移動体通信システム
【課題】 LTE通信において、特定の移動端末にアクセス許可するCSG(Closed Subscriber Group cell)は、特定の加入者にアクセスを許可するクローズドアクセスモードと、不特定の利用者にアクセスを許可するオープンアクセスモード、これらを同時に行うハイブリッドアクセスモードで動作する。モードの異なるCSGが混在することにより、セルサーチが複雑になる。
【解決手段】 特定の移動端末に利用を許可する特定加入者用セル(CSG)及び不特定の移動端末が利用可能な不特定利用者用セル(non-CSG)を含み、移動端末は、通信セルに割り当てられたセル識別情報(Physical Cell Identity)を受信してセル選択を行う。セル識別情報は、CSGセルに割り当てる第一分類と、non−CSGセルに割り当てる第二分類に分類されており、ハイブリッドモードで動作しているCSGセルには第一分類に含まれるセル識別情報を割り当てる。
【解決手段】 特定の移動端末に利用を許可する特定加入者用セル(CSG)及び不特定の移動端末が利用可能な不特定利用者用セル(non-CSG)を含み、移動端末は、通信セルに割り当てられたセル識別情報(Physical Cell Identity)を受信してセル選択を行う。セル識別情報は、CSGセルに割り当てる第一分類と、non−CSGセルに割り当てる第二分類に分類されており、ハイブリッドモードで動作しているCSGセルには第一分類に含まれるセル識別情報を割り当てる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局が複数の移動端末と無線通信を実施する移動体通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
第3世代と呼ばれる通信方式のうち、W−CDMA(Wideband Code division Multiple Access)方式が2001年から日本で商用サービスが開始されている。また、下りリンク(個別データチャネル、個別制御チャネル)にパケット伝送用のチャネル(HS-DSCH: High Speed-Downlink Shared Channel)を追加することにより、下りリンクを用いたデータ送信の更なる高速化を実現するHSDPA(High Speed Down Link Packet Access)のサービスが開始されている。さらに、上り方向のデータ送信をさらに高速化するためHSUPA(High Speed Up Link Packet Access)方式についてもサービスが開始されている。W−CDMAは、移動体通信システムの規格化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)により定められた通信方式であり、リリース8版の規格書がとりまとめられている。
【0003】
また、3GPPにおいて、W−CDMAとは別の通信方式として、無線区間については「ロングタームエボリューション」(Long Term Evolution LTE)、コアネットワーク(単にネットワークとも称する)を含めたシステム全体構成については「システムアーキテクチャエボリューション」(System Architecture Evolution SAE)と称される新たな通信方式が検討されている。LTEでは、アクセス方式、無線のチャネル構成やプロトコルが、現在のW−CDMA(HSDPA/HSUPA)とは全く異なるものになる。たとえば、アクセス方式は、W−CDMAが符号分割多元接続(Code Division Multiple Access)を用いているのに対して、LTEは下り方向はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing )、上り方向はSC−FDMA(Single Career Frequency Division Multiple Access)を用いる。また、帯域幅は、W−CDMAが5MHzであるのに対し、LTEでは1.4/3/5/10/15/20MHzの中で基地局ごとに選択可能となっている。また、LTEでは、W−CDMAのように回線交換を含まず、パケット通信方式のみになる。
【0004】
LTEはW−CDMAのコアネットワーク(GPRS)とは異なる新たなコアネットワークを用いて通信システムが構成されるため、W−CDMA網とは別の独立した無線アクセス網として定義される。したがって、W−CDMAの通信システムと区別するため、LTEの通信システムでは、移動端末(UE: User Equipment)と通信を行う基地局(Base station)はeNB(E-UTRAN NodeB)、複数の基地局と制御データやユーザデータのやり取りを行う基地局制御装置(Radio Network Controller)はEPC(Evolved Packet Core)(aGW:Access Gatewayと称されることもある)と称される。このLTEの通信システムでは、ユニキャスト(Unicast)サービスとE-MBMSサービス(Evolved Multimedia Broadcast Multicast Service)が提供される。E−MBMSサービスとは、放送型マルチメディアサービスであり、単にMBMSと称される場合もある。複数の移動端末に対してニュースや天気予報や、モバイル放送など大容量放送コンテンツが送信される。これを1対多(Point to Multipoint)サービスともいう。
【0005】
3GPPでの、LTEシステムにおける全体的なアーキテクチャ(Architecture)に関する現在の決定事項が、非特許文献1に記載されている。全体的なアーキテクチャ(非特許文献1 4章)について図1を用いて説明する。図1は、LTE方式の通信システムの構成を示す説明図である。図1において、移動端末101に対する制御プロトコル(例えばRRC(Radio Resource Management))とユーザプレイン(例えばPDCP: Packet Data Convergence Protocol、RLC: Radio Link Control、MAC: Medium Access Control、PHY: Physical layer)が基地局102で終端するなら、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)は1つあるいは複数の基地局102によって構成される。基地局102は、MME103(Mobility Management Entity)から通知されるページング信号(Paging Signaling、ページングメッセージ(paging messages)とも称される)のスケジューリング(Scheduling)及び送信を行う。基地局102はX2インタフェースにより、お互いに接続される。また基地局102は、S1インタフェースによりEPC(Evolved Packet Core)に接続される、より明確にはS1_MMEインタフェースによりMME103(Mobility Management Entity)に接続され、S1_UインタフェースによりS−GW104(Serving Gateway)に接続される。MME103は、複数あるいは単数の基地局102へのページング信号の分配を行う。また、MME103は待受け状態(Idle State)のモビリティ制御(Mobility control)を行う。MME103は移動端末が待ち受け状態及び、アクティブ状態(Active State)の際に、トラッキングエリア(Tracking Area)リストの管理を行う。S−GW104はひとつまたは複数の基地局102とユーザデータの送受信を行う。S−GW104は基地局間のハンドオーバの際、ローカルな移動性のアンカーポイント(Mobility Anchor Point)となる。更にP−GW(PDN Gateway)が存在し、ユーザ毎のパケットフィルタリングやUE−IDアドレスの割当などを行う。
【0006】
3GPPでの、LTEシステムにおけるフレーム構成に関する現在の決定事項が、非特許文献1(5章)に記載されている。図2を用いて説明する。図2はLTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。図2において、1つの無線フレーム(Radio frame)は10msである。無線フレームは10個の等しい大きさのサブフレーム(Sub-frame)に分割される。サブフレームは、2個の等しい大きさのスロット(slot)に分割される。フレーム毎に1番目(#0)と6番目(#5)のサブフレームに下り同期信号(Downlink Synchronization Signal: SS)が含まれる。同期信号には第一同期信号(Primary Synchronization Signal: P-SS)と第二同期信号(Secondary Synchronization Signal: S-SS)がある。サブフレーム単位にてMBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)用とMBSFN以外のチャネルの多重が行われる。以降、MBSFN送信用のサブフレームをMBSFNサブフレーム(MBSFN sub-frame)と称する。非特許文献2に、MBSFNサブフレームの割り当て時のシグナリング例が記載されている。図3は、MBSFNフレームの構成を示す説明図である。図3において、MBSFNフレーム(MBSFN frame)毎にMBSFNサブフレームが割り当てられる。MBSFNフレームの集合(MBSFN frame Cluster)がスケジュールされる。MBSFNフレームの集合の繰り返し周期(Repetition Period)が割り当てられる。
【0007】
3GPPでの、LTEシステムにおけるチャネル構成に関する現在の決定事項が、非特許文献1に記載されている。CSG(Closed Subscriber Group cell)セルにおいてもnon−CSGセルと同じチャネル構成が用いられると想定されている。物理チャネル(Physical channel)について(非特許文献1 5章)図4を用いて説明する。図4は、LTE方式の通信システムで使用される物理チャネルを説明する説明図である。図4において、物理報知チャネル401(Physical Broadcast channel: PBCH)は基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。BCHトランスポートブロック(transport block)は40ms間隔中の4個のサブフレームにマッピングされる。40msタイミングの明白なシグナリングはない。物理制御チャネルフォーマットインジケータチャネル402(Physical Control format indicator channel: PCFICH)は基地局102から移動端末101へ送信される。PCFICHは、PDCCHsのために用いるOFDMシンボルの数について基地局102から移動端末101へ通知する。PCFICHはサブフレーム毎に送信される。物理下り制御チャネル403(Physical downlink control channel: PDCCH)は基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PDCCHは、リソース割り当て(allocation)、DL−SCH(図5に示されるトランスポートチャネルの1つである下り共有チャネル)に関するHARQ情報、PCH(図5に示されるトランスポートチャネルの1つであるページングチャネル)を通知する。PDCCHは、上りスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)を運ぶ。PDCCHは、上り送信に対する応答信号であるACK/Nackを運ぶ。PDCCHはL1/L2制御信号とも呼ばれる。物理下り共有チャネル404(Physical downlink shared channel: PDSCH)は、基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PDSCHはトランスポートチャネルであるDL-SCH(下り共有チャネル)やトランスポートチャネルであるPCHがマッピングされている。物理マルチキャストチャネル405(Physical multicast channel: PMCH)は基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PMCHはトランスポートチャネルであるMCH(マルチキャストチャネル)がマッピングされている。
【0008】
物理上り制御チャネル406(Physical Uplink control channel: PUCCH)は移動端末101から基地局102へ送信される上りチャネルである。PUCCHは下り送信に対する応答信号(response)であるACK/Nackを運ぶ。PUCCHはCQI(Channel Quality indicator)レポートを運ぶ。CQIとは受信したデータの品質、もしくは通信路品質を示す品質情報である。またPUCCHは、スケジューリングリクエスト(Scheduling Request: SR)を運ぶ。物理上り共有チャネル407(Physical Uplink shared channel: PUSCH)は移動端末101から基地局102へ送信される上りチャネルである。PUSCHはUL−SCH(図5に示されるトランスポートチャネルの1つである上り共有チャネル)がマッピングされている。物理HARQインジケータチャネル408(Physical Hybrid ARQ indicator channel: PHICH)は基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PHICHは上り送信に対する応答であるACK/Nackを運ぶ。物理ランダムアクセスチャネル409(Physical random access channel: PRACH)は移動端末101から基地局102へ送信される上りチャネルである。PRACHはランダムアクセスプリアンブル(random access preamble)を運ぶ。
【0009】
下りリファレンスシグナル(Reference signal)は、移動体通信システムとして既知のシンボルが、毎スロットの最初、3番目、最後のOFDMシンボルに挿入される。移動端末の物理レイヤの測定として、リファレンスシンボルの受信電力(Reference symbol received power:RSRP)がある。
【0010】
トランスポートチャネル(Transport channel)について(非特許文献1 5章)図5を用いて説明する。図5は、LTE方式の通信システムで使用されるトランスポートチャネルを説明する説明図である。図5Aには下りトランスポートチャネルと下り物理チャネル間のマッピングを示す。図5Bには上りトランスポートチャネルと上り物理チャネル間のマッピングを示す。下りトランスポートチャネルについて報知チャネル(Broadcast channel: BCH)はその基地局(セル)全体に報知される。BCHは物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。下り共有チャネル(Downlink Shared channel: DL-SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。基地局(セル)全体への報知が可能である。ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。準静的なリソース割り当ては,パーシステントスケジューリング(Persistent Scheduling)とも言われる。移動端末の低消費電力化のために移動端末のDRX(Discontinuous reception)をサポートする。DL−SCHは物理下り共有チャネル(PDSCH)へマッピングされる。ページングチャネル(Paging channel: PCH)は移動端末の低消費電力を可能とするために移動端末のDRXをサポートする。基地局(セル)全体への報知が要求される。動的にトラフィックに利用できる物理下り共有チャネル(PDSCH)のような物理リソース、あるいは他の制御チャネルの物理下り制御チャネル(PDCCH)のような物理リソースへマッピングされる。マルチキャストチャネル(Multicast channel: MCH)は基地局(セル)全体への報知に使用される。マルチセル送信におけるMBMSサービス(MTCHとMCCH)のSFN合成をサポートする。準静的なリソース割り当てをサポートする。MCHはPMCHへマッピングされる。
【0011】
上り共有チャネル(Uplink Shared channel: UL-SCH)にはHARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。UL−SCHは物理上り共有チャネル(PUSCH)へマッピングされる。図5Bに示されるランダムアクセスチャネル(Random access channel: RACH)は制御情報に限られている。衝突のリスクがある。RACHは物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)へマッピングされる。HARQについて説明する。
【0012】
HARQとは自動再送(Automatic Repeat reQuest)と誤り訂正(Forward Error Correction)との組み合わせにより伝送路の通信品質を向上させる技術である。通信品質が変化する伝送路に対しても再送により誤り訂正が有効に機能するという利点がある。特に再送にあたって初送の受信結果と再送の受信結果の合成をすることで更なる品質向上を得ることも可能である。再送の方法の一例を説明する。受信側にて受信データが正しくデコード出来なかった場合(CRC Cyclic Redundancy Check エラーが発生した場合(CRC=NG))、受信側から送信側へ「Nack」を送信する。「Nack」を受信した送信側はデータを再送する。受信側にて受信データが正しくデコードできた場合(CRCエラーが発生しない場合(CRC=OK))、受信側から送信側へ「Ack」を送信する。「Ack」を受信した送信側は次のデータを送信する。HARQ方式の一例として「チェースコンバイニング」(Chase Combining)がある。チェースコンバイニングとは初送と再送に同じデータ系列を送信するもので、再送において初送のデータ系列と再送のデータ系列の合成を行うことで利得を向上させる方式である。これは初送データに誤りがあったとしても部分的に正確なものも含まれており、正確な部分の初送データと再送データとを合成することでより高精度にデータを送信できるという考え方に基づいている。また、HARQ方式の別の例としてIR(Incremental Redundancy)がある。IRとは冗長度を増加させるものであり、再送においてパリティビットを送信することで初送と組み合わせて冗長度を増加させ、誤り訂正機能により品質を向上させるものである。
【0013】
論理チャネル(Logical channel)について(非特許文献1 6章)図6を用いて説明する。図6は、LTE方式の通信システムで使用される論理チャネルを説明する説明図である。図6Aには下りロジカルチャネルと下りトランスポートチャネル間のマッピングを示す。図6Bには上りロジカルチャネルと上りトランスポートチャネル間のマッピングを示す。報知制御チャネル(Broadcast control channel: BCCH)は報知システム制御情報のための下りチャネルである。論理チャネルであるBCCHはトランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、あるいは下り共有チャネル(DL-SCH)へマッピングされる。ページング制御チャネル(Paging control channel: PCCH)はページング信号を送信するための下りチャネルである。PCCHは移動端末のセルロケーションをネットワークが知らない場合に用いられる。論理チャネルであるPCCHはトランスポートチャネルであるページングチャネル(PCH)へマッピングされる。共有制御チャネル(Common control channel: CCCH)は移動端末と基地局間の送信制御情報のためのチャネルである。CCCHは移動端末がネットワークとの間でRRC接続(connection)を持っていない場合に用いられる。下り方法では、CCCHはトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。上り方向では、CCCHはトランスポートチャネルである上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされる。
【0014】
マルチキャスト制御チャネル(Multicast control channel: MCCH)は1対多の送信のための下りチャネルである。ネットワークから移動端末への1つあるいはいくつかのMTCH用のMBMS制御情報の送信のために用いられるチャネルである。MCCHはMBMS受信中の移動端末のみに用いられるチャネルである。MCCHはトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)あるいはマルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。個別制御チャネル(Dedicated control channel: DCCH)は移動端末とネットワーク間の個別制御情報を送信するチャネルである。DCCHは上りでは上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL-SCH)にマッピングされる。個別トラフィックチャネル(Dedicate Traffic channel: DTCH)はユーザ情報の送信のための個別移動端末への1対1通信のチャネルである。DTCHは上り・下りともに存在する。DTCHは上りでは上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL-SCH)へマッピングされる。マルチキャストトラフィックチャネル(Multicast Traffic channel: MTCH)はネットワークから移動端末へのトラフィックデータ送信のための下りチャネルである。MTCHはMBMS受信中の移動端末のみに用いられるチャネルである。MTCHは下り共有チャネル(DL-SCH)あるいはマルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
【0015】
GCIとは、グローバルセル識別子(Global Cell Identity)のことである。LTE及びUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)においてCSGセル(Closed Subscriber Group cell)が導入される。CSGについて以下説明する(非特許文献4 3.1章)。CSG(Closed Subscriber Group)とは、利用可能な加入者をオペレータが特定しているセルである(特定加入者用セル)。特定された加入者は、PLMN(Public Land Mobile Network)のひとつ以上のE-UTRANセルにアクセスすることが許可される。特定された加入者がアクセスを許可されている1つ以上のE−UTRANセルを“CSG cell(s)”とよぶ。ただし、PLMNにはアクセス制限がある。CSGセルとは、固有のCSGアイデンティティ(CSG identity: CSG ID,CSG-ID)を報知するPLMNの一部である。あらかじめ利用登録し、許可された加入者グループのメンバーは、アクセス許可情報であるところのCSG−IDを用いてCSGセルにアクセスする。CSG−IDはCSGセルかセルによって報知される。移動体通信システムにCSG−IDは複数存在する。そして、CSG−IDは、CSG関連のメンバーのアクセスを容易にするために端末(UE)によって使用される。CSGセルあるいはセルによって報知される情報をCSG−IDの代わりにトラッキングエリアコード(Tracking Area Code TAC)にすることが3GPP会合において議論されている。移動端末の位置追跡は、1つ以上のセルからなる区域を単位に行われる。位置追跡は、通信をしていない状態(待受け状態)であっても移動端末の位置を追跡し、呼び出す(移動端末が着呼する)ことを可能にするためである。この移動端末の位置追跡のための区域をトラッキングエリアとよぶ。CSGホワイトリスト(CSG White List)とは、加入者が属するCSGセルのすべてのCSG IDが記録されている、USIMに格納されたリストである。移動端末内のホワイトリストは上位レイヤによって与えられる。これによりCSGセルの基地局は移動端末に無線リソースの割り当てを行う。
【0016】
「適切なセル」(Suitable cell)について以下説明する(非特許文献4 4.3章)。「適切なセル」(Suitable cell)とは、UEが通常(normal)サービスを受けるためにキャンプオン(Camp ON)するセルである。そのようなセルは、(1)セルは選択されたPLMNか登録されたPLMN、または「Equivalent PLMNリスト」のPLMNの一部であること、(2)NAS(non-access stratum)によって提供された最新情報にてさらに以下の条件を満たすこと、(1)そのセルが禁じられた(barred)セルでないこと。(2)そのセルが“ローミングのための禁止されたLAs”リストの一部ではなく、少なくとも1つのトラッキングエリア(Tracking Area:TA)の一部であること。その場合、そのセルは上記(1)を満たす必要がある、(3)そのセルが、セル選択評価基準を満たしていること、(4)そのセルが、CSGセルとしてシステム情報(System Information: SI)によって特定されたセルに関しては、CSG−IDはUEの「CSGホワイトリスト」(CSG WhiteList)の一部であること(UEのCSG WhiteList中に含まれること)。
【0017】
「アクセプタブルセル」(Acceptable cell)について以下説明する(非特許文献4 4.3章)これは、UEが限られたサービス(緊急通報)を受けるためにキャンプオンするセルである。そのようなセルは以下のすべての要件を充足するものとする。つまり、E−UTRANネットワークで緊急通報を開始するための最小のセットの要件を以下に示す。(1)そのセルが禁じられた(barred)セルでないこと。(2)そのセルが、セル選択評価基準を満たしていること。
【0018】
【非特許文献1】3GPP TS36.300 V8.6.0
【非特許文献2】3GPP R1−072963
【非特許文献3】TR R3.020V0.6.0
【非特許文献4】3GPP TS36.304 V8.3.0
【非特許文献5】3GPP R2−082899
【非特許文献6】3GPP S1−083461
【非特許文献7】3GPP R2−086246
【非特許文献8】3GPP R2−086281
【非特許文献9】3GPP TS36.331
【非特許文献10】3GPP R2−094808
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
HeNB及びHNBに対してはさまざまなサービスへの対応が求められている。例えば、オペレータは、ある決められたHeNB及びHNBに移動端末を登録させ、登録した移動端末のみにHeNB及びHNBのセルへのアクセスを許可することで、該移動端末が使用できる無線リソースを増大させて高速に通信を行えるようにする。その分、オペレータは課金料を通常よりも高く設定する。といったサービスである。こういったサービスを実現するため、登録した(加入した、メンバーとなった)移動端末のみがアクセスできるCSG(Closed Subscriber Group cell)セルが導入されている。
【0020】
CSG(Closed Subscriber Group cell)セルは、商店街やマンション、学校、会社などへ数多く設置されることが要求される。たとえば、商店街では店舗ごと、マンションでは部屋ごと、学校では教室ごと、会社ではセクションごとにCSGセルを設置し、各CSGセルに登録したユーザのみが該CSGセルを使用可能とするような使用方法が要求されている。
【0021】
一方、他のサービスとして、該CSGセルに対して、登録した移動端末のみではなく、登録していない移動端末にも一部の無線リソースを使用させることも考えられている。例えば、商店街の店舗に設置されたCSGセルでは、店員の移動端末のみを該CSGに登録して高速通信可能とするだけでなく、該CSGに登録していないお客の移動端末にも利用させることが要求される。このような場合に対応するため、HeNB及びHNBに対して、「ハイブリッドアクセスモード」(Hybrid access mode)の運用が提案されている。「ハイブリッドアクセスモード」とは、登録した移動端末のみアクセス可能な第一の動作モードである「クローズドアクセスモード」(closed access mode)と、登録していない移動端末がアクセス可能な第二の動作モードである「オープンアクセスモード」(open access mode)の両方を同時にサービスするCSGセルの動作形態を示す(第三の動作モード)。この場合、登録した移動端末に対してはアクセスを許可するか判断しつつ、登録していない移動端末に対してもアクセスを許可するものである。したがって、商店街やマンションなどに数多く設置されたHeNB及びHNBは、オープンアクセスモードで動作するCSGセル、クローズドアクセスモードで動作するCSGセルが混在することになる。また、HeNB及びHNBは可搬なサイズ、重量を想定しており、これらの設置や撤去は頻繁にかつ柔軟に行われることも要求される。このような要求を考慮すると、ある地点においては同時に多数のいろいろなモードのセルからの電波が送信されることになる。つまり、商店街やマンションなどでは、移動端末が多数のいろいろなモードのセルからの電波が届く位置にいる状況が発生する。
【0022】
このように、オープンアクセスモード、クローズドアクセスモード、ハイブリッドアクセスモードのような異なる動作モードに設定された多数のセルからの電波が届く位置にいる移動端末の場合、多くのアクセス不可能なクローズドアクセスモードのセル(CSGセル)、つまりユーザアクセス登録していないCSGセルを延々とサーチやセル選択を繰り返す状況が生じる。また、セルサーチを行い、選択したセルがハイブリッドアクセスモードのセル、つまりクローズドアクセスモードとオープンアクセスモードをサポートするセルであるにもかかわらず、ユーザアクセス登録していない移動端末はアクセスが不可能という状態になってしまい、再度セルサーチやセル選択を延々と繰り返す状況が生じてしまう。このような場合、システムに制御遅延や無線リソースの使用効率及びシグナリング効率の低下を引き起こす。また、セルサーチを繰り返す移動端末の消費電力が大きくなるという問題が生じる。これらの問題は前述したような将来の多数のいろいろなモードのHeNB、HNBの配置状況を想定すると重要な問題となる。本発明はこれらの問題を解消するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明に係る移動体通信システムは、下りアクセス方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を使用し、上りアクセス方式としてSC―FDMA(Single Career Frequency Division Multiple Access)方式を用いてデータの送受信を行う移動端末と、特定の移動端末ないし加入者に利用を許可する通信セルである特定加入者用セル及び不特定の移動端末ないし利用者が利用可能な通信セルである不特定利用者用セルに設けられた基地局と、複数の基地局を介して移動端末が位置する所望のトラッキングエリアを管理するとともに、移動端末にページング処理を行う基地局制御装置を含み、移動端末は、通信セルそれぞれに割り当てられた情報であって、通信セルを識別するための情報であるセル識別情報(PCI)を基地局より受信し、通信を行うセルの選択を行う移動体通信システムにおいて、特定加入者用セルは、特定の移動端末ないし加入者に利用を許可する第一の動作モードと不特定の移動端末ないし利用者に利用を許可する第二の動作モードとを同時に運用可能であり、通信セルに割り当て可能なセル識別情報は、特定加入者用セルに割り当てる第一分類と、不特定利用者用セルに割り当てる第二分類に分類されており、第二の動作モードで動作している特定加入者用セルには第一分類に含まれるセル識別情報が割り当てられるものである。
【0024】
本発明に係る移動体通信システムは、下りアクセス方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を使用し、上りアクセス方式としてSC―FDMA(Single Career Frequency Division Multiple Access)方式を用いてデータの送受信を行う移動端末と、特定の移動端末ないし加入者に利用を許可する通信セルである特定加入者用セル及び不特定の移動端末ないし利用者が利用可能な通信セルである不特定利用者用セルに設けられた基地局と、複数の基地局を介して移動端末が位置する所望のトラッキングエリアを管理するとともに、移動端末にページング処理を行う基地局制御装置を含み、移動端末は、通信セルそれぞれに割り当てられた情報であって、通信セルを識別するための情報であるセル識別情報(PCI)を基地局より受信し、通信を行うセルの選択を行う移動体通信システムにおいて、特定加入者用セルは、特定の移動端末ないし加入者に利用を許可する第一の動作モードと不特定の移動端末ないし利用者に利用を許可する第二の動作モードと、第一の動作モードと第二の動作モードとを同時に処理する第三の動作モードで運用可能であり、通信セルに割り当て可能なセル識別情報は、特定加入者用セルに割り当てる第一分類と、不特定利用者用セルに割り当てる第二分類に分類されており、第三の動作モードで動作している特定加入者用セルには第一分類に含まれるセル識別情報が割り当てられるものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る移動体通信システムは、下りアクセス方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を使用し、上りアクセス方式としてSC―FDMA(Single Career Frequency Division Multiple Access)方式を用いてデータの送受信を行う移動端末と、特定の移動端末ないし加入者に利用を許可する通信セルである特定加入者用セル及び不特定の移動端末ないし利用者が利用可能な通信セルである不特定利用者用セルに設けられた基地局と、複数の基地局を介して移動端末が位置する所望のトラッキングエリアを管理するとともに、移動端末にページング処理を行う基地局制御装置を含み、移動端末は、通信セルそれぞれに割り当てられた情報であって、通信セルを識別するための情報であるセル識別情報(PCI)を基地局より受信し、通信を行うセルの選択を行う移動体通信システムにおいて、特定加入者用セルは、特定の移動端末ないし加入者に利用を許可する第一の動作モードと不特定の移動端末ないし利用者に利用を許可する第二の動作モードとを同時に運用可能であり、通信セルに割り当て可能なセル識別情報は、特定加入者用セルに割り当てる第一分類と、不特定利用者用セルに割り当てる第二分類に分類されており、第二の動作モードで動作している特定加入者用セルには第一分類に含まれるセル識別情報が割り当てられるので、ホワイトリストを有する移動端末がCSGセル用のPCI範囲に属するPCIを用いてサーチを行うことにより、サーチ動作を高速に運用できるという効果を得ることが出来る。このことは移動体通信システムの制御遅延を防止するという効果を得ることが出来る。また、移動端末の消費電力の低減という効果を得ることが出来る。
【0026】
本発明に係る移動体通信システムは、下りアクセス方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を使用し、上りアクセス方式としてSC―FDMA(Single Career Frequency Division Multiple Access)方式を用いてデータの送受信を行う移動端末と、特定の移動端末ないし加入者に利用を許可する通信セルである特定加入者用セル及び不特定の移動端末ないし利用者が利用可能な通信セルである不特定利用者用セルに設けられた基地局と、複数の基地局を介して移動端末が位置する所望のトラッキングエリアを管理するとともに、移動端末にページング処理を行う基地局制御装置を含み、移動端末は、通信セルそれぞれに割り当てられた情報であって、通信セルを識別するための情報であるセル識別情報(PCI)を基地局より受信し、通信を行うセルの選択を行う移動体通信システムにおいて、特定加入者用セルは、特定の移動端末ないし加入者に利用を許可する第一の動作モードと不特定の移動端末ないし利用者に利用を許可する第二の動作モードと、第一の動作モードと第二の動作モードとを同時に処理する第三の動作モードで運用可能であり、通信セルに割り当て可能なセル識別情報は、特定加入者用セルに割り当てる第一分類と、不特定利用者用セルに割り当てる第二分類に分類されており、第三の動作モードで動作している特定加入者用セルには第一分類に含まれるセル識別情報が割り当てられるので、ホワイトリストを有する移動端末がCSGセル用のPCI範囲に属するPCIを用いてサーチを行うことにより、サーチ動作を高速に運用できるという効果を得ることが出来る。このことは移動体通信システムの制御遅延を防止するという効果を得ることが出来る。また、移動端末の消費電力の低減という効果を得ることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
実施の形態1.
