説明

社員所在情報管理システム

【課題】在室者が退室者の所在を容易に把握できる社員所在情報管理システムを提供する。
【解決手段】情報を処理する管理サーバと、本事業所等の執務室の出入口近傍に設けられた一時解錠機能を有する所在管理装置と、執務室内に設置された退室者の所在を表示する所在表示装置とを具備し、管理サーバは、社員の基礎データを取得する基礎データ取得手段と、所在管理装置から入力され送信される、退室データを受信する退室データ受信手段と、退室データを基礎データと照合し判断して、退室に必要な条件を満たしたときのみ、退室を許可するための一時解錠許可信号を所在管理装置に送信する退室許可信号送信手段と、一時解錠許可信号を送信したときには、退室データ及び基礎データに基づいて、社員の所在情報を示す所在情報表示画面のデータを、所在表示装置に送信し表示させる所在情報表示手段とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、執務室における退室者の所在を把握し表示する社員所在情報管理システムに係り、特に在室者が退室者の所在を確認し、退室者への顧客等の問い合わせに対して適切に対応することができる社員所在情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外出する際には外出者はホワイトボード等に行き先と帰社予定時刻を手書きで記載し、同じ部署に所属し、同じ執務室内で業務を行っている他の社員等が外出先を確認できるようにする方法が取られている。外出者宛てに顧客等からの問い合わせがあった場合には、電話を取った在室者がホワイトボード等に記載された事項を確認して、その対応を行なっている。しかし、部署の規模が大きい場合など、ホワイトボード等から遠い位置にいる社員は、近くまで移動して記載された事項の確認を行なう必要があり、手間がかかるという問題があった。
【0003】
また、外出者がホワイトボード等への記載を失念して外出してしまった場合には、在室者は単なる席空きであると判断して対応してしまい、その後顧客に何度も電話を掛けてもらう事態を招いたり、外出者からの顧客への連絡時刻が、在室者が対応時に伝えた時刻よりも遅くなったりしていた。このように、顧客等からの問い合わせに対しては、素早く適切な応対をすることが求められているのに、顧客に迷惑を掛ける結果となっているのが現状であった。そして、ホワイトボード等への記載の失念が多くなると、外出なのか席空きなのかを判断すること自体が困難となってしまっていた。また、席空きであるとわかっている場合であっても、執務室から外に出た者(以下、退室者という)が執務室に戻ってくる時間(以下、帰室時刻という)が不明であったため、適切な対応を取ることができないという問題があった。
【0004】
さらに、記載した帰社予定時刻を過ぎても外出者が戻らないことも少なくなかった。外出者から予定変更の連絡がない場合には、外出者の帰社予定時刻やスケジュールを把握できず、再度顧客等からの問い合わせがあっても、在室者は、外出者がどのような状況にあるか不明であるため、その対応に苦慮していた。また、なるべく急いで対応するべき問い合わせがあっても、外出者自身が重要な会議の最中であることが推測できる場合もあり、本人にどのような方法、タイミングで連絡すべきか、外出者の代わりに電話等の応対をした在室者は判断に迷ってしまうという問題もあった。このような状態では、応対をした在室者は自己の業務に集中することができず、結果的に部署全体の仕事処理能力を下げることとなっていた。
【0005】
個人の所在を把握することを目的とする発明としては、例えば、外出者については、特許文献1の特開2003−296522号「行動予定管理サーバ及びシステム並びにプログラム」が、建物内については、特許文献2の特開2005−227956号「出入管理装置」等が提案されている。
この「行動予定管理サーバ及びシステム並びにプログラム」は、GPS(Global
Positioning System)機能付携帯電話の位置情報を把握するGPSシステムに接続され、GPS機能付携帯電話を携帯して外出する者からスケジュールの入力を受け付けて、管理対象者の行動予定表を他の端末に提供する行動予定管理サーバに、GPSシステムから提供される各GPS内蔵携帯情報端末の位置情報に基づいて、行動予定表のステータス欄に出発地/目的地/移動中といったステータス情報の表示を制御させるものであり、外出した者の行動予定を、スケジュールとGPS機能によって把握するものである。
【0006】
また、「出入管理装置」は、個人を特定するための読取装置及び電気錠と、読取装置が読み取ったデータにより個人の通行権限を照合し、その結果により電気錠を制御して通行を管理する個人識別コントローラと、通行可能な個人の情報の設定画面及び遠隔で電気錠を制御できる制御用画面を有するセンタ装置とから構成され、遠隔での電気錠制御用画面で個人を特定する情報によってセンタ装置から指示することにより、実際にその個人が前記読取装置による照合を行っていなくても、照合許可されたものとして前記センタ装置の通行履歴に記録できるようにした出入管理装置であって、一時的にセンタ装置から電気錠を制御して通行させた場合でも個人に関する情報を通行履歴として記録することができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−296522号公報
【特許文献2】特開2005−227956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記「行動予定管理サーバ及びシステム並びにプログラム」は、外出する者がGPS受信機としての機能を備えた携帯情報端末等を携帯して外出することよって、逐一自身の現在地の入力等を行わなくとも、自動的にその所在地が行動予定表に反映されるものである。しかしながら、このサーバ等は、目的地に向かって移動中であるか、目的地に到着したか等の外出者の状況を示すものであって、帰社時刻を明らかにするものではない。また、社外に外出する者に対して使用されるものであり、社内における社員の所在を明らかにするものではなかった。
【0009】
また、上記「出入管理装置」は、出入管理を厳密に行うことができ、建物内にいる個人が現在どの空間にいるかを容易に把握することができるものである。しかしながら、セキュリティ管理に特化した発明であり、社内における所在を確認することはできるが、何の目的でその場所にいるのか、どのくらいで執務室に戻るのかといった情報を提供するものではなかった。
【0010】
本発明は、上述した問題点を解決するために提案されたものである。すなわち本発明の目的は、社員が執務室から退室する際、所定の退室時入力要件のデータを入力したときのみ出口が解錠され、また解錠された場合には、同室者の端末装置等に、退室者によって入力された退室時入力要件のデータが表示され、在室者が退室者の所在を容易に把握できる社員所在情報管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様の社員所在情報管理システムは、執務室における退室者の所在を把握し在室者に表示する社員所在情報管理システムであって、情報を処理する管理サーバ(10)と、該管理サーバ(10)にネットワークを介して相互に接続され、本事業所、又は、本事業所及び他の活動拠点の執務室の出入口近傍に設けられた一時解錠機能を有する所在管理装置(30)と、執務室内に設置された退室者の所在を表示する所在表示装置(50)と、を具備し、前記管理サーバ(10)は、社員識別情報を含む社員の基礎データを取得する基礎データ取得手段と、執務室から退室するときに、前記所在管理装置(30)から入力され送信される、退室データを受信する退室データ受信手段と、該退室データを前記基礎データと照合し判断して、退室に必要な条件を満たしたときのみ、退室を許可するための一時解錠許可信号を前記所在管理装置(30)に送信する退室許可信号送信手段と、該一時解錠許可信号を送信したときには、前記退室デ
ータ及び前記基礎データに基づいて、社員の所在情報を示す所在情報表示画面のデータを、前記所在表示装置(50)に送信し表示させる所在情報表示手段と、を備え、前記退室データは、自己の執務室以外から退室するときには、社員識別情報、又は、該社員識別情報に前記所在管理装置(30)識別データを付加したデータから成る識別データであり、自己の執務室から退室するときには、該識別データと退室時入力要件データとから成るデータであることを特徴とする。
【0012】
ここで、前記管理サーバ(10)は、各社員について、退室用件ごとに退室先情報を取得する退室先情報取得手段を備え、前記退室データ受信手段において、前記所在管理装置(30)から退室先のデータ入力を必要とする退室用件のデータを受信すると、取得した前記退室先情報、受信した社員識別情報及び退室用件のデータに基づいて、退室先入力画面のデータを前記所在表示装置(50)に送信し、表示させ、退室者が該退室先入力画面を参照して退室先を選択又は入力できるように構成してもよい。
さらに、前記管理サーバ(10)は、各社員について、退室用件の情報を含むスケジュール情報を取得するスケジュール情報取得手段を更に備え、前記退室データ受信手段において、前記所在管理装置(30)から退室先のデータ入力を必要とする退室用件のデータを受信すると、取得した前記スケジュール情報に同一の退室用件のスケジュールがあるときには、該スケジュール情報、前記退室先情報、受信した社員識別情報及び退室用件のデータに基づいて、退室先等入力画面のデータを前記所在表示装置(50)に送信し、表示させ、退室者が該退室先等入力画面を参照して退室先を選択又は入力できるように構成してもよい。
【0013】
前記管理サーバ(10)は、執務室に入室するときに、前記所在管理装置(30)から入力され送信される、入室データを受信する入室データ受信手段と、該入室データを前記基礎データと照合し判断して、入室に必要な条件を満たしたときのみ、入室を許可するための一時解錠許可信号を前記所在管理装置(30)に送信する入室許可信号送信手段と、該一時解錠許可信号を送信したときには、前記入室データ及び前記基礎データに基づいて、社員の所在情報を更新又は追加した所在情報表示画面のデータを、前記所在表示装置(50)に送信し表示させる所在情報更新手段と、を備え、前記入室データは、社員識別情報、又は、該社員識別情報に前記所在管理装置(30)識別データを付加したデータから成る識別データであることが好ましい。
