説明

磁気地形表示装置

磁気ディスプレイ装置は、面(19)と、その面にわたって空間的に変化する磁界を発生させるよう構成される複数の磁界放射要素(72)と、その面にわたって磁界レベルを検知して反応するよう構成される1又はそれ以上の移動可能なオブジェクト(15,17)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁界に応答するオブジェクトが配置され得る磁気地形を提供するよう磁界が面上で発生するところの装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オブジェクトの方位、位置、若しくは同一性を決定するために磁界又は時間変化する電磁界を用いることがよく知られる。最も簡単な形では、例えば、地球の磁界に対するコンパスの針のように、磁界に対してオブジェクトの方位を決定することが知られる。このような配置は、専ら磁界の向きに関する指示を提供し、その大きさに関しては指し示さない。
【0003】
ホール効果又は磁気抵抗効果に基づく磁気センサは、このようなセンサが配置されるところの磁界の状態に関して、より詳細な情報を提供することができる。大きさ及び方位の両方に関する情報は、かかる効果に基づいてセンサから取得され得る。
【0004】
導電性材料のコイルは、一定の又は時間変化する磁界を発生させるために使用され得る。かかる磁界は他のコイルと結合され得、この結合は、他のコイルの状態又は位置に関する情報を提供するために使用される。このような結合による効果は、例えばUS4,498,076に開示される盗難防止用タグのようなシステムで利用される。様々なコイルが埋め込まれている基板に対してオブジェクトの位置が決定されることを可能にする、同様の効果に基づくシステムが知られている。このようなシステムはUS5,188,368に開示されている。この特許文献で、コイルを埋め込まれたチェス駒は、送信及び受信コイルが設けられたチェス盤上に配置される。コイルの間に形成される共振回路は、その一意の共振周波数特性を介して夫々の駒を識別し、盤上の特定の位置は、夫々の受信コイルからの相対レスポンスを走査することによって識別される。
【0005】
US5,853,327は、玩具フィギュアを載せられたゲーム盤を開示する。夫々のフィギュアは、ゲーム盤に位置付けられたコイルに供給され且つ玩具フィギュアに配置されるコイルへ結合される励磁信号からの応答を検出することによって識別可能である。受信したコイル信号の解析から、システムは、盤上のどこに特定の駒が位置付けられているかを検出することができる。
【0006】
US出願2005/0075037A1は、マット上に置かれている物品が、表示されている場面の特定の部分に適合する選択された場所に磁力によって留められるように、磁気又は磁気誘引材料が配置され得るところの遊戯マットを開示する。
【0007】
IBMシステムジャーナルVol.39、No.3及び4、2000年、892〜914頁に掲載された“Sensor systems for interactive surfaces”においてParadiso等は、受動的な磁気結合された共振タグを含む双方向型の面の近くで様々な形式のジェスチャを捕捉するための多種多様なシステムを開示する。
【0008】
http://nesl.ee.ucla.edu/projects/smartkg/docs/PerCom2003_SmartTable.pdfに掲載される“System design of a smart table”においてSteurer及びSrivastavaは、その表面に配置される場合に同時に複数のオブジェクトを追跡し、識別することができるテーブルを開示する。
【0009】
2002年10月27〜30日に開催されたUIST2002の議事録に掲載された“The actuated workbench:computer-controlled actuation in tabletop tangible interfaces”においてPangaro等は、卓上の接触型インターフェースとともに使用することを目的として、2次元でテーブル上のオブジェクトを動かすために磁力を使用する装置を開示する。
【0010】
