説明

磁気及び光の結合通信システム

【課題】磁気と光とを組み合わせた通信システムを提供する
【解決手段】電磁(EM)通信デバイスと少なくとも機械可読シンボルを含む光通信デバイスとの双方を含み、少なくとも電磁通信デバイスの一部と少なくとも機械可読シンボルの一部が同じ材料で構成された通信システムを提供する。この材料は、例えば、導電性のインク或いは導電性の箔であり得る。必要であれば、電磁通信デバイスはアンテナを含み、少なくともそのアンテナの一部が少なくとも機械可読シンボルの一部を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には情報を電磁的かつ光学的に通信可能な通信システムに関し、特に電磁通信デバイスと光通信デバイスの双方を備え、少なくとも各通信デバイスの一部が同じ材料で構成された通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
(著作権と法的通告)
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【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の実施形態によれば、電磁(EM)通信デバイスと光通信デバイスとの双方を含み、少なくとも電磁通信デバイスの一部と少なくとも光通信デバイスの一部とが同じ材料で形成された通信システムが提供される。
【0004】
本発明の実施形態によれば、上記の光通信デバイスは、機械可読シンボル、例えば、バーコード・シンボルを含む。
【0005】
本発明の他の実施形態によれば、上記EM通信デバイスは、無線通信デバイス、例えば、RFIDタグを含む。
【0006】
本発明の一実施形態によれば、導電性のインクを使用して、少なくとも上記無線通信デバイスの一部と少なくとも上記バーコード・シンボルの一部を形成する。
【0007】
本発明の他の実施形態によれば、少なくとも上記無線通信デバイスの一部と、少なくとも上記バーコード・シンボルの一部の両方が、除去加工(subtractive process)、例えばエッチングを使用した導電性の箔で構成される。
【0008】
本発明の他の実施形態によれば、上記バーコード・シンボルはバーの間に等幅のスペースをもつフォーマットである。
【0009】
本発明の他の実施形態によれば、上記光通信デバイスには1つ或いはそれ以上の英数字シンボルが含まれる。
【0010】
本発明の他の実施形態によれば、上記光通信デバイスには1つ或いはそれ以上のロゴが含まれる。
【0011】
本発明の他の実施形態によれば、上記無線通信デバイスには上記バーコード・シンボルで符号化された情報と同じ情報を格納するメモリが含まれる。
【0012】
本発明の他の実施形態によれば、上記メモリに格納され、上記バーコード・シンボルで符号化された上記情報によって製品を識別する。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、保護被覆が上記無線通信デバイスと光通信デバイスの双方を覆うが、しかしながら、上記光通信デバイスで符号化された情報は、上記保護被覆を介して光学的に通信され得る。
【0014】
本発明の他の実施形態によれば、上記無線通信デバイスと光通信デバイスとが、開封されるべく設計されたパッケージの上に搭載され、そのパッケージが設計どおりに開封されると上記無線通信デバイスが破損して、もはや通信を行わない。
【0015】
本発明の実施形態によれば、通信システムは、電磁通信デバイスと光通信デバイスとを備える。その電磁通信デバイスには少なくともアンテナが含まれる。その光通信デバイスには少なくとも機械可読シンボルが含まれる。少なくとも上記アンテナの一部と少なくとも上記機械可読シンボルの一部とが同じ材料で構成される。少なくとも上記アンテナの一部には少なくとも上記機械可読シンボルの一部が含まれる。
【0016】
本発明の実施形態によれば、通信システムは、無線通信デバイスと光通信デバイスとを備える。その無線通信デバイスには少なくともアンテナが含まれる。その光通信デバイスには少なくともバーコード・シンボルが含まれる。少なくとも上記アンテナの一部と少なくとも上記バーコード・シンボルの一部とが同じ材料で構成される。少なくとも上記アンテナの一部には少なくとも上記バーコード・シンボルの一部が含まれる。
【0017】