また、前記管理サーバ(10)は、スケジュールの変更があったときには、前記所在管理装置(30)から入力され送信される、退室時入力要件変更データ、社員識別情報を受信する退室時入力要件データ変更手段と、該退室時入力要件変更データ、社員識別情報及び前記基礎データに基づいて、所在情報の変更を追加した所在情報表示画面のデータを、前記所在表示装置(50)に送信し表示させる所在情報変更・追加手段と、を備えてもよい。
【0014】
前記社員所在情報管理システムは、退室者が所持し、前記管理サーバ(10)とネットワークを介して相互に接続された携帯端末を更に具備し、前記管理サーバ(10)は、退室者の代わりに応対した在室者によって、前記所在表示装置(50)から入力され送信される、該退室者の社員識別情報及び応対情報を受信し、該社員識別情報及び前記基礎データに基づいて、前記応対情報を所在情報と共に表示した所在情報表示画面のデータを、前記所在表示装置(50)に送信し表示させる応対情報入力・表示段階と、前記携帯端末に、前記社員識別情報及び前記基礎データに基づいて、前記応対情報を送信し表示させる応対情報送信段階と、を備えてもよい。
【0015】
前記社員所在情報管理システムは、前記管理サーバ(10)とネットワークを介して相互に接続され、自社又は/及び他の活動拠点の建物の出入口近傍に設置された一時解錠機能を有する所在管理装置(30)を更に具備し、前記管理サーバ(10)は、建物を出入
りする際に、該所在管理装置(30)から入力され送信される、出入データを受信する出入データ受信手段と、該出入データを前記基礎データと照合し判断して、建物の出入に必要な条件を満たしたときのみ、出入を許可するための一時解錠許可信号を前記所在管理装置(30)に送信する出入許可信号送信手段と、該一時解錠許可信号を送信したときには、前記出入データ及び前記基礎データに基づいて、建物の出入に関する所在情報を追加した所在情報表示画面のデータを、前記所在表示装置(50)に送信し表示させる出入情報追加手段と、を更に備え、前記出入データは、社員識別情報、又は、該社員識別情報に前記所在管理装置(30)識別データを付加したデータから成る識別データであることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、自己の執務室から退室する退室者は、所定の退室時入力要件のデータを所在管理装置(30)に入力することによって、執務室の出口が解錠され退室できる仕組みとなっているので、入力を失念することがない。また、入力された退室時入力要件のデータは、同室者が執務室内で使用している端末等である所在表示装置(50)に表示されるので、在室者はいつでも容易に退室者の所在を把握できる。よって、退室者の代わりに電話等の応対をした在室者は、顧客等に適切な対応を取ることができ、速やかに自己の業務に戻り、集中して仕事に取り組むことができる。
【0017】
自己の執務室以外から退室する場合には、識別データの入力のみで退室できるので、手間を取られない。更に自己の執務室以外から退室した場合にも、その退室データが所在表示装置(50)に予備的情報として表示されるので、退室者の状況をより詳しく把握することができる。例えば、会議室からの退室データであれば、会議の終了又は休憩等を推測することができ、急ぎの用事で連絡を取る場合等、連絡するタイミングを図ることが可能である。
【0018】
ここで、退室先情報やスケジュール情報に基づいて退室データを入力できる構成とすれば、退室者は短時間で簡単に入力することができ、スムーズに退室できる。また、執務室への入室や建物への出入の管理も行なう構成を加えれば、在室、帰社等を容易に確認する事ができると共に、セキュリティの面からも有用である。
さらに、所在管理装置(30)や後述する携帯端末等から所在情報の変更データを送信し、所在表示装置(50)に表示させることができる構成とすることで、退室中にスケジュールの変更があったときにも対処でき、在室者が変更を確認して適切な対応を取ることができる。
そして、退室者が管理サーバ(10)とネットワークを介して相互に接続される携帯端末を有し、在室者が所在表示装置(50)から入力した応対情報を、同室者の所在表示装置(50)に表示すると共に、退室者の携帯端末に送信する構成とすれば、応対情報を同室者で共有でき、また退室者は応対情報を早期に知ることができるので、より適切に対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施例1の社員所在情報管理システム1の概略構成図である。
【図2】実施例1の管理サーバ10の構成を示したブロック図である。
【図3】実施例1の所在管理装置30の概略構成図である。
【図4】実施例1の社員所在情報管理システム1における処理動作を示したフローチャートである。
【図5】実施例1の社員所在情報管理システム1の退室データ入力画面の一例である。
【図6】実施例1の社員所在情報管理システム1の所在情報表示画面の一例である。
【図7】実施例2の社員所在情報管理システム2における処理動作を示したフローチャートである。
【図8】実施例3の社員所在情報管理システム3における処理動作を示したフローチャートである。
【図9】実施例3の社員所在情報管理システム3の退室用件入力画面の一例である。
【図10】実施例3の社員所在情報管理システム3の退室先入力画面の一例である。
【図11】実施例3の社員所在情報管理システム3の帰室時刻入力画面の一例である。
【図12】実施例4の社員所在情報管理システム4における処理動作の前半部分を示したフローチャートである。
【図13】実施例4の社員所在情報管理システム4における処理動作の後半部分を示したフローチャートである。
【図14】実施例4の社員所在情報管理システム4の退室用件等入力画面の一例である。
【図15】実施例5の社員所在情報管理システム5において、社員が執務室に入室する際の処理動作を示したフローチャートである。
【図16】実施例6の社員所在情報管理システム6において、退室中の社員が退室時入力要件データの変更をする際の処理動作を示したフローチャートである。
【図17】実施例7の社員所在情報管理システム7において、社員が建物を出入りする際の処理動作を示したフローチャートである。
【図18】実施例8の社員所在情報管理システム8において、退室中の社員がリマインダーメールに対して遅延情報を送る際の処理動作を示したフローチャートである。
【図19】実施例8の社員所在情報管理システム8において、退室中の社員が携帯端末から退室時入力要件データの変更をする際の処理動作を示したフローチャートである。
【図20】実施例8の社員所在情報管理システム8において、在室者の応対情報を同室者の所在表示装置50に表示させ、退室者の携帯端末に送信する際の処理動作を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0020】
以下、本発明の社員所在情報管理システムの好ましい実施例について具体的に説明する。図1は本発明の実施例1の社員所在情報管理システム1の概略構成図である。
図1に示すように、実施例1の社員所在情報管理システム1は本社等に配設され、情報の処理を行なう管理サーバ10と、執務室の出入口付近に設けられ、一時解錠機能を有する所在管理装置30と、執務室内に設けられ、在室者が退室者の所在を確認することができる所在表示装置50とからなり、それぞれネットワークで相互に接続されている。
なお、ここで「執務室」とは、社員が通常業務を行なっている部屋以外に会議室、応接室、役員室、休憩室等も含む。その中で、自己の所属する部署等が置かれている、日常業務を行っている部屋を「自己の執務室」というものとする。
【0021】
図2は実施例1の管理サーバ10の構成を示したブロック図である。
図2に示すように、管理サーバ10はネットワークを通じて通信を行う送受信部12、各種情報処理等を行なう情報処理部14、データを入力するキーボード等の入力部16およびデータを出力する表示装置あるいはプリンタ等の出力部18、後述する社員の基礎的な情報に関するデータベース等を保持する記憶部20から構成されている。
【0022】
記憶部20は、社員の基礎的な情報に関するデータベース(基礎DB)22、社員管理に関するデータベース(社員管理DB)24を備えている。
記憶部20の基礎DB22は、社員の基礎データとして、社員識別IDと社員の氏名を関連付けた社員識別情報を、また、所在管理装置30を設置した執務室が複数ある場合には、さらに社員識別情報を識別子とした、社員の自己の執務室の名称やその識別ID等の
所属執務室情報等を保持する。
また、この基礎データには、必要に応じて、認証パスワード、社員の所属する事業所やその識別ID等の所属事業所情報、社員の携帯端末のメールアドレス等も含まれる。
【0023】
記憶部20の社員管理DB24は、社員識別情報を識別子として、社員の所在履歴情報を保持する。所在履歴情報は、社員が後述する解錠許可プログラムによって退室した時に入力した退室データ及び解錠許可プログラムが送信された時刻のデータ等である。
また、後述する他の実施例においては、この所在履歴情報には、社員識別情報を識別子とした、社員が解錠許可プログラムによって入室した際に入力される入室データ等、建物に出入りした際に入力される出入データ等も記憶される場合がある。
【0024】
情報処理部14は、送受信部12との間でデータの受け渡しを行う送受信処理プログラム、送受信部12、入力部16又は出力部18とデータの受け渡しを行う入出力処理プログラム、取得した各種データをデータベース(DB)に蓄積するデータ蓄積プログラム、取得したデータを各種DBのデータと照合し、照合結果に基づいて処理を行うデータ照合処理プログラム、所在管理装置30に一時解錠許可信号を送信する解錠許可プログラム、所在管理装置30に不一致表示画面を表示させる解錠不許可プログラム、取得した退室データ等を所在表示装置50に表示させるデータ表示処理プログラム等を備え、これを実行する。
また、後述する他の実施例においては、この情報処理部14は、各種データを入力させるため画面を表示させる入力指示プログラム、携帯端末との情報処理を行なう携帯対応プログラム、応対情報を所在表示装置50に表示させ、退室者の携帯端末に送信する応対情報処理プログラム等を更に備え、これを実行する場合がある。
【0025】
図3は所在管理装置30の概略構成図である。
図3に示すように、所在管理装置30は、ネットワークを通じて通信を行う送受信部32、データを入力する画面、キーボード等の入力部36およびデータを出力する表示画面等の出力部38、必要に応じて情報を記憶する記憶部40、一時解錠許可信号を受信したときに出入口の扉を一時的に解錠するロック部42、所在管理装置全体の制御を行う制御部34から構成される。