前出の例は、どのように、能動コイルシステムが基板(盤)に埋め込まれているシステムを用いて、基板上に置かれた受動オブジェクトの位置及び同一性が決定され得るかを示す。このようなシステムは、特に、基板における様々な送信及び受信コイルが接続され、駆動される必要がある点で、本質的に複雑である。位置精度を改善するよう、より多くのコイルが基板において必要とされ、従って、回路はますます複雑となる。このことは、装置の費用を増大させる。
【0011】
例えば玩具及びゲームのような多数の用途で、コイルのこのような複雑な配置は、費用に関して正当化され得ない。代わり、必要とされるものは、ユーザに対話経験を提供する簡単で、ロバストで且つ安価な解決法である。
【特許文献1】US4,498,076
【特許文献2】US5,188,368
【特許文献3】US5,853,327
【特許文献4】US出願2005/0075037A1
【非特許文献1】“Sensor systems for interactive surfaces”、Paradiso等、IBMシステムジャーナルVol.39、No.3及び4、2000年、892〜914頁
【非特許文献2】“System design of a smart table”、Steurer及びSrivastava、http://nesl.ee.ucla.edu/projects/smartkg/docs/PerCom2003_SmartTable.pdf
【非特許文献3】“The actuated workbench:computer-controlled actuation in tabletop tangible interfaces”、Pangaro等、2002年10月27〜30日開催、UIST2002議事録
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、磁気的な又は磁化可能な面に対するオブジェクトの位置及び/又は方位に関する情報を提供する問題について解決法を提供する。磁気“地形(landscape)”は、永久磁石又は導電性コイルによって提供される。磁気検知デバイスを含む能動オブジェクトは、検知した磁界の大きさ及び/又は方向の測定によって、前記面上での自身の位置及び/又は方位に応答することができる。
【0013】
本発明は、磁界が、面上に配置されたオブジェクトへ意味を伝えるよう面上で発生して、検出されるところの磁気地形ディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
一態様に従って、本発明は、面と、該面にわたって複数の異なる磁界レベルを発生させるよう構成され、夫々が前記面に対して一定の関係で位置付けられる複数の磁界放射要素と、夫々が自身に磁界センサを備え、前記面上の1又はそれ以上の位置で磁界レベルを検知して反応するよう構成される1又はそれ以上の移動可能なオブジェクトとを有する磁気ディスプレイ装置を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
ここで、本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、一例として記載する。
【0016】
図1は、本発明の例となる実施形態を表す。ゲーム機1の形をした磁気地形装置が、幾つかの目に見える地物(feature)11、12、13、14、18を設けられたゲーム競技台表面19(playing surface)を有して示されている。この例で、目に見える地物は、擬似的な地形の様々な地物を表し、各地物の色及び指示的マーキングを含む様々な目に見える特徴によって指し示され得る。かかる地物は、一例として、牧草地物11、道路地物12、建物地物13、信号機地物14、及び河川地物18を含みうる。かかる地物の夫々は、表される地物の種類を特定する一意に識別可能な目に見える特徴を有する。玩具の自動車15は、道路地物12を表す領域内のゲーム競技台表面19における位置に示されている。玩具の船17は河川地物18に位置付けられるよう示され、玩具の羊16は牧草地物11に位置付けられるよう示されている。
【0017】
ゲーム競技台表面19は、平面であっても、又は平面でなくても良く、面に貼付された1又はそれ以上のレリーフ地物を有しても良い。
