移動携帯端末
【課題】 飽き難く、かつ、ゲーム性及びエンタテインメント性を十分に備えた、自己の位置に応じたコンテンツを提供できる移動携帯端末を提供する。
【解決手段】 移動携帯端末1は、三次元空間中の自己の姿勢を検出する状態センサ47と、自己の位置を検出する位置検出部45と、を備える。移動携帯端末1は、当該移動携帯端末1が虫生息フィールド15−2に位置する場合、そこに割り当てられた仮想対象物である虫に対応する虫画像7及びスコープ5をディスプレイ3に表示する。移動携帯端末1の姿勢に基づいて、ディスプレイ3の映像を制御し、虫画像7がスコープ5に入ったときに、虫が捕獲されたとみなす。
【解決手段】 移動携帯端末1は、三次元空間中の自己の姿勢を検出する状態センサ47と、自己の位置を検出する位置検出部45と、を備える。移動携帯端末1は、当該移動携帯端末1が虫生息フィールド15−2に位置する場合、そこに割り当てられた仮想対象物である虫に対応する虫画像7及びスコープ5をディスプレイ3に表示する。移動携帯端末1の姿勢に基づいて、ディスプレイ3の映像を制御し、虫画像7がスコープ5に入ったときに、虫が捕獲されたとみなす。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己の位置に応じたイベントを実行する移動携帯端末及びその関連技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、仮想対象物獲得ゲームシステムを開示する。このシステムでは、利用者は、RFタグが取り付けられた捕虫網を持ち、仮想の昆虫の位置に対応してゲーム装置本体に取り付けられたRFリーダー・ライターに近接させる。ゲーム制御装置は、RFリーダー・ライターを介して利用者が擬似的に捕獲した昆虫に関する情報を記録する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−25865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のシステムでは、捕虫網をRFリーダー・ライターに近接するだけで虫が捕れてしまう。このため、飽き易く、また、ゲーム性及びエンタテインメント性が必ずしも十分ではない。
【0005】
そこで、本発明は、飽き難く、かつ、ゲーム性及びエンタテインメント性を十分に備えた、自己の位置に応じたコンテンツを提供できる移動携帯端末及びその関連技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点によると、移動携帯端末は、前記移動携帯端末の三次元空間中の状態を検出する状態検出手段と、前記移動携帯端末の位置を検出する位置検出手段と、検出された前記位置が所定領域内か否かを判断する判断手段と、検出された前記位置が前記所定領域内であると判断された場合、所定のイベントを実行し、前記移動携帯端末の前記状態に基づいて、前記所定のイベントの進行を制御するイベント実行手段と、を備える。
【0007】
この構成によれば、移動携帯端末が所定領域内に位置したときに実行されるイベントの進行が、移動携帯端末の三次元空間中の状態(姿勢を含む。)に基づいて制御される。つまり、ユーザは、移動携帯端末自体の姿勢を変えたり動かしたりしながら、所定領域に到達後のイベントの進行を制御できる。その結果、イベントを制御できない場合および制御できても移動携帯端末自体を静止状態で操作する場合と比較して、飽き難く、かつ、ゲーム性及びエンタテインメント性を十分に備えた、自己の位置に応じたコンテンツを提供できる。
【0008】
この移動携帯端末は、表示手段をさらに備え、前記イベント実行手段は、前記イベントとして、前記表示手段に映像を表示して行うゲームを実行し、前記移動携帯端末の前記状態に基づいて、前記ゲームの進行を制御する。
【0009】
この構成によれば、移動携帯端末が所定領域内に位置したときに実行されるゲームの進行が、移動携帯端末の三次元空間中の状態(姿勢を含む。)に基づいて制御される。つまり、プレイヤは、移動携帯端末自体の姿勢を変えたり動かしたりしながら、所定領域に到達後のゲームの進行を制御できる。その結果、ゲームを制御できない場合および制御できても移動携帯端末自体を静止状態で操作する場合と比較して、飽き難く、かつ、高いゲーム性及びエンタテインメント性を備えた、自己の位置に応じたゲームコンテンツを提供できる。
【0010】
この移動携帯端末において、前記ゲームは、前記所定領域に割り当てられた仮想対象物を捕獲するゲームであり、前記イベント実行手段は、前記仮想対象物の画像を前記表示手段に表示し、前記移動携帯端末の前記状態に基づいて、前記仮想対象物が捕獲されたか否かを判断する。
【0011】
この構成によれば、プレイヤは、移動携帯端末自体の姿勢を変えたり動かしたりしながら、仮想対象物を捕獲することを試みる。その結果、所定領域に到達したら自動的に捕獲が行われる場合および移動携帯端末自体を静止状態で操作して捕獲を行う場合と比較して、飽き難く、かつ、高いゲーム性及びエンタテインメント性を備えた、自己の位置に応じた捕獲ゲームを提供できる。
【0012】
本発明の第2の観点によると、イベント制御方法は、移動携帯端末の三次元空間中の状態を検出するステップと、前記移動携帯端末の位置を検出するステップと、検出された前記位置が所定領域内か否かを判断するステップと、検出された前記位置が前記所定領域内であると判断された場合、所定のイベントを実行し、前記移動携帯端末の前記状態に基づいて、前記所定のイベントの進行を制御するステップと、を含む。この構成によれば、上記第1の観点による移動携帯端末と同様の効果を奏する。
【0013】
本発明の第3の観点によると、コンピュータプログラムは、上記第2の観点によるイベント制御方法をコンピュータに実行させる。この構成によれば、上記第1の観点による移動携帯端末と同様の効果を奏する。
【0014】
本発明の第4の観点によると、記録媒体は、上記第3の観点によるコンピュータプログラムを記録する。この構成によれば、上記第1の観点による移動携帯端末と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態における自己位置利用システムとしての捕獲ゲームシステムの説明図である。
【図2】(a)図1の移動携帯端末1の平面図である。(b)図1の移動携帯端末1の電気的構成を示す図である。
【図3】図2(b)のプロセッサ41が行うメインルーチンの流れの一例を示すフローチャートである。
【図4】図3のステップS1のフィールド設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図5】図2(b)のプロセッサ41が行う第1タイマ処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】図2(b)のプロセッサ41が行う歩数処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図7】図2(b)のプロセッサ41が行う位置検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図8】図3のステップS11の虫捕り処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】図8のステップS129に続く処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】図9のステップS149で「YES」が判断された後の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】図2(b)の外部メモリ43に格納された虫生息テーブル61の例示図である。
【図12】図3のステップS11で虫画像7が出現した時の画面の例示図である。
【図13】図3のステップS11で虫画像7がスコープ5に入っている時の画面の例示図である。
【図14】図6のステップS91で実行される第1ゲームプログラムの説明図である。
【図15】図6のステップS91で実行される第2ゲームプログラムの説明図である。
【図16】実施の形態の捕獲ゲームシステムを利用したコンテンツ提供システムの一例を示す図である。
【図17】図16のサーバ81からユーザ端末83に提供されるWEBサイトの情報画面の例示図である。
【図18】図16のサーバ81からユーザ端末83に提供されるWEBサイトの図鑑画面の例示図である。
【図19】図16のサーバ81からユーザ端末83に提供されるWEBサイトの図鑑画面の他の例示図である。
【図20】図16のサーバ81からユーザ端末83に提供されるWEBサイトのムシカゴ画面の例示図である。
【図21】図16のサーバ81からユーザ端末83に提供されるWEBサイトのムシカゴ画面の他の例示図である。
【図22】図16のサーバ81からユーザ端末83に提供されるWEBサイトのクイズ画面の例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付してその説明を援用する。
【0017】
本実施の形態の自己位置利用システムでは、現実のフィールド(以下、「実フィールド」と呼ぶ。)に、仮想のフィールド(以下、「仮想フィールド」と呼ぶ。)を割り当てる。また、仮想フィールドに、仮想対象物を割り当てる。
【0018】
下記では、仮想対象物が虫の例を挙げる。以下、単に「虫」という場合は、仮想対象物としての虫を指す。この場合、仮想フィールドは、虫の生息地である。そして、プレイヤは、虫の生息地(仮想フィールド)が割り当てられた実フィールドにおいて、移動携帯端末を操作して、生息地(仮想フィールド)に生息する(割り当てられた)虫を、当該移動携帯端末のディスプレイ上で捕獲ないしは収集する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態における自己位置利用システムとしての捕獲(又は収集)ゲームシステムの説明図である。図1を参照して、この捕獲ゲームシステムは、プレイエリア9で実行される。プレイエリア9は、現実の領域である。プレイエリア9には、N個(Nは1以上の整数。ただし、本実施の形態ではNは2以上の整数とする。)の実フィールドが予め設定される。N個の実フィールドのうち、M個(Mは1以上の整数。ただし、本実施の形態ではMは2以上の整数とする。)の実フィールドを有効フィールドに設定し、(N−M)個を無効フィールドに設定する。そして、M個の有効フィールドのそれぞれに仮想フィールドを割り当てる。本実施の形態では、1仮想フィールドは、1虫生息フィールド及びそれを取り囲む1近接フィールドの組である。
【0020】
そうすると、プレイエリア9には、M組の虫生息フィールド15−1,15−2,…,15−Mおよび近接フィールド13−1,13−2,…,13−Mが設定される。ここで、虫生息フィールド15−1,15−2,…,15−Mを区別して説明する必要がないときは、「虫生息フィールド15」と表記する。近接フィールド13−1,13−2,…,13−Mを区別して説明する必要がないときは、「近接フィールド13」と表記する。
【0021】
また、プレイエリア9内の有効フィールド以外の領域を不毛フィールド11と呼ぶ。従って、不毛フィールド11は、無効フィールドだけでなく、プレイエリア9の実フィールド以外の領域を含む。
【0022】
さて、プレイヤが携帯し、プレイヤと共に移動する移動携帯端末1が、例えば、近接フィールド13−2の地点P0に位置する場合、移動携帯端末1は、近くに虫生息フィールド15−2が存在することを示す探知音を生成及び出力する。そして、移動携帯端末1が、虫生息フィールド15−2の地点P1に移動した場合、移動携帯端末1は、虫を捕るための映像を一人称視点でディスプレイ3に表示する(イベントの実行)。即ち、移動携帯端末1は、背景上に静止した、又は、背景上を動き回る虫画像7をディスプレイ3に表示する。この場合、移動携帯端末1は、ディスプレイ3の中央に固定的にスコープ5を表示する。スコープ5は、プレイヤの視点に相当する。
【0023】
そして、移動携帯端末1は、その姿勢に応じて、ディスプレイ3に表示した背景及び虫画像7をスクロールする(イベントの進行の制御)。スコープ5は、画面中央に固定されるので、背景及び虫画像7のスクロールは、視点の移動に相当する。
【0024】
プレイヤは、虫画像7がスコープ5内に入るように、移動携帯端末1の姿勢を調整する。移動携帯端末1は、虫画像7がスコープ5内に入ると、その虫画像7に対応する虫が捕獲されたとみなして、当該虫を捕虫リストに登録する。
【0025】
このように、プレイヤは、移動携帯端末1自体の姿勢を変えたり動かしたりしながら、虫を捕獲することを試みる。その結果、所定領域に到達したら自動的に捕獲が行われる場合および移動携帯端末自体を静止状態で操作して捕獲を行う場合(例えばスイッチ操作)と比較して、飽き難く、かつ、高いゲーム性及びエンタテインメント性を備えた、自己の位置に応じた捕獲ゲームを提供できる。
【0026】
図2(a)は、図1の移動携帯端末1の平面図である。図2(a)を参照して、移動携帯端末1は、その表面中央付近に、LCD(Liquid Crystal Display)パネル3(上記では、「ディスプレイ3」と表記)を備える。LCDパネル3の左側には、上下左右の方向キー21が配置され、その上側にスイッチ23が配置される。LCDパネル3の右側には、5個のスイッチ23が配置され、それらの下側には、スピーカ27が配置される。