図7は、現在3GPPにおいて議論されているLTE方式の移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。現在3GPPにおいては、CSG(Closed Subscriber Group)セル(e-UTRANのHome-eNodeB(Home-eNB,HeNB),UTRANのHome-NB(HNB))とnon-CSGセル(e-UTRANのeNodeB(eNB)、UTRANのNodeB(NB)、GERANのBSS)とを含めたシステムの全体的な構成が検討されており、e−UTRANについては、図7の(a)や(b)のような構成が提案されている(非特許文献1、非特許文献3)。図7(a)について説明する。移動端末(UE)71は基地局72と送受信を行う。基地局72はeNB(non-CSGセル)72−1と、Home−eNB(CSGセル)72−2とに分類される。eNB72−1はMME73とインタフェースS1により接続され、eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのeNBに対して複数のMMEが接続される。Home−eNB72−2はMME73とインタフェースS1により接続され、Home−eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのMMEに対して複数のHome−eNBが接続される。
【0028】
次に、図7(b)について説明する。移動端末(UE)71は基地局72と送受信を行う。基地局72はeNB(non-CSGセル)72−1と、Home−eNB(CSGセル)72−2とに分類される。図7(a)と同じように、eNB72−1はMME73とインタフェースS1により接続され、eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのeNBに対して複数のMMEが接続される。一方、Home−eNB72−2はHeNBGW(Home-eNB GateWay)74を介してMME73と接続される。Home−eNBとHeGWはインタフェースS1により接続され、HeNBGW74とMME73はインタフェースS1_flexを介して接続される。ひとつまたは複数のHome−eNB72−2がひとつのHeNBGW74と接続され、S1を通して情報が通信される。HeNBGW74はひとつまたは複数のMME73と接続され、S1_flexを通して情報が通信される。
【0029】
図7(b)の構成を用いて、ひとつのHeNBGW74を、同じCSG−IDに属するHome−eNBと接続することによって、例えばレジストレーション情報など、同じ情報をMME73から同じCSG−IDに属する複数のHome−eNB72−2に送信する場合、一旦HeNBGW74へ送信し、そこから複数のHome−eNB72−2へ送信することで、複数のHome−eNB72−2に対してそれぞれ直接に送信するよりもシグナリング効率を高められる。一方、各Home−eNB72−2がそれぞれ個別の情報をMME73と通信する場合は、HeNBGW74を介すがそこで情報を加工することなく通過(透過)させるだけにしておくことで、Home−eNB72−2とMME73があたかも直接接続されているように通信することも可能となる。
【0030】
図8は、本発明に係る移動端末(図7の端末71)の構成を示すブロック図である。図8に示す移動端末の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部801からの制御データ、アプリケーション部802からのユーザデータが送信データバッファ部803へ保存される。送信データバッファ部803に保存されたデータはエンコーダー部804へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部803から変調部805へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコーダー部804でエンコード処理されたデータは変調部805にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部806へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ807から基地局312に送信信号が送信される。また、移動端末311の受信処理は以下のとおり実行される。基地局312からの無線信号がアンテナ807により受信される。受信信号は、周波数変換部806にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部808において復調処理が行われる。復調後のデータはデコーダー部809へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部801へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部802へ渡される。移動端末の一連の処理は制御部810によって制御される。よって制御部810は、図面では省略しているが、各部(801〜809)と接続している。
【0031】
図9は、本発明に係る基地局(図7の基地局72)の構成を示すブロック図である。図9に示す基地局の送信処理を説明する。EPC通信部901は、基地局72とEPC(MME73,HeNBGW74など)間のデータの送受信を行う。他基地局通信部902は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。EPC通信部901、他基地局通信部902はそれぞれプロトコル処理部903と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部903からの制御データ、またEPC通信部901と他基地局通信部902からのユーザデータ及び制御データが送信データバッファ部904へ保存される。送信データバッファ部904に保存されたデータはエンコーダー部905へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部904から変調部906へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコードされたデータは変調部906にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部907へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ908より一つもしくは複数の移動端末71に対して送信信号が送信される。また、基地局72の受信処理は以下のとおり実行される。ひとつもしくは複数の移動端末311からの無線信号がアンテナ908により受信される。受信信号は周波数変換部907にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部909で復調処理が行われる。復調されたデータはデコーダー部910へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部903あるいはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡され、ユーザデータはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡される。基地局72の一連の処理は制御部911によって制御される。よって制御部911は図面では省略しているが各部(901〜910)と接続している。
【0032】
図10は、本発明に係るMME(Mobility Management Entity)の構成を示すブロック図である。PDN GW通信部1001はMME73とPDN GW間のデータの送受信を行う。基地局通信部1002はMME73と基地局72間をS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータはPDN GW通信部1001からユーザプレイン処理部1003経由で基地局通信部1002に渡され、1つあるいは複数の基地局72へ送信される。基地局72から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは基地局通信部1002からユーザプレイン処理部1003経由でPDN GW通信部1001に渡され、PDN GWへ送信される。
【0033】
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データはPDN GW通信部1001から制御プレイン制御部1005へ渡される。基地局72から受信したデータが制御データであった場合、制御データは基地局通信部1002から制御プレイン制御部1005へ渡される。HeNBGW通信部1004は、HeNBGW74が存在する場合に設けられ、情報種別によって、MME73とHeNBGW74間のインタフェース(IF)によるデータの送受信を行う。HeNBGW通信部1004から受信した制御データはHeNBGW通信部1004から制御プレイン制御部1005へ渡される。制御プレイン制御部1005での処理の結果は、PDN GW通信部1001経由でPDN GWへ送信される。また、制御プレイン制御部1005で処理された結果は、基地局通信部1002経由でS1インタフェースにより1つあるいは複数の基地局72へ送信され、またHeNBGW通信部1004経由で1つあるいは複数のHeNBGW74へ送信される。
【0034】
制御プレイン制御部1005には、NASセキュリティ部1005−1、SAEベアラコントロール部1005−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部1005―3などが含まれ、制御プレインに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部1005―1はNAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部1005―2はSAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部1005―3は、待受け(LTE‐IDLE状態、単にアイドルとも称される)状態のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成及び制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末71のトラッキングエリア(TA)の追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト(TA List)管理などを行う。MMEはUEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:tracking Area: TA)に属するセルへページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MMEに接続されるHome−eNB72−2のCSGの管理やCSG−IDの管理、そしてホワイトリスト管理を、アイドルステートモビリティ管理部1005―3で行っても良い。CSG−IDの管理では、CSG−IDに対応する移動端末とCSGセルの関係が管理(追加、削除、更新、検索)される。例えば、あるCSG−IDにユーザアクセス登録された一つまたは複数の移動端末と該CSG−IDに属するCSGセルの関係であっても良い。ホワイトリスト管理では、移動端末とCSG−IDの関係が管理(追加、削除、更新、検索)される。例えば、ホワイトリストには、ある移動端末がユーザ登録した一つまたは複数のCSG−IDが記憶されても良い。これらのCSGに関する管理はMME73の中の他の部分で行われても良いが、アイドルステートモビリティ管理部1005―3で行うことで、現在3GPP会合で議論されている、CSG−IDの代わりにトラッキングエリアコード(Tracking Area Code)を用いる方法が効率よく行える。MME313の一連の処理は制御部1006によって制御される。よって制御部1006は図面では省略しているが各部(1001〜1005)と接続している。
【0035】
図11は、本発明に係るHeNBGWの構成を示すブロック図である。EPC通信部1101はHeNBGW74とMME73間をS1_flexインタフェースによるデータの送受信を行う。基地局通信部1102はHeNBGW74とHome−eNB72−2間をS1インタフェースによるデータの送受信を行う。ロケーション処理部1103は、EPC通信部1101経由で渡されたMME73からのデータのうちレジストレーション情報など、複数のHome−eNBに送信する処理を行う。ロケーション処理部1103で処理されたデータは、基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。ロケーション処理部1103での処理を必要とせず通過(透過)させるだけのデータは、EPC通信部1101から基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。HeNBGW74の一連の処理は制御部1104によって制御される。よって制御部1104は図面では省略しているが各部(1101〜1103)と接続している。
【0036】
次に移動体通信システムにおける一般的なセルサーチ方法の一例を示す。図12は、LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。移動端末にてセルサーチが開始されると、ステップST1201で周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、第二同期信号(S−SS)を用いてスロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。P−SSとS−SSあわせて、同期信号(SS)にはセル毎に割り当てられたPCI(Physical Cell Identity)に1対1対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は現在504通りが検討されており、この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。次に同期がとれたセルに対して、ステップST1202で、基地局からセル毎に送信される参照信号RS(Reference Signal)を検出し受信電力の測定を行う。参照信号RSにはPCIと1対1に対応したコードが用いられており、そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ST1201で特定したPCIから該セルのRS用のコードを導出すことによって、RSを検出し、RS受信電力を測定することが可能となる。次にST1203で、ST1202までで検出されたひとつ以上のセルの中から、RSの受信品質が最も良いセル(例えば、RSの受信電力が最も高いセル)(ベストセル)を選択する。次にST1204でベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がのる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
【0037】
次に1205で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL−SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には該セルへのアクセスに関する情報や、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1にはTAC(Tracking Area Code)が含まれる。次にST1206で、移動端末は、ST1205で受信したTACと、移動端末が既に保有しているTACと比較する。比較した結果、同じならば、該セルで待ち受け動作に入る。比較して異なる場合は、移動端末は該セルを通してコアネットワーク(Core Network, EPC)(MMEなどが含まれる)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためTAの変更を要求する。コアネットワークは、TAU要求信号とともに移動端末から送られてくる該移動端末の識別番号(UE−IDなど)をもとに、TAの更新を行う。コアネットワークはTAの更新後、移動端末にTAU受領信号を送信する。移動端末は該セルのTACで、移動端末が保有するTAC(あるいはTACリスト)を書き換える(更新する)。その後移動端末は該セルで待ち受け動作に入る。
【0038】
LTEやUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)においては、CSG(Closed Subscriber Group)セルの導入が検討されている。前述したように、CSGセルに登録したひとつまたは複数の移動端末のみにアクセスが許される。CSGセルと登録されたひとつまたは複数の移動端末がひとつのCSGを構成する。このように構成されたCSGにはCSG−IDと呼ばれる固有の識別番号が付される。なお、ひとつのCSGには複数のCSGセルがあっても良い。移動端末はどれかひとつのCSGセルに登録すればそのCSGセルが属するCSGの他のCSGセルにはアクセス可能となる。また、LTEでのHome−eNBやUMTSでのHome−NBがCSGセルとして使われることがある。CSGセルに登録した移動端末は、ホワイトリストを有する。具体的にはホワイトリストはSIM/USIMに記憶される。ホワイトリストには、移動端末が登録したCSGセルのCSG情報がのる。CSG情報として具体的には、CSG−ID、TAI(Tracking Area Identity)、TACなどが考えられる。CSG−IDとTACが対応づけられていれば、どちらか一方で良い。また、CSG−IDやTACとGCI(Global Cell Identity)が対応付けられていればGCIでもよい。以上から、ホワイトリストを有しない(本発明においては、ホワイトリストが空(empty)の場合も含める)移動端末は、CSGセルにアクセスすることは不可能であり、non−CSGセルのみにしかアクセスできない。一方、ホワイトリストを有する移動端末は、登録したCSG−IDのCSGセルにも、non−CSGセルにもアクセスすることが可能となる。
3GPPでは、全PCI(Physical Cell Identity)を、CSGセル用とnon−CSGセル用とに分割(PCIスプリットと称する)することが議論されている(非特許文献5)。またPCIスプリット情報は、システム情報にて基地局から傘下の移動端末に対して報知されることが議論されている。PCIスプリットを用いた移動端末の基本動作を開示する。PCIスプリット情報を有しない移動端末は、全PCIを用いて(例えば504コード全てを用いて)セルサーチを行う必要がある。対してPCIスプリット情報を有する移動端末は、当該PCIスプリット情報を用いてセルサーチを行うことが可能である。
非特許文献6にHeNB及びHNBへのアクセスの3つの異なるモードが開示されている。オープンアクセスモード(Open access mode)とクローズドアクセスモード(Closed access mode)とハイブリッドアクセスモード(Hybrid access mode)である。各々のモードは以下のような特徴を有する。オープンアクセスモードでは、HeNBやHNBは通常のオペレータのノーマルセルとして操作される。クローズドアクセスモードでは、HeNBやHNBがCSGセルとして操作される。これはCSGメンバーのみアクセス可能なCSGセルである。ハイブリッドアクセスモードでは、非CSGメンバーも同時にアクセス許可されているCSGセルである。
【0039】
ハイブリッドアクセスモードの実用例を以下に示す。ショッピングモール内でのカバレッジを改善するためHeNB(HNBでも良い)が配置されたと考える。当該HeNBをハイブリッドアクセスモードで運用した場合を考える。ショッピングモールの所有者、従業員は当該HeNBに登録することにより、当該HeNB経由でサービスを受ける場合、課金優遇が受けられるとする。この使用方法はクローズドアクセスモードの使用方法である。一方、当該HeNBに未登録であるお客も、当該HeNB経由でサービスを受けることができる。この使用方法はオープンアクセスモードの使用方法である。上記のようにハイブリッドアクセスモードとは、登録済みのユーザにはクローズドアクセスモードとして動作し、未登録のユーザにはオープンアクセスモードとして同時に動作するモードである。よってハイブリッドアクセスモードは、オープンアクセスモード及びクローズドアクセスモードと性質を異にする。
【0040】
また、クローズドアクセスモードのサービスの具体例を示す。登録した移動端末のみにセルへのアクセスを許可することで、該移動端末が使用できる無線リソースを増大させて高速に通信を行えるようにする。その分、オペレータは課金料を通常よりも高く設定する。といったサービスである。それに対して、ハイブリッドアクセスモードのセルは、クローズドアクセスモードとオープンアクセスモードの両方を同時にサービスする。この場合、登録した移動端末のみがアクセス許可されるわけではない。オープンアクセスモードの移動端末も該セルの無線リソースを使用する。従って、ハイブリッドアクセスモードのセルにおけるクローズドアクセスモードの通信速度は、クローズドアクセスモードセルの通信速度以下となる。オペレータはこの分、課金料を安くする。このようなサービスの使い分けが検討されている。従って、移動端末は、セルサーチ、セル選択したセルから、クローズドアクセスモードセルを選択するのか、ハイブリッドアクセスモードセルを選択するのか判断できるようにすることが必要となる。このため、3GPPにおいては、セルのアクセスモードが、Hybridかclosedかを示すインジケータ(Hybrid access indicator)を報知情報にのせて傘下の移動端末に報知することが提案されている(非特許文献8)。非特許文献7では、PCIスプリットに関するシグナリングについて記載されている。しかし、HeNBおよびHNBのハイブリッドアクセスモードに関する記載はない。
【0041】
非特許文献7では、PCIスプリット情報のシグナリング方法について記載がされている。非特許文献7で示されているシグナリング方法においては、開始コードや列挙値にてコード値を通知する必要がある。全PCIにて例えば504コードが存在する場合、504通りのコードを示すために9ビットが必要となる。本実施の形態では、非特許文献7とは別の方法でPCIスプリット情報を基地局から移動端末へ通知する方法を開示する。本実施の形態では、PCIコードを「割る数」と「余りの数」によりPCIスプリット情報を示す。具体例としては、(PCIコード数)MOD X=Yとする。このXとYの値によりPCIスプリット情報を示す。例えばXを2とし、Y=0をCSGセル用、Y=1をnon−CSGセル用とすればよい。基地局から移動端末へ無線リソースを用いて通知するPCIスプリット情報は、X値とCSGセル用のY値、non−CSGセル用のY値となり、コード値を通知する非特許文献7の方法と比較して情報量が減り、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。また例えばY=0をnon−CSGセル用に割り当てると静的あるいは準静的に決定しておけば、基地局から移動端末へはX値とCSGセル用のY値のみで良い。これによりさらなる、情報量の削減が可能となり、無線リソースの有効活用が図れる。また、X値を変更することによりCSGセル用のPCI範囲とnon−CSGセル用のPCI範囲の比率を容易に変更可能となる利点がある。例えばXを3とし、Y=0、1をCSGセル用、Y=2をnon−CSGセル用とすればよい。これによりCSGセル用のPCI範囲がnon−CSGセル用のPCI範囲と比較して2倍の範囲とできる。
【0042】
実施の形態2.
本実施の形態の課題を以下に示す。HeNB(HNBでも良い)がハイブリッドアクセスモードで運用されている場合、CSGセルとは言え非CSGメンバーも同時にアクセス許可されているセルである。よってハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBに従来のPCIスプリットにてnon−CSGセル用のPCI範囲に含まれるPCIを割り当てると考える。この場合、ホワイトリストを有する移動端末(いずれかのCSGセルへ登録している移動端末)がPCIスプリット情報を受信後、セルサーチ動作にてnon−CSGセル用のPCI範囲に含まれるPCIが割り当てられているハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBを対象から外してしまうという問題が発生する。ハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBに登録しているにも関わらず、サーチ対象から外してしまう移動端末が存在する。これは、登録を行っている移動端末が当該CSGセルで通信を行う場合、課金優遇が受けることができる移動体通信システムの場合、ハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBに登録している移動端末が当該HeNBのカバレッジ内にも関わらず、当該HeNBをサーチ対象から外してしまい、課金優遇が受けられないというユーザにとって不利益となる課題が発生する。逆に、上記にてハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBをサーチ対象から外さないとすれば、ホワイトリストを有する移動端末がPCIスプリット情報を受信後であっても全セルを対象にセルサーチ動作を行うことになり、CSGセルを選択(あるいは、セル再選択)するまでの時間が長くなるという問題が発生する。これによりシステムの制御遅延、移動端末の消費電力の増大という課題が発生する。
【0043】
本実施の形態では、以下の方法で上記課題を解決する。移動体通信システムとしてハイブリッドアクセスモードで運用されているHeNBに対してCSGセル用のPCIを割り当てる。従来技術のように、従来のPCIスプリットでのCSGセル用のPCI範囲に属するPCIをCSGセルにのみ割当てるのではなく、本実施の形態ではCSGセル及びハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBに割当てる。概念について図13を用いて説明する。図13に現在の3GPPの議論におけるPCIスプリットの概念図を示す。範囲Aは全PCIを示している。例えば504通り(504コード)である。例えばCSGセル用のPCI範囲を範囲Bとする。例えばnon−CSGセル用のPCI範囲を範囲Cとする。本実施の形態では、例えば範囲Bに属するPCIをCSGセルとハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBに割り当てる。また範囲Cに属するPCIをnon−CSGセルに割り当てる。図13に示す概念を言い換えれば、セル識別情報(PCI)は、CSGセル(特定加入者用セル)に割り当てる範囲Bに含まれるPCI(第一分類)と、non−CSGセル(不特定利用者用セル)に割り当てる範囲Cに含まれるPCI(第二分類)の2つの類型に分類されている。本実施の形態においては、ハイブリッドアクセスモードで動作しているセルには、範囲Bに含まれるPCIが割り当てられる。
【0044】
次に図15を用いて、本実施の形態における移動端末としての動作の一例を説明する。ステップST6101にて移動端末は、本実施の形態で開示したPCIスプリット情報を基地局(マクロセル、HeNB、HNB、CSGセル、non−CSGセルなど)から受信し、PCIスプリット情報を有しているか否かを判断する。有していない場合、ステップST6102へ移行する。有している場合、ステップST6104へ移行する。ステップST6102にて移動端末は、全PCI範囲にてセルサーチを行う。ステップST6103にて移動端末はセル選択が行われたか否かを判断する。行われていた場合、処理を終了する。行われていない場合、ステップST6101へ戻る。
【0045】
ステップST6103で行われるセル選択の詳細動作例について図14を用いて説明する。ステップST1501にて移動端末は、リファレンスシグナル(Reference signal:RS)の受信品質が最も良いセル(例えば、RSの受信電力が最も高いセル)をベストセルとして選択する。ステップST1801にて移動端末は、当該ベストセルがCSGセルであるか、non−CSGセルであるかハイブリッドアクセスモードで運用されているHeNBであるかを判断する。この判断には基地局から報知されるシステム情報にマッピングされるCSGインジケータ(非特許文献9)を用いることができる。また、基地局から報知されるシステム情報にマッピングされるハイブリッドアクセスインジケータ(非特許文献8)を用いることができる。non−CSGセルであった場合、ステップST1503へ移行する。CSGセルであった場合、ステップST1508へ移行する。ハイブリッドアクセスモードで運用されているHeNBであった場合、ステップST1802へ移行する。ステップST1503にて移動端末は、現在のセルサーチにてCSGセルを優先してセル選択するか否かを判断する。CSGセルを優先してセル選択を行わない場合、ステップST1504へ移行する。CSGセルを優先してセル選択を行う場合、ステップST1505へ移行する。ステップST1504にて移動端末は、当該セルを選択する。その後処理を終了する。ステップST1505にて移動端末は、当該セルをセルサーチの対象から外し、ステップST1506へ移行する。ステップST1506にて移動端末は、サーチを続けるか否かを判断する。続けるか否かの具体的な判断例は、他にセルサーチの対象となるセルが存在する場合はサーチを続けると判断し、他にセルサーチの対象となるセルが存在しない場合はサーチを続けないと判断する。またセルサーチ開始からセル選択を完了させるまでの許容時間内であればサーチを続けると判断し、許容時間が満了すれば、あるいは満了していればサーチを続けないと判断する。サーチを続ける場合、ステップST1507へ移行する。サーチを続けない場合、処理を終了する。ステップST1507にて移動端末は、本実施の形態で開示したPCIスプリット情報を基地局(マクロセル、HeNB、HNB、CSGセル、non−CSGセルなど)から受信し、PCIスプリット情報を有しているか否かを判断する。有していない場合、ステップST1501へ戻る。有している場合、図15のステップST6104へ移行する。
【0046】
ステップST1508にて移動端末は、ホワイトリスト内にCSG−IDを有しているか否かを判断する。言い換えれば、いずれかのCSGセルへ登録しているか否かを判断する。CSG−IDを有している場合、あるいはCSGセルへ登録している場合、ステップST1509へ移行する。CSG−IDを有していない場合、あるいはCSGセルへ登録していない場合、ステップST1510へ移行する。ステップST1509にて移動端末は、当該セルのCSG−IDをホワイトリスト内に有しているか否かを判断する。言い換えれば、当該セルのCSG−IDへ登録しているか否かを判断する。当該CSG−IDを有している場合、あるいは当該CSG−IDへ登録している場合、ステップST1504へ移行する。当該CSG−IDを有していない場合、あるいは当該CSG−IDへ登録していない場合は、ステップST1510へ移行する。ステップST1510にて移動端末は、当該セルをセルサーチの対象から外し、ステップST1511へ移行する。ステップST1511にて移動端末は、サーチを続けるか否かを判断する。続けるか否かの具体的な判断例は、他にセルサーチの対象となるセルが存在する場合はサーチを続けると判断し、他にセルサーチの対象となるセルが存在しない場合はサーチを続けないと判断する。またセルサーチ開始からセル選択を完了させるまでの許容時間内であればサーチを続けると判断し、許容時間が満了すれば、あるいは満了していればサーチを続けないと判断する。サーチを続ける場合、ステップST1512へ移行する。サーチを続けない場合、処理を終了する。ステップST1512にて移動端末は、本実施の形態で開示したPCIスプリット情報を基地局(マクロセル、HeNB、HNB、CSGセル、non−CSGセルなど)から受信し、PCIスプリット情報を有しているか否かを判断する。有していない場合、ステップST1501へ戻る。有している場合、図15のステップST6104へ移行する。ステップST1802にて移動端末は、ホワイトリスト内にCSG−IDを有しているか否かを判断する。言い換えれば、いずれかのCSGセルへ登録しているか否かを判断する。CSG−IDを有している場合、あるいはCSGセルへ登録している場合、ステップST1803へ移行する。CSG−IDを有していない場合、あるいはCSGセルへ登録していない場合、ステップST1504へ移行する。ステップST1803にて移動端末は、CSGセルを優先してセル選択するか否かを判断する。CSGセルを優先してセル選択を行わない場合、ステップST1504へ移行する。CSGセルを優先してセル選択を行う場合、ステップST1509へ移行する。
【0047】
ステップST6104にて移動端末は、ホワイトリスト内にCSG−IDを有しているか否かを判断する。言い換えれば、いずれかのCSGセルへ登録しているか否かを判断する。CSG−IDを有している場合、あるいはCSGセルへ登録している場合、ステップST6105へ移行する。CSG−IDを有していない場合、あるいはCSGセルへ登録していない場合、ステップST6109へ移行する。ステップST6105にて移動端末は、本実施の形態で開示したPCIスプリット情報にてCSGセル用のPCI範囲に属するPCIにてセルサーチを行い、ステップST6106へ移行する。ステップST6106にて移動端末は、セル選択が行われたか否かを判断する。行われていた場合、処理を終了する。行われていない場合、ステップST6107へ移行する。ステップST6106で行われるセル選択の詳細動作例について図14を用いて説明する。ステップST6106ではステップ6103と異なり、PCIスプリット情報を有し、CSGセル用のPCI範囲に属するPCIにてセルサーチを行い、かつホワイトリストを有する移動端末のセル選択動作である。よって図14にてステップ1501の処理後、ステップST1801にてCSGセル、あるいはハイブリッドアクセスモードで運用されているHeNBであると判断される。CSGセルと判断された場合、ステップST1508へ進み、ステップST1508でYESと判断され、ステップST1509で判断され、ステップST1504、あるいはステップST1510の処理へ進む。ステップST1510の処理後、ステップST1511で判断され、ステップST1512、あるいは処理を終了する。ステップST1512ではYESと判断される。ハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBであると判断された場合、ステップST1802でYESと判断され、ステップST1803にてYESと判断され、ステップST1509へ移行する。
【0048】
ステップST6107にて移動端末は、周辺に登録しているCSGセルが存在しない、またハイブリッドアクセスモードで運用されているHeNBが存在しないと判断しnon−CSGセルを選択すべく、本実施の形態で開示したPCIスプリット情報にてnon−CSGセル用のPCI範囲に属するPCIにてセルサーチを行い、ステップST6108へ移行する。ステップST6108にて移動端末は、セル選択が行われたか否かを判断する。行われていた場合、処理を終了する。行われていない場合、ステップST6105へ戻る。ステップST6108で行われるセル選択の詳細動作例について図14を用いて説明する。ステップST6108ではステップ6103と異なり、PCIスプリット情報を有し、non−CSGセル用のPCI範囲に属するPCIにてセルサーチを行い、かつ現在のセルサーチにてCSGセルを優先していない移動端末のセル選択動作である。よって図14にてステップ1501の処理後、ステップST1801でnon−CSGセルと判断され、ステップST1503でNOと判断され、ステップST1504の処理を行う。図15のステップST6109にて移動端末は、全PCI範囲にてセルサーチを行う。ステップST6110にて移動端末は、リファレンスシグナル(Reference signal:RS)の受信品質が最も良いセル(例えば、RSの受信電力が最も高いセル)をベストセルとして選択する。ステップST6111にて移動端末は、当該ベストセルがnon−CSGセル、あるいはハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBであるかを判断する。この判断には基地局から報知されるシステム情報にマッピングされるCSGインジケータを用いることができる。また、基地局から報知されるシステム情報にマッピングされるハイブリッドアクセスインジケータを用いることができる。non−CSGセル、あるいはハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBであった場合、ステップST6113へ移行する。non−CSGセル、あるいはハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBで出なかった場合、言い換えればCSGセルであった場合、ステップST6112へ移行する。ステップST6112にて移動端末は、当該セルをセルサーチの対象から外し、ステップST6109へ移行する。ステップST6113にて移動端末は、当該セルを選択する。その後処理を終了する。
【0049】
本実施の形態により、以下の効果を得ることが出来る。ホワイトリストを有する移動端末がCSGセル用のPCI範囲に属するPCIを用いてサーチを行えば、CSGセルとハイブリッドアクセスモードで運用されているHeNBをサーチ対象とすることが可能となる。つまりnon−CSGセル用のPCI範囲に属するPCIを用いてサーチすることなく、ハイブリッドアクセスモードで運用されているHeNBをサーチ対象とすることが可能となる。従来の技術では、ホワイトリストを有する移動端末がハイブリッドアクセスモードで運用されているHeNBをサーチ対象とするためには、全PCI範囲をサーチ対象とする必要があった。例えば、登録を行っている移動端末が当該CSGセルで通信を行う場合、課金優遇が受けられるという移動体通信システムにおいて、移動端末がCSGセルあるいはハイブリッドアクセスモードで運用されているHeNBを優先的にセル選択したい場合、本実施の形態ではPCIの検出の段階(図12のステップST1201)でnon−CSGセルを除いてセルサーチ動作を行うことが出来る。一方従来の技術では、システム情報であるSIB1を受信しなければnon−CSGセルかCSGセルか不明である。また、システム情報であるSIB1を受信しなければハイブリッドアクセスモードで運用されているか否かは不明である。よってシステム情報(SIB1)を受信するまで(図12のステップST1205)、non−CSGセルなどをサーチ対象から外してセルサーチを行うこと、ハイブリッドモードで運用されているHeNBをセル選択することは不可能となる。このように本実施の形態を用いることにより、サーチ動作を高速に運用できるという効果を得ることが出来る。このことは移動体通信システムの制御遅延を防止するという効果を得ることが出来る。また、移動端末の消費電力の低減という効果を得ることが出来る。また、これにより、ハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBの導入によってPCIスプリット方法に変更不要とすることができる。これにより移動体通信システムの複雑性を回避するという効果を得ることが出来る。
【0050】
実施の形態2 変形例1.
