説明

移動通信システム、基地局装置、MME及び移動局装置

【課題】基地局装置のカウンティング機能によりネットワークリソースを効率的に割り当てる制御方法を定めることにより、ネットワークリソースを有効活用出来る移動通信システム等を提供すること。
【解決手段】MBMSベアラサービスにおいて、MBMSベアラリソースを割り当てて確立するMBMSベアラの情報がMBMSベアラコンテキストに含まれており、基地局装置(eNB)は、移動局装置(UE)に、サービス識別子を含む確認メッセージを送信し、移動局装置(UE)からの応答に基づいて、マルチキャストデータ配信に参加している移動局装置(UE)の数をカウントし、前記カウントした数が0の場合には、前記マルチキャストデータのMBMS登録解除要求をMMEに送信することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、BM−SCから、MBMSベアラが確立されたMBMS GW及びMMEを経由して基地局装置に接続される移動局装置によりマルチキャストデータ配信を行う移動通信システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPPにて、EPS(Evolved Packet Core)によるマルチキャストデータ配信およびブロードキャストデータ配信を行うMBMSベアラサービスを提供する方法としてMBMS(Multimedia Broadcast/Multicast Service)が規格化されている。
【0003】
例えば、非特許文献1によれば、MBMSサービスエリアはあるMBMSセッションを行う範囲として定義される。例えば全国や関東等の地域単位でサービスエリアを設定し、当該サービスエリア内の複数の基地局装置のセルによって構成される。そして、コアネットワークに接続するUTRAN等の無線アクセスネットワークにマルチキャストの配信経路を設定し、サービスエリア内の各セルの基地局装置(eNodeB)や、無線ネットワーク制御局(RNC)が、端末(UE)にMBMSベアラを設定し、データを配信する。
【0004】
ここで、MBMSサービスを開始するにあたり、まず、MBMS登録を行わなければならない。MBMS登録とは、データ配信を行う装置において、配送先の装置を記した配信リストを作成することである。
【0005】
MBMS登録では、URTRANなどの無線アクセスネットワーク内の装置やコアネットワーク内の装置で配信リストを作成する。これによりMBMS登録を行った後に、MBMSセッションを開始することによって、配送元装置から複数の装置を経由して、移動局装置はデータを受信することができる。
【0006】
こうした従来のマルチキャストデータ配信は、基地局装置のセル単位ではなく、MBMSサービスエリア単位で配信している。そのため、MBMSサービスエリア内に配信すべき端末が在圏していないセルがある場合も、そのセルの基地局装置にマルチキャストデータが配信される。
【0007】
今後こうしたマルチキャストデータ配信のサービスは、サービスエリアを比較的広範囲としている従来のブロードキャストサービスに加え、狭い範囲のみを対象としたブロードキャストサービスも増加していく等多様化していくことが予想される。
【0008】
さらには、こうしてサービス形態が多様化すれば、配信するマルチキャストデータも広く配信する公共的な用途のものからパーソナルコミュニティに向けたもの等多様化し、種類も著しく増加していくことが予想される。
【0009】
例えば、非特許文献2にあるように、旅行のガイドツアー等のユースケースが挙げられている。また、例えばスポーツやコンサート会場、ショッピングセンター等の集客施設の客を対象としたマルチキャストサービスも考えられる。さらに、災害被災地の被災者に対してのみ情報配信を行うようなケースも考えられる。
【0010】
こうしたサービス形態や配信データの増加していく流れに対して最適化することなく、すべて一元的に個々のマルチキャスト配信データに対してMBMSベアラ等の通信路を確立し、受信端末の有無に関わらず通信路にデータを配信していた。これにより、トラフィックが増加したり、無線リソースが不足したりするといった新たな問題が発生してしまう。
【0011】
このような問題点を解決するために、近年では、基地局装置においてマルチキャストデータを受信している端末をカウンティングするカウンティング機能の検討が始まっている。基地局装置は受信端末がいなくなったことを検知した場合には、基地局装置と端末間でマルチキャストデータ配送のために割り当てた無線リンクの通信帯域を解放、またはモード変更等により最適化をする等無線区間のリソースを効率的に利用する。さらに、端末が再度あらわれた場合には無線リソースの再割り当てを行う。このように、カウンティング機能による無線リソースの効率利用の検討が行われている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】TS 23.246、Technical Specification Group Services and Architecture; Multimedia Broadcast/Multicast Service (MBMS); Architecture and functional description
【非特許文献2】3GPP TR 22.947、Technical Specification Group Services and System Aspects; Study on Personal Broadcast Service
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従来の基地局装置のカウンティング結果に基づいた効率化は、基地局装置と端末間の無線通信区間のリソースを効率利用する方法のみであり、マルチキャストデータの配信元の装置から基地局装置の間のネットワーク内部の通信区間のリソースを効率利用する方法はなかった。
【0014】
つまり、カウンティング機能により、基地局装置がマルチキャストデータを受信する端末がいないことを検知したとしても、ネットワーク内部に設置されるマルチキャスト配信元の装置から基地局装置まではマルチキャストデータが配送されてしまう。これまでは、カウンティング機能を利用してトラヒックを削減し、ネットワークリソースを効率的に利用する解決方法がなかった。
【0015】
このように、カウンティング機能により基地局装置と端末間の無線リソースの有効利用については考慮されているものの、ネットワーク内のネットワークリソースを効率的に利用することはできないとい問題点があった。
【0016】
上述した非特許文献1では、あるサービスへのMBMS登録を解除する手続きが示されているが、その方法として、基地局装置が主導してマルチキャストデータおよびブロードキャストデータの配送元となる装置に対してMBMS登録を解除する手続きが示されている。
【0017】
しかしながら、基地局装置において、MBMS登録解除手続きの開始を判断する具体的な手段についてはなんら示されていなかった。さらに、データ配送経路の上流に位置する各装置においても、更なる上流のデータ配送元の装置に対してMBMS登録解除手続きを開始する具体的手段について示されていない。
【0018】
さらに、ユーザの利便性を考慮すると、ユーザの視聴の有無に即応してMBMS登録手続きやMBMS登録解除手続きが行われる必要があるが、従来では効率的にそれらを行うことができなかった。
【0019】
具体的には、マルチキャストモードでは、ユーザによるサービスからの離脱を要求するデアクティベーション手続きを行い、その完了を契機にMBMS登録解除手続きが開始される。さらに、配信を再開する際にもサービス参加のためのアクティベーションを必要とする。そのため、移動局装置において一時的に電源OFFとなったり、一時的にMBMSサービスを提供する基地局装置から外れてしまったりした場合などにおいても、デアクティベーション手続きが必要であった。
【0020】
上記のように、MBMS登録解除に対してデアクティベーション手続きなどの制御メッセージの送受信が必要になるなど、通信リソースが非効率に利用されている。また、MBMS登録解除手続きは本来移動局装置に処理を必要としないが、デアクティベーション手続きには移動局装置に制御メッセージの送受信が必要となる。つまり移動局装置に処理を必要としないMBMS登録解除が行えない複雑な手続きを要し、非効率であった。
【0021】
これにより、基地局装置がカウンティング結果に基づいてデータ受信端末がいないことを検知した場合や、移動局装置(端末)がリソース解放の要求を行わずに異なる基地局装置に移動したことや、移動局装置の電源をオフにしたことを基地局装置が検知した場合等においては、移動局装置に処理を伴わない効率的なMBMS登録解除ができなかった。結果、ネットワークリソースは実際に必要でないにも関わらず、割り当てられたままトラヒックが流れ、リソースを無駄にしていた。
【0022】
また、ネットワークリソースを有効に利用するために一時的に配信を停止する方法としては、従来のセッション停止手続きを行う方法が考えられる。しかしながら、従来手法では、配信元から配信先にセッションを停止する手続きしか規定されておらず、配信先から配信元へセッション停止を要求することができなかった。つまり、基地局装置から配信元へセッション停止を要求することができなかった。
【0023】
また、基地局装置から配信元へセッション停止を要求するよう拡張したとしても新たな課題が生じる。セッション停止要求を受けた装置は、配信を止めリソースを一時的に解放することができるが、配信リストの削除は行わない。そのため、例えば、従来は、1)セッションが開始された状態で、2)基地局装置主導でセッションのみを停止した場合に、3)マルチキャストデータ(ブロードキャストデータ)の配送元主導で総てのセッションが停止された後に、4)マルチキャストデータ(ブロードキャストデータ)の配送元主導で総てのセッションが再開された場合には、配信リストに含められた総てのノード(例えば、MBMS GW、基地局装置)に通信リソースが割り当てられてしまい、基地局装置主導で停止したセッションさえも再開されてしまっていた。つまり、1)において不必要なリソースを解放したものの、再度不必要なリソースが割り当てられることになる。
【0024】
したがって、通信リソースを効率的に活用するためには、MBMS登録解除手続きにより配信リストの更新を行い、例えば4)のようにマルチキャストデータ(ブロードキャストデータ)の配送元の主導でセッションが再開された場合にも、必要のない装置への配信は再開されないようにする必要がある。これは、データ配送のためのリソースの効率化だけでなく、不必要な装置への制御手続きを不要とするためにも必要となる。
【0025】
上述した課題を解決するために、本発明の目的は、基地局装置のカウンティング機能によりネットワークリソースを効率的に割り当てる制御方法を定めることにより、ネットワークリソースを有効活用出来る移動通信システム等を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記課題を解決するために、本発明に係る移動通信システム等は、以下の特徴を備えている。
【0027】
本発明の移動通信システムは、
BM−SC(Broadcast Multicast Service Center)から、MBMS(Multimedia Broadcast/Multicast Service)ベアラが確立されたMBMS GW(MBMS GateWay)及びMME(Mobility Management Entity)を経由して基地局装置に接続される移動局装置にMBMSベアラサービスによりマルチキャストデータ配信を行う移動通信システムにおいて、
前記MMEは、前記基地局装置をMBMS登録しており、
前記MBMSベアラサービスにおいて、MBMSベアラリソースを割り当てて確立するMBMSベアラの情報がMBMSベアラコンテキストに含まれており、
前記基地局装置は、
前記移動局装置に、サービス識別子を含む確認メッセージを送信し、前記移動局装置からの応答に基づいて、マルチキャストデータ配信を必要としている移動局装置の数をカウントし、前記カウントした数が0の場合には、前記マルチキャストデータのMBMS登録解除要求をMMEに送信することを特徴とする。
【0028】
また、本発明の移動通信システムにおいて、前記サービス識別子には、TMGI(Temporary Mobile Group Identify)を含むことを特徴とする。
【0029】
また、本発明に移動通信システムにおいて、前記MMEは、MBMS登録解除要求を受信した場合には、MBMSベアラコンテキストの配信リストから、MBMS登録解除要求を送信した基地局装置を削除することを特徴とする。
【0030】
また、本発明の移動通信システムにおいて、前記基地局装置は、MBMS登録解除要求をMMEに送信するのと併せて、MBMSベアラリソースを解放することを特徴とする。
【0031】
また、本発明の移動通信システムにおいて、前記MMEは、前記MBMSベアラコンテキストの配信リストに含まれる前記基地局装置が無くなった場合には、MBMSベアラコンテキストに対応づけられるMBMS登録解除要求をMBMS GWに送信し、
MBMS GWは、MBMSベアラコンテキスト内の配信リストからMBMS登録解除要求を送信した基地局装置を削除することを特徴とする。
【0032】
また、本発明の移動通信システムにおいて、前記MBMS GWは、前記MBMSベアラコンテキストの配信リストに含まれるマルチキャストデータ配信を行う前記基地局装置が無くなった場合には、MBMSベアラコンテキストに対応づけられるMBMS登録解除要求をBM−SCに送信し、
BM−SCは、MBMSベアラコンテキスト内の配信リストからMBMS登録解除要求を送信したMBMS GWを削除することを特徴とする。
【0033】
本発明の移動通信システムは、BM−SC(Broadcast Multicast Service Center)から、MBMS(Multimedia Broadcast/Multicast Service)ベアラが確立されたMBMS GW(MBMS GateWay)及びMME(Mobility Management Entity)を経由して基地局装置に接続される移動局装置にMBMSベアラサービスによりブロードキャストデータ配信を行う移動通信システムにおいて、
前記MMEは、前記基地局装置をMBMS登録しており、
前記MBMSベアラサービスにおいて、MBMSベアラリソースを割り当てて確立するMBMSベアラの情報がMBMSベアラコンテキストに含まれており、
前記基地局装置は、
前記移動局装置に、サービス識別子を含む確認メッセージを送信し、前記移動局装置からの応答に基づいて、ブロードキャストデータ配信を必要としている移動局装置の数をカウントし、前記カウントした数が0の場合には、前記ブロードキャストデータのMBMS登録解除要求をMMEに送信することを特徴とする。
【0034】
また、本発明の移動通信システムにおいて、前記サービス識別子には、TMGI(Temporary Mobile Group Identify)を含むことを特徴とする。
【0035】
また、本発明の移動通信システムにおいて、前記MMEは、MBMS登録解除要求を受信した場合には、MBMSベアラコンテキストの配信リストから、MBMS登録解除要求を送信した基地局装置を削除することを特徴とする。
【0036】
また、本発明の移動通信システムにおいて、前記基地局装置は、MBMS登録解除要求をMMEに送信するのと併せて、セッションを停止要求を含めて送信することを特徴とする。
【0037】
また、本発明の移動通信システムにおいて、前記MMEは、前記MBMSベアラコンテキストの配信リストに含まれるブロードキャストデータ配信を行う前記基地局装置が無くなった場合には、MBMSベアラコンテキストに対応づけられるMBMS登録解除要求をMBMS GWに送信し、
MBMS GWは、MBMSベアラコンテキスト内の配信リストからMBMS登録解除要求を送信した基地局装置を削除することを特徴とする。
【0038】
また、本発明の移動通信システムにおいて、前記MBMS GWは、前記MBMSベアラコンテキストの配信リストに含まれるブロードキャストデータ配信を行う基地局装置が無くなった場合には、MBMSベアラコンテキストに対応づけられるMBMS登録解除要求をBM−SCに送信し、
BM−SCは、MBMSベアラコンテキスト内の配信リストからMBMS登録解除要求を送信したMBMS GWを削除することを特徴とする。
【0039】
本発明の基地局装置は、BM−SC(Broadcast Multicast Service Center)から、MBMS(Multimedia Broadcast/Multicast Service)ベアラが確立されたMBMS GW(MBMS GateWay)及びMME(Mobility Management Entity)を経由して基地局装置に接続される移動局装置にMBMSベアラサービスによりマルチキャストデータ配信を行う移動通信システムに接続される基地局装置において、
前記MBMSベアラサービスにおいて、MBMSベアラリソースを割り当てて確立するMBMSベアラの情報がMBMSベアラコンテキストに含まれており、