【0027】
図2(b)は、移動携帯端末1の電気的構成を示す図である。図2(b)を参照して、移動携帯端末1は、プロセッサ41、外部メモリ43、位置検出部45、状態センサ47、スイッチ部49、USB(Universal Serial Bus)コントローラ51、LCDドライバ53、LCDパネル3、及びスピーカ27を含む。
【0028】
プロセッサ41は、外部メモリ43と接続される。外部メモリ43は、例えば、ROM、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM、及びフラッシュメモリ等の半導体メモリ、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きのRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、並びに不揮発性RAMカートリッジ等のうち、システムの仕様に応じて必要なものを含む。なお、外部メモリ43は記録媒体の一例である。
【0029】
外部メモリ43は、プログラム領域、画像データ領域、および音声データ領域を含む。プログラム領域には、各種処理(後述のフローチャートで示す処理)をプロセッサ41に実行させる制御プログラムが格納される。
【0030】
画像データ領域には、ビデオ信号を生成するために必要な画像データが格納されている。音声データ領域には、ボイス、効果音、及び音楽等のオーディオ信号を生成するための音声データが格納されている。
【0031】
プロセッサ41は、プログラム領域の制御プログラムを実行して、画像データ領域の画像データ及び音声データ領域の音声データを読み出し、必要な処理を施して、ビデオ信号及びオーディオ信号を生成する。ビデオ信号及びオーディオ信号は、それぞれ、LCDドライバ53及びスピーカ27に与えられる。また、図11の虫生息テーブル61は、外部メモリ43に格納される。
【0032】
LCDドライバ53は、LCDパネル3を駆動して、プロセッサ41から与えられたビデオ信号に応じた映像を表示する。また、スピーカ27は、プロセッサ41から与えられたオーディオ信号に応じて音声を出力する。スイッチ部49は、方向キー21及びスイッチ23を含み、それらのキーステータスがプロセッサ41に与えられる。プロセッサ41は、受け取ったキーステータスに応じて処理を実行する。USBコントローラ51は、プロセッサ41の制御を受けて、後述する事業者端末75と通信し、データの送受信を行う。
【0033】
位置検出部45は、移動携帯端末1の絶対的位置又は相対的位置を検出できるものであれば、その検出方法は特に限定されない。移動携帯端末1の絶対的位置を検出する場合、例えば、位置検出部45としてGPS受信機を使用する。そして、プロセッサ41は、周知の位置算出アルゴリズムに従って、GPS受信機からの信号を処理及び解析して、移動携帯端末1の位置を算出する。
【0034】
また、移動携帯端末1の相対的位置を検出する場合、例えば、位置検出部45として電波受信機を使用する。この場合、複数の発信機(例えば、微弱電波の発信機、携帯電話機の基地局、又は無線LANのアクセスポイントなど)をプレイエリア9に配置する。発信機には固有の識別情報(発信機ID)が割り当てられ、それを送信する。そして、プロセッサ41は、発信機IDを受信し、それをデコードして、自己の位置を算出する。この場合、複数の発信機IDの組合せにより、自己の位置を決定することもできるし、1つの発信機IDにより、自己の位置を決定することもできる。
【0035】
さらに、移動携帯端末1の相対的位置を検出する場合、例えば、位置検出部45としてRFタグを使用する。この場合、複数のRFリーダ/ライタをプレイエリア9に配置する。そして、RFリーダ/ライタにより、RFタグにRFリーダ/ライタの位置を書き込む。また、例えば、位置検出部45としてRFリーダ/ライタを使用する。この場合、複数のRFタグをプレイエリア9に配置する。そして、RFリーダ/ライタにより、RFタグが保持する位置情報を読み込む。
【0036】
さて、状態センサ47は、移動携帯端末1の三次元空間中の状態(姿勢を含む。)を検出できるものであれば、その種類は問わない。例えば、状態センサ47は、加速度センサ、ジャイロセンサ、方位センサ、若しくは、傾斜センサ、又は、それらの2以上の組合せである。本実施の形態では、状態センサ47として三軸加速度センサを使用する。
【0037】
なお、プロセッサ41は、図示しないが、中央演算処理装置(以下、「CPU」と呼ぶ。)、グラフィックスプロセシングユニット(以下、「GPU」と呼ぶ。)、サウンドプロセシングユニット(以下、「SPU」と呼ぶ。)、ジオメトリエンジン(以下、「GE」と呼ぶ。)、外部インタフェースブロック、メインRAM、及びA/Dコンバータ(以下、「ADC」と呼ぶ。)等の各種機能ブロックを具備する。
【0038】
CPUは、外部メモリ43に格納された制御プログラムを実行して、各種演算やプロセッサ41内の各種機能ブロックの制御を行う。グラフィックス処理に関するCPUの処理として、外部メモリ43に格納されたプログラムを実行して、各オブジェクトの拡大・縮小、回転、及び/又は平行移動のパラメータ、視点座標(カメラ座標)、並びに視線ベクトルの算出等を行う。ここで、1または複数のポリゴン又はスプライトから構成され、同じ拡大・縮小、回転、及び平行移動の変換が適用される単位を「オブジェクト」と呼ぶ。
【0039】
GPUは、ポリゴン及びスプライトから構成される三次元イメージをリアルタイムに生成し、アナログのコンポジットビデオ信号に変換する。SPUは、PCM(pulse code modulation)波形データ、アンプリチュードデータ、及びメインボリュームデータを生成し、これらをアナログ乗算して、アナログオーディオ信号を生成する。GEは、三次元イメージを表示するための幾何演算を実行する。具体的には、GEは、行列積、ベクトルアフィン変換、ベクトル直交変換、透視投影変換、頂点明度/ポリゴン明度計算(ベクトル内積)、及びポリゴン裏面カリング処理(ベクトル外積)などの演算を実行する。
【0040】
外部インタフェースブロックは、周辺装置(本実施の形態では、LCDドライバ53、スイッチ部49、USBコントローラ51、位置検出部45、及び状態センサ47)とのインタフェースであり、24チャンネルのプログラマブルなデジタル入出力(I/O)ポートを含む。ADCは、4チャンネルのアナログ入力ポートに接続され、これらを介して、アナログ入力装置から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。メインRAMは、CPUのワーク領域、変数格納領域、および仮想記憶機構管理領域等として利用される。
【0041】
さて、次に、プロセッサ41の処理をフローチャートを用いて説明する。
【0042】
図3は、図2(b)のプロセッサ41が行うメインルーチンの流れの一例を示すフローチャートである。図3を参照して、ステップS1にて、プロセッサ41は、有効フィールドに、虫生息フィールド15及び近接フィールド13を設定する。ステップS3にて、プロセッサ41は、第1タイマをスタートする。第1タイマは、プレイ時間を計測するタイマである。本実施の形態では、プレイ時間を60分に設定する。ステップS5にて、プロセッサ41は、歩数処理をスタートする。ステップS7にて、プロセッサ41は、移動携帯端末1の位置検出処理をスタートする。
【0043】
ステップS9にて、プロセッサ41は、移動携帯端末1がどのフィールドに位置するか判断する。つまり、プロセッサ41は、移動携帯端末1が近接フィールド13に位置する場合ステップS11に進み、不毛フィールド11に位置する場合ステップS15に進む。
【0044】
ステップS11にて、プロセッサ41は、虫を捕るための処理を実行する(イベントの実行)。そして、当該近接フィールド13に対応する虫生息フィールド15での虫捕り処理が終了すると、ステップS13にて、プロセッサ41は、当該近接フィールド13及び対応する虫生息フィールド15を所定時間(例えば、10分)だけ無効にする。従って、プロセッサ41は、この所定時間が経過するまでは、当該近接フィールド13及び虫生息フィールド15において、ステップS11の虫捕り処理を実行しない。このため、その所定時間内に移動携帯端末1が当該近接フィールド13又は当該虫生息フィールド15に位置した場合であっても、プロセッサ41は、ステップS11及びS13をスキップして、ステップS15に進む。
【0045】
さて、ステップS15にて、プロセッサ41は、終了フラグがオンか否かを判断し、オンの場合ステップS17に進み、オフの場合ステップS9に戻る。この終了フラグは、ステップS3で第1タイマがスタートしてから60分が経過するとオンになるフラグである。
【0046】
終了フラグがオンの場合、ステップS17にて、プロセッサ41は、プレイ回数に応じて、補虫網を設定する。例えば、第1回目のプレイ終了時は、高所に位置する虫が捕りやすくなる長い補虫網を設定し、第2回目のプレイ終了時は、水中の虫が捕りやすくなる補虫網を設定し、第3回目のプレイ終了時は、全般的に虫が捕りやすくなる大きい補虫網を設定する。なお、第1回目のプレイの開始時には、標準の補虫網が設定される。
【0047】
ステップS19にて、プロセッサ41は、プレイの終了を示す映像をディスプレイ3に表示する。そして、ステップS21にて、プロセッサ41は、方向キー21及びスイッチ23からの入力を無効にして(受け付けない)、処理を終了する。
【0048】
図4は、図3のステップS1のフィールド設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図4を参照して、ステップS41にて、プロセッサ41は、後述の事業者端末75から、日時(年代、月、日、および時)、プレイ回数、歩数、虫リスト、及びフィールド情報を取得する。フィールド情報は、有効フィールド及び無効フィールドのリストである。そして、ステップS43にて、プロセッサ41は、事業者端末75から受け取った日付(年代、月、及び日)を種として乱数を生成し、各有効フィールドに、虫生息フィールド15及び近接フィールド13の組を割り当てる。
【0049】
具体的には次のとおりである。本実施の形態では、山地、林、草地、川、及び池といった5種類の虫生息フィールド15を用意する。そして、山地にi種類の虫を割り当て、林にj種類の虫を割り当て、草地にk種類の虫を割り当て、川にm種類の虫を割り当て、池にn種類の虫を割り当てる。なお、種類の計数に雄雌は区別していない。そうしたときに、有効フィールドに割り当てられる各虫生息フィールド15の数Nr(p)は、Nr(p)=(p*M)/(i+j+k+m+n)で表される。定数Mは、有効フィールドの数、変数pは、該当の虫生息フィールド15に割り当てられた虫の種類数(i、j、k、m、又は、n)である。このように、プロセッサ41は、虫の生息割合に応じて、各虫生息フィールド15を有効フィールドに割り当てる。
【0050】
この割り当てが、日付を種として乱数を生成して行われる。各実フィールドには、固有の識別情報(以下、「実ID」と呼ぶ。)が割り当てられているので、有効フィールドも実IDを持つ。プロセッサ41は、連番と実IDとを関連付けてリストを作成する。すると、プロセッサ41は、日付を種として連番の範囲で乱数を生成し、リストを参照して、生成した乱数と同じ番号と関連付けられた実IDを持つ有効フィールドに山地を割り当てる。
【0051】
そして、1つの割り当てが終わると、プロセッサ41は、連番と実ID(割り当てが終わったものを除く。)とを関連付けたリストを新たに作成する。すると、プロセッサ41は、新たな連番の範囲で乱数を生成し、新たに作成したリストを参照して、生成した乱数と同じ番号と関連付けられた実IDを持つ有効フィールドに山地を割り当てる。
【0052】
このように、プロセッサ41は、割り当てが終わった実IDを除きながら新たなリストを作成し、そのたびに乱数を生成して、有効フィールドへ山地を割り当てる。なお、同じ日付であれば、R(1以上の整数)回目に生成した乱数は、同じ値となる。従って、同じ日付にプレイする複数のプレイヤ間では、各有効フィールドに割り当てられる虫生息フィールド15は同一になる。
【0053】
図5は、図2(b)のプロセッサ41が行う第1タイマ処理の流れの一例を示すフローチャートである。図5を参照して、ステップS51にて、プロセッサ41は、ステップS3でスタートした第1タイマを参照して、プレイの残り時間を算出し、ディスプレイ3に表示する。ステップS53にて、プロセッサ41は、プレイ開始から20分が経過したか否かを判断し、経過していない場合ステップS53に戻り、経過した場合ステップS55に進む。ステップS55にて、プロセッサ41は、ゲームフラグをオンにする。ゲームフラグは、不毛フィールド11において、ゲーム処理が実行可能か否かを示すフラグである。従って、プレイ開始から20分が経過するとゲームフラグがオンになるので、ゲーム処理が実行可能な状態になる。ステップS57にて、プロセッサ41は、レア虫フラグをオンにする。レア虫フラグは、レア度の高い虫に対応する虫画像7の画面への出現が可能な状態か否かを示すフラグである。従って、プレイ開始から20分が経過するとレア虫フラグがオンになるので、レアな虫に対応する虫画像7が出現可能な状態になる。
