル128により検出され、増幅器136に送信され、当技術分野において周知である直角位相検出器、ミキサ等のような特別なハードウェア構成要素による前記RF信号の処理が後に続く。これにより、このようなハードウェア構成要素は、追加の外部ハードウェアユニットとして構成されることができるか、又はデータ処理システム100に実装されることができる。
【0050】
インタフェース108は、患者126が配置されたベッド140の移動を制御するように構成されたベッド制御ユニット144に更に接続される。これにより、前記ベッドは、ボディコイル128の前記画像取得領域に向かう方向に前記患者を移動するように構成される。
【0051】
データ処理システム100は、コンピュータプログラム112のコンピュータ実行可能命令を実行するように構成されたプロセッサ110を更に有する。本実施例において、データ処理システム100は、ハードウェアユニット122−124及び128−144を制御するように構成されたデータ取得モジュール114によるコンピュータプログラム112を有する。データ取得が実行され、前記取得されたデータが、画像再構成に対してデータ分析モジュール116により分析される。
【0052】
本発明によると、低分解能連続移動テーブル撮像は、前記患者が移動可能ベッド140上で前記画像取得領域に向かって移動しているスキャンのための移動中に実行される。画像再構成及び器官/生体構造識別は、例えば解剖学的地図又はメモリ106内にデータベース118として含まれるデータベースを使用して、リアルタイムで前記データ取得と並行して実行される。
【0053】
オペレータは、ボディコイル128を用いてスキャンされるべき人126の関心領域を入力又は指定する可能性を持つ。前記患者は、移動可能ベッド140上で前記画像取得領域に向かって移動され、リアルタイムスキャンは、ベッド140を移動しながら実行され、取得された画像データにおける前記関心領域の識別のために低分解能で第1のMR画像データを取得する。解剖学的構造又は解剖学的異常であることもできるそれぞれの関心領域が、前記MRIシステムにより識別された後に、図1の磁気共鳴装置は、前記識別された関心領域の高分解能を持つ第2のMR画像データを自動的に取得する。
【0054】
コンピュータプログラム112は、様々なモジュール120を更に有する。これらのモジュールは、例えばベッド140を最適化するように構成されることができ、患者126は、前記スキャナのアイソセンタにおける目標期間に対して配置される。例えば、連続移動テーブルスカウト撮像は、前記患者が前記選択された目標期間の所要の調査を実行するように前記MRIスキャナ内に自動的に移動される間に、実行される。低分解能MRIデータは、前記テーブル移動中に取得され、同時に、画像処理を使用するモデル駆動患者認識システムは、並行して前記取得された解剖学的構造を識別する。前記アルゴリズムが、目標期間又は近くの解剖学的構造(例えば腎臓又は肝臓に対する隔壁)を識別する場合、モジュール120により、テーブル速度は、減少され、前記取得は、より高い分解能に、例えば2次元から低分解能等方3次元に切り換えられる。
【0055】
モジュール120は、表面コイル142を制御するのに使用されることもできる。このような表面コイルは、前記患者を前記画像取得領域に向けて初めて移動する前に配置されることができるか、又はこのような表面コイル142を高分解能スキャンに対して使用するように計画されている場合には、前記スキャナが、前記患者位置に対してどこに及びどのようにコイル142を配置するか、オペレータにアドバイスを与えることができるかのいずれかである。両方のシナリオにおいて、前記スキャナは、最適な表面コイル142位置及び向きを示し、したがってオペレータをガイドするのに視覚化手段を使用する。これは、本実施例において、コイル形状を前記患者上に投影するビーマ146により達成される。
【0056】
他のモジュール120は、金属検出モジュールとして実施されることができる。スキャンのための移動中に、低分解能連続移動テーブルスカウトスキャンは、リアルタイム画像再構成及びリアルタイム磁化率マッピングとともに実行される。画像位置合わせ及びデータベース118に含まれる磁化率地図と一緒に、異常な強い傾斜及び信号空所は、金属体を識別するのに使用されることができる。例えば、患者126が、前記画像取得領域に向かってベッド140上で移動され、金属部分が患者の体126の表面上に空間的に配置された場合、これは、推定上、患者126により運ばれる衣服に関連する。この場合、好ましくは、ベッド140は、前記磁石ボアの外側に自動的に移動され、データ処理システム100は、例えば音響信号を使用して又はコンピュータスクリーン102上の視覚化手段を用いて、金属体の存在及び位置を前記オペレータに信号通知する。
【0057】