本発明の実施形態によれば、無線通信デバイスと光通信デバイスを含む通信システムを備える方法が提供される。上記無線通信デバイスには、通信制御部、メモリ、及び、アンテナが含まれる。上記光通信デバイスには少なくともバーコード・シンボルが含まれる。この方法によれば、上記無線通信デバイスの上記通信制御部と上記メモリとが基板上に提供される。また、少なくとも上記アンテナの一部と少なくとも上記バーコード・シンボルの一部のために同じ材料を使って、上記基板上に上記無線通信デバイスの上記アンテナと上記光通信デバイスが提供される。
【0018】
本発明の他の実施形態によれば、無線通信デバイスと光通信デバイスとを含む通信システムを備える方法が提供される。上記無線通信デバイスには通信制御部、メモリ、及び、アンテナが含まれる。上記光通信デバイスには少なくともバーコード・シンボルが含まれる。この方法によれば、上記無線通信デバイスの上記通信制御部と上記メモリとが基板上に提供される。また、少なくとも上記アンテナの一部に少なくとも上記バーコード・シンボルの一部が含まれるように、少なくとも上記アンテナの一部と少なくとも上記バーコード・シンボルの一部のために同じ材料を使って、上記基板上に上記無線通信デバイスの上記アンテナと上記光通信デバイスが提供される。
【0019】
本発明の他の実施形態によれば、導電性のインクを使用して、少なくとも上記無線通信デバイスの上記アンテナの一部と少なくとも上記バーコード・シンボルの一部とが提供される。
【0020】
本発明の他の実施形態によれば、導電性の箔を使用して、少なくとも上記無線通信デバイスの上記アンテナの一部と少なくとも上記バーコード・シンボルの一部が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の実施形態によれば、磁気と光を組み合わせた通信(CEMOC)システムは、電磁(EM)通信デバイスと光通信デバイスとの双方を備え、ここで、少なくともEM通信デバイスの一部と少なくとも光通信デバイスの一部とが同じ材料で形成されている。この電磁通信デバイスは、電磁波エネルギーを使用して通信(例えば、情報の送信、情報の受信、或いは両方)を行うあらゆるデバイス、例えばテレビ、無線電話、無線送信機、無線受信機、無線トランスポンダ(transponder)、或いは無線識別(RFID)タグとすることができる。この電磁通信デバイスは、例えば通信制御回路や送信データを格納するメモリといったコンポーネントで構成してもよい。光通信デバイスは、例えば英数字テキスト、ブランド或いは企業ロゴ、或いはバーコードを含む、人間或いは機械が読取り可能な記号の外観(physical appearance)を通じて光学的に情報の格納と通信を行うデバイスとすることができる。
【0022】
このCEMOCシステムのEM通信デバイスと光通信デバイスには、複数通りの組み合わせ方がある。本発明の一実施形態によれば、図1に示すように、単一の基板40上にCEMOCシステム10のEM通信デバイス20と通信デバイス30とを構成して組み合わせることができる。
【0023】
このようなCEMOCシステム10の構成は、複数の方法で実現できる。本発明の一実施形態によれば、少なくともEM通信デバイス20の一部と少なくとも光通信デバイス30の一部を、基板40上に導電性のインクで印刷して構成することができる。例えば、図2は、RFIDタグ202からなるEM通信デバイスと、バーコード204からなる光通信デバイスとを備えるCEMOCシステム10を真上から見た図である。RFIDタグ202は、アンテナ208と、このRFIDタグに関係する(involving)通信制御を行うとともに、データを格納するメモリを含む集積回路(IC)206とを備える。少なくともRFIDタグ202の一部、例えばアンテナ208やバーコード204の双方を、電磁エネルギーを伝導する(conducting)ことのできる金属性(metallic)のインク或いは他のインク、及び、このようなインクを使用して印刷可能なインクジェット・プリンタ或いは他の既知の印刷装置とによって、基板40上に印刷することができる。IC206は、アンテナ208とバーコード204を印刷する前に、或いは後から基板40上に搭載できる。いずれの場合でも、IC206がアンテナ208を介してデータの送信及び/又は受信ができるようにIC206とアンテナ208とが結合されている。
【0024】