上記の解決策において、従来の技術に対してホワイトリストを有する移動端末のセルサーチ動作の高速化を実現したが、ホワイトリストを有さない移動端末のセルサーチ動作の高速化は実現できていない。具体的には、ホワイトリストを持たない移動端末(CSGセルへ登録していない移動端末)がPCIスプリット情報を受信後、セルサーチ動作にてCSGセル用のPCI範囲に含まれるPCIが割り当てられるハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBを対象セルから外してしまうという問題が発生する。ハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBは非CSGメンバーであってもアクセス許可されるモードであるにも関わらず、サーチ対象から外れてしまう。よってハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBのカバレッジ内に存在するホワイトリストを持たない移動端末が、当該HeNBをセル選択しないという問題が発生する。これは、通信可能なロケーションにおいて、PCI割当の不都合により通信不可能となることを意味する。逆に、上記にてハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBをサーチ対象から外さないとすれば、ホワイトリストを持たない移動端末がPCIスプリット情報を受信後であっても全セルを対象にセルサーチ動作を行うことになり、システムの制御遅延、移動端末の消費電力の増大という課題が発生する。多数のCSGセルからの電波が届く位置にいるホワイトリストを有さない移動端末の場合、多くのアクセス不可能なCSGセル(つまりユーザアクセス登録していないCSGセル)を延々とサーチやセル選択を繰り返す状況が生じる。このような場合、システムに制御遅延や無線リソースの使用効率及びシグナリング効率の低下を引き起こす。また、セルサーチを繰り返す移動端末の消費電力が大きくなるという問題が生じる。これらの問題は前述したような将来のCSGセルの配置状況を想定すると重要な問題となる。
【0051】
本変形例では上記課題を解決する方法を開示する。基地局から傘下の移動端末に対して周辺セルにてハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBが存在するか否か(以降、「周辺ハイブリッド状況」と称する)を通知する。基地局は、自セルの周辺、あるいはメジャメント対象セル中にハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBが存在するか否かを傘下の移動端末に対して通知する。具体的には、1ビットのインジケータを設けて、存在する場合は“1”、存在しない場合は“0”を設定する(もちろん逆でも良い)ようにしておいても良い。
【0052】
周辺ハイブリッド状況の通知方法の具体例を以下に示す。ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、物理チャネルである物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされて移動端末に通知される。マスタ情報にマッピングされ、マスタ情報ブロック(MIB)にマッピングされ、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、物理チャネルである物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされて移動端末に通知される。周辺ハイブリッド状況をMIBにマッピングした場合、以下の効果を得ることが出来る。例えばLTE方式の通信システムにおいては、セルサーチから待ちうけの動作に必要最小限受信する報知情報として、MIBまたはSIB1がある。よって、セルサーチから待ちうけの動作に必要最小限受信する報知情報に周辺ハイブリッド状況を入れることによって、移動端末は他の報知情報ブロックを得る必要がなく短時間に低消費電力で周辺ハイブリッド状況を得ることが可能となる。
【0053】
周辺ハイブリッド状況は、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされて移動端末に通知される。システム情報にマッピングされ、システム情報ブロック(SIB)にマッピングされ、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされて移動端末に通知される。周辺ハイブリッド状況をシステム情報のうちSIB1にマッピングした場合、以下の効果を得ることが出来る。例えばLTE方式の通信システムにおいては、セルサーチから待ちうけの動作に必要最小限受信する報知情報として、MIBまたはSIB1がある。よって、セルサーチから待ちうけの動作に必要最小限受信する報知情報に周辺ハイブリッド状況を入れることによって、移動端末は他の報知情報ブロックを得る必要がなく短時間に低消費電力で周辺ハイブリッド状況を得ることが可能となる。また、現在の3GPP以下のことが議論されている。そのセルがCSGセルであるということを示す、CSGインジケータはSIB1にマッピングされる方向である。ハイブリッドアクセスモードを区別するためのハイブリッドアクセスインジケータはSIB1にマッピングされる方向である。また、SIB1にはセル再選択共通情報(cell Reselection InfoCommon)がマッピングされる方向である。このような状況下において、移動端末がハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBを探すべくセルサーチ動作を行うか、行わないかを決定する際に用いる情報である周辺ハイブリッド状況をSIB1にマッピングすることは、移動端末のセルサーチという処理にて用いるパラメータを、移動端末が同じシステム情報の受信にて得ることが可能となり、移動端末の動作の複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。
【0054】
周辺ハイブリッド状況をシステム情報のうちSIB4にマッピングした場合、以下の効果を得ることが出来る。現在の3GPPでは、SIB4には同周波数間周辺セルリスト(intra Freq Neighbouring Cell List)がマッピングされる方向である。このような状況下において、移動端末が周辺セルの状況を得るという処理にて用いるパラメータを、移動端末が同じシステム情報の受信にて得ることが可能となり、移動端末の動作の複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。また、ハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBは、同周波数間周辺セルリスト中に含まれるとしても良い。また、同周波数間周辺セルリストのセル毎にハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBであるか否かを示すインジケータを持っても良い。周辺ハイブリッド状況をシステム情報のうちSIB9にマッピングした場合、以下の効果を得ることが出来る。現在の3GPPでは、SIB9にはHeNBの識別子(a home eNB identifier (HNBID))がマッピングされる方向である。このような状況下において、移動端末がHeNBに関する情報を得るという処理にて用いるパラメータを、移動端末が同じシステム情報の受信にて得ることが可能となり、移動端末の動作の複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。また、周辺ハイブリッド状況をシステム情報のうちSIB4やSIB9にマッピングした場合、比較的短い周期で繰返し送信されるSIB1にマッピングするよりも、送信される情報量、シグナリング量を低減できる。このため、システムとしてのシグナリング負荷を増大させることなく、移動端末が該システム情報を得ることが可能となるという効果が得られる。
【0055】
あるいは周辺ハイブリッド状況は、共通の認識の物理リソースに関するパラメータは、ロジカルチャネルである共有制御チャネル(CCCH)、あるいは個別制御チャネル(DCCH)、あるいはマルチキャスト制御チャネル(MCCH)、あるいはマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされて移動端末に通知される。
【0056】
次に図16を用いて、本変形例における移動端末としての動作の一例を説明する。図16は、図15と類似する部分を有する。よって同じステップ番号の箇所の説明は省略する。ステップST6201にて移動端末は、周辺セル(あるいはあるいはメジャメント対象セル中)にハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBが存在するか否かを判断する。この判断には基地局から報知される情報にマッピングされる、本変形例で開示する「周辺ハイブリッド状況」を用いることができる。周辺セルにハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBが存在する場合、ステップST6109へ移行する。存在しない場合、ステップST6202へ移行する。ステップST6202にて移動端末は、本実施の形態で開示したPCIスプリット情報にてnon−CSGセル用のPCI範囲に属するPCIにてセルサーチを行い、ステップST6203へ移行する。ステップST6203にて移動端末は、セル選択が行われたか否かを判断する。行われていた場合、処理を終了する。行われていない場合、ステップST6202へ戻る。ステップST6203で行われるセル選択の詳細動作例について図14を用いて説明する。ステップST6203ではステップST6103と異なり、PCIスプリット情報を有し、non−CSGセル用のPCI範囲に属するPCIにてセルサーチを行い、ホワイトリストを有さず、かつ現在のセルサーチにてCSGセルを優先していない移動端末のセル選択動作である。よって図14ステップST1501の処理後、ステップST1801にてnon−CSGセルと判断されステップST1503へ進む、ステップST1503でNOと判断され、ステップST1504へ進む。
【0057】
本変形例により、実施の形態2の効果に加えて以下の効果を得ることが出来る。ホワイトリストを有さない移動端末のセルサーチの高速化を実現可能となる。ホワイトリストを有さない移動端末がハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBが存在しない環境にてCSGセル用のPCI範囲に属するPCIを用いてサーチする必要がなくなる。このことは、サーチ動作を高速に運用できるという効果を得ることが出来る。このことは移動体通信システムの制御遅延を防止するという効果を得ることが出来る。また、移動端末の消費電力の低減という効果を得ることが出来る。将来のCSGセルの配置状況を想定すると重要な効果となる。
【0058】
実施の形態3.
実施の形態2の変形例1にて、基地局から傘下の移動端末に対して周辺ハイブリッド状況を通知することを開示した。周辺ハイブリッド状況の通知の具体例として、周辺セルにハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在するか否かを通知することを開示した。また別の具体例として、自セルの周辺、あるいはメジャメント対象セル中にハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在するか否かを傘下の移動端末に対して通知することを開示した。
【0059】
本実施の形態3では、周辺ハイブリッド状況の通知の更なる具体例を以下に7つ開示する。
【0060】
(1)周辺(周辺セル、あるいはメジャメント対象セルの中。以降同様とする。)にハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在する旨を通知する。メジャメント対象セルとは、例えば、ネットワーク側から移動端末へ、移動端末がメジェメントすることを要求されるセルを意味する。
【0061】
(2)周辺にハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在しない旨を通知する。
【0062】
(3)周辺に存在する、ハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBのPCIを通知する。例えば周辺ハイブリッド状況を同周波数間周辺セルリスト(NCL:Neighboring Cell List)、あるいは異周波数間周辺セルリスト、あるいは異システム間周辺セルリストを用いて通知する場合を考える。上記各周辺セルリストにより周辺ハイブリッド状況を通知することで、移動端末が周辺セルの情報をともに受信することが可能となり、移動端末の動作の複雑性回避、制御遅延防止、処理負荷軽減という効果を得ることができる。周辺に存在する、ハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBのPCIを周辺セルリストを用いて通知する方法の具体例を以下2つ開示する。
【0063】
(3−1)現行の周辺セルリストにて周辺ハイブリッド状況を通知する。周辺セルのPCIと共にハイブリッドアクセスモードで動作するセルであることを区別可能とする情報を付加しても良い。区別可能とする情報の具体例を以下4つ開示する。
【0064】
(3−1−1)アクセスモードの別を示す。例えば、クローズドアクセスモード、オープンアクセスモード、ハイブリッドアクセスモードを示す。
【0065】
(3−1−2)ハイブリッドアクセスモードであるか否かを示す。
【0066】
(3−1−3)ハイブリッドアクセスモードである旨を示す。
【0067】
(3−1−4)ハイブリッドアクセスモードでない旨を示す。
【0068】
(3−2)現行の周辺セルリストと分離することで、ハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBのPCIを通知する。周辺セルのアクセスモードにより周辺セルリストを分離しても良い。移動端末は、アクセスモード毎に分離された周辺セルリストにより、該周辺セルリストに含まれるPCIを伴う各セルは、各々のアクセスモードで動作していることが認識可能となる。また、ハイブリッドアクセスモードで動作するセル用の周辺セルリストを設けてもよい。移動端末は、該ハイブリッドアクセスモードで動作するセル用の周辺セルリストに含まれるPCIを伴うセルは、ハイブリッドアクセスモードで動作していることが認識可能となる。
【0069】
(4)ハイブリッドセル(ハイブリッドアクセスモードで動作するセル)に割当てられるPCIの範囲を通知する。周辺にハイブリッドアクセスモードで動作するセルが存在する場合のみ通知するとしても良い。
【0070】
3GPPでは、マクロセルに利用可能なPCIs/PCSsのセットからハイブリッドセルのためにPCIs/PSCsの部分集合を予約して、その情報を移動端末に報知することが提案されている(非特許文献10)。つまり、non−CSG用のPCI中にハイブリッドセルが利用するPCI範囲(以降、ハイブリッドセル用のPCI範囲と称する)を予約することが提案されている。一方、ハイブリッドセル用のPCI範囲の移動端末への通知方法についての詳細は開示されていない。
【0071】
周辺セルにハイブリッドアクセスモードで動作するセルが存在する場合のみ、ハイブリッドセルに割当てられるPCIの範囲をサービングセルより通知することで以下の効果を得ることが出来る。ハイブリッドセルに割当てられるPCIの範囲を通知することによって、実施の形態2の変形例1で示した周辺セルにハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在するか否か、あるいは本実施の形態における周辺ハイブリッド状況の更なる具体例(1)である「周辺にハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在する旨」、あるいは本実施の形態における周辺ハイブリッド状況の更なる具体例(2)である「周辺にハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在しない旨」を通知することなく、同様の情報を通知することが可能となる。これにより、無線リソースの有効活用、通知の情報が増加することによる移動体通信システムの複雑性の回避という効果を得ることができる。
【0072】
(5)周辺に存在するハイブリッドセルに割当てられるPCIの範囲を通知する。これにより、本実施の形態における周辺ハイブリッド状況の更なる具体例(4)と比較して、ハイブリッドアクセスモードで動作しているHeNBの検出のために移動端末がセルサーチのために用いるPCIの数を削減することが可能となる。これにより、移動端末の処理負荷軽減という効果を得ることが出来る。
【0073】
本実施の形態において、周辺ハイブリッド状況の通知方法は、実施の形態2の変形例1と同様であるので、説明を省略する。
【0074】
(6)現在のキャリア周波数(サービング周波数とも称される)にハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在する旨、あるいはハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在しない旨、あるいはハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在するか否かを通知する。該情報は、周辺セルの状況によらないため、移動体通信システムの複雑性の回避という効果を得ることができる。
【0075】
(7)現在の移動体通信システムにハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在する旨、あるいはハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在しない旨、あるいはハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在するか否かを通知する。該情報は、周辺セルの状況、キャリア周波数によらないため、移動体通信システムの複雑性の回避という効果を得ることができる。ハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在するか否かによりリリースを分断し、リリースバージョンの通知を現在の移動体通信システムにハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在する旨、あるいはハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在しない旨、あるいはハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在するか否かの情報を併せ持つとすればよい。これにより、無線リソースの有効活用、通知の情報が増加することによる移動体通信システムの複雑性の回避という効果を得ることができる。
【0076】
本実施の形態における移動端末としての動作の一例を説明する。本実施の形態における周辺ハイブリッド状況の更なる具体例(1)、(2)を適用した場合の移動端末としての動作の一例は、実施の形態2の変形例1と同様(図16)であるので説明を省略する。本実施の形態における周辺ハイブリッド状況の更なる具体例(3)を適用した場合の移動端末としての動作の一例を、図17を用いて説明する。図15、図16と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。
【0077】
ステップST1701にて移動端末は、周辺セル(あるいはメジャメント対象セル)の中にハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在するか否かを判断する。この判断には基地局から通知される「周辺ハイブリッド状況」である、周辺に存在するハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBのPCIを用いることができる。周辺に存在するハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBのPCIの通知があれば、周辺セルにハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在すると判断し、ステップST1702へ移行する。周辺に存在するハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBのPCIの通知がなければ、周辺セルにハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在しないと判断し、ステップST6202へ移行する。
【0078】
ステップST1702にて移動端末は、基地局から通知される「周辺ハイブリッド状況」である、周辺に存在するハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBのPCIにてセルサーチを行う。ステップST1703にて移動端末は、PCIスプリット情報にてnon−CSGセル用のPCI範囲に属するPCIにてセルサーチを行う。
【0079】
本実施の形態における周辺ハイブリッド状況の更なる具体例(4)を適用した場合の移動端末としての動作の一例、図17を用いて説明する。図15、図16と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。
【0080】
ステップST1701にて移動端末は、周辺セル(あるいはメジャメント対象セル)の中にハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在するか否かを判断する。この判断には基地局から通知される「周辺ハイブリッド状況」である、周辺セルにハイブリッドアクセスモードが存在する場合のみ通知される、ハイブリッドセルに割当てられるPCIの範囲を用いることができる。ハイブリッドセルに割当てられるPCIの範囲の通知があれば、周辺セルにハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在すると判断し、ステップST1702へ移行する。ハイブリッドセルに割当てられるPCIの範囲の通知がなければ、周辺セルにハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在しないと判断し、ステップST6202へ移行する。
【0081】
ステップST1702にて移動端末は、基地局から通知される「周辺ハイブリッド状況」である、ハイブリッドセルに割当てられるPCIの範囲に含まれるPCIにてセルサーチを行う。ステップST1703にて移動端末は、PCIスプリット情報にてnon−CSGセル用のPCI範囲に属するPCIにてセルサーチを行う。
【0082】
本実施の形態における周辺ハイブリッド状況の更なる具体例(5)を適用した場合の移動端末としての動作の一例、図17を用いて説明する。図15、図16と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。
【0083】
ステップST1701にて移動端末は、周辺セル(あるいはメジャメント対象セル中)にハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在するか否かを判断する。この判断には基地局から通知される「周辺ハイブリッド状況」である、周辺に存在するハイブリッドセルに割当てられるPCIの範囲を用いることができる。周辺に存在するハイブリッドセルに割当てられるPCIの範囲の通知があれば、周辺セルにハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在すると判断し、ステップST1702へ移行する。周辺に存在するハイブリッドセルに割当てられるPCIの範囲の通知がなければ、周辺セルにハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在しないと判断し、ステップST6202へ移行する。
【0084】
ステップST1702にて移動端末は、基地局から通知される「周辺ハイブリッド状況」である、周辺に存在するハイブリッドセルに割当てられるPCIの範囲に含まれるPCIにてセルサーチを行う。ステップST1703にて移動端末は、PCIスプリット情報にてnon−CSGセル用のPCI範囲に属するPCIにてセルサーチを行う。
【0085】
本実施の形態3により、実施の形態2の変形例1同様、実施の形態2の効果に加えて以下の効果を得ることが出来る。ホワイトリストを有さない移動端末のセルサーチの高速化を実現可能となる。ホワイトリストを有さない移動端末がハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBが存在しない環境にて、CSGセル用のPCI範囲に属するPCIを用いてサーチする必要がなくなる。このことは、サーチ動作を高速に実行できるという効果を得ることが出来る。このことは移動体通信システムの制御遅延を防止するという効果を得ることが出来る。また、移動端末の消費電力の低減という効果を得ることが出来る。将来のCSGセルの配置状況を想定すると重要な効果となる。
【0086】
さらに、本実施の形態における周辺ハイブリッド状況の更なる具体例(3)(4)(5)を適用した場合の移動端末としての動作として、実施の形態2の変形例1、本実施の形態における周辺ハイブリッド状況の更なる具体例(1)、あるいは(2)を適用した場合と比較して以下の効果を得ることができる。CSG未登録の移動端末が、オープンアクセスモード対応のセルである、マクロセルおよびハイブリッドセルを検出するためのセルサーチにおいて処理を簡素化することができる。CSG未登録の移動端末が、オープンアクセスモード対応のセルを検出するために、non−CSGセル用のPCI範囲に属するPCIとハイブリッドセル用のPCI範囲に属するPCIにてセルサーチを行うことが可能となる。あるいは、CSG未登録の移動端末が、オープンアクセスモード対応のセルを検出するために、non−CSGセル用のPCI範囲に属するPCIと周辺に存在するハイブリッドセル用のPCIにてセルサーチを行うことが可能となる。つまり、CSG未登録の移動端末が、オープンアクセスモード対応のセルを検出するために、全PCIを用いてセルサーチを行うことなく、マクロセル、及びハイブリッドセルに用いることのないCSGセル用のPCIでのセルサーチ動作を削減することが可能となる。これにより、さらなるサーチ動作を高速に実行できるという効果を得ることが出来る。このことは、さらなる移動体通信システムの制御遅延を防止するという効果を得ることが出来る。また、さらなる移動端末の消費電力の低減という効果を得ることが出来る。
【0087】
実施の形態4.