【0026】
所在管理装置30は本事業所の執務室、又は、本事業所及び他の活動拠点の執務室等に設置される。ここで、本事業所とは、社員自身が勤務している事業所をいい、他の活動拠点とは、社員自身が勤務している事業所(本事業所)以外の活動拠点(例えば、本社、支社、工場等の関連する事業所)をいう。本実施例の所在管理装置30の入力部36かつ出力部38である表示画面は、執務室の出口付近等に設置される。
後述するように、この所在管理装置30の入力部36からは社員識別ID等の社員識別情報が入力される。この社員識別情報を入力する方法としては、タッチパネルの表示画面やキーボード等からの入力以外に、入力部36が、ICカード等のリーダー、指紋等のバイオメトリックス認証等の認証部を備えるものとしても良い。
【0027】
所在表示装置50は、各社員の机上等に設置された端末等であり、ネットワークを通じて通信を行う送受信部、キーボード等の入力部およびデータを出力する表示画面等の出力部、必要に応じて情報を記憶する記憶部、所在表示装置全体の制御を行う制御部から構成される(図示せず)。所在表示装置50は、所在管理装置30から入力された情報に基づいて、社員の所在情報を表示する。
【0028】
次に、本発明の社員所在情報管理システム1の具体的な処理動作を説明する。図4は、本発明の実施例1の社員所在情報管理システム1における処理動作を示したフローチャートである。
[基礎データ取得段階(S101)]
基礎データ取得段階(S101)は、管理サーバ10が社員の基礎データを取得する段階である。
管理サーバ10は、入出力処理プログラムにより、管理サーバ10が備える出力部18の表示画面を参照して、入力部16から直接入力された社員の基礎データを取得する。または、所在表示装置50等の他の装置から入力され送信された基礎データを、送受信処理プログラムにより、取得してもよい。
【0029】
[基礎データ記憶段階(S102)]
基礎データ記憶段階(S102)は、管理サーバ10が社員の基礎データを記憶する段階である。
管理サーバ10は、データ蓄積プログラムの実行により、基礎データ取得段階(S101)で取得した基礎データを情報処理部14で処理し基礎DB22に格納する。
【0030】
[退室データ受信段階(S103)]
退室データ受信段階(S103)は、所在管理装置30の執務室の出口付近に設けられた入力部36から入力され、送信される退室データを、管理サーバ10が受信し、基礎DB22に蓄積された情報と照合する段階である。
以下、社員が自己の執務室以外から退室する場合と、社員が自己の執務室から退室する場合に分けて説明する。
【0031】
図5は、実施例1の社員所在情報管理システム1の退室データ入力画面Aの一例である。はじめに、社員が自己の執務室以外から退室する場合について説明する。
所在管理装置30の制御部34は、社員が、所在管理装置30の入力部36であるタッチパネルの表示画面に触れる等して、退室する旨の指示を入力すると、例えば図5に示すような退室データ入力画面Aを表示する。退室データ入力画面Aには、社員識別情報である「社員識別ID」を入力するためフィールド100、退室する目的である「退室用件」を入力するための選択ボタン等のフィールド210、退室目的先である「退室先」を入力するためフィールド230、執務室に戻る予定時刻である「帰室時刻」を入力するためフィールド250が設けられている。
【0032】
社員は、退室データ入力画面Aから、社員識別情報である「社員識別ID」のフィールド100にキーボード等の入力部36から入力を行った後、「退室用件」等の退室時入力要件200のデータは入力せずに送信ボタン300をクリックする。制御部34は、入力された社員識別情報に所在管理装置識別データを付加した識別データである退室データを、送受信部32から管理サーバ10に送信する。なお、システム内に所在管理装置30を1つしか備えていない場合には、所在管理装置識別データは不要である。
【0033】
社員識別情報の入力方法は上述した方法に限られない。所在管理装置30が設置されている執務室を、自己の執務室とする社員数が少ない場合には、表示画面にその全員の氏名等を表示しても良いし、表示画面の「社員識別ID」のフィールド100内にカーソルを移動すると、全員の社員識別ID又は氏名を表示されるようにして、その中から選択するようにしても良い。また、本人確認、入力ミスの防止のために「パスワード」等の暗証番号の入力を伴うものとしても良い。
【0034】
管理サーバ10は送受信処理プログラム及びデータ照合処理プログラムを実行して、受信した退室データを、社員識別情報を識別子として基礎DB22に登録された社員の基礎データと照合する。更に管理サーバ10は、受信した所属管理装置識別データと基礎DB22の所属執務室情報や所属事業所情報とを照合し、退室する社員が退室しようとする執務室に所属する者でないことを認識する。そして、退室時入力要件のデータは不要である
と判断して、社員識別情報に所在管理装置識別データを付加した識別データである退室データに不備がない場合には、次の退室許可信号送信段階(S104)に進む。送受信部32から一時解錠許可信号を受信した所在管理装置30の制御部34は、ロック部42を制御して、一時的な解錠を行う。
【0035】
受信した退室データを照合した結果、退室データに不備がある場合、すなわち基礎DB22のデータと一致しない場合や退室する社員が退室しようとする執務室に所属する者である場合には、解錠不許可プログラムを実行して、それぞれ再入力を求める画面又は未入力事項の入力を促す画面である、不一致表示画面を所在管理装置30に表示させる。退室者は不一致表示画面を参照して、再度入力することができる。
【0036】
次に社員が自己の執務室から退室する場合について説明する。
この場合は、図4に示すように、前述の自己の執務室以外から退室する場合と社員識別情報である「社員識別ID」のデータを入力するまでは同じであるが、その後、更に「退室用件」210、「退室先」230、「帰室時刻」250等の退室時入力要件のデータ200を入力する必要がある。
【0037】
「退室用件」の選択ボタン210としては、「離席」ボタン211、「休憩」ボタン212、「会議」ボタン213、「接客」ボタン214、「外出」ボタン215、「帰宅」ボタン216、「緊急」ボタン217、「その他」ボタン218がある。
【0038】
「離席」ボタン211は、給湯室に行く等の簡単な用事やたばこ休憩やトイレ休憩等の短時間の休憩の時に選択するボタンである。このボタンが選択された場合には、「退室先」のフィールド231に退室先として給湯室等の行先が、「帰室時刻」のフィールド251に帰室予定時刻が入力される。プライバシーの保護や社員が感じる負担を軽減するために、「離席」の場合には、「退室先」を空欄とするようにしても良い。
【0039】
「休憩」ボタン212は、お昼休み等の食事時間を含む休憩を取る時に選択するボタンである。このボタンが選択された場合には、「退室先」のフィールド232に社員食堂又は外食等の行先が、「帰室時刻」のフィールド252に帰室予定時刻が入力される。また、定時に休憩時間を取る場合等は、出口の混雑を避けるために、「退室先」、又は、「退室先」と「帰室時刻」を未入力とできるようにしても良い。
【0040】
「会議」ボタン213は、社内の会議に出席するために退室する時に選択するボタンである。このボタンが選択された場合には、「退室先」のフィールド233に退室先として会議室の部屋番号等の行先が、「帰室時刻」のフィールド253に帰室予定時刻が入力される。
【0041】
「接客」ボタン214は、来社した顧客との面会のために退室する時に選択するボタンである。このボタンが選択された場合には、「退室先」のフィールド234に退室先として応接室の部屋番号等の行先が、「帰室時刻」のフィールド254に帰室予定時刻が入力される。
【0042】
「外出」ボタン215は、社員が顧客や他の活動拠点に外出するために退室する時に選択するボタンである。このボタンが選択された場合には、「退室先」のフィールド235に外出先として顧客名や事業所名等の行先が、「帰室時刻」のフィールド255に帰室予定時刻が入力される。一度に多数の顧客に面会する場合には外出先を多数入力することができる。この場合、訪問する順番に入力されることが望ましい。
【0043】
「帰宅」ボタン216は、社員が家に帰るために退室する時に選択するボタンである。
このボタンが選択された場合には、「退室先」及び「帰室時刻」の入力は必要ない。
【0044】
「緊急」ボタン217は、災害や急病などの緊急時に退室する時に選択するボタンである。このボタンが選択された場合には、「退室先」及び「帰室時刻」の入力は必要ない。
【0045】
「その他」ボタン218は、前述した「退室用件」以外で退室する時に選択するボタンである。このボタンが選択された場合には、「退室要件」により必要と思われる任意の項目、内容が、入力部36であるキーボード等によって「退室用件」のフィールド218a、「退室先」のフィールド238、「帰室時刻」のフィールド258に入力される。
【0046】
上述した「退室先」のフィールド230については、キーボード等で入力する(図5の「その他」の「退室先」のフィールド238参照)以外に、入力する退室先の候補が少ない場合には、退室データ入力画面A上にすべてが表示されるようにし(図5の「会議」の「退室先」のフィールド233等参照)、入力する退室先の候補が多い場合には、「退室先」のフィールドにカーソルを動かすことで自動的に表示される退室先の中から選択する(図5の「外出」の「退室先」のフィールド233等参照)ように構成されている。なお、選択肢の中に該当するものがない場合には「その他」ボタン218を選択して、キーボード等から入力するようにしても良い。
複数の用件のために退室する場合は、複数選択ボタン310を選択した後に、複数の「退室用件」選択ボタン210等を選択し、入力できる。この場合、実施する順に入力されることが望ましく、最後の用件を終えた後の帰室時刻をその「退室用件」の「帰室時刻」のフィールド250の欄に入力すればよい。
【0047】