CEMOCシステム10を構成する他の方法として、エッチングを含む印刷技術がある。本発明の他の実施形態によれば、少なくともEM通信デバイス20の一部と少なくとも光通信デバイス30の一部とを導電性の材料で構成することができる。その際、材料の一部を取り除くことで、導電性材料の残りの部分が、少なくともEM通信デバイスの一部と少なくとも光通信デバイスの一部を構成する。例えば、再び図2を参照すると、材料を燃やすことで除去するスクライビング・レーザ(scribing laser)を使用して、導電性の箔からアンテナ208とバーコード204をエッチングすることができる。そして、例えば接着剤を使用して、これらのアンテナ208とバーコード204とを基板40上に固定してもよい。代替的に、最初に基板40上に一枚の箔を接着しておき、その後、その箔からアンテナ208とバーコード204とをエッチングすることができる。アンテナ208とバーコード204を形成する前、或いは後からIC206を基板40上に搭載してよく、これにより、アンテナ208を介してデータの送信及び/又は受信ができるように、IC206をアンテナ208に結合させる。
【0025】
CEMOCシステムのEM通信デバイスと光通信デバイスとを組み合わせる他の方法として、光通信デバイスをEM通信デバイスに結合し、このEM通信デバイスのアンテナとして機能させてもよい。例えば図3は、CEMOCシステム15を真上から見た図であり、このCEMOCシステム15のEM通信デバイスは、IC17とアンテナ18とを含むRFIDタグで構成される。アンテナ18はCEMOCシステム15の光通信デバイスとしても機能する。そのため、アンテナ18は、情報を光学的に蓄積し、提供するような外観となっている。例えば図3に示すように、アンテナ18を一次元(linear)バーコードの形状としてもよい。
【0026】
アンテナと光通信デバイスとを組み合わせたものと一体となったCEMOCシステムは、図2を参照して上述したものと同じような技術を用いて構成してもよい。したがって、少なくともアンテナの一部と少なくとも光通信デバイス30の一部とを、導電性のインクを用いて印刷してもよいし、又は導電性材料をエッチングすることによって構成してもよい。また、光通信デバイス30を、例えば基板上に構成するのではなく、独立型(free-standing)のアンテナとして構成してもよい。
【0027】
CEMOCシステムがバーコード形状のアンテナを含む場合、EM通信デバイスと結合させた連続経路(continuous path)を提供すべく、2つ或いはそれ以上のアンテナのバー/バーコードを接続してもよい。当業者に周知であるように、この連続経路は、好適な長さと幅を有し、かつ、その連続経路がEM通信デバイスの実行する通信機能、例えばRFIDタグ通信に適したアンテナとしての役割を果たすように、導電性の材料からなる必要がある。
【0028】
バーコードのバーは、バーコードスキャナがそのアンテナをバーコードとして有効に読みとることを妨害しないようなあらゆる方法で接続され得る。例えば図3に示すように、アンテナ/バーコード18の各々のバーがそれに続くアンテナ/バーコード18のバーに、蛇行しながら(in a snaking fashion)交互にその交互端部(alternating ends)で接続されるようにしてもよい。
【0029】
本発明のCEMOCシステムの光通信デバイスは、1つ或いはそれ以上の部品からなり、その部品各々の外観が異なっていて、様々な情報を格納し、搬送するようにしてもよい。例えば図2と図3において、光通信デバイスには単一の部品、例えばバーコードが含まれる。図4のCEMOCシステム10の例では、光通信デバイス30には、人間が読み取れるテキストだけでなくバーコード204も含まれる。光通信デバイス30の異なる部品が、合成画像(composite image)、例えば図3に示すEPCバーコードを構成するようにしてもよい。しかしながら、光通信デバイス30の様々な部品が、関連情報を表している必要はない。また、光通信デバイス30の幾つかの部品に、装飾シンボル或いはブランド或いは企業ロゴが含まれるようにしてもよい。
【0030】
CEMOCシステムが、EM通信デバイスのアンテナとしても機能する光通信デバイスを含む場合、その光通信デバイスの2或いはそれ以上の部品が、アンテナの役割を果たす連続経路を構成してもよい。例えば、図5に示すCEMOCシステム15には、例えば一次元バーコード、そのバーコードの下のテキスト、企業ロゴ「SNX」のより小さなインスタンスとより大きなインスタンスの4つの部品を有する光通信デバイスが含まれる。図5に示すように、一次元バーコードとより大きなインスタンスで示した企業ロゴとが連続経路を構成して、図5ではRFIDタグであるEM通信デバイスのアンテナとしての役割を果たす。