実施の形態4にて解決する課題について説明する。HeNB及びHNBは、複数の動作モードが存在することが考えられる。本動作モードはHeNB、HNB設置後に変更される可能性がある。例えば、実施の形態2の変形例1、実施の形態3を適用した場合であっても、同様に、周辺のHeNBのアクセスモードが変更される可能性がある。例えばクローズドアクセスモードで動作している周辺のHeNBの動作モードがハイブリッドアクセスモードに変更された場合、該サービングセルが傘下の移動端末へ通知する「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要が発生する。
【0088】
本実施の形態4では、「周辺ハイブリッド状況」の変更方法について開示する。ネットワーク経由で動作モードを設定する場合における「周辺ハイブリッド状況」の変更方法について開示する。
【0089】
例えば、オペレータがネットワーク経由で、HeNB/HNBの動作モードを設定する。オペレータは、ネットワーク経由でHeNB/HNBの動作モード設定の変更を指示する。ネットワーク側は、該HeNB/HNBへ動作モードの設定の変更を通知する。ネットワーク側の具体例としては、EPC(Evolved Packet Core)、MME、S−GW、HeNBGWなどがある。また、他の具体例として、O&M(Operating & Management)用のシステム、ノード、エンティティ、ファンクション、エレメントなどであっても良い。該変更の通知には、S1インタフェース、あるいはブロードバンド回線を用いても良い。また、O&M用のインタフェースであっても良い。該動作モードの設定の変更の通知には、変更後の動作モード、あるいは変更前と変更後の動作モードなどが含まれても良い。
【0090】
ネットワーク側は、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルに対して、変更した「周辺ハイブリッド状況」を通知する。該「周辺ハイブリッド状況」の通知には、S1インタフェース、あるいはブロードバンド回線を用いても良い。
【0091】
あるいは、ネットワーク側は、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルに対して、変更依頼を通知しても良い。「周辺ハイブリッド状況」の変更依頼を受信したセルは、「周辺ハイブリッド状況」の変更を実行する。該変更依頼の通知には、S1インタフェース、あるいはブロードバンド回線を用いても良い。「周辺ハイブリッド状況」の変更依頼には、動作モード設定が変更されたHeNB/HNBの識別情報(PCI、GCIなど)、変更後の動作モード、あるいは変更前と変更後の動作モードなどが含まれても良い。
【0092】
該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルとしては、動作モード設定が変更されたHeNB/HNBをハンドオーバ先、あるいはセル再選択先として選択する可能性のあるセルとする。また、「周辺ハイブリッド状況」を、NCLを用いて傘下の移動端末に通知している場合、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「NCL」を変更する必要があるセルを選択しても良い。
【0093】
該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルの選択方法の具体例について以下7つ開示する。
【0094】
(1)動作モード設定が変更されたHeNB/HNB以外のHeNB/HNB傘下の移動端末のメジャメントレポートを用いる。さらに具体例として以下2つ開示する。
【0095】
(1−1)動作モード設定が変更されたHeNB/HNB以外のHeNB/HNB傘下の移動端末のメジャメントレポートにて、動作モード設定が変更されたHeNB/HNBをハンドオーバ先(ターゲットセル)として選択した場合、該移動端末のサービングセルを該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるとする。
【0096】
(1−2)動作モード設定が変更されたHeNB/HNB以外のHeNB/HNB傘下の移動端末が、サービングセルより動作モード設定が変更されたHeNB/HNBの受信品質が良好であると報告した場合、該移動端末のサービングセルを該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるとする。本具体例により、動作モード設定が変更されたHeNB/HNB以外のHeNB/HNB傘下の移動端末のメジャメントレポートを用いるため、動作モード設定が変更されたHeNB/HNBをハンドオーバ先、あるいはセル再選択先として選択する可能性のあるセルを的確に選択することが可能となる。つまり、「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルとして、無駄なセルを選択しないという効果を得ることができる。
【0097】
(2)動作モード設定が変更されたHeNB/HNB傘下の移動端末のメジャメントレポートを用いる。さらに具体例として以下3つ開示する。
【0098】
(2−1)動作モード設定が変更されたHeNB/HNBが傘下の移動端末のメジャメントレポートを用いてハンドオーバ先(ターゲットセル)として選択したセルを、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるとする。
【0099】
(2−2)傘下の移動端末がサービングセル、つまり動作モード設定が変更されたHeNB/HNBより受信品質が良好であると報告したセルを該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるとする。
【0100】
(2−3)傘下の移動端末が、受信品質がある閾値より良好であると報告したセルを該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるとする。ある閾値は、静的に決められていても、準静的に決められていても良い。
【0101】
本具体例(2)により、具体例(1)と比較して、動作モード設定が変更されたHeNB/HNB以外のHeNB/HNB傘下の移動端末のメジャメントレポートを用いる必要が無く、動作モード設定が変更されたHeNB/HNB傘下の移動端末のメジャメントレポートを用いればよく、「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルの選択方法についての処理負荷が軽減される、という効果を得ることができる。
【0102】
(3)セルの位置情報を用いる。ネットワーク側は、各セルの位置情報から動作モード設定が変更されたHeNB/HNBから、ある距離以内に設置されているセルを該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルとする。ある距離は、静的に決められていても、準静的に決められていても良い。本具体例により、具体例(1)(2)と比較してメジャメントレポートを記憶、処理する必要がないため、「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルの選択方法についての処理負荷が軽減されるという効果を得ることができる。
【0103】
(4)動作モード設定が変更されたHeNB/HNB以外のHeNB/HNBの周辺セル情報中に、あるいは周辺セルリスト中に、動作モード設定が変更されたHeNB/HNBの情報が含まれていた場合、該動作モード設定が変更されたHeNB/HNB以外のHeNB/HNBを該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるとする。本具体例により、具体例(1)(2)(3)と比較してメジャメントレポートを記憶、処理する、あるいは閾値などとの比較が必要ないため、「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルの選択方法についての処理負荷が軽減されるという効果を得ることができる。
【0104】
(5)動作モード設定が変更されたHeNB/HNBの周辺セル情報、あるいは周辺セルリストに含まれるセルを該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるとする。本具体例により、具体例(1)(2)(3)と比較してメジャメントレポートを記憶、処理する、あるいは閾値などとの比較が必要ないため、「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルの選択方法についての処理負荷が軽減されるという効果を得ることができる。また、具体例(4)と比較して動作モード設定が変更されたHeNB/HNB以外の周辺セル情報を考慮する必要が無い点において、「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルの選択方法についての処理負荷が軽減されるという効果を得ることができる。
【0105】
(6)動作モード設定が変更されたHeNB/HNBが接続される1つあるいは複数のMMEに接続される他のセルを該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルとする。現在3GPPにおいて議論されているLTE方式の移動体通信システムの全体的な構成を、図18を用いて説明する。現在3GPPにおいては、CSG(Closed Subscriber Group)セル(e-UTRANのHome-eNodeB(Home-eNB,HeNB),UTRANのHome-NB(HNB))とnon-CSGセル(e-UTRANのeNodeB(eNB)、UTRANのNodeB(NB)、GERANのBSS)とを含めたシステムの全体的な構成が検討されており、e−UTRANについては、図18のような構成が提案されている(非特許文献1 4.6.1.章)。図18について説明する。
【0106】
移動端末(UE)1801は基地局1802と送受信を行う。基地局1802はeNB1802−1と、Home−eNB1802−2とに分類される。eNB1802−1はMME1803とインタフェースS1により接続され、eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのeNB1802−1に対して複数のMME1803が接続されてもよい。eNB間はインタフェースX2により接続され、eNB間で制御情報が通信される。Home−eNB1802−2はMME1803とインタフェースS1により接続され、Home−eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのMMEに対して複数のHome−eNBが接続される。あるいは、Home−eNB1802−2はHeNBGW(Home-eNB GateWay)1804を介してMME1803と接続される。Home−eNBとHeGWはインタフェースS1により接続され、HeNBGW1804とMME1803はインタフェースS1を介して接続される。ひとつまたは複数のHome−eNB1802−2がひとつのHeNBGW1804と接続され、S1を通して情報が通信される。HeNBGW1804はひとつまたは複数のMME1803と接続され、S1を通して情報が通信される。さらに現在3GPPでは以下のような構成が検討されている。Home−eNB1802−2間のインタフェースX2はサポートされない。MME1803からは、HeNBGW1804はeNB1802−1として見える。Home−eNB1802−2からは、HeNBGW1804はMME1803として見える。Home−eNB1802−2がHeNBGW1804を介してEPCに接続されるか否かに関係なく、Home−eNB1802−2とEPC間のインタフェースS1は同じである。MME1803をまたがるような、Home−eNB1802−2へのモビリティ、あるいはHome−eNB1802−2からのモビリティはサポートされない。Home−eNB1802−2は唯一のセルをサポートする。
【0107】
本具体例により、具体例(1)(2)(3)(4)(5)と比較して、動作モード設定が変更されたHeNB/HNBによらずに、ネットワーク側は一意に「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルを選択可能となるので、「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルの選択方法についての処理負荷が軽減されるという効果を得ることができる。
【0108】
(7)動作モード設定が変更されたHeNB/HNBが接続されるHeNBGWに接続される他のセルを、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルとする。本具体例により、具体例(1)(2)(3)(4)(5)と比較して、動作モード設定が変更されたHeNB/HNBによらずに、ネットワーク側は一意に「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルを選択可能となるので、「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルの選択方法についての処理負荷が軽減されるという効果を得ることができる。
【0109】
次に移動体通信システムの動作を説明する。図19に説明に用いるセルの配置例について示す。マクロセル1901のカバレッジ1902内にHeNB/HNB1909が設置されている。HeNB/HNB1909のカバレッジは1910である。マクロセル1901に隣接してマクロセル1903が設置されている。マクロセル1903のカバレッジは1904である。マクロセル1901、及びマクロセル1903のセル境界付近に、HeNB/HNB1905、HeNB/HNB1907が設置されている。HeNB/HNB1905のカバレッジは1906である。HeNB/HNB1907のカバレッジは1908である。
【0110】
図20を用いて、移動体通信システムの動作の一例を示す。ステップST2001にてネットワークは、例えばオペレータからHeNBの動作モード設定変更の指示を受ける。動作モード変更に伴いPCIを変更する必要があれば、ネットワーク側は、新たな動作モードに適したPCIを選択しても良い。新たな動作モードに適したPCIとは、新たな動作モード用のPCI範囲に含まれるPCIであっても良い。ステップST2002にてネットワークは、オペレータから動作モード設定変更の指示を受けたHeNBに対して、動作モードの設定の変更を通知する。ネットワーク側は、動作モード設定変更の指示を受けたHeNBに対して、新たな動作モードに適したPCIを通知しても良い。通知されるPCIは、変更前のPCIと変更後のPCI、変更後のPCIであっても良いし、あるいは変更前のGCIと変更後のGCI、変更後のGCIであっても良い。ステップST2003にて動作モード設定変更の指示を受けたHeNBは、指示に従い、動作モード設定の変更を実行する。ステップ4001にて新たな動作モードに適したPCIの通知を受信した場合、指示に従い、PCIの変更を実行する。あるいは、動作モード設定の変更の指示を受けたHeNBが、新たな動作モードに適したPCIを選択しても良い。新たな動作モードに適したPCIとは、新たな動作モード用のPCI範囲に含まれるPCIであっても良い。選択の際、該HeNBは、周辺のセルの受信品質を測定してもよい。具体的なPCI選択方法の一例を開示する。周辺のセルの受信品質にて良好な受信品質のセル(受信品質をSIRで表した場合、SIRが高いセル)からは、干渉を受けやすいとして、該セルと同じ、あるいは類似のPCIを選択しないようにする。類似のPCIとは、相関が高いPCIを意味する。良好な受信品質のセルは、1つであっても複数であっても良い。良好な受信品質のセルを決定する際、閾値を用いてもよい。例えば、受信品質が閾値より良好(受信品質をSIRで表した場合、閾値より受信品質が高い)であれば、該セルを良好な受信品質のセルと判断しても良い。新たな動作モードに適したPCIの選択は、ステップST4002の動作モード設定変更の指示の後であっても良い。該HeNBは、PCIの変更を実行する。新たな動作モードに適したPCIをHeNBが選択した場合、該HeNBはネットワーク側へ、該PCIを通知しても良い。該通知には、S1インタフェース、あるいはブロードバンド回線を用いても良い。また、O&M用のインタフェースであっても良い。通知されるPCIは、変更前のPCIと変更後のPCI、変更後のPCIであっても良いし、あるいは変更前のGCIと変更後のGCI、変更後のGCIであっても良い。
【0111】
ステップST2004にてネットワークは、「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルを選択する。あるいは、NCLを変更する必要があるセルを選択しても良い。例えば図19を用いて説明する。HeNB/HNB1905の動作モード設定をクローズドアクセスモードからハイブリッドアクセスモードに変更する場合を検討する。その場合、ステップST2004にて例えば、マクロセル1901、マクロセル1903、HeNB/HNB1907が「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルとして選択される。例えば図19を用いて説明する。HeNB/HNB1909の動作モード設定をクローズドアクセスモードからハイブリッドアクセスモードに変更する場合を検討する。その場合、ステップST2004にて例えば、マクロセル1901が「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルとして選択される。
【0112】
ステップST2005にてネットワークは、ステップST2004にて選択したセルの「周辺ハイブリッド状況」を変更する。あるいは、NCLを変更するとしても良い。ステップST2006にてネットワークは、ステップST2004にて選択したセルに対して、ステップST2005にて変更した「周辺ハイブリッド状況」を通知する。あるいは、NCLを通知するとしても良い。ステップST2007にて、「周辺ハイブリッド状況」を受信したセルは、受信した「周辺ハイブリッド状況」を傘下の移動端末へ通知する。
【0113】
実施の形態4により以下の効果を得ることが出来る。HeNB、HNB設置後に動作モード設定が変更される場合であっても、適切に「周辺ハイブリッド状況」あるいは「NCL」を変更可能となる効果を得ることができる。また、本実施の形態によりオペレータあるいはHeNB/HNBのオーナが「周辺ハイブリッド状況」の変更作業が必要ない。こうすることで、オペレータあるいはHeNB/HNBのオーナの作業負荷やコスト発生を抑えつつ、動作モード設定変更に伴う、「周辺ハイブリッド状況」を更新することが可能となる。これにより、HeNB、HNB設置後に動作モード設定が変更される場合であっても、実施の形態2の変形例1、実施の形態3を適用することが可能となり、実施の形態2の変形例1、実施の形態3の効果を得ることが出来る。
【0114】
実施の形態4 変形例1.
実施の形態4の変形例1にて解決する課題は、実施の形態4と同様であるので、説明を省略する。
【0115】
本実施の形態4の変形例1では、HeNB/HNB経由で動作モードを設定する場合における「周辺ハイブリッド状況」の変更方法について開示する。例えば、HeNB/HNBのオーナは、直接HeNB/HNBの動作モード設定の変更を指示する。HeNB/HNBは、動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルに対して、変更依頼を通知する。「周辺ハイブリッド状況」の変更依頼を受信したセルは、「周辺ハイブリッド状況」の変更を実行する。該変更の通知には、X2インタフェース、あるいはブロードバンド回線を用いても良い。「周辺ハイブリッド状況」の変更依頼には、動作モード設定が変更されたHeNB/HNBの識別情報(PCI、GCIなど)、変更後の動作モード、あるいは変更前と変更後の動作モードなどが含まれても良い。
【0116】
該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルとしては、動作モード設定が変更されたHeNB/HNBをハンドオーバ先、あるいはセル再選択先として選択する可能性のあるセルとする。また、「周辺ハイブリッド状況」を、NCLを用いて傘下の移動端末に通知している場合、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「NCL」を変更する必要があるセルを選択しても良い。
【0117】
該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルの選択方法の具体例について以下3つ開示する。
【0118】
(1)動作モード設定が変更されたHeNB/HNBが行った、周辺セルの測定結果を用いる。受信品質がある閾値より良好であるセルを、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるとしても良い。ある閾値は、静的に決められていても、準静的に決められていても良い。
【0119】
(2)動作モード設定が変更されたHeNB/HNB傘下の移動端末のメジャメントレポートを用いる。さらに具体例として以下3つ開示する。
【0120】
(2−1)動作モード設定が変更されたHeNB/HNBが傘下の移動端末のメジャメントレポートを用いてハンドオーバ先(ターゲットセル)として選択したセルを、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるとする。
【0121】
(2−2)傘下の移動端末がサービングセル、つまり動作モード設定が変更されたHeNB/HNBより受信品質が良好であると報告したセルを、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるとする。
【0122】
(2−3)傘下の移動端末が、受信品質がある閾値より良好であると報告したセルを、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるとする。ある閾値は、静的に決められていても、準静的に決められていても良い。
【0123】
本具体例により、具体例(1)と比較して、セルに周辺セルの測定という新たな機能を追加する必要がなくなる。これにより、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることができる。
【0124】
(3)動作モード設定が変更されたHeNB/HNBの周辺セル情報、あるいは周辺セルリストに含まれるセルを、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるとする。本具体例により、具体例(1)(2)と比較してメジャメントレポートを記憶、処理する、あるいは閾値などとの比較が必要ないため、「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルの選択方法についての処理負荷が軽減されるという効果を得ることができる。
【0125】
次に移動体通信システムの動作を説明する。図19に説明に用いるセルの配置例について示す。図21に移動体通信システムの動作の一例を示す。図19のセル設置例については、実施の形態4と同様であるので説明を省略する。図21を用いて、移動体通信システムの動作の一例を示す。図20と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。ステップST2101にてHeNBは、オーナから動作モード設定変更の指示を受ける。
【0126】
ステップST2102にてHeNBは、「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルを選択する。あるいは、NCLを変更する必要があるセルを選択しても良い。例えば図19において、HeNB/HNB1905の動作モード設定をクローズドアクセスモードからハイブリッドアクセスモードに変更する場合を検討する。その場合、ステップST2102にて例えば、マクロセル1901、マクロセル1903、HeNB/HNB1907が「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルとして選択される。また、例えば図19において、HeNB/HNB1909の動作モード設定をクローズドアクセスモードからハイブリッドアクセスモードに変更する場合を検討する。その場合、ステップST2102にて例えば、マクロセル1901が「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルとして選択される。
【0127】
ステップST2103にてHeNBは、ステップST2102にて選択したセルに対して、「周辺ハイブリッド状況」の変更依頼を通知する。あるいは、NCLの変更依頼を通知するとしても良い。HeNBは、ステップST4102にて選択したセルに対して、新たな動作モードに適したPCIを通知しても良い。通知されるPCIは、変更前のPCIと変更後のPCI、変更後のPCIであっても良いし、あるいは変更前のGCIと変更後のGCI、変更後のGCIであっても良い。ステップST2104にて、「周辺ハイブリッド状況」の変更依頼を受信したセルは、周辺ハイブリッド状況を変更する。あるいは、NCLを変更するとしても良い。ステップST2105にて、「周辺ハイブリッド状況」を受信したセルは、ステップST2104にて変更した「周辺ハイブリッド状況」を傘下の移動端末へ通知する。
【0128】
実施の形態4の変形例1は、実施の形態4と組み合わせて用いることができる。
【0129】
実施の形態4の変形例1により実施の形態4に加えて以下の効果を得ることが出来る。HeNB、HNB経由で行われていたHeNB、HNBの動作モード設定変更に対しても、HeNB、HNB設置後に動作モード設定が変更される場合であっても、適切に「周辺ハイブリッド状況」あるいは「NCL」を変更可能となる効果を得ることができる。また、HeNB、HNB経由で行われた、HeNB、HNBの動作モード設定変更に対しても、本実施の形態によりオペレータあるいはHeNB/HNBのオーナが「周辺ハイブリッド状況」の変更作業が必要ない。こうすることで、オペレータあるいはHeNB/HNBのオーナの作業負荷やコスト発生を抑えつつ、動作モード設定変更に伴う、「周辺ハイブリッド状況」を更新することが可能となる。これにより、HeNB、HNB経由で行われた、HeNB、HNBの動作モード設定変更に対しても、HeNB、HNB設置後に動作モード設定が変更される場合であっても、実施の形態2の変形例1、実施の形態3を適用することが可能となり、実施の形態2の変形例1、実施の形態3の効果を得ることが出来る。
【0130】
実施の形態4 変形例2.
実施の形態4の変形例2にて解決する課題は、実施の形態4、実施の形態4の変形例1と同様であるので、説明を省略する。
【0131】
本実施の形態4の変形例2では、HeNB/HNB経由で行われる動作モードを設定する場合における「周辺ハイブリッド状況」の変更方法について、実施の形態4の変形例1とは別の解決策を開示する。例えば、HeNB/HNBのオーナは、直接HeNB/HNBの動作モード設定の変更を指示する。HeNB/HNBは、動作モード設定変更の指示を受けたHeNBは、指示に従い、動作モード設定の変更を実行する。
【0132】
HeNB/HNBは、ネットワーク側へ動作モード設定変更の報告を通知する。該報告の通知にはS1インタフェース、あるいはブロードバンド回線を用いても良い。該報告には、動作モード設定が変更されたHeNB/HNBの識別情報(PCI、GCIなど)、変更後の動作モード、あるいは変更前と変更後の動作モードなどが含まれても良い。ネットワーク側の具体例としては、EPC(Evolved Packet Core)、MME、S−GW、HeNBGWなどがある。
【0133】
該報告を受信したネットワーク側は、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルに対して、変更した「周辺ハイブリッド状況」を通知する。該変更の通知には、S1インタフェース、あるいはブロードバンド回線を用いても良い。
【0134】
あるいは、該報告を受信したネットワーク側は、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルに対して、変更依頼を通知しても良い。「周辺ハイブリッド状況」の変更依頼を受信したセルは、「周辺ハイブリッド状況」の変更を実行する。該変更の通知には、S1インタフェース、あるいはブロードバンド回線を用いても良い。「周辺ハイブリッド状況」の変更依頼には、動作モード設定が変更されたHeNB/HNBの識別情報(PCI、GCIなど)、変更後の動作モード、あるいは変更前と変更後の動作モードなどが含まれても良い。
【0135】
該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルとしては、動作モード設定が変更されたHeNB/HNBをハンドオーバ先、あるいはセル再選択先として選択する可能性のあるセルとする。また、「周辺ハイブリッド状況」を、NCLを用いて傘下の移動端末に通知している場合、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「NCL」を変更する必要があるセルを選択しても良い。
【0136】
該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルの選択方法の具体例は実施の形態4と同様であるので説明を省略する。
【0137】
次に移動体通信システムの動作を説明する。図19に説明に用いるセルの配置例について示す。図22に移動体通信システムの動作の一例を示す。図20、図21と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。ステップST2201にてHeNBは、ネットワーク側へ動作モード設定変更の報告を通知する。HeNBは、ネットワーク側へ新たな動作モードに適したPCIを通知しても良い。通知されるPCIは、変更前のPCIと変更後のPCI、変更後のPCIであっても良いし、あるいは変更前のGCIと変更後のGCI、変更後のGCIであっても良い。
【0138】
実施の形態4の変形例2により実施の形態4の変形例1と同様の効果を得ることが出来る。
【0139】
実施の形態4、実施の形態4の変形例1、実施の形態4の変形例2では、HeNB/HNBの動作モードが変更された場合の「周辺ハイブリッド状況」を変更する方法を開示した。HeNB/HNBの動作モードが変更された場合のみではなく、新たにHeNB/HNBが設定された場合においても、新たに設置された場所の周辺のセルの「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要が発生する。該状況においても実施の形態4、実施の形態4の変形例1、実施の形態4の変形例2を適用可能である。
【0140】
LTEシステムでは、セルフコンフィグレーションあるいはセルフオプティマイゼーション機能をサポートすることが検討されており、またその中で、ANR(Automatic Neighbour Relation)機能が検討されている(非特許文献1)。ANR機能は、隣接セルとの関係(Neighbour Relations (NRs))の取扱いをオペレータが手動で行うのではなく、自動で行うようにする機能である。自動に行わせることで、オペレータの作業負荷やコストの増大を軽減することが可能となる。
【0141】
実施の形態4、実施の形態4の変形例1、実施の形態4の変形例2で開示した方法を、該ANR機能の一部として組み込むようにしても良い。該ANR機能に「周辺ハイブリッド状況」を変更する方法を組み込むと良い。該ANR機能は、eNBあるいはHeNB/HNBに設けられても良いし、ネットワーク側に設けられても良い。
【0142】
こうすることで、オペレータあるいはHeNB/HNBのオーナの作業負荷やコスト増大無しに、本実施の形態で開示した方法を行うことが可能となり、さらなる移動体通信システムの高性能化、さらなる移動端末の低消費電力化という効果を得ることが出来る。さらに、将来のHeNB/HNBの設置数が増大した場合にも、該HeNB/HNBの柔軟な設置や動作モードの変更に対応した移動体通信システムを構築することが可能となる。
【0143】
本発明において、実施の形態1から実施の形態4で個別に記載したが、これらは組合せて用いても良い。
【0144】
本発明についてはLTEシステム(E−UTRAN)を中心に記載したが、W−CDMAシステム(UTRAN、UMTS)及びLTE−Advancedについて適用可能である。更には、CSG(Closed Subscriber Group)が導入される移動体通信システムおよび、CSGと同じようにオペレータが加入者を特定し、特定された加入者がアクセスを許可されるような通信システムにおいて適用可能である。
【0145】
本発明についてはHeNB/HNBがハイブリッドアクセスモードをサポートした場合を中心に記載した。移動体通信システムの他のエンティティが、ハイブリッドアクセスモードをサポートする場合にも本発明は適用可能である。具体例としては、カバレッジが大きいセル、例えばマクロセル、あるいはカバレッジが小さいセル、例えばマイクロセル、ピコセル、フェムトセル、ホットスポット、あるいはリレーなどが、ハイブリッドアクセスモードをサポートする場合にも本発明は適用可能である。
【0146】
本発明についてはHeNB/HNBが複数のモードをサポートした場合を中心に記載した。移動体通信システムの他のエンティティが、複数のモードをサポートする場合にも本発明は適用可能である。具体例としては、カバレッジが大きいセル、例えばマクロセル、あるいはカバレッジが小さいセル、例えばマイクロセル、ピコセル、フェムトセル、ホットスポット、あるいはリレーなどが、複数のモードをサポートする場合にも本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】LTE方式の通信システムの構成を示す説明図である。LTE方式の通信システムの構成を示す説明図である。
【図2】LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。
【図3】MBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)フレームの構成を示す説明図である。
【図4】LTE方式の通信システムで使用される物理チャネルを説明する説明図である。
【図5】LTE方式の通信システムで使用されるトランスポートチャネルを説明する説明図である。
【図6】LTE方式の通信システムで使用される論理チャネルを説明する説明図である。
【図7】現在3GPPで議論されている移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。
【図8】本発明に係る移動端末311の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明に係る基地局312の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明に係るMMEの構成を示すブロック図である。
【図11】本発明に係るHeNBGWの構成を示すブロック図である。
【図12】LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチの概略を示すフローチャートである。
【図13】PCIスプリットの概念図である。
【図14】実施の形態2の移動端末のセル選択処理を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態2の移動端末の処理を示すフローチャートである。
【図16】実施の形態2変形例の移動端末の処理を示すフローチャートである。
【図17】実施の形態3の移動端末の処理を示すフローチャートである。
【図18】現在3GPPで議論されている移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。
【図19】実施の形態4にて用いる、セル設置例の説明図である。
【図20】実施の形態4の解決策における移動体通信システムのシーケンス図である。
【図21】実施の形態4の変形例1の解決策における移動体通信システムのシーケンス図である。
【図22】実施の形態4の変形例2の解決策における移動体通信システムのシーケンス図である。
【符号の説明】