前記基地局装置において、マルチキャストデータ配信を必要としている移動局装置がいない場合に送信されるマルチキャストデータのMBMS登録解除要求をMMEに送信することを特徴とする。
【0040】
本発明の基地局装置は、BM−SC(Broadcast Multicast Service Center)から、MBMS(Multimedia Broadcast/Multicast Service)ベアラが確立されたMBMS GW(MBMS GateWay)及びMME(Mobility Management Entity)を経由して基地局装置に接続される移動局装置にMBMSベアラサービスによりブロードキャストデータ配信を行う移動通信システムに接続される基地局装置において、
前記MBMSベアラサービスにおいて、MBMSベアラリソースを割り当てて確立するMBMSベアラの情報がMBMSベアラコンテキストに含まれており、
前記移動局装置に、サービス識別子を含む確認メッセージを送信し、前記移動局装置からの応答に基づいて、ブロードキャストデータ配信を必要としている移動局装置の数をカウントし、前記カウントした数が0の場合には、前記ブロードキャストデータのMBMS登録解除要求をMMEに送信することを特徴とする。
【0041】
本発明のMMEは、BM−SC(Broadcast Multicast Service Center)から、MBMS(Multimedia Broadcast/Multicast Service)ベアラが確立されたMBMS GW(MBMS GateWay)及びMME(Mobility Management Entity)を経由して基地局装置に接続される移動局装置にMBMSベアラサービスによりマルチキャストデータ配信を行う移動通信システムに接続されるMMEにおいて、
前記基地局装置をMBMS登録しており、
前記MBMSベアラサービスにおいて、MBMSベアラリソースを割り当てて確立するMBMSベアラの情報がMBMSベアラコンテキストに含まれており、
前記基地局装置から、マルチキャストデータ配信を必要としている移動局装置が無くなった場合に送信されるマルチキャストデータのMBMS登録解除要求を受信し、
前記MBMS登録解除要求を受信した場合には、MBMSベアラコンテキストの配信リストから、MBMS登録解除要求を送信した基地局装置を削除することを特徴とする。
【0042】
本発明のMMEは、BM−SC(Broadcast Multicast Service Center)から、MBMS(Multimedia Broadcast/Multicast Service)ベアラが確立されたMBMS GW(MBMS GateWay)及びMME(Mobility Management Entity)を経由して基地局装置に接続される移動局装置にMBMSベアラサービスによりブロードキャストデータ配信を行う移動通信システムに接続されるMMEにおいて、
前記基地局装置をMBMS登録しており、
前記MBMSベアラサービスにおいて、MBMSベアラリソースを割り当てて確立するMBMSベアラの情報がMBMSベアラコンテキストに含まれており、
前記基地局装置から、ブロードキャストデータ配信を必要としている移動局装置が無くなった場合に送信されるブロードキャストデータのMBMS登録解除要求を受信し、
前記MBMS登録解除要求を受信した場合には、MBMSベアラコンテキストの配信リストから、MBMS登録解除要求を送信した基地局装置を削除することを特徴とする。
【0043】
本発明の移動局装置は、上述した発明に記載の移動通信システムに接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、BM−SCから、MBMSベアラが確立されたMBMS GW及びMME、基地局装置に接続される移動局装置にMBMSベアラサービスによりマルチキャストデータ配信を行う移動通信システムにおいて、基地局装置は、カウンティング機能を利用して、マルチキャストデータを受信するUEの数が0であると検知し、マルチキャストデータ配信のMBMS登録解除することを決定した場合には、MBMS登録解除要求をMMEに送信し、マルチキャストデータのMBMS登録を解除するとともにセッション停止することにより、MBMS GWからの配信を停止することとなる。
【0045】
これにより、従来は、基地局装置が主導してMBMS登録を解除手続きが規定されていたが、ユーザの視聴の有無に即応してMBMS登録手続きやMBMS登録解除手続きを行うことができなかった。
【0046】
しかしながら、基地局装置が、移動局装置の受信の要否の結果に基づいて、MBMS登録解除手続きによる配信リストにおける配送先装置を削除するとともに、セッション停止手続きで行われたリソースの解放を併せて行うことができるようになる。
【0047】
また、マルチキャストモードのように、ユーザによるサービスからの離脱を要求するデアクティベーション手続きを行い、その完了を契機にMBMS登録解除手続きが開始され、配信を再開する際にもサービス参加のためのアクティベーションを必要としていたが、ユーザの視聴の有無をカウンティング機能により検出することで、デアクティベーション手続きを行うことなくサービス配信を停止することができ、また、そのような場合にサービス配信を再開する際にもアクティベーション手続きを行うことなく、サービスを受信することが可能となる。また、移動局装置において一時的に電源OFFとなったり、一時的にMBMSサービスを提供する基地局装置から外れてしまったりした場合などにおいても、デアクティベーション手続きを行う必要がなくなる。
【0048】
上記のように、MBMS登録解除に対してデアクティベーション手続きなどの制御メッセージの送受信が不要になるため、通信リソースを効率に利用することができる。また、デアクティベーション手続きには移動局装置に制御メッセージの送受信が不要となり、移動局装置による処理を行くことなく、基地局装置主導で効率的にMBMS登録解除が行うことができる。
【0049】
これにより、基地局装置がカウンティング結果に基づいてデータ受信端末がいないことを検知した場合や、移動局装置(端末)がリソース解放の要求を行わずに異なる基地局装置に移動したことや、移動局装置の電源をオフにしたことを基地局装置が検知した場合等において、移動局装置に処理を伴わない効率的なMBMS登録解除を行うことができる。結果、ネットワークリソースは実際に必要でないにも関わらず、割り当てられたままトラヒックが流れ、リソースを無駄にするという状況を回避することができる。
また、従来手法では、配信元から配信先にセッションを停止する手続きしか規定されておらず、配信先から配信元へセッション停止を要求することができなかった。つまり、基地局装置から配信元へセッション停止を要求することができなかった。さらに、基地局装置から配信元へセッション停止を要求するよう拡張したとしてもセッション停止要求を受けた装置は、配信を止めリソースを一時的に解放することができるが、配信リストの配送先ノードの削除は行わない。
【0050】
そのため、例えば、1)セッションが開始された状態で、2)eNB主導でセッションのみを停止した場合に、3)BM−SC主導で総てのセッションが停止された後に、4)BM−SC主導で総てのセッションが再開された場合には、配信リストに含められた総てのノード(MBMS GW、MME、基地局装置)に通信リソースが割り当てられてしまい、NB主導で停止したセッションさえも再開されてしまうという問題があった。
【0051】
しかしながら、MBMS登録解除手続きにより配信リストからの配信先装置の更新を行い、例えば、4)のようにBM−SC主導でセッションが再開された場合にも、不必要なセッションが開始されなくなる。
【0052】
また、セッションを不必要に開始されないことにより、セッションを開始する際に必要とする制御情報のやりとりを減らすことができ、セッション開始手続きに要する通信リソースを非効率に利用されることなく、通信リソースを有効に活用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】第1実施形態における移動通信システムの概略を示した図である。
【図2】第1実施形態におけるBM−SCの機能構成を説明する為の図である。
【図3】BM−SCにおけるMBMSサービスDBのデータ構成の一例を示した図である。
【図4】BM−SCにおけるMBMSベアラコンテキストのデータ構成の一例を示した図である。
【図5】BM−SCにおけるMBMS UEベアラコンテキストのデータ構成の一例を示した図である。
【図6】第1実施形態におけるMBMS GWの機能構成を説明する為の図である。
【図7】MBMS GWにおけるMBMSベアラコンテキストのデータ構成の一例を示した図である。
【図8】MBMS GWにおける上流コントロールノードDBのデータ構成の一例を示した図である。
【図9】MBMS GWにおけるMBMS UEベアラコンテキストのデータ構成の一例を示した図である。
【図10】第1実施形態におけるMMEの機能構成を説明する為の図である。
【図11】MMEにおけるMBMSベアラコンテキストのデータ構成の一例を示した図である。
【図12】MMEにおけるMBMS UEベアラコンテキストのデータ構成の一例を示した図である。
【図13】第1実施形態におけるeNBの機能構成を説明する為の図である。
【図14】eNBにおけるMBMSベアラコンテキストのデータ構成の一例を示した図である。
【図15】eNBにおける無線フレーム情報のデータ構成の一例を示した図である。
【図16】eNBにおけるMBMS UEベアラコンテキストのデータ構成の一例を示した図である。
【図17】第1実施形態における処理の流れについて説明した図である。
【図18】第1実施形態における処理の流れについて説明した図である。
【図19】第1実施形態におけるベアラコンテキストの変化について説明する為の図である。
【図20】第1実施形態における処理の流れについて説明した図である。
【図21】第1実施形態における処理の流れについて説明した図である。
【図22】第1実施形態における動作について説明した図である。
【図23】第1実施形態における動作について説明した図である。
【図24】第2実施形態における処理の流れについて説明した図である。
【図25】第2実施形態におけるベアラコンテキストの変化について説明する為の図である。
【図26】第2実施形態における処理の流れについて説明した図である。
【図27】第2実施形態における処理の流れについて説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
[1.第1実施形態]
[1.1 システム構成]
図1は、本発明を適用した場合における移動通信システム1の概要を説明するための図である。移動通信システム1は、ブロードキャスト・マルチキャストサービスセンタであるBM−SC(Broadcast-Multicast Service Center)10、ゲートウェイ装置であるMBMS GW(MBMS GateWay)20及びサービス制御装置であるMME(Mobility Management Entity)30を含むコアネットワーク5と、基地局装置であるeNB40と、移動局装置であるUE50とを含んで構成されている。
【0055】
コアネットワーク5にeNB40が接続されており、eNB40にUE50が接続可能な状態で構成されている。具体的には、BM−SC10の下位にはMBMS GW20が接続されており、MBMS GW20の下位にはMME30を介して又は直接eNB40が接続されている。さらに、eNB40の下位にはUE50が接続されている。
【0056】
ここで、本実施形態の図1においては、説明の都合上、各構成装置が1つとして記載されているが、複数の装置が接続されていてもよい。例えば、一又は複数のMBMS GWを移動通信システム1は含んでおり、各MBMS GWの下位に一又は複数のMME、eNBがそれぞれ接続されている。また、UEもeNBに一又は複数接続可能である。
【0057】
[1.2 装置構成]
続いて、各装置の機能構成について、図を用いて説明する。
【0058】
[1.2.1 BM−SC]
BM−SC10の機能構成について、図2を用いて説明する。BM−SC10は、制御部100に、送受信部110と記憶部120とが接続されている。
【0059】
制御部100は、BM−SC10の全体を制御するための機能部である。制御部100は、記憶部120に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えばCPU(Central Process Unit)により構成されている。
【0060】
送受信部110は、ネットワークに接続されるインタフェース部であり、例えばネットワークを介してMBMS GW20と接続されている。
【0061】
記憶部120は、BM−SC10の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶部120は、例えば、半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。また、本実施形態においては、MBMSサービスDB122と、MBMSベアラコンテキスト124と、MBMS UEコンテキスト126とがそれぞれ記憶されている。
【0062】
MBMSサービスDB122は、配信可能なMBMSベアラサービスを管理するために、MBMSベアラサービス毎の配信データのサービス識別子を記憶するDBである。図3に、MBMSサービスDB122のデータ構成の一例を示す。
【0063】
ここで、「サービス識別子」としては種々のものが用いられるが、例えば、
(1)MBMSベアラコンテキストを識別するTMGI(Temporary Mobile Group Identity)
(2)その他の識別子(例えば、BM−SC10を運用してサービス事業を行う事業者が割り当てる識別子)等が利用可能である。
【0064】
本実施形態では、(1)のTMGIを利用することとして説明する。具体的には、MBMSベアラサービスでマルチキャストデータ配信時、サービス毎に生成するMBMSベアラコンテキスト124を識別するTMGIを用いる。ここで、TMGIとは、従来携帯電話サービスで利用されている一時的に割り当てられた加入者識別情報だが、MBMSにおいてはMBMSベアラサービスを識別する情報として利用されている。
【0065】
MBMSベアラコンテキスト124は、MBMSベアラサービス毎に生成され、マルチキャストデータを配送するために確立するMBMSベアラの管理情報である。図4に、MBMSベアラコンテキスト124のデータ構成の一例を示す。
【0066】
MBMSベアラコンテキスト124は、MBMS登録の際に必要とするTMGI等のMBMSベアラサービス識別子(例えば、「TMGI1」)と、配信のために確立するセッションの識別子(例えば、「セッションID」)と、マルチキャストモードかブロードキャストモードかを識別するためのモード(例えば、「マルチキャスト」)と、MBMSベアラの状態をアクティブかサスペンドかを管理する状態情報(例えば、「アクティブ」)と、データ配信先の配信ノード(例えば、「MBMS GW20」)と、UEカウンタ(例えば、「N」)とが含まれている。
【0067】
ここで、配信ノードは、配信するノードを特定する情報を記憶しており、例えばIPアドレス(図4の場合はMBMS GW20のIPアドレス)が記憶される。ここで、配信ノードは一又は複数記憶することができる。
【0068】
また、配信ノード又は後述する上位配信ノードが各装置に記憶されることから、移動通信システム1の配信リストが形成される。配信リストとは、配信ノードを特定するためのものであり、配信リストに従って、BM−SC10とUE50間のベアラが確立される。
【0069】
ここで、各装置を所定の配信リストに登録する場合には、各装置が記憶しているMBMSベアラコンテキストの配信ノードに関する情報をそれぞれ更新・登録すれば良い。逆に配信リストから外れる場合は、各装置が記憶しているMBMSベアラコンテキストの配信ノードに関する情報から、所定の装置を削除すれば良い。
【0070】
ここで、UEカウンタとは、MBMSベアラサービスのマルチキャストデータの受信が必要なUEの数である。これは基地局装置(eNB40)のカウンティング機能によりカウントされた数に基づいたものであり、例えば、eNB40に接続しているUE50自体の数でも良いし、UE50の内、マルチキャストグループに参加しているUE50の数でも良い。更に、ユーザが実際に視聴している端末(UE50)、すなわちユーザが視聴アプリケーションを起動していない状態を検知するなどして、一時的に視聴をしていないUE50を除いた数であったり、ユーザにより受信が必要であることを通知するUE50の数であってもよい。
【0071】
さらに、BM−SC10は、MBMSベアラコンテキスト124に複数の配信ノードであるMBMS GWの情報を記憶している場合、MBMS GW毎にそれぞれ異なるUEカウンタを記憶し、UEの数をカウントすることが出来る。したがって、BM−SC10は、MBMS GW20へ配信するマルチキャストデータの視聴端末数を記憶することが可能である。
【0072】