【0031】
CEMOCシステムの光通信デバイスが幾つかの部品を含む場合、それらの部品の全てが同時に構成されるか、又は異なった時間に構成されるようにしてもよい。例えば、バーコードの部分を印刷する前に、装飾シンボル或いはロゴを基板上に印刷してもよい。他の例では、バーコードを印刷した後に、人間が読み取れる文字を基板に付加してもよい。
【0032】
上述した例では、CEMOCシステムの光通信デバイスに一次元バーコードが含まれる。しかし、一次元ではないバーコードを使用してもよい。例えば、図2或いは図3のいずれかに示す実施形態においてRSSバーコードを使用してもよい。
【0033】
また、異なるバーコードのフォーマットには利点がある。例えば、エッチングのような除去技術を使用してバーコードを印刷する場合、等幅のスペースをもつフォーマットのバーコードの方が、等幅のスペースでないフォーマットのバーコードよりも効率的かつ速やかに作成可能である。例えば図5に示すバーコードは、4つの異なる濃淡(thicknesses)のバックグラウンド・スペースを許容するUPC(A)フォーマットである。従って、所定幅のエッチングを行うようレーザを設定したレーザエッチング処理では、そのバーコード内の符号化されたスペース幅に応じてスペースをエッチングするために、幾つかのパス(passes)が必要となる。図6に示す例において、CEMOCシステム15には、Code25バーコード・フォーマットで符号化されたアンテナ/バーコード18の形式をとる光通信デバイスが含まれる。このバーコード・フォーマットでは、バーの間に等幅のスペースを使用しているだけである。その結果、所定幅のエッチングを行うよう設定されたレーザは、単一のパス(pass)を作って各々のスペースをエッチングするだけでよい。
【0034】
上述した本発明のCEMOCシステムは、光と電磁の双方の通信デバイスを有することで、ユーザに対して視覚的な情報提供と電磁波を介した情報提供の両方が可能である。例えば光通信デバイスが、ある情報をバーコードで符号化する場合、ユーザは、レーザスキャナ、CCDスキャナ、ペン型(wand type)スキャナといった従来のライン・オブ・サイト(line-of-sight: LOS)スキャン技術を使った既知のバーコードスキャナを使用して符号化情報を取り出すことができる。電磁通信デバイスがRFIDタグの場合、標準的なRFIDリーダを使用して、そのRFIDタグのメモリに格納された情報を読むことができる。
【0035】
上述した本発明のCEMOCシステムを基板上で組み合わせたり、或いは基板上に搭載する場合、CEMOCシステムのEM通信デバイスと光通信デバイスの双方を支持可能な基板であれば、どのようなタイプのものでも使用可能である。例えば、製品タグ或いはラベルからなる基板であってもよい。さらには、製品のパッケージからなる基板でもよい。
【0036】
使用する基板は、それがどのようなものであっても、CEMOCシステムのEM通信デバイスと光通信デバイスの機能性を妨げてはならない。例えば光通信デバイスにバーコードが含まれる場合、基板の表面はそのバーコードの背景としての役割を果たすことができるものでなければならない。
【0037】
従って、上述した印刷技術を使用することで、本発明のCEMOCシステムの少なくともEM通信デバイスの一部と少なくとも光通信デバイスの一部は、例えば、導電性のインクを使用して製品タグ、ラベル、或いはパッケージの上に直接、印刷して構成することができる。他の方法として、本発明のCEMOCシステムの少なくともEM通信デバイスの一部と少なくとも光通信デバイスの一部は、導電性の材料、例えば銅箔を直接、製品タグ、ラベル、或いはパッケージの上に貼り付け、不要な材料を、例えばエッチングで除去することにより、残った材料でEM通信デバイスと光通信デバイスの部分を構成することができる。
【0038】
CEMOCシステムを物理的ストレス或いは環境ストレスに晒された状態で使用する場合、そのストレスからシステムを保護することが望ましい。本発明の実施形態によれば、CEMOCシステムのいずれの通信デバイスとのユーザ通信をも妨害しない保護層をCEMOCシステムの上に被せている。例えばCEMOCシステムを基板上で組み合わせたり、或いは基板の上に搭載する場合、CEMOCシステムの上に(over)保護層を配置し、CEMOCシステム及び/又は基板に貼り付けてもよい。光通信デバイスに関連する通信の妨げとならないよう、保護層を透明(clear)にしてもよい。他の方法としては、光通信デバイスを覆う部分を透明にし、保護層の大部分を不透明にしてもよい。