【0148】
101 移動端末、102 基地局、103 MME(Mobility Management Entity)、104 S−GW(Serving Gateway)
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局が複数の移動端末と無線通信を実施する移動体通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
第3世代と呼ばれる通信方式のうち、W−CDMA(Wideband Code division Multiple Access)方式が2001年から日本で商用サービスが開始されている。また、下りリンク(個別データチャネル、個別制御チャネル)にパケット伝送用のチャネル(HS-DSCH: High Speed-Downlink Shared Channel)を追加することにより、下りリンクを用いたデータ送信の更なる高速化を実現するHSDPA(High Speed Down Link Packet Access)のサービスが開始されている。さらに、上り方向のデータ送信をさらに高速化するためHSUPA(High Speed Up Link Packet Access)方式についてもサービスが開始されている。W−CDMAは、移動体通信システムの規格化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)により定められた通信方式であり、リリース8版の規格書がとりまとめられている。
【0003】
また、3GPPにおいて、W−CDMAとは別の通信方式として、無線区間については「ロングタームエボリューション」(Long Term Evolution LTE)、コアネットワーク(単にネットワークとも称する)を含めたシステム全体構成については「システムアーキテクチャエボリューション」(System Architecture Evolution SAE)と称される新たな通信方式が検討されている。LTEでは、アクセス方式、無線のチャネル構成やプロトコルが、現在のW−CDMA(HSDPA/HSUPA)とは全く異なるものになる。たとえば、アクセス方式は、W−CDMAが符号分割多元接続(Code Division Multiple Access)を用いているのに対して、LTEは下り方向はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing )、上り方向はSC−FDMA(Single Career Frequency Division Multiple Access)を用いる。また、帯域幅は、W−CDMAが5MHzであるのに対し、LTEでは1.4/3/5/10/15/20MHzの中で基地局ごとに選択可能となっている。また、LTEでは、W−CDMAのように回線交換を含まず、パケット通信方式のみになる。
【0004】
LTEはW−CDMAのコアネットワーク(GPRS)とは異なる新たなコアネットワークを用いて通信システムが構成されるため、W−CDMA網とは別の独立した無線アクセス網として定義される。したがって、W−CDMAの通信システムと区別するため、LTEの通信システムでは、移動端末(UE: User Equipment)と通信を行う基地局(Base station)はeNB(E-UTRAN NodeB)、複数の基地局と制御データやユーザデータのやり取りを行う基地局制御装置(Radio Network Controller)はEPC(Evolved Packet Core)(aGW:Access Gatewayと称されることもある)と称される。このLTEの通信システムでは、ユニキャスト(Unicast)サービスとE-MBMSサービス(Evolved Multimedia Broadcast Multicast Service)が提供される。E−MBMSサービスとは、放送型マルチメディアサービスであり、単にMBMSと称される場合もある。複数の移動端末に対してニュースや天気予報や、モバイル放送など大容量放送コンテンツが送信される。これを1対多(Point to Multipoint)サービスともいう。
【0005】
3GPPでの、LTEシステムにおける全体的なアーキテクチャ(Architecture)に関する現在の決定事項が、非特許文献1に記載されている。全体的なアーキテクチャ(非特許文献1 4章)について図1を用いて説明する。図1は、LTE方式の通信システムの構成を示す説明図である。図1において、移動端末101に対する制御プロトコル(例えばRRC(Radio Resource Management))とユーザプレイン(例えばPDCP: Packet Data Convergence Protocol、RLC: Radio Link Control、MAC: Medium Access Control、PHY: Physical layer)が基地局102で終端するなら、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)は1つあるいは複数の基地局102によって構成される。基地局102は、MME103(Mobility Management Entity)から通知されるページング信号(Paging Signaling、ページングメッセージ(paging messages)とも称される)のスケジューリング(Scheduling)及び送信を行う。基地局102はX2インタフェースにより、お互いに接続される。また基地局102は、S1インタフェースによりEPC(Evolved Packet Core)に接続される、より明確にはS1_MMEインタフェースによりMME103(Mobility Management Entity)に接続され、S1_UインタフェースによりS−GW104(Serving Gateway)に接続される。MME103は、複数あるいは単数の基地局102へのページング信号の分配を行う。また、MME103は待受け状態(Idle State)のモビリティ制御(Mobility control)を行う。MME103は移動端末が待ち受け状態及び、アクティブ状態(Active State)の際に、トラッキングエリア(Tracking Area)リストの管理を行う。S−GW104はひとつまたは複数の基地局102とユーザデータの送受信を行う。S−GW104は基地局間のハンドオーバの際、ローカルな移動性のアンカーポイント(Mobility Anchor Point)となる。更にP−GW(PDN Gateway)が存在し、ユーザ毎のパケットフィルタリングやUE−IDアドレスの割当などを行う。
【0006】
3GPPでの、LTEシステムにおけるフレーム構成に関する現在の決定事項が、非特許文献1(5章)に記載されている。図2を用いて説明する。図2はLTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。図2において、1つの無線フレーム(Radio frame)は10msである。無線フレームは10個の等しい大きさのサブフレーム(Sub-frame)に分割される。サブフレームは、2個の等しい大きさのスロット(slot)に分割される。フレーム毎に1番目(#0)と6番目(#5)のサブフレームに下り同期信号(Downlink Synchronization Signal: SS)が含まれる。同期信号には第一同期信号(Primary Synchronization Signal: P-SS)と第二同期信号(Secondary Synchronization Signal: S-SS)がある。サブフレーム単位にてMBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)用とMBSFN以外のチャネルの多重が行われる。以降、MBSFN送信用のサブフレームをMBSFNサブフレーム(MBSFN sub-frame)と称する。非特許文献2に、MBSFNサブフレームの割り当て時のシグナリング例が記載されている。図3は、MBSFNフレームの構成を示す説明図である。図3において、MBSFNフレーム(MBSFN frame)毎にMBSFNサブフレームが割り当てられる。MBSFNフレームの集合(MBSFN frame Cluster)がスケジュールされる。MBSFNフレームの集合の繰り返し周期(Repetition Period)が割り当てられる。
【0007】
3GPPでの、LTEシステムにおけるチャネル構成に関する現在の決定事項が、非特許文献1に記載されている。CSG(Closed Subscriber Group cell)セルにおいてもnon−CSGセルと同じチャネル構成が用いられると想定されている。物理チャネル(Physical channel)について(非特許文献1 5章)図4を用いて説明する。図4は、LTE方式の通信システムで使用される物理チャネルを説明する説明図である。図4において、物理報知チャネル401(Physical Broadcast channel: PBCH)は基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。BCHトランスポートブロック(transport block)は40ms間隔中の4個のサブフレームにマッピングされる。40msタイミングの明白なシグナリングはない。物理制御チャネルフォーマットインジケータチャネル402(Physical Control format indicator channel: PCFICH)は基地局102から移動端末101へ送信される。PCFICHは、PDCCHsのために用いるOFDMシンボルの数について基地局102から移動端末101へ通知する。PCFICHはサブフレーム毎に送信される。物理下り制御チャネル403(Physical downlink control channel: PDCCH)は基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PDCCHは、リソース割り当て(allocation)、DL−SCH(図5に示されるトランスポートチャネルの1つである下り共有チャネル)に関するHARQ情報、PCH(図5に示されるトランスポートチャネルの1つであるページングチャネル)を通知する。PDCCHは、上りスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)を運ぶ。PDCCHは、上り送信に対する応答信号であるACK/Nackを運ぶ。PDCCHはL1/L2制御信号とも呼ばれる。物理下り共有チャネル404(Physical downlink shared channel: PDSCH)は、基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PDSCHはトランスポートチャネルであるDL-SCH(下り共有チャネル)やトランスポートチャネルであるPCHがマッピングされている。物理マルチキャストチャネル405(Physical multicast channel: PMCH)は基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PMCHはトランスポートチャネルであるMCH(マルチキャストチャネル)がマッピングされている。
【0008】
物理上り制御チャネル406(Physical Uplink control channel: PUCCH)は移動端末101から基地局102へ送信される上りチャネルである。PUCCHは下り送信に対する応答信号(response)であるACK/Nackを運ぶ。PUCCHはCQI(Channel Quality indicator)レポートを運ぶ。CQIとは受信したデータの品質、もしくは通信路品質を示す品質情報である。またPUCCHは、スケジューリングリクエスト(Scheduling Request: SR)を運ぶ。物理上り共有チャネル407(Physical Uplink shared channel: PUSCH)は移動端末101から基地局102へ送信される上りチャネルである。PUSCHはUL−SCH(図5に示されるトランスポートチャネルの1つである上り共有チャネル)がマッピングされている。物理HARQインジケータチャネル408(Physical Hybrid ARQ indicator channel: PHICH)は基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PHICHは上り送信に対する応答であるACK/Nackを運ぶ。物理ランダムアクセスチャネル409(Physical random access channel: PRACH)は移動端末101から基地局102へ送信される上りチャネルである。PRACHはランダムアクセスプリアンブル(random access preamble)を運ぶ。
【0009】
下りリファレンスシグナル(Reference signal)は、移動体通信システムとして既知のシンボルが、毎スロットの最初、3番目、最後のOFDMシンボルに挿入される。移動端末の物理レイヤの測定として、リファレンスシンボルの受信電力(Reference symbol received power:RSRP)がある。
【0010】
トランスポートチャネル(Transport channel)について(非特許文献1 5章)図5を用いて説明する。図5は、LTE方式の通信システムで使用されるトランスポートチャネルを説明する説明図である。図5Aには下りトランスポートチャネルと下り物理チャネル間のマッピングを示す。図5Bには上りトランスポートチャネルと上り物理チャネル間のマッピングを示す。下りトランスポートチャネルについて報知チャネル(Broadcast channel: BCH)はその基地局(セル)全体に報知される。BCHは物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。下り共有チャネル(Downlink Shared channel: DL-SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。基地局(セル)全体への報知が可能である。ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。準静的なリソース割り当ては,パーシステントスケジューリング(Persistent Scheduling)とも言われる。移動端末の低消費電力化のために移動端末のDRX(Discontinuous reception)をサポートする。DL−SCHは物理下り共有チャネル(PDSCH)へマッピングされる。ページングチャネル(Paging channel: PCH)は移動端末の低消費電力を可能とするために移動端末のDRXをサポートする。基地局(セル)全体への報知が要求される。動的にトラフィックに利用できる物理下り共有チャネル(PDSCH)のような物理リソース、あるいは他の制御チャネルの物理下り制御チャネル(PDCCH)のような物理リソースへマッピングされる。マルチキャストチャネル(Multicast channel: MCH)は基地局(セル)全体への報知に使用される。マルチセル送信におけるMBMSサービス(MTCHとMCCH)のSFN合成をサポートする。準静的なリソース割り当てをサポートする。MCHはPMCHへマッピングされる。
【0011】
上り共有チャネル(Uplink Shared channel: UL-SCH)にはHARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。UL−SCHは物理上り共有チャネル(PUSCH)へマッピングされる。図5Bに示されるランダムアクセスチャネル(Random access channel: RACH)は制御情報に限られている。衝突のリスクがある。RACHは物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)へマッピングされる。HARQについて説明する。
【0012】
HARQとは自動再送(Automatic Repeat reQuest)と誤り訂正(Forward Error Correction)との組み合わせにより伝送路の通信品質を向上させる技術である。通信品質が変化する伝送路に対しても再送により誤り訂正が有効に機能するという利点がある。特に再送にあたって初送の受信結果と再送の受信結果の合成をすることで更なる品質向上を得ることも可能である。再送の方法の一例を説明する。受信側にて受信データが正しくデコード出来なかった場合(CRC Cyclic Redundancy Check エラーが発生した場合(CRC=NG))、受信側から送信側へ「Nack」を送信する。「Nack」を受信した送信側はデータを再送する。受信側にて受信データが正しくデコードできた場合(CRCエラーが発生しない場合(CRC=OK))、受信側から送信側へ「Ack」を送信する。「Ack」を受信した送信側は次のデータを送信する。HARQ方式の一例として「チェースコンバイニング」(Chase Combining)がある。チェースコンバイニングとは初送と再送に同じデータ系列を送信するもので、再送において初送のデータ系列と再送のデータ系列の合成を行うことで利得を向上させる方式である。これは初送データに誤りがあったとしても部分的に正確なものも含まれており、正確な部分の初送データと再送データとを合成することでより高精度にデータを送信できるという考え方に基づいている。また、HARQ方式の別の例としてIR(Incremental Redundancy)がある。IRとは冗長度を増加させるものであり、再送においてパリティビットを送信することで初送と組み合わせて冗長度を増加させ、誤り訂正機能により品質を向上させるものである。
【0013】
論理チャネル(Logical channel)について(非特許文献1 6章)図6を用いて説明する。図6は、LTE方式の通信システムで使用される論理チャネルを説明する説明図である。図6Aには下りロジカルチャネルと下りトランスポートチャネル間のマッピングを示す。図6Bには上りロジカルチャネルと上りトランスポートチャネル間のマッピングを示す。報知制御チャネル(Broadcast control channel: BCCH)は報知システム制御情報のための下りチャネルである。論理チャネルであるBCCHはトランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、あるいは下り共有チャネル(DL-SCH)へマッピングされる。ページング制御チャネル(Paging control channel: PCCH)はページング信号を送信するための下りチャネルである。PCCHは移動端末のセルロケーションをネットワークが知らない場合に用いられる。論理チャネルであるPCCHはトランスポートチャネルであるページングチャネル(PCH)へマッピングされる。共有制御チャネル(Common control channel: CCCH)は移動端末と基地局間の送信制御情報のためのチャネルである。CCCHは移動端末がネットワークとの間でRRC接続(connection)を持っていない場合に用いられる。下り方法では、CCCHはトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。上り方向では、CCCHはトランスポートチャネルである上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされる。
【0014】
マルチキャスト制御チャネル(Multicast control channel: MCCH)は1対多の送信のための下りチャネルである。ネットワークから移動端末への1つあるいはいくつかのMTCH用のMBMS制御情報の送信のために用いられるチャネルである。MCCHはMBMS受信中の移動端末のみに用いられるチャネルである。MCCHはトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)あるいはマルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。個別制御チャネル(Dedicated control channel: DCCH)は移動端末とネットワーク間の個別制御情報を送信するチャネルである。DCCHは上りでは上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL-SCH)にマッピングされる。個別トラフィックチャネル(Dedicate Traffic channel: DTCH)はユーザ情報の送信のための個別移動端末への1対1通信のチャネルである。DTCHは上り・下りともに存在する。DTCHは上りでは上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL-SCH)へマッピングされる。マルチキャストトラフィックチャネル(Multicast Traffic channel: MTCH)はネットワークから移動端末へのトラフィックデータ送信のための下りチャネルである。MTCHはMBMS受信中の移動端末のみに用いられるチャネルである。MTCHは下り共有チャネル(DL-SCH)あるいはマルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
【0015】
GCIとは、グローバルセル識別子(Global Cell Identity)のことである。LTE及びUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)においてCSGセル(Closed Subscriber Group cell)が導入される。CSGについて以下説明する(非特許文献4 3.1章)。CSG(Closed Subscriber Group)とは、利用可能な加入者をオペレータが特定しているセルである(特定加入者用セル)。特定された加入者は、PLMN(Public Land Mobile Network)のひとつ以上のE-UTRANセルにアクセスすることが許可される。特定された加入者がアクセスを許可されている1つ以上のE−UTRANセルを“CSG cell(s)”とよぶ。ただし、PLMNにはアクセス制限がある。CSGセルとは、固有のCSGアイデンティティ(CSG identity: CSG ID,CSG-ID)を報知するPLMNの一部である。あらかじめ利用登録し、許可された加入者グループのメンバーは、アクセス許可情報であるところのCSG−IDを用いてCSGセルにアクセスする。CSG−IDはCSGセルかセルによって報知される。移動体通信システムにCSG−IDは複数存在する。そして、CSG−IDは、CSG関連のメンバーのアクセスを容易にするために端末(UE)によって使用される。CSGセルあるいはセルによって報知される情報をCSG−IDの代わりにトラッキングエリアコード(Tracking Area Code TAC)にすることが3GPP会合において議論されている。移動端末の位置追跡は、1つ以上のセルからなる区域を単位に行われる。位置追跡は、通信をしていない状態(待受け状態)であっても移動端末の位置を追跡し、呼び出す(移動端末が着呼する)ことを可能にするためである。この移動端末の位置追跡のための区域をトラッキングエリアとよぶ。CSGホワイトリスト(CSG White List)とは、加入者が属するCSGセルのすべてのCSG IDが記録されている、USIMに格納されたリストである。移動端末内のホワイトリストは上位レイヤによって与えられる。これによりCSGセルの基地局は移動端末に無線リソースの割り当てを行う。
【0016】
「適切なセル」(Suitable cell)について以下説明する(非特許文献4 4.3章)。「適切なセル」(Suitable cell)とは、UEが通常(normal)サービスを受けるためにキャンプオン(Camp ON)するセルである。そのようなセルは、(1)セルは選択されたPLMNか登録されたPLMN、または「Equivalent PLMNリスト」のPLMNの一部であること、(2)NAS(non-access stratum)によって提供された最新情報にてさらに以下の条件を満たすこと、(1)そのセルが禁じられた(barred)セルでないこと。(2)そのセルが“ローミングのための禁止されたLAs”リストの一部ではなく、少なくとも1つのトラッキングエリア(Tracking Area:TA)の一部であること。その場合、そのセルは上記(1)を満たす必要がある、(3)そのセルが、セル選択評価基準を満たしていること、(4)そのセルが、CSGセルとしてシステム情報(System Information: SI)によって特定されたセルに関しては、CSG−IDはUEの「CSGホワイトリスト」(CSG WhiteList)の一部であること(UEのCSG WhiteList中に含まれること)。
【0017】
「アクセプタブルセル」(Acceptable cell)について以下説明する(非特許文献4 4.3章)これは、UEが限られたサービス(緊急通報)を受けるためにキャンプオンするセルである。そのようなセルは以下のすべての要件を充足するものとする。つまり、E−UTRANネットワークで緊急通報を開始するための最小のセットの要件を以下に示す。(1)そのセルが禁じられた(barred)セルでないこと。(2)そのセルが、セル選択評価基準を満たしていること。
【0018】
【非特許文献1】3GPP TS36.300 V8.6.0
【非特許文献2】3GPP R1−072963
【非特許文献3】TR R3.020V0.6.0
【非特許文献4】3GPP TS36.304 V8.3.0
【非特許文献5】3GPP R2−082899
【非特許文献6】3GPP S1−083461
【非特許文献7】3GPP R2−086246
【非特許文献8】3GPP R2−086281
【非特許文献9】3GPP TS36.331
【非特許文献10】3GPP R2−094808
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
HeNB及びHNBに対してはさまざまなサービスへの対応が求められている。例えば、オペレータは、ある決められたHeNB及びHNBに移動端末を登録させ、登録した移動端末のみにHeNB及びHNBのセルへのアクセスを許可することで、該移動端末が使用できる無線リソースを増大させて高速に通信を行えるようにする。その分、オペレータは課金料を通常よりも高く設定する。といったサービスである。こういったサービスを実現するため、登録した(加入した、メンバーとなった)移動端末のみがアクセスできるCSG(Closed Subscriber Group cell)セルが導入されている。
【0020】
CSG(Closed Subscriber Group cell)セルは、商店街やマンション、学校、会社などへ数多く設置されることが要求される。たとえば、商店街では店舗ごと、マンションでは部屋ごと、学校では教室ごと、会社ではセクションごとにCSGセルを設置し、各CSGセルに登録したユーザのみが該CSGセルを使用可能とするような使用方法が要求されている。
【0021】
一方、他のサービスとして、該CSGセルに対して、登録した移動端末のみではなく、登録していない移動端末にも一部の無線リソースを使用させることも考えられている。例えば、商店街の店舗に設置されたCSGセルでは、店員の移動端末のみを該CSGに登録して高速通信可能とするだけでなく、該CSGに登録していないお客の移動端末にも利用させることが要求される。このような場合に対応するため、HeNB及びHNBに対して、「ハイブリッドアクセスモード」(Hybrid access mode)の運用が提案されている。「ハイブリッドアクセスモード」とは、登録した移動端末のみアクセス可能な第一の動作モードである「クローズドアクセスモード」(closed access mode)と、登録していない移動端末がアクセス可能な第二の動作モードである「オープンアクセスモード」(open access mode)の両方を同時にサービスするCSGセルの動作形態を示す(第三の動作モード)。この場合、登録した移動端末に対してはアクセスを許可するか判断しつつ、登録していない移動端末に対してもアクセスを許可するものである。したがって、商店街やマンションなどに数多く設置されたHeNB及びHNBは、オープンアクセスモードで動作するCSGセル、クローズドアクセスモードで動作するCSGセルが混在することになる。また、HeNB及びHNBは可搬なサイズ、重量を想定しており、これらの設置や撤去は頻繁にかつ柔軟に行われることも要求される。このような要求を考慮すると、ある地点においては同時に多数のいろいろなモードのセルからの電波が送信されることになる。つまり、商店街やマンションなどでは、移動端末が多数のいろいろなモードのセルからの電波が届く位置にいる状況が発生する。
【0022】
このように、オープンアクセスモード、クローズドアクセスモード、ハイブリッドアクセスモードのような異なる動作モードに設定された多数のセルからの電波が届く位置にいる移動端末の場合、多くのアクセス不可能なクローズドアクセスモードのセル(CSGセル)、つまりユーザアクセス登録していないCSGセルを延々とサーチやセル選択を繰り返す状況が生じる。また、セルサーチを行い、選択したセルがハイブリッドアクセスモードのセル、つまりクローズドアクセスモードとオープンアクセスモードをサポートするセルであるにもかかわらず、ユーザアクセス登録していない移動端末はアクセスが不可能という状態になってしまい、再度セルサーチやセル選択を延々と繰り返す状況が生じてしまう。このような場合、システムに制御遅延や無線リソースの使用効率及びシグナリング効率の低下を引き起こす。また、セルサーチを繰り返す移動端末の消費電力が大きくなるという問題が生じる。これらの問題は前述したような将来の多数のいろいろなモードのHeNB、HNBの配置状況を想定すると重要な問題となる。本発明はこれらの問題を解消するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明に係る移動体通信システムは、下りアクセス方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を使用し、上りアクセス方式としてSC―FDMA(Single Career Frequency Division Multiple Access)方式を用いてデータの送受信を行う移動端末と、特定の移動端末ないし加入者に利用を許可する通信セルである特定加入者用セル及び不特定の移動端末ないし利用者が利用可能な通信セルである不特定利用者用セルに設けられた基地局と、複数の基地局を介して移動端末が位置する所望のトラッキングエリアを管理するとともに、移動端末にページング処理を行う基地局制御装置を含み、移動端末は、通信セルそれぞれに割り当てられた情報であって、通信セルを識別するための情報であるセル識別情報(PCI)を基地局より受信し、通信を行うセルの選択を行う移動体通信システムにおいて、特定加入者用セルは、特定の移動端末ないし加入者に利用を許可する第一の動作モードと不特定の移動端末ないし利用者に利用を許可する第二の動作モードとを同時に運用可能であり、通信セルに割り当て可能なセル識別情報は、特定加入者用セルに割り当てる第一分類と、不特定利用者用セルに割り当てる第二分類に分類されており、第二の動作モードで動作している特定加入者用セルには第一分類に含まれるセル識別情報が割り当てられるものである。
【0024】
本発明に係る移動体通信システムは、下りアクセス方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を使用し、上りアクセス方式としてSC―FDMA(Single Career Frequency Division Multiple Access)方式を用いてデータの送受信を行う移動端末と、特定の移動端末ないし加入者に利用を許可する通信セルである特定加入者用セル及び不特定の移動端末ないし利用者が利用可能な通信セルである不特定利用者用セルに設けられた基地局と、複数の基地局を介して移動端末が位置する所望のトラッキングエリアを管理するとともに、移動端末にページング処理を行う基地局制御装置を含み、移動端末は、通信セルそれぞれに割り当てられた情報であって、通信セルを識別するための情報であるセル識別情報(PCI)を基地局より受信し、通信を行うセルの選択を行う移動体通信システムにおいて、特定加入者用セルは、特定の移動端末ないし加入者に利用を許可する第一の動作モードと不特定の移動端末ないし利用者に利用を許可する第二の動作モードと、第一の動作モードと第二の動作モードとを同時に処理する第三の動作モードで運用可能であり、通信セルに割り当て可能なセル識別情報は、特定加入者用セルに割り当てる第一分類と、不特定利用者用セルに割り当てる第二分類に分類されており、第三の動作モードで動作している特定加入者用セルには第一分類に含まれるセル識別情報が割り当てられるものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る移動体通信システムは、下りアクセス方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を使用し、上りアクセス方式としてSC―FDMA(Single Career Frequency Division Multiple Access)方式を用いてデータの送受信を行う移動端末と、特定の移動端末ないし加入者に利用を許可する通信セルである特定加入者用セル及び不特定の移動端末ないし利用者が利用可能な通信セルである不特定利用者用セルに設けられた基地局と、複数の基地局を介して移動端末が位置する所望のトラッキングエリアを管理するとともに、移動端末にページング処理を行う基地局制御装置を含み、移動端末は、通信セルそれぞれに割り当てられた情報であって、通信セルを識別するための情報であるセル識別情報(PCI)を基地局より受信し、通信を行うセルの選択を行う移動体通信システムにおいて、特定加入者用セルは、特定の移動端末ないし加入者に利用を許可する第一の動作モードと不特定の移動端末ないし利用者に利用を許可する第二の動作モードとを同時に運用可能であり、通信セルに割り当て可能なセル識別情報は、特定加入者用セルに割り当てる第一分類と、不特定利用者用セルに割り当てる第二分類に分類されており、第二の動作モードで動作している特定加入者用セルには第一分類に含まれるセル識別情報が割り当てられるので、ホワイトリストを有する移動端末がCSGセル用のPCI範囲に属するPCIを用いてサーチを行うことにより、サーチ動作を高速に運用できるという効果を得ることが出来る。このことは移動体通信システムの制御遅延を防止するという効果を得ることが出来る。また、移動端末の消費電力の低減という効果を得ることが出来る。
【0026】
本発明に係る移動体通信システムは、下りアクセス方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を使用し、上りアクセス方式としてSC―FDMA(Single Career Frequency Division Multiple Access)方式を用いてデータの送受信を行う移動端末と、特定の移動端末ないし加入者に利用を許可する通信セルである特定加入者用セル及び不特定の移動端末ないし利用者が利用可能な通信セルである不特定利用者用セルに設けられた基地局と、複数の基地局を介して移動端末が位置する所望のトラッキングエリアを管理するとともに、移動端末にページング処理を行う基地局制御装置を含み、移動端末は、通信セルそれぞれに割り当てられた情報であって、通信セルを識別するための情報であるセル識別情報(PCI)を基地局より受信し、通信を行うセルの選択を行う移動体通信システムにおいて、特定加入者用セルは、特定の移動端末ないし加入者に利用を許可する第一の動作モードと不特定の移動端末ないし利用者に利用を許可する第二の動作モードと、第一の動作モードと第二の動作モードとを同時に処理する第三の動作モードで運用可能であり、通信セルに割り当て可能なセル識別情報は、特定加入者用セルに割り当てる第一分類と、不特定利用者用セルに割り当てる第二分類に分類されており、第三の動作モードで動作している特定加入者用セルには第一分類に含まれるセル識別情報が割り当てられるので、ホワイトリストを有する移動端末がCSGセル用のPCI範囲に属するPCIを用いてサーチを行うことにより、サーチ動作を高速に運用できるという効果を得ることが出来る。このことは移動体通信システムの制御遅延を防止するという効果を得ることが出来る。また、移動端末の消費電力の低減という効果を得ることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
実施の形態1.
