磁気共鳴装置およびプログラム
【課題】スライス位置の再現性を高める。
【解決手段】初回の撮影時に取得したローカライザ画像データに基づいて、スライス位置SL1〜SLnを設定する。そして、スライス位置SL1〜SLnに基づいて、本スキャンを実行する。本スキャンを実行した後、本スキャンによって得られたT1強調画像データDT1に対応付けてスライス位置SL1〜SLnを登録する。2回目以降の撮影時では、ローカライザ画像データDvolを取得し、初回の撮影時に登録されたT1強調画像データDT1と、ローカライザ画像データDvolとの位置合わせを行い、2回目以降の撮影時のスライス位置SL1〜SLnを設定する。
【解決手段】初回の撮影時に取得したローカライザ画像データに基づいて、スライス位置SL1〜SLnを設定する。そして、スライス位置SL1〜SLnに基づいて、本スキャンを実行する。本スキャンを実行した後、本スキャンによって得られたT1強調画像データDT1に対応付けてスライス位置SL1〜SLnを登録する。2回目以降の撮影時では、ローカライザ画像データDvolを取得し、初回の撮影時に登録されたT1強調画像データDT1と、ローカライザ画像データDvolとの位置合わせを行い、2回目以降の撮影時のスライス位置SL1〜SLnを設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体を撮影する磁気共鳴装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
被検体に病変部が見つかった場合、病変部の経時観察をするために、被検体を定期的に(例えば、1か月ごとに)撮影することがある。被検体を撮影する場合、一般的には、オペレータがスキャン位置を設定する必要があるが、近年、オペレータの作業負担を軽減するなどの観点から、スキャン位置を自動で設定する方法も開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-326078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
病変部の経時観察をする場合、初回の撮影時に設定したスライス位置と同じスライス位置で、2回目以降の撮影をすることが重要となる。したがって、初回の撮影時に設定したスライス位置を、2回目以降の撮影をするときに自動で再現できることが望ましい。しかし、一般的なスライス位置の自動設定方法では、初回の撮影時に設定したスライス位置を、2回目以降の撮影時に精度よく再現することは難しいという問題がある。そこで、スライス位置の再現性を高めることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様は、被検体の撮影部位の画像データを取得する磁気共鳴装置であって、
前記撮影部位の第1のスライス位置を設定するときに使用される第1のローカライザ画像データを取得するための第1のローカライザスキャンと、前記第1のスライス位置に基づいて前記撮影部位の画像データを取得するための第1の本スキャンとを含む一連のスキャンを実行するスキャン手段と、
前記一連のスキャンを実行する前に取得された前記撮影部位の過去の画像データと、前記過去の画像データを取得したときに前記撮影部位に設定された過去のスライス位置と、前記第1のローカライザ画像データとに基づいて、前記第1のスライス位置を設定するスライス位置設定手段と、
を有する磁気共鳴装置である。
【0006】
本発明の第2の態様は、被検体の撮影部位の第1のスライス位置を設定するときに使用される第1のローカライザ画像データを取得するための第1のローカライザスキャンと、前記第1のスライス位置に基づいて前記撮影部位の画像データを取得するための第1の本スキャンとを含む一連のスキャンを実行する磁気共鳴装置のプログラムであって、
前記一連のスキャンを実行する前に取得された前記撮影部位の過去の画像データと、前記過去の画像データを取得したときに前記撮影部位に設定された過去のスライス位置と、前記第1のローカライザ画像データとに基づいて、前記第1のスライス位置を設定するスライス位置設定処理、
を計算機に実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
過去の画像データを取得したときに設定された過去のスライス位置に基づいて、第1の本スキャンを実行するときのスライス位置を設定するので、過去のスライス位置を精度よく再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一形態の磁気共鳴装置の概略図である。
【図2】本形態で実行されるスキャンの一例を示す図である。
【図3】撮影部位を概略的に示す図である。
【図4】初回撮影時におけるMR装置100の動作フローを示す図である。
【図5】初回撮影時のローカライザスキャンAによって取得されるローカライザ画像データの説明図である。
【図6】被検体12の頭部に対して設定されたスライス位置SL1〜SLnを概略的に示す図である。
【図7】T1強調画像データDT1に対応付けて登録されたスライス位置SL1〜SLnを概略的に示す図である。
【図8】2回目以降の撮影時におけるMR装置100の動作フローを示す図である。
【図9】2回目以降の撮影時のローカライザスキャンによって取得されるローカライザ画像データの説明図である。
【図10】ローカライザ画像データDvolの別の例を示す図である。
【図11】位置合わせの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
【0010】
図1は、本発明の一形態の磁気共鳴装置の概略図である。
磁気共鳴装置(以下、「MR装置」と呼ぶ。MR:Magnetic Resonance)100は、マグネット2、テーブル3、受信コイル4などを有している。
【0011】
マグネット2は、被検体12が収容されるボア21を有している。また、マグネット2には、超伝導コイル22、勾配コイル23、送信コイル24などが内蔵されている。超伝導コイル22は静磁場を印加し、勾配コイル23は勾配パルスを印加し、送信コイル24はRFパルスを送信する。尚、超伝導コイル22の代わりに、永久磁石を用いてもよい。
【0012】