【0018】
本発明の目的のために、フレーズ“磁気地形(magnetic landscape)”は、磁界の大きさ及び/又は方向が空間的に、あるいは、例えばゲーム競技台表面19のような平面の若しくは非平面の面の近くで変化するところの意味を包含するよう意図され、地図上の等高線又は等圧線と同様の方法で描かれても良い。空間的に変化する磁界の大きさ及び/又は方向はまた、少なくとも部分的に、時間的にも変化しうる。ゲーム競技台表面自体での磁界分布は磁気地形を形成する。この磁気地形は、それ自体は直接的に目に見えないが、ゲーム競技台表面19において目に見える地物によって表され得る。磁気地形の一部は、その地形内に置かれている適切に構成されたオブジェクトの動作によって可視的にされ得る。このようなオブジェクトは、“磁気感知(magnetically aware)”でありうる。即ち、それらは、それらが配置されている局所的な磁界の大きさ及び/又は方向に何らかの方法で応答するよう構成され得る。
【0019】
図2に図式的に示されるように、多数の磁界放射要素21、22、23がゲーム競技台表面19の下に設けられている。図2は、図1の磁気地形装置10のA−A′における部分的な断面図を表す。これらの磁気放射要素21、22、23の幾つか又は全ては、例えば、磁化された強磁性体材料又は混合物から作られた永久磁石でありうる。ゲーム競技台表面19の近くの各領域11、12、13における磁界のレベルは、磁石21、22、23の強さに依存する。一方、磁石21、22、23は、それらの磁化レベルと、磁石の原材料の強磁性特性とに依存する。磁石21、22、23によって生ずる磁界の方向は、各磁石の方位に依存する。磁石21、22、23は、いずれかの所望の方向に方向付けられ得るが、通常は、各磁石の南北方位が面19の面に対して平行又は垂直のいずれか一方にあるように方向付けられ得る。隣接する磁界放射要素21は、各要素の極性が同じ方向に並べられて、領域12内の磁界が一様になることを確実にするように、相対的に位置付けられ得る。逆に、隣接領域13、11にある磁界放射要素23、22の極性は、磁界の明白な差異が各領域13、11において決定され得るように、相対的に正反対でありうる。
【0020】
代替的に、磁界放射要素21、22、23の幾つか又は全ては、導電性のコイル巻線から形成されても良く、その場合、コイル巻線によって放射される磁界は、夫々のコイルの巻き数と、巻線の間隔と、夫々のコイルを流れる電流の大きさ及び方向とに依存する。このようなコイルは、渦巻状に巻かれても、あるいは螺旋状に巻かれても良く、更に、磁界を一点に集めるために、より高い透磁率の材料から成るコアを有しても良い。
【0021】
示されるように、図2のゲーム競技台表面19には、図1の玩具の自動車15が載せられている。この玩具の自動車15は、道路地物12によって定義される領域内に位置付けられている。道路地物12の下にある磁界放射要素21は、道路地物に関連する磁界を発生させる。
【0022】
図3には、図1及び2の玩具の自動車15の断面図が示されており、玩具の自動車15で見つけられる様々な例となる機能要素を表す。磁界センサ31は、処理装置32へ接続されている。一方、処理装置は、視覚出力装置33と、音声出力装置34と、無線送受信機36とへ接続されている。玩具の自動車15がゲーム競技台表面19に載せられると、磁界センサ31は、直ぐ近くの磁界の大きさ及び/又は方向を検知する。この検知される磁界は、図2の場合には道路地物12の下の磁界放射要素21によって発生した磁界に対応する。磁界センサ31からの出力は、処理装置32によって読み込まれる。処理装置32は、自身に含まれる所定のプログラム規則に従って、もしあれば、どのような信号が視覚出力装置33、音声出力装置34及び無線送受信機36へ送信されるかを決定する。例えば、磁界センサが、ある所定の値の間にある磁束密度を検知する場合に、処理装置は、視覚出力装置33を点滅させ、音声出力装置34にサイレンを発せさせる。更に、又は代替的に、信号は、結果として所定の動作を実行する制御ユニットへ無線でメッセージを送信するよう、無線送受信機36へ処理装置32によって送信される。
【0023】