図7は、現在3GPPにおいて議論されているLTE方式の移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。現在3GPPにおいては、CSG(Closed Subscriber Group)セル(e-UTRANのHome-eNodeB(Home-eNB,HeNB),UTRANのHome-NB(HNB))とnon-CSGセル(e-UTRANのeNodeB(eNB)、UTRANのNodeB(NB)、GERANのBSS)とを含めたシステムの全体的な構成が検討されており、e−UTRANについては、図7の(a)や(b)のような構成が提案されている(非特許文献1、非特許文献3)。図7(a)について説明する。移動端末(UE)71は基地局72と送受信を行う。基地局72はeNB(non-CSGセル)72−1と、Home−eNB(CSGセル)72−2とに分類される。eNB72−1はMME73とインタフェースS1により接続され、eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのeNBに対して複数のMMEが接続される。Home−eNB72−2はMME73とインタフェースS1により接続され、Home−eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのMMEに対して複数のHome−eNBが接続される。
【0028】
次に、図7(b)について説明する。移動端末(UE)71は基地局72と送受信を行う。基地局72はeNB(non-CSGセル)72−1と、Home−eNB(CSGセル)72−2とに分類される。図7(a)と同じように、eNB72−1はMME73とインタフェースS1により接続され、eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのeNBに対して複数のMMEが接続される。一方、Home−eNB72−2はHeNBGW(Home-eNB GateWay)74を介してMME73と接続される。Home−eNBとHeGWはインタフェースS1により接続され、HeNBGW74とMME73はインタフェースS1_flexを介して接続される。ひとつまたは複数のHome−eNB72−2がひとつのHeNBGW74と接続され、S1を通して情報が通信される。HeNBGW74はひとつまたは複数のMME73と接続され、S1_flexを通して情報が通信される。
【0029】
図7(b)の構成を用いて、ひとつのHeNBGW74を、同じCSG−IDに属するHome−eNBと接続することによって、例えばレジストレーション情報など、同じ情報をMME73から同じCSG−IDに属する複数のHome−eNB72−2に送信する場合、一旦HeNBGW74へ送信し、そこから複数のHome−eNB72−2へ送信することで、複数のHome−eNB72−2に対してそれぞれ直接に送信するよりもシグナリング効率を高められる。一方、各Home−eNB72−2がそれぞれ個別の情報をMME73と通信する場合は、HeNBGW74を介すがそこで情報を加工することなく通過(透過)させるだけにしておくことで、Home−eNB72−2とMME73があたかも直接接続されているように通信することも可能となる。
【0030】
図8は、本発明に係る移動端末(図7の端末71)の構成を示すブロック図である。図8に示す移動端末の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部801からの制御データ、アプリケーション部802からのユーザデータが送信データバッファ部803へ保存される。送信データバッファ部803に保存されたデータはエンコーダー部804へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部803から変調部805へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコーダー部804でエンコード処理されたデータは変調部805にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部806へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ807から基地局312に送信信号が送信される。また、移動端末311の受信処理は以下のとおり実行される。基地局312からの無線信号がアンテナ807により受信される。受信信号は、周波数変換部806にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部808において復調処理が行われる。復調後のデータはデコーダー部809へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部801へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部802へ渡される。移動端末の一連の処理は制御部810によって制御される。よって制御部810は、図面では省略しているが、各部(801〜809)と接続している。
【0031】
図9は、本発明に係る基地局(図7の基地局72)の構成を示すブロック図である。図9に示す基地局の送信処理を説明する。EPC通信部901は、基地局72とEPC(MME73,HeNBGW74など)間のデータの送受信を行う。他基地局通信部902は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。EPC通信部901、他基地局通信部902はそれぞれプロトコル処理部903と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部903からの制御データ、またEPC通信部901と他基地局通信部902からのユーザデータ及び制御データが送信データバッファ部904へ保存される。送信データバッファ部904に保存されたデータはエンコーダー部905へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部904から変調部906へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコードされたデータは変調部906にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部907へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ908より一つもしくは複数の移動端末71に対して送信信号が送信される。また、基地局72の受信処理は以下のとおり実行される。ひとつもしくは複数の移動端末311からの無線信号がアンテナ908により受信される。受信信号は周波数変換部907にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部909で復調処理が行われる。復調されたデータはデコーダー部910へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部903あるいはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡され、ユーザデータはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡される。基地局72の一連の処理は制御部911によって制御される。よって制御部911は図面では省略しているが各部(901〜910)と接続している。
【0032】
図10は、本発明に係るMME(Mobility Management Entity)の構成を示すブロック図である。PDN GW通信部1001はMME73とPDN GW間のデータの送受信を行う。基地局通信部1002はMME73と基地局72間をS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータはPDN GW通信部1001からユーザプレイン処理部1003経由で基地局通信部1002に渡され、1つあるいは複数の基地局72へ送信される。基地局72から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは基地局通信部1002からユーザプレイン処理部1003経由でPDN GW通信部1001に渡され、PDN GWへ送信される。
【0033】
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データはPDN GW通信部1001から制御プレイン制御部1005へ渡される。基地局72から受信したデータが制御データであった場合、制御データは基地局通信部1002から制御プレイン制御部1005へ渡される。HeNBGW通信部1004は、HeNBGW74が存在する場合に設けられ、情報種別によって、MME73とHeNBGW74間のインタフェース(IF)によるデータの送受信を行う。HeNBGW通信部1004から受信した制御データはHeNBGW通信部1004から制御プレイン制御部1005へ渡される。制御プレイン制御部1005での処理の結果は、PDN GW通信部1001経由でPDN GWへ送信される。また、制御プレイン制御部1005で処理された結果は、基地局通信部1002経由でS1インタフェースにより1つあるいは複数の基地局72へ送信され、またHeNBGW通信部1004経由で1つあるいは複数のHeNBGW74へ送信される。
【0034】
制御プレイン制御部1005には、NASセキュリティ部1005−1、SAEベアラコントロール部1005−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部1005―3などが含まれ、制御プレインに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部1005―1はNAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部1005―2はSAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部1005―3は、待受け(LTE‐IDLE状態、単にアイドルとも称される)状態のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成及び制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末71のトラッキングエリア(TA)の追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト(TA List)管理などを行う。MMEはUEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:tracking Area: TA)に属するセルへページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MMEに接続されるHome−eNB72−2のCSGの管理やCSG−IDの管理、そしてホワイトリスト管理を、アイドルステートモビリティ管理部1005―3で行っても良い。CSG−IDの管理では、CSG−IDに対応する移動端末とCSGセルの関係が管理(追加、削除、更新、検索)される。例えば、あるCSG−IDにユーザアクセス登録された一つまたは複数の移動端末と該CSG−IDに属するCSGセルの関係であっても良い。ホワイトリスト管理では、移動端末とCSG−IDの関係が管理(追加、削除、更新、検索)される。例えば、ホワイトリストには、ある移動端末がユーザ登録した一つまたは複数のCSG−IDが記憶されても良い。これらのCSGに関する管理はMME73の中の他の部分で行われても良いが、アイドルステートモビリティ管理部1005―3で行うことで、現在3GPP会合で議論されている、CSG−IDの代わりにトラッキングエリアコード(Tracking Area Code)を用いる方法が効率よく行える。MME313の一連の処理は制御部1006によって制御される。よって制御部1006は図面では省略しているが各部(1001〜1005)と接続している。
【0035】
図11は、本発明に係るHeNBGWの構成を示すブロック図である。EPC通信部1101はHeNBGW74とMME73間をS1_flexインタフェースによるデータの送受信を行う。基地局通信部1102はHeNBGW74とHome−eNB72−2間をS1インタフェースによるデータの送受信を行う。ロケーション処理部1103は、EPC通信部1101経由で渡されたMME73からのデータのうちレジストレーション情報など、複数のHome−eNBに送信する処理を行う。ロケーション処理部1103で処理されたデータは、基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。ロケーション処理部1103での処理を必要とせず通過(透過)させるだけのデータは、EPC通信部1101から基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。HeNBGW74の一連の処理は制御部1104によって制御される。よって制御部1104は図面では省略しているが各部(1101〜1103)と接続している。
【0036】
次に移動体通信システムにおける一般的なセルサーチ方法の一例を示す。図12は、LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。移動端末にてセルサーチが開始されると、ステップST1201で周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、第二同期信号(S−SS)を用いてスロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。P−SSとS−SSあわせて、同期信号(SS)にはセル毎に割り当てられたPCI(Physical Cell Identity)に1対1対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は現在504通りが検討されており、この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。次に同期がとれたセルに対して、ステップST1202で、基地局からセル毎に送信される参照信号RS(Reference Signal)を検出し受信電力の測定を行う。参照信号RSにはPCIと1対1に対応したコードが用いられており、そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ST1201で特定したPCIから該セルのRS用のコードを導出すことによって、RSを検出し、RS受信電力を測定することが可能となる。次にST1203で、ST1202までで検出されたひとつ以上のセルの中から、RSの受信品質が最も良いセル(例えば、RSの受信電力が最も高いセル)(ベストセル)を選択する。次にST1204でベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がのる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
【0037】
次に1205で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL−SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には該セルへのアクセスに関する情報や、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1にはTAC(Tracking Area Code)が含まれる。次にST1206で、移動端末は、ST1205で受信したTACと、移動端末が既に保有しているTACと比較する。比較した結果、同じならば、該セルで待ち受け動作に入る。比較して異なる場合は、移動端末は該セルを通してコアネットワーク(Core Network, EPC)(MMEなどが含まれる)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためTAの変更を要求する。コアネットワークは、TAU要求信号とともに移動端末から送られてくる該移動端末の識別番号(UE−IDなど)をもとに、TAの更新を行う。コアネットワークはTAの更新後、移動端末にTAU受領信号を送信する。移動端末は該セルのTACで、移動端末が保有するTAC(あるいはTACリスト)を書き換える(更新する)。その後移動端末は該セルで待ち受け動作に入る。
【0038】
LTEやUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)においては、CSG(Closed Subscriber Group)セルの導入が検討されている。前述したように、CSGセルに登録したひとつまたは複数の移動端末のみにアクセスが許される。CSGセルと登録されたひとつまたは複数の移動端末がひとつのCSGを構成する。このように構成されたCSGにはCSG−IDと呼ばれる固有の識別番号が付される。なお、ひとつのCSGには複数のCSGセルがあっても良い。移動端末はどれかひとつのCSGセルに登録すればそのCSGセルが属するCSGの他のCSGセルにはアクセス可能となる。また、LTEでのHome−eNBやUMTSでのHome−NBがCSGセルとして使われることがある。CSGセルに登録した移動端末は、ホワイトリストを有する。具体的にはホワイトリストはSIM/USIMに記憶される。ホワイトリストには、移動端末が登録したCSGセルのCSG情報がのる。CSG情報として具体的には、CSG−ID、TAI(Tracking Area Identity)、TACなどが考えられる。CSG−IDとTACが対応づけられていれば、どちらか一方で良い。また、CSG−IDやTACとGCI(Global Cell Identity)が対応付けられていればGCIでもよい。以上から、ホワイトリストを有しない(本発明においては、ホワイトリストが空(empty)の場合も含める)移動端末は、CSGセルにアクセスすることは不可能であり、non−CSGセルのみにしかアクセスできない。一方、ホワイトリストを有する移動端末は、登録したCSG−IDのCSGセルにも、non−CSGセルにもアクセスすることが可能となる。
3GPPでは、全PCI(Physical Cell Identity)を、CSGセル用とnon−CSGセル用とに分割(PCIスプリットと称する)することが議論されている(非特許文献5)。またPCIスプリット情報は、システム情報にて基地局から傘下の移動端末に対して報知されることが議論されている。PCIスプリットを用いた移動端末の基本動作を開示する。PCIスプリット情報を有しない移動端末は、全PCIを用いて(例えば504コード全てを用いて)セルサーチを行う必要がある。対してPCIスプリット情報を有する移動端末は、当該PCIスプリット情報を用いてセルサーチを行うことが可能である。
非特許文献6にHeNB及びHNBへのアクセスの3つの異なるモードが開示されている。オープンアクセスモード(Open access mode)とクローズドアクセスモード(Closed access mode)とハイブリッドアクセスモード(Hybrid access mode)である。各々のモードは以下のような特徴を有する。オープンアクセスモードでは、HeNBやHNBは通常のオペレータのノーマルセルとして操作される。クローズドアクセスモードでは、HeNBやHNBがCSGセルとして操作される。これはCSGメンバーのみアクセス可能なCSGセルである。ハイブリッドアクセスモードでは、非CSGメンバーも同時にアクセス許可されているCSGセルである。
【0039】
ハイブリッドアクセスモードの実用例を以下に示す。ショッピングモール内でのカバレッジを改善するためHeNB(HNBでも良い)が配置されたと考える。当該HeNBをハイブリッドアクセスモードで運用した場合を考える。ショッピングモールの所有者、従業員は当該HeNBに登録することにより、当該HeNB経由でサービスを受ける場合、課金優遇が受けられるとする。この使用方法はクローズドアクセスモードの使用方法である。一方、当該HeNBに未登録であるお客も、当該HeNB経由でサービスを受けることができる。この使用方法はオープンアクセスモードの使用方法である。上記のようにハイブリッドアクセスモードとは、登録済みのユーザにはクローズドアクセスモードとして動作し、未登録のユーザにはオープンアクセスモードとして同時に動作するモードである。よってハイブリッドアクセスモードは、オープンアクセスモード及びクローズドアクセスモードと性質を異にする。
【0040】
また、クローズドアクセスモードのサービスの具体例を示す。登録した移動端末のみにセルへのアクセスを許可することで、該移動端末が使用できる無線リソースを増大させて高速に通信を行えるようにする。その分、オペレータは課金料を通常よりも高く設定する。といったサービスである。それに対して、ハイブリッドアクセスモードのセルは、クローズドアクセスモードとオープンアクセスモードの両方を同時にサービスする。この場合、登録した移動端末のみがアクセス許可されるわけではない。オープンアクセスモードの移動端末も該セルの無線リソースを使用する。従って、ハイブリッドアクセスモードのセルにおけるクローズドアクセスモードの通信速度は、クローズドアクセスモードセルの通信速度以下となる。オペレータはこの分、課金料を安くする。このようなサービスの使い分けが検討されている。従って、移動端末は、セルサーチ、セル選択したセルから、クローズドアクセスモードセルを選択するのか、ハイブリッドアクセスモードセルを選択するのか判断できるようにすることが必要となる。このため、3GPPにおいては、セルのアクセスモードが、Hybridかclosedかを示すインジケータ(Hybrid access indicator)を報知情報にのせて傘下の移動端末に報知することが提案されている(非特許文献8)。非特許文献7では、PCIスプリットに関するシグナリングについて記載されている。しかし、HeNBおよびHNBのハイブリッドアクセスモードに関する記載はない。
【0041】
非特許文献7では、PCIスプリット情報のシグナリング方法について記載がされている。非特許文献7で示されているシグナリング方法においては、開始コードや列挙値にてコード値を通知する必要がある。全PCIにて例えば504コードが存在する場合、504通りのコードを示すために9ビットが必要となる。本実施の形態では、非特許文献7とは別の方法でPCIスプリット情報を基地局から移動端末へ通知する方法を開示する。本実施の形態では、PCIコードを「割る数」と「余りの数」によりPCIスプリット情報を示す。具体例としては、(PCIコード数)MOD X=Yとする。このXとYの値によりPCIスプリット情報を示す。例えばXを2とし、Y=0をCSGセル用、Y=1をnon−CSGセル用とすればよい。基地局から移動端末へ無線リソースを用いて通知するPCIスプリット情報は、X値とCSGセル用のY値、non−CSGセル用のY値となり、コード値を通知する非特許文献7の方法と比較して情報量が減り、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。また例えばY=0をnon−CSGセル用に割り当てると静的あるいは準静的に決定しておけば、基地局から移動端末へはX値とCSGセル用のY値のみで良い。これによりさらなる、情報量の削減が可能となり、無線リソースの有効活用が図れる。また、X値を変更することによりCSGセル用のPCI範囲とnon−CSGセル用のPCI範囲の比率を容易に変更可能となる利点がある。例えばXを3とし、Y=0、1をCSGセル用、Y=2をnon−CSGセル用とすればよい。これによりCSGセル用のPCI範囲がnon−CSGセル用のPCI範囲と比較して2倍の範囲とできる。
【0042】
実施の形態2.
本実施の形態の課題を以下に示す。HeNB(HNBでも良い)がハイブリッドアクセスモードで運用されている場合、CSGセルとは言え非CSGメンバーも同時にアクセス許可されているセルである。よってハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBに従来のPCIスプリットにてnon−CSGセル用のPCI範囲に含まれるPCIを割り当てると考える。この場合、ホワイトリストを有する移動端末(いずれかのCSGセルへ登録している移動端末)がPCIスプリット情報を受信後、セルサーチ動作にてnon−CSGセル用のPCI範囲に含まれるPCIが割り当てられているハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBを対象から外してしまうという問題が発生する。ハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBに登録しているにも関わらず、サーチ対象から外してしまう移動端末が存在する。これは、登録を行っている移動端末が当該CSGセルで通信を行う場合、課金優遇が受けることができる移動体通信システムの場合、ハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBに登録している移動端末が当該HeNBのカバレッジ内にも関わらず、当該HeNBをサーチ対象から外してしまい、課金優遇が受けられないというユーザにとって不利益となる課題が発生する。逆に、上記にてハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBをサーチ対象から外さないとすれば、ホワイトリストを有する移動端末がPCIスプリット情報を受信後であっても全セルを対象にセルサーチ動作を行うことになり、CSGセルを選択(あるいは、セル再選択)するまでの時間が長くなるという問題が発生する。これによりシステムの制御遅延、移動端末の消費電力の増大という課題が発生する。
【0043】
本実施の形態では、以下の方法で上記課題を解決する。移動体通信システムとしてハイブリッドアクセスモードで運用されているHeNBに対してCSGセル用のPCIを割り当てる。従来技術のように、従来のPCIスプリットでのCSGセル用のPCI範囲に属するPCIをCSGセルにのみ割当てるのではなく、本実施の形態ではCSGセル及びハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBに割当てる。概念について図13を用いて説明する。図13に現在の3GPPの議論におけるPCIスプリットの概念図を示す。範囲Aは全PCIを示している。例えば504通り(504コード)である。例えばCSGセル用のPCI範囲を範囲Bとする。例えばnon−CSGセル用のPCI範囲を範囲Cとする。本実施の形態では、例えば範囲Bに属するPCIをCSGセルとハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBに割り当てる。また範囲Cに属するPCIをnon−CSGセルに割り当てる。図13に示す概念を言い換えれば、セル識別情報(PCI)は、CSGセル(特定加入者用セル)に割り当てる範囲Bに含まれるPCI(第一分類)と、non−CSGセル(不特定利用者用セル)に割り当てる範囲Cに含まれるPCI(第二分類)の2つの類型に分類されている。本実施の形態においては、ハイブリッドアクセスモードで動作しているセルには、範囲Bに含まれるPCIが割り当てられる。
【0044】
次に図15を用いて、本実施の形態における移動端末としての動作の一例を説明する。ステップST6101にて移動端末は、本実施の形態で開示したPCIスプリット情報を基地局(マクロセル、HeNB、HNB、CSGセル、non−CSGセルなど)から受信し、PCIスプリット情報を有しているか否かを判断する。有していない場合、ステップST6102へ移行する。有している場合、ステップST6104へ移行する。ステップST6102にて移動端末は、全PCI範囲にてセルサーチを行う。ステップST6103にて移動端末はセル選択が行われたか否かを判断する。行われていた場合、処理を終了する。行われていない場合、ステップST6101へ戻る。
【0045】
ステップST6103で行われるセル選択の詳細動作例について図14を用いて説明する。ステップST1501にて移動端末は、リファレンスシグナル(Reference signal:RS)の受信品質が最も良いセル(例えば、RSの受信電力が最も高いセル)をベストセルとして選択する。ステップST1801にて移動端末は、当該ベストセルがCSGセルであるか、non−CSGセルであるかハイブリッドアクセスモードで運用されているHeNBであるかを判断する。この判断には基地局から報知されるシステム情報にマッピングされるCSGインジケータ(非特許文献9)を用いることができる。また、基地局から報知されるシステム情報にマッピングされるハイブリッドアクセスインジケータ(非特許文献8)を用いることができる。non−CSGセルであった場合、ステップST1503へ移行する。CSGセルであった場合、ステップST1508へ移行する。ハイブリッドアクセスモードで運用されているHeNBであった場合、ステップST1802へ移行する。ステップST1503にて移動端末は、現在のセルサーチにてCSGセルを優先してセル選択するか否かを判断する。CSGセルを優先してセル選択を行わない場合、ステップST1504へ移行する。CSGセルを優先してセル選択を行う場合、ステップST1505へ移行する。ステップST1504にて移動端末は、当該セルを選択する。その後処理を終了する。ステップST1505にて移動端末は、当該セルをセルサーチの対象から外し、ステップST1506へ移行する。ステップST1506にて移動端末は、サーチを続けるか否かを判断する。続けるか否かの具体的な判断例は、他にセルサーチの対象となるセルが存在する場合はサーチを続けると判断し、他にセルサーチの対象となるセルが存在しない場合はサーチを続けないと判断する。またセルサーチ開始からセル選択を完了させるまでの許容時間内であればサーチを続けると判断し、許容時間が満了すれば、あるいは満了していればサーチを続けないと判断する。サーチを続ける場合、ステップST1507へ移行する。サーチを続けない場合、処理を終了する。ステップST1507にて移動端末は、本実施の形態で開示したPCIスプリット情報を基地局(マクロセル、HeNB、HNB、CSGセル、non−CSGセルなど)から受信し、PCIスプリット情報を有しているか否かを判断する。有していない場合、ステップST1501へ戻る。有している場合、図15のステップST6104へ移行する。
【0046】
ステップST1508にて移動端末は、ホワイトリスト内にCSG−IDを有しているか否かを判断する。言い換えれば、いずれかのCSGセルへ登録しているか否かを判断する。CSG−IDを有している場合、あるいはCSGセルへ登録している場合、ステップST1509へ移行する。CSG−IDを有していない場合、あるいはCSGセルへ登録していない場合、ステップST1510へ移行する。ステップST1509にて移動端末は、当該セルのCSG−IDをホワイトリスト内に有しているか否かを判断する。言い換えれば、当該セルのCSG−IDへ登録しているか否かを判断する。当該CSG−IDを有している場合、あるいは当該CSG−IDへ登録している場合、ステップST1504へ移行する。当該CSG−IDを有していない場合、あるいは当該CSG−IDへ登録していない場合は、ステップST1510へ移行する。ステップST1510にて移動端末は、当該セルをセルサーチの対象から外し、ステップST1511へ移行する。ステップST1511にて移動端末は、サーチを続けるか否かを判断する。続けるか否かの具体的な判断例は、他にセルサーチの対象となるセルが存在する場合はサーチを続けると判断し、他にセルサーチの対象となるセルが存在しない場合はサーチを続けないと判断する。またセルサーチ開始からセル選択を完了させるまでの許容時間内であればサーチを続けると判断し、許容時間が満了すれば、あるいは満了していればサーチを続けないと判断する。サーチを続ける場合、ステップST1512へ移行する。サーチを続けない場合、処理を終了する。ステップST1512にて移動端末は、本実施の形態で開示したPCIスプリット情報を基地局(マクロセル、HeNB、HNB、CSGセル、non−CSGセルなど)から受信し、PCIスプリット情報を有しているか否かを判断する。有していない場合、ステップST1501へ戻る。有している場合、図15のステップST6104へ移行する。ステップST1802にて移動端末は、ホワイトリスト内にCSG−IDを有しているか否かを判断する。言い換えれば、いずれかのCSGセルへ登録しているか否かを判断する。CSG−IDを有している場合、あるいはCSGセルへ登録している場合、ステップST1803へ移行する。CSG−IDを有していない場合、あるいはCSGセルへ登録していない場合、ステップST1504へ移行する。ステップST1803にて移動端末は、CSGセルを優先してセル選択するか否かを判断する。CSGセルを優先してセル選択を行わない場合、ステップST1504へ移行する。CSGセルを優先してセル選択を行う場合、ステップST1509へ移行する。
【0047】
ステップST6104にて移動端末は、ホワイトリスト内にCSG−IDを有しているか否かを判断する。言い換えれば、いずれかのCSGセルへ登録しているか否かを判断する。CSG−IDを有している場合、あるいはCSGセルへ登録している場合、ステップST6105へ移行する。CSG−IDを有していない場合、あるいはCSGセルへ登録していない場合、ステップST6109へ移行する。ステップST6105にて移動端末は、本実施の形態で開示したPCIスプリット情報にてCSGセル用のPCI範囲に属するPCIにてセルサーチを行い、ステップST6106へ移行する。ステップST6106にて移動端末は、セル選択が行われたか否かを判断する。行われていた場合、処理を終了する。行われていない場合、ステップST6107へ移行する。ステップST6106で行われるセル選択の詳細動作例について図14を用いて説明する。ステップST6106ではステップ6103と異なり、PCIスプリット情報を有し、CSGセル用のPCI範囲に属するPCIにてセルサーチを行い、かつホワイトリストを有する移動端末のセル選択動作である。よって図14にてステップ1501の処理後、ステップST1801にてCSGセル、あるいはハイブリッドアクセスモードで運用されているHeNBであると判断される。CSGセルと判断された場合、ステップST1508へ進み、ステップST1508でYESと判断され、ステップST1509で判断され、ステップST1504、あるいはステップST1510の処理へ進む。ステップST1510の処理後、ステップST1511で判断され、ステップST1512、あるいは処理を終了する。ステップST1512ではYESと判断される。ハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBであると判断された場合、ステップST1802でYESと判断され、ステップST1803にてYESと判断され、ステップST1509へ移行する。
【0048】
ステップST6107にて移動端末は、周辺に登録しているCSGセルが存在しない、またハイブリッドアクセスモードで運用されているHeNBが存在しないと判断しnon−CSGセルを選択すべく、本実施の形態で開示したPCIスプリット情報にてnon−CSGセル用のPCI範囲に属するPCIにてセルサーチを行い、ステップST6108へ移行する。ステップST6108にて移動端末は、セル選択が行われたか否かを判断する。行われていた場合、処理を終了する。行われていない場合、ステップST6105へ戻る。ステップST6108で行われるセル選択の詳細動作例について図14を用いて説明する。ステップST6108ではステップ6103と異なり、PCIスプリット情報を有し、non−CSGセル用のPCI範囲に属するPCIにてセルサーチを行い、かつ現在のセルサーチにてCSGセルを優先していない移動端末のセル選択動作である。よって図14にてステップ1501の処理後、ステップST1801でnon−CSGセルと判断され、ステップST1503でNOと判断され、ステップST1504の処理を行う。図15のステップST6109にて移動端末は、全PCI範囲にてセルサーチを行う。ステップST6110にて移動端末は、リファレンスシグナル(Reference signal:RS)の受信品質が最も良いセル(例えば、RSの受信電力が最も高いセル)をベストセルとして選択する。ステップST6111にて移動端末は、当該ベストセルがnon−CSGセル、あるいはハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBであるかを判断する。この判断には基地局から報知されるシステム情報にマッピングされるCSGインジケータを用いることができる。また、基地局から報知されるシステム情報にマッピングされるハイブリッドアクセスインジケータを用いることができる。non−CSGセル、あるいはハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBであった場合、ステップST6113へ移行する。non−CSGセル、あるいはハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBで出なかった場合、言い換えればCSGセルであった場合、ステップST6112へ移行する。ステップST6112にて移動端末は、当該セルをセルサーチの対象から外し、ステップST6109へ移行する。ステップST6113にて移動端末は、当該セルを選択する。その後処理を終了する。
【0049】
本実施の形態により、以下の効果を得ることが出来る。ホワイトリストを有する移動端末がCSGセル用のPCI範囲に属するPCIを用いてサーチを行えば、CSGセルとハイブリッドアクセスモードで運用されているHeNBをサーチ対象とすることが可能となる。つまりnon−CSGセル用のPCI範囲に属するPCIを用いてサーチすることなく、ハイブリッドアクセスモードで運用されているHeNBをサーチ対象とすることが可能となる。従来の技術では、ホワイトリストを有する移動端末がハイブリッドアクセスモードで運用されているHeNBをサーチ対象とするためには、全PCI範囲をサーチ対象とする必要があった。例えば、登録を行っている移動端末が当該CSGセルで通信を行う場合、課金優遇が受けられるという移動体通信システムにおいて、移動端末がCSGセルあるいはハイブリッドアクセスモードで運用されているHeNBを優先的にセル選択したい場合、本実施の形態ではPCIの検出の段階(図12のステップST1201)でnon−CSGセルを除いてセルサーチ動作を行うことが出来る。一方従来の技術では、システム情報であるSIB1を受信しなければnon−CSGセルかCSGセルか不明である。また、システム情報であるSIB1を受信しなければハイブリッドアクセスモードで運用されているか否かは不明である。よってシステム情報(SIB1)を受信するまで(図12のステップST1205)、non−CSGセルなどをサーチ対象から外してセルサーチを行うこと、ハイブリッドモードで運用されているHeNBをセル選択することは不可能となる。このように本実施の形態を用いることにより、サーチ動作を高速に運用できるという効果を得ることが出来る。このことは移動体通信システムの制御遅延を防止するという効果を得ることが出来る。また、移動端末の消費電力の低減という効果を得ることが出来る。また、これにより、ハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBの導入によってPCIスプリット方法に変更不要とすることができる。これにより移動体通信システムの複雑性を回避するという効果を得ることが出来る。
【0050】
実施の形態2 変形例1.
