説明

移動式ワイヤレス財務手段

明細書および描写する図は、移動式ワイヤレス通信手段を含む財務データ装置で実施されるコンピュータを記述し示す。データ処理システムは、移動式ワイヤレス通信手段へ適切に作用するように接続される。データ処理システムによって実行可能な多数のユーザプログラマブルセットの命令が提供される。移動式ワイヤレス通信手段とデータ処理システムによって実行可能な多数のユーザプログラマブルセットの命令との組み合わせは、例えば、クレジットネットワークを介して多数の支払い手段と関連する支払いを行うこと、任意の数のネットワークおよびデータベースを介して、様々なその他の財務トランザクションを処理することのような、選択的な財務トランザクションを処理することをユーザに許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書に記述され、例示され、主張される装置,システム,および方法は、一又はそれ以上の通信ネットワークを介して財務トランザクションを処理することをユーザに許可することができる、一般的な移動式ワイヤレス通信手段に関連し、特に、移動式ワイヤレス通信手段が、一又はそれ以上のユーザの支払い手段へ支払いを請求することによってクレジットネットワークを介して支払いを実施することを消費者に許可することができることに関連する。移動式ワイヤレス通信手段は、ワイヤレス通信システムを介して広範囲の顧客財務データ,個人情報,企業情報,およびその他の情報を収集し、記憶し、送信することもできる。
【背景技術】
【0002】
クレジットカード,デビットカード,および類似の支払い手段の使用は、商品およびサービスの消費者購入に対して、普遍的に好ましい手段となっている。同時に、購入のためのPOS支払いを実施するために支払い手段の使用量の拡張が、窃盗を含む、支払い手段に影響を及ぼす不正なトランザクションの相伴う増加をまねいてきた。
【0003】
財務機関クレジットネットワークを介して消費者購入を実施するための現在の構成は、購入に関連する単一の支払い手段の使用に限られる。現在、消費者は、例えば、磁気ストリップを有する又は本来非接触式である、クレジットカード又はデビットカードのような消費者所有のカードを用いる支払い手段を持っていなければならない。POSにおいて、クレジットカード読み取り機,端末,又は類似のPOS支払いデバイスは、POSデバイスを通じて支払い手段を磁気読み取り機に通すことを消費者へ要求すると規定される。時間経過とともに繰り返しの使用から、支払い手段上の磁気ストリップは劣化し、磁気ストリップに埋め込まれたデータは、POSデバイスによる様々な原因のために読み取り不能になるかもしれない。磁気ストリップの劣化は、消費者が支払い手段の本物の所有者であるにもかかわらず、支払い拒否を引き起こすかもしれない。顧客の認証又は証明は、支払い手段の磁気ストリップに埋め込まれたデータおよび情報に限られる。そのため、支払い手段を所有する人は誰でも購入を実施することができる。個人識別番号の使用は、顧客識別および顧客証明のどちらの問題も解決しない。顧客認証は、支払い手段およびPOS支払いシステム間での、支払い手段の紛失又は盗難,劣化した手段,又は機能性の損失の問題を克服できない。
【0004】
それゆえに、顧客所有物の中に支払い手段のプラスチック製レンディション(rendition)を有する必要なしに、一つ以上の支払い手段からの支払いはもちろん、少なくとも一つの支払い手段からの支払いを選択的に指示することを消費者又は顧客に許可する、安全なPOS支払いシステムに対して世界的な需要がある。支払い手段の紛失,不正,および拒否される支払いから生じる問題を減少させるためにこのようなシステムに対する需要も存在するが、利率の変化,支払い手段へ以前に請求された金額,支払いが行われる場所のような論理的な基準に基づいて、様々な支払い手段からの支払いを可能にすることを顧客に許可することにも需要が存在する(例えば、顧客は、アメリカでのトランザクションのためにU.S.の支払い手段を持っていてもよいし、例えば、スペインへの頻繁な旅行のために、スペインの支払い手段を持っていてもよい)。
【0005】
世界的な需要は、一般に世界中の顧客の財産を携帯用又は移動式ワイヤレス通信手段の使用によって、一又はそれ以上の支払い手段から選択的に支払いを指示することを顧客に許可するシステムに対して存在する。このような携帯用又は移動式ワイヤレス通信手段の少なくとも一つの例が、携帯電話であるが、コンピュータおよび/又はデータ処理システムが適切に作用するように接続されてもよい任意のワイヤレス通信手段が、携帯電話のほかに用いられてもよい。