前記金属が体126の内側、例えば、データベース118に含まれる解剖学的地図によると骨の近くで検出される場合、これは、高い確率でインプラントであり、RFエネルギの付与による熱の発達により前記患者を害する可能性があるそれぞれのスキャンパラメータを用いる特別なスキャンは、患者126の怪我を防ぐためにモジュール120により禁止されることができる。
【0058】
図2は、患者のMR画像データを自動的に取得する方法を図示するフローチャートを示す。ステップ200において、オペレータは、生体構造及びオプションとして大域的検査手順を選択し、前記ベッド上に前記患者を準備する。これにより、前記生体構造及び大域的検査手順の選択は、例えば撮像されるべき特定の器官の入力、及び前記MRシステムにより前記オペレータに提示された特定の撮像手順のリストから、例えばスキャンされるべき器官の特別な解剖学的フィーチャを配置するように特別に構成された特定のスキャンプロトコルを選択することを有しうる。
【0059】
ステップ202において、前記オペレータは、前記検査手順を開始するのに単一のプッシュボタンを押し、前記MRI装置は、前記患者を前記スキャナ内に移動し始める。ステップ204において、前記MRIシステムは、デフォルトシステムパラメータを用いて、又は場合により前記MRシステムオペレータによりステップ200において事前に規定された特別なパラメータをも用いてのいずれかで連続移動テーブル(CMT)撮像スキャンを開始する。しかしながら、好ましくは、本発明によるMRシステムの使用を容易化するために、前記MRシステムに対するオペレータの最小の入力が好ましい。
【0060】
前記CMTスキャンの即時的な開始の後に、それぞれの指摘された目標器官は、もちろんまだ規定されておらず、したがってステップ208においてf0、TXゲイン、RXゲイン等のようなシステムパラメータの高速更新が、前記MR撮像プロセスのリアルタイム最適化として実行される。それぞれのシステムパラメータの更新におけるこのような決定は、特に、一度前記患者が前記MR検出領域の視野に入ると実行され、これは、柔らかい組織構造が前記MRシステムにより検出されることを意味する。前記患者が視野に入るとすぐに、ステップ210において後続する撮像データが、前記連続移動テーブル撮像により取得される。各部分k空間取得の後に、新しいリアルタイム画像再構成が、ステップ211において実行される。この後に、リアルタイム画像位置合わせ及び器官識別ステップ220が続く。例えば切り取り全身生体構造地図を使用する新しい器官識別プロセスが、前記更新された画像データに対して実行される。
【0061】
図2のフローチャートに図示された方法を実行するMRシステムが、磁化率分析モジュールを用いて更に構成される場合、前記リアルタイム画像再構成を持つステップ211の後に、次に実行されるステップは、例えば前記取得された画像データの磁化率分析ステップ212でありうる。ステップ212における前記磁化率分析により、前記MRシステムが、ステップ214において、金属体の存在の可能性があることを検出する場合、前記MRシステムは、ステップ216において、警告を生成する。この後にステップ218が続き、ここで、前記検出された金属体に関して、前記スキャンが続行されることができるか否かの決定が引き出されなければならない。これにより、この決定は、前記MRスキャンシステム自体により自動的に行われるか、又はオペレータにより行われるかのいずれかであることができる。前記MRシステム又は前記オペレータが、ステップ218において前記スキャンプロセスを中止すると決定する場合、全体的なスキャンセッションは、ステップ232において終了される。しかしながら、ステップ214において金属体が検出されない場合又は前記MRシステム若しくは前記オペレータが、ステップ218において前記スキャンを続行すると決定する場合に、リアルタイム画像位置合わせ及び器官識別が、ステップ220において実行される。
【0062】
前記リアルタイム画像位置合わせ及び器官識別は、ステップ220において追加の患者固有パラメータを引き出すことを伴う。これは、この場合金属体を含む領域がf0決定に対して除外されることができるので、特に、ステップ214における金属体の検出の存在下で極度に有用である。
【0063】
磁化率分析を実行し、金属体の存在を検出する更に信頼できる手順に対して、ステップ212は、ステップ211後であるが、リアルタイム画像位置合わせ及び器官識別ステップ220が実行される間際に、まだ実行されていないかもしれないことは、述べられるべきである。理由は、前記画像位置合わせ及び人体の磁化率地図と一緒に、異常な強い傾斜磁場及び信号空所が、前記患者の生体構造に対する空間的位置に関しても金属体を識別するのに使用されることができるからである。これは、例えば前記患者の体上に配置された衣服のジッパから生じる金属部分又は前記患者の体内に配置された金属インプラントを区別することを可能にする。
