説明

移動式クレーンおよび移動式クレーンの組立方法

【課題】狭い建設現場でも組立および分解が容易な移動式クレーンを提供する。
【解決手段】中折れ結合構造を有する連結部分でジブ基端部とジブ先端部とが連結されるようにジブを構成し、連結部分で中折れしないようにジブ基端部とジブ先端部とをジブ固定装置で固定するように構成し、ブームとジブ基端部との相対角度を相対角度固定手段で固定するように構成し、相対角度固定手段による相対角度の固定を相対角度固定解除手段で解除するように構成した。これにより、移動式クレーンの組立および分解のために非常に長い敷地を確保する必要がなくなるので、狭い建設現場でも大型の移動式クレーンの組立および分解ができるようになり、移動式クレーンの組立および分解の作業効率が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動式クレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
上部旋回体に回動可能に支持されるブームと、ブームの先端に回動可能に支持されるジブとを備える移動式クレーンでは、輸送の制約上、上部旋回体、ブーム、およびジブがそれぞれ分離されて輸送される。そして、作業現場に搬入された後、再び組み立てられる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−46216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献に記載のクレーンの組立作業では、ブームの先端にジブを取り付ける際、上部旋回体の前方へ倒伏させたブームの先端からさらに前方に向かってジブを地面に倒伏させることとなる。そのため、大型の移動式クレーンのクレーンアタッチメントを組み立てる際、組立現場で非常に長い敷地を確保する必要がある。しかし、狭い建設現場などでは、このような長い敷地を確保するのが困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) 請求項1の発明による移動式クレーンは、走行体と、走行体上に旋回可能に設けられる上部旋回体と、上部旋回体に回動可能に支持されるブームと、中折れ結合構造を有する連結部分でジブ基端部とジブ先端部とが連結されるジブと、ジブ基端部とジブ先端部とが連結部分で中折れしないようにジブ基端部とジブ先端部とを固定するジブ固定装置と、ブームとジブ基端部との相対角度を固定する相対角度固定手段と、相対角度固定手段による相対角度の固定を解除する相対角度固定解除手段とを備えることを特徴とする。
(2) 請求項2の発明は、請求項1に記載の移動式クレーンにおいて、相対角度固定手段は、ブームに設けられた第1の係合部と、ジブ基端部に設けられた第2の係合部とを有し、ブームの先端に回動可能に支持されたジブ基端部が上部旋回体の前方に延在するブームの下側に向かって回動してブームとジブ基端部とがなす角度が所定の角度になると、第1の係合部と第2の係合部とが互いに係合してブームとジブ基端部との相対角度を固定することを特徴とする。
(3) 請求項3の発明は、請求項2に記載の移動式クレーンにおいて、相対角度固定解除手段は、ジブ先端部に設けられた当接部と、ジブ基端部に設けられた解除レバーと、解除レバーにより第2の係合部を駆動する連動部材とを有し、当接部は、ジブ基端部に対してジブ先端部が回動してジブ基端部とジブ先端部とが直線状に配設されると解除レバーと当接して解除レバーを駆動することで連動部材を介して第2の係合部を駆動して、第2の係合部と第1の係合部との係合を解除することを特徴とする。
(4) 請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の移動式クレーンにおいて、ジブ固定装置は、ジブ基端部およびジブ先端部のいずれか一方に設けられる第3の係合部と、ジブ基端部およびジブ先端部のいずれか他方に軸支されて重力によって回動し、回動姿勢に応じて第3の係合部と係合し、または第3の係合部との係合を解除する回動部とを有し、組立時には、ジブ先端部に接続されたペンダントを介してジブ基端部を所定の傾斜角度よりも起立させると回動部と第3の係合部とが係合してジブ基端部に対してジブ先端部を固定し、分解時には、ジブ基端部が所定の傾斜角度よりも倒伏すると回動部と第3の係合部との係合を解除してジブ基端部に対するジブ先端部の固定を解除することを特徴とする。
(5) 請求項5の発明による移動式クレーンの組立方法は、走行体と、走行体上に旋回可能に設けられる上部旋回体と、上部旋回体に回動可能に支持されるブームと、中折れ結合構造を有する連結部分でジブ基端部とジブ先端部とが連結されるジブとを備える移動式クレーンの組立方法であって、上部旋回体にブームを回動可能に軸支する工程と、上部旋回体に回動可能に軸支されたブームの先端にジブ基端部を回動可能に軸支する工程と、ブームを起立させてブームの前端に軸支されたジブ基端部をブームの前面に向かって回動させることで、ブームとジブ基端部とのなす角度が所定の角度に達すると、ブームとジブ基端部との相対角度を固定する工程と、相対角度が固定されたジブ基端部の先端にジブ先端部を連結部分で中折れ状態で回動可能に連結する工程と、連結部分でジブ基端部の先端に連結したジブ先端部を連結部分で回動させてジブ基端部の軸心とジブ先端部の軸心とを一致させるとともに、ジブ基端部とジブ先端部とが連結部分で中折れしないようにジブ基端部とジブ先端部とを固定する工程と、ジブ基端部とジブ先端部との固定が完了すると、相対角度の固定を解除する工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
(1) 請求項1の発明による移動式クレーンでは、中折れ結合構造を有する連結部分でジブ基端部とジブ先端部とが連結されるようにジブを構成し、連結部分で中折れしないようにジブ基端部とジブ先端部とをジブ固定装置で固定するように構成し、ブームとジブ基端部との相対角度を相対角度固定手段で固定するように構成し、相対角度固定手段による相対角度の固定を相対角度固定解除手段で解除するように構成した。これにより、移動式クレーンの組立および分解のために非常に長い敷地を確保する必要がなくなるので、狭い建設現場でも大型の移動式クレーンの組立および分解ができるようになり、移動式クレーンの組立および分解の作業効率が向上する。
(2) 請求項5の発明による移動式クレーンの組立方法では、上部旋回体に回動可能に軸支されたブームの先端にジブ基端部を回動可能に軸支し、ブームを起立させてブームの前端に軸支されたジブ基端部をブームの前面に向かって回動させることで、ブームとジブ基端部との相対角度を固定し、ジブ基端部の先端にジブ先端部を連結部分で中折れ状態で回動可能に連結し、ジブ先端部を連結部分で回動させてジブ基端部の軸心とジブ先端部の軸心とを一致させるとともに、ジブ基端部とジブ先端部とが連結部分で中折れしないように固定し、ジブ基端部とジブ先端部との固定が完了すると、ブームとジブ基端部との相対角度の固定を解除するようにした。これにより、移動式クレーンの組立および分解のために非常に長い敷地を確保する必要がなくなるので、狭い建設現場でも大型の移動式クレーンの組立および分解ができるようになり、移動式クレーンの組立および分解の作業効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】移動式クレーンの概略の構成を示す外観側面図である。