【0006】
更に、世界中の人々のモビリティの増加、およびビジネスおよび/又は娯楽のための大規模な国内的および国際的な旅行の増加により、需要が、ワイヤレス通信システムを介して修正され、更新され、提供されてもよい広範囲の顧客財務データ,個人情報,および企業情報を収集し、記憶し、受信し、送信することができる移動式ワイヤレス財務デバイスに対して存在する。
【0007】
現在、クレジットシステムに基づいた周知のクレジット/デビットカードは、決してペーパーレスではない。顧客が存在しない(「CNP」)という電子電話認可の開始にも関わらず、大多数の顧客は、単一のクレジット又はデビットカードを用いること、又は受領書あるいは同様のトランザクションのペーパー確認へ署名することによって、クレジットネットワークを介する財務トランザクションを処理する。又は、大多数の顧客は、単一の支払い手段だけに対して請求されてもよい取引金額を表示するタッチスクリーンによってトランザクションを処理するかもしれない。トランザクションの紙確認は収集され、分析されなければならない。本文書で開示され、例示され、主張された装置,システム,および方法は、ペーパー受領書を不要にし、クレジットネットワークを介する即時支払いトランザクションの考察を提供する。
【発明の概要】
【0008】
本文書に開示された装置,システム,および方法は、移動式ワイヤレス通信手段を提供することによって、上記に明白に規定された要求を処理する。コンピュータ,又はデータプロセッサは、移動式ワイヤレス通信手段へ適切に作用するように接続される。ある実施形態において、データ処理システムは、移動式ワイヤレス通信手段を用いて財務トランザクションを選択的且つ安全に処理するために、データ処理システムによって実行可能な多数のユーザプログラマブル設定命令を含む。もう一つの実施形態において、データ処理システムは、一つの支払い手段に関してだけでなく、多数の支払い手段に関してもプログラマブル支払い命令を送信し、受信することができる。移動式ワイヤレス財務デバイスは、ワイヤレス通信システムを介して様々な財務データを受信し、送信するために移動式ワイヤレス財務デバイスのユーザを認可することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、移動式ワイヤレス通信手段を用いるPOSデバイスを例示する機能ブロック図である。
【図2】図2は、ワイヤレス通信手段に関連したコンピュータのデータ処理システムを例示する機能ブロック図である。
【図3】図3は、移動式ワイヤレス通信手段を用いて、財務データ装置を例示する機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本文書で用いられる「移動式ワイヤレス通信手段」および「携帯用ワイヤレス通信手段」という用語は、少なくともワイヤレス通信システムに用いられるワイヤレス通信手段を意味する。一般に、赤外線および無線信号を用いて、ケーブルなしでシステムを介して、少なくとも磁気信号を受信し、送信するのに適した通信デバイスへ適切に作用するように接続されるアレイを含む。またある種のケーブルの代わりに、電磁波が信号を通信経路の全体又は一部に伝えるような電気通信システムも含む。移動式ワイヤレス通信手段は、全地球測位システム(GPS),ガリレオ,グロナス,ナブスター,GNSS,これらのシステムの組み合わせから衛星を用いるシステム,又はその後開発された衛星測位システム(衛星測位システム(SPS)として本文書で称される)の一部である衛星を含んでいる衛星からの信号を受信し、送信してもよい。本文書で用いられるように、SPSは、擬似衛星(pseudo−satelite)システムも含む。
【0011】
「携帯用ワイヤレス通信」という用語と関連する「手段」という用語は、少なくとも携帯電話およびページャ,衛星電話,送受信両用のページャ,ワイヤレス性能を有する携帯情報端末(「PDA」),ワイヤレス性能を有する携帯用コンピュータ,家庭用エンターテイメントシステム制御装置,ワイヤレス近距離ネットワーク,および送信性能を有するその他のワイヤレスデバイスを含む。その他のワイヤレスデバイスは、特に時分割多元接続(「TCMA」),符号分割多元接続(「CDMA」),地球移動通信システム(「GSM」),無音声通信装置,およびテキスト送信装置を含んでいる一又はそれ以上の個人通信サービスデバイス(「PCS」)のバージョンであってもよい。
【0012】