MBMS UEコンテキスト126は、MBMSサービス毎に生成され、UEがMBMSサービスに参加することを示すUEの管理情報である。BM−SC10は、MBMS UEコンテキスト126を参照し、MBMSサービス毎にユーザ登録し、MBMSサービス毎に課金を行うことができる。図5に、MBMSベアラコンテキスト126のデータ構成の一例を示す。
【0073】
MBMS UEコンテキスト126は、MBMSサービスへアクティベーションする場合に必要とするIPマルチキャストアドレス(例えば、「IPマルチキャストアドレス1」)と、UE50が初期接続時に、IPアドレスを取得する際に必要とするAPN(Access Point Name)の情報(例えば、「APN1」)と、UEを識別するために用いられるIMSI(International Mobile Subscriber Identity)の情報(例えば「IMSI1」)とが含まれている。
【0074】
[1.2.2 MBMS GW]
続いて、MBMS GW20の機能構成について、図6を用いて説明する。MBMS GW20は、制御部200に、送受信部210と記憶部220とが接続されている。
【0075】
制御部200は、MBMS GW20の全体を制御するための機能部である。制御部200は、記憶部220に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えばCPU(Central Process Unit)により構成されている。
【0076】
送受信部210は、ネットワークに接続されるインタフェース部であり、例えばネットワークを介してBM−SC10と、MME30と、eNB40とに接続されている。
【0077】
記憶部220は、MBMS GW20の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶部220は、例えば、半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。また、本実施形態においては、MBMSベアラコンテキスト222と、上流コントロールノードDB224と、MBMS UEコンテキスト226がそれぞれ記憶されている。ここで、MBMSベアラコンテキスト222は、TMGIで一意に識別することができる。
【0078】
MBMSベアラコンテキスト222は、MBMSベアラサービス毎に生成し、マルチキャストデータを配送するために必要な管理情報である。図7に、MBMSベアラコンテキスト222のデータ構成の一例を示す。
【0079】
MBMSベアラコンテキスト222は、TMGI等のMBMSベアラサービス識別子(例えば、「TMGI1」)と、配信のために確立するセッションの識別子(例えば、「セッションID」)と、IPマルチキャスト通信を行うためのIPマルチキャストアドレス(例えば、「IPマルチキャストアドレス1」)と、マルチキャストモードかブロードキャストモードかを識別するためのモード(例えば「マルチキャスト」)と、MBMSベアラの状態をアクティブかサスペンドかを管理する状態情報(例えば、「アクティブ」)と、MBMS制御装置の情報(例えば、「MME30」)と、配信ノードに関する情報(例えば、MME30)と、UEカウンタ(例えば、「N」)とが含まれている。
【0080】
ここで、配信ノードは、配信するノードを特定する情報を記憶しており、例えばIPアドレス(図7の場合はeNB40のIPアドレス)が記憶される。また、配信ノードは複数記憶することができる。
【0081】
IPマルチキャストアドレスは、MBMSベアラコンテキストを生成するMBMSベアラサービス毎に記憶される。
【0082】
UEカウンタは、MBMSベアラサービスのマルチキャストデータを受信する移動局装置(端末)の数である。これは基地局装置(eNB40)のカウンティング機能によりカウントされた数に基づいたものであり、ユーザが実際に視聴している移動局装置の数等である。
【0083】
さらに、MBMS GW20は、MBMSベアラコンテキスト222に複数の配信ノードであるeNB40の情報を記憶している場合、eNB40毎にそれぞれことなるUEカウンタを記憶し、UEの数をカウントすることが出来る。したがって、MBMS GW20は、eNB40へ配信するマルチキャストデータの視聴端末数を記憶することが可能である。
【0084】
上流コントロールノードDB224は、上流のマルチキャストデータ配信装置を特定するための情報を記憶するためのDBである。図8に上流コントロールノードDB224の構成の一例を示す。本実施形態においては、BM−SC10に関する情報について記憶しており、例えば、BM−SC10のIPアドレスが記憶されている。
【0085】
上流コントロールノードDB224は、図8に示すように一つの上流コントロールノード(BM−SC10)を記憶する。あるいは、サービス毎に複数の上流コントロールノード(BM−SC10)を記憶してもよい。その場合には、TMGI等で識別できるMBMSベアラコンテキスト毎に記憶する。
【0086】
MBMS UEコンテキスト226は、MBMSサービス毎に生成され、UE50がMBMSサービスに参加することを示すUE50の管理情報である。MBMS GW20は、あるMBMSサービスにおいて最初のMBMS UEコンテキストが生成された場合、MBMS登録を行う。また、あるMBMSサービスにおいて、最後のMBMS UEコンテキスト226が削除された場合、MBMS登録解除する。図9に、MBMS UEコンテキスト226のデータ構成の一例を示す。
【0087】
MBMS UEコンテキスト226は、MBMSサービスへアクティベーションする場合に必要とするIPマルチキャストアドレス(例えば、「IPマルチキャストアドレス1」)と、UE50が初期接続時に、IPアドレスを取得する際に必要とするAPNの情報(例えば、「APN1」)と、サービス配信において経由するeNB(例えば、「eNB40」)と、UEを識別するために用いられるIMSIの情報(例えば、「IMSI1」)とが含まれている。
【0088】
[1.2.3 MME]
続いて、MME30の機能構成について、図8を用いて説明する。MME30は、制御部300に、送受信部310と記憶部320とが接続されている。
【0089】
制御部300は、MME30の全体を制御するための機能部である。制御部300は、記憶部320に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えばCPU(Central Process Unit)により構成されている。
【0090】
送受信部310は、ネットワークに接続されるインタフェース部であり、例えばネットワークを介してMBMS GW20と、eNB40とに接続されている。
【0091】
記憶部320は、MME30の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶部320は、例えば、半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。また、本実施形態においては、MBMSベアラコンテキスト322とMBMS UEコンテキスト324とが記憶されている。
【0092】
MBMSベアラコンテキスト322は、MBMSベアラサービス毎に生成され、マルチキャストデータを配送するために必要な管理情報である。図11に、MBMSベアラコンテキスト322のデータ構成の一例を示す。ここで、MBMSベアラコンテキスト322は、TMGIで一意に識別することができる。
【0093】
具体的には、TMGI等のMBMSベアラサービス識別子(例えば、「TMGI1」)と、配信のために確立するセッションの識別子(例えば、「セッションID」)と、IPマルチキャスト通信を行うためのIPマルチキャストアドレス(例えば、「IPマルチキャストアドレス1」と、マルチキャストモードかブロードキャストモードかを識別するためのモード(例えば、「マルチキャスト」)と、MBMSベアラの状態をアクティブかサスペンドかを管理する状態情報(例えば、「アクティブ」)と、データ配信先の配信ノード(例えば、「NB40」)と、上位の配信ノードとなる上位配信ノード(例えば、「MBMS GW20」)と、UEカウンタ(例えば、「N」)とが含まれている。
【0094】
ここで、配信ノード及び上位配信ノードは、それぞれのノードを特定する情報を記憶しており、例えばIPアドレス(図11の場合はNB40や、MBMS GW20のIPアドレス)が記憶される。また、配信ノードは複数記憶することができる。
【0095】
IPマルチキャストアドレスは、MBMSベアラコンテキスト322を生成するMBMSベアラサービス毎に記憶する。
【0096】
UEカウンタは、MBMSベアラサービスのマルチキャストデータを受信する移動局装置(端末)の数である。これは基地局装置(eNB40)のカウンティング機能によりカウントされた数に基づいたものであり、ユーザが実際に視聴している端末の数等である。
【0097】
さらに、MME30は、MBMSベアラコンテキスト322に複数の配信ノードであるeNBの情報を記憶している場合、eNB毎にそれぞれことなるUEカウンタを記憶し、UEの数をカウントすることが出来る。したがって、MME30は、eNB40へ配信するマルチキャストデータの視聴端末数を記憶することが可能である。
【0098】
MBMS UEコンテキスト324は、MBMSベアラサービス毎に生成され、マルチキャストデータ配信におけるUE50の管理情報である。MME30は、あるMBMSサービスにおいて最初のMBMS UEコンテキスト324が生成された場合、MBMS登録をする。また、あるMBMSサービスにおいて、最後のMBMS UEコンテキストが生成された場合、MBMS登録解除する。図12に、MBMS UEコンテキスト324のデータ構成の一例を示す。
【0099】
MBMS UEコンテキスト324は、MBMSサービスへアクティベーションする場合に必要とするIPマルチキャストアドレス(例えば、「IPマルチキャストアドレス1」)と、UE50が初期接続時に、IPアドレスを取得する場合に必要とするAPNの情報(例えば、「APN1」)と、データ配信先の配信ノードの情報(例えば、「eNB40」)と、上位の配信ノードとなる上位配信ノードの情報(例えば、「MBMS GW20」)と、UE50が参加するマルチキャストサービスを示すTMGI(例えば、「TMGI1」)が含まれている。
【0100】
[1.2.4 eNB]
続いて、eNB40の機能構成について、図13を用いて説明する。eNB40は、制御部400に、送受信部410と記憶部420とが接続されている。
【0101】
制御部400は、eNB40の全体を制御するための機能部である。制御部400は、記憶部420に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えばCPU(Central Process Unit)により構成されている。
【0102】
送受信部410は、ネットワークに接続されるインタフェース部であり、例えばネットワークを介してMBMS GW20と、MME30と接続されており、UE50が接続可能である。
【0103】
記憶部420は、eNB40の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶部420は、例えば、半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。また、本実施形態においては、MBMSベアラコンテキスト422と、無線フレーム情報424と、MBMS UEコンテキスト426がそれぞれ記憶されている。
【0104】
MBMSベアラコンテキスト422は、MSMSベアラサービス毎に生成され、マルチキャストデータを配送するために必要な管理情報である。図14に、MBMSベアラコンテキスト422のデータ構成の一例を示す。
【0105】
MBMSベアラコンテキスト422は、TMGI等のMBMSベアラサービス識別子(例えば、「TMGI1」)と、配信のために確立するセッションの識別子(例えば、「セッションID」)と、IPマルチキャスト通信を行うためのIPマルチキャストアドレス(例えば、「IPマルチキャストアドレス1」)と、マルチキャストモードかブロードキャストモードかを識別するためのモード(例えば、「マルチキャスト」)と、MBMSベアラの状態をアクティブかサスペンドかを管理する状態情報(例えば、「アクティブ」)と、MBMS制御装置の情報(例えば、「MME30」)と、上位の配信ノードとなる上位配信ノードの情報(例えば、「MBMS GW20」)と、UEカウンタ(例えば、「N」)とが含まれている。
【0106】
ここで、上位配信ノードに関する情報は、ノードを特定する情報を記憶しており、例えばIPアドレス(図14の場合はMME30のIPアドレス)が記憶される。また、IPマルチキャストアドレスは、MBMSベアラコンテキストを生成するMBMSベアラサービス毎に記憶される。
【0107】
UEカウンタは、MBMSベアラサービスのマルチキャストデータを受信する移動局装置(端末)の数である。これはeNB40のカウンティング機能によりカウントされた数に基づいたものであり、ユーザが実際に視聴している移動局装置(UE50)の数等である。
【0108】
無線フレーム情報424は、MBMSベアラサービス毎に、eNB40がUE50へ無線区間を通して送信するための無線フレームの情報を記憶する。図15に、無線フレーム情報424のデータ構成の一例を示す。
【0109】
具体的には、MBMSベアラサービスを識別する識別子毎に(例えばTMGI毎)、マルチキャストモードかユニキャストモードかを示すモード情報(例えば、「フレームモード」)を記憶する。さらに、ユニキャストモードの場合には、フレーム配送するUE50のIMSI(International Mobile Subscriber Identity)等の識別情報が記憶されている。ここで、フレーム配送するUE(識別情報)については複数記憶することができる。
【0110】
MBMS UEコンテキスト426は、MBMSベアラサービス毎に生成され、マルチキャストデータ配信におけるUE50の管理情報である。eNB40は、あるMBMSサービスにおいて最初のMBMS UEコンテキストが生成された場合、MBMS登録する。また、あるMBMSサービスにおいて、最後のMBMS UEコンテキストが生成された場合、MBMS登録解除を行う。図16に、MBMS UEコンテキスト426のデータ構成の一例を示す。
【0111】
MBMS UEコンテキスト426は、MBMSサービスへアクティベーションする場合に必要とするIPマルチキャストアドレス(例えば、「IPマルチキャストアドレス1」)と、UE50が初期接続時に、IPアドレスを取得する際に必要とするAPN(例えば、「APN1」)と、UEが参加するマルチキャストサービスを示すTMGI(例えば、「TMGI1」)とが含まれている。
【0112】
[1.3 手続き処理]
続いて、本実施形態における移動通信システム1の手続き処理について、図を用いて説明する。
【0113】
[1.3.1 サービスアナウンスメント手続き]
まず、図17に示すように、BM−SC10はまず始めにUE50に対してサービスアナウンスメント手続きを行う(S100)。すなわち、BM−SC10は配信可能なサービスをUE50へ通知する。UE50は、これによりマルチキャストサービスを検知する。
【0114】
BM−SC10は、MBMSサービスDB122で管理されているサービスの配信が可能であることを、サービス識別子を通知することでUE50へ伝える。さらには、番組タイトルやコンテンツタイトル、配信開始時間等のサービスを説明する情報を付与して通知してもよい。
【0115】
ここで、サービス識別子としては種々のものが用いられるが、例えば、
(1)TMGI
(2)その他の識別子(例えば、事業者の設定したでMBMSベアラサービスを識別することができるその他の識別子)
等が利用可能である。本実施形態では、(1)のTMGIを利用することとして説明する。
【0116】
また、具体的な通知方法としては、種々の方法が考えられるが、例えば、SMS(Short Message Service)等を用いて、予め登録されている配信可能なUE50へ通知したり、不特定多数のUE50へ通知したり、WEBに情報を掲示して、UE50がWEBサーバにアクセスすることで情報を取得したりしてもよい。
【0117】
[1.3.2 アクティベーション手続き]
続いて、UE50は、サービスアナウンスメントで通知されたマルチキャストサービスに参加するためのアクティベーション手続きを行う(S102)。ここで、UE50がマルチキャストサービスに参加するためのアクティベーション手続きについて、図18を用いて説明する。
【0118】
本手続きは、UE50はMBMS GW20へIGMP参加要求を行うことにより、アクティベーション手続きが開始される(S200)。ここで、UE50がMBMS GW20へMBMSサービスに参加するための要求方法は種々存在するが、例えば、上記サービスアナウンスメントより通知されてきたサービスを一意に示す情報をUE50がMBMS GW20へ通知することが可能である。具体的には、IPv4で通信する場合には、IGMP Membership Reportを送信し、IPv6で通信する場合にはMLD Membership Reportを送信する。