【0064】
ステップ220の後に、前記方法は、折り返してステップ206に戻され、それぞれの目標器官が識別されたかが前記MRシステムにより再び決定されなければならない。前記目標器官がまだ識別されていない場合、ステップ208ないしステップ220の同じ手順は、このような目標器官が識別されるまで繰り返される。
【0065】
ステップ206において、しかしながら、目標器官が最終的に識別された場合、前記スカウトスキャンは、ステップ222において終了される。この後にステップ224が続き、前記移動テーブルが停止され、前記テーブル位置は、前記スキャナのアイソセンタにおける最適なMRデータ取得に対して自動的に前記目標器官を配置するために再調節される。ステップ226において、器官形状、器官場所、患者幅等のような患者固有データが、リアルタイム自動プロトコル調節に対する特別なエンジンにエクスポートされる。ステップ228において、前記目標の場所における完全なシステムパラメータ決定が、必要であれば始動される。最終的に、ステップ230において、例えば病院の固有手順による自動患者スキャンが実行される。このような手順は、例えばExamCardsとしてMRスキャナメモリに記憶されることができる。
【0066】
各ExamCardは、これにより、特定のシステムパラメータ、スキャンパラメータ、幾何パラメータ、パルスシーケンス等を持つ特定のMR撮像プロトコルを有し、前記パラメータは、特定の種類の検査手順に対して構成される。例えば、目標器官'肝臓'が選択される場合、前記MRシステム自体は、所望の器官'肝臓'の1又は複数のMRスキャンを正確に実行するために特に適したExamCardのセットをアセンブルすることができる。代替的に、システムオペレータが、既にステップ200においてExamCardのセットをアセンブルしてもよく、前記ExamCardのセットは、ステップ230において前記MRシステムにより実行される。更に他の代替例において、責任のある医師が、ExamCardのセットをあらかじめアセンブルし、前記MRシステムに転送することができ、前記MRシステム自体は、患者IDとの関連により、それぞれのMRスキャンを自動的に実行する。この場合、生体構造及び大域的検査手順の選択さえ、ステップ200において前記MRシステムオペレータにより実行される必要はなく、前記オペレータは、ステップ200において前記患者IDを入力するだけであり、前記MRシステム自体は、撮像ステップを自動的に実行するために前記患者IDを持つそれぞれの患者に対して前記医師により前記MRシステムに転送された情報を使用する。
【0067】
前記それぞれの目標器官の成功したスキャンの後に、全体的なスキャンセッションが、ステップ232において終了される。
【0068】
図3は、患者上の表面コイル配置に関する情報を自動的に提供する方法を図示するフローチャートを示す。ステップ300において、オペレータは、患者を前記テーブル上に配置する。この後にステップ302が続き、前記オペレータは、表面コイルを前記オペレータ自らの経験により好ましくは目標生体構造に可能な限り近くに配置する。ステップ304において、前記オペレータは、前記MRIスキャンシステムにより前記オペレータに提供されたリストから前記目標生体構造を選択する。それぞれのボタンを押すことにより、前記オペレータは、ステップ306において連続移動テーブル撮像手順を開始する。
【0069】
ステップ308において、画像データは、前記テーブルが移動している間に取得される。これは、前記テーブルが移動している間にステップ310においてコイル位置及び向きを測定及び決定することを可能にする。
【0070】
前記目標生体構造及び/又は前記コイルが、前記磁石ボア内に最適に配置される場合、CMTスカウトが停止される。前記MRシステムは、ステップ314において最適な表面コイルセットアップを自動的に決定し、ステップ316においてコイル再配置に対するアドバイスを出力する。
【0071】
前記スカウトスキャンにより得られる最適なコイル素子配置に関する情報は、改良されたコイル素子選択に対して追加的に使用されることができる。これは、選択されたコイルアレイが、前記MRシステム内に存在する受信器より多くの素子を含む場合に、特に有益である。前記検出されたコイル位置は、前記患者の形態ピクチャ又は前記患者の生体構造の提示に対する理想化された地図と一緒に前記ユーザインタフェースにおいて視覚化されることができる。
【0072】