【0039】
従って、CEMOCシステムを、例えば、朝食用シリアルの箱のような小売用の製品パッケージの上で組み合わせたり、或いは搭載して、その製品を識別するバーコードを従来どおり見つけられる箇所である、パッケージの外側や底に取り付けることができる。保護層はCEMOCシステムの完全性(integrity)を保護する一方で、例えば精算台で製品を識別するために、光通信デバイスの読込みができるようにしている。
【0040】
必要ならば本発明のCEMOCシステムは、通常の意図された使用過程で有効でなくなるような方法により基板上で組み合わせたり、或いは基板の上に搭載してもよい。例えば、CEMOCシステムが製品パッケージの識別子として使用される場合、その製品を販売した後は、その識別子はもはや必要とされない。そのような場合、販売後にCEMOCシステムが機能しないことが望ましい。これは、CEMOCシステムがRFIDタグを含む場合、包装が開けられる領域を覆うように製品パッケージの上にCEMOCシステムを組み合わせたり、或いは搭載することで実現可能である。例えばパッケージの開封口(tear-open mouse)を直接覆うようにCEMOCシステムを組み合わせたり、或いは搭載することで、パッケージが開封されたときにCEMOCシステムの完全性が破壊され、RFIDタグが、そこに格納された情報を伝達できないようにすることが可能である。
【0041】
本発明のCEMOCシステムのEM通信デバイスと光通信デバイスは、同じ情報を格納できるが、特定の状況においては、それらが異なる情報を格納できることが望ましい。例えば光通信デバイスは、例えばバーコードで、その外観(physical appearance)を通して情報を格納し、搬送しているので、光通信デバイス中に符号化された情報の固定化(fixed)が可能である。また一方では、EM通信デバイスは情報をメモリに格納するので、そのEM通信デバイスの情報は変えることができる。したがって、EM通信デバイスのメモリに格納された情報が光通信デバイスに格納された情報を補完できることが望ましい。例えばCEMOCシステムがRFIDタグとバーコードを含む場合、このバーコードが製品のIDを符号化し、RFIDタグのメモリにその製品の配送(shipping)指示を格納することができる。
【0042】
上述した本発明のCEMOCシステムには多くの利点がある。電磁通信デバイス、例えばRFIDタグと、光通信デバイス、例えばバーコードの両方の機能性を有することが望まれる場合、上述した技術による同一の工程の中で、これら双方を印刷できる。電磁通信デバイス、例えばRFIDタグと、光通信デバイス、例えばバーコードの両方を同一の工程で形成することで、双方のデバイスに一度に容易に同じ情報を符号化できる。
【0043】
本発明のCEMOCシステムは、技術移行に対しても有利となる。例えばCEMOCシステムが製品パッケージの識別子であって、RFIDタグとバーコードを含む場合、RFIDタグとバーコードの双方に同じ情報を符号化できる。そのためユーザは、既存のバーコードシステム或いは最新のRFID読取りシステムを使用して、その情報を抽出できる。これにより、ユーザはバーコードからRFIDシステムへの移行が容易になる。
【0044】
本発明を好適な実施形態との関連において説明したが、本発明の趣旨や適用範囲を逸脱しない範囲で当業者にとって明らかな変形と改良が可能である。したがって、このような変形と改良は本発明の範囲に含まれるものであり、本発明は上述した方法或いは構成の正確な詳細に限定されるものではない。工程そのものに必須或いは固有である範囲を除いて、図面を含む本願で説明した方法或いはプロセスのステップ或いは段階には、特別な順序は意味づけられていない。多くの場合、説明した方法の目的、効果、或いは重要性を変えずに、工程段階の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態を上から見た図である。
【図3】本発明の他の実施形態を上から見た図である。
【図4】光通信デバイスが幾つかの部品を備える本発明の他の実施形態を上から見た図である。