【0119】
次に、MBMS GW20は、BM−SC10へUE50が参加要求をサービスに参加するためのMBMS承認要求を送信する(S202)。MBMS承認要求を受信したBM−SC10は、そのサービス規約に基づいて参加要求のあったUE50を承認する。ここで、承認対象となるUE50に対して課金処理を行っても良い。
【0120】
続いて、BM−SC10は、MBMS GW20へUE50を承認したことを示す承認応答を送信する(S204)。ここで、BM−SC10は、承認応答にAPNを含めて送信する。ただし、BM−SC10がUE50にサービスの参加を許可しない場合には、承認応答を送信しなくても良い。
【0121】
次に、MBMS GW20は、MME30へMBMS通知要求を送信する(S206)。ここで、MBMS GW20は、IPマルチキャストアドレス、APNとを含めて送信する。また、IPマルチキャストアドレスは、UE50が参加要求を行ったアドレスである。次に、MME30は、MBMS GW20へMBMS通知応答を送信する(S208)。
【0122】
さらに、MME30は、UE50へMBMS UEコンテキストを有効にするために、MBMSコンテキストアクティベーション要求を送信する(S210)。ここで、MME30は、MBMSコンテキスト要求に、IPマルチキャストアドレス、APNとを含めて送信する。
【0123】
MBMSコンテキストアクティベーション要求を受信したUE50は、MBMS UEコンテキストを作成し、MBMSコンテキストアクティベーション応答をMME30へ送信する(S212)。ここで、MBMSコンテキストアクティベーション応答には、IPマルチキャストアドレスと、APNと、UEが処理することができるQoSに関する情報とが含まれる。また、MBMS UEコンテキストには、IPマルチキャストアドレスと、APNと、上位配信ノードであるMBMS GWの情報と、TMGIとが含まれる。
【0124】
次に、UE50からMBMS UEコンテキストアクティベーション応答を受信したMME30は、MBMS UEコンテキストを作成し、MBMSコンテキスト要求をMBMS GW20へ送信する(S214)。ここで、MME30は、MBMSコンテキスト要求にIPマルチキャストアドレスと、APNとを含めて送信する。また、MBMS UEコンテキストには、IPマルチキャストアドレスと、APNと、配信ノードであるMME30の情報とを含める。
【0125】
次に、MME30からMBMSコンテキスト要求を受信したMBMS GW20は、UE50によるサービス参加を確認するために、MBMS承認要求をBM−SC10へ送信する(S216)。MBMS GW20からMBMS承認要求を受信したBM−SC10は、UE50によるサービス参加を確認した後、MBMS UEコンテキスト126を作成する。MBMS UEコンテキストには、IPマルチキャストアドレスと、APNとを含める。続いて、BM−SC10は、MBMS承認応答をMBMS GW20へ送信する(S220)。
【0126】
BM−SC10からMBMS承認応答を受信したMBMS GW20は、MBMS UEコンテキスト226を作成し、MBMSコンテキスト応答をMME30へ送信する(S222)。
【0127】
続いて、MBMS GW20からMBMSコンテキスト応答を受信したMME30は、MBMS UEコンテキスト324を作成し、MBMS UEコンテキストの通知をNB40へ送信する(S224)。
【0128】
MME30からMBMS UEコンテキストの通知を受信したeNB40は、MBMS UEコンテキスト426を作成する。MBMS UEコンテキスト426には、IPマルチキャストアドレスと、APNと、TMGIとを含める。
【0129】
次に、MME30は、UE50へMBMSコンテキストアクティベーション許可応答を送信する(S226)。MME30は、MBMSコンテキストアクティベーション許可応答にTMGIを含めて送信する。ここで、TMGIは、MBMSサービスを一意に示す識別子である。
【0130】
[1.3.3 MBMS登録手続き]
続いて、あるMBMSサービスにおけるMBMS登録手続きを、図17に戻って説明する。MBMS登録手続きにより、BM−SC10からUE50への通信経路が確立される。
【0131】
通信経路の確立には、BM−SC10においてMBMSベアラコンテキスト124、MBMS−GW20においてMBMSベアラコンテキスト222、MME30においてMBMSベアラコンテキスト322、NB40においてMBMSベアラコンテキスト422を生成し、BM−SC10におけるMBMSベアラコンテキスト124、MBMS GW20におけるMBMSベアラコンテキスト222、MME30におけるMBMSベアラコンテキスト322内それぞれの配信ノードのリストに登録する必要がある。
【0132】
すなわち、BM−SC10における配信ノードにはMBMS GW20の情報が登録され、MBMS GW20における配信ノードにはeNB40の情報が登録され、MME30における配信ノードにはeNB40の情報がそれぞれ登録される。また、BM−SC10、MBMS GW20、MME30におけるそれぞれの配信ノードには、複数の下りリンクノードに関する情報が登録される場合もある。
【0133】
まず、eNB40は、MBMSサービスに参加するUE50を検出することにより、MBMS登録手続きを開始する。ここで、eNB40がMBMSサービスに参加するUE50の検出方法は種々存在するが、例えば、上記サービスアナウンスメントより通知されてきたサービスを一意に示す情報をUE50がeNB40へ通知することが可能である。
【0134】
ここで、eNB40は、サービスに参加するUE50のMBMS UEコンテキスト426を生成しても良い。MBMS UEコンテキスト446には、IPマルチキャストアドレス、APN及びTMGIを含める。さらに、eNB40は、このTMGIが含まれる最初のMBMS UEコンテキスト446を生成した場合であれば、MBMS登録開始手続きの合図としても良い。
【0135】
さらに、eNB40がMBMS登録手続きを開始するトリガは、上記以外でもオペレータのポリシ等により、任意のタイミングで行ってもよい。
【0136】
次に、eNB40は、UE50に指定されたサービスをMBMS登録するためのMBMS登録要求をMME30に送信する(S104)。ここで、eNB40は、MBMS登録要求にTMGIと、IPマルチキャストアドレスと、APNとを含めて送信する。
【0137】
eNB40からMBMS登録要求を受信したMME30はMBMS GW20へMBMS登録要求を送信する(S106)。ここで、MBMS登録要求には、配信ノードに登録するeNB40の情報と、TMGIと、IPマルチキャストアドレスと、APNとを含める。
【0138】
ここで、MME30は、サービスに対応するMBMSベアラコンテキスト322を生成する。MBMSベアラコンテキスト322には、サービスを識別するTMGIを含める。さらに、MBMSベアラコンテキスト322におけるベアラリソースの状態情報を“スタンバイ”に設定する。
【0139】
ここで、サービスに参加するUE50のMBMS UEコンテキスト324を生成しても良い。MBMS UEコンテキスト324には、IPマルチキャストアドレスと、APNと、TMGIと、上位配信ノードであるMBMS GWの情報とを含める。
【0140】
MME30からMBMS登録要求を受信したMBMS GW20は、MBMSベアラコンテキスト222を生成し、MBMS登録要求をBM−SCへ送信する(S108)。ここで、MBMSベアラコンテキスト222におけるベアラリソースの状態情報を“スタンバイ”に設定する。
【0141】
ここで、MBMS GW20は、サービスに参加するUE50のMBMS UEコンテキスト226を生成しても良い。MBMS UEコンテキスト226には、IPマルチキャストアドレスと、APNと、配信ノードであるeNB40の情報とが含まれている。
【0142】
MBMS GW20からMBMS登録要求を受信したBM−SC10は、MBMSベアラコンテキストにMBMS登録要求を送信したMBMS GW20の情報を配信ノードに登録し、MBMS登録応答を返信する(S110)。ここで、MBMS登録応答には、TMGI、QoSに関する情報が含まれている。
【0143】
S106でMME30からMBMS登録要求を受信したMBMS GW20は、MBMSベアラコンテキスト222のMBMS制御装置に、MBMS登録要求を送信したMME30を登録し、上位配信ノードにS110でMBMS登録応答のあったBM−SC10に関する情報を登録し、MBMSベアラコンテキスト222における配信ノードにMBMS登録要求に含められたeNB40に関する情報を登録し、MBMS登録応答をMME30へ返信する(S112)。ここで、MBMS登録応答には、TMGIと、このMBMSサービスに必要とされるベアラに関する情報とが含まれている。
【0144】
S104でeNB40からMBMS登録要求を受信したMME30は、MBMSベアラコンテキスト322の配信ノードに、MBMS登録要求を送信したeNB40に関する情報を登録し、上位配信ノードにS112でMBMS登録応答を送信したMBMS GW20に関する情報を登録し、MBMS登録応答を返信する(S114)。このとき、MBMS登録応答のあったMBMS GW20を含める。
【0145】
S114でMMEからMBMS登録応答を受信したeNB40は、MBMSベアラコンテキスト422のMBMS制御装置に、S114でMBMS登録応答を送信したMME30に関する情報を登録し、上位配信ノードに、S114で含められたMBMS登録応答に含められたMBMS GW20に関する情報を登録する。
【0146】
以上のサービスアナウンスメント手続きと、アクティベーション手続きと、MBMS登録手続きにより、UE50とBM−SC10との間で配信リストを形成することにより、BM−SC10が送信したサービスのマルチキャスト配信データはeNB40まで配送するための経路を生成することができる。
【0147】
なお、配信リストに登録されるノードは、上記に従う必要はなく、オペレータによって予め登録されていてもよい。ここで、MBMS登録手続き後におけるeNB40が記憶するMBMSベアラコンテキスト422を図19(a)に示す。図19(a)に示すように、MBMSベアラサービス識別子には「TMGI1」が、IPマルチキャストアドレスには「IPマルチキャストアドレス1」が、モードには「マルチキャスト」が、状態情報には「スタンバイ」が、MBMS制御装置には「MME30」の情報が、上位配信ノードには「MBMS GW20」の情報がそれぞれ記憶される。
【0148】
なお、上記では、MME30がMBMS登録解除要求を受信した場合の処理を説明したが、その他のMMEがeNB40からMBMS登録解除要求を受信した場合にも、MME30と同様の手続きを行う。
【0149】
同様にMBMS GWにおいても、MBMS GW20がMBMS登録要求を受信した場合の処理を説明したが、その他のMBMS GWがMME30からMBMS登録要求を受信した場合にも、MBMS GW20と同様の手続きを行う。
【0150】
同様にBM−SCにおいても、BM−SC10がMBMS登録要求を受信した場合の処理を説明したが、その他のBM−SCがMBMS GW20からMBMS登録要求を受信した場合にも、BM−SC10と同様の手続きを行う。
【0151】
[1.3.4 セッション開始手続き]
続いて実行するセッション開始手続きを、図20を用いて説明する。セッション開始手続きにより、MBMSベアラを確立し、データを送信する準備を行う。BM−SC10は、サービスを指定してセッション開始要求をMBMS GW20に送信する(S300)。
【0152】
ここで、セッションを識別するためのセッション識別子を生成し、生成したセッション識別子とサービスを指定するためのTMGIとをセッション開始要求に含めて送信する。これによりセッション開始手続きを開始する。
【0153】
また、対応するMBMSベアラコンテキスト124(TMGIで識別可能)には、セッション識別子を登録し、状態情報をアクティブに登録する。
【0154】
また、セッション開始要求は、MBMSベアラコンテキスト124の配信ノードに登録される総てのMBMS GW20へ送信する。
【0155】
MBMS GW20は、セッション開始要求を受信し、セッション開始応答をBM−SC10に送信し、応答する(S302)。また、対応するMBMSベアラコンテキスト222(TMGIで識別可能)にセッション識別子を登録し、状態情報をアクティブに登録する。配信ノードには、eNB40に関する情報が登録されている。ここで、配信ノードには、複数のeNBが登録されている。
【0156】
なお、登録される配信ノードであるeNB40は、オペレータによって予め登録されているものでも良いし、上記MBMS登録手続きを経て登録されたMBMSサービスエリア毎の配信ノード(eNB40等)のリストを利用し、BM−SC10から送信されたセッション開始要求に含まれるMBMSサービスエリア識別子に基づいて対応するeNB40を選択してもよい。
【0157】
以上の手続きにより、BM−SC10とMBMS GW20間でマルチキャストデータ配信のための通信品質を確保した配送路であるMBMSベアラが確立される。
【0158】
さらに、MBMSベアラでの送信をIPマルチキャスト通信で行うため、サービスに対してIPマルチキャストアドレスを割り当て、MBMSベアラコンテキスト222に登録する。
【0159】
MBMS GW20は、MBMSベアラコンテキスト222のMBMS制御装置に登録されるMME30へセッション開始要求(S304)を送信する。サービスを指定するために、セッション開始要求にはTMGIと、セッション識別子と、IPマルチキャストアドレスとが含まれている。
【0160】
また、セッション開始要求は、MBMSベアラコンテキスト222のMBMS制御装置に登録される総てのMMEへ送信される。
【0161】
MME30は、セッション開始要求を受信し、セッション開始応答をMBMS GW20に送信し、応答する(S310)。また、MBMSベアラコンテキスト322を生成し、TMGIとセッション識別子とIPマルチキャストアドレスとを登録し、状態情報をアクティブに登録する。
【0162】
配信ノードには、eNB40に関する情報が登録されている。ここで、配信ノードには、複数のeNBが登録されている。
【0163】
MME30は、MBMSベアラコンテキスト322の配信ノードに登録されるeNB40へセッション開始要求(S306)を送信する。セッション開始要求にはTMGIと、セッション識別子と、IPマルチキャストアドレスとが含まれている。
【0164】
また、セッション開始要求は、MBMSベアラコンテキスト322の配信ノードに登録される総てのeNBへ送信される。
【0165】
eNB40は、セッション開始要求を受信し、セッション開始応答をMME30に送信し、応答する(S308)。また、MBMSベアラコンテキスト422を生成し、TMGIとセッション識別子とIPマルチキャストアドレスとを登録し、状態情報をアクティブに登録する。
【0166】
さらに、要求を送信した上位の配信ノードとなるMBMS GW20に関する情報を登録する。
【0167】
以上の手続きにより、MBMS GW20とeNB40間でマルチキャストデータ配信のための通信品質を確保した配送路であるMBMSベアラを確立する。
【0168】
ここで、eNB40は、IPマルチキャスト参加処理を行う(S314)。eNB40は、MBMSベアラコンテキスト422を参照し、サービスに対応するIPマルチキャストアドレスを用いて参加要求を行う。具体的には、IPv4で通信する場合には、IGMP Membership Reportメッセージを送信し、IPv6で通信する場合にはMLD Membership Reportを送信する。
【0169】
これにより、BM−SC10、MBMS GW20、及びeNB40で確立したMBMSベアラに、IPマルチキャストパケットが配送される。また、マルチキャストデータは、IPマルチキャストによりBM−SC10からeNB40まで送信される。
【0170】
さらに、eNB40は、UE50へ送信する無線リソース割り当て処理を行い、配送するための情報を無線フレーム情報424に登録する。具体的には、無線フレームのモードがマルチキャストモードであるか、ユニキャストモードであるかのモード情報をサービス識別子毎に登録する。サービス識別子としてはTMGIを用いることができる。
【0171】
また、マルチキャストモードで送信する場合は、フレームは不特定多数のUEへ送信するためUE情報を保持する必要はないが、ユニキャストモードで送信する場合には、個々のUEに無線フレームを送信する必要があるため、その場合には、アクティベーション手続きの場合、UE情報としてIMSIを保持しておきUE情報として登録する。
【0172】
以上のサービスアナウンスメント手続き、MBMS登録手続き、セッション開始手続きにより、UE50とBM−SC10の間で通信路が確立し、BM−SC10が送信したデータはeNB40まで配送することができる。
【0173】