上記の解決策において、従来の技術に対してホワイトリストを有する移動端末のセルサーチ動作の高速化を実現したが、ホワイトリストを有さない移動端末のセルサーチ動作の高速化は実現できていない。具体的には、ホワイトリストを持たない移動端末(CSGセルへ登録していない移動端末)がPCIスプリット情報を受信後、セルサーチ動作にてCSGセル用のPCI範囲に含まれるPCIが割り当てられるハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBを対象セルから外してしまうという問題が発生する。ハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBは非CSGメンバーであってもアクセス許可されるモードであるにも関わらず、サーチ対象から外れてしまう。よってハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBのカバレッジ内に存在するホワイトリストを持たない移動端末が、当該HeNBをセル選択しないという問題が発生する。これは、通信可能なロケーションにおいて、PCI割当の不都合により通信不可能となることを意味する。逆に、上記にてハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBをサーチ対象から外さないとすれば、ホワイトリストを持たない移動端末がPCIスプリット情報を受信後であっても全セルを対象にセルサーチ動作を行うことになり、システムの制御遅延、移動端末の消費電力の増大という課題が発生する。多数のCSGセルからの電波が届く位置にいるホワイトリストを有さない移動端末の場合、多くのアクセス不可能なCSGセル(つまりユーザアクセス登録していないCSGセル)を延々とサーチやセル選択を繰り返す状況が生じる。このような場合、システムに制御遅延や無線リソースの使用効率及びシグナリング効率の低下を引き起こす。また、セルサーチを繰り返す移動端末の消費電力が大きくなるという問題が生じる。これらの問題は前述したような将来のCSGセルの配置状況を想定すると重要な問題となる。
【0051】
本変形例では上記課題を解決する方法を開示する。基地局から傘下の移動端末に対して周辺セルにてハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBが存在するか否か(以降、「周辺ハイブリッド状況」と称する)を通知する。基地局は、自セルの周辺、あるいはメジャメント対象セル中にハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBが存在するか否かを傘下の移動端末に対して通知する。具体的には、1ビットのインジケータを設けて、存在する場合は“1”、存在しない場合は“0”を設定する(もちろん逆でも良い)ようにしておいても良い。
【0052】
周辺ハイブリッド状況の通知方法の具体例を以下に示す。ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、物理チャネルである物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされて移動端末に通知される。マスタ情報にマッピングされ、マスタ情報ブロック(MIB)にマッピングされ、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、物理チャネルである物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされて移動端末に通知される。周辺ハイブリッド状況をMIBにマッピングした場合、以下の効果を得ることが出来る。例えばLTE方式の通信システムにおいては、セルサーチから待ちうけの動作に必要最小限受信する報知情報として、MIBまたはSIB1がある。よって、セルサーチから待ちうけの動作に必要最小限受信する報知情報に周辺ハイブリッド状況を入れることによって、移動端末は他の報知情報ブロックを得る必要がなく短時間に低消費電力で周辺ハイブリッド状況を得ることが可能となる。
【0053】
周辺ハイブリッド状況は、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされて移動端末に通知される。システム情報にマッピングされ、システム情報ブロック(SIB)にマッピングされ、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされて移動端末に通知される。周辺ハイブリッド状況をシステム情報のうちSIB1にマッピングした場合、以下の効果を得ることが出来る。例えばLTE方式の通信システムにおいては、セルサーチから待ちうけの動作に必要最小限受信する報知情報として、MIBまたはSIB1がある。よって、セルサーチから待ちうけの動作に必要最小限受信する報知情報に周辺ハイブリッド状況を入れることによって、移動端末は他の報知情報ブロックを得る必要がなく短時間に低消費電力で周辺ハイブリッド状況を得ることが可能となる。また、現在の3GPP以下のことが議論されている。そのセルがCSGセルであるということを示す、CSGインジケータはSIB1にマッピングされる方向である。ハイブリッドアクセスモードを区別するためのハイブリッドアクセスインジケータはSIB1にマッピングされる方向である。また、SIB1にはセル再選択共通情報(cell Reselection InfoCommon)がマッピングされる方向である。このような状況下において、移動端末がハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBを探すべくセルサーチ動作を行うか、行わないかを決定する際に用いる情報である周辺ハイブリッド状況をSIB1にマッピングすることは、移動端末のセルサーチという処理にて用いるパラメータを、移動端末が同じシステム情報の受信にて得ることが可能となり、移動端末の動作の複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。
【0054】
周辺ハイブリッド状況をシステム情報のうちSIB4にマッピングした場合、以下の効果を得ることが出来る。現在の3GPPでは、SIB4には同周波数間周辺セルリスト(intra Freq Neighbouring Cell List)がマッピングされる方向である。このような状況下において、移動端末が周辺セルの状況を得るという処理にて用いるパラメータを、移動端末が同じシステム情報の受信にて得ることが可能となり、移動端末の動作の複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。また、ハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBは、同周波数間周辺セルリスト中に含まれるとしても良い。また、同周波数間周辺セルリストのセル毎にハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBであるか否かを示すインジケータを持っても良い。周辺ハイブリッド状況をシステム情報のうちSIB9にマッピングした場合、以下の効果を得ることが出来る。現在の3GPPでは、SIB9にはHeNBの識別子(a home eNB identifier (HNBID))がマッピングされる方向である。このような状況下において、移動端末がHeNBに関する情報を得るという処理にて用いるパラメータを、移動端末が同じシステム情報の受信にて得ることが可能となり、移動端末の動作の複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。また、周辺ハイブリッド状況をシステム情報のうちSIB4やSIB9にマッピングした場合、比較的短い周期で繰返し送信されるSIB1にマッピングするよりも、送信される情報量、シグナリング量を低減できる。このため、システムとしてのシグナリング負荷を増大させることなく、移動端末が該システム情報を得ることが可能となるという効果が得られる。
【0055】
あるいは周辺ハイブリッド状況は、共通の認識の物理リソースに関するパラメータは、ロジカルチャネルである共有制御チャネル(CCCH)、あるいは個別制御チャネル(DCCH)、あるいはマルチキャスト制御チャネル(MCCH)、あるいはマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされて移動端末に通知される。
【0056】
次に図16を用いて、本変形例における移動端末としての動作の一例を説明する。図16は、図15と類似する部分を有する。よって同じステップ番号の箇所の説明は省略する。ステップST6201にて移動端末は、周辺セル(あるいはあるいはメジャメント対象セル中)にハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBが存在するか否かを判断する。この判断には基地局から報知される情報にマッピングされる、本変形例で開示する「周辺ハイブリッド状況」を用いることができる。周辺セルにハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBが存在する場合、ステップST6109へ移行する。存在しない場合、ステップST6202へ移行する。ステップST6202にて移動端末は、本実施の形態で開示したPCIスプリット情報にてnon−CSGセル用のPCI範囲に属するPCIにてセルサーチを行い、ステップST6203へ移行する。ステップST6203にて移動端末は、セル選択が行われたか否かを判断する。行われていた場合、処理を終了する。行われていない場合、ステップST6202へ戻る。ステップST6203で行われるセル選択の詳細動作例について図14を用いて説明する。ステップST6203ではステップST6103と異なり、PCIスプリット情報を有し、non−CSGセル用のPCI範囲に属するPCIにてセルサーチを行い、ホワイトリストを有さず、かつ現在のセルサーチにてCSGセルを優先していない移動端末のセル選択動作である。よって図14ステップST1501の処理後、ステップST1801にてnon−CSGセルと判断されステップST1503へ進む、ステップST1503でNOと判断され、ステップST1504へ進む。
【0057】
本変形例により、実施の形態2の効果に加えて以下の効果を得ることが出来る。ホワイトリストを有さない移動端末のセルサーチの高速化を実現可能となる。ホワイトリストを有さない移動端末がハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBが存在しない環境にてCSGセル用のPCI範囲に属するPCIを用いてサーチする必要がなくなる。このことは、サーチ動作を高速に運用できるという効果を得ることが出来る。このことは移動体通信システムの制御遅延を防止するという効果を得ることが出来る。また、移動端末の消費電力の低減という効果を得ることが出来る。将来のCSGセルの配置状況を想定すると重要な効果となる。
【0058】
実施の形態3.
実施の形態2の変形例1にて、基地局から傘下の移動端末に対して周辺ハイブリッド状況を通知することを開示した。周辺ハイブリッド状況の通知の具体例として、周辺セルにハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在するか否かを通知することを開示した。また別の具体例として、自セルの周辺、あるいはメジャメント対象セル中にハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在するか否かを傘下の移動端末に対して通知することを開示した。
【0059】
本実施の形態3では、周辺ハイブリッド状況の通知の更なる具体例を以下に7つ開示する。
【0060】
(1)周辺(周辺セル、あるいはメジャメント対象セルの中。以降同様とする。)にハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在する旨を通知する。メジャメント対象セルとは、例えば、ネットワーク側から移動端末へ、移動端末がメジェメントすることを要求されるセルを意味する。
【0061】
(2)周辺にハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在しない旨を通知する。
【0062】
(3)周辺に存在する、ハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBのPCIを通知する。例えば周辺ハイブリッド状況を同周波数間周辺セルリスト(NCL:Neighboring Cell List)、あるいは異周波数間周辺セルリスト、あるいは異システム間周辺セルリストを用いて通知する場合を考える。上記各周辺セルリストにより周辺ハイブリッド状況を通知することで、移動端末が周辺セルの情報をともに受信することが可能となり、移動端末の動作の複雑性回避、制御遅延防止、処理負荷軽減という効果を得ることができる。周辺に存在する、ハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBのPCIを周辺セルリストを用いて通知する方法の具体例を以下2つ開示する。
【0063】
(3−1)現行の周辺セルリストにて周辺ハイブリッド状況を通知する。周辺セルのPCIと共にハイブリッドアクセスモードで動作するセルであることを区別可能とする情報を付加しても良い。区別可能とする情報の具体例を以下4つ開示する。
【0064】
(3−1−1)アクセスモードの別を示す。例えば、クローズドアクセスモード、オープンアクセスモード、ハイブリッドアクセスモードを示す。
【0065】
(3−1−2)ハイブリッドアクセスモードであるか否かを示す。
【0066】
(3−1−3)ハイブリッドアクセスモードである旨を示す。
【0067】
(3−1−4)ハイブリッドアクセスモードでない旨を示す。
【0068】
(3−2)現行の周辺セルリストと分離することで、ハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBのPCIを通知する。周辺セルのアクセスモードにより周辺セルリストを分離しても良い。移動端末は、アクセスモード毎に分離された周辺セルリストにより、該周辺セルリストに含まれるPCIを伴う各セルは、各々のアクセスモードで動作していることが認識可能となる。また、ハイブリッドアクセスモードで動作するセル用の周辺セルリストを設けてもよい。移動端末は、該ハイブリッドアクセスモードで動作するセル用の周辺セルリストに含まれるPCIを伴うセルは、ハイブリッドアクセスモードで動作していることが認識可能となる。
【0069】
(4)ハイブリッドセル(ハイブリッドアクセスモードで動作するセル)に割当てられるPCIの範囲を通知する。周辺にハイブリッドアクセスモードで動作するセルが存在する場合のみ通知するとしても良い。
【0070】
3GPPでは、マクロセルに利用可能なPCIs/PCSsのセットからハイブリッドセルのためにPCIs/PSCsの部分集合を予約して、その情報を移動端末に報知することが提案されている(非特許文献10)。つまり、non−CSG用のPCI中にハイブリッドセルが利用するPCI範囲(以降、ハイブリッドセル用のPCI範囲と称する)を予約することが提案されている。一方、ハイブリッドセル用のPCI範囲の移動端末への通知方法についての詳細は開示されていない。
【0071】
周辺セルにハイブリッドアクセスモードで動作するセルが存在する場合のみ、ハイブリッドセルに割当てられるPCIの範囲をサービングセルより通知することで以下の効果を得ることが出来る。ハイブリッドセルに割当てられるPCIの範囲を通知することによって、実施の形態2の変形例1で示した周辺セルにハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在するか否か、あるいは本実施の形態における周辺ハイブリッド状況の更なる具体例(1)である「周辺にハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在する旨」、あるいは本実施の形態における周辺ハイブリッド状況の更なる具体例(2)である「周辺にハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在しない旨」を通知することなく、同様の情報を通知することが可能となる。これにより、無線リソースの有効活用、通知の情報が増加することによる移動体通信システムの複雑性の回避という効果を得ることができる。
【0072】
(5)周辺に存在するハイブリッドセルに割当てられるPCIの範囲を通知する。これにより、本実施の形態における周辺ハイブリッド状況の更なる具体例(4)と比較して、ハイブリッドアクセスモードで動作しているHeNBの検出のために移動端末がセルサーチのために用いるPCIの数を削減することが可能となる。これにより、移動端末の処理負荷軽減という効果を得ることが出来る。
【0073】
本実施の形態において、周辺ハイブリッド状況の通知方法は、実施の形態2の変形例1と同様であるので、説明を省略する。
【0074】
(6)現在のキャリア周波数(サービング周波数とも称される)にハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在する旨、あるいはハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在しない旨、あるいはハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在するか否かを通知する。該情報は、周辺セルの状況によらないため、移動体通信システムの複雑性の回避という効果を得ることができる。
【0075】
(7)現在の移動体通信システムにハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在する旨、あるいはハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在しない旨、あるいはハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在するか否かを通知する。該情報は、周辺セルの状況、キャリア周波数によらないため、移動体通信システムの複雑性の回避という効果を得ることができる。ハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在するか否かによりリリースを分断し、リリースバージョンの通知を現在の移動体通信システムにハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在する旨、あるいはハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在しない旨、あるいはハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在するか否かの情報を併せ持つとすればよい。これにより、無線リソースの有効活用、通知の情報が増加することによる移動体通信システムの複雑性の回避という効果を得ることができる。
【0076】
本実施の形態における移動端末としての動作の一例を説明する。本実施の形態における周辺ハイブリッド状況の更なる具体例(1)、(2)を適用した場合の移動端末としての動作の一例は、実施の形態2の変形例1と同様(図16)であるので説明を省略する。本実施の形態における周辺ハイブリッド状況の更なる具体例(3)を適用した場合の移動端末としての動作の一例を、図17を用いて説明する。図15、図16と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。
【0077】
ステップST1701にて移動端末は、周辺セル(あるいはメジャメント対象セル)の中にハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在するか否かを判断する。この判断には基地局から通知される「周辺ハイブリッド状況」である、周辺に存在するハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBのPCIを用いることができる。周辺に存在するハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBのPCIの通知があれば、周辺セルにハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在すると判断し、ステップST1702へ移行する。周辺に存在するハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBのPCIの通知がなければ、周辺セルにハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在しないと判断し、ステップST6202へ移行する。
【0078】
ステップST1702にて移動端末は、基地局から通知される「周辺ハイブリッド状況」である、周辺に存在するハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBのPCIにてセルサーチを行う。ステップST1703にて移動端末は、PCIスプリット情報にてnon−CSGセル用のPCI範囲に属するPCIにてセルサーチを行う。
【0079】
本実施の形態における周辺ハイブリッド状況の更なる具体例(4)を適用した場合の移動端末としての動作の一例、図17を用いて説明する。図15、図16と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。
【0080】
ステップST1701にて移動端末は、周辺セル(あるいはメジャメント対象セル)の中にハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在するか否かを判断する。この判断には基地局から通知される「周辺ハイブリッド状況」である、周辺セルにハイブリッドアクセスモードが存在する場合のみ通知される、ハイブリッドセルに割当てられるPCIの範囲を用いることができる。ハイブリッドセルに割当てられるPCIの範囲の通知があれば、周辺セルにハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在すると判断し、ステップST1702へ移行する。ハイブリッドセルに割当てられるPCIの範囲の通知がなければ、周辺セルにハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在しないと判断し、ステップST6202へ移行する。
【0081】
ステップST1702にて移動端末は、基地局から通知される「周辺ハイブリッド状況」である、ハイブリッドセルに割当てられるPCIの範囲に含まれるPCIにてセルサーチを行う。ステップST1703にて移動端末は、PCIスプリット情報にてnon−CSGセル用のPCI範囲に属するPCIにてセルサーチを行う。
【0082】
本実施の形態における周辺ハイブリッド状況の更なる具体例(5)を適用した場合の移動端末としての動作の一例、図17を用いて説明する。図15、図16と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。
【0083】
ステップST1701にて移動端末は、周辺セル(あるいはメジャメント対象セル中)にハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在するか否かを判断する。この判断には基地局から通知される「周辺ハイブリッド状況」である、周辺に存在するハイブリッドセルに割当てられるPCIの範囲を用いることができる。周辺に存在するハイブリッドセルに割当てられるPCIの範囲の通知があれば、周辺セルにハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在すると判断し、ステップST1702へ移行する。周辺に存在するハイブリッドセルに割当てられるPCIの範囲の通知がなければ、周辺セルにハイブリッドアクセスモードで動作するHeNBが存在しないと判断し、ステップST6202へ移行する。
【0084】
ステップST1702にて移動端末は、基地局から通知される「周辺ハイブリッド状況」である、周辺に存在するハイブリッドセルに割当てられるPCIの範囲に含まれるPCIにてセルサーチを行う。ステップST1703にて移動端末は、PCIスプリット情報にてnon−CSGセル用のPCI範囲に属するPCIにてセルサーチを行う。
【0085】
本実施の形態3により、実施の形態2の変形例1同様、実施の形態2の効果に加えて以下の効果を得ることが出来る。ホワイトリストを有さない移動端末のセルサーチの高速化を実現可能となる。ホワイトリストを有さない移動端末がハイブリッドアクセスモードで運用されるHeNBが存在しない環境にて、CSGセル用のPCI範囲に属するPCIを用いてサーチする必要がなくなる。このことは、サーチ動作を高速に実行できるという効果を得ることが出来る。このことは移動体通信システムの制御遅延を防止するという効果を得ることが出来る。また、移動端末の消費電力の低減という効果を得ることが出来る。将来のCSGセルの配置状況を想定すると重要な効果となる。
【0086】
さらに、本実施の形態における周辺ハイブリッド状況の更なる具体例(3)(4)(5)を適用した場合の移動端末としての動作として、実施の形態2の変形例1、本実施の形態における周辺ハイブリッド状況の更なる具体例(1)、あるいは(2)を適用した場合と比較して以下の効果を得ることができる。CSG未登録の移動端末が、オープンアクセスモード対応のセルである、マクロセルおよびハイブリッドセルを検出するためのセルサーチにおいて処理を簡素化することができる。CSG未登録の移動端末が、オープンアクセスモード対応のセルを検出するために、non−CSGセル用のPCI範囲に属するPCIとハイブリッドセル用のPCI範囲に属するPCIにてセルサーチを行うことが可能となる。あるいは、CSG未登録の移動端末が、オープンアクセスモード対応のセルを検出するために、non−CSGセル用のPCI範囲に属するPCIと周辺に存在するハイブリッドセル用のPCIにてセルサーチを行うことが可能となる。つまり、CSG未登録の移動端末が、オープンアクセスモード対応のセルを検出するために、全PCIを用いてセルサーチを行うことなく、マクロセル、及びハイブリッドセルに用いることのないCSGセル用のPCIでのセルサーチ動作を削減することが可能となる。これにより、さらなるサーチ動作を高速に実行できるという効果を得ることが出来る。このことは、さらなる移動体通信システムの制御遅延を防止するという効果を得ることが出来る。また、さらなる移動端末の消費電力の低減という効果を得ることが出来る。
【0087】
実施の形態4.