テーブル3は、クレードル3aを有している。クレードル3aは、ボア21内に移動できるように構成されている。クレードル3aによって、被検体12はボア21に搬送される。
【0013】
受信コイル4は、被検体12の頭部に取り付けられている。受信コイル4は、被検体12からの磁気共鳴信号を受信する。
【0014】
MR装置100は、更に、シーケンサ5、送信器6、勾配磁場電源7、受信器8、中央処理装置9、操作部10、および表示部11を有している。
【0015】
シーケンサ5は、中央処理装置9の制御を受けて、パルスシーケンスの情報を送信器6および勾配磁場電源7に送る。
【0016】
送信器6は、シーケンサ5から送られた情報に基づいて、RFコイル24を駆動するための信号を出力する。
【0017】
勾配磁場電源7は、シーケンサ5から送られた情報に基づいて、勾配コイル23を駆動するための信号を出力する。
【0018】
受信器8は、受信コイル4で受信された磁気共鳴信号を信号処理し、中央処理装置9に出力する。尚、マグネット2、送信器6、勾配磁場電源7、および受信器8を合わせたものが、スキャン手段に相当する。
【0019】
中央処理装置9は、シーケンサ5および表示部11に必要な情報を伝送したり、受信器8から受け取ったデータに基づいて画像を再構成するなど、MR装置100の各種の動作を実現するように、MR装置100の各部の動作を制御する。中央処理装置9は、例えばコンピュータ(computer)によって構成される。中央処理装置9は、スライス位置を設定するスライス位置設定手段91と、スライス位置を登録する登録手段92などを有している。
【0020】
中央処理装置9は、スライス位置設定手段91および登録手段92を構成する一例であり、所定のプログラムを実行することにより、これらの手段として機能する。
【0021】
操作部10は、オペレータにより操作され、種々の情報を中央処理装置9に入力する。表示部11は種々の情報を表示する。
MR装置100は、上記のように構成されている。
【0022】
図2は本形態で実行されるスキャンの一例を示す図、図3は撮影部位を概略的に示す図である。
【0023】
本形態では、ローカライザスキャンAと、本スキャンB1〜B3とを含む一連のスキャンCを実行し、頭部を撮影する。
【0024】
ローカライザスキャンAは、頭部のスライス位置を設定するときに使用されるローカライザ画像データを取得するためのスキャンである。
【0025】
本スキャンB1〜B3は、ローカライザ画像データを用いて設定されたスライス位置に基づいて、頭部を撮影するためのスキャンである。本形態では、3つの本スキャンB1〜B3を実行しているが、1つ又は2つの本スキャンを実行するようにしてもよいし、4つ以上の本スキャンを実行するようにしてもよい。尚、本形態では、本スキャンB1はT1強調画像データを取得するためのスキャン、本スキャンB2はT2強調画像データを取得するためのスキャン、本スキャンB3はFLAIR(Fluid attenuated IR)画像データを取得するためのスキャンである。しかし、本スキャンは、これら以外の画像データを取得するためのスキャンであってもよい。
【0026】
次に、MR装置100で被検体を撮影するときのフローについて説明する。以下では、被検体12の頭部に病変があり、病変の大きさなどの経過観察をするために、被検体12の頭部を定期的(例えば、3か月おき)に撮影する場合について説明する。本形態では、被検体12の頭部を初めて撮影したときの初回撮影時におけるMR装置の動作フローと、経過観察のために行われる2回目以降の撮影時におけるMR装置の動作フローは、異なっている。以下に、初回撮影時におけるMR装置の動作フローと、2回目以降の撮影時におけるMR装置の動作フローについて順に説明する。
【0027】
(1)初回撮影時におけるMR装置100の動作フロー
図4は、初回撮影時におけるMR装置100の動作フローを示す図である。
【0028】
ステップST1では、ローカライザスキャンAを実行し、頭部のスライス位置を設定するときに使用されるローカライザ画像データを取得する(図5参照)。
【0029】
図5は、初回撮影時のローカライザスキャンAによって取得されるローカライザ画像データの説明図である。
【0030】
本形態では、初回撮影時におけるローカライザスキャンでは、3面のローカライザ画像データDA、DC、およびDSを取得する。具体的には、アキシャル面、コロナル面、およびサジタル面のローカライザ画像データDA、DC、およびDSを取得する。これらのローカライザ画像データDA、DC、およびDSを取得した後、ステップST2に進む。
【0031】
ステップST2では、3面のローカライザ画像データDA、DC、およびDSに基づいて、被検体の頭部にスライス位置を設定する。スライス位置の位置情報は、例えば、オペレータが操作部10を操作して、手動で入力することができる。具体的には、3面のローカライザ画像データDA、DC、およびDSを表示部11に表示させて、オペレータがこれらのローカライザ画像データDA、DC、およびDSを参照しながら、スライス位置の位置情報を入力することができる。スライス位置設定手段91(図1参照)は、オペレータによって入力されたスライス位置を、被検体の頭部を撮影するときのスライス位置として設定する。図6に、被検体12の頭部に対して設定されたスライス位置SL1〜SLnを概略的に示す。尚、近年は、スライス位置を自動で設定する技術も普及しているので、スライス位置設定手段91がスライス位置を自動で設定してもよい。スライス位置を設定した後、ステップST3に進む。
【0032】
ステップST3では、ステップST2で設定されたスライス位置SL1〜SLnに従って、本スキャンB1〜B3が行われる。本形態では、本スキャンB1〜B3を実行することによって、T1強調画像データ、T2強調画像データ、およびFLAIR画像データを取得する。これらの画像データを取得した後、ステップST4に進む。
【0033】
ステップST4では、本スキャンB1により取得されたT1強調画像データと、スライス位置SL1〜SLnとの登録を行う。オペレータは、操作部10を操作して、この登録を行うための命令を入力する。この命令が入力されると、登録手段92(図1参照)は、本スキャンB1により取得されたT1強調画像データにスライス位置SL1〜SLnを対応付けて、データベースに登録する。図7に、スライス位置SL1〜SLnが対応付けられたT1強調画像データDT1を概略的に示す。このようにして、図4に示すフローが終了する。