最後に、eNB40はUE50に対してMBMS開始通知を送信する(S316)。開始通知にはサービスを識別するサービス識別子を含めて通知する。これにより、UE50はマルチキャストデータの受信を開始する。
【0174】
ここで、サービス識別子としては種々のものが用いられるが、例えば、
(1)MBMSベアラコンテキスト422に登録されるTMGI
(2)MBMSベアラコンテキスト422に登録されるセッションID
(3)その他の識別子(例えば、eNB40とUE50とでMBMSベアラサービスを識別することができる識別子)
等を利用する。本実施形態では、(1)のTMGIを利用することとして説明するが、(3)の場合には、サービス識別子とMBMSベアラコンテキスト422とを対応づけて登録することとなる。
【0175】
上記の例では、MBMS GW20がセッション開始要求を受信した場合の処理を説明したが、その他のMBMS GWがBM−SC10からセッション開始要求を受信した場合にも、MBMS GW20と同様の手続きを行う。
【0176】
同様にMMEにおいても、MME30がセッション開始要求を受信した場合の処理を説明したが、その他のMMEがMBMS GWからセッション開始要求を受信した場合にも、MME30と同様の手続きを行う。
【0177】
同様にeNBにおいても、eNB40がセッション開始要求を受信した場合の処理を説明したが、その他のeNBがMMEからセッション開始要求を受信した場合にも、eNB40と同様の手続きを行う。
【0178】
同様にUEにおいても、UE50がセッション開始要求を受信した場合の処理を説明したが、その他のUEがeNBからセッション開始要求を受信した場合にも、UE50と同様の手続きを行う。
【0179】
これにより、BM−SC10が配信するマルチキャストデータは、複数のMBMS GW、MME及びeNBを介して階層的にUEへ配送される。
【0180】
ここで、セッション開始手続き後におけるeNB40が保持するMBMSベアラコンテキスト422を図19(b)に示す。図19(b)に示すように、MBMSベアラサービス識別子には「TMGI1」が、セッション識別子には「セッション1」が、IPマルチキャストアドレスには「IPマルチキャストアドレス1」が、モードには「マルチキャスト」が、状態情報には「アクティブ」が、MBMS制御装置には、「MME30」の情報が、上位配信ノードには「MBMS GW20」がそれぞれ格納される。図19(a)と比較すると、セッション識別子が新たに格納され、状態情報がスタンバイからアクティブへ変更される。
【0181】
[1.3.5 MBMS登録解除手続きとセッション停止処理]
次に、MBMS登録解除手続きとセッション停止手続きについて図21を用いて説明する。
【0182】
本実施形態では、MBMS登録解除手続きの後にセッション停止手続きを行うよう説明するが、この順番に限るものでなく、セッション停止手続きの後に、MBMS登録解除手続きを行っても良い。また、MBMS登録解除手続きでは、eNB40におけるカウンティング手続き結果を基に開始する例を説明するが、開始トリガはこれに限らず、eNB40から手続きを開始することができる。
【0183】
まず、MBMS登録解除手続きのトリガとなるカウンティング手続きを説明する。手続きはeNB40とUE50との間で行う。eNB40は、接続するUE50に対して、サービス識別子を含めてサービスを受けているかどうかを確認するメッセージを送信する。
【0184】
ここで、eNB40は、無線フレーム情報424に登録されているUE50に宛てて、サービスを受けているかどうかを確認するメッセージを送信するが、接続する総てのUEに送信してもよい。
【0185】
ここで、サービス識別子としては種々のものが用いられるが、例えば、
(1)MBMSベアラコンテキスト422に登録されるTMGI
(2)MBMSベアラコンテキスト422に登録されるセッションID
(3)その他の識別子(例えば、eNB40とUE50とでMBMSベアラサービスを識別することができる識別子)
等を利用することができる。本実施形態では、(1)のTMGIを利用することとして説明する。
【0186】
これにより、eNB40は、実際にマルチキャストデータの受信が必要なUE50の数を取得することができる。取得したUE50の数は、MBMSベアラコンテキスト422のUEカウンタに登録される。実際にマルチキャストデータの受信が必要なUE50の数としては、例えば、基地局装置に接続しているUE50自体の数でもよいし、それらUE50の内、マルチキャストグループに参加しているUE50の数でもよい。さらには、ユーザが視聴アプリケーションを起動してない状態を検知するなどして、一時的に視聴をしていないUE50を除いた数でもよいし、ユーザにより受信が必要であることを通知するUE50をカウントして登録してもよい。
【0187】
また、eNB40の確認メッセージには、サービス識別子を含めないで送信してもよい。その場合には、UE50は、受信を必要とするサービスがある場合には、サービス識別子を含めて応答する。サービス識別子は、サービスアナウンスメント手続きで取得する等して保持しておくことで、選択可能となる。
【0188】
応答を受信したeNB40は、サービス識別子からMBMSベアラコンテキストを特定し、応答のあったUE50の数をUEカウンタに登録する。以上によりカウンティング手続き(S400)を完了する。
【0189】
eNB40は、MBMSベアラコンテキスト422のUEカウンタがゼロになったかどうかを確認するカウンティング処理を行う(S402)。UEカウンタがゼロになった場合、eNB40は、MBMS登録解除を行う(S404)。eNB40は、カウンティング処理の対象となるTMGIを参照し、対応するMBMSベアラコンテキスト422の配信ノードの情報からUE50を削除する。
【0190】
続いて、eNB40は、セッション停止処理を行う(S406)。ここで、eNB40は、UE50とeNB40間にTMGIで識別されるサービスにベアラリソースが割り当てられている場合、そのベアラリソースを解放する。さらに、MBMSベアラコンテキスト422における状態情報が「アクティブ」である場合には、「スタンバイ」に設定する。
【0191】
次に、eNB40は対応するサービスのMBMS登録解除要求をMME30へ送信する(S408)。送信するMMEは、MBMSベアラコンテキスト422のMBMS制御装置の情報により解決し、本実施形態ではMME30へ送信する。eNB40は、MBMSベアラコンテキスト422に登録されているTMGIと、サービス識別子と、セッション識別子と、上位配信ノードであるMBMS GW20の情報とを含めたMBMS登録解除要求をMME30に送信する。
【0192】
MBMS登録解除要求を受信したMME30は、MBMS登録解除処理を行う(S410)。MME30は、eNB40から受信したMBMS登録解除要求に含まれたTMGIを参照し、対応するMBMSベアラコンテキスト322の配信ノードの情報からeNB40を削除する。
【0193】
続いて、MME30は、セッション停止処理を行う(S412)。ここで、MBMSベアラコンテキスト322における状態情報が「アクティブ」である場合には、「スタンバイ」に設定する。
【0194】
次に、MME30は、eNB40にMBMS登録解除応答を送信する(S414)。MBMS登録解除応答を受信したeNB40は、MBMS登録解除要求に含めたTMGIに対応するMBMSベアラコンテキスト422を削除する。
【0195】
MME30は、対応するサービスのMBMS登録解除要求をMBMS GW20へ送信する(S416)。送信するMBMS GWは、MBMSベアラコンテキスト422の上位配信ノード(MBMS GW20)の情報により解決し、本実施形態ではMBMS GW20へ送信する。MME30は、MBMSベアラコンテキスト422に登録されているTMGIと、サービス識別子と、セッション識別子と、MBMS登録解除要求を受信したeNB40の情報とを含めたMBMS登録解除要求をMBMS GW20に送信する。
【0196】
MBMS登録解除要求を受信したMBMS GW20は、MBMS登録解除処理を行う(S418)。MME30から受信したMBMS登録解除要求に含まれたTMGIを参照し、対応するMBMSベアラコンテキスト222の配信ノードの情報からS416で含まれたeNB40の情報を削除する。
【0197】
続いて、MBMS GW20は、セッション停止処理を行う(S420)。ここで、MBMS GW20は、MME30とMBMS GW20間にTMGIで識別されるサービスにベアラリソースが設定されている場合には、そのベアラリソースを解放する。さらに、MBMSベアラコンテキストにおける状態情報が「アクティブ」である場合には、「スタンバイ」に設定する。
【0198】
次に、MBMS GW20は、MME30にMBMS登録解除応答を送信する(S422)。MBMS登録解除応答を受信したMME30は、S416において送信したMBMS登録解除要求に含めたTMGIに対応するMBMSベアラコンテキスト222を削除する。
【0199】
MBMS GW20は、MBMSベアラコンテキスト222における配信ノードの情報のeNBを確認し、eNBが登録されている場合には本処理を完了する。
【0200】
一方、MBMS GW20は、MBMSベアラコンテキスト222における配信ノードの情報から全てのeNBの情報が削除されている場合(EMPTY)には、MBMS GW20は対応するサービスのMBMS登録解除要求をBM−SC10へ送信する(S424)。
【0201】
送信するBM−SCは、MBMSベアラコンテキスト222のBM−SCの情報により解決し、本実施形態ではBM−SC10へ送信する。MBMS GW20は、MBMSベアラコンテキスト222に登録されているTMGIと、サービス識別子と、セッション識別子と、MBMS GW20の情報とを含めたMBMS登録解除要求をBM−SC10に送信する。
【0202】
MBMS登録解除要求を受信したBM−SC10は、MBMS登録解除処理を行う(S426)。MBMS GW20から受信したMBMS登録解除要求に含まれたTMGIを参照し、対応するMBMSベアラコンテキスト124の配信ノードの情報からMBMS GW20の情報を削除する。
【0203】
続いて、BM−SC10は、セッション停止処理を行う(S428)。ここで、BM−SC10は、MBMS GW20とBM−SC10間にTMGIで識別されるサービスにベアラリソースが設定されている場合には、そのベアラリソースを解放する。さらに、MBMSベアラコンテキスト124における状態情報が「アクティブ」である場合には、「スタンバイ」に設定する。
【0204】
次に、BM−SC10は、MBMS GW20にMBMS登録解除応答を送信する(S430)。MBMS登録解除応答を受信したMBMS GW20は、S424において送信したMBMS登録解除要求に含めたTMGIに対応するMBMSベアラコンテキスト124を削除する。さらに、MBMS GW20は、MBMS登録解除要求に含めたTMGIに対応するMBMS UEコンテキスト226を保持している場合にはそのTMGIが含められたMBMS UEコンテキスト226を総て削除しても良い。
【0205】
BM−SC10は、MBMS登録解除要求のあったTMGIで識別されるMBMSベアラコンテキスト124を削除する。BM−SC10は、MBMSベアラコンテキスト124における配信ノードの情報のMBMS GW20を確認し、MBMS GW20が登録されている場合には本処理を完了する。
【0206】
一方、BM−SC10は、MBMSベアラコンテキスト124における配信ノードから総てのMBMS GWが削除されている場合(EMPTY)には、MBMSベアラコンテキスト124を削除する。
【0207】
以上の手続きにより、eNB40により、カウンティング機能を利用して効率的にMBMS登録を解除することができる。eNB40のMBMS登録解除手続きは、カウンティング手続きにより、TMGI等で識別可能なMBMSベアラ毎のマルチキャストサービスの配信が不要であることを検知することができる。
【0208】
さらに、アプリケーション等がオフになっていること等により視聴していないようなケースのように、視聴していないことを検知することで開始することもできる。そして、この検知をトリガにMBMS登録解除手続きを開始することができる。
【0209】
図22(a)にMBMS登録解除手続きとセッション停止処理前の制御情報のやりとりを行う各ノードを階層構造で示し、図22(b)にMBMS登録解除手続きとセッション停止処理後の制御情報のやりとりを行う各ノードを階層構造で示す。
【0210】
図22では、eNB1とeNB2とがそれぞれ任意のサービスに対してカウンティング処理(S402)を行い、eNB2では、UEカウンタがゼロとならず、eNB1ではUEカウンタがゼロとなり、eNB1においてMBMS登録解除手続きとセッション処理を開始していることを示している。
【0211】
MBMS登録解除手続きとセッション停止処理を行うことを決めたeNB1はMBMS登録解除処理(S404)を行う。つまり、MBMSベアラコンテキスト422の配信ノードからeNB1に接続されるUEを削除する。
【0212】
また、eNB1は、セッション停止処理を行う(S406)。つまり、eNB1に接続されるUE間において、ベアラリソースが割り当てられている場合には、そのベアラリソースを解放する。
【0213】
続いて、eNB1はMME1へMBMS登録解除要求を送信する(S408)。MME1は、eNB1からのMBMS登録解除要求に基づいて、MBMS登録解除処理を行う(S410)。つまり、MME1が保持するMBMSベアラコンテキスト322の配信ノードからeNBを削除する。
【0214】
続いて、MMEは、セッション停止処理を行う(S412)。つまり、MBMSベアラコンテキストにおける状態情報が「アクティブ」である場合には、「スタンバイ」へ変更する。続いて、MBMS GW1へMBMS登録解除要求を送信する(S416)。MBMS GW1は、MME1からのMBMS登録解除要求に基づいて、MBMS登録解除処理を行う(S418)。つまり、MBMS GW1が保持するMBMSベアラコンテキスト222の配信ノードからeNB1を削除する。
【0215】
続いて、MBMS GW1は、セッション停止処理を行う(S420)。つまり、MBMS GW1とeNB1間において、ベアラリソースが割り当てられている場合には、そのベアラリソースを解放する。ここで、MBMS GW1におけるMBMSベアラコンテキスト222の配信ノードには、eNB3が登録されているので、MBMS登録解除手続きを完了する。図22(b)におけるMBMS登録解除手続きとセッション停止処理後の制御情報のやりとりを行う階層構造において、MBMS GW1の制御情報のやりとり先からeNB1が削除されていることが分かる。ここで、eNB3には、UE3がデータの受信が確認されたため、eNB3はMBMS登録解除手続き及び、セッション停止手続き処理を行わなかった。
【0216】
図23(a)に、図22(a)に対応するMBMS登録解除手続きとセッション停止処理前の配信ツリーを示し、図23(b)に、図22(b)に対応するMBMS登録解除手続きとセッション停止処理後の配信ツリーを示す。配信ツリーとは、BM−SC10からMBMS GW20、eNB40を経由してUEにデータが配信されるルートを示すものである。図23(a)と比較して、図23(b)では、UE1とUE2が削除されており、eNB1とeNB2が削除されていることが分かる。このことにより、データはMBMS GW1を経由して、eNB3にのみ配信され、さらにeNB3からUE3にのみ配信される。
【0217】
以上の手続きでは、デアクティベーション処理(UEによるサービスの登録解除)を行わなかった。eNB40により、UEがサービス受信の要求があるとカウンティング機能などで検知できる場合には、UEによるアクティベーション処理を行うことなく、サービス受信を再開することができる。
【0218】
一方、eNB40によるカウンティング機能を利用して、UEカウンタがゼロになったことをトリガとしてMBMS登録解除を行ったが、デアクティベーション手続きを行った後に、あるサービスにおけるMBMS UEコンテキストが総て削除されたことをトリガとして、MBMS登録解除手続きを行っても良い。デアクティベーション登録手続きを行った場合、BM−SCのサービスの登録から外され、課金処理を止めることができる。
【0219】
こうして各装置は登録するサービスがマルチキャストモードであると認識し、それぞれMBMSベアラコンテキストに保持する。具体的には、BM−SC10はMBMSベアラコンテキスト124のモードにマルチキャストと登録し、MBMS GW20はMBMSベアラコンテキスト222のモードにマルチキャストと登録し、MME30はMBMSベアラコンテキスト322のモードにマルチキャストと登録し、eNB40はMBMSベアラコンテキスト422のモードにマルチキャストと登録する。
【0220】
これにより、MBMS登録解除を決定する場合、BM−SC10におけるMBMSベアラコンテキスト124、MBMS GW20におけるMBMSベアラコンテキスト222、MME30におけるMBMSベアラコンテキスト322、eNB40におけるMBMSベアラコンテキスト422をそれぞれ参照し、マルチキャストモードである場合にはMBMS登録を解除することができる。
