説明

磁気転写用マスターディスクの製造方法、磁気転写用マスターディスク、及び磁気記録媒体

【課題】マスター基板の打ち抜き時にマスター基板の表面側に発生するダレの影響による転写特性の低下を抑制し、良好な磁気転写を行うことができる磁気転写用マスターディスクを提供すること。
【解決手段】マスター基板11の中心孔11GのダレDAが形成される中心孔ダレ形成領域Aiの外側に中心孔バッファー領域Biを設け、中心孔バッファー領域Biの外側に凹凸パターンPを形成するようにし、中心孔11Gのダレ部近傍の磁気転写が不安定になる領域を使用せず、安定領域のみを使用するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気転写用マスターディスクの製造方法、磁気転写用マスターディスク、及び磁気記録媒体に係り、特にハードディスク装置等に用いられる磁気記録媒体にフォーマット情報等の磁気情報を転写するのに好適な磁気転写用マスターディスクの製造方法、磁気転写用マスターディスク、及び磁気記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、急速に普及しているハードディスクドライブに使用される磁気記録媒体である磁気ディスク(ハードディスク)は、磁気ディスクメーカーよりドライブメーカーに納入された後、ドライブに組み込まれる前に、フォーマット情報やアドレス情報がプリフォーマット情報として書き込まれるのが一般的である。この書き込みは、磁気ヘッドにより行うこともできるが、フォーマット情報やアドレス情報が書き込まれたマスターディスクより一括転写する方法が効率的であり、好ましい。
【0003】
この一括転写する磁気転写方法は、磁気転写用マスターディスク(以下、マスターディスクとのみ称することがある)と被転写用ディスク(以下、磁気記録媒体又はスレーブディスクと称することがある)とを密着させた状態で、片面又は両面に電磁石装置、永久磁石装置等の磁界生成手段を配設して転写用磁界を印加することにより、マスターディスクの有する情報(例えばサーボ信号)をスレーブディスクに磁気転写する。そして、磁気転写を精度良く行うには、マスターディスクとスレーブディスクとを均一に隙間なく密着させることが極めて重要である。
【0004】
ところで、この磁気転写方法に使用されるマスターディスクとしては、マスター基板の表面に情報信号に対応する凹凸パターンを形成し、この凹凸パターンの表面に磁性層を被覆したものが通常使用されている。この磁気転写用のマスターディスクは、情報を凹凸パターンで形成した原盤上に電鋳を施して、電鋳層から成る金属盤を原盤上に積層して該金属盤面に凹凸パターンを転写する電鋳工程、金属盤を原盤上から剥離する剥離工程、剥離した金属盤を所定サイズに打ち抜いてマスター基板にする打ち抜き工程を経た後、凹凸パターンの面に磁性層を被覆することにより製造されるのが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−256644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述の打ち抜き工程では、固定刃と移動刃とが一対となった打ち抜き工具で金属盤の中心孔の穿孔及び円形外周の打ち抜きを行うが、この中心孔及び外周の打ち抜き部分では、マスター基板の移動刃が入り込む側にダレが生じ、移動刃が抜ける側にバリが生じる。
【0006】
図9は、マスター基板の原板である金属盤の中心孔を固定刃42及び移動刃45で打ち抜く様子を概念的に表してたものである。図9に示すように、中心孔用移動刃45aが原板11' の表面側から押し込まれて中心孔を打ち抜く。このとき、原板11' の表面側には塑性変形によるダレ部(以下ROLL−OFF又は単にダレと称する場合がある)DAが形成され、裏面側には塑性破壊によってバリBAが発生する。なお、図9は概念図であり、バリBAを分かり易く表現するために原板11' と移動側ダイ45との上下方向の位置関係をわざとずらして記載してある。
【0007】
塑性変形によるダレ部DA及びバリBAの大きさは、中心孔用固定刃42aと中心孔用移動刃45aとのクリアランスCの値に左右される。このクリアランスCの値は小さいほどよい訳ではなく、小さすぎるとバリBAの高さが高くなる。
【0008】
一般に金属板のプレス抜き加工においては、打ち抜き工具による打ち抜き部分に形成されるバリBAの高さがおおむね0.1mm以下であれば品質良好とされているが、磁気転写用マスターディスクのマスター基板11としては、5μm程度のバリBAであっても、磁気転写時のスレーブディスクとの密着性が悪化し、マスターディスクとスレーブディスクとの間のスペーシングのため転写された信号強度が低くなり、良好な転写が行われないという問題がある。
【0009】