【0034】
(2)2回目の撮影時におけるMR装置100の動作フローについて
図8は、2回目の撮影時におけるMR装置100の動作フローを示す図である。
【0035】
ステップST1では、初回の撮影と同様に、ローカライザ画像データを取得するためのローカライザスキャンA(図2参照)を実行する。ただし、2回目では、3面のローカライザ画像データDA、DC、およびDSではなく、頭部全体のローカライザ画像データを取得する(図9参照)。
【0036】
図9は、2回目の撮影時のローカライザスキャンによって取得されるローカライザ画像データの説明図である。
【0037】
2回目の撮影では、頭部のローカライザ画像データDvolを取得する。ローカライザ画像データDvolは、頭部を横切る3面(アキシャル面、コロナル面、サジタル面)の画像データではなく、頭部のボリューム画像データである。ローカライザ画像データDvolは、2Dスキャンによって取得してもよいし、3Dスキャンによって取得してもよい。尚、ローカライザ画像データDvolは、頭部全体の大まかな形状を表すことができるのであれば、図10に示すように、データが収集されない領域が含まれていてもよい。本形態では、ローカライザ画像データDvolは、図9に示すように、頭部全体からデータを収集したとする。ローカライザ画像データDvolを取得した後、ステップST2に進む。
【0038】
ステップST2では、初回の撮影終了後に登録されたT1強調画像データDT1(図7参照)を読み出す。T1強調画像データDT1にはスライス位置SL1〜SLnが対応付けられているので、T1強調画像データDT1を読みだすことによって、初回の撮影時に設定された過去のスライス位置SL1〜SLnを知ることができる。スライス位置SL1〜SLnが対応付けられたT1強調画像データDT1を読み出した後、ステップST3に進む。
【0039】
ステップST3では、スライス位置設定手段91が、ローカライザ画像データDvolと、読み出したT1強調画像データDT1との位置合わせを行う(図11参照)。
【0040】
図11は、位置合わせの説明図である。
スライス位置設定手段91は、ローカライザ画像データDvolと、T1強調画像データDT1との位置ずれが最も小さくなるように、ローカライザ画像データDvolと、T1強調画像データDT1との位置合わせを行う。位置合わせの方法としては、例えばアフィン(Affine)変換を用いることができる。T1強調画像データDT1には、初回の撮影時に設定された過去のスライス位置SL1〜SLnが対応付けられているので、ローカライザ画像データDvolと、T1強調画像データDT1との位置合わせを行うことによって、ローカライザ画像データDvolに対して、初回の撮影時に設定された過去のスライス位置SL1〜SLnを位置決めすることができる。このようにして位置決めされたスライス位置SL1〜SLnが、2回目の撮影時におけるスライス位置として設定される。2回目の撮影時におけるスライス位置を設定した後、ステップST4に進む。
【0041】
ステップST4では、ステップST3で設定されたスライス位置SL1〜SLnに従って、本スキャンが行われる。本スキャンでは、初回の撮影時と同様に、T1強調画像データ、T2強調画像データ、およびFLAIR画像データなどが取得される。このようにして、2回目の撮影を終了する。
【0042】
3回目の撮影を行う場合も、図8に示すフローに従って撮影が実行される。具体的には、ローカライザスキャンを実行し(ステップST1)、初回の撮影時に登録されたT1強調画像データDT1を読み出し(ステップST2)、読み出したT1強調画像データDT1と、3回目の撮影のときに取得されたローカライザ画像データとの位置合わせを行い、スライス位置SL1〜SLnを設定する(ステップST3)。そして、設定されたスライス位置SL1〜SLnに基づいて、本スキャンを実行する(ステップST4)。4回目以降の撮影を行う場合も、図8に示すフローに従って撮影が実行される。
【0043】
本形態では、被検体12の頭部を経過観察する場合、初回の撮影時に得られた過去のスライス位置SL1〜SLnに基づいて、2回目以降の撮影を行うときのスライス位置を設定する。したがって、初回の撮影時に設定した過去のスライス位置を、2回目以降の撮影時に精度よく再現することでき、同じスライス位置で経過観察をすることができる。
【0044】
また、本形態では、2回目以降の撮影時に実行された一連のスキャンのローカライザスキャンでは、ローカライザ画像データDvolは、ボリューム画像データである。ローカライザ画像データDvolとしてボリューム画像データを使用することによって、ステップST3(図8参照)におけるローカライザ画像データDvolとT1強調画像データDT1との位置合わせを高精度で行うことができる。したがって、初回の撮影時に設定した過去のスライス位置を、2回目以降の撮影時に精度よく再現することできる。尚、位置合わせを十分な精度で行うことができるのであれば、2回目以降の撮影時においても、ボリューム画像データの代わりに、アキシャル面、サジタル面、コロナル面などの断層面の画像データを、ローカライザ画像データとして取得してもよい。
【0045】
本形態では、初回の撮影時に設定したスライス位置SL1〜SLnをT1強調画像データDT1に対応付けて登録している。しかし、初回の撮影時のステップST3(図4参照)では、T1強調画像データDT1の他に、T2強調画像データと、FLAIR画像データも取得している。したがって、T1強調画像データDT1の代わりに、T2強調画像データ又はFLAIR画像データにスライス位置SL1〜SLnを対応付けて登録してもよい。
【0046】
本形態では、初回の撮影時に設定したスライス位置SL1〜SLnに基づいて、2回目以降の撮影を行うときのスライス位置を設定している。しかし、2回目以降の撮影時においてスライス位置SL1〜SLnを再登録し、その後の撮影では、再登録されたスライス位置SL1〜SLnに基づいてスライス位置を設定してもよい。
【0047】
