説明

移動体通信システムにおける個人通信情報を保持するための装置及び方法

【課題】1つまたはそれ以上のユーザー通信装置から通信ネットワークを更新するための装置とその方法を提供する。
【解決手段】この発明は、通信装置と通信ネットワークとの間の情報の送信を制御したり開始するために、通信装置内の電子スケジューリング、または他の時刻に基づく機能を使用する。1つまたはそれ以上の通信装置から通信ネットワークへの情報は、対応する通信装置と連動する計時装置に対応する、情報記入事項における、時刻に基づく部分に応じて更新される。一度ネットワークがこの更新された情報を受信すると、関連する情報の記入事項間の食違いを検出するため、それらの比較が開始される。ユーザーが提出した時刻と地理的位置の情報が、従来の、また将来のネットワーク通信技術を使った通信ネットワークにより自動的に再生された同種の情報と比較される。検出された食違いは、ユーザーへ適切な通知を開始したり、更新された情報を再生したり、現存するメッセージ伝送システムを不使用とするのに使われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置による個人通信に関する。特に、本発明は、1つまたはそれ以上の通信装置を使った通信システムにおける情報の転送に関する。
【背景技術】
【0002】
今日の高移動度社会における通信システムは、電話、セルラー電話、ページャー、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、個人情報端末(PDA)、モデム、ファクシミリ機を含む多くの通信装置と、これらの装置間の通信関係を保つ、ネットワーク、信号交換局、ページング局と、それらの付属サービスを含んでいる。移動体電話技術と無線ページングシステムの進歩は、これらの通信装置の1つまたはそれ以上が、使用中にさまざまに位置を変えることに伴う不具合を減らすことに多大の貢献をしてきた。
【0003】
移動するユーザーを持った通信システムにおける不具合を減らすのに重要なものは、直ちにアクセスできて、かつ通信装置に関して最新の情報を含んでいるネットワーク、またはネットワークのシステムである。この情報には、例えばある与えられた時刻における特定の通信装置の位置とそのID、そして音声であろうとデータ情報であろうと、これらの装置により、またはこれらの装置に対し送信される情報の実際の内容を含む。
【0004】
例えばページングシステムにおいて、移動する個人は携帯ページャーを持っている。典型的なページャーは、ページャー番号を付与され、無線信号を受信できるようになっている。呼出者がページャー番号をダイヤルすると、ページングサービスまたは類似の所から無線信号が放送され、ページャーが聴覚的または視覚的、またはその両方の警報を出すことにより、ページング信号に応答する。この警報は、移動する個人に対して、その個人への連絡が取ろうとされたことを注意する役を果たす。
【0005】
多くのページャーは、双方向通信できる。つまり双方向ページャーは、ページングサービスからの無線ページング信号を受信するのと同様に、送信することもできるようになっている。ページャーからページングサービスへ送信される情報には、例えば送信時点でのページャーの位置とそのIDを含む。ページャーの位置決定の正確さは、現存の、そして将来のネットワークの能力に基づいている。
【0006】
多くの通信装置は、他の装置との通信を確立することに加え、情報の保存、処理、頒布を含む、他の通信装置から独立した機能を実行できるようになっている。例えばパーソナルコンピュータ(デスクトップとラップトップコンピュータを含む)とPDAは、比較的広範囲にわたる情報処理や保存機能を持っている。
【0007】
典型的なPDAやパーソナルコンピュータは、「電子的」電話帳やスケジューリングの能力を備えている。そしてそれらの中に含まれている情報は、外部手段からアクセスできる。例えば、電子電話帳の記入事項へは、手動操作によりアクセスでき、電話をかけるためにモデムを通じて送信することができる。同様に、スケジューリングの記入事項を表示したり、装置の内蔵クロックか外部クロックへのアクセスに対応した特定の日時に起動させたりすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