「帰室時刻」のフィールド250については、制御部34によって予め退室データ入力画面Aを表示した時刻に「退室用件」によって決められた所定の所要時間が加算された時刻を表示される。例えば、図5の「離席」の「帰室時刻」のフィールド251には、「13:15」が表示されているが、この時刻は、「離席」の場合の決められた所要時間が15分であり、現在時刻にこの15分を加算した時刻となっている。また、予め決められた所定の所要時間が表示された「所要時間」のフィールドを設け、「所要時間」のフィールド(図示せず)に表示又は入力された時間を加算した時刻が、制御部によって「帰室時刻」のフィールド250に表示されるようにしても良い。「帰室時刻」のフィールド250に希望する帰室予定時間が表示されていないときには、「所要時間」のフィールド又は「帰室時刻」のフィールド250内にカーソルを動かすことで、表示される他の時間を選択できるようにする。
【0048】
このように「退室用件」によって必要とされる所定の退室時入力要件のデータ200を入力した後に、送信ボタン300をクリックする。制御部34は、入力された社員識別情報に所在管理装置識別データを付加した識別データ及び入力された退室時入力要件データ200からなる退室データを、送受信部32から管理サーバ10に送信する。
【0049】
管理サーバ10は送受信処理プログラム及びデータ照合処理プログラムを実行して、受信した社員識別情報を識別子として、基礎DB22に登録された社員の基礎データと照合する。また、管理サーバ10は、所属管理装置識別データと基礎DB22の所属執務室情報や所属事業所情報とを照合し、退室する社員が、退室しようとする執務室に所属する者であると判断する。そして、退室用件毎に定められた退室時入力要件のデータ200がすべて入力されていると判断したとき、すなわち退室データに不備がないときには、次の退室許可信号送信段階(S104)に進む。また、照合した結果、退室データに不備がある場合には、解錠不許可プログラムを実行して、再入力を求める画面又は未入力事項の入力を促す画面である、不一致表示画面を所在管理装置30に表示させる。
【0050】
[退室許可信号送信段階(S104)]
退室許可信号送信段階(S104)は、照合した結果、所定の条件を満たした場合に、所在管理装置30に一時解錠許可信号を送信する段階である。
管理サーバ10は、解錠許可プログラムを実行して、所在管理装置30に一時解錠許可信号を送信する。一時解錠許可信号を受信した所在管理装置30は執務室出口の扉を一時的に解錠して、社員を退室させる。
【0051】
[所在情報表示段階(S105)]
所在情報表示段階(S105)は、管理サーバ10が、受信した退室データと基礎DB22の基礎データに基づいて、所在情報表示画面Bを所在表示装置50に表示させる段階である。
管理サーバ10は、退室の解錠許可プログラムを実行した後に、更にデータ表示処理プログラムを実行する。そして、受信した退室データ及び基礎DB22に登録された基礎データに基づいて、退室した社員の所在情報を、少なくともその社員の執務室内にある所在表示装置50に送信し表示させる。また全所在表示装置50に送信し表示して、社員誰もが確認できるようにしても良いし、特定の権限を持った社員のみが確認できるような仕組みにしても良い。
【0052】
図6は、退室した社員の所在情報を表示した所在情報表示画面Bの一例である。
所在情報表示画面Bには、同じ執務室内又はその一部である部署等、グループとして業務をする社員全員について表示される。例えば、役職の順に全員の氏名等と所在情報がリストとして表示される。そして、表示された氏名を選択するとその社員の詳しい所在情報と後述する予備的情報等を時間の経過順に示したリストを表示することができる。また、全員の所在情報のリストは、退室用件や退室先ごと、帰室時刻の早い順等、必要に応じて並び替えて表示することができる。
【0053】
この所在情報は、例えば、自己の執務室から退室した社員については、「退室用件」、「退室先」、「帰室時刻」の退室時入力要件のうち、退室時に入力された事項のすべてが、一時解錠許可信号を送信した時刻である退室時刻と共に表示される。すでに表示されていた所在情報、すなわち以前退室した際に入力された退室時入力要件データが表示されていた場合には、新しい所在情報に更新される。一方、自己の執務室以外から退室した社員については、すでに表示されている、自己の執務室を退室する際に入力した退室時入力要件データの下段等に、退室データ内の所在管理装置識別データに基づいた執務室の部屋番号等、退室した旨、及び退室時刻が予備的情報200aとして表示される。
【0054】
[退室情報蓄積段階(S106)]
退室情報蓄積段階(S106)は、受信した退室データを社員管理DB24に格納する段階である。
管理サーバ10は、社員を退室させるために解錠許可プログラムを実行したときには、更にデータ蓄積プログラムを実行して、社員識別情報を識別子として退室データである所在情報を、一時解錠許可信号を送信した時刻と共に、所在履歴情報として社員管理DB24に蓄積する。
【0055】
本実施例の社員所在情報管理システム1によれば、自己の執務室から退室する社員は必ず退室時入力要件のデータを入力するので、退室用件や帰室時刻等が確実に把握できる。本事業所、他の活動拠点に設置され、執務室を退室するたびに、所在表示装置に表示される所在情報が更新されたり、予備的情報が追加されるので、いつでも退室者の最新の情報を得ることができる。よって、退室者の代わりに顧客等からの電話等の問い合わせを受けた在室者は、自己の机上にある端末等で、容易に退室者の所在や帰室時刻を把握することができ、顧客等に対して適切な対応を取ることが可能となる。さらに、短時間で対応を終
えることができるので自己の業務にすぐに戻ることができ、事業所全体の業務効率の向上につながるので、大変有用である。
【0056】
そのほか、予定外の急を要する会議を開く等の場合でも、所在表示装置の所在情報表示画面Bに表示されたリストを確認すれば、同一部署等の社員全員の所在を一度に把握することができるという利点もある。また、外出者が多数いる場合や同一用件で複数の者が外出している場合に、その旨を確認することができる。さらに退室用件ごとにリストを並び替えることで、どんな用件で何人の社員が退室しているかを簡単に把握することができ、帰室時刻の早い順等に並び替えれば仕事の割り振り等の予定を考える際に活用できるといった利点もある。
【0057】
また、基礎DB22に登録された者しか退室することができず、退室データ等は社員管理DB24に蓄積されるので、セキュリティの面からも有用である。さらに社員の労務管理を担当する者や所定の権限を有する者は、これらのデータを利用することが可能であり、長時間の離席防止等の労務管理強化も行うことができる。
なお、本事業所内の自己の執務室以外の場所や他の活動拠点であっても、社員が頻繁に訪れ、長時間業務を行なう場所がある場合には、その部屋を、自己の執務室と同様の扱いとなるように基礎DB22に登録することが望ましい。これにより社員のより詳細な所在情報を得ることができる。
【実施例2】
【0058】
次に、本発明の実施例2の社員所在情報管理システム2について説明する。
上述した実施例1では、退室データ受信段階(S103)において、自己の執務室を退室する社員によって、退室データが所在管理装置30から一度に管理サーバ10に送信されたが、実施例2の社員所在情報管理システム2では、対話形式で送信される点が異なる。
また、本実施例の社員所在情報管理システム2においては、所在管理装置30の入力部が前述のような認証部を備え、所在管理装置30の表示画面から識別データを入力する代わりに、認証部から入力してもよい。この場合には、認証部から入力されたデータに所在管理装置識別データが付加されて、識別データとして管理サーバ10に送信される。
【0059】
図7は、実施例2の社員所在情報管理システム2における処理動作を示したフローチャートである。以下、社員所在情報管理システム2の退室データ受信段階(S203)の処理動作を、図7を参照して説明する。なお、基礎データ取得段階(S201)、基礎データ記憶段階(S202)、退室許可信号送信段階(S204)、所在情報表示段階(S205)、退室情報蓄積段階(S206)の各段階は、実施例1に示した基礎データ取得段階(S101)、基礎データ記憶段階(S102)、退室許可信号送信段階(S104)、所在情報表示段階(S105)、退室情報蓄積段階(S106)の各段階と同様であるので省略する。
【0060】
管理サーバ10は、社員識別情報入力画面C(図示せず)又は認証部から入力された社員識別情報及び所在管理装置30の制御部34によって付加された所在管理装置識別データからなる識別データを受信する。社員識別情報入力画面Cは、執務室で業務を行なっている全社員の氏名を表示し、氏名を選択して入力できるものである。この場合は、本人確認のための簡単なパスワードも入力される。
【0061】
管理サーバ10は、送受信処理プログラム及びデータ照合処理プログラムを実行して、受信した識別データを基礎DB22から取得した社員の基礎データと照合し、退室しようとする社員が執務室に所属する者であるか否かを判断する。執務室に所属する者でない場合には、所在管理装置30に解錠許可プログラムを実行して、一時解錠許可信号を送信す
る。所属する者である場合には、入力指示プログラムを実行して、所在管理装置30の表示画面に退室時入力要件画面D(図示せず)を表示させる。
【0062】
この退室時入力要件画面Dは、前述した退室データ入力画面Aから識別データを入力する部分等を省いた画面である。退室時入力要件のデータ200が入力され送信されると、管理サーバ10は送受信処理プログラム及びデータ照合処理プログラムを実行する。管理サーバ10が必要な退室時入力要件のデータ200をすべて受信したと判断したときには、所在管理装置30に一時解錠許可信号を送信する。なお、退室時入力要件のデータ200に不備がある場合には、前述のような不一致表示画面を表示する。
【0063】
本実施例では、対話形式でデータを分けて入力することによって、社員識別情報を容易に短時間に入力することができる。また、所在管理装置30の入力部36が認証部を有する場合には、識別データをキーボード等から入力する必要がない。瞬時に識別データを送信できるので、退室に掛かる時間を短縮することができ、入力ミスの防止やセキュリティの観点からも有用である。
【実施例3】
【0064】
本発明の実施例3の社員所在情報管理システム3は、管理サーバ10が記憶部20に退室先に関するデータベース(退室先DB)を更に具備し、退室先情報記憶段階(S303)を更に備える。そして、退室時入力要件のデータ200の入力において、退室先DBに記憶されている退室先情報を活用するものである。
【0065】