本形態では、初回の撮影時に実行された一連のスキャンのローカライザスキャンでは、アキシャル面、サジタル面、コロナル面の3面のローカライザ画像データを取得している。しかし、初回の撮影時におけるスライス位置を決めることができるのであれば、アキシャル面、サジタル面、コロナル面のうちのいずれか1つの面、又はいずれか2つの面のローカライザ画像データのみを取得してもよい。また、アキシャル面、サジタル面、コロナル面とは別に、オブリーク面のローカライザ画像データを取得してもよい。更に、アキシャル面、サジタル面、コロナル面の3面のローカライザ画像データの代わりに、撮影部位のボリューム画像データを、ローカライザ画像データとしてもよい。
【0048】
また、2回目以降の撮影を行うときに設定されたスライス位置SL1〜SLnを、表示部に表示させて、オペレータが確認できるようにしてもよい。更に、必要に応じて、オペレータが、表示部に表示されたスライス位置SL1〜SLnを調整し、調整後のスライス位置を、2回目以降の撮影を行うときのスライス位置として設定してもよい。
【0049】
尚、本形態では、初回の撮影および2回目以降の撮影は、同じMR装置を用いて実行されている。しかし、初回の撮影を実行したMR装置とは別のMR装置を用いて、2回目以降の撮影を実行してもよい。この場合、初回の撮影を実行したMR装置によって得られた過去の画像データと過去のスライス位置とを対応付けておけば、別のMR装置で2回目以降の撮影をするときであっても、過去の画像データと、ローカライザ画像データとの位置合わせを行うことによって、過去のスライス位置を精度よく再現することができる。
【0050】
また、初回の撮影をCT装置で行い、2回目以降の撮影をMR装置で行ってもよい。この場合、CT装置によって得られた過去の画像データと過去のスライス位置を対応付けておけば、MR装置で2回目以降の撮影をするときであっても、過去の画像データと、ローカライザ画像データとの位置合わせを行うことによって、やはり、過去のスライス位置を精度よく再現することができる。
【符号の説明】
【0051】
2 マグネット
3 テーブル
3a クレードル
4 受信コイル
5 シーケンサ
6 送信器
7 勾配磁場電源
8 受信器
9 中央処理装置
10 操作部
11 表示部
12 被検体
21 ボア
22 超伝導コイル
23 勾配コイル
24 送信コイル
91 スライス位置設定手段
92 登録手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体を撮影する磁気共鳴装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
被検体に病変部が見つかった場合、病変部の経時観察をするために、被検体を定期的に(例えば、1か月ごとに)撮影することがある。被検体を撮影する場合、一般的には、オペレータがスキャン位置を設定する必要があるが、近年、オペレータの作業負担を軽減するなどの観点から、スキャン位置を自動で設定する方法も開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-326078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
病変部の経時観察をする場合、初回の撮影時に設定したスライス位置と同じスライス位置で、2回目以降の撮影をすることが重要となる。したがって、初回の撮影時に設定したスライス位置を、2回目以降の撮影をするときに自動で再現できることが望ましい。しかし、一般的なスライス位置の自動設定方法では、初回の撮影時に設定したスライス位置を、2回目以降の撮影時に精度よく再現することは難しいという問題がある。そこで、スライス位置の再現性を高めることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様は、被検体の撮影部位の画像データを取得する磁気共鳴装置であって、
前記撮影部位の第1のスライス位置を設定するときに使用される第1のローカライザ画像データを取得するための第1のローカライザスキャンと、前記第1のスライス位置に基づいて前記撮影部位の画像データを取得するための第1の本スキャンとを含む一連のスキャンを実行するスキャン手段と、
前記一連のスキャンを実行する前に取得された前記撮影部位の過去の画像データと、前記過去の画像データを取得したときに前記撮影部位に設定された過去のスライス位置と、前記第1のローカライザ画像データとに基づいて、前記第1のスライス位置を設定するスライス位置設定手段と、
を有する磁気共鳴装置である。
【0006】
本発明の第2の態様は、被検体の撮影部位の第1のスライス位置を設定するときに使用される第1のローカライザ画像データを取得するための第1のローカライザスキャンと、前記第1のスライス位置に基づいて前記撮影部位の画像データを取得するための第1の本スキャンとを含む一連のスキャンを実行する磁気共鳴装置のプログラムであって、
前記一連のスキャンを実行する前に取得された前記撮影部位の過去の画像データと、前記過去の画像データを取得したときに前記撮影部位に設定された過去のスライス位置と、前記第1のローカライザ画像データとに基づいて、前記第1のスライス位置を設定するスライス位置設定処理、
を計算機に実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
過去の画像データを取得したときに設定された過去のスライス位置に基づいて、第1の本スキャンを実行するときのスライス位置を設定するので、過去のスライス位置を精度よく再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一形態の磁気共鳴装置の概略図である。
【図2】本形態で実行されるスキャンの一例を示す図である。
【図3】撮影部位を概略的に示す図である。
【図4】初回撮影時におけるMR装置100の動作フローを示す図である。
【図5】初回撮影時のローカライザスキャンAによって取得されるローカライザ画像データの説明図である。
【図6】被検体12の頭部に対して設定されたスライス位置SL1〜SLnを概略的に示す図である。
【図7】T1強調画像データDT1に対応付けて登録されたスライス位置SL1〜SLnを概略的に示す図である。
【図8】2回目以降の撮影時におけるMR装置100の動作フローを示す図である。