今日の、また将来の通信システムにおける情報の伝送や保存を、通信システム内の情報の正確さや最新性を高めるようなやり方で改良していくことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、1つまたはそれ以上のユーザー通信装置からなる通信ネットワークを更新する装置及び方法に関する。特に本発明は、通信装置と通信ネットワーク間の情報の伝達を制御及び/または開始するための、通信装置内の電子スケジューリング、または他の時刻に基づいた機能を使うものである。1つまたはそれ以上の通信装置から通信ネットワークへの情報は、対応する通信装置と結合した計時装置に応じた情報記入事項のうちの、時刻に基づく部分に応答して更新される。また、ネットワークが一度この更新された情報を受信すると、関連する情報記入事項との食違いを検出するために、それらの間の比較を開始する。このようにして、ユーザーにより送られた時刻や地理上の位置情報は、従来や将来の通信ネットワーク技術を用いた通信ネットワークにより再生された、同種の情報と自動的に比較される。検出された食違いは、ユーザーに適切な通知を開始したり、更新された情報を再生するために、または現存するメッセージ配達システムを不使用とするのに使われる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例による通信システムの構成図である。
【図2】図1に表された実施例による本発明の動作を表すフローチャートである。
【図3】本発明の他の実施例による通信システムの構成図である。
【図4】本発明の他の実施例による本発明の動作を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の記述において、本発明の理解を簡単にするため、類似の部分には同じ参照数字が用いられる。
【0012】
図1を参照すると、本発明の実施例による通信システム10の構成図が表されている。通信システム10の一部として、例えば電子スケジューラや電話帳を持った、少なくとも1つの通信システム12が、含まれている。このような通信装置には、例えばデスクトップコンピュータ、ポータブルコンピュータ、PDA、ある種の腕時計、計算器、電話、ページャーとその類を含む。
【0013】
本説明における議論のために、電子スケジューラや電子スケジューリングとは、興味の対象である通信システム内の、1人またはそれ以上のユーザーのスケジュールの責任を負うものであって、通信装置と結合したものと理解される。同様に、電子電話帳や電子電話帳機能とは、興味の対象である通信システム内の、1人またはそれ以上のユーザーと結びついた、名前、電話番号と他の関連する情報の責任を負うものであって、通信装置と結合したものと理解される。
【0014】
通信システム10はまた、1つまたはそれ以上のページングネットワーク14や、1つまたはそれ以上のワイヤラインネットワークを含む。ネットワークコントローラ22は、ネットワーク16に含まれているか、または動作可能なように接続されており、これが例えばページングネットワーク14や通信装置12から受信した情報を処理する。またネットワーク16は、ネットワ−クコントローラ22を通してネットワーク16が受信する、さまざまな情報を保存するデータベース24を含む。ネットワークコントローラ22は、通信ネットワークそのものの一部として図示され、記述されているが、当業者にはネットワークコントローラ22が、ネットワーク16やデータベース24と動作可能なように接続されていさえすれば、それらから離すこともできることが理解されよう。
【0015】
通信装置12は、1人またはそれ以上のユーザーから通信装置12への情報を転送する、例えばキーボード、音声認識モジュール、ディスクドライブ、その他の適当な入力インタフェース36を通して受信される、ユーザー34からの情報記入事項を受信するためのコントローラ、またはコントロールユニット32を含む。
【0016】
コントロールユニット32は、通信装置12へ入ってくる情報(例えば電話帳やスケジューリング情報)を保存するデータベース38と、動作可能なように接続されている。例えば、データベース38に保存される情報は、ユーザー34の個人的なアポイントメントに関連した情報を含み、またユーザー34と結びついた、さまざまな人々の名前、住所、電話番号を持った記入事項を含んでいる。データベース38は、通信装置12の一部として図示されているが、通信装置12から転送される情報を受信するのに十分長い時間、通信装置12によりアクセスできる必要があるだけである。
【0017】
またコントロールユニット32は、クロックまたは計時装置42と、送信機44とに、動作可能なように接続されている。クロック42は、時刻に基づく情報をコントロールユニット32に供給する適当な計時装置であって、例えば図示したような、通信装置12内に含まれる時計や、または通信装置12の外部ソースから時刻に基づく情報を得る、内部モジュール(図示しない)である。時刻に基づく情報には、例えば日、時刻、面会約束を含む。
【0018】