実施の形態4にて解決する課題について説明する。HeNB及びHNBは、複数の動作モードが存在することが考えられる。本動作モードはHeNB、HNB設置後に変更される可能性がある。例えば、実施の形態2の変形例1、実施の形態3を適用した場合であっても、同様に、周辺のHeNBのアクセスモードが変更される可能性がある。例えばクローズドアクセスモードで動作している周辺のHeNBの動作モードがハイブリッドアクセスモードに変更された場合、該サービングセルが傘下の移動端末へ通知する「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要が発生する。
【0088】
本実施の形態4では、「周辺ハイブリッド状況」の変更方法について開示する。ネットワーク経由で動作モードを設定する場合における「周辺ハイブリッド状況」の変更方法について開示する。
【0089】
例えば、オペレータがネットワーク経由で、HeNB/HNBの動作モードを設定する。オペレータは、ネットワーク経由でHeNB/HNBの動作モード設定の変更を指示する。ネットワーク側は、該HeNB/HNBへ動作モードの設定の変更を通知する。ネットワーク側の具体例としては、EPC(Evolved Packet Core)、MME、S−GW、HeNBGWなどがある。また、他の具体例として、O&M(Operating & Management)用のシステム、ノード、エンティティ、ファンクション、エレメントなどであっても良い。該変更の通知には、S1インタフェース、あるいはブロードバンド回線を用いても良い。また、O&M用のインタフェースであっても良い。該動作モードの設定の変更の通知には、変更後の動作モード、あるいは変更前と変更後の動作モードなどが含まれても良い。
【0090】
ネットワーク側は、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルに対して、変更した「周辺ハイブリッド状況」を通知する。該「周辺ハイブリッド状況」の通知には、S1インタフェース、あるいはブロードバンド回線を用いても良い。
【0091】
あるいは、ネットワーク側は、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルに対して、変更依頼を通知しても良い。「周辺ハイブリッド状況」の変更依頼を受信したセルは、「周辺ハイブリッド状況」の変更を実行する。該変更依頼の通知には、S1インタフェース、あるいはブロードバンド回線を用いても良い。「周辺ハイブリッド状況」の変更依頼には、動作モード設定が変更されたHeNB/HNBの識別情報(PCI、GCIなど)、変更後の動作モード、あるいは変更前と変更後の動作モードなどが含まれても良い。
【0092】
該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルとしては、動作モード設定が変更されたHeNB/HNBをハンドオーバ先、あるいはセル再選択先として選択する可能性のあるセルとする。また、「周辺ハイブリッド状況」を、NCLを用いて傘下の移動端末に通知している場合、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「NCL」を変更する必要があるセルを選択しても良い。
【0093】
該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルの選択方法の具体例について以下7つ開示する。
【0094】
(1)動作モード設定が変更されたHeNB/HNB以外のHeNB/HNB傘下の移動端末のメジャメントレポートを用いる。さらに具体例として以下2つ開示する。
【0095】
(1−1)動作モード設定が変更されたHeNB/HNB以外のHeNB/HNB傘下の移動端末のメジャメントレポートにて、動作モード設定が変更されたHeNB/HNBをハンドオーバ先(ターゲットセル)として選択した場合、該移動端末のサービングセルを該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるとする。
【0096】
(1−2)動作モード設定が変更されたHeNB/HNB以外のHeNB/HNB傘下の移動端末が、サービングセルより動作モード設定が変更されたHeNB/HNBの受信品質が良好であると報告した場合、該移動端末のサービングセルを該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるとする。本具体例により、動作モード設定が変更されたHeNB/HNB以外のHeNB/HNB傘下の移動端末のメジャメントレポートを用いるため、動作モード設定が変更されたHeNB/HNBをハンドオーバ先、あるいはセル再選択先として選択する可能性のあるセルを的確に選択することが可能となる。つまり、「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルとして、無駄なセルを選択しないという効果を得ることができる。
【0097】
(2)動作モード設定が変更されたHeNB/HNB傘下の移動端末のメジャメントレポートを用いる。さらに具体例として以下3つ開示する。
【0098】
(2−1)動作モード設定が変更されたHeNB/HNBが傘下の移動端末のメジャメントレポートを用いてハンドオーバ先(ターゲットセル)として選択したセルを、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるとする。
【0099】
(2−2)傘下の移動端末がサービングセル、つまり動作モード設定が変更されたHeNB/HNBより受信品質が良好であると報告したセルを該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるとする。
【0100】
(2−3)傘下の移動端末が、受信品質がある閾値より良好であると報告したセルを該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるとする。ある閾値は、静的に決められていても、準静的に決められていても良い。
【0101】
本具体例(2)により、具体例(1)と比較して、動作モード設定が変更されたHeNB/HNB以外のHeNB/HNB傘下の移動端末のメジャメントレポートを用いる必要が無く、動作モード設定が変更されたHeNB/HNB傘下の移動端末のメジャメントレポートを用いればよく、「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルの選択方法についての処理負荷が軽減される、という効果を得ることができる。
【0102】
(3)セルの位置情報を用いる。ネットワーク側は、各セルの位置情報から動作モード設定が変更されたHeNB/HNBから、ある距離以内に設置されているセルを該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルとする。ある距離は、静的に決められていても、準静的に決められていても良い。本具体例により、具体例(1)(2)と比較してメジャメントレポートを記憶、処理する必要がないため、「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルの選択方法についての処理負荷が軽減されるという効果を得ることができる。
【0103】
(4)動作モード設定が変更されたHeNB/HNB以外のHeNB/HNBの周辺セル情報中に、あるいは周辺セルリスト中に、動作モード設定が変更されたHeNB/HNBの情報が含まれていた場合、該動作モード設定が変更されたHeNB/HNB以外のHeNB/HNBを該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるとする。本具体例により、具体例(1)(2)(3)と比較してメジャメントレポートを記憶、処理する、あるいは閾値などとの比較が必要ないため、「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルの選択方法についての処理負荷が軽減されるという効果を得ることができる。
【0104】
(5)動作モード設定が変更されたHeNB/HNBの周辺セル情報、あるいは周辺セルリストに含まれるセルを該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるとする。本具体例により、具体例(1)(2)(3)と比較してメジャメントレポートを記憶、処理する、あるいは閾値などとの比較が必要ないため、「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルの選択方法についての処理負荷が軽減されるという効果を得ることができる。また、具体例(4)と比較して動作モード設定が変更されたHeNB/HNB以外の周辺セル情報を考慮する必要が無い点において、「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルの選択方法についての処理負荷が軽減されるという効果を得ることができる。
【0105】
(6)動作モード設定が変更されたHeNB/HNBが接続される1つあるいは複数のMMEに接続される他のセルを該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルとする。現在3GPPにおいて議論されているLTE方式の移動体通信システムの全体的な構成を、図18を用いて説明する。現在3GPPにおいては、CSG(Closed Subscriber Group)セル(e-UTRANのHome-eNodeB(Home-eNB,HeNB),UTRANのHome-NB(HNB))とnon-CSGセル(e-UTRANのeNodeB(eNB)、UTRANのNodeB(NB)、GERANのBSS)とを含めたシステムの全体的な構成が検討されており、e−UTRANについては、図18のような構成が提案されている(非特許文献1 4.6.1.章)。図18について説明する。
【0106】
移動端末(UE)1801は基地局1802と送受信を行う。基地局1802はeNB1802−1と、Home−eNB1802−2とに分類される。eNB1802−1はMME1803とインタフェースS1により接続され、eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのeNB1802−1に対して複数のMME1803が接続されてもよい。eNB間はインタフェースX2により接続され、eNB間で制御情報が通信される。Home−eNB1802−2はMME1803とインタフェースS1により接続され、Home−eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのMMEに対して複数のHome−eNBが接続される。あるいは、Home−eNB1802−2はHeNBGW(Home-eNB GateWay)1804を介してMME1803と接続される。Home−eNBとHeGWはインタフェースS1により接続され、HeNBGW1804とMME1803はインタフェースS1を介して接続される。ひとつまたは複数のHome−eNB1802−2がひとつのHeNBGW1804と接続され、S1を通して情報が通信される。HeNBGW1804はひとつまたは複数のMME1803と接続され、S1を通して情報が通信される。さらに現在3GPPでは以下のような構成が検討されている。Home−eNB1802−2間のインタフェースX2はサポートされない。MME1803からは、HeNBGW1804はeNB1802−1として見える。Home−eNB1802−2からは、HeNBGW1804はMME1803として見える。Home−eNB1802−2がHeNBGW1804を介してEPCに接続されるか否かに関係なく、Home−eNB1802−2とEPC間のインタフェースS1は同じである。MME1803をまたがるような、Home−eNB1802−2へのモビリティ、あるいはHome−eNB1802−2からのモビリティはサポートされない。Home−eNB1802−2は唯一のセルをサポートする。
【0107】
本具体例により、具体例(1)(2)(3)(4)(5)と比較して、動作モード設定が変更されたHeNB/HNBによらずに、ネットワーク側は一意に「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルを選択可能となるので、「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルの選択方法についての処理負荷が軽減されるという効果を得ることができる。
【0108】
(7)動作モード設定が変更されたHeNB/HNBが接続されるHeNBGWに接続される他のセルを、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルとする。本具体例により、具体例(1)(2)(3)(4)(5)と比較して、動作モード設定が変更されたHeNB/HNBによらずに、ネットワーク側は一意に「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルを選択可能となるので、「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルの選択方法についての処理負荷が軽減されるという効果を得ることができる。
【0109】
次に移動体通信システムの動作を説明する。図19に説明に用いるセルの配置例について示す。マクロセル1901のカバレッジ1902内にHeNB/HNB1909が設置されている。HeNB/HNB1909のカバレッジは1910である。マクロセル1901に隣接してマクロセル1903が設置されている。マクロセル1903のカバレッジは1904である。マクロセル1901、及びマクロセル1903のセル境界付近に、HeNB/HNB1905、HeNB/HNB1907が設置されている。HeNB/HNB1905のカバレッジは1906である。HeNB/HNB1907のカバレッジは1908である。
【0110】
図20を用いて、移動体通信システムの動作の一例を示す。ステップST2001にてネットワークは、例えばオペレータからHeNBの動作モード設定変更の指示を受ける。動作モード変更に伴いPCIを変更する必要があれば、ネットワーク側は、新たな動作モードに適したPCIを選択しても良い。新たな動作モードに適したPCIとは、新たな動作モード用のPCI範囲に含まれるPCIであっても良い。ステップST2002にてネットワークは、オペレータから動作モード設定変更の指示を受けたHeNBに対して、動作モードの設定の変更を通知する。ネットワーク側は、動作モード設定変更の指示を受けたHeNBに対して、新たな動作モードに適したPCIを通知しても良い。通知されるPCIは、変更前のPCIと変更後のPCI、変更後のPCIであっても良いし、あるいは変更前のGCIと変更後のGCI、変更後のGCIであっても良い。ステップST2003にて動作モード設定変更の指示を受けたHeNBは、指示に従い、動作モード設定の変更を実行する。ステップ4001にて新たな動作モードに適したPCIの通知を受信した場合、指示に従い、PCIの変更を実行する。あるいは、動作モード設定の変更の指示を受けたHeNBが、新たな動作モードに適したPCIを選択しても良い。新たな動作モードに適したPCIとは、新たな動作モード用のPCI範囲に含まれるPCIであっても良い。選択の際、該HeNBは、周辺のセルの受信品質を測定してもよい。具体的なPCI選択方法の一例を開示する。周辺のセルの受信品質にて良好な受信品質のセル(受信品質をSIRで表した場合、SIRが高いセル)からは、干渉を受けやすいとして、該セルと同じ、あるいは類似のPCIを選択しないようにする。類似のPCIとは、相関が高いPCIを意味する。良好な受信品質のセルは、1つであっても複数であっても良い。良好な受信品質のセルを決定する際、閾値を用いてもよい。例えば、受信品質が閾値より良好(受信品質をSIRで表した場合、閾値より受信品質が高い)であれば、該セルを良好な受信品質のセルと判断しても良い。新たな動作モードに適したPCIの選択は、ステップST4002の動作モード設定変更の指示の後であっても良い。該HeNBは、PCIの変更を実行する。新たな動作モードに適したPCIをHeNBが選択した場合、該HeNBはネットワーク側へ、該PCIを通知しても良い。該通知には、S1インタフェース、あるいはブロードバンド回線を用いても良い。また、O&M用のインタフェースであっても良い。通知されるPCIは、変更前のPCIと変更後のPCI、変更後のPCIであっても良いし、あるいは変更前のGCIと変更後のGCI、変更後のGCIであっても良い。
【0111】
ステップST2004にてネットワークは、「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルを選択する。あるいは、NCLを変更する必要があるセルを選択しても良い。例えば図19を用いて説明する。HeNB/HNB1905の動作モード設定をクローズドアクセスモードからハイブリッドアクセスモードに変更する場合を検討する。その場合、ステップST2004にて例えば、マクロセル1901、マクロセル1903、HeNB/HNB1907が「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルとして選択される。例えば図19を用いて説明する。HeNB/HNB1909の動作モード設定をクローズドアクセスモードからハイブリッドアクセスモードに変更する場合を検討する。その場合、ステップST2004にて例えば、マクロセル1901が「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルとして選択される。
【0112】
ステップST2005にてネットワークは、ステップST2004にて選択したセルの「周辺ハイブリッド状況」を変更する。あるいは、NCLを変更するとしても良い。ステップST2006にてネットワークは、ステップST2004にて選択したセルに対して、ステップST2005にて変更した「周辺ハイブリッド状況」を通知する。あるいは、NCLを通知するとしても良い。ステップST2007にて、「周辺ハイブリッド状況」を受信したセルは、受信した「周辺ハイブリッド状況」を傘下の移動端末へ通知する。
【0113】
実施の形態4により以下の効果を得ることが出来る。HeNB、HNB設置後に動作モード設定が変更される場合であっても、適切に「周辺ハイブリッド状況」あるいは「NCL」を変更可能となる効果を得ることができる。また、本実施の形態によりオペレータあるいはHeNB/HNBのオーナが「周辺ハイブリッド状況」の変更作業が必要ない。こうすることで、オペレータあるいはHeNB/HNBのオーナの作業負荷やコスト発生を抑えつつ、動作モード設定変更に伴う、「周辺ハイブリッド状況」を更新することが可能となる。これにより、HeNB、HNB設置後に動作モード設定が変更される場合であっても、実施の形態2の変形例1、実施の形態3を適用することが可能となり、実施の形態2の変形例1、実施の形態3の効果を得ることが出来る。
【0114】
実施の形態4 変形例1.
実施の形態4の変形例1にて解決する課題は、実施の形態4と同様であるので、説明を省略する。
【0115】
本実施の形態4の変形例1では、HeNB/HNB経由で動作モードを設定する場合における「周辺ハイブリッド状況」の変更方法について開示する。例えば、HeNB/HNBのオーナは、直接HeNB/HNBの動作モード設定の変更を指示する。HeNB/HNBは、動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルに対して、変更依頼を通知する。「周辺ハイブリッド状況」の変更依頼を受信したセルは、「周辺ハイブリッド状況」の変更を実行する。該変更の通知には、X2インタフェース、あるいはブロードバンド回線を用いても良い。「周辺ハイブリッド状況」の変更依頼には、動作モード設定が変更されたHeNB/HNBの識別情報(PCI、GCIなど)、変更後の動作モード、あるいは変更前と変更後の動作モードなどが含まれても良い。
【0116】
該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルとしては、動作モード設定が変更されたHeNB/HNBをハンドオーバ先、あるいはセル再選択先として選択する可能性のあるセルとする。また、「周辺ハイブリッド状況」を、NCLを用いて傘下の移動端末に通知している場合、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「NCL」を変更する必要があるセルを選択しても良い。
【0117】
該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルの選択方法の具体例について以下3つ開示する。
【0118】
(1)動作モード設定が変更されたHeNB/HNBが行った、周辺セルの測定結果を用いる。受信品質がある閾値より良好であるセルを、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるとしても良い。ある閾値は、静的に決められていても、準静的に決められていても良い。
【0119】
(2)動作モード設定が変更されたHeNB/HNB傘下の移動端末のメジャメントレポートを用いる。さらに具体例として以下3つ開示する。
【0120】
(2−1)動作モード設定が変更されたHeNB/HNBが傘下の移動端末のメジャメントレポートを用いてハンドオーバ先(ターゲットセル)として選択したセルを、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるとする。
【0121】
(2−2)傘下の移動端末がサービングセル、つまり動作モード設定が変更されたHeNB/HNBより受信品質が良好であると報告したセルを、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるとする。
【0122】
(2−3)傘下の移動端末が、受信品質がある閾値より良好であると報告したセルを、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるとする。ある閾値は、静的に決められていても、準静的に決められていても良い。
【0123】
本具体例により、具体例(1)と比較して、セルに周辺セルの測定という新たな機能を追加する必要がなくなる。これにより、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることができる。
【0124】
(3)動作モード設定が変更されたHeNB/HNBの周辺セル情報、あるいは周辺セルリストに含まれるセルを、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるとする。本具体例により、具体例(1)(2)と比較してメジャメントレポートを記憶、処理する、あるいは閾値などとの比較が必要ないため、「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルの選択方法についての処理負荷が軽減されるという効果を得ることができる。
【0125】
次に移動体通信システムの動作を説明する。図19に説明に用いるセルの配置例について示す。図21に移動体通信システムの動作の一例を示す。図19のセル設置例については、実施の形態4と同様であるので説明を省略する。図21を用いて、移動体通信システムの動作の一例を示す。図20と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。ステップST2101にてHeNBは、オーナから動作モード設定変更の指示を受ける。
【0126】
ステップST2102にてHeNBは、「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルを選択する。あるいは、NCLを変更する必要があるセルを選択しても良い。例えば図19において、HeNB/HNB1905の動作モード設定をクローズドアクセスモードからハイブリッドアクセスモードに変更する場合を検討する。その場合、ステップST2102にて例えば、マクロセル1901、マクロセル1903、HeNB/HNB1907が「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルとして選択される。また、例えば図19において、HeNB/HNB1909の動作モード設定をクローズドアクセスモードからハイブリッドアクセスモードに変更する場合を検討する。その場合、ステップST2102にて例えば、マクロセル1901が「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルとして選択される。
【0127】
ステップST2103にてHeNBは、ステップST2102にて選択したセルに対して、「周辺ハイブリッド状況」の変更依頼を通知する。あるいは、NCLの変更依頼を通知するとしても良い。HeNBは、ステップST4102にて選択したセルに対して、新たな動作モードに適したPCIを通知しても良い。通知されるPCIは、変更前のPCIと変更後のPCI、変更後のPCIであっても良いし、あるいは変更前のGCIと変更後のGCI、変更後のGCIであっても良い。ステップST2104にて、「周辺ハイブリッド状況」の変更依頼を受信したセルは、周辺ハイブリッド状況を変更する。あるいは、NCLを変更するとしても良い。ステップST2105にて、「周辺ハイブリッド状況」を受信したセルは、ステップST2104にて変更した「周辺ハイブリッド状況」を傘下の移動端末へ通知する。
【0128】
実施の形態4の変形例1は、実施の形態4と組み合わせて用いることができる。
【0129】
実施の形態4の変形例1により実施の形態4に加えて以下の効果を得ることが出来る。HeNB、HNB経由で行われていたHeNB、HNBの動作モード設定変更に対しても、HeNB、HNB設置後に動作モード設定が変更される場合であっても、適切に「周辺ハイブリッド状況」あるいは「NCL」を変更可能となる効果を得ることができる。また、HeNB、HNB経由で行われた、HeNB、HNBの動作モード設定変更に対しても、本実施の形態によりオペレータあるいはHeNB/HNBのオーナが「周辺ハイブリッド状況」の変更作業が必要ない。こうすることで、オペレータあるいはHeNB/HNBのオーナの作業負荷やコスト発生を抑えつつ、動作モード設定変更に伴う、「周辺ハイブリッド状況」を更新することが可能となる。これにより、HeNB、HNB経由で行われた、HeNB、HNBの動作モード設定変更に対しても、HeNB、HNB設置後に動作モード設定が変更される場合であっても、実施の形態2の変形例1、実施の形態3を適用することが可能となり、実施の形態2の変形例1、実施の形態3の効果を得ることが出来る。
【0130】
実施の形態4 変形例2.
実施の形態4の変形例2にて解決する課題は、実施の形態4、実施の形態4の変形例1と同様であるので、説明を省略する。
【0131】
本実施の形態4の変形例2では、HeNB/HNB経由で行われる動作モードを設定する場合における「周辺ハイブリッド状況」の変更方法について、実施の形態4の変形例1とは別の解決策を開示する。例えば、HeNB/HNBのオーナは、直接HeNB/HNBの動作モード設定の変更を指示する。HeNB/HNBは、動作モード設定変更の指示を受けたHeNBは、指示に従い、動作モード設定の変更を実行する。
【0132】
HeNB/HNBは、ネットワーク側へ動作モード設定変更の報告を通知する。該報告の通知にはS1インタフェース、あるいはブロードバンド回線を用いても良い。該報告には、動作モード設定が変更されたHeNB/HNBの識別情報(PCI、GCIなど)、変更後の動作モード、あるいは変更前と変更後の動作モードなどが含まれても良い。ネットワーク側の具体例としては、EPC(Evolved Packet Core)、MME、S−GW、HeNBGWなどがある。
【0133】
該報告を受信したネットワーク側は、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルに対して、変更した「周辺ハイブリッド状況」を通知する。該変更の通知には、S1インタフェース、あるいはブロードバンド回線を用いても良い。
【0134】
あるいは、該報告を受信したネットワーク側は、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルに対して、変更依頼を通知しても良い。「周辺ハイブリッド状況」の変更依頼を受信したセルは、「周辺ハイブリッド状況」の変更を実行する。該変更の通知には、S1インタフェース、あるいはブロードバンド回線を用いても良い。「周辺ハイブリッド状況」の変更依頼には、動作モード設定が変更されたHeNB/HNBの識別情報(PCI、GCIなど)、変更後の動作モード、あるいは変更前と変更後の動作モードなどが含まれても良い。
【0135】
該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルとしては、動作モード設定が変更されたHeNB/HNBをハンドオーバ先、あるいはセル再選択先として選択する可能性のあるセルとする。また、「周辺ハイブリッド状況」を、NCLを用いて傘下の移動端末に通知している場合、該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「NCL」を変更する必要があるセルを選択しても良い。
【0136】
該HeNB/HNBの動作モード設定の変更により「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要があるセルの選択方法の具体例は実施の形態4と同様であるので説明を省略する。
【0137】
次に移動体通信システムの動作を説明する。図19に説明に用いるセルの配置例について示す。図22に移動体通信システムの動作の一例を示す。図20、図21と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。ステップST2201にてHeNBは、ネットワーク側へ動作モード設定変更の報告を通知する。HeNBは、ネットワーク側へ新たな動作モードに適したPCIを通知しても良い。通知されるPCIは、変更前のPCIと変更後のPCI、変更後のPCIであっても良いし、あるいは変更前のGCIと変更後のGCI、変更後のGCIであっても良い。
【0138】
実施の形態4の変形例2により実施の形態4の変形例1と同様の効果を得ることが出来る。
【0139】
実施の形態4、実施の形態4の変形例1、実施の形態4の変形例2では、HeNB/HNBの動作モードが変更された場合の「周辺ハイブリッド状況」を変更する方法を開示した。HeNB/HNBの動作モードが変更された場合のみではなく、新たにHeNB/HNBが設定された場合においても、新たに設置された場所の周辺のセルの「周辺ハイブリッド状況」を変更する必要が発生する。該状況においても実施の形態4、実施の形態4の変形例1、実施の形態4の変形例2を適用可能である。
【0140】
LTEシステムでは、セルフコンフィグレーションあるいはセルフオプティマイゼーション機能をサポートすることが検討されており、またその中で、ANR(Automatic Neighbour Relation)機能が検討されている(非特許文献1)。ANR機能は、隣接セルとの関係(Neighbour Relations (NRs))の取扱いをオペレータが手動で行うのではなく、自動で行うようにする機能である。自動に行わせることで、オペレータの作業負荷やコストの増大を軽減することが可能となる。
【0141】
実施の形態4、実施の形態4の変形例1、実施の形態4の変形例2で開示した方法を、該ANR機能の一部として組み込むようにしても良い。該ANR機能に「周辺ハイブリッド状況」を変更する方法を組み込むと良い。該ANR機能は、eNBあるいはHeNB/HNBに設けられても良いし、ネットワーク側に設けられても良い。
【0142】
こうすることで、オペレータあるいはHeNB/HNBのオーナの作業負荷やコスト増大無しに、本実施の形態で開示した方法を行うことが可能となり、さらなる移動体通信システムの高性能化、さらなる移動端末の低消費電力化という効果を得ることが出来る。さらに、将来のHeNB/HNBの設置数が増大した場合にも、該HeNB/HNBの柔軟な設置や動作モードの変更に対応した移動体通信システムを構築することが可能となる。
【0143】
本発明において、実施の形態1から実施の形態4で個別に記載したが、これらは組合せて用いても良い。
【0144】
本発明についてはLTEシステム(E−UTRAN)を中心に記載したが、W−CDMAシステム(UTRAN、UMTS)及びLTE−Advancedについて適用可能である。更には、CSG(Closed Subscriber Group)が導入される移動体通信システムおよび、CSGと同じようにオペレータが加入者を特定し、特定された加入者がアクセスを許可されるような通信システムにおいて適用可能である。
【0145】
本発明についてはHeNB/HNBがハイブリッドアクセスモードをサポートした場合を中心に記載した。移動体通信システムの他のエンティティが、ハイブリッドアクセスモードをサポートする場合にも本発明は適用可能である。具体例としては、カバレッジが大きいセル、例えばマクロセル、あるいはカバレッジが小さいセル、例えばマイクロセル、ピコセル、フェムトセル、ホットスポット、あるいはリレーなどが、ハイブリッドアクセスモードをサポートする場合にも本発明は適用可能である。
【0146】
本発明についてはHeNB/HNBが複数のモードをサポートした場合を中心に記載した。移動体通信システムの他のエンティティが、複数のモードをサポートする場合にも本発明は適用可能である。具体例としては、カバレッジが大きいセル、例えばマクロセル、あるいはカバレッジが小さいセル、例えばマイクロセル、ピコセル、フェムトセル、ホットスポット、あるいはリレーなどが、複数のモードをサポートする場合にも本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】LTE方式の通信システムの構成を示す説明図である。LTE方式の通信システムの構成を示す説明図である。
【図2】LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。
【図3】MBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)フレームの構成を示す説明図である。
【図4】LTE方式の通信システムで使用される物理チャネルを説明する説明図である。
【図5】LTE方式の通信システムで使用されるトランスポートチャネルを説明する説明図である。
【図6】LTE方式の通信システムで使用される論理チャネルを説明する説明図である。
【図7】現在3GPPで議論されている移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。
【図8】本発明に係る移動端末311の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明に係る基地局312の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明に係るMMEの構成を示すブロック図である。
【図11】本発明に係るHeNBGWの構成を示すブロック図である。
【図12】LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチの概略を示すフローチャートである。
【図13】PCIスプリットの概念図である。
【図14】実施の形態2の移動端末のセル選択処理を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態2の移動端末の処理を示すフローチャートである。
【図16】実施の形態2変形例の移動端末の処理を示すフローチャートである。
【図17】実施の形態3の移動端末の処理を示すフローチャートである。
【図18】現在3GPPで議論されている移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。
【図19】実施の形態4にて用いる、セル設置例の説明図である。
【図20】実施の形態4の解決策における移動体通信システムのシーケンス図である。
【図21】実施の形態4の変形例1の解決策における移動体通信システムのシーケンス図である。
【図22】実施の形態4の変形例2の解決策における移動体通信システムのシーケンス図である。
【符号の説明】
【0148】
101 移動端末、102 基地局、103 MME(Mobility Management Entity)、104 S−GW(Serving Gateway)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下りアクセス方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を使用し、上りアクセス方式としてSC―FDMA(Single Career Frequency Division Multiple Access)方式を用いてデータの送受信を行う移動端末と、特定の前記移動端末ないし加入者に利用を許可する通信セルである特定加入者用セル及び不特定の前記移動端末ないし利用者が利用可能な通信セルである不特定利用者用セルに設けられた基地局と、複数の前記基地局を介して前記移動端末が位置する所望のトラッキングエリアを管理するとともに、前記移動端末にページング処理を行う基地局制御装置を含み、前記移動端末は、前記通信セルそれぞれに割り当てられた情報であって、前記通信セルを識別するための情報であるセル識別情報(PCI)を前記基地局より受信し、通信を行うセルの選択を行う移動体通信システムにおいて、
前記特定加入者用セルは、特定の前記移動端末ないし加入者に利用を許可する第一の動作モードと不特定の前記移動端末ないし利用者に利用を許可する第二の動作モードとを同時に運用可能であり、前記通信セルに割り当て可能なセル識別情報は、特定加入者用セルに割り当てる第一分類と、不特定利用者用セルに割り当てる第二分類に分類されており、前記第二の動作モードで動作している前記特定加入者用セルには前記第一分類に含まれるセル識別情報が割り当てられることを特徴とする移動体通信システム。
【請求項2】
下りアクセス方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を使用し、上りアクセス方式としてSC―FDMA(Single Career Frequency Division Multiple Access)方式を用いてデータの送受信を行う移動端末と、特定の前記移動端末ないし加入者に利用を許可する通信セルである特定加入者用セル及び不特定の前記移動端末ないし利用者が利用可能な通信セルである不特定利用者用セルに設けられた基地局と、複数の前記基地局を介して前記移動端末が位置する所望のトラッキングエリアを管理するとともに、前記移動端末にページング処理を行う基地局制御装置を含み、前記移動端末は、前記通信セルそれぞれに割り当てられた情報であって、前記通信セルを識別するための情報であるセル識別情報(PCI)を前記基地局より受信し、通信を行うセルの選択を行う移動体通信システムにおいて、
前記特定加入者用セルは、特定の前記移動端末ないし加入者に利用を許可する第一の動作モードと不特定の前記移動端末ないし利用者に利用を許可する第二の動作モードと、前記第一の動作モードと前記第二の動作モードとを同時に処理する第三の動作モードで運用可能であり、前記通信セルに割り当て可能なセル識別情報は、特定加入者用セルに割り当てる第一分類と、不特定利用者用セルに割り当てる第二分類に分類されており、前記第三の動作モードで動作している前記特定加入者用セルには前記第一分類に含まれるセル識別情報が割り当てられることを特徴とする移動体通信システム。
【請求項1】
下りアクセス方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を使用し、上りアクセス方式としてSC―FDMA(Single Career Frequency Division Multiple Access)方式を用いてデータの送受信を行う移動端末と、特定の前記移動端末ないし加入者に利用を許可する通信セルである特定加入者用セル及び不特定の前記移動端末ないし利用者が利用可能な通信セルである不特定利用者用セルに設けられた基地局と、複数の前記基地局を介して前記移動端末が位置する所望のトラッキングエリアを管理するとともに、前記移動端末にページング処理を行う基地局制御装置を含み、前記移動端末は、前記通信セルそれぞれに割り当てられた情報であって、前記通信セルを識別するための情報であるセル識別情報(PCI)を前記基地局より受信し、通信を行うセルの選択を行う移動体通信システムにおいて、
前記特定加入者用セルは、特定の前記移動端末ないし加入者に利用を許可する第一の動作モードと不特定の前記移動端末ないし利用者に利用を許可する第二の動作モードとを同時に運用可能であり、前記通信セルに割り当て可能なセル識別情報は、特定加入者用セルに割り当てる第一分類と、不特定利用者用セルに割り当てる第二分類に分類されており、前記第二の動作モードで動作している前記特定加入者用セルには前記第一分類に含まれるセル識別情報が割り当てられることを特徴とする移動体通信システム。
【請求項2】
下りアクセス方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を使用し、上りアクセス方式としてSC―FDMA(Single Career Frequency Division Multiple Access)方式を用いてデータの送受信を行う移動端末と、特定の前記移動端末ないし加入者に利用を許可する通信セルである特定加入者用セル及び不特定の前記移動端末ないし利用者が利用可能な通信セルである不特定利用者用セルに設けられた基地局と、複数の前記基地局を介して前記移動端末が位置する所望のトラッキングエリアを管理するとともに、前記移動端末にページング処理を行う基地局制御装置を含み、前記移動端末は、前記通信セルそれぞれに割り当てられた情報であって、前記通信セルを識別するための情報であるセル識別情報(PCI)を前記基地局より受信し、通信を行うセルの選択を行う移動体通信システムにおいて、
前記特定加入者用セルは、特定の前記移動端末ないし加入者に利用を許可する第一の動作モードと不特定の前記移動端末ないし利用者に利用を許可する第二の動作モードと、前記第一の動作モードと前記第二の動作モードとを同時に処理する第三の動作モードで運用可能であり、前記通信セルに割り当て可能なセル識別情報は、特定加入者用セルに割り当てる第一分類と、不特定利用者用セルに割り当てる第二分類に分類されており、前記第三の動作モードで動作している前記特定加入者用セルには前記第一分類に含まれるセル識別情報が割り当てられることを特徴とする移動体通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
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【図7】
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【図11】
【図12】
【図13】
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【図15】
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【図19】
【図20】
【図21】
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【公開番号】特開2012−44234(P2012−44234A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250207(P2009−250207)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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