当然、例えば、玩具の自動車15、玩具の船17又は玩具の羊16のような磁気感知オブジェクトは、夫々のオブジェクトが有するよう要求される所望の出力に従って、視覚出力装置33、音声出力装置34及び無線送受信機36のいずれかのうち1又はそれ以上を有することができる。
【0024】
図4には、A−A′の方向で図1のゲーム競技台表面を横断する距離41の関数としての磁界レベル42のグラフ表示が示されている。3つの異なる磁界レベル43、44、45が示されている。これらは、建物13、道路12及び牧草11の3つの異なる目に見える地物に対応する。例えば、道路地物12の磁界レベル44はx±aであり、牧草地物11の磁界レベル45はy±aであり、建物地物17の磁界レベル43はz±aである。従って、図3の例となる玩具の自動車の処理装置32は、磁界センサ31によって検出されるx−aからx+aの磁界レベルにのみ応答するよう構成され得る。
【0025】
当然、語“磁界レベル”の意味は、いずれかの所与の点における磁界の大きさ及び/又は方向を包含するよう意図される。本発明のために、当該の磁界レベルは、単に、ゼロではなく、あるいは、地球の磁界によって発生するようなもののような任意のバックグラウンド磁界レベルから少なくとも区別可能なものである。
【0026】
他の所定の応答は、磁界センサ31によって検知された磁界レベルに従って処理装置32にプログラミングされても良い。道路地物12は、例えば、異なった対応する磁界レベルを有する2又はそれ以上の領域に更に分割されても良い。その場合、玩具の自動車は、これらの異なる領域に位置付けられる場合に然るべく応答するよう構成され得る。更に、玩具の自動車は、道路地物12に位置付けられていない場合に別なふうに応答することができる。代わりに、玩具の自動車が牧草地物11に位置付けられるならば、代替の応答が、その領域に対応する磁界レベル45によって引き起こされ得る。
【0027】
対応する地物は、例えば、玩具の船17又は玩具の羊16のような、ゲーム競技台表面19と相互に作用する他のオブジェクトにおいて見つけられ得る。玩具の船17は、所定の応答が河川地物18内にある場合に得られるように構成され得、一方、玩具の羊16は、牧草地物11にある場合に別の所定の応答を有しうる。
【0028】
当然、ゲーム競技台表面上に配置されるべきオブジェクトの上記例は、単なる例として与えられているに過ぎず、やはり本発明の適用範囲内にある他の種類のオブジェクトが考えられても良い。更に、明らかなように、ここに記載されるよりも更に多くの種類の地物及び配置がゲーム競技台表面19に配置されることが可能である。これは、また、やはり本発明の適用範囲内にある。例えば牧草11及び道路12のような各種の地物は、また、異なる磁界特性を夫々有する2又はそれ以上の下位の地物に分けられても良い。この場合、下位の地物の夫々は、適切に構成されたオブジェクトによって別々に認識され得る。例えば、道路12の別の領域は、玩具の自動車15が、自身が置かれている道路12の領域に従って別のふうに応答するように構成され得る。また、ゲーム競技台表面19の上には、同じ種類の地物を表し、従って、同じ視覚特性を有しうる別個の領域が与えられても良い。このような別個の領域に関連する磁界レベルは、相応して同じであり得る。
【0029】
図5、6及び7は、本発明に従う磁気地形装置の具体例を表す。図5で、ゲーム競技台表面54を設けられたゲーム機50の平面図が示されている。ゲーム競技台表面54の上には、名詞表示51a〜e及び動詞表示52a〜eを含む様々な目に見える地物がある。夫々の名詞表示51a〜eはゲーム競技台表面54において領域を定め、夫々、対応する動詞表示52a〜eを有する。磁界放射要素は、名詞表示及び動詞表示によって定義される夫々の領域に対応して設けられている。この例で、磁界放射要素はコイルであり、このコイルは、電気的接続を介して印加される電流によって駆動される。
【0030】
図5で、名詞表示51a〜eは動物であり、動詞表示52a〜eは、動物によって発せられる対応する音である。例えば、名詞表示“牛”51aは、動詞表示“モー”52aに対応する。ゲームの割当(assignment)は、適合する名詞表示領域51a及び動詞表示領域52aにオブジェクトを配置することである。2つの適切に構成された磁気感知オブジェクトが適合する領域に配置されるならば、所定の応答がオブジェクトの一方又は両方から引き起こされる。例えば、対応する名詞表示51a及び動詞表示52aに位置付けられる場合に、各オブジェクトは、正しく適合されたことを示すよう“モー”という音声を生成するよう構成され得る。