【図9】2回目以降の撮影時のローカライザスキャンによって取得されるローカライザ画像データの説明図である。
【図10】ローカライザ画像データDvolの別の例を示す図である。
【図11】位置合わせの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
【0010】
図1は、本発明の一形態の磁気共鳴装置の概略図である。
磁気共鳴装置(以下、「MR装置」と呼ぶ。MR:Magnetic Resonance)100は、マグネット2、テーブル3、受信コイル4などを有している。
【0011】
マグネット2は、被検体12が収容されるボア21を有している。また、マグネット2には、超伝導コイル22、勾配コイル23、送信コイル24などが内蔵されている。超伝導コイル22は静磁場を印加し、勾配コイル23は勾配パルスを印加し、送信コイル24はRFパルスを送信する。尚、超伝導コイル22の代わりに、永久磁石を用いてもよい。
【0012】
テーブル3は、クレードル3aを有している。クレードル3aは、ボア21内に移動できるように構成されている。クレードル3aによって、被検体12はボア21に搬送される。
【0013】
受信コイル4は、被検体12の頭部に取り付けられている。受信コイル4は、被検体12からの磁気共鳴信号を受信する。
【0014】
MR装置100は、更に、シーケンサ5、送信器6、勾配磁場電源7、受信器8、中央処理装置9、操作部10、および表示部11を有している。
【0015】
シーケンサ5は、中央処理装置9の制御を受けて、パルスシーケンスの情報を送信器6および勾配磁場電源7に送る。
【0016】
送信器6は、シーケンサ5から送られた情報に基づいて、RFコイル24を駆動するための信号を出力する。
【0017】
勾配磁場電源7は、シーケンサ5から送られた情報に基づいて、勾配コイル23を駆動するための信号を出力する。
【0018】
受信器8は、受信コイル4で受信された磁気共鳴信号を信号処理し、中央処理装置9に出力する。尚、マグネット2、送信器6、勾配磁場電源7、および受信器8を合わせたものが、スキャン手段に相当する。
【0019】
中央処理装置9は、シーケンサ5および表示部11に必要な情報を伝送したり、受信器8から受け取ったデータに基づいて画像を再構成するなど、MR装置100の各種の動作を実現するように、MR装置100の各部の動作を制御する。中央処理装置9は、例えばコンピュータ(computer)によって構成される。中央処理装置9は、スライス位置を設定するスライス位置設定手段91と、スライス位置を登録する登録手段92などを有している。
【0020】
中央処理装置9は、スライス位置設定手段91および登録手段92を構成する一例であり、所定のプログラムを実行することにより、これらの手段として機能する。
【0021】
操作部10は、オペレータにより操作され、種々の情報を中央処理装置9に入力する。表示部11は種々の情報を表示する。
MR装置100は、上記のように構成されている。
【0022】
図2は本形態で実行されるスキャンの一例を示す図、図3は撮影部位を概略的に示す図である。
【0023】
本形態では、ローカライザスキャンAと、本スキャンB1〜B3とを含む一連のスキャンCを実行し、頭部を撮影する。
【0024】
ローカライザスキャンAは、頭部のスライス位置を設定するときに使用されるローカライザ画像データを取得するためのスキャンである。
【0025】
本スキャンB1〜B3は、ローカライザ画像データを用いて設定されたスライス位置に基づいて、頭部を撮影するためのスキャンである。本形態では、3つの本スキャンB1〜B3を実行しているが、1つ又は2つの本スキャンを実行するようにしてもよいし、4つ以上の本スキャンを実行するようにしてもよい。尚、本形態では、本スキャンB1はT1強調画像データを取得するためのスキャン、本スキャンB2はT2強調画像データを取得するためのスキャン、本スキャンB3はFLAIR(Fluid attenuated IR)画像データを取得するためのスキャンである。しかし、本スキャンは、これら以外の画像データを取得するためのスキャンであってもよい。
【0026】
次に、MR装置100で被検体を撮影するときのフローについて説明する。以下では、被検体12の頭部に病変があり、病変の大きさなどの経過観察をするために、被検体12の頭部を定期的(例えば、3か月おき)に撮影する場合について説明する。本形態では、被検体12の頭部を初めて撮影したときの初回撮影時におけるMR装置の動作フローと、経過観察のために行われる2回目以降の撮影時におけるMR装置の動作フローは、異なっている。以下に、初回撮影時におけるMR装置の動作フローと、2回目以降の撮影時におけるMR装置の動作フローについて順に説明する。
【0027】
(1)初回撮影時におけるMR装置100の動作フロー
図4は、初回撮影時におけるMR装置100の動作フローを示す図である。
【0028】
ステップST1では、ローカライザスキャンAを実行し、頭部のスライス位置を設定するときに使用されるローカライザ画像データを取得する(図5参照)。
【0029】
図5は、初回撮影時のローカライザスキャンAによって取得されるローカライザ画像データの説明図である。
【0030】
本形態では、初回撮影時におけるローカライザスキャンでは、3面のローカライザ画像データDA、DC、およびDSを取得する。具体的には、アキシャル面、コロナル面、およびサジタル面のローカライザ画像データDA、DC、およびDSを取得する。これらのローカライザ画像データDA、DC、およびDSを取得した後、ステップST2に進む。
【0031】
ステップST2では、3面のローカライザ画像データDA、DC、およびDSに基づいて、被検体の頭部にスライス位置を設定する。スライス位置の位置情報は、例えば、オペレータが操作部10を操作して、手動で入力することができる。具体的には、3面のローカライザ画像データDA、DC、およびDSを表示部11に表示させて、オペレータがこれらのローカライザ画像データDA、DC、およびDSを参照しながら、スライス位置の位置情報を入力することができる。スライス位置設定手段91(図1参照)は、オペレータによって入力されたスライス位置を、被検体の頭部を撮影するときのスライス位置として設定する。図6に、被検体12の頭部に対して設定されたスライス位置SL1〜SLnを概略的に示す。尚、近年は、スライス位置を自動で設定する技術も普及しているので、スライス位置設定手段91がスライス位置を自動で設定してもよい。スライス位置を設定した後、ステップST3に進む。