送信機44は、通信装置12から、例えばページングネットワーク14やワイヤラインネットワーク16を含む多くの他の通信装置のどれかへ情報を適切な形式で、適当な媒体を通して送信する装置である。送信機44は、通信装置12へ取り外し可能なように取り付けられるか、またはその代わりに通信装置12内にインストールあるいは別な方法で組み込まれる。例えば送信機44は、ポータブル通信装置12のPCMIAスロットに差し込まれる双方向ページャー、または無線モデムであって、通信装置12から、ページングネットワーク14により受信されるよう、情報を無線信号(46として図示される)の形で放送する。それと二者択一的に、従来の技術を使った有線(48として図示される)により情報を送信することもできる。つまり情報は、電線を伝わる電気インパルス信号か、光ファイバを伝わる光線の形で送信される。
【0019】
図2は、図1に表された本発明の一実施例による通信システム10の動作を表す、フローチャートである。通信システム10は、例えば携帯用通信装置12(例えばPDAやラップトップコンピュータ)を通して、ユーザー34の位置や、たぶんユーザー34にかかる電話(またはページャー)番号のような、ネットワーク情報を更新するのに使われる。フローチャートに示される最初のステップ64は、通信装置12へ、例えばユーザー34が出席を予定している、来るべき会合のような、適当な情報を入力することである。つまり、ユーザー34がデータベース38の電子スケジューリング部へ、会合の日時、会合の場所や、ユーザー34が会おうとしている相手方を入力する。
【0020】
情報記入事項には、例えば時刻に基づいた要素(つまり会合の開かれる日時)と、場所に基づいた要素(つまり、どこで、誰と会合を持つか)を含む。これら2つの要素から、データベース38にアクセスすることを通して、またはユーザー34に尋ねることにより、残りの必要な情報要素を得ることができる。
【0021】
このようにして、最初の条件分岐点66は、入力された情報がデータベース38の一部である電子電話帳に既にあるかどうか、を尋ねる。例えば、入力された情報が、ある場所で会合が開かれることを表しているとすると、最初の条件分岐点66は、その名前、電話番号や、その人物とその場所に関するその他の情報(重要でない情報も含む)が既にデータベース38にあるかどうか、を尋ねる。もしその情報があれば、追加情報は入力される必要がなく(時にありうる確認を除いて)、引き続いて残りの情報が、例えばコントロールユニット32によりアクセスされる。もしその情報がなければ、制御はステップ68へ進み、そこでユーザー34に残りの情報を入力するよう指示する。この続いて入力された情報が重要ならば、引き続くアクセスのために、データベース38の電子電話帳部分に保存される。
【0022】
条件分岐点66は、例えば会合が電話により中断されてもいいかどうか、等の追加質問を含む。もし会合が電話により中断されるべきものでない場合は、多分その他の質問は不要となる。しかし会合が、電話、ページングその他のタイプの呼出により中断されてもいいものである場合、正しい呼出番号が指定される必要がある。こうして、条件分岐点66に含まれる追加質問には、特定の場所や相手方に特に関連する番号や番号群が、会合用として正しいものかどうか、を含んでいる。もし正しければ、時にありうる確認を除いて、追加情報は入力される必要がない。もしそうでなければ(つまりもし会合の開かれる場所とその電話番号、または番号群が、その相手方が会う所として通常特定されたものでないときは)、正しい番号または番号群の入力が求められる。
【0023】
一度、会合に関するすべての必要な情報が、通信装置12へ入力されてしまえば、2番目の条件分岐点72が、ユーザー34に通信装置12からの情報の送信について尋ねる。もしユーザー34が、ネットワーク16上の情報をすぐに更新するのを選んだときは、その操作による送信ステップ74がユーザー34により実行される。しかし、もしユーザー34が、情報が自動的に送信されるのを望めば、自動送信ステップ76が、情報記入事項の時刻に基づく部分や通信装置12の計時装置42に基づいて、適当な時刻に情報記入事項を送信する。
【0024】
例えば、以下に詳細に検討されるように、自動送信ステップ76は、情報記入事項中の捉えられた出来事の時刻に基づく部分が計時装置42と一致したときに情報記入事項を送信する、出来事に基づくステップである。それと二者択一的に、自動送信ステップ76は、情報の記入事項中の捉えられた出来事の時刻に必ずしも関連しない特定の時刻に情報記入事項を送信する、時刻に基づくステップである。
【0025】