【0031】
図6及び7は、コイル61a〜e、62a〜e、71a〜e及び72a〜eの形をした磁界放射要素の例となる配置を表す。図6で、全てのコイル61a〜e及び62a〜eは実質的に同じ巻き数を有し、従って、同じ電流で駆動される場合、同じ磁界強さを放射しうる。コイル61a〜e、62a〜eが、夫々の名詞表示51a〜e及び動詞表示52a〜eに対応する異なった大きさの磁界を放射するために、夫々のコイルは異なった電流で駆動されるべきである。これは、様々な従来手段によって、例えば、1又はそれ以上の電流源へ接続された抵抗又はスイッチング回路網を介して、実現され得る。コイルは、別個の電気的接続63a〜e、64a〜eを介して駆動される。適合する名詞及び動詞の対に対応する適合する磁界の大きさは、同じ電流で対応するコイル対61a、62aなどを駆動することによって生成され得る。しかし、このような配置は、夫々のコイルが適切なレベルで個々に駆動されることを可能にするが、部品及び配線に関して複雑となりうる。
【0032】
磁界の所望の相対的な大きさに関して自由度は下がるが、潜在的により簡単である配置が、図7に示されている。この配置で、コイル71a〜e、72a〜eは、適合する対71a、72a等であっても、巻き数が異なる。コイルは、共通の電気的接続73を介して同じ電源へ接続され得る。全てのコイルが同じ電流で駆動されることを確実にするよう、コイルは直列に電気的に接続され得る。代替的に、夫々のコイルの抵抗が適合するならば、コイルは、電圧がより低く且つ電流がより高い電源を要するが、並列に電気的に接続されても良い。
【0033】
異なる種類の磁界放射デバイスの組み合わせがまた、使用されても良い。図5乃至7に示されるようなコイル形式のデバイスを図2の永久磁石と組み合わせることにより、磁気地形装置においてより一層の相互作用性が得られる。
【0034】
図8には、図1の磁気地形装置で使用される例となる玩具の信号機80が示されている。適切な位置14でゲーム競技台表面19に位置付けられる場合、信号機80は、コイル81に隣接する。コイル81を流れる電流は磁界を発生させる。この磁界の磁力線82が、一般的に図8に示されている。信号機80は、磁界のレベルを検知する磁界センサ83を有する。処理装置84は、磁界センサ83の出力を読み込んで、然るべく出力を決定するよう構成される。例えば、処理装置は、光源85a〜cに夫々対応する3つの異なるレベルの磁界に応答するよう構成され得る。第1の磁界レベルp±aで、処理装置84は緑色光源85aを光らせる。第2の磁界レベルq±aで、処理装置84は黄色光源85bを光らせる。第3の磁界レベルr±aで、処理装置84は赤色光源85cを光らせる。
【0035】
コイル81によって伝送される電流は、磁気地形装置10の一部又は装置10とは別である電流源によって供給され得る。電流源は、上記の磁界レベルに対応する定期的に変化する電流レベルを供給するようプログラミングされ得る。代替的に、電流源は、例えば、スイッチ又はボタンのような入力手段によって、あるいは、道路地物12の上にある玩具の自動車15の存在に応答して、ユーザの特定の動作に応答するよう構成されても良い。ここで、玩具の自動車15は、無線送受信機36を介する信号送信によってその存在を伝えることができる。
【0036】
図9には、任意の磁気地形を作ることができる磁気地形装置90におけるコイル91の配置の一例が表されている。外部の電気的接続92を介してコイル91へ適切な電流を加えることによって、コイル91に、磁気地形装置90の表面にわたって変化する対応する磁界を発生させることができる。3×3の格子から成るコイルの具体的な2次元配列が図9に示されている。しかし、コイルの如何なる適切なパターン又は数が、所望の磁気地形を作るために使用されても良い。このように作られた地形は、時間的に一定であっても、あるいは、使用とともに変化しても良い。
【0037】