ステップ318において、前記MRIシステム自体が自動的に又は前記オペレータのいずれかが、前記表面コイルの交換又は再配置について決定する。ステップ318において、前記表面コイルを再配置すると決定される場合、ステップ320において、前記テーブルは、オペレータが前記コイル再配置を実行することを可能にする位置まで移動される。この後にステップ322が続き、前記表面コイルの再配置又はそれぞれ前記表面コイルの再配向が、前記MRシステムにより提供される視覚化によりガイドされる。ステップ322の後又は前記システム若しくは前記オペレータが前記表面コイルを再配置しないと決定した後のいずれかで、コイルサブセットの自動選択が、ステップ324において実行される。前記オペレータ自身がそれぞれのコイル素子を選択することも可能である。これは、選択されたコイルアレイが、前記MRスペクトロメータシステム内に存在する受信器より多くの素子を含む場合に、特に有益である。前記オペレータが、目標までの距離、期待される信号対雑音比を満たす、現在の撮像視野に対する寄与、及び現在のテーブル位置等のような複数の基準により算出されることができる自動化されたMRシステムアドバイスにより前記オペレータの決定をガイドされることができることが可能であるとも述べられるべきである。可能なコイル選択オプションの数量分析が、前記使用されるコイル素子サブセットの完全に自動化された選択に対して使用されることもできる。
【0073】
ステップ326において、前記オペレータは、前記再配置された表面コイルを使用してスキャンを開始する。しかしながら、ステップ326は、ステップ318においてコイル再配置が決定されなかった場合には必要ではないかもしれない。この場合、前記MRシステムは、これ自体で前記スキャン手順を直ちに開始することができる。前記スキャン手順を自動的に開始した後又はステップ326の後のいずれかに、前記MRシステムは、前記目標生体構造を前記MRボアのアイソセンタ内に配置するように前記テーブルを自動的に移動する。これは、ステップ328において行われ、この後にステップ330におけるMR撮像手順を実行する主要な検査プロセスが続く。
【0074】
図4は、患者上の表面コイル配置に関する情報を自動的に提供する方法を図示する他のフローチャートを示す。図3のフローチャートと比較して、図4において、表面コイルは、まだ患者の体の上に配置されていないと仮定される。これとともに、図4のフローチャートは、どの種類の表面コイルを前記患者の体の上のどこに及びどのように配置するかをオペレータにガイドする方法を図示する。
【0075】
ステップ400において、前記オペレータは、前記患者をテーブル上に配置し、ステップ402においてそれぞれの目標生体構造を選択する。ステップ404において、前記オペレータは、前記CMTスカウトを開始する。ステップ406において、画像データは、前記テーブルが前記磁石ボア内に移動している間に取得され、この後にステップ408における前記テーブルが移動している間の前記画像データのリアルタイム処理が続く。前記目標生体構造が前記磁石ボアの前記画像取得領域内に安全に覆われるとすぐに、前記CMTスカウトがステップ410において停止される。ステップ412において、最適な表面コイルセットアップは、前記MRシステムにより自動的に決定される。ステップ412における前記最適な表面コイルセットアップの検出後に、前記テーブルは、ステップ414においてオペレータによるそれぞれの表面コイル配置の位置調整を可能にするように再び移動される。
【0076】
ステップ416において、前記オペレータは、前記MRシステムにより提案されるように前記表面コイルを前記患者上に配置し、前記表面コイルの配置は、例えば前記MRシステムのビーマのような視覚化手段により自動的にガイドされる。前記患者上の前記表面コイルの成功した配置の後に、前記オペレータは、ステップ418において主要なスキャンを開始する。これとともに、前記テーブルは、前記選択された目標生体構造を前記アイソセンタ内に配置するために前記MRボア内に再び移動される。これがステップ420において実行された後に、主要な検査手順が、ステップ422において前記選択された目標生体構造のMR画像データを取得するために前記MRシステムにより自動的に実行される。
【0077】
ステップ412が、前記表面コイルの最適な空間的配置を決定することに加えて、最適な種類の表面コイルの決定を含む。前記システムが、信頼できるMRデータが他の表面コイルを使用することなしに取得されることができることを検出する場合、前記MRシステムは、ステップ412からステップ420まで自動的に進んで、前記MRボディコイルのみを使用して画像データ取得を実行することさえできる。
【0078】
図5は、本発明の方法によるMR画像の完成を図示する。MR画像520の取得中に、患者を支えるベッドは、画像取得がループ形式で実行されている間に前記磁石ボア内に連続的に移動されている。前記ループは、完全な部分k空間データセットの取得を含む。異なるCMTデータ取得スキームにおいて、この部分k空間データセットは、軸方向(トランスバーサル)スライスに対する完全なk空間データセットに対応することができる。
【0079】