送信される情報記入事項は、時刻に基づく部分と、場所に基づく部分とを持っており、さらにその一部として、特定の通信装置12に独自の装置ID(例えば装置のIDコード)を含んでいる。この装置IDが、現存の、また将来の情報伝送技術により情報伝送源を決定することを可能にする。また。後で検討されるが、装置IDは、各個別の通信装置12が現存のまた将来の技術により特定される、ある追加的な様相(例えば一般的な、また特定の位置)を可能にしている。通信装置12の発明部分は、自動送信ステップ76を含んでいる。このステップでは、計時装置42と比較される情報記入事項の時刻に基づく部分は、少なくともその情報記入事項の送信をトリガするのに使われる。従って、電子スケジューリング機能、特にその時刻に基づく機能は、通信装置12からの情報記入事項の送信を制御するために、通信装置12の時間管理機能と組合せて使われる。
【0026】
このような情報記入事項の送信は、例えば時間の経過により連続的に変化する計時装置42の内容に応じた、自動的なものである。このようにして、自動送信ステップ76の特有の配置により、情報記入事項を、通信装置12へ入力されてから、その時刻に基づく部分を反映させた特別の時刻までの間のいつでも送信できる。例えばユーザー34がその月の15日の午前10時に会合を持っていて、この情報を通信装置へ、その月7日の大体午後3時頃に入力したとすると、自動送信ステップ76は、この会合に関する適切な情報を、7日の午後3時から15日の午前10時までのいつでも(15日の午前10時きっかりの送信も含めて)送信できる。
【0027】
図1に示すように、送信機44は情報記入事項を、適当な通信カップリングを通して送信する。つまりページングネットワーク14により受信される情報記入事項は、無線信号46を通して送信される。同様に、ネットワークコントローラ22により直接受信される情報記入事項が、例えば無線赤外線信号を通して、または電線を通る電気インパルス信号を通して、または光ファイバを通る光インパルス信号(一般的に48として図示される)を通して、送信される。
【0028】
ネットワークコントローラ22は、適当な情報をネットワークデータベース24の適当な場所に保存するために、各情報記入事項毎に装置IDコードを使う。前に検討されたように、この情報には、例えば会合の日、時刻、場所と、会うことになっている相手方、会合が中断されてもよいものであるか、もしそうなら、その会合への連絡番号を含む。また、ネットワークコントローラ22は、通信装置12のIDと位置を表す情報を受信する。
【0029】
このようにして、ネットワークコントローラ22とネットワーク16は、ユーザー34の実際の、および/または予期される位置に関する情報を更新する。下記に検討するように、この情報は、例えば発明の他の様相や、現存する、または将来のネットワーク通信技術と共に使われる。
【0030】
図3を参照すると、少なくとも1つは電子スケジューリング機能を有する、1つまたはそれ以上の通信装置12、78へユーザー34がアクセスするための、本発明の一実施例による通信システム10の構成図が示されている。例えば、通信装置12は、電子スケジューリング機能付きのPDAまたはラップトップコンピュータであり、通信装置78は、通信装置12に動作可能なように含まれた、またはユーザー34が身につけた双方向ページャーである。また後で検討されるように、ユーザー34は、メッセージ配送システム79にアクセスできる。
【0031】
通信システム10は、ネットワークデータベース24と、ネットワークコントロールポイント(NCP)またはコントローラ22よりなるネットワーク16を含む。この実施例では、ネットワークコントローラ22は、全部が図示のごとく動作可能に接続された、インタフェイス82、ネットワークコントローラデータベース84、比較器86を含む。またネットワークコントローラ22は、図示のようにネットワークデータベース24と動作可能なように接続されている。通信システム10の一部にはまた、ページングネットワーク14が含まれている。通信装置12、78は、例えばページングネットワーク14の受信地域に無線信号46を送信することにより、ページングネットワーク14と通信する。しかしながら、適当なカップリングによって、情報をネットワークコントローラ22に直接送信することもできると考えられる。例えば、もし通信装置12がデスクトップコンピュータであれば、それからの情報は、例えばモデム、またはデスクトップコンピュータとネットワークインターフェイス82との間を接続するワイヤを通して送信される。
【0032】