【図2】ジブ4の構成を模式的に示す側面図である。
【図3】ジブロック装置および相対角度固定解除装置を示す図である。
【図4】ジブロック装置について示す図である。
【図5】相対角度固定装置について説明する図である。
【図6】相対角度固定装置について説明する図である。
【図7】相対角度固定解除装置について説明する図である。
【図8】解除レバーの近傍の側面図である。
【図9】検出用リミットスイッチのジブ基端部における配設位置を模式的に示した図である。
【図10】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図11】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図12】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図13】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図14】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図15】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図16】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図17】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図18】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図19】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図20】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図21】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図22】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図23】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図24】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図25】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図26】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図27】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図28】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図29】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図30】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図31】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図32】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図33】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図34】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図35】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図36】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図37】ブームにジブを取り付ける工程について説明する図である。
【図38】ブームからジブを取り外す工程について説明する図である。
【図39】ブームからジブを取り外す工程について説明する図である。
【図40】ブームからジブを取り外す工程について説明する図である。
【図41】ブームからジブを取り外す工程について説明する図である。
【図42】ブームからジブを取り外す工程について説明する図である。
【図43】ブームからジブを取り外す工程について説明する図である。
【図44】ブームからジブを取り外す工程について説明する図である。
【図45】ブームからジブを取り外す工程について説明する図である。
【図46】ブームからジブを取り外す工程について説明する図である。
【図47】ブームからジブを取り外す工程について説明する図である。
【図48】ブームからジブを取り外す工程について説明する図である。
【図49】ブームからジブを取り外す工程について説明する図である。
【図50】ブームからジブを取り外す工程について説明する図である。
【図51】ブームからジブを取り外す工程について説明する図である。
【図52】ブームからジブを取り外す工程について説明する図である。
【図53】ブームからジブを取り外す工程について説明する図である。
【図54】ブームからジブを取り外す工程について説明する図である。
【図55】ブームからジブを取り外す工程について説明する図である。
【図56】ジブ基端部およびジブ基端部の周辺を示す斜視図である。
【図57】ジブ基端部およびジブ基端部の周辺を示す斜視図である。
【図58】ジブ基端部およびジブ基端部の周辺を示す斜視図である。
【図59】ジブ基端部およびジブ基端部の周辺を示す斜視図である。
【図60】ジブ基端部およびジブ基端部の周辺を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1〜60を参照して、本発明による移動式クレーンの一実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態に係る移動式クレーンの概略の構成を示す外観側面図である。図1で図示する移動式クレーンは、超大型クレーンであり、ブーム吊り用フックを備えた仕様である。移動式クレーンは、走行体1と、走行体上に旋回可能に搭載される上部旋回体(旋回体)2と、旋回体2の先端部に回動可能に軸支されたブーム3と、ブーム3の先端部に回動可能に軸支されたジブ4と、ジブ先端部から吊り下げられたジブ吊り用フック5(以下、ジブフック)と、ブーム先端部から吊り下げられたブーム吊り用フック6(以下、ブームフック)とを有する。
【0009】
旋回体2にはフロントドラム10と、リアドラム11と、起伏ドラム12とが搭載されている。フロントドラム10にはフロント用ワイヤロープ10a(以下、フロントロープ)が巻回され、フロントロープ10aはブーム頂部を経由してブームフック6に接続されている。フロントドラム10の駆動によりフロントロープ10aが巻き取りまたは繰り出され、ブームフック6が昇降する。リアドラム11にはリア用ワイヤロープ11a(以下、リアロープ)が巻回され、リアロープ11aはブーム頂部およびジブ先端部を経由してジブフック5に接続されている。リアドラム11の駆動によりリアロープ11aが巻き取りまたは繰り出され、ジブフック5が昇降する。