退室先DBは、退室後の目的地の情報である退室先情報を格納する。退室先情報は、社員識別情報を識別子として、「休憩」、「会議」、「接客」、「外出」等の退室用件ごとに入力部16から入力される。例えば「休憩」であれば食事先となる社員食堂や外食等の休憩先情報、「会議」であれば会議が行なわれる可能性のある各部屋の部屋番号等の会議室情報、「接客」であれば接客が行なわれる可能性のある各応接室の部屋番号等の応接室情報、「外出」であれば社員の外出先となる、顧客の氏名又は名称、管轄官庁等の役所名、他の活動拠点等の外出先情報を保持する。
【0066】
退室先情報には、退室用件及び退室先の名称又は氏名等と関連づけて、用件を行うのに必要と考えられる所要時間、退室先と執務室との移動時間等が記憶される。また、社員によって退室対象となる退室先が異なることから、登録される退室先は社員によって異なる。さらに退室用件ごとに、退室対象となる頻度の高い退室先から順に、優先順位をつけて登録される。
【0067】
図8は、実施例2の社員所在情報管理システム3における処理動作を示したフローチャートである。以下、社員所在情報管理システム3の退室先情報取得・記憶段階(S303)、退室データ受信段階(S304)の処理動作を、図8を参照して説明する。なお、基礎データ取得段階(S301)、基礎データ記憶段階(S302)、退室許可信号送信段階(S305)、所在情報表示段階(S306)、退室情報蓄積段階(S307)の各段階は、実施例1に示した基礎データ取得段階(S101)、基礎データ記憶段階(S102)、退室許可信号送信段階(S104)、所在情報表示段階(S105)、退室情報蓄積段階(S106)の各段階と同様であるので省略する。
【0068】
[退室先情報取得・記憶段階(S303)]
退室先情報取得・記憶段階(S303)は、管理サーバ10が予め、退室先情報を取得し、記憶する段階であり、基礎データ記憶段階(S302)の後に行なわれる。
管理サーバ10は、入出力処理プログラムを実行して、管理サーバ10が備える入力部16から直接入力された退室先情報を取得する。また、所在表示装置50等の他の装置か
ら入力され送信された退室先情報を、送受信処理プログラムにより、取得してもよい。取得した退室先情報を、データ蓄積プログラムを実行することによりを情報処理部14で処理し退室先DBに格納する。
【0069】
[退室データ受信段階(S304)]
実施例3の退室データ受信段階(S304)では、実施例2の退室データ受信段階(S203)と、入力された識別データを照合し、退室者が自己の執務室から退室しようとしているか否かの判断をするまでは同じ処理動作が行なわれる。退室者が自己の執務室から退室しようとしていると判断した場合には、実施例3では、実施例2の退室時入力要件画面Dを表示する代わりに、管理サーバ10は入力指示プログラムを実行して、所在管理装置30に退室用件入力画面Eを表示させる。
【0070】
図9は、実施例3の社員所在情報管理システム3の退室用件入力画面Eの一例である。退室用件入力画面Eを参照して所在管理装置30の入力部36から退室用件のデータが入力され、送信されると、管理サーバ10は、データ照合処理プログラムを実行して、受信した退室用件のデータに基づいて、必要な退室時入力要件のデータ200をすべて受信したか判断する。例えば「帰宅」の場合には、実施例1で述べたように、退室先や帰室時刻のデータの入力は必要ないので、退室許可信号送信段階(S305)に進む。
すべて受信していない場合には、受信した退室用件及び先に送信された識別データの社員識別情報に基づいて、退室先DBに登録された退室先情報を抽出する。そして、入力指示プログラムを実行して、所在管理装置30に、退室先を優先順位に従って順に表示した退室先入力画面Fを表示させる。
【0071】
図10は、実施例3の社員所在情報管理システム3の退室先入力画面Fの一例である。退室先入力画面Fは、前述の退室用件入力画面Eにおいて、「外出」が選択された場合の画面である。社員識別ID*****の社員○○さんの「外出」の用件についての退出先は、退室先となる頻度の高いものから、××支社、本社、××省、××株式会社、△△株式会社、××庁、××営業所の順で退室先DBに登録されている。よって、この優先順位に従った退室先表示画面Fが表示される。
複数箇所に行く場合には、複数選択ボタンを押した上で複数の退室先を選択することができる。また、その他のフィールドに表示されていない退室先を入力して送信することもできる。
【0072】
退室先入力画面Fにおいて、表示された退室先が選択され、又は表示されているもの以外が入力され、送信されると、管理サーバ10は、データ照合処理プログラムを実行して、受信した退室先のデータに基づいて、必要な退室時入力要件のデータをすべて受信したか判断する。すべて受信していない場合には、管理サーバ10は受信した退室先のデータに基づいて、退室先DBに登録された所要時間及び移動時間を抽出する。そして、入力指示プログラムを実行して、所在管理装置30に、登録された所要時間及び移動時間に対応した帰室時刻を中心として、例えば10分刻みの所要時間及び帰室時刻を表示した帰室時刻入力画面Gを表示させる。
【0073】
図11は、実施例3の社員所在情報管理システム3の帰室時刻入力画面Gの一例である。帰室時刻入力画面Gは、前述の退室先入力画面Fにおいて、「××支社」が選択された場合の画面である。退室先DBには、××支社の所要時間として「1時間」が、移動時間として「45分」が登録されており、それに基づいて、所要時間が1時間のチェックボックスの所にチェックが入っている。それに対応する帰室時刻は、現在時刻に所要時間と往復の移動時間を加えた時刻である「15:45」が表示されている。
【0074】
また、その上下の欄には、10分刻みの所要時間及び帰室時刻が表示され、退室者がチ
ェックボックスにチェックを入れることによって任意のものを選択することができる。適当な帰室時刻がない場合には、「その他」の欄の所要時間又は帰室時刻に、適当な時間又は時刻を入力し、決定ボタンを押す。例えば所要時間を2時間と入力し決定ボタンを押せば、帰室時刻はそれに対応した16時45分が表示される。反対に、帰室時刻を17時と入力し決定ボタンを押せば、所要時刻は2時間15分と表示される。
【0075】
適当な帰室時刻を選択又は入力したら、送信ボタンを押すことで管理サーバ10に帰室時刻等のデータを送信することができる。
なお、図11には、最寄り駅等の情報も表示するようにしてあるが、最寄り駅等の情報だけでなく、退室先DBには退室先の住所、地図情報、連絡先等も格納しておくことが望ましい。
【0076】
送信された帰室時刻のデータを管理サーバ10が受信すると、退室許可信号送信段階(S305)に進む。なお、用件によって退室時入力要件が異なるので、管理サーバ10は必要な退室時入力要件のデータ200をすべて受信した段階で退室許可信号送信段階(S305)に移行する。
なお、各データを受信・照合し、データに不備があった場合については、前述した実施例1等と同様である。
【0077】
本実施例によれば、退室先を入力する際に、社員ごとに登録した退室先が、社員ごとにつけた優先順位の順番で、退室先入力画面Fに表示される。社員個人に合わせて表示される退室先が絞られ、また優先順位の順に表示されるので、退室者は退室先を容易に選択することができ、入力時間も短縮できる。また、帰室時刻入力画面Gにも予め登録した時刻を中心に帰室時刻の候補が表示されるので、入力する時間を短縮できる。また、管理サーバ10が必要な退室時入力要件200のデータをすべて受信した場合には、すぐに一時解錠許可信号を送信する。これらの構成により、執務室の出口が混雑するのを避けることができる。
さらに、退室時入力要件のデータ200すべてを一度に入力させるのではなく対話形式で入力させるので、一度に表示すべき情報量が少ない。よって、退室時入力要件ごとに、詳細を画面に全体に大きく表示することができたり、所在管理装置50の表示画面の大きさを小さくすることができたりする。
【実施例4】
【0078】
本発明の実施例4の社員所在情報管理システム4は、管理サーバ10の記憶部20にスケジュールに関するデータベース(スケジュールDB)を更に具備し、スケジュール情報取得段階(S404)、スケジュール情報登録段階(S405)を更に備える。退室データ受信段階(S406)における退室時入力要件のデータ入力について、スケジュールDB等に蓄積されているスケジュール情報を更に活用するものである。
【0079】
スケジュールDBは、社員識別情報を識別子として社員のスケジュール情報を格納する。スケジュール情報は、一般的にスケジュールとして記録される、「会議」、「接客」、「外出」等の退室用件に関する情報であり、退室用件、退室先の名称又は氏名、会議の開始時刻又は退室先の相手との約束時間のデータ等からなる。また、帰室時刻と退室先の用件を終える予定時刻(以下、終了予定時刻という)のいずれか1つ以上を帰室時刻情報として有することが望ましい。
なお、このスケジュールDBを備える代わりに、すでに存在している社員のスケジュール管理システムから、スケジュール情報を取得しても良い。また、社員は、自己の端末である所在表示装置50等から、スケジュールDB内のスケジュール情報を確認したり、スケジュール情報の変更等を入力、送信して、スケジュールDBに蓄積することができる。
【0080】
図12,13は、実施例4の社員所在情報管理システム4における処理動作を示したフローチャートである。図12のA、Bは、それぞれ、図13のA、Bにつながる。なお、退室データ受信段階(S406)において、管理サーバ10が受信・照合した各種データに不備があった場合については、前述した実施例1等と同様であるので図示していない。
以下、社員所在情報管理システム4のスケジュール情報取得段階(S404)、スケジュール情報記憶段階(S405)、退室データ受信段階(S406)の処理動作について、図12,13を参照して説明する。基礎データ取得段階(S401)、基礎データ記憶段階(S402)、退室先情報取得・記憶段階(S403)、退室許可信号送信段階(S407)、所在情報表示段階(S408)、退室情報蓄積段階(S409)の各段階は、実施例1又は3に示した基礎データ取得段階(S101)、基礎データ記憶段階(S102)、退室先情報取得・記憶段階(S303)、退室許可信号送信段階(S104)、所在情報表示段階(S105)、退室情報蓄積段階(S106)の各段階と同様であるので省略する。
【0081】
[スケジュール情報取得段階(S404)]