【図5】光通信デバイスがロゴを含む幾つかの部品を備える本発明の他の実施形態を上から見た図である。
【図6】光通信デバイスが等幅スペース・フォーマットで符号化されたバーコードを備える他の実施形態を真から見た図である。
【符号の説明】
【0046】
15 CEMOCシステム
17 IC
18 アンテナ/バーコード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁通信デバイスと;及び
少なくともマシン・シンボルを含む光通信デバイスとを具備し;
少なくとも前記電磁通信デバイスの一部と少なくとも前記光通信デバイスの一部とが同じ材料で形成される
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記マシン・シンボルは、少なくともバーコード・シンボルを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
無線通信デバイスと;及び
少なくともバーコード・シンボルを含む光通信デバイスとを具備し;
少なくとも前記無線通信デバイスの一部と少なくとも前記バーコード・シンボルの一部とが同じ材料で形成される
ことを特徴とする通信システム。
【請求項4】
前記無線通信デバイスは、少なくともRFIDタグを含む
ことを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
少なくとも前記無線通信デバイスの一部と少なくとも前記バーコード・シンボルの一部とを形成する前記材料は、導電性のインクを含む
ことを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
【請求項6】
少なくとも前記無線通信デバイスの一部と少なくとも前記バーコード・シンボルの一部とを形成する前記材料は、導電性の箔を含む
ことを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
【請求項7】
前記バーコード・シンボルは、バーの間に等幅のスペースを備えるフォーマットである
ことを特徴とする請求項6に記載の通信システム。
【請求項8】
前記光通信デバイスは、1つ或いはそれ以上の英数字シンボルを含む
ことを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
【請求項9】
前記光通信デバイスは、1つ或いはそれ以上のロゴを含む
ことを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
【請求項10】
前記無線通信デバイスは、前記バーコード・シンボルで符号化された情報と同じ情報を格納するメモリを含む
ことを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
【請求項11】
前記メモリに格納され、前記バーコード・シンボルで符号化された前記情報は、製品を識別する
ことを特徴とする請求項10に記載の通信システム。
【請求項12】
前記無線通信デバイスは、前記バーコード・シンボルで符号化された情報を補完する情報を格納するメモリを含む
ことを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
【請求項13】
無線通信デバイスと;
情報を符号化し、少なくともバーコード・シンボルを含む光通信デバイスと;及び
前記無線通信デバイスと前記光通信デバイスの両方を覆う保護被覆とを具備し、
少なくとも前記無線通信デバイスの一部と少なくとも前記バーコード・シンボルの一部とが同じ材料で形成され、
前記光通信デバイスで符号化された情報は、前記保護被覆を介して光学的に通信され得る
ことを特徴とする通信システム。
【請求項14】
前記無線通信デバイスを覆う前記保護被覆の一部が不透明であり、
前記光通信デバイスを覆う前記保護被覆の保護部の一部が透明である
ことを特徴とする請求項13に記載の通信システム。
【請求項15】
無線通信デバイスと;及び
少なくともバーコード・シンボルを含む光通信デバイスとを具備し;
少なくとも前記無線通信デバイスの一部と少なくとも前記バーコード・シンボルの一部が同じ材料で形成され、
前記無線通信デバイスと前記光通信デバイスが、開封されるべく設計されたパッケージ上に搭載され、前記パッケージが設計どおりに開封されると前記無線通信デバイスが破損して、もはや通信を行わない
ことを特徴とする通信システム。
【請求項16】