【0010】
旋回体2の前部には回動可能にマスト7が軸支され、マスト7の先端部とブーム3の頂部とはペンダントロープ15で接続されている。起伏ドラム12には起伏用ワイヤロープ12a(以下、起伏ロープ)が巻回され、起伏ロープ12aは、起伏ドラム12の後方に設けたシーブ21とマスト7の先端部に設けたシーブ22との間に複数回掛け回されている。起伏ドラム12の駆動により起伏ロープ12aが巻き取りまたは繰り出されてマスト7が回動し、ペンダントロープ15を介してブーム3が起伏する。
【0011】
ブーム3の背面側(図1において図示右側)には、オプション品である追加ドラム13が設けられ、追加ドラム13にはワイヤロープ13aが巻回されている。なお、図1において、ブーム3の図示左側の面を前面と呼ぶ。ジブ4の基端部にはフロントポスト8が取り付けられ、フロントポスト8とジブ先端部とはペンダント16で接続されている。ブーム3の頂部にはリアポスト9が取り付けられ、ワイヤロープ13aは各ポスト8,9の先端に設けられたシーブ23,24の間に複数回掛け回されている。追加ドラム13の駆動によりワイヤロープ13aが巻き取りまたは繰り出され、リアポスト9に対してフロントポスト8が回動し、ペンダント16を介してジブ4が起伏する。
【0012】
−−−ジブ4の構成−−−
本実施の形態では、図2に示すように、ジブ4は、ジブ4の基端側のジブ基端部41と、ジブ基端部41よりも先端側のジブ先端部46とを有する。なお、図2は、後に詳述するクレーンの組み立て作業の途中の状態を模式的に示す図である。説明の便宜上、ジブ4について、クレーン作業を行う状態(図1)で下側を向く面を前面と呼び、上側を向く面を背面と呼ぶ。図2では、ジブ基端部41の図示左側およびジブ先端部46の図示上側が前面であり、ジブ基端部41の図示右側およびジブ先端部46の図示下側が背面である。
【0013】
ジブ基端部41は、基端側の端部(端部410)でブーム3の前面側の先端部に回動可能に軸支される。なお、図2において、3aは、ブーム3の前面側の先端部でジブ基端部41を軸支するための軸支部であり、41aは、ブーム3の軸支部3aで軸支されるジブ基端部41の軸支部である。また、図2において、軸支部3aとブーム3の中心との距離(オフセット量)を△Bで表す。
【0014】
ジブ基端部41の先端側の端部(端部420)の前面側(端部421)と、ジブ先端部46の基端側の端部(端部460)の前面側(端部461)には、それぞれ不図示の支持ピンが挿通される不図示の支持穴が設けられている。ジブ先端部46は、上述した基端側の端部461の支持穴と、ジブ基端部41の先端側の端部421の支持穴とに支持ピンが挿通されると、ジブ基端部41の先端側の端部421に回動可能に軸支される。すなわち、ジブ基端部41とジブ先端部46とは、中折れ結合構造により互いに回動可能に連結される。移動式クレーンの作業時には、ジブ4は、ジブ基端部41とジブ先端部46とが略直線状に配設された状態(すなわち、ジブ基端部41の軸心とジブ先端部46の軸心とが一致した状態)で使用される。なお、図56〜60は、ジブ基端部41およびその周辺を示す斜視図である。
【0015】
−−−ジブロック装置100−−−
ジブ基端部41の先端側の端部420の背面側(端部422)と、ジブ先端部46の基端側の端部460の背面側(端部462)には、図3,4に示すジブロック装置100が設けられている。ジブロック装置100は、ジブ基端部41とジブ先端部46とが上述した中折れ結合構造の連結部分で中折れしないようにジブ基端部41とジブ先端部46とを固定する装置である。すなわち、ジブロック装置100は、ジブ基端部41の先端側の端部421でジブ先端部46が回動するのを禁止して、ジブ基端部41とジブ先端部46とを互いに固定するためのジブ固定装置であり、係止レバー110と、ピン受け120と、係止ピン130とを備えている。
【0016】
図3(a),(b)に示すように、ジブロック装置100は、矩形断面のトラス構造を有するジブ4の図2における紙面奥行き方向の手前側と奥側の2箇所に設けられている。なお、図3(a)は、ジブ基端部41を背面側から見た図であり、図3(b)は、ジブ基端部41を側面から見た図である。図4(a)は、図2における紙面奥行き方向手前側(図3(a)における図示下側)のジブロック装置100について示す図であり、係止レバー110が係止ピン130の係止を解除する解除位置に移動した状態を示している。図4(b)は、図2における紙面奥行き方向奥側(図3(a)における図示上側)のジブロック装置100について示す図であり、係止レバー110が係止ピン130を係止する係止位置に移動した状態を示している。
【0017】
係止レバー110は、ジブ基端部41の先端背面側の端部422で軸111を中心に自重によって回動可能に軸支されるレバーであり、後述する係止ピン130を抱え込んで係止する係止部112を有する。ピン受け120は、ジブ基端部41の先端背面側の端部422に設けられた、後述する係止ピン130を受ける受け部である。係止ピン130は、ジブ先端部46の基端背面側の端部462に設けられたピンである。後述するように、ジブ基端部41の先端側の端部421でジブ先端部46が、たとえば図2に示す状態から図示反時計方向へ回動して、ジブ基端部41とジブ先端部46とが略直線状に配設されると、係止ピン130はピン受け120に当接する。
【0018】
係止ピン130がピン受け120に当接することで、ジブ基端部41に対するジブ先端部46の図2における図示反時計方向への回動が規制される。また、この状態のまま、ジブ4(すなわち略直線状に配設されたジブ基端部41およびジブ先端部46)が、後述する所定の角度よりも起立すると、係止レバー110が自重により回動して、係止部112で係止ピン130を抱え込んでピン受け120とともに係止ピン130を係止する。これにより、ジブ先端部46はジブ基端部41に固定される。なお、ジブ4が後述する所定の角度よりも倒伏すると、係止レバー110が自重により回動して、係止ピン130の係止を解除する。
【0019】
−−−相対角度固定装置200−−−
ジブ基端部41の基端側の端部410近傍の前面側と、ブーム3の先端部近傍の前面側には、図2,5,6に示す相対角度固定装置200が設けられている。図5(a)は、図5(b)のA−A断面図であり、ジブ基端部41を背面側から見ている。図5(b)は、ジブ基端部41を側面から見た図である。図6は、以下で説明する係止レバー210の斜視図である。相対角度固定装置200は、ブーム3に対するジブ基端部41の姿勢、すなわち、ブーム3とジブ基端部41とのなす角度(相対角度)を固定するための相対角度固定装置である。相対角度固定装置200は、係止レバー210と、ピン受け220と、係止ピン230と、ピン支持フレーム240とを備えている。
【0020】
係止レバー210は、ジブ基端部41の基端側の端部410近傍の前面側で回動可能に軸支されたレバーであり、ジブ基端部41の左右(図5(a)における図示上下方向、図5(b)における紙面奥行き方向)にそれぞれ1本ずつ配設されている。この左右2つの係止レバー210は、それぞれ連結軸216によって連結され、連結軸216を中心に連動して回動する。係止レバー210は、後述する係止ピン230を抱え込んで係止する係止部212を有する。係止レバー210は、バネ271によって図5(b)における図示反時計方向に向かって付勢されている
【0021】