スケジュール情報取得段階(S404)は、管理サーバ10が社員のスケジュール情報を取得する段階であり、退室先情報取得・記憶段階(S403)の後に行なわれる段階である。
管理サーバ10は、入出力処理プログラムを実行して、管理サーバ10が備える入力部16から直接入力されたスケジュール情報を取得する。または、所在表示装置50等の他の装置から入力され送信されたスケジュール情報を、送受信処理プログラムを実行して取得してもよい。さらに既存の社員スケジュール管理システムに格納されているデータベースからスケジュール情報を取得しても良い。
【0082】
[スケジュール情報記憶段階(S405)]
スケジュール情報記憶段階(S405)は、管理サーバ10が社員のスケジュール情報を記憶する段階である。
管理サーバ10は、データ蓄積プログラムを実行して、情報処理部14で取得したスケジュール情報を処理しスケジュールDBに格納する。
【0083】
[退室データ受信段階(S406)]
実施例4の退室データ受信段階(S406)では、実施例3の退室データ受信段階(S303)と、受信した退室用件データを照合し、退室時入力要件をすべて受信したか否かの判断をするまでは同じ処理動作が行なわれる。よって、すでに述べた実施例3と同様の処理動作である部分については省略する。
【0084】
管理サーバ10は、データ照合処理プログラム又は送受信処理プログラムを実行して、退室用件データの受信し照合した後に、必要な退室時入力要件データのすべてを受信していないと判断した場合には、受信した社員識別情報に基づいて、スケジュールDBのスケジュール情報、退室先DBの退室先情報を抽出する。そして、管理サーバ10は入力指示プログラムを実行して、スケジュール情報のスケジュールの中に、識別データを受信した時刻以降に予定されている、受信した「退室用件」と同一用件のスケジュールがあるか調べる。
【0085】
同一用件のスケジュールがある場合には、開始時刻等が早いものを上位に、その後は退室先DBに登録された優先順位の順に退室先の名称等を並べたリストである退室先等入力画面Hを表示させる。
図14は、実施例4の社員所在情報管理システム4の退室用件等入力画面Hの一例である。図14は、社員識別ID*****の社員○○さんのスケジュール情報に、退室用件が「外出」であるものとして、「××支社」及び「××省」へ行く予定が登録されている
場合の画面である。
【0086】
図14に示すように、スケジュール情報に基づいて表示された退室先の名称の横には帰室時刻が表示される。この帰室時刻は、スケジュール情報の中に予め帰室時刻が登録されている場合にはその時刻が、帰室時刻が登録されていなくても、終了予定時刻が登録されている場合には、終了予定時刻に退室先DBに登録されている移動時間を加えた時刻を帰室時刻として表示させる。また帰室時刻情報が登録されていない場合であっても、退室先が退室先DBに登録されている場合には、スケジュール情報内の約束時刻に退室先DBの所要時間及び移動時間を加えた時刻が帰室時刻として表示される。
【0087】
退室する社員は、退室先等入力画面Hを参照して、スケジュール情報に登録された用件で退室する場合であって、帰室時刻が適当であれば、その退室先を選択し、送信ボタンを押す。具体的には、例えば○○さんが××支社に訪問して12時30分に帰社するならば、「××支社」のボタンを押して、送信ボタンを押す。また、○○さんが××支社での用件終了後、××省へ行ってから15時に帰室する予定である場合には、「複数選択」、「××支社」、「××省」、「送信」の順にボタンを押す。
これにより、管理サーバ10は必要な退室時入力要件データをすべて受信したと判断して、所在管理装置30に一時解錠許可信号を送信する。
【0088】
帰室時刻を変更したい場合には、退室先等入力画面Hの時刻変更ボタンを押す。これにより、スケジュール情報に登録されている退室先データのみが管理サーバ10に送信される。管理サーバ10は受信した退室先データに基づいて、退室先DBから所要時間及び移動時間を抽出し、実施例3で記載したような帰室時刻入力画面Gを表示させる。この場合の帰室時刻入力画面Gは、退室先等入力画面Hに表示された帰室時刻を中心として表示されたものであることが望ましい。また退室先等入力画面H上で適切な時刻を入力できるものとしても良い。
【0089】
スケジュール情報に登録された退室先以外が退室先となる場合には、その「退室先」のボタンを押して、実施例3で記載した帰室時刻入力画面Gを表示させる。これ以降は実施例3に記載したのと同様の操作がなされる。
スケジュールDBに該当するスケジュール情報がない場合には、実施例3と同様の退室先入力画面Fに従って、「退室先」が選択・入力され、その後は実施例3と同様に帰室時刻入力画面Gから帰室時刻等を入力する。
【0090】
本実施例では、スケジュール情報を活用することにより、実施例3のシステムよりも、退室者が、退室時入力要件を更に入力しやすくなり、また短時間で入力できるといった利点がある。
また、社員は退室する前に予め所在表示装置50である自己の端末から、スケジュールDB内のスケジュール情報を確認し、追加、変更することが可能である。自己の端末において予め退室データとなるスケジュール情報を蓄積しておけば、退室時には所在管理装置30のボタンを数回押すだけで退室時入力要件が入力でき、スムーズに退室することが可能となる。
【実施例5】
【0091】
本発明の実施例5の社員所在情報管理システム5は、実施例1〜4の社員所在情報管理システム1〜4が、執務室の入口付近にも所在管理装置30の入力部36を具備し、入室データ受信段階(S501)、入室許可信号送信段階(S502)、所在情報更新段階(S503)、入室情報蓄積段階(S504)を更に備えたものである。
【0092】
図15は、実施例5の社員所在情報管理システム5において、社員が執務室に入室する
際の処理動作を示したフローチャートである。以下、この処理動作を、図15を参照して説明する。なお、データに不備があった場合については、前述した実施例1等と同様であるので図示していない。
[入室データ受信段階(S501)]
入室データ受信段階(S501)は、管理サーバ10が所在管理装置30から入力、送信される入室データを受信する段階である。
所在管理装置30の制御部34は、社員が、所在管理装置30の入力部36である表示画面に触れる等して、入室する旨の指示を入力すると、入室データ入力画面I(図示せず)を表示画面に表示する。
【0093】
社員は、社員識別情報である「社員識別ID」の入力し、送信する。制御部34は、入力された社員識別データに所在管理装置識別データを付加した識別データである入室データを、送受信部32により管理サーバ10に送信する。入室データの入力は上述した画面からの方法に限られず、実施例2において示したように、入力部36に認証部を備え、入室データの入力を認証部から行なってもよい。入力ミスの防止、セキュリィテーの観点から本人確認を行なう段階を備えることが望ましい。
管理サーバ10はデータ照合処理プログラムを実行して、社員識別情報を識別子として、受信した入室データを基礎DB22に登録された社員の基礎データと照合する。データに不備がない場合には、次の入室許可信号送信段階(S502)に進み、不備がある場合には解錠不許可プログラムを実行して、不一致表示画面を所在管理装置30に表示させる。
【0094】
[入室許可信号送信段階(S502)]
入室許可信号送信段階(S502)は、所在管理装置30に一時解錠許可信号を送信する段階である。
管理サーバ10は解錠許可プログラムを実行して、所在管理装置30に一時解錠許可信号を送信する。一時解錠許可信号を受信した所在管理装置30は執務室入口の扉を一時的に解錠して、社員を入室させる。
【0095】
[所在情報更新段階(S503)]
所在情報更新段階(S503)は、管理サーバ10が、受信した入室データに基づいて、所在情報表示画面Bのデータを更新する段階である。
管理サーバ10は、入室の解錠許可プログラムを実行した場合には、データ照合処理プログラムを実行する。そして、受信した所属管理装置識別データを基礎DB22の所属執務室情報や所属事業所情報を照合し、入室する社員が入室しようとする執務室に所属する者であるか否かを判断する。そして、データ表示処理プログラムを実行して、所在表示装置50の社員の所在情報を更新する。
入室しようとする執務室に所属する者である場合には、所在情報自体を更新する。具体的には、例えば、退室データの表示を「在室」の表示に変更する。入室しようとする執務室に所属するものでない場合には、すでに表示されている退室用件の記載の下の欄等に、入室した執務室の部屋番号等及び入室した旨及び一時解錠許可信号を送信した時刻が予備的情報として表示される。
【0096】
[入室情報蓄積段階(S504)]
所在情報蓄積段階(S504)は、受信した入室データをDB24に格納する段階である。
管理サーバ10は、入室させる解錠許可プログラムを実行したときには、データ蓄積プログラムを実行して、社員識別情報を識別子として入室データである所在履歴情報を、一時解錠許可信号を送信した時刻と共に、社員管理DB24に蓄積する。
【0097】
前述した実施例1〜4の社員所在情報管理システム1〜4においては、所在表示装置50には、退室データのみが表示されている。しかし、執務室が広い場合や、パーティションで仕切られている場合等は、帰室時刻以前に社員が執務室に戻ってきていても、その確認が困難である。本実施例によれば、社員が自己の執務室に戻ってきたときには、表示が「在室」に変更されるので、自己の机上の端末等である所在表示装置50において、容易に確認することができる。
【0098】
また、執務室に戻ると、退室時に入力した「離席」等の退室用件や予備的情報が表示されなくなるので、必要以上に社員の情報を公開することがなく、心理的な負担を軽減することができる。その一方、退室データ等だけでなく、入室データ等も社員管理DB24に蓄積されるので、社員の業務状況を把握しやすくなる。更に入室する際に、入室しようとする者も基礎DB22に登録された者であるか否かが識別されるので、セキュリティの面からもより有用である。
【実施例6】
【0099】
本実施例の社員所在情報管理システム6は、実施例1〜5の社員所在情報管理システム1〜5が、退室時入力要件データ変更段階(S601)、所在情報変更・追加段階(S602)を更に備え、自己の執務室から退室している間にスケジュールの変更が生じた場合に、退室時に入力した退室時入力要件データの変更が行なえるものである。