【0032】
ステップST3では、ステップST2で設定されたスライス位置SL1〜SLnに従って、本スキャンB1〜B3が行われる。本形態では、本スキャンB1〜B3を実行することによって、T1強調画像データ、T2強調画像データ、およびFLAIR画像データを取得する。これらの画像データを取得した後、ステップST4に進む。
【0033】
ステップST4では、本スキャンB1により取得されたT1強調画像データと、スライス位置SL1〜SLnとの登録を行う。オペレータは、操作部10を操作して、この登録を行うための命令を入力する。この命令が入力されると、登録手段92(図1参照)は、本スキャンB1により取得されたT1強調画像データにスライス位置SL1〜SLnを対応付けて、データベースに登録する。図7に、スライス位置SL1〜SLnが対応付けられたT1強調画像データDT1を概略的に示す。このようにして、図4に示すフローが終了する。
【0034】
(2)2回目の撮影時におけるMR装置100の動作フローについて
図8は、2回目の撮影時におけるMR装置100の動作フローを示す図である。
【0035】
ステップST1では、初回の撮影と同様に、ローカライザ画像データを取得するためのローカライザスキャンA(図2参照)を実行する。ただし、2回目では、3面のローカライザ画像データDA、DC、およびDSではなく、頭部全体のローカライザ画像データを取得する(図9参照)。
【0036】
図9は、2回目の撮影時のローカライザスキャンによって取得されるローカライザ画像データの説明図である。
【0037】
2回目の撮影では、頭部のローカライザ画像データDvolを取得する。ローカライザ画像データDvolは、頭部を横切る3面(アキシャル面、コロナル面、サジタル面)の画像データではなく、頭部のボリューム画像データである。ローカライザ画像データDvolは、2Dスキャンによって取得してもよいし、3Dスキャンによって取得してもよい。尚、ローカライザ画像データDvolは、頭部全体の大まかな形状を表すことができるのであれば、図10に示すように、データが収集されない領域が含まれていてもよい。本形態では、ローカライザ画像データDvolは、図9に示すように、頭部全体からデータを収集したとする。ローカライザ画像データDvolを取得した後、ステップST2に進む。
【0038】
ステップST2では、初回の撮影終了後に登録されたT1強調画像データDT1(図7参照)を読み出す。T1強調画像データDT1にはスライス位置SL1〜SLnが対応付けられているので、T1強調画像データDT1を読みだすことによって、初回の撮影時に設定された過去のスライス位置SL1〜SLnを知ることができる。スライス位置SL1〜SLnが対応付けられたT1強調画像データDT1を読み出した後、ステップST3に進む。
【0039】
ステップST3では、スライス位置設定手段91が、ローカライザ画像データDvolと、読み出したT1強調画像データDT1との位置合わせを行う(図11参照)。
【0040】
図11は、位置合わせの説明図である。
スライス位置設定手段91は、ローカライザ画像データDvolと、T1強調画像データDT1との位置ずれが最も小さくなるように、ローカライザ画像データDvolと、T1強調画像データDT1との位置合わせを行う。位置合わせの方法としては、例えばアフィン(Affine)変換を用いることができる。T1強調画像データDT1には、初回の撮影時に設定された過去のスライス位置SL1〜SLnが対応付けられているので、ローカライザ画像データDvolと、T1強調画像データDT1との位置合わせを行うことによって、ローカライザ画像データDvolに対して、初回の撮影時に設定された過去のスライス位置SL1〜SLnを位置決めすることができる。このようにして位置決めされたスライス位置SL1〜SLnが、2回目の撮影時におけるスライス位置として設定される。2回目の撮影時におけるスライス位置を設定した後、ステップST4に進む。
【0041】
ステップST4では、ステップST3で設定されたスライス位置SL1〜SLnに従って、本スキャンが行われる。本スキャンでは、初回の撮影時と同様に、T1強調画像データ、T2強調画像データ、およびFLAIR画像データなどが取得される。このようにして、2回目の撮影を終了する。
【0042】
3回目の撮影を行う場合も、図8に示すフローに従って撮影が実行される。具体的には、ローカライザスキャンを実行し(ステップST1)、初回の撮影時に登録されたT1強調画像データDT1を読み出し(ステップST2)、読み出したT1強調画像データDT1と、3回目の撮影のときに取得されたローカライザ画像データとの位置合わせを行い、スライス位置SL1〜SLnを設定する(ステップST3)。そして、設定されたスライス位置SL1〜SLnに基づいて、本スキャンを実行する(ステップST4)。4回目以降の撮影を行う場合も、図8に示すフローに従って撮影が実行される。
【0043】
本形態では、被検体12の頭部を経過観察する場合、初回の撮影時に得られた過去のスライス位置SL1〜SLnに基づいて、2回目以降の撮影を行うときのスライス位置を設定する。したがって、初回の撮影時に設定した過去のスライス位置を、2回目以降の撮影時に精度よく再現することでき、同じスライス位置で経過観察をすることができる。
【0044】
また、本形態では、2回目以降の撮影時に実行された一連のスキャンのローカライザスキャンでは、ローカライザ画像データDvolは、ボリューム画像データである。ローカライザ画像データDvolとしてボリューム画像データを使用することによって、ステップST3(図8参照)におけるローカライザ画像データDvolとT1強調画像データDT1との位置合わせを高精度で行うことができる。したがって、初回の撮影時に設定した過去のスライス位置を、2回目以降の撮影時に精度よく再現することできる。尚、位置合わせを十分な精度で行うことができるのであれば、2回目以降の撮影時においても、ボリューム画像データの代わりに、アキシャル面、サジタル面、コロナル面などの断層面の画像データを、ローカライザ画像データとして取得してもよい。