ピン受け220は、後述する係止ピン230を受ける受け部であり、ジブ基端部41の基端側の端部410近傍の前面側に左右にそれぞれ設けられている。係止ピン230は、ブーム3の先端部近傍の前面側に設けられたピン支持フレーム240に取り付けられているピンである。ピン支持フレーム240は、ブーム3の先端部近傍の前面側で係止ピン230を支持するためのフレームである。後述するように、ブーム3の先端に取り付けられたジブ基端部41が、倒伏する方向(たとえば図5(b)における軸支部41aを中心に図示時計方向)へ回動して、ブーム3とジブ基端部41とがなす角度(相対角度)が、後述する所定の相対角度になると、係止ピン230は、ピン受け220に当接する。
【0022】
このとき、係止ピン230は、係止レバー210の図5(b)における図示下方から当接して係止レバー210をバネ271の付勢に抗して回動させる。すなわち、係止レバー210は、係止ピン230を乗り越えるように、バネ271の付勢に抗して図5(b)における図示時計方向に回動する。そして、係止レバー210は、係止ピン230を乗り越えると、バネ271の付勢によって図5(b)における図示反時計方向に回動して、係止部212で係止ピン230を抱え込み、ピン受け220とともに係止ピン230を係止する。
【0023】
これにより、ブーム3に対するジブ基端部41の姿勢(ブーム3とジブ基端部41との相対角度)が固定される。なお、次に述べるように、係止レバー210がバネ271の付勢に抗して回動されると、ブーム3に対するジブ基端部41の姿勢の固定が解除される。
【0024】
−−−相対角度固定解除装置300−−−
ジブ基端部41には、図3,7に示すように、相対角度固定解除装置300が設けられている。相対角度固定解除装置300は、バネ271の付勢に抗して係止レバー210を回動させて、係止ピン230の係止を解除するための装置であり、解除レバー310と、連結ロッド320と、回動レバー330と、解除レバー310を手動で操作するための手動操作レバー340とを備えている。図8は、解除レバー310の近傍の側面図である。解除レバー310は、ジブ基端部41の先端背面側の端部422近傍で軸311を中心に回動可能に軸支されたレバーであり、ピン当接部312と、ロッド接続部313とを有する。
【0025】
ピン当接部312は、図7において解除レバー310の上方(すなわち、図3(b)における図示上方であるジブ基端部41の背面側)に延在する腕である。ピン当接部312には、ジブ基端部41とジブ先端部46とが略直線状に配設される際に係止ピン130が図8における図示右方から当接する。ロッド接続部313は、図7において解除レバー310の下方(すなわち、図3(b)における図示下方であるジブ基端部41の前面側)に延在する腕の先端近傍に設けられた、以下に述べる連結ロッド320との接続部分である。連結ロッド320は、上述した解除レバー310のロッド接続部313に一端が接続され、次に述べる回動レバー330のロッド接続部332に他端が接続されたロッドであり、解除レバー310と回動レバー330とを連動して駆動する。
【0026】
図6,7に示すように、回動レバー330は、相対角度固定装置200の連結軸216に回動可能に軸支されたレバーであり、腕331と、腕331の先端に設けられて連結ロッド320の他端に接続されるロッド接続部332とを有する。回動レバー330は、後述するように、連結ロッド320によってロッド接続部332がジブ基端部41の先端側(すなわち図6,7における図示右方)に向かって駆動されると、バネ272を介して相対角度固定装置200の連結軸216を図5(b)における図示時計方向に回動させる。これにより、係止レバー210は、係止ピン230を係止する係止位置からバネ271の付勢に抗して図5(b)における図示時計方向に回動して、係止ピン230の係止を解除する解除位置に移動する。
【0027】
すなわち、ジブ基端部41とジブ先端部46とが略直線状に配設されて係止ピン130がピン当接部312に対して図8における図示右方から当接すると、解除レバー310が軸311を中心に図8における図示反時計方向に回動する。そのため、連結ロッド320によって解除レバー310と連動して駆動される回動レバー330は、バネ272を介して相対角度固定装置200の連結軸216を図5(b)における図示時計方向に回動させる。これにより、上述したように係止レバー210は、係止ピン230の係止を解除する解除位置に移動する。
【0028】
−−−検出用リミットスイッチについて−−−
本実施の形態の移動式クレーンでは、輸送の制約上、各部に分解されて輸送され、作業現場で再び組み立てられる。この分解、組立作業に際し、特にジブ4の分解、組立に関して上述したジブロック装置100、相対角度固定装置200および相対角度固定解除装置300が確実に動作したか否かを検出するために、図9に示す各種の検出用リミットスイッチが設けられている。図9は、以下に詳述する各種の検出用リミットスイッチのジブ基端部41における配設位置を模式的に示した図である。
【0029】
なお、図9において、510は、各種の検出用リミットスイッチとクレーンの不図示の電気回路とを接続するための中継ボックスである。クレーンの運転室内には、各検出用リミットスイッチの検出結果を表示する表示灯などが設けられている。クレーンのオペレータは、この表示灯によって、クレーンの分解、組立作業において各部が予期したとおりに動作しているか否かを認識できる。
【0030】
(1) ジブロック外れ検出用リミットスイッチ501
ジブロック外れ検出用リミットスイッチ(ジブロック外れ検出用LS)501は、係止レバー110の姿勢に応じてオンオフするリミットスイッチであり、係止レバー110が係止ピン130の係止を解除する解除位置に移動したか否かを検出する。
【0031】
(2) ジブロック掛かり検出用リミットスイッチ502
ジブロック掛かり検出用リミットスイッチ(ジブロック掛かり検出用LS)502は、係止レバー110の姿勢に応じてオンオフするリミットスイッチであり、係止レバー110が係止ピン130を係止する係止位置に移動したか否かを検出する。
【0032】
(3) ジブロックピン密着/離れ検出用リミットスイッチ503
ジブロックピン密着/離れ検出用リミットスイッチ(ジブロックピン密着/離れ検出用LS)503は、検出部分が係止ピン130で押圧されたか否かによってオンオフするリミットスイッチである。ジブロックピン密着/離れ検出用LS503は、ピン受け120で係止ピン130を受けているか否か、すなわち、ピン受け120に係止ピン130が密着しているのか離れているのかを検出する。
【0033】
(4) 相対角ピン密着/離れ検出用リミットスイッチ504
相対角ピン密着/離れ検出用リミットスイッチ(相対角ピン密着/離れ検出用LS)504は、検出部分が係止ピン230で押圧されたか否かによってオンオフするリミットスイッチである。相対角ピン密着/離れ検出用LS504は、ピン受け220で係止ピン230を受けているか否か、すなわち、ピン受け220に係止ピン230が密着しているのか離れているのかを検出する。
【0034】
(5) 相対角ロック掛かり検出用リミットスイッチ505
相対角ロック掛かり検出用リミットスイッチ(相対角ロック掛かり検出用LS)505は、係止レバー210の姿勢に応じてオンオフするリミットスイッチであり、係止レバー210が係止ピン230を係止する係止位置に移動したか否かを検出する。