「POSデバイス」という用語は、特にピアートゥピアーニアフィールド通信デバイス,ISO14443準拠非接触式カード,およびISO18092準拠FeliCaカードからなる端末又は他のデバイスを少なくとも意味する。従って、POSデバイスは、クレジットおよびデビットカード読み取り機(タッチスクリーンを含めてもよい)だけでなく、自動機械および現金自動預入れ支払い機(「ATM」)も含む。
【0013】
「クレジットネットワーク」という用語は、財務機関,商人,および公共のユーザが接続可能である、国内的および/又は世界的なシステムを意味する。クレジットネットワークは、本来支払い手段用に設計された。支払い手段は、公共のユーザ又は顧客が、例えば、顧客の認証および財務機関によるトランザクションの認可の後に、実質的にリアルタイムで商品又はサービスを購入するためのクレジット又はデビットカードを用いることを可能にする。ユーザ又は顧客(本文書では、「ユーザ」又は「顧客」)は、クレジットプロバイダによってアカウントが認可された後に、クレジット又はデビットカードのような支払い手段を発行される。クレジットプロバイダはしばしば銀行のような財務機関であり、それを用いてユーザは予め決められた限度までクレジットを受け付ける商人から購入することが可能である。更に、「カード会社」は、しばしばクレジットネットワークに含まれ、特に、トランザクションを認可し、資金を提供する財務機関と発行人との間のゲートウェイとしての機能を果す、VISA(登録商標)およびMasterCard(登録商標)を含む。なお、発行人は、カード所有者にクレジット/デビットカードを発行した、財務機関又はその他の機関である。
【0014】
たいていカード会社を通じて、クレジットネットワークを介す様々な相手の間の情報および現金の流れは、「インターチェンジ」として知られる。インターチェンジは、多数のステップを含む。第1のステップは認可であり、カード所有者が購入のために代金を払い、商人が、カード番号および取引金額の両者が有効であることを殆どすぐに証明し、カード所有者に対するトランザクションを処理する財務機関にトランザクションを提出する。次のステップは「バッチング」を含み、トランザクションが認可され、商人が後の支払いのために財務機関へ送るバッチにトランザクションが記憶されるステップである。次のステップは清算および決済を含み、支払いのために発行人から引き落とし、財務機関に信用貸しをするようなカード会社を通じて、財務機関がバッチにトランザクションを送る時である。最後に、資金を提供するステップがある。いったん財務機関が支払ったならば、商人はその支払いを受け取る。
【0015】
「財務データ」および「財務情報」という用語は、現金および市場の問題に関連した、任意および全ての財政上のデータを少なくとも意味する。財務データは、個人広告および/又は広告放送であってもよい。財務データおよび情報は、現金,銀行業,クレジット,投資,および財産の管理に関係する。
【0016】
「財務トランザクション」という用語は、契約,同意,取引,および支払い手段を用いる同様のトランザクションに基づいて、商品,サービス,資金の交換又は譲渡に用いられる財務データおよび財務情報の使用を少なくとも意味する。
【0017】
「支払い手段」という用語は、クレジットカード,デビットカード,非接触式カード,デビットライン,デビットクーポン,および現金相当物を少なくとも意味する。
【0018】
「財務データを記憶し、受信し、送信するための一又はそれ以上のデータベース」は、コンピュータへ適切に作用するように接続される移動式ワイヤレス通信手段を少なくとも意味する。
【0019】
「ユーザ」という用語は、個人、又は、一又はそれ以上の支払い手段と関連する支払いを処理し、終えるためのクレジットネットワークと、財務データを記憶し、受信し、送信する一又はそれ以上のデータベースとの、どちらか一方に接続すること、および移動式ワイヤレス通信手段を用いることを認可された個人を意味する。
【0020】
「典型的」という用語は、「例,実例,又は例示を提供する」ことを意味するために、ここでは用いられる。本文書において「典型的」として説明される任意の実施形態、必ずしも他の実施形態に対して好適又は有利であると解釈されない。
【0021】