【0054】
ステップS59にて、プロセッサ41は、プレイ開始から30分が経過したか否かを判断し、経過していない場合ステップS59に戻り、経過した場合ステップS61に進む。ステップS61にて、プロセッサ41は、虫かごフラグ及び卵フラグをオンにする。虫かごフラグは、所定のコメントの画面への表示が可能な状態か否かを示すフラグである。従って、プレイ開始から30分が経過すると虫かごフラグがオンになるので、当該所定のコメントが表示可能な状態になる。卵フラグは、虫の卵に対応する卵画像の画面への出現が可能な状態か否かを示すフラグである。従って、プレイ開始から30分が経過すると卵フラグがオンになるので、当該卵に対応する卵画像が出現可能な状態になる。
【0055】
ステップS63にて、プロセッサ41は、プレイ開始から40分が経過したか否かを判断し、経過していない場合ステップS63に戻り、経過した場合ステップS65に進む。ステップS65にて、プロセッサ41は、再びレア虫フラグをオンにする。
【0056】
ステップS67にて、プロセッサ41は、プレイ開始から60分が経過したか否かを判断し、経過していない場合ステップS67に戻り、経過した場合ステップS69に進む。ステップS69にて、プロセッサ41は、プレイを終了すべく、終了フラグをオンにする。
【0057】
図6は、図2(b)のプロセッサ41が行う歩数処理の流れの一例を示すフローチャートである。プロセッサ41は、ステップS5の歩数処理スタートに応答して、図6の処理を開始する。図6を参照して、ステップS81にて、プロセッサ41は、状態センサ47、つまり、三軸加速度センサからの加速度情報を周知の歩数計測アルゴリズムに従って処理及び解析して、プレイヤのステップを検出し、歩数を算出する。そして、ステップS83にて、プロセッサ41は、ディスプレイ3に現在の歩数を表示する。
【0058】
ステップS84にて、プロセッサ41は、図7の位置検出処理で算出された移動携帯端末1の位置を取得する。ステップS85にて、プロセッサ41は、移動携帯端末1が不毛フィールド11に位置するか否かを判断し、位置する場合ステップS95に進み、位置しない場合ステップS87に進む。ステップS87にて、プロセッサ41は、ゲームフラグ(ステップS55)がオンか否かを判断し、オフの場合ステップS95に進み、オンの場合ステップS89に進む。ステップS89にて、プロセッサ41は、連続して2分間、歩数の変化がないか否かを判断し、変化がある場合ステップS95に進み、変化がない場合ステップS91に進む。
【0059】
ステップS91にて、プロセッサ41は、ゲーム処理を実行し、対応する映像をディスプレイ3に表示し、対応する音声をスピーカ27に出力する。そして、ゲーム処理が終了すると、ステップS93にて、プロセッサ41は、ゲームフラグをオフにする。
【0060】
さて、ステップS95にて、プロセッサ41は、終了フラグがオンか否かを判断して、オフの場合ステップS81に戻り、オンの場合処理を終了する。
【0061】
ここで、本実施の形態では、第1ゲームプログラム及び第2ゲームプログラムが外部メモリ43に格納されている。従って、ステップS91では、プロセッサ41は、いずれかのゲームプログラムを実行する。以下、それらの内容を簡単に説明する。
【0062】
図14は、図6のステップS91のゲーム処理で実行される第1ゲームプログラムの説明図である。図14を参照して、第1ゲームプログラムは、ディスプレイ3に、仮想空間に形成された林の中を飛行するトンボオブジェクト71及び蚊オブジェクト73を表示する。トンボオブジェクト71は、林を画面奥に向かって進んでいく。そして、蚊オブジェクト73は、林の中に出現し飛び回っている。
【0063】
ここで、座標系について説明する。図1を参照して、ディスプレイ3に垂直な軸をZ軸、ディスプレイ3の面及び短辺に平行な軸をY軸、Z軸及びY軸に垂直な軸をX軸とする。
【0064】
さて、移動携帯端末1は、その姿勢に応じて、トンボオブジェクト71の視点を変更する。例えば、状態センサ47により、移動携帯端末1のX軸回りの回転が検出された場合、回転方向及び量に応じて、トンボオブジェクト71の視点を上下に制御する。また、例えば、状態センサ47により、移動携帯端末1のZ軸回りの回転が検出された場合、回転方向及び量に応じて、トンボオブジェクト71の移動方向を左右に制御する。
【0065】
従って、プレイヤは、移動携帯端末1の姿勢を調整して、トンボオブジェクト71をタイミング良く蚊オブジェクト73に重ねることを試みる。プロセッサ41は、トンボオブジェクト71がタイミング良く蚊オブジェクト73に重なったら、つまり、捕獲したら、1点を付与し、獲得した点数をディスプレイ3に表示する。そして、プロセッサ41は、表示された林の中に、新たな蚊オブジェクト73を表示する。また、プロセッサ41は、プレイヤがトンボオブジェクト71をタイミング良く蚊オブジェクト73に重ねることができなかった場合でも、新たな蚊オブジェクト73を表示する。プレイヤは、できるだけ多くの蚊オブジェクト73を捕獲することを試みる。
【0066】
本実施の形態では、ゲーム時間は60秒であり、ディスプレイ3には、残り時間が表示される。また、表示された木にトンボオブジェクト71が衝突すると、前進が遅れるので、捕獲できる蚊オブジェクト73の数が減る。従って、プレイヤは、移動携帯端末1の姿勢を調整しながら、トンボオブジェクト71が木に衝突しないように前進する。
【0067】
図15は、図6のステップS91のゲーム処理で実行される第2ゲームプログラムの説明図である。図15を参照して、第2ゲームプログラムは、ディスプレイ3に、でたらめな順番で複数の文字を表示する。プレイヤは、方向キー21及びスイッチ23を操作して、ディスプレイ3に表示された昆虫の名称を示すように、文字を並べ替える。本実施の形態では、一問の回答時間が30秒であり、残り時間がディスプレイ3に表示される。正解/不正解に関係なく、一問の時間が終了するたびに、正解の昆虫に関する画像及び説明がディスプレイ3に表示される。
【0068】
さて、図7は、図2(b)のプロセッサ41が行う位置検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。プロセッサ41は、ステップS7の位置検出処理スタートに応答して、図7の処理を開始する。図7を参照して、ステップS221にて、プロセッサ41は、位置検出部45から検出データを取得する。そして、ステップS223にて、プロセッサ41は、周知の位置検出アルゴリズムに従って、検出データを処理及び解析して、移動携帯端末1の位置を算出する。ステップS225にて、プロセッサ41は、終了フラグがオンか否かを判断して、オフの場合ステップS221に戻り、オンの場合処理を終了する。
【0069】
図8、図9、及び図10は、図3のステップS11の虫捕り処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図1では、虫画像7がスコープ5に入ったときに、虫が捕獲されたとみなした。ただし、下記では、虫画像7がスコープ5に入った状態で、所定のスイッチ23がオンされたときに、虫が捕獲されたとみなす。
【0070】
図8を参照して、ステップS111にて、プロセッサ41は、移動携帯端末1が位置する近接フィールド13に対応する虫生息フィールド15に応じて、探知音を生成し、スピーカ27に与える。なお、探知音は、山地、林、草地、川、及び池のそれぞれで異なる。
【0071】
ステップS113にて、プロセッサ41は、図7の位置検出処理で算出された移動携帯端末1の位置を取得する。ステップS115にて、プロセッサ41は、移動携帯端末1が位置するフィールドが近接フィールド13のままである場合ステップS111に戻り、虫生息フィールド15の場合ステップS117に進み、近接フィールド13を出て不毛フィールド11に位置する場合、図3のステップS15に進む。
【0072】
ステップS117にて、プロセッサ41は、第2タイマをスタートする。このように、第2タイマは、移動携帯端末1が虫生息フィールド15に入った時点で起動し、虫の捕獲のために設定された時間T(以下、「捕獲可能時間T」と呼ぶ。)を計測する。ステップS121にて、プロセッサ41は、スコープ5及び当該虫生息フィールドに対応する背景をディスプレイ3に表示する。プロセッサ41は、例えば、図12に示すように、背景及びスコープ5をディスプレイ3に表示する。
【0073】
ステップS123にて、プロセッサ41は、図11の虫生息テーブル61を参照して、移動携帯端末1が位置する虫生息フィールド15に割り当てられた虫の中から、ランダムに虫を選択する。
【0074】
図11は、図2(b)の外部メモリ43に格納された虫生息テーブル61の例示図である。図11を参照して、虫生息テーブル61は、虫が属する目、虫の名称、虫生息フィールド15、虫のサイズレンジ、虫のレア度、及び虫のIDを関連付けたテーブルである。
【0075】
本実施の形態では、虫のレア度を、1〜5の五段階で表し、数字が大きいほどレア度が高い。レア度が「5」の虫をレア虫と呼ぶ。プロセッサ41は、レア虫フラグ(ステップS57,S65)がオンの場合にのみ、選択する候補にレア虫を含めて、ランダムな選択を実行する。
【0076】
また、虫の卵も虫と同等に扱われ、虫生息テーブル61に列挙される。ただし、プロセッサ41は、卵フラグ(ステップS61)がオンの場合にのみ、卵を虫と同等に扱い、選択する候補に卵を含めて、ランダムな選択を実行する。
【0077】
図8に戻って、ステップS125にて、プロセッサ41は、外部メモリ43に格納した虫リストを参照して、ステップS123で選択した虫が捕獲済みの虫と同じか否かを判断し、捕獲済みの場合ステップS123に戻り、捕獲済みでない場合はステップS127に進む。
【0078】
ステップS127にて、プロセッサ41は、虫生息テーブル61を参照して、選択した虫に対応するサイズレンジからサイズをランダムに決定する。そして、ステップS129にて、プロセッサ41は、決定したサイズを持ち、選択した虫に対応する虫画像7をディスプレイ3に表示して、図9のステップS131に進む。プロセッサ41は、例えば、図12に示すように、虫画像7をスコープ5の外に位置するようにディスプレイ3に表示する。なお、卵が選択された場合は、卵に対応する卵画像が表示されるが、上記のように、卵は虫と同等に扱われるので、この卵画像は、虫画像7に含まれるものとする。
【0079】
図9を参照して、ステップS131にて、プロセッサ41は、表示した虫画像7がレア虫に対応する場合、レア虫フラグをオフし、表示した虫画像7が卵画像である場合、卵フラグをオフにする。なお、これらのいずれにも該当しない場合は、ステップS131はスキップされる。
【0080】
ステップS133にて、プロセッサ41は、表示された虫画像7に対応する虫の位置と設定された補虫網(仮想)の性質とに基づいて、捕獲可能時間Tに40秒又は20秒を設定する。例えば、図3のステップS17で設定された補虫網の長さでは、虫にとどかない場合は、捕獲可能時間Tを20秒に設定し、十分とどく場合は、捕獲可能時間Tを40秒に設定する。
【0081】
ステップS135にて、プロセッサ41は、餌オブジェクトを出現させるか否かを所定確率で決定する。ステップS137にて、プロセッサ41は、餌オブジェクトの出現を決定した場合ステップS139に進み、餌オブジェクトを出現させないことを決定した場合ステップS141に進む。ステップS139では、プロセッサ41は、餌オブジェクトをディスプレイ3に表示する。例えば、餌オブジェクトは、上下に揺れながら、左から右へ移動し、消滅する。
【0082】
ステップS141にて、プロセッサ41は、補虫ボタンがオンされたか否かを判断し、オンされた場合ステップS143に進み、オフの場合ステップS157に進む。例えば、図2(a)の右端のスイッチ23が補虫ボタンに割り当てられる。ステップS143にて、プロセッサ41は、補虫網が動くアニメーションをディスプレイ3に表示する。
【0083】
ステップS145にて、プロセッサ41は、虫画像7がスコープ5に入っているか否かを判断し、入っていない場合ステップS153に進み、入っている場合ステップS147に進む。例えば、図13に示すように、虫画像7がスコープ5に入っているときに、補虫ボタンが押下されると、ステップS147に進む。
【0084】
ステップS147にて、プロセッサ41は、所定確率で捕獲の成功又は失敗のいずれかを決定する。ステップS149にて、プロセッサ41は、捕獲成功を決定した場合図10のステップ181に進み、捕獲失敗を決定した場合ステップS151に進む。ステップS151にて、プロセッサ41は、虫画像7が逃げていくアニメーションをディスプレイ3に表示する。
【0085】
一方、ステップS153では、プロセッサ41は、餌オブジェクトがスコープ5に入っているか否かを判断し、入っていない場合ステップS157に進み、入っている場合ステップS155に進む。ステップS155にて、プロセッサ41は、現在表示している虫画像7の数を増やし、ステップS157に進む。