【0035】
(6) 相対角ロック外れ検出用リミットスイッチ506
相対角ロック外れ検出用リミットスイッチ(相対角ロック外れ検出用LS)506は、係止レバー210の姿勢に応じてオンオフするリミットスイッチであり、係止レバー210が係止ピン230の係止を解除する解除位置に移動したか否かを検出する。
【0036】
−−−組立作業−−−
このように構成される移動式クレーンでは、上述したように、輸送の制約上、各部に分解されて輸送される。このとき、ブーム3およびジブ4は旋回体2から分離される。そして、作業現場に搬入された後、分解されたクレーンが再び組み立てられる。また、このとき、再びブーム3およびジブ4が旋回体2に取り付けられる。このクレーンの組立作業のうち、ブーム3およびジブ4を旋回体2に取り付ける際に行われる作業について、以下に説明する。図10〜37は、その作業の中でも、特に、ブーム3にジブ4を取り付ける工程について説明する図である。
【0037】
分解されたクレーンが作業現場に搬入されると、図10に示すようにブーム3の基端が旋回体2に取り付けられ、マスト7の先端部とブーム3の頂部とがペンダントロープ15で接続される。また、係止ピン230が取り付けられているピン支持フレーム240がブーム3に取り付けられる。そして、図11に示すように、ブーム3の前面側の先端部にジブ基端部41が回動可能に軸支される。901は組み立て用のタイヤ(組立用タイヤ)であり、ジブ基端部41の前面に取り付けられる。
【0038】
その後、図12に示すように、フロントポスト8およびリアポスト9をジブ基端部41の背面側に載置して、フロントポスト8をジブ基端部41に固定し、図13に示すように、リアポスト9をブーム3の背面側の先端部近傍に取り付ける。図14に示すように、リアポスト9にはリヤポストバックストップシリンダ902が取り付けられている。不図示の外部の油圧源を利用して、リヤポストバックストップシリンダ902を伸長させて、シリンダロッド先端をブーム3の背面側に取り付け、図15に示すように、ワイヤロープ13aを各ポスト8,9の先端に設けられたシーブ23,24の間に複数回掛け回す。その後、図16に示すように、不図示の外部の油圧源を利用して、リヤポストバックストップシリンダ902を縮退させて、リアポスト9を引き起こす。そして、図17に示すように、フロントポスト8を一旦引き起こす。
【0039】
ペンダント16の先端とジブ基端部41の背面側との間には、あらかじめペンダントサポート903が取り付けられている。なお、本実施の形態では、ペンダント16は、棒状の部材を用いたバーペンダントである。上述したようにフロントポスト8を一旦引き起こした後、ペンダントサポート903に取り付けられていたペンダント16をペンダントサポート903から取り外す。そして、図18に示すようにフロントポスト8を倒伏させて、ペンダント16の先端を地面の近くまで降ろす。なお、旋回体2の前部にはリービングウインチ904が設けられているので、この時点でリービングウインチ904のワイヤロープ(リービングワイヤ)908を適宜引き出しておく。
【0040】
その後、図19に示すように、ブーム3を少し引き起こし、別途用意しておいた振り出しロープ905を介してペンダントサポート903とペンダント16の先端を接続する。そして、図20に示すように、組立用タイヤ901が地面を転がる範囲では、ブーム3を引き起こしつつ、ワイヤロープ13aを巻き下げる。その後、図21に示すように、組立用タイヤ901が地面から離れかけて転がらなくなった場合、組立用タイヤ901をジブ基端部41から取り外す。
【0041】
その後、リービングウインチ904から引き出しておいたリービングワイヤと振り出しロープ905とを別途用意しておいたバーペンダント引き込みロープ906で接続する。そして、図22に示すように、ブーム3の起立およびフロントポスト8の倒伏と、振り出しロープ905およびバーペンダント引き込みロープ906を介したリービングウインチ904によるペンダント16の引き込みとを、ペンダント16の不図示のスプレッダ部分が接地するまで繰り返す。その後、バーペンダント引き込みロープ906とリービングワイヤとの接続を解除する。
【0042】
そして、図23に示すように、ペンダント16から振り出しロープ905を取り外し、フロントポスト8を起立させる。その後、図24に示すように、人力でジブ基端部41を図示時計方向に回動させることで、相対角度固定装置200の係止ピン230を係止レバー210で係止させて、ブーム3に対するジブ基端部41の姿勢を固定する。なお、相対角度固定装置200によってブーム3に対するジブ基端部41の姿勢を固定したときの、ブーム3とジブ基端部41とのなす角度(相対角度)θaは、本実施の形態では、略58度である。
【0043】
その後、旋回体2を旋回させて、別の場所で組み立てておいたジブ先端部46の基端側の端部461をジブ基端部41の先端側の端部421に回動可能にピン結合する。この場合、ジブ先端部46が地面に載置されているので、ジブ先端部46の基端側の端部461をジブ基端部41の先端側の端部421にピン結合するための作業が高所作業とはならない。また、ジブ先端部46が地面に載置され、相対角度固定装置200によってブーム3に対するジブ基端部41の姿勢が固定されているため、ジブ基端部41が地面に対して起立した姿勢となる。そのため、ジブ4は、ジブ基端部41とジブ先端部46とのピン結合部分で折り曲げたような状態となる。なお、ジブ先端部46の先端近傍には、組立用タイヤ907が取り付けられている。そして、図26に示すように、リービングウインチ904のリービングワイヤ908を適宜引き出しておく。
【0044】
その後、図27に示すように、ブーム3を起立させることで、重力を利用してジブ基端部41の先端に取り付けられたジブ先端部46を上述したピン結合部分を中心に図示反時計方向に回動させて、図28に示すように、地面に対して垂直となるように起こしていく。その際、ペンダント16を順次継ぎ足していく。図29に示すように、ジブ先端部46が地面に対して垂直となってからは、不図示の補助クレーン等を用いて、ジブ先端部46の先端部を図示右方に牽引する。このとき、図30に示すように、ブーム3を倒伏させて、組立用タイヤ907が宙に浮かないようにする。
【0045】
このように、ジブ先端部46を上述したピン結合部分を中心に図示反時計方向に回動させて、ジブ基端部41に対して真っ直ぐに延在するように移動させることで、上述したジブロック装置100の係止ピン130が相対角度固定解除装置300の解除レバー310のピン当接部312に当接し始める。ジブ先端部46の先端部が図示右方にさらに移動して、図31に示すように、ジブ基端部41とジブ先端部46とが直線状に配設されると、ジブロック装置100の係止ピン130が相対角度固定解除装置300の解除レバー310を回動させる。これにより、係止レバー210が解除位置に移動して係止ピン230の係止を解除するので、ブーム3に対するジブ4の回動が許可される。
【0046】
その後、ブーム3を倒伏させて、ジブ先端部46の先端近傍にペンダント16の下端を接近させて、図32に示すように、ジブ先端部46にペンダント16を接続する。そして、図33に示すように、ジブ4を引き起こして組立用タイヤ907を取り外し、図34に示すように、ジブフック5へリアロープ11aを掛け回す。
【0047】