本文書に開示された装置,システム,および方法は、移動式ワイヤレス通信手段を提供することによって、上記に明白に規定された要求を処理する。データプロセッサ又はデータ処理システムは、移動式ワイヤレス通信手段へ適切に作用するように接続される。ある実施形態において、データ処理システムは、移動式ワイヤレス通信手段を用いて財務トランザクションを選択的に処理するためにデータ処理システムによって実行可能である、多数のユーザプログラマブルセットの命令を含む。もう一つの実施形態において、データ処理システムは、クレジットネットワークを介して種々様々な財務トランザクションを安全に受信し、記憶し、送信し、処理することができる。もう一つの実施形態において、データ処理システムは、一つの支払い手段に関してだけでなく、多数の支払い手段に関してもプログラマブル支払い命令を受信し、記憶し、送信することができる。
【0022】
特に、本文書で開示され、例示され、主張された装置,システム,および方法の少なくとも一つの実施形態において、概略的且つ図式的に図1で例示されるように、POS支払いシステム10は、携帯用又は移動式ワイヤレス通信手段12を含むことが規定される。移動式ワイヤレス通信手段12は、携帯電話,時分割多元接続(TDMA),符号分割多元接続(CDMA),および移動地球通信システム(GSM)を含んでいる個人通信サービス(PCS)を提供する通信装置、無音声通信装置、テキスト送信装置、衛星電話、送受信両用ページャ、個人用情報端末、携帯用ワイヤレスコンピュータ、特定の財務データトランザクションを実行するために設計されたワイヤレス手段からなる移動式ワイヤレス通信手段の集まりから選択される。
【0023】
図1に例示されるように、POS支払いシステムはコンピュータ14を含む。示されるように、コンピュータ14は、携帯用又は移動式ワイヤレス通信手段12へ適切に作用するように接続される。ある実施形態において、コンピュータ14は、1つ以上の支払い手段16a−nに関連するプログラマブル支払い命令を送信し、受信するのに適している。
【0024】
動作に関して、図1に示されるように、顧客,財務機関,および/又はカード会社に関連した他のデータが、本文書に記述されるように、使用のために移動式ワイヤレス通信手段12のコンピュータ14に記憶されるのと同様に、任意および全てのデータは、電気的又はその他の方法で一又はそれ以上の支払い手段16a−nの中に埋め込まれる。
【0025】
移動式通信手段12のコンピュータは、図2のブロック図の非排他的な例において例示されるようなデータ処理システム100を含む。示されるように、データ処理システム100は、コンピュータプロセッサ102,メモリ104を含んでいるPOSデバイス18にデータおよび情報を送信し、受信するための移動式通信手段12を動作可能にするために様々なコンポーネントを含んでもよい。なお、コンピュータプロセッサおよびメモリは、バス106によって接続される。メモリ104は、比較的高速度な機械可読の媒体であり、ROM,FLASH,EPROM,EEPROMのような不揮発性メモリと同様に、DRAMおよびSRAMのような揮発性メモリおよびバブルメモリを含む。バス106に接続可能なものは、任意の第2の記憶装置108,外部記憶装置110,移動式ワイヤレス通信システム12上に取り付けてもよいモニタ112のような出力デバイスであり、任意で、キーボード114とマウス116のような入力デバイス、おそらくプリンタ118でさえ接続可能である。第2の記憶装置108は、ハードディスクドライブ,磁気ドラム,およびバブルメモリのような機械可読の媒体を含んでもよい。外部記憶装置110は、フロッピー(登録商標)ディスク,リムーバルハードディスク,磁気テープ,CS−ROM,および通信網120によってできるかぎり接続される他のコンピュータのような機械可読の媒体を含んでもよい。第2の記憶装置108と外部記憶装置110との違いは、本発明を記述する際の便宜のためである。そのため、当業者はコンポーネント間で実質的に機能しうる重複部があるということを認識するであろう。コンピュータソフトウェアおよびユーザプログラムは、メモリ104,第2の記憶装置108,および外部記憶装置110のようなソフトウェア記憶装置に記憶することができる。コンピュータソフトウェアの実行可能なバージョンは、揮発性メモリでの直接的な実行のためにロードされた、不揮発性メモリ外で直接的に実行された、又は実行のために揮発性メモリにロードするより前に第2の記憶装置108に記憶された、不揮発性メモリのような記憶媒体から読み出すことができる。
【0026】