【0086】
さて、ステップS157にて、プロセッサ41は、状態センサ47の出力データを受け取り、周知の姿勢検出アルゴリズムに従って、そのデータを処理及び解析して、移動携帯端末1の姿勢を算出する。ステップS159にて、プロセッサ41は、移動携帯端末1の姿勢に応じて、背景及び虫画像7をスクロールする(イベントの進行の制御)。ステップS161にて、プロセッサ41は、第2タイマの値が捕獲可能時間Tと一致するか否かを判断し、一致しない場合ステップS141に戻り、一致する場合ステップS163に進む。ステップS163では、プロセッサ41は、ディスプレイ3に、時間切れであることを示す表示を行い、リターンする。
【0087】
ステップS149で捕獲成功を決定した後、図10のステップS181にて、プロセッサ41は、虫画像7が補虫網で捕捉されるアニメーションをディスプレイ3に表示する。ステップS183にて、プロセッサは、虫リストに、捕獲した虫画像7に対応する虫を登録する。虫リストへの登録は、虫を虫かごに入れたことに相当する。
【0088】
ステップS185にて、プロセッサ41は、今回捕獲した虫が、所定の虫である場合、ステップS187に進み、それ以外はステップS189に進む。ステップS187にて、プロセッサ41は、所定の虫に関する情報をディスプレイ3に表示する。
【0089】
ステップS189にて、プロセッサ41は、虫リストを参照して、今回捕獲した虫が捕獲済みの虫と同じか否かを判断して、同じ場合ステップS191に進み、それ以外はステップS193に進む。ステップS191にて、プロセッサ41は、今回捕獲した虫と別の虫との交換を勧める映像をディスプレイ3に表示し、プレイヤの操作に従って、交換し、あるいは、交換しない。
【0090】
ステップS193にて、プロセッサ41は、今回のプレイで虫リストに登録された虫が第1所定数か否かを判断し、第1所定数の場合ステップS195に進み、それ以外はステップS197に進む。第1所定数は、今回のプレイで虫リストに登録できる虫の数の上限である。ステップS195にて、プロセッサ41は、今回のプレイで虫リストに登録された虫及び今回捕獲した虫から、一匹を削除することを促す映像をディスプレイ3に表示する。プロセッサ41は、プレイヤの操作に従って、プレイヤが選択した虫をリストから削除する。つまり、プロセッサ41は、選択された虫を開放する。
【0091】
ステップS197にて、プロセッサ41は、虫かごフラグ(ステップS61)がオンか否かを判断し、オンの場合ステップS199に進み、オフの場合ステップS205に進む。ステップS199にて、プロセッサ41は、今回のプレイで虫リストに登録された虫が第2所定数(<第1所定数)以下か否かを判断し、以下の場合ステップS201に進み、それ以外はステップS205に進む。ステップS201にて、プロセッサ41は、虫かごフラグをオフにする。ステップS203にて、プロセッサ41は、外部メモリ43に格納したコメントをディスプレイ3に表示する。
【0092】
ステップS205にて、プロセッサ41は、虫リストに登録された虫の情報をディスプレイ3に表示して、リターンする。
【0093】
図16は、実施の形態の捕獲ゲームシステムを利用したコンテンツ提供システムの一例を示す図である。図16を参照して、ステップS301にて、プレイ終了後、移動携帯端末1は、格納した虫リストを、事業者端末75に転送する。ステップS303にて、事業者端末75は、今回のプレイで虫リストに登録された虫の画像及び名称などをプリンタ77に出力し、印刷する。また、ステップS305にて、事業者端末75は、虫リストをネットワーク79を介して、サーバ81へ送信する。サーバ81は、受信した虫リストを、プレイヤの識別情報(プレイヤID)と関連付けて格納する。
【0094】
ステップS307にて、ユーザ端末83がサーバ81へアクセスすると、ステップS309にて、サーバ81は、所定のWEBサイトをユーザ端末83に送信する。このサイトから、ユーザ端末83がプレイヤIDを入力すると、サーバ81は、ログインを行い、プレイヤIDに対応した虫リストに基づくコンテンツ(ページ)をユーザ端末83に送信する。これにより、ユーザ端末83のユーザ、つまり、プレイヤは、移動携帯端末1が提供する情報よりも、より豊富で充実した、自分が捕獲した虫の情報を閲覧やダウンロードすることができる。
【0095】
以下、図面を参照しながら、サーバ81がユーザ端末83に提供するコンテンツを説明する。
【0096】
図17は、図16のサーバ81からユーザ端末83に送信されるWEBサイトの情報画面の例示図である。図17を参照して、ユーザ端末83からプレイヤIDが入力されると、情報画面がユーザ端末83のディスプレイに表示される。情報画面は、プレイヤID、前回のプレイの日付、プレイヤIDを持つユーザが獲得した虫及び卵の数、クイズのレベルの情報、並びに歩数が表示される。
【0097】
また、この画面の右領域には、「じょうほう」ボタン、「ずかん」ボタン、「ムシカゴ」ボタン、「クイズ」ボタン、及び「おわる」ボタンが表示される。「じょうほう」ボタンがクリックされると、図17の情報画面が表示され、「ずかん」ボタンがクリックされると、図18の図鑑画面が表示され、「ムシカゴ」ボタンがクリックされると、図20の虫かご画面が表示され、「クイズ」ボタンがクリックされると、図22のクイズ画面が表示され、「おわる」ボタンがクリックされると、ログアウトする。なお、これらのボタンは、図鑑画面、虫かご画面、及びクイズ画面にも表示され、同じ機能を持つ。
【0098】
さて、いずれかの画面で「ずかん」ボタンがクリックされると、図18の図鑑画面が表示される。図鑑画面は、捕獲した虫の名称、画像、及びレア度のほか、捕獲した虫に関する情報(雄雌の別、生息時期、生息地、大きさ、及び捕らえた数など)が表示される。この画面において、虫の画像がクリックされると、図19に示すように、その虫の拡大画像が表示される。
【0099】
また、いずれかの画面で「ムシカゴ」ボタンがクリックされると、図20の虫かご画面が表示される。この画面は、捕獲した卵の成虫の名称及び卵の画像を含む。この画面において、卵の画像がクリックされると、図21に示すように、その卵の拡大画像およびその説明が表示される。なお、サーバ81は、時間の経過に伴い、卵を孵化させ、さらに、幼虫、さなぎ、成虫へと変化させる。従って、虫かご画面の内容は、時間の経過とともに変化する。
【0100】
さらに、いずれかの画面で「クイズ」ボタンがクリックされると、図22のクイズ画面が表示される。この画面は、昆虫に関するクイズを表示する。ユーザは、ユーザ端末83を操作して、このクイズに答える。
【0101】
図16に戻って、事業者端末75は、上述したように、プレイの開始時に、移動携帯端末1へフィールド情報等を転送する。従って、事業者端末75において、フィールド情報の内容(有効フィールド及び無効フィールド)を変更することにより、移動携帯端末1で設定する仮想フィールドの場所を変更できる。
【0102】
例えば、プレイエリア9が配置される場所の実際の環境の変化に応じて、有効フィールドを減らして、無効フィールドを増やしたり、その逆を行ったり、また、有効フィールド及び/又は無効フィールドの配置を変更できる。これにより、移動携帯端末1で設定する仮想フィールドの場所が変更される。なぜなら、仮想フィールドは、有効フィールドに割り当てられるからである。
【0103】
さて、以上のように、本実施の形態によれば、移動携帯端末1が所定領域内(上記では虫生息フィールド15)に位置したときに実行されるイベント(上記ではゲームの一種である虫捕り処理)の進行が、移動携帯端末1の三次元空間中の状態(上記では姿勢)に基づいて制御される。つまり、プレイヤないしはユーザは、移動携帯端末1自体の姿勢を変えたり動かしたりしながら、所定領域に到達後のイベントの進行を制御できる。その結果、イベントを制御できない場合および制御できても移動携帯端末1自体を静止状態で操作する場合と比較して、飽き難く、かつ、ゲーム性及びエンタテインメント性を十分に備えた、自己の位置に応じたコンテンツを提供できる。
【0104】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば、以下のような変形も可能である。
【0105】
(1)上記では、歩数の計測と移動携帯端末1の姿勢計測とで、状態センサ47を共用した。ただし、歩数計測用の状態センサと姿勢計測用の状態センサとをそれぞれ設けてもよい。また、上記では、歩数を計測したが、消費カロリー、活動量、心拍、若しくは、運動強度、又はそれらの二以上を計測してもよい。
【0106】
なお、活動量(Ex)は、運動強度(メッツ)に時間(時)を掛けたものである。この運動強度は、運動形態に応じて定められる。また、運動強度は、主に三種類の指標(物理的強度指標、生理的強度指標、心理的強度指標)で表される。物理的強度指標では、例えば、毎秒1ジュールの仕事をする場合の運動強度が1W(ワット)と定義される。生理的強度指標として、酸素摂取量や心拍数がある。例えば、運動強度=酸素摂取量/最大酸素摂取量、と表せることが知られている。例えば、運度強度=酸素摂取量/(最大酸素摂取量−安静時酸素摂取量)、と表せることが知られている。例えば、運動強度=心拍数/最大心拍数、と表せることが知られている。例えば、運度強度=(心拍数−安静時心拍数)/(最大心拍数−安静時心拍数)、と表せることが知られている。最大心拍数=220−年齢、で推測できることが知られている。心理的強度指標は、主観的な疲労感を利用した指標である。なお、本実施の形態では、心理的強度指標は利用しない。
【0107】
(2)プレイエリア9は、一層でもよいし、複数層(例えば、垂直方向に複数のプレイエリア9を配置)にわたって設けてもよい。また、プレイエリア9は、屋内、屋外、または、屋内及び屋外に配置することができる。
【0108】
プレイエリア9を屋内に配置する例を挙げる。例えば、プレイエリア9はショッピングモール等の商業施設に設定する。この場合、商業施設の各階にプレイエリア9を設定する。
【0109】
(3)プレイエリア9内でも、プレイに適さない、または、プレイしてほしくない領域が存在する場合もある。また、プレイエリア9からプレイヤが出ないようにプレイヤに注意を促す必要もある。この場合は、有効フィールドをそのような場所に配置して、移動携帯端末1がそのような場所に位置する場合に、ディスプレイ3やスピーカ27により、その旨のメッセージを提供することもできる。
【0110】
例えば、プレイエリア9を商業施設に配置する場合、トイレ、食品売り場、及び出入口に有効フィールドを配置する。そして、移動携帯端末1がトイレを含む有効フィールドに位置する場合、第1助言(例えば、「トイレには虫はいないよ!」なるテキスト)をディスプレイに表示し、及び/または、音声をスピーカ27から出力する。また、移動携帯端末1が食品売り場を含む有効フィールドに位置する場合、第2助言(例えば、「食品売り場には虫はいないよ!」なるテキスト)をディスプレイに表示し、及び/または、音声をスピーカ27から出力する。さらに、移動携帯端末1が出入口を含む有効フィールドに位置する場合、第3助言(例えば、「外には虫はいないよ!」なるテキスト)をディスプレイに表示し、及び/または、音声をスピーカ27から出力する。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、例えば、移動携帯端末の位置に応じて、ゲーム等のイベントを実行する娯楽産業の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0112】
1…移動携帯端末、3…ディスプレイ(LCDパネル)、5…スコープ、7…虫画像、9…プレイエリア、11…不毛フィールド、13−1,13−2,…,13−M…近接フィールド、15−1,15−2…,15−M…虫生息フィールド,21…方向キー、23…スイッチ、27…スピーカ、41…プロセッサ、43…外部メモリ、45…位置検出部、47…状態センサ、49…スイッチ部、51…USBコントローラ、53…LCDドライバ、61…虫生息テーブル、75…事業者端末、77…プリンタ、79…ネットワーク、81…サーバ、83…ユーザ端末。
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己の位置に応じたイベントを実行する移動携帯端末及びその関連技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、仮想対象物獲得ゲームシステムを開示する。このシステムでは、利用者は、RFタグが取り付けられた捕虫網を持ち、仮想の昆虫の位置に対応してゲーム装置本体に取り付けられたRFリーダー・ライターに近接させる。ゲーム制御装置は、RFリーダー・ライターを介して利用者が擬似的に捕獲した昆虫に関する情報を記録する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−25865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のシステムでは、捕虫網をRFリーダー・ライターに近接するだけで虫が捕れてしまう。このため、飽き易く、また、ゲーム性及びエンタテインメント性が必ずしも十分ではない。