前記画像取得更新ステップは、テーブル移動の方向であるz方向において好ましくは短い感受体積(局所的撮像視野)に対するデータを有する。横読み出し方向を持つCMT撮像の特別なフィーチャとして、数センチメートルのz方向を持つ撮像視野が、選択されることができ、サブ画像毎に数秒の画像更新をもたらす。これは、高い画像更新率及び急速なシステムリアクションを可能にする。
【0080】
これは、本例においてせん断(sheared)ハイブリッドk空間をもたらし、本例において、前記画像データのz方向は、長さLの基本撮像視野を表し、位相エンコーディング方向kxにおける各ステップは、1つの部分k空間取得を表す。取得された部分k空間画像500のせん断構成により、画像502を形成するための画像再構成は、z方向におけるテーブル移動の修正を有さなくてはならない。前記部分k空間取得ステップのセットが、画像502を形成するために実行された後に、この手順は、MR画像506を形成するように部分k空間データの新しいセット504を形成するように患者ベッドを更に移動することにより繰り返される。本例において、この手順は、4つのループに対して実行され、4番目のループにおいて、前記MRシステムは、最終的に目標器官を識別し、前記目標器官は、本例においては、MR画像508内の目標器官'肝臓'510である。前記目標器官が識別されるとすぐに、前記ベッドの移動は停止され、前記ベッドは、前記磁石ボアのアイソセンタに対して目標器官510を再配置するように追加的に移動される。最終的に、MR画像データ取得の手段を用いる最高分解能MR検査プロセスが開始される。
【符号の説明】
【0081】
100:データ処理システム
102:スクリーン
104:入力装置
106:メモリ
108:インタフェース
110:プロセッサ
112:コンピュータプログラム
114:モジュール
116:モジュール
118:データベース
120:モジュール
122:主磁石
124:傾斜コイル
126:患者
128:RFボディコイル
130:主磁場制御ユニット
132:傾斜コイル制御ユニット
134:RFコイル制御ユニット
136:増幅器
138:RF生成器
140:ベッド
142:表面コイル
144:ベッド制御ユニット
146:投影ユニット
500:部分k空間画像
502:MR画像
504:部分k空間画像
506:MR画像
508:MR画像
510:目標器官

【特許請求の範囲】
【請求項1】
MRI装置の画像取得領域に移動されるように構成された支持部上に配置された対象の磁気共鳴(MR)画像データを自動的に取得する方法において、
前記MRI装置により検出されるべき関心領域を指定するステップと、
前記画像取得領域に向かって前記支持部を自動的に移動するステップと、
前記支持部が移動されている間に、取得された画像データにおける前記関心領域の識別に対して第1の分解能で第1のMR画像データを自動的に取得するステップと、
第2の分解能で前記識別された関心領域の第2のMR画像データを自動的に収集するステップであって、前記第1の分解能が前記第2の分解能より低い、当該ステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記関心領域が、解剖学的構造として指定可能であり、前記解剖学的構造の識別に対する前記第1のMR画像データの自動取得が、解剖学的異常の検出を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記関心領域が、解剖学的異常として指定可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記支持部が、連続的に移動する支持部である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のMR画像データが、前記支持部の連続的な移動中にリアルタイムで取得される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の及び/又は第2のMR画像データの取得に対するMR画像取得パラメータを自動調節するステップを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記MR画像取得パラメータの自動調節が、前記取得された第1の及び/又は第2のMR画像データの分析に基づく、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記関心領域の識別が、画像処理を使用して実行され、前記関心領域の識別が、解剖学的データベース及び/又は磁化率データベースを用いて実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記方法が、前記第1のMR画像データの分析に基づくリアルタイム磁化率マッピングを更に有し、磁化率歪の識別の