【0045】
本形態では、初回の撮影時に設定したスライス位置SL1〜SLnをT1強調画像データDT1に対応付けて登録している。しかし、初回の撮影時のステップST3(図4参照)では、T1強調画像データDT1の他に、T2強調画像データと、FLAIR画像データも取得している。したがって、T1強調画像データDT1の代わりに、T2強調画像データ又はFLAIR画像データにスライス位置SL1〜SLnを対応付けて登録してもよい。
【0046】
本形態では、初回の撮影時に設定したスライス位置SL1〜SLnに基づいて、2回目以降の撮影を行うときのスライス位置を設定している。しかし、2回目以降の撮影時においてスライス位置SL1〜SLnを再登録し、その後の撮影では、再登録されたスライス位置SL1〜SLnに基づいてスライス位置を設定してもよい。
【0047】
本形態では、初回の撮影時に実行された一連のスキャンのローカライザスキャンでは、アキシャル面、サジタル面、コロナル面の3面のローカライザ画像データを取得している。しかし、初回の撮影時におけるスライス位置を決めることができるのであれば、アキシャル面、サジタル面、コロナル面のうちのいずれか1つの面、又はいずれか2つの面のローカライザ画像データのみを取得してもよい。また、アキシャル面、サジタル面、コロナル面とは別に、オブリーク面のローカライザ画像データを取得してもよい。更に、アキシャル面、サジタル面、コロナル面の3面のローカライザ画像データの代わりに、撮影部位のボリューム画像データを、ローカライザ画像データとしてもよい。
【0048】
また、2回目以降の撮影を行うときに設定されたスライス位置SL1〜SLnを、表示部に表示させて、オペレータが確認できるようにしてもよい。更に、必要に応じて、オペレータが、表示部に表示されたスライス位置SL1〜SLnを調整し、調整後のスライス位置を、2回目以降の撮影を行うときのスライス位置として設定してもよい。
【0049】
尚、本形態では、初回の撮影および2回目以降の撮影は、同じMR装置を用いて実行されている。しかし、初回の撮影を実行したMR装置とは別のMR装置を用いて、2回目以降の撮影を実行してもよい。この場合、初回の撮影を実行したMR装置によって得られた過去の画像データと過去のスライス位置とを対応付けておけば、別のMR装置で2回目以降の撮影をするときであっても、過去の画像データと、ローカライザ画像データとの位置合わせを行うことによって、過去のスライス位置を精度よく再現することができる。
【0050】
また、初回の撮影をCT装置で行い、2回目以降の撮影をMR装置で行ってもよい。この場合、CT装置によって得られた過去の画像データと過去のスライス位置を対応付けておけば、MR装置で2回目以降の撮影をするときであっても、過去の画像データと、ローカライザ画像データとの位置合わせを行うことによって、やはり、過去のスライス位置を精度よく再現することができる。
【符号の説明】
【0051】
2 マグネット
3 テーブル
3a クレードル
4 受信コイル
5 シーケンサ
6 送信器
7 勾配磁場電源
8 受信器
9 中央処理装置
10 操作部
11 表示部
12 被検体
21 ボア
22 超伝導コイル
23 勾配コイル
24 送信コイル
91 スライス位置設定手段
92 登録手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の撮影部位の画像データを取得する磁気共鳴装置であって、
前記撮影部位の第1のスライス位置を設定するときに使用される第1のローカライザ画像データを取得するための第1のローカライザスキャンと、前記第1のスライス位置に基づいて前記撮影部位の画像データを取得するための第1の本スキャンとを含む一連のスキャンを実行するスキャン手段と、
前記一連のスキャンを実行する前に取得された前記撮影部位の過去の画像データと、前記過去の画像データを取得したときに前記撮影部位に設定された過去のスライス位置と、前記第1のローカライザ画像データとに基づいて、前記第1のスライス位置を設定するスライス位置設定手段と、
を有する磁気共鳴装置。
【請求項2】
前記過去の画像データには、前記過去のスライス位置が対応付けられており、
前記スライス位置設定手段は、
前記過去のスライス位置が対応付けられた前記過去の画像データと、前記第1のローカライザ画像データとの位置合わせを行い、位置合わせの結果に基づいて、前記第1のスライス位置を設定する、請求項1に記載の磁気共鳴装置。
【請求項3】
前記スライス位置設定手段は、
前記過去のスライス位置が対応付けられた前記過去の画像データと、前記第1のローカライザ画像データとの位置合わせを行い、位置合わせ後の前記第1のローカライザ画像データに対する前記過去のスライス位置を求める、請求項2に記載の磁気共鳴装置。
【請求項4】
前記スライス位置設定手段は、
位置合わせ後の前記第1のローカライザ画像データに対する前記過去のスライス位置を、前記第1のスライス位置として設定する、請求項3に記載の磁気共鳴装置。
【請求項5】
位置合わせ後の前記第1のローカライザ画像データに対する前記過去のスライス位置を表示する表示部を有し、
前記スライス位置設定手段は、
オペレータの操作に応じて、前記表示部に表示された前記過去のスライス位置を調整し、調整後の過去のスライス位置を、前記第1のスライス位置として設定する、請求項3に記載の磁気共鳴装置。
【請求項6】
前記スキャン手段は、
前記一連のスキャンを実行する前に、前記過去のスライス位置を設定するときに使用される第2のローカライザ画像データを取得するための第2のローカライザスキャンと、前記過去の画像データを取得するための第2の本スキャンとを含む別の一連のスキャンを実行する、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
【請求項7】
前記第1のローカライザ画像データは、前記撮影部位のボリューム画像データであり、前記第2のローカライザ画像データは、前記撮影部位の断面の画像データである、請求項6に記載の磁気共鳴装置。
【請求項8】
前記別の一連のスキャンは、前記撮影部位の初回の撮影時に実行されたスキャンであり、
前記一連のスキャンは、前記撮影部位の2回目以降の撮影時に実行されるスキャンである、請求項6又は7に記載の磁気共鳴装置。