【0005】
そこで、本発明は、飽き難く、かつ、ゲーム性及びエンタテインメント性を十分に備えた、自己の位置に応じたコンテンツを提供できる移動携帯端末及びその関連技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点によると、移動携帯端末は、前記移動携帯端末の三次元空間中の状態を検出する状態検出手段と、前記移動携帯端末の位置を検出する位置検出手段と、検出された前記位置が所定領域内か否かを判断する判断手段と、検出された前記位置が前記所定領域内であると判断された場合、所定のイベントを実行し、前記移動携帯端末の前記状態に基づいて、前記所定のイベントの進行を制御するイベント実行手段と、を備える。
【0007】
この構成によれば、移動携帯端末が所定領域内に位置したときに実行されるイベントの進行が、移動携帯端末の三次元空間中の状態(姿勢を含む。)に基づいて制御される。つまり、ユーザは、移動携帯端末自体の姿勢を変えたり動かしたりしながら、所定領域に到達後のイベントの進行を制御できる。その結果、イベントを制御できない場合および制御できても移動携帯端末自体を静止状態で操作する場合と比較して、飽き難く、かつ、ゲーム性及びエンタテインメント性を十分に備えた、自己の位置に応じたコンテンツを提供できる。
【0008】
この移動携帯端末は、表示手段をさらに備え、前記イベント実行手段は、前記イベントとして、前記表示手段に映像を表示して行うゲームを実行し、前記移動携帯端末の前記状態に基づいて、前記ゲームの進行を制御する。
【0009】
この構成によれば、移動携帯端末が所定領域内に位置したときに実行されるゲームの進行が、移動携帯端末の三次元空間中の状態(姿勢を含む。)に基づいて制御される。つまり、プレイヤは、移動携帯端末自体の姿勢を変えたり動かしたりしながら、所定領域に到達後のゲームの進行を制御できる。その結果、ゲームを制御できない場合および制御できても移動携帯端末自体を静止状態で操作する場合と比較して、飽き難く、かつ、高いゲーム性及びエンタテインメント性を備えた、自己の位置に応じたゲームコンテンツを提供できる。
【0010】
この移動携帯端末において、前記ゲームは、前記所定領域に割り当てられた仮想対象物を捕獲するゲームであり、前記イベント実行手段は、前記仮想対象物の画像を前記表示手段に表示し、前記移動携帯端末の前記状態に基づいて、前記仮想対象物が捕獲されたか否かを判断する。
【0011】
この構成によれば、プレイヤは、移動携帯端末自体の姿勢を変えたり動かしたりしながら、仮想対象物を捕獲することを試みる。その結果、所定領域に到達したら自動的に捕獲が行われる場合および移動携帯端末自体を静止状態で操作して捕獲を行う場合と比較して、飽き難く、かつ、高いゲーム性及びエンタテインメント性を備えた、自己の位置に応じた捕獲ゲームを提供できる。
【0012】
本発明の第2の観点によると、イベント制御方法は、移動携帯端末の三次元空間中の状態を検出するステップと、前記移動携帯端末の位置を検出するステップと、検出された前記位置が所定領域内か否かを判断するステップと、検出された前記位置が前記所定領域内であると判断された場合、所定のイベントを実行し、前記移動携帯端末の前記状態に基づいて、前記所定のイベントの進行を制御するステップと、を含む。この構成によれば、上記第1の観点による移動携帯端末と同様の効果を奏する。
【0013】
本発明の第3の観点によると、コンピュータプログラムは、上記第2の観点によるイベント制御方法をコンピュータに実行させる。この構成によれば、上記第1の観点による移動携帯端末と同様の効果を奏する。
【0014】
本発明の第4の観点によると、記録媒体は、上記第3の観点によるコンピュータプログラムを記録する。この構成によれば、上記第1の観点による移動携帯端末と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態における自己位置利用システムとしての捕獲ゲームシステムの説明図である。
【図2】(a)図1の移動携帯端末1の平面図である。(b)図1の移動携帯端末1の電気的構成を示す図である。
【図3】図2(b)のプロセッサ41が行うメインルーチンの流れの一例を示すフローチャートである。
【図4】図3のステップS1のフィールド設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図5】図2(b)のプロセッサ41が行う第1タイマ処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】図2(b)のプロセッサ41が行う歩数処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図7】図2(b)のプロセッサ41が行う位置検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図8】図3のステップS11の虫捕り処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】図8のステップS129に続く処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】図9のステップS149で「YES」が判断された後の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】図2(b)の外部メモリ43に格納された虫生息テーブル61の例示図である。
【図12】図3のステップS11で虫画像7が出現した時の画面の例示図である。
【図13】図3のステップS11で虫画像7がスコープ5に入っている時の画面の例示図である。
【図14】図6のステップS91で実行される第1ゲームプログラムの説明図である。
【図15】図6のステップS91で実行される第2ゲームプログラムの説明図である。
【図16】実施の形態の捕獲ゲームシステムを利用したコンテンツ提供システムの一例を示す図である。
【図17】図16のサーバ81からユーザ端末83に提供されるWEBサイトの情報画面の例示図である。
【図18】図16のサーバ81からユーザ端末83に提供されるWEBサイトの図鑑画面の例示図である。
【図19】図16のサーバ81からユーザ端末83に提供されるWEBサイトの図鑑画面の他の例示図である。
【図20】図16のサーバ81からユーザ端末83に提供されるWEBサイトのムシカゴ画面の例示図である。
【図21】図16のサーバ81からユーザ端末83に提供されるWEBサイトのムシカゴ画面の他の例示図である。
【図22】図16のサーバ81からユーザ端末83に提供されるWEBサイトのクイズ画面の例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付してその説明を援用する。
【0017】
本実施の形態の自己位置利用システムでは、現実のフィールド(以下、「実フィールド」と呼ぶ。)に、仮想のフィールド(以下、「仮想フィールド」と呼ぶ。)を割り当てる。また、仮想フィールドに、仮想対象物を割り当てる。
【0018】
下記では、仮想対象物が虫の例を挙げる。以下、単に「虫」という場合は、仮想対象物としての虫を指す。この場合、仮想フィールドは、虫の生息地である。そして、プレイヤは、虫の生息地(仮想フィールド)が割り当てられた実フィールドにおいて、移動携帯端末を操作して、生息地(仮想フィールド)に生息する(割り当てられた)虫を、当該移動携帯端末のディスプレイ上で捕獲ないしは収集する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態における自己位置利用システムとしての捕獲(又は収集)ゲームシステムの説明図である。図1を参照して、この捕獲ゲームシステムは、プレイエリア9で実行される。プレイエリア9は、現実の領域である。プレイエリア9には、N個(Nは1以上の整数。ただし、本実施の形態ではNは2以上の整数とする。)の実フィールドが予め設定される。N個の実フィールドのうち、M個(Mは1以上の整数。ただし、本実施の形態ではMは2以上の整数とする。)の実フィールドを有効フィールドに設定し、(N−M)個を無効フィールドに設定する。そして、M個の有効フィールドのそれぞれに仮想フィールドを割り当てる。本実施の形態では、1仮想フィールドは、1虫生息フィールド及びそれを取り囲む1近接フィールドの組である。
【0020】
そうすると、プレイエリア9には、M組の虫生息フィールド15−1,15−2,…,15−Mおよび近接フィールド13−1,13−2,…,13−Mが設定される。ここで、虫生息フィールド15−1,15−2,…,15−Mを区別して説明する必要がないときは、「虫生息フィールド15」と表記する。近接フィールド13−1,13−2,…,13−Mを区別して説明する必要がないときは、「近接フィールド13」と表記する。
【0021】
また、プレイエリア9内の有効フィールド以外の領域を不毛フィールド11と呼ぶ。従って、不毛フィールド11は、無効フィールドだけでなく、プレイエリア9の実フィールド以外の領域を含む。
【0022】
さて、プレイヤが携帯し、プレイヤと共に移動する移動携帯端末1が、例えば、近接フィールド13−2の地点P0に位置する場合、移動携帯端末1は、近くに虫生息フィールド15−2が存在することを示す探知音を生成及び出力する。そして、移動携帯端末1が、虫生息フィールド15−2の地点P1に移動した場合、移動携帯端末1は、虫を捕るための映像を一人称視点でディスプレイ3に表示する(イベントの実行)。即ち、移動携帯端末1は、背景上に静止した、又は、背景上を動き回る虫画像7をディスプレイ3に表示する。この場合、移動携帯端末1は、ディスプレイ3の中央に固定的にスコープ5を表示する。スコープ5は、プレイヤの視点に相当する。
【0023】
そして、移動携帯端末1は、その姿勢に応じて、ディスプレイ3に表示した背景及び虫画像7をスクロールする(イベントの進行の制御)。スコープ5は、画面中央に固定されるので、背景及び虫画像7のスクロールは、視点の移動に相当する。
【0024】
プレイヤは、虫画像7がスコープ5内に入るように、移動携帯端末1の姿勢を調整する。移動携帯端末1は、虫画像7がスコープ5内に入ると、その虫画像7に対応する虫が捕獲されたとみなして、当該虫を捕虫リストに登録する。
【0025】
このように、プレイヤは、移動携帯端末1自体の姿勢を変えたり動かしたりしながら、虫を捕獲することを試みる。その結果、所定領域に到達したら自動的に捕獲が行われる場合および移動携帯端末自体を静止状態で操作して捕獲を行う場合(例えばスイッチ操作)と比較して、飽き難く、かつ、高いゲーム性及びエンタテインメント性を備えた、自己の位置に応じた捕獲ゲームを提供できる。
【0026】
図2(a)は、図1の移動携帯端末1の平面図である。図2(a)を参照して、移動携帯端末1は、その表面中央付近に、LCD(Liquid Crystal Display)パネル3(上記では、「ディスプレイ3」と表記)を備える。LCDパネル3の左側には、上下左右の方向キー21が配置され、その上側にスイッチ23が配置される。LCDパネル3の右側には、5個のスイッチ23が配置され、それらの下側には、スピーカ27が配置される。
【0027】
図2(b)は、移動携帯端末1の電気的構成を示す図である。図2(b)を参照して、移動携帯端末1は、プロセッサ41、外部メモリ43、位置検出部45、状態センサ47、スイッチ部49、USB(Universal Serial Bus)コントローラ51、LCDドライバ53、LCDパネル3、及びスピーカ27を含む。
【0028】
プロセッサ41は、外部メモリ43と接続される。外部メモリ43は、例えば、ROM、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM、及びフラッシュメモリ等の半導体メモリ、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きのRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、並びに不揮発性RAMカートリッジ等のうち、システムの仕様に応じて必要なものを含む。なお、外部メモリ43は記録媒体の一例である。
【0029】
外部メモリ43は、プログラム領域、画像データ領域、および音声データ領域を含む。プログラム領域には、各種処理(後述のフローチャートで示す処理)をプロセッサ41に実行させる制御プログラムが格納される。
【0030】
画像データ領域には、ビデオ信号を生成するために必要な画像データが格納されている。音声データ領域には、ボイス、効果音、及び音楽等のオーディオ信号を生成するための音声データが格納されている。
【0031】
プロセッサ41は、プログラム領域の制御プログラムを実行して、画像データ領域の画像データ及び音声データ領域の音声データを読み出し、必要な処理を施して、ビデオ信号及びオーディオ信号を生成する。ビデオ信号及びオーディオ信号は、それぞれ、LCDドライバ53及びスピーカ27に与えられる。また、図11の虫生息テーブル61は、外部メモリ43に格納される。
【0032】