【0221】
さらに、上記の場合において、BM−SC10におけるMBMSベアラコンテキスト124、MBMS GW20におけるMBMSベアラコンテキスト222、MME30におけるMBMSベアラコンテキスト322、eNB40におけるMBMSベアラコンテキスト422における状態情報がアクティブである場合には、状態情報をスタンバイに変更し、セッション停止やマルチキャストデータ配信、受信停止することができる。
【0222】
具体的には、eNB40では、マルチキャストMBMS登録解除要求の送信時(S408)、MBMSベアラコンテキスト422のモードがマルチキャストである場合、MBMS登録解除要求の送信や、MBMS登録解除処理やMBMSベアラの解放やマルチキャストデータ配信、受信停止を行う。
【0223】
MME30では、マルチキャストMBMS登録解除要求の送信時(S416)、MBMSベアラコンテキスト322のモードがマルチキャストである場合、MBMS登録解除要求の送信、MBMS登録解除処理やMBMSベアラの解放やマルチキャストデータ配信、受信停止を行う。
【0224】
MBMS GW20では、マルチキャストMBMS登録解除要求の送信時(S424)、MBMSベアラコンテキスト222のモードがマルチキャストである場合、MBMS登録解除要求の送信やMBMSベアラの解放やマルチキャストデータ配信、受信停止を行う。
【0225】
BM−SC10では、マルチキャストMBMS登録解除要求の受信時(S424)、MBMSベアラコンテキスト222のモードがマルチキャストである場合、MBMS登録解除処理やMBMSベアラの解放やマルチキャストデータ配信停止を行う。
【0226】
従来では、基地局装置であるeNB40が主導してMBMS登録を解除することが規定されていたが、アクティベーション手続き、デアクティベーション手続きを行うことなく、基地局装置で移動局装置の受信の要否を確認し、配信の必要がないと検知できた場合に、効率的にMBMS登録を解除することができなかった。本実施形態では、アクティベーション手続き、デアクティベーション手続きを行うことなく、基地局装置が、移動局装置の受信の要否の結果に基づいて、MBMS登録解除手続き、セッション停止手続きを行うことができるようになる。言い換えると、移動局装置のアクティベーションを維持したまま、MBMS登録解除とセッション停止を行うことができる。
【0227】
また、MBMS登録解除手続きのみによって、配信先リストから配送先装置を削除するとともに、従来セッション停止で行われていたリソースの解放を併せて行うことが可能になる。さらに、セッション停止に要するセッション停止手続きを省略することができ簡易化できる。また、MBMS登録解除するときに、セッションが停止されていない場合には、MBMS登録解除とともに、セッション停止を行うことにより、再度MBMS登録されない限り、セッションを開始されることがない。
【0228】
例えば、従来手法では、配信元から配信先にセッションを停止する手続きしか規定されておらず、配信先から配信元へセッション停止を要求することができなかった。つまり、基地局装置(eNB)から配信元へセッション停止を要求することができなかった。さらに、基地局装置(eNB)から配信元へセッション停止を要求するよう拡張したとしてもセッション停止要求を受けた装置は、配信を止めリソースを一時的に解放することができるが、配信ノードの削除は行わない。
【0229】
そのため、例えば、1)セッションが開始された状態で、2)eNB主導でセッションのみを停止した場合に、3)BM−SC主導で総てのセッションが停止された後に、4)BM−SC主導で総てのセッションが再開された場合には、配信リストに含められた総てのノード(MBMS GW、eNB)に通信リソースが割り当てられてしまい、eNB主導で停止したセッションさえも再開されてしまうという問題があった。
【0230】
しかしながら、MBMS登録解除手続きにより配信リストからの配信先装置の更新を行い、例えば4)のようにBM−SC主導でセッションが再開された場合にも、不必要なセッションが開始されなくなる。
【0231】
本実施形態によれば、セッションを不必要に開始しないことにより、セッションを開始する際に必要とする制御情報のやりとりを減らすことができ、セッション開始手続きに要する通信リソースを非効率に利用されることなく、通信リソースを有効に活用することが可能となる。
【0232】
セッションが開始されないということは、不必要に通信リソースを利用されることがなく、通信リソースを効率的に活用することが可能となる。また、セッションを不必要に開始されないことにより、セッションを開始する際に必要とする制御情報のやりとりを減らすことができ、セッション開始手続きに要する通信リソースを非効率に利用されることなく、通信リソースを有効に活用することが可能となる。
【0233】
[2.第2実施形態]
続いて、第2の実施の形態について説明する。第2の実施形態では、ブロードキャスト配信を対象とするシステムにおいて、カウンティング機能を利用してMBMS登録手続きを行う。
【0234】
第1実施形態では、アクティベーション手続きを行い、サービス登録をUEから行うことによってMBMS登録手続きが開始されていたが、ブロードキャストの場合には、アクティベーション手続きを行わずにMBMS登録手続きを行うことが可能となる。ここで、ブロードキャスト配信では、マルチキャスト配信と違い、アクティベーション手続きを行わないために、MBMS UEコンテキストが生成されない。
【0235】
なお、第2実施形態におけるシステムの構成及び各装置構成は、第1実施形態において示したシステムの構成及び各装置構成と同様であるため、その説明を省略する。
【0236】
なお、ブロードキャスト配信を対象とするシステムでは、UE50からサービス登録を要求せず、アクティベーション手続きが発生しない。そのため、eNB40、MME30、MBMS GW20、BM−SC10それぞれにおいて、MBMS UEコンテキストが作成されない点が異なる。
【0237】
また、第1実施形態において「マルチキャストサービス」の配信について説明したが、第2実施形態では「ブロードキャストサービス」に適用して説明する。例えば、第2実施形態におけるUEカウンタは、MBMSベアラサービスのブロードデータの受信が必要なUEの数である。これは基地局装置(eNB40)のカウンティング機能によりカウントされた数に基づいたものであり、例えば、eNB40に接続しているUE50自体の数でもよい。さらには、ユーザが実際に視聴している端末(UE50)、すなわちユーザが視聴アプリケーションを起動していない状態を検知するなどして、一時的に視聴をしていないUE50を除いた数であったり、ユーザにより受信が必要であることを通知するUE50の数であってもよい。
【0238】
[2.1 処理の流れ]
[2.1.1 サービスアナウンスメント手続き]
本実施形態におけるサービスアナウンスメント手続きについて、説明する。図24に示すように、BM−SC10は、まず始めにUE50に対してサービスアナウンスメント手続きを行う。BM−SC10は配信可能なサービスをUE50へ通知する(S500)。UE50は、これによりブロードキャストサービスを検知する。
【0239】
BM−SC10は、MBMSサービスDB122で管理されているサービスの配信が可能であることを、サービス識別子を通知することでUE50へ伝える。さらに、番組タイトルやコンテンツタイトル、配信開始時間等のサービスを説明する情報を付与して通知してもよい。
【0240】
ここで、サービス識別子としては種々のものが用いられるが、例えば、
(1)TMGI
(2)その他の識別子(例えば、事業者の設定したでMBMSベアラサービスを識別することができるその他の識別子)
等が利用可能である。本実施形態では、(1)のTMGIを利用することとして説明する。
【0241】
また、具体的な通知方法としては、種々の方法が考えられるが、例えば、SMS(Short Message Service)等を用いて、予め登録されている配信可能なUE50へ通知したり、不特定多数のUE50へ通知したり、WEBに情報を掲示して、UE50がWEBサーバにアクセスすることで情報を取得したりしてもよい。
【0242】
[2.1.2 MBMS登録手続き]
つづいて、MBMS登録手続きについて説明する。MBMSサービスにおけるMBMS登録手続きを図24に示す。MBMS登録手続きにより、BM−SC10からUE50への通信経路が確立される。
【0243】
通信経路の確立には、BM−SC10におけるMBMSベアラコンテキスト124、MBMS GW20におけるMBMSベアラコンテキスト222、MME30におけるMBMSベアラコンテキスト322、eNB40におけるMBMSベアラコンテキスト422をそれぞれ生成し、BM−SC10におけるMBMSベアラコンテキスト124、MBMS GW20におけるMBMSベアラコンテキスト222、MME30におけるMBMSベアラコンテキスト322、eNB40におけるMBMSベアラコンテキスト422をそれぞれの配信ノードのリストに登録する必要がある。なお、MBMSベアラコンテキスト124、MBMSベアラコンテキスト222、MBMSベアラコンテキスト322、MBMSベアラコンテキスト422はそれぞれTMGIで識別可能である。
【0244】
すなわち、BM−SC10における配信ノードにはMBMS GW20が登録され、MBMS GW20における配信ノードにはeNB40がそれぞれ登録される。また、BM−SC10、MBMS GW20、eNB40におけるそれぞれの配信ノードには、複数の下りリンクノードが登録される場合もある。
【0245】
まず、eNB40は、MBMSサービスを受信するUE50を検出することにより、MBMS登録手続きを開始する。ここで、eNB40がMBMSサービスを受信するUE50の検出方法は種々存在するが、例えば、eNB40におけるカウンティング機能を利用して、MBMSサービスを受信するUE50を検出してもよい。言い換えると、カウンティング手続きにより、UE50がeNB40に対して、MBMS登録を要求することができる。
【0246】
まず、eNB40は、接続するUE50に対して、サービス識別子を含めてサービスを受けているかどうかを確認するメッセージを送信する。
【0247】
ここで、eNB40は、無線フレーム情報424に登録されているUE50に宛てて、サービスを受けているかどうかを確認するメッセージを送信するが、接続する総てのUEに送信してもよい。
【0248】
ここで、サービス識別子としては種々のものが用いられるが、例えば、
(1)MBMSベアラコンテキスト422に登録されるTMGI
(2)MBMSベアラコンテキスト422に登録されるセッションID
(3)その他の識別子(例えば、eNB40とUE50とでMBMSベアラサービスを識別することができる識別子)
等が利用可能である。本実施形態では、(1)のTMGIを利用することとして説明する。
【0249】
これにより、eNB40は、実際にブロードキャストデータの受信が必要なUE50の数を取得することができる。取得したUE50の数は、MBMSベアラコンテキスト422のUEカウンタに登録される。実際にブロードキャストデータの受信が必要なUE50の数としては、例えば、eNB40に接続しているUE50自体の数でもよい。さらには、ユーザが視聴アプリケーションを起動していない状態を検知するなどして、一時的に視聴をしていないUE50を除いた数でもよいし、ユーザにより受信が必要であることを通知するUE50をカウントして登録してもよい。
【0250】
また、eNB40の確認メッセージには、サービス識別子を含めないで送信してもよい。その場合には、UE50は、受信を必要とするサービスがある場合には、サービス識別子を含めて応答する。
【0251】
サービス識別子は、サービスアナウンスメント手続きで取得する等して保持しておくことで、選択可能となる。
【0252】
応答を受信したeNB40は、サービス識別子からMBMSベアラコンテキストを特定し、応答のあったUE50の数をUEカウンタに登録する。以上によりカウンティング手続きを完了する(S502)。カウンティング手続きの結果、UEカウンタが0でないと判断すれば、MBMS登録手続きを開始しても良い。
【0253】
さらに、eNB40がMBMS登録手続きを開始するトリガは、上記以外でもオペレータのポリシ等により、任意のタイミングで行ってもよい。上記以外でもeNB(基地局装置)の設置時や運用開始時などでオペレータのポリシ等により、任意のタイミングで行っても良い。
【0254】
次に、eNB40は、UEに指定されたサービスをMBMS登録するためのMBMS登録要求をMME30に送信する(S504)。ここで、eNB40は、MBMS登録要求にTMGI、IPマルチキャストアドレスを含める。
【0255】
eNB40からMBMS登録要求を受信したMME30は、MBMS GW20へMBMS登録要求を送信する(S506)。ここで、MBMS登録要求には、MBMS登録要求のあったeNB40、TMGI、IPマルチキャストアドレスを含める。
【0256】
MME30は、サービスに対応するMBMSベアラコンテキスト322を生成する。MBMSベアラコンテキスト322には、サービスを識別するTMGIを含める。さらに、MBMSベアラコンテキスト322におけるベアラリソースの状態情報を「スタンバイ」に設定し、配信ノードにeNB40を追加する。
【0257】
MME30からMBMS登録要求を受信したMBMS GW20は、MBMSベアラコンテキスト222を生成し、MBMS登録要求をBM−SC10へ送信する(S508)。ここで、MBMSベアラコンテキストにおけるベアラリソースの状態情報を「スタンバイ」に設定する。
【0258】
MBMS GW20からMBMS登録要求を受信したBM−SC10は、MBMSベアラコンテキストにMBMS登録要求を送信したMBMS GW20の情報を配信ノードに登録し、MBMS登録応答を返信する(S510)。ここで、MBMS登録応答には、TMGI、サービスに必要とされるベアラの容量を含める。
【0259】
S506でMME30からMBMS登録要求を受信したMBMS GW20は、MBMSベアラコンテキスト222の配信ノードにMBMS登録要求に含められたeNB40を登録し、上位配信ノードにS510におけるMBMS登録応答に含められたBM−SC10を登録し、MBMS登録応答を返信する(S512)。ここで、MBMS登録応答には、TMGI、このMBMSサービスに必要とされるベアラに関する情報を含める。
【0260】
S504でeNB40からMBMS登録要求を受信したMME30は、MBMSベアラコンテキスト322の配信ノードにMBMS登録要求を送信したeNB40の情報を登録し、MBMS登録応答を送信する(S514)。ここで、MBMS登録応答には、S512においてMBMS登録応答のあったMBMS GW20の情報を含める。
【0261】
S514でMME30からMBMS登録応答を受信したeNB40は、MBMSベアラコンテキスト422のMBMS制御装置に、S514でMBMS登録応答を送信したMME30に関する情報を登録し、MBMSベアラコンテキスト422の上位配信ノードにMBMS登録応答に含められたMBMS GW20の情報を登録する。
【0262】
以上のサービスアナウンスメント手続きとMBMS登録手続きにより、UE50とBM−SC10の間で配信リストを形成することにより、BM−SC10が送信したサービスのブロードキャスト配信データはeNB40まで配送するための経路を生成することができる。なお、配信ノードに登録されるノードは、上記に従う必要はなく、オペレータによって予め登録されていてもよい。
【0263】
ここで、MBMS登録手続き後におけるeNB40が保持するMBMSベアラコンテキスト422を図25(a)に示す。図25(a)に示すように、MBMSベアラサービス識別子には「TMGI1」が、IPマルチキャストアドレスには「IPマルチキャストアドレス1」が、モードには「ブロードキャスト」が、状態情報には「スタンバイ」が、MBMS制御装置には「MME30」が、上位配信ノードには「MBMS GW20」がそれぞれ記憶される。
【0264】
上記の例では、MME30がMBMS登録解除要求を受信した場合の処理を説明したが、その他のMMEがeNB40からMBMS登録解除要求を受信した場合にも、MME30と同様の手続きを行う。
【0265】
同様にMBMS GW20においても、MBMS GW20がMBMS登録要求を受信した場合の処理を説明したが、その他のMBMS GWがMMEからMBMS登録要求を受信した場合にも、MBMS GW20と同様の手続きを行う。
【0266】
同様にBM−SC10においても、BM−SC10がMBMS登録解除要求を受信した場合の処理を説明したが、その他のBM−SCがGGNSからMBMS登録解除要求を受信した場合にも、BM−SC10と同様の手続きを行う。
【0267】
[2.1.3 セッション開始手続き]
続いて実行するセッション開始手続きを、図26を用いて説明する。セッション開始手続きにより、MBMSベアラを確立し、データを送信する準備を行う。BM−SC10は、サービスを指定してセッション開始要求をMBMS GW20に送信する(S600)。ここで、セッションを識別するためのセッション識別子を生成し、生成したセッション識別子とサービスを指定するためのTMGIとをセッション開始要求に含めて送信する。これによりセッション開始手続きを開始する。