マスターディスクとスレーブディスクとの密着性を高めるには、密着圧力を高める方法が考えられるが、密着圧力を高めることはマスターディスクに形成された凹凸パターンを破損したり変形を発生させる可能性があり、マスターディスクの耐久性能を低下させる原因になる。
【0010】
このため、打ち抜き加工は、固定刃と移動刃とからなる打ち抜き工具の移動刃を金属盤に対して、金属盤の凹凸パターンが形成された表面側から裏面側に向けて押し込むことによって、金属盤を所定形状に打ち抜く。
【0011】
これにより、打ち抜き部分に発生するバリBAをマスター基板11の裏面に形成することができる。このため、スレーブディスクと接する側に凸部が形成されない。また、打ち抜き工程の後にマスター基板11の裏面を研磨することによってバリ取りをすることができる。
【0012】
しかし、マスター基板11の表面側に形成されるダレ部DAに近接する部分は、スレーブディスクと密着させたときに僅かな隙間が生じ、スレーブディスクに情報を磁気転写したときに、転写されたスレーブディスクの信号出力が減少する等、良好な磁気転写が行われないという問題があった。
【0013】
この現象は、凹凸パターンのサイズがより小さなマスター基板11の内周側(中心孔側)の方が外周側よりもより顕著に現れる。特に最小パターンサイズが100nm以下の凹凸パターンを有するマスター基板からなるマスターディスクでは、磁気転写するスレーブディスクとの密着性が極めて重要である。
【0014】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、情報信号に対応する凹凸パターンを有した金属盤を打ち抜いて所定形状のマスター基板を製造する磁気転写用マスターディスクの製造方法において、打ち抜き時にマスター基板の表面側に発生するダレの影響による転写特性の低下を抑制し、良好な磁気転写を行うことができる磁気転写用マスターディスクの製造方法、及び磁気転写用マスターディスクを提供するとともに、良好なプリフォーマット情報が磁気転写された磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、転写情報に応じた凹凸パターンが形成された原盤に、所定厚さの金属盤を積層し、前記原盤より剥離した前記金属盤に中心孔及び円形外周の打ち抜き加工を施してマスター基板とし、該マスター基板の凹凸パターン上に磁性層を成膜する磁気転写用マスターディスクの製造方法において、前記マスター基板の中心孔打ち抜き加工時に中心孔の上縁にダレが形成される範囲を中心孔ダレ形成領域として設定し、該中心孔ダレ形成領域の外側に所定範囲の中心孔バッファー領域を設定し、該中心孔バッファー領域の外側に前記凹凸パターンを形成するようにしたことを特徴とする。 請求項1の発明によれば、マスター基板の中心孔のダレが形成される領域の外側に中心孔バッファー領域を設け、中心孔バッファー領域の外側に凹凸パターンを形成するようにしているので、中心孔のダレ部近傍の磁気転写が不安定になる領域を使用せず、安定領域のみを使用する。このため良好な磁気転写が可能な磁気転写用マスターディスクが得られる。
【0016】
本発明の請求項2は、請求項1の発明において、前記マスター基板の外周打ち抜き加工時に外周の上縁にダレが形成される範囲を外周ダレ形成領域として設定し、該外周ダレ形成領域の内側に所定範囲の外周バッファー領域を設定し、該外周バッファー領域の内側に前記凹凸パターンを形成するようにしたことを特徴とする。
【0017】
請求項2の発明によれば、マスター基板の外周のダレが形成される領域の内側に外周バッファー領域を設け、外周バッファー領域の内側に凹凸パターンを形成するようにしているので、外周のダレ部近傍の磁気転写が不安定になる領域を使用せず、安定領域のみを使用する。このため良好な磁気転写が可能な磁気転写用マスターディスクが得られる。
【0018】
本発明の請求項3は、請求項1又は請求項2の発明において、前記中心孔の中心を原点とした前記中心孔バッファー領域の最外周半径を、前記中心孔の半径に所定の係数を乗じた数値で規定することを特徴とする。
【0019】
請求項3の発明によれば、中心孔の中心を原点とした中心孔バッファー領域の最外周半径を、中心孔の半径に所定の係数を乗じた数値で規定するので、適切な係数を設定することにより中心孔バッファー領域を必要最小限にとどめ、良好な磁気転写を可能にするとともに、要求される情報信号の記録密度を十分確保することができる。
【0020】
また、本発明の請求項4に記載のように、請求項3の発明において、前記中心孔バッファー領域の最外周半径を規定する所定の係数に上限及び下限を設けることが好ましい。
【0021】
本発明の請求項5は、請求項2、3、又は4のうちいずれか1項に記載の発明において、前記中心孔の中心を原点とした前記外周バッファー領域の最内周半径を、前記マスター基板の外周の半径に所定の係数を乗じた数値で規定することを特徴とする。