図16は、実施例6の社員所在情報管理システム6において、退室中の社員が退室時入力要件データの変更をする際の処理動作を示したフローチャートである。以下、この処理動作を、図16を参照して説明する。なお、データに不備があった場合については、前述した実施例1等と同様であるので図示していない。
【0100】
[退室時入力要件データ変更段階(S601)]
退室時入力要件データ変更段階(S601)は、所在管理装置30から退室時入力要件のデータの変更が送信され、管理サーバ10が受信する段階である。
社員は、退室先やその付近に設置されている所在管理装置30の入力部から社員識別情報を入力して、退室データ入力画面A又は入室データ入力画面Hに設けた予定確認ボタン(図示せず)を押し、管理サーバ10に送信する。
【0101】
管理サーバ10は、データ照合処理プログラムを実行して、社員識別情報を識別子として、所在表示装置50に表示されている又は社員管理DB24に格納されている、最新の退室データを取得する。また、社員識別情報を識別子として、退室先DBの退室先情報及びスケジュールDBのスケジュール情報を抽出する。そして、変更データ取得プログラムを実行して、前述した退室先入力画面F又は退室先等入力画面Hに更に最新の退室データを最上段に表示したリストを、所在管理装置30を表示させる。管理サーバ10は、実施例3又は4で示したように入力され、所在管理装置30から送信された、変更後の「退室用件」、「退室先」、「帰室時刻」を退室時入力要件変更データとして受信する。
【0102】
[所在情報変更・追加段階(S602)]
所在情報変更・追加段階(S602)は、管理サーバ10が、受信した退室時入力要件変更データに基づいて、所在情報表示画面Bに所在情報を追加する段階である。
管理サーバ10は、データ表示処理プログラムを実行して、受信した退室時入力要件変更データを処理する。そして、すでに表示されている所在情報の最下欄等に、更に退室時入力要件変更データに基づいた所在情報を加えた所在情報表示画面のデータを所在表示装置50に送信し表示させる。
【0103】
本実施例の社員所在情報管理システム6によれば、退室中にスケジュールの変更があった場合にも、所在表示装置50の所在情報を容易に追加でき、退室中にスケジュールの変
更があっても、最新の所在情報を表示することができる。これにより、所在管理装置30が設置されている本事業所内又は他の活動拠点内の用件で退室している場合には、退室者が帰室時刻になっても戻らないという状況を減らすことができ、顧客等への適切な対応、在室者の負担の軽減をはかることができる。
なお、入退室の妨げとならないように、入退室時に使用する入力部以外に、退室時入力要件を変更するための入力部36を所在管理装置30に設けても良い。
【実施例7】
【0104】
本実施例の社員所在情報管理システム7は、実施例1〜6の社員所在情報管理システム1〜6が、本事業所又は/及び他の活動拠点の建物出入口付近に設置され、管理サーバ10とネットワークを介して相互に接続された所在管理装置30(以下、執務室の出入り口付近に設けられる所在管理装置30と区別するために、所在(出入)管理装置30という)を更に具備する。また、出入データ受信段階(S701)、出入許可信号送信段階(S702)、出入情報追加段階(S703)、出入情報蓄積段階(S704)を備え、建物の出入情報についても所在表示装置50に表示するものである。
図17は、実施例7の社員所在情報管理システム7において、社員が建物を出入りする際の処理動作を示したフローチャートである。以下、この処理動作を、図17を参照して説明する。
【0105】
[出入データ受信段階(S701)]
出入データ受信段階(S701)は、管理サーバ10が、社員識別情報及び所在(出入)管理装置識別データから成る、出入データを受信する段階である。
社員は建物を出入りする際に、所在(出入)管理装置30の出入データ入力画面から社員識別情報を入力する。所在(出入)管理装置30の制御部34は、入力された社員識別情報に所在(出入)管理装置識別データを付加したデータである出入データを管理サーバ10に送信する。社員識別データの入力方法については、実施例1、2及び5に記載したので、省略する。
管理サーバ10はデータ照合処理プログラムを実行して、社員識別情報を識別子として、受信した出入データを基礎DB22に登録された社員の基礎データと照合する。データに不備がない場合には、次の出入許可信号送信段階(S702)に進み、不備がある場合には解錠不許可プログラムを実行して、不一致表示画面を所在(出入)管理装置30に表示させる。
【0106】
[出入許可信号送信段階(S702)]
出入許可信号送信段階(S702)は、所在(出入)管理装置30に一時解錠許可信号を送信する段階である。
管理サーバ10は解錠許可プログラムを実行して、所在(出入)管理装置30に一時解錠許可信号を送信する。一時解錠許可信号を受信した所在(出入)管理装置30は建物出入口の扉を一時的に解錠して、社員を出入りさせる。
【0107】
[出入情報追加段階(S703)]
出入情報追加段階(S703)は、受信した出入データに基づいて、所在情報表示画面Bに出入情報を追加する段階である。
管理サーバ10は、出入データに基づいて解錠許可プログラムを実行した場合には、データ表示処理プログラムを実行して、社員識別情報を識別子として、所在表示装置50の所在情報表示画面Bに社員の出入情報を追加する。具体的には、既に表示されている所在情報の最下欄に出入した事業所等の名称、及び、建物を出た旨又は建物に入った旨が予備的情報として表示される。他の活動拠点である建物から出た旨の予備的情報を表示する際には、基礎DB22から取得した移動時間に基づいて、一時解錠許可信号の送信時刻に移動時間を加えた帰室見込時刻も表示する。
【0108】
[出入情報蓄積段階(S704)]
出入情報蓄積段階(S704)は、受信した出入データを社員管理DB24に格納する段階である。
管理サーバ10は、出入データに基づいて解錠許可プログラムを実行したときには、データ蓄積プログラムを実行して、社員識別情報を識別子として出入データである出入履歴情報を社員管理DB24に蓄積する。
【0109】
本実施例の社員所在情報管理システム7によれば、所在表示装置50の表示に、出入データが加わるので、退室者の所在をより正確に把握することができる。退室者の移動時間に合わせて、連絡を取ることが可能となる。また、帰室見込時刻が表示されるので、退室者がスケジュールの変更の入力を失念した場合であっても、退室者の帰室時刻を推測することができる。さらに、社員管理DB24に出入履歴情報が加わるので、社員の労務管理の面でもより詳細な情報を得ることができる。更に建物全体のセキュリティ管理機能も備えることとなる。
【実施例8】
【0110】
本実施例の社員所在情報管理システム8は、実施例1〜7の社員所在情報管理システム1〜7が、退室者が有する、管理サーバ10等とネットワークを介して相互に接続される携帯端末を更に具備し、リマインダー送信段階(S801)、帰室時刻変更段階(S802)、データ変更段階(S803)、所在情報変更追加(携帯)段階(S804)、応対情報入力・表示段階(S805)、応対情報送信段階(S806)を備える。所在情報表示画面Bへの退室時入力要件変更データの追加を、携帯端末からも行なえるようにし、さらに応対情報を退室者に知らせるだけでなく、同室者で共有できるように構成したものである。携帯端末は、少なくとも入力部、表示部、送受信部、及びこれらを制御する制御部からなる。
【0111】
図18は、実施例8の社員所在情報管理システム8において、退室中の社員がリマインダーメールに対して遅延情報を返信する際の処理動作を示したフローチャートである。以下、この処理動作を、図18を参照して説明する。
【0112】
[リマインダー送信段階(S801)]
リマインダー送信段階(S801)は、管理サーバ10が、所定の時刻になると携帯端末にリマインダーを送る段階である。
管理サーバ10は、データ照合処理プログラムにより社員管理DB24から取得した退室データを参照して、帰室時刻又は帰室時刻に基づいて定められた時刻に帰室していない場合には、送受信プログラム及び携帯対応プログラムを実行する。そして、基礎DB22に蓄積された退室者の携帯端末のアドレスを抽出し、退室時に入力した退室時入力要件データと注意を促す所定のコメントを示すリマインダーメールを作成し送信し、携帯端末に表示させる。
【0113】
[帰室時刻変更段階(S802)]
帰室時刻変更段階(S802)は、リマインダーメールを受信した退室者が帰室時刻を変更する段階である。
退室者が、受信したリマインダーメールに対して簡単な数字等からなる遅延情報を入力して返信する。又はリマインダーメールから管理サーバ10にアクセスして入力しても良い。
管理サーバ10は送受信プログラム及び携帯対応プログラムを実行して、受信した遅延情報に基づいた時間、帰室時刻を延長する旨、所在情報表示画面Bに表示する。具体的には、例えば、管理サーバが「1」を受信すると10分、「6」を受信すると60分帰室時
刻が遅れる旨の遅延情報を、所在表示装置50の所在情報に加える。
【0114】
図19は、実施例8の社員所在情報管理システム8において、退室中の社員が携帯端末から退室時入力要件データの変更をする際の処理動作を示したフローチャートである。以下、この処理動作を、図19を参照して説明する。
【0115】
[データ変更段階(S803)]
データ変更段階(S803)は、管理サーバ10が、退室者が携帯する携帯端末から退室時入力要件変更データを受信する段階である。
携帯端末から管理サーバ10にアクセスされると、管理サーバ10は、携帯端末にデータ入力画面を表示させる。データ入力画面を参照して、退室者によって社員識別情報と共に入力され、送信された退室時入力要件変更データを、管理サーバ10は送受信プログラム及び携帯対応プログラムを実行して、受信する。社員識別情報、退室時入力要件変更データの入力は、対話形式で行われるものとしても良い。例えば、社員識別情報が入力、送信されると、管理サーバ10が、携帯端末に退室時入力要件データ変更段階(S601)において記載したような入力画面を表示させて、退室時入力要件変更データを取得しても良い。
【0116】
[所在情報変更追加(携帯)段階(S804)]
実施例6に示した所在情報変更・追加段階(S602)は、所在管理装置30から退室時入力要件変更データを送信し、所在表示装置50の所在情報に加える段階である。これに対して、社員所在情報管理システム8の所在情報変更追加(携帯)段階(S804)では、管理サーバ10が、データ表示処理プログラムを実行して、携帯端末から受信した退室時入力要件変更データを、実施例6と同様にして所在情報表示画面Bに表示する段階である。