【0268】
また、対応するMBMSベアラコンテキスト124(TMGIで識別可能)には、セッション識別子を登録し、状態情報を「アクティブ」に登録する。
【0269】
また、セッション開始要求は、MBMSベアラコンテキスト124の配信ノードに登録される総てのMBMS GWへ送信する。
【0270】
MBMS GW20は、セッション開始要求を受信し、セッション開始応答をBM−SC10に送信し、応答する(S602)。また、対応するMBMSベアラコンテキスト222(TMGIで識別可能)にセッション識別子を登録し、状態情報を「アクティブ」に登録する。MBMS制御装置には、MME30に関する情報が、配信ノードには、eNB40に関する情報が登録されている。ここで、配信ノードには、複数のeNBが登録されている。
【0271】
なお、登録される配信ノードであるeNB40は、オペレータによって予め登録されているものでも良いし、上記MBMS登録手続きを経て登録されたMBMSサービスエリア毎の配信ノード(eNB40等)のリストを利用し、BM−SC10から送信されたセッション開始要求に含まれるMBMSサービスエリア識別子に基づいて対応するeNB40を選択してもよい。
【0272】
以上の手続きにより、BM−SC10とMBMS GW20間でブロードキャストデータ配信のための通信品質を確保した配送路であるMBMSベアラが確立される。
【0273】
さらに、MBMSベアラでの送信をIPマルチキャスト通信で行うため、サービスに対してIPマルチキャストアドレスを割り当て、MBMSベアラコンテキスト222に登録する。
【0274】
MBMS GW20は、MBMSベアラコンテキスト222の配信ノードに登録されるMME30へセッション開始要求(S604)を送信する。サービスを指定するために、セッション開始要求にはTMGIと、セッション識別子と、IPマルチキャストアドレスとが含まれている。
【0275】
また、セッション開始要求は、MBMSベアラコンテキスト222の配信ノードに登録される総てのMMEへ送信される。
【0276】
MME30は、セッション開始要求を受信し、セッション開始応答をMBMS GW20に送信し、応答する(S610)。また、MBMSベアラコンテキスト322にTMGIとセッション識別子とIPマルチキャストアドレスとを登録し、状態情報を「アクティブ」に登録する。
【0277】
配信ノードには、eNB40に関する情報が登録されている。ここで、配信ノードには、複数のeNBが登録されている。
【0278】
MME30は、MBMSベアラコンテキスト322の配信ノードに登録されるeNB40へセッション開始要求(S606)を送信する。セッション開始要求にはTMGIと、セッション識別子と、IPマルチキャストアドレスとが含まれている。
【0279】
また、セッション開始要求は、MBMSベアラコンテキスト322の配信ノードに登録される総てのeNBへ送信される。
【0280】
eNB40は、セッション開始要求を受信し、セッション開始応答をMME30に送信し、応答する(S608)。また、MBMSベアラコンテキスト422を生成し、TMGIとセッション識別子とIPマルチキャストアドレスと登録し、状態情報を「アクティブ」に登録する。
【0281】
以上の手続きにより、MBMS GW20とeNB40間でブロードキャストデータ配信のための通信品質を確保した配送路であるMBMSベアラを確立する。
【0282】
これにより、BM−SC10、MBMS GW20及びeNB40で確立したMBMSベアラに、IPマルチキャストパケットが配送される。また、ブロードキャストデータは、IPマルチキャストによりBM−SC10からeNB40まで送信される。
【0283】
ここで、eNB40は、IPマルチキャスト参加処理を行う(S614)。eNB40は、MBMSベアラコンテキスト422を参照し、サービスに対応するIPマルチキャストアドレスを用いて参加要求を行う。具体的には、IPv4で通信する場合には、IGMP Membership Reportメッセージを送信し、IPv6で通信する場合にはMLD Membership Reportを送信する。
【0284】
さらに、eNB40は、UE50へ送信する無線リソース割り当て処理を行い、配送するための情報を無線フレーム情報424に登録する。具体的には、無線フレームのモードがブロードキャストモードであるか、ユニキャストモードであるかのモード情報をサービス識別子毎に登録する。サービス識別子としてはTMGIを用いることができる。
【0285】
最後に、eNB40はUE50に対してMBMS開始通知を送信する(S616)。開始通知にはサービスを識別するサービス識別子を含めて通知する。これにより、UE50はブロードキャストデータの受信を開始する。
【0286】
ここで、サービス識別子としては種々のものが用いられるが、例えば、
(1)MBMSベアラコンテキスト422に登録されるTMGI
(2)MBMSベアラコンテキスト422に登録されるセッションID
(3)その他の識別子(例えば、eNB40とUE50とでMBMSベアラサービスを識別することができる識別子)
等を利用する。本実施形態では、(1)のTMGIを利用することとして説明するが、(3)の場合には、サービス識別子とMBMSベアラコンテキスト422とを対応づけて登録することとなる。
【0287】
上記の例では、MBMS GW20がセッション開始要求を受信した場合の処理を説明したが、その他のMBMS GWがBM−SC10からセッション開始要求を受信した場合にも、MBMS GW20と同様の手続きを行う。
【0288】
同様にMMEにおいても、MME30がセッション開始要求を受信した場合の処理を説明したが、その他のMMEがMBMS GWからセッション開始要求を受信した場合にも、MME30と同様の手続きを行う。
【0289】
同様にeNBにおいても、eNB40がセッション開始要求を受信した場合の処理を説明したが、その他のeNBがMMEからセッション開始要求を受信した場合にも、eNB40と同様の手続きを行う。
【0290】
同様にUEにおいても、UE50がセッション開始要求を受信した場合の処理を説明したが、その他のUEがeNBからセッション開始要求を受信した場合にも、UE50と同様の手続きを行う。
【0291】
これにより、BM−SC10が配信するブロードキャストデータは、複数のMBMS GW、eNBを介して階層的にUEへ配送される。
【0292】
ここで、セッション開始手続き後におけるeNB40が保持するMBMSベアラコンテキスト422を図25(b)に示す。図25(b)に示すように、MBMSベアラサービス識別子には「TMGI1」が、セッション識別子には「セッション1」が、IPマルチキャストアドレスには「IPマルチキャストアドレス1」が、モードには「ブロードキャスト」が、状態情報には「アクティブ」が、MBMS制御装置には「MME30」の情報が、上位配信ノードには「MBMS GW20」の情報がそれぞれ格納される。図25(a)と比較すると、セッション識別子が新たに格納され、状態情報が「スタンバイ」から「アクティブ」へ変更されている。
【0293】
[2.1.4 MBMS登録解除手続きとセッション停止手続き]
次に、MBMS登録解除手続きとセッション停止手続きについて図27を用いて説明する。
【0294】
本実施形態では、MBMS登録解除処理の後にセッション停止処理を行うよう説明するが、この順番に限るものでなく、セッション停止処理の後に、MBMS登録解除処理手続きを行っても良い。MBMS登録解除手続きでは、eNB40におけるカウンティング手続き結果を基に開始する例を説明するが、開始トリガはこれに限らず、eNB40から手続きを開始することができる。
【0295】
まず、MBMS登録解除手続きのトリガとなるカウンティング手続きを説明する。手続きはeNB40とUE50との間で行う。eNB40は、接続するUE50に対して、サービス識別子を含めてサービスを受けているかどうかを確認するメッセージを送信する。
【0296】
ここで、eNB40は、無線フレーム情報424に登録されているUE50に宛てて、サービスを受けているかどうかを確認するメッセージを送信するが、接続する総てのUEに送信してもよい。
【0297】
ここで、サービス識別子としては種々のものが用いられるが、例えば、
(1)MBMSベアラコンテキスト422に登録されるTMGI
(2)MBMSベアラコンテキスト422に登録されるセッションID
(3)その他の識別子(例えば、NB40とUE50とでMBMSベアラサービスを識別することができる識別子)
等が利用可能である。本実施形態では、(1)のTMGIを利用することとして説明する。
【0298】
これにより、eNB40は、実際にマルチキャストデータの受信が必要なUE50の数を取得することができる。取得したUE50の数は、MBMSベアラコンテキスト422のUEカウンタに登録される。
【0299】
また、eNB40の確認メッセージには、サービス識別子を含めないで送信してもよい。その場合には、UE50は、受信を必要とするサービスがある場合には、サービス識別子を含めて応答する。
【0300】
サービス識別子は、サービスアナウンスメント手続きで取得する等して保持しておくことで、選択可能となる。
【0301】
応答を受信したeNB40は、サービス識別子からMBMSベアラコンテキストを特定し、応答のあったUE50の数をUEカウンタに登録する。以上によりカウンティング手続き(S700)を完了する。
【0302】
eNB40は、MBMSベアラコンテキスト422のUEカウンタがゼロになったかどうかを確認するカウンティング処理を行う(S702)。UEカウンタがゼロになった場合、eNB40は対応するサービスのMBMS登録解除処理を行う(S704)。eNB40は、カウンティング処理の対象となるTMGIを参照し、対応するMBMSベアラコンテキスト422の配信ノードからUE50を削除する。
【0303】
続いて、eNB40は、セッション停止処理を行う(S706)。ここで、eNB40は、UE50とeNB40間にTMGIで識別されるサービスにベアラリソースが割り当てられている場合、そのベアラリソースを解放する。さらに、MBMSベアラコンテキスト422における状態情報が「アクティブ」である場合には、「スタンバイ」に設定する。
【0304】
次に、eNB40は対応するサービスのMBMS登録解除要求をMME30へ送信する(S708)。送信するMMEは、MBMSベアラコンテキスト422のMMEの情報により解決し、本実施形態ではMME30へ送信する。
【0305】
ここで、eNB40は、MBMSベアラコンテキスト422に登録されているTMGIと、サービス識別子と、セッション識別子と、eNB40の情報とを含めたMBMS登録解除要求をMME30に送信する。
【0306】
MBMS登録解除要求を受信したMME30は、MBMS登録解除処理を行う(S710)。MME30は、eNB40から受信したMBMS登録解除要求に含まれたTMGIを参照し、対応するMBMSベアラコンテキスト322の配信ノードからeNB40を削除する。続いて、MME30は、セッション停止処理を行う(S712)。ここで、MBMSベアラコンテキスト322における状態情報が「アクティブ」である場合には、「スタンバイ」に設定する。
【0307】
次に、MME30は、eNB40にMBMS登録解除応答を送信する(S714)。MBMS登録解除応答を受信したeNB40は、MBMS登録解除要求(S708)に含めたTMGIに対応するMBMSベアラコンテキスト422を削除する。
【0308】
続いて、MME30は、MME30は対応するサービスのMBMS登録解除要求をMBMS GW20へ送信する(S716)。送信するMBMS GWは、MBMSベアラコンテキスト422のMBMS GWの情報により解決し、本実施形態ではMBMS GW20へ送信する。
【0309】
MME30は、MBMSベアラコンテキスト322に登録されているTMGIと、サービス識別子と、セッション識別子と、MME30の情報とを含めたMBMS登録解除要求をMBMS GW20に送信する。
【0310】
MBMS登録解除要求を受信したMBMS GW20は、MBMS登録解除処理を行う(S718)。MME30から受信したMBMS登録解除要求に含まれたTMGIを参照し、対応するMBMSベアラコンテキスト222の配信ノードからeNB40を削除する。
【0311】
続いて、MBMS GW20は、セッション停止処理を行う(S720)。ここで、MBMS GW20は、eNB40とMBMS GW20間にTMGIで識別されるサービスにベアラリソースが設定されている場合には、そのベアラリソースを解放する。さらに、MBMSベアラコンテキスト222における状態情報が「アクティブ」である場合には、「スタンバイ」に設定する。
【0312】
次に、MBMS GW20は、MME30にMBMS登録解除応答を送信する(S722)。MBMS登録解除応答を受信したMME30は、MBMS登録解除要求(S716)に含めたTMGIに対応するMBMS222ベアラコンテキストを削除する。
【0313】
MBMS GW20は、MBMSベアラコンテキスト222における配信ノードのeNB(またはeNBの識別子)を確認し、eNBが登録されている場合には本処理を完了する。
【0314】
一方、MBMS GW20は、MBMSベアラコンテキスト222における配信ノードから総てのeNBが削除されている場合(EMPTY)には、MBMS GW20は対応するサービスのMBMS登録解除要求をBM−SC10へ送信する(S724)。送信するBM−SCは、MBMS GW20におけるMBMSベアラコンテキスト222のBM−SCの情報により解決し、本実施形態ではBM−SC10へ送信する。MBMS GW20は、MBMSベアラコンテキスト222に登録されているTMGIと、サービス識別子と、セッション識別子と、MBMS GW20の情報とを含めたMBMS登録解除要求をBM−SC10に送信する。
【0315】
MBMS登録解除要求を受信したBM−SC10は、MBMS登録解除処理を行う(S726)。MBMS GW20から受信したMBMS登録解除要求に含まれたTMGIを参照し、対応するMBMSベアラコンテキスト124の配信ノードからMBMS GW20を削除する。
【0316】
続いて、BM−SC10は、セッション停止処理を行う(S728)。ここで、BM−SC10は、MBMS GW20とBM−SC10間にTMGIで識別されるサービスにベアラリソースが設定されている場合には、そのベアラリソースを解放する。さらに、MBMSベアラコンテキストにおける状態情報がアクティブである場合には、スタンバイに設定する。
【0317】
次に、BM−SC10は、MBMS GW20にMBMS登録解除応答を送信する(S730)。MBMS登録解除応答を受信したMBMS GW20は、MBMS登録解除要求(S724)に含めたTMGIに対応するMBMSベアラコンテキスト222を削除する。
【0318】
BM−SC10は、MBMS登録解除要求のあったTMGIで識別されるMBMSベアラコンテキスト124を削除する。
【0319】
以上の手続きにより、eNB40により、カウンティング機能を利用して効率的にMBMS登録を解除するとともに、セッション停止することができる。eNB40のMBMS登録解除手続きは、カウンティング手続きにより、TMGI等で識別可能なMBMSベアラ毎のブロードキャストサービスの配信が不要であることを検知することができる。
【0320】
さらに、アプリケーション等がオフになっていること等により視聴していないようなケースのように、視聴していないことを検知することで開始することもできる。そして、この検知をトリガにMBMS登録解除手続きを開始することができる。
【0321】
こうして各装置は登録するサービスがブロードキャストモードであると認識し、それぞれのMBMSベアラコンテキストに記憶する。具体的には、BM−SC10はMBMSベアラコンテキスト124のモードにブロードキャストと、MBMS GW20はMBMSベアラコンテキスト222のモードにブロードキャストと、MME30はMBMSベアラコンテキスト322のモードにブロードキャストと、eNB40はMBMSベアラコンテキスト422のモードにブロードキャストと登録する。
【0322】
これにより、MBMS登録解除を決定する場合、各装置では、MBMSベアラコンテキストを参照し、ブロードキャストモードである場合にはMBMS登録を解除することができる。さらに、上記の場合において、MBMSベアラコンテキストにおける状態情報がアクティブである場合には、状態情報を「スタンバイ」に変更し、セッション停止やブロードキャストデータ配信、受信停止することができる。
【0323】
さらに、上記の場合において、BM−SC10におけるMBMSベアラコンテキスト124、MBMS GW20におけるMBMSベアラコンテキスト222、MME30におけるMBMSベアラコンテキスト322、eNB40におけるMBMSベアラコンテキスト422におけるそれぞれの状態情報がアクティブである場合には、状態情報をスタンバイに変更し、セッション停止やブロードキャストデータ配信、受信停止することができる。