【0022】
請求項5の発明によれば、中心孔の中心を原点とした外周バッファー領域の最内周半径を、マスター基板の外周の半径に所定の係数を乗じた数値で規定するので、適切な係数を設定することにより外周バッファー領域を必要最小限にとどめ、良好な磁気転写を可能にするとともに、要求される情報信号の記録密度を十分確保することができる。
【0023】
また、本発明の請求項6に記載のように、請求項5の発明において、前記外周バッファー領域の最内周半径を規定する所定の係数に上限及び下限を設けることが好ましい。
【0024】
本発明の請求項7に記載の磁気転写用マスターディスクは、前記請求項1乃至請求項6のうちいずれか1項に記載の磁気転写用マスターディスクの製造方法によって製造されたことを特徴とする。
【0025】
請求項7の発明によれば、本発明の磁気転写用マスターディスクには打ち抜き時に形成されるダレの影響を受けない範囲に凹凸パターンが形成されているので、情報担持面のスレーブディスクとの密着性に優れ、良好な磁気転写を行うことができる。
【0026】
本発明の請求項8に記載の磁気記録媒体は、前記請求項7に記載の磁気転写用マスターディスクを用い、プリフォーマット情報が磁気転写されたことを特徴とする。
【0027】
請求項8の発明によれば、本発明の磁気記録媒体は、情報担持面の密着性に優れた磁気転写用マスターディスクを用いて情報が正確に磁気転写されているので、良好なプリフォーマット情報信号を得ることができる。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように、本発明に係る磁気転写用マスターディスクの製造方法、磁気転写用マスターディスク、及び磁気記録媒体によれば、マスター基板の中心孔のダレが形成される領域の外側に中心孔バッファー領域を設け、中心孔バッファー領域の外側に凹凸パターンを形成するようにしているので、中心孔のダレ部近傍の磁気転写が不安定になる領域を使用せず、安定領域のみを使用する。このため良好な磁気転写が可能な磁気転写用マスターディスクが得られる。
【0029】
また、磁気記録媒体はこの製造方法によって製造された磁気転写用マスターディスクを用いてプリフォーマット情報が磁気記録されるので、良好なプリフォーマット情報信号が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、添付図面に従って、本発明に係る磁気転写用マスターディスクの製造方法、磁気転写用マスターディスク、及び磁気記録媒体の好ましい実施の形態について詳説する。
【0031】
図1は磁気転写用マスターディスク10(以下、単にマスターディスク10と称する場合がある)の部分斜視図であり、図2は図1のA−A線に沿った断面図であり、磁気記録媒体である被転写用ディスク(スレーブディスク14)を想像線で示したものである。
【0032】
図1及び図2に示すように、マスターディスク10は、金属製のマスター基板11と磁性層12とで構成され、マスター基板11の表面に転写情報に対応する微細な凹凸パターンP(例えばサーボ情報パターン)を有すると共にその凹凸パターンPに磁性層12が被覆されている。
【0033】
これにより、マスター基板11の片面に磁性層12が被覆された微細な凹凸パターンPを有する情報担持面13が形成される。図1から分かるように、この微細な凹凸パターンPは、平面視で長方形であり、磁性層12が形成された状態でトラック方向(図の矢印方向)の長さpと、半径方向の長さLとによりなる。
【0034】
この長さpと長さLとの最適値は、記録密度や記録信号波形により異なるが、例えば長さpを80nm、長さLを200nmにできる。この微細な凹凸パターンPはサーボ信号の場合は、半径方向に長く形成される。この場合、例えば半径方向の長さLが0.05〜20μm、トラック方向(円周方向)の長さpが0.01〜5μmであることが好ましい。
【0035】
この範囲で半径方向の方が長い凹凸パターンPを選ぶことがサーボ信号を担持するパターンとして好ましい。凹凸パターンPの深さh(突起の高さ)は、30〜800nmの範囲が好ましく、50〜300nmの範囲がより好ましい。
【0036】
マスター基板11は、電鋳により作製され、図3に示すように、中心孔11G及び円形外周(以後単に外周と称する場合がある)11Hを有する円盤状に形成され、片面の(情報担持面13)の内周部11D及び外周部11Eを除く円環状領域11Fに凹凸パターンPが形成される。
【0037】
このマスター基板11の製造の詳細は後述するが、主に、情報を凹凸パターンPで形成した原盤上に電鋳を施して、電鋳層から成る金属盤を原盤上に形成して該金属盤に凹凸パターンPを転写する電鋳工程と、金属盤を原盤上から剥離する剥離工程と、剥離された金属盤を所定形状に打ち抜く打ち抜き工程とにより製造される。