【0117】
図20は、実施例8の社員所在情報管理システム8において、在室者の応対情報を同室者の所在表示装置50に表示すると共に、退室者の携帯端末に送信する際の処理動作を示したフローチャートである。以下、この処理動作を、図20を参照して説明する。
【0118】
[応対情報入力・表示段階(S805)]
応対情報入力・表示段階(S805)は、退室者の代わりに顧客の問い合わせ対応等をした在室者が、退室者の社員識別情報とその応対情報を、所在表示装置50の入力部から入力する段階である。応対情報としては、例えば、「齋藤部長宛:電話11時15分、山本工業の菱沼様、商品の発送の件、応対者:酒井」等である。
在室者は、自己の机上等にある所在表示装置50に表示されたデータ入力画面を参照して応対情報を入力する。入力された応対情報は、所在表示装置50の制御部によって管理サーバ10に送信される。管理サーバ10は、応対情報処理プログラムを実行して、所在情報と共に応対情報を示す所在情報表示画面Bを同室者等の所在表示装置50に表示させる。
【0119】
[応対情報送信段階(S806)]
応対情報送信段階(S806)は、管理サーバ10が応対情報を、退室者の携帯端末に送信し表示させる段階である。
管理サーバ10は、応対情報処理プログラム及び携帯対応プログラムを実行して、受信した応対情報を、社員識別情報を識別子として、基礎DB22から該当する退室者の携帯端末のアドレスを抽出し、携帯端末に送信し表示させる。
【0120】
本実施例の社員管理システム8によれば、所定の時刻になるとリマインダーメールが送信されるので、退室者が帰室時刻等の経過を容易に認識することができる。そして、顧客
等と面会中であっても、短時間に簡単に帰室時刻の変更を行うことができる。次に予定が組まれている場合には、注意を促す役目も果たす。
また、社員管理システム8は、データ変更段階(S803)も備えているので、外出中であっても、移動時など任意のタイミングで、所在表示装置50の退室時入力要件データの変更を行うことができる。さらに出社せずに顧客等の外出先に向かう場合にも、携帯端末から社員識別情報及び退室時入力要件変更データを送信することで、所在情報表示画面Bに所在情報を表示することができる。これにより、在室者は、より適切な顧客対応等を取ることができる。
【0121】
さらに、応対情報を同室者等で共有でき、退室者以外の他の在室者が、別件で顧客等に連絡を取るとき等に、問い合わせのあった案件についても合わせて対応することや、再度顧客等から連絡を受けたときに最初に応対した者でなくても適切な対応を取ることができるという利点がある。退室者も、応対情報を早い時期に得ることができるので、より早期に適切な対応を取ることが可能となる。
【0122】
なお、本発明は上述した発明の実施の形態に限定されず、在室者が退室者の所在を把握できれば、図示したような構成に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。また、来訪者に対しては、担当社員が共に行動したり、来訪者用の識別IDを予め設ける等で対応することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明の社員所在情報管理システムは、社員の所在管理に限らず、個人の所在の管理を行う様々なシステム等に利用する事ができる。
【符号の説明】
【0124】
1〜8 社員所在情報管理システム
10 管理サーバ
12 送受信部
14 情報処理部
16 入力部
18 出力部
20 記憶部
22 基礎DB
24 社員管理DB
30 所在管理装置
32 送受信部
34 制御部
36 入力部
38 出力部
40 記憶部
42 ロック部
50 所在表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
執務室における退室者の所在を把握し在室者に表示する社員所在情報管理システムであって、
情報を処理する管理サーバ(10)と、該管理サーバ(10)にネットワークを介して相互に接続され、本事業所、又は、本事業所及び他の活動拠点の執務室の出入口近傍に設けられた一時解錠機能を有する所在管理装置(30)と、執務室内に設置された退室者の所在を表示する所在表示装置(50)と、を具備し、
前記管理サーバ(10)は、
社員識別情報を含む社員の基礎データを取得する基礎データ取得手段と、
執務室から退室するときに、前記所在管理装置(30)から入力され送信される、退室データを受信する退室データ受信手段と、
該退室データを前記基礎データと照合し判断して、退室に必要な条件を満たしたときのみ、退室を許可するための一時解錠許可信号を前記所在管理装置(30)に送信する退室許可信号送信手段と、
該一時解錠許可信号を送信したときには、前記退室データ及び前記基礎データに基づいて、社員の所在情報を示す所在情報表示画面のデータを、前記所在表示装置(50)に送信し表示させる所在情報表示手段と、を備え、
前記退室データは、自己の執務室以外から退室するときには、社員識別情報、又は、該社員識別情報に前記所在管理装置(30)識別データを付加したデータから成る識別データであり、自己の執務室から退室するときには、該識別データと退室時入力要件データとから成るデータである、ことを特徴とする社員所在情報管理システム。
【請求項2】
前記管理サーバ(10)は、
各社員について、退室用件ごとに退室先情報を取得する退室先情報取得手段を備え、
前記退室データ受信手段において、
前記所在管理装置(30)から退室先のデータ入力を必要とする退室用件のデータを受信すると、
取得した前記退室先情報、受信した社員識別情報及び退室用件のデータに基づいて、退室先入力画面のデータを前記所在表示装置(50)に送信し、表示させ、退室者が該退室先入力画面を参照して退室先を選択又は入力できるように構成した、ことを特徴とする請求項1に記載の社員所在情報管理システム。
【請求項3】
前記管理サーバ(10)は、
各社員について、退室用件の情報を含むスケジュール情報を取得するスケジュール情報取得手段を更に備え、
前記退室データ受信手段において、
前記所在管理装置(30)から退室先のデータ入力を必要とする退室用件のデータを受信すると、
取得した前記スケジュール情報に同一の退室用件のスケジュールがあるときには、該スケジュール情報、前記退室先情報、受信した社員識別情報及び退室用件のデータに基づいて、退室先等入力画面のデータを前記所在表示装置(50)に送信し、表示させ、退室者が該退室先等入力画面を参照して退室先を選択又は入力できるように構成した、ことを特徴とする請求項2に記載の社員所在情報管理システム。
【請求項4】
前記管理サーバ(10)は、
執務室に入室するときに、前記所在管理装置(30)から入力され送信される、入室データを受信する入室データ受信手段と、
該入室データを前記基礎データと照合し判断して、入室に必要な条件を満たしたときのみ、入室を許可するための一時解錠許可信号を前記所在管理装置(30)に送信する入室
許可信号送信手段と、
該一時解錠許可信号を送信したときには、前記入室データ及び前記基礎データに基づいて、社員の所在情報を更新又は追加した所在情報表示画面のデータを、前記所在表示装置(50)に送信し表示させる所在情報更新手段と、を備え、
前記入室データは、社員識別情報、又は、該社員識別情報に前記所在管理装置(30)識別データを付加したデータから成る識別データである、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の社員所在情報管理システム。
【請求項5】
前記管理サーバ(10)は、
スケジュールの変更があったときには、前記所在管理装置(30)から入力され送信される、退室時入力要件変更データ、社員識別情報を受信する退室時入力要件データ変更手段と、
該退室時入力要件変更データ、社員識別情報及び前記基礎データに基づいて、所在情報の変更を追加した所在情報表示画面のデータを、前記所在表示装置(50)に送信し表示させる所在情報変更・追加手段と、を備えた、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の社員所在情報管理システム。
【請求項6】
前記社員所在情報管理システムは、
退室者が所持し、前記管理サーバ(10)とネットワークを介して相互に接続された携帯端末を更に具備し、
前記管理サーバ(10)は、
退室者の代わりに応対した在室者によって、前記所在表示装置(50)から入力され送信される、該退室者の社員識別情報及び応対情報を受信し、
該社員識別情報及び前記基礎データに基づいて、前記応対情報を所在情報と共に表示した所在情報表示画面のデータを、前記所在表示装置(50)に送信し表示させる応対情報入力・表示段階と、
前記携帯端末に、前記社員識別情報及び前記基礎データに基づいて、前記応対情報を送信し表示させる応対情報送信段階と、を備えた、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の社員所在情報管理システム。
【請求項7】
前記社員所在情報管理システムは、
前記管理サーバ(10)とネットワークを介して相互に接続され、自社又は/及び他の活動拠点の建物の出入口近傍に設置された一時解錠機能を有する所在管理装置(30)を更に具備し、
前記管理サーバ(10)は、
建物を出入りする際に、該所在管理装置(30)から入力され送信される、出入データを受信する出入データ受信手段と、
該出入データを前記基礎データと照合し判断して、建物の出入に必要な条件を満たしたときのみ、出入を許可するための一時解錠許可信号を前記所在管理装置(30)に送信する出入許可信号送信手段と、
該一時解錠許可信号を送信したときには、前記出入データ及び前記基礎データに基づいて、建物の出入に関する所在情報を追加した所在情報表示画面のデータを、前記所在表示装置(50)に送信し表示させる出入情報追加手段と、を更に備え、
前記出入データは、社員識別情報、又は、該社員識別情報に前記所在管理装置(30)識別データを付加したデータから成る識別データである、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の社員所在情報管理システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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