次いで、図35に示すように、ブーム3を起立させる。本実施の形態では、ジブ4の対地角度θbが54.6度以上である場合、係止レバー110は、係止ピン130の係止を完全に解除した状態となる。本実施の形態では、図36に示すように、ジブ4が起こされて、ジブ4の対地角度θbが28.3度以下となると、係止レバー110は、係止ピン130を完全に係止した状態となる。そして、図37に示すようにジブ4が起こされると、引き起こし作業が完了する。
【0048】
−−−分解作業−−−
上述したように、本実施の形態の移動式クレーンは、輸送の制約上、各部に分解されて輸送される。このクレーンの分解作業のうち、ブーム3およびジブ4を旋回体2から取り外す際に行われる作業について、以下に説明する。図38〜55は、その作業の中でも、特に、ブーム3からジブ4を取り外す工程について説明する図である。
【0049】
図38に示すように、ジブ4を下げ始めて、ジブ4の対地角度θbが28.3度以上となると、係止レバー110による係止ピン130の係止が外れ始める。ブーム3とジブ基端部41との相対角度θaを略60度とした後、図39に示すように、ブーム3を倒伏させていく。そして、ブーム3の倒伏によってジブ4の対地角度θbが54.6度以上となると、係止レバー110による係止ピン130の係止が完全に解除する。すなわち、ジブロック装置100によるジブ基端部41とジブ先端部46との固定が完全に解除されている。
【0050】
さらにブーム3を倒伏させて、ジブ4の先端を地面の近くまで降ろして、図40に示すように、不図示のフック過巻きを取り外し、リアロープ11aをジブクック5から抜き取り、ジブフック5を取り外す。そして、図41に示すように、ジブ4の先端(ジブ先端部46の先端)に組立用タイヤ907を取り付ける。その後、図42に示すように、ブーム3をさらに倒伏させることでジブ4の先端を図示右方に移動させて、ペンダント16が地面に対して垂直になった時点でブーム3の倒伏を停止し、ペンダント16の下端をジブ先端部46から取り外す。
【0051】
その後、図43に示すように、ブーム3を起伏させることで、自重によりブーム4をブーム3側に引き寄せる。これにより、ブーム3とジブ4(ジブ基端部41)との相対角度θaが58度となると、ジブ基端部41のピン受け220にブーム3側の係止ピン230が当接する。これにより、ジブ4のさらなる図示時計方向への回動が規制される。
【0052】
なお、この時点では、ジブ基端部41とジブ先端部46とのピン結合部分の高さhaよりも、ジブ基端部41とジブ先端部46とのピン結合部分から組立用タイヤ907までの距離Laの方が十分に長い。したがって、ジブ先端部46には、組立用タイヤ907を介して地面からジブ基端部41とジブ先端部46とのピン結合部分を中心とする図示反時計方向への回転モーメントを受ける。これにより、上述したようにジブロック装置100によるジブ基端部41とジブ先端部46との固定が完全に解除されているが、ジブ基端部41に対してジブ先端部46が折れ曲がらずに直線状に配設されたままとなる。そのため、上述したように、相対角度固定解除装置300によって係止レバー210が係止ピン230の係止を解除する解除位置に移動している。
【0053】
図43に示す状態からさらにブーム3を起立させると、ジブ基端部41とジブ先端部46とのピン結合部分の高さhaがさらに高くなるため、ジブ基端部41とジブ先端部46とのピン結合部分から組立用タイヤ907までの距離Laとの差が小さくなる。ブーム基端部41は、ブーム3の起伏角度および相対角度固定装置200によって固定されたブーム3とジブ基端部41との相対角度θa(58度)との関係で、ジブ基端部41の先端側が鉛直下方よりもクレーンの前方に向くこととなる。そのため、ブーム3の起立によって上述したように高さhaと距離Laとの差が小さくなると、図44に示すように、ジブ基端部41に対してジブ先端部46が折れ曲がり始める。
【0054】
ジブ基端部41に対してジブ先端部46がある程度以上折れ曲がると、相対角度固定解除装置300の解除レバー310のピン当接部312から係止ピン130が離れる。そのため、係止レバー210は、バネ271の付勢によって図5(b)における図示反時計方向に回動して、係止ピン230を係止する係止位置に移動する。これにより、相対角度固定装置200は、ブーム3とジブ基端部41との相対角度θaを58度で固定する。
【0055】
ブーム3の起立によってジブ基端部41に対してジブ先端部46が折れ曲がり、ジブ先端部46が略鉛直となった後には、図45に示すように、リービングワイヤ908を組立用タイヤ907またはジブ先端部46に接続する。そしてブーム3を倒伏させつつ、リービングウインチ904を巻き上げることで、ジブ先端部46をブーム3の下方(前面)へ抱き込む。このとき、上述したように、相対角度固定装置200によってブーム3とジブ基端部41との相対角度θaが固定されているため、ジブ先端部46だけがブーム3の下方へ引き込まれることとなる。
【0056】
図46に示すように、リービングウインチ904を用いてある程度までジブ先端部46を引き込んだ後、リービングワイヤ908を組立用タイヤ907またはジブ先端部46から取り外す。そして、ブーム3の倒伏によってジブ先端部46をブーム3の下方へ引き込む。また、その際、継ぎ足されているペンダント16を順次切り離していく。ブーム3をさらに倒伏させることで、図47に示すように、ジブ先端部46の引き込み(抱き込み)作業が完了する。
【0057】
その後、ジブ基端部41からジブ先端部46を切り離し、ジブ先端部46の載置場所とは別の場所でジブ基端部41を分解するため、旋回体2を旋回させる。そして、図48の矢印848で示す方向に、作業員がジブ先端部41を回動させて、ジブ基端部41側のピン受け220をブーム3側の係止ピン230に押しつける。さらに作業員が手動操作レバー340を操作して解除レバー310を回動させることで係止レバー210による係止ピン230の係止を解除させると、相対角度固定装置200によるブーム3とジブ基端部41との相対角度θaに固定が解除される。これにより、図49に示すように、ジブ基端部41が自重によって鉛直方向に向くように回動する。
【0058】
その後、フロントポスト8を倒伏させて、図50に示すように、バーペンダント引き込みロープ906をペンダント16の先端と、リービングウインチ904から引き出しておいたリービングワイヤ908とに接続する。そして、フロントポスト8の倒伏と、バーペンダント引き込みロープ906を介したリービングウインチ904によるペンダント16の引き込みとを繰り返して、ペンダント16をジブ基端部41の方へ引き込む。その後、図51に示すように、振り出しロープ905を介してペンダントサポート903とペンダント16の先端を接続する。そして、バーペンダント引き込みロープ906とリービングワイヤ908との接続を解除する。
【0059】
その後、図52に示すように、フロントポスト8を起立させてペンダント16とペンダントサポート903との間を緊張させ、図53に示すように、ブーム3を倒伏させながらフロントポスト8を起立させて、ジブ基端部41を前方に振り出していく。なお、ジブ基端部41の先端側が地面に沿って前方へ移動するように、図54に示すようにジブ基端部41の先端に組立用タイヤ901を取り付ける。その後、振り出しロープ905が緩むまでフロントポスト8を倒伏させた後、ペンダントサポート903およびペンダント16の先端から振り出しロープ905を取り外す。