【0038】
本発明において、電鋳層としては各種金属や合金類を使用できるが、本実施の形態では好ましい一例として、Ni電鋳層の例で以下に説明する。このNi電鋳層は柔軟性をもたせるため、所定の結晶構造を有するように、電鋳時の電流密度を制御しながら電鋳する。
【0039】
次に、上記の如く構成される本発明のマスターディスク10の製造方法を詳細に説明する。図4はマスターディスク10を製造するステップを示す工程図である。先ず、図4(a)に示すように、表面が平滑且つ清浄なシリコーンウエハーによる原板15(ガラス板、石英板でもよい)の上に、密着層形成等の前処理を行い、電子線レジスト液をスピンコート等で塗布してレジスト膜16を形成し、ベーキングする。
【0040】
そして、高精度な回転ステージ又はX−Yステージを備えた電子ビーム露光装置(図示せず)にて、そのステージに搭載した原板15にサーボ信号等に対応して変調した電子ビームBを照射し、レジスト膜16に所望の凹凸パターンP' を描画露光する。
【0041】
次に、図4(b)に示すように、レジスト膜16を現像処理し、露光部分を除去して残ったレジスト膜16によって所望の凹凸パターンP' を形成する。この凹凸パターンP' 上に例えばスタッパリングによりNi導電膜(図示せず)を付与し、電鋳可能な原盤17を作製する。
【0042】
次に、この原盤17を図4(c)に示すように、原盤17の全面に電鋳装置で電鋳処理を施し、Ni金属による所望厚みの金属盤18(Ni電鋳層)を積層する。Niは面心立方格子の結晶構造を有しており、電鋳時の電流密度を制御して所定の結晶構造となるように電鋳する。
【0043】
本発明では、電鋳処理による金属盤18の積層において、結晶構造を規定して柔軟性のあるNi電鋳層が形成されるようにした。即ち、Ni導電膜が付与された原盤17を、Ni電鋳浴に浸漬させて50〜150rpmの回転速度で回転させながらNi電鋳浴中に通電する電流の電流密度を変えることにより所望の結晶構造を有する電鋳層を形成する。
【0044】
通常、マスターディスク10に使用される金属はニッケル(Ni)であるが、マスターディスク10を電鋳で製造する場合には、応力の小さなマスター基板11が得られ易いスルファミン酸ニッケル浴を使用することが好ましい。
【0045】
スルファミン酸ニッケル浴は、例えば、スルファミン酸ニッケルを400〜800g/L、ホウ酸を20〜50g/L(過飽和)をベースとして界面活性剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)等の添加物を必要に応じて添加したものである。メッキ浴の浴温度は40〜60°Cが好適である。電鋳時の対極にはチタンケースに入れたニッケルボールを使用することが好ましい。
【0046】
次に、金属盤18を原盤17から剥離し、残留するレジスト膜16を除去・洗浄する。これにより、図4(d)に示すように、反転した凹凸パターンPを有し、且つ所定サイズに打ち抜く前の外径Dを有するマスター基板11の原板11' が得られる。
【0047】
この原板11' を打ち抜いて、図4(e)に示す外径dの所定サイズのマスター基板11が得られる。このマスター基板11の凹凸パターン面に磁性層12を成膜することでマスターディスク10を製造することができる。
【0048】
尚、マスターディスク10の他の製造工程としては、原盤17に電鋳を施して第2原盤を作製する。そして、この第2原盤を使用して電鋳を行い、反転した凹凸パターンPを有する金属盤を作製し、所定サイズに打ち抜いてマスター基板11としてもよい。
【0049】
更には、第2原盤に電鋳を行うか、樹脂液を押しつけて硬化を行って第3原盤を作製し、この第3原盤に電鋳を行って金属盤18を作製し、更に反転した凹凸パターンPを有する金属盤18を剥離して所定サイズに打ち抜き、マスター基板11としてもよい。第2原盤又は第3原盤を繰り返し使用し、複数の金属盤18を作製することができる。
【0050】
また、原盤の作製において、レジスト膜を露光・現像処理した後、エッチング処理を行って、原盤の表面にエッチングによる凹凸パターンP’を形成してからレジスト膜を除去してもよい。
【0051】
マスター基板11の原板11' の打ち抜きにあたっては、最初に原板11' の凹凸パターンPが形成された表面側に保護シートを貼付して、原板11' の凹凸パターンPが形成された表面を保護する。保護シートとしては、トライレイナ社製の商品名シリテクト、日東電工社製の商品名KLシート等が用いられる。次いで原板11' を保護シート側を上にしてマスター基板11を打ち抜く。
【0052】