更に、当業者は、本文書に開示された本発明の実施形態に関連して記載した実例となる様々な論理ブロック,モジュール,回路,およびアルゴリズムステップが、電子工学的ハードウェア,コンピュータソフトウェア,又はそれらの組み合わせとして実現されうることを認識するであろう。ハードウェアとソフトウェアとの相互置換性を明確に説明するために、様々な実例となり非排他的なコンポーネント,ブロック,モジュール,回路,およびステップが、それらの機能の観点から一般的に説明された。このような機能が、ハードウェアとして実現されるかソフトウェアとして実現されるかは、システム全体に課された設計制約および特定のアプリケーションによる。当業者は、各特定のアプリケーションのために上述した機能を様々な方法で実現することができるが、このような実現の決定は、本開示の範囲から逸脱させるものと解釈されてはならない。
【0027】
本文書に開示された本実施形態に関連して示された様々な例示的論理ブロック,モジュール,および回路は、汎用プロセッサ,ディジタル信号プロセッサ(DSP),特定用途向け集積回路(ASIC),フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA),又はその他のプログラマブル論理デバイス,ディスクリートゲート又はトランジスタロジック,ディスクリートハードウェア部品,又は本明細書に示す機能を実行するために設計された上記何れかの組み合わせを用いて実現又は実行されうる。汎用プロセッサプロセッサとしてマイクロプロセッサを用いることが可能であるが、代わりに、従来技術によるプロセッサ,コントローラ,マイクロコントローラ,又は状態機器を用いることも可能である。プロセッサは、例えば、不揮発性の例示において、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ,複数のマイクロプロセッサ,DSPコアに接続された1つ又は複数のマイクロプロセッサ,又はこのような任意の構成である計算デバイスの組み合わせとして実現することも可能である。
【0028】
ワイヤレス通信手段12のコンピュータ14は、ニアフィールド通信システム又は同様の技術の使用によりPOSデバイス18の一部分と通信することができる。動作に関して、ユーザは、信号および情報を送信するためのキー又はその他の手段を用いて、POSデバイス18に近接したワイヤレス通信手段12をもたらし、一又はそれ以上のニアフィールド通信システムを用いて、POSデバイス18へ支払い手段16a−nに関連する命令を送信する。
【0029】
いわゆる「ニアフィールド通信」(NFC)システムは、周知となり、NFCシステムに対する規格は認可された。規格に従って、NFCシステムは約10cmの範囲にのみ限られ、13.56MHzのキャリア周波数を用いて1秒当たり424キロビットのビット送信レートの能力を有する。新NFC基準が基づく無線周波数識別(RFID)システムと同様に、NECデバイスに対して意図される主な機能は、電力を消費しない受動モードで応答指令信号を送る能力と、独特の符号を有する能力である。独特の符号は応答指令信号が生成される度に他のワイヤレス通信からの干渉を最小限にする又は回避するように、および他のワイヤレス通信に干渉しないように以前に記憶され急速且つ確実に戻された、符号である。従って、NFCシステムは、無線周波数のスペクトラムの一部での誘導的な電磁気の連結によって情報を送信する。NFC規格は、ピアートゥピアーネットワーク構成をほぼ即時に動作可能にするソフトウェアも提供する。NFCデバイスは、例えば、いわゆるBluetooth(登録商標)対応装置とは極めて対照的に、それらのデバイス間の通信リンクをお互いに効果的に捜し求め、設置する。同じく狭い範囲のピアートゥピアー通信を意図するBluetooth(登録商標)対応装置においては、セットアップ処理は、主に、NFCシステムで不必要であるデバイス構成を確立するために複雑となり、拡張される。このネットワーク設備は、たいていの受動チップ又は応答機が、比較的高価で、約2〜5メートルの範囲を有する電力供給された読み取り機によって読み出される、親装置/子装置の関係でセットアップされるRFIDシステムとは極めて対照的である。NFCシステムは、一般的に接続ハブを必要とする、いわゆるWi−Fiシステムのような周知のワイヤレス通信の他のタイプと異なる。更に、NFCデバイスは、アクティブ又は受動モードのどちらか一方にセットされることができる。なお、識別データは、デバイスが電源オフであり電力を消費しない時でさえ送られることができる。アクティブモードにも関わらず、微小電力が消費されるため、NFCデバイスの範囲は非常に狭い。従って、NFCデバイスは、種々様々なアプリケーションに対して単一のチップおよびチップセットで実施され、本文書において記述されるPOS支払いシステム10と関連する用途のために割り当てられる。