LCDドライバ53は、LCDパネル3を駆動して、プロセッサ41から与えられたビデオ信号に応じた映像を表示する。また、スピーカ27は、プロセッサ41から与えられたオーディオ信号に応じて音声を出力する。スイッチ部49は、方向キー21及びスイッチ23を含み、それらのキーステータスがプロセッサ41に与えられる。プロセッサ41は、受け取ったキーステータスに応じて処理を実行する。USBコントローラ51は、プロセッサ41の制御を受けて、後述する事業者端末75と通信し、データの送受信を行う。
【0033】
位置検出部45は、移動携帯端末1の絶対的位置又は相対的位置を検出できるものであれば、その検出方法は特に限定されない。移動携帯端末1の絶対的位置を検出する場合、例えば、位置検出部45としてGPS受信機を使用する。そして、プロセッサ41は、周知の位置算出アルゴリズムに従って、GPS受信機からの信号を処理及び解析して、移動携帯端末1の位置を算出する。
【0034】
また、移動携帯端末1の相対的位置を検出する場合、例えば、位置検出部45として電波受信機を使用する。この場合、複数の発信機(例えば、微弱電波の発信機、携帯電話機の基地局、又は無線LANのアクセスポイントなど)をプレイエリア9に配置する。発信機には固有の識別情報(発信機ID)が割り当てられ、それを送信する。そして、プロセッサ41は、発信機IDを受信し、それをデコードして、自己の位置を算出する。この場合、複数の発信機IDの組合せにより、自己の位置を決定することもできるし、1つの発信機IDにより、自己の位置を決定することもできる。
【0035】
さらに、移動携帯端末1の相対的位置を検出する場合、例えば、位置検出部45としてRFタグを使用する。この場合、複数のRFリーダ/ライタをプレイエリア9に配置する。そして、RFリーダ/ライタにより、RFタグにRFリーダ/ライタの位置を書き込む。また、例えば、位置検出部45としてRFリーダ/ライタを使用する。この場合、複数のRFタグをプレイエリア9に配置する。そして、RFリーダ/ライタにより、RFタグが保持する位置情報を読み込む。
【0036】
さて、状態センサ47は、移動携帯端末1の三次元空間中の状態(姿勢を含む。)を検出できるものであれば、その種類は問わない。例えば、状態センサ47は、加速度センサ、ジャイロセンサ、方位センサ、若しくは、傾斜センサ、又は、それらの2以上の組合せである。本実施の形態では、状態センサ47として三軸加速度センサを使用する。
【0037】
なお、プロセッサ41は、図示しないが、中央演算処理装置(以下、「CPU」と呼ぶ。)、グラフィックスプロセシングユニット(以下、「GPU」と呼ぶ。)、サウンドプロセシングユニット(以下、「SPU」と呼ぶ。)、ジオメトリエンジン(以下、「GE」と呼ぶ。)、外部インタフェースブロック、メインRAM、及びA/Dコンバータ(以下、「ADC」と呼ぶ。)等の各種機能ブロックを具備する。
【0038】
CPUは、外部メモリ43に格納された制御プログラムを実行して、各種演算やプロセッサ41内の各種機能ブロックの制御を行う。グラフィックス処理に関するCPUの処理として、外部メモリ43に格納されたプログラムを実行して、各オブジェクトの拡大・縮小、回転、及び/又は平行移動のパラメータ、視点座標(カメラ座標)、並びに視線ベクトルの算出等を行う。ここで、1または複数のポリゴン又はスプライトから構成され、同じ拡大・縮小、回転、及び平行移動の変換が適用される単位を「オブジェクト」と呼ぶ。
【0039】
GPUは、ポリゴン及びスプライトから構成される三次元イメージをリアルタイムに生成し、アナログのコンポジットビデオ信号に変換する。SPUは、PCM(pulse code modulation)波形データ、アンプリチュードデータ、及びメインボリュームデータを生成し、これらをアナログ乗算して、アナログオーディオ信号を生成する。GEは、三次元イメージを表示するための幾何演算を実行する。具体的には、GEは、行列積、ベクトルアフィン変換、ベクトル直交変換、透視投影変換、頂点明度/ポリゴン明度計算(ベクトル内積)、及びポリゴン裏面カリング処理(ベクトル外積)などの演算を実行する。
【0040】
外部インタフェースブロックは、周辺装置(本実施の形態では、LCDドライバ53、スイッチ部49、USBコントローラ51、位置検出部45、及び状態センサ47)とのインタフェースであり、24チャンネルのプログラマブルなデジタル入出力(I/O)ポートを含む。ADCは、4チャンネルのアナログ入力ポートに接続され、これらを介して、アナログ入力装置から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。メインRAMは、CPUのワーク領域、変数格納領域、および仮想記憶機構管理領域等として利用される。
【0041】
さて、次に、プロセッサ41の処理をフローチャートを用いて説明する。
【0042】
図3は、図2(b)のプロセッサ41が行うメインルーチンの流れの一例を示すフローチャートである。図3を参照して、ステップS1にて、プロセッサ41は、有効フィールドに、虫生息フィールド15及び近接フィールド13を設定する。ステップS3にて、プロセッサ41は、第1タイマをスタートする。第1タイマは、プレイ時間を計測するタイマである。本実施の形態では、プレイ時間を60分に設定する。ステップS5にて、プロセッサ41は、歩数処理をスタートする。ステップS7にて、プロセッサ41は、移動携帯端末1の位置検出処理をスタートする。
【0043】
ステップS9にて、プロセッサ41は、移動携帯端末1がどのフィールドに位置するか判断する。つまり、プロセッサ41は、移動携帯端末1が近接フィールド13に位置する場合ステップS11に進み、不毛フィールド11に位置する場合ステップS15に進む。
【0044】
ステップS11にて、プロセッサ41は、虫を捕るための処理を実行する(イベントの実行)。そして、当該近接フィールド13に対応する虫生息フィールド15での虫捕り処理が終了すると、ステップS13にて、プロセッサ41は、当該近接フィールド13及び対応する虫生息フィールド15を所定時間(例えば、10分)だけ無効にする。従って、プロセッサ41は、この所定時間が経過するまでは、当該近接フィールド13及び虫生息フィールド15において、ステップS11の虫捕り処理を実行しない。このため、その所定時間内に移動携帯端末1が当該近接フィールド13又は当該虫生息フィールド15に位置した場合であっても、プロセッサ41は、ステップS11及びS13をスキップして、ステップS15に進む。
【0045】
さて、ステップS15にて、プロセッサ41は、終了フラグがオンか否かを判断し、オンの場合ステップS17に進み、オフの場合ステップS9に戻る。この終了フラグは、ステップS3で第1タイマがスタートしてから60分が経過するとオンになるフラグである。
【0046】
終了フラグがオンの場合、ステップS17にて、プロセッサ41は、プレイ回数に応じて、補虫網を設定する。例えば、第1回目のプレイ終了時は、高所に位置する虫が捕りやすくなる長い補虫網を設定し、第2回目のプレイ終了時は、水中の虫が捕りやすくなる補虫網を設定し、第3回目のプレイ終了時は、全般的に虫が捕りやすくなる大きい補虫網を設定する。なお、第1回目のプレイの開始時には、標準の補虫網が設定される。
【0047】
ステップS19にて、プロセッサ41は、プレイの終了を示す映像をディスプレイ3に表示する。そして、ステップS21にて、プロセッサ41は、方向キー21及びスイッチ23からの入力を無効にして(受け付けない)、処理を終了する。
【0048】
図4は、図3のステップS1のフィールド設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図4を参照して、ステップS41にて、プロセッサ41は、後述の事業者端末75から、日時(年代、月、日、および時)、プレイ回数、歩数、虫リスト、及びフィールド情報を取得する。フィールド情報は、有効フィールド及び無効フィールドのリストである。そして、ステップS43にて、プロセッサ41は、事業者端末75から受け取った日付(年代、月、及び日)を種として乱数を生成し、各有効フィールドに、虫生息フィールド15及び近接フィールド13の組を割り当てる。
【0049】
具体的には次のとおりである。本実施の形態では、山地、林、草地、川、及び池といった5種類の虫生息フィールド15を用意する。そして、山地にi種類の虫を割り当て、林にj種類の虫を割り当て、草地にk種類の虫を割り当て、川にm種類の虫を割り当て、池にn種類の虫を割り当てる。なお、種類の計数に雄雌は区別していない。そうしたときに、有効フィールドに割り当てられる各虫生息フィールド15の数Nr(p)は、Nr(p)=(p*M)/(i+j+k+m+n)で表される。定数Mは、有効フィールドの数、変数pは、該当の虫生息フィールド15に割り当てられた虫の種類数(i、j、k、m、又は、n)である。このように、プロセッサ41は、虫の生息割合に応じて、各虫生息フィールド15を有効フィールドに割り当てる。
【0050】
この割り当てが、日付を種として乱数を生成して行われる。各実フィールドには、固有の識別情報(以下、「実ID」と呼ぶ。)が割り当てられているので、有効フィールドも実IDを持つ。プロセッサ41は、連番と実IDとを関連付けてリストを作成する。すると、プロセッサ41は、日付を種として連番の範囲で乱数を生成し、リストを参照して、生成した乱数と同じ番号と関連付けられた実IDを持つ有効フィールドに山地を割り当てる。
【0051】
そして、1つの割り当てが終わると、プロセッサ41は、連番と実ID(割り当てが終わったものを除く。)とを関連付けたリストを新たに作成する。すると、プロセッサ41は、新たな連番の範囲で乱数を生成し、新たに作成したリストを参照して、生成した乱数と同じ番号と関連付けられた実IDを持つ有効フィールドに山地を割り当てる。
【0052】
このように、プロセッサ41は、割り当てが終わった実IDを除きながら新たなリストを作成し、そのたびに乱数を生成して、有効フィールドへ山地を割り当てる。なお、同じ日付であれば、R(1以上の整数)回目に生成した乱数は、同じ値となる。従って、同じ日付にプレイする複数のプレイヤ間では、各有効フィールドに割り当てられる虫生息フィールド15は同一になる。
【0053】
図5は、図2(b)のプロセッサ41が行う第1タイマ処理の流れの一例を示すフローチャートである。図5を参照して、ステップS51にて、プロセッサ41は、ステップS3でスタートした第1タイマを参照して、プレイの残り時間を算出し、ディスプレイ3に表示する。ステップS53にて、プロセッサ41は、プレイ開始から20分が経過したか否かを判断し、経過していない場合ステップS53に戻り、経過した場合ステップS55に進む。ステップS55にて、プロセッサ41は、ゲームフラグをオンにする。ゲームフラグは、不毛フィールド11において、ゲーム処理が実行可能か否かを示すフラグである。従って、プレイ開始から20分が経過するとゲームフラグがオンになるので、ゲーム処理が実行可能な状態になる。ステップS57にて、プロセッサ41は、レア虫フラグをオンにする。レア虫フラグは、レア度の高い虫に対応する虫画像7の画面への出現が可能な状態か否かを示すフラグである。従って、プレイ開始から20分が経過するとレア虫フラグがオンになるので、レアな虫に対応する虫画像7が出現可能な状態になる。
【0054】
ステップS59にて、プロセッサ41は、プレイ開始から30分が経過したか否かを判断し、経過していない場合ステップS59に戻り、経過した場合ステップS61に進む。ステップS61にて、プロセッサ41は、虫かごフラグ及び卵フラグをオンにする。虫かごフラグは、所定のコメントの画面への表示が可能な状態か否かを示すフラグである。従って、プレイ開始から30分が経過すると虫かごフラグがオンになるので、当該所定のコメントが表示可能な状態になる。卵フラグは、虫の卵に対応する卵画像の画面への出現が可能な状態か否かを示すフラグである。従って、プレイ開始から30分が経過すると卵フラグがオンになるので、当該卵に対応する卵画像が出現可能な状態になる。
【0055】
ステップS63にて、プロセッサ41は、プレイ開始から40分が経過したか否かを判断し、経過していない場合ステップS63に戻り、経過した場合ステップS65に進む。ステップS65にて、プロセッサ41は、再びレア虫フラグをオンにする。
【0056】
ステップS67にて、プロセッサ41は、プレイ開始から60分が経過したか否かを判断し、経過していない場合ステップS67に戻り、経過した場合ステップS69に進む。ステップS69にて、プロセッサ41は、プレイを終了すべく、終了フラグをオンにする。
【0057】
図6は、図2(b)のプロセッサ41が行う歩数処理の流れの一例を示すフローチャートである。プロセッサ41は、ステップS5の歩数処理スタートに応答して、図6の処理を開始する。図6を参照して、ステップS81にて、プロセッサ41は、状態センサ47、つまり、三軸加速度センサからの加速度情報を周知の歩数計測アルゴリズムに従って処理及び解析して、プレイヤのステップを検出し、歩数を算出する。そして、ステップS83にて、プロセッサ41は、ディスプレイ3に現在の歩数を表示する。
【0058】