以上の打ち抜き工程によって、図4(d)に示すマスター基板11の原板11' から図4(e)に示す表面に凹凸パターンPを有するマスター基板11が形成される。この打ち抜き工程においては、マスター基板11の原板11' の凹凸パターンPが形成された表面側から裏面側に打ち抜くので、打ち抜き部分のバリBAはマスター基板11の裏面側に発生し、表面側には塑性変形によるダレ部DAが形成される。
【0053】
図5は、このようにして打ち抜かれたマスター基板11を表している。図5に示すように、マスター基板11の中心孔11Gの上縁及び外周11Hの上縁にはダレDAが生じている。また、対応する裏面にはバリBAが形成されている。
【0054】
中心孔11Gの上縁のダレDAが生じた領域を中心孔ダレ形成領域Aiとし、中心孔ダレ形成領域Aiの外側に中心孔バッファー領域Biが設定され、凹凸パターンPはその外側に形成されている。
【0055】
また、外周11Hの上縁のダレDAが生じた領域を外周ダレ形成領域Aoとし、外周ダレ形成領域Aoの内側に外周バッファー領域Boが設定され、凹凸パターンPはその内側に形成されている。
【0056】
ダレ部DAの近傍はマスター基板11をスレーブディスク14と密着させたときに、僅かな隙間が生じる可能性があるので、本発明においては、安全を見越した余裕分として中心孔バッファー領域Bi及び外周バッファー領域Boを設定している。
【0057】
具体的には、中心孔11Gの中心HCからみた中心孔バッファー領域Biの最外周半径(凹凸パターンPの最内周半径に相当)Riを、マスター基板11の寸法に応じ、中心孔11Gの半径riに所定の係数を乗じた値としている。
【0058】
また、中心孔11Gの中心HCからみた外周バッファー領域Biの最内周半径(凹凸パターンPの最外周半径に相当)Roも、マスター基板11の寸法に応じ、マスター基板11の外周11Hの半径roに所定の係数を乗じた値としている。
【0059】
実際の製造工程においては、図4(a)、(b)に示すような原盤17に凹凸パターンP’を形成する工程において、マスター基板11に形成される凹凸パターンPの位置関係が前述したような位置関係になるように、凹凸パターンP' を描画露光する。
【0060】
打ち抜き工程によって中心孔11Gと外周11Hが所定寸法に打ち抜かれたマスター基板11は、次に裏面が研磨され、バリBAの除去と全面平坦化が行われる。研磨砥石は、炭化珪素(SiC)又はアルミナ(Al2 3 )からなる固定砥粒で、粒度#1200及び#2500が用いられる。この研磨工程の研磨条件は、プラテンの回転速度が65rpm、ワークホルダの回転速度(即ちマスター基板11の回転速度)が95rpm、研磨圧力が5〜15PSiの乾式研磨で、最初に粒度#1200の砥石で25秒の粗研磨、引き続き粒度#2500の砥石で25秒の仕上げ研磨と2回に分けて行われる。
【0061】
この研磨工程によって裏面のバリBAの除去と全面平坦化とがされたマスター基板11は、次に凹凸パターンP側に貼付されていた保護シートが剥離され、次いで凹凸パターンPに磁性層12が形成される。磁性層12の形成は、磁性材料を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空成膜手段、あるいはメッキ法、塗布法等により成膜する。
【0062】
磁性層の磁性材料としては、Co、Co合金(CoNi、CoNiZr、CoNbTaZr等)、Fe、Fe合金(FeCo、FeCoNi、FeNiMo、FeAlSi、FeAl、FeTaN等)、Ni、Ni合金(NiFe等)、を用いることができる。特にFeCo、FeCoNiを好ましく使用することができる。磁性層12の厚みは50〜500nmの範囲が好ましく、100〜400nmの範囲が更に好ましい。
【0063】
尚、磁性層12の上に、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、スパッタカーボン等の保護膜を設けることが好ましく、保護膜の上に更に潤滑剤層を設けても良い。この場合、保護膜として厚さが3〜30nmのDLC膜と潤滑剤層とする構成が好ましい。
【0064】
また、磁性層と保護膜との間に、Si等の密着強化層を設けるようにしても良い。潤滑剤はスレーブディスク14との接触過程で生じるずれを補正する際の、摩擦による傷の発生などの耐久性の劣化を改善する効果を有する。以上の工程によって、本発明の磁気転写用マスターディスク10が製造される。
【0065】
このようにして製造されたマスターディスク10では、凹凸パターンPが形成された情報担持面が、中心孔11G及び外周11Hの打ち抜き工程で中心孔11G上縁及び外周11H上縁に生ずるダレDAの影響を受けない領域に形成されているので、スレーブディスク14への磁気転写時においてマスター基板11の情報担持面とスレーブディスク14の磁性層との密着性に優れ、良好な磁気転写を行うことができる。
【0066】