一般的に、ネットワークコントローラ22は、情報を、ネットワーク16へ、またネットワーク16とそのインタフェース82との間で、保存したり移動するのを管理する。例えば、ネットワークインターフェイス82は、通信装置12、78を含む複数の通信装置から(ページングネットワーク14を通して)、またメッセージ配送システム79から(カップリング48を通して)情報を受信する。また、ネットワークインタフェース82は、ネットワーク16からの情報を、これらの同じ通信装置へ、ページングネットワーク14とメッセージ配送システム79へと同様に、送信するのに使われる。
【0033】
ネットワークコントローラデータベース84は、ネットワークインターフェイス82とネットワークデータベース24との間を移動する情報を、少なくとも一時的に保存する。比較器86は、後でその動作を詳細に検討するが、ネットワークコントローラデータベース84に保存された、ある情報の正確さを、ネットワークインターフェイス82を通過する情報と比較することにより、確かめる。ネットワークデータベース24は、ネットワークコントローラ22から受信した情報を保存する。また、ネットワークデータベース24は、ネットワーク16やネットワークコントローラ22による、ネットワーク16へ出入りする情報の管理のために使用される、ネットワーク動作コード(例えば電話をかける先への経路とやり方)を保持している。
【0034】
図4は、図3に示す通信システムが、本発明の一実施例によってユーザー34の位置を決定する動作の一態様を表す、フローチャートである。一般に、ユーザー34の位置は、1つかそれ以上の通信装置、例えば第1の通信装置12や第2の通信装置78から送信された情報を通して比較(または前後参照)される。前に述べたように、本発明の一実施例においては、第1の通信装置12はPDAであり、第2の通信装置78は、その配置があたかも1つの通信装置と見做せるような動作が可能なように組み込まれる、双方向ページャーである。それと二者択一的に、ユーザー34の計画された位置や実際の位置は、1つまたはそれ以上の通信装置から、異なる時刻に送信される情報を通して比較される。例えば、ユーザー34は将来の特定時刻にどこにいるかを表す情報が送信され、後のその特定時刻に、1つかそれ以上の通信装置から送信された、ユーザー34の実際の位置を表す情報と比較される。
【0035】
図4の動作において最初のステップ88は、第1の通信装置12からネットワーク16への、例えば本書で前に述べたようなやり方での、情報の送信である。例えば、通信装置12は、電子スケジューリングを備え、ユーザー34の将来の会合の時刻や場所を示す情報の記入事項を、ネットワーク16へ送信する、PDAまたはラップトップコンピュータである。
【0036】
ネットワークコントローラ22は、情報記入事項を受信し、ネットワークコントローラデータベース84やネットワークデータベース24の適当な箇所へ、情報記入事項の内容を保存するために、情報記入事項に含まれていた装置IDコードを使う。適当な箇所とは、情報記入事項が、そこに含まれる1つかそれ以上の比較部分(つまり時刻に基づく部分または場所に基づく部分)に基づいて、アクセスされることができるよう保存されることを意味する。このようにして、ネットワーク16は、ユーザー34が将来の特定の時刻にいようとする所を特定する、アクセス可能な情報により、更新される。
【0037】
続いてポーリングステップ89が、第2の通信装置78の実際の位置を決定するため、特定の会合の時刻、またはその近辺で使われる。例えば、第2の通信装置78は、通信装置12内に動作可能なように含まれるか、またはユーザー34に携帯されるページャーであって、従来のページング技術にて知られた方法でその大体の位置を決定するために、ページングネットワーク14によりポーリングされる。システムの限界や構成により、ポーリングは周期的に、つまり特定の間隔で行なわれるか、または連続的に、コストやそれに類する要件、システムの束縛によってのみ制限されるやり方で、行なわれる。
【0038】
例えば、もし送信機44(図1を参照)が双方向ページャーであれば、通信装置12の地理的位置は、ページングアンテナ、つまり従来の双方向ページングシステムのタワーにより、双方向ページャーの位置から決定される。しかしながら、ある特定の時刻にただ1つの無線通信源、例えばアンテナとかタワーによりサービスされる双方向無線通信装置は、通信装置の地理的位置を決定するのに適していることが、当業者には理解されよう。このことはグローバルポジショニングシステム(GPS)の使用を含む。
【0039】
ポーリングされた情報は、ネットワークコントローラ22により受信され、例えばコントローラデータベース84へ、のように適当に保存される。ネットワークコントローラ22は、ネットワークデータベース24から、対応または関連した情報を取り出すために、ポーリングされた情報の中の装置IDコードを使う。この動作の次のステップは、条件分岐点92であり、2つの情報記入事項の、比較可能な部分(つまり第1の通信装置12からの以前の記入事項と、第2の通信装置78からのポーリングされた記入事項)を、それらの間に食違いがないかどうか比較(または前後参照)する。