【請求項9】
前記過去のスライス位置を前記過去の画像データに対応付けて登録する登録手段を有する、請求項2〜8のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
【請求項10】
前記過去の画像データは、前記磁気共鳴装置とは別の磁気共鳴装置を用いて取得されている、請求項1〜9のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
【請求項11】
前記過去の画像データは、CT装置を用いて取得されている、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
【請求項12】
被検体の撮影部位の第1のスライス位置を設定するときに使用される第1のローカライザ画像データを取得するための第1のローカライザスキャンと、前記第1のスライス位置に基づいて前記撮影部位の画像データを取得するための第1の本スキャンとを含む一連のスキャンを実行する磁気共鳴装置のプログラムであって、
前記一連のスキャンを実行する前に取得された前記撮影部位の過去の画像データと、前記過去の画像データを取得したときに前記撮影部位に設定された過去のスライス位置と、前記第1のローカライザ画像データとに基づいて、前記第1のスライス位置を設定するスライス位置設定処理、
を計算機に実行させるためのプログラム。
【請求項1】
被検体の撮影部位の画像データを取得する磁気共鳴装置であって、
前記撮影部位の第1のスライス位置を設定するときに使用される第1のローカライザ画像データを取得するための第1のローカライザスキャンと、前記第1のスライス位置に基づいて前記撮影部位の画像データを取得するための第1の本スキャンとを含む一連のスキャンを実行するスキャン手段と、
前記一連のスキャンを実行する前に取得された前記撮影部位の過去の画像データと、前記過去の画像データを取得したときに前記撮影部位に設定された過去のスライス位置と、前記第1のローカライザ画像データとに基づいて、前記第1のスライス位置を設定するスライス位置設定手段と、
を有する磁気共鳴装置。
【請求項2】
前記過去の画像データには、前記過去のスライス位置が対応付けられており、
前記スライス位置設定手段は、
前記過去のスライス位置が対応付けられた前記過去の画像データと、前記第1のローカライザ画像データとの位置合わせを行い、位置合わせの結果に基づいて、前記第1のスライス位置を設定する、請求項1に記載の磁気共鳴装置。
【請求項3】
前記スライス位置設定手段は、
前記過去のスライス位置が対応付けられた前記過去の画像データと、前記第1のローカライザ画像データとの位置合わせを行い、位置合わせ後の前記第1のローカライザ画像データに対する前記過去のスライス位置を求める、請求項2に記載の磁気共鳴装置。
【請求項4】
前記スライス位置設定手段は、
位置合わせ後の前記第1のローカライザ画像データに対する前記過去のスライス位置を、前記第1のスライス位置として設定する、請求項3に記載の磁気共鳴装置。
【請求項5】
位置合わせ後の前記第1のローカライザ画像データに対する前記過去のスライス位置を表示する表示部を有し、
前記スライス位置設定手段は、
オペレータの操作に応じて、前記表示部に表示された前記過去のスライス位置を調整し、調整後の過去のスライス位置を、前記第1のスライス位置として設定する、請求項3に記載の磁気共鳴装置。
【請求項6】
前記スキャン手段は、
前記一連のスキャンを実行する前に、前記過去のスライス位置を設定するときに使用される第2のローカライザ画像データを取得するための第2のローカライザスキャンと、前記過去の画像データを取得するための第2の本スキャンとを含む別の一連のスキャンを実行する、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
【請求項7】
前記第1のローカライザ画像データは、前記撮影部位のボリューム画像データであり、前記第2のローカライザ画像データは、前記撮影部位の断面の画像データである、請求項6に記載の磁気共鳴装置。
【請求項8】
前記別の一連のスキャンは、前記撮影部位の初回の撮影時に実行されたスキャンであり、
前記一連のスキャンは、前記撮影部位の2回目以降の撮影時に実行されるスキャンである、請求項6又は7に記載の磁気共鳴装置。
【請求項9】
前記過去のスライス位置を前記過去の画像データに対応付けて登録する登録手段を有する、請求項2〜8のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
【請求項10】
前記過去の画像データは、前記磁気共鳴装置とは別の磁気共鳴装置を用いて取得されている、請求項1〜9のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
【請求項11】
前記過去の画像データは、CT装置を用いて取得されている、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
【請求項12】
被検体の撮影部位の第1のスライス位置を設定するときに使用される第1のローカライザ画像データを取得するための第1のローカライザスキャンと、前記第1のスライス位置に基づいて前記撮影部位の画像データを取得するための第1の本スキャンとを含む一連のスキャンを実行する磁気共鳴装置のプログラムであって、
前記一連のスキャンを実行する前に取得された前記撮影部位の過去の画像データと、前記過去の画像データを取得したときに前記撮影部位に設定された過去のスライス位置と、前記第1のローカライザ画像データとに基づいて、前記第1のスライス位置を設定するスライス位置設定処理、
を計算機に実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−94335(P2013−94335A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238494(P2011−238494)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】
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