前記無線通信デバイスは、情報を格納するメモリを含み、
前記バーコード・シンボルは、前記メモリに格納された同じ情報を符号化し、
前記バーコード・シンボルで符号化され前記メモリに格納された情報は、前記無線通信デバイスと前記光通信デバイスとが搭載された前記パッケージと関連する
ことを特徴とする請求項15に記載の通信システム。
【請求項17】
少なくともアンテナを含む電磁通信デバイスと;及び
少なくとも1つの機械可読シンボルを含む光通信デバイスとを具備し;
少なくとも前記アンテナの一部と少なくとも前記機械可読シンボルの一部が同じ材料で形成され、
少なくとも前記アンテナの一部は、少なくとも前記機械可読シンボルの一部を含む
ことを特徴とする通信システム。
【請求項18】
前記機械可読シンボルは、少なくともバーコード・シンボルを含む
ことを特徴とする請求項17に記載の通信システム。
【請求項19】
少なくともアンテナを含む無線通信デバイスと;及び
少なくともバーコード・シンボルを含む光通信デバイスとを具備し;
少なくとも前記アンテナの一部と少なくとも前記バーコード・シンボルの一部とが同じ材料で形成され、
少なくとも前記アンテナの一部は、少なくとも前記バーコード・シンボルの一部を含む
ことを特徴とする通信システム。
【請求項20】
前記無線通信デバイスは、RFIDタグを含む
ことを特徴とする請求項19に記載の通信システム。
【請求項21】
少なくとも前記アンテナの一部と少なくとも前記バーコード・シンボルの一部とを形成する材料は、導電性のインクを含む
ことを特徴とする請求項19に記載の通信システム。
【請求項22】
少なくとも前記アンテナの一部と少なくとも前記バーコード・シンボルの一部とを形成する材料は、導電性の箔を含む
ことを特徴とする請求項19に記載の通信システム。
【請求項23】
前記バーコード・シンボルは、バーの間に等幅のスペースを備えるフォーマットである
ことを特徴とする請求項22に記載の通信システム。
【請求項24】
前記光通信デバイスは、1つ或いはそれ以上の英数字シンボルを含む
ことを特徴とする請求項19に記載の通信システム。
【請求項25】
少なくとも前記アンテナの一部は、少なくとも前記1つ或いはそれ以上の英数字シンボルの1つを含む
ことを特徴とする請求項24に記載の通信システム。
【請求項26】
前記光通信デバイスは、1つ或いはそれ以上のロゴを含む
ことを特徴とする請求項19に記載の通信システム。
【請求項27】
少なくとも前記アンテナの一部は、少なくとも前記1つ或いはそれ以上のロゴのうちの1つを含む
ことを特徴とする請求項26に記載の通信システム。
【請求項28】
前記無線通信デバイスは、前記バーコード・シンボルで符号化された情報と同じ情報を格納するメモリを含む
ことを特徴とする請求項19に記載の通信システム。
【請求項29】
前記バーコード・シンボルで符号化され前記メモリに格納された情報は、製品を識別する
ことを特徴とする請求項28に記載の通信システム。
【請求項30】
前記無線通信デバイスは、前記バーコード・シンボルで符号化された情報を補完する情報を格納するメモリを含む
ことを特徴とする請求項19に記載の通信システム。
【請求項31】
無線通信デバイスと;
情報を符号化するとともに少なくともバーコード・シンボルを含む光通信デバイスと;及び
前記無線通信デバイスと前記光通信デバイスとの双方を覆う保護被覆とを具備し;
少なくともアンテナの一部と少なくとも前記バーコード・シンボルの一部とが同じ材料で形成され、
少なくとも前記アンテナの一部は、少なくとも前記バーコード・シンボルの一部を含み、
前記光通信デバイスで符号化された情報は、前記保護被覆を介して光学的に通信され得る
ことを特徴とする通信システム。
【請求項32】
前記無線通信デバイスを覆う前記保護被覆の一部が不透明であり、
前記光通信デバイスを覆う前記保護被覆の保護部の一部が透明である
ことを特徴とする請求項31に記載の通信システム。
【請求項33】
無線通信デバイスと;及び
少なくともバーコード・シンボルを含む光通信デバイスとを具備し;
少なくとも前記アンテナの一部と少なくとも前記バーコード・シンボルの一部とが同じ材料で形成され、
少なくとも前記アンテナの一部は、少なくとも前記バーコード・シンボルの一部を含み、
前記無線通信デバイスと前記光通信デバイスとが、開封されるべく設計されたパッケージ上に搭載され、前記パッケージが設計どおりに開封されると、前記無線通信デバイスが破損して、もはや通信を行わない