次に、上記の如く製造したマスターディスク10の凹凸パターンPをスレーブディスク14に転写する磁気転写方法について説明する。図6は本発明に係るマスターディスク10を使用して磁気転写を行うための磁気転写装置20の要部斜視図である。
【0067】
磁気転写時には図7(a)に示される後記する初期直流磁化を行った後のスレーブディスク14のスレーブ面(磁気記録面)を、マスターディスク10の情報担持面13に接触させ、所定の押圧力で密着させる。そして、このスレーブディスク14とマスターディスク10との密着状態で、磁界生成手段30により転写用磁界を印加して、マスターディスク10の凹凸パターンPをスレーブディスク14に転写する。
【0068】
スレーブディスク14は、両面又は片面に磁気記録層が形成されたハードディスク、フレキシブルディスク等の円盤状記録媒体であり、マスターディスク10に密着させる以前に、グライドヘッド、研磨体などにより表面の微小突起及び付着塵埃を除去するクリーニング処理(バーニッシィング等)が必要に応じて施される。
【0069】
スレーブディスク14の磁気記録層には、塗布型磁気記録層、メッキ型磁気記録層、又は金属薄膜型磁気記録層を採用できる。金属薄膜型磁気記録層の磁性材料としては、Co、Co合金(CoPtCr、CoCr、CoPtCrTa、CoPtCrNbTa、CoCrB、CoNi等)、Fe、Fe合金(FeCo、FePt、FeCoNi等)、Ni、Ni合金(NiFe等)、を用いることができる。
【0070】
これらは磁束密度が大きいこと、磁界印加方向と同じ方向(面内記録なら面内方向)の磁界異方性を有していることにより、明瞭な転写を行えるため好ましい。そして、磁性材料の下(支持体側)に必要な磁気異方性を付与するために、非磁性の下地層を設けることが好ましい。この下地層には、結晶構造と格子定数を磁性層12に合わすことが必要である。その為には、Cr、CrTi、CoCr、CrTa、CrMo、NiAl、Ru等を用いることが好ましい。
【0071】
マスターディスク10による磁気転写は、スレーブディスク14の片面にマスターディスク10を密着させて片面に転写を行う場合と、図示しないが、スレーブディスク14の両面に一対のマスターディスク10を密着させて両面で同時転写を行う場合とがある。
【0072】
転写用磁界を印加する磁界生成手段30は、密着保持されたスレーブディスク14とマスターディスク10の半径方向に延びるギャップ31を有するコア32にコイル33が巻き付けられた電磁石装置34、34が上下両側に配設されており、上下で同じ方向にトラック方向と平行な磁力線を有する転写用磁界を印加する。
【0073】
磁界印加時には、スレーブディスク14とマスターディスク10とを一体的に回転させつつ磁界生成手段30によって転写用磁界を印加させ、マスターディスク10の凹凸パターンPをスレーブディスク14のスレーブ面に磁気的に転写する。尚、この構成以外に磁界生成手段の方を回転移動させるようにしてもよい。
【0074】
転写用磁界は、最適転写磁界強度範囲(スレーブディスク14の保磁力Hcの0.6〜1.3倍)の最大値を超える磁界強度がトラック方向のいずれにも存在せず、最適転写磁界強度範囲内の磁界強度となる部分が1つのトラック方向で少なくとも1カ所以上存在し、これと逆向きのトラック方向の磁界強度が何れのトラック方向位置においても最適転写磁界強度範囲内の最小値未満である磁界強度分布の磁界をトラック方向の一部分で発生させている。
【0075】
図7は、面内記録による磁気転写方法の基本工程を説明する説明図である。先ず、図7(a)に示すように、予めスレーブディスク14に初期磁界Hi をトラック方向の一方向に印加して初期磁化( 直流消磁) を施しておく。
【0076】
次に、図7(b)に示すように、このスレーブディスク14の記録面(磁気記録部)とマスターディスク10の凹凸パターンPが形成された情報担持面13とを密着させ、スレーブディスク14のトラック方向に初期磁界Hi とは逆方向に転写用磁界Hd を印加して磁気転写を行う。転写用磁界Hd が凹凸パターンPの凸部の磁性層12に吸い込まれてこの部分の磁化は反転せず、その他の部分の磁界が反転する結果、図7(c) に示すように、スレーブディスク14の磁気記録面にはマスターディスク10の凹凸パターンPが磁気的に転写記録される。
【0077】
かかる磁気転写において、スレーブディスク14とマスターディスク10とを良好に密着させることが高精度な転写を行う上で重要であるが、本発明の磁気転写用マスターディスクの製造方法によって製造された凹凸パターンPの形成位置が規制されたマスターディスク10を使用することにより、良好な密着を行うことができ、良質な磁気記録媒体14を得ることができる。
【実施例】
【0078】
次に、実施例について説明する。公称2.5インチ、1.8インチ、1インチ、0.85インチの4種類のマスターディスク10を、前述の図4(a)から図4(e)に示す工程を経て製造した。公称2.5インチのマスターディスク10はマスター基板11の外周半径roが32.5mmで、中心孔11Gの半径riが10mmである。