【0030】
図1で例示されるように、POS支払いシステムはPOSデバイス18を含む。POSデバイス18は、要求あり次第、携帯用ワイヤレス通信手段12へ適切に作用するように接続可能である。POSデバイス18は、支払いデータを受信し、処理するのに適している。特に、POSデバイス18は、POSデバイス18が適切に作用するように接続可能であるクレジットネットワーク20を介して支払いデータを受信し、処理するのに適している。POSデバイス18は、特に、ピアートゥピアーニアフィールド通信デバイス,ISO14443準拠非接触式カード,およびISO18092準拠FeliCaカードであってもよい。
【0031】
図1で例示されたPOS支払いシステム10は、図1において図式的に示されるアルゴリズム22を少なくとも一つ含む。アルゴリズム22は、コンピュータ14に含まれていてもよい。ある実施形態において、少なくとも一つのアルゴリズム22は、一又はそれ以上の支払い手段16a−nからの支払いに対するユーザのプログラマブルプリファレンスに応答するために、公式化される。支払いに対するプログラマブルプリファレンスは、選択可能なオプションおよび/又は設定の範囲で、移動式ワイヤレス通信手段12のユーザによって示され、見られてもよい。図1で示される非排他的な例示のように、モニタ24は移動式ワイヤレス通信手段に載せられてもよいし、ユーザは、選択可能なオプションおよび/又は一又はそれ以上のオプションをセットする設定の範囲の間をスクロールしてもよい。支払いアルゴリズム22は、ユーザによってプログラマブルであり、又はユーザによって選択可能なオプションおよび/又は設定の範囲から選択されてもよいので、POS支払いシステム10は、一又はそれ以上の支払い手段16a−nからの支払いに対する個人計画上で決定するためにユーザを認可する。1つ以上の支払い手段16a−nは、特に、クレジットカード,デビットカード,非接触式カード,コンピュータ又はオンラインに記憶される現金相当物,およびクーポンを含んでもよい、任意の組み合わせ又は1つ以上の支払い手段16a−nの使用の変更を含んでもよい。
【0032】
図1で例示されたPOS支払い10システムは、ローディング,表示,および財務情報と移動式ワイヤレス通信手段12のユーザによって選択される財務データレポートの範囲を整えるためのデータとをユーザに送信することができる。例えば、ユーザは、バランスシート,収入明細書,および同様のレポートのような様々な個人広告又は企業財務レポートをコンピュータ14に記憶してもよい。このようなレポートは、ユーザの自由裁量でその他のデータベースおよび端末へクレジットネットワーク20を介して送信されてもよい。
【0033】
図3に示されるように、本文書において開示され、例示され、主張された装置,システム,および方法のもう一つの実施形態において、財務データ装置200は提供される。示されるように、財務データ装置200は、移動式ワイヤレス通信手段202を含む。移動式ワイヤレス通信手段202は、すでに本文書に記述した任意の移動式ワイヤレス通信手段のいずれかであってもよい。
【0034】
図2および図3の間の他所参照によって例示されるように、移動式ワイヤレス通信システム202へ適切に作用するように接続されたコンピュータ204は、データ処理システム206である。データ処理システム206は、図2で例示したデータ処理システム100の一又はそれ以上の機能およびコンポーネントを含んでもよい。財務データの広いアレイは、図2および図3の間の他所参照によって例示されるように、メモリ104,108,および/又は110に記憶されてもよい。
【0035】
移動式ワイヤレス手段202を用いて財務トランザクションを選択的に処理するための財務データ装置200を動作可能にするために、財務トランザクションを選択的に処理するためのデータ処理システム206によって実行可能である多数のユーザプログラマブルセットの命令208が提供される。多数のユーザプログラマブルセットの命令208は、任意の数のデータベース212に連結されてもよい。
【0036】
更に、財務データ装置200は、ハードウェアおよびソフトウェアの両者が、クレジットネットワーク210を介すだけでなく、コンピュータおよびデータベース212へ相互連結可能である又は相互連結された任意のネットワークを介して、財務トランザクションを安全に受信し、送信し、収集する移動式ワイヤレス通信手段202へ適切に作用するように接続可能な手段を含む。