【0060】
図55に示すように、ピン支持フレーム240が接地するまでブーム3を倒伏させることでジブ基端部41の振り出し作業が完了する。以降、組み立て作業における組立手順とは逆の手順で、ジブ基端部41、各ポスト8,9、ブーム3を分解する。
【0061】
本実施の形態の移動式クレーンでは、次の作用効果を奏する。
(1) 中折れ結合構造を有する連結部分でジブ基端部41とジブ先端部46とが連結されるようにジブ4を構成した。そして、ジブ4の中折れを防止するジブロック装置100を設けるように構成した。さらに、ブーム3とジブ基端部41との相対角度を固定するための相対角度固定装置200と、相対角度固定装置200によるブーム3とジブ基端部41との相対角度の固定を解除するための相対角度固定解除装置300とを設けるように構成した。したがって、ジブ先端部46をブーム3の下方に抱き込んだ状態でジブ4の組立および分解ができるので、旋回体2の前方へ倒伏させたブーム3の先端からさらに前方に向かってジブ4を地面に倒伏させる必要がなくなる。これにより、移動式クレーンの組立および分解のために非常に長い敷地を確保する必要がなくなるので、狭い建設現場でも大型の移動式クレーンの組立および分解ができるようになり、移動式クレーンの組立および分解がし易くなる。
【0062】
(2) ジブ4の組立に際して、ピン支持フレーム240が接地するまで倒伏させたブーム3の先端にジブ基端部41を取り付け可能に構成した。そして、ブーム3とジブ基端部41との相対角度を相対角度固定装置200で固定し、地面に載置したジブ先端部46に対して、図2に示すようにブーム3の先端から下方に向いているジブ基端部41をピン結合可能に構成した。また、分解時には、上記手順とは逆の手順でジブ先端部46とジブ基端部41、および、ジブ基端部41とブーム3とを分解可能に構成した。これにより、ジブ4の組立および分解に際して、高所作業がなくなるので、ジブ4の組立および分解作業の作業効率が向上する。
【0063】
(3) 従来の移動式クレーンでは、ジブ4をブーム3の下方に抱え込むように地面に載置して、ジブ4をブーム3に取り付けようとした場合、ブーム3の中心からジブ4を軸支する部分までのオフセット量(図2における△Bに相当するオフセット量)が大きくなってしまう。そのため、ブーム3の先端部分の重量が重くなり、吊り上げ能力に悪影響を与えるおそれがある。また、上記オフセット量が大きくなることでブーム3の捩れ剛性が低下してクレーンの操作性に悪影響を与えるおそれがあった。さらに、ジブ4をブーム3の下方で地面に載置する必要があるため、ブーム3の基端部分と旋回体2との接続部分の高さが高くなり、移動式クレーンの重心位置が高くなるおそれがあった。
【0064】
これに対して本実施の形態の移動式クレーンでは、ブーム3とジブ基端部41との相対角度を相対角度固定装置200で固定することで、ブーム3とジブ基端部41との相対角度が相対角度固定装置200で規定される角度よりも小さな角度とならないように構成した。これにより、図2に示す、ブーム3の中心から軸支部3aまでのオフセット量△Bを最小限に抑制できるので、ブーム3の先端部分の重量を軽量化でき、吊り上げ能力を向上できる。また、オフセット量△Bを最小限に抑制できるので、ブーム3の捩れ剛性を向上でき、クレーンの操作性が向上する。さらに、ブーム3の基端部分と旋回体2との接続部分の高さを抑制でき、移動式クレーンの重心位置を下げて移動式クレーンの安定度を向上できる。
【0065】
(4) 解除レバー310と、連結ロッド320と、回動レバー330とを含む相対角度固定解除装置300によって、ジブ基端部41とジブ先端部46とが略直線状に配設されて係止ピン130がピン当接部312に対して図8における図示右方から当接すると、係止レバー210が係止ピン230の係止を解除するように構成した。これにより、ジブ4の組立時に、相対角度固定装置200によるブーム3とジブ基端部41と相対角度の固定を解除するための作業員による高所作業が不要となるので、ジブ4の組立作業の作業効率が向上する。
【0066】
(5) ジブ基端部41の対地角度に応じて、自重によって回動可能に軸支される係止レバー110が係止ピン130を係止し、または、係止ピン130の係止を解除するように構成した。これにより、ジブ4の組立および分解時に作業員による高所でのジブ基端部41とジブ先端部46との固定作業および固定の解除作業が不要となるので、ジブ4の組立作業の作業効率が向上する。
【0067】
(6) ジブ4の組立時には、ブーム3を起立させつつ、ブーム3の前端に軸支されたジブ基端部41をブーム3の前面に向かって回動させることで、ブーム3とジブ基端部41との相対角度を固定するようにした。そして、ジブ基端部41の先端にジブ先端部46を連結部分で中折れ状態で回動可能に連結し、ジブ先端部46を連結部分で回動させてジブ基端部41の軸心とジブ先端部46の軸心とを一致させるとともに、ジブ基端部41とジブ先端部46とが連結部分で中折れしないように固定するようにした。そしたジブ基端部41とジブ先端部46との固定が完了すると、ブーム3とジブ基端部41との相対角度の固定を解除するようにした。これにより、動式クレーンの組立のために非常に長い敷地を確保する必要がなくなるので、狭い建設現場でも大型の移動式クレーンの組立ができるようになり、移動式クレーンの組立の作業効率が向上する。
【0068】
(7) ジブ4の分解時には、ブーム3の倒伏によってジブ4の対地角度を変更して係止レバー110による係止ピン130の係止を解除するようにした。そして、ペンダント16の下端をジブ先端部46から取り外すとともに、ブーム3の前端に軸支されたジブ基端部41をブーム3の前面に向かって回動させることで、ブーム3とジブ基端部41との相対角度を固定するようにした。そして、ジブ基端部41に対してジブ先端部46を折り曲げて、ジブ先端部46をブーム3の下方へ引き込むようにした。これにより、移動式クレーンの分解のために非常に長い敷地を確保する必要がなくなるので、狭い建設現場でも大型の移動式クレーンの分解ができるようになり、移動式クレーンの分解の作業効率が向上する。
【0069】
−−−変形例−−−
(1) 上述の説明では、ジブロック装置100の係止レバー110をジブ基端部41に設け、係止ピン130をジブ先端部46に設けたが、係止レバー110をジブ先端部46に設け、係止ピン130をジブ基端部41に設けてもよい。なお、この場合には、ジブ基端部41とジブ先端部46とが略直線状に配設される際に相対角度固定解除装置300のピン当接部312に当接する部材をジブ先端部46に設ければよい。
【0070】
(2) ジブ4の対地角度に応じて、ジブ基端部41とジブ先端部46とが中折れ結合構造の連結部分で中折れしないようにジブ基端部41とジブ先端部46とを固定する、または固定を解除するように構成されていれば、ジブロック装置100の構成は、上述した構成に限定されない。
【0071】
(3) ブーム3の前面側とジブ基端部41の前面側とが接近するようにブーム3に対してジブ基端部41が回動して、ブーム3とジブ基端部41との相対角度が所定の角度に達したらブーム3とジブ基端部41との相対角度を固定するように構成され、相対角度固定解除装置300によってブーム3とジブ基端部41との相対角度の固定が解除されるように構成されていれば、相対角度固定装置200の構成は、上述した構成に限定されない。