【0324】
具体的には、eNB40では、ブロードキャストMBMS登録解除要求の送信時(S708)、MBMSベアラコンテキスト422のモードがブロードキャストである場合、MBMS登録解除要求の送信や、MBMS登録解除処理やMBMSベアラの解放やマルチキャストデータ配信、受信停止を行う。
【0325】
MME30では、ブロードキャストMBMS登録解除要求の送信時(S716)、MBMSベアラコンテキスト322のモードがブロードキャストである場合、MBMS登録解除処理やセッション停止を行う。
【0326】
MBMS GW20では、ブロードキャストMBMS登録解除要求の送信時(S724)、MBMSベアラコンテキスト222のモードがブロードキャストである場合、MBMS登録解除要求の送信やMBMSベアラの解放やブロードキャストデータ配信、受信停止を行う。
【0327】
BM−SC10では、ブロードキャストMBMS登録解除要求の受信時(S724)、MBMSベアラコンテキスト124のモードがブロードキャストである場合、MBMS登録解除処理やMBMSベアラの解放やブロードキャストデータ配信停止を行う。
【0328】
従来では、基地局装置(eNB)が主導してMBMS登録を解除することが規定されていたが、基地局装置(eNB)で移動局装置(UE)の受信の要否を確認し、配信の必要がないと検知できた場合に、効率的にMBMS登録を解除することができなかった。
【0329】
本実施形態によれば、基地局装置(eNB)が、移動局装置(UE)の受信の要否の結果に基づいて、MBMS登録解除手続き、セッション停止手続きを行うことができるようになる。また、MBMS登録解除手続きによって、配信先リストから配送先装置を削除するとともに、従来セッション停止で行われていたリソースの解放を併せて行うことが可能になる。さらに、セッション停止に要するセッション停止手続きを省略することができる。
【0330】
また、MBMS登録解除する際に、セッションが停止されていない場合には、MBMS登録解除とともに、セッション停止を行うことにより、再度MBMS登録されない限り、セッションを開始されることがない。
【0331】
例えば、従来手法では、配信元から配信先にセッションを停止する手続きしか規定されておらず、配信先から配信元へセッション停止を要求することができなかった。つまり、基地局装置から配信元へセッション停止を要求することができなかった。さらに、基地局装置から配信元へセッション停止を要求するよう拡張したとしてもセッション停止要求を受けた装置は、配信を止めリソースを一時的に解放することができるが、配信ノードの削除は行わない。
【0332】
そのため、例えば、1)セッションが開始された状態で、2)eNB主導でセッションのみを停止した場合に、3)BM−SC主導で総てのセッションが停止された後に、4)BM−SC主導で総てのセッションが再開された場合には、配信リストに含められた総てのノード(MBMS GW、eNB)に通信リソースが割り当てられてしまい、eNB主導で停止したセッションさえも再開されてしまうという問題があった。
【0333】
しかしながら、MBMS登録解除手続きにより配信リストからの配信先装置の更新を行い、例えば、4)のようにBM−SC主導でセッションが再開された場合にも、不必要なセッションが開始されなくなる。
【0334】
本実施形態によれば、セッションを不必要に開始しないことにより、セッションを開始する場合に必要とする制御情報のやりとりを減らすことができ、セッション開始手続きに要する通信リソースを非効率に利用されることなく、通信リソースを有効に活用することが可能となる。
【0335】
また、MBMS登録解除する際に、セッションが停止されていない場合には、MBMS登録解除とともに、セッション停止を行うことにより、再度MBMS登録されない限り、セッションを開始されることがない。
【0336】
例えば、従来は、1)セッションが開始された状態で、2)eNB主導でセッションのみを停止した場合に、3)BM−SC主導で総てのセッションが停止された後に、4)BM−SC主導で総てのセッションが再開された場合には、配信リストに含められた総てのノード(MBMS GW、eNB)に通信リソースが割り当てられてしまい、eNB主導で停止したセッションさえも再開されてしまっていた。
【0337】
本実施形態においては、MBMS登録解除することによって、上記、3)BM−SC主導で総てのセッションが停止された後に、4)BM−SC主導で総てのセッションが再開された場合においても、不必要にセッション開始されることがない。セッションが開始されないということは、不必要に通信リソースを利用されることがなく、通信リソースを効率的に活用することが可能となる。
【0338】
また、セッションを不必要に開始されないことにより、セッションを開始する場合に必要とする制御情報のやりとりを減らすことができ、セッション開始手続きに要する通信リソースを非効率に利用されることなく、通信リソースを有効に活用することが可能となる。
【0339】
[3.変形例]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【0340】
また、各実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROMやHDDの記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0341】
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等
のいずれであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
【0342】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれるのは勿論である。
【0343】
また、上述した実施形態における各装置の一部又は全部を典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現してもよい。各装置の各機能ブロックは個
別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0344】
10 BM−SC
100 制御部
110 送受信部
120 記憶部
122 MBMSサービスDB
124 MBMSベアラコンテキスト
126 MBMS UEコンテキスト
20 MBMS GW
200 制御部
210 送受信部
220 記憶部
222 MBMSベアラコンテキスト
224 上流コントロールノードDB
226 MBMS UEコンテキスト
30 MME
300 制御部
310 送受信部
320 記憶部
322 MBMSベアラコンテキスト
324 MBMS UEコンテキスト
40 eNB
400 制御部
410 送受信部
420 記憶部
422 MBMSベアラコンテキスト
424 無線フレーム情報
426 MBMS UEコンテキスト
50 UE

【特許請求の範囲】
【請求項1】
BM−SC(Broadcast Multicast Service Center)から、MBMS(Multimedia Broadcast/Multicast Service)ベアラが確立されたMBMS GW(MBMS GateWay)及びMME(Mobility Management Entity)を経由して基地局装置に接続される移動局装置にMBMSベアラサービスによりマルチキャストデータ配信を行う移動通信システムにおいて、
前記MMEは、前記基地局装置をMBMS登録しており、
前記MBMSベアラサービスにおいて、MBMSベアラリソースを割り当てて確立するMBMSベアラの情報がMBMSベアラコンテキストに含まれており、
前記基地局装置は、
前記移動局装置に、サービス識別子を含む確認メッセージを送信し、前記移動局装置からの応答に基づいて、マルチキャストデータ配信を必要としている移動局装置の数をカウントし、前記カウントした数が0の場合には、前記マルチキャストデータのMBMS登録解除要求をMMEに送信することを特徴とする移動通信システム。
【請求項2】
前記サービス識別子には、TMGI(Temporary Mobile Group Identify)を含むことを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。
【請求項3】
前記MMEは、MBMS登録解除要求を受信した場合には、MBMSベアラコンテキストの配信リストから、MBMS登録解除要求を送信した基地局装置を削除することを特徴とする請求項1又は2に記載の移動通信システム。
【請求項4】
前記基地局装置は、MBMS登録解除要求をMMEに送信するのと併せて、MBMSベアラリソースを解放することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の移動通信システム。
【請求項5】
前記MMEは、前記MBMSベアラコンテキストの配信リストに含まれる前記基地局装置が無くなった場合には、MBMSベアラコンテキストに対応づけられるMBMS登録解除要求をMBMS GWに送信し、
MBMS GWは、MBMSベアラコンテキスト内の配信リストからMBMS登録解除要求を送信した基地局装置を削除することを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の移動通信システム。
【請求項6】
前記MBMS GWは、前記MBMSベアラコンテキストの配信リストに含まれるマルチキャストデータ配信を行う前記基地局装置が無くなった場合には、MBMSベアラコンテキストに対応づけられるMBMS登録解除要求をBM−SCに送信し、
BM−SCは、MBMSベアラコンテキスト内の配信リストからMBMS登録解除要求を送信したMBMS GWを削除することを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の移動通信システム。
【請求項7】
BM−SC(Broadcast Multicast Service Center)から、MBMS(Multimedia Broadcast/Multicast Service)ベアラが確立されたMBMS GW(MBMS GateWay)及びMME(Mobility Management Entity)を経由して基地局装置に接続される移動局装置にMBMSベアラサービスによりブロードキャストデータ配信を行う移動通信システムにおいて、
前記MMEは、前記基地局装置をMBMS登録しており、
前記MBMSベアラサービスにおいて、MBMSベアラリソースを割り当てて確立するMBMSベアラの情報がMBMSベアラコンテキストに含まれており、
前記基地局装置は、
前記移動局装置に、サービス識別子を含む確認メッセージを送信し、前記移動局装置からの応答に基づいて、ブロードキャストデータ配信を必要としている移動局装置の数をカウントし、前記カウントした数が0の場合には、前記ブロードキャストデータのMBMS登録解除要求をMMEに送信することを特徴とする移動通信システム。
【請求項8】
前記サービス識別子には、TMGI(Temporary Mobile Group Identify)を含むことを特徴とする請求項7に記載の移動通信システム。
【請求項9】
前記MMEは、MBMS登録解除要求を受信した場合には、MBMSベアラコンテキストの配信リストから、MBMS登録解除要求を送信した基地局装置を削除することを特徴とする請求項7又は8に記載の移動通信システム。
【請求項10】
前記基地局装置は、MBMS登録解除要求をMMEに送信するのと併せて、セッションを停止要求を含めて送信することを特徴とする請求項7から9の何れか一項に記載の移動通信システム。
【請求項11】
前記MMEは、前記MBMSベアラコンテキストの配信リストに含まれるブロードキャストデータ配信を行う前記基地局装置が無くなった場合には、MBMSベアラコンテキストに対応づけられるMBMS登録解除要求をMBMS GWに送信し、
MBMS GWは、MBMSベアラコンテキスト内の配信リストからMBMS登録解除要求を送信した基地局装置を削除することを特徴とする請求項7から10の何れか一項に記載の移動通信システム。
【請求項12】
前記MBMS GWは、前記MBMSベアラコンテキストの配信リストに含まれるブロードキャストデータ配信を行う基地局装置が無くなった場合には、MBMSベアラコンテキストに対応づけられるMBMS登録解除要求をBM−SCに送信し、
BM−SCは、MBMSベアラコンテキスト内の配信リストからMBMS登録解除要求を送信したMBMS GWを削除することを特徴とする請求項7から11の何れか一項に記載の移動通信システム。
【請求項13】
BM−SC(Broadcast Multicast Service Center)から、MBMS(Multimedia Broadcast/Multicast Service)ベアラが確立されたMBMS GW(MBMS GateWay)及びMME(Mobility Management Entity)を経由して基地局装置に接続される移動局装置にMBMSベアラサービスによりマルチキャストデータ配信を行う移動通信システムに接続される基地局装置において、
前記MBMSベアラサービスにおいて、MBMSベアラリソースを割り当てて確立するMBMSベアラの情報がMBMSベアラコンテキストに含まれており、
前記基地局装置において、マルチキャストデータ配信を必要としている移動局装置がいない場合に送信されるマルチキャストデータのMBMS登録解除要求をMMEに送信することを特徴とする基地局装置。
【請求項14】
BM−SC(Broadcast Multicast Service Center)から、MBMS(Multimedia Broadcast/Multicast Service)ベアラが確立されたMBMS GW(MBMS GateWay)及びMME(Mobility Management Entity)を経由して基地局装置に接続される移動局装置にMBMSベアラサービスによりブロードキャストデータ配信を行う移動通信システムに接続される基地局装置において、
前記MBMSベアラサービスにおいて、MBMSベアラリソースを割り当てて確立するMBMSベアラの情報がMBMSベアラコンテキストに含まれており、
前記移動局装置に、サービス識別子を含む確認メッセージを送信し、前記移動局装置からの応答に基づいて、ブロードキャストデータ配信を必要としている移動局装置の数をカウントし、前記カウントした数が0の場合には、前記ブロードキャストデータのMBMS登録解除要求をMMEに送信することを特徴とする基地局装置。
【請求項15】
BM−SC(Broadcast Multicast Service Center)から、MBMS(Multimedia Broadcast/Multicast Service)ベアラが確立されたMBMS GW(MBMS GateWay)及びMME(Mobility Management Entity)を経由して基地局装置に接続される移動局装置にMBMSベアラサービスによりマルチキャストデータ配信を行う移動通信システムに接続されるMMEにおいて、
前記基地局装置をMBMS登録しており、
前記MBMSベアラサービスにおいて、MBMSベアラリソースを割り当てて確立するMBMSベアラの情報がMBMSベアラコンテキストに含まれており、
前記基地局装置から、マルチキャストデータ配信を必要としている移動局装置が無くなった場合に送信されるマルチキャストデータのMBMS登録解除要求を受信し、
前記MBMS登録解除要求を受信した場合には、MBMSベアラコンテキストの配信リストから、MBMS登録解除要求を送信した基地局装置を削除することを特徴とするMME。
【請求項16】
BM−SC(Broadcast Multicast Service Center)から、MBMS(Multimedia Broadcast/Multicast Service)ベアラが確立されたMBMS GW(MBMS GateWay)及びMME(Mobility Management Entity)を経由して基地局装置に接続される移動局装置にMBMSベアラサービスによりブロードキャストデータ配信を行う移動通信システムに接続されるMMEにおいて、
前記基地局装置をMBMS登録しており、
前記MBMSベアラサービスにおいて、MBMSベアラリソースを割り当てて確立するMBMSベアラの情報がMBMSベアラコンテキストに含まれており、
前記基地局装置から、ブロードキャストデータ配信を必要としている移動局装置が無くなった場合に送信されるブロードキャストデータのMBMS登録解除要求を受信し、
前記MBMS登録解除要求を受信した場合には、MBMSベアラコンテキストの配信リストから、MBMS登録解除要求を送信した基地局装置を削除することを特徴とするMME。
【請求項17】
前記請求項1から12の何れか一項に記載の移動通信システムに接続されることを特徴とする移動局装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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