【0079】
また、公称1.8インチのマスターディスク10はマスター基板11の外周半径roが24mmで、中心孔11Gの半径riが6mmであり、公称1インチのマスターディスク10はマスター基板11の外周半径roが13.6mmで、中心孔11Gの半径riが3.5mmであり、公称0.85インチのマスターディスク10はマスター基板11の外周半径roが10.8mmで、中心孔11Gの半径riが3mmである。
【0080】
これら4種類のマスターディスク10に対して、凹凸パターンPの形成領域(中心孔バッファー領域Biの最外周から外周バッファー領域Biの最内周までの領域)を以下のように規定した。ただし、磁気転写された磁気記録媒体14の信号品位に寄与しないダミーパターンに対しては、この規定は適用しなくてもよい。
【0081】
公称2.5インチのマスターディスク10では、中心孔バッファー領域Biの最外周半径(凹凸パターンPの最内周半径に相当)Riを(中心孔11Gの半径ri)×(1.03〜1.45)とし、外周バッファー領域Biの最内周半径(凹凸パターンPの最外周半径に相当)Roを(マスター基板11の外周半径ro)×(0.98〜0.90)とした。
【0082】
また、公称1.8インチのマスターディスク10では、中心孔バッファー領域Biの最外周半径(凹凸パターンPの最内周半径に相当)Riを(中心孔11Gの半径ri)×(1.03〜1.40)とし、外周バッファー領域Biの最内周半径(凹凸パターンPの最外周半径に相当)Roを(マスター基板11の外周半径ro)×(0.98〜0.90)とした。
【0083】
また、公称1インチのマスターディスク10では、中心孔バッファー領域Biの最外周半径(凹凸パターンPの最内周半径に相当)Riを(中心孔11Gの半径ri)×(1.03〜1.30)とし、外周バッファー領域Biの最内周半径(凹凸パターンPの最外周半径に相当)Roを(マスター基板11の外周半径ro)×(0.98〜0.90)とした。
【0084】
また、公称0.85インチのマスターディスク10では、中心孔バッファー領域Biの最外周半径(凹凸パターンPの最内周半径に相当)Riを(中心孔11Gの半径ri)×(1.03〜1.20)とし、外周バッファー領域Biの最内周半径(凹凸パターンPの最外周半径に相当)Roを(マスター基板11の外周半径ro)×(0.98〜0.80)とした。
【0085】
これらの数値を図8に一覧表で示した。また、これらの4種類のマスターディスク10を用いてスレーブディスク14にサーボ情報を磁気転写し、再生ヘッドによる再生信号の信号品位を評価した。
【0086】
マスターディスク10の凹凸パターンPの最内周半径Riが小さ過ぎる場合は、中心孔11G部のダレ(ROLL−OFF)DAの影響を受けて再生出力低下等につながる転写不良が生じ、また、マスターディスク10の凹凸パターンPの最外周半径Roが大き過ぎる場合も、外周11H部のダレ(ROLL−OFF)DAの影響を受けて転写不良が生じる。
【0087】
しかし、凹凸パターンPの最内周半径Riを(中心孔11Gの半径ri)×(係数)とした時の(係数)の下限値を1.03とし、凹凸パターンPの最外周半径Roを(外周11Hの半径ro)×(係数)とした時の(係数)の上限値を0.98とした本実施例では、いずれも良好な磁気転写が行われていた。
【0088】
また、凹凸パターンPの最内周半径Riが大き過ぎる場合は、磁気転写されるスレーブディスク14の磁気記録媒体としての記録密度の確保が不十分となり、凹凸パターンPの最外周半径Roが小さ過ぎる場合も、磁気転写されるスレーブディスク14の磁気記録媒体としての記録密度の確保が不十分となる。
【0089】
しかし、凹凸パターンPの最内周半径Riを(中心孔11Gの半径ri)×(係数)とした時の(係数)の上限値を各マスターディスク10の寸法に応じて1.45、1.40、1.30、1.20とし、凹凸パターンPの最外周半径Roを(外周11Hの半径ro)×(係数)とした時の(係数)の下限値を各マスターディスク10の寸法に応じて0.90、0.90、0.90、0.80とした本実施例では、いずれも記録密度が十分確保されていた。
【0090】
以上説明したように、本発明の磁気転写用マスターディスクの製造方法では、マスター基板の中心孔のダレが形成される領域の外側に中心孔バッファー領域を設け、中心孔バッファー領域の外側に凹凸パターンを形成するようにし、また、マスター基板の外周のダレが形成される領域の内側に外周バッファー領域を設け、外周バッファー領域の内側に凹凸パターンを形成するようにしているので、中心孔のダレ部近傍及び外周のダレ部近傍の磁気転写が不安定になる領域を使用せず、安定領域のみを使用する。このため良好な磁気転写が可能な磁気転写用マスターディスクが得られる。