【0072】
(4) 中折れ結合構造により互いに回動可能に連結されたジブ基端部41とジブ先端部46とが略直線状に配設されると相対角度固定装置200によるブーム3とジブ基端部41との相対角度の固定を解除するように構成されていれば、相対角度固定解除装置300の構成は、上述した構成に限定されない。
(5) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
【0073】
なお、本発明は、上述した実施の形態のものに何ら限定されず、走行体と、走行体上に旋回可能に設けられる上部旋回体と、上部旋回体に回動可能に支持されるブームと、中折れ結合構造を有する連結部分でジブ基端部とジブ先端部とが連結されるジブと、ジブ基端部とジブ先端部とが連結部分で中折れしないようにジブ基端部とジブ先端部とを固定するジブ固定装置と、ブームとジブ基端部との相対角度を固定する相対角度固定手段と、相対角度固定手段による相対角度の固定を解除する相対角度固定解除手段とを備えることを特徴とする各種構造の移動式クレーンを含むものである。
また、本発明は、上述した実施の形態のものに何ら限定されず、走行体と、走行体上に旋回可能に設けられる上部旋回体と、上部旋回体に回動可能に支持されるブームと、中折れ結合構造を有する連結部分でジブ基端部とジブ先端部とが連結されるジブとを備える移動式クレーンの組立方法であって、上部旋回体にブームを回動可能に軸支する工程と、上部旋回体に回動可能に軸支されたブームの先端にジブ基端部を回動可能に軸支する工程と、ブームを起立させてブームの前端に軸支されたジブ基端部をブームの前面に向かって回動させることで、ブームとジブ基端部とのなす角度が所定の角度に達すると、ブームとジブ基端部との相対角度を固定する工程と、相対角度が固定されたジブ基端部の先端にジブ先端部を連結部分で中折れ状態で回動可能に連結する工程と、連結部分でジブ基端部の先端に連結したジブ先端部を連結部分で回動させてジブ基端部の軸心とジブ先端部の軸心とを一致させるとともに、ジブ基端部とジブ先端部とが連結部分で中折れしないようにジブ基端部とジブ先端部とを固定する工程と、ジブ基端部とジブ先端部との固定が完了すると、相対角度の固定を解除する工程とを含むことを特徴とする各種の移動式クレーンの組立方法を含むものである。
【符号の説明】
【0074】
1 走行体
2 上部旋回体(旋回体)
3 ブーム
4 ジブ
41 ジブ基端部
46 ジブ先端部
100 ジブロック装置
110 係止レバー
120 ピン受け
130 係止ピン
200 相対角度固定装置
210 係止レバー
220 ピン受け
230 係止ピン
240 ピン支持フレーム
300 相対角度固定解除装置
310 解除レバー
320 連結ロッド
330 回動レバー
340 手動操作レバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行体と、
前記走行体上に旋回可能に設けられる上部旋回体と、
前記上部旋回体に回動可能に支持されるブームと、
中折れ結合構造を有する連結部分でジブ基端部とジブ先端部とが連結されるジブと、
前記ジブ基端部と前記ジブ先端部とが前記連結部分で中折れしないように前記ジブ基端部と前記ジブ先端部とを固定するジブ固定装置と、
前記ブームと前記ジブ基端部との相対角度を固定する相対角度固定手段と、
前記相対角度固定手段による前記相対角度の固定を解除する相対角度固定解除手段とを備えることを特徴とする移動式クレーン。
【請求項2】
請求項1に記載の移動式クレーンにおいて、
前記相対角度固定手段は、前記ブームに設けられた第1の係合部と、前記ジブ基端部に設けられた第2の係合部とを有し、前記ブームの先端に回動可能に支持された前記ジブ基端部が前記上部旋回体の前方に延在する前記ブームの下側に向かって回動して前記ブームと前記ジブ基端部とがなす角度が所定の角度になると、前記第1の係合部と前記第2の係合部とが互いに係合して前記ブームと前記ジブ基端部との相対角度を固定することを特徴とする移動式クレーン。
【請求項3】
請求項2に記載の移動式クレーンにおいて、
前記相対角度固定解除手段は、前記ジブ先端部に設けられた当接部と、前記ジブ基端部に設けられた解除レバーと、前記解除レバーにより前記第2の係合部を駆動する連動部材とを有し、
前記当接部は、前記ジブ基端部に対して前記ジブ先端部が回動して前記ジブ基端部と前記ジブ先端部とが直線状に配設されると前記解除レバーと当接して前記解除レバーを駆動することで前記連動部材を介して前記第2の係合部を駆動して、前記第2の係合部と前記第1の係合部との係合を解除することを特徴とする移動式クレーン。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の移動式クレーンにおいて、
前記ジブ固定装置は、前記ジブ基端部および前記ジブ先端部のいずれか一方に設けられる第3の係合部と、前記ジブ基端部および前記ジブ先端部のいずれか他方に軸支されて重力によって回動し、回動姿勢に応じて前記第3の係合部と係合し、または前記第3の係合部との係合を解除する回動部とを有し、組立時には、前記ジブ先端部に接続されたペンダントを介して前記ジブ基端部を所定の傾斜角度よりも起立させると前記回動部と前記第3の係合部とが係合して前記ジブ基端部に対して前記ジブ先端部を固定し、分解時には、前記ジブ基端部が所定の傾斜角度よりも倒伏すると前記回動部と前記第3の係合部との係合を解除して前記ジブ基端部に対する前記ジブ先端部の固定を解除することを特徴とする移動式クレーン。
【請求項5】
走行体と、前記走行体上に旋回可能に設けられる上部旋回体と、前記上部旋回体に回動可能に支持されるブームと、中折れ結合構造を有する連結部分でジブ基端部とジブ先端部とが連結されるジブとを備える移動式クレーンの組立方法であって、
前記上部旋回体に前記ブームを回動可能に軸支する工程と、
前記上部旋回体に回動可能に軸支された前記ブームの先端に前記ジブ基端部を回動可能に軸支する工程と、
前記ブームを起立させて前記ブームの前端に軸支された前記ジブ基端部を前記ブームの前面に向かって回動させることで、前記ブームと前記ジブ基端部とのなす角度が所定の角度に達すると、前記ブームと前記ジブ基端部との相対角度を固定する工程と、
前記相対角度が固定された前記ジブ基端部の先端に前記ジブ先端部を前記連結部分で中折れ状態で回動可能に連結する工程と、
前記連結部分で前記ジブ基端部の先端に連結した前記ジブ先端部を前記連結部分で回動させて前記ジブ基端部の軸心と前記ジブ先端部の軸心とを一致させるとともに、前記ジブ基端部と前記ジブ先端部とが前記連結部分で中折れしないように前記ジブ基端部と前記ジブ先端部とを固定する工程と、
前記ジブ基端部と前記ジブ先端部との固定が完了すると、前記相対角度の固定を解除する工程とを含むことを特徴とする移動式クレーンの組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【公開番号】特開2012−116607(P2012−116607A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267348(P2010−267348)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(503032946)日立住友重機械建機クレーン株式会社 (104)
【Fターム(参考)】