場合に、MRIスキャンが中断され、及び/又はMRIスキャンパラメータ調節され、及び/又は前記支持部の移動方向が反転され、及び/又は前記磁化率歪の識別を示す信号が前記MRI装置により生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記支持部の移動が、前記関心領域の識別時に停止される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のMR画像データの取得が、前記撮像取得領域の第1のゾーンにおいて実行され、前記第2のMR画像データの取得が、前記画像取得領域の第2のゾーンにおいて実行され、前記第1のゾーンが、支持部移動の方向に対して前記第2のゾーンの前に空間的に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のMR画像データ取得が、キーホール型サンプリングを使用して実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記支持部の移動速度が、前記第1のMR画像データの自動取得を用いて識別された生体構造に対して変更される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記関心領域が前記移動する支持部を用いて前記画像取得領域に移動されると期待される場合に、前記支持部の移動速度が減少される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記関心領域が前記移動する支持部を用いて前記画像取得領域に移動されると期待される場合に、前記第1のMR画像データの取得に対する空間分解能を増大させるステップを更に有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記方法が、前記対象に対する他のMRI受信コイルの最適な空間配置に関する情報を自動的に提供するステップを更に有し、前記他のMRI受信コイルが、前記第2のMR画像データを取得するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記他のMRI受信コイルの最適な空間配置に関する情報の提供が、前記第1のMR画像データの分析に基づき、及び/又は前記他のMRI受信コイルから取得されたMR画像データの分析に基づいて前記他のMRI受信コイルが前記スキャンされるべき対象上に既に空間的に配置されているかどうかに基づく、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
対象のMR画像を自動的に取得する磁気共鳴撮像装置において、
撮像されるべき対象に対する支持部であって、前記MRI装置の画像取得領域に移動されるように構成された当該支持部と、
前記MRI装置により検出されるべき関心領域を指定する手段と、
前記支持部を自動的に移動する手段と、
前記支持部が移動されている間に、取得された画像データにおける前記関心領域の識別に対して第1の分解能で第1のMR画像データを自動的に取得する手段と、
第2の分解能で前記識別された関心領域の第2のMR画像データを自動的に取得する手段であって、前記第1の分解能が前記第2の分解能より低い当該手段と、
を有する装置。
【請求項19】
前記第1の及び/又は第2のMR画像データの取得に対するMR画像取得パラメータを自動的に調節する手段と、
解剖学的データベース及び/又は磁化率データベースと、
前記第2のMR画像データの取得に対して構成された他のMRI受信コイルの最適な空間的配置に関する情報を自動的に提供する手段と、
を更に有する、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
請求項1ないし17に記載の方法ステップを実行するコンピュータ実行可能命令を有するコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2−I】
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【図2−II】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−527729(P2010−527729A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−509932(P2010−509932)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【国際出願番号】PCT/IB2008/052055
【国際公開番号】WO2008/146228
【国際公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】