【0037】
当業者は、本文書で主張される方法ステップが本発明の範囲から逸脱することなく交換されうる、および交換可能であることを認識するであろう。
【0038】
当業者は、情報および信号が、様々な異なる技術および技法のうちの任意の1つを用いて表されうることを理解するであろう。例えば、上記記載を通して参照されうるデータ,命令,コマンド,情報,信号,ビット,記号,およびチップは、電圧,電流,電磁波,磁界又は磁気粒子,光場又は光粒子,又はそれらの任意の組み合わせによって表されうる。
【0039】
開示された実施形態における上記記載は、当業者をして、本発明の製造又は利用を可能とするために提供される。これら実施形態への様々な変形例もまた、当業者には明らかであり、本明細書で定義された一般原理は、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく他の実施形態にも適用されうる。従って本発明は、本文書に示された実施形態に限定することは意図されておらず、本明細書に開示された原理および新規特徴と整合が取れた最も広い範囲と一致するように意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯用ワイヤレス通信手段と、
前記携帯用ワイヤレス通信手段に収容され、1つ以上の支払い手段に関連するプログラマブル支払い命令を受信し、記憶し、送信するのに適したコンピュータと、
前記携帯用ワイヤレス通信手段デバイスへ適切に作用するように接続可能で、支払いデータを受信し、処理するのに適したPOSデバイスと、
を具備し、
前記POSデバイスがクレジットネットワークへ適切に作用するように接続されるPOS支払いシステム。
【請求項2】
前記携帯用ワイヤレス通信手段が携帯電話である、請求項1記載のPOS支払いシステム。
【請求項3】
前記POSデバイスは、特に、ピアートゥピアーニアフィールド通信デバイス,ISO14443準拠非接触式カード,ISO18092準拠FeliCaカードからなるPOSデバイスの群から選択される、請求項2記載のPOS支払いシステム。
【請求項4】
前記コンピュータは、前記一又はそれ以上の支払い手段からの支払いに対する携帯用ワイヤレス通信手段ユーザプログラマブルプリファレンスに応答する多数の支払いアルゴリズムを更に具備する、請求項3記載のPOS支払いシステム。
【請求項5】
前記多数の支払いアルゴリズムは、選択可能なオプションおよび/又はセッティングの範囲として前記携帯用ワイヤレス通信手段に示される、請求項4記載のPOS支払いシステム。
【請求項6】
前記多数の支払いアルゴリズムは、ユーザによって選択される一又はそれ以上の支払い計画を実行するために、前記携帯用ワイヤレス通信手段のユーザによってプログラマブルである、請求項5記載のPOS支払いシステム。
【請求項7】
前記1つ以上の支払い手段は、特に、クレジットカード,デビットカード,前記コンピュータに記憶される又はオンラインの現金相当物,およびクーポンからなる支払い手段の群から選択される、請求項6記載のPOS支払いシステム。
【請求項8】
前記携帯用ワイヤレス通信手段のユーザによって選択的に取得可能なプログラマブルユーザレポートを更に具備する、請求項7記載のPOS支払いシステム。
【請求項9】
移動式ワイヤレス通信手段と、
前記移動式ワイヤレス通信手段へ適切に作用するように接続され、財務データを処理するのに適したデータ処理システムと、
前記移動式ワイヤレス通信手段を用いて財務トランザクションを選択的に処理するために前記データ処理システムによって実行可能な多数のユーザプログラマブルセットの命令と、
クレジットネットワークを介して前記財務トランザクションを安全に受信し、送信し、終えるために前記移動式ワイヤレス通信手段へ適切に作用するように接続可能な手段と、
を具備する財務データ装置に関連したコンピュータ。
【請求項10】
前記移動式ワイヤレス通信手段は、携帯電話,時分割多元接続(TDMA),符号分割多元接続(CDMA),および地球移動通信システム(GSM)を含んでいる個人通信サービス(PCS)を提供する通信装置,非音声通信装置,テキスト送信装置,衛星電話,送受信両用ページャ,個人用情報端末,携帯用ワイヤレスコンピュータ,および財務データトランザクションを実行するために特別に設計されたワイヤレス手段からなる移動式ワイヤレス通信手段の群から選択される、請求項9記載の財務データ装置に関連したコンピュータ。
【請求項11】
前記データ処理システムは、コンピュータプロセッサを含む、請求項9記載の財務データ装置に関連したコンピュータ。