ことを特徴とする通信システム。
【請求項34】
前記無線通信デバイスは、情報を格納するメモリを含み、
前記バーコード・シンボルは、前記メモリに格納された情報を符号化し、
前記バーコード・シンボルで符号化され前記メモリに格納された情報は、前記無線通信デバイスと前記光通信デバイスとが搭載された前記パッケージと関連する
ことを特徴とする請求項33に記載の通信システム。
【請求項35】
無線通信デバイスと光通信デバイスとを含む通信システムを提供する方法であって、
前記無線通信デバイスは、通信制御部、メモリ、及び、アンテナを含み、
前記光通信デバイスは、少なくともバーコード・シンボルを含み、
前記方法は:
前記通信制御部と前記メモリとを基板上に提供するステップと、
少なくとも前記アンテナの一部と少なくとも前記バーコード・シンボルの一部のために同じ材料を使って、前記基板上に前記アンテナと前記光通信デバイスとを提供するステップとを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項36】
前記使用材料は、導電性のインクである
ことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記使用材料は、導電性の箔である
ことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記導電性の箔は、前記基板に貼付され、
前記基板上に前記アンテナと前記光通信デバイスとを提供する前記ステップは、前記箔の一部を除去して、その箔の残存部分で前記アンテナの一部と前記バーコード・シンボルの一部とを形成するステップを含む
ことを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記箔の一部を除去する前記ステップは、レーザエッチング処理を使って前記箔の一部を除去するステップを含む
ことを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項40】
無線通信デバイスと光通信デバイスとを含む通信システムを提供する方法であって、
前記無線通信デバイスは、通信制御部、メモリ、及び、アンテナとを含み、
前記光通信デバイスは、少なくともバーコード・シンボルを含み、
前記方法は:
前記通信制御部と前記メモリとを基板上に提供するステップと;及び
少なくとも前記アンテナの一部が少なくとも前記バーコード・シンボルの一部を含むように、少なくとも前記アンテナの一部と少なくとも前記バーコード・シンボルの一部のために同じ材料を使用して、前記基板上に前記アンテナと前記光通信デバイスとを提供するステップとを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項41】
前記使用材料は、導電性のインクである
ことを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記使用材料は、導電性の箔である
ことを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記導電性の箔は、前記基板に貼付され、前記基板上に前記アンテナと前記光通信デバイスとを提供する前記ステップは、前記箔の一部を除去して、前記箔の残存部分で前記アンテナの一部と前記バーコード・シンボルの一部とを形成するステップを含む
ことを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記箔の一部を除去する前記ステップは、レーザエッチング処理を使用して前記箔の一部を除去するステップを含む
ことを特徴とする請求項42に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−504629(P2008−504629A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519423(P2007−519423)
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/023241
【国際公開番号】WO2006/004909
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(506194058)インターナショナル バーコード コーポレイション (6)
【Fターム(参考)】