【0091】
具体的には、中心孔の中心を原点とした中心孔バッファー領域の最外周半径を、中心孔の半径に所定の係数を乗じた数値で規定し、中心孔の中心を原点とした外周バッファー領域の最内周半径を、マスター基板の外周の半径に所定の係数を乗じた数値で規定するので、適切な係数を設定することにより中心孔バッファー領域及び外周バッファー領域を必要最小限にとどめ、良好な磁気転写を可能にするとともに、要求される情報信号の記録密度を十分確保することができる。また、このようにして製造されるマスターディスク10によって高品質の磁気記録媒体を安価に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】マスターディスクの部分斜視図
【図2】図1のA−A線に沿った断面図
【図3】マスター基板の平面図
【図4】マスターディスクの製造方法を示す工程図
【図5】本発明の磁気転写用マスターディスクの製造方法で製造されたマスター基板を示す断面図
【図6】磁気転写装置の要部斜視図
【図7】磁気転写方法の基本工程を示す工程図
【図8】実施例を示す一覧表
【図9】ダレ、及びバリの発生を説明する概念図
【符号の説明】
【0093】
10…マスターディスク(磁気転写用マスターディスク)、11…マスター基板、11’…原板、11G…中心孔、11H…外周(円形外周)、12…磁性層、14…スレーブディスク(磁気記録媒体)、17…原盤、18…金属盤、Ai…中心孔ダレ形成領域、Ao…外周ダレ形成領域、Bi…中心孔バッファー領域、Bo…外周バッファー領域、C…クリアランス、DA…ダレ部(ダレ)、HC…中心孔の中心、P・P’…凹凸パターン、ri…中心穴の半径、ro…マスター基板の外周の半径、Ri…中心孔バッファー領域の最外周半径、Ro…外周バッファー領域の最内周半径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転写情報に応じた凹凸パターンが形成された原盤に所定厚さの金属盤を積層し、前記原盤より剥離した前記金属盤に中心孔及び円形外周の打ち抜き加工を施してマスター基板とし、該マスター基板の凹凸パターン上に磁性層を成膜する磁気転写用マスターディスクの製造方法において、
前記マスター基板の中心孔打ち抜き加工時に中心孔の上縁にダレが形成される範囲を中心孔ダレ形成領域として設定し、該中心孔ダレ形成領域の外側に所定範囲の中心孔バッファー領域を設定し、該中心孔バッファー領域の外側に前記凹凸パターンを形成するようにしたことを特徴とする磁気転写用マスターディスクの製造方法。
【請求項2】
前記マスター基板の外周打ち抜き加工時に外周の上縁にダレが形成される範囲を外周ダレ形成領域として設定し、該外周ダレ形成領域の内側に所定範囲の外周バッファー領域を設定し、該外周バッファー領域の内側に前記凹凸パターンを形成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の磁気転写用マスターディスクの製造方法。
【請求項3】
前記中心孔の中心を原点とした前記中心孔バッファー領域の最外周半径を、前記中心孔の半径に所定の係数を乗じた数値で規定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の磁気転写用マスターディスクの製造方法。
【請求項4】
前記中心孔バッファー領域の最外周半径を規定する所定の係数に上限及び下限を設けたことを特徴とする請求項3に記載の磁気転写用マスターディスクの製造方法。
【請求項5】
前記中心孔の中心を原点とした前記外周バッファー領域の最内周半径を、前記マスター基板の外周の半径に所定の係数を乗じた数値で規定することを特徴とする請求項2、3、又は4のうちいずれか1項に記載の磁気転写用マスターディスクの製造方法。
【請求項6】
前記外周バッファー領域の最内周半径を規定する所定の係数に上限及び下限を設けたことを特徴とする請求項5に記載の磁気転写用マスターディスクの製造方法。
【請求項7】
前記請求項1乃至請求項6のうちいずれか1項に記載の磁気転写用マスターディスクの製造方法によって製造されたことを特徴とする磁気転写用マスターディスク。
【請求項8】
前記請求項7に記載の磁気転写用マスターディスクを用い、プリフォーマット情報が磁気転写されたことを特徴とする磁気記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−268950(P2006−268950A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−84563(P2005−84563)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】