当然、ここに記載される発明は、ゲーム及び玩具だけではなく、位置付ける領域が有用な地物であるところの他の用途にも適用される。本発明は、高品位であるが、邪魔にならないユーザインターフェースを必要とする如何なる用途にも適用され得る。本発明の1つの利点は、能動電子デバイスを埋め込むこと及びコイルを走査することが必要とされる他の方法に比べ、実施の費用が安価である点である。
【0038】
他の実施形態は、添付の特許請求の範囲の適用範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】平面図で示される本発明の一実施形態に従う磁気地形装置を表す。
【図2】図1の磁気地形装置の線A−A′における部分的な断面図を表す。
【図3】図1の磁気地形装置での使用のためのオブジェクトの例を表す。
【図4】図2の断面図に沿った磁界の大きさの分布例を表す。
【図5】磁気地形装置の表示面の平面図を表す。
【図6】図5の磁気地形装置における面の下のコイルの配置を表す。
【図7】図5の磁気地形装置の面の下のコイルの代替の配置を表す。
【図8】磁気地形装置での配置のための玩具の信号機の図式的な配置を表す。
【図9】任意の磁気地形を発生させるためのコイルの2次元配置の例を表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面;
前記面にわたって複数の異なる磁界レベルを発生させるよう構成され、夫々が前記面に対して一定の関係で位置付けられる複数の磁界放射要素;及び
夫々が自身に磁界センサを備え、前記面上の1又はそれ以上の位置で磁界レベルを検知して反応するよう構成される1又はそれ以上の移動可能なオブジェクト;
を有する磁気ディスプレイ装置。
【請求項2】
前記面は、複数の目に見える地物を有し、
夫々の磁界レベルは、前記複数の目に見える地物の夫々の1又はそれ以上に対応する、請求項1記載の磁気ディスプレイ装置。
【請求項3】
前記複数の目に見える地物の夫々は、所定の目に見える特徴を有し、
前記目に見える特徴は、夫々、対応する一意の磁界レベルによって表される、請求項2記載の磁気ディスプレイ装置。
【請求項4】
前記磁界放射要素の少なくとも幾つかは永久磁石を有する、請求項1記載の磁気ディスプレイ装置。
【請求項5】
前記磁界放射要素の少なくとも幾つかは導電性コイルを有する、請求項1記載の磁気ディスプレイ装置。
【請求項6】
前記移動可能なオブジェクトの1又はそれ以上は視覚及び/又は音声出力装置を有する、請求項1記載の磁気ディスプレイ装置。
【請求項7】
前記移動可能なオブジェクトの1又はそれ以上は無線送受信機を有する、請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の磁気ディスプレイ装置。
【請求項8】
夫々のオブジェクトは、前記磁界センサへ並びに前記視覚及び/又は音声出力装置へ電気的に接続される処理装置を有し、
前記処理装置は、前記視覚及び/又は音声出力装置を作動させる電気信号を与えることによって、前記磁界センサからの所定の出力に応答するよう構成される、請求項6記載の磁気ディスプレイ装置。
【請求項9】
夫々のオブジェクトは、前記無線送受信機へ電気的に接続される処理装置を有し、
前記処理装置は、前記無線送受信機を作動させる信号を与えることによって、前記磁界センサからの所定の出力に応答するよう構成される、請求項7記載の磁気ディスプレイ装置。
【請求項10】
ゲーム機であって、
前記表面はゲーム競技台表面であり、
前記移動可能なオブジェクトはゲームの駒である、請求項1記載の磁気ディスプレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−505765(P2009−505765A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528607(P2008−528607)
【出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【国際出願番号】PCT/IB2006/052895
【国際公開番号】WO2007/026277
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】