【請求項12】
前記データ処理システムは、前記データ処理システムによって実行可能な前記多数のユーザプログラマブルセットの命令を少なくとも記憶するのに適したバスによって前記コンピュータプロセッサに接続されるメモリを含む、請求項9記載の財務データ装置に関連したコンピュータ。
【請求項13】
クレジットネットワークを介して前記財務トランザクションを終えるために前記移動式ワイヤレス通信手段へ適切に作用するように接続可能である前記手段は、POSデバイスを含む、請求項9で説明される財務データ装置に関連したコンピュータ。
【請求項14】
クレジットネットワークを介して前記財務トランザクションを終えるために前記移動式ワイヤレス通信手段へ適切に作用するように接続可能である前記手段は、前記POSデバイスへ適切に作用するように接続した端末を含む、請求項13記載の財務データ装置に関連したコンピュータ。
【請求項15】
クレジットネットワークを介して前記財務トランザクションを終えるために前記移動式ワイヤレス通信手段へ適切に作用するように接続可能である前記手段は、前記クレジットネットワークを介して前記ユーザを認証する手段を含む、請求項9記載の財務データ装置に関連したコンピュータ。
【請求項16】
クレジットネットワークを介して前記財務トランザクションを終えるために前記移動式ワイヤレス通信手段へ適切に作用するように接続可能である前記手段は、前記財務トランザクションの安全を維持する手段を含む、請求項9記載の財務データ装置に関連したコンピュータ。
【請求項17】
移動式ワイヤレス通信手段を選択するステップと、
前記移動式ワイヤレス通信手段へ適切に作用するように接続され、財務データを処理するのに適したデータ処理システムを前記移動式ワイヤレス通信手段に含むステップと、
一又はそれ以上のデータベースへ前記財務データを送信し、受信するために前記移動式ワイヤレス通信手段へ適切に作用するように接続可能なデバイスを含むステップと、
を具備する移動式ワイヤレス通信手段を通じて財務情報を提供する方法。
【請求項18】
一又はそれ以上の支払い手段からの支払いを終えるためにクレジットネットワークに財務データと関連する命令を送信し、受信するために前記移動式ワイヤレス通信手段および前記デバイスを適切に作用するように接続するステップを更に具備する、請求項17記載の移動式ワイヤレス通信手段を通じて財務情報を提供する方法。
【請求項19】
前記移動式ワイヤレス通信手段を選択するステップは、携帯電話,個人通信サービスデバイス,非音声通信装置,テキスト送信装置,および/又は財務データを記憶し、送信するその他の手段の一又はそれ以上を選択するサブステップを含む、請求項17記載の移動式ワイヤレス通信手段を通じて財務情報を提供する方法。
【請求項20】
前記データ処理システムを前記移動式ワイヤレス通信手段に含むステップは、支払いを終えること、又は財務データを収集し伝達すること、のどちらか一方のプログラマブルプリファレンスに応答する、多数のアルゴリズムを含むサブステップを含む、請求項17記載の移動式ワイヤレス通信手段を通じて財務情報を提供する方法。
【請求項21】
前記移動式ワイヤレス通信装置に適切に作用するように接続可能なデバイスを含むステップは、ニアフィールド通信ユニットを含むサブステップを含む、請求項17記載の移動式ワイヤレス通信手段を通じて財務情報を提供する方法。
【請求項22】
一又はそれ以上のデータベースへ財務データを送信し、受信するために前記移動式ワイヤレス通信装置および前記デバイスを適切に作用するように接続するステップは、クレジットカード,デビットカード,コンピュータに記憶される現金相当物,クーポン,および/又はその他の支払い手段から選択される、多数の支払い手段からの支払いを実施するサブステップを含む、請求項17記載の移動式ワイヤレス通信手段を通じて財務情報を提供する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−533343(P2010−533343A)
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516254(P2010−516254)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/069711
【国際公開番号】WO2009/009705
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】