ステップS84にて、プロセッサ41は、図7の位置検出処理で算出された移動携帯端末1の位置を取得する。ステップS85にて、プロセッサ41は、移動携帯端末1が不毛フィールド11に位置するか否かを判断し、位置する場合ステップS95に進み、位置しない場合ステップS87に進む。ステップS87にて、プロセッサ41は、ゲームフラグ(ステップS55)がオンか否かを判断し、オフの場合ステップS95に進み、オンの場合ステップS89に進む。ステップS89にて、プロセッサ41は、連続して2分間、歩数の変化がないか否かを判断し、変化がある場合ステップS95に進み、変化がない場合ステップS91に進む。
【0059】
ステップS91にて、プロセッサ41は、ゲーム処理を実行し、対応する映像をディスプレイ3に表示し、対応する音声をスピーカ27に出力する。そして、ゲーム処理が終了すると、ステップS93にて、プロセッサ41は、ゲームフラグをオフにする。
【0060】
さて、ステップS95にて、プロセッサ41は、終了フラグがオンか否かを判断して、オフの場合ステップS81に戻り、オンの場合処理を終了する。
【0061】
ここで、本実施の形態では、第1ゲームプログラム及び第2ゲームプログラムが外部メモリ43に格納されている。従って、ステップS91では、プロセッサ41は、いずれかのゲームプログラムを実行する。以下、それらの内容を簡単に説明する。
【0062】
図14は、図6のステップS91のゲーム処理で実行される第1ゲームプログラムの説明図である。図14を参照して、第1ゲームプログラムは、ディスプレイ3に、仮想空間に形成された林の中を飛行するトンボオブジェクト71及び蚊オブジェクト73を表示する。トンボオブジェクト71は、林を画面奥に向かって進んでいく。そして、蚊オブジェクト73は、林の中に出現し飛び回っている。
【0063】
ここで、座標系について説明する。図1を参照して、ディスプレイ3に垂直な軸をZ軸、ディスプレイ3の面及び短辺に平行な軸をY軸、Z軸及びY軸に垂直な軸をX軸とする。
【0064】
さて、移動携帯端末1は、その姿勢に応じて、トンボオブジェクト71の視点を変更する。例えば、状態センサ47により、移動携帯端末1のX軸回りの回転が検出された場合、回転方向及び量に応じて、トンボオブジェクト71の視点を上下に制御する。また、例えば、状態センサ47により、移動携帯端末1のZ軸回りの回転が検出された場合、回転方向及び量に応じて、トンボオブジェクト71の移動方向を左右に制御する。
【0065】
従って、プレイヤは、移動携帯端末1の姿勢を調整して、トンボオブジェクト71をタイミング良く蚊オブジェクト73に重ねることを試みる。プロセッサ41は、トンボオブジェクト71がタイミング良く蚊オブジェクト73に重なったら、つまり、捕獲したら、1点を付与し、獲得した点数をディスプレイ3に表示する。そして、プロセッサ41は、表示された林の中に、新たな蚊オブジェクト73を表示する。また、プロセッサ41は、プレイヤがトンボオブジェクト71をタイミング良く蚊オブジェクト73に重ねることができなかった場合でも、新たな蚊オブジェクト73を表示する。プレイヤは、できるだけ多くの蚊オブジェクト73を捕獲することを試みる。
【0066】
本実施の形態では、ゲーム時間は60秒であり、ディスプレイ3には、残り時間が表示される。また、表示された木にトンボオブジェクト71が衝突すると、前進が遅れるので、捕獲できる蚊オブジェクト73の数が減る。従って、プレイヤは、移動携帯端末1の姿勢を調整しながら、トンボオブジェクト71が木に衝突しないように前進する。
【0067】
図15は、図6のステップS91のゲーム処理で実行される第2ゲームプログラムの説明図である。図15を参照して、第2ゲームプログラムは、ディスプレイ3に、でたらめな順番で複数の文字を表示する。プレイヤは、方向キー21及びスイッチ23を操作して、ディスプレイ3に表示された昆虫の名称を示すように、文字を並べ替える。本実施の形態では、一問の回答時間が30秒であり、残り時間がディスプレイ3に表示される。正解/不正解に関係なく、一問の時間が終了するたびに、正解の昆虫に関する画像及び説明がディスプレイ3に表示される。
【0068】
さて、図7は、図2(b)のプロセッサ41が行う位置検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。プロセッサ41は、ステップS7の位置検出処理スタートに応答して、図7の処理を開始する。図7を参照して、ステップS221にて、プロセッサ41は、位置検出部45から検出データを取得する。そして、ステップS223にて、プロセッサ41は、周知の位置検出アルゴリズムに従って、検出データを処理及び解析して、移動携帯端末1の位置を算出する。ステップS225にて、プロセッサ41は、終了フラグがオンか否かを判断して、オフの場合ステップS221に戻り、オンの場合処理を終了する。
【0069】
図8、図9、及び図10は、図3のステップS11の虫捕り処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図1では、虫画像7がスコープ5に入ったときに、虫が捕獲されたとみなした。ただし、下記では、虫画像7がスコープ5に入った状態で、所定のスイッチ23がオンされたときに、虫が捕獲されたとみなす。
【0070】
図8を参照して、ステップS111にて、プロセッサ41は、移動携帯端末1が位置する近接フィールド13に対応する虫生息フィールド15に応じて、探知音を生成し、スピーカ27に与える。なお、探知音は、山地、林、草地、川、及び池のそれぞれで異なる。
【0071】
ステップS113にて、プロセッサ41は、図7の位置検出処理で算出された移動携帯端末1の位置を取得する。ステップS115にて、プロセッサ41は、移動携帯端末1が位置するフィールドが近接フィールド13のままである場合ステップS111に戻り、虫生息フィールド15の場合ステップS117に進み、近接フィールド13を出て不毛フィールド11に位置する場合、図3のステップS15に進む。
【0072】
ステップS117にて、プロセッサ41は、第2タイマをスタートする。このように、第2タイマは、移動携帯端末1が虫生息フィールド15に入った時点で起動し、虫の捕獲のために設定された時間T(以下、「捕獲可能時間T」と呼ぶ。)を計測する。ステップS121にて、プロセッサ41は、スコープ5及び当該虫生息フィールドに対応する背景をディスプレイ3に表示する。プロセッサ41は、例えば、図12に示すように、背景及びスコープ5をディスプレイ3に表示する。
【0073】
ステップS123にて、プロセッサ41は、図11の虫生息テーブル61を参照して、移動携帯端末1が位置する虫生息フィールド15に割り当てられた虫の中から、ランダムに虫を選択する。
【0074】
図11は、図2(b)の外部メモリ43に格納された虫生息テーブル61の例示図である。図11を参照して、虫生息テーブル61は、虫が属する目、虫の名称、虫生息フィールド15、虫のサイズレンジ、虫のレア度、及び虫のIDを関連付けたテーブルである。
【0075】
本実施の形態では、虫のレア度を、1〜5の五段階で表し、数字が大きいほどレア度が高い。レア度が「5」の虫をレア虫と呼ぶ。プロセッサ41は、レア虫フラグ(ステップS57,S65)がオンの場合にのみ、選択する候補にレア虫を含めて、ランダムな選択を実行する。
【0076】
また、虫の卵も虫と同等に扱われ、虫生息テーブル61に列挙される。ただし、プロセッサ41は、卵フラグ(ステップS61)がオンの場合にのみ、卵を虫と同等に扱い、選択する候補に卵を含めて、ランダムな選択を実行する。
【0077】
図8に戻って、ステップS125にて、プロセッサ41は、外部メモリ43に格納した虫リストを参照して、ステップS123で選択した虫が捕獲済みの虫と同じか否かを判断し、捕獲済みの場合ステップS123に戻り、捕獲済みでない場合はステップS127に進む。
【0078】
ステップS127にて、プロセッサ41は、虫生息テーブル61を参照して、選択した虫に対応するサイズレンジからサイズをランダムに決定する。そして、ステップS129にて、プロセッサ41は、決定したサイズを持ち、選択した虫に対応する虫画像7をディスプレイ3に表示して、図9のステップS131に進む。プロセッサ41は、例えば、図12に示すように、虫画像7をスコープ5の外に位置するようにディスプレイ3に表示する。なお、卵が選択された場合は、卵に対応する卵画像が表示されるが、上記のように、卵は虫と同等に扱われるので、この卵画像は、虫画像7に含まれるものとする。
【0079】
図9を参照して、ステップS131にて、プロセッサ41は、表示した虫画像7がレア虫に対応する場合、レア虫フラグをオフし、表示した虫画像7が卵画像である場合、卵フラグをオフにする。なお、これらのいずれにも該当しない場合は、ステップS131はスキップされる。
【0080】
ステップS133にて、プロセッサ41は、表示された虫画像7に対応する虫の位置と設定された補虫網(仮想)の性質とに基づいて、捕獲可能時間Tに40秒又は20秒を設定する。例えば、図3のステップS17で設定された補虫網の長さでは、虫にとどかない場合は、捕獲可能時間Tを20秒に設定し、十分とどく場合は、捕獲可能時間Tを40秒に設定する。
【0081】
ステップS135にて、プロセッサ41は、餌オブジェクトを出現させるか否かを所定確率で決定する。ステップS137にて、プロセッサ41は、餌オブジェクトの出現を決定した場合ステップS139に進み、餌オブジェクトを出現させないことを決定した場合ステップS141に進む。ステップS139では、プロセッサ41は、餌オブジェクトをディスプレイ3に表示する。例えば、餌オブジェクトは、上下に揺れながら、左から右へ移動し、消滅する。
【0082】
ステップS141にて、プロセッサ41は、補虫ボタンがオンされたか否かを判断し、オンされた場合ステップS143に進み、オフの場合ステップS157に進む。例えば、図2(a)の右端のスイッチ23が補虫ボタンに割り当てられる。ステップS143にて、プロセッサ41は、補虫網が動くアニメーションをディスプレイ3に表示する。
【0083】
ステップS145にて、プロセッサ41は、虫画像7がスコープ5に入っているか否かを判断し、入っていない場合ステップS153に進み、入っている場合ステップS147に進む。例えば、図13に示すように、虫画像7がスコープ5に入っているときに、補虫ボタンが押下されると、ステップS147に進む。
【0084】
ステップS147にて、プロセッサ41は、所定確率で捕獲の成功又は失敗のいずれかを決定する。ステップS149にて、プロセッサ41は、捕獲成功を決定した場合図10のステップ181に進み、捕獲失敗を決定した場合ステップS151に進む。ステップS151にて、プロセッサ41は、虫画像7が逃げていくアニメーションをディスプレイ3に表示する。
【0085】
一方、ステップS153では、プロセッサ41は、餌オブジェクトがスコープ5に入っているか否かを判断し、入っていない場合ステップS157に進み、入っている場合ステップS155に進む。ステップS155にて、プロセッサ41は、現在表示している虫画像7の数を増やし、ステップS157に進む。
【0086】
さて、ステップS157にて、プロセッサ41は、状態センサ47の出力データを受け取り、周知の姿勢検出アルゴリズムに従って、そのデータを処理及び解析して、移動携帯端末1の姿勢を算出する。ステップS159にて、プロセッサ41は、移動携帯端末1の姿勢に応じて、背景及び虫画像7をスクロールする(イベントの進行の制御)。ステップS161にて、プロセッサ41は、第2タイマの値が捕獲可能時間Tと一致するか否かを判断し、一致しない場合ステップS141に戻り、一致する場合ステップS163に進む。ステップS163では、プロセッサ41は、ディスプレイ3に、時間切れであることを示す表示を行い、リターンする。
【0087】
ステップS149で捕獲成功を決定した後、図10のステップS181にて、プロセッサ41は、虫画像7が補虫網で捕捉されるアニメーションをディスプレイ3に表示する。ステップS183にて、プロセッサは、虫リストに、捕獲した虫画像7に対応する虫を登録する。虫リストへの登録は、虫を虫かごに入れたことに相当する。
【0088】
ステップS185にて、プロセッサ41は、今回捕獲した虫が、所定の虫である場合、ステップS187に進み、それ以外はステップS189に進む。ステップS187にて、プロセッサ41は、所定の虫に関する情報をディスプレイ3に表示する。
【0089】
ステップS189にて、プロセッサ41は、虫リストを参照して、今回捕獲した虫が捕獲済みの虫と同じか否かを判断して、同じ場合ステップS191に進み、それ以外はステップS193に進む。ステップS191にて、プロセッサ41は、今回捕獲した虫と別の虫との交換を勧める映像をディスプレイ3に表示し、プレイヤの操作に従って、交換し、あるいは、交換しない。
【0090】
ステップS193にて、プロセッサ41は、今回のプレイで虫リストに登録された虫が第1所定数か否かを判断し、第1所定数の場合ステップS195に進み、それ以外はステップS197に進む。第1所定数は、今回のプレイで虫リストに登録できる虫の数の上限である。ステップS195にて、プロセッサ41は、今回のプレイで虫リストに登録された虫及び今回捕獲した虫から、一匹を削除することを促す映像をディスプレイ3に表示する。プロセッサ41は、プレイヤの操作に従って、プレイヤが選択した虫をリストから削除する。つまり、プロセッサ41は、選択された虫を開放する。