【0040】
例えば、ネットワークコントローラ22は、対応する情報記入事項の、時刻に基づく部分が一致したときに、正確を期すために、それらの場所に基づく部分が比較されるように構成されている。このように、条件分岐点92は、2つの場所に基づく部分が合致するか、つまり2つの地点がほぼ同じかどうかをテストする。もし場所に基づく部分が合致すれば、通信ネットワーク16は、少なくともその特定の時間の間、それ以上何もする必要がないように構成されている。もしそれらの部分が合致しなければ、通信ネットワーク16は、ユーザー質問94が始められるよう、構成されている。それと二者択一的に、通信ネットワーク16は、例えば引き続く比較のために、第2の通信装置78からの情報記入事項を更新するように構成されている。
【0041】
もしユーザー質問ステップ94がユーザー34に通知するのに成功すれば、通信ネットワーク16は、少なくとも特定の会合の時刻に関連する、情報記入事項に関しては、それ以上何もする必要がないように構成されている。しかしながら、もしユーザー質問ステップ94が、ユーザー34に連絡を取る、または通知するのに成功しなければ、通信システムは、例えばメッセージ配送システム79を使用しないよう構成されている。このようにして、例えば情報記入事項間に食違いがあったことを示すメッセージが、ユーザー34の適当な通信装置へ送信または発信される。
【0042】
前に述べたように、メッセージ配送システム79は、ネットワークコントローラインターフェイス82に動作可能に接続され、例えば現存するネットワーク通信技術を利用している。このように、ここに記述した発明の特徴は、図示したように、適当な伝送媒体48を通して、現在や将来のメッセージ配送システム79と共有される。メッセージ配送システムの特徴は、例えば「呼び出された側の位置を示すことにより、入力してくる通信を転送する技術」という名称の米国特許第5428663号に開示された、呼出者送信システムを含む。
【0043】
もし第1と第2の通信装置が、ちょうどここに記述されたように2つの異なる通信装置であれば、またはもし第1、第2の通信装置が異なる時刻に情報記入事項を送信する、実際には同じ通信装置であれば、通信システム10は、ここに記述したやり方で動作することが理解されるべきである。また、1つ以上の通信装置12からの情報記入事項の比較か、または複数の情報記入事項を送信する1つの通信装置からの情報記入事項の比較かは、ここに記述する発明の特徴の範囲内のことである。
【0044】
ここに記述する発明の特徴は、ページングネットワークを含む、現存するネットワークのインフラストラクチャーに容易に適合する。例えば発明の特徴は、例えば適当なソフトウエアやハードの配置を通して、現存する、また将来のネットワークと統合される。
【0045】
ここに記述された通信システムおよび動作方法には、ここに付された特許請求の範囲により定義される発明の精神と範囲を離れることなしに、多くの変更と代替が可能なことは、当業者には明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯装置であって、
計時デバイスと、データ要素と時刻を特定する要素とからなる情報記載事項を前記装置の一の利用者から受信するデータベースと、前記情報記載事項の少なくとも一部に基づいた情報とともにデバイスIDを送信する送信機を含む第1の通信デバイス、
受信したポーリング信号に応答して、該携帯装置の物理的位置を確認し、そして確認結果を送出する第2の通信デバイス、及び
a)前記計時デバイスと協議し、そしてb)時刻を特定する前記情報記載事項の前記要素に基づいて送信を開始する前記送信機と前記データベースとに結合されたコントローラとからなることを特徴とする携帯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−114923(P2010−114923A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293642(P2009−293642)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【分割の表示】特願2007−185408(P2007−185408)の分割
【原出願日】平成8年12月16日(1996.12.16)
【出願人】(390035493)エイ・ティ・アンド・ティ・コーポレーション (130)
【氏名又は名称原語表記】AT&T CORP.
【Fターム(参考)】