【0091】
ステップS197にて、プロセッサ41は、虫かごフラグ(ステップS61)がオンか否かを判断し、オンの場合ステップS199に進み、オフの場合ステップS205に進む。ステップS199にて、プロセッサ41は、今回のプレイで虫リストに登録された虫が第2所定数(<第1所定数)以下か否かを判断し、以下の場合ステップS201に進み、それ以外はステップS205に進む。ステップS201にて、プロセッサ41は、虫かごフラグをオフにする。ステップS203にて、プロセッサ41は、外部メモリ43に格納したコメントをディスプレイ3に表示する。
【0092】
ステップS205にて、プロセッサ41は、虫リストに登録された虫の情報をディスプレイ3に表示して、リターンする。
【0093】
図16は、実施の形態の捕獲ゲームシステムを利用したコンテンツ提供システムの一例を示す図である。図16を参照して、ステップS301にて、プレイ終了後、移動携帯端末1は、格納した虫リストを、事業者端末75に転送する。ステップS303にて、事業者端末75は、今回のプレイで虫リストに登録された虫の画像及び名称などをプリンタ77に出力し、印刷する。また、ステップS305にて、事業者端末75は、虫リストをネットワーク79を介して、サーバ81へ送信する。サーバ81は、受信した虫リストを、プレイヤの識別情報(プレイヤID)と関連付けて格納する。
【0094】
ステップS307にて、ユーザ端末83がサーバ81へアクセスすると、ステップS309にて、サーバ81は、所定のWEBサイトをユーザ端末83に送信する。このサイトから、ユーザ端末83がプレイヤIDを入力すると、サーバ81は、ログインを行い、プレイヤIDに対応した虫リストに基づくコンテンツ(ページ)をユーザ端末83に送信する。これにより、ユーザ端末83のユーザ、つまり、プレイヤは、移動携帯端末1が提供する情報よりも、より豊富で充実した、自分が捕獲した虫の情報を閲覧やダウンロードすることができる。
【0095】
以下、図面を参照しながら、サーバ81がユーザ端末83に提供するコンテンツを説明する。
【0096】
図17は、図16のサーバ81からユーザ端末83に送信されるWEBサイトの情報画面の例示図である。図17を参照して、ユーザ端末83からプレイヤIDが入力されると、情報画面がユーザ端末83のディスプレイに表示される。情報画面は、プレイヤID、前回のプレイの日付、プレイヤIDを持つユーザが獲得した虫及び卵の数、クイズのレベルの情報、並びに歩数が表示される。
【0097】
また、この画面の右領域には、「じょうほう」ボタン、「ずかん」ボタン、「ムシカゴ」ボタン、「クイズ」ボタン、及び「おわる」ボタンが表示される。「じょうほう」ボタンがクリックされると、図17の情報画面が表示され、「ずかん」ボタンがクリックされると、図18の図鑑画面が表示され、「ムシカゴ」ボタンがクリックされると、図20の虫かご画面が表示され、「クイズ」ボタンがクリックされると、図22のクイズ画面が表示され、「おわる」ボタンがクリックされると、ログアウトする。なお、これらのボタンは、図鑑画面、虫かご画面、及びクイズ画面にも表示され、同じ機能を持つ。
【0098】
さて、いずれかの画面で「ずかん」ボタンがクリックされると、図18の図鑑画面が表示される。図鑑画面は、捕獲した虫の名称、画像、及びレア度のほか、捕獲した虫に関する情報(雄雌の別、生息時期、生息地、大きさ、及び捕らえた数など)が表示される。この画面において、虫の画像がクリックされると、図19に示すように、その虫の拡大画像が表示される。
【0099】
また、いずれかの画面で「ムシカゴ」ボタンがクリックされると、図20の虫かご画面が表示される。この画面は、捕獲した卵の成虫の名称及び卵の画像を含む。この画面において、卵の画像がクリックされると、図21に示すように、その卵の拡大画像およびその説明が表示される。なお、サーバ81は、時間の経過に伴い、卵を孵化させ、さらに、幼虫、さなぎ、成虫へと変化させる。従って、虫かご画面の内容は、時間の経過とともに変化する。
【0100】
さらに、いずれかの画面で「クイズ」ボタンがクリックされると、図22のクイズ画面が表示される。この画面は、昆虫に関するクイズを表示する。ユーザは、ユーザ端末83を操作して、このクイズに答える。
【0101】
図16に戻って、事業者端末75は、上述したように、プレイの開始時に、移動携帯端末1へフィールド情報等を転送する。従って、事業者端末75において、フィールド情報の内容(有効フィールド及び無効フィールド)を変更することにより、移動携帯端末1で設定する仮想フィールドの場所を変更できる。
【0102】
例えば、プレイエリア9が配置される場所の実際の環境の変化に応じて、有効フィールドを減らして、無効フィールドを増やしたり、その逆を行ったり、また、有効フィールド及び/又は無効フィールドの配置を変更できる。これにより、移動携帯端末1で設定する仮想フィールドの場所が変更される。なぜなら、仮想フィールドは、有効フィールドに割り当てられるからである。
【0103】
さて、以上のように、本実施の形態によれば、移動携帯端末1が所定領域内(上記では虫生息フィールド15)に位置したときに実行されるイベント(上記ではゲームの一種である虫捕り処理)の進行が、移動携帯端末1の三次元空間中の状態(上記では姿勢)に基づいて制御される。つまり、プレイヤないしはユーザは、移動携帯端末1自体の姿勢を変えたり動かしたりしながら、所定領域に到達後のイベントの進行を制御できる。その結果、イベントを制御できない場合および制御できても移動携帯端末1自体を静止状態で操作する場合と比較して、飽き難く、かつ、ゲーム性及びエンタテインメント性を十分に備えた、自己の位置に応じたコンテンツを提供できる。
【0104】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば、以下のような変形も可能である。
【0105】
(1)上記では、歩数の計測と移動携帯端末1の姿勢計測とで、状態センサ47を共用した。ただし、歩数計測用の状態センサと姿勢計測用の状態センサとをそれぞれ設けてもよい。また、上記では、歩数を計測したが、消費カロリー、活動量、心拍、若しくは、運動強度、又はそれらの二以上を計測してもよい。
【0106】
なお、活動量(Ex)は、運動強度(メッツ)に時間(時)を掛けたものである。この運動強度は、運動形態に応じて定められる。また、運動強度は、主に三種類の指標(物理的強度指標、生理的強度指標、心理的強度指標)で表される。物理的強度指標では、例えば、毎秒1ジュールの仕事をする場合の運動強度が1W(ワット)と定義される。生理的強度指標として、酸素摂取量や心拍数がある。例えば、運動強度=酸素摂取量/最大酸素摂取量、と表せることが知られている。例えば、運度強度=酸素摂取量/(最大酸素摂取量−安静時酸素摂取量)、と表せることが知られている。例えば、運動強度=心拍数/最大心拍数、と表せることが知られている。例えば、運度強度=(心拍数−安静時心拍数)/(最大心拍数−安静時心拍数)、と表せることが知られている。最大心拍数=220−年齢、で推測できることが知られている。心理的強度指標は、主観的な疲労感を利用した指標である。なお、本実施の形態では、心理的強度指標は利用しない。
【0107】
(2)プレイエリア9は、一層でもよいし、複数層(例えば、垂直方向に複数のプレイエリア9を配置)にわたって設けてもよい。また、プレイエリア9は、屋内、屋外、または、屋内及び屋外に配置することができる。
【0108】
プレイエリア9を屋内に配置する例を挙げる。例えば、プレイエリア9はショッピングモール等の商業施設に設定する。この場合、商業施設の各階にプレイエリア9を設定する。
【0109】
(3)プレイエリア9内でも、プレイに適さない、または、プレイしてほしくない領域が存在する場合もある。また、プレイエリア9からプレイヤが出ないようにプレイヤに注意を促す必要もある。この場合は、有効フィールドをそのような場所に配置して、移動携帯端末1がそのような場所に位置する場合に、ディスプレイ3やスピーカ27により、その旨のメッセージを提供することもできる。
【0110】
例えば、プレイエリア9を商業施設に配置する場合、トイレ、食品売り場、及び出入口に有効フィールドを配置する。そして、移動携帯端末1がトイレを含む有効フィールドに位置する場合、第1助言(例えば、「トイレには虫はいないよ!」なるテキスト)をディスプレイに表示し、及び/または、音声をスピーカ27から出力する。また、移動携帯端末1が食品売り場を含む有効フィールドに位置する場合、第2助言(例えば、「食品売り場には虫はいないよ!」なるテキスト)をディスプレイに表示し、及び/または、音声をスピーカ27から出力する。さらに、移動携帯端末1が出入口を含む有効フィールドに位置する場合、第3助言(例えば、「外には虫はいないよ!」なるテキスト)をディスプレイに表示し、及び/または、音声をスピーカ27から出力する。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、例えば、移動携帯端末の位置に応じて、ゲーム等のイベントを実行する娯楽産業の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0112】
1…移動携帯端末、3…ディスプレイ(LCDパネル)、5…スコープ、7…虫画像、9…プレイエリア、11…不毛フィールド、13−1,13−2,…,13−M…近接フィールド、15−1,15−2…,15−M…虫生息フィールド,21…方向キー、23…スイッチ、27…スピーカ、41…プロセッサ、43…外部メモリ、45…位置検出部、47…状態センサ、49…スイッチ部、51…USBコントローラ、53…LCDドライバ、61…虫生息テーブル、75…事業者端末、77…プリンタ、79…ネットワーク、81…サーバ、83…ユーザ端末。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動携帯端末であって、
前記移動携帯端末の三次元空間中の状態を検出する状態検出手段と、
前記移動携帯端末の位置を検出する位置検出手段と、
検出された前記位置が所定領域内か否かを判断する判断手段と、
検出された前記位置が前記所定領域内であると判断された場合、所定のイベントを実行し、前記移動携帯端末の前記状態に基づいて、前記所定のイベントの進行を制御するイベント実行手段と、を備えた移動携帯端末。
【請求項2】
表示手段をさらに備え、
前記イベント実行手段は、前記イベントとして、前記表示手段に映像を表示して行うゲームを実行し、前記移動携帯端末の前記状態に基づいて、前記ゲームの進行を制御する、請求項1記載の移動携帯端末。
【請求項3】
前記ゲームは、前記所定領域に割り当てられた仮想対象物を捕獲するゲームであり、
前記イベント実行手段は、前記仮想対象物の画像を前記表示手段に表示し、前記移動携帯端末の前記状態に基づいて、前記仮想対象物が捕獲されたか否かを判断する、請求項2記載の移動携帯端末。
【請求項1】
移動携帯端末であって、
前記移動携帯端末の三次元空間中の状態を検出する状態検出手段と、
前記移動携帯端末の位置を検出する位置検出手段と、
検出された前記位置が所定領域内か否かを判断する判断手段と、
検出された前記位置が前記所定領域内であると判断された場合、所定のイベントを実行し、前記移動携帯端末の前記状態に基づいて、前記所定のイベントの進行を制御するイベント実行手段と、を備えた移動携帯端末。
【請求項2】
表示手段をさらに備え、
前記イベント実行手段は、前記イベントとして、前記表示手段に映像を表示して行うゲームを実行し、前記移動携帯端末の前記状態に基づいて、前記ゲームの進行を制御する、請求項1記載の移動携帯端末。
【請求項3】
前記ゲームは、前記所定領域に割り当てられた仮想対象物を捕獲するゲームであり、
前記イベント実行手段は、前記仮想対象物の画像を前記表示手段に表示し、前記移動携帯端末の前記状態に基づいて、前記仮想対象物が捕獲されたか否かを判断する、請求項2記載の移動携帯端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図16】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図16】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2011−19810(P2011−19810A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168913(P2009−168913)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(396025861)新世代株式会社 (138)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(396025861)新世代株式会社 (138)
【Fターム(参考)】
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